JP2019047392A - 撮像素子及び固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学的クロストークの発生を抑制し得る構成、構造の撮像素子を提供する。【解決手段】撮像素子10a,10bが、複数、配列された固体撮像装置は裏面照射型であり、第1、第2光電変換部13a、13b及び第1光電変換部13a、13bの光入射側とは反対側に配設された第1光学フィルタ14a、14bを備えている。第1光学フィルタ14aが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタ14bが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報である。【選択図】図1

Description

本開示は、撮像素子、及び、斯かる撮像素子を備えた固体撮像装置に関する。
裏面照射型の固体撮像装置においては、半導体基板(あるいは半導体層)内に光電変換部が設けられ、光電変換部の光入射側とは反対側に、即ち、半導体基板(あるいは半導体層)の下方に配線層あるいは光反射層が設けられている(例えば、特開2010−263158号公報、特開2015−056417号公報参照)。光電変換部に入射した光によって光電変換部において光電変換が生じるが、一部の光は、光電変換部を通過し、配線層あるいは光反射板に衝突する。尚、光電変換部を基準として、光電変換部において光電変換される光が入射する側(光電変換部の光入射側)を『上方』と呼び、光電変換部を通過して、光電変換部から光が出射される側(光電変換部の光入射側とは反対側)を『下方』と呼ぶ。
特開2010−263158号公報 特開2015−056417号公報
配線層あるいは光反射板に衝突した光は光電変換部に戻されるが、一部は、隣接する撮像素子を構成する光電変換部に入射する場合がある。そして、このような現象が発生すると、所謂光学的クロストークが発生し、固体撮像装置によって得られる画像に品質低下が生じる。また、偏光情報を得る撮像素子にあっては、消光比の低下を招く。特に、光電変換部で吸収され難い長波長の光(赤色光や近赤外光)では、これらの問題が生じ易い。
従って、本開示の目的は、光学的クロストークの発生を抑制し得る構成、構造の撮像素子、斯かる撮像素子を備えた固体撮像装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の撮像素子は、
光電変換部、及び、
光電変換部の光入射側とは反対側に配設された光学フィルタ、
を備えている。尚、本開示の撮像素子は、裏面照射型である。
上記の目的を達成するための本開示の固体撮像装置は、
撮像素子が、複数、配列された固体撮像装置であって、
撮像素子は、
第1光電変換部、及び、
第1光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第1光学フィルタ、
を備えており、
撮像素子に隣接する隣接撮像素子は、
第2光電変換部、及び、
第2光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第2光学フィルタ、
を備えており、
第1光学フィルタが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報である。尚、本開示の固体撮像装置を構成する撮像素子は、裏面照射型である。
本開示の撮像素子にあっては、光電変換部の光入射側とは反対側(下方)に光学フィルタが配設されている。従って、或る撮像素子(便宜上、『撮像素子−A』と呼ぶ)の光電変換部、更には、光学フィルタを通過した光が、例えば、配線層や光反射膜によって反射され、撮像素子−Aに隣接する撮像素子(便宜上、『撮像素子−B』と呼ぶ)の光電変換部に下方から入射するとき、先ず、撮像素子−Bの光学フィルタと衝突する。それ故、下方から撮像素子−Bに入射する光を減じることができるので、光学的クロストークの発生を抑制することができる。本開示の固体撮像装置にあっては、光電変換部の光入射側とは反対側(下方)に光学フィルタが配設されている。撮像素子の第1光電変換部、更には、第1光学フィルタを通過した光が、例えば、配線層や光反射膜によって反射され、隣接撮像素子の第2光電変換部に下方から入射するとき、先ず、隣接撮像素子の第2光学フィルタと衝突する。ここで、第1光学フィルタが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報であるが故に、下方から隣接撮像素子に入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
図1A及び図1Bは、実施例1及び実施例2の固体撮像装置の概念図である。 図2A及び図2Bは、実施例3及びその変形例の固体撮像装置の概念図である。 図3は、実施例4の固体撮像装置の概念図である。 図4は、実施例1の撮像素子の模式的な一部断面図である。 図5は、実施例1の撮像素子の等価回路図である。 図6は、実施例1の固体撮像装置の回路図である。 図7は、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的斜視図である。 図8は、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の変形例の模式的な部分的斜視図である。 図9A及び図9Bは、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子及びその変形例の模式的な一部端面図である。 図10A及び図10Bは、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の別の変形例の模式的な一部端面図である。 図11A及び図11Bは、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子及びその変形例の模式的な部分的平面図である。 図12は、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の別の変形例の模式的な部分的平面図である。 図13は、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の別の変形例の模式的な部分的平面図である。 図14は、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の別の変形例の模式的な部分的平面図である。 図15は、実施例2の撮像素子の模式的な一部断面図である。 図16は、実施例2の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の別の変形例の模式的な部分的平面図である。 図17は、実施例3の撮像素子の模式的な一部断面図である。 図18は、実施例3の撮像素子の変形例の模式的な一部断面図である。 図19は、実施例4の撮像素子の模式的な一部断面図である。 図20は、本開示の撮像素子等から構成された固体撮像装置を電子機器(カメラ)を用いた例の概念図である。 図21A、図21B、図21C及び図21Dは、本開示の撮像素子等を構成する光学フィルタ(ワイヤグリッド偏光素子)の製造方法を説明するための下層絶縁層等の模式的な一部端面図である。 図22は、車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 図23は、車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。 図24は、内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。 図25は、カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。 図26は、体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 図27は、ワイヤグリッド偏光素子を通過する光等を説明するための概念図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の撮像素子及び本開示の固体撮像装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の撮像素子及び本開示の固体撮像装置)
3.実施例2(実施例1の変形、第1構造及び第2構造の撮像素子及び固体撮像装置)
4.実施例3(実施例1の別の変形、第3構造及び第5構造の撮像素子及びの固体撮像装置)
5.実施例4(実施例1の別の変形、第4構造の撮像素子及び固体撮像装置)
6.実施例5(移動体への応用例)
7.実施例6(内視鏡手術システムへの応用例)
8.実施例7(体内情報取得システムへの応用例)
9.その他
〈本開示の撮像素子及び本開示の固体撮像装置〉
本開示の撮像素子及び本開示の固体撮像装置における「光学フィルタ」とは、入射光の中に含まれる光の情報(『光学的情報』と呼ぶ)の一部を選択的に取り出し、それ以外の情報は、吸収あるいは反射によってカット(除去)する機能を有する部材を指す。光の情報(光学的情報)として、後述するように偏光あるいは波長(波長範囲)を挙げることができる。以下の説明において、光学フィルタ、第1光学フィルタ、第2光学フィルタ、上方・光学フィルタ、上方・第1光学フィルタ、上方・第2光学フィルタ、下方・光学フィルタ、下方・第1光学フィルタ及び下方・第2光学フィルタを総称して、『光学フィルタ等』と呼ぶ場合がある。また、光学フィルタ、第1光学フィルタ、第2光学フィルタ、下方・光学フィルタ、下方・第1光学フィルタ及び下方・第2光学フィルタを総称して、『光学フィルタ/下方・光学フィルタ等』と呼ぶ場合がある。更には、上方・光学フィルタ、上方・第1光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタを総称して、『上方・光学フィルタ等』と呼ぶ場合がある。本開示の撮像素子、及び、本開示の固体撮像装置を構成する撮像素子、隣接撮像素子を総称して、『本開示の撮像素子等』と呼ぶ場合がある。
〈第1構造の撮像素子〉
本開示の撮像素子にあっては、光電変換部の光入射側に上方・光学フィルタを更に備えている形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の撮像素子を、便宜上、『第1構造の撮像素子』と呼ぶ。
〈第2構造の撮像素子〉
そして、第1構造の撮像素子において、
上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
光学フィルタは、光電変換部からの光を通過する形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の撮像素子を、便宜上、『第2構造の撮像素子』と呼ぶ。
〈第3構造の撮像素子〉
更には、第2構造の撮像素子にあっては、
光学フィルタの光電変換部側とは反対側に下方・光学フィルタを更に備えており、
下方・光学フィルタは、光学フィルタを通過した光を反射する形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の撮像素子を、便宜上、『第3構造の撮像素子』と呼ぶ。
〈第4構造の撮像素子〉
あるいは又、第1構造の撮像素子において、
上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
光学フィルタは、光電変換部を通過した光を反射する形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の撮像素子を、便宜上、『第4構造の撮像素子』と呼ぶ。
〈第5構造の撮像素子〉
あるいは又、第1構造の撮像素子において、光学フィルタの光電変換部側とは反対側に、下方・光学フィルタを更に備えている形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の撮像素子を、便宜上、『第5構造の撮像素子』と呼ぶ。
〈第1構造の固体撮像装置〉
本開示に固体撮像装置において、
撮像素子は、第1光電変換部の光入射側に上方・第1光学フィルタを更に備えており、
隣接撮像素子は、第2光電変換部の光入射側に上方・第2光学フィルタを更に備えている形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の固体撮像装置を、便宜上、『第1構造の固体撮像装置』と呼ぶ。
〈第2構造の固体撮像装置/第3構造の固体撮像装置〉
そして、第1構造の固体撮像装置において、
撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報である形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の固体撮像装置を、便宜上、『第2構造の固体撮像装置』と呼ぶ。そして、更には、第2構造の固体撮像装置にあっては、
撮像素子は、第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを備えており、
隣接撮像素子は、第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを備えており、
撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び下方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び下方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の固体撮像装置を、便宜上、『第3構造の固体撮像装置』と呼ぶ。
〈第4構造の固体撮像装置〉
あるいは又、第1構造の固体撮像装置において、
撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の固体撮像装置を、便宜上、『第4構造の固体撮像装置』と呼ぶ。
〈第5構造の固体撮像装置〉
あるいは又、第1構造の固体撮像装置において、
第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを更に備えており、
第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを更に備えている形態とすることができる。尚、このような形態の本開示の固体撮像装置を、便宜上、『第5構造の固体撮像装置』と呼ぶ。
本開示の撮像素子が複数配列された画素領域は、例えば、2次元アレイ状に規則的に複数配列された画素から構成される。画素領域は、通常、実際に光を受光し光電変換によって生成された信号電荷を増幅して駆動回路に読み出す有効画素領域と、黒レベルの基準になる光学的黒を出力するための黒基準画素領域とから構成されている。黒基準画素領域は、通常は、有効画素領域の外周部に配置されている。黒基準画素領域は、周辺領域によって囲まれている。
