JP2023127467A - 本人確認装置及び本人確認方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本人確認が必要な取引を利用者が実行しようとする場合に、利用者自身の操作による本人確認における顔照合率を向上させる方法を提供する。【解決手段】本人確認装置100は、所定のタイミングで利用者に向けた案内を出力する表示操作部102と、本人確認書類から、特定の人物の本人顔画像を読み取る本人情報読取部(表面撮影部104、裏面撮影部105及び非接触IC読取部114)と、利用者をカメラで撮影して利用者顔画像を取得する顔撮影部106と、顔認証アルゴリズムを利用して本人顔画像と利用者顔画像とを照合する顔照合を実行することにより、利用者が特定の人物であるかを判定する照合部120と、照合部120による判定の結果に基づいて、本人確認の結果を決定する制御部101と、を備え、照合部120による顔照合の実行前または実行中に、案内部が、顔照合に好適な顔の容姿及び向きに利用者を誘導する動画を表示する。【選択図】図2

Description

本発明は、本人確認装置及び本人確認方法に関し、装置に搭載したカメラで撮影した顔画像を本人確認書類の顔画像と照合して本人確認を行う本人確認装置及び本人確認方法に適用して好適なものである。
近年、キャッシュレス化や業務改革による窓口従業員の業務量低下に伴い、窓口業務のセルフ化を推進することによる効率化が進められている。また、以前より問題になっていたマネーロンダリングの防止、テロ組織への資金流出防止、なりすまし取引の防止を目的として、法改正によりオンライン完結による本人確認方法が新設されたこともあり、利用者の本人確認を行う窓口業務についても、業務の効率化が求められている。
上述した本人確認業務の効率化を実現するためには、現金自動取引装置や証明書発行装置等に、顔認証技術を利用した本人確認機能を持たせ、利用者自身に本人確認の操作を行わせることが考えられる。このような本人確認機能を有する装置では、装置に搭載したカメラで撮影した利用者の顔画像を、写真付き本人確認書類の非接触ICチップ内の顔画像情報または券面の顔画像等と照合することにより(顔照合)、利用者が本人確認書類の本人であるかを認証する。但し、窓口担当者等が介在せずに利用者自身が本人確認の操作を行う場合には、適切な撮影条件で利用者の顔画像が撮影されない状況が想定されるため、顔照合用の適切な顔画像を撮影できるように、利用者に何らかの案内(ガイダンス)を行って、利用者を誘導することが必要である。
例えば特許文献1には、現金自動取引装置において顔画像による個人認証を行うとき、照合が正常にできなかった場合に、利用者へガイダンス画面を表示する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術によれば、利用者がマスク等を装着しているために照合が正常にできない場合、マスク等を装着した現在の顔画像を利用者に表示することで、マスク等を外してもらうように誘導することができる。
特開2014-98955号公報
しかし、顔照合用の適切な顔画像が撮影できない理由は、特許文献1に開示されたようなマスク等の装着(利用者の容姿)だけに限られるものではなく、利用者の体格や姿勢等の様々な要因が存在する。現金自動取引装置や証明書発行装置等では、顔照合カメラを取り付け可能な位置は制限され、顔照合カメラの撮影方向も固定的であることが多い。したがって、顔照合カメラが適切な顔画像を撮影するためには、利用者の顔の位置や向きが重要となる。例えば、利用者の顔が顔照合カメラの撮影範囲内に収まるように撮影しても、利用者の身長によって顔照合カメラに対する顔の角度(向き)が異なってくる。この場合、撮影した顔画像と本人確認書類における顔画像との間に差異が生じることで顔照合率が低下してしまうおそれがあり、この問題を解消するためには、適切な向きで顔照合カメラを向いてもらうように利用者を誘導することが必要となる。
しかし、特許文献1には、利用者の体格や姿勢の要因に対して修正方法を案内するといった点は考慮されておらず、マスク装着以外の要因によって適切な顔画像を撮影できない状況が想定される。また、特許文献1では、マスクの装着について言及されているが、容姿に関して顔照合率が低下する要因としては、他にも例えば、髪型、眼鏡、帽子などがある。このような容姿の要因を解消する案内についても、特許文献1には十分な開示がされているとは言い難い。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、本人確認が必要な取引を利用者が実行しようとする場合に、本人確認に好適な顔画像を撮影するための案内(ガイダンス)を利用者に提示することにより、利用者自身の操作による本人確認における顔照合率を向上させることが可能な本人確認装置及び本人確認方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、取引を実行しようとする利用者に対して、当該利用者が提示した本人確認書類に基づいた本人確認を行う本人確認装置であって、前記本人確認書類は、前記取引の実行が許可された特定の人物に関する情報が記録された媒体であり、当該特定の人物の顔画像を少なくとも有し、前記本人確認装置は、所定のタイミングで前記利用者に向けた案内を出力する案内部と、前記本人確認書類から、前記特定の人物の顔画像である本人顔画像を含む所定の情報を読み取る本人情報読取部と、前記利用者をカメラで撮影して利用者顔画像を取得する顔撮影部と、顔認証アルゴリズムを利用して前記本人顔画像と前記利用者顔画像とを照合する顔照合を実行することにより、前記利用者が前記特定の人物であるかを判定する照合部と、前記照合部による判定の結果に基づいて、前記本人確認の結果を決定する制御部と、を備え、前記照合部による前記顔照合の実行前または実行中に、前記案内部が、前記顔照合に好適な顔の容姿及び向きに前記利用者を誘導する動画を表示することを特徴とする本人確認装置が提供される。
また、かかる課題を解決するため本発明においては、取引を実行しようとする利用者に対して、当該利用者が提示した本人確認書類に基づいた本人確認を行う本人確認装置による本人確認方法であって、前記本人確認書類は、前記取引の実行が許可された特定の人物に関する情報が記録された媒体であり、当該特定の人物の顔画像を少なくとも有し、前記本人確認装置は、所定のタイミングで前記利用者に向けた案内を出力する案内部と、前記本人確認書類から、前記特定の人物の顔画像である本人顔画像を含む所定の情報を読み取る本人情報読取部と、前記利用者をカメラで撮影して利用者顔画像を取得する顔撮影部と、顔認証アルゴリズムを利用して前記本人顔画像と前記利用者顔画像とを照合する顔照合を実行することにより、前記利用者が前記特定の人物であるかを判定する照合部と、前記照合部による判定の結果に基づいて、前記本人確認の結果を決定する制御部と、を有し、前記照合部による前記顔照合の実行前または実行中に、前記案内部が、前記顔照合に好適な顔の容姿及び向きに前記利用者を誘導する動画を表示することを特徴とする本人確認方法が提供される。
本発明によれば、本人確認が必要な取引を利用者が実行しようとする場合に、利用者自身の操作による本人確認における顔照合率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る本人確認装置100が搭載された現金自動取引装置1を示す図である。 本人確認装置100の内部構成例を示すブロック図である。 本人確認処理を含む取引の処理手順例を示すフローチャートである。 顔照合の開始前に提示される案内例(その1)を示す図である。 顔照合の開始前に提示される案内例(その2)を示す図である。 顔照合の開始前に表示される動画の画面遷移例を示す図である。 顔照合の開始時に提示される案内例を示す図である。 顔照合中に提示される案内例を示す図である。 顔照合中に表示される動画の画面遷移例を示す図である。 顔照合の結果が異常であった場合に提示される案内例を示す図である。 顔姿勢照合中に提示される案内例を示す図である。 顔姿勢照合中に表示される動画の画面遷移例を示す図である。 第2の実施形態における本人確認処理を含む取引の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態における顔照合ステップの処理手順例を示すフローチャートである。 第3の実施形態における顔照合中画面アニメーションの画面遷移例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述する。
