JP2023128630A - 電磁ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中に何らかの理由で電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されても、瞬間的な制動力の発生を緩和できる電磁ブレーキ装置の提供にある。【解決手段】ブレーキステータと、回転軸と、ブレーキ板と、ブレーキアーマチュア42と、アーマチュアをブレーキステータへ吸着させる吸着機構と、ブレーキアーマチュア42をブレーキステータから離間させる方向へ付勢する第1付勢部材と、ブレーキアーマチュア42の回転を規制する規制部材と、を有し、ブレーキアーマチュア42は、規制部材が挿入される切り欠き63が設けられる電磁ブレーキ装置16において、切り欠きは、規制部材に対してブレーキアーマチュア42の回転軸の周方向へ変位を可能とする溝を有し、規制部材とブレーキアーマチュア42とを連結し、ブレーキアーマチュア42の周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュア42に付与する第2付勢部材を有した。【選択図】 図4

Description

この発明は、電磁ブレーキ装置に関する。
電磁ブレーキ装置に関する従来技術として、例えば、特許文献1に開示された電磁ブレーキが知られている。特許文献1に開示された電磁ブレーキは、ゴルフカーに搭載されており、駐車時や緊急停止時にゴルフカーの後輪を停止させる無励磁作動型のものである。
この電磁ブレーキは、後輪とともに回転する回転軸の軸端部に設けられ、ミッションケースに支持されている。電磁ブレーキは、ヨークと、ヨークに内装された励磁コイルと、アーマチュアと、サイドプレートと、を有する。ヨークは、ミッションケースに固定用ボルトによって固定され、ブレーキの外端部に位置するサイドプレートが取付用ボルトによって取付けられている。アーマチュアは、ヨークの磁気吸着面とサイドプレートとの間に位置付けられ、取付用ボルトに軸線方向に移動自在かつヨークに対して回転が規制される状態で装着されている。また、ヨークは、アーマチュアをサイドプレート側へ付勢する圧縮コイルばねからなる制動ばねが装着されている。
これらのヨークと、アーマチュアと、サイドプレートは、それぞれ環状を呈するように形成されており、それぞれの軸心部には、前記回転軸が挿通されている。この回転軸は、ミッションケースに軸受によって回転自在に支持され、軸端部に固定されたボスにブレーキディスクがスプライン嵌合によって軸線方向に移動自在に装着されている。
特開2004-270759号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電磁ブレーキでは、車両の走行中に何らかの理由で電磁ブレーキへの電力供給が遮断されると、電磁ブレーキが作動してしまい、瞬間的な制動力が発生し、オペレータは非常に急激な減速感を受けるという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、走行中に何らかの理由で電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されても、瞬間的な制動力の発生を緩和できる電磁ブレーキ装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、ブレーキステータと、前記ブレーキステータに対して回転可能な回転軸と、前記回転軸に固定されるブレーキ板と、前記ブレーキステータと前記ブレーキ板との間に介在されるブレーキアーマチュアと、通電により前記ブレーキアーマチュアを前記ブレーキステータへ吸着させる吸着機構と、前記ブレーキアーマチュアを前記ブレーキステータから離間させる方向へ付勢する第1付勢部材と、前記ブレーキステータに設けられ、前記ブレーキアーマチュアの回転を規制する規制部材と、を有し、前記ブレーキアーマチュアは、前記規制部材が挿入される切り欠きが設けられる電磁ブレーキ装置において、前記切り欠きは、前記規制部材に対して前記ブレーキアーマチュアの前記回転軸の周方向へ変位を可能とする溝を有し、前記規制部材と前記ブレーキアーマチュアとを連結し、前記ブレーキアーマチュアの周方向の変位を妨げる付勢力を前記ブレーキアーマチュアに付与する第2付勢部材を有することを特徴とする。
