JP2023129999A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】載置台の載置面上での基板の位置調整を、専用の駆動系を用いずに行う。【解決手段】基板を処理する基板処理装置であって、基板が載置される載置面を有する載置台と、前記載置台が内部に設置された処理容器と、前記載置面に載置された基板の周縁に対し側方から進退可能に構成され当該周縁に当接する当接部を有する位置調整機構と、前記載置台以外の当該基板処理装置の構成部材と前記載置台とを相対的に鉛直方向に移動させる移動機構と、を備え、前記位置調整機構は、前記移動機構による相対的な移動が行われることにより、前記載置面に載置された基板の周縁に対し前記当接部が進退するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、基板処理装置に関する。
特許文献1には、上面に基板を載置するためのステージと、ステージの上面から突出して設けられ基板の周縁と接触して基板の位置を規制するための基準ブロックと、ステージの上面に載置された基板を押圧し基板の周縁を基準ブロックへ押し当てて位置決めするための押圧用アームと、を備えた基板の位置決め装置が開示されている。
特許文献2には、基板が載置面に載置される載置台を備える基板保持装置が開示されている。この基板保持装置は、載置面上の基板の周縁に対して当接する当接位置と離間する離間位置との間で移動可能なアライメントピンを、載置面に基板が載置された状態で離間位置から当接位置へ移動させることで載置面上での基板の位置を調整する位置調整処理を実行する位置調整機構を備える。位置調整機構は、アライメントピンの下端部を支持しつつアライメントピンを水平方向へ駆動する位置調整アクチュエータを有する。
特開平8-46017号公報 特開2017-112197号公報
本開示にかかる技術は、載置台の載置面上での基板の位置調整を、専用の駆動系を用いずに行う。
本開示の一態様は、基板を処理する基板処理装置であって、基板が載置される載置面を有する載置台と、前記載置台が内部に設置された処理容器と、前記載置面に載置された基板の周縁に対し側方から進退可能に構成され当該周縁に当接する当接部を有する位置調整機構と、前記載置台以外の当該基板処理装置の構成部材と前記載置台とを相対的に鉛直方向に移動させる移動機構と、を備え、前記位置調整機構は、前記移動機構による相対的な移動が行われることにより、前記載置面に載置された基板の周縁に対し前記当接部が進退するように構成されている。
本開示にかかる技術によれば、載置台の載置面上での基板の位置調整を、専用の駆動系を用いずに行うことができる。
第1実施形態にかかる基板処理装置としての成膜装置の構成の概略を模式的に示す説明図であり、成膜装置の一部を断面で示している。 載置台の上面図である。 位置調整機構の配設位置を説明するための上面図である。 位置調整機構の側面図である。 位置調整機構の上面図である。 ウェハの位置合わせ工程時の位置調整機構の状態を示す図である。 ウェハの位置合わせ工程時の位置調整機構の状態を示す図である。 ウェハの位置合わせ工程時の位置調整機構の状態を示す図である。 第2実施形態にかかる基板処理装置としての成膜装置が有する位置調整機構の側面図である。 図9の位置調整機構の動作を説明するための図である。 図9の位置調整機構の動作を説明するための図である。 図9の位置調整機構の動作を説明するための図である。
半導体デバイス等の製造プロセスでは、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)等の基板に対して、所定の膜を形成する成膜処理等の各種基板処理が行われる。この基板処理は、減圧された処理容器内の載置台の載置面に基板が載置された状態で行われる。
また、基板処理の際、基板は載置面上で適切に位置調整されている必要があり、基板処理によっては1mm未満の高い精度で位置調整することが求められる。
そのため、従来、載置面上での基板の位置調整に関する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。しかし、特許文献1、2に開示の位置調整方法では、位置調整専用の駆動系を用いている。このように、位置調整専用の駆動系を、載置台の昇降用の駆動系等の基板処理に必須な駆動系の他に設けることが難しい場合がある。例えば、処理容器内にスペース上の制約がある場合である。基板を処理する際に処理容器内を真空雰囲気とする形態では上述のようなスペース上の制約がある場合が多い。
