JP2023128601A - 義歯とその取付けアタッチメント - Google Patents

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Abstract

【課題】通常の咬合力で長期間咬合可能とすることで義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地の義歯とその取付けアタッチメントを提供する。【解決手段】支台歯は、残根20に固定可で磁石150の磁気引っ張り力によって密着する磁性部材からなるキーパー250を残根の上面に取り付け、義歯は、義歯床に支台歯の粘膜に対して突出した部分を挿入保持するハウジング収容凹み部130が形成され、この凹み部には、磁石を所定方向に移動可能に収容する磁石収容空間を有した磁石収容ハウジング160が備わり、ハウジングには、磁石の脱落防止用の内向きフランジ162が形成され、磁石収容ハウジング内の磁石は、義歯の義歯床の粘膜との密着面側と磁石収容ハウジングの上部に位置する人工歯とを結ぶ方向に沿って自由に移動可能となっている。【選択図】図1

Description

本発明は、義歯とその取付けアタッチメントに関するものである。
近来の高齢化社会に伴い、長年虫歯を放置していると歯冠の部分の状態が悪化し、やがては歯冠が崩壊してしまうことが見られるようになっている。また、かなり前に虫歯を治療して金属冠(クラウン)を被せた後に長年経過して内部に発生した虫歯が徐々に進行してかなり悪化してしまう場合も同様である。
このような状態に至ると、歯冠の部分を除去して歯根のみを残し、これを支台歯として従来から公知の入れ歯を装着することがとりあえずの対策として考えられる。
しかしながら、このような入れ歯を装着する場合には、入れ歯を支持する支台歯の部分にクラスプ(鉤)を用いることが必須である。そのため、口を開けたときに金属のクラスプの金属部分が外から見えて例えば会話中に相手側から入れ歯を装着していることが一目瞭然で分かってしまうと共に、クラスプの金属部分が目立って審美的に好ましくない。
一方、抜歯した状態を放置しておくと、食べ物を十分に咀嚼することができず、そのまま飲み込んで消化器官に負担を与えて健康を害してしまう。そのため、残根の上部に磁性材からなるキーパーを埋設し、義歯の内部に収容された磁石をキーパーの上面に密着させて義歯を支台歯に固定する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-224109号公報
上述した従来技術の磁性アタッチメントは、円盤状の磁石を使用しているが、この従来技術のような構成ではキーパーの上面と磁石の下面とが接触したままその位置を全く変えることなく、そのまま固定位置を保った状態となっている。
そのため、義歯を支台歯に装着した後に咬合した際、咬合力が義歯を介して支台歯に加わると、この咬合力が支台歯に対して殆ど座屈荷重として直接作用する。これに起因して磁石が滑走してキーパーから落ちて座屈破損状態となり、粘膜を損傷してしまう。その結果、義歯装着者は激痛を感じ、そのまま装着状態の維持をすることができなくなる。
なお、上述のように座屈現象が生じない場合であっても、このような負担可能な許容荷重を超えた咬合力が残根に加わり、残根と顎骨との間を結合する繊維組織からなる歯根膜の破損を招く。更に咬合力は義歯装着者の個人個人によって異なってくるので、咬合圧が強大ならば歯根が一気に破折してしまう。つまり残根が割れてその破片の突起部が周囲の組織を更に傷つけることになる
このような好ましくない現象は外傷性咬合という極めて深刻な症状を招く。具体的には、上述のような義歯を用いることで、この咬合力に基づく荷重が繰り返し加わることによって、外傷性咬合の発症が歯牙の動揺に繋がり、義歯装着時に支台歯の一部として重要な役目を果たすべきせっかく残存していた残根を顎骨から抜歯して取り除かざるを得なくなる。
咬合力は、義歯と支台歯に衝撃力として作用するので、上述の現象が短期間で生じることになる。つまり、従来技術の構成は最初から力学的に破綻しているものであることが明らかであり、歯科医療の現場において実際に適用することは不可能な構造である。
本発明の目的は、支台歯への着脱が行い易く、かつ一旦装着すると外れ難い上に、通常の咬合力で長期間咬合可能とすることで義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地を与え、更には強力な咬合力によってあらゆる食材を咀嚼し得る高性能な義歯とその取付けアタッチメントを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
少なくとも2本の人工歯が隣接して並べられかつ当該複数の人工歯を上部に固定した細長の義歯床を備えた義歯と、前記義歯を支台歯に装着するためのアタッチメントを備え、磁石の磁気引っ張り力によって前記義歯を前記支台歯に装着可能となった義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯は、残根の上面に固定可能となりかつ当該残根の上面に前記磁石の磁気引っ張り力によって密着結合可能に形成された磁性部材からなるキーパーを前記残根の上面に取り付けることによって形成されるようになっており、
前記義歯は、前記義歯床の粘膜と接する底面側の長手方向所定位置に前記支台歯の前記粘膜に対して突出した部分を挿入保持するための有底のハウジング収容凹み部が形成されており、かつ前記ハウジング収容凹み部には、前記磁石を所定方向に移動可能に収容する磁石収容空間を有した磁石収容ハウジングが備わり、
前記磁石収容ハウジングの前記義歯床の底面から露出した部分には、前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、前記磁石が前記磁石収容ハウジングから脱落するのを防止する内向きフランジが形成され、
前記磁石収容ハウジング内の磁石は、前記義歯を前記支台歯に装着した状態において、当該義歯の義歯床の粘膜との密着面側と前記磁石収容ハウジングの上部に位置する前記人工歯の先端側とを結ぶ方向に沿って自由に移動可能となるように収容されており、
前記磁石収容ハウジングの前記内向きフランジによって囲まれた部分は、前記義歯を前記支台歯に装着した際に前記キーパーを磁気引っ張り力によって前記磁石に直接密着させると共に、前記義歯を前記支台歯に装着して咬合した際に前記キーパーの前記磁石との密着面側の少なくとも一部が前記磁石収容ハウジングの内部に進入可能なキーパー挿通孔として形成され、
前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、当該義歯の義歯床の底面において露出する前記磁石収容ハウジングの前記キーパー挿通孔を前記キーパーに近づけることで、前記磁石の磁気引っ張り力の作用により前記磁石と前記キーパーを密着固定させて前記義歯を前記支台歯に対して正しい取り付け位置に案内しながら当該義歯を当該支台歯に装着すると共に、この装着状態において前記義歯の義歯床の底面全体が唾液層を介して密着することによって生じる密着力と相俟って前記義歯の前記支台歯に対する装着状態を維持するようになっており、
前記義歯を前記支台歯に装着後に咬合した際に、咬合力が前記義歯の義歯床の底面全体を前記粘膜に沈下させると共に、前記キーパーに前記磁石の磁気引っ張り力で結合した当該磁石の当該キーパーとの結合部分を前記キーパー挿通孔から前記磁石収容ハウジング内に進入させることで、前記磁石を前記磁石収容ハウジング内において前記義歯の前記磁石収容ハウジングの上部に位置する人工歯側に移動させ、
前記咬合度合いに応じて、前記粘膜に沈下する義歯床に当該粘膜から加わる圧縮反発力が大きくなるに従って、前記磁石が前記磁石収容ハウジング内を前記義歯の人工歯側に更に移動させていくようになっており、かつ
前記咬合力が最も大きくなって前記義歯の義歯床がこれに密着した前記粘膜全体から受ける圧縮反発力と釣り合って当該義歯床の当該粘膜への沈下動作を停止した際においても、前記磁石と前記磁石収容ハウジングの内部の当該磁石と対向する人工歯側の部分との間には一定の空間が確保されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る義歯とその取付けアタッチメントは、請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記キーパーが、顎骨に歯根膜を介して結合している前記残根の上面に取り付ける代わりに、前記顎骨に直接埋設されたインプラントの上部に取り付けられるようになったことを特徴としている。
また、請求項3に記載の義歯は、請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにのみ用いることが可能な義歯である。
また、請求項4に記載のアタッチメントは、請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにのみ用いることが可能なアタッチメントである。
本発明によると、支台歯への着脱が行い易く、かつ一旦装着すると外れ難い上に、通常の咬合力で長期間咬合可能とすることで義歯装着者に優れた装着感と食事中の快適な咬み心地を与え、更には強力な咬合力によってあらゆる食材を咀嚼し得る高性能な義歯とその取付けアタッチメントを提供することができる。
