JP2023127332A - 光検出装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】色再現性の劣化が抑制された光検出装置を提供する。【解決手段】光検出装置は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、を備え、多層膜フィルタは全体として、半導体層に向けて凸に湾曲している。【選択図】図4A

Description

本技術(本開示に係る技術)は、光検出装置及び電子機器に関し、特に、多層膜フィルタを有する光検出装置及び電子機器に関する。
イメージセンサが人の目には見えない近赤外光(赤外線)を多く検出すると、得られた画像は、人の目で被写体を直接見た場合と比較して色再現がずれてしまう。そのため、イメージセンサに赤外線カットフィルタ等のフィルタを設けて、イメージセンサが検出する近赤外光の量を減らすことが行われている。例えば、特許文献1では、屈折率が異なる複数の多層膜をシールガラスの光学センサ側の面に設けている。
特開2013-41941号公報
像面のうち像高が高い位置において、主光線は多層膜フィルタに斜めに入射する。主光線が多層膜フィルタに斜めに入射すると、色再現性が劣化する可能性があった。本技術は、色再現性の劣化が抑制された光検出装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本技術の一態様に係る光検出装置は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ上記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、上記多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、を備え、上記多層膜フィルタは全体として、上記半導体層に向けて凸に湾曲している。
本技術の他の一態様に係る光検出装置は、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体を複数有する光学素子と、上記光学素子を透過した光が入射可能であり、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し、上記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、上記多層膜フィルタを透過した光が入射可能な複数の光電変換領域を2次元アレイ状に配置してなる受光領域を有する半導体層と、を備え、上記光学素子は、上記光電変換領域毎に、上記光電変換領域と平面視で重なる位置に設けられ、平面視で上記受光領域の中央から離れた位置に重なるように配置された一の上記光学素子である第1光学素子において、上記構造体は、少なくとも、上記第1光学素子のうちの上記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されていて、上記構造体が平面視で上記第1光学素子に占める密度は、上記第1光学素子のうちの上記受光領域の中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い。
本技術の一態様に係る電子機器は、上記光検出装置と、上記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備える。
本技術の第1実施形態に係る光検出装置の一構成例を示すチップレイアウト図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置の一構成例を示すブロック図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置の画素の等価回路図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置が有する多層膜フィルタの縦断面図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置と主光線との関係を示す説明図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置で生じる回折反射光と多層膜フィルタとの関係を示す説明図である。 本技術の第1実施形態に係る光検出装置の製造方法を示す工程断面図である。 図5Aに引き続く工程断面図である。 従来の光検出装置で生じる回折反射光と多層膜フィルタとの関係を示す説明図である。 従来の光検出装置と主光線との関係を示す説明図である。 多層膜フィルタのカットオフ波長の短波長化を説明する説明図である。 多層膜フィルタのカットオフ波長の短波長化を説明する説明図である。 本技術の第1実施形態の変形例2に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例3に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例4に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例5に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例5に係る光検出装置の製造方法を示す工程断面図である。 図14Aに引き続く工程断面図である。 図14Bに引き続く工程断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例6に係る光検出装置の製造方法を示す工程断面図である。 図15Aに引き続く工程断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例7に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第1実施形態の変形例7に係る光検出装置の製造方法を示す工程断面図である。 図17Aに引き続く工程断面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置の一構成例を示すチップレイアウト図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置の縦断面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置が有する光学素子層及び光学素子の平面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置が有する光学素子を拡大して示す平面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置が有する光学素子を拡大して示す縦断面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置が有する光学素子を拡大して示す縦断面図である。 本技術の第2実施形態に係る光検出装置が有する多層膜フィルタの縦断面図である。 本技術の第2実施形態の変形例1に係る光検出装置が有する光学素子層及び光学素子の平面図である。 本技術の第2実施形態の変形例2に係る光検出装置が有する光学素子層及び光学素子の平面図である。 本技術の第2実施形態の変形例3に係る光検出装置が有する多層膜フィルタの縦断面図である。 本技術の第2実施形態の変形例4に係る光検出装置が有する多層膜フィルタの縦断面図である。 本技術の第2実施形態、第2実施形態の変形例3、第2実施形態の変形例4に係る光検出装置が有する多層膜フィルタの分光特性を示す説明図である。 本技術の第2実施形態の変形例5に係る光検出装置が有する光学素子の平面図である。 電子機器の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。 内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。 カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
説明は以下の順序で行う。
1.第1実施形態
2.第2実施形態
3.第3実施形態
電子機器への応用例
移動体への応用例
内視鏡手術システムへの応用例
[第1実施形態]
この実施形態1では、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである光検出装置に本技術を適用した一例について説明する。
≪光検出装置の全体構成≫
まず、光検出装置1の全体構成について説明する。図1に示すように、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1は、平面視したときの二次元平面形状が方形状の半導体チップ2を主体に構成されている。すなわち、光検出装置1は、半導体チップ2に搭載されている。この光検出装置1は、図27に示すように、光学レンズ(光学系)102を介して被写体からの像光(入射光106)を取り込み、撮像面上に結像された入射光106の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
図1に示すように、光検出装置1が搭載された半導体チップ2は、互いに交差するX方向及びY方向を含む二次元平面において、中央部に設けられた方形状の画素領域2Aと、この画素領域2Aの外側に画素領域2Aを囲むようにして設けられた周辺領域2Bとを備えている。また、後述の半導体層20のうち平面視で画素領域2Aと重なる領域を、他の領域と区別するために受光領域20Cと呼ぶ。
画素領域2Aは、例えば図27に示す光学レンズ102により集光される光を受光する受光面である。そして、画素領域2Aには、X方向及びY方向を含む二次元平面において複数の画素3が行列状に配置されている。換言すれば、画素3は、二次元平面内で互いに交差するX方向及びY方向のそれぞれの方向に繰り返し配置されている。なお、本実施形態においては、一例としてX方向とY方向とが直交している。また、X方向とY方向との両方に直交する方向がZ方向(厚み方向、積層方向)である。また、Z方向に垂直な方向が水平方向である。
図1に示すように、周辺領域2Bには、複数のボンディングパッド14が配置されている。複数のボンディングパッド14の各々は、例えば、半導体チップ2の二次元平面における4つの辺の各々の辺に沿って配列されている。複数のボンディングパッド14の各々は、半導体チップ2を外部装置と電気的に接続する際に用いられる入出力端子である。
<ロジック回路>
図2に示すように、半導体チップ2は、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7及び制御回路8などを含むロジック回路13を備えている。ロジック回路13は、電界効果トランジスタとして、例えば、nチャネル導電型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)及びpチャネル導電型のMOSFETを有するCMOS(Complenentary MOS)回路で構成されている。
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成されている。垂直駆動回路4は、所望の画素駆動線10を順次選択し、選択した画素駆動線10に画素3を駆動するためのパルスを供給し、各画素3を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素領域2Aの各画素3を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素3の光電変換素子が受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素3からの画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路5に供給する。
カラム信号処理回路5は、例えば画素3の列毎に配置されており、1行分の画素3から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線12との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成されている。水平駆動回路6は、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線12を通して順次に供給される画素信号に対し、信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バッファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
<画素>
図3は、画素3の一構成例を示す等価回路図である。画素3は、光電変換素子PDと、この光電変換素子PDで光電変換された信号電荷を蓄積(保持)する電荷蓄積領域(フローティングディフュージョン:Floating Diffusion)FDと、この光電変換素子PDで光電変換された信号電荷を電荷蓄積領域FDに転送する転送トランジスタTRと、を備えている。また、画素3は、電荷蓄積領域FDに電気的に接続された読出し回路15を備えている。
光電変換素子PDは、受光量に応じた信号電荷を生成する。光電変換素子PDはまた、生成された信号電荷を一時的に蓄積(保持)する。光電変換素子PDは、カソード側が転送トランジスタTRのソース領域と電気的に接続され、アノード側が基準電位線(例えばグランド)と電気的に接続されている。光電変換素子PDとしては、例えばフォトダイオードが用いられている。