なお、以下の記載及び図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。本発明が実施形態に制限されることは無く、本発明の思想に合致するあらゆる応用例が本発明の技術的範囲に含まれる。本発明は、当業者であれば本発明の範囲内で様々な追加や変更等を行うことができる。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号又は参照符号における共通番号を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、その要素の参照符号を使用又は参照符号に代えてその要素に割り振られたIDを使用することがある。
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、少なくとも1以上のプロセッサ(例えばCPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び/又はインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノード、ストレージシステム、ストレージ装置、サーバ、管理計算機、クライアント、又は、ホストであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体(例えばプロセッサ)は、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路を含んでもよい。例えば、プログラムを実行して行う処理の主体は、暗号化及び復号化、又は圧縮及び伸張を実行するハードウェア回路を含んでもよい。プロセッサは、プログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。プロセッサを含む装置及びシステムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサ(例えばCPU)と記憶資源を含み、記憶資源はさらに配布プログラムと配布対象であるプログラムとを記憶してよい。そして、プログラム配布サーバのプロセッサが配布プログラムを実行することで、プログラム配布サーバのプロセッサは配布対象のプログラムを他の計算機に配布してよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
(1)第1の実施形態
(1-1)構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る本人確認装置100が搭載された現金自動取引装置1を示す図である。本人確認装置100は、例えば現金自動取引装置1の内部に設置され、その詳細な内部構成は図2を参照して後述する。
図1に示した顔照合カメラ106は、本人確認装置100の構成要素の1つであって、図2に示す顔撮影部106に相当する。現金自動取引装置1に搭載された本人確認装置100は、利用者が現金自動取引装置1を使って所定の取引を実行しようとするときに、利用者に本人確認書類の提示を要求し、顔照合カメラ106が撮影した利用者の顔画像を用いて、当該利用者が本人確認書類が示す人物(本人)であるかを確認する「本人確認」を行う。
本人確認書類は、取引の実行が許可された特定の人物に関する情報が記録された媒体であり、当該人物の顔画像が添付されている。本人確認書類の媒体は、アナログデータが記載された紙媒体でもよいし、デジタルデータが記録されたICチップを内蔵するICカード等であってもよい。そして、本人確認書類における顔画像の添付は、顔写真が貼付される等の直接的な添付であってもよいし、顔画像のデータがICチップに記憶される等の間接的な添付であってもよい。
図1には、現金自動取引装置1に搭載された顔照合カメラ106による撮影範囲が模式的に示されている。現金自動取引装置1は例えば高さが約1200mm以下の装置であって、その前面(利用者側)に顔照合カメラ106が取り付けられている。すなわち、図1の場合、顔照合カメラ106の地上からの高さは、1200mm以下となる。
ここで、現金自動取引装置1の利用者の身長は様々であり、身長が高すぎたり低すぎたりすると、顔照合カメラ106の撮影中心位置から利用者の顔が外れてしまう。また、顔照合カメラ106の撮影可能範囲に利用者の顔が収まったとしても、利用者の目と顔照合カメラ106との位置関係によって、顔照合カメラ106に対する顔の向きは様々な角度となる。例えば、利用者の身長が高かったり顔照合カメラ106の取り付け位置が低かったりする場合、利用者は顔照合カメラ106を見下ろすことになり、利用者の身長が低かったり顔照合カメラ106の取り付け位置が高かったりする場合、利用者は顔照合カメラ106を見上げることになる。
そして、顔照合カメラ106が利用者の目線よりも下にある場合、利用者は顔全体を顔照合カメラ106に向けずに目線だけを向けて撮影してしまうことがあり、この場合、撮影された顔画像(以後、利用者顔画像と称する)は、本人確認書類の顔画像(以後、本人顔画像と称する)とは異なる顔の向きになってしまう。また、横を向いて撮影した場合も、利用者顔画像は本人顔画像とは異なる顔の向きになってしまう。このように、本人顔画像とは異なる向きで利用者顔画像が撮影されると、本人確認における顔照合の照合率が低下する要因となり、取引の実行に影響が出るおそれがある。そこで、本実施形態に係る本人確認装置100は、本人確認に好適な顔画像の顔照合カメラ106による撮影を実現するために、利用者に分かりやすい動画(例えばアニメーション)または音声による案内(ガイダンス)を提示することで、顔照合の照合率を高め、取引への影響を低減する。
図2は、本人確認装置100の内部構成例を示すブロック図である。本人確認装置100は、利用者が自ら操作して本人確認を行うことができる装置であって、制御部101、表示操作部102、オペレータ表示操作部103、表面撮影部104、裏面撮影部105、顔撮影部106、IO制御部111、表面照明部112、裏面照明部113、非接触IC読取部114、音声入力部115、音声出力部116、電源部117、及び照合部120を備えて構成される。なお、照合部120は、図2に示したように本人確認装置100の外部に設置されて接続される構成であってもよいが、本人確認装置100の内部に組み込まれる構成であってもよい。
制御部101は、本人確認装置100の各構成を全体的に制御する。図2の場合、制御部101は、照合部120にUSB(Universal Serial Bus)またはBluetooth(登録商標)で接続される。
制御部101は、図2において制御部101に接続される顔撮影部106等の各構成の動作を制御する他、入出力の制御を司るIO制御部111に接続される表面照明部112等の各構成についても、IO制御部111を介してこれらの動作を制御することができる。例えば、制御部101は、IO制御部111を介して、非接触IC読取部114に対して本人確認情報のICチップからの情報の読み取りを指示したり、本人確認装置100の電源を制御する電源部117に対して電源断などの指示を行ったりすることができる。
なお、制御部101及びIO制御部111は、プロセッサがプログラムを実行することによるソフトウェアで実現されてもよいし、一部またはすべてがハードウェア回路で実現されてもよい。
表示操作部102は、利用者向けの入出力装置であって、案内表示を行う表示部107と、利用者の操作を受け付ける操作部108とを有する。操作部108がタッチパネル機能を有する場合、表示部107と操作部108は、共用の表示操作画面を有するタッチディスプレイで実現することができる。利用者は、表示部107が表示した案内画面や音声出力部116が出力した音声等の指示に従って、タッチ操作を行い、その操作内容を操作部108が受け取る。具体的には、操作部108は、表示操作画面に表示されたソフトウェアキーを利用者がタッチ操作した場合に、その操作内容を受け取り、制御部101に送信する。例えば、本人確認書類に搭載されたICチップ(非接触IC)からの情報の読み取りにおいて本人確認用の暗証番号等の所定情報の入力が必要になる場合に、操作部108が利用される。
表示操作部102の表示操作画面には、プライバシーフィルムを貼付することによって、利用者の操作を他者から見え難くして、セキュリティを高めることができる。また、表示操作部102は、空中タッチ操作ディスプレイで実現されてもよく、この場合、案内画面に加えて操作ボタンを空中に表示することで、利用者は画面などに直接手を触れることなく清潔に操作することが可能となる。また、利用者が音声で操作内容を音声入力部115のマイクに入力し、音声認識が行われるように構成してもよく、このような構成の場合、音声による操作が可能となることから、利用者は清潔に操作することが可能となる。