以上の好ましい形態、構成を含む本開示の撮像素子等において、入射光に含まれる光学的情報は偏光である形態とすることができ、この場合、光学フィルタ等は偏光子から成る形態とすることができ、更には、光学フィルタ等はワイヤグリッド偏光素子から成る構成とすることができ、更には、光学フィルタ/下方・光学フィルタ等は配線としても機能する構成とすることができる。あるいは又、偏光子は、可視光の波長よりも小さな周期を有する鋸状の溝構造を有する構成とすることができる。そして、これらの形態、構成を採用することで、消光比の低下発生を抑制することができる。
あるいは又、以上の好ましい形態、構成を含む本開示の撮像素子等において、入射光に含まれる光学的情報は波長(波長範囲)である形態とすることができ、この場合、光学フィルタは波長選択手段から成る形態とすることができ、更には、波長選択手段は、フォトニック結晶から構成されたフィルタ、又は、プラズモニックフィルタ、又は、誘電体多層膜から成るフィルタから構成されている形態とすることができる。具体的には、波長選択手段は、赤色光を選択的に通過させ、緑色光及び青色光を吸収・反射する波長選択手段と、緑色光を選択的に通過させ、赤色光及び青色光を吸収・反射する波長選択手段と、青色光を選択的に通過させ、赤色光及び緑色を吸収・反射する波長選択手段との組合せとすればよい。
本開示の固体撮像装置にあっては、例えば、複数の撮像素子が2次元マトリクス状に配列されているが、便宜上、撮像素子の一方の配列方向を『x0方向』と呼び、他方の配列方向を『y0方向』と呼ぶ。x0方向とy0方向とは直交していることが好ましい。x0方向は所謂行方向あるいは所謂列方向であり、y0方向は列方向あるいは行方向である。
ワイヤグリッド偏光素子(Wire Grid Polarizer,WGP)は、ライン・アンド・スペース構造を有する。ライン・アンド・スペース構造の延びる方向を、便宜上、『第1の方向』と呼び、ライン部の繰り返し方向(第1の方向と直交する方向)を、便宜上、『第2の方向』と呼ぶ。図27に概念図を示すように、ワイヤグリッドの形成ピッチP0が入射する電磁波の波長λ0よりも有意に小さい場合、ワイヤグリッドの延在方向(第1の方向)に平行な平面で振動する電磁波は、選択的にワイヤグリッドにて反射・吸収される。ここで、ライン部とライン部との間の距離(第2の方向に沿ったスペース部の距離、長さ)を、ワイヤグリッドの形成ピッチP0とする。すると、図27に示すように、ワイヤグリッド偏光素子に到達する電磁波(光)には縦偏光成分と横偏光成分が含まれるが、ワイヤグリッド偏光素子を通過した電磁波は縦偏光成分が支配的な直線偏光となる。ここで、可視光波長帯に着目して考えた場合、ワイヤグリッドの形成ピッチP0がワイヤグリッド偏光素子へ入射する電磁波の実効波長λeffよりも有意に小さい場合、第1の方向に平行な面に偏った偏光成分はワイヤグリッドの表面で反射若しくは吸収される。一方、第2の方向に平行な面に偏った偏光成分を有する電磁波がワイヤグリッドに入射すると、ワイヤグリッドの表面を伝播した電場がワイヤグリッドの裏面から入射波長と同じ波長、同じ偏光方位のまま透過(出射)する。ここで、スペース部に存在する物質に基づき求められた平均屈折率をnaveとしたとき、実効波長λeffは、(λ0/nave)で表される。平均屈折率naveとは、スペース部において存在する物質の屈折率と体積の積を加算して、スペース部の体積で除した値である。波長λ0の値を一定とした場合、naveの値が小さいほど、実効波長λeffの値は大きくなり、従って、形成ピッチP0の値を大きくすることができる。また、naveの値が大きくなるほど、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の低下、消光比の低下を招く。
ワイヤグリッド偏光素子は、少なくとも帯状の光反射層及び光吸収層の積層構造体が、複数、離間して並置されて成る形態(即ち、ライン・アンド・スペース構造を有する形態)とすることができる。あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子は、帯状の光反射層、絶縁膜及び光吸収層の積層構造体が、複数、離間して並置されて成る形態とすることができる。尚、この場合、積層構造体における光反射層と光吸収層とは絶縁膜によって離間されている構成(即ち、光反射層の頂面全面に絶縁膜が形成されており、絶縁膜の頂面全面に光吸収層が形成されている構成)とすることもできるし、絶縁膜の一部が切り欠かれ、光反射層と光吸収層とは絶縁膜の切欠き部において接している構成とすることもできる。そして、これらの場合、光反射層は第1導電材料から成り、光吸収層は第2導電材料から成る形態とすることができる。このような構成にすることで、光吸収層及び光反射層の全領域が電気的に接続される結果、確実に放電の発生を防止することができる。あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子は、絶縁膜が省略され、光吸収層及び光反射層が積層されて成る構成とすることができる。
尚、上方・光学フィルタにおいては、光反射層が光電変換部に対向して位置し、光学フィルタ/下方・光学フィルタ等においても、光反射層が光電変換部に対向して位置する構成とすることが好ましい。
光学フィルタ/下方・光学フィルタ等や上方・光学フィルタ等を構成するワイヤグリッド偏光素子は、
(A)下地上に(光学フィルタ/下方・光学フィルタ等を形成する場合、例えばシリコン半導体基板の上方に、また、上方・光学フィルタ等を形成する場合、光電変換部を形成した後、光電変換部の上方に)、第1導電材料から成り、基板又は光電変換部と電気的に接続された光反射層形成層を設け、次いで、
(B)光反射層形成層の上に絶縁膜形成層を設け、絶縁膜形成層の上に、第2導電材料から成り、少なくとも一部が光反射層形成層と接した光吸収層形成層を設け、その後、
(C)光吸収層形成層、絶縁膜形成層及び光反射層形成層をパターニングすることで、帯状の光反射層、絶縁膜及び光吸収層のライン部が、複数、離間して並置されて成るワイヤグリッド偏光素子を得る、
各工程に基づき製造することができる。尚、
工程(B)において、基板又は光電変換部を介して光反射層形成層を所定の電位とした状態で、第2導電材料から成る光吸収層形成層を設け、
工程(C)において、基板又は光電変換部を介して光反射層形成層を所定の電位とした状態で、光吸収層形成層、絶縁膜形成層及び光反射層形成層をパターニングする形態とすることができる。
そして、この場合、光反射層の下地層として、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造が形成されている構成とすることができ、これによって、光反射層形成層、光反射層のラフネスを改善することができる。
そして、この場合、光反射層の下地層として、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造が形成されている構成とすることができ、これによって、光反射層形成層、光反射層のラフネスを改善することができる。
ワイヤグリッド偏光素子において、帯状の光反射層の延びる方向(第1の方向)は、消光させるべき偏光方位と一致しており、帯状の光反射層の繰り返し方向(第2の方向)は、透過させるべき偏光方位と一致している構成とすることができる。即ち、光反射層は、偏光子としての機能を有し、ワイヤグリッド偏光素子に入射した光の内、光反射層の延びる方向と平行な方向に電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか一方)を減衰させ、光反射層の延びる方向と直交する方向(帯状の光反射層の繰り返し方向)に電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか他方)を透過させる。即ち、光反射層の延びる方向がワイヤグリッド偏光素子の光吸収軸となり、光反射層の延びる方向と直交する方向がワイヤグリッド偏光素子の光透過軸となる。また、第2の方向はx0方向あるいはy0方向と平行である形態とすることができる。
即ち、本開示の固体撮像装置にあっては、例えば、上方・光学フィルタ等において、光吸収層から光が入射する。そして、ワイヤグリッド偏光素子は、光の透過、反射、干渉、光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、第1の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか一方)を減衰させると共に、第2の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか他方)を透過させる。即ち、一方の偏光波(例えば、TE波/S波)は、光吸収層の光学異方性による偏光波の選択的光吸収作用によって減衰される。帯状の光反射層は偏光子として機能し、光吸収層及び絶縁膜を透過した一方の偏光波(例えば、TE波/S波)を反射する。このとき、光吸収層を透過し、光反射層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波/S波)の位相が半波長分ずれるように絶縁膜を構成すれば、光反射層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波/S波)は、光吸収層で反射された一方の偏光波(例えば、TE波/S波)との干渉により打ち消し合って減衰される。以上のようにして、一方の偏光波(例えば、TE波/S波)を選択的に減衰させることができる。但し、上述したように、絶縁膜の厚さが最適化されていなくても、コントラストの向上を実現することができる。それ故、上述したように、実用上、所望の偏光特性と実際の作製工程との兼ね合い基づき、絶縁膜の厚さを決定すればよい。
光反射層(光反射層形成層)は、金属材料、合金材料若しくは半導体材料から成る構成とすることができるし、光吸収層は、金属材料、合金材料若しくは半導体材料から成る構成とすることができる。光反射層(光反射層形成層)を構成する無機材料として、具体的には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)等の金属材料や、これらの金属を含む合金材料、半導体材料を挙げることができる。
光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、消衰係数kが零でない、即ち、光吸収作用を有する金属材料や合金材料、半導体材料、具体的には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、鉄(Fe)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、テルル(Te)、錫(Sn)等の金属材料や、これらの金属を含む合金材料、半導体材料を挙げることができる。また、FeSi2(特にβ−FeSi2)、MgSi2、NiSi2、BaSi2、CrSi2、CoSi2等のシリサイド系材料を挙げることもできる。特に、光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、アルミニウム又はその合金、あるいは、β−FeSi2や、ゲルマニウム、テルルを含む半導体材料を用いることで、可視光域で高コントラスト(高消光比)を得ることができる。尚、可視光以外の波長帯域、例えば赤外域に偏光特性を持たせるためには、光吸収層(光吸収層形成層)を構成する材料として、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)等を用いることが好ましい。これらの金属の共鳴波長が赤外域近辺にあるからである。
光反射層形成層、光吸収層形成層は、各種化学的気相成長法(CVD法)、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種物理的気相成長法(PVD法)、ゾル−ゲル法、メッキ法、MOCVD法、MBE法等の公知の方法に基づき形成することができる。また、光反射層形成層、光吸収層形成層のパターニング法として、リソグラフィ技術とエッチング技術との組合せ(例えば、四フッ化炭素ガス、六フッ化硫黄ガス、トリフルオロメタンガス、二フッ化キセノンガス等を用いた異方性ドライエッチング技術や、物理的エッチング技術)や、所謂リフトオフ技術、サイドウォールをマスクとして用いる所謂セルフアラインダブルパターニング技術を挙げることができる。リソグラフィ技術として、フォトリソグラフィ技術(高圧水銀灯のg線、i線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、EUV等を光源として用いたリソグラフィ技術、及び、これらの液浸リソグラフィ技術、電子線リソグラフィ技術、X線リソグラフィ)を挙げることができる。あるいは又、フェムト秒レーザ等の極短時間パルスレーザによる微細加工技術や、ナノインプリント法に基づき、光反射層や光吸収層を形成することもできる。
絶縁膜(絶縁膜形成層)を構成する材料として、入射光に対して透明であり、光吸収特性を有していない絶縁材料、具体的には、酸化シリコン(SiO2)、NSG(ノンドープ・シリケート・ガラス)、BPSG(ホウ素・リン・シリケート・ガラス)、PSG、BSG、PbSG、AsSG、SbSG、SOG(スピンオングラス)等のSiOX系材料(シリコン系酸化膜を構成する材料)、SiN、酸化窒化シリコン(SiON)、SiOC、SiOF、SiCN、低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、ベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、アモルファステトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、有機SOG、パリレン、フッ化フラーレン、アモルファスカーボン)、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、Silk(The Dow Chemical Co. の商標であり、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料)、Flare(Honeywell Electronic Materials Co. の商標であり、ポリアリルエーテル(PAE)系材料)を挙げることができ、単独、あるいは、適宜、組み合わせて使用することができる。あるいは又、ポリメチルメタクリレート(PMMA);ポリビニルフェノール(PVP);ポリビニルアルコール(PVA);ポリイミド;ポリカーボネート(PC);ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリスチレン;N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)等のシラノール誘導体(シランカップリング剤);ノボラック型フェノール樹脂;フッ素系樹脂;オクタデカンチオール、ドデシルイソシアネイト等の一端に制御電極と結合可能な官能基を有する直鎖炭化水素類にて例示される有機系絶縁材料(有機ポリマー)を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。絶縁膜形成層は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、スクリーン印刷法といった各種印刷法、ゾル−ゲル法等の公知の方法に基づき形成することができる。絶縁膜は、光吸収層の下地層として機能すると共に、光吸収層で反射された偏光光と、光吸収層を透過し、光反射層で反射された偏光光の位相を調整し、干渉効果により消光比と透過率を向上させ、反射率を低減する目的で形成される。従って、絶縁膜は、1往復での位相が半波長分ずれるような厚さとすることが望ましい。但し、光吸収層は、光吸収効果を有するが故に、反射された光が吸収される。従って、絶縁膜の厚さが、上述のように最適化されていなくても、消光比の向上を実現することができる。それ故、実用上、所望の偏光特性と実際の作製工程との兼ね合い基づき絶縁膜の厚さを決定すればよく、例えば、1×10-9m乃至1×10-7m、より好ましくは、1×10-8m乃至8×10-8mを例示することができる。また、絶縁膜の屈折率は、1.0より大きく、限定するものではないが、2.5以下とすることが好ましい。