転送トランジスタTRのドレイン領域は、電荷蓄積領域FDと電気的に接続されている。転送トランジスタTRのゲート電極は、画素駆動線10(図2参照)のうちの転送トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
電荷蓄積領域FDは、光電変換素子PDから転送トランジスタTRを介して転送された信号電荷を一時的に蓄積して保持する。
読出し回路15は、電荷蓄積領域FDに蓄積された信号電荷を読み出し、信号電荷に基づく画素信号を出力する。読出し回路15は、これに限定されないが、画素トランジスタとして、例えば、増幅トランジスタAMPと、選択トランジスタSELと、リセットトランジスタRSTと、を備えている。これらのトランジスタ(AMP,SEL,RST)は、例えば、酸化シリコン膜(SiO膜)からなるゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の主電極領域と、を有するMOSFETで構成されている。また、これらのトランジスタとしては、ゲート絶縁膜が窒化シリコン膜(Si膜)、或いは窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜などの積層膜からなるMISFET(Metal Insulator Semiconductor FET)でも構わない。
増幅トランジスタAMPは、ソース領域が選択トランジスタSELのドレイン領域と電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及びリセットトランジスタのドレイン領域と電気的に接続されている。そして、増幅トランジスタAMPのゲート電極は、電荷蓄積領域FD及びリセットトランジスタRSTのソース領域と電気的に接続されている。
選択トランジスタSELは、ソース領域が垂直信号線11(VSL)と電気的に接続され、ドレインが増幅トランジスタAMPのソース領域と電気的に接続されている。そして、選択トランジスタSELのゲート電極は、画素駆動線10(図2参照)のうちの選択トランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
リセットトランジスタRSTは、ソース領域が電荷蓄積領域FD及び増幅トランジスタAMPのゲート電極と電気的に接続され、ドレイン領域が電源線Vdd及び増幅トランジスタAMPのドレイン領域と電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、画素駆動線10(図2参照)のうちのリセットトランジスタ駆動線と電気的に接続されている。
≪光検出装置の具体的な構成≫
次に、光検出装置1の具体的な構成について、図4Aから図4Eまでを用いて説明する。まず、図4Aに示す台座Aについて、説明する。
<台座>
図4Aに示すように、光検出装置1(半導体チップ2)は、台座Aに固定されている。より具体的には、光検出装置1は、例えば樹脂材料で構成された接着剤Bを介して、受光面とは反対側の面が台座Aに固定されている。台座Aは、一方の面A1が他方の面に向けて凸に湾曲していて、一方の面A1側に溝A2を有している。光検出装置1は、台座Aに対して、台座Aの一方の面A1に沿って固定されている。なお、台座Aまで含めて光検出装置1と呼んでも良い。また、光検出装置1及び台座Aは、これには限定されないが、例えば、モールド樹脂C及びシールガラスDにより密封されている。シールガラスDは、光検出装置1の受光面側に平面視で重なるように設けられている。
図4Aに示すように、光検出装置1が台座Aの湾曲した面に沿って固定されているので、光検出装置1もまた台座Aの湾曲した面に沿って湾曲している。光検出装置1は、受光面側に多層膜フィルタ60を有している。図4A及び図4Dに示すように、多層膜フィルタ60は全体として、後述の半導体層20に向けて凸に湾曲している。すなわち、多層膜フィルタ60は全体として、半導体層20の受光領域20Cの中央(像高中心)に向けて凸に湾曲している。そして、多層膜フィルタ60は全体として、光学レンズ102に向けて凹に湾曲している。なお、図4Aは光検出装置1をX方向に沿って切断した場合の縦断面構造を示しているが、他の方向に沿って切断した場合の縦断面構造であっても、光検出装置1は、同様に湾曲した構造を有している。
多層膜フィルタ60に入射する主光線は、たとえ斜め光であっても、多層膜フィルタ60に対して垂直から遠い角度で入射することが抑制されている。例えば、図4Dに例示する主光線L1,L2,L3は、いずれも垂直又は垂直に近い角度で入射することができる。主光線L2は、Z方向に沿って進む光であり、多層膜フィルタ60のうち受光領域20Cの中央(像高中心)付近に積層された部分に入射する。主光線L1,L3は、Z方向に対して斜め方向に進む光であり、多層膜フィルタ60のうち受光領域20Cの縁部寄りの位置(像高が高い位置)付近に積層された部分に入射する。このように、主光線L1,L2,L3は、いずれも多層膜フィルタ60に対して垂直から遠い角度で入射することが抑制されている。主光線の多層膜フィルタ60への入射角は、光学レンズ102のレンズの設計により決まる。そのため、光学レンズ102のレンズの設計に応じて、光検出装置1の湾曲形状を設計すれば良い。また、例えば、光検出装置1の湾曲形状は、像面湾曲補正などの性能に合わせた形状としても良い。また、光検出装置1の湾曲形状に適応するように、光学レンズ102のレンズの光学特性を設計しても良い。なお、角度θは、主光線とZ方向との間の角度である。
<光検出装置の積層構造>
図4Bは、図4Aに示す光検出装置1の一部の画素3の断面構造を示す縦断面である。なお、図4B、図4C、及び図4Eには光検出装置1の一部のみ示しているので、湾曲していないように見えるが、光検出装置1全体としては、図4Aの場合と同様に湾曲している。光検出装置1(半導体チップ2)は、多層膜フィルタ60と、受光面側積層体50と、半導体層20と、配線層30と、支持基板40と、をこの順で積層した積層構造を有する。なお、これ以降の図面において、支持基板40の図示を省略する場合がある。
<多層膜フィルタ>
平坦化膜56に積層された多層膜フィルタ60は、少なくとも画素領域2Aを途切れなく連続的に覆うように設けられている。すでに説明したように、多層膜フィルタ60は全体として、半導体層20、より具体的には受光領域20Cの中央(像高中心)に向けて凸に湾曲している。多層膜フィルタ60は、高屈折率層61と低屈折率層62とが交互に積層された積層構造を有し且つ積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタである。より具体的には、多層膜フィルタ60は、例えば図4Cに例示するように、高屈折率層61aと、低屈折率層62aと、高屈折率層61bと、低屈折率層62bと、高屈折率層61cと、低屈折率層62cと、がこの順で積層された積層構造を有している。なお、高屈折率層61及び低屈折率層62の層数は、図4Cに示す例に限定されない。積層数は、多層膜フィルタ60に要求される性能に応じて適宜設定することができる。また、高屈折率層61の各層を互いに区別しない場合には、単に高屈折率層61と呼ぶ。同様に、低屈折率層62の各層を互いに区別しない場合には、単に低屈折率層62と呼ぶ。高屈折率層61及び低屈折率層62の各層は、少なくとも画素領域2Aを途切れなく連続的に覆うように設けられている。多層膜フィルタ60は、材料と膜厚を適切に組み合わせて積層させることで、赤外線カットフィルタ(IRCF、infrared cut filter)を構成することができる。本実施形態では、多層膜フィルタ60が赤外線カットフィルタであるとして、説明する。多層膜フィルタ60は反射型の赤外線カットフィルタであり、少なくとも赤外線の大部分を反射させるフィルタである。
高屈折率層61を構成する材料としては、例えば、以下の材料が挙げられる。高屈折率層61を構成する材料として、一種類のみ使用しても良く、異なる層に異なる材料を使用してもよい。また、以降、屈折率を「n」と表記する場合がある。
材料/屈折率
酸化アルミニウム(Al)/n=1.77
窒化シリコン(SiN、Si)/n=1.91
酸化ハフニウム(HfO)/n=1.93
酸化ジルコニウム(ZrO)/n=2.00
酸化タンタル(Ta)/n=2.15
酸化チタン(TiO)/n=2.28
酸化ニオブ(Nb)/n=2.33
また、上記以外にも、高屈折率層61を構成する材料として、酸化セリウム(CeO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)等を挙げることができる。
低屈折率層62を構成する材料としては、例えば、以下の材料が挙げられる。低屈折率層62を構成する材料として、一種類のみ使用しても良く、異なる層に異なる材料を使用してもよい。
材料/屈折率
酸化シリコン(SiO)/n=1.46
炭素含有酸化シリコン(SiOC)/n=1.40
フッ化マグネシウム(MgF)/n=1.38
フッ化アルミニウム(AlF)/n=1.38
また、図4B及び図4Eに示すように、多層膜フィルタ60は、光検出装置1に一体に設けられている。より具体的には、多層膜フィルタ60は、光検出装置1に一体に積層されている。本実施形態では、多層膜フィルタ60は、受光面側積層体50の半導体層20側とは反対側に積層されている。より具体的には、多層膜フィルタ60は、後述の平坦化膜56を介して、後述のオンチップレンズ54の半導体層20側とは反対側に積層されている。すなわち、多層膜フィルタ60は、オンチップレンズ54より、光の進行方向の上流側に設けられている。図4Eに示すように、多層膜フィルタ60を通過した光のうちの一部の光は、光検出装置1内部のオンチップレンズ54などの周期構造(不図示)で回析反射される。回析反射された光は、多層膜フィルタ60の界面によりさらに反射され、図4Eに示す光L4のように、半導体層20に入射する場合がある。このような光L4が、主光線が入射した画素から遠い画素に入射する程、画像のフレアが大きくなる。本実施形態では、多層膜フィルタ60が光検出装置1の最表面に積層されているため、フレアの原因となる光L4が平面視で遠い位置にある画素3に入射することを抑制できる。これにより、フレアが生じる領域が広くなることを抑制できる。
<受光面側積層体>
図4Bに示すように、受光面側積層体50は、半導体層20の第2の面S2側から、これに限定されないが、例えば、固定電荷膜51と、絶縁膜52と、カラーフィルタ53と、オンチップレンズ54と、平坦化膜56と、をこの順で積層した積層構造を有している。オンチップレンズ54は、半導体層20とは反対側に、反射を防止するための反射防止膜55を有している。反射防止膜55の屈折率は、オンチップレンズ54の本体部分とは異なる屈折率を有している。また、光検出装置1は、画素3の境界の領域でオンチップレンズ54より半導体層20側に配置された遮光膜57を有している。
固定電荷膜51は、酸素のダイポールによる負の固定電荷を有し、ピニングを強化する役割を果たす。固定電荷膜51は、例えば、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1つを含む酸化物または窒化物により構成することができる。固定電荷膜51は、例えば、化学蒸着(CVD: chemical vapor deposition)、スパッタリングおよび原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)により形成することができる。ALDを採用した場合には、固定電荷膜51の成膜中に界面準位を低減するシリコン酸化膜を同時に形成することが可能となり、好適である。また、固定電荷膜51は、ランタン、セリウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムおよびイットリウムのうちの少なくとも1つを含む酸化物または窒化物により構成することもできる。また、固定電荷膜51は、酸窒化ハフニウムまたは酸窒化アルミニウムにより構成することもできる。また、固定電荷膜51には、絶縁性が損なわれない量のシリコンや窒素を添加することもできる。これにより、固定電荷膜51の耐熱性等を向上させることができる。固定電荷膜51は、膜厚を制御し、或いは、多層積層することで、屈折率の高いシリコン基板に対する反射防止膜の役割を兼ね備えていることが望ましい。
絶縁膜52は、カラーフィルタ53と固定電荷膜51との間に設けられていて、暗時特性の劣化を抑制することができる。また、絶縁膜52は、反射防止の観点で固定電荷膜51を構成する上層の膜より屈折率が低い方が好ましく、例えば酸化シリコン(SiO)、および酸化シリコンを主成分とする複合素材(SiON、SiOCなど)を用いることができる。また、絶縁膜52のうち遮光膜57の金属とカラーフィルタ53との間に設けられた部分は、保護膜として機能する。保護膜により、遮光膜57の金属とカラーフィルタ53材料とが接触することで生じるミキシング層を回避することができ、あるいは、信頼性試験で生じるミキシング層の変化を回避することができる。
カラーフィルタ53は、画素3毎に配置されている。カラーフィルタ53は、互いに異なる複数色(例えば、赤、緑、青、或いはシアン、マゼンダ、黄色)から選択された何れかの色を選択的に透過するフィルタである。カラーフィルタ53は、例えば顔料もしくは染料で構成されてもよい。カラーフィルタ53の膜厚は、分光スペクトルによる色再現性やセンサ感度仕様を考慮して、各色異なる膜厚としてもよい。
