JP2023130599A - 周面発光線状導光体及びその製造方法 - Google Patents

周面発光線状導光体及びその製造方法 Download PDF

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kota Tachibana
健一 田村
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Abstract

【課題】放射される光の強度の均一性を高めることが可能な周面発光線状導光体、及びその製造方法を提供する。【解決手段】周面発光線状導光体3は、長手方向の一端部においてコア41がクラッド42から露出した光ファイバ4と、クラッド42から露出した部分のコア41の先端部411を含む所定長さ範囲Eにわたってコア41の外周面41aを覆う光散乱部材5とを備える。光散乱部材5は、光透過性の基材50に光散乱粒子500が分散混合されており、コア41の外周囲における光散乱粒子500の量が、クラッド42側の端部よりもコア41の先端側の端部において多く、コア41の先端部411の端面411aには反射膜7が形成されている。周面発光線状導光体3の製造方法は、コア41がクラッド42から露出した光ファイバ4のコア41の端面411aに反射膜7を形成した後、コア41の先端部411を含む所定長さ範囲Eにわたって光散乱部材5を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバと光散乱部材とを備えた周面発光線状導光体、及びその製造方法に関する。
従来、例えば人体の食道や腸などの管腔臓器、あるいは血管や心臓内に光ファイバを備えた光ファイバカテーテルを挿入し、光ファイバカテーテルから放射される光によって患部の治療を行うカテーテル治療が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の医療用照明システムは、レーザ光源と、レーザ光源から発せられるレーザ光を導く光導波路(光ファイバ)と、光導波路の遠位端に取り付けられるディフューザ要素とを有している。ディフューザ要素は、石英ガラス等の透明体からなるディフューザ基体を有しており、このディフューザ基体に光を散乱させる散乱要素が含まれている。ディフューザ要素は、光導波路よりも直径が大きい円筒状であり、光導波路によって導かれたレーザ光がディフューザ要素の長手方向の一方の端部から入射する。ディフューザ要素に入射したレーザ光は、散乱要素によって散乱され、治療対象部位を照射する。ディフューザ要素の他方の端部には、ディフューザ基体を長手方向に通過したレーザ光を反射してディフューザ要素に戻す反射面が設けられている。
特表2020-534956号公報
上記のような光ファイバカテーテルは、治療の精度と安全性の向上のため、側方に放射される光の強度が長手方向において高い均一性を有することが望ましい。しかし、例えば特許文献1に記載のものにおいて、ディフューザ基体の長手方向に沿って散乱要素を均等に配置した場合には、側方に放射される光の強度が長手方向の部位によってばらついてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放射される光の強度の均一性を高めることが可能な周面発光線状導光体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、長手方向の一端部においてコアがクラッドから露出した光ファイバと、前記クラッドから露出した部分の前記コアの先端部を含む所定長さ範囲にわたって前記コアの外周面を覆う光散乱部材とを備え、前記光散乱部材は、光透過性の基材に光散乱粒子が分散混合されており、前記コアの外周囲における前記光散乱粒子の量が、前記クラッド側の端部よりも前記コアの先端側の端部において多く、前記コアの前記先端部の端面に反射膜が形成されている、周面発光線状導光体を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、コアと前記コアの外周面を覆うクラッドとを有する光ファイバの長手方向の一端部における前記クラッドを除去して前記コアを露出させる光ファイバ加工工程と、前記クラッドから露出した部分の前記コアの先端部の端面に反射膜を形成する反射膜形成工程と、前記コアの前記先端部を含む所定長さ範囲にわたって、光透過性の基材に光散乱粒子が分散混合された光散乱部材を形成する光散乱部材形成工程と、を有し、前記光散乱部材形成工程において、前記コアの外周囲における前記光散乱粒子の量が前記クラッド側の端部よりも前記コアの先端側の端部において多くなるように前記光散乱部材を形成する、周面発光線状導光体の製造方法を提供する。
