JP2023128443A - 建物 - Google Patents

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Masayuki Hattori
宗平 長田
Sohei Osada
章典 烏
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Abstract

【課題】応力バランスにばらつきが生じ難い建物を提供する。【解決手段】建物は、鉄骨材(桁行材22)で一体的に組まれた屋根20と、屋根20の長手方向に沿って間隔をあけて配置され、屋根20を支持する鉄骨柱(柱30)と、鉄骨柱間に架け渡された鉄骨梁(梁40及び50)と、上下方向及び横方向における複数の鉄骨梁に設けられ、鉄骨柱間の応力伝達を抑制する変位吸収部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建物に関する。
下記特許文献1には、鉄骨が温度変化により長手方向に伸縮しても、その伸縮を吸収することができ、かつ鉄骨の長手方向以外の動きを拘束することができる鉄骨の接合構造が示されている。この鉄骨の接合構造では、大梁に設けられた鉄骨支持金物に長孔のピン孔が設けられ、また、このピン孔に、小梁に設けられた規制ピンが挿通されることで、小梁の長手方向の移動を許容している。
特開2016-69889号公報
上記特許文献1の鉄骨の接合構造によれば、小梁が熱伸びした場合に、その熱伸びを吸収して、大梁と小梁との接合部に生じる応力を低減できる。しかし、このような構成を建物の特定箇所に部分的に適用した場合、当該部分に変形が集中して、建物全体の応力バランスが悪くなる可能性がある。
このため、建物を構成する鋼材の熱伸縮を吸収する熱逃げ部の計画においては、建物の全体構造を考慮して、建物の応力バランスにばらつきが生じ難い熱逃げ部の配置が求められている。
本発明は、上記事実を考慮して、応力バランスにばらつきが生じ難い建物を提供することを目的とする。
請求項1の建物は、鉄骨材で一体的に組まれた屋根と、前記屋根の長手方向に沿って間隔をあけて配置され、前記屋根を支持する鉄骨柱と、前記鉄骨柱間に架け渡された鉄骨梁と、上下方向及び横方向における複数の前記鉄骨梁に設けられ、前記鉄骨柱間の応力伝達を抑制する変位吸収部と、を備えている。
請求項1の建物では、屋根が、鉄骨材で一体的に組まれている。すなわち、屋根が複数に分割されておらずエキスパンションジョイントが設けられていないので面剛性が高い。このため、地震時に建物に入力された水平力を鉄骨柱等の構造躯体へ伝達できる。
一方、屋根の熱伸縮を吸収するエキスパンションジョイントがないことにより、外気温の変化による屋根の鉄骨材の伸縮によって、屋根を支持する鉄骨柱の柱頭部には、水平力が作用する。この水平力によって、鉄骨柱及び鉄骨梁で形成された架構には、応力が発生する。
しかし、上下方向及び横方向における複数の鉄骨梁に、鉄骨柱間の応力伝達を抑制する変位吸収部が設けられている。これにより、屋根の熱伸縮を、上下方向及び横方向の複数箇所に配置された変位吸収部で総体的に吸収することができる。このため、建物の応力バランスにばらつきが生じ難い。
すなわち、変位吸収部が、上下方向の一箇所や横方向の一箇所のみに設けられている構成と比較して、建物の応力バランスにばらつきが生じ難い。また、屋根を支持する鉄骨柱が変位吸収部のない梁のみで接合された建物構造と比較すると、屋根の熱伸縮が建物に与える影響を低減できる。
請求項2の建物は、請求項1に記載の建物において、複数の前記鉄骨柱と前記鉄骨柱に架け渡された前記鉄骨梁とでユニット柱が形成され、前記変位吸収部は、前記ユニット柱同士を連結する前記鉄骨梁に設けられている。
請求項2の建物においては、複数の鉄骨柱によってユニット柱が形成されている。また、変位吸収部は、ユニット柱同士を連結する前記鉄骨梁に設けられている。このため、変位吸収部が上下方向に沿って並んで配置されている。これにより変位吸収部が散在している構成と比較して、屋根を支える架構が安定する。
請求項3の建物は、請求項1または2に記載の建物において、前記変位吸収部は、前記鉄骨梁の延設方向に沿う長孔が形成され、前記鉄骨柱に取り付けられたプレートと、前記長孔へ挿通され、前記プレートと前記鉄骨梁とを連結するボルトと、を含んで構成されている。