本発明の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの構造を義歯の長手方向に沿って一部断面で示す側面図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した状態を示している。 図1に示した義歯とその取付けアタッチメントの構造を義歯の長手方向に沿って一部断面で示す平面図である。 図2に示した平面図の一部を拡大して示す部分的平面図である。 図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着する直前及び義歯を支台歯から外した直後の状態を示している。 図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した後に咬合を開始して義歯の義歯床が粘膜に或る程度沈化した状態を示している。 図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した後に思い切り咬合して義歯の義歯床が粘膜に沈下し切って沈下動作を停止した状態を示している。 金属冠を被せたままその内部の歯冠において虫歯が進行した状態を示す断面図(図7(a))、及び図7(a)の状態から金属冠と歯冠を除去した状態を示す断面図(図7(b))、並びに歯根の表面から根管を形成した状態を示す断面図(図7(c))である。 根管の内部と歯根の上部にワックスを充填した後、サーベヤーを用いながらキーパーを正しい位置及び姿勢でワックスの上部に押し付ける工程を順番に示す断面図(図8(a)及び(b))並びにワックスの硬化後にキーパーホルダーを鋳造するためにキーパーとワックスを残根から引き抜いた状態を示す断面図(図8(c))である。 キーパーホルダーを鋳造した後、残根の根管にキーパーホルダーを挿入して両者を接着用レジンで固定して結合すると共に共に、キーパーホルダーの上部にキーパーを嵌め込んで両者を同じく接着用レジンで固定して結合する工程を図9(a)乃至図9(c)の順番に示す断面図である。 磁石を収容した磁石収容ハウジングの蓋カバーを取り外して磁石を一旦外し、位置決め調整用円板を磁石収容ハウジングに挿入し、更には磁石を収容して蓋カバーをハウジング本体に被せて再び磁石収容ハウジングを組み立てる工程を図10(a)乃至図10(d)の順に示す断面図である。 図11(a)乃至(b)の順でキーパーホルダーにキーパーを固定した上で、図10(d)に示した位置決め調整用円板を収納した磁石収容ハウジングを、ハウジング取付け位置・姿勢調整ピンを介してキーパーの上部に取り付けた状態を示す断面図(図11(d))である 図11(d)に示した状態で蝋義歯を用いて通法に従って重合により制作された本発明の義歯に接着用レジンを介して磁石収容ハウジングをハウジング収容穴に固定した後、図11(d)の状態に対応させて支台歯のキーパーに取り付けた状態に示す図(図12(a))、及び図12(a)の状態から本発明に係る義歯を支台歯に対して取り外した状態を示す図(図12(b))、並びに図12(b)の状態において磁石収容ハウジングのキーパー挿通孔を利用して位置決め調整用円板を粉砕しながら除去すると共に、キーパーの上部から突出した切断残存後のハウジング取付け位置・姿勢調整ピンを取り除いてキーパー上面を研磨した状態を示す図(図12(c))である。 図12(c)において完成させた本発明に係る義歯を支台歯に磁石の磁気引っ張り力を利用して装着する直前の図(図13(a))、及びこれに続いて本発明に係る義歯を支台歯に磁石の磁気引っ張り力を利用して装着した状態の図(図13(b))、並びに更にこれに続いて本発明に係る義歯を支台歯から磁石の磁気引っ張り力に抗して取り外した状態を示す図(図13(b))である。 虫歯が歯根の上部の一方の側(図中右側)まで進行した状態の断面図(図14(a))及びこの状態において適切なキーパーホルダー及びキーパーを歯根に取り付けた状態の断面図(図14(b))、並びに虫歯が歯根の上部の他方の側(図中左側)まで進行した状態の断面図(図14(c))及びこの状態において適切なキーパーホルダー及びキーパーを歯根に取り付けた状態の断面図(図14(d))である。 残根の代わりにインプラントを利用して本発明に係る義歯の支台歯を構成した状態を示す図13に対応する図である。
以下、本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントの各実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントを顎骨の下顎側の残根に取り付ける形態に基づいて図面を作成し、これに従って説明を行う。
そのため、図面や文章中の上方向や下方向、左右方向についてはこのような形態で実施を装着した態様に基づいて定義付ける。また、以下の文章中の説明や図面の描き方に関しては、あくまで本発明の属する範囲の一例を示したものに過ぎず、本発明の作用を発揮し得る範囲内であれば様々な形状や寸法、大きさ、材質を適宜変更可能である。
また、図面の各構成要素間の配置関係や寸法関係、隙間の有無等については、発明の理解の容易化を図るために多少誇張したり、実際とは異なる寸法関係で描いたりしている。そのため、本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントを実際の歯科医療に適用する場合は、義歯装着者毎の装着位置や装着部位、人工歯の本数によって好ましい形態に変えながら本発明を様々な状況が考えられる実際の歯科医療に合わせて適宜変更していくことが当然であり、このような様々なバリエーションも本発明の範囲に含まれることを予め述べておく。また、図面において断面ハッチングについては説明の理解の容易化を図るために適宜省略して示している。
図1は、本発明の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの構造を義歯の長手方向に沿って一部断面で示す側面図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した状態を示している。また、図2は、本発明の実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメントの構造を義歯の長手方向に沿って一部断面で示す平面図である。また、図3は、図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着する直前及び義歯を支台歯から外した直後の状態を示している。また、図4は、図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した後に咬合を開始して義歯の義歯床が粘膜に或る程度沈化した状態を示している。また、図5は、図1に対応する図であり、義歯装着者が義歯を支台歯に装着した後に思い切り咬合して義歯の義歯床が粘膜に沈下し切って沈下動作を停止した状態を示している。
本実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント1は、少なくとも2本の人工歯111,112,113,・・・(110)が隣接して並べられかつ複数の人工歯111,112,113,・・・(110)を上部に固定した細長の義歯床120を備えた義歯100と、義歯100をいわゆる支台歯としての役割を果たす支台歯200に装着するためのアタッチメントを備え、磁石150の磁気引っ張り力によって義歯100を支台歯200に装着可能となった義歯とその取付けアタッチメントである。
支台歯200は、残根20と、残根20の上部に固定されたキーパーホルダー210と、キーパーホルダー210の上面に最適な状態(最適な位置及び姿勢)で配置された磁性部材からなるキーパー250を備えている。そして、残根20の上面部22にキーパーホルダー210を介して固定されたキーパー250が後述する義歯100に備わった磁石150の磁気引っ張り力によって互いに密着結合可能となるように構成されている。
キーパーホルダー210は、残根20の上面部22に取り付けられキーパー250を固定した状態で保持するためのもので、いわゆる厚さの薄い灰皿形状を有するホルダー本体211と、ホルダー本体211の下面から下方に延在して残根20の上面部22から下端部21に向かって形成した根管25に植設すると所定長さのホルダー固定脚部215から形成されている。
キーパー250は、上述したように義歯として用いるのに適した磁性材でできており、或る程度の厚さを有する円板形状を有している。そしてキーパー250の厚さ方向下側の一部がキーパーホルダー210のホルダー本体211の凹み部212に嵌り込んで、適当な接着剤でキーパーホルダー210に固定されるようになっている。
そして、本実施形態においては、キーパーホルダー210自体も残根20の上面部22に固定されているので、キーパー250も残根20の上面部22に円板形状の上側の平面が義歯100を装着した状態における咬合方向と略垂直となるように固定されている。なお、この方向性を義歯100の装着時の咬合方向と垂直に合わせる最適な調整の仕方については、後に詳細に説明する。
義歯100は、少なくとも2本の人工歯111,112,113,・・・(110)とこれらの人工歯111,112,113,・・・(110)を固定する義歯床120を有している。