〈第1構成の偏光子〉
ワイヤグリッド偏光素子のスペース部は空隙である形態(即ち、スペース部は少なくとも空気で満たされている形態)とすることもできる。このようなワイヤグリッド偏光素子を、便宜上、『第1構成の偏光子』と呼ぶ。このように、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部を空隙とすることで、平均屈折率naveの値を小さくすることができる結果、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の向上、消光比の向上を図ることができる。また、形成ピッチP0の値を大きくすることができるので、ワイヤグリッド偏光素子の製造歩留りの向上を図ることができる。ワイヤグリッド偏光素子の上に保護膜が形成された形態とすることもでき、これによって、高い信頼性を有する撮像素子、固体撮像装置を提供することができるし、保護膜を設けることで、ワイヤグリッド偏光素子の耐湿性の向上等、信頼性を向上させることができる。保護膜の厚さは、偏光特性に影響を与えない範囲の厚さとすればよい。入射光に対する反射率は保護膜の光学厚さ(屈折率×保護膜の膜厚)によっても変化するので、保護膜の材料と厚さは、これらを考慮して決定すればよく、厚さとして、15nm以下を例示することができ、あるいは又は、積層構造体と積層構造体との間の距離の1/4以下を例示することができる。保護膜を構成する材料として、屈折率が2以下、消衰係数が零に近い材料が望ましく、TEOS−SiO2を含むSiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiCN等の絶縁材料や、酸化アルミニウム(AlOX)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化タンタル(TaOx)等の金属酸化物を挙げることができる。あるいは又、パーフルオロデシルトリクロロシランやオクタデシルトリクロロシランを挙げることができる。保護膜は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、ゾル−ゲル法等の公知のプロセスによって形成することができるが、所謂単原子成長法(ALD法、Atomic Layer Doposition 法)や、HDP−CVD法(高密度プラズマ化学的気相成長法)を採用することが、より好ましい。ALD法やHDP−CVD法を採用することで、薄い保護膜をコンフォーマルにワイヤグリッド偏光素子上に形成することができる。保護膜は、ワイヤグリッド偏光素子の全面に形成してもよいが、ワイヤグリッド偏光素子の側面にのみ形成し、ワイヤグリッド偏光素子とワイヤグリッド偏光素子との間に位置する下地絶縁層の上には形成しない形態とすることができる。そして、このように、ワイヤグリッド偏光素子を構成する金属材料等の露出した部分である側面を覆うように保護膜を形成することで、大気中の水分や有機物を遮断することができ、ワイヤグリッド偏光素子を構成する金属材料等の腐食や異常析出といった問題の発生を確実に抑制することができる。そして、撮像素子の長期信頼性の向上を図ることが可能となり、より高い信頼性を有するワイヤグリッド偏光素子をオンチップで備える撮像素子の提供が可能となる。
第1構成の偏光子において、ワイヤグリッド偏光素子の上に保護膜を形成する場合、更には、
ワイヤグリッド偏光素子と保護膜との間には第2保護膜が形成されており、
保護膜を構成する材料の屈折率をn1、第2保護膜を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する形態とすることができる。n1>n2 を満足することで、平均屈折率naveの値を確実に小さくすることができる。ここで、保護膜はSiNから成り、第2保護膜はSiO2又はSiONから成ることが好ましい。
更には、上記の各種好ましい形態、構成を含む第1構成の偏光子において、少なくとも、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部に面したライン部の側面には第3保護膜が形成されている形態とすることができる。即ち、スペース部は空気で満たされ、加えて、スペース部には第3保護膜が存在する。ここで、第3保護膜を構成する材料として、屈折率が2以下、消衰係数が零に近い材料が望ましく、TEOS−SiO2を含むSiO2、SiON、SiN、SiC、SiOC、SiCN等の絶縁材料や、酸化アルミニウム(AlOX)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化タンタル(TaOx)等の金属酸化物を挙げることができる。あるいは又、パーフルオロデシルトリクロロシランやオクタデシルトリクロロシランを挙げることができる。第3保護膜は、各種CVD法、塗布法、スパッタリング法や真空蒸着法を含む各種PVD法、ゾル−ゲル法等の公知のプロセスによって形成することができるが、所謂単原子成長法(ALD法、Atomic Layer Doposition 法)や、HDP−CVD法(高密度プラズマ化学的気相成長法)を採用することが、より好ましい。ALD法を採用することで、薄い第3保護膜をコンフォーマルにワイヤグリッド偏光素子上に形成することができるが、より一層薄い第3保護膜をライン部の側面に形成するといった観点から、HDP−CVD法を採用することが更に一層好ましい。あるいは又、スペース部を、第3保護膜を構成する材料で充填し、しかも、第3保護膜に、隙間、空孔、ボイド等を設ければ、第3保護膜全体の屈折率を低下させることができる。
ワイヤグリッド偏光素子を構成する金属材料や合金材料(以下、『金属材料等』と呼ぶ場合がある)が外気と接触すると、外気からの水分や有機物の付着によって金属材料等の腐食耐性が劣化し、撮像素子の長期信頼性が劣化する虞がある。特に、金属材料等−絶縁材料−金属材料等のライン部(積層構造体)に水分が付着すると、水分中にはCO2やO2が溶解しているために電解液として作用し、2種類のメタル間の間で局部電池が形成される虞がある。そして、このような現象が生じると、カソード(正極)側では水素発生等の還元反応が進み、アノード(負極側)では酸化反応が進むことにより、金属材料等の異常析出やワイヤグリッド偏光素子の形状変化が発生する。そして、その結果、本来期待されたワイヤグリッド偏光素子や撮像素子の性能が損なわれる虞がある。例えば、光反射層としてアルミニウム(Al)を用いる場合、以下の反応式で示すようなアルミニウムの異常析出が発生する虞がある。しかしながら、保護膜を形成すれば、また、第3保護膜を形成すれば、このような問題の発生を確実に回避することができる。
Al → Al3+ + 3e-
Al3+ + 3OH- → Al(OH)3
本開示の固体撮像装置において、第1の方向に沿った光反射層の長さは、撮像素子の実質的に光電変換を行う領域である光電変換領域の第1の方向に沿った長さと同じとすることができるし、撮像素子の長さと同じとすることもできるし、第1の方向に沿った撮像素子の長さの整数倍とすることもできるが、これら限定するものではない。
〈第2構成の偏光子〉
また、上記の各種好ましい形態、構成を含むワイヤグリッド偏光素子において、
ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部が備えられており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する形態とすることができる。このようなワイヤグリッド偏光素子を、便宜上、『第2構成の偏光子』と呼ぶ。そして、このような構成を採用することで、上述したと同様に、光学フィルタ(ワイヤグリッド偏光素子)を配線として容易に機能させることができる。
このように、フレーム部とワイヤグリッド偏光素子のライン部とが連結されており、フレーム部はワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する形態とすることで、本開示の撮像素子の四隅に対応するワイヤグリッド偏光素子の外周部の部分に光電変換部からの剥離が発生するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部の構造とワイヤグリッド偏光素子の中央部の構造に差異が生じ、ワイヤグリッド偏光素子自体の性能が低下するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部に入射した光が偏光方向の異なる隣接する撮像素子に漏れ込み易いといった問題を解消することができ、高い信頼性を有する撮像素子や固体撮像装置を提供することができる。
場合によっては、撮像素子の縁部には、光電変換層に隣接する撮像素子からの光の入射を妨げるように、光電変換層に隣接して絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部(一種の素子分離領域)が形成されている形態とすることができ、あるいは又、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部(一種の素子分離領域)が形成されている形態とすることができる。絶縁材料として、絶縁膜(絶縁膜形成層)や層間絶縁層を構成する材料を挙げることができるし、遮光材料として、後述する遮光部を構成する材料を挙げることができる。このような溝部を形成することで、感度低下、偏光クロストークの発生、消光比の低下を防止することができる。
また、上記の各種好ましい形態、構成を含むワイヤグリッド偏光素子において、光反射層の延在部が基板又は光電変換部と電気的に接続されている構成とすることができる。このように、光反射層の延在部を基板又は光電変換部と電気的に接続することで、ワイヤグリッド偏光素子の形成時、光反射層形成層や光吸収層形成層が帯電し、一種の放電が発生する結果、ワイヤグリッド偏光素子や光電変換部に損傷が発生するといった問題の発生を、確実に回避することができる。
基板又は光電変換部と光反射層の延在部(あるいは光反射層形成層)とが電気的に接続される領域は、撮像領域に位置する形態とすることができるし、撮像領域の外周に設けられた光学的黒画素領域(OPB)に位置する形態とすることができるし、撮像領域の外側に設けられた周辺領域に位置する形態とすることができる。尚、基板又は光電変換部と光反射層の延在部(あるいは光反射層形成層)とが電気的に接続される領域は、撮像領域に位置する場合、あるいは、光学的黒画素領域(OPB)に位置する場合、撮像素子に設けられていてもよいし、複数の撮像素子に対して1箇所設けられていてもよいし、全ての撮像素子に対して1箇所設けられていてもよく、また、1つの撮像素子に対して、1箇所設けられていてもよいし、複数箇所設けられていてもよい。また、周辺領域に位置する場合、1箇所設けられていてもよいし、複数箇所に設けられていてもよい。
隣接する撮像素子の間の領域には遮光部が形成されており、光反射層の延在部は遮光部に接している形態とすることができる。ここで、遮光部に接している光反射層の延在部の長さは、撮像素子の実質的に光電変換を行う領域である光電変換領域の長さ(光電変換領域の辺の長さ)と同じとすることができるし、あるいは又、光電変換領域の長さの半分の長さ乃至同じ長さとすることができる。このような形態を採用することで、隣接する撮像素子からの混色の発生を防止することもできる。また、光反射層形成層と光吸収層形成層とが接する領域は、撮像素子と撮像素子等との間の領域であって、撮像素子の四隅の内の少なくとも1箇所とすることができる。周辺領域においても遮光部が形成されており、光反射層の延在部は遮光部に接している形態とすることもできる。遮光部は、例えば、クロム(Cr)や銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)から構成することができ、あるいは又、遮光部をフレーム部から構成することもでき、これによって、隣接する撮像素子への光の漏れ込み(偏光クロストーク)を、一層効果的に防ぐことができる。ここで、遮光部に接している光反射層の延在部の長さは、本質的に任意の長さとすることができる。
あるいは又、偏光子は、可視光の波長よりも小さな周期を有する鋸状の溝構造を有する構成とすることができるが、具体的には、特開2011−022432号公報に開示されているように、この偏光子は、多層膜状の偏光素子で構成されている。そして、各偏光素子は可視波長よりも小さい周期の鋸状の溝構造を有する構造体である。上方から入射した光は、鋸の1つの刃に相当する凸部に入射するが、凸部を構成する平面からみると、入射する光で斜めに照射されることになる。斜め入射光のTE波とTM波とでは、TE波が効率良く反射されるので、TM波成分に相当する偏光成分が選択的に透過する。
あるいは又、光学フィルタは波長選択手段から成るが、具体的には、フォトニック結晶から構成されたフィルタとすることができるし、プラズモニックフィルタとすることもできるし、周知の構成、構造を有する誘電体多層膜から成るフィルタとすることもできる。ここで、フォトニック結晶から構成されたフィルタは、より具体的には、例えば、特開2013−191717号公報に開示されているように、高屈折率無機材料と低屈折率無機材料が積層され、ファブリーペロー干渉計と同じ原理に基づいて機能する。また、プラズモニックフィルタは、例えば、特開2015−232599号公報に開示されているように、
複数の開口が周期的に配置された金属薄膜フィルタ、
金属薄膜フィルタの表面を被覆すると共に、金属薄膜フィルタの開口内を被覆又は充填するように形成された第1の誘電体層、
第1の誘電体層の屈折率より低い屈折率を有し、金属薄膜フィルタの少なくとも入射面側に形成された第2の誘電体層、
を備え、
金属薄膜フィルタの開口径は、透過させる電磁波の第2の誘電体層中での波長より小さく、第1の誘電体層の厚さは、電磁波の第2の誘電体層中での波長と略同じ、又は、それより薄い構造を有する。
