JP2023131721A - インプリントモールド用基板、インプリントモールド用ブランク、インプリントモールド、インプリントモールドの製造方法、電子部品の製造方法、および光学部品の製造方法 - Google Patents

インプリントモールド用基板、インプリントモールド用ブランク、インプリントモールド、インプリントモールドの製造方法、電子部品の製造方法、および光学部品の製造方法 Download PDF

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和丈 谷口
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Abstract

【課題】本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまう光漏れを大幅に改善することができるインプリントモールド用基板を提供する。【解決手段】このインプリントモールド用基板は、主面を有する透光性基板と、該主面から突出して形成された下層メサ部と、該下層メサ部の上面の一部が露出するように上面から突出して形成された上層メサ部とを含む。下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、上層メサ部が有する端面のうち、第1下層コーナー部に最も近接するとともに互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成されている。上層メサ部を上側としてインプリントモールド用基板を上面視した場合、第1下層コーナー部は露出しており、第1下層コーナー部の曲率半径をR1、第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイスの微細回路パターン作製、微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品作製等に適用するインプリントモールド及びその製造方法、この製造に好適に用いられるインプリントモールド用基板、インプリントモールド用ブランクに関するものである。
半導体デバイスの微細回路パターン作製、微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品作製等における微細パターン形成において、同じ微細パターンを大量に転写するためのインプリント法が用いられるようになってきている。
インプリント法は、微細なモールドパターンが形成されたインプリントモールド(スタンパ)を原版として用い、転写対象物(被転写体)上に塗布された光硬化性樹脂等の液体樹脂に対してインプリントモールドを直接押し付けて紫外線等によって硬化させることにより、硬化した液体樹脂にモールドパターンを転写する方法である。このため、インプリント法によれば、同じ微細パターンを大量に転写することが可能である。
このようにインプリントモールドは同じ微細パターンを大量に転写するための原版となるため、モールド上に形成されたモールドパターンの寸法精度は、作製される微細パターンの寸法精度に直接影響する。また、インプリントモールドは転写対象物上に塗布された液体樹脂に直接押し付けてパターンを転写するため、モールドパターンの断面形状も作製される微細パターンの形状に大きく影響する。半導体デバイス等の集積度が向上するにつれ、要求されるパターンの寸法は小さくなり、また、等倍でのパターン転写となるため、インプリントモールドの精度もより高いものが要求されるようになってきている。
インプリントモールドは、たとえば特許文献1に開示されているように、基板の主表面の中央部に設けられたメサ構造(「台座構造」とも呼ばれる。)に転写パターンが形成された構成を備えたものが用いられる場合が多い。このメサ構造は、主表面におけるモールドパターンが設けられている転写領域以外の領域が転写対象物の基板(半導体基板等)や液体樹脂に接触しないようにするために設けられているものである。
近年、より微細なパターンを高精度で転写することが要求されてきており、より段数の多いメサ構造のインプリントモールドが用いられるようになってきている。たとえば特許文献2には、2段メサ構造を有するインプリントモールドが開示されている。
特開2009-98689号公報 特開2009-023113号公報
インプリント法では、パターン転写を行うための被転写体への光(UV)照射の際に、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されないようにする必要がある。つまり、インプリントモールドのパターン領域周辺の非パターン領域からの被転写体への照射光の漏れを防止する必要がある。
上記特許文献2に開示されている2段メサ構造のインプリントモールドでは、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されないように、1段目のメサ部に遮光膜が形成されている。しかし、光漏れを完全に防ぐのは困難であった。また、遮光性にバラツキも生じ、被転写体に転写されるパターン精度が低下するという問題もあった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、第1に、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまう光漏れを大幅に改善することができるインプリントモールドの製造に好適なインプリントモールド用基板およびインプリントモールド用ブランクを提供することである。また、第2に、上記のインプリントモールドおよびその製造方法を提供することであり、第3に、上記のインプリントモールドを用いた電子部品の製造方法および光学部品の製造方法を提供することである。
本発明者らの検討によれば、上述の光漏れは1段目のメサのコーナー部において、他の領域よりもより生じやすい。したがって、本発明者らは、メサのコーナー部の形状に着目し、鋭意研究を行った結果、メサのコーナー部の曲率半径の値を調整することで、上述の光漏れを大幅に改善できることを突き止めた。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
インプリントモールド用基板であって、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド用基板。
(構成2)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする構成1に記載のインプリントモールド用基板。
(構成3)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする構成1に記載のインプリントモールド用基板。
(構成4)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
(構成5)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
(構成6)
前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
(構成7)
前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
(構成8)
インプリントモールド用ブランクであって、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記透光性基板上には、前記主面、前記下層メサ部、および前記上層メサ部を覆うように、薄膜が形成されており、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド用ブランク。
(構成9)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする構成8に記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成10)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする構成8に記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成11)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする構成8乃至10のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成12)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする構成8乃至11のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成13)
