JP2023131860A - 液体処理装置 - Google Patents

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Soichiro Miyamoto
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Abstract

【課題】液体の温度が変化しても、紫外線の照度が変化するのを抑制することができる液体処理装置を提供する。【解決手段】液体処理装置100は、下側端部に設けられた底板104aと、上側端部に設けられた天井板104bとを有し、液体が供給される空間を内部に有する容器104と;前記天井板と前記底板との間を延びる少なくとも1つの保護管101と;前記保護管の内部に設けられ、前記天井板と前記底板との間を延び、紫外線を照射可能な少なくとも1つの放電ランプ1と;前記放電ランプの一方の端部の近傍に設けられ、赤外線に対する反射率の高い金属を含む遮熱部とカバーを有する温度制御部8を具備した、液体に紫外線を照射する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、液体処理装置に関する。
水などの液体に紫外線を照射して、液体に含まれている有機物を除去したり、液体を殺菌したりする液体処理装置がある。紫外線による処理を行えば、熱や薬品などによる処理に比べて、処理の対象となる液体をほとんど変質させることがなく、また、多種類の不純物、菌、ウイルスなどの処理に対応することができる。
そのため、紫外線を液体に照射する液体処理装置は、例えば、半導体装置などの電子部品の洗浄工程、飲料水の殺菌や不純物の除去工程、商業用水(漁業用水、農業用水、食品工場用水など)の殺菌や不純物の除去工程、各種工業用水の殺菌や不純物の除去工程などの幅広い技術分野において用いられている。
この様な液体処理装置としては、処理を行う液体中に設けられる保護管と、保護管の内部に設けられ、紫外線を照射する低圧水銀ランプと、を備えた液体処理装置が提案されている。
ここで、低圧水銀ランプを点灯すると、バルブの内部に封入されている水銀の一部が点灯による熱で蒸気化する。蒸気化した水銀に電子が衝突すると、ピーク波長が254nmの紫外線が発生する。この場合、水銀の蒸気圧が低すぎると紫外線の照度が不足し、水銀の蒸気圧が高すぎると発生した紫外線が水銀に吸収されて紫外線の照度が減衰する。そのため、水銀の蒸気圧が適切な範囲内となるようにする必要がある。
水銀の蒸気圧は、点灯中に最も温度が低くなる部分(最冷部)をバルブに設けることで制御することができる。
ところが、液体処理装置に設けられる低圧水銀ランプは、保護管を介して液体中に設けられる。そのため、液体の温度の変化に応じて、最冷部の温度が変化しやすくなる。最冷部の温度の変化量が大きくなると、低圧水銀ランプから照射される紫外線の照度の変化量が大きくなる。
そこで、液体の温度が変化しても、紫外線の照度が変化するのを抑制することができる液体処理装置の開発が望まれていた。
特開2003-144912号公報
本発明が解決しようとする課題は、液体の温度が変化しても、紫外線の照度が変化するのを抑制することができる液体処理装置を提供することである。
実施形態に係る液体処理装置は、液体に紫外線を照射する液体処理装置である。前記液体処理装置は、下側の端部に設けられた底板と、上側の端部に設けられた天井板と、を有し、前記液体が供給される空間を内部に有する容器と;前記天井板と、前記底板と、の間を延びる少なくとも1つの保護管と;前記保護管の内部に設けられ、前記天井板と、前記底板と、の間を延び、紫外線を照射可能な少なくとも1つの放電ランプと;前記放電ランプの一方の端部の近傍に設けられ、赤外線に対する反射率の高い金属を含む遮熱部と;を具備している。前記放電ランプは、筒状を呈し、内部空間に、希ガスと水銀、または、希ガスとアマルガム、が封入されたバルブと;前記バルブの両側の端部のそれぞれに設けらた封止部と;一方の前記封止部に設けられ、前記バルブの内部空間に露出する第1の電極と;他方の前記封止部に設けられ、前記バルブの内部空間に露出する第2の電極と;を有している。前記バルブの内部空間に露出する前記第1の電極の端部と、前記第1の電極が設けられる封止部の端部との間の距離は、前記バルブの内部空間に露出する前記第2の電極の端部と、前記第2の電極が設けられる封止部の端部との間の距離よりも長い。前記遮熱部は、前記バルブの、前記第1の電極が設けられる側の端部の近傍を覆っている。