オペレータ表示操作部103は、現金自動取引装置1のオペレータ向けの入出力装置であって、機能的には、オペレータ向けの画像を表示する表示部109と、オペレータの操作を受け付ける操作部110と、を有する。オペレータ向けの表示及び操作は、本発明の主要な特徴との関わりが低いため、詳細な説明を省略する。
なお、表示操作部102及びオペレータ表示操作部103の表示操作画面は、個別に実装されてもよいし、共通化して実装されてもよい。さらに、これらの表示操作画面は、現金自動取引装置1の画面を利用してもよい。
表面撮影部104、裏面撮影部105、表面照明部112、裏面照明部113、及び非接触IC読取部114は、本人確認書類から所定の情報を取得するための構成である。表面撮影部104及び裏面撮影部105は、本人確認書類を撮影する機能を有し、表面照明部112及び裏面照明部113は、本人確認書類の撮影のために、光源から光を照射する機能を有する。非接触IC読取部114は、本人確認書類に搭載された非接触ICに記憶された情報(IC登録情報)を読み取る機能を有する。
本人確認書類の撮影では、表示操作部102の表示操作画面に示された案内に従って、利用者が表面を表面撮影部104に向けて本人確認書類を所定の場所に置く。そして、表面照明部112及び裏面照明部113が光源を発光させて本人確認書類を照射しているなかで、表面撮影部104及び裏面撮影部105が本人確認書類を撮影する。
本人確認書類の撮影について詳しく説明すると、表面照明部112は、複数の通常光源を有し、所定の場所に置かれた本人確認書類の表面を照射する。この照射光を利用して、表面撮影部104は、本人確認書類の表面を撮影することができ、その撮影データを制御部101に送信する。一方、裏面照明部113は、複数の透過光源を有し、所定の場所に置かれた本人確認書類を表面側から照射する。裏面照明部113の透過光源から照射された光は、本人確認書類を透過し、この透過光を利用して、裏面撮影部105は本人確認書類の裏面を撮影することができ、その撮影データを制御部101に送信する。
上記のように構成されることで、本人確認装置100は、本人確認書類を裏返す操作を必要とせずに、本人確認書類を所定の場所に置いた状態のまま、表面撮影部104及び裏面撮影部105によって本人確認書類の両面を撮影することができる。
なお、裏面照明部113は、殺菌を目的とした紫外線光源(UV-C)を搭載してもよい。この場合、裏面照明部113は、本人確認を行っている間に紫外線光源を照射することで、本人確認書類の表面を殺菌することができる。
また、本人確認書類に非接触ICが搭載されている場合には、非接触IC読取部114が非接触ICに記憶されたIC登録情報を読み取る。非接触方式によるIC登録情報の読み取りは、既存の技術を利用すればよいので、詳細な説明を省略する。IC登録情報の読み取りに際して、暗証番号等の所定情報の入力が必要とされる場合には、利用者が表示操作画面に所定情報を入力し、操作部108が入力内容を受け取る。この結果、本人確認装置100は、IC登録情報の読み取りも、本人確認書類を裏返す操作を必要とせずに、本人確認書類を所定の場所に置いた状態のまま実行することができる。
以上のようにして、本人確認装置100は、本人確認書類の真贋判定及び利用者の本人確認において必要となる画像や情報を、本人確認書類から取得することができる。
顔撮影部106は、利用者の本人確認を行うために、利用者の顔を撮影する顔照合カメラである。顔撮影部106は、制御部101からの指示に従って撮影を行い、撮影した顔画像(利用者顔画像)を制御部101に送信する。
音声入力部115は、例えばマイクであって、利用者からの音声入力を受け付ける。前述したように、音声入力部115は、入力された音声に対して音声認識を行うようにしてもよい。音声出力部116は、例えばスピーカであって、音声による案内を出力する。
照合部120は、本人確認書類の顔画像(本人顔画像)と顔撮影部106が撮影した利用者の顔画像(利用者顔画像)とに対して、既知の顔認証アルゴリズムを利用して顔画像の照合を行うことにより、利用者顔画像に示される利用者が本人確認書類に示される人物と同一の人物であるかを判定する「顔照合」の機能を有する。照合部120は、顔照合の判定結果を出力することができ、利用者が本人確認書類の人物と一致せずに「異常(失敗)」と判定した場合には、その異常の要因を合わせて出力することができる。
また、照合部120は、顔撮影部106が異なるタイミングで利用者を撮影した複数パターンの利用者顔画像に対して、既知の生体認証アルゴリズムを利用して生体性の照合を行うことにより、利用者顔画像に示される利用者(言い換えれば、本人確認操作を行っている利用者)が利用者本人であるかを判定する「顔姿勢照合」の機能を有する。顔姿勢照合が行われることにより、利用者のなりすましを防止することができる。
モバイル端末130は、利用者が携帯する端末である。利用者は、例えばWiFi、USB、またはBluetoothの何れかの方法で、モバイル端末130を照合部120に接続し、本人確認装置100の表示部107に表示された2次元コードをモバイル端末130で読み取り、当該2次元コードに対応するURLに接続する。そして、このURLにおいて、利用者は、取引事項、個人情報許諾、または個人情報の入力等を実行することができる。
(1-2)処理
図3は、本人確認処理を含む取引の処理手順の一例を示すフローチャートである。本人確認処理は、利用者が本人確認書類に示される人物であるかを確認する処理であって、利用者自身の操作に基づいて、本人確認装置100が実行する。利用者が現金自動取引装置1で取引を行おうとするとき、取引を行って良い相手であるかを判断するために、利用者に対する本人確認処理が行われる。
図3によればまず、利用者を検知した現金自動取引装置1の制御部(不図示)が、所定の取引選択画面を表示して、実行を希望する取引の選択操作を利用者に要求する(ステップS101)。本例では、本人確認書類を用いた本人確認が必要な取引が選択されたとする。この場合、選択された取引の実行前に、ステップS102~S117において本人確認装置100による本人確認処理が実行される。
本人確認処理は、本人確認書類から本人確認に必要な情報を読み取る情報読取ステップ(ステップS102~S106)、利用者顔画像に示される利用者が本人顔画像と同一の人物であるかを判定する顔照合ステップ(ステップS107~S110)、利用者顔画像に示される利用者が本人確認装置100の前に実在する人物であるかを判定する顔姿勢照合ステップ(ステップS111~S113)、及び、上記各ステップの結果を踏まえて利用者が本人確認書類に示された本人であるかを総合的に判定する総合判定ステップ(ステップS114~S116)に大別することができる。
情報読取ステップでは、まず、本人確認装置100の制御部101が、表示操作部102の表示操作画面に案内表示を行わせたり、音声出力部116に音声案内を行わせたりして、本人確認書類の設置を利用者に要求する(ステップS102)。この要求に応えて、利用者は所定の位置に本人確認書類を設置する。
なお、表示操作部102の表示操作画面に画面表示を行う場合、厳密には、制御部101が表示部107に画面の表示を指示し、この指示に応えて表示部107が表示操作画面に画面を表示するといった処理によって実現されるが、以降では記載を簡便にするため、「制御部101が表示操作部102の表示操作画面に画面を表示する」、「制御部101が表示部107に画面を表示させる」、または「表示部107(または表示操作部102)が画面を表示する」といった記載を行う。また、制御部101がIO制御部111を介して行う制御についても、記載を簡便にするため、IO制御部111の記載を省略することがある。以上のような記載の省略は、制御部101が制御する各部の動作全般に適用される。
ここで、本人確認書類に非接触で読み取り可能なICチップ(非接触IC)が搭載されている場合、非接触ICに記憶された情報(IC登録情報)の読み取りに対して、所定情報の入力が要求されることがある。所定情報とは例えば暗証情報等である。そこで、ステップS102で設置された本人確認書類からIC登録情報を読み取る際に所定情報の入力が必要な場合、制御部101は、表示部107による画面表示や音声出力部116による音声案内を行って、所定情報の入力を利用者に要求する(ステップS103)。この要求に応えて、利用者は表示操作部102の表示操作画面に対して暗証番号等の所定情報を入力する操作を行い、操作部108が操作によって入力された所定情報を制御部101に送信する。制御部101は、受信した所定情報を照合部120に送り、照合部120が、当該所定情報が正しいか(例えば、非接触ICに紐づけて事前に登録された暗証番号であるか等)認証し、その認証結果を制御部101に返す。所定情報の認証は上記方法に限定されるものではなく、一般的に知られたその他の認証方法を用いてもよい。そして、利用者から入力された所定情報が正しいと認証された場合に、ステップS104以降の処理が行われる。
