JP2023129810A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源が1つの多分割LEDアレイの場合においても、光学系を複雑にすることなく、所望の領域を所望の明るさで照明することが可能な車両用灯具を提供する。【解決手段】多数の発光素子(微小LED31)が配列され、これらを選択して発光することにより所望のパターンの光を出射する光源(多分割LEDアレイ)3と、光源から出射した光を投影して主配光パターンを形成する主光学系2を備え、さらに光源3から出射されて主光学系2に直接入射されない光を主光学系2に入射させる補助光学系4を備える。補助光学系4(下方反射鏡41)により主光学系2に入射された光で主配光パターンに隣接する外部領域に補助配光パターンを形成する。【選択図】 図3
Description
本発明は車両用灯具に関し、特に自動車の前照灯に用いて好適な車両用灯具に関する。
自動車等の車両の前照灯(ヘッドランプ)では、配光を制御する技術として、ADB(Adaptive Driving Beam)配光制御が提案されている。このADB配光制御は、カメラで撮像した画像等から検出した対向車や先行車等の他車両や歩行者を眩惑することがないように配光を制御する技術である。このADB配光制御を行うヘッドランプの一つとして、光源にμmオーダの微小LEDをマトリクス状に配列した多分割発光素子(多分割LEDアレイ)を用いたヘッドランプが提案されている。
例えば、特許文献1には、光源として多分割LEDアレイを備え、この多分割LEDアレイで発光された光を光学系により投影して配光パターンを形成する技術が提案されている。この技術では、多分割LEDアレイの微小LEDを選択的に発光制御することにより、所望の配光パターンを形成するADB配光制御が可能になる。
1つの多分割LEDアレイで照明を行う場合、光学系による投影倍率を大きくして照明領域を拡大すると照明領域の明るさ(照度)が低下する。照明領域を所望の明るさにするためには、光学系による投影倍率を小さくすればよいが、これでは照明領域が縮小され、所望の広さの照明領域が確保できなくなるというトレードオフが生じる。
特許文献1では、複数の多分割LEDアレイの照明を合成して所望の領域を所望の明るさで照明する構成とされているが、多分割LEDアレイの個数分だけコスト高になるとともに、光学系として複数の多分割LEDアレイをそれぞれ投影するための複合型の投影レンズが必要になり、この点からもコスト高になる。
本発明の目的は、光源が1つの多分割LEDアレイで構成された場合においても、光学系を複雑にすることなく、所望の領域を所望の明るさで照明することが可能な車両用灯具を提供する。
本発明は、多数の発光素子が配列され、発光素子を選択して発光することにより所望のパターンの光を出射する光源と、光源から出射した光を投影して主配光パターンを形成する主光学系を備え、さらに光源から出射されて主光学系に直接入射されない光を主光学系に入射させる補助光学系を備え、補助光学系により入射された光で主配光パターンに隣接する外部領域に補助配光パターンを形成することを特徴とする。
本発明において、例えば、補助光学系は、光源から出射されて主光学系に直接入射されない光を反射して主光学系に入射させる反射鏡である。この場合、反射鏡は、主光学系のレンズ光軸よりも下方に配置され、反射した光を主光学系に入射したときに主配光パターンの上側の外部領域に上側補助配光パターンを形成する。また、反射鏡は、主光学系のレンズ光軸の側方に配置され、反射した光を主光学系に入射したときに主配光パターンの右側又は左側の外部領域に右側補助配光パターン又は左側補助配光パターンを形成する。
また、本発明においては、反射鏡を移動させる駆動機構を備えてもよく、当該駆動機構は光源の光を主光学系に入射させる位置又は入射させない位置に反射鏡を移動させる。本発明は、例えば、光源は多数の微小LEDが配列された多分割LEDアレイで構成される。その上で、車両の周囲状況に応じて前記多数の微小LEDを選択的に発光制御する制御手段を備える。この制御手段は、傾動機構を制御する構成とすることが好ましい。
本発明によれば、主配光パターンを所要の広さの領域に制限することにより当該主配光パターンにおける明るさを所望の明るさに確保することができる。一方で、主配光パターンの形成に寄与しない光によって主配光パターンに隣接して補助配光パターンを形成することにより、主配光パターンと補助配光パターンとが合成されて所要の領域よりも広い領域を照明することができる。
(実施形態1)
