JP2023135165A - ポリウレタンディスパージョン - Google Patents

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達也 山下
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和幸 福田
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Abstract

【課題】布帛を捺染する場合において、発色性、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてにおいて優れるポリウレタンディスパージョンを提供すること。【解決手段】ポリウレタンディスパージョンは、ポリウレタン樹脂が水分散されてなる。ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物である。イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物である。ポリウレタン樹脂の酸価は、4.0mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下である。ポリウレタン樹脂における、ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、2.5質量%以上7.5質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリウレタンディスパージョンに関する。
従来、インクジェット法を用いて、ノズルからインク組成物の液滴を吐出して、布帛を捺染することが知られている。インク組成物は、例えば、色材と、色材を分散させる樹脂とを含む。
このような樹脂として、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてなるポリウレタン樹脂と水とを含有するポリウレタン樹脂水性分散体であって、ポリウレタン樹脂がカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基並びに側鎖にエチレンオキサイド単位を有するポリウレタン樹脂であり、ポリウレタン樹脂中の側鎖のエチレンオキサイド単位の含有量、およびポリウレタン樹脂中のカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基の構成単位の含有量が、所定の割合であるポリウレタン樹脂水性分散体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2021-165353号公報
一方、布帛(とりわけ、化学繊維)を捺染する場合には、布帛とインク組成物との相互作用を向上させるために、布帛を前処理する場合がある。
布帛を前処理すれば、布帛とインク組成物との相互作用によって、インク組成物が布帛の表面において凝集するため、インク組成物の布帛内に対する染み込みが抑制される。これにより、布帛の表面において、色濃度が高くなる(発色性が向上する)。一方、インク組成物の布帛内に対する染み込みが抑制されると、布帛とインク組成物との密着性が低下する。つまり、発色性と密着性とは、背反関係(トレードオフ関係)を有する。
また、布帛(とりわけ、化学繊維)の捺染においては、発色性および密着性の他に、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性が要求される。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタンディスパージョン(ポリウレタン樹脂水性分散体)では、発色性、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてを満足できないという不具合がある。
本発明は、発色性、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてにおいて優れる、ポリウレタンディスパージョンを提供する。
本発明[1]は、ポリウレタン樹脂が水分散されてなるポリウレタンディスパージョンであって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物であり、前記イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物であり、前記ポリウレタン樹脂の酸価は、4.0mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下であり、前記ポリウレタン樹脂における、前記ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、2.5質量%以上7.5質量%以下である、ポリウレタンディスパージョンである。
本発明[2]は、ポリウレタンディスパージョンの乾燥物の破断伸びが、550%以上1200%以下である、上記[1]に記載のポリウレタンディスパージョンを含んでいる。
本発明[3]は、前記ポリイソシアネート成分が、脂環族ポリイソシアネートを含む、上記[1]または[2]に記載のポリウレタンディスパージョンを含んでいる。
本発明[4]は、前記マクロポリオールが、ポリエーテルポリオールを含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリウレタンディスパージョンを含んでいる。
本発明のポリウレタンディスパージョンは、ポリウレタン樹脂が水分散されてなるポリウレタンディスパージョンであって、ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物である。イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物である。ポリウレタン樹脂の酸価は、4.0mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下であり、ポリウレタン樹脂における、前記ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、2.5質量%以上7.5質量%以下である。そのため、本発明のポリウレタンディスパージョンは、発色性、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてにおいて優れる。
図1A~図1Cは、捺染された布帛(捺染物)の模式図を示す。図1Aは、発色性に優れる一方、密着性が低下する捺染物を示す。図1Bは、密着性に優れる一方、発色性が低下する捺染物を示す。図1Cは、発色性および密着性の両立を図る捺染物を示す。
ポリウレタンディスパージョンは、ポリウレタン樹脂が水分散されてなる。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物である。
<イソシアネート基末端プレポリマー>
イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応生成物である。
[ポリイソシアネート成分]