本発明に係る周面発光線状導光体及びその製造方法によれば、放射される光の強度の均一性を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る周面発光線状導光体を用いて構成されたカテーテルを有する治療装置を、治療対象の患者と共に示す模式図である。 患者の体内に挿入されたカテーテルの先端部を示す模式図である。 (a)は、周面発光線状導光体の一端部を示す斜視図である。(b)は、軸方向に沿った周面発光線状導光体の断面図である。(c)は、周面発光線状導光体の軸方向における先端部の断面図である。 (a)~(d)は、光ファイバの加工工程を示す説明図である。 (a)~(e)は、露出したコアの外周に第1乃至第4の光散乱層及び保護コート層を順次形成する状態を示す説明図である。 (a)及び(b)は、第1乃至第4の光散乱層を形成するための光散乱層形成装置を示す概略構成図である。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る周面発光線状導光体をカテーテルとして用いる治療装置を、治療対象の患者と共に示す模式図である。治療装置1は、本体2と周面発光線状導光体3とを有し、周面発光線状導光体3の先端部が患者Pの体内に挿入されている。本体2は、レーザ光を発する光源21を有しており、光源21で発生したレーザ光が周面発光線状導光体3の基端部に入射する。
<周面発光線状導光体3の構成>
図2は、患者Pの体内に挿入された周面発光線状導光体3の一部を示す模式図である。図2では、患者Pの血管Pの一部を切り欠いて、血管P内に挿入された周面発光線状導光体3を示している。周面発光線状導光体3から散乱放射されたレーザ光Lrは、治療部Pを照射し、予め治療部Pに含ませた薬剤を反応させる。これにより、血管内レーザ治療が行われる。
図3(a)は、周面発光線状導光体3の一端部を示す斜視図である。図3(b)は、軸方向に沿った周面発光線状導光体3の断面図である。図3(c)は、周面発光線状導光体3の軸方向における先端部の断面図である。
周面発光線状導光体3は、光源21で発生したレーザ光を伝搬光として治療部Pに導く光ファイバ4と、光ファイバ4の一端部に設けられた光散乱部材5と、光散乱部材5を覆う保護コート層6とを備えている。光ファイバ4は、コア41、クラッド42、及びシース43を有している。光ファイバ4の長手方向の一端部では、クラッド42の外周面42aがシース43から露出しており、さらにコア41の外周面41aがクラッド42から露出している。
クラッド42から露出した部分のコア41の先端部411の端面411aには、光源21で発生してコア41を伝搬した伝搬光であるレーザ光を反射する反射膜7が形成されている。本実施の形態では、反射膜7がスパッタ加工によって形成されている。なお、ここでスパッタ加工とは、真空中で金属のターゲットにアルゴンガス等の不活性ガスを衝突させ、放出されたターゲットの原子又は分子を対象物に付着させる加工である。スパッタ加工のターゲットに用いられる金属は、コア41に付着しやすく光の反射率が高い、金(Au)あるいは銀(Ag)を好適に用いることができる。スパッタ加工によって形成される反射膜7の厚さt(図3(c)参照)は、例えば数nmである。
反射膜7は、コア41の先端部411の端面411aの全体を覆う円盤部71と、端面411aの近傍におけるコア41の外周面41aを覆う円筒部72とが一体に形成されている。つまり、反射膜7は、コア41の端面411aと共にコア41の外周面41aの一部を覆っている。ただし、コア41の長手方向における円筒部72の長さは、できるだけ短いことが好ましく、コア41の端面411aの直径よりも短いことが望ましい。なお、本実施の形態では、反射膜7が金属製であるが、これに限らず、白色の樹脂やセラミック等の誘電体材料によって反射膜7を形成してもよい。
また、スパッタ加工に限らず、例えば銀鏡反応によって反射膜7を形成してもよく、溶融した半田を付着させて固化させることによって反射膜7を形成してもよい。また、超音波振動によってコア41の先端部411に半田を接合してもよい。このようにして金属製の反射膜7を例えば1μm以上の厚さで形成した場合には、反射膜7の熱伝導により、レーザ光によって発熱する部分の放熱性の向上が図られる。