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車のヘッドランプに適用した実施形態1の斜視図であり、自動車CARの車体の左右前部にそれぞれ左右のヘッドランプR-HL,L-HLが取り付けられている。各ヘッドランプR-HL,L-HLは、ADB配光制御が可能なADBランプユニット(以下、ADBユニット)ALUと、クリアランスランプユニット(以下、クリアランスユニット)CLUとターンシグナルランプユニット(以下、ターンユニット)TSLUを備えており、これらはランプハウジング100内に一体的に配設されている。なお、以降において左右方向は自動車の左右方向に基づいている。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車のヘッドランプに適用した実施形態1の斜視図であり、自動車CARの車体の左右前部にそれぞれ左右のヘッドランプR-HL,L-HLが取り付けられている。各ヘッドランプR-HL,L-HLは、ADB配光制御が可能なADBランプユニット(以下、ADBユニット)ALUと、クリアランスランプユニット(以下、クリアランスユニット)CLUとターンシグナルランプユニット(以下、ターンユニット)TSLUを備えており、これらはランプハウジング100内に一体的に配設されている。なお、以降において左右方向は自動車の左右方向に基づいている。
左右のヘッドランプR-HL,L-HLは左右対称の構成であり、図1には右ヘッドランプR-HLの一部を破断した拡大図が示されている。自動車の前方に向けて開口されたランプボディ101と、この開口に取り付けられた透光性カバー102とで前記ランプハウジング100が構成され、このランプハウジング100内に前記したようにADBユニットALU、クリアランスユニットCLU、ターンユニットTSLUが配設されている。これらのランプユニットが配設されていない領域には、内部が露見されないように、いわゆるエクステンションが配設されている。
前記ADBユニットALUは、詳細を後述するように、ユニットケース1内に光源3、主光学系2、補助光学系4が組み込まれ、前記ランプボディ101に固定支持されている。本発明はこのADBユニットALUにかかわるものであるので、クリアランスユニットCLU、ターンユニットTSLUについての詳細な説明は省略するが、いずれもLEDを光源とし、このLEDから出射される白色光やアンバー色光を透光樹脂製のインナーレンズを透して出射し、さらに透光性カバー102を透過させて外部に照射する構成とされている。
図2はADBユニットALUの拡大斜視図であり、その主要部の構成を示すためにユニットケース1は鎖線で図示している。また、図3はADBユニットALUの縦断面図である。これらの図に示すように、ユニットケース1は一部に筒状をしたレンズホルダ11と、これと一体化された光源ボックス12を備えている。レンズホルダ11には主光学系を構成する投影レンズ2が内装されており、光源ボックス12に光源としての多分割LEDアレイ3と、補助光学系4が配設されている。
投影レンズ2は、正、負、正の屈折力を有する3枚の凸レンズ21、凹レンズ22、凸レンズ23からなる3群構成のトリプレットレンズで構成されるとともに、各レンズの少なくとも一つのレンズ面は非球面で構成されている。これにより投影レンズ2における収差が抑制され、多分割LEDアレイ3からの光を投影レンズ2で投影したときに、高分解能かつ高精細なADB配光パターンが得られる。
光源としての多分割LEDアレイ3は、図4に多分割LEDアレイとその制御系のブロック構成図を示すように、略正方形の発光面を有する数百ないし千数百個のμmオーダの微小LED31が、各発光面を同一方向に向けてマトリクス状に平面配列された構成である。この多分割LEDアレイ3はランプECU(電子制御ユニット)201に接続され、このランプECU201により微小LED31が選択的に発光・消光制御されるようになっている。各微小LED31は発光制御されたときに白色光を発光し、その指向角(光強度が半減する角)は発光面の中心軸に対してほぼ±30°とされている。したがって、複数の微小LED31を配列している多分割LEDアレイ3の全体の指向角もこれと同じ角度とされる。
この多分割LEDアレイ3は図2及び図3に示したように、光源基板30に搭載されており、投影レンズ2の焦点近傍位置において、アレイ発光面(複数の微小LED31の各発光面を連ねた面)が当該投影レンズ2のレンズ光軸Lxに対してほぼ垂直に向けて配設されている。また、この実施形態では、当該レンズ光軸Lxは、アレイ発光面の左右方向の中間位置で上下方向中間位置よりも幾分上側に偏った位置となるように多分割LEDアレイ3の上下、左右位置が設定されている。投影レンズ2の口径寸法と多分割LEDアレイ3の発光面の寸法を適切に設定することにより、多分割LEDアレイ3が発光されてアレイ発光面から出射された光のうち、前記した指向角内の光は投影レンズ2に入射される。なお、前記ADB制御部5は光源基板30に搭載されてもよい。