また、義歯100は、大臼歯や小臼歯、犬歯、切歯の何れか又はそれらの組み合わせが組み合わさって人工歯111,112,113,・・・(110)として義歯床120の上部に備わっている。なお、本発明において義歯床120に備わる小臼歯や大臼歯等の種別や本数、配置形態については、本発明の作用を発揮し得る範囲内で様々な組み合わせが可能であり、義歯100を装着する部位や残根20の周囲の欠損歯の状況に応じて適宜選択可能である。
また、義歯床120の粘膜30と接する底面側の長手方向所定位置に有底のハウジング収容凹み部130が形成されている。そして、挿入保持するためのハウジング収容凹み部130には、磁石150を所定方向に移動可能に収容する磁石収容空間を有すると共に、支台歯200の粘膜30に対して突出した部分を内部に進入させることを可能とする磁石収容ハウジング160が備わっている。また、磁石収容ハウジング160の内部には磁石150が移動可能に収容されている。
ハウジング収容凹み部130は、義歯床120の底面の所定位置に円形状をなす一方の開口部を有し、この開口部の開口面と略垂直方向であって義歯床120の内部において人工歯111,112,113,・・・(110)の先端方向に向かって一方の開口部の開口面と対向する円形状をなす他方の底面部を有する円筒状空間をなすように形成されている。なお、底面部は、本実施形態においては義歯床120の内部に設けられたが、義歯100の外部と隔離して形成されていれば良く、人工歯111,112,113,・・・(110)の基端部に至った配置状態で形成されていても良い。
磁石収容ハウジング160は、略円筒状の筒型形状をなし、その内部に磁石収容ハウジング160の軸線方向に沿って磁石収容ハウジング160内に収容された円盤状の磁石150が移動可能で、かつ磁石収容ハウジング160内から脱落することなく、磁石150の一方の面がキーパー250の上面251に磁気引っ張り力で直接密着可能な構造を有している。
磁石収容ハウジング160は、本実施形態の場合、具体的には両端が開口した非磁性材のステンレス鋼でできた円筒体161と、円筒体161の一方の端部においてその開口部の全周に亘って内側に折り曲げられた内向きフランジ162と、円筒体の他方の端部に被せられたプラスチック板からなる蓋カバー163とからなる。また、プラスチック板の蓋カバー163を円筒体161に被せる前に円盤状の磁石150を磁石収容ハウジング160の内部に収容するようになっている。
そして、義歯床120のハウジング収容凹み部130にこのハウジング収容凹み部130の底面部(図1、図4乃至図6においては、人工歯側の上面部として図示)に対して磁石収容ハウジング160の円筒体の他方の端部である蓋カバー163が当接すると共に、磁石収容ハウジング160の円筒体の一方の端部である内向きフランジ162が義歯床120の底部に形成されたハウジング収容凹み部130の開口部の開口面と略面一となるように磁石収容ハウジング160の外周面とハウジング収容凹み部130の内周面との間に接着剤を介して磁石収容ハウジング160がハウジング収容凹み部130にしっかりと固定した状態で収容されている。
磁石収容ハウジング160の一部をなす内向きフランジ162は、義歯床120の底面から露出しており、義歯100を支台歯200に装着するにあたって、後述する磁石150が磁石収容ハウジング160から脱落するのを防止する役目を果たしている。
そして、磁石収容ハウジング160の内向きフランジ162によって囲まれた部分は、義歯100を支台歯200に装着した際にキーパー250を磁気引っ張り力によって磁石150に直接密着させると共に、義歯100を支台歯200に装着して咬合した際にキーパー250の磁石150との密着面側の厚み方向少なくとも一部が磁石収容ハウジング160の内部に進入可能なキーパー挿通孔165として形成されている。
なお、本実施形態においては、図面に示すように、キーパー250が灰皿上を有したキーパーホルダー210の凹み部212にちょうどはまり込んでキーパー250の上面251がキーパーホルダー210の凹み部212を形成する周囲起立部213の上側部と略面一となっている。そのため、本実施形態においては、磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165の大きさは、キーパー250のみならずこのキーパー250と結合したキーパーホルダー210の周囲起立部213も含めて磁石収容ハウジング160内に進入可能な大きさとなっている。
磁石収容ハウジング160内の磁石150は、義歯100を支台歯200に装着した状態において、義歯100の義歯床120の粘膜30との密着面側と磁石収容ハウジング160の上部に位置する人工歯111,112,113,・・・(110)の先端側とを結ぶ方向に沿って自由に移動可能となるように収容されている。
磁石150は、円盤状をなし、磁石収容ハウジング160内において蓋カバー163と内向きフランジ162との間を磁石収容ハウジング160の円筒体の中心軸線に沿って磁石150の厚み方向(磁石150を中心軸線方向)にスライド移動可能な構造となっている。なお、本実施形態においては、磁石150の外径は、磁石収容ハウジング160の円筒体の内径よりも若干小さくなっており、磁石収容ハウジング160内における磁石150の自由な移動を妨げないように寸法決めされている。
円盤状の磁石150の磁極に関しては、この磁石150の厚さ方向に2分されており、例えば磁石150の厚み方向に関して一方の半分であって磁石収容ハウジング160の蓋カバー163に対向する部分がN極の場合は、磁石150の厚み方向に関して他方の半分であって磁石収容ハウジング160の内向きフランジ162側に対向する部分はS極となっている。若しくは、この代わりに、磁石150の厚み方向に関して一方の半分であって磁石収容ハウジング160の蓋カバー163に対向する部分がS極の場合は、磁石150の厚み方向に関して他方の半分であって磁石収容ハウジング160の内向きフランジ162側に対向する部分はN極となっている。
続いて、上述した本実施形態に係る義歯100とその取付けアタッチメント1の各構成要素の配置関係や寸法関係、磁石150の磁気引っ張り力の大きさ等について説明する。
磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165は、上述したように義歯100の義歯床120の底面においてこの底面と略面一状態で露出するするようになっており、義歯100の義歯床120の底面において露出する磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165をキーパー250に近づけることで、磁石150の磁気引っ張り力の作用により磁石150とキーパー250を密着固定させて義歯100を支台歯200に対して正しい取り付け位置に案内しながら義歯100を支台歯200に装着する配置構成となっている。
また、磁石150の磁気引っ張り力は、上述したように磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165をキーパー250に近づけることで、磁石150の磁気引っ張り力の作用により磁石150とキーパー250を密着固定させた上で、これら両者の装着状態、即ち義歯100の支台歯200に対する装着状態において、義歯100の義歯床120の底面全体が唾液層90を介して密着することによって生じる密着力と相俟って義歯100の支台歯200に対する装着状態を維持するような大きさの磁気引っ張り力を発生させるようになっている。
なお、本実施形態を示す図面においては、下側の顎骨60の支台歯200に義歯100を取り付ける状態を描いているが、これとは逆に上側の顎骨60の支台歯200に義歯100を取り付ける場合であっても、上述した作用を十分に発揮できるだけの磁気引っ張り力を磁石150が発生させるようになっていることについては言うまでもない。
義歯100を支台歯200に装着した後における磁石150の磁石収容ハウジング160内における移動の仕方についてより詳細に説明する。具体的には、義歯100を支台歯200に装着後に咬合した際に、咬合力が義歯100の義歯床120の底面全体を粘膜30に沈下させていくに従って、キーパー250に磁石150の磁気引っ張り力で結合した磁石150のキーパー250との結合部分及びこの周囲のキーパーホルダー210の部分がキーパー挿通孔165から磁石収容ハウジング160内に進入するようになっている。この動作に伴って磁石収容ハウジング160内の磁石150は、義歯100の磁石収容ハウジング160の上部に位置する人工歯111,112,113,・・・(110)側に移動するようになっている。なお、義歯床120の沈下状態においては、図1から図5の変化に示すように義歯床120と粘膜30との間に介在していた唾液層90の唾液が義歯床120の外側に押し出されている。
そして、咬合度合いに応じて、粘膜30に沈下する義歯床120に粘膜30から加わる圧縮反発力が大きくなるに従って、磁石150が磁石収容ハウジング160内を義歯100の人工歯111,112,113,・・・(110)側に更に移動させていくようになっている。