光散乱部材5は、クラッド42から露出した部分のコア41の先端部411を含む所定長さ範囲Eにわたって、反射膜7と共にコア41の外周面41aの全周を覆っている。光散乱部材5に覆われた部分のコア41の軸方向長さは、例えば1~5cmである。コア41の長手方向の一部は、クラッド42にも光散乱部材5にも覆われていない非被覆部410となっている。保護コート層6は、光透過性を有しており、光散乱部材5、コア41の非被覆部410、及びシース43から露出した部分のクラッド42を覆っている。
本実施の形態では、一例として、コア41が石英ガラスからなり、クラッド42がポリマーからなる。シース43は、フッ素系樹脂であり、より具体的にはETFE(エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー)である。コア41の直径は、例えば200μmである。コア41の屈折率は、クラッド42の屈折率よりも高く、クラッド42内におけるコア41を伝搬する光がクラッド42との界面で全反射する。コア41がクラッド42から露出した部分では、コア41の外周面41aから光が出射される。
光散乱部材5は、コア41の外周面41aから出射した光を散乱放射する。光散乱部材5は、コア41よりも屈折率が高い光透過性の基材50に多数の光散乱粒子500が分散混合されている。ここで、分散混合されているとは、光散乱粒子500が基材50内の一部に固まってしまうことがないよう、基材50内に光散乱粒子500が均等に散らばるように混合されていることをいう。本実施の形態では、基材50が熱硬化性の樹脂である。光散乱粒子500は、肉眼では認識できない程度の微細な粒子であるが、図3(c)では光散乱粒子500の大きさを誇張して示している。
基材50の屈折率はコア41よりも高いため、コア41の内部から外周面41aに向かう光が高い割合で光散乱部材5に入射する。本実施の形態では、基材50が熱硬化性のシリコーン樹脂であり、その屈折率が例えば1.52である。コア41の屈折率は、例えば1.46である。なお、保護コート層6の屈折率は、基材50の屈折率と同じか、あるいは基材50の屈折率よりも高い。
光散乱粒子500は、光散乱部材5に入射した光を反射する金属粒子である。本実施の形態では、光散乱粒子500としてルチル型の酸化チタン(TiO)を用いる。ただし、これに限らず、酸化アルミニウム(アルミナ)や、銀、銅、鉄、もしくはこれらの合金の微細な金属粉を光散乱粒子500として用いてもよい。
光散乱部材5は、コア41の外周面41aからの厚さがコア41の先端部411側ほど段階的に厚くなる多段構造である。また、光散乱部材5は、複数の光散乱層からなる多層構造であり、所定長さ範囲Eにおけるクラッド42側の端部からコア41の先端部411に向かって、徐々にコア41の外周に積層された複数の光散乱層の層数が多くなる。光散乱部材5の厚さは、コア41の径方向に重なる光散乱層の層数が多い部分ほど厚くなっている。本実施の形態では、光散乱部材5の光散乱層の層数が4であり、コア41の先端部411の外周では4つの光散乱層の全てが径方向に重なっている。光散乱部材5のクラッド42側の端部では、一つの光散乱層のみがコア41の外周に形成されている。
以下、これら4つの光散乱層を、内側から順に、第1の光散乱層51、第2の光散乱層52、第3の光散乱層53、及び第4の光散乱層54とする。第1乃至第4の光散乱層51~54は、それぞれ基材50に光散乱粒子500が分散混合されている。第1乃至第4の光散乱層51~54のそれぞれの基材50に対する光散乱粒子500の濃度は、例えば0~200mg/mL(1mLあたり0mg以上200mg以下)である。
図3(c)に示すように、コア41の径方向における第1乃至第4の光散乱層51~54のそれぞれの厚みt~tは、互いに同程度である。t~tは、それぞれ例えば5~10μmである。なお、保護コート層6の厚みtは、一例としてt~tと同じであるが、t~tと異なっていてもよい。
図3(b)に示すように、光散乱部材5に覆われたコア41の所定長さ範囲Eを層の数(本実施の形態では4)に応じて第1乃至第4の領域E~Eに分割したとき、最もコア41の先端側の第1の領域Eでは、コア41の外周に第1乃至第4の光散乱層51~54が形成されており、最もクラッド42側の第4の領域Eでは、コア41の外周に第4の光散乱層54のみが形成されている。第1の領域Eに隣り合う第2の領域Eでは、コア41の外周に第2乃至第4の光散乱層52~54が形成されており、第4の領域Eに隣り合う第3の領域Eでは、コア41の外周に第3及び第4の光散乱層53,54が形成されている。コア41の外周面41a及び第1乃至第4の光散乱層51~54は、それぞれ隙間なく互いに密着している。
