JP2023130821A - 包装袋 - Google Patents

包装袋 Download PDF

Info

Publication number
JP2023130821A
JP2023130821A JP2022035332A JP2022035332A JP2023130821A JP 2023130821 A JP2023130821 A JP 2023130821A JP 2022035332 A JP2022035332 A JP 2022035332A JP 2022035332 A JP2022035332 A JP 2022035332A JP 2023130821 A JP2023130821 A JP 2023130821A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
packaging bag
sample
laminated film
layer
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022035332A
Other languages
English (en)
Inventor
正樹 佐藤
Masaki Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2022035332A priority Critical patent/JP2023130821A/ja
Publication of JP2023130821A publication Critical patent/JP2023130821A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)

Abstract

【課題】良好なリサイクル性を示すと共に、注出口から内容物を良好に注出可能な包装袋を提供すること。【解決手段】包装袋は、基材層及びシーラント層を少なくとも有する積層フィルムの折曲げ体である本体と、シーラント層の一部及びシーラント層の他の一部が互いに接着され、本体の縁の少なくとも一部を封止する封止部と、を備える。ポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、積層フィルムから切り出される長方形状のサンプルをその長手方向に沿って二つ折りし、折り曲げられたサンプルの一部を水平台に固定し、折り曲げられたサンプルの他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持してから重りを除いた後、30分経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度が140°以上であり、サンプルの短辺は10mm以上50mm以下であり、サンプルの短辺と長辺との比率は、1:2である。【選択図】図3

Description

本開示は、包装袋に関する。
調味料、化粧品、洗剤等の詰め替え容器として、例えば下記特許文献1に示されるような包装袋が用いられる。下記特許文献1には、熱溶着した側辺と二つ折りした上辺との角隅部に、切断して注出口を形成する斜めの切れ目線が設けられる。
特開2008-18991号公報
上述したような包装袋の主となる基材として、例えば、6,6-ナイロン製のフィルム、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムが用いられることが多い。これらのフィルムは、いずれも折り曲げ保持性(デッドホールド性)がよいことが知られている。このため、例えば上記特許文献1に示されるような包装袋においては、切れ目線に沿って袋の一部を切断して注出口を設けたとき、当該注出口が開きにくい傾向(包装袋の口開きが悪い傾向)がある。この場合、包装袋に収容される内容物が注出しにくい問題がある。
また、近年、環境負荷の少ない循環型社会の構築を求める声が高まっており、それに伴って包装袋のリサイクル性向上が望まれている。
本開示の目的は、良好なリサイクル性を示すと共に、注出口から内容物を良好に注出可能な包装袋の提供である。
本開示の一側面は、内容物を収容可能であって、基材層及びシーラント層を少なくとも有する積層フィルムの折曲げ体である本体と、シーラント層の一部及びシーラント層の他の一部が互いに接着され、本体の縁の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、積層フィルムから切り出される長方形状のサンプルをその長手方向に沿って二つ折りし、折り曲げられたサンプルの一部を水平台に固定し、折り曲げられたサンプルの他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持してから重りを除いた後、30分経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度が140°以上であり、サンプルの短辺は基材層の流れ方向に沿って延在すると共に10mm以上50mm以下であり、サンプルの短辺と長辺との比率は、1:2である包装袋である。
この包装袋によれば、内容物を収容可能な本体を形成する積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であるので、当該包装袋は、良好なリサイクル性を示す。加えて、当該積層フィルムから得られる上記サンプルであって、上記重りを除いた後、30分経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度が140°以上である。このような積層フィルムの折曲げ体である上記本体の一部を破断して注出口を設けると、当該注出口を画成すると共に互いに向かい合う積層フィルムの一部と別の一部とは、互いに離間する傾向がある。よって、上記包装袋の注出口が閉じにくくなるので、当該注出口から内容物を良好に注出できる。
上記包装袋は、本体に固定される底部をさらに備え、底部は、第2基材層及び第2シーラント層を少なくとも有する第2積層フィルムを含み、第2積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、自立性を有してもよい。例えば底部に折り目が設けられる場合などにおいて、底部を容易に広げることができる。よって、本体の内部空間を容易に広げられるので、当該内部空間に内容物を収容させやすくなる。
本体は、内容物が収容可能な第1内部空間が設けられる主部と、主部から突出すると共に第1内部空間につながる第2内部空間が設けられる突出部とを有し、第2内部空間は、突出部の先端に近づくほど狭くなってもよい。この場合、突出部の一部を破断して注出口を形成したとき、当該注出口の口開き性を確保しつつ、突出部を注出口として内容物を所定の容器等に注出しやすくなる。
封止部は、第1内部空間の一部を画成する第1封止部分と、第2内部空間の一部を画成すると共に第1封止部分に接続される第2封止部分とを有し、第1封止部分と第2封止部分とは、外部部材に対する掛止部として機能してもよい。この場合、第1封止部分と第2封止部分とを容器口等に掛止させることによって、注出口から内容物を所定の容器等に良好に注出しやすくなる。