更には、咬合力が最も大きくなって義歯100の義歯床120がこれに密着した粘膜30全体から受ける圧縮反発力と釣り合って義歯床120の粘膜30への沈下動作を停止した際においても、磁石150と磁石収容ハウジング160の内部の磁石150と対向する人工歯111,112,113,・・・(110)側の部分との間には一定の空間(図6における空間170参照)が確保されるように磁石収容ハウジング160の外形及び内部空間の形状及び容積が規定されている。
続いて、本実施形態に係る義歯とその取付けアタッチメント1による義歯100の支台歯200への装着の手順、装着後の咬合に関する過程の説明、義歯100の支台歯200からの取り外しについて図面に基づいて工程順により詳細に説明する。なお、この説明にあたっては、下側の顎骨60の支台歯200に義歯100を取り付ける状態を描いているが、これとは逆に上側の顎骨60の支台歯200に義歯100を取り付ける場合であっても上下逆になるだけで同様な動作や作用となる。
予め、支台歯200を構成するための天然歯であって歯冠の部分が虫歯の進行で除去する必要がある天然歯を歯科医院で選択して除去した上に、残根20の上面部22にキーパーホルダー210の固定穴を穿設する。そして、キーパーホルダー210の上面の凹み部212にキーパー250を嵌め込んで固定することで本発明に適用可能な支台歯200を歯科医院において形成してもらっておく。この過程は、図7に示す内容からより良く理解可能である。即ち、図7は、金属冠を被せたままその内部の歯冠において虫歯が進行した状態を示す断面図(図7(a))、及び図7(a)の状態から金属冠と歯冠を除去した状態を示す断面図(図7(b))、並びに歯根の表面から根管を形成した状態を示す断面図(図7(c))である。
同じく上述した磁石150を内蔵した磁石収容ハウジング160を義歯床120に備えた本発明に適用可能な義歯100を歯科医院において製作してもらいこれを用意する。そして、義歯装着者は、義歯100を指で摘まんで義歯100を支台歯200に近づける。なお、図3は、義歯装着者が義歯100を支台歯200に装着する直前の状態を示している。
この際、義歯床120の底面から露出した磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165をキーパー250に近づけることで、磁石150の磁気引っ張り力の作用により磁石150とキーパー250を密着固定させて義歯100を支台歯200に対して正しい取り付け位置に案内しながら義歯100を支台歯200に装着することが可能となる。即ち、義歯装着者は、磁石150の磁気引っ張り力を利用することによって義歯100を支台歯200に正確に仮位置決めすることができる。なお、図1は、以上のようにして義歯装着者が義歯100を支台歯200に装着した状態を示している。
このように義歯100を支台歯200に仮位置決めすると同時に指で義歯全体を粘膜30に対して軽く押し付けることで、義歯床120の底面とこれに接する粘膜30の表面に介在した空気がこの隙間から押し出され、両者は唾液層90を介してしっかりと密着するようになる。このようにして、義歯100が支台歯200に対して磁石150の磁気引っ張り力と、この引っ張り力と同等の方向に作用する義歯床120の底面全体と粘膜30の表面全体とが唾液層90を介した密着力によって義歯100を支台歯200にしっかりと装着することが可能となる。
なお、上側の顎骨60の支台歯200に義歯100を取り付ける場合においては、義歯100を支台歯200に近づけるに従って磁石収容ハウジング160内の磁石150がハウジング下側から磁石150がキーパー250に近づくにつれてキーパー250に作用する磁気引っ張り力が大きくなっていき、磁石150はキーパー挿通孔165を形成する内向きフランジ162に当接するように磁石150が上顎に向かって移動することを除いて、上述した動作及び作用と同様である。
続いて、咬合の過程について咬合力の大きさに応じて図面に基づいて説明する。なお、これ以降の説明においては、図4及び図5に基づいて行うが、これらの図面において、小臼歯と大臼歯の組み合わせからなる人工歯111,112,113,・・・(110)にそれぞれ上から下に向けて示す矢印Fは、咬合の際の各人工歯111,112,113,・・・(110)に作用する咬合力を発明の理解の容易化のために簡略化して示したものである。そして、この矢印Fの長さが、それぞれの人工歯111,112,113,・・・(110)に作用する咬合力の大きさを示している。
図4は、義歯装着者が義歯100を支台歯200に装着した後に咬合を開始して義歯100の義歯床120が粘膜30に或る程度沈化した状態を示している。同図によると、各矢印Fが均等な長さとなっており、各人工歯111,112,113,・・・(110)に均等に咬合力が作用していることを示している。
この場合、図1と比較して分かるように、咬合力によって義歯100の義歯床120全体が粘膜30に均等に押し付けられて、粘膜30を均一に押し潰して義歯床120と粘膜30との間に介在する唾液層90を押し出して義歯100全体が粘膜30に対して均一に沈下していることが理解できる。即ち、この状態においては、義歯100の義歯床120全体が粘膜30を押し潰すことで、押し潰された粘膜30全体から受ける反力が咬合力と釣り合っていることになる。
図1に対して図4を比較比較して分かるように、咬合力が義歯100の義歯床120の底面全体を粘膜30に沈下させていくに従って、キーパー250に磁石150の磁気引っ張り力で結合した磁石150のキーパー250との結合部分及びこの周囲のキーパーホルダー210の周囲起立部213がキーパー挿通孔165から磁石収容ハウジング160内に進入していく。この動作に伴って磁石収容ハウジング160内の磁石150は、義歯100の磁石収容ハウジング160の上部に位置する人工歯111,112,113,・・・(110)側に移動する。
咬合度合いが大きくなるに従って、粘膜30に沈下する義歯床120に粘膜30から加わる圧縮反発力が大きくなる。これに応じて、磁石150及びこれに密着するキーパー250並びにキーパー250の磁石150との密着部分の近傍に位置するキーパーホルダー210の周囲起立部213が磁石収容ハウジング160内を義歯100の人工歯111,112,113,・・・(110)側に向かって更に進入しながら移動していく。
続いて、義歯装着者の咬合度合いが最も大きくなると、図4の状態から図5の状態に至る。なお、図5は、義歯装着者が義歯100を支台歯200に装着した後に思い切り咬合して義歯100の義歯床120が粘膜30に沈下し切って沈下動作を停止した状態を示している。
図5に示す状態においては、咬合力が最も大きくなって義歯100の義歯床120がこれに密着した粘膜30全体から受ける圧縮反発力と釣り合って義歯床120の粘膜30への更なる沈下動作を停止した状態となっている。即ち、この状態においては、磁石150はもはや磁石収容ハウジング160内における蓋カバー163に向かう進行を停止している。
この状態においては、図6から分かるように、本発明の特徴として磁石150と磁石収容ハウジング160の内部の磁石150と対向する人工歯111,112,113,・・・(110)側の部分との間には一定の空間170が残存している。
即ち、咬合力が最も大きくなって義歯100の義歯床120がこれに密着した粘膜30全体から受ける圧縮反発力と釣り合って義歯床120の粘膜30への沈下動作を停止した際においても、磁石150と磁石収容ハウジング160の内部の磁石150と対向する人工歯111,112,113,・・・(110)側の部分との間には一定の空間が確保されるようになっていることを本発明の特徴としている。
以下、この空間170を残存させる技術的について説明する。咬合力は、一般的に約3MPa~約9MPa(1cm当たり平均30kg~90kg(1m当たり300トン~900トン))と極めて大きい。これに加えて、通常、一口あたりの咀嚼回数は、20回~30回程度で、一回の食事では、30口くらい、食物を咀嚼する。つまり、一回の食事の咀嚼回数は20×30=600回、一日3回の食事で、600×3=1800回、その他の間食を加えると、2000回位となる。
その結果、一ヶ月の咀嚼回数は、2000回×30日=60000回、6か月間で、60000回×6月=360000回となる。
つまり、上述のような極めて多数回の咀嚼動作のそれぞれにおいて約3MPa~約9MPa(1cm当たり平均30kg~90kg(1m当たり300トン~900トン))の咬合力が支台歯に作用することになる。
そして、人生100年時代と言われる近年、例えば60歳代や70歳代で義歯を装着するようになった場合、抜歯した部分を1本当たりかなりコストのかかるインプラントを植設する場合を除いて、30年近くから30年以上義歯を使用し続けることになる。また、顎骨の大きさや形状、顎骨内の神経の配置等の諸々の要因によりインプラントを植設できずに義歯を使い続けなければならない場合も生じる。
ここで、天然歯を抜歯して代わりに義歯を装着する義歯装着者は、上述したように高齢であることが一般的である。そして、義歯を支える支台歯についても完全に健全な状態ではなく歯根と顎骨を結合する重要な繊維組織である歯根膜40の劣化が或る程度進んでいることが十分に考えられる。このような場合に最低1日三食の食事や間食に際して本発明に係る義歯を装着しないで大きな咬合力で上述した数え切れないほどの回数の咬合動作を行うと、以下の問題が生じる。
