JP2023125932A - 合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リサイクル性を向上させた合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することである。【解決手段】外層体12と内層体13とを有する容器本体10と、容器本体10の口部11に打栓により装着された装着キャップ20と、を備えた合成樹脂製容器1であって、外層体12が、外口部12aの外周面に設けられた打栓ねじ12dを備え、内層体13が、内口部13aに連なって外口部12aの外側に配置された外壁部12cの内周面に設けられて打栓ねじ12dが食い込んで雌ねじ13fが転写された複数本の縦リブ13eを備え、装着キャップ20が、周壁部21において外壁部12cにアンダーカット係合により固定されるとともに外壁部13cと周壁部21との間に回り止め部30が設けられている合成樹脂製容器1、合成樹脂製容器1の製造に用いるプリフォーム40及び合成樹脂製容器の製造方法。【選択図】図2
Description
本発明は、合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法に関する。
従来から、醤油等の食品調味料や飲料、あるいは化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリーを内容物として収納する容器として、外層体と外層体の内側に分離可能に積層された内層体とを有する容器本体と、容器本体の口部に打栓またはネジにより装着された装着キャップと、を備えた二重構造の合成樹脂製容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
このような合成樹脂製容器は、例えば外層体を構成する外体の内側に内層体を構成する内体を組み付けた二重構造のプリフォームを延伸ブロー成形することによって製造することができる。
上記従来の合成樹脂製容器では、内容物として例えば油成分を含むものを収納した場合、内容物が付着した容器はそのままの状態ではリサイクルし難くなる為、この点において改善の余地があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リサイクル性を向上させた合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することにある。
本発明の合成樹脂製容器は、外層体と前記外層体の内側に分離可能に積層された内層体とを有する容器本体と、前記容器本体の口部に打栓により装着された装着キャップと、を備えた合成樹脂製容器であって、前記外層体が、前記口部を構成する円筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる胴部と、前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、前記内層体が、前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備え、前記装着キャップが、前記外壁部の外側に嵌合する円筒状の周壁部と、前記周壁部の内周面に設けられ、前記容器本体側係合部にアンダーカット係合するキャップ側係合部と、を備え、前記外壁部と前記周壁部との間に、前記外壁部に対して前記周壁部を回り止めする回り止め部が設けられていることを特徴とする。
本発明の合成樹脂製容器は、上記構成において、前記装着キャップが、ヒンジキャップであるのが好ましい。
本発明の合成樹脂製容器は、上記構成において、前記容器本体が、前記内層体を構成する柔軟な袋状の収納部が前記胴部の内面に剥離可能に積層された積層剥離容器であるのが好ましい。
本発明の合成樹脂製容器は、上記構成において、前記外口部が、前記外層体と前記内層体との間に連通する外気導入口を備え、前記装着キャップが、前記収納部に連なる吐出口を開閉する第1の逆止弁を備えるとともに、前記外気導入口に連なる通気口を開閉する第2の逆止弁を備えるのが好ましい。
本発明のプリフォームは、外体と前記外体の内側に組み付けられた内体とを有し、延伸ブロー成形に用いられる合成樹脂製のプリフォームであって、前記外体が、円筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる有底円筒状の外側延伸部と、前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、前記内体が、前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、前記内口部の下端に連なる内側延伸部と、フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備えることを特徴とする。