上記包装袋には、積層フィルムが湾曲される湾曲部と、湾曲部の反対側に設けられると共に湾曲部に向かって延在する開封開始設定部とが設けられ、本体の非変形時、開封開始設定部が延在する方向に沿った、湾曲部と開封開始設定部との間に位置する本体の内部空間の内径は、0.5mm以上3.0mm以下でもよい。この場合、開封開始設定部の延在方向に沿って開封開始設定部から湾曲部まで包装袋を破断して注出口を設けたとき、湾曲部の周辺部には復元力が良好に働く。このため、内径の範囲内であっても、注出口が閉じにくくなり、当該注出口から内容物を良好に注出できる。
開封開始設定部は、封止部に設けられてもよい。この場合、包装袋の密封状体を維持しつつ開封開始設定部に切り込みなどを設けることができるので、開封開始設定部を利用して注出口を容易に形成できる。
開封開始設定部は、湾曲部に向かって延在するハーフカット部を含んでもよい。この場合、開封開始設定部を利用して注出口を容易に形成できる。
積層フィルムは、基材層とシーラント層との間に位置し、レーザ光吸収性樹脂を含むガスバリア層をさらに有し、レーザ光吸収性樹脂は、ポリオレフィン樹脂を透過するレーザ光を吸収してもよい。このようなガスバリア層を積層フィルムが有することによって、包装袋のガスバリア性を向上できる。加えて、ポリオレフィン樹脂を透過するレーザ光を利用することによって、包装袋の性能を維持しつつ、ハーフカット部がガスバリア層に設けられる。
本開示によれば、良好なリサイクル性を示すと共に、注出口から内容物を良好に注出可能な包装袋が提供される。
図1は、実施形態に係る積層フィルムを示す概略断面図である。 図2(a),(b)は、実施形態に係る積層フィルムの折り曲げ保持性の測定方法を説明するための概略図である。 図3は、実施形態に係る包装袋を示す概略斜視図である。 図4(a)は、図3の要部拡大図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb-IVb線に沿った断面図である。 図5は、第1変形例に係る包装袋を示す概略正面図である。 図6(a)は、第2変形例に係る包装袋を示す概略正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb-VIb線に沿った断面図である。 図7(a)は、第3変形例に係る包装袋を示す概略図であり、図7(b)は、第4変形例に係る包装袋を示す概略図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
まず、図1を参照しながら本実施形態に係る包装袋の主原料である積層フィルムの概要について説明する。図1は、本実施形態に係る積層フィルムを示す概略断面図である。図1に示されるように、積層フィルム100は、後述する包装袋1(図3を参照)の基材層110、接着層120、バリア層130、接着層140及びシーラント層150を備える。積層フィルム100の厚さ方向において、基材層110、接着層120、バリア層130、接着層140及びシーラント層150は、順に積層される。バリア層130は、バリア基材131と、バリア基材131の一主面を覆うガスバリア層132とを有する。バリア層130において、バリア基材131は接着層120に対向し、ガスバリア層132は接着層140に対向する。よって、ガスバリア層132は、上記厚さ方向において、基材層110とバリア基材131との間に位置する。
基材層110、バリア基材131及びシーラント層150は同一の樹脂を主成分として含む。これにより、積層フィルム100は、良好なリサイクル性を示すことができる。本実施形態では、基材層110、バリア基材131及びシーラント層150のそれぞれの主成分は、ポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、LLDPEの密度は通常、0.910~0.9140g/cmであり、HDPEの密度は通常、0.9140g/cmより大きく0.980g/cm以下である。
上記ポリオレフィン樹脂は、化石燃料から得られる原料(モノマー)を用いて得られる樹脂でも、バイオマス由来の原料(モノマー)を用いて得られる樹脂でもよい。環境負荷を低減する観点からは、バイオマス由来の原料を用いて得られる樹脂でもよい。あるいは、上記樹脂は、リサイクル樹脂であってもよい。リサイクル樹脂は、メカニカルリサイクル樹脂でもケミカルリサイクル樹脂でもよい。
本実施形態では、積層フィルム100の全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率は、90質量%以上である。この場合、積層フィルム100のデッドホールド性(折り曲げ保持性)を低くできる。加えて、良好なリサイクル性を有する積層フィルム100が形成される。上記合計含有率は、95質量%以上でもよい。なお、積層フィルム100の全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率は、通常、100質量%未満である。
本実施形態では、積層フィルム100から切り出される長方形状のサンプルをその長手方向に沿って二つ折りし、折り曲げられたサンプルの一部を水平台に固定し、折り曲げられたサンプルの他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持して当該重りを取り除いた後、30分経過後におけるサンプルの一部と他部とがなす角度が140°以上である。この場合、サンプルの短辺は、例えば基材層110の流れ方向に沿って延在すると共に10mm以上50mm以下である。また、サンプルの短辺と長辺との比率は、1:2である。このため、サンプルの長辺は、基材層110の巾方向に沿って延在すると共に20mm以上100mm以下である。なお、基材層110の流れ方向は、基材層110の形成時においてフィルムが延伸される方向に相当する。基材層110の巾方向は、上記流れ方向と、基材層110の厚さ方向との両方に直交する方向に相当する。また、上記重りは、水平台に対向するときに当該水平台に平行な押圧面を有しており、当該押圧面は、平面視における二つ折りしたサンプルよりも大きい。
ここで図2(a),(b)を参照しながら上記測定方法について具体的に説明する。図2(a),(b)は、本実施形態に係る積層フィルムの折り曲げ保持性の測定方法を説明するための概略図である。まず、図2(a)に示されるように、積層フィルム100から切り出される長方形状のサンプル200をその長手方向に沿って二つ折りすることによって、サンプル200の一部201と他部202とを形成する。続いて、一部201を水平台300に固定し、固定された一部201に他部202を重ねた後、他部202の全体を5kgの重り400にて10秒間保持する。ここで、一部201は、例えば粘着テープ、接着剤等を用いて水平台300に固定される。また、重り400の押圧面401で他部202の全体を一部201に押し付けることによって、サンプル200が二つ折りされた状態を保持する。そして図2(b)に示されるように、重り400を取り除いた後、30分経過後におけるサンプル200の一部201と他部202の角度θは、140°以上である。なお、重り400を取り除いた後、サンプル200は水平台300に固定された状態で静置される。