前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする構成8乃至12のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成14)
前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする構成8乃至13のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランク。
(構成15)
インプリントモールドであって、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記上層メサ部は凹凸構造のパターンを有し、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド。
(構成16)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする構成15に記載のインプリントモールド。
(構成17)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする構成15に記載のインプリントモールド。
(構成18)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする構成15乃至17のいずれかに記載のインプリントモールド。
(構成19)
前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする構成15乃至18のいずれかに記載のインプリントモールド。
(構成20)
前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする構成15乃至19のいずれかに記載のインプリントモールド。
(構成21)
前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする構成15乃至20のいずれかに記載のインプリントモールド。
(構成22)
構成1乃至7のいずれかに記載のインプリントモールド用基板を用いて製造されたインプリントモールド用ブランク又は構成8乃至14のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランクを用意する工程と、前記インプリントモールド用ブランクの前記上層メサ部に凹凸構造のパターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
(構成23)
構成1乃至7のいずれかに記載のインプリントモールド用基板もしくは構成8乃至14のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または構成15乃至21のいずれかに記載のインプリントモールドを用意する工程と、樹脂材を含む被転写体に対して、前記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程と、を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
(構成24)
構成1乃至7のいずれかに記載のインプリントモールド用基板もしくは構成8乃至14のいずれかに記載のインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または構成15乃至21のいずれかに記載のインプリントモールドを用意する工程と、樹脂材を含む被転写体に対して、前記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程と、を含むことを特徴とする光学部品の製造方法。
本発明によれば、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまう光漏れを大幅に改善することができるインプリントモールドの製造に好適なインプリントモールド用基板およびインプリントモールド用ブランクを提供することができる。
また、本発明によれば、上述の光漏れを大幅に改善できることで、被転写体にモールドパターンを精度良く転写することができるインプリントモールドおよびその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、上記のインプリントモールドを用いて、高精度の微細パターンが形成された電子部品の製造方法および光学部品の製造方法を提供することができる。
(A)は本発明に係るインプリントモールド用基板の一実施形態を示す平面図であり、(B)は(A)中の破線P内の拡大平面図である。 本発明に係るインプリントモールド用基板の一実施形態を示す縦断面図である。 図1 (A)中の破線P内の拡大平面図である。 図1 (A)中の破線P内の拡大平面図である。 (A)は本発明に係るインプリントモールド用基板の一実施形態の要部平面図であり、(B)は(A)内の一部拡大図である。 (a)~(e)はインプリントモールド用基板の製造工程を説明するための断面図である。 (f)~(j)は図6に示す工程の続きを示す断面図である。 (k)~(o)は図7に示す工程の続きを示す断面図である。 本発明に係るインプリントモールド用ブランクの一実施形態を示す断面図である。 本発明に係るインプリントモールドの一実施形態を示す断面図である。 (a)~(e)はインプリントモールドの製造工程を説明するための断面図である。 インプリントによる転写対象物へのパターン転写を説明するための断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
[インプリントモールド用基板]
まず、インプリントモールドの製造に好適な本発明のインプリントモールド用基板について説明する。
本発明のインプリントモールド用基板は、上記構成1にあるように、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするものである。
図1は、このような本発明に係るインプリントモールド用基板の一実施形態を示すもので、(A)はその平面図であり、(B)は(A)中の破線P内の拡大平面図である。また、図2は、本発明に係る上記インプリントモールド用基板の一実施形態を示す縦断面図である。
本実施の形態のインプリントモールド用基板1は、図1、図2に示されるように、主面12を有する透光性基板11と、前記主面12から突出して形成された下層メサ部13と、前記下層メサ部13の上面14の一部が露出するように、前記上面14から突出して形成された上層メサ部15とを含む。ここでいう下層メサ部13の上面14とは、下層メサ部13が有する面のうち、上記透光性基板11の主面12に対向する面のことである。下層メサ部13は、1つの上面14と4つの端面を有し、4つの端面は上面14につながっており、端面同士は4つのコーナー部を介してつながっている。上層メサ部15も同様に、1つの上面(基板の最表面)と4つの端面を有し、4つの端面は上記上面につながっており、端面同士は4つのコーナー部を介してつながっている。
また、下層メサ部13が有する1つのコーナー部において互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部16が形成されている。さらに、上記上層メサ部15が有する端面のうち、上記第1下層コーナー部16に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部17が形成されている。そして、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、上記第1下層コーナー部16は露出している。