請求項3の建物においては、変位吸収部が、長孔にボルトが挿通されて形成されている。このため、鉄骨柱と鉄骨梁との相対変位であって、長孔の長手方向に沿う変位を許容できる。
請求項4の建物は、請求項1~3の何れか1項に記載の建物において、前記鉄骨柱又は前記鉄骨梁に接合された外壁材を有し、互いに隣り合う前記外壁材は互いに離間して配置され、互いに隣り合う前記外壁材同士の隙間には伸縮目地材が配置されている。
請求項4の建物において、外壁材は互いに離間して配置されている。このため、鉄骨柱間の水平距離が収縮しても外壁材同士の隙間の幅で収縮代を吸収できるため、外壁材の損傷が抑制される。また、外壁材同士の隙間には伸縮目地材が配置されている。このため、鉄骨柱間の水平距離が伸びて外壁材同士の隙間の幅が広がっても、目地の防水性を維持できる。
請求項5の建物は、前記鉄骨梁にはスラブが架け渡されていない。
請求項5の建物では、鉄骨梁の上にスラブが架け渡されていない。このため、スラブによって鉄骨梁の変位が拘束されない。これにより、上下方向の複数箇所に配置された変位吸収部が、屋根の変位を吸収し易く、建物の応力バランスにばらつきが生じ難い。
本発明によると、応力バランスにばらつきが生じ難い建物を提供することができる。
本発明の実施形態に係る建物の軸組みを示す立面図である。 本発明の実施形態に係る建物の屋根を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る建物の内部構造を示す平面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る建物における変位吸収部を示す平面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 本発明の実施形態に係る建物における外壁の目地構造を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る建物の軸組みが熱によって変位している状態の一例を示す立面図である。
以下、本発明の実施形態に係る建物について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
各図面において矢印X、Yで示す方向は水平面に沿う方向であり、互いに直交している。また、矢印Zで示す方向は鉛直方向(上下方向)に沿う方向である。各図において矢印X、Y、Zで示される各方向は、互いに一致するものとする。
<建物>
図1には、本発明の実施形態に係る建物10の軸組図が示されている。詳しくは後述するが、建物10には、建物10の略全体に亘って形成され、建物10を構成する諸鋼材(後述する桁行材22、梁40及び50)の熱変位を吸収する熱変位吸収構造が適用されている。この建物10は、屋根20と、柱30と、梁40及び50と、ブレース32と、を備えて形成されている。
なお、図1においては、梁50の一端と柱30との接合部J3に隙間が設けられているが、この隙間は、後述する変位吸収部60の構成を模式的に示したものであり、梁50の一端と柱30とが接合されていない状態を示すものではない。
(屋根)
屋根20は、一例として傾斜のない平屋根とされ、図2に示すように、桁行材22、梁材24及び水平ブレース26を組み付けて、平面視で長方形状に形成されている。なお、屋根20は、傾斜を有した勾配屋根としてもよい。
桁行材22(桁行材22A及び22B)は、屋根の長手方向(X方向)に沿うH形鋼であり、Y方向に所定の間隔で配置されている。梁材24は、屋根の短手方向(X方向)に沿うH形鋼であり、X方向に所定の間隔で配置されている。なお、桁行材22及び梁材24は、本発明における鉄骨材の一例である。
図2に示す接合部J1では、柱30に桁行材22A及び梁材24が架け渡されている(柱30が通し材)。また、接合部J2では、梁材24に桁行材22Bが架け渡されている(梁材24が通し材)。
水平ブレース26は、桁行材22及び梁材24で囲まれた水平構面に斜めに架け渡されたブレースであり、H形鋼、山形鋼、鋼棒など各種の鋼材を用いて形成することができる。
