JP2023127877A - 撥水撥油剤 - Google Patents

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秀幸 池内
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達記 坂巻
Tatsuki Sakamaki
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Abstract

【課題】充分な耐油性を付与できる撥水撥油剤を提供する。【解決手段】炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物を含んでなる撥水撥油剤。ヘテロ環が含窒素ヘテロ環であることが好ましい。炭化水素基が、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、セチル基、イソパルミチル基、ステアリル基またはベヘニル基であることが好ましい。ヘテロ環が、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ジアジン、トリアジン、オキサゾール、オキサジアゾールであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本開示は、ヘテロ環化合物を修飾して得られる修飾ヘテロ環化合物を用いた撥水撥油剤に関する。
使い捨てプラスチック容器の代替として、紙容器が期待されている。紙製の食品包装材および食品容器は、食品の水分および油分が染み出すことを防止することが要求され、撥水撥油剤(例えば、耐油剤)が紙に内添または外添により適用されている。
特許文献1(特開2013-87371公報)は、紙支持体の少なくとも片面にアクリル系樹脂を含有する耐油層塗料を塗工・乾燥して耐油層を設けた耐油紙であって、前記耐油層塗料に少なくとも1種のアルカリ可溶性高分子エマルションを主成分とする増粘剤を含有させたことを特徴とする耐油紙を開示している。
特許文献2(特開2006-342110号公報)は、感熱記録材料印刷性を改良するトリアジン化合物の製法を開示している。
特許文献3(国際公開2009/148703号)は、エレクトレット物品の電荷を変える電荷添加剤としてトリアジン化合物を使用することを開示している。
特開2013-87371公報 特開2006-342110号公報 国際公開2009/148703号
本開示の目的は、充分な耐油性、撥水性および/または撥油性を付与できる撥水撥油剤を提供することにある。
本開示は、原料ヘテロ環化合物が、有機修飾基を有するように修飾されている修飾ヘテロ環化合物に関する。有機修飾基の例は、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基である。
本開示は、炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物、ならびに界面活性剤を含む水分散組成物を提供する。
修飾ヘテロ環化合物(水分散組成物)は、撥水撥油剤、例えば、耐油剤として使用できる。
本開示の好ましい態様は、次のとおりである。
態様1:
炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物を含んでなる撥水撥油剤。
態様2:
ヘテロ環が含窒素ヘテロ環である態様1に記載の撥水撥油剤。
態様3:
炭化水素基が、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、セチル基、イソパルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基から選択された少なくとも1つの基である態様1または2に記載の撥水撥油剤。
態様4:
ヘテロ環が、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ジアジン、トリアジン、オキサゾール、オキサジアゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジンからなる群から選択された少なくとも1種である態様1~3のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様5:
修飾ヘテロ環化合物は、式:
A(-B-R)
[式中、
Aは、置換されていてよいヘテロ環であり、
Bは、-NR-、-O-、-C(=O)NR-、-NRC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR
(ただし、Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基である。)であり、
Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
nは、1~5の数である。]
で示される化合物である態様1~4のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様6:
撥水撥油剤がn-ヘキサデカンの接触角が10度以上を示す態様1~5のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様7:
修飾ヘテロ環化合物の融点が40℃以上もしくは存在しない態様1~6のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様8:
撥水撥油剤の溶液濃度14.8 mg/mLの粘度が5cP以上100cP以下である態様1~7のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様9:
水分散組成物である態様1~8のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様10:
紙用である態様1~9のいずれかに記載の撥水撥油剤。
態様11:
態様1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤における修飾ヘテロ環化合物が付着している繊維製品。
態様12:
態様1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤における修飾ヘテロ環化合物が付着している撥水撥油紙。
態様13:
食品包装材または食品容器である態様12に記載の撥水撥油紙。
態様14:
態様1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤における修飾ヘテロ環化合物が付着しているガラス。
態様15:
態様12または13に記載の撥水撥油紙を外添処理または内添処理する処理方法。
態様16:
炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物、ならびに界面活性剤を含む水分散組成物。
態様17:
式:
A(-B-R)
[式中、
Aは、ピリジン環、ジアジン環またはトリアジン環であり、
Bは、-NR-、-O-、-C(=O)NR-、-NRC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR
(ただし、Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基である。)であり、
Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
nは、1~5の数である。]
で示される化合物。