本発明では、ブレーキアーマチュアは、規制部材が挿入される切り欠きが設けられており、切り欠きは、規制部材に対してブレーキアーマチュアの回転軸の周方向へ変位を可能する溝を有する。規制部材とブレーキアーマチュアとを連結する第2付勢部材が、ブレーキアーマチュアの周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュアに付与する。このため、走行中に何らかの理由で電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されても、ブレーキアーマチュアが付勢力に対抗して溝に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、瞬間的な制動力の発生が緩和され、オペレータが受ける急激な減速感を軽減することができる。
また、上記の電磁ブレーキ装置において、前記第2付勢部材は引っ張りコイルばねである構成としてもよい。
この場合、第2付勢部材が引っ張りコイルばねであるので、ブレーキアーマチュアを周方向へ変位させようとする回転力が引っ張りコイルばねの初張力以下であれば、引っ張りコイルばねは伸長することはなく、ブレーキアーマチュアは変位しない。したがって、電磁ブレーキ装置が直ちに制動されるため、車両の制動位置を精度良くすることができる。また、ブレーキアーマチュアを周方向へ変位させようとする回転力が、引っ張りコイルばねの初張力を超える場合には、ブレーキアーマチュアは変位して引っ張りコイルばねを伸長し、瞬間的な制動力の発生が緩和される。
また、上記の電磁ブレーキ装置において、前記溝は、前記ブレーキアーマチュアが前記回転軸の前進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されている構成としてもよい。
この場合、車両が前進時に電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されると、ブレーキアーマチュアが付勢力に対抗して溝に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、前進時における瞬間的な制動力の発生を緩和することができる。
また、上記の電磁ブレーキ装置において、前記溝は、前記ブレーキアーマチュアが前記回転軸の後進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されている構成としてもよい。
この場合、車両が後進時に電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されると、ブレーキアーマチュアが付勢力に対抗して溝に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、後進時における瞬間的な制動力の発生を緩和することができる。
また、上記の電磁ブレーキ装置において、前記第2付勢部材は、圧縮コイルばねである構成としてもよい。
この場合、第2付勢部材が圧縮コイルばねであっても、ブレーキアーマチュアの周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュアに付与することができる。
本発明によれば、走行中に何らかの理由で電磁ブレーキ装置への電力供給が遮断されても、瞬間的な制動力の発生を緩和できる電磁ブレーキ装置を提供できる。
第1の実施形態に係るフォークリフトの駆動系を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係る電磁ブレーキ装置および電動モータを一部破断して示す側面図である。 第1の実施形態に係る電磁ブレーキ装置の要部の縦断面図である。 電磁ブレーキ装置におけるブレーキアーマチュアの正面図である。 引っ張りコイルばねの荷重とばね長さとの関係を示すグラフ図である。 第2の実施形態に係る電磁ブレーキ装置におけるブレーキアーマチュアの正面図である。 別例に係る電磁ブレーキ装置におけるブレーキアーマチュアの正面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る電磁ブレーキ装置について図面を参照して説明する。本実施形態の電磁ブレーキ装置は、無励磁状態で制動状態となる無励磁制動型の電磁ブレーキ装置である。また、本実施形態の電磁ブレーキ装置は、車両に搭載される走行用の電動モータに備えられる電磁ブレーキ装置であり、車両は産業車両としてのフォークリフトである。