本開示の撮像素子等は、例えばシリコン半導体基板といった半導体基板(半導体層といった概念を含む)に設けられている。本開示の撮像素子等が、次に述べる積層型撮像素子(複数の光電変換部が積層された構造を有する撮像素子)から構成されている場合、少なくとも上層光電変換部は、半導体基板の上方に配置されている形態とすることができる。あるいは又、上層光電変換部及び下層光電変換部は半導体基板に形成されている形態とすることができる。光学フィルタの下方(下方・光学フィルタが形成されている場合には、下方・光学フィルタの下方)には、配線層あるいは光反射膜が形成されている形態とすることができる。配線層は、周知の構成、構造とすればよいし、光反射膜として、銀薄膜、クロム薄膜、アルミニウム薄膜等の金属薄膜や、合金薄膜を挙げることができる。
積層型撮像素子において、複数の光電変換部は、白色光に感度を有する光電変換部、及び、近赤外光に感度を有する光電変換部から成る構成とすることができる。尚、光入射側の光電変換部を『上層光電変換部』、上層光電変換部の下方に位置する光電変換部を『下層光電変換部』と呼ぶとき、上層光電変換部は、白色光に感度を有する光電変換部から構成され、下層光電変換部は、近赤外光に感度を有する光電変換部から構成されていてもよいし、上層光電変換部は、近赤外光に感度を有する光電変換部から構成され、下層光電変換部は、白色光に感度を有する光電変換部から構成されていてもよい。
あるいは又、積層型撮像素子において、複数の光電変換部は、赤色光又は緑色光又は青色光に感度を有する光電変換部、及び、近赤外光に感度を有する光電変換部から成る構成とすることができる。ここで、上層光電変換部は、赤色光又は緑色光又は青色光に感度を有する光電変換部から構成され、下層光電変換部は、近赤外光に感度を有する光電変換部から構成されていてもよいし、上層光電変換部は、近赤外光に感度を有する光電変換部から構成され、下層光電変換部は、赤色光又は緑色光又は青色光に感度を有する光電変換部から構成されていてもよい。そして、このような構成にあっては、光入射側にカラーフィルタ層が配置されている構成とすることができる。あるいは又、赤色光に感度を有する赤色光用光電変換部、緑色光に感度を有する緑色光用光電変換部、及び、青色光に感度を有する青色光用光電変換部から成る群から選択された少なくとも2種類の光電変換部が積層されて成る構成とすることもできる。
カラーフィルタ層として、赤色、緑色、青色だけでなく、場合によっては、シアン色、マゼンダ色、黄色等の特定波長を透過させるフィルタ層を挙げることができる。カラーフィルタ層を、顔料や染料等の有機化合物を用いた有機材料系のカラーフィルタ層から構成するだけでなく、フォトニック結晶や、プラズモンを応用したカラーフィルタ層(導体薄膜に格子状の穴構造を設けた導体格子構造を有するカラーフィルタ層。例えば、特開2008−177191号公報参照)、アモルファスシリコン等の無機材料から成る薄膜から構成することもできる。
ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた本開示の固体撮像装置において、上方・光学フィルタは、第1偏光子セグメント及び第2偏光子セグメントから成り、
第1偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位はα度であり、
第2偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位は(α+90)度である形態とすることができる。尚、偏光方位が光学的情報に相当する。以下においても同様である。
あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた本開示の固体撮像装置において、上方・光学フィルタは、第1偏光子セグメント、第2偏光子セグメント、第3偏光子セグメント及び第4偏光子セグメントの4つの偏光子セグメントが2×2に配列されて成り(即ち、x0方向に2つの偏光子セグメントが配列されており、y0方向に2つの偏光子セグメントが配列されており)、
第1偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位はα度であり、
第2偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位は(α+45)度であり、
第3偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、
第4偏光子セグメントが透過させるべき偏光方位は(α+135)度である形態とすることができる。
あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた本開示の撮像素子と、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた構造以外の構造を有する本開示の撮像素子の撮像素子ユニットが、複数、配列されて成る本開示の固体撮像装置において、
上方・光学フィルタが透過させるべき偏光方位はα度である形態とすることができる。尚、偏光方位が光学的情報に相当する。以下においても同様である。
あるいは又、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた本開示の撮像素子と、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えた本開示の撮像素子の撮像素子ユニットが、複数、配列されて成る本開示の固体撮像装置において、
一方の上方・光学フィルタが透過させるべき偏光方位はα度であり、
他方の上方・光学フィルタが透過させるべき偏光方位は(α+90)度である形態とすることができる。
あるいは又、本開示の撮像素子が2×2に配列されて成る(即ち、x0方向に2つの撮像素子が配列されて成る)撮像素子ユニットが、複数、配列されて成る本開示の固体撮像装置において、
少なくとも1つの撮像素子は、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えており、
上方・光学フィルタが透過させるべき偏光方位はα度である形態とすることができる。
あるいは又、本開示の撮像素子が2×2に配列されて成る(即ち、x0方向に2つの撮像素子が配列されて成る)撮像素子ユニットが、複数、配列されて成る本開示の固体撮像装置において、
4つの撮像素子は、ワイヤグリッド偏光素子から成る上方・光学フィルタを備えており、
第1の撮像素子におけるワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、
第2の撮像素子におけるワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+45)度であり、
第3の撮像素子におけるワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、
第4の撮像素子におけるワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+135)度である形態とすることができる。
本開示の撮像素子等として、CCD素子、CMOSイメージセンサー、CIS(Contact Image Sensor)、CMD(Charge Modulation Device)型の信号増幅型イメージセンサーを挙げることができる。本開示の固体撮像装置から、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、監視カメラ、車両搭載用カメラ、スマートホン用カメラ、ゲーム用のユーザーインターフェースカメラ、生体認証用カメラを構成することができる。そして、通常の撮像に加えて、偏光情報が同時に取得可能な撮像装置とすることもできる。また、立体画像を撮像する撮像装置とすることもできる。
以上に説明した各種態様、構成の撮像素子の2種類あるいはそれ以上を、所望に応じて、適宜、組み合わせることができる。
固体撮像装置において、カラーフィルタ層を用いることで、青色、緑色、赤色の分光特性への要求を緩和することができるし、また、高い量産性を有する。本開示の撮像素子等の配列として、ベイヤ配列の他、インターライン配列、GストライプRB市松配列、GストライプRB完全市松配列、市松補色配列、ストライプ配列、斜めストライプ配列、原色色差配列、フィールド色差順次配列、フレーム色差順次配列、MOS型配列、改良MOS型配列、フレームインターリーブ配列、フィールドインターリーブ配列を挙げることができる。ここで、1つの撮像素子によって1つの画素(あるいは副画素)が構成される。
本開示の撮像素子等には、必要に応じて、オンチップ・マイクロ・レンズや遮光層を設けてもよいし、本開示の撮像素子等を駆動するための駆動回路や配線が設けられている。必要に応じて、本開示の撮像素子等への光の入射を制御するためのシャッターを配設してもよいし、固体撮像装置の目的に応じて光学カットフィルタを具備してもよい。
本開示の固体撮像装置によって、単板式カラー固体撮像装置を構成することができる。
例えば、固体撮像装置を読出し用集積回路(ROIC)と積層する場合、読出し用集積回路及び銅(Cu)から成る接続部が形成された駆動用基板と、接続部が形成された撮像素子とを、接続部同士が接するように重ね合わせ、接続部同士を接合することで、積層することができるし、接続部同士をハンダバンプ等を用いて接合することもできる。
実施例1は、本開示の撮像素子及び本開示の固体撮像装置に関する。実施例1の固体撮像装置の概念図を図1Aに示し、実施例1の撮像素子の模式的な一部断面図を図4に示す。また、実施例1の撮像素子の等価回路図を図5に示し、実施例1の固体撮像装置の回路図を図6に示し、実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的斜視図を図7あるいは図8に示し、模式的な一部端面図を図9Aに示す。更には 実施例1の撮像素子における光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的平面図を図11A、図11B、図12、図13あるいは図14に示す。尚、図7及び図8において、ワイヤグリッド偏光素子の配置を天地を逆転させた状態で図示している。また、図4、後述する図15、図17、図18、図19、あるいは、撮像素子の撮像素子の模式的な一部断面図においては、一部のトランジスタのみを図示した。
実施例1の撮像素子10は、
光電変換部13、及び、
光電変換部13の光入射側とは反対側に配設された光学フィルタ14、
を備えている。尚、実施例1の撮像素子10は、裏面照射型である。
また、実施例1の固体撮像装置は、撮像素子10a,10bが、複数、配列された固体撮像装置であって、
撮像素子10aは、
第1光電変換部13a、及び、
第1光電変換部13aの光入射側とは反対側に配設された第1光学フィルタ14a、
を備えており、
撮像素子10aに隣接する隣接撮像素子10bは、
第2光電変換部13b、及び、
第2光電変換部13bの光入射側とは反対側に配設された第2光学フィルタ14b、
を備えており、
第1光学フィルタ14aが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタ14bが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報である。
尚、撮像素子10a,10bは、x0方向及びy0方向に2次元マトリクス状に配列されている。x0方向とy0方向とは直交している。x0方向は所謂行方向あるいは所謂列方向であり、y0方向は列方向あるいは行方向である。
実施例1の固体撮像装置から、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、監視カメラ、車両搭載用カメラ(車載カメラ)等が構成され、白黒の画像が得られる。
実施例1あるいは後述する各種の実施例において、入射光に含まれる光学的情報は偏光である。そして、光学フィルタ14あるいは第1光学フィルタ14a、第2光学フィルタ14bは偏光子から成り、具体的には、ワイヤグリッド偏光素子から成る。そして、第1光学フィルタ14aが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタ14bが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報であるが、具体的には、第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度である。ここで、角度αとy0方向との成す角度を「0度」とした。
光学フィルタ14あるいは第1光学フィルタ14a、第2光学フィルタ14bの下方には、配線層17が形成されている。尚、光学フィルタ14あるいは第1光学フィルタ14a、第2光学フィルタ14bを配線として機能させてもよい。限定するものではないが、光電変換部13,13a,13bは、有機光電変換材料や、例えば厚さ約3μmのシリコン層から構成すればよい。後述する実施例2〜実施例4においても同様とすることができる。
図4に示すように、光電変換部13は、半導体基板70に設けられたn型半導体領域31を光電変換層として備えている。転送トランジスタTR1trsのゲート部35は、転送ゲート線TG1に接続されている。また、転送トランジスタTR1trsのゲート部35の近傍の半導体基板70の領域35Cには、第1浮遊拡散層FD1が設けられている。n型半導体領域31に蓄積された電荷は、ゲート部35に沿って形成される転送チャネル35Aを介して第1浮遊拡散層FD1に読み出される。
更には、半導体基板70の第1面70A側に、光電変換部13の制御部を構成するリセット・トランジスタTR1rst、増幅トランジスタTR1amp及び選択トランジスタTR1selが設けられている。
リセット・トランジスタTR1rstは、ゲート部、チャネル形成領域、及び、ソース/ドレイン領域から構成されている。リセット・トランジスタTR1rstのゲート部はリセット線RST1に接続され、リセット・トランジスタTR1rstの一方のソース/ドレイン領域は電源VDDに接続され、他方のソース/ドレイン領域は、第1浮遊拡散層FD1を兼ねている。
増幅トランジスタTR1ampは、ゲート部、チャネル形成領域、及び、ソース/ドレイン領域から構成されている。ゲート部は、リセット・トランジスタTR1rstの他方のソース/ドレイン領域(第1浮遊拡散層FD1)に接続されている。一方のソース/ドレイン領域は、電源VDDに接続されている。
選択トランジスタTR1selは、ゲート部、チャネル形成領域、及び、ソース/ドレイン領域から構成されている。ゲート部は、選択線SEL1に接続されている。また、一方のソース/ドレイン領域は、増幅トランジスタTR1ampを構成する他方のソース/ドレイン領域と領域を共有しており、他方のソース/ドレイン領域は、信号線(データ出力線)VSL1に接続されている。
リセット線RST1、選択線SEL1、転送ゲート線TG1は、駆動回路を構成する垂直駆動回路112に接続され、信号線(データ出力線)VSL1は、駆動回路を構成するカラム信号処理回路113に接続されている。光電変換部の電荷蓄積、リセット動作、電荷転送といった一連の動作は、従来の電荷蓄積、リセット動作、電荷転送といった一連の動作と同様であるので、詳細な説明は省略する。