本開示の撥水撥油剤は、優れた耐油性、撥水性または撥油性の少なくとも1つを示す。
撥水撥油剤は、被処理物(基材)に処理することによって、撥水撥油性(撥水性および撥油性)および耐油性の少なくとも1つを付与する。耐油性とは、被処理物への油染みを防止する、または、撥油性または、防汚性などの機能等が挙げられるがこれらに限定されない。
ここで油とは、油脂や有機溶剤を指し、油脂としては食用油脂(植物性脂肪油、動物性脂肪油、植物性脂肪、動物性脂肪)、工業油脂があげられ、食用油脂としては、サラダ油、コーン油、ごま油、菜種油、オリーブオイル、工業油脂としてはひまし油があげられ、有機溶剤は極性溶媒、非極性溶媒でもよく、非極性溶媒としてはヘキサン、ヘキサデカン等が挙げられるがこれらに限定されない。
さらに被処理物は、撥油性および/または耐油性に加えて、耐水性、撥水性を有してよい。撥水撥油剤は修飾ヘテロ環化合物に加えて、液状媒体(水、有機溶媒(例えば、クロロホルム、トルエン、アセトン)またはこれらの混合溶液)を含んでよい。撥水撥油剤は、さらに、界面活性剤、分散剤、ブロックイソシアネート化合物および添加剤から選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
本開示において、ヘテロ環化合物(以下、「原料ヘテロ環化合物」ともいう)が修飾剤によって修飾されて、修飾ヘテロ環化合物が製造される。「ヘテロ環化合物」とは、環の構成原子として、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を有する環を有する化合物を意味する。原料ヘテロ環化合物のヘテロ環は、疎水性と親水性の両方を有する。
原料ヘテロ環化合物は、天然物そのままの化合物、あるいは天然物由来の化合物であってよいが、一般に、合成物である。
原料ヘテロ環化合物は、ヘテロ環の構成元素として窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有するヘテロ環化合物であってよい。ヘテロ環の構成元素として、窒素原子を含むことが好ましい。ヘテロ環は、5、6または7員である単環、または2つ以上の環が縮合した8~20員の縮合環であってよい。ヘテロ環は、飽和または不飽和であってよいが、不飽和であることが好ましい。ヘテロ環は芳香族(ヘテロアリール基)であることが特に好ましい。
原料ヘテロ環化合物は、低分子量であり、一般に、原料ヘテロ環化合物の分子量は、40~300、50~250または60~200であってよい。修飾ヘテロ環化合物の分子量は、80~800、120~500または150~400であってよい。
修飾剤によって導入される基の数は、原料ヘテロ環化合物のヘテロ環(すなわち、修飾ヘテロ環化合物のヘテロ環)において、1~5または2~4であってよい。2または3が好ましい。
原料ヘテロ環化合物(または原料ヘテロ環化合物の骨格)の具体例は、ピロリジン、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、トリアジン、テトラジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾドリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、アゼピン、ジアゼピン、チアゼピン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピンである。原料ヘテロ環化合物は、種々の置換基(例えば、(炭素数1~10の)アルキル基、または塩素原子、臭素原子もしくはヨウ素原子などのハロゲン原子)によって環の炭素原子において置換されていてよく、環構成炭素原子が置換基に結合してよい。
原料ヘテロ環化合物は、含窒素ヘテロ環化合物であることが好ましい。「含窒素ヘテロ環化合物」とは、環の構成原子として、窒素原子を有する環を有する化合物を意味する。「含窒素ヘテロ環化合物」において、窒素原子に加えて、酸素原子および/または硫黄原子がヘテロ環を構成していてよい。
好ましい原料ヘテロ環化合物(または原料ヘテロ環化合物の骨格)の例は、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、トリアジン、テトラジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾドリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、アゼピン、ジアゼピン、チアゼピン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピンであってよい。
原料ヘテロ環化合物の骨格(環)は、ヘテロアリール基であることが好ましい。
ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ジアジン、トリアジン、オキサゾール、オキサジアゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジンが特に好ましい。
原料ヘテロ環化合物が、修飾剤と反応して、修飾ヘテロ環化合物が形成される。修飾剤を原料ヘテロ環化合物と反応させる合成方法の例として、アミノ結合を形成する方法、エーテル結合を形成する方法、エステル結合を形成する方法、アミド結合を形成する方法、ウレア結合またはチオウレア結合を形成する方法、カーバメート結合またはチオカーバメート結合を形成する方法、チオール結合を形成する方法が挙げられる。
原料ヘテロ環化合物における反応基は、カルボキシル基、水酸基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ホルミル基、ケトン、酸クロライド、アジド基、アルキニル基、アルケニル基、チオール基、シアノ基、アミド基などである。
修飾剤による反応基(例えば、カルボキシル基、水酸基、塩素原子)の置換率が、置換率が、0より大きく、1%以上、3%以上、5%以上または10%以上、例えば、15%以上、20%以上または30%以上、80%以上、90%以上または95%以上であることがさらに好ましい。「置換率」とは、修飾ヘテロ環化合物の構造中に存在する反応基が修飾剤によって置換されている割合(%)を意味する。
未修飾の反応基の率(すなわち、カルボキシル基の残存率)は、100%より少なく、95%以下、90%以下、60%以下、40%以下、20%以下であってよい。「残存率」は、修飾ヘテロ環化合物の構造中に存在する反応基が修飾剤によって置換されていない割合(%)を意味する。
修飾剤の例は、次のとおりである。
アミン化合物(R-NRH)、
アルコール化合物(R-OH)、
イソシアネート化合物(R-N=C=O)、
イソチオシアネート化合物(R-N=C=S)
ハロゲン化合物(R-X)、
エポキシ化合物(R-CHOCH
アルデヒド化合物(RCHO)
ケトン化合物(RC=OR
酸クロライド化合物(RCOCl)
酸無水物化合物(RC=OOO=CR
チオール化合物(R-SH)、
[式中、Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
は、水素、または置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
は、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
Xは、Cl、BrまたはIである。]
2つのR基(あるいはRとRまたはRとR)は、一体となって環を形成してもよい。