オンチップレンズ54は、入射光が画素間の遮光膜57に当たらないように光電変換部22に集光させる。このオンチップレンズ54は、画素3毎に配置されている。オンチップレンズ54は、屈折率差を利用して光を光電変換部22に集めている。そのため、オンチップレンズ54とオンチップレンズ54を覆う平坦化膜56との間の屈折率差が小さくなると、光電変換部22に光が集まりにくくなる。そのため、オンチップレンズ54を構成する材料として屈折率が高いものを使用し、平坦化膜56を構成する材料として屈折率が低いものを用いることが望ましい。
オンチップレンズ54は、屈折率が1.6以上の高屈折率材料により構成されていることが望ましい。オンチップレンズ54は、例えば、窒化シリコン又は酸窒化シリコン(SiON)等の無機材料により構成されている。窒化シリコンの屈折率は1.9程度であり、酸窒化シリコンの屈折率は1.45以上1.9以下程度である。また、オンチップレンズ54は、各種有機膜に高屈折率材料を含有させた材料により構成されていても良い。例えば、オンチップレンズ54は、各種有機膜に屈折率が2.3程度の酸化チタン(TiO)を含有させた材料により構成されていても良い。
平坦化膜56は、オンチップレンズ54で形成された凹凸を平坦にする為のものである。平坦化膜56は、例えば、屈折率が1.2以上1.5以下の低屈折材料により構成されていることが望ましい。平坦化膜56は、例えば、シロキサン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル共重合系樹脂、或いは前記樹脂のF含有材料(フッ素含有材料)、或いは前記樹脂に樹脂よりも低い屈折率のビーズを内填する材料などの有機材料で構成されている。或いは、平坦化膜56は、酸化シリコン、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、炭化シリコン(SiC)、酸化炭化シリコン(SiOC)、窒化炭化シリコン、酸化ジルコニウム(ZrO2)等の無機材料、及び、これら無機材料の積層構造体で構成されていて、化学機械研磨(CMP、 chemical mechanical polishing)などで平坦化されたものであってもよい。本実施形態では、平坦化膜56が有機膜で構成されているとして、説明する。
遮光膜57は、画素3の境界の領域でオンチップレンズ54より半導体層20側に配置され、隣接する画素から漏れ込む迷光を遮蔽する。この遮光膜57は、光を遮光する材料であれば良いが、遮光性が強く、かつ微細加工、例えばエッチングで精度よく加工できる材料として、例えばアルミニウム(Al)、タングステン(W)、或いは銅(Cu)などの金属膜で形成することが好ましい。遮光膜57は、その他にも銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)およびテルル(Te)等やこれらの金属を含む合金により構成することができ、また、上述の材料を複数積層して構成することもできる。下地の絶縁膜52との密着性を高める為に、遮光膜57の下にバリアメタル、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、或いはそれらの合金、或いはそれらの窒化物、或いはそれらの酸化物、或いはそれらの炭化物を備えていてもよい。また、この遮光膜57で、光学的黒レベルを決定する画素の遮光を兼ねていてもよく、周辺回路領域へのノイズ防止の為の遮光を兼ねていてもよい。遮光膜57は、加工中の蓄積電荷によるプラズマダメージで破壊されないように接地されていることが望ましい。遮光膜57は、例えば、遮光膜全てが電気的に繋がるようにして、有効領域の外側の領域に接地構造を備えてもよい。
<半導体層>
図4Aに示すように、光検出装置1及び光検出装置1が有する半導体層20は、多層膜フィルタ60と共に湾曲している。図4Bに示すように、半導体層20は、半導体基板で構成されている。半導体層20は、例えば、単結晶シリコン基板で構成されている。そして、半導体層20には、光電変換領域20aが画素3毎に設けられている。例えば、分離領域20bで区画された島状の光電変換領域20aが画素3毎に設けられている。すなわち、半導体層20は、複数の光電変換領域20aを2次元アレイ状に配置してなる受光領域20Cを有している。また、複数の光電変換領域20aのそれぞれには、多層膜フィルタを透過した光が入射可能である。
光電変換領域20aは、第1導電型(例えばp型)のウエル領域21と、ウエル領域21の内部に埋設された、第2導電型(例えばn型)の半導体領域である光電変換部22とを有する。図3に示した光電変換素子PDは、光電変換領域20a内に構成されている。光電変換領域20a内の少なくとも一部の領域において、光電変換を行うことが可能である。
分離領域20bは、これに限定されないが、例えば、半導体層20に分離溝を形成し、この分離溝内に絶縁膜52を埋め込んだトレンチ構造を有する。これにより、電子の転がりによるクロストークを絶縁膜52で遮断し、光としてのクロストークも屈折率差による界面反射で抑制することができる。或いは、分離領域20bは、p型半導体領域で形成され、例えば接地されていても良い。
ここで、半導体層20の一方の面を第1の面S1と呼び、他方の面を第2の面S2と呼ぶ。第1の面S1を素子形成面又は主面と呼び、第2の面S2を裏面と呼ぶこともある。また、本実施形態では、光検出装置1が裏面照射型のCMOSイメージセンサであるので、光は第2の面S2側から半導体層20に入射する。そこで、第2の面S2を受光面と呼ぶ場合がある。
<配線層>
配線層30は、絶縁膜31と、配線32と、ビアプラグとを有している。配線32は画素3により生成された画像信号を伝達するものである。また、配線32は、画素回路に印加される信号の伝達をさらに行う。具体的には、配線32は、図2及び図3に示す各種信号線(画素駆動線10等)および電源線Vddを構成する。配線32と画素回路との間は、ビアプラグにより接続されている。また、配線層30は多層で構成され、各配線32の層間もビアプラグにより接続される。配線32は、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属により構成することができる。ビアプラグは、例えば、タングステン(W)や銅(Cu)等の金属により構成することができる。絶縁膜31には、例えば、シリコン酸化膜等を使用することができる。
<支持基板>
支持基板40は、光検出装置1の製造工程において半導体層20等を補強し、支持する基板であり、例えばシリコン基板などで構成される。支持基板40は、プラズマ接合、或いは、接着材料で配線層30と張り合わされ、半導体層20等を支持する。支持基板40は、ロジック回路を備えていてもよく、基板間に接続ビアを形成することで、様々な周辺回路機能を縦積みすることでチップサイズを縮小することが可能となる。
≪光検出装置の製造方法≫
以下、図5A及び図5Bを参照して、光検出装置1の製造方法について説明する。まず、図5Aに示す光検出装置1(半導体チップ2)を準備する。図5Aに示す段階では、光検出装置1はまだ湾曲していない。より具体的には、公知の方法を用いて、図4Bに示す支持基板40からオンチップレンズ54までを形成する。その後、オンチップレンズ54の露出面に平坦化膜56と、多層膜フィルタ60とを、この順で積層する。これにより、湾曲する前の光検出装置1を得る。以下、平坦化膜56及び多層膜フィルタ60の形成方法について、詳細に説明する。
平坦化膜56は、有機材料、例えば、シロキサン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル共重合系樹脂、或いは前記樹脂のF含有材料、或いは前記樹脂に樹脂よりも低い屈折率のビーズを内填する材料を、例えば回転塗布により成膜する。或いは、平坦化膜56を、無機材料、例えば、酸化シリコン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、炭化シリコン、酸化炭化シリコン、窒化炭化シリコン、酸化ジルコニウム、及び、これら無機材料の積層構造体を、CVD、スパッタリングなどで成膜してもよい。無機材料の場合、オンチップレンズ54に沿って露出面に凹凸が生じる為、CMPで平坦化することが望ましい。この時、オンチップレンズ54の上端部が研磨されないように、平坦化膜56の初期膜厚を厚めに成膜しておくことがより望ましい。
次に、平坦化膜56の露出面に、多層膜フィルタ60を成膜する。多層膜フィルタ60は、前述した高屈折率の材料と、低屈折率の材料とを、各層が所望の膜厚になるように、CVD、ALD、或いは、スパッタリングなどで成膜する。その後、ウエハを個片化して、湾曲する前の光検出装置1を得る。
その後、図5Aに示す台座Aに、光検出装置1を湾曲させながら実装する。より具体的には、台座Aの一方の面A1(湾曲した面)に、接着剤Bを介して光検出装置1を固定する。その際、図5Bに示すように、光検出装置1の露出面を押圧部Eにより押圧することによって、台座Aの一方の面A1に沿って光検出装置1を固定する。そして、押圧部Eにより光検出装置1を押圧すると、余分な接着剤Bは、溝A2に流れ込む。接着剤Bは、紫外線硬化タイプ、温度硬化タイプ、時間効果タイプなど、効果タイプは特に限定されない。
≪第1実施形態の主な効果≫
以下、第1実施形態の主な効果を説明するが、その前に、従来例について、説明する。図6に示す従来例では、多層膜フィルタ60は、光検出装置1’に一体に設けられていなかった。そして、多層膜フィルタ60は、光検出装置1’からミリオーダーで離れた位置に設けられていた。そのため、光検出装置1’内部で回析反射された光は、多層膜フィルタ60の界面によりさらに反射されて光L4となり、半導体層20に入射していた。多層膜フィルタ60と光検出装置1’との間が離れていると、光L4は、主光線が入射した画素3から離れた位置にある画素3に入射するため、フレアが生じる領域が広くなる可能性があった。
また、図7に示す従来例では、光検出装置1’及び多層膜フィルタ60が湾曲しておらず平坦である。Z方向に沿って進む主光線L2は、多層膜フィルタ60に対して垂直から遠い角度で入射することが抑制されている。しかし、Z方向に対して斜め方向に進む主光線L1,L3は、多層膜フィルタ60のうち受光領域20Cの縁部寄りの位置(像高が高い位置)付近に積層された部分に対して斜めに入射していた。そのため、多層膜フィルタ60内における主光線L1,L3の光路長が、主光線L2の光路長より長くなっていた。そして、斜め光である主光線L1,L3は、光路長が長くなることにより、多層膜フィルタ60のカットオフ波長が短波長側に大きくシフトしていた。例えば、主光線L1,L3が多層膜フィルタ60に対してθ=30°で入射する場合、図8に示すように、多層膜フィルタ60のカットオフ波長がθ=0°の場合より短波長側に大きくシフトしてしまう。そのため、θ=0°の場合において多層膜フィルタ60を透過する波長の光の一部(例えば、赤色光の一部)は、θ=30°の場合には多層膜フィルタ60により反射され、透過することができない可能性があった。そのため、像高が高い像面において、赤色光の一部が光電変換部22に届かない可能性があった。そのため、像高が高い像面において、赤色光が薄くなり、色再現性が劣化する可能性があった。
これに対して、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1では、多層膜フィルタ60は光検出装置1に一体に積層されている。そのため、図4Eに示すように、光L4が平面視で遠い位置にある画素3に入射することを抑制でき、フレアが生じる領域が広くなることを抑制できる。
また、本技術の第1実施形態に係る光検出装置1では、多層膜フィルタ60は、画素3毎ではなく全体として、半導体層20(受光領域20Cの中央)に向けて凸に湾曲している。そのため、多層膜フィルタ60のうち受光領域20Cの縁部寄りの位置(像高が高い位置)付近に積層された部分に入射する主光線であっても、多層膜フィルタ60に対して垂直から遠い角度で入射することが抑制できる。これにより、多層膜フィルタ60内において、斜めに進む主光線(例えば、主光線L1,L3)の光路長が主光線L2の光路長より大きく長くなることが抑制され、主光線L1,L3のカットオフ波長が短波長側に大きくシフトすることを抑制できる。これにより、たとえ斜め光であっても、例えば赤色光の一部などの本来多層膜フィルタ60を透過するように設計された光が多層膜フィルタ60により反射されることを抑制でき、像面のうち像高が高い位置において色再現性が劣化することを抑制できる。
≪第1実施形態の変形例≫
以下、第1実施形態の変形例について、説明する。
<変形例1>
第1実施形態に係る光検出装置1の多層膜フィルタ60は、可視光を透過させ且つ可視光より長波長の赤外線を反射する赤外線カットフィルタであったが、本技術はこれには限定されない。第1実施形態の変形例1では、多層膜フィルタ60がバンドパスフィルタであっても良い。バンドパスフィルタが透過させる光の波長帯域は、通常、赤外線カットフィルタが透過させる波長帯域より狭い。バンドパスフィルタが透過させる光は、可視光のうちの一部であっても良く、赤外線のような可視光以外の光であっても良い。或いは紫外線センサにおいて、紫外線の光を透過させるようにしてもよい。
従来の光検出装置1’では、図9に示すように、バンドパスフィルタである多層膜フィルタ60のカットオフ波長が短波長側に大きくシフトしていた。これに対して、第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1では、主光線L1,L3のカットオフ波長が短波長側に大きくシフトすることを抑制できる。
この第1実施形態の変形例1に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例2>