本発明のインプリントモールド用基板1では、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴としている。なお、図1(B)中の符号C1は、第1下層コーナー部16の曲率半径R1の中心であり、符号C2は、第1上層コーナー部17の曲率半径R2の中心である。
前述したように、インプリント法では、パターン転写を行うための被転写体への光(UV)照射の際に、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されないようにする必要がある。本発明者らの検討によれば、インプリントモールドのパターン領域周辺の非パターン領域からの被転写体への照射光の漏れは1段目のメサのコーナー部において、他の領域よりもより生じやすいことを突き止めた。したがって、本発明者らは、メサのコーナー部の形状に着目し、鋭意研究を行った結果、メサのコーナー部の曲率半径の値を調整することで、上述の光漏れを大幅に改善できることを突き止めた。すなわち、本発明のインプリントモールド用基板1では、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2とすることにより、上述の光漏れを大幅に改善することができる。
上述の図1(B)では、第1下層コーナー部16の曲率半径R1の中心C1と第1上層コーナー部17の曲率半径R2の中心C2が同一直線状に乗る場合を示しているが、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれている場合が想定される。
図3は、図1 (A)中の破線P内の拡大平面図である。図3に示すように、この場合は、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、第1下層コーナー部16の曲率半径の中心C1を通るとともに、第1下層コーナー部16に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線18とし、第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2を通るとともに、第1上層コーナー部17に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線19としたとき、第1仮想線18と第2仮想線19とがなす角度θは10度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましく、5度以下であることがさらに好ましく、1度以下であることが特に好ましい。第1仮想線18と第2仮想線19とがなす角度θが10度を超えると、インプリントモールド用基板1を上面視した場合において、露出する下層メサ部13の上面14の面積が不十分な領域が生じてしまう。そして、このようなインプリントモールド基板1から製造されたインプリントモールドを用いて、インプリント法により被転写体にモールドパターンを転写した場合、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまうという問題を生じる可能性がある。
なお、角度θの下限値は0(ゼロ)度であり、上述の第1下層コーナー部16の曲率半径の中心C1と第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2が同一直線状に乗る場合に相当する。
また、図4に示すように、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれており、かつ上記第1仮想線18と上記第2仮想線19が平行な場合が想定される。
すなわち、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、第1下層コーナー部16の曲率半径の中心C1を通るとともに、第1下層コーナー部16に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線18とし、第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2を通るとともに、第1上層コーナー部17に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線19としたとき、第1仮想線18は第2仮想線19に平行であり、第1仮想線18と第2仮想線19との離間距離gは0.3mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましく、0.05mm以下であることが特に好ましい。第1仮想線18と第2仮想線19との離間距離gが0.3mmよりも大きいと、インプリントモールド用基板1を上面視した場合において、下層メサ部13の上面14が露出する面積が不十分な領域が生じてしまう。そして、このようなインプリントモールド基板1から製造されたインプリントモールドを用いて、インプリント法により被転写体にモールドパターンを転写した場合、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまうという問題を生じる可能性がある。
なお、離間距離gの下限値は0(ゼロ)mmであり、上述の第1下層コーナー部16の曲率半径の中心C1と第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2が同一直線状に乗る場合に相当する。
上述したように、第1下層コーナー部16の曲率半径の中心C1と第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2が同一直線状に乗る場合、つまり、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、上記第1仮想線18が第1上層コーナー部17の曲率半径の中心C2を通る場合は、第1仮想線18と第2仮想線19とがなす角度θは0(ゼロ)度であり、かつ第1仮想線18と第2仮想線19との離間距離gは0(ゼロ)mmである。
また、上述したように、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、上記第1下層コーナー部16は露出している。本発明においては、下層メサ部のコーナー部の露出領域の寸法は、下層メサ部寸法の2%以上であることが好ましく、4%以上となるように露出していることがより好ましい。すなわち、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、第1下層コーナー部16に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき(図5(A)参照)、第1下層コーナー部16のエッジから第1上層コーナー部17のエッジまでの寸法dが(図5(B)参照)、上記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、下層メサ部13の前記上面14が露出していることが好ましい。前記上面14は、上記下層メサ部寸法Lの4%以上となるように露出していると、より好ましい。なお、ここでいう「第1下層コーナー部16のエッジから第1上層コーナー部17のエッジまでの寸法d」とは、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用基板1を上面視した場合において、前記第1仮想線18と第1下層コーナー部16との接点を接点Xとし、前記第1仮想線18と第1上層コーナー部17との接点を接点Yとしたときの接点Xと接点Yとの間の距離のことである。
上記の寸法dが、上記の下層メサ部寸法Lの2%未満であると、下層メサ部のコーナー部の露出領域の寸法が小さく、本発明の効果が十分に得られない。ただし、上記の寸法dが大きすぎると、モールドパターンを形成するための上層メサ部の領域を十分に確保できなくなるという問題が生じるので、上記の寸法dは、上記の下層メサ部寸法Lの6%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態のインプリントモールド用基板1は、全体が正方形状であるが、これに限らず例えば長方形等の矩形状であってもよい。上記のとおり、第1下層コーナー部16に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lと定義しているため、下層メサ部13の全体形状が例えば長方形の場合は、下層メサ部寸法Lは下層メサ部の短辺寸法である。なお、下層メサ部の短辺寸法は、例えば、20mm以上であることが好ましく、25mm以上であることがより好ましく、27mm以上であることが特に好ましい。また、下層メサ部の短辺寸法は、35mm以下であることが好ましく、31mm以下であることがより好ましく、29mm以下であることがより特に好ましい。