図1に示すように、本実施形態のフォークリフト10は、電動フォークリフトである。フォークリフト10の車体11には、駆動輪としての左右一対の前輪12および操舵輪としての左右一対の後輪13が備えられている。車体11の前部には、荷役装置14が備えられている。車体11には、一対の電動モータ15と、電動モータ15に備えられる電磁ブレーキ装置16と、動力伝達機構17と、が搭載されている。前輪12には、動力伝達機構17からの動力が伝達される車軸18が備えられている。後輪13は、操舵装置(図示せず)により操舵される。本実施形態のフォークリフト10は、四輪方式のフォークリフトであるが、後輪を一輪とした三輪方式のフォークリフトでもよい。荷役装置14は、マスト(図示せず)、リフトブラケット(図示せず)および荷役のために必要なアタッチメント(図示せず)等を備える。
電動モータ15は、フォークリフト10の走行駆動源である。電磁ブレーキ装置16は、通電によって制動状態又は非制動状態に切り替える電磁ブレーキである。動力伝達機構17は、左右一対の電動モータ15の駆動力を減速させ、前輪12の車軸18に伝達させる機構であり、減速機(図示せず)、デフ(図示せず)等を備えている。
図2に示すように、電動モータ15は、ロータ22と、ステータ23と、を備えている。ロータ22は、ロータコア25と、ロータコア25を貫通して固定されている回転軸26と、を有している。回転軸26はロータ22の両端から突出する。ステータ23は、円筒状のステータコア27およびステータコイル28を備えている。ステータコア27の両端部にはステータコイル28のコイルエンド29が形成されている。図2では一方の端部のコイルエンド29は図示されず、他方の端部のコイルエンド29のみが図示される。
電動モータ15は、ステータ23の一方の端部に取り付けられる出力側ブラケット31と、ステータ23の他方の端部に取り付けられる電磁ブレーキ装置16側となるブレーキ側ブラケット32と、を備えている。出力側ブラケット31は、軸受(図示せず)を介して回転軸26における一方の端部を回転可能に支持する。ブレーキ側ブラケット32は、軸受33を介して回転軸26における他方の端部を回転可能に支持する。出力側ブラケット31およびブレーキ側ブラケット32は通しボルト(図示せず)により連結されている。回転軸26の一部は、出力軸34として出力側ブラケット31から突出している。また、ブレーキ側ブラケット32における他方の端部には電磁ブレーキ装置16が取り付けられている。電磁ブレーキ装置16の詳細については後述する。
ブレーキ側ブラケット32には端子台35が設けられている。ステータコイル28の他方のコイルエンド29からリード線36が引き出されており、引き出されたリード線36は端子台35に引き込まれている。端子台35は、リード線36と接続されるとともに、外部機器(例えば、インバータ)と接続する外部配線と接続可能な端子部(図示せず)を有している。リード線36は、電動モータ15へ電力供給するための配線である。
次に、ロータ22の回転を制動可能とする電磁ブレーキ装置16について説明する。図3に示すように、電磁ブレーキ装置16は、ブレーキステータ41と、固定板43と、ブレーキハブ44と、ブレーキ板45と、ブレーキアーマチュア42と、を有している。
図3に示すように、ブレーキステータ41は、円板状の円板部46と、円板部46の外周縁からブレーキ側ブラケット32へ向けて延在する円筒状のカバー部47と、を有する。円板部46は、中央に回転軸26における他方の端部およびブレーキハブ44の一部が収容される凹部48を備える。円板部46には、吸着機構としての環状の電磁コイル49が内蔵されている。電磁コイル49は、通電を受けることによりブレーキステータ41を励磁し、通電の停止によりブレーキステータ41を非励磁とする。カバー部47は、ブレーキアーマチュア42、固定板43およびブレーキ板45を覆う。
円板部46は、電磁ブレーキ装置16を電動モータ15に固定するためのボルト53を挿通する通孔52を有しており、ブレーキ側ブラケット32には、通孔52と対向し、ボルト53を螺入可能とするねじ孔54が設けられている。ブレーキステータ41は、通孔52に挿通されたボルト53がねじ孔54に螺入されることによりブレーキ側ブラケット32に固定される。ボルト53は、ブレーキアーマチュア42および固定板43を貫通する。