以上説明したように、屋根20は、桁行材22、梁材24及び水平ブレース26によって一体的に組まれている。「一体的に組まれている」とは、屋根20が不可分であることを示しており、例えばエキスパンションジョイントで連結された2つの部分によって形成された屋根は含まれない。
(柱)
図1に示すように、柱30は、屋根20の長手方向に沿って間隔をあけて配置されたH形鋼の柱である。また、図3に示すように、柱30は、建物10の外周部の他、建物10の内部空間にも配置されている。なお、柱30は、本発明における鉄骨柱の一例である。
柱30の柱脚部は、建物10の基礎に固定されている。柱30の柱頭部には、屋根20が固定されている。
(梁)
梁40及び50は、互いに隣り合う柱30間に架け渡されたH形鋼の梁である。梁40は、後述する変位吸収部60(図4参照)が設けられていない梁であり、両端部に接合された2本の柱30との間で応力を伝達することができる。一方、梁50は、後述する変位吸収部60が設けられている梁であり、両端部に接合された2本の柱30との間で応力伝達を抑制することができる。
これらの梁40及び50は、柱30と同様に、建物10の外周部の他、建物10の内部空間にも配置されている。建物10の内部空間において、梁40及び50は、建物10の長手方向に沿って配置されている。なお、梁40及び50は、本発明における鉄骨梁の一例である。
図4には、図1及び図3に示す接合部J3の拡大図が示されている。この図に示されるように、梁40及び50は、H形鋼を形成するウェブの面内方向(即ち強軸方向)が水平方向に沿うように配置された中間梁である。
図1に示すように、梁40及び50は、それぞれ、建物10の上下方向に3本連続して配置されている。なお、建物10の高さ等に応じて、上下方向における梁40及び50の数は、適宜増減できる。
また、梁40は、建物10の長手方向(X方向)に2本連続して配置されている。一方、梁50は、2本の梁40毎に1本配置されている。換言すると、建物10の長手方向に2スパンの梁40と1スパンの梁50とが、交互に配置されている。なお、建物10の規模に応じて、梁40及び梁50の数量は適宜増減できる。
(変位吸収部)
図4に示すように、梁50の一端には、変位吸収部60が設けられている。変位吸収部60は、柱30に接合されたプレート62と、プレート62に形成された長孔64と、長孔64へ挿通されたボルト66と、ナット68と、を含んで構成されている。
プレート62は、柱30の両フランジ及びウェブへ溶接され、面内方向が水平方向に沿う鋼製の板材である。プレート62は、柱30の外側へ突出して形成され、突出部分には、梁50の延設方向に沿う長孔64が形成されている。
長孔64には、ボルト66が挿通されている。ボルト66は、梁50のウェブに形成された貫通孔に挿通する。ボルト66には、ナット68が捩じ込まれている。
変位吸収部60においては、以上の構成により、柱30と梁50との相対変位(梁50の延設方向に沿う変位)が許容されるため、柱30と梁50との間の長孔64の長軸方向に沿う応力伝達が抑制される。
(接合部)
梁50の他端と柱30とは、接合部70によって接合されている。接合部70は、柱30に接合されたプレート72と、プレート72及び梁50のウェブを固定するボルト76及びナット78と、を含んで構成されている。プレート72及び梁50のウェブに形成され、ボルト76が挿通する貫通孔は、長孔ではない。なお、梁40の両端と柱30とは、接合部70によって接合されている。
接合部70においては、以上の構成により、柱30と、梁50及び40と、の相対変位(梁50及び40の延設方向に沿う変位)が許容されないため、柱30と、梁50及び40と、の間で応力が伝達される。
(ユニット柱)
ここで、図1に示すように、建物10の長手方向に連続して配置された3本の柱30と、これらの柱30に架け渡された梁40とを、ユニット柱30Aと称す。ユニット柱30Aを構成する柱30同士は、互いに変位吸収部60が設けられていない梁40で連結されているため、梁40を介して応力を伝達することができる。
また、ユニット柱30Aにおいて、柱30と梁40とで形成された構面には、ブレース32が配置されている。ブレース32は、柱30と梁40とで形成された構面に千鳥状に配置されている。なお、ブレース32の配置は、図1に示した配置に限定されるものではない。
このため、ユニット柱30Aは、柱30が梁50で連結された構成と比較して、また、ブレース32が設けられていない構成と比較して、面内剛性が高い。