また、本発明においては、第1下層コーナー部16の曲率半径R1と第1上層コーナー部17の曲率半径R2の中心同士の距離、つまり前記C1とC2との距離が、1.5mm以内であることが好ましく、1.2mm以内であることが特に好ましい。この距離が1.5mmよりも大きいと、インプリントモールド基板1から製造されたインプリントモールドを用いて、インプリント法により被転写体にモールドパターンを転写した場合、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまうという問題を生じる可能性がある。
本発明のインプリントモールド用基板においては、下層メサ部はm個(mは1以上の整数)のコーナー部(第m下層コーナー部と称す。)を有し、上層メサ部はn個(nは1以上の整数)のコーナー部(第n上層コーナー部と称す。)を有することができ、1≦n≦mであることが好ましい。下層コーナー部の数は、上層コーナー部の数と等しいことが好ましい。また、上述した本実施形態のインプリントモールド用基板1のように、全体が矩形状であって、下層コーナー部及び上層コーナー部の数はそれぞれ4つが好ましい。また、下層コーナー部は上面視した場合においてすべて露出していることが好ましい。
上述した本実施形態のインプリントモールド用基板1においては、コーナー部の一つ、つまり第1下層コーナー部の曲率半径をR1、第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であるという条件を満たすことについて説明したが、下層メサ部及び上層メサ部がいずれも複数のコーナー部を有している場合、全てのコーナー部において上記の条件を満たすことが最も好ましい。
また、本実施形態のインプリントモールド用基板1において、前記透光性基板11は、前記主面12に対向する裏面を有し、該裏面の前記上層メサ部15に対応する領域に、凹部が形成されていてもよい。インプリントモールド用基板1の裏面側に凹部が形成されていることにより、転写対象物にモールドパターンをインプリントで転写し、メサ構造部分を凸形状方向に撓ませる(パターンの間が広がる)変形が生じ、転写対象物からインプリントモールドを剥離しやすくなる。
なお、本発明に適用する上記基板1(透光性基板11)は、そのパターン形成面(上記上層メサ部15の表面)にモールドパターン(転写パターン)である凹凸パターンが形成されることにより、インプリントモールドとして使用されるため、材質としては、インプリントモールドとして使用するのに要求される適度な強度や剛性を有する材料であれば特に制約はなく任意に用いることができる。例えば、石英ガラスやSiO-TiO系低膨張ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、CaFガラス等のガラス素材、シリコンなどが挙げられる。これらのうちガラス素材は特に好適である。ガラス素材は、非常に精度の高い加工が可能で、しかも平坦度及び平滑度に優れるため、本発明により得られるインプリントモールドを使用してパターン転写を行う場合、転写パターンの歪み等が生じないで高精度のパターン転写を行える。基板1から製造されるインプリントモールドが紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂に対して使用される場合においては、高い光透過性を有するガラス素材で基板1を形成することが好ましい。
次に、上述の2段メサ構造を有する本実施の形態のインプリントモールド用基板1の製造方法について図6乃至図8を参照して説明する。
図6乃至図8は、上記インプリントモールド用基板の製造工程を説明するための断面図である。なお、図中の基板11断面に付した破線は、最終的に形成される下層メサ部および上層メサ部の位置を示す。
まず、主表面を所定の平坦度に調整した平板状の透光性基板11の一方の主表面上にハードマスク膜(エッチングマスク膜)4を成膜する(図6(a))。
上記ハードマスク膜4は、基板の2段メサ構造を形成するための例えばウェットエッチング加工する際のハードマスク層(エッチングマスク)としての機能を有する。したがって、上記ハードマスク膜4としては、後の工程のメサ構造を形成するための例えばウェットエッチングで用いるエッチング液に対して上記基板11との間でエッチング選択性を有する材質が選択される。上記ハードマスク膜4は、例えばクロムを含有する材料で形成されることが好適である。上記基板11は好ましくはガラスからなり、この場合の基板のウェットエッチングにはフッ酸を含有するエッチング液が好ましく用いられる。
上記クロム(Cr)を含有する材料としては、例えばCr単体、またはCrの窒化物、炭化物、炭化窒化物、炭化酸化物、炭化窒化酸化物などのCr化合物があり、ハードマスク膜4を単層構造とする場合は窒化クロムが特に好ましい。また、ハードマスク膜4を多層構造とする場合においては、基板に接する側の層は窒化クロムで形成することが好ましい。
上記基板11の一方の主表面上にハードマスク膜4を形成する方法は特に制約される必要はないが、たとえばスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。
次に、下層メサ部(1段目メサ部)作製のためのレジスト膜5を基板11上の全面に塗布する(図6(b))。
次いで、上記レジスト膜5に対して、描画、露光を行う(図6(c))。本実施形態では、一例として、ポジ型のレジストを用いる場合を示すが、ネガ型のレジストを用いてもよい。図中の符号5aはレジスト膜5の露光部領域を示す。下層メサ部は、2段目メサ部(上層メサ部)作製の基板エッチング時にも同時にエッチングされてサイズが小さくなるため、その分、最終サイズよりも大きめに描画する。図中の符号eL1は、下層メサ部作製用の描画領域のエッジ(本明細書では描画ラインと呼ぶ)を示している。なお、レジスト膜の露光部領域5aは、たとえばアライメントマーク用パターンを含むことができる。
次に、露光後のレジスト膜5を現像して、露光部領域5aのレジスト膜を除去する(図6(d))。なお、図示はしていないが、アライメントマーク用パターンを形成する場合は、アライメントマーク用のパターンに対応するように、一部のレジスト膜5が残存してもよい。
次いで、上記レジスト膜5のパターンをマスクとして、露出しているハードマスク膜4をエッチングして除去する(図6(e))。なお、アライメントマーク用のパターンを形成するためのレジスト膜5が存在する場合には、このハードマスク膜4のエッチング時に、アライメントマーク用のパターンを形成することができる。
続いて、基板上に残存するレジスト膜5を、周辺部を含めて全面剥離除去する(図7(f))。これで、下層メサ部作製の基板エッチング用のハードマスク膜4のパターンが出来上がる。
次に、上層メサ部(2段目メサ部)作製用のハードマスク膜4のエッチングマスクとして使用するレジスト膜6を基板11上の全面に塗布する(図7(g))。
続いて、上記レジスト膜6に対して、描画、露光を行う(図7(h))。図中の符号6aはレジスト膜6の露光部領域を示す。上層メサ部は、上層メサ部作製の基板エッチング時にエッチングされてサイズが小さくなるため、その分、最終サイズよりも大きめに描画する。図中の符号eL2は、上層メサ部作製用の描画領域のエッジ(描画ライン)を示している。なお、この段階で、レジスト膜の露光部領域6aは、前述のアライメントマーク用パターンを含むことができる。
次いで、未露光部のレジスト膜6が感光しないように保護しながら、基板外周周辺の不要なレジスト膜を露光する(図7(i))。
次に、上記露光後のレジスト膜6を現像して、露光部領域6aのレジスト膜を除去する(図7(j))。
次に、上記のようにして、基板11上にハードマスク膜4およびレジスト膜6のパターンを形成した基板11を例えばエッチング液中に浸漬させて基板のウェットエッチングを行う(図8(k))。