そこで、本開示にかかる技術は、載置台の載置面上での基板の位置調整を、専用の駆動系を用いずに行う。
以下、本実施形態にかかる基板処理装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
<成膜装置>
図1は、第1実施形態にかかる基板処理装置としての成膜装置の構成の概略を模式的に示す説明図であり、成膜装置の一部を断面で示している。図2は、後述の載置台の上面図である。図3は、後述の位置調整機構の配設位置を説明するための上面図である。
図1の成膜装置1は、基板としてのウェハWを成膜処理し、当該ウェハW上に例えば金属膜を形成するように構成されている。
成膜装置1は処理容器10と載置台30とを有する。
処理容器10は、その内部に載置台30が設置されるものであり、減圧可能に構成されている。この処理容器10は、例えば、金属材料を用いて、円筒状に形成されている。
処理容器10の側壁11には、ウェハWの搬入出口(図示せず)が設けられており、この搬入出口には、当該搬入出口を開閉するゲートバルブ(図示せず)が設けられている。
処理容器10の底壁12には、排気口12aが形成されている。また、底壁12には、後述のベローズ36を収容する収容部20の上部の開口20aと排気口12aとが連通するように、当該収容部20が接続されている。収容部20は、上部と側部に開口20a、20bを有し、開口20aと開口20bが互いに連通している。これら開口20a、20bを介して処理容器10が排気されるように、収容部20の側部には、排気管21の一端が接続されている。排気管21の他端は、真空ポンプ等を有する排気機構22に接続されている。
載置台30は、載置部31と、基部32と、囲繞部33と、を有する。載置部31は静電チャックとしてもよい。
載置部31は、円板状に形成されており、その上面の中央部が、ウェハWが載置される載置面31aを構成する。載置部31が静電チャックである場合、当該載置部31は、載置面31aに載置されたウェハWを静電吸着により保持する。
基部32は、円板状に形成されており、例えば、その内部に、温度調節部材(図示せず)が設けられている。温度調節部材は、載置面31aの温度を調節して当該載置面31aに載置されたウェハWの温度を調節するものであり、例えば抵抗加熱式のヒータである。
また、載置部31の上面の外周部は、中央部より高く形成されている。すなわち、載置部31は、図1及び図2に示すように、平面視において載置面31aを囲み且つ上方に突出するように設けられた、載置面31aと同心となる環状(具体的には円環状)の土手部31bを有する。土手部31bの高さは例えば1~3mmである。
また、載置部31の上部の外周部には、後述の位置調整機構60に対応する位置に、下方に凹む凹部31cが設けられている。凹部31cは、載置面31aの径方向に延びると共に土手部31bを貫くように、形成されている。なお、以下の説明では、「径方向」とは「載置面31aの径方向」を意味する。また、凹部31c内には、後述の位置調整機構60の当接部60aが配設される。
囲繞部33は、平面視において載置面31aを囲繞する。具体的には、囲繞部33は、平面視において土手部31bを囲繞する。例えば、囲繞部33は、平面視において、載置面31aと同心の環状(具体的には円環状)となるように形成されている。
囲繞部33の具体的な構成については後述する。
図1に示すように、載置台30の下面の中央部すなわち基部32の下面の中央部には、処理容器10の底壁12の排気口12aを通じて底壁12を貫通し、さらに、収容部20の底壁20cを貫通するように、上下方向に延在する支柱34の上端部が接続されている。支柱34の下端は、移動機構35に接続されている。移動機構35は、支柱34を介して、載置台30と後述のクランプリング50とを相対的に鉛直方向に移動させる。具体的には、移動機構35は、支柱34を介して、載置台30を昇降させることにより、載置台30とクランプリング50とを相対的に鉛直方向に移動させる。
移動機構35は、載置台30の移動を駆動する駆動部(図示せず)が設けられている。上記駆動部は、上記移動のための駆動力を発生する駆動源として例えばモータを有する。移動機構35(の駆動部)は後述の制御部100により制御される。
移動機構35は、載置台30を、上方の処理位置と下方の待機位置との間で鉛直方向に移動させる。処理位置は、ウェハWに処理が行われる時の位置である。待機位置は、処理容器10の前述の搬出入口(図示せず)から処理容器10内に進入するウェハWの搬送機構(図示せず)と、処理容器10内の下方に設けられた受け渡しピン(図示せず)との間で、ウェハWを受け渡している時の位置である。