ポリイソシアネート成分は、ポリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートの誘導体を含む。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6-HDI)、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート(1,5-PDI)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2-、2,3-または1,3-ブチレンジイソシアネート、および、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネートとして、好ましくは、脂肪族ジイソシアネート、より好ましくは、1,6-HDIおよび1,5-PDIが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、脂環族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′-、2,4′-または2,2′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)もしくはその混合物(H12MDI)、1,3-または1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(HXDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、および、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネートが挙げられる。脂環族ポリイソシアネートとして、好ましくは、脂環族ジイソシアネート、より好ましくは、IPDI、H12MDI、およびHXDI、さらに好ましくは、IPDI、およびHXDI、特に好ましくは、HXDI、最も好ましくは、1,3-HXDIが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、例えば、4,4′-、2,4′-または2,2′-ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、o-トリジンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m-またはp-フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′-ジフェニルジイソシアネート、および、4,4′-ジフェニルエーテルジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート(1,2-、1,3-または1,4-キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、1,3-または1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、および、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼンが挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネートとして、好ましくは、芳香脂肪族ジイソシアネート、より好ましくは、XDI、さらに好ましくは、1,3-XDIが挙げられる。
ポリイソシアネートとして、好ましくは、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとして、より好ましくは、発色性および洗濯堅牢性を向上させる観点から、脂環族ポリイソシアネート、および、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとして、さらに好ましくは、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
(ポリイソシアネートの誘導体)
ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートの多量体、アロファネート誘導体、ポリオール誘導体、ビウレット誘導体、ウレア誘導体、オキサジアジントリオン誘導体、カルボジイミド誘導体、ウレトジオン誘導体、および、ウレトンイミン誘導体が挙げられる。
ポリイソシアネートの誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
そして、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、ポリイソシアネートの誘導体を含まず、ポリイソシアネートからなる。ポリイソシアネート成分は、より好ましくは、脂環族ポリイソシアネートからなる。
[ポリオール成分]
ポリオール成分は、少なくともポリオールを含む、水酸基含有成分である。
ポリオール成分は、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含む。
(マクロポリオール)
マクロポリオールは、水酸基を分子末端に2つ以上有し、数平均分子量400以上、好ましくは、500以上、また、10000以下、好ましくは、5000以下、より好ましくは、3000以下の化合物である。なお、マクロポリオールの数平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定できる(以下、同様)。
マクロポリオールの平均官能基数は、例えば、2以上、また、例えば、3以下、また、好ましくは、2である。
マクロポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオール、および、ビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。マクロポリオールとして、好ましくは、ポリカーボネートポリオール、および、ポリエーテルポリオール、より好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオール、および、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオールとしては、例えば、後述する低分子量ポリオールや、公知の低分子量ポリアミンなどを開始剤とする、炭素数2~3のアルキレンオキサイドの付加重合物が挙げられる。
炭素数2~3のアルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオールとして、具体的には、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのランダムおよび/またはブロック共重合体が挙げられる。なお、ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオールとして、ポリオキシエチレンポリオールは、好ましくは含まない。
また、ポリオキシアルキレン(炭素数2~3)ポリオールとしては、さらに、ポリトリメチレンエーテルグルコールも含まれる。
ポリトリメチレンエーテルグリコールとしては、例えば、植物成分由来の1,3-プロパンジオールの重縮合反応により得られるグリコールが挙げられる。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物(ポリテトラメチレンエーテルグリコール(結晶性))、例えば、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフラン、または2価アルコール(後述)を共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとして、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとして、より好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。
マクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