この多層構造により、コア41の径方向における光散乱部材5の厚みは、第4の領域Eの外周(クラッド42側の端部)よりも、第1の領域Eの外周(コア41の先端部411側の端部)において厚くなっている。また、コア41の外周囲における光散乱粒子500の量は、第4の領域Eの外周(クラッド42側の端部)よりも第1の領域Eの外周(コア41の先端部411側の端部)において多くなっている。
第1乃至第4の光散乱層51~54は、基材50への光散乱粒子500の混合割合が互いに異なっている。本実施の形態において、第1乃至第4の光散乱層51~54における光散乱粒子500の濃度をそれぞれC~Cとしたとき、第1の光散乱層51の濃度Cは例えば20mg/mL、第2の光散乱層52の濃度Cは例えば10mg/mL、第3の光散乱層53の濃度Cは例えば0mg/mL、第4の光散乱層54の濃度Cは例えば7mg/mLである。つまり、本実施の形態では、第1乃至第4の光散乱層51~54における光散乱粒子500の濃度C~Cが、C>C>C>Cの関係にある。
このように、本実施の形態では、第1乃至第4の光散乱層51~54のうち最も光散乱粒子500の混合割合が高い第1の光散乱層51が、最もコア41の先端側の第1の領域Eに形成されている。
また、本実施の形態では、第4の領域Eにおけるコア41の外周面41aに接して形成された第4の光散乱層54の濃度Cが、第3の領域Eにおけるコア41の外周面41aに接して形成された第3の光散乱層53の濃度Cよりも高くなっている。これは、例えば濃度Cと濃度Cとを同じにした場合に光散乱部材5から放射される光の強度が光散乱部材5のクラッド42側の端部から軸方向に少し離れたところでピークとなる現象が認められたため、光散乱部材5から放射される光の強度の均一性を高めると共に、光散乱部材5のクラッド42側の端部における光強度の立ち上がりを良くするよう、調整を行った結果である。なお、上記の例では、第3の光散乱層53の濃度Cが0mg/mLであり、第3の光散乱層53に光散乱粒子500が含まれていないが、第3の光散乱層53に光散乱粒子500を含めてもよい。ただし、この場合でも、第3の光散乱層53の濃度Cが第4の光散乱層54の濃度Cよりも低いことが望ましい。
なお、ここでは光散乱部材5の層の数が4である場合について説明したが、光散乱部材5の層の数は4に限らず、2又は3もしくは5以上であってもよい。層の数をn(nは2以上の自然数)とし、コア41の軸方向長さ範囲Eを層数に応じたn個の領域に分割した場合、このn個の領域のうち、最もコア41の先端側の領域における層の数がnであり、最もクラッド42側の領域における層の数が1となる。
また、光散乱部材5は、多層構造に限らず、基材50への光散乱粒子500の混合割合が均一な単層構造であってもよい。この場合、コア41の径方向における光散乱部材5の厚みを、コア41の先端部411側の端部においてクラッド42側の端部よりも厚くすることで、コア41の外周囲における光散乱粒子500の量を、コア41の先端部411側の端部においてクラッド42側の端部よりも多くすることができる。
<周面発光線状導光体3の製造方法>
次に、周面発光線状導光体3の製造方法について説明する。周面発光線状導光体3の製造方法は、光ファイバ4の長手方向の一端部におけるクラッド42を除去してコア41を露出させる光ファイバ加工工程と、クラッド42から露出した部分のコア41の先端部411の端面411aに反射膜7を形成する反射膜形成工程と、コア41の外周囲における光散乱粒子500の量がコア41の先端部411側の端部においてクラッド42側の端部よりも多くなるように光散乱部材5を形成する光散乱部材形成工程とを有している。光散乱部材形成工程はさらに、硬化によって光散乱部材5となる液状体を準備する準備工程と、この液状体の上方にクラッド42の端部から突出したコア41が鉛直方向に垂れるように光ファイバ4を配置する配置工程と、コア41と液状体とを鉛直方向に相対移動させ、コア41の軸方向の一部を液状体の液面よりも下方に移動させた後にコア41を液状体から引き上げる移動工程と、コア41を引き上げることにより付着した液状体を硬化させる硬化工程とを有している。