の炭素数は、3以上、4以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上、または20以上であってよく、好ましく8以上または12以上である。炭化水素基の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、または18以下であってよい。好ましくは30以下である。例えば、炭素数は、4~35、6~30、8~25または10~22であってよい。
の炭素数は、1~40、1~10または1~4であってよい。
の炭素数は、2以上、4以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上、または20以上であってよく、好ましく8以上または12以上である。炭化水素基の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、または18以下であってよい。好ましくは30以下である。例えば、炭素数は、4~35、6~30、8~25または10~22であってよい。
、RおよびRは、置換基を有してもよい飽和、または不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、脂肪族炭化水素基である。炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状、または環状であってもよく、好ましくは直鎖状または分岐鎖状であり、さらに好ましくは直鎖状である。例えば、R、RおよびRは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であってよい。
原料ヘテロ環化合物と修飾剤との反応によって、種々の結合(一価もしくは二価の結合基、またはスペーサー)、例えば、-NH-(または-NR-)、-O-、-C(=O)NH-(または-C(=O)NR-)、-NHC(=O)-(または-NRC(=O)-)、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR-が形成される。
修飾ヘテロ環化合物は、式:
A(-B-R)
[式中、
Aは、原料ヘテロ環化合物から反応性基を除いた後に残る基、または置換されていてよいヘテロ環であり、
Bは、結合基であり、
Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
nは、1~5の数である。]
で示される化合物であってよい。
Aは、原料ヘテロ環化合物から反応性基を除いた後に残る基、またはヘテロ環(すなわち、原料ヘテロ環化合物の骨格)である。Aは、ヘテロアリール基であることが好ましい。
Aにおける反応性基の例は、カルボキシル基、水酸基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ホルミル基、ケトン、酸クロライド、アジド基、アルキニル基、アルケニル基、チオール基、シア基、アミド基である。
結合基の例は、-NH-(または-NR-)、-O-、-C(=O)NH-(または-C(=O)NR-)、-NHC(=O)-(または-NRC(=O)-)、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR-である。Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素、または置換基を有していてもよい炭素数1~10または1~4の炭化水素基(例えば、アルキル基)であってよい。
Rの炭素数は、1~40であり、2以上、4以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上、または20以上であってよく、好ましく8以上または12以上である。炭化水素基の炭素数は、40以下、35以下、30以下、25以下、22以下、20以下、または18以下であってよい。好ましくは30以下である。例えば、炭素数は、4~35、6~30、8~25または10~22であってよい。
Rは、置換基を有してもよい飽和、または不飽和の炭化水素基であり、好ましくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、脂肪族炭化水素基である。炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状、または環状であってもよく、好ましくは直鎖状または分岐鎖状であり、さらに好ましくは直鎖状である。例えば、Rは、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であってよい。
nは、1~4または2~3であってよい。nは、2または3であることが好ましい。
式:
A(-B-R)
[式中、
Aは、ピリジン環、ジアジン環またはトリアジン環であり、
Bは、-NR-、-O-、-C(=O)NR-、-NRC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR-(ただし、Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基である。)であり、
Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
nは、1~5の数である。]
で示される化合物は、新規な化合物である。
Aはピリジン環またはトリアジン環であることが好ましい。
Bは-C(=O)NR-または-NRC(=O)-であることが好ましい。
は、水素原子または炭素数1~10(または炭素数1~4)の炭化水素基(例えば、アルキル基)であってよい。
nは、1~4または2~3であってよい。nは、2または3であることが好ましい。
<アミノ結合を形成する方法>
原料ヘテロ環化合物にアミノ基を導入できる。修飾剤として、アミン化合物(R-NRH)を用いることができる。
塩素原子などの脱離基を有するヘテロ環化合物に対して、アミン化合物を直接作用させて導入する方法、
塩素原子などの脱離基を有するヘテロ環化合物に対して、アミン化合物をパラジウムやリガンド等存在下、カップリング反応で導入する方法、
ヘテロ環直結アミド化合物に対して還元を行うことでアミノ結合を形成させる方法、
などがある
<エーテル結合を形成する方法>
原料ヘテロ環化合物にエーテル基を導入する。修飾剤として、ハロゲン化合物(特に、ハロゲン化アルキル化合物)(例えば、R-X)、エポキシ化合物(例えば、R-CHOCH)を用いることができる。
例えば、エーテル結合は、ハロゲン化アルキル化合物またはエポキシ化合物と、原料ヘテロ環化合物のヒドロキシ基との反応との反応によって形成される。
原料ヘテロ環化合物の水酸基の水素原子をアルキル基で置換する合成法には、水酸基含有原料ヘテロ環化合物を、ハロゲン化アルキル化合物のアルカリ性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)で反応させる方法、または塩基性化合物とハロゲン化アルキルを溶解した有機溶媒中で反応させる方法が挙げられる。
ハロゲン化アルキル化合物の例は、
2n+1-X
[nは1~40または1~30、XはCl、BrまたはIである。]
で示される化合物であってよい。
ハロゲン化アルキル化合物の具体例としては、ハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化プロピル、ハロゲン化ブチル、ハロゲン化ペンチル、ハロゲン化ヘキシル、ハロゲン化ヘプチル、ハロゲン化オクチル、ハロゲン化ノニル、ハロゲン化デシル、ハロゲン化ウンデシル、ハロゲン化ドデシル、ハロゲン化トリデシル、ハロゲン化テトラデシル、ハロゲン化ペンタデシル、ハロゲン化ヘキサデシル、ハロゲン化ヘプタデシル、ハロゲン化オクタデシル、ハロゲン化ノナデシル、ハロゲン化イコシル、ハロゲン化ヘンイコシル、ハロゲン化ドコシル、ハロゲン化トリコシル等が挙げられる。