本発明の実施形態によれば、液体の温度が変化しても、紫外線の照度が変化するのを抑制することができる液体処理装置を提供することができる。
本実施の形態に係る液体処理装置を例示するための模式断面図である。 放電ランプの模式断面図である。 図1における放電ランプの上側の端部の近傍を例示するための模式断面図である。 図1における放電ランプの下側の端部の近傍を例示するための模式断面図である。 距離L1(mm)および距離L2(mm)と、紫外線の照度との関係を例示するためのグラフである。 遮熱部の効果を例示するためのグラフである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る液体処理装置100を例示するための模式断面図である。 なお、図1中の「上」は、重力方向上側を表している。「下」は、重力方向下側を表している。
液体処理装置100は、処理の対象となる液体300に紫外線を照射する。液体300は、例えば、水を含む液体とすることができる。
図1に示すように、液体処理装置100は、例えば、放電ランプ1、保護管101、蓋102、シール部材103、容器104、ホルダ105、シール部材106、供給部107、および排出部108を有する。
放電ランプ1は、低圧水銀ランプとすることができる。この場合、低圧水銀ランプは、ピーク波長が254nmの紫外線を照射するランプとしたり、ピーク波長が185nm及び254nmの紫外線を照射するランプとしたりすることができる。
放電ランプ1は、少なくとも1つ設けることができる。図1に例示をした液体処理装置100には、複数の放電ランプ1が設けられている。放電ランプ1は、保護管101の内部に設けられ、容器104の天井板104bと、底板104aと、の間を延びている。
図2は、放電ランプ1の模式断面図である。
図1および図2に示すように、放電ランプ1は、例えば、バルブ2、封止部3、第1の電極4a、第2の電極4b、ソケット5、リード線6、リード線7、および温度制御部8を有する。
バルブ2は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。バルブ2は、例えば、円筒管である。バルブ2の外径は、例えば、10mm以上、25mm以下である。バルブ2の肉厚は、例えば、1mm程度である。
バルブ2の管軸方向の長さは、液体処理装置100の仕様などに応じて適宜変更することができる。例えば、放電ランプ1の発光長は、後述する容器104の底板104aと天井板104bとの間の距離よりも長くすることができる。
バルブ2の内部空間(放電空間)には、希ガスと水銀、または、希ガスとアマルガム、が封入されている。アマルガムは、例えば、水銀と、ビスマス、インジウム、錫などの金属と、の合金である。水銀またはアマルガムの封入量は、例えば、1mg~300mg程度である。希ガスは、例えば、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンなどの単ガス、あるいは、複数種類の希ガスを混合させた混合ガスとすることができる。
バルブ2の内部空間における25℃の希ガスの圧力(封入圧力)は、例えば、0.1Torr(13.3Pa)以上、10Torr(1333Pa)以下とすることができる。すなわち、放電ランプ1は、低圧水銀ランプである。なお、バルブ2の内部空間における25℃の希ガスの圧力(封入圧力)は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
バルブ2の管軸方向において、封止部3は、バルブ2の両側の端部のそれぞれに設けられている。封止部3を設けることで、バルブ2の内部空間を気密に封止することができる。また、一方の封止部3は第1の電極4aを保持し、他方の封止部3は第2の電極4bを保持している。
バルブ2の内部空間には、第1の電極4a、および第2の電極4bが露出している。第2の電極4bは、第1の電極4aと対向している。図1に示すように、第1の電極4aは、バルブ2の下側の端部に設けられた封止部3に設けられている。第2の電極4bは、バルブ2の上側の端部に設けられた封止部3に設けられている。