図4(a)~(d)は、光ファイバ加工工程及び反射膜形成工程を示す説明図である。図4(a)は、例えばクリーブカットによって所定の長さに切り出された加工前の光ファイバ4の一端を示している。この状態では、コア41の外周がクラッド42に覆われ、さらにクラッド42の外周がシース43に覆われている。図4(b)は、シース43を軸方向の端部から所定の長さにわたって除去し、クラッド42の外周面42aを露出させた状態である。図4(c)は、シース43から露出した部分のクラッド42を軸方向の端部から所定の長さにわたって除去し、コア41の外周面41aを露出させた状態である。反射膜形成工程では、図4(d)に示すように、クラッド42から露出した部分のコア41の先端部411に反射膜7を形成する。
図5(a)~(d)は、露出したコア41の外周に第1乃至第4の光散乱層51~54及び保護コート層6を順次形成する状態を示す説明図である。図5(a)~(d)に示すように、光散乱部材5は、コア41の第1の領域Eの外周に第1の光散乱層51が形成された後、第1の光散乱層51及びコア41の第2の領域Eの外周に第2の光散乱層52が形成される。さらにその後、第2の光散乱層52及びコア41の第3の領域Eの外周に第3の光散乱層53が形成され、第3の光散乱層53及びコア41の第4の領域Eの外周に第4の光散乱層54が形成される。
図6(a)及び(b)は、第1乃至第4の光散乱層51~54を形成するための光散乱層形成装置8を示す概略構成図である。図6(a)及び(b)では、図面上下方向が鉛直方向の上下にあたる。光散乱層形成装置8は、ベースプレート81と、ベースプレート81に対して垂直に立接された支柱82と、支柱82に対して上下方向に移動可能な昇降台83と、光ファイバ4を保持するホルダ84と、支柱82に固定されたヒータ85とを備えている。
昇降台83は、不図示のアクチュエータによって支柱82に対して上下方向に移動する。このアクチュエータとしては、例えば電動モータの回転をボールねじ等によって直線運動に変換する構成のものを用いることができる。昇降台83は、ホルダ84を支持する支持部831を有しており、この支持部831によってホルダ84を支持している。
ホルダ84は、シース43に覆われた部分の光ファイバ4を所定の長さ範囲にわたって鉛直方向に保持している。これにより、配置工程において、クラッド42の端部から突出したコア41が鉛直方向下方に向かって垂れるように配置される。ホルダ84は、光ファイバ4を保持した状態で昇降台83と共に上下方向に移動する。
ヒータ85は、光ファイバ4を上下に挿通させる挿通孔850を有している。挿通孔850の周囲には、赤外線を放射する円筒状の放射材851が配置されており、放射材851が電熱線852によって加熱されることにより、赤外線が挿通孔850内に放射される。これにより、光ファイバ4のコア41の周囲を全方位から均等に加熱することが可能である。放射材851及び電熱線852は、ケース部材853に収容されており、ケース部材853が連結アーム854によって支柱82に連結されている。
準備工程では、光散乱粒子500の混合割合が異なる複数種類の液状体(第1乃至第4の液状体911~914)を準備する。第1の液状体911は、硬化によって第1の光散乱層51となり、第2の液状体912は、硬化によって第2の光散乱層52となる。また、第3の液状体913は、硬化によって第3の光散乱層53となり、第4の液状体914は、硬化によって第4の光散乱層54となる。
第1乃至第4の液状体911~914には、硬化する前の液状の基材50Lに多数の光散乱粒子500が分散混合されている。液状の基材50Lは、加熱工程前において常温で液状であり、ヒータ85によって加熱されることにより硬化して、固体の基材50となる。第1乃至第4の液状体911~914における光散乱粒子500の濃度は、上記のC>C>C>Cの関係に応じた濃度である。
第1乃至第4の液状体911~914は、それぞれ第1乃至第4の容器921~924に収容されている。第1乃至第4の容器921~924は、上方が開口したカップ状である。図6(a)では、第1乃至第4の容器921~924を断面で示し、その内部の第1乃至第4の液状体911~914を図示している。また、図6(a)及び(b)では、第2の容器922がベースプレート81におけるヒータ85の下方にあたる載置面81aに載置された状態を示している。
