JP2023127483A - 2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を有する新規人工核酸 - Google Patents

2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を有する新規人工核酸 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、生体内で分解されずにかつ標的核酸(特にRNA)に対する結合能を保持した人工核酸、及び該人工核酸を組み込んだ、臨床に適用可能なアンチセンス核酸、siRNA、アプタマー、アンチジーン核酸、デコイ核酸、マイクロRNA、又はリボザイムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明によれば、核酸の五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を導入した人工核酸を製造し、該人工核酸を組み込んだアンチセンス核酸等が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、生体内で分解されずにかつ標的核酸に対する結合能を保持した新規人工核酸に関する。さらに、本発明は、該人工核酸を組み込んだアンチセンス核酸等に関する。
核酸医薬の一つであるアンチセンス核酸(ASO)の開発研究として、アンチセンス核酸に標的選択性の向上や生体内安定性の強化など、ASOの性質を変化させる修飾を付加することが重要であると考えられる。
これまでに承認されているASOの最も広く使用されている化学修飾は2’部位へのメトキシエチル基またはメチル基の導入やリン酸結合部位の硫化(ホスホロチオエート、P=S結合)である。ASOとして用いられる際の2’部位はメチル基やメトキシエチル基とアルキル基による修飾に限られている。
2’-O-メトキシエチル(MOE)修飾は人工核酸ASOに核酸分解酵素に対する耐性を付与し、RNAとの親和性を向上させることが報告されている(非特許文献1)。現在までに承認されているASOの一つであるInotersen(非特許文献2)をみてみると、全ての2’部位の修飾にメトキシエチル基が用いられており、またリン酸結合部位がすべて硫化されたホスホロチオエート(PS)修飾と共に使用されている。
doi.10.1038/9304 https://www.nature.com/articles/s41573-020-0075-7
本発明は、生体内で分解されずにかつ標的核酸(特にRNA)に対する結合能を保持した人工核酸、及び該人工核酸を組み込んだ、臨床に適用可能なアンチセンス核酸、siRNA、アプタマー、アンチジーン核酸、デコイ核酸、マイクロRNA、及びリボザイムを提供することを目的とする。
本発明者らは、アンチセンス核酸(ASO)の生体内安定性の向上などの性質を変化させる機能を付与するために2’部位に焦点を当てた。上記の通り、従来の核酸に導入されたメトキシエチル基の構造はメチルエチルエーテル構造であり、さらに修飾を施すことはできず、別の機能を付加させることは難しい。
これまでに標的となる配列との二重鎖を形成した際には安定性を損なわず、メトキシエチル基と同等の酵素耐性を有する2’-O-[2-(N-メチルカルバモイル)エチル]修飾核酸を含む様々なカルバモイルエチル型修飾核酸を開発してきた(doi: 10.1021/jo101963z)。これらすべてに共通する興味深い特性は、フェニル基などの嵩高い置換基、カルボキシ基などのアニオン性置換基、またはベンズイミダゾールなどのカチオン性置換基、オクチル基などの疎水性残基を導入しても、二本鎖の安定性が低下しないことである(doi: 10.1016/j.bmcl.2021.127779;doi:10.1039/C4OB01260G;doi: 10.1039/c9ob00668k)。そこで、カルバモイルエチル型修飾核酸と同様に種々の機能を付加が可能となるような2’-修飾の新たな基本骨格を開発しようと考えた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、核酸の五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を導入した人工核酸を製造し、該人工核酸を組み込んだアンチセンス核酸が生体内で分解されずにかつ標的核酸に対する結合能を保持することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を有する人工核酸。
[2]下記の式(I):
[式中、
Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基であり;
及びRは、同一であるか又は異なり、水素原子、水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、スルホニル基、シリル基、リン酸基、保護基で保護されたリン酸基、又は-P(OR)R〔ここで、Rは、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;Rは、-N(R(ここで、Rは、独立して、C1~6アルキル基、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルであるか、又は2つのアルキル基が互いに結合して環を形成する)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基である〕であり;
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル、及びアミノアルキルからなる群から選択され;
Xは、C1~5アルキレン基である]
で表される、[1]に記載の人工核酸。
[3]Rが、水素原子、又は水酸基の保護基であり;
が、リン酸基であり;
が、メチル基である、
[1]に記載の人工核酸。
[4]アンチセンス核酸、siRNA、アプタマー、アンチジーン核酸、デコイ核酸、マイクロRNA、又はリボザイム導入するための、[1]~[3]のいずれか1つに記載の人工核酸。
[5]5~15塩基のデオキシリボ核酸からなるギャップ領域、ならびに該ギャップ領域の5’及び3’末端に各々、2~10個の2’-修飾又は2’,4’-修飾された核酸からなるウイング領域を有する架橋型のアンチセンス核酸であって、前記ウイング領域又はギャップ領域において、[1]~[4]のいずれか1つに記載の人工核酸が1個又は複数個が挿入され、及び/又は天然の塩基を有する核酸がそれにより置換されている、上記アンチセンス核酸。
[6]2’,4’-修飾された核酸が、下記:
〔式中、
は、水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のアルキニル基、及び置換又は未置換のアリール基からなる群から選択され;
及びRは、同一であるか又は異なり、各々独立して、水素原子、又は構造:
(式中、
は、隣接する核酸との結合点、又はOHであり;及び
Yは、S又はOである)
であり;
Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基を表す]
からなる群から選択される、[5]に記載のアンチセンス核酸。
[7][1]~[4]のいずれか1つに記載の人工核酸を製造する方法であって、
下記の式(II):
〔式中、R、R、及びBは、請求項1に定義される通りである〕
で表される出発物質をC1~5アルキレングリコールと反応させて、下記の式(III):
〔式中、
、R、及びBは、請求項1に定義される通りであり;
X’は、C2~4アルキレン基である〕
で表される化合物を得、さらにXに結合した水酸基をアルデヒドに酸化後、Horner-Wadsworth-Emmons(HWE)反応により増炭させて、下記の式(I):
〔式中、R、R、R、B、及びXは、請求項1に定義される通りである〕
で表される生成物を得ることを含む方法。
本発明によれば、新規人工核酸の提供により、生体内で分解されずにかつ標的核酸に対する結合能を保持したアンチセンス核酸医薬等を提供することができる。
アンチセンス核酸を評価した結果を示す図である。
本発明は、生体内で分解されずにかつ標的核酸に対する結合能を保持した新規人工核酸、及び該人工核酸を組み込んだアンチセンス核酸等に関する。
上記の通り、これまでに、本発明者らは、標的核酸配列との二重鎖を形成した際に安定性を損なわず、メトキシエチル基と同等の酵素耐性を有するカルバモイルエチル型修飾核酸を開発してきた。一般的に、カルバモイルエチル構造はカルボキシアミド構造を有しており、アミド構造は酸や塩基性条件に対して非常に安定である。そこで、本発明者らは、同じアミド構造を有するスルホンアミドに着目し、スルホンアミド構造を有し、核酸への機能付加可能な足場となる新たな2’-修飾基を導入した人工核酸を開発することにした。
本発明によれば、核酸の五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基が導入された人工核酸が提供される。以下、本発明にかかる新規人工核酸について詳述する。
(1)人工核酸
本発明の人工核酸は、五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を有することによって特徴付けられ、より具体的には、下記の式(I):
で表されるものである。
上記式中、Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基であり、核酸塩基は、天然核酸塩基又は非天然核酸塩基であり得る。「天然核酸塩基」とは、一般的に、自然界に存在する核酸を構成する核酸塩基であって、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、及びウラシルを指す。一方、「非天然核酸塩基」とは、天然核酸塩基以外の任意の核酸塩基を指し、天然核酸塩基と同様の又は類似して性質及び構造を有するものを指す。本発明では、保護基又は修飾基を有する核酸塩基は、非天然核酸塩基に含まれるものとする。
「保護基」には、水酸基、リン酸基、アミノ基、及びカルボニル基に対する保護基が含まれる。「水酸基の保護基」としては、限定されないが、ジメトキシトリチル基(DMTr)を使用しているが、これに限定されず、例えば、ニトロベンジル基、ニトロフェニルエチルエステル基(NPE)、ジメトキシニトロベンジルエステル基(DMNB)、ブロモヒドロキシクマリン(Bhc)基、ジメトキシベンゾイン基、2-ニトロピペロニルオキシカルボニル(NPOC)基、2-ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)基、5’-(α-メチル-2-ニトロピペロニル)オキシカルボニル(MeNPOC)基、2-(2-ニトロ-4-エチル-5-チオフェニルフェニル)プロピルオキシカルボニル(PhSNPPOC)基、α-メチル-2-ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)基、2,6-ジニトロベンジルオキシカルボニル(DNBOC)基、α-メチル-2,6-ジニトロベンジルオキシカルボニル(MeDNBOC)基、1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(NPEOC)基、1-メチル-1-(2-ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(MeNPEOC)基、9-アントラセニルメチルオキシカルボニル(ANMOC)基、1-ピレニルメチルオキシカルボニル(PYMOC)基、3’-メトキシベンゾイニルオキシカルボニル(MBOC)基、3’,5’-ジメトキシベンゾイルオキシカルボニル(DMBOC)基、7-ニトロインドリニルオキシカルボニル(NIOC)基、5,7-ジニトロインドリニルオキシカルボニル(DNIOC)基、2-アントラキノニルメチルオキシカルボニル(AQMOC)基、α,α-ジメチル-3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、5-ブロモ-7-ニトロインドリニルオシキカルボニル(BNIOC)基、トリアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル)等が挙げられる。
「リン酸基の保護基」としては、限定されないが、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基等が挙げられる。