第1実施形態に係る光検出装置1の多層膜フィルタ60は、オンチップレンズ54より、光の進行方向の上流側に設けられていたが、本技術はこれには限定されない。図10に示すように、第1実施形態の変形例2では、多層膜フィルタ60は、オンチップレンズ54とカラーフィルタ53との間に設けられている。
この第1実施形態の変形例2に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例3>
第1実施形態に係る光検出装置1は裏面照射型のCMOSイメージセンサであったが、本技術はこれには限定されない。図11に示すように、第1実施形態の変形例3では、光検出装置1は表面(おもて面)照射型のCMOSイメージセンサであっても良い。
この第1実施形態の変形例3に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例4>
第1実施形態の変形例3に係る光検出装置1の多層膜フィルタ60は、オンチップレンズ54より、光の進行方向の上流側に設けられていたが、本技術はこれには限定されない。図12に示すように、第1実施形態の変形例4では、多層膜フィルタ60は、オンチップレンズ54とカラーフィルタ53との間に設けられている。
この第1実施形態の変形例4に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。また、この第1実施形態の変形例4に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態の変形例3に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例5>
第1実施形態に係る光検出装置1の半導体層20は、多層膜フィルタ60と共に湾曲していたが、本技術はこれには限定されない。図13に示すように、第1実施形態の変形例5では、半導体層20は平坦であり、半導体層20と多層膜フィルタ60とのうちの多層膜フィルタ60が湾曲している。
半導体層20、配線層30、及び支持基板40は湾曲しておらず、平坦である。受光面側積層体50は、平坦化膜56に代えて絶縁層58を有している。受光面側積層体50のうち、絶縁層58以外の構成要素は、半導体層20に沿って平坦に設けられている。絶縁層58は、半導体層20と多層膜フィルタ60との間に設けられている。より具体的には、絶縁層58は、オンチップレンズ54と多層膜フィルタ60との間に設けられている。絶縁層58の半導体層20側は、オンチップレンズ54の凹凸を平坦化している。絶縁層58の半導体層20側とは反対側の面は、平坦には形成されておらず、半導体層20に向けて凸に湾曲した湾曲面である。そして、多層膜フィルタ60は、絶縁層58の湾曲面に積層されているので、絶縁層58の湾曲面に沿って湾曲している。絶縁層58は、これには限定されないが、例えば、インプリントリソグラフィで用いられるレジストであり、その屈折率は、例えば、1.2以上1.5以下である。そして、オンチップレンズは、窒化シリコン等屈折率が高い材料で構成することが好ましい。
以下、図14Aから図14Cまでを参照して、光検出装置1の製造方法について説明する。まず、光検出装置1のうち、支持基板40からオンチップレンズ54までを有する基板を準備する。その後、図14Aに示すように、オンチップレンズ54の露出面に、硬化する前のインプリントリソグラフィ用のレジストを、絶縁層58として回転塗布する。その後、図14Bに示すように、絶縁層58を金型EEで押圧し、紫外線を照射し、仮硬化させる。その際、絶縁層58のうち平面視で画素領域2Aに重なる領域のみを仮硬化する。金型EEは、紫外線を透過させる素材で構成されている。
そして、図14Cに示すように、金型EEを絶縁層58から離し、半導体層20に向けて凸に湾曲した、絶縁層58の湾曲面を得る。その後、現像により、絶縁層58の仮硬化されていない部分を洗い流す。そして、仮硬化した絶縁層58に対してさらに紫外線を照射し、熱処理を行う。その後、図示は省略するが、その湾曲面に多層膜フィルタ60を積層する。
この第1実施形態の変形例5に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例6>
第1実施形態の変形例6は、第1実施形態の変形例5の図13を流用して説明する。本第1実施形態の変形例6では、絶縁層58を構成する材料が上述の第1実施形態の変形例5の場合と異なる。絶縁層58は、インプリントリソグラフィ用のレジストではなく、平坦化膜56を構成する材料と同じ材料で構成されている。
以下、図15A及び図15Bを参照して、光検出装置1の製造方法について説明する。支持基板40からオンチップレンズ54までを有する基板を準備する。そして、図15Aに示すように、オンチップレンズ54の露出面に絶縁層58を形成し、その後、絶縁層58の露出面にレジストRを塗布する。その後、公知のグレースケールリソグラフィ技術で露光して、図15Bに示すレジスト形状を得る。図15Bに示すレジスト形状は、画素領域2Aの中央に向けて、レジストRの膜厚が徐々に薄くなっている。その後、ウエハ全面をエッチバックし、図14Cに示す絶縁層58の形状を得る。その後、絶縁層58の湾曲面に多層膜フィルタ60を積層する。
この第1実施形態の変形例6に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例7>
第1実施形態に係る光検出装置1の半導体層20は、多層膜フィルタ60と共に湾曲していたが、本技術はこれには限定されない。図16に示すように、第1実施形態の変形例7では、半導体層20は平坦であり、また、光検出装置1は、チップサイズパッケージ(CSP)であり、半導体層20側の面が半導体層20に向けて凸に湾曲したシールガラスD1を有している。
受光面側積層体50は、平坦化膜56に積層された保護膜56aを有している。平坦化膜56が有機膜で構成されている場合には、平坦化膜56に無機材料からなる保護膜56aを積層することが好ましい。保護膜56aは、これには限定されないが、例えば、酸化シリコンにより構成されている。
光検出装置1は、半導体層20側の面が半導体層20に向けて凸に湾曲したシールガラスD1を有している。シールガラスD1は、ガラス部材である。そして、多層膜フィルタ60は、シールガラスD1の湾曲した面に沿って設けられていて、シールガラスD1の湾曲した面に沿って湾曲している。また、光検出装置1の多層膜フィルタ60と保護膜56aとの間には、接着層59が設けられている。接着層59は、接着剤を熱又は紫外線により硬化して形成されたものであり、多層膜フィルタ60が積層されたシールガラスD1と保護膜56aとを接続している。
以下、図17A及び図17Bを参照して、光検出装置1の製造方法について説明する。支持基板40から平坦化膜56までの製造方法は、すでに第1実施形態において説明したので、省略する。図17Aに示すように、平坦化膜56の露出面に保護膜56aを積層し、支持基板40から保護膜56aまでを有する基板を準備する。また、支持基板40から保護膜56aまでを有する基板とは別に、シールガラスD1及び多層膜フィルタ60を準備する。図17Bに示すように、シールガラスD1の一方の面を、全体として凸形状になるように加工し、湾曲した面を得る。そして、シールガラスD1の湾曲した面に対して、多層膜フィルタ60を積層する。その後、準備した基板の保護膜56aと、準備したシールガラスD1の多層膜フィルタ60側とを、接着剤により接続する。そして、接着剤を熱又は紫外線により硬化して、接着層59を得る。基板側とシールガラスD1側とは、どちらから準備しても良く、特に限定されない。
この第1実施形態の変形例7に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
[第2実施形態]
図18Aから図18Cまで、及び図19Aから図19Cまでに示す本技術の第2実施形態について、以下に説明する。本第2実施形態に係る光検出装置1が上述の第1実施形態に係る光検出装置1と相違するのは、多層膜フィルタ60を湾曲させる代わりに光学素子71を有する点であり、それ以外の光検出装置1の構成は、基本的に上述の第1実施形態の光検出装置1と同様の構成になっている。なお、すでに説明した構成要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。
≪光検出装置の具体的な構成≫
以下、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1の構成について、上述の第1実施形態に係る光検出装置1の構成と異なる部分を中心に説明する。
<光検出装置の積層構造>
図18Bに示すように、光検出装置1(半導体チップ2)は、光学素子層70と、多層膜フィルタ60Aと、受光面側積層体50と、半導体層20と、配線層30と、支持基板40と、をこの順で積層した積層構造を有する。光学素子層70及び多層膜フィルタ60Aは、光検出装置1に一体に積層されている。より具体的には、光学素子層70及び多層膜フィルタ60Aは、光検出装置1に一体に積層されている。多層膜フィルタ60Aは、少なくとも画素領域2Aを途切れなく連続的に覆うように設けられている。
<光学素子層>
光学素子層70は、平面視で少なくとも画素領域2A(受光領域20C)と重なる位置に設けられている。図18Aに示すように、光学素子層70は、平面視で画素領域2A(受光領域20Cと丁度重なる位置に設けられている。光学素子層70は、複数の光学素子71を2次元アレイ状に配置してなる。図18Bに示すように、光学素子71は、画素3毎に、すなわち光電変換領域20a毎に設けられている。一の光学素子71は、一の光電変換領域20aと平面視で重なる位置に設けられている。なお、受光領域20Cは、半導体層20のうち複数の光電変換領域20aを2次元アレイ状に配置してなる領域である。そして、多層膜フィルタ60Aを透過した光が光電変換領域20aに入射する。
<光学素子>
図19A、図19B、及び図19Cは、光学素子71の一例として、図18Cに示す光学素子71aを示している。図19A、図19B、及び図19Cでは、光学素子71aをX方向に沿って3つ並べた例を示している。図19Bに示すように、光学素子71は、主光線の進行方向を、Z方向に近づくように偏向させるために設けられたメタサーフェス光学素子である。そのため、光学素子71は、多層膜フィルタ60Aより、光の進行方向の上流側に設けられている。ここで、メタサーフェス光学素子とは、光の波長より十分小さい幅を有する人工的な構造体72を複数有し、自然界にはない物性や機能を発揮する光学素子である。図19Bに示すように、光学素子71aに対して斜めに入射した主光線L3は、光学素子71aにより、その進行方向がZ方向に近づくように偏向されている。主光線L3は、光学素子71によりその進行方向が偏向されるため、多層膜フィルタ60Aに対して垂直から遠い角度で入射することを抑制できる。
一の光学素子71は、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体72を複数有している。本実施形態では、構造体72は板状の形状を有し、平面視で長手方向に直線状に延在している。なお、一の光学素子71が有する構造体72の数は、図示する数に限定されない。また、幅方向とは、構造体72の幅方向である。より具体的には、構造体72を平面視した場合における長手方向と短手方向とのうちの短手方向である。そして、平面視で、構造体72の幅方向のピッチは、対象とする光の波長以下とする。例えば、可視域として400~650nmに対し、短波長端の400nm未満のピッチとするのが望ましい。このように備えることで回折による迷光を抑制することができる。図19B及び図19Cに示すように、構造体72の高さ方向はZ方向に沿った方向である。構造体72の高さ方向の寸法はサブミクロンオーダーであり複数の構造体72でほぼ同じである。
構造体72は、光を透過する材料により構成されている。構造体72は、屈折率が高い材料により構成することが好ましい。構造体72を構成する材料として、例えば、窒化シリコン(Si)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)等を挙げることができる。本実施形態では、構造体72が窒化シリコンにより構成されているとして、説明する。また、光学素子71のうち、構造体72設けられていない部分は、例えば、空気が占めているが、本技術はこれには限定されない。光学素子71のうち、構造体72設けられていない部分には、構造体72を構成する材料より屈折率が低い材料(例えば、酸化シリコン)が設けられていても良い。
そして、図19Aに示すように、構造体72が平面視で一の光学素子71aに占める密度は、光学素子71aのうちの紙面左側(受光領域20Cの中央に近い部分)の方が、紙面右側(受光領域20Cの縁部に近い部分)より高い。すなわち、光学素子71aの紙面左側と紙面右側とは、紙面左右方向の中央に対して、分布が非対称である。なお、これは光学素子71aを例とした場合の特徴であり、図18Cに示す、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された任意の(又は全ての)光学素子71においては、平面視で、構造体72は、光学素子71のうちの受光領域20Cの縁部側の部分と中央側の部分との中央に対して分布が非対称である。より具体的には、空気より屈折率が高い構造体72が平面視で一の光学素子71aに占める密度は、図19Aの紙面右側から左側に向けて(方向F1に沿って)、徐々に高くなっている。そのため、一の光学素子71aは、紙面右側から左側に向けて屈折率が徐々に高くなっている。構造体72が平面視で一の光学素子71aに占める密度を方向F1に沿って徐々に高くすることは、一の光学素子71a内において、構造体72の幅方向の寸法を紙面右側から左側に向けて(方向F1に沿って)徐々に大きくすること、及び構造体72を配列するピッチを紙面右側から左側に向けて(方向F1に沿って)徐々に小さくすること、の少なくとも一方を行うことにより実現可能である。また、例えば、構造体72を配列するピッチを一定として、構造体72の幅方向の寸法を紙面右側から左側に向けて(方向F1に沿って)徐々に大きくしても良い。構造体72の幅方向の寸法を一定として、構造体72を配列するピッチを紙面右側から左側に向けて(方向F1に沿って)徐々に小さくしても良い。