この場合のエッチング液としては、上記基板11がガラスからなる場合、フッ酸(HF)を含有するエッチング液が好ましい。例えば、フッ化水素酸とフッ化アンモニウム溶液との混合液であるBHF(バッファードフッ酸)を用いることができる。エッチング液の液温は適宜設定される。また、エッチング処理時間は、最終的に形成される下層メサ部の高さ(段差)を考慮して適宜設定される。
次いで、上記レジスト膜6のパターンをマスクとして、露出しているハードマスク膜4をエッチングして除去する(図8(l))。続いて、基板上に残存するレジスト膜6を剥離除去する(図8(m))。これで、上層メサ部作製の基板エッチング用のハードマスク膜4のパターンが出来上がる。
次に、上記のようにして、基板11上にハードマスク膜4のパターンを形成した基板11に対して、上層メサ部作製のための基板エッチングを行う(図8(n))。この上層メサ部作製の基板エッチング時に、下層メサ部も同時にエッチングされて所定のサイズに形成される。この場合のエッチングは、上記のウェットエッチングを適用でき、エッチング処理時間は、最終的に形成される上層メサ部の高さ(段差)を考慮して適宜設定される。
また、前述したように、本実施形態のインプリントモールド用基板1において、基板11の裏面の上層メサ部15に対応する領域に、凹部が形成されていてもよい。この段階で、凹部を基板裏面側に形成してもよい。上記凹部を形成する方法としては、特に制約される必要はなく、機械加工法、エッチング法などの微細加工方法を任意に用いることができる。具体的には、例えば、レーザー加工、切削加工、ウォータージェット加工等の微細加工方法の中から、基材の材質、加工する孔の形状や大きさ等を考慮して適宜選択して用いればよい。形成する凹部のサイズ、形状、深さや、基板11の材質などに応じて適宜選択すればよい。
最後に、残存する上記ハードマスク膜4のパターンを除去する(図8(o))。ハードマスク膜を除去する方法は、特に制約されないが、基板の材質にダメージを与えない方法が望ましい。例えば、基板がガラスで、ハードマスク膜が上記のクロム系材料である場合は、硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液と過塩素酸の混合液をエッチング液に用いるウェットエッチング、あるいは塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスをエッチングガスに用いるドライエッチングが好適である。
以上のようにして、下層メサ部13および上層メサ部15の2段メサ構造を有する本実施の形態のインプリントモールド用基板1が出来上がる(図8(o))。
本実施形態のインプリントモールド用基板1では、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴としている。上述の製造工程中、1回目の描画、露光工程(図6(c))と2回目の描画、露光工程(図7(h))において、各回のメサのコーナー部の曲率半径を調整して描画データを設計することにより、上述のR1≧R2の条件を満たすインプリントモールド用基板1が得られる。また、本実施の形態のインプリントモールド用基板1の製造方法では、図7(f)に示されるハードマスク膜4のパターン形成後、下層メサ部作製のための基板11のエッチングを行う前に、レジスト膜6を基板11上に塗布し、レジスト膜6に上層メサ部作製用の描画を行っている。これには、次のような利点がある。仮に、図7(f)に示されるハードマスク膜4のパターン形成後すぐに、下層メサ部作製のための基板11のエッチングを行った場合には、このエッチングによって形成された段差のある基板11上にレジスト膜を塗布することになる。このとき、凸形状の領域上に形成されるレジスト膜の凸部四隅近傍では、表面張力、及び段差の影響でレジスト膜厚の制御が困難であり、所望のレジストパターンを得ることが困難となる可能性がある。また、レジスト膜を平坦に塗布するために、全体のレジスト膜の膜厚を、凸部をカバーするほど大きくすることは現実的でなく、凸部の膜厚が薄くなってしまうため、同じく所望のレジストパターンを得ることが困難となる可能性がある。また、エッチングによって形成された下層メサ部に対応する基板上に、アスペクト比の大きな上層メサ部作製用のレジストパターン(上部メサ部形成用)を形成する必要が生じる場合もあり、この場合は、結果的にレジストパターンが倒壊する可能性がある。しかしながら、本実施の形態のインプリントモールド用基板1の製造方法では、段差のある基板11上にレジスト膜を成膜することなく、平坦なレジスト膜を塗布して上層メサ部を形成することが可能である。したがって、本実施の形態のインプリントモールド用基板1の製造方法によれば、より高精度に、下層メサ部13および上層メサ部15の2段メサ構造を有するインプリントモールド用基板1を形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまう光漏れを大幅に改善することができるインプリントモールドの製造に好適なインプリントモールド用基板を提供することができる。
[インプリントモールド用ブランク]
次に、本発明に係るインプリントモールド用ブランクについて説明する。
本発明は、上述の本発明のインプリントモールド用基板の一方の主表面(メサ構造を有する側の主表面)に、パターン形成用の薄膜を備えるインプリントモールド用ブランクについても提供する。
本発明のインプリントモールド用ブランクは、上述のパターン形成用の薄膜を備えている点を除いては、前述の本発明のインプリントモールド用基板と同様の特徴を有している。
すなわち、本発明のインプリントモールド用ブランクは、上記構成8にあるように、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記透光性基板上には、前記主面、前記下層メサ部、および前記上層メサ部を覆うように、薄膜が形成されており、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするものである。
図9は、本発明に係るインプリントモールド用ブランクの一実施形態を示す断面図である。
図9に示すインプリントモールド用ブランク2は、上述したインプリントモールド用基板1の下層メサ部13および上層メサ部15を有する一方の表面、すなわちインプリントモールドのモールドパターンを形成する側の面(パターン形成面)に、パターン形成用の薄膜21を備えたものである。
すなわち、本実施の形態のインプリントモールド用ブランク2は、図9に示されるように、主面12を有する透光性基板11と、前記主面12から突出して形成された下層メサ部13と、前記下層メサ部13の上面14の一部が露出するように、前記上面14から突出して形成された上層メサ部15とを含む。上記透光性基板11上には、上記主面12、上記下層メサ部13、および上記上層メサ部15を覆うように、薄膜21が形成されている。
また、下層メサ部13が有する1つのコーナー部において互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部16が形成されており、上記上層メサ部15が有する端面のうち、上記第1下層コーナー部16に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部17が形成されている。そして、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド用ブランク2を上面視した場合において、上記第1下層コーナー部16は露出しており、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴としている(図9、図1、図2を参照)。
上記パターン形成用の薄膜21は、基板11の上層メサ部15を形成した領域にモールドパターンを形成するための基板エッチング(掘り込み)加工する際のハードマスク膜としての機能を有する。したがって、上記薄膜21としては、後の工程のモールドパターンを形成するためのエッチング環境に対して上記基板11との間でエッチング選択性を有する材質が選択される。本発明においては、上記薄膜21は、例えばクロムを含有する材料で形成されることが好適である。上記基板11は好ましくはガラスからなるため、この場合の基板11のドライエッチングには例えばフッ素系ガスが用いられる。上記クロムを含有する材料は、フッ素系ガスに対して上記ガラスからなる基板11との間でエッチング選択性を有する。