「アミノ基の保護基」としては、限定されないが、ピバロイル基、ピバロイロキシメチル基、トリフルオロアセチル基、フェノキシアセチル基、4-イソプロピルフェノキシアセチル基、4-tert-ブチルフェノキシアセチル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、ジメチルホルムアミジニル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
「カルボニル基の保護基」としては、限定されないが、フェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、3-クロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2-ホルミルフェニル基、2-ナフチル基、4-メトキシフェニル基、4-クロロフェニル基、2-ニトロフェニル基、4-ニトロフェニル基、4-アセチルアミノフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4-ピバロイロキシベンジルアルコール、4-ニトロフェネチルアルコール、2-(メチルスルフォニル)エチル基、2-(フェニルスルフォニル)エチル基、2-シアノエチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルフェニルカルバモイル、1-ピロリジンカルバモイル、4-モルフォリンカルバモイル、ジフェニルカルバモイル等が挙げられる。
「修飾基」とは、核酸塩基に導入される保護基を含む概念であるが、特に、天然核酸塩基の構造と区別するために新たに付加される基である。「修飾基」には、上記の各種保護基の他、置換されてもよいアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン、アリール基、アミノ基、アルコキシ基等であり得る。「アルキル基」とは、直鎖、分枝鎖又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を指し、好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基、より好ましは炭疽原子数1~3のアルキル基である。「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。「アラルキル基」とは、1又は2個以上のアリール基で置換されたアルキル基を指し、炭素原子数7~15のアラルキル基が好ましく、炭素原子数7~11のアラルキル基がより好ましい。「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2-ナフチルメチル基等が挙げられる。「アルケニル基」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分枝鎖又は環状の1価の不飽和炭化水素基を指し、炭素原子数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基がより好ましい。「アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、2-シクロヘキセニル基等が挙げられる。「アルキニル基」とは、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖、分枝鎖又は環状の1価の不飽和炭化水素基を指し、炭素原子数2~6のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2又は3のアルケニル基がより好ましい。「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、プロパルギル、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル、5-へキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、およびウンデシニル基等が挙げられる。「ハロゲン」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基を指し、炭素原子数6~14のアリール基が好ましく、炭素原子数6~10のアリール基がより好ましい。「アリール基」としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
及びRは、同一であるか又は異なり、水素原子、水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、スルホニル基、シリル基、リン酸基、保護基で保護されたリン酸基、又は-P(OR)R〔ここで、Rは、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;Rは、-N(R(ここで、Rは、独立して、C1~6アルキル基、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルであるか、又は2つのアルキル基が互いに結合して環を形成する)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基である〕であり得る。
は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基、アルコキシ基であり得る。「アルキル」等は、前述のB、R、及びRの定義において示されたものであってもよい。
Xは、C1~5アルキレン基である。
好ましい人工核酸は、式(I)で表される人工核酸であって、Rが、水素原子、又は水酸基の保護基であり;Rがリン酸基であり;及びRがメチル基であるものである。
本発明の人工核酸は、アンチセンス核酸、siRNA、アプタマー、アンチジーン核酸、デコイ核酸、マイクロRNA、又はリボザイムに導入して使用することができる。「アンチセンス核酸」とは、一般的に、標的mRNAを発現する細胞内の生理的条件下で、該標的mRNAとハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を含み、かつハイブリダイズした状態で該標的mRNAにコードされるポリペプチドの翻訳を阻害し得る核酸を指す。アンチセンス核酸の種類は、DNAであってもRNAであってもよく、又はDNA/RNAキメラであってもよい。本発明によれば、アンチセンス核酸は、架橋型アンチセンス核酸であることが好ましく、該架橋型アンチセンス核酸は、デオキシリボ核酸からなるギャップ領域、ならびに該ギャップ領域の5’及び3’末端に各々、2~10個の2’,4’-修飾された核酸からなるウイング領域を有するものであり得る。特に、本発明によれば、該ギャップ領域に本発明の上記人工核酸を有するアンチセンス核酸が提供される。
より具体的には、架橋型アンチセンス核酸は、標的とする核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列からなるギャップ領域(「DNA」からなる領域であって、各核酸同士を連結する結合様式は限定されないが、ホスホロチオエート結合又はホスホジエステル結合であり得、好ましくはホスホロチオエート結合である)(長さは任意であり得、好ましくは5~15塩基)と、そのギャップ領域の両端にそれぞれ位置するウイング領域とからなる構造を有する従来のアンチセンス核酸に対して、該ギャップ領域において、該ギャップ領域において、本発明の上記人工核酸が1個又は複数個が挿入され、及び/又は天然の塩基を有する核酸がそれにより置換されている。
本発明の人工核酸を構成するウイング領域は、2’-修飾又は2’,4’-修飾された核酸を含む又はそれからなる(例えば、W. Brad Wan and Punit P. Seth, J. Med. Chem. 2016, 59, 9645-9667を参照されたい)。ウイング領域に含まれる2’-修飾又は2’,4’-修飾された核酸は好ましくは2~10個である。また、各核酸同士を連結する結合様式もまた限定されないが、ホスホロチオエート結合又はホスホジエステル結合であり得、好ましくはホスホロチオエート結合である。なお、「ホスホロチオエート結合」は、天然の核酸間結合であるホスホジエステル結合のリン酸基の酸素原子の1つを硫黄原子に置換しホスホロチオエート化(PS化)したものである。
本発明によれば、2’,4’-修飾された核酸は、限定されないが、下記の構造式:
〔式中、
は、水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のアルキニル基、及び置換又は未置換のアリール基からなる群から選択され;
及びRは、同一であるか又は異なり、各々独立して、水素原子、又は構造:
Figure 2023127483000010
(式中、
は、隣接する核酸との結合点、又はOHであり;及び
Yは、S又はOである)
であり;
Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基を表す]
からなる群から選択されるものであり得る。各置換基の定義は、上記核酸塩基の定義における同一の用語の定義に従うものとする。
公知の通り、天然核酸(DNAやRNA)の糖部分は4つの炭素原子と1つの酸素原子とからなる5員環を有し、その糖部分はN型とS型の2種類のコンホメーションを取る。前述のASOの標的となるmRNAは主に糖鎖がN型でA型のらせん構造をとっているため、RNAに対する親和性を高めるという観点から、ASOの糖鎖もN型をとることが重要になる。このコンセプトのもとに開発されたのがLNA(Locked Nucleic Acid;2’-O,4’-C-メチレン-架橋化核酸(2’,4’-BNA/LNA))の修飾核酸である。例えば、LNAにおいては、2’位の酸素と4’位の炭素とをメチレン基によって架橋することにより、そのコンホメーションはN型に固定され、コンホメーション間のゆらぎは生じない。そのため、LNAを数ユニット組み込んで合成されたオリゴヌクレオチドは、従来の天然の核酸で合成されたオリゴヌクレオチドに比べて、RNAに対する結合力や配列特異性が極めて高く、かつ、優れた耐熱性とヌクレアーゼ耐性とを示す。他の人工核酸もかかる特性を有していることから、本発明において利用可能である。本発明によれば、2’,4’-修飾された核酸は、LNAであることが好ましい。なお、本発明のアンチセンス核酸は、固相合成の周知技術を通して簡便にかつルーチンに製造することができる。
「siRNA」とは、「低分子干渉RNA」及び「small interfering RNA」と同義であり、標的遺伝子の一部に対応する塩基配列を有するセンス鎖(パッセンジャー鎖)とそのアンチセンス鎖(ガイド鎖)からなる低分子二本鎖RNAであって、通常は、20~25塩基対を有する。
「アプタマー」とは、「核酸アプタマー」と同義で使用することができ、特定の標的分子に結合する核酸分子であって、かつ、標的遺伝子の発現に負の影響を及ぼすものを指す。アプタマーは、DNA若しくはRNA、又はDNAとRNAとの混合物であり得る。
「アンチジーン核酸」とは、遺伝子のプロモーター領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指し、アンチジーン核酸によるプロモーターへのハイブリダイゼーションは標的遺伝子の発現を阻害する。
「デコイ核酸」は、標的遺伝子における転写因子結合領域を模倣する核酸分子を指し、標的遺伝子と転写因子の結合を競合的に阻害することによって、標的遺伝子の発現を阻害する。
「マイクロRNA(miRNA)」とは、RNA干渉を発生又は仲介させることができるRNA物質であり、長さは10~50個のヌクレオチドである。
「リボザイム」とは、一般的には、核酸を切断する酵素活性を有するRNAを指すが、配列特異的な核酸切断活性を有するRNAが好ましい。
(2)人工核酸を製造する方法
本発明によれば、本発明の上記人工核酸を製造する方法が提供される。本発明の人工核酸を製造する方法は、下記の工程を含むものであって、新規な核酸の合成方法である。
本発明では、出発物質として、下記の式(II):
〔式中、R、R、及びBは、上記で定義されたものと同一である〕
で表される化合物と、C1~5アルキレングリコール(例えば、メチレングリコール、エチレングリコール)と反応させて、下記の式(III):
〔式中、R、R、B、及びXは、上記で定義されたものと同一である〕
で表される化合物を得、さらにXに結合した水酸基をアルデヒドに酸化後、Horner-Wadsworth-Emmons(HWE)反応により増炭させて、下記の式(I):
〔式中、R、R、R、B、及びXは、上記で定義されたものと同一である〕
で表される生成物を得ることができる。