このような光学素子71aは、図19Bに示すように、主光線の位相を変えることができる。より具体的には、光学素子71aは、構造体72が密に設けられている部分程、主光線の位相をより遅くすることができる。光学素子71aは、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置(像高が高い位置)に重なるように配置された光学素子である。そのため、主光線L3は光学素子71aに斜めに入射する。また、方向F1は、受光領域20Cの縁部から中央へ向かう方向である。光学素子71aに主光線L3が入射すると、光の進行方向に垂直な方向に延在する光の波面Pも、光学素子71aに斜めに入射する。光の波面Pは、まず光学素子71aのうち構造体72が密に設けられている部分に入射する。そして、そのような部分では、波面Pの位相が遅くなる。そして、波面Pは順次、光学素子71aのうち構造体72が占める密度が低い部分にも入射する。そして、そのような部分では、構造体72が占める密度が高い部分と比べて、波面Pの位相の遅れは、あったとしても緩やかである。その結果、光学素子71aに斜めに入射した波面Pに、遅れて進む部分ができ、波面Pが紙面垂直方向に沿って回転され、主光線L3の進行方向が偏向される。このように、複数の構造体72を、光学素子71aのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向(方向F1)に沿って徐々に密になるように設けることにより、主光線L3の進行方向を、Z方向に近づくように偏向することができる。
図18Cには、光学素子層70が有する複数の光学素子71のうちのいくつかを拡大して例示している。より具体的には、図18Cには、光学素子71a,71b,71c,71d,71eを拡大して例示している。なお、光学素子71a,71b,71c,71d,71eを区別しない場合には、単に光学素子71と呼ぶ。また、図18Cには、受光領域20Cの縁部から中央へ向かう複数の方向Fを例示している。図示のように、方向Fは、受光領域20Cの縁部から中央へ放射状に延びている。光学素子71aから光学素子71eまでは、その順で、X方向に沿って間隔を空けて配置されている。そのうち、光学素子71cは、受光領域20Cの中央付近に重なるように配置されている。そして、光学素子71a,71bは、方向F1に沿って配列されていて、光学素子71d,71eは、方向F2に沿って配列されている。なお、方向F1,F2を区別しない場合には、単に方向Fと呼ぶ。光学素子71a,71b,71d,71eはそれぞれ、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置(像高が高い位置)に重なるように配置された一の光学素子(第1光学素子)である。そして、光学素子71a,71b,71d,71eの中では、光学素子71a,71eが最も受光領域20Cの縁部寄りに位置している。そして、平面視で光学素子71a,71e(第1光学素子)より受光領域20Cの中央に近い位置に重なるように配置された光学素子71b,71dはそれぞれ、他の一の光学素子(第2光学素子)でもある。すなわち、第2光学素子は、第1光学素子と、受光領域20Cの中央(像高中心)付近に重なるように配置された光学素子71(第3光学素子)との間に位置している光学素子である。
図18Cに示すように、光学素子71a,71b,71c,71d,71eにおいて、構造体72の配列方向は方向F(本実施形態では方向F1,F2)に沿った方向であるものの、構造体72の幅、配列ピッチ、及び配置位置等が異なっている。このように、光学素子71の光学素子層70内における配置位置に応じて、光学素子71が有する構造体72の幅及び配置位置が異なっている。構造体72の幅及び配置位置等の設計は、光学素子71の光学素子層70内における配置位置及び主光線の入射角度に応じて行えば良い。
図18Cに示すように、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された一の光学素子71、例えば光学素子71a、において、構造体72は、光学素子71aのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されている。光学素子71aが有する構造体72は、方向F1に沿って配列されている。そして、構造体72が平面視で光学素子71aに占める密度は、光学素子71aのうちの受光領域20Cの中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い。より具体的には、構造体72が平面視で光学素子71aに占める密度は、光学素子71aのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて(方向F1に沿って)、徐々に高くなっている。
このような特徴は、平面視で光学素子71a(第1光学素子)より受光領域20Cの中央に近い位置に重なるように配置された光学素子71(第2光学素子、例えば光学素子71b及び光学素子71d)についても同じである。しかし、光学素子71aと光学素子71bとを比較すると、平面視で、光学素子71aのうち受光領域20Cの縁部に近い部分において構造体72が占める密度は、光学素子71bのうち受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72が占める密度より高い。つまり、平面視で受光領域20Cの縁部により近い位置に重なるように配置された光学素子71程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72が占める密度が高く設けられている。そして、平面視で受光領域20Cの中央により近い位置に重なるように配置された光学素子71程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72が占める密度が低く設けられている。それは、光学素子71の光学素子層70内の位置により、主光線が入射する角度θが異なり、光学素子71の光学素子層70内の位置により必要とされる偏向の角度も異なるからである。
例えば、平面視で受光領域20Cの縁部により近い位置に重なるように配置された光学素子71程、入射する主光線とZ方向との間の角度θがより大きくなる。このような主光線をZ方向に近づけるように偏向するためには、当該光学素子71の受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72が占める密度を高くし、偏向する角度をより大きくする必要があるからである。また、例えば、平面視で受光領域20Cの中央により近い位置に重なるように配置された光学素子71程、入射する主光線とZ方向との間の角度θがより小さくなる。この場合、Z方向に近づけるために主光線を偏向させる角度は小さくて済むので、当該光学素子71の受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72の密度の勾配を低くすれば良い。このように、平面視で受光領域20Cの縁部により近い位置に重なるように配置された光学素子71程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72が占める密度が高く設けられている。
上述のような特徴は、光学素子71e及び光学素子71dについても同じである。上述の説明において、光学素子71aを光学素子71eと読み替え、光学素子71bを光学素子71dと読み替え、方向F1を方向F2と読み替えれば良い。上述のような特徴は、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された他の任意の(又は全ての)光学素子71についても、当該光学素子71に対応する方向Fについて、同様である。
なお、受光領域20Cの中央(像高中心)付近に重なるように配置された光学素子71cでは、同じ幅を有する複数の構造体72が、方向F1,F2に沿って均等に配列されている。
<多層膜フィルタ>
光学素子71を透過した光は、多層膜フィルタ60Aに入射する。多層膜フィルタ60Aは、高屈折率層61と低屈折率層62とが交互に積層された積層構造を有し且つ積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタである。より具体的には、多層膜フィルタ60Aは、例えば図20に例示するように、高屈折率層61の一例である高屈折率層61dと低屈折率層62の一例である低屈折率層62dとを交互に積層した積層構造を有し、さらに、積層構造の両側に積層された絶縁膜65を有している。また、高屈折率層61及び低屈折率層62の層数は、多層膜フィルタ60Aに要求される性能に応じて適宜設定することができ、図20に示す例に限定されない。本実施形態では、多層膜フィルタ60Aが赤外線カットフィルタであるとして、説明する。多層膜フィルタ60Aは反射型の赤外線カットフィルタであり、少なくとも赤外線の大部分を反射させるフィルタである。また、高屈折率層61dを構成する材料として、これには限定されないが、例えば、酸化チタン(TiO)を用いることができる。そして、低屈折率層62dを構成する材料として、これには限定されないが、例えば、酸化シリコン(SiO)を用いることができる。さらに、絶縁膜65を構成する材料として、これには限定されないが、例えば、酸化シリコン(SiO)を用いることができる。
≪光検出装置の製造方法≫
以下、光検出装置1の製造方法について説明する。まず、公知の方法を用いて、支持基板40から多層膜フィルタ60Aまでを有する基板を準備する。そして、多層膜フィルタ60Aの露出面に、構造体72を構成する材料である窒化シリコン膜を成膜する。その後、公知のリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、構造体72を形成する。
≪第2実施形態の主な効果≫
以下、第2実施形態の主な効果を説明する。この第2実施形態に係る光検出装置1であっても、上述の第1実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
より具体的には、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1では、多層膜フィルタ60Aは光検出装置1に一体に積層されている。そのため、第1実施形態の図4Eに示す場合と同様に、光L4が平面視で遠い位置にある画素3に入射することを抑制でき、フレアが生じる領域が広くなることを抑制できる。
また、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1では、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体72を複数有する光学素子71を有し、構造体72が平面視で光学素子71(第1光学素子)に占める密度は、当該光学素子71のうちの受光領域20Cの中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い。このような光学素子71に対して斜めに入射した主光線は、光学素子71により、その進行方向がZ方向に近づく方向へと偏向される。そのため、主光線が多層膜フィルタ60Aに対して垂直から遠い角度で入射することを抑制できる。これにより、多層膜フィルタ60A内において、斜めに進む主光線(例えば、主光線L1,L3)の光路長がZ方向に進む主光線L2の光路長より大きく長くなることが抑制され、主光線L1,L3のカットオフ波長が短波長側に大きくシフトすることを抑制できる。これにより、たとえ斜め光であっても、例えば赤色光の一部など、本来、多層膜フィルタ60Aを透過するように設計された光が多層膜フィルタ60Aにより反射されることを抑制でき、像面のうち像高が高い位置において色再現性が劣化することを抑制できる。
また、従来、主光線L1,L3が多層膜フィルタ60Aに対して斜め入射すると、異なる色の隣接する画素3へ入射し、混色が生じる可能性があった。
これに対して、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1では、斜めに進む主光線であっても、多層膜フィルタ60Aに対して垂直から遠い角度で入射することが抑制されているので、隣接する画素3へ入射して混色が生じることを抑制できる。
≪第2実施形態の変形例≫
以下、第2実施形態の変形例について、説明する。
<変形例1>
第2実施形態に係る光検出装置1では、一の光学素子71が有する一の構造体72は、平面視で長手方向(幅方向と交差する方向)に直線状に延在していたが、本技術はこれには限定されない。図21に示す第2実施形態の変形例1では、一の光学素子71Aが有する一の構造体72Aは、長手方向が連続している(つながっている)。