n型半導体領域31と半導体基板70の表面70Aとの間にはp+層34が設けられており、暗電流発生を抑制している。半導体基板70の裏面70Bの側には、p+層73が形成されている。p+層73の上には、下層絶縁層83及びオンチップ・マイクロ・レンズ(OCL)18が形成されている。
図6に、実施例1の固体撮像装置の概念図を示す。実施例1の固体撮像装置100は、撮像素子101が2次元アレイ状に配列された撮像領域111、並びに、その駆動回路(周辺回路)としての垂直駆動回路112、カラム信号処理回路113、水平駆動回路114、出力回路115及び駆動制御回路116等から構成されている。これらの回路は周知の回路から構成することができるし、また、他の回路構成(例えば、従来のCCD撮像装置やCMOS撮像装置にて用いられる各種の回路)を用いて構成することができることは云うまでもない。図6において、撮像素子101における参照番号「101」の表示は、1行のみとした。
駆動制御回路116は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスター・クロックに基づいて、垂直駆動回路112、カラム信号処理回路113及び水平駆動回路114の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、生成されたクロック信号や制御信号は、垂直駆動回路112、カラム信号処理回路113及び水平駆動回路114に入力される。
垂直駆動回路112は、例えば、シフトレジスタによって構成され、撮像領域111の各撮像素子101を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、各撮像素子101における受光量に応じて生成した電流(信号)に基づく画素信号(画像信号)は、信号線(データ出力線)117,VSL1を介してカラム信号処理回路113に送られる。
カラム信号処理回路113は、例えば、撮像素子101の列毎に配置されており、1行分の撮像素子101から出力される画像信号を撮像素子毎に黒基準画素(図示しないが、有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によって、ノイズ除去や信号増幅の信号処理を行う。カラム信号処理回路113の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線118との間に接続されて設けられる。
水平駆動回路114は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路113の各々を順次選択し、カラム信号処理回路113の各々から信号を水平信号線118に出力する。
出力回路115は、カラム信号処理回路113の各々から水平信号線118を介して順次供給される信号に対して、信号処理を行って出力する。
実施例1の撮像素子は、例えば、以下の方法で作製することができる。即ち、先ず、SOI基板を準備する。そして、SOI基板の表面に形成されたシリコン層に、n型半導体領域31、p+層34を形成し、更に、このシリコン層に、素子分離領域71、酸化膜72、撮像素子の制御部を構成する各種トランジスタ等を形成する。そして、更に、全面に下地絶縁層76、光学フィルタ(ワイヤグリッド偏光素子)14、層間絶縁層77、配線層17や各種配線、層間絶縁層78を形成した後、層間絶縁層78と支持基板(図示せず)とを貼り合わせる。その後、SOI基板を除去してシリコン層を露出させる。シリコン層の表面が半導体基板70の表面70Aに該当し、シリコン層の表面が半導体基板70の裏面70Bに該当する。また、シリコン層を半導体基板70と表現している。次いで、半導体基板70の表面70Aにp+層73を形成し、更に、p+層73上に下層絶縁層83及びオンチップ・マイクロ・レンズ18を形成する。以上によって、実施例1の撮像素子10,10a,10bを得ることができる。
あるいは又、先ず、シリコン半導体基板を準備する。そして、シリコン半導体基板に、n型半導体領域31、p+層34を形成し、更に、このシリコン半導体基板に、素子分離領域71、酸化膜72、撮像素子の制御部を構成する各種トランジスタ等を形成する。そして、更に、全面に下地絶縁層76、光学フィルタ(ワイヤグリッド偏光素子)14、層間絶縁層77、配線層17や各種配線、層間絶縁層78を形成した後、層間絶縁層78と支持基板(図示せず)とを貼り合わせる。その後、シリコン半導体基板を研磨して所望の厚さに薄肉化する。シリコン半導体基板の表面が半導体基板70の表面70Aに該当し、シリコン半導体基板の裏面が半導体基板70の裏面70Bに該当する。また、シリコン半導体基板を半導体基板70と表現している。次いで、半導体基板70の裏面70Bにp+層73を形成し、更に、p+層73上に下層絶縁層83及びオンチップ・マイクロ・レンズ18を形成する。以上によって、実施例1の撮像素子10,10a,10bを得ることができる。
光学フィルタ14は、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子(以下、ワイヤグリッド偏光素子91と呼ぶ場合がある)から成る。ライン部を参照番号92で示し、スペース部を参照番号96で示す。
ワイヤグリッド偏光素子91のライン部92は、光電変換部側から、第1導電材料(具体的には、アルミニウム(Al))から成る光反射層93、SiO2から成る絶縁膜94、及び、第2導電材料(具体的には、タングステン(W))から成る光吸収層95が積層された積層構造体から構成されている。光反射層93の頂面全面に絶縁膜94が形成されており、絶縁膜94の頂面全面に光吸収層95が形成されている。具体的には、光反射層93は、厚さ150nmのアルミニウム(Al)から構成され、絶縁膜94は、厚さ25nmあるいは50nmのSiO2から構成され、光吸収層95は、厚さ25nmのタングステン(W)から構成されている。光反射層93は、偏光子としての機能を有し、ワイヤグリッド偏光素子91に入射した光の内、光反射層93の延びる方向(第1の方向)と平行な方向に電界成分を有する偏光波を減衰させ、光反射層93の延びる方向と直交する方向(第2の方向)に電界成分を有する偏光波を透過させる。第1の方向はワイヤグリッド偏光素子91の光吸収軸であり、第2の方向はワイヤグリッド偏光素子91の光透過軸である。光電変換部(具体的には、下層絶縁層76)と光反射層93との間には、TiやTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜が形成されているが、下地膜の図示は省略した。
実施例1の固体撮像装置において、光反射層93、絶縁膜94及び光吸収層95は、それぞれの撮像素子において、独立して設けられていてもよい(図11A参照)。あるいは又、撮像素子において共通とすることもできるし(図12、図13、図14参照)、撮像素子において、ワイヤグリッド偏光素子のライン部の一部が隣接するライン部と接続されていてもよく(図11B及び一部拡大図を参照)、これによって、光学フィルタ14あるいは第1光学フィルタ14a、第2光学フィルタ14bを配線として機能させることができる。尚、図12、図13及び図14に示す例においては、ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部98には、下層絶縁層76や半導体基板70に設けられた各種トランジスタを電気的に接続するコンタクトホールやビアホール(黒く塗りつぶした矩形で示す)と接触しないように、切欠部が設けられている。図14に示す例においては、コンタクトホールやビアホールの一部がワイヤグリッド偏光素子のライン部の一部に接続されている。尚、このワイヤグリッド偏光素子のライン部の一部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部の他の部分と切り離されている。光学的黒画素領域(OPB)及び周辺領域(これらは図示せず)は、光反射層93、絶縁膜94及び光吸収層95から成るフレーム部98と同じ構造で占められていてもよい。即ち、撮像素子は、ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部98を備えており、フレーム部98とワイヤグリッド偏光素子91のライン部92とは、必要に応じて連結されており、フレーム部98はワイヤグリッド偏光素子91のライン部92と同じ構造を有する。
ワイヤグリッド偏光素子91は、以下の方法で作製することができる。即ち、下層絶縁層76上に、TiあるいはTiN、Ti/TiNの積層構造から成る下地膜(図示せず)、第1導電材料(具体的には、アルミニウム)から成る光反射層形成層93Aを真空蒸着法に基づき設ける(図21A及び図21B参照)。次いで、光反射層形成層93Aの上に絶縁膜形成層94Aを設け、絶縁膜形成層94Aの上に、第2導電材料から成る光吸収層形成層95Aを設ける。具体的には、SiO2から成る絶縁膜形成層94Aを、光反射層形成層93A上にCVD法に基づき形成する(図21C参照)。そして、絶縁膜形成層94A上に、スパッタリング法によって、タングステン(W)から成る光吸収層形成層95Aを形成する。こうして、図21Dに示す構造を得ることができる。
その後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、光吸収層形成層95A、絶縁膜形成層94A及び光反射層形成層93A、更には、下地膜をパターニングすることで、帯状の光反射層93、絶縁膜94及び光吸収層95のライン部(積層構造体)92が、複数、離間して並置されて成るライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子91を得ることができる。その後、CVD法に基づき層間絶縁層78を、ワイヤグリッド偏光素子91を覆うように形成すればよい。例えば、光反射層93、絶縁膜94及び光吸収層95から成るフレーム部98で占められ、光学的黒画素領域(OPB)及び周辺領域は、フレーム部98と同じ構成の積層構造体で占められる。
尚、ワイヤグリッド偏光素子の変形例の模式的な部分的斜視図を図8に示すように、絶縁膜94の一部が切り欠かれ、光反射層93と光吸収層95とは絶縁膜94の切欠き部94aにおいて接している構成とすることもできる。
第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度である。
図1Aに示すように、第1光学フィルタ14aに、第1光電変換部13aから光p1,p2,s1が入射する。そして、ワイヤグリッド偏光素子から成る第1光学フィルタ14aは、光の透過、反射、干渉、光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、第1の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか一方)を減衰させると共に、第2の方向に平行な電界成分を有する偏光波(TE波/S波及びTM波/P波のいずれか他方)を透過させる。即ち、一方の偏光波(例えば、TE波/S波)s1は、光吸収層95の光学異方性による偏光波の選択的光吸収作用によって減衰される。帯状の光反射層93は偏光子として機能し、一方の偏光波(例えば、TE波/S波)s1を反射して、第1光電変換部13aに戻す。また、他方の偏光波(例えば、TM波/P波)p1,p2は、光吸収層95及び絶縁膜94を透過する。そして、例えば、配線層17に衝突して反射され、第1光学フィルタ14aを介して、第1光電変換部13aに戻される(TM波/P波p1参照)。また、配線層17に衝突して反射された他方の偏光波の一部(例えば、TM波/P波p2)は、隣接撮像素子10bを構成する第2光学フィルタ14bに衝突するが、他方の偏光波(例えば、TM波/P波)p2は、第2光学フィルタ14bによって、第2光電変換部13bへの侵入が阻害される。それ故、下方から隣接撮像素子10bに入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
以上のとおり、実施例1の撮像素子にあっては、光電変換部13の光入射側とは反対側(下方)に光学フィルタ14が配設されている。従って、或る撮像素子(撮像素子−A)の光電変換部13、更には、光学フィルタ14を通過した光(例えば、TM波/P波)が、例えば、配線層17によって反射され、撮像素子−Aに隣接する撮像素子(撮像素子−B)の光電変換部に下方から入射するとき、先ず、撮像素子−Bの光学フィルタと衝突する。それ故、下方から撮像素子−Bに入射する光(TM波/P波)を減じることができるので、光学的クロストークの発生を抑制することができる。実施例1の固体撮像装置にあっては、光電変換部13a,13bの光入射側とは反対側(下方)に光学フィルタ14a,14bが配設されている。撮像素子10aの第1光電変換部13a、更には、第1光学フィルタ14aを通過した光(例えば、TM波/P波)p2が、例えば、配線層17によって反射され、隣接撮像素子10bの第2光電変換部13bに下方から入射するとき、先ず、隣接撮像素子10bの第2光学フィルタ14bと衝突する。ここで、第1光学フィルタ14aが処理する第1光学的情報(例えば、TM波/P波を通過、TE波/S波を反射・吸収)と、第2光学フィルタ14bが処理する第2光学的情報(例えば、TE波/S波を通過、TM波/P波を反射・吸収)とは、異なる光学的情報であるが故に、下方から隣接撮像素子10bに入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
ワイヤグリッド偏光素子91の変形例として、図9Bの模式的な一部端面図に示すように、ワイヤグリッド偏光素子91の上に形成された保護膜97Aを備えており、ワイヤグリッド偏光素子91のスペース部96は空隙である構成を挙げることができる。即ち、スペース部96の一部若しくは全部が空気で満たされている。実施例1にあっては、具体的には、スペース部96の全てが空気で満たされている。
また、図10Aの模式的な一部端面図に示すように、ワイヤグリッド偏光素子91と保護膜97Aとの間に第2保護膜97Bが形成されている構成とすることもできる。保護膜97Aを構成する材料の屈折率をn1、第2保護膜97Bを構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する。ここで、例えば、保護膜97Aは、SiN(n1=2.0)から成り、第2保護膜97Bは、SiO2(n2=1.46)から成る。図面においては、第2保護膜97Bの底面(光電変換部と対向する面)を平坦な状態で示したが、スペース部96に向かって第2保護膜97Bの底面が凸状となっている場合もあるし、保護膜97Aに向かって第2保護膜97Bの底面が凹状となっている場合、あるいは、楔状に凹んでいる場合もある。