上記のHWE反応は、当業者に周知であり、アルキルホスホン酸ジエステルから発生させたカルボアニオンをケトン又はアルデヒドと反応させ、アルケンを合成する反応であり、該反応により、炭素数を増加させることができる。
本発明の人工核酸を製造する方法は、本質的には、下記のチャートに示される合成戦略に基づくものであり、本発明をよりよく理解するために、スルホンアミド構造のアミド部位は初期検討としてメチル基を導入したメチルスルホンアミド構造を選択したもので説明する。
最初に化合物Aの合成を目的とした。Aの構造に誘導するために化合物Bから酸化反応によるアルデヒド体の合成から、前述のHWE反応で増炭させて合成することを考えた。そこで、Bを合成するために化合物Cのような5’位を適切に保護した2,2’-O-アンヒドロ-5-メチルウリジンを用いてエチレングリコールと反応させることを考案した。化合物Aの合成スキームを以下に示す。
化合物Aの具体的な合成手順及び化合物の同定等については、後述する実施例1に記載するため、ここでは、簡単に説明する。はじめに、ボラン-テトラヒドロフラン錯体とエチレングリコールを反応させボロン酸エステルを形成させたのち5’-tert-ブチルジフェニルシリル基で保護された2,2’-O-アンヒドロ-5-メチルウリジンを170℃の高温条件下で反応させ、化合物2を収率79%で得た。2’位と3’位のヒドロキシ基の保護にtert-ブチルジメチルクロロシランを反応させて得られた化合物3は91%の収率で得られた。化合物3を4℃の低温化で酸性条件に付すことで一級アルコール保護のtert-ブチルジメチルシリル基のみを選択的に脱保護した化合物4を78%の収率で得た。
その後、デス-マーチンペルヨージナンを用いてアルコールをアルデヒド体へ酸化し、塩化リチウムとジイソプロピルエチルアミン存在下でイソブチルホスフェートを活性化させた溶液に加えることでHWE反応により化合物5を2工程で84%の収率で得た。その後、水素化ホウ素ナトリウムを用いて1,4-還元を行い、化合物6を82%で得たのち、ヨウ化ナトリウムでイソブチル基の脱保護反応によりスルホン酸ナトリウム体である化合物7を収率80%で得た。
スルホン酸ナトリウム体7をシアヌル酸クロリドと反応させ、スルホニルクロライドを反応系中で生成させ、そのクロロ体に対して過剰の1,2,4-トリアゾールを反応させた。その結果、トリアゾールで活性化された化合物8の合成を達成した。化合物8に対して過剰のメチルアミンを反応させることで化合物Aに相当するメチルアミノスルホニルプロパン体9の合成を達成した。
その後、シリル系保護基の脱保護反応、5’位の4-モノメトキシトリチル化をおこない化合物11の合成を行なった。
続いて、ホスフィチル化を行なったが生成した化合物が溶液中で非常に不安定であった。そこで、ホスフィチル化後は完全に精製は行わずにオリゴヌクレオチド(ON)への導入を行った。
(3)アンチ核酸治療薬
本発明は、生体内で分解されずにかつ標的核酸(DNA又はRNA、好ましくはRNA)に対して選択性及び結合能を保持した人工核酸を含むアンチセンス核酸を治療薬(医薬、製剤、又は医薬組成物)として提供することができる。本発明のアンチセンス核酸を治療薬として使用する場合、遺伝子疾患の種類は特に限定されない。アンチセンス核酸に組み込まれるギャップ領域を構成する「デオキシリボ核酸」は、生体内に存在するノンコーディングRNA(マイクロRNA、リボソームRNA、tRNA等)、mRNA、一本鎖DNA等を標的とすることができるため、これらの全配列又は一部配列を「標的核酸」として、標的核酸の塩基配列に完全に又は十分に相補的な塩基配列からなる一本鎖核酸を含むアンチセンス核酸を標的核酸に対応した遺伝子疾患を治療及び/又は予防するための治療薬として用いることができる。また、デオキシリボ核酸の長さは、一般的に、10塩基程度が適切であるが、5~15塩基の範囲であれば特に限定されない。好ましくは8~10塩基、より好ましくは10塩基である。
本明細書において、「(標的核酸の塩基配列に対して)十分に相補的な塩基配列からなる(一本鎖核酸)」とは、標的核酸の塩基配列の50%以上100%未満、好ましくは60%以上100%未満、より好ましくは70%以上100%未満、さらに好ましくは80%以上100%未満、さらにより好ましくは90%以上100%未満の塩基と対合し得る塩基配列からなるものであり得る。より具体的には、標的核酸の塩基配列に対して完全に相補的な塩基配列からなる核酸鎖において、例えば、1又は2~4の塩基を他の塩基に置換した結果、その置換した位置におけるヌクレオチド残基が対合できなくなった場合(この場合、他の塩基に置換した位置を「ミスマッチ部位」という);標的核酸の塩基配列に対して完全に相補的な塩基配列からなる核酸鎖において、例えば、1又は2~4の塩基を欠失した結果、その欠失した位置におけるヌクレオチド残基が対合できなくなった場合等を挙げることができる。
本発明のアンチセンス核酸を医薬組成物として使用する場合、有効成分としてのアンチセンス核酸の他、医薬として許容される担体、希釈剤、又は賦形剤等を含めることができる。用語「医薬として許容される」とは、患者に投与したとき、生理学的に忍容性であり、かつ一般的に急性胃蠕動等のアレルギー性反応又は類似の有害な反応を生じさせない分子実体及び組成物を指す。用語「担体」は、化合物とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又はビヒクルを指す。かかる医薬用担体は、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等の石油、動物、植物、又は合成起源の油を含む油及び水等の不活性液体であってよい。水又は生理食塩水、並びに水性デキストロース及びグリセロール水溶液は、担体として、特に注射液として使用されることが好ましい。
本発明のより具体的な実施形態では、医薬として許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント、及び/又は担体とともに治療有効量のアンチセンス核酸を含む医薬組成物が提供される。かかる組成物は、様々な緩衝物(例えば、Tris-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH及びイオン強度の希釈剤、洗剤及び可溶化剤(例えば、Tween80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール)、及びバルク物質(例えば、ラクトース、マンニトール)等の添加剤を含む。また、医薬組成物は、液体形態で調製されてもよく、凍結乾燥形態等の乾燥粉末であってもよい。
本発明に従って提供される医薬組成物は、限定されないが、注入、経口、肺、又は鼻経路によって投与されることが好ましい。さらには、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、又は皮下投与経路によって送達されることがより好ましい。
(4)キット
本発明は、遺伝子疾患を有する患者を治療及び/又は予防するためのキットであって、好適な容器に包装されている少なくとも1つのアンチセンス核酸と、その使用説明書とを含むキットを提供する。
キットの内容物は、凍結乾燥されていてもよく、また、キットは、凍結乾燥されている成分を再構成するための好適な溶媒をさらに含んでいてもよい。キットの個々の成分は、別々の容器に包装され、かかる容器とともに、医薬品又は生物学的製品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって定められている形態の通知であって、ヒトへの投与についての製造、使用、又は販売を規制する機関による認可を反映している通知を添付してもよい。
キットの成分が1つ以上の液体溶液で提供される場合、前記液体溶液は、水溶液、例えば無菌水溶液であってよい。インビボで使用する場合、発現構築物を医薬として許容される注射用組成物に製剤化してもよい。この場合、容器手段は、単体で吸入器、注射器、ピペット、点眼器、又は他の同様の装置であってよく、これらから、動物の罹患領域に製剤を適用したり、動物に注射したり、更にはキットの他の成分に適用し、それと混合したりすることができる。
また、キットの成分は、乾燥形態又は凍結乾燥形態で提供されてもよい。試薬又は成分が乾燥形態として提供されるとき、一般的に、好適な溶媒の添加によって再構成が行われる。また、溶媒は、別の容器手段で提供されてもよいことが想到される。容器の数又は種類にかかわらず、本発明のキットは、動物の体内に最終的な複雑な組成物を注射/投与又は配置するのを補助するための機器を含むか、又はこれらと共に包装されてもよい。かかる機器は、吸入器、注射器、ピペット、ピンセット、計量スプーン、点眼器、又は任意の医学的に認められている送達ビヒクルであってもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例で使用した試薬、合成及び精製装置、核酸オリゴマー、測定機器、培養細胞等については、実施例の最後にまとめて記載した。
実施例1:人工核酸の合成
本発明の人工核酸の典型例(化合物12a及び12b)を下記の合成スキームに従って合成した。
一般的方法H、13C、および31P核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、H、13C、および31P NMRについて、それぞれ500、126、202MHzで記録した。化学シフトは、H NMRスペクトルではCDCl(7.26ppm)、DMSO‐d(2.49ppm)、CDOD-d(3.31ppm)の残留非重水素化溶媒、および13C NMRスペクトルではCDCl(77.16ppm)、DMSO‐d(39.52ppm)、CDOD-d(49.00ppm)の溶媒シグナル、および31P NMRスペクトルでは85%リン酸(0.00ppm)から測定した。逆相(RP)C18カラム(5μm、4.6×150mm)を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行った。
UV融解温度の測定:ODNを脱イオン蒸留水に溶解し、その濃度を260nmでの吸光度測定から測定した。ODNの吸収係数は、Oligo Analyzer(https://sg.idtdna.com/calc/analyzer)を用いて、最近隣法に従って計算した。吸収係数ODN#は、それらが5‐メチルUの代わりにUを組み込んだODNと同一であると仮定して計算した。
ODN(各1.2nmol)を10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0、100mM NaCl、0.1mM EDTA、600μL)に溶解した。二重鎖の最終濃度は2μMであった。この混合物を石英セル(10mm)に入れ、90℃でインキュベートした。10分後、混合物を5℃に冷却し、次に0.5℃/分の速度で90℃に加熱した。260nmでの吸収を記録し、UV融解曲線を作成するために使用した。UV融解曲線は、各UV融解曲線の最初の偏差の最大値を与える温度として計算した。
ジエトキシホスホリルメタンスルホン酸イソブチル(#0、HWE試薬)ref
シクロヘキサン(6.0mL、12mmol)中のn-BuLiの2.0M溶液を、アルゴン雰囲気下、-78℃でTHF(4.6mL)中のイソブチルメタンスルホン酸(1.37mL、10mmol)の溶液にゆっくりと添加した。20分後、ジエチルクロロホスフェート(14mmol、2.0mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を-78℃に30分間保持し、次に-40℃に90分間保持した。混合物を飽和状態でクエンチした。NHCl(10mL)および反応混合物を周囲温度に加温した。混合物をEtOAc(60mL)およびHO(40mL)で希釈し、EtOAc(各60mL)を3回抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(70:30-20:80、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて#0(#g、#%)を得た。
CDCl液を用いてH-NMRを測定し、文献で報告されているものとの比較によりチェックした。ESI-TOF mass: calcd. for C9H21NaO6PS+ [M+Na]+ 311.0689, found 311.0693。
参照:Franchini, L.; Compostella, F.;; Colombo, D.;; Panza, L.;; Ronchetti, 化学 2010, 75, 5363-5366.