例えば、従来技術として挙げた文献公報(特開2011-224109号公報)に開示されたように、義歯を支台歯としての支台歯の一部を構成する残根に完全に固定するために支台歯の軸線上に係合固定部を設けた場合、咬合力が支台歯の下側の歯根膜に直接作用することになり、残された限りのある支台歯の歯根膜の損傷を進行させ、支台歯自体に揺動を生じさせて義歯の固定のための支台歯の役目を果たせなくなる。これに加えて、やがては支台歯自体も天然歯としての機能を果たすことなく歯根毎抜歯してインプラントなどに置き換えるか、抜歯後にかわりの残された支台歯を使ってこの部分も含めた義歯を作り直すなどの極めて面倒な後処置が必要となる。
一方、本発明によると、咬合動作が開始されることによって、支台歯としての支台歯の一部を構成する残根のみならず、支台歯としての役目を果たすのに極めて重要な役割を果たす歯根膜、即ち残根と顎骨を結合する歯根膜にこのような大きな咬合力が衝撃力として加わるのを防止することができる。
これに加えて、本発明の構造から明らかなように、咬合力が磁石やキーパーに直接加わることがないため、義歯を長期間使用していても磁石やキーパーの破損に伴う義歯本来の機能喪失や破損したこれらの破片が口腔内に残存した上にこれら磁石やキーパーの破損した一部を誤って誤飲するようなことを防ぐことが可能である。
更に、咬合に際しては食べ物を確実に磨り潰すために必ず臼磨動作を伴うが、この臼磨運動による咬合力の作用角度が垂直方向から斜め方向に変化することに伴う義歯の支台歯の部分を横方向(咬合する方向と直交する方向)にずらす力や倒したりするモーメントが作用する。そして、従来技術のような義歯と磁石が一体化した構造では、この臼磨運動によりこれらの力やモーメントが義歯と一体化して固定された磁石に直接加わり、磁石とキーパーとの間にその一方又は双方の局所的摩耗が生じる。
このような場合においても、磁石やキーパーの形状変化により断面係数が変わり、通常の咬合力によってもこの部分にクラックが生じてやがては磁石やキーパーが破断してしまう恐れがある。そして、上述と同様に磁石やキーパーの判断によって欠損した破片が口腔内に残存した上にこれら磁石やキーパーの破損した一部を誤って誤飲してしまうことが従来技術の構造によると懸念される。しかしながら、本発明の構造によると、上述のような不都合な現象が発生することはなく、義歯を長期に亘って安心して使用し続けることが可能となる。
更には、上述したような従来技術の構造によると、義歯の支台歯の部分を横方向(咬合する方向と直交する方向)にずらす力や倒したりするモーメントが作用することで、義歯の床縁の部分が支台歯の部分の周囲の歯肉に局所的に当たって歯肉を剥離するような剪断力を作用させる。そのため、歯肉のこの部分の局所的な炎症を招くと共に、義歯装着者はあまりの痛さで義歯を装着し続けることができなくなる恐れが多分に生じる。
一方、本発明に係る構造によると、義歯装着者が義歯100を思いっ切り咬合しても、キーパー250に磁気引っ張り力でしっかりと密着した磁石150の上面は、磁石収容ハウジング160の人工歯側底面、即ち磁石収容ハウジング160の人工歯側に被せた蓋カバー163に接触することはなく、必ず或る程度の隙間(空間)170を残存するようになっている。
これによって、義歯装着者がしっかりと咬合してもこの際の咬合力が磁石に加わることなく、磁石の破損を防止することができる。その結果、磁石150の磁気引っ張り力がキーパーに50に及ぼす大きさが長期間に亘って一定の状態に維持させることができ、義歯のしっかりした装着感を損なうことなく、かつ磁石破損の有無の確認や磁石が破損した場合の修理に伴う歯科医院への通院が必要な義歯の余分なメンテナンスとこれに伴うコスト的及び時間的ロスを生じさせずに済む。
以上のような本発明特有の構造上の特徴により、本発明による義歯とその取付けアタッチメントを一旦装着すれば、長期間その装着状態を維持することが可能となり、歯科医院にメンテナンスのために頻繁に通院する必要もなく、義歯とその取付けアタッチメントが破壊して新たな義歯とその取付けアタッチメントを装着し直すような重大な問題を生じさせないようにできる。
その結果、本発明による義歯とその取付けアタッチメントを一旦装着すれば、長期間その装着状態を維持することが可能となり、歯科医院にメンテナンスのために頻繁に通院する必要もなく、義歯とその取付けアタッチメントが破壊して新たな義歯とその取付けアタッチメントを装着し直すような重大な問題を生じさせるのを防止することができる。
また、支台歯に無理な力を作用させることなく、口の中で食べ物を十分に咀嚼することができるため、胃や腸等の消化器官における負担を減らすことができ、かつ食べ物から栄養を十分に吸収することができ、高齢者の健康維持に役立ち、クオリティオブライフの向上につながる。
これに加えて、本発明によると、咬合する際、貴重な残根及びその周囲の歯根膜が破損することに関して過度に神経質にならずに、義歯床を粘膜に押し付けて十分に噛み込むことができることに起因する以下の効果も持ち合わせている。
具体的には、食べ物を咀嚼する際には咬筋を動かして十分な咬合力で咀嚼する必要がある。ここで、本発明に係る義歯を支台歯に装着することで、毎日の食事の際に十分な咬合力を発生させるために咀嚼筋の一部をなす翼突筋をしっかりと使う習慣が身に付く。この翼突筋が 翼突筋静脈叢の血液循環を促進し、咀嚼系全体の改善をもたらし、よって心臓からの血液が脳やその周辺の咀嚼器官に十分に供給されるようになるという非常に大切な副次的効果を発揮する。
このように咬合に際しての脳やその周辺の感覚器官に心臓の動脈から血液を供給することができるようになるので、昨今問題となっている痴呆症の予防や進行の阻止にも貢献する。
更には、例えばクラスプで固定した一般的な義歯を長期間使い続けるとクラスプの部分が塑性変形してやがては疲労破壊してしまい、破断してその先端が口の中の粘膜や舌に突き刺さってこれらを傷つけたり、クラスプの破片を食べ物と共に飲み込んでしまい誤飲を招いたりする。
しかしながら、本発明に係る義歯とその取付けアタッチメントを用いると、このような咬合に伴う義歯の複雑な動きが支台歯に機械的影響を与えることなく、支台歯自体をその役割を維持しながら長期間に亘って残存させることができると共に、義歯自体についても破損させずに長期間使用し続けることができる。
また、クラスプを用いることなく義歯全体を支台歯に装着しているので、クラスプのような金属部材が外部に露出することがない。その結果、口を開けたときにクラスプの金属部分が外部から見えたりすることなく、義歯を装着していることが一見すると全く分からないので、本発明に係る義歯が審美的に非常に優れていると言える。また、義歯装着者は、このような観点から外出して友人や知り合いとの会話を心置きなく楽しむことができると共に、買い物や講演等の受講を行っている際に質問が生じた場合、相手が十分に聞き取れる声で遠慮なく聞いてみることが可能となる。
続いて、本発明における支台歯200の具体的な構成手順について説明する。この説明にあたっては、例示的なものとして一例をあげて記載するが、これ以外の天然歯の状態であっても残根20及び歯根膜40がしっかりした状態で支台歯200の基礎をなすことができれば、どのような形態にも本発明を適用可能である。
以下の説明においては、歯冠に虫歯が発生したためこれを治療して金属冠を歯冠に被せたが、その後長期間経過して金属冠内部の歯冠の虫歯を治療しきれなかった部分や新たに発生した虫歯が歯冠のエナメル質を侵食(う蝕)して歯冠の象牙質全体に侵食した場合に基づいて記載する。即ち、金属冠を被せた基部としての歯冠の役目を果たすことができなくなるに至り、同時に虫歯の進行により金属冠も歯冠にしっかりと被さっておらず、ぐらついて外れたりしてしまうような状態になった場合を想定する。
図7は、金属冠を被せたままその内部の歯冠において虫歯が進行した状態を示す断面図(図7(a))、及び図7(a)の状態から金属冠と歯冠を除去した状態を示す断面図(図7(b))、並びに歯根の表面から根管を形成した状態を示す断面図(図7(c))である。
本発明においては、図7(a)のような状態に至った場合、歯科医院において歯科医が金属冠を外して歯冠全体を除去することで残根20の上部に平面部を形成すると共に(図7(b)参照)、キーパー保持用穿設穴としての根管25を歯冠上面の略中央位置から歯根の先端に向かって一定の深さだけ形成する(図7(c)参照)。そして、キーパーホルダー210の型取りのためにこの部分にワックス209を流し込み(図8(a)参照)、円板状のキーパー250の中央部分から立設するキーパー取付けハンドリングピン255をサーベヤー80で保持しながら、キーパー250の上面251、即ち義歯装着後の磁石150との接触面が義歯装着者の支台歯200を形成する部分の咬合方向に略直交する(合致する)ように調整する(図8(a)から図8(b)の過程参照)。
そして、この状態で硬化したワックス209を型取りし(図8(c)参照)、金属のキーパーホルダー210をいわゆるロストワックス法による鋳造で作成する。そして、キーパーホルダー210を研磨して接着性レジンセメント等で残根20にしっかりと取り付ける(図9(a)から図9(b)の過程参照)。これに合わせて、キーパー250のキーパー取付けハンドリングピン255を或る程度の長さだけ残して切断することでハウジング位置・姿勢調整ピン256とし、キーパーホルダー210の上面の凹み部212にキーパー250を、接着性レジンセメント等を介してハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256が突出した状態でしっかりと密着させながら固定する(図9(c)参照)。これによって、本発明における支台歯200側の構成の準備を終える。