また、支柱34には、フランジ34aが設けられている。そして、このフランジ34aの下面と、収容部20の底壁20cの上面との間には、支柱34の外周を囲むように、ベローズ36が設けられている。このベローズ36が設けられているため、収容部20の底壁20cにおける支柱34の貫通部分によって処理容器10の気密性が失われることがない。
また、載置台30に対向するように、処理容器10の天壁13には、処理ガスとしての成膜ガスの供給部14が設けられている。供給部14は、成膜ガスを処理容器10内に供給する。供給部14が供給する成膜ガスは、金属膜を成膜するための成膜ガスである。供給部14には、供給管40の一端が接続されている。供給管40の他端は、成膜ガスの供給源等を有する供給機構41に接続されている。
さらに、処理容器10内における天壁13と載置台30との間には、カバー部材としてのクランプリング50が設けられている。クランプリング50は、載置台30の載置面31aに載置されたウェハWの外周部を覆う。例えば、クランプリング50は、平面視において、載置面31aと同心の環状(具体的には円環状)となるように形成されている。クランプリング50の材料には例えばアルミニウム、ステンレスといった金属や、アルミナ、窒化アルミといったセラミックが用いられる。クランプリング50の内周側端には、載置台30の載置面31aに載置されたウェハWの外周部に接触する接触部51を有する。接触部51は、載置面31aと同心の環状(具体的には円環状)となり且つ下方に突出するように形成されている。
また、処理容器10内には、クランプリング50を水平に支持する支持部材(図示せず)が設けられている。この支持部材は、例えば3本設けられ、載置台30に対するウェハWの受け渡しを妨げないように、クランプリング50の周方向に互いに間隔を空けて設けられている。
載置台30が待機位置に位置するとき、クランプリング50は上記支持部材に支持された状態にある。一方、載置台30が処理位置に位置するとき、クランプリング50は、載置面31aに載置されたウェハWの全周に亘って当該ウェハWの外周部に接触部51が接触し且つ当該ウェハWの外周部を覆う形態で、載置台30に支持された状態となる。クランプリング50は、ウェハW及び後述の位置調整機構60の伸縮部材61を介して載置台30に支持される。
クランプリング50の下面における後述の位置調整機構60に対応する位置には、下方に突出する凸部52が設けられている。凸部52を設けた意味については後述する。
また、図2に示すように、載置台30には、成膜抑制ガスを供給するガス吐出部としての吐出口31dが設けられている。成膜抑制ガスは、載置台30の載置面31aに載置されたウェハWの外周部またはクランプリング50の少なくともいずれか一方への成膜を抑制する成膜阻害ガスである。吐出口31dは、載置面31aに開口するように形成されている。また、吐出口31dは、載置面31aの外周部(具体的には例えば平面視でクランプリング50の内周端より外側の部分)に、載置面31aの周方向に沿って複数形成されている。
なお、吐出口31dは、成膜抑制ガスの供給源等を有する供給機構(図示せず)に接続されている。
さらに、図1に示すように、処理容器10内には、載置面31a上でのウェハWの位置を調整する位置調整機構60が設けられている。位置調整機構60は、当接部60aを有する。当接部60aは、載置台30の載置面31aに載置されたウェハWの周縁に対し側方から進退可能に構成され当該周縁に当接する。そして、位置調整機構60は、移動機構35による載置台30とクランプリング50との相対的な移動(具体的には載置台30の昇降)が行われることにより、載置面31aに載置されたウェハWの周縁に対し当接部60aが進退するように構成されている。位置調整機構60は、図3に示すように、例えば複数(好ましくは3以上)設けられ、載置台30の周方向に沿って等間隔で設けられる。位置調整機構60は、少なくとも以下のように構成されている。すなわち、少なくとも、当接部60a(具体的にはその内周側端)が、最内側の位置である位置合わせの基準位置L1(後述の図6参照)と、基準位置L1から外側に退避した退避位置L2(後述の図6参照)との間で移動するように、位置調整機構60は構成されている。基準位置L1に位置する当接部60aに周縁が当接する載置面31a上のウェハWは、当該載置面31a上において適切な位置となる。位置調整機構60の具体的な構成については後述する。