前記補助光学系4は、多分割LEDアレイ3のアレイ発光面よりも前側でかつ下側に配設された下方反射鏡41で構成されている。この下方反射鏡41は緩やかな曲率の円筒凹面鏡として構成されており、その反射面を上方に向けた状態で光源ボックス12内に固定支持されている。また、下方反射鏡41は多分割LEDアレイ3の指向角を外れた位置に配設されており、多分割LEDアレイ3から出射された指向角内の光が投影レンズ2に入射することを妨害しない。その一方で、下方反射鏡41は指向角よりも大きな角度で下方向に向けて出射された光が入射される位置に配設されている。そして下方反射鏡41は多分割LEDアレイ3から指向角を下方に外れて入射された光を上下方向に幾分収束状態で反射して投影レンズ2に入射させる。このとき、下方反射鏡41は投影レンズ2の光軸Lxよりも下側領域に所要の入射角で入射させるよう構成されている。
図4に示したように、前記ランプECU201には制御スイッチ203が接続されており、この制御スイッチ203が操作されることによりADBユニットALUが点灯・消灯され、点灯されたときにはADB配光制御が実行される。また、この制御スイッチ203は、ADBユニットALUにおける補助配光制御を固定モード、自動モードあるいは手動モードに切り替えることも可能であるが、この実施形態1では固定モードのみが可能とされている。
ランプECU201は車両ECU202に接続されており、この車両ECU202からの信号に基づいてADB配光制御を行うことが可能とされている。車両ECU202は、車載カメラ204で撮像した自動車の周囲の画像、特に前方領域の画像に基づいてADB制御信号をランプECU201に出力する。車両ECU202の詳細については説明を省略するが、車両ECU202は車載カメラ204で撮像した画像を解析して自動車の前方ないし前側方に存在する他車両、歩行者、標識等の対象物を検出する。また、検出した対象物に基づいて制御する配光パターンの情報をADB制御信号としてランプECU201に出力する。ランプECU201は、このADB制御信号を受けて多分割LEDアレイ3の微小LED31を選択して発光する。これらランプECU201と車両ECU202はハード構成あるいはソフト構成のいずれであってもよい。
図1に示した左ヘッドランプL-HLは、以上説明した右ヘッドランプR-HLと左右が対称の構成であるが、左右のヘッドランプを構成しているADBユニットALU、クリアランスランプユニットCLU、ターンシグナルランプユニットTSLUについては、配光方向や配光パターン等の一部において左右対称な構成を含むことを除けば基本的に同一の構成とされている。
この実施形態1のADBユニットALUは、制御スイッチ203が固定モードに設定されており、通常のADB配光制御が実行される。すなわち制御スイッチ203がオンされるとランプECU201により多分割LEDアレイ3の微小LED31が発光される。図3に一部の光路を示すように、多分割LEDアレイ3から出射された光は投影レンズ2に入射され、投影レンズ2により自動車の前方に投影されて所要の配光パターンが形成される。
多分割LEDアレイ3の略全ての微小LED31が発光されたときには、図5(a)に模式的に示すように、各微小LED31で照明される単位照明セルが合成された主配光パターンMPが形成される。同図において、Vは投影レンズ2の光軸Lxを通る鉛直線であり、Hは同じく水平線である。すなわち、多分割LEDアレイ3を構成している微小LED31に対応した単位照明セルがマトリクス状に配列された配光パターンとなる。この主配光パターンMPは、各単位照明セルが、配光に要求される明るさとなるように多分割LEDアレイ3の発光光度(輝度)に対応して投影レンズ2の投影倍率が設定されている。そのため、この主配光パターンMPは通常の走行において最低限必要とされる領域、例えば道路の自車線と対向車線を含む領域を照明するハイビーム配光パターンとなるが、照明領域の明るさは十分な明るさとなる。
この主配光パターンMPでの照明時に、車両ECU202において自車両の前方領域に存在する他車両等を検出すると、検出した他車両に対する幻惑を防止するためのADB制御信号をランプECU201に出力する。ランプECU201はこのADB制御信号に基づいて、図5(b)に模式的に示すように、検出した対象物Obが存在する単位照明セルに対応する微小LEDを消光し、当該対象物Obに対する幻惑を防止する。