このような構造は、ライン・アンド・スペース構造を有するワイヤグリッド偏光素子91を得た後、CVD法に基づき、SiO2から成り、平均厚さ0.01μm乃至10μmの第2保護膜97Bを全面に形成する。ライン部92とライン部92との間に位置するスペース部96の上方は、第2保護膜97Bによって塞がれる。次いで、CVD法に基づき、SiNから成り、平均厚さ0.1μm乃至10μmの保護膜97Aを第2保護膜97Bの上に形成する。保護膜97AをSiNから構成することで、高い信頼性を有する撮像素子を得ることができる。但し、SiNは比較的高い比誘電率を有するので、SiO2から成る第2保護膜97Bを形成することで、平均屈折率naveの低下を図っている。
このようにワイヤグリッド偏光素子のスペース部を空隙とすることで(具体的には、空気で充填されているので)、平均屈折率naveの値を小さくすることができ、その結果、ワイヤグリッド偏光素子における透過率の向上、消光比の向上を図ることができる。また、形成ピッチP0の値を大きくすることができるので、ワイヤグリッド偏光素子の製造歩留りの向上を図ることができる。しかも、ワイヤグリッド偏光素子の上に保護膜を形成すれば、高い信頼性を有する撮像素子、固体撮像装置を提供することができる。また、フレーム部とワイヤグリッド偏光素子のライン部とを連結することで、また、フレーム部をワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造とすることで、安定して、しかも、均質・均一なワイヤグリッド偏光素子を形成することができる。それ故、撮像素子の四隅に対応するワイヤグリッド偏光素子の外周部の部分に光電変換部からの剥離が発生するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部の構造とワイヤグリッド偏光素子の中央部の構造に差異が生じ、ワイヤグリッド偏光素子自体の性能が低下するといった問題、ワイヤグリッド偏光素子の外周部に入射した光が偏光方向の異なる隣接する撮像素子に漏れ込み易いといった問題を解消することができ、高い信頼性を有する撮像素子、固体撮像装置を提供することができる。
ワイヤグリッド偏光素子は、絶縁膜が省略された構造、即ち、光電変換部側から、光反射層(例えば、アルミニウムから成る)及び光吸収層(例えば、タングステンから成る)が積層された構成とすることができる。あるいは又、1層の導電遮光材料層から構成することもできる。導電遮光材料層を構成する材料として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、あるいは、これらの金属を含む合金といった、撮像素子が感度を有する波長域において複素屈折率の小さい導体材料を挙げることができる。
場合によっては、図10Bにワイヤグリッド偏光素子の模式的な一部端面図を示すように、スペース部96に面したライン部92の側面に、例えば、SiO2から成る第3保護膜97Cが形成されていてもよい。即ち、スペース部96は空気で満たされ、加えて、スペース部には第3保護膜97Cが存在する。第3保護膜97Cは、例えば、HDP−CVD法に基づき成膜されており、これによって、より一層薄い第3保護膜97Cをコンフォーマルにライン部92の側面に形成することができる。
光電変換部13を、半導体基板70に設けられたn型半導体領域31から構成する代わりに、半導体基板70の上方に設けられた有機光電変換材料から構成すれば、使用する有機光電変換材料にも依るが、赤色光に感度を有する撮像素子、緑色光に感度を有する撮像素子及び青色光に感度を有する撮像素子から構成された撮像素子ユニットを有する固体撮像装置によって、カラー画像を得ることが可能となる。
実施例2は、実施例1の変形であり、第1構造及び第2構造の撮像素子及び固体撮像装置に関する。実施例2の固体撮像装置の概念図を図1Bに示し、実施例2の撮像素子の模式的な一部断面図を図15に示す。更には 実施例2の撮像素子における上方・光学フィルタを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的平面図を図16に示す。
実施例2の撮像素子10にあっては、光電変換部13の光入射側に上方・光学フィルタ15を更に備えている。そして、上方・光学フィルタ15は、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部13に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、光学フィルタ14は、光電変換部13からの光を通過する。
また、実施例2の固体撮像装置において、撮像素子10aは、第1光電変換部13aの光入射側に上方・第1光学フィルタ15aを更に備えており、隣接撮像素子10bは、第2光電変換部13bの光入射側に上方・第2光学フィルタ15bを更に備えている。そして、撮像素子10aに備えられた第1光学フィルタ14a及び上方・第1光学フィルタ15aが処理する光学的情報は同種の光学的情報であり、隣接撮像素子10bに備えられた第2光学フィルタ14b及び上方・第2光学フィルタ15bが処理する光学的情報は同種の光学的情報である。
上方・光学フィルタ15、上方・第1光学フィルタ15a及び上方・第2光学フィルタ15bも、ワイヤグリッド偏光素子から成る。上方・光学フィルタ15、上方・第1光学フィルタ15a及び上方・第2光学フィルタ15bは、光電変換部13a,13bを基準として、天地を逆転させた状態としているが、実施例1の光学フィルタ14、第1光学フィルタ14a及び第2光学フィルタ14bと同じ構成、構造を有する。
第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、上方・第2光学フィルタ15aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度である。また、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、上方・第2光学フィルタ15bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度である。第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的平面図は、図11A、図11B、図12、図13あるいは図14に示したとおりである。一方、上方・第2光学フィルタ15bを構成するワイヤグリッド偏光素子の模式的な部分的平面図を図16に示すが、上方・第2光学フィルタ15bにあっては、光反射層93、絶縁膜94及び光吸収層95は、撮像素子において共通とすることができる。即ち、フレーム部98とワイヤグリッド偏光素子91のライン部92とは連結されており、フレーム部98はワイヤグリッド偏光素子91のライン部92と同じ構造を有し、隣接する撮像素子において、各撮像素子を構成するワイヤグリッド偏光素子を連結状態としている。即ち、上方・第2光学フィルタ15bは全面を覆う構造を有する。
実施例2の撮像素子10,10aあるいは固体撮像装置にあっては、光電変換部13,13aの光入射側に上方・光学フィルタ15,15aが配設されている。従って、図1Bに示すように、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13aに到達する光は、例えば、TM波/P波p1,p2であり、TE波/S波s1は、上方・光学フィルタ15,15aによって反射・吸収される。TM波/P波p1,p2は、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13a、更には、光学フィルタ14,14aを通過し、例えば、配線層17に衝突して反射され、第1光学フィルタ14aを介して、第1光電変換部13aに戻される(TM波/P波p1参照)。また、配線層17に衝突して反射されたTM波/P波p2は、隣接撮像素子10bを構成する第2光学フィルタ14bに衝突するが、第2光学フィルタ14bによって、第2光電変換部13bへの侵入が阻害される。それ故、下方から隣接撮像素子10bに入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
実施例3は、実施例1及び実施例2の変形であり、第3構造及び第5構造の撮像素子及び固体撮像装置に関する。実施例3の固体撮像装置(第3構造)及びその変形例(第5構造)の概念図を図2A及び図2Bに示し、実施例3の撮像素子(第3構造)及びその変形例(第5構造)の模式的な一部断面図を図17及び図18に示す。
図17に示す実施例2の変形例である実施例3の撮像素子(第3構造の撮像素子)10にあっては、光学フィルタ14の光電変換部側とは反対側に下方・光学フィルタ16を更に備えており、下方・光学フィルタ16は、光学フィルタ14を通過した光を反射する。この実施例3の撮像素子10にあっては、上方・光学フィルタ15を備えている。また、図2Aに示す実施例2の変形例である実施例3の固体撮像装置(第3構造の固体撮像装置)において、
撮像素子10aは、第1光学フィルタ14aの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタ16aを備えており、
隣接撮像素子10bは、第2光学フィルタ14bの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタ16bを備えており、
撮像素子10aに備えられた第1光学フィルタ14a及び下方・第1光学フィルタ16aが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子10bに備えられた第2光学フィルタ14b及び下方・第2光学フィルタ16bが処理する光学的情報は異種の光学的情報である。この実施例3の固体撮像装置にあっては、上方・光学フィルタ15a,15bを備えている。
また、図18に示す実施例1の変形例である実施例3の変形の撮像素子(第5構造の撮像素子)10にあっては、光学フィルタ14の光電変換部側とは反対側に下方・光学フィルタ16を更に備えており、下方・光学フィルタ16は、光学フィルタ14を通過した光を反射する。この実施例3の変形の撮像素子10にあっては、上方・光学フィルタ15を備えていない。図2Bに示す実施例1の変形例である実施例3の固体撮像装置の変形例(第5構造の固体撮像装置)において、
撮像素子10aは、第1光学フィルタ14aの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタ16aを備えており、
隣接撮像素子10bは、第2光学フィルタ14bの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタ16bを備えており、
撮像素子10aに備えられた第1光学フィルタ14a及び下方・第1光学フィルタ16aが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子10bに備えられた第2光学フィルタ14b及び下方・第2光学フィルタ16bが処理する光学的情報は異種の光学的情報である。この実施例3の固体撮像装置の変形例にあっては、上方・光学フィルタ15a,15bを備えていない。
第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、上方・第1光学フィルタ15aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、下方・第1光学フィルタ16aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度である。また、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、上方・第2光学フィルタ15bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、下方・第2光学フィルタ16bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度である。
実施例3の撮像素子10,10aあるいは固体撮像装置にあっては、光電変換部13,13aの光入射側に上方・光学フィルタ15,15aが配設されている。従って、図2Aに示すように、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13aに到達する光は、例えば、TM波/P波p1,p2であり、TE波/S波s1は、上方・光学フィルタ15,15aによって反射・吸収される。TM波/P波p1,p2は、実施例3の撮像素子10,10aあるいは固体撮像装置(図2A参照)にあっては、あるいは又、実施例3の撮像素子の変形例あるいは固体撮像装置の変形例(図2B参照)にあっては、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13a、更には、光学フィルタ14,14aを通過し、下方・光学フィルタ16,16aに衝突する。そして、下方・光学フィルタ16,16aに衝突したTM波/P波p1,p2は、下方・光学フィルタ16,16aによって反射される。ここで、一部p2は、撮像素子−Aに隣接する撮像素子(撮像素子−B)10bの光電変換部13bに下方から入射するとき、先ず、撮像素子−Bの第2光学フィルタ14bと衝突する。撮像素子−Bの第2光学フィルタ14bにあっては、TE波/S波を通過させ、TM波/P波を反射・吸収する。それ故、TM波/P波p2は、撮像素子−Bの第2光学フィルタ14bによって反射・吸収される結果、下方から撮像素子−Bに入射する光を減じることができるので、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
実施例4も、実施例1の変形であるが、第4構造の撮像素子及び第4構造の固体撮像装置に関する。実施例4の固体撮像装置の概念図を図3に示し、実施例4の撮像素子の模式的な一部断面図を図19に示す。
実施例4の撮像素子10において、
上方・光学フィルタ15は、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部13に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
光学フィルタ14は、光電変換部13を通過した光を反射する。
また、実施例4の固体撮像装置において、
撮像素子10aに備えられた第1光学フィルタ14a及び上方・第1光学フィルタ15aが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子10bに備えられた第2光学フィルタ14b及び上方・第2光学フィルタ15bが処理する光学的情報は異種の光学的情報である。
第1光学フィルタ14aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度であり、上方・第1光学フィルタ15aを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度である。また、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度であり、上方・第2光学フィルタ15bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位は(α+90)度である。