ステップS104において、制御部101は、ステップS102で設置された本人確認書類に対して、券面の画像撮影、及び非接触ICのIC登録情報の読み取りを行う。より具体的には、制御部101は、表面撮影部104によって券面の表面を撮影し、裏面撮影部105によって券面の裏面を撮影する。また、制御部101は、非接触IC読取部114によって非接触ICからIC登録情報を読み取る。
次に、制御部101は、ステップS104において本人確認の際に必要となる情報が十分に取得できたか否かを判定する(ステップS105)。情報が十分に取得できたと判定した場合(ステップS105のYES)、情報読取ステップを終了して顔照合ステップのステップS107に進む。一方、情報が十分に取得できていないと判定した場合(ステップS105のNO)、制御部101は、本人確認書類の読み取りの異常に対応する異常案内を行い(ステップS106)、その後はステップS104に戻って本人確認書類からの情報の取得をやり直す。上記異常案内は、表示操作部102の表示操作画面への表示、または音声出力部116による音声出力の少なくとも何れかの方法によって行われる。
顔照合ステップでは、まず、制御部101が、顔撮影部106によって利用者の顔の撮影を開始する(ステップS107)。さらに制御部101は、撮影した利用者顔画像を解析し、利用者がマスクやサングラス等を装着しているかを検知する。なお、ステップS107以降、顔撮影部106は、連続的(周期的に繰り返すこと、または断続的に繰り返すことを含む)に、利用者の顔画像を撮影し続ける。ステップS107で開始された顔画像の撮影は、少なくとも、顔照合が正常に終了する(ステップS109のYES)か、顔姿勢照合が正常に終了する(ステップS112のYES)まで継続されることが好ましい。そして、顔撮影部106が撮影したこれらの利用者顔画像は、後述するステップS108の顔照合に用いられる。
次に、制御部101は、顔撮影部106が撮影した利用者顔画像と、ステップS104で本人確認書類から取得した情報に含まれる本人顔画像とを照合部120に送信し、これらの情報を用いた顔照合の実行を要求する。照合部120は、顔認証アルゴリズムを利用して、利用者顔画像を本人顔画像と照合することにより、利用者顔画像に示される利用者が本人確認書類の本人であるかを判定し、その判定結果を制御部101に応答する(ステップS108)。顔照合の結果を異常と判定した(利用者が本人ではないと判定した)場合、照合部120は、その異常の要因を判定結果とともに制御部101に送信する。なお、顔照合に用いられる利用者顔画像は、顔撮影部106が連続的に撮影した複数パターンの画像のうちから、顔の位置や向き等を考慮して、照合に適している画像が選択される。この利用者顔画像の選択は、照合部120が行ってもよいし、現金自動取引装置1内で制御部101が行うようにしてもよい。
次に、制御部101は、ステップS108の顔照合による判定結果が正常であるか否かを確認する(ステップS109)。例えば、利用者が本人確認書類の本人であっても、利用者がマスクやサングラス等を装着している場合には、顔照合で正常と判定されない可能性がある。顔照合の判定結果が正常である場合は(ステップS109のYES)、顔照合ステップを終了して顔姿勢照合ステップのステップS111に進む。顔照合の判定結果が正常ではない場合は(ステップS109のNO)、制御部101は、顔照合結果の異常に対応する異常案内を行い(ステップS110)、その後はステップS109に戻り、顔照合をやり直す。上記異常案内は、表示操作部102の表示操作画面への表示、または音声出力部116による音声出力の少なくとも何れかの方法によって行われる。
顔姿勢照合ステップでは、制御部101が、顔撮影部106が撮影した複数パターンの利用者顔画像を照合部120に送信し、これらの情報を用いた顔姿勢照合の実行を要求する。照合部120は、生体認証アルゴリズムを利用して、複数パターンの利用者顔画像から利用者の生体性を照合することにより、利用者顔画像に示される利用者が本人確認装置100(現金自動取引装置1)の前に実在する人物であるかを判定し、その判定結果を制御部101に応答する(ステップS111)。
次に、制御部101は、ステップS111の顔姿勢照合による判定結果が正常であるか否かを確認する(ステップS112)。判定結果が正常である場合は(ステップS112のYES)、顔姿勢照合ステップを終了して総合判定ステップのステップS114に進む。ステップS112において判定結果が正常ではない場合(ステップS112のNO)、制御部101は、顔姿勢照合結果の異常に対応する異常案内を行い(ステップS113)、その後はステップS111に戻り、顔姿勢照合をやり直す。
総合判定ステップでは、制御部101が、顔照合の判定結果と顔姿勢照合の判定結果とを用いて、予め定められた判定基準に基づいて、利用者が本人確認書類に示された本人であるかを総合的に判定する(ステップS114)。判定基準は、例えばステップS101で選択された取引の種類や取り扱う金額等によって定められている。したがって、取引によっては、顔照合または顔姿勢照合の何れかが正常な判定結果でなくても、制御部101は、ステップS114において本人確認を正常と判定することができる。また、情報読取ステップで読み取った本人確認書類の情報を、ステップS114の判定要素に含めるようにしてもよい。
次に、制御部101は、ステップS114の総合判定による判定結果が正常であるか否かを確認する(ステップS115)。総合判定の判定結果が正常である場合は(ステップS115のYES)、ステップS117に進む。ステップS117に進んだ段階で、利用者はステップS101で選択された取引の実行が許可される。一方、総合判定の判定結果が正常ではない場合には(ステップS115のNO)、制御部101は、総合判定結果(本人確認結果)の異常に対応する異常案内を行い(ステップS116)、その後はステップS102に戻り、本人確認処理をやり直す。
ステップS117では、制御部101は、表示操作部102の表示操作画面に利用者の登録情報を表示して、利用者にその確認を求める。表示される登録情報は、例えば、利用者の氏名、生年月日、住所、電話番号等の個人情報であり、この他に、本人確認情報のセキュリティコードや有効期限等も含まれる。制御部101は、ステップS104で本人確認書類から読み取った情報から、これらの登録情報を抽出し、表示操作画面に表示させる。利用者は、表示された登録情報を変更したい場合、表示操作画面に対して訂正操作を行う。操作部108が訂正操作を受け付けると、制御部101は、その操作内容に応じて登録情報を変更する。制御部101は、表示操作画面に変更後の登録情報を表示して利用者に確認を求めてもよい。
そして最後に、制御部101が、ステップS101で選択された取引に関して本人確認が正常に終了した旨を、現金自動取引装置1の制御部に通知し、この通知を受けて、現金自動取引装置1の制御部は、取引を実行する(ステップS118)。
なお、図3に示した本人確認処理の処理手順は一例であって、本実施形態は、各ステップの実行に関して様々な変形例を採用することができる。具体的には例えば、顔照合ステップ及び顔姿勢照合ステップは、情報読取ステップの後であれば、その実行順序が入れ替わってもよい。また例えば、顔姿勢照合ステップは、本人確認書類との照合が不要なことから、現金自動取引装置1の内部で制御部101が処理を実行するとしてもよい。また例えば、ステップS117における登録情報の確認及び訂正の処理は、実行されないとしてもよい。
(1-3)画面例
以下では、本人確認処理において表示操作画面に表示される画面及び音声出力の具体例を参照しながら、各段階で利用者に提示される案内(ガイダンス)を詳しく説明する。
図4は、顔照合の開始前に提示される案内例(その1)を示す図である。図4は、サングラス、マスク、または帽子を装着した状態の顔画像だと顔照合の照合率が低下することを考慮して、図3のステップS108の顔照合が行われる前に、利用者に適切な容姿を促すための案内例である。具体的には、図4には、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔照合開始前画面210と、合わせて音声出力部116から出力される音声案内の文字列215と、が示されている。