以上のように構成される成膜装置1には、図1に示すように、制御部100が設けられている。制御部100は、例えばCPU等のプロセッサやメモリを備えたコンピュータにより構成され、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、成膜装置1における後述のウェハ処理を実現するためのプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部100にインストールされたものであってもよい。また、上記記憶媒体は、一時的なものであっても、非一時的なものであってもよい。
<位置調整機構60>
続いて、図2を参照し、図4及び図5を用いて、位置調整機構60の構成例について説明する。図4及び図5はそれぞれ、位置調整機構60の側面図及び上面図である。また、図4及び図5は、位置調整機構60の周囲の部材も示されており、図4では当該周囲の部材を断面で示している。
図4及び図5に示すように、各位置調整機構60は伸縮部材61を有する。伸縮部材61は、径方向に沿って伸縮自在に構成され、当接部60aが先端側に設けられて、基端部が囲繞部33に固定されている。伸縮部材61は、径方向に沿って伸びることにより、当接部60aが載置面31aに載置されたウェハWの周縁に向かって移動するように構成されている。
この伸縮部材61は、例えば、第1軸部材61a、第1リンク61b、第2軸部材61c、第2リンク61d、第3軸部材61e及びスライダ61fを有する。第1軸部材61a、第1リンク61b、第2軸部材61c、第2リンク61d、第3軸部材61e及びスライダ61fの材料には例えばアルミニウムが用いられる。
第1軸部材61aは、水平面において径方向と直交する方向に軸が延びるように、囲繞部33に固定され、鉛直方向にも径方向にも移動しないようなっている。
第1リンク61bは、その基端部が第1軸部材61aに軸支され、その先端部が第2軸部材61cに軸支されている。
第2軸部材61cは、第1リンク61bの先端部と第2リンク61dの基端部を連結するものであり、第1軸部材61aと同様、水平面において径方向と直交する方向に軸が延びるように設けられている。ただし、第2軸部材61cは、第1軸部材61aとは異なり、固定されておらず、鉛直方向及び径方向の両方に移動可能になっている。
第2リンク61dは、その基端部が第2軸部材61cに軸支され、また、その先端部が第3軸部材61eに軸支されている。
第3軸部材61eは、第2リンク61dの先端部とスライダ61fの基端部を連結するものであり、第1軸部材61aと同様、水平面において径方向と直交する方向に軸が延びるように設けられている。ただし、第3軸部材61eは、第1軸部材61aとは異なり、鉛直方向及び径方向のうち径方向にのみ移動可能に、囲繞部33に支持されている。
スライダ61fは、前述の当接部60aであり、基端部が第3軸部材61eに固定され、先端側が載置台30の外周部の上面(具体的には凹部31cの底面)に支持される。スライダ61fの先端側の厚さは、例えば、当該先端側の上端が土手部31bの上端から突出しない厚さである。
この構成により、伸縮部材61は、径方向に沿って伸縮自在となっており、また、径方向に沿って伸縮したときに、第3軸部材61eが径方向に移動し且つスライダ61fの先端側が載置台30の凹部31cの底面上を径方向に摺動する。
伸縮部材61は、載置台30との間の摩擦力を低減する摩擦低減膜で覆われていてもよい。伸縮部材61は、その全体が上記摩擦低減膜で覆われていてもよいし、スライダ61fのみ等、その一部のみが上記摩擦低減膜で覆われていてもよい。摩擦低減膜は、成膜処理時の載置面31aの温度が200℃未満と低い場合、例えばフッ素樹脂膜であり、200℃以上と高い場合、例えばダイヤモンドライクカーボン膜である。
また、伸縮部材61は、スライダ61fの先端側のみ、載置部31の上面の上方に位置する。伸縮部材61のそれ以外の部分は、囲繞部33の上方に位置する。
載置台30が待機位置等に位置しクランプリング50から離間しており伸縮部材61にクランプリング50が接触していない状態では、当該伸縮部材61の一部(具体的には第2軸部材61cによる連結部分)がクランプリング50に向けて突出するように、すなわち、上方に突出するように、当該伸縮部材61が径方向に縮んでいる。それに対し、載置台30の上昇が行われることにより、伸縮部材61の上方に突出していた部分がクランプリング50により載置台30に向けて押圧されて、当該伸縮部材61が径方向に延び、スライダ61fが、載置面31a上のウェハWに向かって移動する。クランプリング50による押圧により、スライダ61fは少なくとも前述の基準位置L1まで移動する。