(外壁材)
図1において図示は省略されているが、柱30、梁40又は50には、図5に示す外壁材80が金物などを用いて接合されている。外壁材80を、図2に示す柱30、梁40及び50の何れに接合するかは、外壁材80の大きさによって、適宜決定することができる。外壁材80としては、例えばALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)パネル、ECP(Extruded Cement Panel)など、各種の材料を用いることができる。
図3に示す接合部J3においては、図5に示すように、互いに隣り合う外壁材80は互いに離間(梁50の延設方向に沿って離間)して配置され、互いに隣り合う外壁材80同士の隙間には、バックアップ材82及び伸縮目地材の一例としてのシーリング材84が配置されている。
これにより、シーリング材84は、梁50の延設方向の両端面が外壁材80に接着され、梁50の延設方向と直交する方向の両端面が外壁材80に非接着とされた2面接着の構成とされている。
このため、梁40、50の伸縮及び変位、柱30の変位に伴って、互いに隣り合う外壁材80同士の隙間の間隔が追随して変位することができる。
(内部空間)
図3に示すように、建物10の内部空間には、梁40及び50が、建物10の長手方向に沿って架け渡されている。一方、梁40及び50は、建物10の短手方向に沿って架け渡されていない。また、建物10の内部空間に配置された梁40及び50にはスラブが架け渡されていない。すなわち、建物10は、平屋建ての建物である。なお、屋根20にはスラブを架け渡してもよい。
建物10の内部空間には、ラック90が収容されている。また、建物10の内部には、ラック90に加えて制御装置や通信装置等が収容されている。これにより、建物10は、物資の入出庫や在庫管理を半自動又は全自動化した自動倉庫として用いられている。
ラック90は、建物10の長手方向の略全長に亘って配置されている。また、ラック90は、建物10の内部空間に配置された梁40及び50の、上下方向の複数スパンに亘る高さとされている。なお、建物10に収容される収容物はラック90に限定されるものではなく、建物10の用途も、自動倉庫に限定されるものではない。
<作用及び効果>
本発明の実施形態に係る建物では、図3に示すように、梁40及び50の上にスラブが架け渡されていないため、建物10に作用した水平力は、建物10の内部空間において伝達されにくい。
しかしながら、図2に示すように、屋根20が、鉄骨材である桁行材22、梁材24及び水平ブレース26を用いて一体的に組まれている。すなわち、屋根20が複数に分割されておらずエキスパンションジョイントが設けられていないので面剛性が高い。このため、地震時に建物10に入力された水平力を、屋根20を介して図1に示す柱30等の構造躯体へ伝達できる。
一方、屋根20には、熱伸縮を吸収するエキスパンションジョイントがないことにより、外気温の変化に応じて屋根20の桁行材22、梁材24及び水平ブレース26が伸縮する。このうち、例えば桁行材22の伸縮によって、屋根20を支持する柱30の柱頭部には、桁行材22の長手方向に沿う水平力が作用する。この水平力によって、柱30、梁40、50及びブレース32で形成された架構には、応力が発生する。
ここで、上下方向及び横方向における複数の梁50に、柱30間の応力伝達を抑制する変位吸収部60(図4参照)が設けられている。変位吸収部60は、図1に示すように、梁50の一方の端部である接合部J3に形成されている。
これにより、梁40及び50の熱伸縮を、変位吸収部60で吸収することができる。また、屋根20の熱伸縮を、上下方向及び横方向の複数箇所に配置された変位吸収部60で総体的に吸収することができる。
すなわち、例えば図6に示すように、建物10の周囲の外気温が高くなった際に、梁40及び50が熱伸びする。このとき、梁50には、変位吸収部60が設けられているため、図4に示す梁50と柱30とが相対的に近づく方向に移動することにより、梁40及び50の熱伸びが吸収される。
また、図6に示すように、建物10の周囲の外気温が高くなった際に、屋根20が熱伸びする。このとき、柱30の柱頭部が、屋根20の熱伸びに応じて変位する。一方、柱30の柱脚部は基礎に固定されているため、変位し難い。