マクロポリオールの配合割合は、ポリオール成分の総量100質量部に対して、例えば、70質量部以上、好ましくは、80質量部以上、より好ましくは、85質量部以上、さらに好ましくは、90質量部以上、また、例えば、98質量部以下である。
(アニオン性基含有活性水素化合物)
アニオン性基含有活性水素化合物は、1つ以上のアニオン性基と、2つ以上の活性水素基とを含有する化合物である。
アニオン性基としては、例えば、カルボキシ基(カルボン酸基)、および、スルホ基(スルホン酸基)が挙げられ、好ましくは、カルボキシ基が挙げられる。また、活性水素基としては、例えば、水酸基およびアミノ基が挙げられ、好ましくは、水酸基が挙げられる。すなわち、アニオン性基含有活性水素化合物として、好ましくは、カルボキシ基と2つ以上の水酸基とを併有する有機化合物が挙げられる。
カルボキシ基と2つ以上の水酸基とを併有する有機化合物としては、例えば、カルボキシ基含有ポリオールが挙げられる。カルボキシ基含有ポリオールとしては、例えば、ポリヒドロキシアルカン酸が挙げられる。ポリヒドロキシアルカン酸としては、ジヒドロキシアルカン酸が挙げられる。ジヒドロキシアルカン酸としては、例えば、2,2-ジメチロール酢酸、2,2-ジメチロール乳酸、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)(別名:ジメチロールプロピオン酸)、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸および2,2-ジメチロール吉草酸が挙げられる。
アニオン性基含有活性水素化合物としては、後述するポリウレタン樹脂の酸価を、所定の範囲にし、ウレタン樹脂の良好な分散安定性を保持する観点から、好ましくは、カルボキシ基含有ポリオール、より好ましくは、ポリヒドロキシアルカン酸、さらに好ましくは、ジヒドロキシアルカン酸、特に好ましくは、2,2-ジメチロールプロピオン酸(DMPA)が挙げられる。
アニオン性基含有活性水素化合物は、単独使用または2種類以上併用できる。
アニオン性基含有活性水素化合物の配合割合は、ポリオール成分の総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、より好ましくは、1質量部以上、さらに好ましくは、1.25質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下、より好ましくは、2.5質量部以下、さらに好ましくは、2質量部以下である。
アニオン性基含有活性水素化合物を、上記配合割合を、上記した範囲内とすることで、後述するポリウレタン樹脂の酸価を、所定の範囲にし、ウレタン樹脂の良好な分散安定性を保持する。
(ポリオキシエチレン含有モノオール)
ポリオキシエチレン含有モノオールは、少なくとも4つ連続したオキシエチレン基(エチレンオキシド基)と、1つの水酸基とを含有する化合物である。
ポリオキシエチレン含有モノオールとしては、例えば、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールが挙げられる。
片末端を封止するためのアルキル基としては、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好ましくは、炭素数1~2のアルキル基(メチル基またはエチル基)、特に好ましくは、炭素数1のアルキル基(メチル基)が挙げられる。
片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールとしては、例えば、炭素数1~4のアルキル基で片末端封止したアルコキシポリオキシエチレングリコール(ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル)が挙げられる。炭素数1~4のアルキル基で片末端封止したアルコキシポリオキシエチレングリコールとしては、例えば、メトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリ(オキシエチレン)メチルエーテル)、エトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリ(オキシエチレン)エチルエーテル)が挙げられる。
ポリオキシエチレン含有モノオールとして、好ましくは、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコール、より好ましくは、炭素数1~4のアルキル基で片末端封止したポリオキシエチレングリコール、さらに好ましくは、メトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリ(オキシエチレン)メチルエーテル)、エトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリ(オキシエチレン)エチルエーテル)、特に好ましくは、メトキシポリオキシエチレンモノオールが挙げられる。
このようなポリオキシエチレン含有モノオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
このようなポリオキシエチレン含有モノオールの数平均分子量は、例えば、200以上、好ましくは、300以上、より好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上であり、また、例えば、2000以下、好ましくは、1500以下、より好ましくは、1000以下である。なお、ポリオキシエチレン含有モノオールの数平均分子量(ポリスチレン換算)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定できる(以下、同様)。
ポリオキシエチレン含有モノオールは、ポリオール成分の総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上、より好ましくは、3質量部以上、さらに好ましくは、3.5質量部以上、とりわけ好ましくは、3.7質量部以上、特に好ましくは、4.0質量部以上、最も好ましくは、6.0質量部以上、また、例えば、11.5質量部未満、好ましくは、11.0質量部以下、より好ましくは、10.0質量部以下、さらに好ましくは、9.0質量部以下、とりわけ好ましくは、8.0質量部以下、特に好ましくは、7.5質量部以下、最も好ましくは、7.4質量部以下である。
ポリウレタン樹脂における、ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量(ポリオキシエチレン繰返単位の含有量)は、例えば、2.5質量%以上、好ましくは、2.75質量%以上、より好ましくは、3.0質量%以上、さらに好ましくは、5.0質量%以上であり、また、例えば、7.5質量%以下、好ましくは、7.0質量%以下、より好ましくは、6.5質量%以下、さらに好ましくは、6.0質量%以下である。
ポリウレタン樹脂における、ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、上記下限未満であると、ポリウレタン樹脂の水分散に劣る。
ポリウレタン樹脂における、ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、上記上限を超過すると、発色性に劣る。
(低分子量ポリオール)
また、ポリオール成分は、低分子量ポリオール(アニオン性基含有活性水素化合物を除く)を含むこともできる。
低分子量ポリオールは、水酸基を分子末端に2つ以上有し、数平均分子量40以上400未満、好ましくは、300以下の化合物である。
低分子量ポリオールの官能基は、例えば、2以上、また、例えば、3以下である。低分子量ポリオールの官能基は、好ましくは、2である。
低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、および3価アルコールが挙げられる。