また、伸縮部材61は、一方向からの力のみで、径方向に縮んだ状態から伸びた後、再び縮むように構成されている。具体的には、伸縮部材61は、クランプリング50による載置台30に向けた力すなわち下方への力のみで、第2軸部材61cによる連結部分が上方に突出する形態で径方向に縮んだ状態から伸び切った後、当該連結部分が下方に突出する形態で縮むように構成されている。この伸縮の過程で、スライダ61fが、前述の退避位置L2から基準位置L1へ移動した後、弱退避位置L3に移動する。弱退避位置L3(後述の図8参照)は、基準位置L1の外側であるが退避位置L2よりも内側の位置すなわち当該基準位置L1に近い位置である。
さらに、位置調整機構60はバネ62を有する。バネ62は、伸縮部材61が以下の形態で縮むように当該伸縮部材61を付勢する。すなわち、伸縮部材61のクランプリング50に押圧される部分(具体的には第2軸部材61cによる連結部分)がクランプリング50に向けて突出する形態である。
囲繞部33の上面における伸縮部材61に対応する位置には、下方に凹む凹部33aが設けられている。凹部33aには、第1リンク61b及び第2リンク61dと、スライダ61fの基端側と、が収容される。凹部33aは径方向に延びるように形成されている。
また、凹部33aは、例えば以下のように形成される。すなわち、凹部33aは、伸縮部材61が伸び切ってスライダ61fが基準位置L1に位置する状態において、伸縮部材61の略全体(具体的には囲繞部33の上方に位置する部分)が当該凹部33a内に収まるように形成される。このように凹部33aが形成されていても、伸縮部材61を前述のように下方に突出する形態で縮ませるために、クランプリング50の凸部52が設けられている。
さらに、凹部33aの底面には、下方に凹みバネ62の下側が収容される収容凹部33bが形成されている。
囲繞部33の上面において、径方向と直交する方向で凹部33aと隣接する位置には、径方向外側から順に、下方に凹む凹部33c、33dを有する。凹部33c、33dに対しては、当該凹部33c、33dの開口部を塞ぐ蓋部材33eが設けられている。
凹部33cと蓋部材33eとは、第1軸部材61aを固定する軸固定部を構成する。
凹部33dと蓋部材33eとは、第3軸部材61eを径方向に移動可能に支持する軸支持部を構成する。
<ウェハ処理>
続いて、成膜装置1を用いて行われる、ウェハWの位置合わせ工程を含むウェハ処理について、図6~図8を用いて説明する。図6~図8は、ウェハWの位置合わせ工程時の位置調整機構60の状態を示す図である。なお、このウェハ処理は、制御部100の下、行われる。
(ステップS1:載置)
まず、載置台30の載置面31aにウェハWが載置される。
具体的には、処理容器10のウェハWの搬出入口(図示せず)に設けられたゲートバルブ(図示せず)が開かれ、処理容器10に隣接する真空雰囲気の搬送室(図示せず)から、上記搬出入口を介して、ウェハWを保持した搬送機構(図示せず)が真空雰囲気の処理容器10内に挿入される。そして、ウェハWが、前述の待機位置に位置する載置台30の上方に搬送される。次いで上昇した支持ピン(図示せず)の上にウェハWが受け渡され、その後、上記搬送機構は処理容器10から抜き出され、上記ゲートバルブが閉じられる。それと共に、上記支持ピンの下降が行われ、所定の温度に調整された載置台30の載置面31a上にウェハWが載置される。
このとき、各位置調整機構60の伸縮部材61は、図6に示すように、バネ62からの付勢力により、第2軸部材61cによる連結部分がクランプリング50に向けて(すなわち上方に向けて)突出する形態で、最も縮んだ状態にある。そのため、各位置調整機構60のスライダ61fが退避位置L2に位置する。退避位置L2は土手部31bの内周端より外側に位置する。したがって、載置面31a上へのウェハWの載置が、スライダ61fにより妨げられることはない。
(ステップS2:位置調整及びクランプリング50の設置)
次いで、載置面31a上でのウェハWの位置調整及びクランプリング50の設置が行われる。
具体的には、載置台30が待機位置から処理位置まで上昇される。
上昇開始直後から、クランプリング50が各位置調整機構60の伸縮部材61に接触するまでは、各伸縮部材61のスライダ61fの位置は退避位置L2のままである。
クランプリング50が各位置調整機構60の伸縮部材61に接触し始めてからも、載置台30の上昇を継続することで、まず、支持部材(図示せず)に支持されていたクランプリング50が、各伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分に受け渡され支持される。その後、クランプリング50が自重により載置台30に近づいていき、その過程で、各伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分が、クランプリング50により下方に向けて押圧され、各伸縮部材61が伸びていく。