円板部46は、電磁コイル49よりも内周側に位置する複数の有底孔55を有している。複数の有底孔55は、円板部46の周方向へ等間隔おきに配置されている。有底孔55には第1付勢部材としてのコイルばね56が内蔵されている。各コイルばね56の中心軸は回転軸26の軸心Pに沿う。コイルばね56は、ブレーキアーマチュア42をブレーキ板45に押し付けるように軸方向へ付勢する。
ブレーキアーマチュア42は、回転軸26の軸心P方向においてブレーキステータ41と対向する。図4に示すように、ブレーキアーマチュア42は、円板状であるが、ブレーキアーマチュア42の詳細な構成は後述する。ブレーキアーマチュア42は、回転軸26の軸心P方向に移動可能である。また、ブレーキステータ41に内蔵されているコイルばね56は、軸方向の一端がブレーキステータ41と当接し、ブレーキステータ41から突出した軸方向の他端がブレーキアーマチュア42に当接する。コイルばね56は、ブレーキアーマチュア42を、回転軸26の軸方向に沿ってブレーキステータ41から離間する方向へ付勢する。
電磁コイル49への通電によってブレーキステータ41が励磁されると、ブレーキアーマチュア42は、コイルばね56の付勢力に抗してブレーキステータ41に吸着される。電磁コイル49への通電がなされず、ブレーキステータ41が非励磁のとき、ブレーキアーマチュア42は、コイルばね56の付勢力を受けてブレーキステータ41から離間する方向へ移動する。
電磁ブレーキ装置16は、ブレーキ側ブラケット32に固定された円板状の固定板43を備える。固定板43は、回転軸26の軸方向に沿ってブレーキステータ41から一定の距離を離れて位置する。ブレーキステータ41および固定板43は回転軸26の軸心P方向に並んで配置されている。固定板43は、固定板43を貫通したボルト(図示せず)をブレーキ側ブラケット32に締結することで、ブレーキ側ブラケット32に固定されている。ブレーキアーマチュア42は、回転軸26の軸方向において、ブレーキステータ41と固定板43の間に配設されている。
電磁ブレーキ装置16は、回転軸26と一体回転するブレーキハブ44を備え、このブレーキハブ44にはブレーキ板45が一体に固定されている。ブレーキ板45は円板状であり、回転軸26の軸心P方向において、ブレーキアーマチュア42と固定板43の間に配設され、回転軸26の軸心P方向に移動可能である。ブレーキ板45の板面は、制動状態でブレーキアーマチュア42と当接する摩擦材58と、制動状態で固定板43と当接する摩擦材57を備えている。
このように構成される電磁ブレーキ装置16では、電磁コイル49が励磁されると、ブレーキアーマチュア42がブレーキステータ41に吸着され、ブレーキアーマチュア42がブレーキ板45から離間し、ブレーキ板45の固定板43への押し付けが解除される。その結果、回転軸26は、制動状態から開放され、規制を受けることなく自由に回転できるようになる。
一方、電磁コイル49が励磁されない場合には、コイルばね56の付勢力によってブレーキアーマチュア42がブレーキ板45に向けて押し付けられ、ブレーキ板45が固定板43に押し付けられる。したがって、ブレーキ板45がブレーキアーマチュア42と固定板43によって挟み込まれる。その結果、ブレーキアーマチュア42とブレーキ板45との間で発生する摩擦力により回転軸26が制動状態となる。つまり、パーキングブレーキが作動する。
ここで、ブレーキアーマチュア42について詳細に説明する。図4に示すように、ブレーキアーマチュア42の中央部には、回転軸26およびブレーキハブ44が貫通する円形孔61が形成されている。また、ブレーキアーマチュア42の外周付近には、外周縁62から切り込まれた複数の切り欠き63をしている。切り欠き63は、ボルト53の数に対応して形成されている。切り欠き63にボルト53が挿通されることでブレーキアーマチュア42の回転が規制されている。つまり、ボルト53は、ブレーキアーマチュア42の回転を規制する規制部材に相当する。
切り欠き63は、ボルト53に対してブレーキアーマチュア42の回転軸26の回転方向への変位を可能する溝64を有している。溝64は、フォークリフト10が前進するときの回転軸26の回転方向と対応する側へ向けて延在する溝である。つまり、溝64は、前進用の溝である。したがって、ブレーキアーマチュア42は、溝64の周方向長さに相当するだけ周方向への変位が可能である。なお、本実施形態では、フォークリフト10が後進するときの回転軸26の回転方向への変位は、ボルト53の規制を受けて不可能である。