2価アルコールとしては、例えば、炭素数2~6のアルカンジオール、およびエーテルジオールが挙げられる。
炭素数2~6のアルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-または1,3-プロパンジオールもしくはその混合物)、ブチレングリコール(1,2-または1,3-または1,4-ブタンジオールもしくはその混合物)、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、およびネオペンチルグリコールが挙げられる。
炭素数2~6のエーテルジオールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、および、ジプロピレングリコールが挙げられる。
3価アルコールとしては、例えば、グリセリン、およびトリメチロールプロパンが挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、好ましくは、2価アルコール、さらに好ましくは、炭素数2~6のアルカンジオールが挙げられる。
ポリオール成分は、好ましくは、低分子量ポリオールを含まず、マクロポリオール(好ましくは、ポリオキシエチレンポリオールを除く)、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含む。ポリオール成分は、より好ましくは、マクロポリオール(好ましくは、ポリオキシエチレンポリオールを除く)、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールからなる。
[イソシアネート基末端プレポリマーの調製]
イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させることにより得られる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させる方法としては、公知の重合方法(例えば、バルク重合および溶液重合)が選択され、好ましくは、反応性および粘度の調整がより容易な観点から、溶液重合が選択される。
溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、有機溶媒(溶剤)に、上記成分を配合して、反応させる。
この反応において、ポリオール成分中の水酸基に対するポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)は、1を超過し、例えば、1.1以上、好ましくは、1.2以上、例えば、2.5以下、好ましくは、2.0以下である。このような場合において得られる反応生成物の末端官能基は、イソシアネート基である。つまり、イソシアネート基末端プレポリマーが得られる。
反応条件として、反応温度は、例えば、20℃以上、また、例えば、90℃以下である。また、反応時間は、1時間以上、また、例えば、20時間以下である。
有機溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性で、かつ、親水性に富む、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、および、N-メチルピロリドンが挙げられる。有機溶媒として、好ましくは、アセトニトリルが挙げられる。
また、上記重合では、必要に応じて、例えば、反応触媒(例えば、アミン系、スズ系、チタン系、および、鉛系)を添加してもよい。
また、上記反応において、未反応のポリイソシアネート成分を、例えば、蒸留や抽出などの公知の方法により、除去することもできる。
これにより、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応生成物であるイソシアネート基末端プレポリマーが得られる。
なお、溶液重合によって、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させる場合には、イソシアネート基末端プレポリマーは、イソシアネート基末端プレポリマーおよび有機溶媒を含む反応液として得られる。
そして、イソシアネート基末端プレポリマーは、その分子末端に、少なくとも1つ(好ましくは、複数、さらに好ましくは、2つまたは1つ)の遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーである。そのイソシアネート基の含有量(溶剤を除いた固形分換算のイソシアネート基含量、すなわち、イソシアネート基濃度)は、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、1.0質量%以上、より好ましくは、1.5質量%以上、また、例えば、5質量%以下、好ましくは、4質量%以下、より好ましくは、3質量%以下、さらに好ましくは、2質量%以下である。
また、反応生成物に含まれているアニオン性基を、好ましくは、中和剤を添加して中和し、アニオン性基の塩を形成させる。
中和剤としては、慣用の塩基が挙げられ、例えば、有機塩基、無機塩基が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、3級アミン、および2級アミンが挙げられる。3級アミンとしては、例えば、トリアルキルアミン、アルカノールアミンが挙げられる。トリアルキルアミンとしては、例えば、炭素数1~4のトリアルキルアミンが挙げられる。炭素数1~4のトリアルキルアミンとしては、例えば、トリメチルアミン、およびトリエチルアミンが挙げられる。アルカノールアミンとしては、例えば、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびトリイソプロパノールアミンが挙げられる。2級アミンとしては、例えば、複素環式アミンが挙げられる。複素環式アミンとしては、例えば、モルホリンが挙げられる。無機塩基としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、および水酸化カルシウムが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムが挙げられる。これらの中和剤は、単独使用または2種類以上併用できる。
中和剤として、好ましくは、有機塩基が挙げられ、より好ましくは、3級アミンが挙げられ、さらに好ましくは、トリアルキルアミンが挙げられ、とりわけ好ましくは、トリエチルアミンが挙げられる。すなわち、中和剤は、好ましくは、有機塩基からなり、より好ましくは、3級アミンからなり、さらに好ましくは、トリアルキルアミンからなり、とりわけ好ましくは、トリエチルアミンからなる。
中和剤は、アニオン性基1当量あたり、0.4当量以上、好ましくは、0.6当量以上の割合で添加し、また、例えば、1.2当量以下、好ましくは、1.1当量以下の割合で添加する。
<鎖伸長剤>
鎖伸長剤としては、例えば、上記した低分子量ポリオール、および、アミノ基含有化合物が挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、例えば、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、および、ヒドラジンまたはその誘導体が挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、および、トリレンジアミンが挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3-または1,4-キシリレンジアミンもしくはその混合物が挙げられる。