顔照合開始前画面210において、領域211には、顔照合における不適切な容姿の具体例として、サングラス、マスク、または帽子を装着した人物の画像が表示される。サングラスを装着した容姿は、目が隠されている点で不適切な容姿であり、マスクを装着した容姿は、鼻または口の少なくとも何れかが隠されている点で不適切な容姿であり、帽子を装着した容姿は、顔の輪郭の一部以上が隠されている点で不適切な容姿である。領域212には、顔照合における適切な容姿の具体例として、サングラス、マスク、及び帽子を装着していない人物の画像が表示される。また、音声案内の文字列215は、これから顔の撮影を行う旨を案内している。
本人確認装置100は、図4のような案内を提示することで、自身の容姿に注意を払って顔撮影に臨むことを分かりやすく利用者に促し、サングラス、マスク、または帽子を装着した利用者顔画像によって顔照合率が低下することを防止できる。
図5は、顔照合の開始前に提示される案内例(その2)を示す図である。図5は、眉やフェイスライン(顔面の輪郭)が頭髪に隠されている状態の顔画像だと顔照合の照合率が低下することを考慮して、図3のステップS108の顔照合が行われる前に、利用者に適切な容姿を促すための案内例である。具体的には、図5には、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔照合開始前画面220と、合わせて音声出力部116から出力される音声案内の文字列225と、が示されている。
顔照合開始前画面220において、領域221には、本人確認書類を撮影して顔画像を読み取った本人顔画像が表示されている。領域222には、顔照合における不適切な容姿の一具体例として、頭髪で眉が隠れている人物が動画で表示され、領域223には、顔照合における不適切な容姿の別の具体例として、頭髪でフェイスラインが隠れている人物が動画で表示される。また、音声案内の文字列225は、顔照合の際に自身の容姿を本人確認書類の容姿に合わせること、及び顔照合の撮影手順を案内している。
図6は、顔照合の開始前に表示される動画の画面遷移例を示す図である。図6(A)~(D)は、図5の領域222に表示される動画(アニメーション)の一例について、その画面遷移を順に示したものであり、具体的には、眉に掛からないように頭髪を整える動作が表示される。図6(E)~(F)は、図5の領域223に表示される動画(アニメーション)の一例について、その画面遷移を順に示したものであり、具体的には、フェイスラインが隠れないように頭髪を整える動作が表示される。
本人確認装置100は、図5,図6のような案内を提示することで、自身の容姿に注意を払って顔撮影に臨むことを分かりやすく利用者に促す。この結果、眉やフェイスラインを頭髪で隠さないようにして本人確認書類の顔画像と同様の容姿で顔撮影が行われることにより、顔照合率の低下を防止できる。
図7は、顔照合の開始時に提示される案内例を示す図である。図7は、利用者顔画像における利用者の顔の位置や向きを要因として顔照合の照合率が低下することを考慮して、図3のステップS108の顔照合が開始されるときに、利用者に適切な態勢を促すための案内例である。具体的には、図7には、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔照合開始画面230と、合わせて音声出力部116から出力される音声案内の文字列235と、が示されている。
顔照合開始画面230において、領域231には、現金自動取引装置1を正面(利用者側)からみた画像が表示される。領域232には、顔照合開始時における現金自動取引装置1に対する利用者の理想的な態勢を側面から示す画像が表示される。また、音声案内の文字列235は、顔照合を開始する手順を案内している。そして、利用者によって確認ボタン233が押下されると、顔照合が開始される。
図8は、顔照合中に提示される案内例を示す図である。図8は、利用者顔画像における利用者の顔の位置や向きを要因として顔照合の照合率が低下することを考慮して、図3のステップS108の顔照合の実行中に、利用者に適切な態勢を促すための案内例を示したものである。具体的には、図8には、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔照合中画面240と、合わせて音声出力部116から出力される音声案内の文字列245と、が示されている。顔照合が開始されると、表示操作画面の表示は、図7の顔照合開始画面230から図8の顔照合中画面240に遷移して動画が表示される。
顔照合中画面240において、領域241には、現金自動取引装置1を正面からみた動画が表示される。領域242には、顔照合中における現金自動取引装置1に対する利用者の理想的な態勢を側面から示す動画が表示される。領域242,242に表示される動画の詳細は図9で説明する。また、音声案内の文字列245は、顔照合中に利用者に求める動作を案内している。
図9は、顔照合中に表示される動画の画面遷移例を示す図である。図9(A)~(I)は、図8に示した顔照合中画面240の領域241,242に表示される動画(アニメーション)の一例について、その画面遷移を順に示したものである。顔照合の実行中、表示操作画面は、図9(A)~(I)のアニメーション表示を繰り返し表示する。そして音声出力部116は、アニメーションの遷移に合わせて、図8の文字列245に示したような音声案内を出力する。
具体的には、図9(A)において、領域241には、表示操作画面が枠表示によって強調表示され、領域242には、利用者が表示操作画面を見る動作が表示される。図9(A)の表示に合わせて音声出力部116は、「点滅する操作画面に顔を向け、静止してください」等のガイダンスを出力する。
次に、図9(B)~(C)において、領域241では、枠表示が表示操作画面から上側に移動し、顔照合カメラ106が枠表示によって強調表示される。領域242では、利用者が表示操作画面から顔を上げ、顔照合カメラ106を見る動作が表示される。図9(B)~(C)の表示に合わせて音声出力部116は、「点滅するカメラに顔を向け、静止してください」等のガイダンスを出力する。
次に、図9(D)~(E)において、領域241では、枠表示が顔照合カメラ106から上側に移動し、顔照合カメラ106の上方の所定位置が枠表示によって強調表示される。領域242では、利用者が顔照合カメラ106から顔を上げ、上記の所定位置を見る動作が表示される。この「所定位置」は、利用者が顔を正面に向けたときの目線の先の位置を意味する。図9(D)~(E)の表示に合わせて音声出力部116は、「顔を正面に向け、静止してください」等のガイダンスを出力する。
次に、図9(F)~(I)において、領域241では、枠表示が上記の所定位置から下側に移動し、表示操作画面が枠表示によって強調表示される。領域242では、利用者が上記の所定位置から顔を下げ、表示操作画面を見る動作が表示される。図9(F)~(I)の表示に合わせて音声出力部116は、「点滅する操作画面に顔を向け、静止してください」等のガイダンスを出力する。そして、図9(I)の後は図9(A)に遷移して、動画の表示及び音声出力が繰り返される。
以上のように顔照合中の案内を行うことにより、本人確認装置100は、照合率を低下させる要因となる顔の向きに注意を払うことを利用者に促すことができる。すなわち、目線だけで対象を見るのではなく、顔の向きを上下に動かして、適切な顔の向きで撮影するように、動画及び音声によって利用者に分かりやすく案内することができる。その結果、顔照合カメラ(顔撮影部)106が撮影する利用者の顔画像は、本人確認書類の顔画像と顔の角度が一致しやすくなり、顔照合の照合率を上げる効果に期待できる。
また、何れかの1点を見たときに撮影した顔画像だけでは、本人確認書類の顔画像と顔の角度が一致する確率が低くなることから、図9に示した案内のように、表示操作画面、顔照合カメラ、及び正面視といった複数の対象を指定して、利用者に顔を上下にゆっくりと移動させているなかで顔画像を撮影することにより、期間中に撮影した複数の顔画像のなかから、本人確認書類の顔画像と顔の角度が一致する顔画像を選択しやすくなり、結果として顔照合率を高めることができる。
図10は、顔照合の結果が異常であった場合に提示される案内例を示す図である。図10は、図3のステップS110で行われる顔照合結果の異常に対応する異常案内の具体例を示したものであり、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔照合結果異常時画面250が示されている。