本発明の合成樹脂製容器の製造方法は、外体と前記外体の内側に組み付けられた内体とを有するプリフォームを延伸ブロー成形して、容器本体の口部に装着キャップが装着された合成樹脂製容器を製造する合成樹脂製容器の製造方法であって、前記外体が、円筒状の外口部と、前記外口部の下端に連なる有底円筒状の外側延伸部と、前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、前記内体が、前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、前記内口部の下端に連なる内側延伸部と、フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備え、前記装着キャップが、前記外壁部の外側に嵌合する円筒状の周壁部と、前記周壁部の内周面に設けられ、前記容器本体側係合部にアンダーカット係合するキャップ側係合部と、を備え、前記外壁部と前記周壁部との間に、前記外壁部に対して前記周壁部を回り止めする回り止め部が設けられ、前記外体及び前記内体を成形する工程と、前記外体の内側に前記内体を組み付けて、複数本の前記縦リブに前記打栓ねじを食い込ませて前記雌ねじを転写させつつ前記プリフォームを形成する工程と、前記プリフォームを延伸ブロー成形して前記容器本体を形成する工程と、前記口部に、打栓により前記装着キャップを装着する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、リサイクル性を向上させた合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る合成樹脂製容器1は、容器本体10と、容器本体10の口部11に打栓により装着された装着キャップ20とを備えている。容器本体10は、外層体12と、外層体12の内側に分離可能に積層された内層体13とを有する二重構造となっている。
なお、本明細書、特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すように合成樹脂製容器1を正立姿勢とした状態における上方、下方を意味するものとする。また、径方向は、図1における合成樹脂製容器1の中心軸線Oを通るとともに中心軸線Oに垂直な直線に沿う方向を意味するものとする。
外層体12は、容器本体10の外郭を構成しており、口部11を構成する円筒状の外口部12aと、外口部12aの下端に肩部12bを介して一体に連なる有底円筒状の胴部12cと、を備えたボトル形状となっている。
なお、外層体12は、例えば肩部12bを有することなく胴部12cが外口部12aの下端に直接連なる形状など、円筒状の外口部12aと胴部12cとを有していればその形状は種々変更可能である。
図2に示すように、外口部12aの外周面には、打栓ねじ12dが一体に設けられている。打栓ねじ12dねじ山断面は、径方向外側を向く先端が尖った三角形状となっている。
外口部12aは、打栓ねじ12dの下方側における外周面に、環状突起12e及びネックリング12fを備えた構成とすることもできる。
外層体12は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の合成樹脂材料により形成されたものとすることができる。本実施形態では、外層体12は、ポリエチレンテレフタレート製となっている。
内層体13は、外口部12aの内側に配置された円筒状の内口部13aと、内口部13aの上端に一体に連なるフランジ13bを介して内口部13aに連なって外口部12aの外側に配置された円筒状の外壁部13cと、を有している。内層体13は、内口部13aと外壁部13cとの間の溝状部分に外口部12aが嵌合することで、外層体12に位置決め固定されている。
このように、口部11は、外口部12a、内口部13a、フランジ13b及び外壁部13cによって構成されている。
内層体13は、内口部13aの下端に一体に連なる収納部13dを有している。収納部13dは、外層体12の胴部12cよりも薄い柔軟な袋状となっており、肩部12b及び胴部12cの内面に分離可能に積層している。なお、肩部12b及び胴部12cの内面に対する収納部13dの分離は、接着状態からの分離、相溶性のない樹脂積層物の場合における擬似接着状態からの分離、密着状態からの離隔、の何れであってもよい。
内層体13の内部は、口部11の開口に連なる収納空間Sとなっており、この収納空間Sには、例えば、食用油、醤油等の食品調味料や飲料、あるいは化粧水などの化粧料、シャンプーやリンス、液体石鹸などのトイレタリーを内容物として収納することができる。
外壁部13cの内周面には、径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びる複数本の縦リブ13eが一体に設けられている。外壁部13cの内周面に設ける縦リブ13eの本数は適宜設定することができる。また、複数本の縦リブ13eは、周方向に等間隔に並べて設けられるのが好ましい。
複数本の縦リブ13eには、それぞれ打栓ねじ12dが食い込んで雌ねじ13fが転写されている。すなわち、内口部13aと外壁部13cとの間の溝状部分に外口部12aを嵌合させることで、複数本の縦リブ13eに、それぞれ打栓ねじ12dが食い込んで雌ねじ13fが形成されている。
外壁部13cの外周面には容器本体側係合部13gが一体に設けられている。本実施形態では、容器本体側係合部13gは、外壁部13cの外周面の下端部分に設けられており、外壁部13cの外周面から径方向外側に突出している。