図3は、図1における放電ランプ1の上側の端部の近傍を例示するための模式断面図である。
図3に示すように、第2の電極4bは、例えば、ウェルズ4b1、フィラメント4b2、およびエミッタ4b3を有する。
ウェルズ4b1は、線状を呈し、封止部3の内部に一対設けられている。ウェルズ4b1の一方の端部は、封止部3からバルブ2の内部に突出している。ウェルズ4b1の一方の端部は、フィラメント4b2の端部を保持している。ウェルズ4b1の他方の端部は、封止部3の外部に露出している。ウェルズ4b1の他方の端部は、ソケット5を介して、リード線7と電気的に接続されている。
フィラメント4b2は、バルブ2の内部に設けられている。フィラメント4b2は、例えば、タングステンや、レニューム・タングステン合金などを含む線状部材を螺旋状に巻いたものである。なお、フィラメント4b2は、線状部材を巻回したフィラメントを二重巻にした、いわゆるダブルフィラメントとすることもできるし、三重巻にした、いわゆるトリプルフィラメントとすることもできる。
エミッタ4b3は、フィラメント4b2に設けられている。エミッタ4b3は、例えば、仕事関数が低いBaO、SrO、CaOの混合体をフィラメント4b2に塗布することで形成される。また、エミッタ4b3の材料が蒸発するのを抑制するために、ZrOなどを混合体にさらに添加することもできる。エミッタ4b3が設けられていれば、始動電圧や管電圧を低減させることができる。
図4は、図1における放電ランプ1の下側の端部の近傍を例示するための模式断面図である。
図4に示すように、第1の電極4aは、例えば、ウェルズ4a1、フィラメント4b2、およびエミッタ4b3を有する。
ウェルズ4a1は、線状を呈し、封止部3の内部に一対設けられている。ウェルズ4a1の一方の端部は、封止部3からバルブ2の内部に突出している。ウェルズ4a1の一方の端部は、フィラメント4b2の端部を保持している。ウェルズ4a1の他方の端部は、封止部3の外部に露出している。ウェルズ4a1の他方の端部は、ソケット5を介して、リード線6と電気的に接続されている。
図3および図4に示すように、バルブ2の管軸方向において、ウェルズ4a1の長さは、ウェルズ4b1の長さよりも長い。ウェルズ4a1の、封止部3からの突出長さは、ウェルズ4b1の、封止部3からの突出長さよりも長い。そのため、バルブ2の内部空間に露出する第1の電極4aの端部(フィラメント4b2の端部)と、第1の電極4aが設けられる封止部3の端部との間の距離L1(mm)は、バルブ2の内部空間に露出する第2の電極4bの端部(フィラメント4b2の端部)と、第2の電極4bが設けられる封止部3の端部との間の距離L2(mm)よりも長い。
バルブ2の管軸方向において、電極の端部と、この電極が設けられる封止部3の端部との間の距離が長くなれば、バルブ2の、電極の端部と封止部の端部との間の部分の温度が低くなる。そのため、バルブ2の内部において、第1の電極4aの端部と、第1の電極4aが設けられる封止部3との間に最冷部が形成される。なお、最冷部は、放電ランプ1の点灯中において、バルブ2の、最も温度が低くなる部分である。最冷部においては、水銀またはアマルガムを含む蒸気の一部が凝縮して、水銀またはアマルガムが生成される。
また、距離L1(mm)を長くすれば最冷部の温度が下がり、距離L1(mm)を短くすれば最冷部の温度が上がる。そのため、距離L1(mm)により最冷部の温度を制御することで、水銀またはアマルガムを含む蒸気の蒸気圧が適切な範囲内となるようにすることができる。
また、図1に示すように、放電ランプ1の、第1の電極4aが設けられる側の端部は、放電ランプ1の、第2の電極4bが設けられる側の端部よりも重力方向下側に位置していることが好ましい。前述した様に、最冷部においては、水銀またはアマルガムを含む蒸気の一部が凝縮して、水銀またはアマルガムが生成される。そのため、最冷部が重力方向上側に設けられていると、生成された水銀またはアマルガムが最冷部の下方に流出しやすくなる。生成された水銀またはアマルガムが流出すると、水銀またはアマルガムを含む蒸気の蒸気圧が不安定となる。これに対して、最冷部が重力方向下側に設けられていると、生成された水銀またはアマルガムが、最冷部から流出するのを抑制することができる。そのため、水銀またはアマルガムを含む蒸気の蒸気圧を安定させることができる。