本実施形態では、サンプル200をその長手方向に沿って二つ折りしたものであって、速度:2m/分、圧力:0.4MPa(線圧:37.5N/cm)の条件にて、金属ロール(円周:Φ100、幅:320mm)とゴムロール(円周:Φ100、ゴム硬度A型:70~75Hs、幅:320mm)にて挟んだものを30分後静置した後、サンプル200の一部201と他部202とがなす角度が100°以上でもよい。
(基材層)
基材層110は、積層フィルム100における主要部の1つであり、表面として機能する。基材層110の厚さは、特に制限されず、例えば、10μm以上、または20μm以上である。基材層110の厚さは、例えば40μm以下、または25μm以下である。基材層110の厚さは、用途又は求められる特性に応じて適宜調整される。
基材層110は、ポリオレフィン樹脂以外の物質を含み得る。当該物質は、例えば、ポリオレフィン樹脂とは異なる添加剤などである。添加剤は、フィラー、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、及び酸化防止剤等である。
基材層110は、単層構造を有してもよいし、積層構造を有してもよい。基材層110は、延伸及び未延伸のフィルムのどちらで構成されてもよい。基材層110は、少なくとも一つの延伸フィルムと少なくとも一つの未延伸フィルムとの積層体でもよい。基材層110は、二軸方向に任意に延伸されたフィルムを有することによって、機械強度及び寸法安定性を向上することができる。
基材層110には、印刷などが実施されてもよい。この場合、基材層110の表面上には、印刷層が設けられる。印刷層は、例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、又はゴム系などのバインダー樹脂に、各種顔料、可塑剤、乾燥剤、及び安定剤などを添加してなるインキを用いて形成される層である。この印刷層によって、文字、絵柄などを表示することができる。インキは、水性インキであっても油性インキであってもよい。環境負荷の観点から、インキは、水性インキであることが好ましい。印刷層は、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷方法によって形成される。
(接着層)
接着層120は、基材層110とバリア層130とを接着する機能を有する層であり、接着層140は、バリア層130とシーラント層150とを接着する機能を有する層である。積層フィルム100が接着層120を有することで、基材層110とバリア層130との密着性をより高めることができる。また、積層フィルム100が接着層140を有することで、バリア層130とシーラント層150との密着性をより高めることができる。
接着層120,140のそれぞれは、例えばポリオレフィン系樹脂で構成される。このようなポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、LDPE、LLDPE、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂以外の樹脂を含む場合、当該樹脂は、ポリオレフィン系樹脂全体に対して10質量%以内に抑えることが望ましい。接着強度を高めるために、基材層110、バリア層130、シーラント層150の表面に、コロナ処理、オゾン処理、アンカーコート等が行われてもよい。接着層120,140の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば2μm以上50μm以下である。接着層120,140の厚さを2μm以上とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
接着層120,140としては、ポリオレフィン系樹脂で構成される層の代わりに、ドライラミネート接着剤等を含有する接着剤組成物を用いた接着層であってもよい。ドライラミネート接着剤としては、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、及びイソシアネート系接着剤などの公知の接着剤が挙げられる。これらのうち、ハンドリング性を向上させる観点から、ウレタン系接着剤が好ましい。
また、接着層120,140は、バイオマス成分を含んでも含まなくてもよいが、環境負荷を低減する観点から、バイオマス成分を含むことが好ましい。バイオマス成分としては、具体的にはDIC株式会社製の「ディックドライ BMシリーズ」、及び東洋インキ株式会社製の「ECOADシリーズ」が挙げられる。なお、バイオマス成分は、ポリオレフィン系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂以外の成分として、又は、接着剤若しくは接着剤以外の成分として含まれてよい。あるいは、バイオマス成分は、ポリオレフィン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂以外の成分として、又は、接着剤及び接着剤以外の成分として含まれてもよい。
接着剤組成物は、有機溶剤をさらに含む接着剤組成物でも、有機溶剤を含まない接着剤組成物でもよいが、環境負荷を低減する観点から、有機溶剤を含まない接着剤組成物(無溶剤型接着剤組成物)であることが好ましい。
接着層120,140の厚さは特に制限されないが、基材層110とバリア層130、又は、バリア層130とシーラント層150との剥離を抑制しつつ積層フィルム100が厚くなり過ぎることを抑制する観点から、1μm以上5μm以下でもよく、2μm以上3μm以下でもよい。
(バリア層)
バリア層130は、酸素及び水蒸気などのガスに対してバリア性を有する層(ガスバリア層)であり、基材層110とシーラント層150との間に位置する。バリア基材131は、基材層110及びシーラント層150に含まれる樹脂と同一の樹脂を含んでいればよい。バリア基材131の厚さは、バリア基材131の材質、及び積層フィルム100の用途に応じて、適宜調整される。例えば基材層110及びシーラント層150がポリオレフィン樹脂を含む場合には、バリア基材131もポリオレフィン樹脂を含めばよい。したがって、例えば、基材層110及びシーラント層150に含まれるポリオレフィン樹脂がポリプロピレンである場合には、バリア基材131に含まれるポリオレフィン樹脂はポリプロピレンでもよく、ポリエチレンでもよい。
基材層110に含まれるポリオレフィン樹脂が二軸延伸ポリプロピレンである場合には、バリア基材131に含まれるポリオレフィン樹脂も二軸延伸ポリプロピレンでもよい。この場合、基材層110及びバリア基材131の少なくとも一方が湾曲して基材層110がバリア層130から剥離したり、バリア層130がシーラント層150から剥離したりすることを抑制することができる。