顔照合結果異常時画面250において、領域251には、本人確認書類を撮影して顔画像を読み取った本人顔画像が表示されている。領域252には、顔照合で異常と判定された利用者顔画像が表示されている。そして、領域253には、顔照合の異常判定の要因となる容姿の例を示す画像が表示されている。図10の場合、領域253に表示される画像は、サングラスを装着した状態とマスクを着用した状態をそれぞれ示す固定画像であるが、領域253の表示はこれに限定されるものではない。例えば、顔照合で異常と判定した場合に照合部120から通知される異常の要因に基づいて、当該要因に対応する容姿の画像を領域253に表示する等としてもよい。
また、領域252に表示される利用者顔画像は、顔撮影部106が撮影した複数パターンの利用者顔画像のうち、領域251に表示される本人顔画像との類似度が比較的高いものが選択されることが好ましい。類似度が高いとは、例えば、顔の角度(向き)が近いものが挙げられる。このように、本人顔画像との類似度が高い利用者顔画像が領域252に表示されることにより、顔照合結果異常時画面250を見た利用者は、どのような点が本人顔画像と異なっていたかを正確に把握することができ、相違点の改善を強く意識して顔照合の再実行に臨むことができる。その結果、再実行時の顔照合の成功率を高める効果に期待できる。
以上、顔照合の異常判定時に図10のような案内が行われることにより、利用者は、本人顔画像と利用者顔画像との容姿の相違を容易に認識することができる(領域251,252)。さらに利用者は、領域253の表示により、顔照合の異常判定の要因となった容姿の問題点を、容易に推測することができる。この結果、利用者は、サングラス、マスク、または帽子等を外した状態で再度の顔画像の撮影に臨むようになるため、容姿の違いを要因とする顔照合率の低下を防止することができる。
図11は、顔姿勢照合中に提示される案内例を示す図である。図11は、図3のステップS111の顔姿勢照合の実行中に、利用者に顔姿勢の動作(顔の向きを変える動作)を促すための案内例を示したものである。具体的には、図11には、表示操作部102の表示操作画面に表示される顔姿勢照合中画面260が示されている。
前述したように、顔姿勢照合は、顔照合カメラ(顔撮影部106)によって撮影される利用者の生体性を照合するための処理であって、その生体性を確認するために、顔姿勢を変えた利用者を撮影して複数パターンのカメラ撮影画像を取得する必要がある。そのため、顔姿勢照合中画面260の領域261には、顔照合カメラに対して利用者が顔を動かす動作が動画(アニメーション)で表示される。
図12は、顔姿勢照合中に表示される動画の画面遷移例を示す図である。図12の(A)~(D)は、図11に示した顔姿勢照合中画面260の領域261に表示される動画(アニメーション)の一例について、その画面遷移を順に示したものである。具体的には、図12(A)において、領域261には、利用者が正面を見ている状態が表示される。そして、図12(B)~(D)にかけて、領域261には、利用者が右に顔の向きを変える動作がアニメーションで表示される。図12(D)で右側を向き終わった後は、図12(A)に戻り、領域261に利用者が正面を見ている状態が表示される。
図11,図12のような顔姿勢照合中の案内を行うことにより、本人確認装置100は、顔姿勢照合のために求められる顔姿勢の動作を、利用者に分かりやすく伝えることができる。この結果、利用者は、自身の顔の向きに注意を払いながら、顔姿勢照合の照合率を高める顔の向きで撮影に臨むことができる。
なお、図12の例では、正面を見てから右側を向く動作を利用者に要求していたが、顔姿勢照合のために利用者に要求する顔姿勢の動作は1種類に限定されなくてもよい。例えば、複数種類の顔姿勢の動作と、それに対応する動画を予め用意しておき、顔姿勢照合を行う際に制御部101がランダムでいずれかの動作を選択して案内を提示するようにしてもよい。本人確認装置100は、このような機能を持つことにより、なりすましを防止する効果を高めることができる。
また、図11の顔姿勢照合中画面260において「別の動作」というボタンが表示されているが、このボタンが押下された場合には、制御部101が、上記の複数種類の顔姿勢の動作のうちから、顔姿勢照合中画面260で現在案内している顔姿勢の動作とは異なる動作を1つ選択し、選択した顔姿勢の動作に対応する動画を領域261に表示するようにしてもよい。本人確認装置100は、このような機能を持つことにより、利用者が特定の顔姿勢の動作が困難な場合にも、当該利用者が実行可能な動作を案内して顔姿勢照合を行うことができるようになるため、利用者にとっての利便性を高めつつ、顔姿勢照合の成功率を高めることができる。
以上に説明したように、第1の実施形態に係る本人確認装置100によれば、本人確認処理を実行することにより、本人確認が必要な取引を利用者が実行しようとする場合に、本人確認に好適な顔画像を撮影するための案内(ガイダンス)を利用者に提示して、利用者自身の操作による本人確認における顔照合率を向上させることができる。特に、本人確認書類の顔画像と利用者の顔画像とを照合する顔照合では、容姿(髪型、眼鏡、帽子、マスク等の装着の有無)だけでなく、顔の位置及び向きについても、顔照合率を高めるための好適な条件が、画像(動画)、音声またはその両方によって分かりやすく利用者に案内されることで、利用者は容易に本人確認のための操作を進めることができる。また、本人確認操作を行っている利用者が利用者本人であることを照合する顔姿勢照合では、利用者に要求する顔姿勢の動作を動画で分かりやすく案内することにより、利用者の動作をスムーズに誘導することができるため、利用者がなりすましでない場合に、顔姿勢照合の照合率を高めることができる。
(2)第2の実施形態
本発明の第2の実施形態に係る本人確認装置100について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態を改善して、利用者の操作に基づいて実行される本人確認処理において、顔照合に用いられる利用者顔画像の候補数を増やすようにしたものである。第2の実施形態に係る本人確認装置100の構成は、第1の実施形態と同様であるため、これを流用し、説明を省略する。
図13は、第2の実施形態の本人確認処理を含む取引の処理手順例を示すフローチャートである。
図13では、現金自動取引装置1が利用者を検知したことを契機として、本人確認装置100の制御部101が、顔撮影部106によって利用者の顔画像の撮影を開始する(ステップS201)。さらに制御部101は、撮影した利用者顔画像を解析し、利用者がマスクやサングラス等を装着しているかを検知する。ステップS201の処理は、図3のステップS107の処理に相当する。なお、ステップS201の時点では、顔画像の撮影を開始することを利用者に通知しなくてよい。
そして、ステップS201の後は、ステップS107を除くステップS101~S118の処理が、図3と同様の処理手順で実行される。これらの処理は、図3で説明した通りであるから、説明を省略する。すなわち、図13に示した処理手順は、第1の実施形態で図3に示した処理手順と対比すると、ステップS201(図3ではステップS107)の処理の実行タイミングが異なる。
第2の実施形態では、ステップS201以降、顔撮影部106は、連続的(周期的に繰り返すこと、または断続的に繰り返すことを含む)に、利用者の顔画像を撮影し続ける。ステップS201で開始された顔画像の撮影は、少なくとも、顔照合が正常に終了する(ステップS109のYES)か、顔姿勢照合が正常に終了する(ステップS112のYES)まで継続されることが好ましい。そして、顔撮影部106が撮影したこれらの利用者顔画像は、後述するステップS108の顔照合に用いられる。すなわち、顔照合が開始されるときに顔撮影部106の撮影が開始される第1の実施形態の本人確認処理と比べると、第2の実施形態では、ステップS108で利用者が顔照合を開始するための所定操作(例えば、撮影開始の確認ボタンの押下等)を行うよりも前から、顔撮影部106が、顔照合用の顔画像を撮影することができる。
このような第2の実施形態では、本人確認装置100は、顔照合に用いる利用者顔画像の候補を第1の実施形態よりも多く取得することができ、顔照合の際に、本人確認書類の顔画像との一致性が高い利用者顔画像を抽出しやすくなる。その結果、第2の実施形態に係る本人確認装置100は、第1の実施形態よりも顔照合率を高めることができる。
また、利用者顔画像からマスクやサングラス等の装着を検知した場合には、顔照合を開始する前に、この問題を指摘して、マスクやサングラス等を外すように案内してもよい。このようにすることで、容姿の違いによる顔照合の失敗を事前に回避し、結果として顔照合率を高めることができる。