図5は、距離L1(mm)および距離L2(mm)と、紫外線の照度との関係を例示するためのグラフである。
図5においては、距離L1(mm)を36mmとしている。
距離L1(mm)と距離L2(mm)との差を小さくし過ぎると、最冷部の温度を安定させるのが困難となる。そのため、図5から分かるように、距離L1(mm)と距離L2(mm)との差を小さくし過ぎると、液体300の温度が変化した際に、紫外線の照度の振れが大きくなる。
本発明者の得た知見によれば、「距離L1(mm)-距離L2(mm)≧10mm」とすれば、最冷部の温度を安定させることができる。そのため、液体300の温度が変化した際に、紫外線の照度の振れが大きくなるのを抑制することができる。
図1および図2に示すように、ソケット5は、1つの封止部3に対して1つ設けられている。ソケット5は、筒状を呈し、封止部3と、封止部3から露出するウェルズ4a1、4b1を覆っている。ソケット5は、例えば、樹脂や、セラミックスなどの絶縁性材料から形成される。
リード線6は、ソケット5を介して、第1の電極4aのウェルズ4a1と電気的に接続されている。すなわち、リード線6は、第1の電極4aのフィラメント4b2と電気的に接続されている。
リード線7は、ソケット5を介して、第2の電極4bのウェルズ4b1と電気的に接続されている。すなわち、リード線7は、第2の電極4bのフィラメント4b2と電気的に接続されている。
リード線6とリード線7は、例えば、高周波電源などと電気的に接続される。高周波電源は、例えば、正弦波を発生させる電源や、パルス電源などである。
高周波電源により、リード線6とリード線7に電圧を印加すると、第1の電極4aのフィラメント4b2と、第2の電極4bのフィラメント4b2との間に放電が生ずる。バルブ2の内部空間において放電が生ずると、放電により発生した電子が、水銀原子と衝突して、ピーク波長が254nmの紫外線、または、ピーク波長が185nm及び254nmの紫外線が放射される。
この場合、例えば、バルブ2の材料が、石英ガラスや、合成石英ガラスなどであれば、ピーク波長が254nmの紫外線、または、ピーク波長が185nm及び254nmの紫外線をバルブ2の外部に照射することができる。
また、例えば、バルブ2の材料が、ピーク波長が185nmの紫外線を吸収し、ピーク波長が254nmの紫外線を透過するガラスであれば、ピーク波長が254nmの紫外線をバルブ2の外部に照射することができる。
ここで、図1に示すように、放電ランプ1は、保護管101を介して、液体300の中に設けられる。そのため、最冷部の温度が液体300の温度の影響を受ける。この場合、処理の対象となる液体300の温度は、5℃~35℃の範囲となる場合が多い。例えば、液体300の温度が低い場合(例えば、5℃の場合)には、最冷部の温度が所定の温度よりも低くなるおそれがある。液体300の温度が高い場合(例えば、35℃の場合)には、最冷部の温度が所定の温度よりも高くなるおそれがある。最冷部の温度の変化量が大きくなると、水銀またはアマルガムを含む蒸気の蒸気圧が適切な範囲から外れて、放電ランプ1から照射される紫外線の照度が低下するおそれがある。
この場合、処理の対象となる液体300の温度がほぼ一定であれば、液体300の温度ごとに、距離L1(mm)を設定することもできる。しかしながら、この様にすると、放電ランプ1の種類が多くなるので、放電ランプ1の在庫管理の繁雑化や製造コストの増大を招くことになる。また、液体300の温度が、液体処理装置100の稼働中に変動した場合には、紫外線の照度が低下するおそれがある。
そこで、放電ランプ1には、温度制御部8が設けられている。図1、図2、および図4に示すように、温度制御部8は、放電ランプ1(バルブ2)の、第1の電極4aが設けられる側の端部の近傍に設けられている。すなわち、温度制御部8は、バルブ2の、最冷部が形成される部分に設けられている。温度制御部8は、バルブ2の外面に設けられ、最冷部と液体300との間の熱伝達を抑制する。
図4に示すように、温度制御部8は、例えば、遮熱部8a、およびカバー8bを有する。