ガスバリア層132は、水蒸気、酸素などの透過防止機能(ガスバリア機能)を有する層である。ガスバリア層132の厚さは特に制限されるものではないが、例えば、0.1μm以上、1μm以上、2μm以上もしくは5μm以上である。ガスバリア層132の厚さが0.1μm以上である場合、ガスバリア層132のガスバリア機能を良好に発揮できる。ガスバリア層132の厚さは、例えば、10μm以下、または7μm以下である。ガスバリア層132の厚さが10μm以下である場合、ガスバリア層132の加工性を向上できる。ガスバリア層132は、例えばアルミニウムなどの金属を含む薄膜、樹脂コート層などである。ガスバリア性の観点から、ガスバリア層132は上記薄膜でもよい。リサイクル性の観点から、ガスバリア層132は樹脂コート層でもよい。樹脂コート層を形成する樹脂は、ガスバリア機能を有する樹脂であれば特に限定されない。
本実施形態では、ガスバリア層132は、レーザ光吸収性樹脂を含む。ガスバリア層132の全体がレーザ光吸収性樹脂で構成されてもよいし、ガスバリア層132の一部のみがレーザ光吸収性樹脂で構成されてもよい。レーザ光吸収性樹脂は、ハーフカット線を形成するために使用されるレーザ光を吸収する樹脂である。レーザ光は、例えば、炭酸ガスレーザ、YAGレーザなどから出射されるレーザ光であり、レーザ光吸収性樹脂によって吸収される一方で、ポリオレフィン樹脂を透過する波長を有する。レーザ光吸収性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ナイロン(例えば6,6-ナイロン)等のポリアミド、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。上記レーザ光吸収性樹脂はそれぞれ単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、レーザ光の吸収とは、ハーフカット線を形成するために使用されるレーザ光の照射により焼き飛ばされて空間を形成することをいう。また、レーザ光の透過とは、レーザ光の90%以上、95%以上、または99%以上が透過することをいう。
上記レーザ光吸収性樹脂は、化石燃料から得られる原料(モノマー)を用いて得られる樹脂でも、バイオマス由来の原料(モノマー)を用いて得られる樹脂でもよい。環境負荷を低減する観点からは、バイオマス由来の原料を用いて得られる樹脂でもよい。あるいは、上記レーザ光吸収性樹脂は、リサイクル樹脂であってもよい。リサイクル樹脂は、メカニカルリサイクル樹脂でもケミカルリサイクル樹脂でもよい。
(シーラント層)
シーラント層150は、積層フィルム100の一部と他部とを貼り付けるための接着層であり、ヒートシール性を有する。ヒートシール性向上の観点などから、シーラント層150の融点は、基材層110及びバリア基材131の融点よりも低い。すなわち、シーラント層150に含まれるポリオレフィン樹脂の融点は、基材層110及びバリア基材131に含まれるポリオレフィン樹脂の融点よりも低い。例えば、基材層110及びバリア基材131がポリプロピレンを含む場合には、シーラント層150は、ポリエチレンを含むことがある。ここで、ポリエチレンとしては、LDPE、LLDPE、HDPE又はそれらの2種以上の混合物が挙げられる。シーラント層150は、例えばポリオレフィン樹脂を含むシートを接着層140に貼り合わせることにより形成することができる。シーラント層150の厚さは、特に制限されず、例えば10μm以上でも50μm以上でもよい。シーラント層150の厚さは、200μm以下でも100μm以下でもよい。
<包装袋>
次に、図3及び図4(a),(b)を参照しながら、積層フィルム100を用いて形成される包装袋について説明する。図3は、本実施形態に係る包装袋を示す概略斜視図であり、図4(a)は、図3の要部拡大図であり、図4(b)は、図4(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面図である。
図3に示される包装袋1は、積層フィルム100の加工物であり、内容物(不図示)が収容される。内容物は、特に制限されるものではなく包装袋1の用途に応じて適宜選択すればよい。本実施形態では、内容物は液体であるが、粉体など流動性を有するものであればよい。包装袋1は、内容物を収容可能な折曲げ体である本体2と、本体2の縁2aの少なくとも一部を封止する封止部3と、本体2に固定される底部4とを有する。また、包装袋1には、積層フィルム100が湾曲される湾曲部5と、開封開始設定部6とが設けられる。本実施形態では、包装袋1は、自立性を有する。
本体2は、内容物を収容するための収容部であり、積層フィルム100を折り曲げることによって形成される。本体2を形成するために積層フィルム100が折り曲げられたとき、当該積層フィルム100には折り目が付けられてもよいし、折り目が付けられなくてもよい。このため、積層フィルム100の折曲げ体である本体2は、折り目が付けられない積層フィルム100の湾曲体でもよい。本実施形態では、シーラント層150が内側に向けられ、かつ、基材層110が外側に向けられるように、積層フィルム100が二つ折りされる。本体2の縁2aは、二つ折りされた積層フィルム100の端部に相当し、一対の側辺と、上辺と、底辺とを有する。本体2は、主部21と、突出部22とを有する。主部21は、内容物を収容可能な内部空間(第1内部空間)が設けられる包装袋1の主要部である。第1内部空間は、封止部3と、底部4と、湾曲部5とによって画成される密閉空間である。主部21は、底部4上に位置する第1部分21aと、第1部分21aよりも上側に位置する第2部分21bと、第2部分21bよりも上側に位置する第3部分21cとを有する。本体2において、第1部分21aの容積は、第2部分21b及び第3部分21cの容積よりも大きい。第2部分21bは、図3に示される二点鎖線によって挟まれる部分であって、第1部分21aから第3部分21cに向かうにつれて狭まる部分である。第3部分21cは、本体2において突出部22に繋がる部分である。
突出部22は、主部21から突出する部分であり、内容物の注出口の一部として用いられる。注出口は、突出部22の一部、突出部22を画成する封止部3と、湾曲部5との少なくとも一つを破断することによって設けられる。本実施形態では注出口を用いた内容物の注出容易性の観点から、突出部22は、包装袋1の上端かつ一方の隅部に設けられるが、これに限られない。突出部22には、第1内部空間につながる内部空間(第2内部空間)が設けられる。これにより、第1内部空間に収容される内容物が、第2内部空間まで容易に到達できる。第2内部空間は、突出部22の先端22aに近づくほど狭くなる。当該内部空間は、先端22aに近づくほど連続的に狭くなってもよいし、段階的に狭くなってもよい。
封止部3は、シーラント層150の一部及びシーラント層150の他の一部が互いに接着されることによって形成される部分である。シーラント層150の一部は二つ折りされた積層フィルム100の一方に含まれ、シーラント層150の他の一部は二つ折りされた積層フィルム100の他方に含まれる。封止部3は、シーラント層150の一部及びシーラント層150の他の一部が加熱及び圧縮される(すなわち、ヒートシールされる)ことによって形成される。封止部3は、封止部分31~36を有する。