このとき、上下方向及び横方向の複数箇所に設けられた梁50に変位吸収部60が設けられているため、図4に示す梁50と柱30とが相対的に近づく方向に移動することにより、梁40及び50の熱伸びが吸収される。
このように、本発明の実施形態に係る建物では、梁40及び50自体の熱伸縮、並びに、屋根20の熱伸縮を、複数個所の変位吸収部60によって吸収することができる。このため、建物10の応力バランスにばらつきが生じ難い。
すなわち、変位吸収部60が、上下方向の一箇所や横方向の一箇所のみに設けられている構成と比較して、建物10の応力バランスにばらつきが生じ難い。また、屋根20を支持する柱30が、変位吸収部60のない梁40のみで接合された建物構造と比較すると、屋根20の熱伸縮が建物10に与える影響を低減できる。
また、本発明の実施形態に係る建物では、図1に示すように、複数の柱30によってユニット柱30Aが形成されている。また、変位吸収部60(図4参照)は、ユニット柱30A同士を連結する梁50(接合部J3)に設けられている。このため、変位吸収部60が上下方向に並んで形成されている。これにより変位吸収部60が散在している構成と比較して、屋根20を支える架構が安定する。
また、本発明の実施形態に係る建物では、図4に示すように、変位吸収部60が、長孔64にボルト66が挿通されて形成されている。このため、柱30と梁50との相対変位であって、長孔64の長手方向に沿う変位を許容できる。
また、接合部J3において、外壁材80同士の隙間には2面接着のシーリング材84が配置されている。このため、柱30間の水平距離が伸びて外壁材80同士の隙間の幅が広がっても、目地の防水性を維持できる。また、外壁材80自体の熱伸縮を吸収することもできる。
また、本発明の実施形態に係る建物では、図3に示すように、梁40及び50の上にスラブが架け渡されていない。このため、スラブによって鉄骨梁の変位が拘束されない。これにより、上下方向の複数箇所に配置された変位吸収部60が、屋根20の変位を吸収し易い。このため、建物10の応力バランスにばらつきが生じ難い。
また、本実施形態においては、建物10の内部にスラブを備えないものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば建物10の内部の梁40及び50には、スラブを架け渡してもよい。この場合、スラブには、エキスパンションジョイントを設けて、梁40及び50の熱伸縮を吸収させる。
20 屋根
22 桁行材(鉄骨材)
22A 桁行材(鉄骨材)
22B 桁行材(鉄骨材)
24 梁材(鉄骨材)
30 柱(鉄骨柱)
30A ユニット柱
40 梁(鉄骨梁)
50 梁(鉄骨梁)
60 変位吸収部
62 プレート
62A プレート
64 長孔
66 ボルト
80 外壁材
84 シーリング材(伸縮目地材)

Claims (5)

  1. 鉄骨材で一体的に組まれた屋根と、
    前記屋根の長手方向に沿って間隔をあけて配置され、前記屋根を支持する鉄骨柱と、
    前記鉄骨柱間に架け渡された鉄骨梁と、
    上下方向及び横方向における複数の前記鉄骨梁に設けられ、前記鉄骨柱間の応力伝達を抑制する変位吸収部と、
    を備えた建物。
  2. 複数の前記鉄骨柱と前記鉄骨柱に架け渡された前記鉄骨梁とでユニット柱が形成され、
    前記変位吸収部は、前記ユニット柱同士を連結する前記鉄骨梁に設けられている、
    請求項1に記載の建物。
  3. 前記変位吸収部は、
    前記鉄骨梁の延設方向に沿う長孔が形成され、前記鉄骨柱に取り付けられたプレートと、
    前記長孔へ挿通され、前記プレートと前記鉄骨梁とを連結するボルトと、を含んで構成されている、請求項1または2に記載の建物。
  4. 前記鉄骨柱間には外壁材が架け渡され、
    互いに隣り合う前記外壁材は互いに離間して配置され、
    互いに隣り合う前記外壁材同士の隙間には伸縮目地材が配置されている、
    請求項1~3の何れか1項に記載の建物。
  5. 前記鉄骨梁にはスラブが架け渡されていない、
    請求項1~4の何れか1項に記載の建物。
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