A.5’-O-(4-メトキシトリチル)2’-O-[3-(N-メチルスルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン3’-O-(2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)(12a)の製造
構造(12a)で示される人工核酸を後述する合成手順(1)~(12)に従って合成した。
(1)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2,2’-アンヒドロ-5-メチルウリジンref(1)の合成
H-NMRはDMSO‐d溶液を用いて測定し、文献で報告されたものとの比較によりチェックした。
参考文献1)Prakash,T.P.;Kawasaki,A.M.;Franser,A.S.;Vasquez,G.;Manoharan,M.J.Org。 化学 2002, 67, 357-369. 2) Manoharan, M.; Cook, P 3)Freier, S. M.;Sarthy, A.;; McGonigal, T. 2004, US 20040077571A1。
(2)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2’-O-(2-ヒドロキシエチル)5-メチルウリジンref(2)の合成
THF中のボランの1.0M溶液(10mL、10.0mmol)を、周囲温度で1,2-エタンジオール(8mL)の溶液に添加した。5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2,2’-アンヒドロ-5-メチルウリジンref(1.93g、4.0mmol)およびNaHCO(176.3mg、2.1mmol)を添加した。反応混合物を170℃で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、3回飽和させた。炭酸水素ナトリウム水和物(各200mL)、HO2回(各200mL)、ブライン2回(各200mL)。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をn-ヘキサン-EtOAc(70:30-0:100、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar sica High Capacity Duo 100g)カラム上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物2を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて#1(1.72g、79%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 1.02 (s, 9H, t-Bu), 1.44 (s, 3H, 5-Me), 3.49-3.52 (m, 2H, 2'-O-CH2 CH 2-), 3.56-3.58 (m, 2H, 2'-O-CH 2CH2-), 3.81 (dd, 1H, J = 3.9, 11.6 Hz, H5'), 3.91 (dd, 1H, J = 2.9, 11.6 Hz, H5''), 3.93-3.96 (m, 1H, H4'), 4.03 (t, 1H, J = 5.4 Hz, H2'), 4.75 (t, 1H, J = 5.4 Hz, -CH2CH2-OH), 5.13 (d, 1H, J = 5.8 Hz, 3'-OH), 5.90 (d, 1H, J = 5.4 Hz), 7.38 (s, 1H), 7.38 (d, 1H, J = 1.4 Hz, 6-H), 7.40-7.48 (m, 6H, -Si(Ph)2-), 7.62-7.66 (m, 4H, -Si(Ph)2-), 11.38 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ 12.1, 19.6, 27.2, 61.7, 63.5, 69.2, 72.4, 82.9, 84.9, 86.9, 111.7, 128.1, 128.2, 130.2, 130.3, 132.4, 133.1, 135.1, 135.4, 135.7, 151.1, 164.0; ESI-TOF mass: calcd. for C28H36N2NaO7Si+ [M+Na]+ 563.2184, found 563.2170。
参考文献:Prakash, T. P.、Kawasaki, A. M.、Fraser, A. S.、Vasquez, G.、Manoharan, 化学 2001, 67, 357-369.
(3)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[2-O-(tert-ブチルジメチルシリル)エチル]5-メチルウリジン(3)の合成
周囲温度で乾燥DMF(3mL)中の化合物2(1.72g、3.2mmol)およびイミダゾール(1.50g、21.0mmol)を撹拌した溶液に、10分後、乾燥DMF(4mL)中のtert-ブチルジメチルクロロシラン(1.64g、10.5mmol)の溶液を添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物をn-ヘキサン-EtOAc(200mL、1:1、v/v)に希釈し、NaHCO(200mL、各々)とブライン(200mL、各々)で2回飽和させた。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(93:7~40:60、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物3を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物3(2.23g、91%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ -0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), -0.02 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.04 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.06 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.80 (s, 9H, t-Bu), 0.84 (s, 9H, t-Bu), 1.02 (s, 9H, t-Bu), 1.48 (s, 3H, 5-Me), 3.48-3.55 (m, 2H, 2'-O-CH2 CH 2-), 3.66 (t, 2H, J = 5.2 Hz, 2'-O-CH 2CH2-), 3.75 (dd, 2H, J = 4.7, 12.8 Hz, H5'), 3.89-3.92 (m, 2H, H4' and H5''), 4.07 (t, 1H, J = 5.3 Hz, H2'), 4.32 (t, 1H, J = 4.6 Hz, H3'), 5.87 (d, 1H, J = 5.4 Hz, H1') , 7.39-7.43 (m, 5H, -Si(Ph)2- and 6-H), 7.45-7.49 (m, 2H, -Si(Ph)2-), 7.61-7.64 (m, 4H, -Si(Ph)2-), 11.41 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ -5.4, -5.4, -5.1, -4.8, 11.8, 17.7, 17.9, 18.9, 25.6, 25.7, 26.7, 62.0, 63.4, 70.0, 71.3, 80.2, 84.3, 86.3, 109.9, 127.9, 128.0, 130.0, 130.1, 132.3, 132.6, 135.0, 135.0 135.5, 150.5, 163.6; ESI-TOF mass: calcd. for C40H64N2NaO7Si3 + [M+Na]+ 791.3914, found 791.3896.
(4)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-(2-ヒドロキシエチル)-5-メチルウリジン(4)
O(11mL)およびTFA(11mL)を、乾燥THF(46mL)中の化合物3(3.48g、4.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を4℃で1時間撹拌した。反応混合物を4℃にて飽和NaHCO水溶液(44mL)に注意深く注いだ。10分後、反応混合物を周囲温度に加温した。反応混合物をEtOAc(150mL)に希釈し、飽和飽和NaHCO水溶液(100mL、各々)で5回、ブライン(100mL、各々)で3回洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(88:12~0:100、v/v)を用いてシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar HC D 100g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物4を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物4(2.34g、78%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 0.04 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.07 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.84 (s, 9H, t-Bu), 1.03 (s, 9H, t-Bu), 1.49 (s, 3H, 5-Me), 3.45-3.52 (m, 4H, 2'-O-CH2 CH 2- and 2'-O-CH 2CH2-), 3.75 (dd, 1H, J = 4.6, 12.6 Hz, H5''), 3.89-3.93 (m, 2H, H4' and H5'), 4.08 (t, 1H, J = 5.3 Hz, H2'), 4.33 (t, 1H, J = 4.6 Hz, H3'), 4.60 (t, 1H, J = 4.6 Hz, -CH2CH2-OH), 5.86 (d, 1H, J = 5.4 Hz, H1'), 7.40-7.44 (m, 5H, -Si(Ph)2- and 6-H), 7.45-7.49 (m, 2H, -Si(Ph)2-), 7.61-7.65 (m, 4H, -Si(Ph)2-), 11.39 (brs, 1H, N-H);13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ -5.1, -4.7, 11.8, 17.8, 18.9, 25.6, 26.7, 60.1, 63.3, 70.0, 71.6, 80.2, 84.2, 86.5, 109.8, 128.0, 128.0, 130.0, 130.1, 132.3, 132.6, 135.0, 135.0, 135.7, 150.5, 163.7; ESI-TOF mass: calcd. for C34H50N2NaO7Si2 + [M+Na]+ 677.3049, found 677.3040.