脂環族ポリアミンとしては、例えば、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3-および1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよびそれらの混合物が挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、および、1,3-ジアミノペンタンが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、2-((2-アミノエチル)アミノ)エタノール(別名:N-(2-アミノエチル)エタノールアミン)、および、2-((2-アミノエチル)アミノ)-1-メチルプロパノール(別名:N-(2-アミノエチル)イソプロパノールアミン)が挙げられ、好ましくは、2-((2-アミノエチル)アミノ)エタノール(別名:N-(2-アミノエチル)エタノールアミン)が挙げられる。
第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、第1級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、および、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物が挙げられる。第1級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、および、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン)、および、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン(別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン)が挙げられる。第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物として、好ましくは、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
ヒドラジンまたはその誘導体としては、例えば、ヒドラジン(ヒドラジン1水和物を含む)、コハク酸ジヒドラジド、および、アジピン酸ジヒドラジドが挙げられる。ヒドラジンまたはその誘導体として、好ましくは、ヒドラジン1水和物が挙げられる。
鎖伸長剤として、好ましくは、ヒドラジンまたはその誘導体、および、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物が挙げられる。鎖伸長剤として、より好ましくは、ヒドラジンまたはその誘導体が挙げられる。
また、鎖伸長剤は、例えば、水溶液(鎖伸長剤水溶液)として調製することもできる。
鎖伸長剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
(モノアミン)
また、プレポリマーと鎖伸長剤との反応においては、鎖伸長剤とともに、任意的に、モノアミンを併用してもよい。
モノアミンは、1つのアミノ基を有する化合物である。モノアミンは、1つのアミノ基を有するため、後述する鎖伸長反応における反応停止剤である。
モノアミンとしては、例えば、アルキルアミン、および、ジアルキルアミンが挙げられる。アルキルアミンとしては、2-エチルヘキシルアミン、および、シクロヘキシルアミンが挙げられる。ジアルキルアミンとしては、例えば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、および、ジブチルアミンが挙げられる。
モノアミンとして、好ましくは、ジアルキルアミンが挙げられる。モノアミンとして、より好ましくは、ジエチルアミンが挙げられる。
モノアミンの含有量は、ポリウレタン樹脂に対して、例えば、0質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上、より好ましくは、0.2質量%以上、さらに好ましくは、0.3質量%以上、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、1質量%以下、さらに好ましくは、0.75質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。
モノアミンおよびポリオキシエチレン含有モノオールの総量は、ポリウレタンディスパージョンの樹脂固形分に対して、例えば、0.001mmol/g以上、好ましくは、0.01mmol/g以上、より好ましくは、0.02mmol/g以上、さらに好ましくは、0.03mmol/g以上、また、例えば、1mmol/g以下、好ましくは、0.5mmol/g以下、より好ましくは、0.2mmol/g以下、さらに好ましくは、0.15mmol/g以下、特に好ましくは、0.12mmol/g以下である。
好ましくは、鎖伸長剤とともに、モノアミンを併用しない。
<ポリウレタン樹脂の調製>
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤と、必要によりモノアミンとを反応させることにより得られる。
詳しくは、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤と、必要によりモノアミンとを、例えば、水中で反応させ、ポリウレタン樹脂(ポリウレタンディスパージョン)を得る。
そして、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤と、必要によりモノアミンとを水中で反応させるには、例えば、まず、水に、イソシアネート基末端プレポリマーを添加することにより、イソシアネート基末端プレポリマーを水分散させ、次いで、それに、鎖伸長剤と、必要によりモノアミンとを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖伸長剤により鎖伸長する。
イソシアネート基末端プレポリマーを水分散させるには、イソシアネート基末端プレポリマー100質量部に対して、水(水分散水と称する場合がある。)50~1000質量部の割合において、水を攪拌下、イソシアネート基末端プレポリマーを添加する。
その後、鎖伸長剤は、イソシアネート基末端プレポリマーが水分散された水中に、攪拌下、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対する鎖伸長剤の活性水素基(アミノ基および水酸基の合計)の当量比(活性水素基/イソシアネート基)が、例えば、0.5以上1.5以下の割合となるように、滴下する。
また、必要によりモノアミンを添加する場合は、鎖伸長剤とともに、上記した割合でモノアミンを添加する。モノアミンの配合割合に応じて、ポリウレタン樹脂の分子量を調整できる。
また、上記した鎖伸長剤水溶液を添加する場合には、鎖伸長剤、および必要によりモノアミンが、同時または順次に添加される。
なお、上記とは逆に、水をイソシアネート基末端プレポリマー中に添加して、イソシアネート基末端プレポリマーを水分散させ、次いで、それに、鎖伸長剤、および必要によりモノアミンを添加して、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖伸長剤により鎖伸長することもできる。
また、この方法では、必要に応じて、有機溶媒や水を除去することができ、さらには、水を添加して固形分濃度を調整することもできる。
これにより、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖伸長剤により鎖伸長する。これにより、水分散液(ポリウレタンディスパージョン)として調製されたポリウレタン樹脂を得る。