図7に示すように、クランプリング50による押圧により各伸縮部材61が伸び切ると、各伸縮部材61のスライダ61fは基準位置L1となる。これにより、ウェハWが載置面31a上の適切な位置からずれた位置に載置されていた場合に、ずれた方向に位置するスライダ61fとウェハWの周縁を当接させ、当該ウェハWをずれが解消する方向に移動させ、適切な位置に位置させることができる。つまり、載置面31a上でのウェハWの位置を調整することができる。
この際、吐出口31dから載置面31aとウェハWの裏面との間に成膜阻害ガスを供給してもよい。これにより、載置面31aとウェハWの裏面との間の摩擦力を低下させ、スライダ61fによるウェハWの移動を容易にすることができる。
なお、各伸縮部材61が伸び切った状態では、クランプリング50は、載置面31aに載置されたウェハWの外周部に接触部51が接触するほどには、まだ載置台30に近づいていない。各伸縮部材61が伸び切る前すなわちスライダ61fが基準位置L1に到達する前に、クランプリング50の接触部51がウェハWの外周部に接触してしまうと、スライダ61fによるウェハWの移動が阻害されるおそれがあるから、である。
また、基準位置L1は、クランプリング50の接触部51の内周端より外側に位置する。
各伸縮部材61が伸び切った後も、クランプリング50が自重により載置台30に近づいていく。各伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分が、クランプリング50により下方に向けて押圧され、各伸縮部材61が縮んでいき、スライダ61fが基準位置L1から外側に遠ざかる。また、クランプリング50が自重により載置台30に近づいていく結果、最終的に、図8に示すように、載置面31aに載置されたウェハWの外周部に接触部51が接触する。つまり、クランプリング50が、載置台30に対し設置され、ウェハW及び伸縮部材61を介して載置台30に支持される。このとき、各伸縮部材61は、第2軸部材61cによる連結部分が下方に向けて突出する形態で縮んでおり、スライダ61fが前述の弱退避位置L3に位置する。
なお、スライダ61fが弱退避位置L3に移動するまでの間に伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分が凹部33aの底面に接触しないよう、当該凹部33aは設けられている。
クランプリング50の設置が完了すると、載置部31が静電チャックである場合は静電チャックによりウェハWが吸着保持される。
なお、載置台30が処理位置に到達する前に、クランプリング50の設置が完了してもよいし、載置台30が処理位置に到達した後に、クランプリング50の設置が完了してもよい。
載置面31a上でのウェハWの位置が前述のように調整されているため、設置されたクランプリング50と当該ウェハWは同心となる。
(ステップS3:膜形成)
その後、ウェハW上に金属膜が形成される。
具体的には、供給部14から成膜ガスが供給される。供給された成膜ガスがウェハWの表面で熱により分解し、ウェハW上に金属膜が形成される。
供給部14からの成膜ガスの供給の他に、吐出口31dからの成膜抑制ガスの供給も行われる。供給された成膜抑制ガスは、載置部31の土手部31bとクランプリング50との間、伸縮部材61が設けられた囲繞部33とクランプリング50との間を流れ、開口20a、20bを介して排出される。このように成膜抑制ガスを供給することより、ウェハWの外周部、載置部31の土手部31b、クランプリング50、囲繞部33、伸縮部材61等に金属膜が形成されるのを抑制することができる。
なお、金属膜の形成中、スライダ61fが弱退避位置L3のままである。
金属膜形成が完了すると、供給部14からの成膜ガスの供給、吐出口31dからの成膜抑制ガスの供給が停止され、載置部31が静電チャックである場合は静電チャックによるウェハWの吸着保持も停止される。
(ステップS4:搬出)
そして、ステップS1と逆の手順で、ウェハWが処理容器10から搬出される。
(本実施形態の主な効果)
以上のように、本実施形態によれば、載置台30の載置面31a上でのウェハWの位置調整を、位置調整専用の駆動系を用いずに行うことができる。また、本実施形態では、位置調整専用の駆動系が不要なため、当該駆動系に起因したパーティクルの問題が生じない。