エポキシ化合物の例は、直鎖状エポキシ化合物(例えば、C2n+1-CHOCH(n=1~40または1~30))、および脂環式エポキシ化合物(例えば、C2n-CHOCH(n=3~15または3~10))である。
エポキシ化合物の具体例としては、プロピレンオキシド、1,2-エポキシブタン、1,2-エポキシペンタデカン、1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシへプタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシノナン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシウンデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシトリデカン、1、2-テトラデカン、1,2-エポキシペンタデカン、1,2-エポキシヘキサデカン、1,2-エポキシへプタデカン、 1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシノナデカン、1,2-エポキシエイコサン,
1,2-エポキシヘンイコサン,1,2-エポキシドコサンが挙げられる。
<エステル結合を形成する方法>
アルコール化合物(R-OH)を用いて、原料ヘテロ環化合物のカルボキシル基とエステル結合を形成する。
カルボキシル基をエステル基に変換する合成法には、例えば、
(a) 原料ヘテロ環化合物、アルコール化合物(R-OH)、酸触媒を用いてエステル結合を形成する方法、
(b) 原料ヘテロ環化合物、アルコール化合物(R-OH)、縮合剤を用いてエステル結合を形成する方法、
(c) 原料ヘテロ環化合物をアシル化合物に変換後、アルコール化合物(R-OH)を用いてエステル結合を形成する方法(それぞれ必要に応じて溶媒を加える)が挙げられる。
アルコール化合物(R-OH)において、Rは、上記と同意義である。
アルコール化合物の例は、脂肪族アルコールであってよい。
脂肪族アルコールの例としては、
(CHqC(H)3-q(CHOH
[pは0~30、qは0~3である]
が挙げられる。
脂肪族アルコールの具体例としては、
CHOH、CHCHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CHOH, CH(CH10OH, CH(CH11OH, CH(CH12OH, CH(CH13OH, CH(CH14OH, CH(CH15OH, CH(CH16OH, CH(CH17OH, CH(CH18OH, CH(CH19OH, CH(CH20OH, CH(CH21OH, CH(CH22OH, CH(CH23OH,(CHCHOH,(CHCOH,(CHCHCHOH,(CHCCHOH,(CHCH(CHOH, (CHC(CH14OH,(CHCH(CH15OH, (CHC(CH18OH,(CHCH(CH18OHが挙げられる。
酸触媒の例は、 硫酸、トシル酸、塩酸、硝酸などのブレンステッド酸や、テトライソプロポキシチタンやボロントリフルオロリドなどのルイス酸であってよい。
縮合剤の例は、ホスホニウム系縮合剤(PyBOP、BOPなど)、カルボジイミダゾール系縮合剤(DCC、EDCIなど)、ウロニウム系縮合剤(COMU、HATUなど)、イミダゾール系縮合剤(CDIなど)であってよい。
<アミド結合を形成する方法>
原料ヘテロ環化合物のカルボキシル基を反応させて、アミド結合を形成する。アミド結合は、原料ヘテロ環化合物を、アミン化合物(R-NRH)と縮合剤を用いて反応させるまたは、原料ヘテロ環化合物のカルボキシル基を酸クロライドや酸アジドなどの活性種に変換した後、アミン化合物と作用させることによって形成できる。
原料ヘテロ環化合物のカルボキシル基をアミド基に変換する合成法には、例えば、
原料ヘテロ環化合物のカルボキシル基をアシル化合物(特に酸クロライド)や酸アジドなどの活性種に変換した後、アミン化合物(R-NRH)と混合し、アミド結合を形成する方法、
ヘテロ環化合物と、アミン化合物(R-NRH)、縮合剤を用いてアミド結合を形成する方法、
が挙げられる。
アミン化合物の具体例としては、CHNH、CHCHNH, CH(CHNH,CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CHNH, CH(CH10NH, CH(CH11NH, CH(CH12NH, CH(CH13NH, CH(CH14NH, CH(CH15NH, CH(CH16NH, CH(CH17NH, CH(CH18NH, CH(CH19NH, CH(CH20NH, CH(CH21NH, CH(CH22NH, CH(CH23NH,(CHCHNH,(CHCNH,(CHCHCHNH,(CHCCHNH,(CHCH(CHNH, (CHC(CH14NH,(CHCH(CH15NH, (CHC(CH18NH,(CHCH(CH18NHが挙げられる。
イソシアネート化合物の具体例としては、CHNCO、CHCHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CHNCO, CH(CH10NCO, CH(CH11NCO, CH(CH12NCO, CH(CH13NCO, CH(CH14NCO, CH(CH15NCO, CH(CH16NCO, CH(CH17NCO, CH(CH18NCO, CH(CH19NCO, CH(CH0NCO, CH(CH21NCO, CH(CH22NCO, CH(CH23NCO, (CHCHNCO, (CHCNCO,(CHCHCHNCO, (CHCCHNCO, (CHCH(CHNCO, (CHC(CH14NCO, (CHCH(CH15NCO, (CHC(CH18NCO, (CHCH(CH18NCOが挙げられる。
イソチオシアネート化合物の具体例としては、CHNCS、CHCHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CHNCS, CH(CH10NCS, CH(CH11NCS, CH(CH12NCO, CH(CH13NCO, CH(CH14NCO, CH(CH15NCO, CH(CH16NCS, CH(CH17NCS, CH(CH18NCS, CH(CH19NCS, CH(CH20NCS, CH(CH21NCS, CH(CH22NCS, CH(CH23NCS, (CHCHNCS, (CHCNCS, (CHCHCHNCS, (CHCCHNCS, (CHCH(CHNCS, (CHC(CH14NCS,(CHCH(CH15NCS, (CHC(CH18NCS,(CHCH(CH18NCSが挙げられる。
<ウレア結合またはチオウレア結合を形成する方法>
原料ヘテロ環化合物のアミノ基と、イソシアネート化合物(R-N=C=O)、またはイソチオシアネート化合物(R-N=C=S)と混合し、ウレア結合またはチオウレア結合を形成できる。
イソシアネート化合物(R-N=C=O)およびイソチオシアネート化合物(R-N=C=S)の具体例は、上記と同様である。
<カーバメート結合またはチオカーバメート結合を形成する方法>
原料ヘテロ環化合物直結水酸基またはリンカーを介した水酸基と、イソシアネート化合物(R-N=C=O)、またはイソチオシアネート化合物(R-N=C=S)と混合し、カーバメート結合またはチオカーバメート結合を形成できる。