光散乱部材5を形成する際には、第1乃至第4の液状体911~914ごとに移動工程と硬化工程とを繰り返す。本実施の形態では、光散乱部材5が4層構造であるので、移動工程及び硬化工程をそれぞれ4回繰り返す。ベースプレート81の載置面81aには、1回の移動工程及び硬化工程が終わる度に、第1乃至第4の液状体911~914が順次載置される。
移動工程では、昇降台83の下方への移動によってコア41の軸方向の一部を第1乃至第4の液状体911~914の液面よりも下方に移動させた後、コア41を第1乃至第4の液状体911~914から引き上げる。液状の基材50Lは、粘性を有しており、昇降台73が上方へ移動すると、基材50Lがその粘性によって周囲に付着した状態でコア41が引き上げられる。図6(a)では、コア41を第2の液状体912の液面912aから上方に引き上げている状態を示している。
コア41を引き上げる際には、可及的に均一な厚みで基材50Lが付着するように、昇降台83を例えば秒速0.02mm程度の低速で引き上げる。コア41の引き上げ速度は、0.1mm/秒以下であることが望ましく、0.05mm/秒以下であることがより望ましい。図6(a)では、第2の液状体912が第1の光散乱層51及びコア41の第2の領域Eの外周に均一な厚みで付着した状態を示している。
硬化工程では、図6(b)に示すように、クラッド42から露出したコア41がヒータ85の挿通孔850内に位置するまで昇降台83を上昇させ、移動工程において付着した第1乃至第4の液状体911~914を放射材851から放射される赤外線によって加熱し、硬化させる。
そして、コア41の外周に第1乃至第4の光散乱層51~54を形成した後、保護コート層6を形成することにより周面発光線状導光体3が得られる。保護コート層6は、例えば第1乃至第4の光散乱層51~54と同様にして形成してもよいが、第1乃至第4の光散乱層51~54と異なる工程により保護コート層6を形成してもよい。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、光散乱部材5の厚さがコア41の先端部411側ほど段階的に厚くなる多段構造であり、光散乱粒子500の量をコア41の先端部411側の端部においてクラッド42側の端部よりも多くすることにより、光散乱部材5から放射される光の強度の均一性が高められる。また、本実施の形態では、コア41の先端部411の端面411aに反射膜7が形成されているので、コア41の先端部411から軸方向に放射される強い光によって治療対象の患者Pの人体に損傷を与えてしまうことを防ぐことができる。またさらに、反射膜7で反射した反射光がコア41の外周面41aから出射されて光散乱部材5によって散乱され、治療部Pを照射するので、光源21で発生したレーザ光の利用効率を高めることができると共に、光散乱部材5から放射される光の強度の均一性をより高めることができる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]長手方向の一端部においてコア(41)がクラッド(42)から露出した光ファイバ(4)と、前記クラッド(42)から露出した部分の前記コア(41)の先端部(411)を含む所定長さ範囲(E)にわたって前記コア(41)の外周面(41a)を覆う光散乱部材(5)とを備え、前記光散乱部材(5)は、光透過性の基材(50)に光散乱粒子(500)が分散混合されており、前記コア(41)の外周囲における前記光散乱粒子(500)の量が、前記クラッド(42)側の端部よりも前記コア(41)の先端側の端部において多く、前記コア(41)の前記先端部(411)の端面(411a)に反射膜(7)が形成されている、周面発光線状導光体(3)。
[2]前記光散乱部材(5)は、前記コア(41)よりも屈折率が高い熱硬化性のシリコーン樹脂に光散乱粒子(500)が分散混合されている、上記[1]に記載の周面発光線状導光体(3)。
[3]前記光散乱部材(5)は、複数の光散乱層(51~54)からなり、前記所定長さ範囲(E)における前記クラッド(42)側の端部から前記先端部(411)に向かって、徐々に前記コア(41)の外周に積層された前記複数の光散乱層(51~54)の層数が多くなる、上記[1]又は[2]に記載の周面発光線状導光体(3)。
[4]前記光散乱粒子(500)が酸化チタンからなり、前記複数の光散乱層(51~54)のそれぞれの前記シリコーン樹脂に対する前記光散乱粒子(500)の濃度が1mLあたり0mg以上200mg以下である、上記[2]に従属する上記[3]に記載の周面発光線状導光体(3)。