また、本実施形態によれば、載置面31a上でのウェハWとクランプリング50とを確実に同心とすることができる。したがって、ウェハWの所望の領域にのみ所望の厚さで成膜することができる。
さらに、本実施形態では金属膜の形成中、スライダ61fが弱退避位置L3に位置し、ウェハWの周縁部と当接していない。したがって、ウェハWが成膜中に熱膨張することによりスライダ61fに当接してウェハWが破損するのを抑制することができる。また、ウェハWが成膜中に熱膨張することによりスライダ61fに当接し当該スライダ61fが縮みクランプリング50が持ち上がるのを抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
以上の例では、クランプリング50を設置する際、載置台30を上昇させたが、載置台30を移動させずに、クランプリング50を下降させるようにしてもよい。
また、以上の例では、クランプリング50は固定されていなかったが、固定されていてもよい。
(第2実施形態)
<成膜装置>
図9は、第2実施形態にかかる基板処理装置としての成膜装置が有する位置調整機構の側面図である。また、図9では、位置調整機構の周囲の部材を断面で示している。
図9の位置調整機構60Aを有する成膜装置は、第1実施形態と異なり、クランプリング50を有していない。
さらに、図9の位置調整機構60Aは、第1実施形態と異なり、支持部材200を有する。支持部材200は、伸縮部材61を下方から支持可能に構成されている。具体的には、支持部材200は、伸縮部材61を以下の状態で支持可能に構成されている。すなわち、伸縮部材61における第2軸部材61cによる連結部分が上方に突出する形態で当該伸縮部材61が径方向に縮んだ状態である。
また、支持部材200は、載置台30が待機位置に位置するときは、処理容器10の底壁12に支持される。ただし、支持部材200は、載置台30が、待機位置の上方に位置すると、処理容器10の底壁12による支持が解除される。
この支持部材200は、載置台30の囲繞部33を厚さ方向に貫通する貫通孔201に挿通される。
また、支持部材200は、底壁12による支持が解除されたときに、伸縮部材61(具体的には例えば第1リンク61bの先端部)に吊持されるように構成されている。
載置台30が待機位置に位置し支持部材200が処理容器10の底壁12に支持されている状態では、伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分が上方に突出するように、当該伸縮部材61が径方向に縮んでいる。それに対し、底壁12と載置台30との相対的な移動が行われることにより(具体的には載置台30の上昇が行われることにより)、処理容器10の底壁12による支持部材200の支持が解除され、支持部材200による伸縮部材61の支持も解除される。その結果、伸縮部材61の上方に突出していた部分が、伸縮部材61及び支持部材200に作用する重力により下方に移動し、当該伸縮部材61が径方向に延び、スライダ61fが、載置面31a上のウェハWに向かって移動する。伸縮部材61及び支持部材200に作用する重力により、スライダ61fは少なくとも前述の基準位置L1まで移動する。
本実施形態においても、伸縮部材61は、一方向からの力のみで、径方向に縮んだ状態から伸びた後、再び縮むように構成されている。具体的には、伸縮部材61は、当該伸縮部材61及び支持部材200に作用する下方への重力のみで、第2軸部材61cによる連結部分が上方に突出する形態で径方向に縮んだ状態から伸び切った後、当該連結部分が下方に突出する形態で縮むように構成されている。この伸縮の過程で、スライダ61fが、図10に示す退避位置L2から図11に示す基準位置L1へ移動した後、図13に示す弱退避位置L3に移動する。なお、スライダ61fが弱退避位置L3まで移動すると、伸縮部材61の第2軸部材61cによる連結部分は凹部33aの底面に支持される。
本実施形態によっても、載置台30の載置面31a上でのウェハWの位置調整を、位置調整専用の駆動系を用いずに行うことができる。
また、本実施形態では、伸縮部材61を伸ばし基準位置L1までスライダ61fを移動させるための力として、当該伸縮部材61に作用する重力だけでなく伸縮部材61に吊持された支持部材200に作用する重力も加わる。したがって、スライダ61fにウェハWの周縁が当接していても、当該スライダ61fを基準位置L1まで容易に移動させることができる。すなわち、スライダ61fによるウェハWの移動を容易に行うことができる。
(第2実施形態の変形例)