イソシアネート化合物(R-N=C=O)およびイソチオシアネート化合物(R-N=C=S)の具体例は、上記と同様である。
本開示において、1級アミンで修飾した修飾ヘテロ環化合物が好ましい。
<撥水撥油剤>
修飾ヘテロ環化合物は、撥水撥油性および/または耐油性を有するので、「撥水撥油剤」として用いることができる。撥水撥油剤は、修飾ヘテロ環化合物を含んでなる組成物であってよく、あるいは、撥水撥油剤は、修飾ヘテロ環化合物のみからなってもよい。撥水撥油剤は、さらに耐水性を有してよい。撥水撥油剤は修飾ヘテロ環化合物に加えて、液状媒体(水、有機溶媒またはこれらの混合溶液)を含んでよい。撥水撥油剤は、さらに、界面活性剤、分散剤、ブロックイソシアネート化合物などの架橋剤および添加剤から選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
修飾ヘテロ環化合物の量は、撥水撥油剤に対して0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、または30重量%以上であってよい。修飾ヘテロ環化合物の量は、撥水撥油剤に対して100重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、または80重量%以下であってよい。
撥水撥油剤は、液状媒体、特に、水性媒体(水、または水と有機溶媒の混合物)を含有してよい。撥水撥油剤は、一般に、溶液または分散液である。溶液は、重合体が有機溶媒または水性媒体に溶解している溶液である。分散液は、重合体が水性媒体に分散している水性分散液である。
有機溶媒の例は、エステル(例えば、炭素数2~40のエステル、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、炭素数2~40のケトン、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン)、アルコール(例えば、炭素数1~40のアルコール、具体的には、イソプロピルアルコール)、芳香族系溶剤(例えば、トルエンおよびキシレン)、石油系溶剤(例えば、炭素数5~10のアルカン、具体的には、ナフサ、灯油)、ハロゲン化アルキル(例えば、炭素数1~40のハロゲン化アルキル、具体的には、クロロホルム)である。
液状媒体は水の単独、有機溶媒の単独、または水と(水混和性)有機溶媒の混合物であってよい。有機溶媒の量は、液状媒体に対して、30重量%以下、例えば10重量%以下(好ましくは0.1重量%以上)であってよい。液状媒体は、水の単独であることが好ましい。
撥水撥油剤に対して、液状媒体の量は60重量%以上、80重量%以上、または90重量%以上であってよく、液状媒体の量は、100重量%未満、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、または80重量%以下であってよい。
<界面活性剤または分散剤>
撥水撥油剤は、界面活性剤(乳化剤)または分散剤を含有しなくてもよいし、あるいは含有していてもよい。反応時または反応後に界面活性剤または分散剤を少量(例えば、修飾ヘテロ環化合物100重量部に対して0.01~100重量部または0.01~50重量部、例えば、0.1~30重量部)で添加してもよい。一般に界面活性剤または分散剤を添加すると、水分散体の安定性は向上する。
界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤から選択された一種以上の界面活性剤を含むことが好ましく、さらに好ましくは、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤の組み合わせを用いることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤のそれぞれが一種または二種以上の組み合わせであってよい。
界面活性剤または分散剤の量は、修飾ヘテロ環化合物100重量部に対して、0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、また、100重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、70重量%以下で添加してもよい。であってよい。一般に界面活性剤または分散剤を添加すると、水分散体の安定性は向上する。
ノニオン性界面活性剤(乳化剤)または分散剤は例として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリエキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤(乳化剤)または分散剤は例として、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩があり、アルキルアミン塩はモノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩であり、第四級アンモニウム塩は塩化トリメチルアンモニウム塩、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化アルキルベンザルコニウムが挙げられる。
アニオン性界面活性剤(乳化剤)または分散剤は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などがあり、例として、カルボン酸塩では脂肪族モノカルボン酸、アルキルエーテルカルボン酸塩、スルホン酸塩では、ジアルキルスルホこはく酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、硫酸エステル塩としては、アルキル硫酸塩、油脂硫酸エステル塩、リン酸エステル塩としては、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。
両性性界面活性剤(乳化剤)または分散剤は例として、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、ジアルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキシドが挙げられる。
修飾ヘテロ環化合物の反応中、または反応後に界面活性剤(乳化剤)または分散剤を添加する際は加熱してもよい。修飾ヘテロ環化合物と分散剤を加えた後に加熱融解させてから分散させてもよく、溶液(好ましくは水)を加えてさらに加熱しながら分散、または溶解させてもよい。加熱温度は40℃以上、60℃以上、80℃以上であってもよい。
撥水撥油剤は、ブロックイソシアネート化合物を含有しなくてもよいし、あるいは含有していてもよい。ブロックイソシアネート化合物はカルボキシル基の置換反応前に添加されてもよいし、反応後(例えば、キュアリング工程前)に添加されてもよい。
ブロックイソシアネート化合物としては、オキシムブロックドトルエンジイソシアネート、ブロックドヘキサメチレンジイソシアネート、ブロックドジフェニルメタンジイソシアネートなどのブロックドイソシアネートが好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の量は、修飾ヘテロ環化合物100重量部に対して15重量部以下、10重量部以下、7.5重量部以下、5重量部以下、2.5重量部以下であってよい。