上記クロム(Cr)を含有する材料としては、例えばクロム金属、クロム窒化物、クロム炭化物、クロム炭化窒化物およびクロム酸化炭化窒化物などが挙げられる。また、クロムを含む材料以外としては、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、タングステンなどを含む材料(合金、単金属の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物、酸化窒化炭化物、同様に合金の酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、炭窒化物、酸化窒化炭化物)が挙げられる。
このような薄膜21としては、単層でも複数層でもよい。例えば、上記薄膜21が上記クロム系材料の単層膜よりなるブランクが挙げられる。また、例えば上記薄膜21が少なくとも上層と下層の積層膜よりなり、上層は上記クロム系材料で形成され、下層がタンタル(Ta)を主成分とする材料で形成されたブランクなども挙げられる。この場合のタンタルを主成分とする材料としては、例えばTaHf、TaZr、TaHfZrなどのTa化合物、あるいはこれらのTa化合物をベース材料として、例えばB、Ge、Nb、Si、C、N等の副材料を加えた材料などがある。また、タンタルを主成分とする材料は、レジストパターン形成の際の電子線描画時のチャージアップ防止や、走査型電子顕微鏡(SEM)による基板パターン(モールドパターン)検査が可能となるように、必要な導電性を確保する機能を持たせることができるので好適である。
勿論、このような薄膜21の構成および材料の例示はあくまでも一例であり、本発明はこれらに制約される必要はない。
上記薄膜21の膜厚は特に制約されないが、例えば2nm以上40nm以下とすることができ、30nm以下であるとより好ましく、20nm以下であるとさらに好ましい。10nm以下の範囲であることが特に好適である。この薄膜21の膜厚が2nm未満であると、モールドパターン作製時に薄膜21のパターンをマスクとして基板11をエッチング加工するときに、加工が終わる前に薄膜21のパターンがエッチングされて消失してしまう恐れがある。上記薄膜21の膜厚は5nm以上であることがさらに好ましい。一方、薄膜21の膜厚が40nmよりも厚くなると、微細パターン形成の観点から好ましくない。また、基板11の材質にダメージを与えずに薄膜21を最後に除去することが困難になる場合がある。
インプリントモールド用基板1上に上記薄膜21を形成する方法は特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。
また、本発明のインプリントモールド用ブランク2は、上記薄膜21の上に、後述のレジスト膜を形成した形態であっても構わない。
本実施形態のインプリントモールド用ブランク2では、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2とすることにより、前述の光漏れを大幅に改善することができる。すなわち、本発明によれば、本来光が照射されるべきでない領域に不要な光が照射されてしまう光漏れを大幅に改善することができるインプリントモールドの製造に好適なインプリントモールド用ブランクを提供することができる。
本実施形態のインプリントモールド用ブランク2においても、前述の図3に示すように、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれている場合、前述の第1仮想線18と第2仮想線19とがなす角度θは10度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましく、5度以下であることがさらに好ましく、1度以下であることが特に好ましい。
また、前述の図4に示すように、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれており、かつ上記第1仮想線18と上記第2仮想線19が平行な場合、前述の第1仮想線18と第2仮想線19との離間距離gは0.3mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましく、0.05mm以下であることが特に好ましい。
また、上述したように、上記第1下層コーナー部16は露出しており、第1下層コーナー部16のエッジから第1上層コーナー部17のエッジまでの寸法dが、上記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、下層メサ部13の前記上面14が露出していることが好ましい(図5参照)。前記上面14は、上記下層メサ部寸法Lの4%以上となるように露出していると、より好ましい。
また、第1下層コーナー部16の曲率半径R1と第1上層コーナー部17の曲率半径R2の中心同士の距離、つまり前記C1とC2との距離が、1.5mm以内であることが好ましく、1.2mm以内であることが特に好ましい。
また、本実施形態のインプリントモールド用ブランク2においても、透光性基板11の裏面の前記上層メサ部15に対応する領域に前述の凹部が形成されていてもよい。
[インプリントモールド]
次に、本発明に係るインプリントモールドについて説明する。
本発明は、例えば上述の本発明のインプリントモールド用ブランクを用いて作製されるインプリントモールドについても提供する。
本発明のインプリントモールドは、上記構成15にあるように、主面を有する透光性基板と、前記主面から突出して形成された下層メサ部と、前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、前記上層メサ部は凹凸構造のパターンを有し、前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、前記上層メサ部を上側としてインプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするものである。
図10は、本発明に係るインプリントモールドの一実施形態を示す断面図である。
図10に示すインプリントモールド3は、前述したインプリントモールド用基板1のモールドパターンを形成する側の面(パターン形成面)、すなわち上層メサ部15の表面に、凹凸構造のパターン31が形成されている。この点を除いては、前述のインプリントモールド用基板1と同様の特徴を有している。
すなわち、本実施の形態のインプリントモールド3は、図10に示されるように、主面12を有する透光性基板11と、前記主面12から突出して形成された下層メサ部13と、前記下層メサ部13の上面14の一部が露出するように、前記上面14から突出して形成された上層メサ部15とを含む。該上層メサ部15はその表面に凹凸構造のパターン31を有している。
また、下層メサ部13が有する1つのコーナー部において互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部16が形成されており、上記上層メサ部15が有する端面のうち、上記第1下層コーナー部16に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部17が形成されている。そして、上層メサ部15を上側としてインプリントモールド3を上面視した場合において、上記第1下層コーナー部16は露出しており、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴としている(図10、図1、図2を参照)。
本実施形態のインプリントモールド3では、上記第1下層コーナー部16の曲率半径をR1、上記第1上層コーナー部17の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることにより、前述の光漏れを大幅に改善することができる。したがって、本発明によれば、上述の光漏れを大幅に改善できることで、被転写体にモールドパターンを精度良く転写することができるインプリントモールドを提供することができる。