ここで、図3に示したように、多分割LEDアレイ3から出射された光のうち、指向角を外れて投影レンズ2に入射されない光は、主配光パターンの形成に寄与しない光となる。これらの光のうち、投影レンズ2の下方に外れた光は下方反射鏡41に入射され、ここで反射されて投影レンズ2に入射される。この光は投影レンズ2のレンズ光軸Lxよりも下側領域に入射されるので、投影レンズ2からはレンズ光軸Lxに対して上方に向けて照射される。これにより、図6に模式的に示すように、この光によって主配光パターンMPよりも上側の外部領域に上側補助配光パターンUSPが形成される。
左ヘッドランプL-HLのADBユニットALUにおいても同様であり、図6に示した上側補助配光パターンUSPが形成されるので、両者の配光が合成された配光パターンも同様の配光パターンとなる。形成された上側補助配光パターンUSPは、多分割LEDアレイの指向角を外れた光であるので明るさは幾分低下するが、下方反射鏡41によって収束されているので、その分だけ明るさを高めることができる。これにより、主配光パターンMPと上側補助配光パターンUSPが合成され、主配光パターンMPの全体の照明領域が拡大される。これにより、主配光パターンMPを所望の明るさに制御するとともに、上側補助配光パターンUSPを合成することによる照明領域の拡大を両立させることができる。
実施形態1においては、主配光パターンMPでの照明を行っている場合に、例えば上側補助配光パターンUSPによって道路の頭上位置に配設されている道路標識等を照明することができる。なお、主配光パターンMPをロービーム配光に制御する場合には、投影レンズ2に対して下方に外れる光が低減されるために、下方反射鏡41に入射する光も低減されて上側補助配光パターンUSPの形成は難しくなる。この場合には、例えば多分割LEDアレイ3の一部の微小LED31、特に主配光パターンMPの上縁領域を照明する微小LEDの発光を継続させれば、この微小LEDでの発光によって上側補助配光パターンUSPを形成することができる。
このように、実施形態1は、主光学系2によって形成する主配光パターンMPを所要の広さの領域に制限することにより、主配光パターンMPを所望の明るさに制御することができる。一方で、主配光パターンMPの形成に寄与されない光源3の光によって主配光パターンMPの上側に隣接して上側補助配光パターンUSPを形成することにより、主配光パターンMPと上側補助配光パターンUSPとが合成され、所要の領域よりも広い領域を照明することができる。また、主光学系は既存のものでよく、単に反射鏡を備えるのみでよいので構造が複雑化することはない。
(実施形態2)
図7は実施形態2における右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUの概略の斜視図であり、図8はその平面断面図である。実施形態1の図と等価な部分には同一符号を付してある。この実施形態2は、補助光学系4として、多分割LEDアレイ3の左側(車幅方向内側)に配設されて反射面を右側(車幅方向外側)方向に向けた状態で光源ボックス12内に固定支持された側方反射鏡42を備えている。
図7は実施形態2における右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUの概略の斜視図であり、図8はその平面断面図である。実施形態1の図と等価な部分には同一符号を付してある。この実施形態2は、補助光学系4として、多分割LEDアレイ3の左側(車幅方向内側)に配設されて反射面を右側(車幅方向外側)方向に向けた状態で光源ボックス12内に固定支持された側方反射鏡42を備えている。
この側方反射鏡42は、実施形態1の下方反射鏡41と同様に多分割LEDアレイ3の指向角を外れた位置に配設されており、多分割LEDアレイ3から出射された指向角内の光が投影レンズ2に入射することを妨害しない。その一方で、側方反射鏡42は多分割LEDアレイ3から指向角よりも大きな角度で左方向に向けて出射された光が入射される位置に配設され、この入射された光を水平方向に幾分収束状態で反射して投影レンズ2に入射させる。このとき、側方反射鏡42での反射光は投影レンズ2の光軸Lxよりも車幅方向内側の領域に所要の入射角で入射させるよう構成されている。
なお、図1に示した左ヘッドランプL-HLにおいても、図示は省略するが、側方反射鏡42が設けられているが、右ヘッドランプR-HLとは左右対称であるので、配設位置と配設方向は相違している。すなわち、側方反射鏡42は多分割LEDアレイ3の車幅方向内側である右側に配設されており、側方反射鏡42は多分割LEDアレイ3から指向角よりも大きな角度で右方向に向けて出射された光を水平方向に幾分収束状態で反射して投影レンズ2に入射させる。このとき、側方反射鏡42での反射光は投影レンズ2の光軸Lxよりも車幅方向内側の領域に所要の入射角で入射させるよう構成されている。