続いて、磁石収容ハウジング160を備えた義歯100を支台歯200に義歯装着者毎に異なる最適な位置関係を保ちながら装着できるようにするための調整作業を行う。この調整作業に当たっては、本発明特有の位置決め調整用円板350(図10(c)及び(d)参照)を利用する。
位置決め調整用円板350は、義歯100を支台歯200に装着した際に、磁石収容ハウジング160が支台歯200に固定したキーパー250及びキーパーホルダー210に対して最適な相対的位置・姿勢関係になると共に、咬合開始時にキーパー250及びキーパー250を保持するキーパーホルダー210の周囲起立部213が磁石収容ハウジング160内にキーパー挿通孔165から無理なく進入することができ、かつ義歯装着者が思い切り咬合した際においても磁石収容ハウジング160内に収容された磁石150の上面と磁石収容ハウジング160の人工歯側底面との間に一定の隙間(空間)170を残存させるために用いる円板状の調整具である。
このような役目から、位置決め調整用円板350の厚さは、上述の機能を発揮するために、義歯100を支台歯200に装着した後に思いっ切り咬合して義歯床120が沈下する深さよりも十分に余裕を持った厚みを有している。
より詳細には、位置決め調整用円板350は、全体がレジン(樹脂)でできており、上述した役割を果たすための厚み及び磁石収容ハウジング160内に収容可能な外径であってキーパー挿通孔165から脱落することのない外径を有している。更に、位置決め調整用円板350の軸線方向中心部には、切断後に一部残存した状態でキーパー250から上側に突出するハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256を挿入可能な円板仮取り付け用貫通孔356を位置決め調整用円板350の中心軸線に沿って有している。
続いて、上述した本発明特有の位置決め調整用円板350を用いた各義歯装着者のそれぞれの口腔内の形状や大きさ、顎骨の形成状態や支台歯200の太さや大きさに合わせた最適な咬み心地を提供するオーダーメイドの義歯100の制作方法について更に説明する。
図10は、磁石を収容した磁石収容ハウジングの蓋カバーを取り外して磁石を一旦外し、位置決め調整用円板を磁石収容ハウジングに挿入し、更には磁石を収容して蓋カバーをハウジング本体に被せて再び磁石収容ハウジングを組み立てる工程を図10(a)乃至図10(d)の順に示す断面図である。
最初に磁石収容ハウジング160の蓋カバー163を外し(図10(a)参照)、内向きフランジ162に向かって位置決め調整用円板350を挿入すると共に、これに続いて磁石150を位置決め調整用円板350に重なるように磁石収容ハウジング160内に挿入し、再度蓋カバー163を磁石収容ハウジング160本体の開口部に被せ(図10(c)参照)、適当な結合接着剤を用いて蓋カバー163をハウジング本体に密着固定する(図10(d)参照)。なお、この状態においては、磁石150の上面と蓋カバー163とが接触する状態となっている。
次いで、切断後に或る程度の長さだけキーパー250の上面251に残したハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256を、キーパー挿通孔165の略中心部に現れた位置決め調整用円板350の円板仮取り付け用貫通孔356を挿入させながら磁石収容ハウジング160をキーパー250の上に載せる(図10(c)参照)。そして、上述した磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165の中心部に現れる位置決め調整用円板350の円板仮取り付け用貫通孔356に支台歯200のキーパー250の上面251から或る程度突出した切断後のハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256が入り込むように磁石収容ハウジング160をキーパー250の上面251に載せた状態を維持する。
この状態においては、本実施形態においては、上述したように磁石150の上面と蓋カバー163とが接触する状態となっているが、実際には義歯100を制作して支台歯200に装着した際に位置決め調整用円板350を取り除いていることが本発明の作用効果を理解する上で重要である(図13(b)参照)。即ち、位置決め調整用円板350の厚みは、上述したように義歯装着者が思い切り咬合した際に義歯床120が粘膜30に沈下する深さよりも厚くなっている。
そのため、義歯100の完成後に実際に義歯100を支台歯200に装着した状態においては、磁石150がこれに対向するキーパー250に密着した状態で磁石収容ハウジング160の内向きフランジ162に接触している状態となっている(図13(b)参照)。そして、この状態で義歯装着者が義歯100を思いっ切り咬合することで、義歯100の義歯床120が粘膜30に最大量の深さまで沈下し、これに伴って顎骨60に歯根膜40を介して結合されている残根20の上部にキーパーホルダー210を介して固定されたキーパー250の上面251が磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165を介して磁石収容ハウジング160内に進入する。
しかしながら、このような状態に至ってもキーパー250に磁気引っ張り力でしっかりと密着した磁石150の上面は、磁石収容ハウジング160の人工歯側底面、即ち磁石収容ハウジング160の人工歯側に被せた蓋カバー163に接触することはなく、必ず或る程度の隙間(空間)170を残存するようになっていることが本発明の特徴である。このようにして、本発明に係る支台歯200側の制作工程の準備段階まで進める。
次いで、義歯側の制作工程の準備を始める。図12は、図11(d)に示した状態で蝋義歯を用いて通法に従って重合により制作された本発明の義歯に接着用レジンを介して磁石収容ハウジングをハウジング収容穴に固定した後、図11(d)の状態に対応させて支台歯のキーパーに取り付けた状態に示す図(図12(a))、及び図12(a)の状態から本発明に係る義歯を支台歯に対して取り外した状態を示す図(図12(b))、並びに図12(b)の状態において磁石収容ハウジングのキーパー挿通孔を利用して位置決め調整用円板を粉砕しながら除去すると共に、キーパーの上部から突出した切断残存後のハウジング取付け位置・姿勢調整ピンを取り除いてキーパー上面を研磨した状態を示す図(図12(c))である。
具体的には、上述の状態に続いて予め咬合する相手側の天然歯や義歯100に基づいて型取りした後に正式に作成した本発明に係る複数本の人工歯111,112,113,・・・(110)を備えた義歯床120にあたる蝋義歯を用意する。そして、この蝋義歯を支台歯200側に押し付け状態で通法に従い義歯100を重合・研磨して完成義歯として制作する。
なお、図12(a)は、完成した義歯100を支台歯に取り付けた状態を示しているが、この義歯床120のハッチングの部分がワックスとなって磁石収容ハウジング160の周囲に覆い被さっている形態がこの工程に相当する。
そして、磁石収容ハウジング160を支台歯200側から取り外してハウジング本体のキーパー挿通孔165を利用して位置決め調整用円板350を粉砕した上で磁石収容ハウジング160内から取り除く(図12(c)参照)。これによって、磁石150のみが再び磁石収容ハウジング160内に正規の向きや姿勢で収容された状態に戻る。
なお、図12に示す形態と異なり実際の工程においては、磁石150のみ収容した磁石収容ハウジング160を蝋義歯に形成したハウジング収容凹み部130に接着性レジンセメント等を用いて挿入してから脱落しないように両者を結合しても良い。
以上の作業に合わせて、キーパー250の上に載せた磁石収容ハウジング160をキーパー250から取り去り、キーパー250の上面251から或る程度突出した切断後のハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256の残りの部分を切断した後にこの基端部を粗研磨し、更には支台歯200に義歯100を装着した際にキーパー250の上面251が義歯100のキーパー挿通孔165から露出した磁石150と磁気引っ張り力を介して面接触によりしっかりと密着して両者が結合するようにキーパー250上面の仕上げ研磨を行う(図12(c)参照)。
そして、キーパー250の上に義歯100を近づけて磁石150の磁気引っ張り力によって義歯100を支台歯200に仮結合した状態で義歯100が支台歯200に正確に結合しているか否か、義歯装着者が支台歯200を十分に沈下させながら義歯100をしっかりと咬合できるかどうか等について確認する。
図13は、図12(c)において完成させた本発明に係る義歯を支台歯に磁石の磁気引っ張り力を利用して装着する直前の図(図13(a))、及びこれに続いて本発明に係る義歯を支台歯に磁石の磁気引っ張り力を利用して装着した状態の図(図13(b))、並びに更にこれに続いて本発明に係る義歯を支台歯から磁石の磁気引っ張り力に抗して取り外した状態を示す図(図13(b))である。