また、ステップS201以降に顔撮影部106が撮影した利用者の顔画像は、基本的にはステップS108の顔照合に利用するが、例えばステップS111の顔姿勢照合において現金自動取引装置1の前にいる利用者の生存性だけを確認する場合には、これらの利用者顔画像を顔姿勢照合にも利用するようにしてもよい。この場合、ステップS111で顔姿勢照合を開始するよりも前に、撮影した複数パターンの利用者顔画像から、利用者が動いている(生きている)ことを確認できるため、顔姿勢照合を簡易に、あるいは短時間で処理することが可能となる。
以上に説明したように、第2の実施形態に係る本人確認装置100によれば、第1の実施形態で得られる効果に加えて、顔照合の照合率をさらに高めることができる。
(3)第3の実施形態
本発明の第3の実施形態に係る本人確認装置100について説明する。第3の実施形態は、第1または第2の実施形態で説明した顔照合に関する処理(図3,図13のステップS108~S110)を改善したものであり、同一の取引内で顔照合を再実行するときに、先に実行された顔照合で撮影された複数パターンの利用者顔画像に基づいて、顔照合に適した利用者顔画像を効率よく撮影できるように、案内(ガイダンス)の動画内容を変更するものである。第3の実施形態に係る本人確認装置100の構成は、第1または第2の実施形態と同様であるため、これを流用し、説明を省略する。
第3の実施形態において、制御部101は、同一取引における少なくとも初回の顔照合の実行時に、ガイダンス用の動画(顔照合中画面アニメーション)を表示して利用者の顔の向きを変えさせながら顔撮影部106によって撮影した複数パターンの利用者顔画像に基づいて、顔照合に好適な利用者顔画像を撮影できたときに動画で利用者の顔を向けさせていた位置(以後、優先位置)を検知する。
ここで、「顔照合に好適な利用者顔画像」とは、照合部120による顔照合の照合率が高い利用者顔画像であり、具体的には、本人顔画像と顔の向きが近い利用者顔画像である。したがって、制御部101は、複数パターンの利用者顔画像と本人顔画像とを、顔の向きについて比較することにより、「顔照合に好適な利用者顔画像」を抽出することができる。また、別の抽出方法として、制御部101は、照合部120による顔照合の結果に基づいて、照合率が高いと判定された利用者顔画像を「顔照合に好適な利用者顔画像」として抽出するようにしてもよい。何れにしても、制御部101は、上記抽出した「顔照合に好適な利用者顔画像」の撮影タイミングから、ガイダンス用の動画のどのシーンに該当するかを判別し、該当するシーンにおいて強調表示をしていた位置を「優先位置」として検知することができる。
また、上記した制御部101による「優先位置」の検知は、顔照合における判定結果が異常であった(顔照合に失敗した)場合にのみ実行される、としてもよい。
図14は、第3の実施形態における顔照合ステップの処理手順例を示すフローチャートである。図14に示した処理は、第1または第2の実施形態で説明した顔照合ステップ(図3,図13のステップS108~S110)の処理を変更したものである。図14の処理に記載された「画面(X)」,「ガイダンス画面(X)」は、図9に例示した顔照合中画面アニメーションの各シーン(A)~(I)に対応している。
図14によれば、顔照合ステップが開始すると、制御部101は、優先位置を示す情報に基づいて、顔照合中画面アニメーションにおけるガイダンス画面(A)の表示の要否を判定する(ステップS301)。具体的には、ガイダンス画面(A)が優先位置を強調表示しているシーンであれば、制御部101は、ガイダンス画面(A)の表示が必要と判定し(ステップS301のYES)、ステップS302においてガイダンス画面(A)を表示させてから次の処理に進む。一方、ガイダンス画面(A)が優先位置を強調表示しているシーンでなければ、制御部101は、ガイダンス画面(A)の表示が不要と判定し(ステップS301のNO)、ガイダンス画面(A)を表示させることなく次の処理に進む。なお、同一取引内の初回時の顔照合であれば、優先位置は検知されていないので、制御部101は常に、ガイダンス画面(A)の表示が必要と判定する。
以後、制御部101は、ステップS301~S302と同様に、顔照合中アニメーションの各シーン(ガイダンス画面(B)~(I))について順次、優先位置を示す情報に基づいて、要否の判定を行い、必要と判定した場合には対象のシーンを表示し、不要と判定した場合には対象のシーンの表示をスキップする(ステップS303~S308)。
顔照合中アニメーションの全てのシーンに対する要否の判定が終了すると、制御部101は、照合部120による顔照合に適した利用者顔画像が撮影できたか否かを判定する(ステップS309)。顔照合に適した利用者顔画像が撮影できた場合(ステップS309のYES)、制御部101は、当該利用者顔画像を用いた顔照合の実行を照合部120に要求し、ステップS310に進む。
一方、ステップS309において顔照合に適した利用者顔画像が撮影できていない場合は(ステップS309のNO)、ステップS301に戻り、各シーンの要否判定に基づく動画表示(ステップS301~S308)を繰り返す。なお、この繰り返しは、所定回数を上限として行われ、所定回数を繰り返しても顔照合に適した利用者顔画像が撮影できなかった場合は、後述するステップS311に進むとしてもよい。
そして、ステップS310では、制御部101は、照合部120による顔照合の判定結果が正常であるか否かを確認し、正常であった場合は(ステップS310のYES)、顔照合ステップを終了する。
一方、ステップS310において顔照合の判定結果が異常であった場合(ステップS310のNO)、制御部101は、顔照合結果の異常に対応する異常案内を行い(ステップS311)、ステップS301に戻る。なお、前述したように、制御部101は、少なくともステップS311を経てステップS301に戻るまでの間に、今回の顔照合用の撮影についての「優先位置」の検知を行い、優先位置を示す情報を取得する。
なお、図14の変形例として、ステップS309またはステップS310でNOと判定され、各シーンの要否判定に基づく動画表示(ステップS301~S308)を所定回数繰り返しても、顔照合に適した利用者顔画像が撮影できなかった場合には、制御部101は、顔照合中画面アニメーションで表示するシーンを増やすようにしてもよい。具体的には、制御部101は、「優先位置」の評価基準を下げる等して、要否判定で必要と判定されるシーンを増やしてもよいし、あるいは、要否判定を行わずにすべてのシーンを表示するようにしてもよい。このような変形例を採用することにより、顔照合が進まない事態を避ける効果に期待できる。
図15は、第3の実施形態における顔照合中画面アニメーションの画面遷移例を示す図である。具体的には図15には、優先位置が「表示操作画面」のみである場合に、顔照合のリトライ時に表示される顔照合中画面アニメーションの画面遷移が示されている。図9の顔照合中画面アニメーションの場合、枠表示による強調表示が行われる位置として、例えば、「下(表示操作画面)」、「中(顔照合カメラ106)」、及び「上(正面位置)」の3か所を挙げることができる。
優先位置が「表示操作画面」のみである場合、図9に示した顔照合中画面アニメーションを参照すると、領域241において表示操作画面を強調表示しているシーンは、ガイダンス画面(A),(I)が該当する。このような条件を図14の処理に適用すると、各シーンの要否判定(ステップS301,S303,S305,S307)のうちステップS301,S307で「必要」と判定され、ステップS302,S308でガイダンス画面(A),(I)が表示される。但し、ガイダンス画面(I)は、ガイダンス画面(A)と同じであるから、図15ではガイダンス画面(A)に集約して扱っている。したがって、図15では、ガイダンス画面(A)が繰り返し表示されることになり、領域242にも示されるように、利用者の顔の向きを、強調表示された表示操作画面(すなわち下方)に誘導することができる。
図15に示したように、顔照合の再実行時の顔照合中アニメーションにおいて、優先位置に誘導する画像を優先して表示することにより、顔照合に利用しやすい方向に、利用者の顔の向きを誘導することができ、顔照合用の顔画像の撮影の効率を高めることができる。