本実施形態のインプリントモールド3においても、前述の図3に示すように、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれている場合、前述の第1仮想線18と第2仮想線19とがなす角度θは10度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましく、5度以下であることがさらに好ましく、1度以下であることが特に好ましい。
また、前述の図4に示すように、下層メサ部13と上層メサ部15のそれぞれの曲率半径の中心がずれており、かつ上記第1仮想線18と上記第2仮想線19が平行な場合、前述の第1仮想線18と第2仮想線19との離間距離gは0.3mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましく、0.05mm以下であることが特に好ましい。
また、上述したように、上記第1下層コーナー部16は露出しており、第1下層コーナー部16のエッジから第1上層コーナー部17のエッジまでの寸法dが、上記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、下層メサ部13の前記上面14が露出していることが好ましく、4%以上となるように露出していることがより好ましい(図5参照)。
また、第1下層コーナー部16の曲率半径R1と第1上層コーナー部17の曲率半径R2の中心同士の距離、つまり前記C1とC2との距離が、1.5mm以内であることが好ましく、1.2mm以内であることが特に好ましい。
また、本実施形態のインプリントモールド3においても、透光性基板11の裏面の上層メサ部15に対応する領域に、前述の凹部が形成されていてもよい。さらに、図示はしていないが、下層メサ部13の前記上面14上には、遮光膜が形成されていることが好ましい。
(インプリントモールドの製造方法)
次に、上述のインプリントモールドの製造方法について説明する。
本発明は、インプリントモールドの製造方法についても提供するものである。すなわち、前述の本発明のインプリントモールド用基板を用いて製造されたインプリントモールド用ブランク又は本発明のインプリントモールド用ブランクを用意する工程と、インプリントモールド用ブランクの上層メサ部に凹凸構造のパターンを形成する工程とを含むインプリントモールドの製造方法である。
図11の(a)~(e)はインプリントモールドの製造工程を説明するための上記ブランク2等の断面図である。
以下、図11を参照してインプリントモールドの製造工程を説明する。
上述の本発明のインプリントモールド用ブランク2の上面に、例えば、液体状の光硬化型樹脂(または熱硬化型樹脂)からなるレジスト膜7を塗布する(図11(a)参照)。なお、レジスト膜は上述のものに限定されず、適宜、公知のものから適したものを用いればよい。
次に、レジスト膜7に対し、微細パターン(モールドパターン)を電子線描画し、描画後、レジスト膜を現像してレジストパターン7aを形成する(図11(b)参照)。この場合はマスターモールドの製造ができる。
なお、上記の液体状の樹脂に対して、電子線描画を行う代わりに、予め作成した微細パターン(モールドパターン)を備えるマスターモールドを直接押し付けた状態で光照射処理(または加熱処理)を行って樹脂を硬化させてからマスターモールドを剥離することもできる。さらに、酸素プラズマ等を用いるアッシングによって樹脂の残膜部分を除去するデスカム処理を行うことで、レジストパターン7aを形成することもできる。この場合は、いわゆるレプリカモールドを製造することができる。
次に、上記レジストパターン7aを形成したブランク2を、ドライエッチング装置に導入し、エッチングガス(例えば塩素系ガス、Cl等)を用いたドライエッチングを行うことにより、上記レジストパターン7aをマスクとして薄膜21をエッチング加工して、図11(c)に示すように薄膜パターン21aを形成する。
ここで、ドライエッチング装置からブランク2を一旦取り出して、残存する上記レジストパターン7aを除去してもよい。
次いで、同じドライエッチング装置内で、基板11が例えばガラスの場合、フッ素系ガス(CHF、CF4等)を用いたドライエッチングを行うことにより、上記薄膜パターン21aをマスクとして基板11をエッチング加工して、図11(d)に示すように、上層メサ部15の表面に凹凸構造のパターン(モールドパターン)31を形成する。
さらに残存する上記薄膜パターン21aを除去することにより、図11(e)に示すような構造のモールドパターン31が形成されたインプリントモールド3が得られる。
なお、上記インプリントモールド3の裏面側には前述の凹部を形成してもよい。また、下層メサ部13の上面14上には、遮光膜が形成されていることが好ましい(図示せず)。
以上説明したように、本発明のインプリントモールドによれば、前述の光漏れを大幅に改善でき、被転写体にモールドパターンを精度良く転写することができる。
(電子部品の製造方法、光学部品の製造方法)
本発明は、電子部品の製造方法および光学部品の製造方法についても提供するものである。
すなわち、前述の本発明のインプリントモールド用基板もしくはインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または本発明のインプリントモールドを用意する工程と、樹脂材を含む被転写体に対して、上記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程とを含む電子部品の製造方法である。
また、前述の本発明のインプリントモールド用基板もしくはインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または本発明のインプリントモールドを用意する工程と、樹脂材を含む被転写体に対して、上記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程とを含む光学部品の製造方法である。
図12は、インプリントによる転写対象物へのパターン転写を説明するための断面図である。
本発明により得られる上述のインプリントモールド3は、被転写体(転写対象物)50における被転写体構成層(例えばシリコンウェハ)51上に塗布されたレジスト膜(例えば光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂)52に直接押し付けて凹凸構造パターン(モールドパターン)31を転写する。本発明により得られるインプリントモールドを用いることにより、転写対象物にモールドパターンを精度良く転写することができる。なお、図12においては、下層メサ部13の上面14上に形成された遮光膜は、省略されている。
以上説明したように、本発明によれば、半導体デバイスの微細回路パターン作製、微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品作製等に上述のインプリントモールドを用いて、高精度の微細パターンが形成された電子部品あるいは光学部品を製造することができる。
1 インプリントモールド用基板
2 インプリントモールド用ブランク
3 インプリントモールド
4 ハードマスク膜(エッチングマスク膜)
5、6、7 レジスト膜
11 透光性基板
12 主面
13 下層メサ部
14 下層メサ部の上面
15 上層メサ部
16 第1下層コーナー部
17 第1上層コーナー部
18 第1仮想線
19 第2仮想線
21 薄膜
31 凹凸構造のパターン
50 被転写体(転写対象物)
51 被転写体構成層
52 レジスト膜

Claims (24)

  1. インプリントモールド用基板であって、
    主面を有する透光性基板と、
    前記主面から突出して形成された下層メサ部と、
    前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、
    前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド用基板。
  2. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
  3. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