以上のような過程で制作したハウジング収容空間が形成され所定の本数の人工歯111,112,113,・・・(110)を備えた義歯床120のハウジング収容空間内に上述の磁石150のみを内蔵した磁石収容ハウジング160を正規な方向で挿入すると共に、接着性レジンセメントをこれらの間に介在させて両者をしっかりと固定する。以上の手順によって、義歯床120の底部の所定位置から磁石収容ハウジング160の内向きフランジ162とキーパー挿通孔165が露出した本発明に係る義歯100を完成させる。
なお、図14は、虫歯が歯根の上部の一方の側(図中右側)まで進行した状態の断面図(図14(a))及びこの状態において適切なキーパーホルダー及びキーパーを歯根に取り付けた状態の断面図(図14(b))、並びに虫歯が歯根の上部の他方の側(図中左側)まで進行した状態の断面図(図14(c))及びこの状態において適切なキーパーホルダー及びキーパーを歯根に取り付けた状態の断面図(図14(d))である。
虫歯がかなり進行して歯根の上部の象牙質まで侵食(う蝕)している場合は、この侵食した部分まで全て虫歯を除去しなければならない。このように虫歯がかなり進行している場合、今まで説明した図面のように残根20の上面部22が粘膜30の表面に対して略平行とならず、或る程度の斜めの角度の上面をなすまで歯根の上部を除去しなければならない。このような場合であっても、上述したようにワックス209を流し込み、円板状のキーパー250の中央部分から立設するハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256をサーベヤー80で保持しながらキーパー250の上面251が義歯装着者の支台歯200を形成する部分の咬合方向に略直交するように調整する。
そして、この状態で硬化したワックス209を型取りとして用いて金属のキーパーホルダー210を鋳造で作成する。そして、キーパーホルダー210を研磨して残根20に取り付けた状態にしてから接着性レジンセメント等で残根20にしっかりと固定する。これによって、キーパー250の磁石接着面を咬合力の作用方向に合わせた配置状態にしながらキーパーホルダー210に取り付けることが可能となる。
上述した義歯の制作工程において、本発明における特徴点として挙げられる内容について説明する。具体的には、磁石収容ハウジング160のキーパー挿通孔165の中心部に現れる位置決め調整用円板350の円板仮取り付け用貫通孔356に支台歯200のキーパー250の上面251から或る程度突出した切断後のハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256が入り込むように磁石収容ハウジング160をキーパー250の上面251に載せた状態を維持する。そして、本発明に係る複数本の人工歯110を備えた義歯床120にあたる蝋義歯を支台歯200側に押し付け状態で通法に従い、義歯100を重合・研磨して完成義歯として制作することにある。
これによって、義歯を支台歯に装着した際に義歯の円盤状の磁石150とこの磁石150に磁気引っ張り力で結合する円板状のキーパー250の同芯度が一致する。また、ハウジング取付け位置・姿勢調整ピン256はキーパー250の上面から垂直に突出しているので、磁石150とキーパー250の互いに重なり合う部分に隙間が生じることなく接触面積が最も大きくなる状態で義歯を制作することが可能になる。即ち、支台歯200に装着する際の装着力が最も大きい義歯を制作することが可能となる。これによって、下顎の支台歯に義歯を装着する場合だけでなく、上顎の支台歯に義歯を装着する場合もその装着状態をしっかりと維持することが可能となる。
上述に加えて、人間の歯は、天然歯のままの状態では、大臼歯、小臼歯、犬歯、切歯の4種類からなる合計28本が上下の顎骨60に歯根膜40を介して植設された状態で構成されている。そのため、歯の種類や歯が生えている位置によって虫歯が進行した歯冠の部分のみを除去して歯根の上部を、キーパーホルダー210を固定するために平面状に形成しても、咬合の方向に対して略直交方向をなさずに或る程度の角度をなして斜めになってしまう場合がある。
このような場合であっても、上述したような虫歯がかなり進行して歯根の上部の象牙質まで侵食(う蝕)している場合と同様の方法でキーパーホルダー210を鋳造すると共に、このキーパーホルダー210にキーパー250をその上面の磁石150との接着面が咬合方向と正しく直交する方向を向くように支台歯200とする部分の歯の種類や歯が生えている顎骨60の位置に応じて最適な状態で本発明に係る義歯とその取付けアタッチメント1を制作することが可能である。
なお、義歯のサイズ、即ち義歯の大きさや形状、ハウジング収容凹み部の位置やこのハウジング収容凹み部やこれに挿入固定される磁石収容ハウジング、磁石収容ハウジング内の磁石の直径、深さについては、義歯装着者の顎骨の形状や欠損歯の部分の状況によって全く同じとなる場合はありえないので、歯科医院において義歯装着者を診察して最も好ましい実施の形態を決定する必要がある。
このような咬合時に向きや大きさの絶えず変化する大きな咬合力が従来一般的に使われているクラスプを備えた義歯のクラスプの部分に作用すると、この部分が金属疲労により緩んだり破断してしまったりする問題があった。
また、支台歯にクラスプを備えた従来の義歯を装着した場合、口を開けたときにクラスプが目立って審美的な問題があった。更には、長期間の使用によってクラスプが緩んで義歯が外れ易くなり、口の中で外れかかった義歯を舌で押さえ続けたり、くしゃみなどで偶発的に義歯が外れて口から飛び出してしまったりするような事態を招いたりして、長期間にわたって使用し続けることができず、近年の高齢化社会の到来に向けて重要視されているクオリティオブライフの向上に支障をきたしていた。
更には、従来のクラスプを備えた義歯を使用した場合、クラスプの部分の緩みの有無の定期的な確認等とゆるみを発見した際にこの部分を元通りに直すような手間の掛かるメンテナンスを必要としていた。また、従来のクラスプを備えた義歯を外してこれをきれいにする場合等において、特に指先の不自由な義歯装着者にとっては誤って義歯を床に落としてしまい、金属でできたクラスプの部分が曲がったり破断してしまったりする恐れもあった。このような場合、このクラスプの部分を元の状態に直したり、直すことができない程度に曲がったり破損してしまった場合は、クラスプ全体を新しいものに交換しなければならない面倒な問題を生じていた。
そして、クラスプの部分の修理又は交換を依頼している間、その義歯を使用することができなくなり、極めて不便となる。しかしながら、本発明によると、義歯を固定して支持するためのクラスプのような金属部分を義歯の外部に備えていないので、そのような不都合なことは一切起こることはなく、殆どメンテナンスフリーで義歯を安心して使い続けることができるという非常に大きなメリットを有している。
また、本発明によると、磁石の磁気引っ張り力を介して義歯を最適な装着位置まで案内(ガイド)するので、義歯の着脱が非常に行い易くなり、高齢になって特に指先を器用に動かすことのできない義歯装着者が義歯の支台歯からの着脱を一人で簡単に行うことが可能となる。
なお、上述の各実施形態及びその各種変形例はあくまで本発明の例示的な内容を示したものに過ぎず、本発明の範囲内であれば形状、材質、大きさ等の異なる様々な構造の義歯とその取付けアタッチメントであっても構わないことは言うまでもない。
例えば、本発明においては、上述の実施形態と異なり、キーパーが、顎骨60に歯根膜40を介して結合している残根の上面に取り付ける代わりに、顎骨60に直接埋設されたインプラント50の上部に取り付けられるようになっていても良い。図15は、残根20の代わりにインプラント50を利用して本発明に係る義歯の支台歯を構成した状態を示す図13に対応する図である。
なお、インプラント50を除くその他の構成については、上述した実施形態と同等であるので、対応する符号を図15に示してその詳細な説明を省略する。残根20の代わりにインプラント50を支台歯の一部として利用した場合も同様である。その結果、本発明の義歯を取り付けるための支台歯を長期間に亘って健全な状態で維持することができるようになる。
また、本発明に係る支台歯を形成するにあたって、以上のような適用形態の他に例えばかなり硬い物を咬合した際に歯冠の一部が破損して脱落し、歯冠が大きく欠けてしまったような場合にも適用可能である。
また、本実施形態においては、キーパーが灰皿上を有したキーパーホルダーの凹み部にちょうどはまり込んでキーパーの上面がキーパーホルダーの凹み部を形成する周囲起立部の上側部と略面一となっており、磁石収容ハウジングのキーパー挿通孔の大きさは、キーパーのみならずこのキーパーの周囲のキーパーホルダーの周囲起立部も含めて磁石収容ハウジング内に進入可能な大きさとなっていた。
しかしながら、この代わりにキーパーの厚みがキーパーホルダーの凹み部の深さよりも大きく、キーパーホルダーの凹み部からキーパーが上部に突出した状態になっていて、その突出度合いが義歯を思いっ切り咬合した際に義歯床が粘膜に沈下する深さよりも大きい場合、磁石収容ハウジングのキーパー挿通孔の大きさは、咬合時にキーパーのみを磁石収容ハウジング内に進入させるのに余裕がある内径となっていても良い。