封止部分31は、本体2の一側辺を封止する部分であって、包装袋1の高さ方向に沿って包装袋1の上端から下端まで延在する。封止部分32~34のそれぞれは、本体2の他側辺を封止する部分であり、封止部分31に対向する。封止部分32,33は、第1内部空間の一部を画成し、封止部分34は、第2内部空間の一部を画成する。封止部分33は封止部分32,34を接続する部分である。本実施形態では、封止部分32は、第1部分21aの一部を画成する部分であって、包装袋1の高さ方向に沿って包装袋1の下端からその上端に向かって延在する。封止部分33(第1封止部分)は、第2部分21bの一部を画成する部分であって、封止部分32から離れると共に封止部分31に近づくように延在する。封止部分34(第2封止部分)は、第3部分21cの一部を画成する部分であって、封止部分31,33から離れるように延在する。このため、封止部分33,34によって、本体2の縁2aには平面視にてU字形状もしくはV字形状の窪みDが設けられる。窪みDが設けられることによって、包装袋1は、外部部材(特に、内容物を収容する容器口など)に引っかかることができる。よって、封止部分33,34は、上記外部部材に対する掛止部として機能する。封止部分35は、第1内部空間の一部を画成し、本体2の上端の一部を形成する。封止部分35は、封止部分31の上端から湾曲部5に向かって直線状に延在する。封止部分35が設けられる部分は、第1内部空間に内容物を収容するための充填口としても用いられる。内容物が第1内部空間に収容された後に当該充填口が封止されることによって、封止部分35が形成される。封止部分36は、突出部22の先端を封止する部分であり、包装袋1の上端かつ一方の隅部に設けられる。
底部4は、本体2に収容される内容物を支持するシート部材であり、本体2に接着する。底部4は、本体2に接着するシート状の部材であれば特に限定されない。リサイクル性などの観点から、本実施形態では、底部4は、本体2と同様に積層フィルム100の加工物である。このため、底部4もまた、基材層(第2基材層)、接着層、バリア層、シーラント層(第2シーラント層)を有する積層フィルム(第2積層フィルム)から形成される。底部4に含まれる第2シーラント層と、本体2を形成する積層フィルム100のシーラント層150とが互いにヒートシールされることによって、底部4が本体2に接着する。本体2と底部4との接着部41は、包装袋1の封止部3の一部として機能する。上記第2積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率は、積層フィルム100と同様であり、90質量%以上である。これにより、例えば底部4に折り目が設けられる場合などにおいて、底部4を容易に広げることができる。よって、本体2の内部空間を容易に広げられるので、当該内部空間に内容物を収容させやすくなる。
湾曲部5は、積層フィルム100が湾曲されることによって折り返される部分であり、包装袋1の上端の一部を形成する。湾曲部5は、単に積層フィルム100が湾曲している部分でもよいし、積層フィルム100が折り返されることによって折り目が付けられる部分でもよい。換言すると、湾曲部5は、折り目が付けられる折曲げ部になり得る。本実施形態では、湾曲部5は、折り目がついた折曲部である。湾曲部5の両縁は、封止部3によって封止される。湾曲部5の一部には、封止部3によって封止される切れ目が設けられてもよい。この場合、当該切れ目から本体2に内容物を収容できる。上記切れ目から本体2に内容物を収容した後、当該切れ目は封止部3の形成と同時に封止される。上記切れ目は、突出部22から離間した位置に設けられる。湾曲部5は、封止部分35,36の間に位置する。包装袋1の上端において湾曲部5が占める割合は、例えば1%以上30%以下である。
開封開始設定部6は、包装袋1の開封開始箇所を示す部分であり、本体2及び/または封止部3に設けられる。開封開始設定部6は、本体2の内部空間を挟んで湾曲部5の反対側に設けられると共に湾曲部5に向かって延在する。本実施形態では、開封開始設定部6は、少なくとも封止部3の封止部分34に設けられる。開封開始設定部6において、包装袋1の開封開始箇所を示す部分は、例えば、印刷された矢印、文字、図形などである。開封開始設定部6は、包装袋1の開封を支持する部分(易開封加工部)を有してもよい。易開封加工部は、例えば、湾曲部5に向かって延在するハーフカット部、傷痕群、切り込みなどである。傷痕群は、例えば、微小な開口、窪みなどである。切り込みは、例えば、V字状、U字状又はI字状等のノッチである。包装袋1の密封性の観点から、傷痕群は、封止部3のみに設けられてもよい。
図4(b)に示されるように、本体2の非変形時、開封開始設定部6が延在する方向に沿った、湾曲部5と開封開始設定部6との間に位置する本体2の内部空間の内径Rは、0.5mm以上3.0mm以下である。内径Rが0.5mm以上であることによって、注出口の断面積を確保できる。また、内径Rが3.0mm以下であることによって、開封開始設定部6から本体2が破断されるとき、湾曲部5を起点とした積層フィルム100の復元力によって、注出口が閉じにくくなる。なお、積層フィルム100の復元力は、積層フィルム100の折り曲げられた状態(湾曲された状態)が復元しようとするときに働く力である。
以上に説明した本実施形態に係る包装袋1によれば、内容物を収容可能な本体2を形成する積層フィルム100の全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であるので、包装袋1は、良好なリサイクル性を示す。加えて、積層フィルム100から得られる長方形状のサンプル(短辺:10mm以上50mm以下、長辺:短辺=2:1)をその長手方向に沿って二つ折りし、折り曲げられたサンプルの一部を水平台に固定し、折り曲げられたサンプルの他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持してから重りを除いた後、30分経過後におけるサンプルの一部と他部とがなす角度が140°以上である。このような積層フィルム100の折曲げ体である本体2の一部を破断して注出口を設けると、当該注出口を画成すると共に互いに向かい合う積層フィルム100の一部と別の一部とは、互いに離間する傾向がある。よって、包装袋1の注出口が閉じにくくなるので、当該注出口から内容物を良好に注出できる。
加えて、ポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上である積層フィルム100は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを主基材とするフィルムよりも柔らかい傾向がある。このため、積層フィルム100は、上記フィルムよりも変形しやすい。よって、包装袋1を絞りやすくなり、内容物を外部に注出しやすい。
本実施形態では、包装袋1は、本体2に固定される底部4を備え、底部4は、基材層及びシーラント層を少なくとも有する積層フィルムを含み、当該積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、自立性を有する。例えば底部4に折り目が設けられる場合などにおいて、底部4を容易に広げることができる。よって、本体2の内部空間を容易に広げられるので、当該内部空間に内容物を収容させやすくなる。