(5)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[3-(2-メチルプロパン-1-オキシ)スルホニル-(E)-プロパ-2-エン]5-メチルウリジン(5)の合成
デス-マーチンペルヨージナン(985.3mg、2.32mmol)を、CHCl(19mL)中の化合物4(1.27g、1.94mmol)の溶液に添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCOと飽和Na(60mL、1:1、v/v)でクエンチした。混合物をCHCl(60mL)に希釈し、2回CHCl(各々90mL)で抽出した。有機層を合わせ、減圧下で蒸発させて粗アルデヒド物質(1.36g、quant)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。乾燥THF(10mL)中のLiCl(224.2mg、4.66mmol)および#0(HWE試薬)(565μL、2.33mmol)の撹拌溶液に、DIPEA(1.22mL、6.98mmol)を加えた。得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した後、THF(10mL)中の粗アルデヒド物質(1.36g、quant)の溶液を滴下した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物をHO(40mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応液をCHCl(100mL)に希釈し、CHCl(100mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(88:12~20:80、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物5を含有する画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物5(1.28g、84%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.05 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.83 (s, 9H, t-Bu), 0.86 (s, 3H, -CH(CH 3)2, 0.88 (s, 3H, -CH(CH 3)2), 1.02 (s, 9H, t-Bu), 1.47 (s, 3H, 5-Me), 1.87-1.95 (m, 1H, -CH(CH3)2), 3.77-3.85 (m, 3H, -CH 2CH(CH3)2 and H5'), 3.95-3.97 (m, 2H, H4' and H5''), 4.14-4.15 (t, 1H, J = 4.8 Hz, H2'), 4.27-4.31 (m, 1H, -CH 2CH=CH-), 4.35-4.42 (m, 2H, -CH 2CH=CH- and H3'), 5.87 (d, 1H, J = 4.1 Hz, H1'), 6.53 (dt, 1H, J = 2.2, 15.2 Hz, -CH2CH=CH-), 6.95 (dt, 1H, J = 3.5, 15.2 Hz, -CH2 CH=CH-), 7.40-7.49 (m, 7H, t-BuSi(Ph)2 and 6-H), 7.61-7.65 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 11.42 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ -5.1, -4.8, 11.8, 17.7, 18.3, 18.9, 25.6, 26.8, 27.6, 62.9, 67.3, 69.5, 76.0, 80.4, 83.8, 87.0, 109.8, 123.4, 128.0, 128.0, 128.0, 130.0, 130.1, 132.4, 132.6, 135.0, 135.0, 135.5, 145.8, 150.4, 163.6; ESI-TOF mass: calcd. for C39H58N2NaO9SSi2 + [M+Na]+ 809.3294, found 809.3276.
(6)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2'-O-[3-(2-メチルプロパン-3-オキシ)スルホニルプロパン-1-イル]5-メチルウリジン(6)の合成
NaBH(106.7mg、2.82mmol)にEtOH(8mL)中の化合物5(1.27g、1.62mmol)の溶液を4℃で添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌した。混合物を4℃にてAcOH(280μL、4.86mmol)でクエンチした。混合物を撹拌し、周囲温度を15分間加温した。混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAc(65mL)で希釈し、飽和NaHCO(各60mL)で3回、ブライン(各60mL)で3回洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上で、CHCl-EtOAc(98:2~80:20、v/v)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、化合物6を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物6(1.05g、82%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.06 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.84 (s, 9H, t-Bu), 0.88 (s, 3H, -CH(CH 3)2), 0.90 (s, 3H, -CH(CH 3)2), 1.03 (s, 9H, t-Bu), 1.49 (s, 3H, 5-Me), 1.88-1.95 (m, 3H, -CH(CH3)2 and -CH2 CH 2CH2S(O)3-), 3.28-3.30 (m, 2H, -CH 2CH2CH2S(O)3-), 3.53-3.61 (m, 2H, -CH2CH2 CH 2S(O)3-), 3.76 (dd, 1H, J = 4.6, 12.9 Hz, H5'), 3.92-3.95 (m, 4H, H5'' and H4' and -CH 2CH(CH3)2), 4.04 (t, 1H, J = 5.2 Hz, H2'), 4.30 (t, 1H, J = 4.6 Hz, H3'), 5.85 (d, 1H, J = 5.1 Hz, H1'), 7.40-7.44 (m, 5H, t-BuSi(Ph)2 and 6-H), 7.45-7.49 (m, 2H, t-BuSi(Ph)2), 7.61-7.65 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 11.40 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ -5.1, -4.7, 11.8, 17.8, 18.4, 18.9, 23.9, 25.6, 26.8, 27.7, 45.7, 63.2, 67.4, 70.0, 75.7, 80.1, 84.2, 86.6, 109.9, 128.0, 128.0, 130.1, 130.2, 132.3, 132.6, 135.0, 135.0, 135.5, 150.5, 163.6; ESI-TOF mass: calcd. for C39H60N2NaO9SSi2 + [M+Na]+ 811.3450, found 811.3442.
(7)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-(3-スルホニルプロパン-1-イル)-5-メチルウリジンナトリウム塩(7)の合成
ヨウ化ナトリウム(1.79g、11.8mmol)を、アセトン(24mL)中の化合物6(1.87g、2.36mmol)の溶液に添加した。反応混合物を78℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を、CHCl-MeOH(98:2~80:20、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物7を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物7(1.43g、80%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.06 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.84 (s, 9H, t-Bu), 1.02 (s, 9H, t-Bu), 1.50 (s, 3H, 5-Me), 1.76-1.81 (m, 2H, -CH2 CH 2CH2SO3 -), 2.39-2.47 (m, 2H, -CH 2CH2CH2SO3 -), 3.46-3.53 (m, 2H, -CH2CH2 CH 2SO3 -), 3.73-3.77 (m, 1H, H5'), 3.89-3.93 (m, 2H, H4' and H5''), 4.01 (t, 1H, J = 5.3 Hz, H2'), 4.31 (t, 1H, J = 4.6 Hz, H3'), 5.83 (d, 1H, J = 5.3 Hz, H1'), 7.40-7.43 (m, 5H, t-BuSi(Ph)2 and 6-H), 7.44-7.48 (m, 2H, t-BuSi(Ph)2), 7.60-7.65 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 11.38 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6) δ -5.1, -4.7, 11.8, 17.8, 18.9, 25.6, 25.8, 26.7, 48.3, 63.3, 69.3, 70.1, 79.8, 84.3, 86.6, 109.8, 128.0, 128.0, 130.0, 130.1, 132.4, 132.6, 135.0, 135.0, 135.8, 150.5, 163.6; ESI-TOF mass: calcd. for C35H51N2O9SSi2 - [M-Na]- 731.2859, found 731.2839.
(8)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[3-((1,2,4-トリアゾール-1-イル)スルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン(8)の合成
化合物7(890.9mg、1.18mmol)を各々ピリジンおよびトルエンとともに4回共蒸発させ、アルゴン雰囲気下、乾燥アセトン(8mL)に溶解した。乾燥アセトン(3mL)および塩化シアヌル(363.9mg、1.97mmol)中の18-クラウン-6-エーテル(49.8mg、0.19mmol)の溶液を化合物7の溶液に添加した。混合物を78℃で1時間撹拌した。その後、混合物を周囲温度まで冷却した。1,2,4-トリアゾール(1.64g、23.7mmol)を添加した。混合物を78℃で1時間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)上で濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(88:12~0:100、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物8を含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物8(728.2g、79%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.01 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.86 (s, 9H, t-Bu), 1.12 (s, 9H, t-Bu), 1.52 (d, 3H, J = 1.1 Hz, 5-Me), 2.02-2.08 (m, 2H, -CH2 CH 2CH2SO2), 3.60-3.68 (m, 2H, -CH 2CH2CH2SO2), 3.70-3.76 (m, 2H, -CH2CH2 CH 2SO2), 3.79-3.84 (m, 2H, H2' and H5'), 3.99-4.01 (m, 1H, H4'), 4.08 (dd, 1H, J = 2.2, 12.0 Hz, H5''), 4.26 (t, 1H, J = 4.9 Hz, H3'), 5.99 (d, 1H, J = 4.5 Hz, H1'), 7.37-7.41 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 7.43-7.48 (m, 3H, t-BuSi(Ph)2 and 6-H), 7.63-7.65 (m, 2H, t-BuSi(Ph)2), 7.67-7.69 (m, 2H, t-BuSi(Ph)2), 8.13 (s, 1H, triazole-H), 8.39 (brs, 1H, N-H), 8.68 (s, 1H, triazole-H); 13C-NMR (126 MHz, CDCl3) δ -4.7, -4.3, 12.1, 18.2, 19.7, 23.9, 25.8, 27.3, 51.6, 63.0, 67.4, 70.1, 82.7, 85.2, 87.2, 111.6, 128.2, 128.2, 130.3, 130.4, 132.5, 132.9, 134.9, 135.4, 135.6, 145.3, 150.3, 154.5, 163.5; ESI-TOF mass: calcd. for C37H53N5NaO8SSi2 + [M+Na]+ 806.3046, found 806.3048.
(9)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[3-(N-メチルスルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン(9a)の合成
THF中の2.0Mメチルアミン(3.3mL、6.65mmol)溶液を、乾燥MeCN(13mL)中の化合物8(1.04g、1.33mmol)の溶液に添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させて粗物質を得た。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(85:15~0:100、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 50g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物9aを含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物9a(829.4mg、84%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.03 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.07 (s, 3H, -Si(Me)2), 0.88 (s, 9H, t-Bu), 1.12 (s, 9H, t-Bu), 1.55 (d, 3H, J = 1.2 Hz, 5-Me), 2.05-2.11 (m, 2H, -CH2 CH 2CH2SO2-), 2.80 (d, 3H, J = 5.3 Hz, -SO2NHMe), 3.09-3.21 (m, 2H, -CH 2CH2CH2SO2-), 3.63-3.67 (m, 1H, -CH2CH2 CH 2SO2-), 3.70-3.74 (m, 1H, -CH2CH2 CH 2SO2-), 3.81 (dd, 1H, J = 2.3, 11.9 Hz, H5'), 3.87 (t, 1H, J = 5.1 Hz, H2'), 4.00-4.02 (m, 1H, H4'), 4.07 (dd, 1H, J = 2.1, 11.8 Hz, H5''), 4.28 (t, 1H, J = 4.7 Hz, H3'), 4.54 (q, 1H, J = 5.3 Hz, -SO2 NHMe), 6.06 (d, 1H, J = 5.1 Hz, H1'), 7.38-7.42 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 7.43-7.48 (m, 3H, t-BuSi(Ph)2 and 6-H), 7.63-7.69 (m, 4H, t-BuSi(Ph)2), 8.68 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, CDCl3): δ -4.7, -4.3, 12.1, 18.3, 19.6, 24.5, 25.8, 27.3, 29.5, 48.0, 63.2, 68.5, 70.5, 82.6, 85.5, 87.2, 111.8, 128.2, 128.2, 130.3, 130.4, 132.5, 132.9, 135.1, 135.4, 135.6, 150.7, 163.6; ESI-TOF mass: calcd. for C36H55N3NaO8SSi2 + [M+Na]+ 768.3141, found 768.3143.