ブレーキアーマチュア42には、第2付勢部材としての引っ張りコイルばね66の一端67を係止する係止部65を有している。引っ張りコイルばね66の他端68は、ボルト53に係止されている。引っ張りコイルばね66は、ブレーキアーマチュア42が溝64へ向けて回転しないように、ブレーキアーマチュア42が溝64へ向けて回転する回転方向と反対方向へ回転させようとする付勢力をブレーキアーマチュア42に付与する。つまり、引っ張りコイルばね66は、ボルト53とブレーキアーマチュア42とを連結し、ブレーキアーマチュア42の周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュア42に付与する。
本実施形態では、引っ張りコイルばね66は、ブレーキ板45と干渉しないように、ブレーキ板45より径方向の外側であってブレーキアーマチュア42と固定板43との間に位置する。また、引っ張りコイルばね66は、ボルト53の数に対応して備えられている。図5の荷重(F)とばね長さ(L)との関係を示すグラフ図のように、引っ張りコイルばね66は、初張力F1を有している。したがって、引っ張りコイルばね66は、初張力F1を超える力が加わらないと伸長しない。つまり、ブレーキアーマチュア42が回転軸26の前進方向に対応する回転方向へ変位するためには、ブレーキアーマチュア42は制動時に初張力F1を超える回転方向への回転力を受けることが必要となる。
次に、本実施形態に係る電磁ブレーキ装置16に作用について説明する。フォークリフト10の走行するために電磁ブレーキ装置16の制動状態を解除する場合について説明する。電磁ブレーキ装置16が制動状態では、電磁コイル49が消磁されている状態である。このため、ブレーキアーマチュア42は、コイルばね56の付勢力によってブレーキ板45へ押し付けられている。ブレーキ板45がブレーキアーマチュア42と固定板43により挟圧されることにより電磁ブレーキ装置16の制動力が発生している。
電磁ブレーキ装置16の制動状態を解除する場合、電磁コイル49に対して電力を通電する。電磁コイル49の通電は、例えば、キーONでパーキングブレーキを解除することにより行われる。通電により電磁コイル49が励磁されると、ブレーキアーマチュア42が磁力の吸引力によって引っ張りコイルばね66の付勢力に抗してブレーキステータ41に引き寄せられ、ブレーキ板45から離間する。そして、ブレーキアーマチュア42はブレーキステータ41に吸着される。その結果、電磁ブレーキ装置16の制動状態が解除され、非制動状態となり、フォークリフト10は走行可能となる。
次に、電磁ブレーキ装置16を非制動状態から制動状態とする場合について説明する。電磁ブレーキ装置16を制動状態とする場合、電磁コイル49への通電を遮断する。電磁コイル49への通電の遮断は、例えば、パーキングブレーキを作動させてキーOFFとすることにより行われる。通電の遮断により電磁コイル49が消磁されると、ブレーキアーマチュア42は引っ張りコイルばね66の付勢力によりブレーキステータ41から離間するとともにブレーキ板45に押し付けられる。そして、ブレーキ板45はブレーキアーマチュア42および固定板43に狭圧される。その結果、電磁ブレーキ装置16の非制動状態が解除され、制動状態となり、フォークリフト10は走行不可となる。
ところで、フォークリフト10の前進走行時に、何らかの理由で電磁コイル49への通電が遮断されると、ブレーキアーマチュア42が引っ張りコイルばね66の付勢力によりブレーキステータ41から離間するとともにブレーキ板45に押し付けられる。本実施形態では、各引っ張りコイルばね66が伸長する制動力が作用するとき、ブレーキアーマチュア42が前進に対応する回転方向へ変位することで急激な制動力を緩和し、オペレータが受ける非常に急激な減速感を軽減する。具体的には、ブレーキアーマチュア42がブレーキ板45に押し付けられたときに、溝64の相当する分だけ前進に対応する方向へ変位され、ブレーキアーマチュア42の変位分だけ回転軸26が回転する。
フォークリフト10の車速が小さく、各引っ張りコイルばね66が伸長しない制動力がブレーキアーマチュア42に作用しても、ブレーキアーマチュア42は変位しない。各引っ張りコイルばね66が伸長しない場合、回転軸26の回転は瞬間的に停止する。