遮熱部8aは、バルブ2の外面に設けられている。遮熱部8aは、バルブ2の、第1の電極4aが設けられる側の端部の近傍を覆っている。遮熱部8aは、封止部3の外面を覆うこともできる。遮熱部8aは、例えば、赤外線に対する反射率の高い金属から形成することができる。遮熱部8aは、例えば、銀、金、銅、アルミニウムなどの金属から形成することができる。この場合、酸化し難いことや、製造コストを考慮すると、遮熱部8aは、アルミニウムから形成することが好ましい。
遮熱部8aが赤外線に対する反射率の高い金属から形成されていれば、遮熱部8aの厚みを薄くしても、最冷部と液体300との間の熱伝達を抑制することができる。例えば、遮熱部8aがアルミニウムを含む場合には、遮熱部8aの厚みを15μm程度とすることができる。
遮熱部8aは、例えば、スパッタリングなどの成膜法を用いて形成することもできるが、アルミニウム箔などの金属箔をバルブ2の外面に巻き付けることもできる。この場合、製造コストの低減や、後述する距離L3(mm)の調整の容易さなどを考慮すると、金属箔をバルブ2の外面に巻き付けることが好ましい。
カバー8bは、筒状を呈し、遮熱部8aの外面を覆っている。カバー8bは、遮熱部8aと密着している。また、カバー8bは、ソケット5の外面の一部を覆うこともできる。遮熱部8aは、厚みの薄い金属膜や金属箔なので、遮熱部8aに外力が加わると、遮熱部8aに損傷が発生したり、遮熱部8aが剥がれたりする場合がある。そのため、カバー8bは、遮熱部8aを保護するために設けられている。
カバー8bは、例えば、樹脂などから形成することができる。カバー8bは、例えば、熱収縮チューブなどを用いて形成することができる。熱収縮チューブを用いてカバー8bを形成すれば、遮熱部8aとソケット5に密着するカバー8bを容易に形成することができる。カバー8bがソケット5に密着していれば、外力などによりカバー8bの位置がずれるのを抑制することができる。そのため、外力などがカバー8bに加わった際に、カバー8bから遮熱部8aが露出したり、遮熱部8aが変形したりするのを抑制することができる。
図6は、遮熱部8aの効果を例示するためのグラフである。
なお、図6は、距離L1(mm)が36mmの場合である。
また、図6中の距離L3(mm)は、遮熱部8aの端部と、第1の電極4aが設けられる封止部3の端部との間の距離である(図4を参照)。
図6から分かるように、遮熱部8aが設けられていれば、液体300の温度が変化しても、放電ランプ1から照射される紫外線の照度が変化するのを抑制することができる。
また、液体300の温度に応じて、距離L3(mm)を調整すれば、紫外線の照度をより高くすることができる。例えば、液体300の温度が20℃の場合には、距離L3(mm)を28mmとすれば、最大照度を得ることができる。
次に、図1に戻って、液体処理装置100に設けられた他の要素について説明する。
放電ランプ1は、液体300の中に直接設けることができない。そのため、図1に示すように、放電ランプ1は保護管101の内部に収納される。
保護管101は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。保護管101は、例えば、円筒管である。保護管101の一方の端部は塞がれ、他方の端部は開口している。保護管101の開口側の端部にはフランジ101aを設けることができる。
保護管101は、天井板104bと、底板104aと、の間を延び、上側の端部(開口側の端部)が天井板104bから上方に突出している。
保護管101の内部空間には、少なくとも1つの放電ランプ1が収納される。図1に例示をした液体処理装置100の場合には、保護管101の内部空間に1つの放電ランプ1が収納されている。保護管101の内部空間に1つの放電ランプ1が収納される場合には、放電ランプ1は、保護管101と略同芯となるように設けることができる。保護管101の寸法は、収納される放電ランプ1(バルブ2)の寸法や数に応じて適宜変更することができる。
保護管101は、容器104の内部空間に設けられる。保護管101は、少なくとも1つ設けることができる。図1に示すように、容器104の内部空間は、液体300が流通する流路となる。そのため、放電ランプ1が、保護管101を介して液体300の中に設けられることになる。