実施形態2によれば、図9(a)に示すように、右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUにより主配光パターンMPが形成されるとともに、その側反射鏡42によって主配光パターンの右側に右側補助配光パターンRSPが形成される。すなわち、ADBユニットALUでは、多分割LEDアレイ3から出射された光のうち、指向角を車幅方向内側に外れた光は側方反射鏡42に入射され、ここで反射されて投影レンズ2に入射される。そして、投影レンズ2からはレンズ光軸Lxに対して車幅方向外側に向けて照射され、この光によって主配光パターンMPの右側の外部領域に右側補助配光パターンRSPが形成される。
また、図9(b)に示すように、左ヘッドランプL-HLのADBユニットALUにより主配光パターンが形成されるとともに、その側反射鏡42によって主配光パターンMPの左側に左側補助配光パターンLSPが形成される。すなわち、右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUとは左右が反対であるが、多分割LEDアレイ3から出射された光のうち、指向角を車幅方向内側に外れた光は側方反射鏡42に入射され、ここで反射されて投影レンズ2に入射され、さらに投影レンズ2からはレンズ光軸Lxに対して車幅方向外側に向けて照射され、この光によって主配光パターンMPよりも左側の外部領域に左側補助配光パターンLSPが形成される。
左右の両ヘッドランプR-HL,L-HLは同時に点灯されるので、各ADBユニットALUの主配光パターンMPと、左右の各補助配光パターンRSP,LSPが合成され、図9(c)のように、主配光パターンの両側にそれぞれ補助配光パターンが形成された配光パターンとなる。
このように、実施形態2は主配光パターンMPを所要の明るさになるように設定することによって照明領域は制限されるが、主配光パターンMPの左右の各補助配光パターンRSP,LSPが合成されるので、全体としての配光パターンの照明領域が拡大される。すなわち、主配光パターンMPにおける照明の明るさを高めることと、主配光パターンMPと補助配光パターンRSP,LSPを合成することによる照明領域の拡大を両立させることができる。
実施形態2では、ADB配光制御を行っている場合でも左右の各補助配光パターンRSP,LSPは照明が継続される。これにより、対象物が存在してない領域、例えば道路の側路領域や路肩領域を左右の補助配光パターンRSP,LSPで照明することができる。例えば、自動車が左右に走行方向を変更するような場合に、走行先の領域を照明することが可能になる。
実施形態2は、主光学系2によって形成する主配光パターンMPを所要の広さの領域に制限することにより、主配光パターンMPを所望の明るさに制御することができる。一方で、主配光パターンMPの形成に寄与されない光源3の光によって主配光パターンMPの右側や左側に隣接して右側補助配光パターンRSPや左側補助配光パターンLSPを形成することにより、所要の領域よりも広い領域を照明することができる。
(実施形態3)
図10は実施形態3における右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUの概略の斜視図であり、図11はその水平断面図である。実施形態2と等価な部分には同一符号を付してある。この実施形態3では、補助光学系は、実施形態1の下方反射鏡と、実施形態2の側方反射鏡を同時に備えており、さらに各反射鏡をそれぞれ傾動するための傾動機構43を備えている。この傾動機構43は、例えば電磁アクチュエータで構成されており、通電されたときに連結レバー44を駆動して各反射鏡41,42を傾動させる構成のものである。下方反射鏡41の傾動機構43vと、側方反射鏡42を傾動する傾動機構43hは、図4に示したランプECU201により通電が制御される。
図10は実施形態3における右ヘッドランプR-HLのADBユニットALUの概略の斜視図であり、図11はその水平断面図である。実施形態2と等価な部分には同一符号を付してある。この実施形態3では、補助光学系は、実施形態1の下方反射鏡と、実施形態2の側方反射鏡を同時に備えており、さらに各反射鏡をそれぞれ傾動するための傾動機構43を備えている。この傾動機構43は、例えば電磁アクチュエータで構成されており、通電されたときに連結レバー44を駆動して各反射鏡41,42を傾動させる構成のものである。下方反射鏡41の傾動機構43vと、側方反射鏡42を傾動する傾動機構43hは、図4に示したランプECU201により通電が制御される。