撥水撥油剤は、添加剤を含有してもよい。添加剤の例は、バインダー樹脂、分散剤、耐水剤、耐油剤、撥水剤、撥油剤、乾燥速度調整剤、架橋剤、造膜助剤、相溶化剤、凍結防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、消泡剤、風合い調整剤、すべり性調整剤、帯電防止剤、親水化剤、抗菌剤、防腐剤、防虫剤、芳香剤、難燃剤、歩留まり剤、サイズ剤、紙力増強剤、填料である。
歩留まり剤は例として、硫酸アルミニウム、アクリル重合体、でんぷん、修飾でんぷん、セルロース、修飾セルロース、シリカ等が挙げられる。
サイズ剤は例として、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ポリビニルアルコール(PVA)、修飾でんぷん、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・メタクリル共重合体等が挙げられる。
pH調整剤は例として、乳酸、二酸化炭素、コハク酸、グルコン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、リン酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
填料は例として、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムが挙げられる。
紙力増強剤は例として、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)、修飾デンプンやポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
添加剤の量は、修飾ヘテロ環化合物100重量部に対して、0よりも多く、0.1重量部以上が好ましく、1重量部以上がさらに好ましく、100重量部以下であり、80重量部以下がより好ましく、50重量部以下がさらに好ましい。
<撥水撥油剤および修飾ヘテロ環化合物の特性>
修飾ヘテロ環化合物中の側鎖の融点は0℃以上、またはないことが好ましく、20℃以上、40℃以上、60℃以上が好ましい。また、側鎖の融点は180℃以下、140℃以下、120℃以下であることが好ましい。側鎖の融点が上記範囲にあることで温度に対する耐性が向上し、特に高温耐油性の観点等から好ましい。
撥水撥油剤についてn-ヘキサデカンの接触角(ガラス基板上)は5°以上、10°以上、または15°以上、好ましくは、20°以上、25°以上、より好ましくは、30°以上、最も好ましくは、35°以上、40°以上であってよい。n-ヘキサデカンの接触角が上記範囲にあることで撥水撥油剤が撥液性に優れ、特に耐油性の観点等から好ましい。
修飾ヘテロ環化合物の融点は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上、最も好ましくは80℃以上である。また、修飾ヘテロ環化合物の融点は200℃以下、180℃以下、160℃以下であることが好ましい。修飾ヘテロ環化合物の融点が上記範囲にあることで繊維製品に処理した際の被覆性や温度に対する耐性が向上し、特に高温耐油性の観点等から好ましい。
修飾ヘテロ環化合物のガラス転移温度は0℃以上、またはないことが好ましく、20℃以上、またはないことがより好ましく、40℃以上、またはないことがさらに好ましく、60℃以上、またはないことが最も好ましい。また、修飾ヘテロ環化合物のガラス転移温度は180℃以下、140℃以下、120℃以下であることが好ましい。修飾ヘテロ環化合物のガラス転移温度が上記範囲にあることで繊維製品に処理した際の被覆性や温度に対する耐性が向上し、特に耐油性の観点等から好ましい。
撥水撥油剤(溶液または分散液)の濃度14.8 mg/mLの粘度は3cP以上、5cP以上、7cP以上、または10cP以上であることが好ましい。また、撥水撥油剤(溶液または分散液)濃度14.8 mg/mLの粘度は1000cP以下、500cP以下、または100cP以下であることが好ましい。溶液(または分散液)の粘度が上記範囲にあることで繊維製品に処理した際の被覆性が向上し、特に耐油性の観点等から好ましい。
撥水撥油剤(溶液または分散液)濃度14.8 mg/mLを紙密度が0.58g/cmの坪量45g/mの紙の原紙に0milの設定したベーカー式アプリケータ―で塗工し乾燥を繰り返す操作を三回行い、70℃から100℃の温度で10分アニールすることで作製した処理紙の透気度は10000s/100cc以下であることが好ましく、より好ましくは、5000s/100cc以下、さらに好ましくは3000s/100cc以下、最も好ましくは1000s/100cc以下であることが好ましい。
<撥水撥油剤の具体例>
撥水撥油剤は、撥水剤、撥油剤、耐水剤、耐油剤、防汚剤、汚れ脱離剤、剥離剤または離型剤等の各種剤またはその成分としても使用することができる。
撥水撥油剤は、外的処理剤(表面処理剤)または内的処理剤などの処理剤、またはその成分として使用できる。
基材が撥水撥油剤により処理されることで、修飾ヘテロ環化合物が基材表面に表面コーティング構造を形成し得る。
表面コーティング構造は、撥水撥油剤を従来既知の方法により被処理物(基材)に適用して、基材表面に付着させることによって、形成することができる。通常、修飾ヘテロ環化合物を有機溶媒または水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布等のような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤(例えば、ブロックイソシアネート化合物)と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、修飾ヘテロ環化合物に、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤、サイズ剤、紙力増強剤等を添加して併用することも可能である。
撥水撥油剤で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極およびガス拡散支持体)、ガラス、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、およびプラスター等を挙げることができる。
繊維製品としては、繊維製品としては種々の例を挙げることができるが、例えば布製品や紙製品が挙げられる。
布製品の例としては、綿、麻、羊毛、絹等の動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。布製品には、織物、編物および不織布、衣料品形態の布およびカーペットが含まれるが、布とする前の状態の繊維、糸、中間繊維製品(例えば、スライバーまたは粗糸等)に対して、処理がなされてもよい。
紙製品の例としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプ等からなる紙、紙でできた容器、紙でできた成形体等が挙げられる。紙製品の具体例としては、食品用包装用紙、石膏ボード原紙、コート原紙、中質紙、一般ライナーおよび中芯、中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ライナーおよび金属合紙、クラフト紙、中性印刷筆記用紙、中性コート原紙、中性PPC用紙、中性感熱用紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙および中性情報用紙、モールド紙(モールド容器)等である。本開示の修飾ヘテロ環化合物は耐油性(例えば、高温耐油性)に優れるので、耐油性が求められる用途、特に食品包装材および食品容器に好適に用いられる。