この場合、前述したように、放電ランプ1の発光長は、容器104の底板104aと天井板104bとの間の距離よりも長くなっている。この様にすれば、容器104の中心軸方向において、容器104の内部空間の全域に、放電ランプ1の発光部分が設けられる。そのため、容器104の内部空間の全域において、液体300に紫外線を照射することができるので処理効率が向上する。
放電ランプ1において発生した紫外線は、保護管101を介して液体300に照射される。そのため、保護管101は、紫外線の透過率が高い材料から形成される。例えば、前述したバルブ2の場合と同様に、保護管101は、石英ガラスや、合成石英ガラスなどから形成することができる。
放電ランプ1から液体300に紫外線が照射されると、紫外線により、例えば、液体300に含まれている菌やウイルスの、殺菌や不活性化が行われる。
蓋102は、保護管101の開口を塞いでいる。例えば、蓋102は、保護管101のフランジ101aに取り付けられる。蓋102には厚み方向を貫通する孔が設けられている。放電ランプ1に設けられたリード線6、7は、蓋102に設けられた孔を介して外部に引き出されている。リード線6、7と孔の内壁との間の隙間は、封止材により封止されている。蓋102は、例えば、ステンレスなどの金属や、フッ素樹脂などの樹脂から形成される。
シール部材103は、蓋102と、保護管101(フランジ101a)との間に設けられている。シール部材103は、例えば、Oリングなどである。蓋102とシール部材103を保護管101に取り付けることで、保護管101の内部空間が気密となるように封止される。
ここで、保護管101の内部空間に酸素があると、放電ランプ1から照射された紫外線が減衰するおそれがある。そのため、蓋102とシール部材103により封止された保護管101の内部空間には、窒素ガスや不活性ガスを封入することができる。
容器104は、筒状を呈し、断面寸法(中心軸に直交する方向の長さ)に比べて全長(中心軸方向の長さ)が長い形態を有する。容器104は、例えば、円筒管とすることができる。容器104は、例えば、ステンレスなどの金属から形成される。
容器104の下側の開口は、底板104aにより塞がれている。底板104aと容器104は、例えば、溶接などにより液密に接合される。また、例えば、容器104にフランジを設け、パッキンなどを介して、フランジに底板104aをネジ止めなどすることもできる。底板104aは、板状を呈し、例えば、ステンレスなどの金属から形成される。
底板104aには、厚み方向を貫通する孔104a1を設けることができる。例えば、孔104a1は、底板104aの中央に設けることができる。例えば、孔104a1は、液体300の供給口となる。
また、底板104aには、厚み方向を貫通する孔104a2を設けることができる。孔104a2の内部には、保護管101の、フランジ101aが設けられた側とは反対側の端部の近傍が設けられる。そのため、孔104a2の数は、保護管101の数と同じとすることができる。
容器104の上側の開口は、天井板104bにより塞がれている。天井板104bと容器104は、例えば、溶接などにより液密に接合される。また、例えば、容器104にフランジを設け、パッキンなどを介して、フランジに天井板104bをネジ止めなどすることもできる。天井板104bは、板状を呈し、例えば、ステンレスなどの金属から形成される。
天井板104bには、厚み方向を貫通する孔104b1を設けることができる。例えば、孔104b1は、天井板104bの中央に設けることができる。例えば、孔104b1は、処理が施された液体300aの排出口となる。
また、天井板104bには、厚み方向を貫通する孔104b2を設けることができる。孔104b2の内部には、保護管101の、フランジ101aが設けられた側の端部の近傍が設けられる。そのため、孔104b2の数は、保護管101の数と同じとすることができる。また、容器104の中心軸に沿った方向から見て、孔104b2は、孔104a2と重なる位置に設けられる。
以上に説明した様に、容器104は、下側の端部に設けられた底板104aと、上側の端部に設けられた天井板104bと、を有し、液体300が供給される空間を内部に有する。