例えば、下方反射鏡41は、図12に示すように、左右両端に設けられた回転軸41aによって光源ボックス12に軸支されており、その反射面が鉛直方向に回動可能とされている。また、傾動機構43vは光源ボックス12に支持されており、連結レバー44の先端部が下方反射鏡41の一部に連結されている。傾動機構43vは通電されたときに連結レバー44が駆動され、この連結レバー44の駆動によって下方反射鏡41は回転軸41aを支点にして反射面の鉛直方向の角度が変化されるように傾動される。
傾動機構43vに通電されていないときには、図13(a)に示すように、下方反射鏡41は多分割LEDアレイ3の指向角を外れた傾動位置に傾動され、多分割LEDアレイ3から出射された光が反射面に殆ど入射されない状態にある。一方、傾動機構43vに通電されたときには、図13(b)に示すように、下方反射鏡41は多分割LEDアレイ3の指向角を外れて出射された光が反射面に入射される傾動位置になる。すなわち、実施形態1と同じ位置になる。
詳細な図示は省略するが、側方反射鏡42も同様の構成であり、側方反射鏡42の上下両端に設けられた回転軸によって光源ボックス12に軸支されており、反射面が水平方向に回動可能とされている。また、傾動機構43hの連結レバー44の先端部が側方反射鏡42の一部に連結されている。傾動機構43hに通電されていないときには、側方反射鏡42は多分割LEDアレイ3の指向角を外れた傾動位置に傾動され、多分割LEDアレイ3から出射された光が反射面に殆ど入射されない状態にある。傾動機構43hに通電されたときには側方反射鏡42は多分割LEDアレイ3の指向角を外れて出射された光が反射面に入射される傾動位置になる。すなわち、実施形態2と同じ位置になる。
図示は省略するが、左ヘッドランプL-HLのADBユニットALUには、実施形態2同様に、右側に側方反射鏡が配設されており、傾動機構によって傾動されることが可能とされている。
実施形態3によれば、運転者が制御スイッチ203を固定モードに設定すると、下方反射鏡41と側方反射鏡42の各傾動機構43v,43hに通電が行われ、各反射鏡41,42は多分割LEDアレイ3の光が入射される状態にあり、実施形態1と実施形態2と同様な各補助配光パターンが形成される。すなわち、図14に模式図を示すように、主配光パターンの左右と上側にそれぞれ補助配光パターンが形成され、これらが合成された配光パターンとなる。
運転者が制御スイッチ203を手動モードに設定すると、運転者による別のスイッチ操作によって傾動機構43への通電を制御することができるようになる。したがって、運転者が必要と考えたときに傾動機構43を駆動して下方反射鏡41、右側のメインランプユニットの側方反射鏡42、左側のADBユニットALUの反射鏡42の少なくとも一つを傾動し多分割LEDアレイ3の光が入射されるようにする。これにより、図14に示す上側補助配光パターンUSP、左側補助パターンLSP、右側補助パターンRSPを任意に形成することが可能になる。例えば、右方向に走行しようとするときには、右側のADBユニットALUの側方反射鏡42を傾動機構43hにより傾動させ、多分割LEDアレイ3の光を入射させるようにする。これにより、主配光パターンMPの右側に右側補助配光パターンRSPが形成され、走行先の照明領域を拡大することが可能になる。
運転者が制御スイッチ203自動モードに設定すると、車両ECU202からのADB制御信号に基づいてランプECU201が傾動機構43への通電を制御する。したがって、自動車の前方に存在する他車両等の対象物の状況に応じて傾動機構43を駆動して下方反射鏡41、左側又は右側の各側方反射鏡42の少なくとも一つを傾動し、多分割LEDアレイ3の光が入射されるようにする。これにより、図14に示す上側補助配光パターンUSP、左側補助パターンLSP、右側補助パターンRSPが自動的に形成される。例えば、対向車が存在しないときに、左右のADBユニットALUの左側又は右側の側方反射鏡42を傾動機構43hにより傾動させ、多分割LEDアレイ3の光を入射させるようにする。これにより、主配光パターンMPの左右に補助配光パターンRSP,LSPが形成され、照明領域が拡大される。また、対向車が存在するときには、ADB配光制御を行うとともに、左右のADBユニットALUの各側方反射鏡42の傾動機構43hへの通電を停止することにより、左右の補助配光パターンが形成されないようにする。