光学素子層70は、複数の光学素子71Aを2次元アレイ状に配置してなる。図21には、光学素子層70が有する複数の光学素子71Aのうちのいくつかを拡大して例示している。より具体的には、光学素子71Aaから71Aiまでを拡大して例示している。なお、光学素子71Aaから71Aiまでを区別しない場合には、単に光学素子71Aと呼ぶ。光学素子71Acは、受光領域20Cの中央付近に重なるように配置されている。光学素子71Aa,71Abは、方向F1に沿って配列されていて、光学素子71Ad,71Aeは、方向F2に沿って配列されている。また、光学素子71Af,71Agは、方向F3に沿って配列されていて、光学素子71Ah,71Aiは、方向F4に沿って配列されている。光学素子71Aa,71Ab,71Adから71Aiまでは、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された光学素子(第1光学素子)である。
一の光学素子71Aは、構造体72Aを複数有している。一の構造体72Aは、長手方向(幅方向と交差する方向)端部が連続した環状体である。より具体的には、一の構造体72Aは、平面視で、外縁及び内縁が円形の円環状の環状体である。以下、受光領域20Cの中央付近に重なるように配置された光学素子71Ac(第3光学素子)を例として、その構造体72Aについて、説明する。光学素子71Acは、径の異なる環状の構造体72Aを3つ有し、さらに環状の構造体72Aの中央に設けられた円形の構造体72Aを一つ有している。光学素子71Acが有する複数の構造体72Aは、平面視で、互いに重なることなく、環及び円の中心が一致するように設けられている。平面視で、一の環状の構造体72Aを囲うように、他の一の環状の構造体72Aが設けられている。そして、平面視で、円形の構造体72Aを囲うように、環状の構造体72Aが設けられている。構造体72Aは、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列されている。
光学素子71Acは、上述のような環状の構造体72Aを有しているので、入射した主光線を光電変換部22に集光させるレンズとして機能する。本変形例では、屈折率が、平面視で光学素子71Acの中央から縁部に向けて放射状に小さくなっていくので、図示は省略するが、波面PがZ方向に沿って凸になるように主光線が偏向される。より具体的には、波面Pが光学素子71の多層膜フィルタ60側とは反対側へ向けて凸になるように主光線が偏向される。換言すると、波面Pが進行方向の上流側へ向けて凸になるように主光線が偏向される。これにより、主光線が進行する過程で波面Pの幅が徐々に狭くなり、光電変換部22内に集光される。このように、光学素子71cは凸レンズとして機能することができる。
次に、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された一の光学素子71A(第1光学素子)について、例えば光学素子71Aaを例として、説明する。光学素子71Aaは、環状及び円形の構造体72Aの中心の位置が一致しておらず、光学素子71Aaのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向(方向F1)に沿って配列されている点で、光学素子71Acと異なる。そして、構造体72Aは、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて、少なくとも、光学素子71Aaのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されている。
構造体72Aが平面視で光学素子71Aaに占める密度は、光学素子71Aaのうちの受光領域20Cの中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い。より具体的には、構造体72Aが平面視で光学素子71Aaに占める密度は、光学素子71Aaのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて(方向F1に沿って)、徐々に高くなっている。このような構成により、光学素子71Aaは、斜めに入射した主光線L3の進行方向を、Z方向に近づくように偏向することができる。なお、上述のような光学素子71Aaの特徴は、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された他の光学素子71Aについても同様である。
なお、構造体72Aが平面視で一の光学素子71Aaに占める密度を方向F1に沿って徐々に高くすることは、これには限定されないが、例えば、一の光学素子71Aa内において、環状及び円形の構造体72Aの中心を、光学素子71Aaのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向(方向F1)に沿って密に配列することにより実現可能である。また、光学素子71Aaは、上述のような環状の構造体72Aを有しているので、光学素子71Acと同様に、入射した主光線を光電変換部22に集光させる凸レンズとして機能することができる。
また、上述のような特徴は、光学素子71Aa(第1光学素子)より受光領域20Cの中央に近い位置に重なるように配置された光学素子71A(第2光学素子、例えば光学素子71Ab)についても同じである。しかし、光学素子71Aaと光学素子71Abとを比較すると、平面視で、光学素子71Aaのうち受光領域20Cの縁部に近い部分において構造体72Aが占める密度は、光学素子71Abのうち受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Aが占める密度より高い。つまり、平面視で受光領域20Cの縁部により近い位置に重なるように配置された光学素子71A程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Aが占める密度が高く設けられている。そして、平面視で受光領域20Cの中央により近い位置に重なるように配置された光学素子71A程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Aが占める密度が低く設けられている。これは、環状及び円形の構造体72Aの方向F1に沿った中心を、光学素子71Abのうち受光領域20Cの中央に近い部分において、光学素子71Aaのうち受光領域20Cの中央に近い部分より疎に配列することにより実現可能である。
以下、第2実施形態の変形例1の主な効果について、説明する。この第2実施形態の変形例1に係る光検出装置1であっても、上述の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
また、本技術の第2実施形態の変形例1に係る光検出装置1では、環状の構造体72Aを有しているので、屈折率が放射状に変化し、波面Pが凸になるように主光線が偏向される。これにより、主光線が進行する過程で波面Pの幅が徐々に狭くなり、光電変換部22内に集光される。これにより、光検出装置1の感度が向上する。
<変形例2>
第2実施形態に係る光検出装置1では、一の光学素子71が有する一の構造体72は、平面視で長手方向(幅方向と交差する方向)に直線状に延在していたが、本技術はこれには限定されない。図22に示す第2実施形態の変形例2では、一の光学素子71Bが有する一の構造体72Bは、長手方向が連続している。
また、第2実施形態の変形例1では、一の構造体72Aは、平面視で、外縁及び内縁が円形の円環状の環状体であったが、本技術はこれには限定されない。図22に示す第2実施形態の変形例2では、一の構造体72Bは、平面視で、外縁及び内縁が方形であり、方形の環状体である。
光学素子層70は、複数の光学素子71Bを2次元アレイ状に配置してなる。図22には、光学素子層70が有する複数の光学素子71Bのうちのいくつかを拡大して例示している。より具体的には、光学素子71Baから71Biまでを拡大して例示している。なお、光学素子71Baから71Biまでを区別しない場合には、単に光学素子71Bと呼ぶ。光学素子71Bcは、受光領域20Cの中央付近に重なるように配置されている。光学素子71Ba,71Bbは、方向F1に沿って配列されていて、光学素子71Bd,71Beは、方向F2に沿って配列されている。また、光学素子71Bf,71Bgは、方向F3に沿って配列されていて、光学素子71Bh,71Biは、方向F4に沿って配列されている。光学素子71Ba,71Bb,71Bdから71Biまでは、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された光学素子(第1光学素子)である。
一の光学素子71Bは、構造体72Bを複数有している。一の構造体72Bは、長手方向(幅方向と交差する方向)が連続した環状体である。より具体的には、一の構造体72Bは、平面視で、外縁及び内縁が方形であり、方形の環状体である。なお、図22では、構造体72Bは正方形であるが、これには限定されず、長方形であっても良い。以下、受光領域20Cの中央付近に重なるように配置された光学素子71Bc(第3光学素子)を例として、その構造体72Bについて、説明する。光学素子71Bcは、寸法の異なる環状の構造体72Bを3つ有し、さらに環状の構造体72Bの中央に設けられた方形の構造体72Bを一つ有している。光学素子71Bcが有する複数の構造体72Bは、平面視で、互いに重なることなく、環状体及び方形の中心が一致するように設けられている。平面視で、一の環状の構造体72Bを囲うように、他の一の環状の構造体72Bが設けられている。そして、平面視で、方形の構造体72Bを囲うように、環状の構造体72Bが設けられている。構造体72Bは、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列されている。光学素子71Bcは、上述のような環状の構造体72Bを有しているので、第2実施形態の変形例1の場合と同様に、入射した主光線を光電変換部22に集光させるレンズとして機能する。
次に、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された一の光学素子71B(第1光学素子)について、例えば光学素子71Baを例として、説明する。光学素子71Baは、環状及び円形の構造体72Bの中心の位置が一致しておらず、光学素子71Baのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向(方向F1)に沿って配列されている点で、光学素子71Bcと異なる。そして、構造体72Bは、平面視で幅方向に互いに間隔を空けて、少なくとも、光学素子71Baのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されている。
構造体72Bが平面視で光学素子71Baに占める密度は、光学素子71Baのうちの受光領域20Cの中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い。より具体的には、構造体72Bが平面視で光学素子71Baに占める密度は、光学素子71Baのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて(方向F1に沿って)、徐々に高くなっている。このような構成により、光学素子71Baは、斜めに入射した主光線L3の進行方向を、Z方向に近づくように偏向することができる。なお、上述のような特徴は、平面視で受光領域20Cの中央から離れた位置に重なるように配置された他の光学素子71Bについても同様である。
なお、構造体72Bが平面視で一の光学素子71Baに占める密度を方向F1に沿って徐々に高くすることは、これには限定されないが、例えば、一の光学素子71Ba内において、環状及び方形の構造体72Bの中心を、光学素子71Baのうちの受光領域20Cの縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向(方向F1)に沿って密に配列することにより実現可能である。また、光学素子71Baは、上述のような環状の構造体72Bを有しているので、光学素子71Bcと同様に、入射した主光線を光電変換部22に集光させる凸レンズとして機能することができる。
また、上述のような特徴は、光学素子71Ba(第1光学素子)より受光領域20Cの中央に近い位置に重なるように配置された光学素子71B(第2光学素子、例えば光学素子71Bb)についても同じである。しかし、光学素子71Baと光学素子71Bbとを比較すると、平面視で、光学素子71Baのうち受光領域20Cの縁部に近い部分において構造体72Bが占める密度は、光学素子71Bbのうち受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Bが占める密度より高い。つまり、平面視で受光領域20Cの縁部により近い位置に重なるように配置された光学素子71B程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Bが占める密度が高く設けられている。そして、平面視で受光領域20Cの中央により近い位置に重なるように配置された光学素子71B程、受光領域20Cの中央に近い部分において構造体72Bが占める密度が低く設けられている。これは、環状及び円形の構造体72Bの方向F1に沿った中心を、光学素子71Bbのうち受光領域20Cの中央に近い部分において、光学素子71Baのうち受光領域20Cの中央に近い部分より疎に配列することにより実現可能である。
以下、第2実施形態の変形例2の主な効果について、説明する。この第2実施形態の変形例2に係る光検出装置1であっても、上述の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。また、第2実施形態の変形例2に係る光検出装置1であっても、上述の第2実施形態の変形例1に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