支持部材200が、伸縮部材61に吊持されず、処理容器10の底壁12に固定されていてもよい。この場合、載置台30の上昇が行われることにより、支持部材200による伸縮部材61の支持が解除される。その結果、伸縮部材61の上方に突出していた部分が、伸縮部材61に作用する重力により下方に移動し、当該伸縮部材61が径方向に延び、スライダ61fが、載置面31a上のウェハWに向かって移動する。
(その他の変形例)
以上では、本開示にかかる位置調整技術を、成膜装置に適用していたが、エッチング装置やクリーニング装置等、成膜処理以外の他の基板処理を行う装置に適用してもよい。
また、以上では、スライダ61fの先端側の厚さが、例えば、当該先端側の上端が土手部31bの上端から突出しない厚さとした。しかし、スライダ61fの先端側の厚さが、当該先端側の上端から突出する厚さでもよい。この場合、ウェハWが土手部31bに乗り上げるように載置台30に載置されていても、ウェハWを土手部31bから落として載置面31a上に載置することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 成膜装置
10 処理容器
12 底壁
30 載置台
31a 載置面
35 移動機構
50 クランプリング
60、60A 位置調整機構
60a 当接部
W ウェハ

Claims (10)

  1. 基板を処理する基板処理装置であって、
    基板が載置される載置面を有する載置台と、
    前記載置台が内部に設置された処理容器と、
    前記載置面に載置された基板の周縁に対し側方から進退可能に構成され当該周縁に当接する当接部を有する位置調整機構と、
    前記載置台以外の当該基板処理装置の構成部材と前記載置台とを相対的に鉛直方向に移動させる移動機構と、を備え、
    前記位置調整機構は、前記移動機構による相対的な移動が行われることにより、前記載置面に載置された基板の周縁に対し前記当接部が進退するように構成されている、基板処理装置。
  2. 前記載置面の周方向に沿って前記位置調整機構を複数有する、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記位置調整機構は、前記載置面の径方向に沿って伸縮自在に構成され前記当接部が設けられた伸縮部材を有し、
    前記伸縮部材は、当該伸縮部材が伸びることにより、前記当接部が、前記載置面に載置された基板の周縁に向かって移動するように構成されている、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記伸縮部材は、一方向からの力で、縮んだ状態から伸びた後、再び縮むように構成されている、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記載置台以外の当該基板処理装置の前記構成部材は、前記載置面に載置された基板の表面の外周部を覆うカバー部材であり、
    前記伸縮部材は、前記移動機構による前記カバー部材と前記載置台との相対的な移動が行われることにより、前記カバー部材により前記載置台に向けて押圧されて伸びるように構成されている、請求項3または4に記載の基板処理装置。
  6. 前記位置調整機構は、前記伸縮部材が前記カバー部材に向けて突出する形態で縮むように当該伸縮部材を付勢する付勢部材を有する、請求項5に記載の基板処理装置。
  7. 前記載置台の前記載置面に載置された基板の外周部または前記カバー部材の少なくともいずれか一方への成膜を抑制する成膜抑制ガスを供給するガス吐出部を有する、請求項5または6に記載の基板処理装置。
  8. 前記載置台以外の当該基板処理装置の前記構成部材は、前記処理容器の底壁であり、
    前記位置調整機構は、
    前記伸縮部材が縮むように当該伸縮部材を下方から支持可能に構成され、前記底壁により支持される支持部材を有し、
    前記移動機構による前記底壁と前記載置台との相対的な移動が行われることにより前記支持部材による前記伸縮部材の支持が解除されて当該伸縮部材が伸びるように構成されている、請求項3または4に記載の基板処理装置。
  9. 前記支持部材は、前記底壁による当該支持部材の支持が解除されたときに、前記伸縮部材に吊持されるように構成されている、請求項8に記載の基板処理装置。
  10. 前記伸縮部材は、前記載置台との間の摩擦力を低減する摩擦低減膜で覆われている、請求項3~9のいずれか1項に記載の基板処理装置。
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