(10)2’-O-[3-(N-メチルスルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン(10a)の合成
トリエチルアミン(460μL、3.33mmol)およびトリエチルアミントリヒドロフルオリド(1.1mL、6.66mmol)を、乾燥THF(11mL)中の化合物9a(825mg、1.11mmol)の溶液に添加した。混合物を周囲温度で24時間撹拌した。混合物をトリメチルエトキシシラン(4.2mL、26.6mmol)でクエンチした。6時間後、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を、CHCl-MeOH(100:0~80:20、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 25g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物10aを含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物10a(403.3mg、92%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CD3OD-d4): δ 1.88 (d, 3H, J = 1.2 Hz, 5-Me), 2.00-2.08 (m, 2H, -CH2 CH 2CH2SO2-), 2.70 (s, 3H, -SO2NHMe), 3.18 (dt, 2H, J = 7.5, 7.7 Hz, -CH 2CH2CH2SO2-), 3.74-3.80 (m, 3H, -CH2CH2 CH 2SO2- and H5'), 3.89 (dd, 1H, J = 2.6, 12.3 Hz, H5''), 3.96-4.00 (m, 2H, H2' and H4'), 4.26 (t, 1H, J = 5.4 Hz, H3'), 5.95 (d, 1H, J = 4.1 Hz, H1'), 7.93 (d, 1H, J = 1.3 Hz, 6-H); 13C-NMR (126 MHz, CD3OD-d4): δ 12.5, 25.3, 29.2, 48.1, 61.8, 69.6, 70.0, 83.6, 86.3, 88.8, 111.5, 138.0, 152.4, 166.4; ESI-TOF mass: calcd. for C14H23N3NaO8S+ [M+Na]+ 416.1098, found 416.1088.
(11)5’-O-(4-メトキシトリチル)-2'-O-[3-(N-メチルスルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン(11a)の合成
化合物10a(173.1mg、0.44mmol)をピリジンとともに8回蒸発させ、アルゴン雰囲気下、乾燥ピリジン(4mL)に溶解した。化合物10aの溶液に、4-メトキシトリチルクロリド(218.2mg、0.70mmol)を添加した。混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応物をEtOH(2mL)でクエンチした。混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(各40mL)で3回、ブライン(各40mL)で2回洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(80:20~0:100、v/v)を用いるシリカゲル(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 25g)カラム上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物11aを含有する画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物11a(260.6mg、89%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 1.38 (s, 3H, 5-Me), 2.15-2.20 (m, 2H, -CH2 CH 2CH2SO2-), 2.81 (d, 3H, J = 5.2 Hz, -SO2NHMe), 3.00 (d, 1H, J = 6.9 Hz, 3'-OH), 3.13-3.18 (m, 1H, -CH 2CH2CH2SO2-), 3.21-3.27 (m, 1H, -CH 2CH2CH2SO2-), 3.43 (dd, 1H, J = 2.5, 11.0 Hz, H5'), 3.54 (dd, 1H, J = 1.7, 11.0 Hz, H5''), 3.80 (s, 6H, MMTr-OMe), 3.87-3.91 (m, 1H, -CH2CH2 CH 2SO2-), 3.94-3.98 (m, 1H, -CH2CH2 CH 2SO2-), 4.06 (dd, 1H, J = 3.8, 4.9 Hz, H2'), 4.09-4.11 (m, 1H, H4'), 4.47 (q, 1H, J = 5.9 Hz, H3'), 4.72 (q, 1H, J = 5.0 Hz, -SO2 NHMe), 6.00 (d, 1H, J = 3.5 Hz, H1'), 6.83-6.86 (m, 2H, MMTr-H), 7.24-7.32 (m, 7H, DMTr-H), 7.40-7.42 (m, 4H, MMTr-H), 7.65 (d, 1H, J = 0.7 Hz, 6-H), 9.01 (brs, 1H, N-H); 13C-NMR (126 MHz, CDCl3): δ 11.9, 24.3, 48.0, 55.4, 62.5, 68.7, 69.3, 82.8, 83.8, 87.4, 111.6, 113.5, 127.5, 128.2, 128.5, 130.3, 134.9, 135.3, 143.8, 144.0, 150.7, 159.0, 163.8; ESI-TOF mass: calcd. for C34H39N3NaO9S+ [M+Na]+ 688.2299, found 688.2309.
(12)5’-O-(4-メトキシトリチル)2’-O-[3-(N-メチルスルホニル)プロパン-1-イル]-5-メチルウリジン3’-O-(2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミダイト)(12a)の合成
化合物11a(254.8mg、0.38mmol)をピリジンおよびトルエンで各々4回共蒸発させ、アルゴン雰囲気下、乾燥CHCl(4.0mL)に溶解した。N,N-ジイソプロピルアミン(38μL、0.27mmol)、1H-テトラゾール(18.6mg、0.27mmol)および(2-シアノエトキシ)ビス(N,N’-ジイソプロピルアミノ)ホスフィン(170μL、0.53mmol)を化合物11aの溶液に添加した。混合物を周囲温度で20時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(各40mL)で6回、ブライン(各40mL)で2回洗浄した。
有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、n-ヘキサン-EtOAc(90:10~0:100、v/v)を用いるシリカゲルカラム(Biotage(登録商標)Sfpar High Capacity Duo 25g)上のクロマトグラフィーにより精製して、化合物12aを含む画分を得た。画分を集め、減圧下で蒸発させて化合物12a(202.1mg、61%)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): 13C-NMR (126 MHz, CDCl3): 31P-NMR (202 MHz, CDCl3): ESI-TOF mass: calcd. for C43H56N5NaO10PS+ [M+Na]+ 888.3378, found 888.3395.
B.5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-O-[4-{(N-イソプロピル)スルファモイル}ブチル]-5-メチルウリジン 3’-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)(12b)の製造
構造(12b)で示される人工核酸を後述する合成手順(1)~(12)に従って合成した。
(1)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2’-O-[3-ヒドロキシプロピル]-5-メチルウリジン(1)の合成
1,3-プロパンジオール(2mL)に1M BH・THF(5mL)をゆっくりと滴下し、撹拌した。その溶液に5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2,2’-シクロチミジン(958mg、2.00mmol)と炭酸水素ナトリウム(58mg、0.69mmol)を加え、160℃で21時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)3回と飽和食塩水(100mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物1(778mg、70%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ8.25 (s, 1H), 7.68-7.65 (t, 4H), 7.49 (s, 1H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.41-7.38 (t, 4H), 6.07-6.06 (d, 1H), 4.42-4.40 (t, 1H), 4.11-4.10 (d, 1H), 4.06 (s, 1H), 4.00-3.98 (t, 1H), 3.91-3.88 (m, 2H), 3.84-3.76 (m, 3H), 1.87-1.86 (m, 2H), 1.54 (s, 3H), 1.11 (s, 9H)
(2)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-2’-O-[3-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)プロピル]-5-メチルウリジン(2)の合成
化合物1(1.13g、2.05mmol)を脱水ピリジン(20mL)に溶解させ、4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(829mg、2.45mmol)を加えて室温で1時間反応させた。反応終了後、メタノール(2mL)を加えた後、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)3回と飽和食塩水(100mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物2(1.11g、63%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ7.95 (s, 1H), 7.68-7.65 (m, 4H), 7.44-7.37 (m, 9H), 7.31-7.30 (d, 4H), 7.27 (s, 1H), 7.21-7.18 (t, 1H), 6.82-6.81 (d, 4H), 5.98 (d, 1H), 4.35-4.31 (m, 1H), 4.09-4.06 (d, 1H), 3.97-3.94 (m, 1H), 3.92 (s, 2H), 3.88-3.86 (d, 1H), 3.77 (s, 6H), 3.74-3.72 (m, 1H), 3.18-3.17 (m, 2H), 2.59-2.58 (d, 1H), 1.91-1.88 (m, 2H), 1.51 (s, 3H), 1.11 (s, 9H)
(3)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[3-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)プロピル]-5-メチルウリジン(3)の合成