<変形例3>
第2実施形態の変形例3に係る光検出装置1では、多層膜フィルタの構造が異なる。以下、第2実施形態の変形例3に係る光検出装置1が有する多層膜フィルタ60Bについて、説明する。
図23に示すように、多層膜フィルタ60Bは、高屈折率層61と低屈折率層62とが交互に積層された積層構造と、積層構造の両側に積層された反射防止膜64と、反射防止膜64に積層された絶縁膜65とを有している。反射防止膜64は、これには限定されないが、例えば、窒化シリコンにより構成されている。また、反射防止膜64の厚みは、打ち消したい波長に応じて適宜設定すればよい。反射防止膜64の厚さdは、d=λ/(4*n)で求められる。ここで、λは入射光の中心波長であり、nは反射防止膜64を構成する材料の屈折率である。
以下、第2実施形態の変形例3の主な効果について、説明する。本技術の第2実施形態の変形例3に係る光検出装置1であっても、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
また、従来、多層膜フィルタの分光特性は、波長に対して透過率が波状に変化する場合があった。このような透過率の変化をリップル(振動)と呼んでいた。リップルは、例えば、主光線が反射された場合に、光が干渉して強め合うこと及び弱め合うことにより生じる。多層膜フィルタの分光特性にリップルが生じると、主光線の透過率が波長によって変化するため、得られた画像において色再現性が劣化する場合があった。より具体的には、得られた画像において、透過率が低い波長が薄くなり、高い波長が濃くなる場合があった。
これに対して、本技術の第2実施形態の変形例3に係る光検出装置1の多層膜フィルタ60Bは、反射防止膜64を有しているので、光の反射自体を抑制することができる。そのため、図25に示すように、多層膜フィルタ60Aより、特定の波長において光が干渉して強め合うこと及び弱め合うことを抑制できる。これにより、得られた画像において色再現性が劣化することをより抑制できる。
<変形例4>
第2実施形態の変形例4に係る光検出装置1では、多層膜フィルタの構造が異なる。以下、第2実施形態の変形例4に係る光検出装置1が有する多層膜フィルタ60Cについて、説明する。
図24に示すように、多層膜フィルタ60Cは、高屈折率層61と低屈折率層62とが交互に積層された積層構造と、積層構造の両側に積層された反射防止膜64と、反射防止膜64に積層された絶縁膜65とを有している。積層構造は、Z方向に沿って積層された第1積層構造63aと第2積層構造63bとを有している。第1積層構造63aは、高屈折率層61eと低屈折率層62eとを交互に積層した積層構造を有し、第2積層構造63bは、高屈折率層61fと低屈折率層62fとを交互に積層した積層構造を有している。第1積層構造63aと第2積層構造63bとでは、高屈折率層と低屈折率層との積層ピッチが異なる。より具体的には、第1積層構造63aと第2積層構造63bとでは、高屈折率層と低屈折率層とのうちの少なくとも一方の厚みが異なる。
本技術の第2実施形態の変形例4に係る光検出装置1であっても、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
また、本技術の第2実施形態の変形例4に係る光検出装置1の多層膜フィルタ60Cは、積層ピッチの異なる複数の積層構造を有しているので、異なる帯域の光について、それぞれリップルが生じにくい積層構造を構成することが可能となる。そのため、図25に示すように、多層膜フィルタ60Bより、特定の波長において光が干渉して強め合うこと及び弱め合うことをより抑制できる。これにより、得られた画像において色再現性が劣化することをより抑制できる。
<変形例5>
第2実施形態の変形例1では、一の光学素子71Aは環状及び円形の構造体72Aを有していたが、本技術はこれには限定されない。図26に示す第2実施形態の変形例5では、一の光学素子71Aは、環状の構造体72Aのみを有していても良い。
本技術の第2実施形態の変形例5に係る光検出装置1であっても、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。また、本技術の第2実施形態の変形例5に係る光検出装置1であっても、本技術の第2実施形態の変形例1に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
なお、図示は省略するが、第2実施形態の変形例2においても、同様に、一の光学素子71Bは、環状の構造体72Bのみを有していても良い。
<変形例6>
第2実施形態に係る光検出装置1では、一の光学素子71が有する一の構造体72は板状の形状を有し、平面視で長手方向に直線状に延在していたが、本技術はこれには限定されない。第2実施形態の変形例6では、図示は省略するが、一の構造体72は、Z方向に伸びたピラー形状であっても良い。なお、水平方向におけるピラーの断面形状は、特に限定されない。
本技術の第2実施形態の変形例6に係る光検出装置1であっても、本技術の第2実施形態に係る光検出装置1と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
以下、応用例について、説明する。
<1.電子機器への応用例>
まず、図27に示す電子機器100について説明する。電子機器100は、固体撮像装置101と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。電子機器100は、これに限定されないが、例えば、カメラ等の電子機器である。また、電子機器100は、固体撮像装置101として、上述の光検出装置1を備えている。
光学レンズ(光学系)102は、被写体からの像光(入射光106)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置101内に一定期間にわたって信号電荷が蓄積される。シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路104は、固体撮像装置101の転送動作及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路104から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置101の信号転送を行う。信号処理回路105は、固体撮像装置101から出力される信号(画素信号)に各種信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いはモニタに出力される。
このような構成により、電子機器100では、固体撮像装置101において色再現性の劣化が抑制されるため、映像信号の画質の向上を図ることができる。
なお、電子機器100は、カメラに限られるものではなく、他の電子機器であっても良い。例えば、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュール、指紋センサ等の撮像装置であっても良い。指紋センサは、光源を有し、指に向けて光を照射し、その反射光を受光する構成であっても良い。
また、電子機器100は、固体撮像装置101として、第1実施形態、第2実施形態、及びそれら実施形態の変形例のいずれかに係る光検出装置1、又は第1実施形態、第2実施形態、及びそれら実施形態の変形例のうちの少なくとも2つの組み合わせに係る光検出装置1を備えることができる。
また、従来の電子機器では、固体撮像装置101と光学レンズ102との間、及び、光学レンズ102の入射光側に、赤外線吸収部材を設ける場合があった。光路に複数の赤外線吸収部材を設けることにより、赤外線の透過及び反射を繰り返し、これにより、赤外線を減衰させていた。しかしながら、赤外線吸収部材を複数設けることにより、製造コストが増加していた。
これに対して、本技術を応用した電子機器100では、固体撮像装置101と光学レンズ102との間、及び、光学レンズ102の入射光側には赤外線カットフィルタ(多層膜フィルタ)を設けておらず、赤外線カットフィルタは、固体撮像装置101のみに設けられている。そのため、製造コストの増加を抑制できる。
<2.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図28は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図28に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図28の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図29は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図29では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図29には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図4Aに示す光検出装置1及び図18Bに示す光検出装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、色再現性の劣化が抑制された撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
<3.内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図30は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図30では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図31は、図30に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド11102の撮像部11402に適用され得る。具体的には、図4Aに示す光検出装置1及び図18Bに示す光検出装置1は、撮像部11402に適用することができる。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、色再現性の劣化が抑制された術部画像を得ることができるため、術者が術部を確実に確認することが可能になる。
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
[その他の実施形態]
上記のように、本技術は第1実施形態から第3実施形態までによって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本技術を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、第1実施形態から第3実施形態までにおいて説明したそれぞれの技術的思想を互いに組み合わせることも可能である。例えば、上述の第1実施形態の変形例3の特徴を第2実施形態及びその変形例に適用する等、それぞれの技術的思想に沿った種々の組み合わせが可能である。
また、本技術は、上述したイメージセンサとしての固体撮像装置の他、ToF(Time of Flight)センサともよばれる距離を測定する測距センサなども含む光検出装置全般に適用することができる。測距センサは、物体に向かって照射光を発光し、その照射光が物体の表面で反射され返ってくる反射光を検出し、照射光が発光されてから反射光が受光されるまでの飛行時間に基づいて物体までの距離を算出するセンサである。この測距センサの構造として、上述した多層膜フィルタ、又は多層膜フィルタと光学素子との組み合わせの構造を採用することができる。
また、光検出装置1は、二枚以上の半導体基板が重ね合わされて積層された積層型CIS(CMOS Image Sensor、CMOSイメージセンサ)であっても良い。その場合、ロジック回路13及び読出し回路15のうちの少なくとも一方は、それら半導体基板のうちの光電変換領域20aが設けられた半導体基板とは異なる基板に設けられても良い。
また、例えば、上述の構成要素を構成するとして挙げられた材料は、添加物や不純物等を含んでいても良い。
このように、本技術はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本技術の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があっても良い。
なお、本技術は、以下のような構成としてもよい。
(1)
高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、
を備え、
前記多層膜フィルタは全体として、前記半導体層に向けて凸に湾曲している、
光検出装置。
(2)
前記半導体層と前記多層膜フィルタとの間に設けられた絶縁層を有し、
前記絶縁層の前記半導体層側とは反対側の面は、前記半導体層に向けて凸に湾曲した湾曲面であり、
前記多層膜フィルタは、前記絶縁層の前記湾曲面に沿って湾曲している、(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記半導体層は、前記多層膜フィルタと共に湾曲している、(1)に記載の光検出装置。
(4)
一方の面が他方の面に向けて凸に湾曲している台座を有し、
前記多層膜フィルタ及び前記半導体層は、前記台座に対して、前記台座の前記一方の面に沿って固定されている、(3)に記載の光検出装置。
(5)