本実施形態では、本体2は、内容物が収容可能な第1内部空間が設けられる主部21と、主部21から突出すると共に第1内部空間につながる第2内部空間が設けられる突出部22とを有し、第2内部空間は、突出部22の先端22aに近づくほど狭くなる。このため、突出部22の一部を破断して注出口を形成したとき、当該注出口の口開き性を確保しつつ、突出部22を注出口として内容物を所定の容器等に注出しやすくなる。
本実施形態では、封止部3は、第1内部空間の一部を画成する封止部分33と、第2内部空間の一部を画成すると共に封止部分33に接続される封止部分34とを有し、封止部分33,34は、外部部材に対する掛止部として機能してもよい。この場合、封止部分33,34を上記外部部材の容器口等に掛止させることによって、注出口から内容物を所定の容器等に良好に注出しやすくなる。
本実施形態では、包装袋1には、積層フィルム100が湾曲される湾曲部5と、湾曲部5の反対側に設けられると共に湾曲部5に向かって延在する開封開始設定部6とが設けられ、本体2の非変形時、開封開始設定部6が延在する方向に沿った、湾曲部5と開封開始設定部6との間に位置する本体2の内部空間の内径Rは、0.5mm以上3.0mm以下である。この場合、開封開始設定部6の延在方向に沿って開封開始設定部6から湾曲部5まで包装袋1を破断して注出口を設けたとき、湾曲部5の周辺部には復元力が良好に働く。このため、内径Rの範囲内であっても、注出口が閉じにくくなり、当該注出口から内容物を良好に注出できる。
本実施形態では、開封開始設定部6は、封止部3に設けられ得る。この場合、開封開始設定部6に切り込みなどを設けることができるので、開封開始設定部6を利用して包装袋1に注出口を容易に形成できる。
本実施形態では、開封開始設定部6は、湾曲部5に向かって延在するハーフカット部を含んでもよい。この場合、開封開始設定部6を利用して包装袋1に注出口を容易に形成できる。
本実施形態では、積層フィルム100は、基材層110とシーラント層150との間に位置し、レーザ光吸収性樹脂を含むガスバリア層132をさらに有し、レーザ光吸収性樹脂は、ポリオレフィン樹脂を透過するレーザ光を吸収する。このようなガスバリア層132を積層フィルム100が有することによって、包装袋1のガスバリア性を向上できる。加えて、ポリオレフィン樹脂を透過するレーザ光を利用することによって、包装袋1の性能を維持しつつ、ハーフカット部がガスバリア層132に設けられる。
次に、図5、図6(a),(b)、及び図7(a),(b)を参照しながら、本開示の変形例について説明する。以下では、上記実施形態と重複する記載は省略し、上記実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、変形例に上記実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図5は、第1変形例に係る包装袋を示す概略正面図である。図5に示されるように、包装袋1Aは、底部4(図3を参照)を含まない点で、上記実施形態の包装袋1とは異なる。代わりに、包装袋1Aの封止部3Aは、封止部分31~36に加えて封止部分37を有する。封止部分37は、封止部分31,32を接続する部分であり、本体2の中心を介して湾曲部5の反対側に位置する。第1変形例においては、封止部3A及び湾曲部5によって本体2の内部空間が画成される。以上に説明した第1変形例に係る包装袋1Aにおいても、上記実施形態と同様の作用効果が発揮される。
図6(a)は、第2変形例に係る包装袋を示す概略正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb-VIb線に沿った断面図である。図6(b)においては、積層フィルム100が簡易的に示される。図6(a),(b)に示される包装袋1Bは、積層フィルム100の折曲げ体であるピロー包装袋である。ピロー包装袋は、例えば公知のピロー包装充填機等を用いることによって形成できる。第2変形例では、上記包装充填機等を用いて、シーラント層150(図1を参照)が内側に位置した状態にて積層フィルム100を曲げた後、シーラント層150の一部と他の一部とを接着することによって、ピロー包装袋である包装袋1Bが形成される。包装袋1Bは、筒形状を呈する本体2Aと、フランジ部51とを有する。以下では、本体2Aの軸方向に直交する方向を、本体2Aの幅方向とする。積層フィルム100を折り曲げる前において、上記軸方向は積層フィルム100の短辺方向及び長辺方向の一方に相当し、上記幅方向は積層フィルム100の短辺方向及び長辺方向の他方に相当する。
本体2Aは、積層フィルム100を幅方向に沿って丸めることによって形成される。軸方向において、本体2A上であって本体2Aに設けられる湾曲部5Aの反対側には、開封開始設定部6Aが設けられる。軸方向における本体2Aの両端52は、シーラント層150によって封止されている。内容物の収容製の観点から、軸方向に沿った本体2Aの寸法は、例えば、軸方向に沿った基材層110の寸法の80%以上である。両端52のシール性の観点から、軸方向に沿った本体2Aの寸法は、例えば、軸方向に沿った基材層110の寸法の90%以下である。
フランジ部51は、包装袋1Bの形成時に設けられる部分であり、軸方向に沿って延在すると共に本体2Aから突出する。フランジ部51は、軸方向における包装袋1Bの一端から他端まで延在する。図6(b)に示されるように、フランジ部51は、積層フィルム100の展開時の幅方向におけるシーラント層150の一対の端部が貼り合わされた部分に相当する。積層フィルム100の展開時において、幅方向に沿ったフランジ部51の寸法は、例えば、幅方向に沿った基材層110の寸法の2%以上5%以下である。この場合、包装袋1Bの容積を確保しつつ、フランジ部51が良好に貼り合わせられる。一対の端部の貼り合わせは、本体2Aの両端52の封止と同時に実施される。
以上に説明した第2変形例に係る包装袋1Bにおいても、上記実施形態と同様の作用効果が発揮される。
図7(a)は、第3変形例に係る包装袋を示す概略図である。図7(a)に示される包装袋1Cは、積層フィルム100から形成されると共に内容物が収容される本体2Bと、本体2Bの端部に位置する封止部3Bとを有する。包装袋1Cには、積層フィルム100が湾曲される湾曲部5Bと、開封開始設定部6Bとが設けられる。本体2Bは、積層フィルム100を二つ折りすることによって得られる折曲げ体であり、例えば所定の方向から見て矩形状を呈する。第2変形例では、所定の方向から見て、湾曲部5Bが本体2Bの一辺を構成し、封止部3Bが本体2Bの残り三辺を構成する。開封開始設定部6Bは、封止部3Bにおいて湾曲部5Bの反対側に設けられ、湾曲部5Bに向かって延在する。開封開始設定部6Bには、ノッチNが設けられる。以上に説明した第3変形例に係る包装袋1Cにおいても、上記実施形態と同様の作用効果が発揮される。
図7(b)は、第4変形例に係る包装袋を示す概略図である。図7(b)に示される包装袋1Dの開封開始設定部6Cには、複数の微小な開口及び/または窪みが設けられる。このような第3変形例に係る包装袋1Dにおいても、上記実施形態と同様の作用効果が発揮される。加えて、開封開始設定部6Cを利用した包装袋1Dの開封箇所の自由度を向上できる。