  4. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板。
  5. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用基板を上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板。
  6. 前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板。
  7. 前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板。
  8. インプリントモールド用ブランクであって、
    主面を有する透光性基板と、
    前記主面から突出して形成された下層メサ部と、
    前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、
    前記透光性基板上には、前記主面、前記下層メサ部、および前記上層メサ部を覆うように、薄膜が形成されており、
    前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部を上側としてインプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド用ブランク。
  9. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする請求項8に記載のインプリントモールド用ブランク。
  10. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする請求項8に記載のインプリントモールド用ブランク。
  11. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランク。
  12. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールド用ブランクを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランク。
  13. 前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランク。
  14. 前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランク。
  15. インプリントモールドであって、
    主面を有する透光性基板と、
    前記主面から突出して形成された下層メサ部と、
    前記下層メサ部の上面の一部が露出するように、前記上面から突出して形成された上層メサ部と、を含み、
    前記上層メサ部は凹凸構造のパターンを有し、
    前記下層メサ部が有する互いに隣接する2つの端面の間には第1下層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部が有する端面のうち、前記第1下層コーナー部に最も近接するとともに、互いに隣接する2つの端面の間には第1上層コーナー部が形成され、
    前記上層メサ部を上側としてインプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部は露出しており、前記第1下層コーナー部の曲率半径をR1、前記第1上層コーナー部の曲率半径をR2としたとき、R1≧R2であることを特徴とするインプリントモールド。
  16. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線と前記第2仮想線とがなす角度θは10度以下であることを特徴とする請求項15に記載のインプリントモールド。
  17. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線とし、前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1上層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第2仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第2仮想線に平行であり、前記第1仮想線と前記第2仮想線との離間距離gは0.3mm以下であることを特徴とする請求項15に記載のインプリントモールド。
  18. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部の曲率半径の中心を通るとともに、前記第1下層コーナー部に接続する辺とのなす角度が45度となる直線を第1仮想線としたとき、前記第1仮想線は前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心を通ることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載のインプリントモールド。
  19. 前記上層メサ部を上側として前記インプリントモールドを上面視した場合において、前記第1下層コーナー部に接続する2つの辺のうち長い方の辺X1と、該辺X1に対向する辺X2との間の距離を下層メサ部寸法Lとしたとき、前記第1下層コーナー部のエッジから前記第1上層コーナー部のエッジまでの寸法dが、前記下層メサ部寸法Lの2%以上となるように、前記下層メサ部の前記上面が露出していることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のインプリントモールド。
  20. 前記第1下層コーナー部の曲率半径と前記第1上層コーナー部の曲率半径の中心同士の距離が1.5mm以内であることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載のインプリントモールド。
  21. 前記透光性基板は前記主面に対向する裏面を有し、前記裏面の前記上層メサ部に対応する領域に、凹部が形成されていることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載のインプリントモールド。
  22. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板を用いて製造されたインプリントモールド用ブランク又は請求項8乃至14のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランクを用意する工程と、
    前記インプリントモールド用ブランクの前記上層メサ部に凹凸構造のパターンを形成する工程と、
    を含むことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  23. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板もしくは請求項8乃至14のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または請求項15乃至21のいずれか1項に記載のインプリントモールドを用意する工程と、
    樹脂材を含む被転写体に対して、前記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程と、
    を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
  24. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリントモールド用基板もしくは請求項8乃至14のいずれか1項に記載のインプリントモールド用ブランクを用いて製造されたインプリントモールド、または請求項15乃至21のいずれか1項に記載のインプリントモールドを用意する工程と、
    樹脂材を含む被転写体に対して、前記インプリントモールドが有するパターンを転写する工程と、
    を含むことを特徴とする光学部品の製造方法。

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