本実施形態の電磁ブレーキ装置16は以下の効果を奏する。
(1)ブレーキアーマチュア42は、ボルト53が挿入される切り欠き63が設けられており、切り欠き63は、ボルト53に対してブレーキアーマチュア42の回転軸26の周方向へ変位を可能する溝64を有する。ボルト53とブレーキアーマチュア42とを連結する付勢部材が、ブレーキアーマチュア42の周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュア42に付与する。このため、フォークリフト10の走行中に何らかの理由で電磁ブレーキ装置16への電力供給が遮断されても、ブレーキアーマチュア42が付勢力に対抗して間隙に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、回転軸26はブレーキアーマチュア42の変位分だけ回転し、瞬間的な制動力の発生が緩和され、オペレータが受ける急激な減速感を軽減することができる。
(2)付勢部材が引っ張りコイルばね66であるので、ブレーキアーマチュア42を周方向へ変位させようとする回転力が引っ張りコイルばね66の初張力以下であれば、引っ張りコイルばね66は伸長することはなく、ブレーキアーマチュア42は変位しない。したがって、電磁ブレーキ装置16が直ちに制動されるため、フォークリフト10の制動位置を精度良くすることができる。また、ブレーキアーマチュア42を周方向へ変位させようとする回転力が、引っ張りコイルばね66の初張力を超える場合には、ブレーキアーマチュア42は変位して引っ張りコイルばね66を伸長し、瞬間的な制動力の発生が緩和される。
(3)溝64は、ブレーキアーマチュア42が回転軸26の前進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されている。このため、フォークリフト10の前進時に電磁ブレーキ装置16への電力供給が遮断されると、ブレーキアーマチュア42が付勢力に対抗して溝64に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、前進時における瞬間的な制動力の発生を緩和することができる。
(4)ブレーキアーマチュア42が変位して引っ張りコイルばね66を伸長し、瞬間的な制動力の発生が緩和される。このため、電磁ブレーキ装置16に対する制動時の衝撃が、引っ張りコイルばねを備えないブレーキアーマチュアと比較して抑制でき、電磁ブレーキ装置16の制動時における衝撃によるダメージを軽減できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る電磁ブレーキ装置について説明する。本実施形態の電磁ブレーキ装置は、ブレーキアーマチュアの構成が第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
本実施形態の電磁ブレーキ装置71は、図6に示すブレーキアーマチュア72を有している。切り欠き63は、ボルト53に対してブレーキアーマチュア72の回転軸26の回転方向への変位を可能する溝64と、ボルト53に対してブレーキアーマチュア72の回転軸26の回転方向への変位を可能する溝73と、を有している。溝73は、フォークリフト10が後進するときの回転軸26の回転方向と対応する側へ向けて延在する溝である。つまり、溝73は後進用の溝である。このため、ブレーキアーマチュア72は、溝64および溝73の周方向長さに相当するだけ周方向への変位が可能である。つまり、本実施形態では、ブレーキアーマチュア72は、フォークリフト10が前進するだけでなく後進するときの回転軸26の回転方向への変位が可能である。
ブレーキアーマチュア72には、前進用の付勢部材としての引っ張りコイルばね66のほか、後進用の付勢部材としての引っ張りコイルばね74の一端75を係止する係止部76を有している。引っ張りコイルばね74の他端77は、ボルト53に係止されている。