以上、本開示の好適な実施形態及びその各変形例について説明したが、本開示は上記実施形態及び上記変形例に限定されない。上記実施形態と上記変形例とは、互いに組み合わされてもよい。
上記実施形態及び上記変形例においては、バリア層において、ガスバリア層がバリア基材と基材層との間に設けられるが、これに限られない。例えば、ガスバリア層は、バリア基材とシーラント層との間に設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例においては、積層フィルムは、基材層とバリア層とを有するが、これに限られない。例えば、基材層とバリア層とが一体化してもよい。この場合、積層フィルムは、基材層、シーラント層、及び、基材層とシーラント層とを接着する接着層を有する。ガスバリア層は、例えば基材層とシーラント層との間に設けられるが、これに限られない。ガスバリア層は、基材層を介してシーラント層の反対側に設けられてもよい。すなわち、ガスバリア層は、接着層に対して離間して設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例においては、積層フィルムは、基材層とバリア層とを接着するための接着層を有するが、これに限られない。基材層とバリア層とは、互いに直接接着されてもよい。同様に、バリア層とシーラント層とは、互いに直接接着されてもよい。
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、厚さ15μmの二軸延伸ポリプロピレンからなる基材層(フタムラ化学株式会社製、商品名:FOR)を準備した。また、バリア層として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム上にアルミニウム粒子層(アルミニウム蒸着層、厚さ:約7nm)を蒸着することによって形成されるVM-OPP(Max Speciality Films社製、商品名:M15SL6、厚さ:15μm)が用いられた。
次に、基材層の上に、バリア層を重ねた。このとき、コート層を基材層と二軸延伸ポリプロピレンフィルムとの間に位置させた。続いて、ドライラミネーション機を用いてウレタン系接着剤(DIC株式会社製、商品名:LX500/KW-75)を塗工し、上記バリア層を基材層に貼り付けることによって、積層体を得た。続いて、積層体のバリア基材の上に、ドライラミネーション機を用いてウレタン系接着剤(DIC株式会社製、商品名:LX500/KW-75)を塗工し、厚さ100μmのLLDPE(タマポリ株式会社製、商品名:TTM100)からなるシーラント層を貼り合わせて積層フィルムを作製した。以上によって、図1に示されるような積層構造を有する積層フィルムを作製した。
(比較例1)
比較例1では、基材層として二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名:ON、厚さ:15μm)が用いられた。また、バリア層として、ポリエチレンテレフタレートフィルムの上にアルミニウム粒子層(アルミニウム蒸着層、厚さ:約7nm)を蒸着により形成してなるVM-PET(尾池工業株式会社製、商品名:テトライト EX-R、厚さ:12μm)が用いられた。上述した事項以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<サンプル作成>
実施例1と比較例1とのそれぞれから、サンプルとして、長方形状のサンプルA~Cを切り出した。サンプルAの短辺は50mmとし、サンプルAの長辺は100mmとした。サンプルBの短辺は30mmとし、サンプルBの長辺は60mmとした。サンプルCの短辺は10mmとし、サンプルCの長辺は20mmとした。実施例1と比較例1とのそれぞれから、3つのサンプルAと、3つのサンプルBと、3つのサンプルCとが切り出された。以下、サンプルA~サンプルCを総称してサンプルと表現することがある。各サンプルにおいて、短辺は基材層の延伸方向に相当し、長辺は基材層の延伸方向及び厚さ方向に直交する方向に相当する。
<折り曲げ保持性1>
図2(a)に示されるように、各サンプルをその長手方向に沿って二つ折りし、サンプルの一部を粘着テープを用いて水平台に固定した。このとき、各サンプルには折り目は入れなかった。次に、固定された一部上にサンプルの他部を重ねた後、当該他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持した。これにより、サンプルが二つ折りされた状態を保持した。そして上記重りを取り除いてから10秒経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度と、30分経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度とを測定した。サンプルA~Cのそれぞれの測定結果の平均値を下記表1に示す。
Figure 2023130821000002
表1に示されるように、実施例1の積層フィルムから得られたサンプルA~サンプルCにおいて、10秒経過後の角度の平均値は少なくとも127.7°以上であり、30分経過後の角度の平均値は少なくとも150.7°以上だった。一方、比較例1の積層フィルムから得られたサンプルA~サンプルCにおいて、10秒経過後の角度の平均値は最大でも94.7°であり、30分経過後の角度の平均値は最大でも138.3°だった。この結果から、少なくともサンプルの短辺が10mm以上50mm以下であって、サンプルの短辺と長辺との比率が1:2である場合、実施例1の積層フィルムの折り曲げ保持性は、比較例1よりも低いことがわかる。換言すると、実施例1の積層フィルムの復元力は、比較例1よりも強いことがわかる。
<折り曲げ保持性2>
実施例1と比較例1とのそれぞれから、3つの上記サンプルを切り出した。各サンプルをその長手方向に沿って二つ折りした。このとき、各サンプルには折り目は入れなかった。次に、折り曲げたサンプルを、速度:2m/分、圧力:0.4MPaの条件にて、卓上ドライラミネーションテスター(テスター産業株式会社製、商品名:SA-1010S)の金属ロールとゴムロールにて挟んだ。次に、挟まれたサンプルを水平台上に静置した。サンプルが金属ロールとゴムロールとに挟まれてから10秒経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度と、30分経過後のサンプルの一部と他部とがなす角度とを測定した。サンプルA~Cのそれぞれの測定結果の平均値を下記表2に示す。
Figure 2023130821000003
実施例1の積層フィルムから得られたサンプルA~サンプルCにおいて、10秒経過後の角度の平均値は少なくとも94.7°以上であり、30分経過後の角度の平均値は少なくとも122.3°以上だった。一方、比較例1の積層フィルムから得られたサンプルA~サンプルCにおいて、10秒経過後の角度の平均値は最大でも52.0°であり、30分経過後の角度の平均値は最大でも94.0°だった。この結果からも、少なくともサンプルの短辺が10mm以上50mm以下であって、サンプルの短辺と長辺との比率が1:2である場合、実施例1の積層フィルムの折り曲げ保持性は、比較例1よりも低いことがわかる。