化合物2(1.11g、1.30mmol)とイミダゾール(364mg、5.35mmol)を脱水DMF(2mL)に溶解させた。その溶液にtert-ブチルジメチルクロロシラン(387mg、2.57mmol)を脱水DMF(1mL)に溶解して加え、室温で2時間反応させた。反応終了後、メタノール(1.5mL)を加えた後、ヘキサン-酢酸エチル混合溶媒(1:1、v/v、100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)3回と飽和食塩水(100mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物3(1.09g、88%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ7.87 (s, 1H), 7.68-7.67 (d, 2H), 7.64-7.63 (d, 2H), 7.44-7.34 (m, 9H), 7.30-7.28 (d, 4H), 7.26 (s, 1H), 7.20-7.19 (m, 1H), 6.82-6.80 (d, 4H), 6.02-6.01 (d, 1H), 4.30-4.29 (t, 1H), 4.03-4.01 (d, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.87-3.85 (t, 1H), 3.81 (s, 1H), 3.78 (s, 6H), 3.74-3.69 (m, 1H), 3.61-3.56 (m, 1H), 3.13-3.11 (t, 2H), 1.89-1.86 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.11 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H)
(4)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[3-ヒドロキシプロピル]-5-メチルウリジン(4)の合成
化合物3(1.09g、1.12mmol)に4%トリフルオロ酢酸-ジクロロメタン溶液(11mL)を加え、室温で10分反応させた。反応後、氷冷下で反応溶液をピリジン-メタノール混合溶媒(1:1、v/v、110mL)に滴下し、30分撹拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)3回と飽和食塩水(100mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物4(683mg、91%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ8.12 (s, 1H), 7.69-7.68 (d, 2H), 7.66-7.64 (d, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.41-7.37 (m, 4H), 6.06-6.05 (d, 1H), 4.31-4.29 (t, 1H), 4.09-4.07 (d, 1H), 4.02-4.01 (m, 1H), 3.86-3.78 (m, 4H), 3.77-3.72 (m, 1H), 3.68-3.64 (m, 1H) 2.39-2.36 (m, 1H), 1.84-1.82 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.12 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.09 (s, 3H), 0.04 (s, 3H)
(5)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[4-イソブチルオキシスルホニル-3-ブテン-1-イル]-5-メチルウリジン(5)の合成
化合物4(1.40g、2.09mmol)を脱水ジクロロメタン(10mL)に溶解させ、デスマーチンペルヨージナン(1.08g、2.55mmol)を加えて室温で2時間反応させた。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液-飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1:1、v/v、200mL)を加え、ジクロロメタン(200mL)3回で抽出操作を行った後、有機層の溶媒を減圧留去した。つづいて、脱水THF(10mL)にイソブチルジエチルホスホリルメタンスルホネート(610μL、2.52mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1320μL、7.56mmol)、臭化リチウム(665mg、7.66mmol)を加えて室温で10分間撹拌した。その溶液に、減圧留去後の残渣を脱水THF(10mL)に溶かして加え、室温で18時間反応させた。反応終了後に水(200mL)を加え、ジクロロメタン(200mL)3回で抽出操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物5(984mg、58%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ7.94 (s, 1H), 7.70-7.64 (m, 4H), 7.48-7.38 (m, 7H), 6.94-6.88 (m, 1H), 6.32-6.29 (d, 1H), 6.02 (d, 1H), 4.32-4.30 (t, 1H), 4.10-4.08 (d, 1H), 4.02-4.01 (m, 1H), 3.88-3.87 (d, 3H), 3.85-3.84 (m, 1H), 3.79-3.76 (m, 1H), 3.66-3.62 (m, 1H), 2.59-2.55 (m, 2H), 2.05-1.99 (m, 1H), 1.53 (s, 3H), 1.13 (s, 9H), 0.98-0.96 (d, 6H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 3H), 0.05 (s, 3H)
(6)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[4-イソブチリルオキシスルホニルブチル]-5-メチルウリジン(6)の合成
化合物5(1.02g、1.27mmol)をエタノール(6.4mL)に溶解させ、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム(73mg、1.93mmol)を加えて2時間反応させた。反応終了後、酢酸(220μL)を加えて30分撹拌し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)3回と飽和食塩水(100mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物6(807mg、79%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ7.93 (s, 1H), 7.69-7.67 (d, 2H), 7.65-7.64 (d, 2H), 7.47-7.45 (m, 3H), 7.41-7.39 (m, 4H), 6.04-6.03 (d, 1H), 4.30-4.29 (t, 1H), 4.08-4.05 (d, 1H) 4.01 (s, 1H), 3.99-3.97 (m, 3H), 3.84-3.83 (m, 1H), 3.64-3.61 (m, 1H), 3.55-3.51 (m, 1H), 3.15-3.11 (t, 2H), 2.03-1.98 (m, 3H), 1.76-1.73 (m, 2H), 1.53 (s, 3H), 1.12 (s, 9H), 0.99-0.97 (d, 6H), 0.88 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.03 (s, 3H)
(7)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[4-スルホナトブチル]-5-メチルウリジン(7)の合成
化合物6(717mg、0.89mmol)を脱水アセトン(9mL)に溶解させ、ヨウ化ナトリウム(672mg、4.48mmol)を加えて60℃で19時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてジクロロメタン-メタノールにより精製し、目的化合物7(849mg、quant)を得た。
1H NMR (DMSO, 500MHz) δ11.37 (s, 1H), 7.65-7.62 (m, 4H), 7.48-7.46 (m, 2H), 7.45-7.41 (m, 5H), 5.84-5.83 (d, 1H), 4.31 (m, 1H), 4.02-4.00 (t, 1H), 3.94-3.92 (m, 2H), 3.77-3.75 (d, 1H), 3.17-3.16 (d, 2H), 2.36-2.34 (m, 2H), 1.55-1.54 (m, 4H), 1.50 (s, 3H), 1.03 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H)
(8)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[4-{1-N-(1,2,4-トリアゾリル)スルホニル}ブチル]-5-メチルウリジン(8)の合成
化合物7(368mg、0.48mmol)を脱水ピリジンで3回、脱水トルエンで3回共沸し、脱水アセトン(4.8mL)に溶解させた。その溶液に18-クラウン-6エーテル(14mg、0.05mmol)とシアヌル酸クロリド(142mg、0.77mmol)を加えて60℃で4時間反応させた。その後、1,2,4-トリアゾール(695mg、10.06mmol)を加えて60℃で18時間反応させた。得られた反応溶液をセライトろ過し、ろ液を回収して溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物8(206mg、54%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ8.70 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.69-7.67 (d, 2H), 7.65-7.64 (d, 2H), 7.47-7.44 (m, 3H), 7.41-7.38 (m, 4H), 6.00-5.99 (d, 1H), 4.27-4.25 (t, 1H), 4.08-4.06 (d, 1H), 3.99 (s, 1H), 3.81-3.78 (m, 2H), 3.69-3.63 (m, 1H), 3.61-3.57 (m, 1H), 3.56-3.53 (t, 2H), 1.86-1.81 (m, 2H), 1.72-1.70 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.12 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.01 (s, 3H)
(9)5’-O-(tert-ブチルジフェニルシリル)-3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-O-[4-{(N-イソプロピル)スルファモイル}ブチル]-5-メチルウリジン(9b)の合成
化合物8(284mg、0.36mmol)を脱水アセトニトリル(3.6mL)に溶解させ、イソプロピルアミン(153μL、1.78mmol)を加えて50℃で24時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物9b(191mg、68%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500MHz) δ8.07 (s, 1H), 7.69-7.67 (d, 2H), 7.65-7.64 (d, 2H), 7.47-7.44 (m, 3H), 7.42-7.40 (m, 4H), 6.09-6.07 (d, 1H), 4.47-4.45 (d, 1H), 4.27-4.26 (t, 1H), 4.06-4.03 (d, 1H), 4.01 (s, 1H), 3.86-3.84 (t, 1H), 3.81-3.78 (d, 1H), 3.64-3.59 (m, 2H), 3.48-3.45 (m, 1H), 3.03-3.01 (m, 2H), 1.97-1.88 (m, 1H), 1.87-1.82 (m, 1H), 1.72-1.68 (m, 2H), 1.57 (s, 3H), 1.25-1.22 (t, 6H), 1.12 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.06 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)
(10)2’-O-[4-{(N-イソプロピル)スルファモイル}ブチル]-5-メチルウリジン(10b)の合成
化合物9b(191mg、0.24mmol)を脱水THF(2.4mL)に溶解させ、トリエチルアミン(67μL、0.49mmol)とトリエチルアミン3フッ化水素酸塩(157μL、0.97mmol)を加えて、室温で21時間反応させた。反応終了後、トリメチルエトキシシラン(378μL、2.43mmol)を加えて21時間撹拌し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてジクロロメタン-メタノールにより精製し、目的化合物10b(85mg、80%)を得た。