撥水撥油剤は、繊維製品を液体で処理するために知られている方法のいずれかによって繊維状基材(例えば、繊維製品、パルプなどの繊維原料等)に適用することができる。繊維状基材は、繊維製品と繊維原料の両方を意味する。繊維製品が布であるときには、布を溶液(または分散液)に浸してよく、あるいは、布に溶液(または分散液)を付着または噴霧してよい。処理は外添処理であっても、内添処理であってもよい。繊維製品が紙であるときには、紙に塗工してよく、あるいは、紙に溶液(または分散液)を付着または噴霧してよく、あるいは、抄造前のパルプスラリーと混合して処理してもよい。処理は外添処理であっても、内添処理であってもよい。
撥水撥油剤を、予め形成した繊維製品(特に紙、布等)に適用してよく、または、製紙の様々な段階で、例えば、紙の乾燥期間中に適用してもよい
あるいは、繊維状基材は皮革であってよい。撥水撥油剤を、皮革を疎水性および疎油性にするために、皮革加工の様々な段階で、例えば、皮革の湿潤加工の期間中に、または、皮革の仕上げの期間中に、水溶液または水性乳化物から皮革に適用してよい。
被処理物がガラスまたは金属である場合に、撥水撥油剤が被処理物の表面に塗布されて、撥水撥油剤の有効成分(修飾ヘテロ環化合物)が被処理物の表面に付着していることが好ましい。
撥水撥油剤は外部離型剤としても使用できる。例えば、基材の表面を、他の表面(該基材における他の表面、あるいは他の基材における表面)から容易に剥離することができる。
<処理>
「処理」とは、撥水撥油剤(処理剤)を、浸漬、噴霧、塗布等により被処理物に適用することを意味する。処理により、撥水撥油剤の有効成分である修飾ヘテロ環化合物が被処理物の内部に浸透するおよび/または被処理物の表面に付着する。
処理された被処理物(基材)は、耐油性を発現させるために、乾燥され、好ましくは、例えば、修飾ヘテロ環化合物のガラス転移温度(Tg)以上の温度、例えば40℃以上、60℃以上、80℃以上の温度、または、250℃以下、200℃以下の温度で加熱されることが好ましい。修飾ヘテロ環化合物のTg以上の温度で処理することにより、側鎖の配列が誘起される場合がある。さらに好ましくは、融点以上(Tm)の温度が好ましい。修飾ヘテロ環化合物のTm以上の温度で処理することにより、基材表面が修飾ヘテロ環化合物に被覆される。これにより、疎水性に優れた表面コーティング構造が形成され得る。
撥水撥油剤を液体の状態で処理する場合は、処理された繊維状基材は、脱溶剤(脱水)性、または修飾ヘテロ環化合物と基材の密着性を上げるために、加圧されてもよく、圧力としては、0.1MPaよりも大きく、好ましくは0.15Mpa以上、さらに好ましくは0.2Mpa以上で処理される。
<紙用添加剤>
撥水撥油剤は、特に紙用添加剤に好適に用いることができる。撥水撥油剤を含む紙用添加剤は撥水撥油剤に加え、耐水剤、撥水剤、および/または撥油剤として用いることができる。紙用添加剤は、溶液、エマルションまたはエアゾールの形態であることが好ましい。紙用添加剤は、修飾ヘテロ環化合物および媒体(例えば、有機溶媒および水などの液状媒体)を含んでもよく、好ましくは、修飾ヘテロ環化合物の水分散体であることが好ましい。紙用添加剤において、修飾ヘテロ環化合物の濃度は、例えば、0.01~50重量%であってよい。紙用添加剤は、界面活性剤を含まなくてよい。
紙用添加剤に含まれる溶液(有機溶剤、水)の除去は、修飾ヘテロ環化合物溶液(分散液)を40℃以上、60℃以上、80℃以上の温度、または、250℃以下、200℃以下の温度で加熱することによって行える。
紙用添加剤は、紙基材を処理(例えば、表面処理)するために使用することができる。紙用添加剤は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。通常、紙用添加剤を有機溶剤または水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる(表面処理)。被処理物の紙基材としては、紙、紙でできた容器、紙でできた成形体(例えばパルプモールド)などが挙げられる。本開示の修飾ヘテロ環化合物は、紙基材に良好に付着する。ここで付着とは物理的結合または化学的結合のことをいう。修飾ヘテロ環化合物が紙基材に付着することによって耐油紙が得られる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
次に、実施例を挙げて本開示を具体的に説明する。ただし、これらの説明は本開示を限定するものでない。以下において、部、%または比は、特記しない限り、重量部、重量%または重量比を表す。
以下において使用した試験方法は次のとおりである。
処理紙の作成
耐水性(Cobb値)52g/m、坪量45g/m、密度0.60g/mの薄紙に対して、14.9 mg/cm3の化合物のクロロホルム溶液を、ギャップを0milの設定したベーカー式アプリケータ―で3回塗工後、70℃で10分アニールすることで、処理紙を作成した。塗工液の溶液調整にはクロロホルムを用いた。化合物がクロロホルムに不溶の場合は、トルエン、アセトンなどの有機溶媒を用いた。
KIT試験(耐油性)
3Mキットテスト(TAPPI T-559cm-02)により測定した。3Mキットテスト法は、ヒマシ油、トルエン、ヘプタンが配合された試験油を処理紙の表面におき、15 秒後に試験油を拭った際、処理紙への油染みの有無により評価する。キット番号1~6の試験油にて試験を実施し、染みが見られなかった最大のキット番号を耐油性の評価結果とした。
コーン油耐性試験(耐油性)
コーン油を処理紙の表面におき、15秒後に試験油を拭った際、処理紙への油染みの有無により評価する。
染みがない場合を〇、染みが見られるときを×とする。
撥油性(静的接触角)試験
撥油性は、ヘテロ環化合物の固形分濃度1.0%のクロロホルム溶液を、セロファンフィルムを貼付したガラス基板上にスピンコートし、70℃で10分アニールし、試験サンプルを調整した。溶媒および分散媒にはクロロホルムを用いた。静的接触角を測定した。静的接触角は、塗膜上に、2μLのヘキサデカン(HD)を滴下し、着滴1秒後の接触角を測定して得られた。
撥水性試験
薄紙に対して、クロロホルム溶液を塗工後、室温下で乾燥させることで、処理紙を作成した後、水滴を垂らし、30分以上しみ込まなかった場合、合格とする。
実施例1
N2,N4,N6-Trioctadecyl-1,3,5-triazine-2,4,6-triamine
標記化合物(特開2006-342110号公報の実施例5)について、KIT試験、コーン油耐性試験および撥液性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2
N2,N6-Dioctadecanyl-2,6-pyridinedicarboxamide
ステアリルアミン4.90gを脱水クロロホルム 26.0mLに溶解後、氷浴で冷やした。10分後、トリエチルアミン 2.15 mL、ピリジン-2,6-ジカルボン酸ジクロリド 1.5gの順に添加し、一晩撹拌した。翌日、反応溶液をろ過し、ろ液を濃縮後、残渣をメタノール中で10分攪拌した。10分後、固体をろ過して乾燥させることで標記化合物を3.19g得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 0.87 (t, 6 H), 1.24-1.68 (m, 64 H), 3.47-3.52 (m, 2 H), 7.64 (m, 2 H), 8.01(t, 1 H), 8.33 (d, 2 H).