実施例4の撮像素子10,10aあるいは固体撮像装置にあっては、光電変換部13,13aの光入射側に上方・光学フィルタ15,15aが配設されている。従って、図3に示すように、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13aに到達する光は、例えば、TM波/P波p1であり、TE波/S波s1は、上方・光学フィルタ15,15aによって反射・吸収される。また、実施例4の撮像素子10,10aあるいは固体撮像装置にあっては、或る撮像素子(撮像素子−A)10,10aの光電変換部13,13aを通過した光(TM波/P波)p1が、光学フィルタ14,14aによって反射され、撮像素子−Aに戻される。ところで、ワイヤグリッド偏光素子の消光比等の関係で、場合によっては、上方・光学フィルタ15,15aを通過し、更に、光電変換部13,13a、光学フィルタ14,14aを通過したTE波/S波s2が、配線層17によって反射され、撮像素子−Aに隣接する撮像素子(撮像素子−B)10bの光電変換部13bに下方から入射する場合がある。然るに、第2光学フィルタ14bを構成するワイヤグリッド偏光素子が透過させるべき偏光方位はα度である。即ち、撮像素子−Bの光学フィルタ14bにあっては、TM波/P波を通過させ、TE波/S波s2を反射・吸収するので、下方から撮像素子−Bに入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図22は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図22に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図22の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
図23は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図23では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図23には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
また、本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図24は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図24では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタ層を設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
図25は、図24に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
更には、本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、体内情報取得システムに適用されてもよい。
図26は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る、カプセル型内視鏡を用いた患者の体内情報取得システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
体内情報取得システム10001は、カプセル型内視鏡10100と、外部制御装置10200とから構成される。
カプセル型内視鏡10100は、検査時に、患者によって飲み込まれる。カプセル型内視鏡10100は、撮像機能及び無線通信機能を有し、患者から自然排出されるまでの間、胃や腸等の臓器の内部を蠕動運動等によって移動しつつ、当該臓器の内部の画像(以下、体内画像ともいう)を所定の間隔で順次撮像し、その体内画像についての情報を体外の外部制御装置10200に順次無線送信する。
外部制御装置10200は、体内情報取得システム10001の動作を統括的に制御する。また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信されてくる体内画像についての情報を受信し、受信した体内画像についての情報に基づいて、表示装置(図示せず)に当該体内画像を表示するための画像データを生成する。
体内情報取得システム10001では、このようにして、カプセル型内視鏡10100が飲み込まれてから排出されるまでの間、患者の体内の様子を撮像した体内画像を随時得ることができる。
カプセル型内視鏡10100と外部制御装置10200の構成及び機能についてより詳細に説明する。
カプセル型内視鏡10100は、カプセル型の筐体10101を有し、その筐体10101内には、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、給電部10115、電源部10116、及び制御部10117が収納されている。
光源部10111は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、撮像部10112の撮像視野に対して光を照射する。
撮像部10112は、撮像素子、及び当該撮像素子の前段に設けられる複数のレンズからなる光学系から構成される。観察対象である体組織に照射された光の反射光(以下、観察光という)は、当該光学系によって集光され、当該撮像素子に入射する。撮像部10112では、撮像素子において、そこに入射した観察光が光電変換され、その観察光に対応する画像信号が生成される。撮像部10112によって生成された画像信号は、画像処理部10113に提供される。
画像処理部10113は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され、撮像部10112によって生成された画像信号に対して各種の信号処理を行う。画像処理部10113は、信号処理を施した画像信号を、RAWデータとして無線通信部10114に提供する。
無線通信部10114は、画像処理部10113によって信号処理が施された画像信号に対して変調処理等の所定の処理を行い、その画像信号を、アンテナ10114Aを介して外部制御装置10200に送信する。また、無線通信部10114は、外部制御装置10200から、カプセル型内視鏡10100の駆動制御に関する制御信号を、アンテナアンテナ10114Aを介して受信する。無線通信部10114は、外部制御装置10200から受信した制御信号を制御部10117に提供する。
給電部10115は、受電用のアンテナコイル、当該アンテナコイルに発生した電流から電力を再生する電力再生回路、及び昇圧回路等から構成される。給電部10115では、いわゆる非接触充電の原理を用いて電力が生成される。
電源部10116は、二次電池によって構成され、給電部10115によって生成された電力を蓄電する。図26では、図面が煩雑になることを避けるために、電源部10116からの電力の供給先を示す矢印等の図示を省略しているが、電源部10116に蓄電された電力は、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び制御部10117に供給され、これらの駆動に用いられ得る。
制御部10117は、CPU等のプロセッサによって構成され、光源部10111、撮像部10112、画像処理部10113、無線通信部10114、及び、給電部10115の駆動を、外部制御装置10200から送信される制御信号に従って適宜制御する。
外部制御装置10200は、CPU、GPU等のプロセッサ、又はプロセッサとメモリ等の記憶素子が混載されたマイクロコンピュータ若しくは制御基板等で構成される。外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100の制御部10117に対して制御信号を、アンテナ10200Aを介して送信することにより、カプセル型内視鏡10100の動作を制御する。カプセル型内視鏡10100では、例えば、外部制御装置10200からの制御信号により、光源部10111における観察対象に対する光の照射条件が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、撮像条件(例えば、撮像部10112におけるフレームレート、露出値等)が変更され得る。また、外部制御装置10200からの制御信号により、画像処理部10113における処理の内容や、無線通信部10114が画像信号を送信する条件(例えば、送信間隔、送信画像数等)が変更されてもよい。
また、外部制御装置10200は、カプセル型内視鏡10100から送信される画像信号に対して、各種の画像処理を施し、撮像された体内画像を表示装置に表示するための画像データを生成する。当該画像処理としては、例えば現像処理(デモザイク処理)、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の信号処理を行うことができる。外部制御装置10200は、表示装置の駆動を制御して、生成した画像データに基づいて撮像された体内画像を表示させる。あるいは、外部制御装置10200は、生成した画像データを記録装置(図示せず)に記録させたり、印刷装置(図示せず)に印刷出力させてもよい。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した撮像素子、固体撮像装置の構造や構成、製造条件、製造方法、使用した材料は例示であり、適宜変更することができる。各実施例の撮像素子を、適宜、組み合わせることができる。
実施例においては、光学フィルタを専らワイヤグリッド偏光素子から構成したが、代替的に、光学フィルタ(偏光子)を、可視光の波長よりも小さな周期を有する鋸状の溝構造を有する構成とすることができる。あるいは又、入射光に含まれる光学的情報は波長(波長範囲)である形態とすることができ、この場合、光学フィルタ等は波長選択手段から成る形態とすることができ、更には、波長選択手段は、フォトニック結晶から構成されたフィルタ、又は、プラズモニックフィルタ、又は、誘電体多層膜から成るフィルタから構成されている形態とすることができる。あるいは又、光学フィルタ等を、偏光子と波長選択手段との組合せとすることもできる。
具体的には、例えば、撮像素子−Aを構成する光学フィルタ及び上方・光学フィルタを、赤色光を選択的に通過させ、緑色光及び青色光を吸収・反射する波長選択手段とし、撮像素子−Bを構成する光学フィルタ及び上方・光学フィルタを、緑色光を選択的に通過させ、赤色光及び青色光を吸収・反射する波長選択手段とする。この場合、撮像素子−Aの光電変換部に到達する光は、赤色光であり、緑色光及び青色光は、上方・第1光学フィルタによって反射・吸収される。赤色光は、撮像素子−Aの光電変換部、更には、第1光学フィルタを通過し、例えば、配線層に衝突して反射され、第1光学フィルタを介して、第1光電変換部に戻される。また、配線層に衝突して反射された赤色光は、撮像素子−Bを構成する第2光学フィルタに衝突するが、第2光学フィルタは、緑色光を選択的に通過させ、赤色光及び青色光を吸収・反射する波長選択手段であるが故に、第2光学フィルタによって、第2光電変換部への侵入が阻害される。それ故、下方から撮像素子−Bに入射する光を減じることができ、光学的クロストークの発生を抑制することができる。
また、実施例において、ワイヤグリッド偏光素子は、専ら、可視光波長帯に感度を有する撮像素子等における偏光情報の取得のために用いられたが、撮像素子等が赤外線や紫外線に感度を有する場合、それに応じて、ライン部の形成ピッチP0を拡大・縮小することで、任意の波長帯で機能するワイヤグリッド偏光素子としての実装が可能である。更には、実施例においては、積層構造体における光反射層と光吸収層とが絶縁膜によって離間されている構成(即ち、光反射層の頂面全面に絶縁膜が形成されており、絶縁膜の頂面全面に光吸収層が形成されている構成)のワイヤグリッド偏光素子としたが、代替的に、絶縁膜の一部が切り欠かれ、光反射層と光吸収層とは絶縁膜の切欠き部において接している構成とすることもできる。
また、実施例にあっては、入射光量に応じた信号電荷を物理量として検知する単位画素が行列状に配置されて成るCMOS型固体撮像装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、CMOS型固体撮像装置への適用に限られるものではなく、CCD型固体撮像装置に適用することもできる。後者の場合、信号電荷は、CCD型構造の垂直転送レジスタによって垂直方向に転送され、水平転送レジスタによって水平方向に転送され、増幅されることにより画素信号(画像信号)が出力される。また、画素が2次元マトリックス状に形成され、画素列毎にカラム信号処理回路を配置して成るカラム方式の固体撮像装置全般に限定するものでもない。更には、場合によっては、選択トランジスタを省略することもできる。
更には、本開示の撮像素子等は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは、粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置にも適用可能である。また、広義には、圧力や静電容量等、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像装置(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
更には、撮像領域の各単位画素を行単位で順に走査して各単位画素から画素信号を読み出す固体撮像装置に限られるものではない。画素単位で任意の画素を選択して、選択画素から画素単位で画素信号を読み出すX−Yアドレス型の固体撮像装置に対しても適用可能である。固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像領域と、駆動回路又は光学系とを纏めてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
また、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、撮像装置にも適用可能である。ここで、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機等の撮像機能を有する電子機器を指す。電子機器に搭載されるモジュール状の形態、即ち、カメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