ホルダ105は、板状を呈し、例えば、1つの保護管101に対して一対設けることができる。例えば、一方のホルダ105は、保護管101の、フランジ101a側の端部の近傍を保持する。一方のホルダ105は、例えば、シール部材106を介して、天井板104bに取り付けられる。例えば、他方のホルダ105は、保護管101の、フランジ101a側とは反対側の端部の近傍を保持する。他方のホルダ105は、例えば、シール部材106を介して、底板104aに取り付けられる。
シール部材106は、例えば、Oリングなどである。シール部材106は、保護管101と、底板104aの孔104a2の内壁との間の隙間を液密となるように封止する。シール部材106は、保護管101と、天井板104bの孔104b2の内壁との間の隙間を液密となるように封止する。
供給部107は、管状を呈し、底板104aの孔104a2を介して、容器104の内部空間とつながっている。供給部107の内部空間は、液体300の供給流路となる。供給部107の容器104の側とは反対の端部側は、容器104の中心軸と交差する方向に延びている。供給部107は、例えば、L字状に屈曲した形態を有する。供給部107の容器104の側とは反対の端部には、例えば、液体300を供給する供給装置などを接続することができる。
排出部108は、管状を呈し、天井板104bの孔104b2を介して、容器104の内部空間とつながっている。排出部108の内部空間は、処理が施された液体300aの排出流路となる。排出部108の容器104の側とは反対の端部側は、容器104の中心軸と交差する方向に延びている。排出部108は、例えば、L字状に屈曲した形態を有する。排出部108の容器104の側とは反対の端部には、例えば、処理が施された液体300aを収納するタンクや、液体300aを用いる洗浄装置などを接続することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 放電ランプ、2 バルブ、3 封止部、4a 第1の電極、4b 第2の電極、4b2 フィラメント、5 ソケット、6 リード線、7 リード線、8 温度制御部、8a 遮熱部、8b カバー、100 液体処理装置、101 保護管、104 容器、300 液体、300a 液体

Claims (4)

  1. 液体に紫外線を照射する液体処理装置であって、
    下側の端部に設けられた底板と、上側の端部に設けられた天井板と、を有し、前記液体が供給される空間を内部に有する容器と;
    前記天井板と、前記底板と、の間を延びる少なくとも1つの保護管と;
    前記保護管の内部に設けられ、前記天井板と、前記底板と、の間を延び、紫外線を照射可能な少なくとも1つの放電ランプと;
    前記放電ランプの一方の端部の近傍に設けられ、赤外線に対する反射率の高い金属を含む遮熱部と;
    を具備し、
    前記放電ランプは、
    筒状を呈し、内部空間に、希ガスと水銀、または、希ガスとアマルガム、が封入されたバルブと;
    前記バルブの両側の端部のそれぞれに設けらた封止部と;
    一方の前記封止部に設けられ、前記バルブの内部空間に露出する第1の電極と;
    他方の前記封止部に設けられ、前記バルブの内部空間に露出する第2の電極と;
    を有し、
    前記バルブの内部空間に露出する前記第1の電極の端部と、前記第1の電極が設けられる封止部の端部との間の距離は、前記バルブの内部空間に露出する前記第2の電極の端部と、前記第2の電極が設けられる封止部の端部との間の距離よりも長く、
    前記遮熱部は、前記バルブの、前記第1の電極が設けられる側の端部の近傍を覆っている液体処理装置。
  2. 前記バルブの内部空間に露出する前記第1の電極の端部と、前記第1の電極が設けられる封止部の端部との間の距離をL1(mm)とし、
    前記バルブの内部空間に露出する前記第2の電極の端部と、前記第2の電極が設けられる封止部の端部との間の距離をL2(mm)とした場合に以下の式を満足する請求項1記載の液体処理装置。
    L1(mm)-L2(mm)≧10mm
  3. 前記放電ランプの、前記第1の電極が設けられる側の端部は、前記放電ランプの、前記第2の電極が設けられる側の端部よりも重力方向下側に位置している請求項1または2に記載の液体処理装置。
  4. 前記遮熱部を覆うカバーをさらに備えた請求項1~3のいずれか1つに記載の液体処理装置。
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