ポリウレタン樹脂の酸価は、例えば、4.0mgKOH/g以上、好ましくは、4.25mgKOH/g以上、より好ましくは、4.5mgKOH/g以上、さらに好ましくは、4.6mgKOH/g以上、また、例えば、10.0mgKOH/g以下、好ましくは、9.5mgKOH/g以下、より好ましくは、9.2mgKOH/g以下、さらに好ましくは、9.0mgKOH/g以下、特に好ましくは、6.0mgKOH/g以下、最も好ましくは、5.0mgKOH/g以下である。
上記酸価は、例えば、アニオン性基(好ましくは、カルボキシ基)含有活性水素基含有化合物の配合割合を調整することによって、上記範囲に調整される。
上記酸価が、上記下限以上であれば、布帛(後述)を捺染する場合において、発色性が向上し(つまり、布帛(後述)の表面において、色濃度が高くなり)、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性において優れる。
一方、上記酸価が、上記下限未満であれば、布帛(後述)を捺染する場合において、発色性が低下する。
また、上記酸価が、上記上限以下であれば、布帛(後述)を捺染する場合において、密着性が向上し、発色性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性において優れる。
一方、上記酸価が、上記上限を超過すると、布帛(後述)を捺染する場合において、密着性が低下する。
上記酸価は、原料成分の仕込み比から算出する。
ポリウレタンディスパージョンの固形分濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
ポリウレタンディスパージョンの乾燥物の破断伸びは、例えば、550%以上、好ましくは、600%以上、より好ましくは、650%以上、さらに好ましくは、700%以上、特に好ましくは、725%以上、最も好ましくは、750%以上、さらに最も好ましくは、800%以上であり、また、例えば、1200%以下、好ましくは、1100%以下、より好ましくは、1090%以下、さらに好ましくは、1050%以下、特に好ましくは、1020%以下、最も好ましくは、1000%以下、さらに最も好ましくは、950%以下である。
破断伸びは、後述の実施例の引張試験に準ずる。
<ポリウレタンディスパージョンの使用>
ポリウレタンディスパージョンは、インク組成物において、色材を分散させる樹脂として、好適に用いられる。
インク組成物は、布帛を捺染するための原料である。
布帛としては、例えば、天然繊維および化学繊維が挙げられる。天然繊維としては、例えば、綿、絹、羊毛、麻が挙げられる。化学繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、および、ポリアミド繊維が挙げられる。
インク組成物は、色材と、上記ポリウレタンディスパージョンとを含む。
色材は、染料および顔料を含む。色材としては、特に限定されず、公知の色材を用いることができる。
ポリウレタンディスパージョンは、インク組成物において、色材を分散させる成分である。
ポリウレタンディスパージョンの配合割合は、色材100質量部に対して、例えば、300質量部以上、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、700質量部以下である。
そして、インク組成物は、色材およびポリウレタンディスパージョンを混合することにより調製される。
また、インク組成物には、必要により、公知の添加剤(例えば、保湿剤(エチレングリコールなど)、浸透剤、キレート剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、および粘度調整剤)を配合することもできる。つまり、インク組成物は、必要により、公知の添加剤を含む。
また、インク組成物は、水および/または有機溶剤(例えば、エチレングリコール)で希釈することもできる。
次いで、このインク組成物を用いて、布帛を捺染する方法について、詳述する。
インク組成物を用いて、布帛を捺染するには、まず、布帛を前処理する。布帛を前処理しなければ、布帛とインク組成物との相互作用が弱く、インク組成物が布帛内に染み込み、その結果、発色性が低下する。とりわけ、布帛が化学繊維である場合には、天然繊維と比べて、上記の相互作用が弱いため、上記した発色性の低下が顕著となる。
一方、布帛を前処理すれば、布帛とインク組成物との相互作用によって、インク組成物が布帛の表面において凝集するため、インク組成物の布帛内に対する染み込みが抑制される。これにより、発色性が向上する。
布帛を前処理するには、布帛を前処理剤で処理する。
前処理剤としては、例えば、有機酸およびその塩(例えば、酢酸、および酢酸ナトリウム)、多価金属塩、および、カチオン性化合物が挙げられる。前処理剤としては、好ましくは、有機酸が挙げられる。前処理剤は、水溶液として調製することもできる。
布帛を前処理剤で処理するには、布帛に、前処理剤を塗布する。布帛に前処理剤を塗布する方法としては、公知の方法(例えば、スプレー法)が選択される。
次いで、インク組成物を布帛に塗布する。インク組成物を布帛に塗布する方法としては、公知の方法(例えば、スプレー法、インクジェット法)が選択される。これにより、インク組成物を布帛に塗布する。
次いで、必要により、布帛にオーバーコート剤を塗布する。
オーバーコート剤としては、例えば、公知のブロックイソシアネートの水分散液などが挙げられる。
オーバーコート剤を、塗布する方法としては、公知の方法(例えば、スプレー法、インクジェット法)が選択される。
次いで、布帛(インク組成物が塗布された布帛)を加熱する。
加熱温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上、また、例えば、120℃以下である。また、加熱時間は、例えば、1分以上、好ましくは、5分以上、また、例えば、60分以下、好ましくは、40分以下、より好ましくは、30分以下である。
これにより、布帛が捺染される(つまり、捺染物が得られる。)。
インク組成物は、上記したポリウレタンディスパージョンを含むため、発色性、密着性、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてにおいて優れる捺染物を製造することができる。
<作用効果>
ポリウレタンディスパージョンにおいて、イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物であり、ポリウレタン樹脂の酸価と、ポリウレタン樹脂のポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量とが、所定の範囲である。そのため、布帛を捺染する場合において、発色性および密着性に優れる。
発色性と密着性とは、背反関係(トレードオフ関係)を有する。
詳しくは、図1Aに示すように、布帛1を捺染する場合において、ポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)の大部分が、布帛1の表面3に留まると、布帛1の表面3において色濃度が高くなり、発色性が向上する。一方、このような場合には、ポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)は、布帛1内に、ほとんど染み込んでいないため、布帛1とポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)との間の密着性が低下する。
また、図1Bに示すように、ポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)の大部分が、布帛1内に、染み込むと密着性が向上する。一方、このような場合には、ポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)が、布帛1の表面3に、ほとんど存在しないため、発色性が低下する。