本開示の撮像素子等から構成された固体撮像装置201を電子機器(カメラ)200に用いた例を、図20に概念図として示す。電子機器200は、固体撮像装置201、光学レンズ210、シャッタ装置211、駆動回路212、及び、信号処理回路213を有する。光学レンズ210は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置201の撮像面上に結像させる。これにより固体撮像装置201内に、一定期間、信号電荷が蓄積される。シャッタ装置211は、固体撮像装置201への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路212は、固体撮像装置201の転送動作等及びシャッタ装置211のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路212から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置201の信号転送を行う。信号処理回路213は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、あるいは、モニタに出力される。このような電子機器200では、固体撮像装置201における画素サイズの微細化及び転送効率の向上を達成することができるので、画素特性の向上が図られた電子機器200を得ることができる。固体撮像装置201を適用できる電子機器200としては、カメラに限られるものではなく、デジタルスチルカメラ、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュール等の撮像装置に適用可能である。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《撮像素子》
光電変換部、及び、
光電変換部の光入射側とは反対側に配設された光学フィルタ、
を備えている撮像素子。
[A02]光電変換部の光入射側に上方・光学フィルタを更に備えている[A01]に記載の撮像素子。
[A03]上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
光学フィルタは、光電変換部からの光を通過する[A02]に記載の撮像素子。
[A04]光学フィルタの光電変換部側とは反対側に下方・光学フィルタを更に備えており、
下方・光学フィルタは、光学フィルタを通過した光を反射する[A03]に記載の撮像素子。
[A05]上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
光学フィルタは、光電変換部を通過した光を反射する[A02]に記載の撮像素子。
[A06]光学フィルタの光電変換部側とは反対側に、下方・光学フィルタを更に備えている[A01]に記載の撮像素子。
[A07]入射光に含まれる光学的情報は偏光である[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A08]光学フィルタは偏光子から成る[A07]に記載の撮像素子。
[A09]光学フィルタはワイヤグリッド偏光素子から成る[A08]に記載の撮像素子。
[A10]ワイヤグリッド偏光素子と保護膜との間には第2保護膜が形成されており、
保護膜を構成する材料の屈折率をn1、第2保護膜を構成する材料の屈折率をn2としたとき、
1>n2
を満足する[A09]に記載の撮像素子。
[A11]保護膜は、SiNから成り、第2保護膜は、SiO2又はSiONから成る[A10]に記載の撮像素子。
[A12]少なくとも、ワイヤグリッド偏光素子のスペース部に面したライン部の側面には第3保護膜が形成されている[A11]に記載の撮像素子。
[A13]ワイヤグリッド偏光素子を取り囲むフレーム部を更に備えており、
フレーム部と、ワイヤグリッド偏光素子のライン部とは連結されており、
フレーム部は、ワイヤグリッド偏光素子のライン部と同じ構造を有する[A09]乃至[A12]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A14]基板の一方の面には光電変換部を駆動する駆動回路が形成されており、
基板の他方の面に光電変換部が形成されており、
撮像素子の縁部には、基板の一方の面から他方の面に亙り、更に、ワイヤグリッド偏光素子の下方まで延びる、絶縁材料又は遮光材料が埋め込まれた溝部が形成されている[A09]乃至[A13]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A15]ワイヤグリッド偏光素子のライン部は、光電変換部側から、第1導電材料から成る光反射層、絶縁膜、及び、第2導電材料から成る光吸収層が積層された積層構造体から構成されている[A09]乃至[A14]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A16]光電変換部と光反射層の間に下地膜が形成されている[A15]に記載の固体撮像装置。
[A17]光反射層の延在部は基板又は光電変換部と電気的に接続されている[A15]又は[A16]に記載の撮像素子。
[A18]光反射層の頂面全面に絶縁膜が形成されており、絶縁膜の頂面全面に光吸収層が形成されている[A15]乃至[A17]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A19]光学フィルタは配線としても機能する[A09]乃至[A18]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A20]偏光子は、可視光の波長よりも小さな周期を有する鋸状の溝構造を有する[A08]に記載の撮像素子。
[A21]入射光に含まれる光学的情報は波長である[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の撮像素子。
[A22]光学フィルタは波長選択手段から成る[A21]に記載に撮像素子。
[A23]波長選択手段は、フォトニック結晶から構成されたフィルタ、又は、プラズモニックフィルタ、又は、誘電体多層膜から成るフィルタから構成されている[A22]に記載の撮像素子。
[B01]《固体撮像装置》
撮像素子が、複数、配列された固体撮像装置であって、
撮像素子は、
第1光電変換部、及び、
第1光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第1光学フィルタ、
を備えており、
撮像素子に隣接する隣接撮像素子は、
第2光電変換部、及び、
第2光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第2光学フィルタ、
を備えており、
第1光学フィルタが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報である固体撮像装置。
[B02]撮像素子は、第1光電変換部の光入射側に上方・第1光学フィルタを更に備えており、
隣接撮像素子は、第2光電変換部の光入射側に上方・第2光学フィルタを更に備えている[B01]に記載の固体撮像装置。
[B03]撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報である[B02]に記載の固体撮像装置。
[B04]撮像素子は、第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを備えており、
隣接撮像素子は、第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを備えており、
撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び下方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び下方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である[B03]に記載の固体撮像装置。
[B05]撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である[B02]に記載の固体撮像装置。
[B06]第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを更に備えており、
第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを更に備えている[B01]に記載の固体撮像装置。
[B07《固体撮像装置》
[A01]乃至[A23]のいずれか1項に記載の撮像素子が、複数、配列されて成る固体撮像装置。
10,10a,10b・・・撮像素子、13,13a,13b・・・光電変換部、14,14a,14b・・・光学フィルタ、15,15a,15b・・・上方・光学フィルタ、16,16a,16b・・・下方・光学フィルタ、17・・・配線層、18・・・オンチップ・マイクロ・レンズ(OCL)、31・・・n型半導体領域、34,73・・・p+層、35・・・転送トランジスタのゲート部、35A・・・転送チャネル、35C・・・半導体基板の領域、70・・・半導体基板、70A・・・半導体基板の第1面(おもて面)、70B・・・半導体基板の第2面(裏面)、71・・・素子分離領域、72・・・酸化膜、76・・・下地絶縁層、77,78・・・層間絶縁層、83・・・下層絶縁層、91・・・ワイヤグリッド偏光素子、92・・・ライン部(積層構造体)、93・・・光反射層、93A・・・光反射層形成層、94・・・絶縁膜、94A・・・絶縁膜形成層、94a・・・絶縁膜の切欠き部、95・・・光吸収層、95A・・・光吸収層形成層、96・・・スペース部(積層構造体と積層構造体との間の隙間)、97A・・・保護膜、97B・・・第2保護膜、97C・・・第3保護膜、98・・・フレーム部、100・・・固体撮像装置、101・・・撮像素子、111・・・撮像領域、112・・・垂直駆動回路、113・・・カラム信号処理回路、114・・・水平駆動回路、115・・・出力回路、116・・・駆動制御回路、117・・・信号線(データ出力線)、118・・・水平信号線、200・・・電子機器(カメラ)、201・・・固体撮像装置、210・・・光学レンズ、211・・・シャッタ装置、212・・・駆動回路、213・・・信号処理回路、FD1・・・浮遊拡散層、TR1trs・・・転送トランジスタ、TR1rst・・・リセット・トランジスタ、TR1amp・・・増幅トランジスタ、TR1sel・・・選択トランジスタ、VDD・・・電源、TG1・・・転送ゲート線、RST1・・・リセット線、SEL1・・・選択線、VSL1・・・信号線(データ出力線)

Claims (20)

  1. 光電変換部、及び、
    光電変換部の光入射側とは反対側に配設された光学フィルタ、
    を備えている撮像素子。
  2. 光電変換部の光入射側に上方・光学フィルタを更に備えている請求項1に記載の撮像素子。
  3. 上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
    光学フィルタは、光電変換部からの光を通過する請求項2に記載の撮像素子。
  4. 光学フィルタの光電変換部側とは反対側に下方・光学フィルタを更に備えており、
    下方・光学フィルタは、光学フィルタを通過した光を反射する請求項3に記載の撮像素子。
  5. 上方・光学フィルタは、入射光に含まれる光学的情報の一部を有する光を光電変換部に向かって通過させ、入射光に含まれる光学的情報の残部を有する光を反射又は吸収し、
    光学フィルタは、光電変換部を通過した光を反射する請求項2に記載の撮像素子。
  6. 光学フィルタの光電変換部側とは反対側に、下方・光学フィルタを更に備えている請求項1に記載の撮像素子。
  7. 入射光に含まれる光学的情報は偏光である請求項1に記載の撮像素子。
  8. 光学フィルタは偏光子から成る請求項7に記載の撮像素子。
  9. 光学フィルタはワイヤグリッド偏光素子から成る請求項8に記載の撮像素子。
  10. 光学フィルタは配線としても機能する請求項9に記載の撮像素子。
  11. 偏光子は、可視光の波長よりも小さな周期を有する鋸状の溝構造を有する請求項8に記載の撮像素子。
  12. 入射光に含まれる光学的情報は波長である請求項1に記載の撮像素子。
  13. 光学フィルタは波長選択手段から成る請求項12に記載に撮像素子。
  14. 波長選択手段は、フォトニック結晶から構成されたフィルタ、又は、プラズモニックフィルタ、又は、誘電体多層膜から成るフィルタから構成されている請求項13に記載の撮像素子。
  15. 撮像素子が、複数、配列された固体撮像装置であって、
    撮像素子は、
    第1光電変換部、及び、
    第1光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第1光学フィルタ、
    を備えており、
    撮像素子に隣接する隣接撮像素子は、
    第2光電変換部、及び、
    第2光電変換部の光入射側とは反対側に配設された第2光学フィルタ、
    を備えており、
    第1光学フィルタが処理する第1光学的情報と、第2光学フィルタが処理する第2光学的情報とは、異なる光学的情報である固体撮像装置。
  16. 撮像素子は、第1光電変換部の光入射側に上方・第1光学フィルタを更に備えており、
    隣接撮像素子は、第2光電変換部の光入射側に上方・第2光学フィルタを更に備えている請求項15に記載の固体撮像装置。
  17. 撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報であり、
    隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は同種の光学的情報である請求項16に記載の固体撮像装置。
  18. 撮像素子は、第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを備えており、
    隣接撮像素子は、第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを備えており、
    撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び下方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
    隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び下方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である請求項17に記載の固体撮像装置。
  19. 撮像素子に備えられた第1光学フィルタ及び上方・第1光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報であり、
    隣接撮像素子に備えられた第2光学フィルタ及び上方・第2光学フィルタが処理する光学的情報は異種の光学的情報である請求項16に記載の固体撮像装置。
  20. 第1光学フィルタの第1光電変換部側とは反対側に下方・第1光学フィルタを更に備えており、
    第2光学フィルタの第2光電変換部側とは反対側に下方・第2光学フィルタを更に備えている請求項15に記載の固体撮像装置。
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