本実施形態の電磁ブレーキ装置71は、第1の実施形態の効果と同様の効果を奏する。また、溝73は、ブレーキアーマチュア72が回転軸26の後進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されている。このため、フォークリフト10の後進時に電磁ブレーキ装置71への電力供給が遮断されると、ブレーキアーマチュア72が付勢力に対抗して溝73に相当する分だけ周方向へ変位する。その結果、後進時における瞬間的な制動力の発生を緩和することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、規制部材とブレーキアーマチュアとを連結し、ブレーキアーマチュアの周方向の変位を妨げる付勢力をブレーキアーマチュアに付与する第2付勢部材として、引っ張りコイルばねとしたが、これに限らない。付勢部材は、例えば、図7に示すように、圧縮コイルばね78でもよい。第2付勢部材が圧縮コイルばね78の場合、規制部材としてのボルト53に圧縮コイルばね78を係止しなくてもよい。また、圧縮コイルばね78を溝64に収容でき、スペースの有効活用が可能となる。なお、圧縮コイルばね78の代替として弾性変形可能な材料を用いた弾性部材であってもよい。
○ 上記の実施形態では、電磁ブレーキ装置を電動モータに固定するためのボルトを規制部材としたが、これに限らない。規制部材は、例えば、固定板をブレーキステータに固定するボルトであってもよい。また、ボルト以外の規制部材として、例えば、ピンを用いてもよい。
○ 上記の実施形態では、規制部材としての全てのボルトに第2付勢部材としての引っ張りコイルばねを設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、複数の規制部材のうち特定の規制部材にのみ第2付勢部材を設けるようにしてもよい。この場合、全ての規制部材に第2付勢部材を設ける場合と比較して部品点数を削減することができる。
○ 上記の実施形態では、産業車両としてのフォークリフトが備える電磁ブレーキ装置を例示して説明したが、電磁ブレーキ装置の適用対象は、フォークリフトに限定されない。電磁ブレーキ装置の適用対象は、牽引車、トーイングトラクター等の電動車両でもよい。
10 フォークリフト
11 車体
14 荷役装置
15 電動モータ
16、71 電磁ブレーキ装置
17 動力伝達機構
26 回転軸
41 ブレーキステータ
42、72 ブレーキアーマチュア
43 固定板
44 ブレーキハブ
45 ブレーキロータ
46 円板部
49 電磁コイル(吸着機構)
53 ボルト(規制部材)
56 コイルばね(第1付勢部材)
63 切り欠き
64、73 溝
65、76 係止部
66、74 引っ張りコイルばね(第2付勢部材)

Claims (5)

  1. ブレーキステータと、
    前記ブレーキステータに対して回転可能な回転軸と、
    前記回転軸に固定されるブレーキ板と、
    前記ブレーキステータと前記ブレーキ板との間に介在されるブレーキアーマチュアと、
    通電により前記ブレーキアーマチュアを前記ブレーキステータへ吸着させる吸着機構と、
    前記ブレーキアーマチュアを前記ブレーキステータから離間させる方向へ付勢する第1付勢部材と、
    前記ブレーキステータに設けられ、前記ブレーキアーマチュアの回転を規制する規制部材と、を有し、
    前記ブレーキアーマチュアは、前記規制部材が挿入される切り欠きが設けられる電磁ブレーキ装置において、
    前記切り欠きは、前記規制部材に対して前記ブレーキアーマチュアの前記回転軸の周方向へ変位を可能とする溝を有し、
    前記規制部材と前記ブレーキアーマチュアとを連結し、前記ブレーキアーマチュアの周方向の変位を妨げる付勢力を前記ブレーキアーマチュアに付与する第2付勢部材を有することを特徴とする電磁ブレーキ装置。
  2. 前記第2付勢部材は引っ張りコイルばねであることを特徴とする請求項1記載の電磁ブレーキ装置。
  3. 前記溝は、前記ブレーキアーマチュアが前記回転軸の前進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ブレーキ装置。
  4. 前記溝は、前記ブレーキアーマチュアが前記回転軸の後進側の回転方向に変位可能となる位置に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の電磁ブレーキ装置。
  5. 前記第2付勢部材は、圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1記載の電磁ブレーキ装置。
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