そのため、発色性および密着性の両立を図るためには、布帛1の表面3に留まるポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)と、布帛1内に染み込むポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)とを調整することが検討される。具体的には、図1Cに示すように、ポリウレタンディスパージョン2(具体的には、ポリウレタンディスパージョン2を含むインク組成物)を、布帛1の表面3に残存しつつ、かつ、布帛1の表面3に染み込む程度に調整する。
そして、このポリウレタンディスパージョンでは、イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物であり、ポリウレタン樹脂の酸価と、ポリウレタン樹脂のポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量とを、所定の範囲に調整することで、図1Cに示すような調整を図ることができる。その結果、発色性および密着性の両立を図ることができる。
具体的には、ポリウレタン樹脂の酸価が高くなると、布帛における前処理剤(好ましくは、有機酸イオン)との相互作用によって、布帛の表面で、ポリウレタンディスパージョン(具体的には、ポリウレタンディスパージョンを含むインク組成物)が凝集しやすくなる。そうすると、発色性を向上できる一方、密着性が低下する傾向がある。
一方、ポリウレタン樹脂の酸価が低くなると、布帛における前処理剤(好ましくは、有機酸イオン)との相互作用によって、ポリウレタンディスパージョン(具体的には、ポリウレタンディスパージョンを含むインク組成物)が、凝集しにくくなる。その結果、ポリウレタンディスパージョン(具体的には、ポリウレタンディスパージョンを含むインク組成物)が、布帛内に染み込みやすくなる。そうすると、密着性を向上できる一方、発色性が低下する傾向がある。
そして、このポリウレタンディスパージョンでは、酸価が、所定の範囲に調整されているため、発色性および密着性の両立を図ることができる。
また、ポリオキシエチレン鎖(少なくとも4つ連続したオキシエチレン基)はウレタン樹脂の分散安定性を上げる。このため、ウレタン樹脂の凝集を緩和し、染み込みやすくなる。その結果、ポリウレタンディスパージョン(具体的には、ポリウレタンディスパージョンを含むインク組成物)が、布帛内に染み込みやすくなる。そうすると、密着性を向上できる一方、発色性が低下する傾向がある。
一方、ポリウレタン樹脂のポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が低くなると、親水性が低下し、ポリウレタンディスパージョン(具体的には、ポリウレタンディスパージョンを含むインク組成物)の分散が、不十分となる。
そして、このポリウレタンディスパージョンは、ポリウレタン樹脂のポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、所定の範囲に調整されている。よって、前処理剤と適切に親和し、ポリウレタンディスパージョンの分散も、十分となるため、発色性および密着性の両立を図ることができる。
つまり、このポリウレタンディスパージョンでは、ポリウレタン樹脂の酸価と、ポリウレタン樹脂のポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量とを、所定の範囲に調整することで、発色性および密着性の両立を図ることができる。
さらに、このポリウレタンディスパージョンでは、ポリオール成分として、ポリオキシエチレン含有モノオールを含んでいる。そのため、特許文献1に示すような側鎖にポリオキシエチレン単位を有するポリウレタン樹脂を含むポリウレタンディスパージョンに比べて、ポリウレタン樹脂の主鎖分子量を調整することができ、発色性および密着性に加えて、耐収縮および風合いに優れ、とりわけ、耐収縮に優れる。その結果、このポリウレタンディスパージョンでは、上記のように発色性および密着性の両立を図ることができるとともに、耐収縮、風合い、および洗濯堅牢性のすべてにおいても優れる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<成分の詳細>
XDI:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、商品名「タケネート600」、三井化学社製
IPDI:イソホロンジイソシアネート、VestanatIPDI、エボニック社製
12MDI:メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、商品名「Vestanat H12MDI」、エボニック社製
XDI:1,3-キシリレンジイソシアネート、商品名「タケネート500」、三井化学社製
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート、商品名「タケネート700」、三井化学社製
PDI:1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、商品名「スタビオPDI」、三井化学社製
PTG2000SN:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量:2000)、保土谷化学工業社製
UH-200:ポリカーボネートジオール(数平均分子量:2000)、商品名「ETERNACOLL UH-200」、宇部興産社製
DMPA:2,2-ジメチロールプロピオン酸
メトキシPEG-1000:メトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)(数平均分子量:1000)、東邦化学工業社製
ユニオックスM-550:メトキシポリオキシエチレンモノオール(ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)(数平均分子量:550)、日油社製
Ymer120:側鎖にメトキシポリオキシエチレンを有するジオール(数平均分子量:1000)、パーストープ社製
TEA:トリエチルアミン
D-170N:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート誘導体(ポリイソシアネート化合物 商品名「タケネート(登録商標)D-170N」、固形分100重量%、イソシアネート基含有量20.7%)、三井化学社製
MEK:メチルエチルケトン
DMP:ジメチルピラゾール
<ポリウレタンディスパージョンの調製>
実施例1
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、PTG2000SN(マクロポリオール)230.25質量部(OH(1))を仕込んだ。次いで、HXDI(ポリイソシアネート成分)42.17質量部を添加し、80℃、2時間ウレタン化反応をさせた。この反応液に、DMPA(アニオン性基含有活性水素化合物)3.3質量部(OH(2))、メトキシPEG-1000(ポリオキシエチレン含有モノオール) 18.6質量部(OH(2))、および、アセトニトリル39.95質量部(アセトニトリル(1))を添加し、NCO濃度が、1.71質量%になるまで80℃でウレタン化反応を実施し、イソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート基末端プレポリマーを含む反応液)を得た。