実施形態に記載した下方反射鏡41や左右の側方反射鏡42、さらに傾動機構43については適宜に他の構成のものに変更してもよい。また、多分割LEDアレイ3の光強度特性に応じて各反射鏡の配設位置やそれぞれの形状を設定するようにしてもよい。例えば、下方反射鏡や側方反射鏡は、形成する補助配光パターンの形態に対応して平面鏡で構成されてもよく、あるいは凸面鏡で構成されてもよい。
ここで、実施形態1においては、下方反射鏡を41傾動機構により傾動させる構成としてもよい。実施形態2においては、側方反射鏡42を傾動機構により傾動こせる構成としてもよい。実施形態3においては、下方反射鏡41と側方反射鏡42のいずれか一方のみに傾動機構を備えるようにしてもよく、あるいは下方反射鏡41と側方反射鏡42の両反射鏡を固定構造の反射鏡として構成されてもよい。
本発明の実施形態3において、下方反射鏡41や側方反射鏡42は、多分割LEDアレイからの光を反射する位置としない位置に位置変化させる構成であればよいので、必ずしも傾動機構により傾動させる必要はなく、例えば直線移動させる駆動機構として構成されればよい。
1 ユニットケース
2 主光学系
3 光源(多分割LEDアレイ)
4 補助光学系
21,22,23 レンズ
41 下方反射鏡
42 側方反射鏡
43(43v,43h) 傾動機構(駆動機構)
100 ランプハウジング
201 ランプECU
202 車両ECU
ALU ADBランプユニット
MP 主配光パターン
USP 上側補助配光パターン
RSP 右側補助配光パターン
LSP 左側補助配光パターン
Lx レンズ光軸
2 主光学系
3 光源(多分割LEDアレイ)
4 補助光学系
21,22,23 レンズ
41 下方反射鏡
42 側方反射鏡
43(43v,43h) 傾動機構(駆動機構)
100 ランプハウジング
201 ランプECU
202 車両ECU
ALU ADBランプユニット
MP 主配光パターン
USP 上側補助配光パターン
RSP 右側補助配光パターン
LSP 左側補助配光パターン
Lx レンズ光軸
Claims (9)
- 多数の発光素子が配列され、発光素子を選択して発光することにより所望のパターンの光を出射する光源と、前記光源から出射した光を投影して主配光パターンを形成する主光学系を備え、さらに前記光源から出射されて前記主光学系に直接入射されない光を前記主光学系に入射させる補助光学系を備え、当該補助光学系により入射された光で前記主配光パターンに隣接する外部領域に補助配光パターンを形成することを特徴とする車両用灯具。
- 前記補助光学系は、前記光源から出射されて前記主光学系に直接入射されない光を反射して主光学系に入射させる反射鏡である請求項1に記載の車両用灯具。
- 前記反射鏡は、前記主光学系のレンズ光軸よりも下方に配置され、反射した光を前記主光学系に入射したときに前記主配光パターンの上側の外部領域に上側補助配光パターンを形成する請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記反射鏡は、前記主光学系のレンズ光軸の側方に配置され、反射した光を前記主光学系に入射したときに前記主配光パターンの右側又は左側の外部領域に右側補助配光パターン又は左側補助配光パターンを形成する請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記反射鏡を移動させる駆動機構を備えており、当該駆動機構は前記光源の光を前記主光学系に入射させる位置又は入射させない位置に前記反射鏡を移動させる請求項2ないし4のいずれかに記載の車両用灯具。
- 光源は多数の微小LEDが配列された多分割LEDアレイで構成される請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用灯具。
- 車両の周囲状況に応じて前記多数の微小LEDを選択的に発光制御する制御手段を備える請求項6に記載の車両用灯具。
- 前記制御手段は、前記移動機構を制御する請求項7に記載の車両用灯具。
- 自動車のヘッドランプに適用される請求項1ないし8のいずれかに記載の車両用灯具。
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JP2022034093A JP2023129810A (ja) | 2022-03-07 | 2022-03-07 | 車両用灯具 |
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-
2023
- 2023-03-01 WO PCT/JP2023/007492 patent/WO2023171477A1/ja unknown
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