なお、再実行時の顔照合中アニメーションの変形例として、優先位置に誘導するシーンだけを優先表示するのではなく、優先位置を含む所定範囲に誘導する前後のシーンも優先表示するようにしてもよい。図9の各シーンで具体的に説明すると、優先位置が「下(表示操作画面)」であった場合は、ガイダンス画面(A)だけでなく、近い範囲のガイダンス画面(B)やガイダンス画面(H)なども優先表示するようにしてもよい。また、優先位置が「中(顔照合カメラ106)」であった場合は、ガイダンス画面(C)だけでなく、近い範囲のガイダンス画面(B),(D)なども優先表示するようにしてもよい。このような変形例によれば、優先位置を中心とする上下方向に利用者の顔の向きを変化させる動画を表示できることから、優先位置の近辺にさらに好適な顔の角度に誘導する位置が存在した場合に、最も好適な向きによる利用者顔画像を撮影できる可能性が高まり、顔照合の照合率を高める効果が得られる。
以上、第3の実施形態によれば、図14に示した顔照合ステップの処理が行われることにより、本人確認装置100は、顔照合の再実行時における案内(ガイダンス)の動画表示において、先に実行された顔照合で撮影された複数パターンの利用者顔画像に基づいて、顔照合に適した利用者顔画像を撮影可能な「優先位置」を強調する画像を、優先的に表示することができる。この結果、顔照合用に検知しやすい優先位置に利用者を効率よく誘導することができるため、顔照合の再実行に要する時間を短縮しながらも、顔照合の照合率を効率的に高めることができる。
1 現金自動取引装置
100 本人確認装置
101 制御部
102 表示操作部
103 オペレータ表示操作部
104 表面撮影部
105 裏面撮影部
106 顔撮影部(顔照合カメラ)
107,109 表示部
108,110 操作部
111 IO制御部
112 表面照明部
113 裏面照明部
114 非接触IC読取部
115 音声入力部
116 音声出力部
117 電源部
120 照合部
130 モバイル端末

Claims (17)

  1. 取引を実行しようとする利用者に対して、当該利用者が提示した本人確認書類に基づいた本人確認を行う本人確認装置であって、
    前記本人確認書類は、前記取引の実行が許可された特定の人物に関する情報が記録された媒体であり、当該特定の人物の顔画像を少なくとも有し、
    前記本人確認装置は、
    所定のタイミングで前記利用者に向けた案内を出力する案内部と、
    前記本人確認書類から、前記特定の人物の顔画像である本人顔画像を読み取る本人情報読取部と、
    前記利用者をカメラで撮影して利用者顔画像を取得する顔撮影部と、
    顔認証アルゴリズムを利用して前記本人顔画像と前記利用者顔画像とを照合する顔照合を実行することにより、前記利用者が前記特定の人物であるかを判定する照合部と、
    前記照合部による判定の結果に基づいて、前記本人確認の結果を決定する制御部と、
    を備え、
    前記照合部による前記顔照合の実行前または実行中に、前記案内部が、前記顔照合に好適な顔の容姿及び向きに前記利用者を誘導する動画を表示する
    ことを特徴とする本人確認装置。
  2. 前記顔撮影部は、前記利用者を連続的に撮影して、前記顔照合の実行までに複数パターンの前記利用者顔画像を取得し、
    前記照合部は、前記複数パターンの利用者顔画像のうちから抽出された利用者顔画像を用いて、前記顔照合を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の本人確認装置。
  3. 前記利用者による操作を受け付ける操作部をさらに備え、
    前記顔撮影部は、前記顔照合を開始する操作を前記利用者が前記操作部に対して行うよりも前から、前記利用者の連続的な撮影を開始する
    ことを特徴とする請求項2に記載の本人確認装置。
  4. 前記顔照合の実行前に、前記案内部が、前記顔照合に不適切な顔の容姿を示す画像を表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の本人確認装置。
  5. 前記顔照合の実行前に、前記案内部が、前記本人顔画像と前記顔照合に不適切な顔の容姿を示す画像とを表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の本人確認装置。
  6. 前記顔照合の実行中に、前記案内部が、前記利用者に前記カメラに対して顔の向きを上下方向に動かす動作を求める動画を表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の本人確認装置。
  7. 前記顔照合が異常と判定された場合、前記案内部が、前記本人顔画像、前記利用者顔画像、及び前記顔照合に不適切な顔の容姿を示す画像を表示し、
    前記照合部は、前記利用者の操作に基づいて前記顔照合を再実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の本人確認装置。
  8. 前記顔照合が異常と判定された場合、前記案内部は、前記利用者顔画像として、前記複数パターンの利用者顔画像のうちで前記本人顔画像と顔の向きが近い利用者顔画像を表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の本人確認装置。
  9. 前記顔照合が異常と判定された場合、前記案内部は、前記顔照合に不適切な顔の容姿を示す画像として、当該異常の要因となった容姿に応じた画像を表示する
    ことを特徴とする請求項7に記載の本人確認装置。
  10. 照合部は、前記顔照合の実行に加えて、生体認証アルゴリズムを利用して、前記顔撮影部が所定の動作を行う前記利用者を撮影して取得した複数パターンの利用者顔画像に基づいて当該利用者の生体性を照合する顔姿勢照合を実行し、
    前記制御部は、前記顔照合及び前記顔姿勢照合の判定結果に基づいて、前記本人確認の結果を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の本人確認装置。
  11. 前記顔姿勢照合の実行中に、前記案内部が、前記利用者に前記所定の動作を求める動画を表示する
    ことを特徴とする請求項10に記載の本人確認装置。
  12. 前記利用者による所定の操作が行われた場合、前記顔姿勢照合で求められる前記所定の動作が変更される
    ことを特徴とする請求項10に記載の本人確認装置。
  13. 前記顔照合に不適切な容姿とは、目、鼻、口、眉、顔の輪郭の一部以上、または顔面の輪郭の一部以上のうち、少なくとも何れかが隠された顔の状態である
    ことを特徴とする請求項4、請求項5、請求項7、または請求項9の何れかに記載の本人確認装置。
  14. 前記案内部は、画像の表示に合わせて、当該画像に関連する音声を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の本人確認装置。
  15. 取引を実行しようとする利用者に対して、当該利用者が提示した本人確認書類に基づいた本人確認を行う本人確認装置による本人確認方法であって、
    前記本人確認書類は、前記取引の実行が許可された特定の人物に関する情報が記録された媒体であり、当該特定の人物の顔画像を少なくとも有し、
    前記本人確認装置は、
    所定のタイミングで前記利用者に向けた案内を出力する案内部と、
    前記本人確認書類から、前記特定の人物の顔画像である本人顔画像を読み取る本人情報読取部と、
    前記利用者をカメラで撮影して利用者顔画像を取得する顔撮影部と、
    顔認証アルゴリズムを利用して前記本人顔画像と前記利用者顔画像とを照合する顔照合を実行することにより、前記利用者が前記特定の人物であるかを判定する照合部と、
    前記照合部による判定の結果に基づいて、前記本人確認の結果を決定する制御部と、
    を有し、
    前記照合部による前記顔照合の実行前または実行中に、前記案内部が、前記顔照合に好適な顔の容姿及び向きに前記利用者を誘導する動画を表示する
    ことを特徴とする本人確認方法。
  16. 前記制御部が、前記顔照合の実行時に、前記利用者の顔の向きが前記顔照合に好適な向きとなる位置を検知し、同一取引内で前記顔照合を再実行する場合に、前記案内部によって表示される動画において、前記検知した位置に前記利用者の顔の向きを誘導する画像を優先的に表示させる
    ことを特徴とする請求項15に記載の本人確認方法。
  17. 前記制御部が、前記顔照合の実行時に、前記利用者の顔の向きが前記顔照合に好適な向きとなる位置を検知し、同一取引内で前記顔照合を再実行する場合に、前記案内部によって表示される動画において、前記検知した位置を含む周辺範囲に前記利用者の顔の向きを誘導する画像を優先的に表示させる
    ことを特徴とする請求項15に記載の本人確認方法。
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