[5]前記反射膜(7)は、前記コア(41)の前記端面(411a)と共に前記コア(41)の外周面(41a)の一部を覆っている、上記[1]乃至[4]の何れかに記載の周面発光線状導光体(3)。
[6]前記反射膜(7)は、スパッタ加工により形成されている、上記[1]乃至[5]の何れかに記載の周面発光線状導光体(3)。
[7]コア(41)と前記コア(41)の外周面(41a)を覆うクラッド(42)とを有する光ファイバ(4)の長手方向の一端部における前記クラッド(42)を除去して前記コア(41)を露出させる光ファイバ加工工程と、前記クラッド(42)から露出した部分の前記コア(41)の先端部(411)の端面(411a)に反射膜(7)を形成する反射膜形成工程と、前記コア(41)の前記先端部(411)を含む所定長さ範囲(E)にわたって、光透過性の基材(50)に光散乱粒子(500)が分散混合された光散乱部材(5)を形成する光散乱部材形成工程と、を有し、前記光散乱部材形成工程において、前記コア(41)の外周囲における前記光散乱粒子(500)の量が前記クラッド(42)側の端部よりも前記コア(41)の先端側の端部において多くなるように前記光散乱部材(5)を形成する、周面発光線状導光体(3)の製造方法。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
3…周面発光線状導光体 4…光ファイバ
41…コア 411…先端部
411a…端面 41a…外周面
42…クラッド 5…光散乱部材
50…基材 500…光散乱粒子
51…第1の光散乱層 52…第2の光散乱層
53…第3の光散乱層 54…第4の光散乱層
7…反射膜 E…所定長さ範囲

Claims (7)

  1. 長手方向の一端部においてコアがクラッドから露出した光ファイバと、前記クラッドから露出した部分の前記コアの先端部を含む所定長さ範囲にわたって前記コアの外周面を覆う光散乱部材とを備え、
    前記光散乱部材は、光透過性の基材に光散乱粒子が分散混合されており、
    前記コアの外周囲における前記光散乱粒子の量が、前記クラッド側の端部よりも前記コアの先端側の端部において多く、
    前記コアの前記先端部の端面に反射膜が形成されている、
    周面発光線状導光体。
  2. 前記光散乱部材は、前記コアよりも屈折率が高い熱硬化性のシリコーン樹脂に前記光散乱粒子が分散混合されている、
    請求項1に記載の周面発光線状導光体。
  3. 前記光散乱部材は、複数の光散乱層からなり、
    前記所定長さ範囲における前記クラッド側の端部から前記先端部に向かって、徐々に前記コアの外周に積層された前記複数の光散乱層の層数が多くなる、
    請求項1又は2に記載の周面発光線状導光体。
  4. 前記光散乱粒子が酸化チタンからなり、
    前記複数の光散乱層のそれぞれの前記シリコーン樹脂に対する前記光散乱粒子の濃度が1mLあたり0mg以上200mg以下である、
    請求項2に従属する請求項3に記載の周辺発光線状導光体。
  5. 前記反射膜は、前記コアの前記端面と共に前記コアの外周面の一部を覆っている、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の周面発光線状導光体。
  6. 前記反射膜は、スパッタ加工により形成されている、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の周面発光線状導光体。
  7. コアと前記コアの外周面を覆うクラッドとを有する光ファイバの長手方向の一端部における前記クラッドを除去して前記コアを露出させる光ファイバ加工工程と、
    前記クラッドから露出した部分の前記コアの先端部の端面に反射膜を形成する反射膜形成工程と、
    前記コアの前記先端部を含む所定長さ範囲にわたって、光透過性の基材に光散乱粒子が分散混合された光散乱部材を形成する光散乱部材形成工程と、を有し、
    前記光散乱部材形成工程において、前記コアの外周囲における前記光散乱粒子の量が前記クラッド側の端部よりも前記コアの先端側の端部において多くなるように前記光散乱部材を形成する、
    周面発光線状導光体の製造方法。
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