標記化合物について、KIT試験、コーン油耐性試験および撥液性試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
N2,N4,N6-trioctadecanyl-1,3,5-triazine-2,4,6-tricarboxamide
ステアリルアミン4.44gを脱水テトラヒドロフラン 15.0mLに溶解後、トリエチル-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリカルボキシレート 1.3gを添加し、オイルバス温度52℃で一晩撹拌した。翌日、室温まで冷却後、ろ過して乾燥させることで標記化合物を3.18g得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 0.87 (t,9 H), 1.24-1.68 (m, 96 H), 3.10-3.58 (m, 6 H).
標記化合物について、KIT試験、コーン油耐性試験および撥液性試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023127877000001
撥水性試験の結果によれば、実施例1、2、3に関して合格であった。
実施例4
2,4,6-Trioctadecyloxy-1,3,5-triazine
オクタデシルアルコール 12.84gを脱水テトラヒドロフラン160mLに溶解後、NaH 1.87gを添加し、1時間攪拌した。1時間後、シアヌル酸クロリド 2.5gを添加し、オイルバス温度72℃で一晩撹拌した。翌日、室温まで冷却後、塩酸で酸性にし、濃縮した。残渣をメタノール、ジクロロメタンで洗浄することで標記化合物を21.97g得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:, 0.87 (t, 9 H), 1.24-1.68 (m, 96 H), 4.30-4.44 (m, 6 H).
標記化合物を500mgとポリオキシエチレンオレイルエーテル 50mgを100℃で加熱し混合物を溶融させた。その後、攪拌しながら標記化合物の濃度が1wt%になるように熱水を加え、機械せん断ホモジナイザーで粉砕することで、1wt%の水分散液を得た。この分散液を耐水性(Cobb値)52g/m、坪量45g/m、密度0.60g/mの薄紙に対して、ギャップを0 milに調整したアプリケーターで塗工乾燥の処理を3回繰り返し、140℃で10分加熱することで、処理紙を得た。この処理紙のコーン油耐性試験を行った結果、油染みは確認されなかった。
本開示のヘテロ環化合物の修飾体(修飾ヘテロ環化合物)は、撥水撥油剤として使用でき、さらに耐水剤、撥水剤、撥油剤、防汚剤、汚れ脱離剤、剥離剤または離型剤として使用できる。修飾ヘテロ環化合物は、耐油性が求められる用途、特に食品包装材および食品容器などの食品用途に好適に用いられる。

Claims (17)

  1. 炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物を含んでなる撥水撥油剤。
  2. ヘテロ環が含窒素ヘテロ環である請求項1に記載の撥水撥油剤。
  3. 炭化水素基が、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、セチル基、イソパルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基から選択された少なくとも1つの基である請求項1または2に記載の撥水撥油剤。
  4. ヘテロ環が、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、ジアジン、トリアジン、オキサゾール、オキサジアゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジンからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1~3のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  5. 修飾ヘテロ環化合物は、式:
    A(-B-R)
    [式中、
    Aは、置換されていてよいヘテロ環であり、
    Bは、-NR-、-O-、-C(=O)NR-、-NRC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR
    (ただし、Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基である。)であり、
    Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
    nは、1~5の数である。]
    で示される化合物である請求項1~4のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  6. 撥水撥油剤がn-ヘキサデカンの接触角が10度以上を示す請求項1~5のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  7. 修飾ヘテロ環化合物の融点が40℃以上もしくは存在しない請求項1~6のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  8. 撥水撥油剤の溶液濃度14.8 mg/mLの粘度が5cP以上100cP以下である請求項1~7のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  9. 水分散組成物である請求項1~8のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  10. 紙用である請求項1~9のいずれかに記載の撥水撥油剤。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤における修飾ヘテロ環化合物が付着している繊維製品。
  12. 請求項1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤おける修飾ヘテロ環化合物が付着している撥水撥油紙。
  13. 食品包装材または食品容器である請求項12に記載の撥水撥油紙。
  14. 請求項1~10のいずれかに記載の撥水撥油剤における修飾ヘテロ環化合物が付着しているガラス。
  15. 請求項12または13に記載の撥水撥油紙を外添処理または内添処理する処理方法。
  16. 炭素数1~40の炭化水素基およびヘテロ環を有する修飾ヘテロ環化合物、ならびに界面活性剤を含む水分散組成物。
  17. 式:
    A(-B-R)
    [式中、
    Aは、ピリジン環、ジアジン環またはトリアジン環であり、
    Bは、-NR-、-O-、-C(=O)NR-、-NRC(=O)-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、-NRC(=O)NR-、または-OC(=O)NR
    (ただし、Rは、それぞれ同じまたは異なって、水素原子または炭素数1~10の炭化水素基である。)であり、
    Rは、置換基を有してもよい炭素数1~40の炭化水素基であり、
    nは、1~5の数である。]
    で示される化合物。
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