1H NMR (DMSO, 500MHz) δ11.31 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 6.93-6.91 (d, 1H), 5.84-5.83 (d, 1H), 5.17-5.16 (t, 1H), 5.09-5.08 (d, 1H), 4.11-4.10 (d, 1H), 3.88-3.86 (t, 1H), 3.84-3.83 (d, 1H), 3.67-3.65 (m, 1H), 3.60-3.54 (m, 2H), 3.51-3.46 (m, 1H), 3.40-3.36 (m, 1H), 2.98-2.95 (t, 2H), 1.76 (s, 3H), 1.69-1.66 (m, 2H), 1.64-1.60 (m, 2H), 1.09-1.08 (d, 6H)
(11)5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-O-[4-{(N-イソプロピル)スルファモイル}ブチル]-5-メチルウリジン(11b)の合成
化合物10b(84mg、0.19mmol)を脱水ピリジンで3回共沸し、脱水ピリジン(1.9mL)に溶解させた。その溶液に4,4’-ジメトキシトリチルクロリド(72mg、0.21mmol)を加えて室温で2時間反応させた。反応終了後、メタノール(0.5mL)を加えた後、酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)3回と飽和食塩水(40mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてジクロロメタン-メタノールにより精製し、目的化合物11b(114mg、82%)を得た。
1H NMR (DMSO, 500MHz) δ11.38 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.40-7.38 (d, 2H), 7.33-7.30 (t, 2H), 7.27-7.25 (m, 5H), 6.94-6.92 (d, 1H), 6.91-6.89 (d, 4H), 5.84-5.83 (d, 1H), 5.18-5.17 (d, 1H), 4.23-4.20 (m, 1H), 3.98-3.97 (m, 2H), 3.74 (s, 6H), 3.65-3.61 (m, 1H), 3.58-3.54 (m, 1H), 3.40-3.35 (m, 1H), 3.27-3.24 (m, 1H), 3.21-3.19 (m, 1H), 3.00-2.97 (m, 2H), 1.73-1.71 (m, 2H), 1.67-1.63 (m, 2H), 1.41 (s, 3H), 1.09-1.08 (d, 6H)
(12)5’-O-(4,4’-ジメトキシトリチル)-2’-O-[4-{(N-イソプロピル)スルファモイル}ブチル]-5-メチルウリジン 3’-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト)(12b)の合成
化合物11b(114mg、0.16mmol)を脱水ピリジンで5回、脱水トルエンで5回、脱水ジクロロメタンで3回共沸し、脱水ジクロロメタン(1.5mL)に溶解させた。その溶液にジイソプロピルエチルアミン(80μL、0.46mmol)と2-シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(51μL、0.22mmol)を加え、室温で1時間反応させた。反応終了後、ジクロロメタン(20mL)で反応溶液を希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)3回と飽和食塩水(20mL)2回で洗浄操作を行った。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてヘキサン-酢酸エチルにより精製し、目的化合物12b(114mg、78%)を得た。
1H NMR (DMSO, 400MHz) δ11.39 (s, 1H), 7.55-7.54 (m, 1H), 7.41-7.38 (m, 2H), 7.34-7.23 (m, 7H), 6.94-6.87 (m, 5H), 5.84-5.82 (m, 1H), 4.45-4.35 (m, 1H), 4.15-4.07 (m, 2H), 3.83-3.71 (m, 7H), 3.67-3.62 (m, 1H), 3.60-3.49 (m, 4H), 3.43-3.36 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 3.25-3.21 (m, 1H), 2.98-2.93 (m, 2H), 2.79-2.76 (m, 1H), 2.61-2.57 (m, 1H), 1.71-1.64 (m, 4H), 1.42-1.38 (m, 3H), 1.13-1.07 (m, 15H), 0.97-0.95 (m, 3H)
実施例3:アンチセンス核酸の合成及び評価
2’位にメチルスルホニルプロパン基を含むオリゴヌクレオチドの二重鎖安定性、酵素耐性、ルシフェラーゼアッセイを用いたアンチセンス活性について調べるために表1に示す配列(ON1、ON2a、ON2b、ON3a、ON3b、ON4a、ON4b、ON6a、ON6b、ON7aおよびON7b)をDNA/RNA自動合成機nS-8IIで化合物12a(実施例1参照)をオリゴヌクレオチド鎖中へと導入した。縮合時間は12分2回おこない、標準のアミダイトより長い時間行なった。
ON5、cRNA1とcRNA2は、Integrated DNA Technology,Inc.,Japanから購入した。はじめに、2’-O-[3-(N-メチル)スルホニルプロパン]を含むオリゴヌクレオチドの二重鎖融解温度を測定した(表2)。ON1とON2a、ON2bの熱融解温度はそれぞれ56.3、55.1、56.0℃と決定された。同様にON3aとON3b、ON4aとON4bの熱融解温度は55.1、55.5、55.5、56.4℃となった。これらの結果から、すでに報告されているMCE修飾とほぼ同等の二重鎖安定性を有していることが示唆された。
つづいて、Crotalus adamanteus毒からの3’から5’-エキソヌクレアーゼであるホスホジエステラーゼIを使用して、ON4aとON4b酵素耐性を評価した。50mM Tris・HCl、10mM MgCl溶液中、ON7aとON7bの終濃度が2.5μMになるように調整し、SVPDE 0.00002単位/μLを用いて37℃で反応させ、10分、20分、30分、60分、120分の時に2μL取り、0.1%BPB、10M尿素、50mM EDTAを8μL加えて反応停止した。そのうち4μLをゲル電気泳動のサンプルとして用いた。ネイティブPAGEで分析し、各時間での残留している完全長オリゴヌクレオチドを、フルオロイメージャーを使用して定量した(図1参照)。図1の結果から、TMSPを導入したON7bは比較として用いたTMCEが導入されたON7aと同等の安定性であることを明確に示している。半減期はもとの完全長オリゴヌクレオチドの50%が残ったポイントから計算され、ON7aに対して正規化した。ON7b4bの相対的な半減期は0.9とほぼ同等である。
MCE修飾されたオリゴヌクレオチドは、MOE修飾されたオリゴヌクレオチドより3倍の半減期を示すことが以前に報告されている(https://pubs.rsc.org/en/content/articlepdf/2019/ob/c9ob00668k)。ON7aと比較してTMSPが導入されたON7bは2.1倍を示しており、TMCEよりもヌクレアーゼによるオリゴヌクレオチドの分解に対して安定であると考えられる。
本発明者らは、HWE反応を用いた増炭反応を用いて炭素数3のスルホニルプロパン骨格を足場とした[3-(N-methyl)sulfonyl propane] 5-methyluridineを2’位の新たな修飾基を含むアミダイトユニットを合成するためのスキームを開発しました。トリアゾリル活性化体を用いることでカルバモイルエチル型修飾核酸と同様に種々のアミンを導入することが可能となった。TMSPのオリゴヌクレオチドへの導入を行ったのちに、二重鎖安定性、エキソヌクレアーゼによる酵素耐性を評価した。その結果、すでに報告されているMCE修飾と同等の二重鎖融解温度を示すことを明らかとし、相補鎖への親和性を維持しながらMCEより高い酵素耐性を示すことが明らかとした。今後、直鎖アルキル基やカチオン性、アニオン性の修飾基の導入や、末端にアジド基を有するアミンを使用することで外部アルケンとのクリック反応可能な官能基の共役リンカーとしてもちいてバイオオルソゴナルな反応も可能となれば、新たな機能性核酸の開発促進に貢献できる可能性がある。
本発明のアンチセンス分子及び該アンチセンス核酸等は、生体内で分解されずにかつ標的核酸に対する結合能を保持することができるため、実用性の高いアンチセンス核酸医薬の開発に大きく貢献するものである。
本明細書に引用する全ての刊行物及び特許文献は、参照により全体として本明細書中に援用される。なお、例示を目的として、本発明の特定の実施形態を本明細書において説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の改変が行われる場合があることは、当業者に容易に理解されるであろう。

Claims (7)

  1. 五炭糖の2’位にアミノスルホニルアルコキシ基を有する人工核酸。
  2. 下記の式(I):
    [式中、
    Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基であり;
    及びRは、同一であるか又は異なり、水素原子、水酸基の保護基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、スルホニル基、シリル基、リン酸基、保護基で保護されたリン酸基、又は-P(OR)R〔ここで、Rは、2-シアノエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、ニトロフェニルエチル基、又は2-ニトロエチル基であり;Rは、-N(R(ここで、Rは、独立して、C1~6アルキル基、または窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択される3個までのヘテロ原子を有する4~7員環のへテロシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルケニルであるか、又は2つのアルキル基が互いに結合して環を形成する)、モルホリノ基、又はジアルキルアミノ基である〕であり;
    は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル、及びアミノアルキルからなる群から選択され;
    Xは、C1~5アルキレン基である]
    で表される、請求項1に記載の人工核酸。
  3. が、水素原子、又は水酸基の保護基であり;
    が、リン酸基であり;
    が、メチル基である、
    請求項1に記載の人工核酸。
  4. アンチセンス核酸、siRNA、アプタマー、アンチジーン核酸、デコイ核酸、マイクロRNA、又はリボザイムに導入するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の人工核酸。
  5. 5~15塩基のデオキシリボ核酸からなるギャップ領域、ならびに該ギャップ領域の5’及び3’末端に各々、2~10個の2’-修飾又は2’,4’-修飾された核酸からなるウイング領域を有する架橋型のアンチセンス核酸であって、前記ウイング領域又はギャップ領域において、請求項1~4のいずれか1項に記載の人工核酸が1個又は複数個が挿入され、及び/又は天然の塩基を有する核酸がそれにより置換されている、上記アンチセンス核酸。
  6. 2’,4’-修飾された核酸が、下記:
    〔式中、
    は、水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のアルキニル基、及び置換又は未置換のアリール基からなる群から選択され;
    及びRは、同一であるか又は異なり、各々独立して、水素原子、又は構造:
    (式中、
    は、隣接する核酸との結合点、又はOHであり;及び
    Yは、S又はOである)
    であり;
    Bは、保護基又は修飾基を有していてもよい核酸塩基の残基を表す]
    からなる群から選択される、請求項5に記載のアンチセンス核酸。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の人工核酸を製造する方法であって、
    下記の式(II):
    〔式中、R、R、及びBは、請求項1に定義される通りである〕
    で表される出発物質をC1~5アルキレングリコールと反応させて、下記の式(III):
    〔式中、
    、R、及びBは、請求項1に定義される通りであり;
    X’は、C2~4アルキレン基である〕
    で表される化合物を得、さらにXに結合した水酸基をアルデヒドに酸化後、Horner-Wadsworth-Emmons(HWE)反応により増炭させて、下記の式(I):
    〔式中、R、R、R、B、及びXは、請求項1に定義される通りである〕
    で表される生成物を得ることを含む方法。
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