また、上述した実施形態の場合、磁石収容ハウジング160の内周面は、これによって形成される空間が円筒体形状を有している。しかしながら、本発明の作用を発揮するにあたって、円筒体形状には限定されず、例えば細長い四角柱や端面視で多角形の柱状の空間となるように、その内周面が形成されていても良い。
1 義歯とその取付けアタッチメント
20 残根
21 下端部
22 上面部
25 根管
30 粘膜
40 歯根膜
50 インプラント
60 顎骨
80 サーベヤー
90 唾液層
100 義歯
111,112,113,・・・(110) 人工歯
120 義歯床
130 ハウジング収容凹み部
150 磁石
160 磁石収容ハウジング
161 円筒体
162 内向きフランジ
163 蓋カバー
165 キーパー挿通孔
170 隙間(空間)
200 支台歯
209 ワックス
210(310,410) キーパーホルダー
211(311,411) ホルダー本体
212(312) 凹み部
213(313) 周囲起立部
215(315,415) ホルダー固定脚部
250 キーパー
251 上面
255 キーパー取付けハンドリングピン
256 ハウジング取付け位置・姿勢調整ピン
350 位置決め調整用円板
356 円板仮取り付け用貫通孔
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る義歯とその取付けアタッチメントは、
少なくとも2本の人工歯が隣接して並べられかつ当該複数の人工歯を上部に固定した細長の義歯床を備えた義歯と、前記義歯を支台歯に装着するためのアタッチメントを備え、磁石の磁気引っ張り力によって前記義歯を前記支台歯に装着可能となった義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
前記支台歯は、残根の上面に固定可能となりかつ当該残根の上面に前記磁石の磁気引っ張り力によって密着結合可能に形成された磁性部材からなるキーパーを前記残根の上面に取り付けることによって形成されるようになっており、
前記義歯は、前記義歯床の粘膜と接する底面側の長手方向所定位置に前記支台歯の前記粘膜に対して突出した部分を挿入保持するための有底のハウジング収容凹み部が形成されており、かつ前記ハウジング収容凹み部には、前記磁石を所定方向に移動可能に収容する磁石収容空間を有した磁石収容ハウジングが備わり、
前記磁石収容ハウジングの前記義歯床の底面から露出した部分には、前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、前記磁石が前記磁石収容ハウジングから脱落するのを防止する内向きフランジが形成され、
前記磁石収容ハウジング内の磁石は、前記義歯を前記支台歯に装着した状態において、当該義歯の義歯床の粘膜との密着面側と前記磁石収容ハウジングの上部に位置する前記人工歯の先端側とを結ぶ方向に沿って自由に移動可能となるように収容されており、
前記磁石収容ハウジングの前記内向きフランジによって囲まれた部分は、前記義歯を前記支台歯に装着した際に前記キーパーを磁気引っ張り力によって前記磁石に直接密着させると共に、前記義歯を前記支台歯に装着して咬合した際に前記キーパーの前記磁石との密着面側の少なくとも一部が前記磁石収容ハウジングの内部に進入可能なキーパー挿通孔として形成され、
前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、当該義歯の義歯床の底面において露出する前記磁石収容ハウジングの前記キーパー挿通孔を前記キーパーに近づけることで、前記磁石の磁気引っ張り力の作用により前記磁石と前記キーパーを密着固定させて前記義歯を前記支台歯に対して正しい取り付け位置に案内しながら当該義歯を当該支台歯に装着すると共に、この装着状態において前記義歯の義歯床の底面全体が唾液層を介して密着することによって生じる密着力と相俟って前記義歯の前記支台歯に対する装着状態を維持するようになっており、
前記義歯を前記支台歯に装着後に咬合した際に、咬合力が前記義歯の義歯床の底面全体を前記粘膜に沈下させると共に、前記キーパーに前記磁石の磁気引っ張り力で結合した当該磁石の当該キーパーとの結合部分を前記キーパー挿通孔から前記磁石収容ハウジング内に進入させることで、前記磁石を前記磁石収容ハウジング内において前記義歯の前記磁石収容ハウジングの上部に位置する人工歯側に移動させ、
咬合度合いに応じて、前記粘膜に沈下する義歯床に当該粘膜から加わる圧縮反発力が大きくなるに従って、前記磁石が前記磁石収容ハウジング内を前記義歯の人工歯側に更に移動させていくようになっており、かつ
前記咬合力が最も大きくなって前記義歯の義歯床がこれに密着した前記粘膜全体から受ける圧縮反発力と釣り合って当該義歯床の当該粘膜への沈下動作を停止した際においても、前記磁石と前記磁石収容ハウジングの内部の当該磁石と対向する人工歯側の部分との間には一定の空間が確保されていることを特徴としている。

Claims (4)

  1. 少なくとも2本の人工歯が隣接して並べられかつ当該複数の人工歯を上部に固定した細長の義歯床を備えた義歯と、前記義歯を支台歯に装着するためのアタッチメントを備え、磁石の磁気引っ張り力によって前記義歯を前記支台歯に装着可能となった義歯とその取付けアタッチメントにおいて、
    前記支台歯は、残根の上面に固定可能となりかつ当該残根の上面に前記磁石の磁気引っ張り力によって密着結合可能に形成された磁性部材からなるキーパーを前記残根の上面に取り付けることによって形成されるようになっており、
    前記義歯は、前記義歯床の粘膜と接する底面側の長手方向所定位置に前記支台歯の前記粘膜に対して突出した部分を挿入保持するための有底のハウジング収容凹み部が形成されており、かつ前記ハウジング収容凹み部には、前記磁石を所定方向に移動可能に収容する磁石収容空間を有した磁石収容ハウジングが備わり、
    前記磁石収容ハウジングの前記義歯床の底面から露出した部分には、前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、前記磁石が前記磁石収容ハウジングから脱落するのを防止する内向きフランジが形成され、
    前記磁石収容ハウジング内の磁石は、前記義歯を前記支台歯に装着した状態において、当該義歯の義歯床の粘膜との密着面側と前記磁石収容ハウジングの上部に位置する前記人工歯の先端側とを結ぶ方向に沿って自由に移動可能となるように収容されており、
    前記磁石収容ハウジングの前記内向きフランジによって囲まれた部分は、前記義歯を前記支台歯に装着した際に前記キーパーを磁気引っ張り力によって前記磁石に直接密着させると共に、前記義歯を前記支台歯に装着して咬合した際に前記キーパーの前記磁石との密着面側の少なくとも一部が前記磁石収容ハウジングの内部に進入可能なキーパー挿通孔として形成され、
    前記義歯を前記支台歯に装着するにあたって、当該義歯の義歯床の底面において露出する前記磁石収容ハウジングの前記キーパー挿通孔を前記キーパーに近づけることで、前記磁石の磁気引っ張り力の作用により前記磁石と前記キーパーを密着固定させて前記義歯を前記支台歯に対して正しい取り付け位置に案内しながら当該義歯を当該支台歯に装着すると共に、この装着状態において前記義歯の義歯床の底面全体が唾液層を介して密着することによって生じる密着力と相俟って前記義歯の前記支台歯に対する装着状態を維持するようになっており、
    前記義歯を前記支台歯に装着後に咬合した際に、咬合力が前記義歯の義歯床の底面全体を前記粘膜に沈下させると共に、前記キーパーに前記磁石の磁気引っ張り力で結合した当該磁石の当該キーパーとの結合部分を前記キーパー挿通孔から前記磁石収容ハウジング内に進入させることで、前記磁石を前記磁石収容ハウジング内において前記義歯の前記磁石収容ハウジングの上部に位置する人工歯側に移動させ、
    前記咬合度合いに応じて、前記粘膜に沈下する義歯床に当該粘膜から加わる圧縮反発力が大きくなるに従って、前記磁石が前記磁石収容ハウジング内を前記義歯の人工歯側に更に移動させていくようになっており、かつ
    前記咬合力が最も大きくなって前記義歯の義歯床がこれに密着した前記粘膜全体から受ける圧縮反発力と釣り合って当該義歯床の当該粘膜への沈下動作を停止した際においても、前記磁石と前記磁石収容ハウジングの内部の当該磁石と対向する人工歯側の部分との間には一定の空間が確保されていることを特徴とする義歯とその取付けアタッチメント。
  2. 前記キーパーが、顎骨に歯根膜を介して結合している前記残根の上面に取り付ける代わりに、前記顎骨に直接埋設されたインプラントの上部に取り付けられるようになったことを特徴とする請求項1に記載の義歯とその取付けアタッチメント。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにのみ用いることが可能な義歯。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の義歯とその取付けアタッチメントにのみ用いることが可能なアタッチメント。
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