1,1A,1B,1C,1D…包装袋、2…本体、2a…縁、3,3A,3B…封止部、4…底部、5,5A,5B…湾曲部、6,6A,6B,6C…開封開始設定部、21…主部、22…突出部、22a…先端、33…封止部分(第1封止部分)、34…封止部分(第2封止部分)、100…積層フィルム、110…基材層、120,140…接着層、130…バリア層、131…バリア基材、132…ガスバリア層、150…シーラント層、200…サンプル、201…一部、202…他部、300…水平台、400…重り、R…内径、θ…角度。

Claims (8)

  1. 内容物を収容可能であって、基材層及びシーラント層を少なくとも有する積層フィルムの折曲げ体である本体と、
    前記シーラント層の一部及び前記シーラント層の他の一部が互いに接着され、前記本体の縁の少なくとも一部を封止する封止部と、を備え、
    前記積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、
    前記積層フィルムから切り出される長方形状のサンプルをその長手方向に沿って二つ折りし、折り曲げられた前記サンプルの一部を水平台に固定し、折り曲げられた前記サンプルの他部の全体を5kgの重りにて10秒間保持してから前記重りを除いた後、30分経過後の前記サンプルの前記一部と前記他部とがなす角度が140°以上であり、
    前記サンプルの短辺は、基材層の流れ方向に沿って延在すると共に10mm以上50mm以下であり、
    前記サンプルの前記短辺と長辺との比率は、1:2である、
    包装袋。
  2. 前記本体に固定される底部をさらに備え、
    前記底部は、第2基材層及び第2シーラント層を少なくとも有する第2積層フィルムを含み、
    前記第2積層フィルムの全体に占めるポリオレフィン樹脂の合計含有率が90質量%以上であり、
    自立性を有する、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記本体は、前記内容物が収容可能な第1内部空間が設けられる主部と、前記主部から突出すると共に前記第1内部空間につながる第2内部空間が設けられる突出部とを有し、
    前記第2内部空間は、前記突出部の先端に近づくほど狭くなる、請求項1または2に記載の包装袋。
  4. 前記封止部は、前記第1内部空間の一部を画成する第1封止部分と、前記第2内部空間の一部を画成すると共に前記第1封止部分に接続される第2封止部分とを有し、
    前記第1封止部分と前記第2封止部分とは、外部部材に対する掛止部として機能する、請求項3に記載の包装袋。
  5. 前記積層フィルムが湾曲される湾曲部と、前記湾曲部の反対側に設けられると共に前記湾曲部に向かって延在する開封開始設定部とが設けられ、
    前記本体の非変形時、前記開封開始設定部が延在する方向に沿った、前記湾曲部と前記開封開始設定部との間に位置する前記本体の内部空間の内径は、0.5mm以上3.0mm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装袋。
  6. 前記開封開始設定部は、前記封止部に設けられる、請求項5に記載の包装袋。
  7. 前記開封開始設定部は、前記湾曲部に向かって延在するハーフカット部を含む、請求項5または6に記載の包装袋。
  8. 前記積層フィルムは、前記基材層と前記シーラント層との間に位置し、レーザ光吸収性樹脂を含むガスバリア層をさらに有し、
    前記レーザ光吸収性樹脂は、ポリオレフィン樹脂を透過するレーザ光を吸収する、請求項7に記載の包装袋。
JP2022035332A 2022-03-08 2022-03-08 包装袋 Pending JP2023130821A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022035332A JP2023130821A (ja) 2022-03-08 2022-03-08 包装袋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022035332A JP2023130821A (ja) 2022-03-08 2022-03-08 包装袋

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023130821A true JP2023130821A (ja) 2023-09-21

Family

ID=88050518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022035332A Pending JP2023130821A (ja) 2022-03-08 2022-03-08 包装袋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023130821A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010076835A (ja) 易開封性レトルト包装体
US20080038415A1 (en) Packaging Having A Weakening Area
JP2024003243A (ja) 包装袋
EP0573782A2 (en) Easily tearable multilayer packaging film material
JP5151237B2 (ja) 易カット性包装材料及びその包装容器
TWI309625B (ja)
JP2023130821A (ja) 包装袋
JP5682223B2 (ja) 液体用紙容器
JP7166749B2 (ja) 包装袋
JPWO2020202529A1 (ja) 容器用シート
JPH10745A (ja) 積層体およびそれを使用した包装用容器
JP6719258B2 (ja) 積層フィルム
JP5374978B2 (ja) 易開封性ピロー包装袋
JP7528452B2 (ja) 包装容器
JP2016222324A (ja) 包装袋
JP6657993B2 (ja) 蓋材用積層体、蓋材、分配包装容器、分配包装体、及び蓋材用積層体の製造方法
JPH07195610A (ja) 積層材
WO2023027063A1 (ja) 積層フィルム、包装袋、及び包装体
JP3094350B2 (ja) チューブ容器胴部形成用積層シート
US20220297915A1 (en) Packaging assembly comprising an interior bond
JPH10138412A (ja) 積層体およびそれを使用した包装用容器
JP2022156814A (ja) 包装袋
WO2023037895A1 (ja) 積層フィルム、包装袋、及び包装体
JP3744979B2 (ja) 積載圧を軽減できる包装体
JP2009096533A (ja) 紙カップ容器