次いで、この反応液に、アセトニトリル183.92質量部(アセトニトリル(2))を添加し、30℃まで冷却した後、トリエチルアミン(TEA)(中和剤)2.44質量部を添加した。次いで、20℃以下まで冷却し、攪拌を続けながらイオン交換水806.45質量部を徐々に添加してイソシアネート基末端プレポリマーを水分散させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーの水分散液を調製した。
次いで、鎖伸長剤水溶液を調製した。具体的には、イオン交換水12.96質量部に、ヒドラジン1水和物3.24質量部を加え、鎖伸長剤水溶液を調製した。
そして、イソシアネート基末端プレポリマーの水分散液に、上記鎖伸長剤水溶液を添加した。このイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対する、鎖伸長剤の活性水素基の当量比(活性水素基/イソシアネート基)は、0.95である。
次いで、50℃減圧下で、アセトニトリルを留去した後、イオン交換水を配合し、ポリウレタンディスパージョン(固形分30質量%)を調製した。
実施例2~13、および、比較例1~7
実施例1と同様の手順に基づいて、ポリウレタンディスパージョン(固形分30質量%)を調製した。ただし、配合処方を、表1および表2に従い変更した。なお、比較例1は、ポリウレタンディスパージョン(PUD)が水分散しなかったため(表2のPUD分散を「×」で示す)、各評価が出来なかった。比較例1以外の、各実施例および各比較例においては、水分散した(表1および2のPUD分散を「〇」で示す)。
<評価>
[酸価]
酸価は、原料成分の仕込み比から算出した。その結果を表1および表2に示す。
[引張物性]
各実施例および各比較例のポリウレタンディスパージョン(PUD)を、乾燥厚み200μmとなるようにポリプロピレン製トレーに塗布し、室温(25℃)で1日乾燥させた後、110℃、1時間加熱して物性測定サンプルを作製した。引張圧縮試験機(Model205N、インテスコ社製)を用いて、23℃、引張速度300mm/分の条件で引張試験し、破断伸び(%)、破断強度(MPa)、および、100%モジュラス(Mo)(MPa)を求めた。その結果を、表1および2に示す。
(試験片(布帛)の作製)
ポリエステルの生地を、30mm×210mmに裁断して、試験片を作製した。
(前処理剤の調製)
酢酸15.0質量部、酢酸ナトリウム20.5質量部、および、イオン交換水64.5質量部を混合し、前処理剤を調製した。
(インク組成物の調製)
各実施例および各比較例のポリウレタンディスパージョン(固形分濃度30質量%)40.0質量部、色材(ダイストーンXカラー ブルーMX、松井色素化学工業所製、有効成分25質量%)8.0質量部、エチレングリコール20.0質量部およびイオン交換水32.0質量部を混合し、インク組成物を調製した。
(ブロックイソシアネート水分散液の調製)
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、D-170N242.17質量部、メトキシPEG-1000 47.72質量部、MEK133.33質量部を仕込んだ。次いで、80℃で、NCO濃度が11.4質量%になるまでウレタン化反応をさせた。
次に、この反応液50℃に冷却し、DMP110.11質量部を、発熱に注意し、冷却しながら徐々に添加した。
次に、50℃で、FT-IR(フーリエ変換赤外線分光法)にてイソシアネートによる吸収が見られなくなるまで反応させた。
次に、この反応液を30℃に冷却し、攪拌しながらイオン交換水600質量部を徐々に添加し水分散させた。
次に、50℃減圧下でMEKを留去した後、イオン交換水で合計1000質量部に調整し、固形分濃度40%のブロックイソシアネート水分散液を得た。
(オーバーコート剤の調製)
ブロックイソシアネート水分散液(固形分濃度40質量%)7.5質量部、および、イオン交換水92.5質量部を混合し、オーバーコート剤を調製した。
(捺染物の作製)
裁断した生地(試験片)に対して、3.5~4.0gの前処理剤をスプレーにて塗布した。次に、約3gのインク組成物をスプレーにて塗布した。次いで、約3gのオーバーコート剤をスプレーにて塗布した。次に、110℃、25分の熱処理をし、捺染物を得た。
[発色性]
捺染物について、発色性を目視にて観測した。発色性について、以下の基準で評価した。その結果を表1および表2に示す。
(基準)
〇:生地上に造膜し、ほぼムラがなかった。
△:若干の色抜け、色むらがあった。
×:生地に浸透し、色が明らかに薄かった。
[密着性]
発色性試験で得られた捺染物に対して、負荷(ひっかきおよび伸縮)を与え、塗膜(インク組成物の乾燥物)の浮き、ワレ、および、剥がれを確認した。密着性について、以下の基準で評価した。その結果を表1および表2に示す。
(基準)
〇:負荷をかけても浮き、ワレ、剥がれがなかった。
△:負荷により浮き、ワレ、剥がれが生じた。
×:浮き、ワレ、剥がれが生じた。
[耐収縮]
捺染物について、耐収縮を目視にて観測した。耐収縮について、以下の基準で評価した。その結果を表1および表2に示す。
(基準)
〇:収縮がなかった。
△:わずかに収縮があった。
×:収縮があった。
[風合い]
捺染物を、触手にて観察した。風合いについて、以下の基準で評価した。その結果を表1および表2に示す。
(基準)
〇:柔軟性があった。
△:やや硬さが感じられた。
×:硬かった。
[洗濯堅牢性]
捺染物を、以下の条件で10回洗濯した。
(洗濯条件)
洗濯:AW-F42S(パルセーター式洗濯機、東芝社製)標準モード
洗剤:洗濯用合成洗剤 ボールドフレッシュピュアクリーン(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン社製)記載の濃度(水45Lに対して洗剤約43g)
乾燥:ED-50(タンブラー式乾燥機、東芝社製)標準モード
その後、捺染物に、負荷(ひっかきおよび伸縮)を与え、塗膜(インク組成物の乾燥物)の浮き、ワレ、および、剥がれを確認した。洗濯堅牢性について、以下の基準で評価した。その結果を表1および表2に示す。
(基準)
〇:負荷をかけても浮き、ワレ、剥がれがなかった。
△:負荷により浮き、ワレ、剥がれが生じた。
×:浮き、ワレ、剥がれが生じた。


Claims (4)

  1. ポリウレタン樹脂が水分散されてなるポリウレタンディスパージョンであって、
    前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤との反応生成物であり、
    前記イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と、
    マクロポリオール、アニオン性基含有活性水素化合物、およびポリオキシエチレン含有モノオールを含むポリオール成分との反応生成物であり、
    前記ポリウレタン樹脂の酸価は、4.0mgKOH/g以上10.0mgKOH/g以下であり、
    前記ポリウレタン樹脂における、前記ポリオキシエチレン含有モノオールのポリオキシエチレン含有量が、2.5質量%以上7.5質量%以下である、
    ポリウレタンディスパージョン。
  2. 前記ポリウレタンディスパージョンの乾燥物の破断伸びが、550%以上1200%以下である、請求項1に記載のポリウレタンディスパージョン。
  3. 前記ポリイソシアネート成分が、脂環族ポリイソシアネートを含む、請求項1または2に記載のポリウレタンディスパージョン。
  4. 前記マクロポリオールが、ポリエーテルポリオールを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリウレタンディスパージョン。
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