前記半導体層側の面が前記半導体層に向けて凸に湾曲したガラス部材を有し、
前記多層膜フィルタは、前記ガラス部材の湾曲した面に沿って湾曲している、(1)に記載の光検出装置。
(6)
前記多層膜フィルタは、当該光検出装置に一体に積層されている、(1)から(5)のいずれかに記載の光検出装置。
(7)
前記多層膜フィルタは、赤外線カットフィルタである、(1)から(6)のいずれかに記載の光検出装置。
(8)
光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
前記光検出装置は、
高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、
を備え、
前記多層膜フィルタは全体として、前記半導体層に向けて凸に湾曲している、
電子機器。
(9)
前記多層膜フィルタは、前記光検出装置のみに設けられている、(8)に記載の電子機器。
(10)
平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体を複数有する光学素子と、
前記光学素子を透過した光が入射可能であり、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し、前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能な複数の光電変換領域を2次元アレイ状に配置してなる受光領域を有する半導体層と、
を備え、
前記光学素子は、前記光電変換領域毎に、前記光電変換領域と平面視で重なる位置に設けられ、
平面視で前記受光領域の中央から離れた位置に重なるように配置された一の前記光学素子である第1光学素子において、前記構造体は、少なくとも、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されていて、
前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い、
光検出装置。
(11)
前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に高くなっている、(10)に記載の光検出装置。
(12)
平面視で、前記構造体の幅方向の寸法は、前記第1光学素子の前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に大きくなっている、(10)又は(11)に記載の光検出装置。
(13)
平面視で、前記構造体を配列するピッチは、前記第1光学素子のうち前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に小さくなっている、(10)から(12)のいずれかに記載の光検出装置。
(14)
他の一の前記光学素子である第2光学素子は、平面視で前記第1光学素子より前記受光領域の中央に近い位置に重なるように配置されていて、
平面視で、前記第1光学素子のうち前記受光領域の中央に近い部分において前記構造体が占める密度は、前記第2光学素子のうち前記受光領域の中央に近い部分において前記構造体が占める密度より高い、(10)から(13)のいずれかに記載の光検出装置。
(15)
前記ピッチは400nm未満である、(13)に記載の光検出装置。
(16)
一の前記光学素子が有する一の前記構造体は、幅方向と交差する方向が連続している、(10)から(15)のいずれかに記載の光検出装置。
(17)
前記多層膜フィルタは、当該光検出装置に一体に積層されている、(10)から(16)のいずれかに記載の光検出装置。
(18)
前記多層膜フィルタは、赤外線カットフィルタである、(10)から(17)のいずれかに記載の光検出装置。
(19)
前記多層膜フィルタの前記積層構造は、第1積層構造と第2積層構造とを含み、
前記第1積層構造と前記第2積層構造とでは、前記高屈折率層の膜厚及び前記低屈折率層の膜厚の少なくとも一方が異なる、(18)に記載の光検出装置。
(20)
光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
前記光検出装置は、
平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体を複数有する光学素子と、
前記光学素子を透過した光が入射可能であり、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し、前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能な複数の光電変換領域を2次元アレイ状に配置してなる受光領域を有する半導体層と、
を備え、
前記光学素子は、前記光電変換領域毎に、前記光電変換領域と平面視で重なる位置に設けられ、
平面視で前記受光領域の中央から離れた位置に重なるように配置された一の前記光学素子である第1光学素子において、前記構造体は、少なくとも、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されていて、
前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い、
電子機器。
本技術の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本技術が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本技術の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 光検出装置
2 半導体チップ
2A 画素領域
2B 周辺領域
3 画素
4 垂直駆動回路
5 カラム信号処理回路
6 水平駆動回路
7 出力回路
8 制御回路
10 画素駆動線
11 垂直信号線
12 水平信号線
13 ロジック回路
14 ボンディングパッド
15 読出し回路
20 半導体層
20a 光電変換領域
20b 分離領域
20C 受光領域
22 光電変換部
30 配線層
40 支持基板
50 受光面側積層体
53 カラーフィルタ
54 オンチップレンズ
55 反射防止膜
56 平坦化膜
56a 保護膜
57 遮光膜
58 絶縁層
59 接着層
60,60A,60B,60C 多層膜フィルタ
61 高屈折率層
62 低屈折率層
70 光学素子層
71,71A,71B 光学素子
72,72A,72B 構造体
100 電子機器
101 固体撮像装置
102 光学レンズ(光学系)
103 シャッタ装置
104 駆動回路
105 信号処理回路
106 入射光
D,D1 シールガラス

Claims (20)

  1. 高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
    前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、
    を備え、
    前記多層膜フィルタは全体として、前記半導体層に向けて凸に湾曲している、
    光検出装置。
  2. 前記半導体層と前記多層膜フィルタとの間に設けられた絶縁層を有し、
    前記絶縁層の前記半導体層側とは反対側の面は、前記半導体層に向けて凸に湾曲した湾曲面であり、
    前記多層膜フィルタは、前記絶縁層の前記湾曲面に沿って湾曲している、請求項1に記載の光検出装置。
  3. 前記半導体層は、前記多層膜フィルタと共に湾曲している、請求項1に記載の光検出装置。
  4. 一方の面が他方の面に向けて凸に湾曲している台座を有し、
    前記多層膜フィルタ及び前記半導体層は、前記台座に対して、前記台座の前記一方の面に沿って固定されている、請求項3に記載の光検出装置。
  5. 前記半導体層側の面が前記半導体層に向けて凸に湾曲したガラス部材を有し、
    前記多層膜フィルタは、前記ガラス部材の湾曲した面に沿って湾曲している、請求項1に記載の光検出装置。
  6. 前記多層膜フィルタは、当該光検出装置に一体に積層されている、請求項1に記載の光検出装置。
  7. 前記多層膜フィルタは、赤外線カットフィルタである、請求項1に記載の光検出装置。
  8. 光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
    前記光検出装置は、
    高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し且つ前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
    前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能であり且つ2次元アレイ状に配置された光電変換領域を複数有する半導体層と、
    を備え、
    前記多層膜フィルタは全体として、前記半導体層に向けて凸に湾曲している、
    電子機器。
  9. 前記多層膜フィルタは、前記光検出装置のみに設けられている、請求項8に記載の電子機器。
  10. 平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体を複数有する光学素子と、
    前記光学素子を透過した光が入射可能であり、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し、前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
    前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能な複数の光電変換領域を2次元アレイ状に配置してなる受光領域を有する半導体層と、
    を備え、
    前記光学素子は、前記光電変換領域毎に、前記光電変換領域と平面視で重なる位置に設けられ、
    平面視で前記受光領域の中央から離れた位置に重なるように配置された一の前記光学素子である第1光学素子において、前記構造体は、少なくとも、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されていて、
    前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い、
    光検出装置。
  11. 前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に高くなっている、請求項10に記載の光検出装置。
  12. 平面視で、前記構造体の幅方向の寸法は、前記第1光学素子の前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に大きくなっている、請求項10に記載の光検出装置。
  13. 平面視で、前記構造体を配列するピッチは、前記第1光学素子のうち前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向けて、徐々に小さくなっている、請求項10に記載の光検出装置。
  14. 他の一の前記光学素子である第2光学素子は、平面視で前記第1光学素子より前記受光領域の中央に近い位置に重なるように配置されていて、
    平面視で、前記第1光学素子のうち前記受光領域の中央に近い部分において前記構造体が占める密度は、前記第2光学素子のうち前記受光領域の中央に近い部分において前記構造体が占める密度より高い、請求項10に記載の光検出装置。
  15. 前記ピッチは400nm未満である、請求項13に記載の光検出装置。
  16. 一の前記光学素子が有する一の前記構造体は、幅方向と交差する方向が連続している、請求項10に記載の光検出装置。
  17. 前記多層膜フィルタは、当該光検出装置に一体に積層されている、請求項10に記載の光検出装置。
  18. 前記多層膜フィルタは、赤外線カットフィルタである、請求項10に記載の光検出装置。
  19. 前記多層膜フィルタの前記積層構造は、第1積層構造と第2積層構造とを含み、
    前記第1積層構造と前記第2積層構造とでは、前記高屈折率層の膜厚及び前記低屈折率層の膜厚の少なくとも一方が異なる、請求項18に記載の光検出装置。
  20. 光検出装置と、前記光検出装置に被写体からの像光を結像させる光学系と、を備え、
    前記光検出装置は、
    平面視で幅方向に互いに間隔を空けて配列された構造体を複数有する光学素子と、
    前記光学素子を透過した光が入射可能であり、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層構造を有し、前記積層構造に固有の透過スペクトルを有する多層膜フィルタと、
    前記多層膜フィルタを透過した光が入射可能な複数の光電変換領域を2次元アレイ状に配置してなる受光領域を有する半導体層と、
    を備え、
    前記光学素子は、前記光電変換領域毎に、前記光電変換領域と平面視で重なる位置に設けられ、
    平面視で前記受光領域の中央から離れた位置に重なるように配置された一の前記光学素子である第1光学素子において、前記構造体は、少なくとも、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の縁部に近い部分から中央に近い部分へ向かう方向に沿って配列されていて、
    前記構造体が平面視で前記第1光学素子に占める密度は、前記第1光学素子のうちの前記受光領域の中央に近い部分の方が、縁部に近い部分より高い、
    電子機器。
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