内層体13は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(ナイロン)又はエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)などの合成樹脂材料によって形成されたものとすることができる。本実施形態では、内層体13は、外層体12と同じくポリエチレンテレフタレート製となっている。
装着キャップ20は、円筒状の周壁部21と、周壁部21の上端に連なる頂壁部22とを有している。頂壁部22には収納空間Sに連なる内容物の吐出口23が設けられている。吐出口23は除去片24によって閉塞されており、使用時には除去片24に一体に設けられたプルリング25を引き上げることで除去片24を除去して開封される。
周壁部21には、ヒンジ26を介して開閉自在に蓋体27が連結されている。蓋体27は閉じた状態で頂壁部22を覆って吐出口23を閉塞するとともに、開かれることで吐出口23を開放する。このように、本実施形態では、装着キャップ20はヒンジキャップとなっており、口部11に対して回転操作されることなく、ヒンジ26を中心に蓋体27を回動させることで吐出口23を開閉できる構成となっている。
装着キャップ20は、口部11に打栓によって装着されている。すなわち、装着キャップ20は、周壁部21が打栓により外壁部13cの外側に嵌合するとともに、周壁部21の下端の内周面に設けられたキャップ側係合部28が容器本体側係合部13gにアンダーカット係合することにより、口部11に抜け止めされた状態で装着されている。
なお、装着キャップ20は、頂壁部22に、内口部13aの内周面に全周に亘って嵌合するインナーシール部29が一体に設けられた構成とすることもできる。
内層体13の外壁部13cと装着キャップ20の周壁部21との間には、外壁部13cに対して周壁部21を回り止めする回り止め部30が設けられている。回り止め部30は、例えば、外壁部13cの外周面に上下方向に延びて設けた内側スプラインと、周壁部21の内周面に上下方向に延びて設けた外側スプラインとを係合させた構成など、種々の構成を採用することができる。回り止め部30が設けられることにより、外層体12に対して装着キャップ20が中心軸線Oを中心として回転操作されると、その回転が回り止め部30を介して外壁部13cに伝達されて、外壁部13c、フランジ13b及び内口部13aが装着キャップ20とともに外層体12に対して回転する。
上記構成の合成樹脂製容器1は、収納空間Sに内容物を収納することができるとともに、蓋体27を開き、プルリング25を引いて除去片24を除去して吐出口23を開封した後、合成樹脂製容器1を傾けること、あるいは胴部12cをスクイズすることで、収納空間Sに収納されている内容物を吐出口23から外部に吐出させることができる。
一方、上記構成の合成樹脂製容器1は、収納空間Sに収納されている内容物を全て出し切って使用を終えた後、リサイクルする際に、外層体12と内層体13とを分離させ、これらを分別して廃棄することができる。
すなわち、リサイクルする際に、外層体12の胴部12cを保持して外層体12に対して装着キャップ20を、中心軸線Oを中心としてねじを緩める方向に回転させると、装着キャップ20とともに内層体13の外壁部13cが外層体12の外口部12aに対して中心軸線Oを中心としてねじを緩める方向に回転する。外壁部13cが外口部12aに対して中心軸線Oを中心としてねじを緩める方向に回転すると、外口部12aに設けられた打栓ねじ12dと、打栓ねじ12dにより転写されて外壁部13cに設けられた雌ねじ13fとの螺号により、外壁部13cは内口部13aとともに外口部12aに対して上方に向けて移動する。そして、打栓ねじ12dと雌ねじ13fとの螺号が解消された後、装着キャップ20を上方に引き上げると、図3に示すように、装着キャップ20の周壁部21の内側に嵌合保持された外壁部13cとともに内層体13が外層体12に対して上方に引き上げられる。そして、内層体13の全体を外層体12の外口部12aを通して外部に引き出すことで、内層体13を外層体12と分離させることができる。
このように、本実施形態の合成樹脂製容器1によれば、装着キャップ20の一部をぎり取ったり外層体12を分解するなどの事前作業を行うことなく、装着キャップ20を外層体12に対して回転させた後、上方に引き上げるだけの簡単な作業で、内層体13を外層体12と分離させ、これらを分別して廃棄することができる。
特に、内層体13の収納空間Sに、例えば油を含む内容物を収納した場合などにおいて、使用後の内層体13が内容物の付着によりリサイクルができない程度に汚れている場合であっても、汚れのない外層体12を汚れた内層体13から分離させて、リサイクルすることが可能となる。
上記構成を有する合成樹脂製容器1の容器本体10は、例えば図4に示す本発明の一実施形態に係る合成樹脂製のプリフォーム40を延伸ブロー成形することにより形成することができる。
プリフォーム40は、外層体12を形成する合成樹脂製の外体42と、内層体13を形成する合成樹脂製の内体43とを備えた二重構造となっている。
外体42は、合成樹脂製容器1の外口部12aに対応する円筒状の外口部42aと、外口部42aの下端に一体に連なる有底円筒状の外側延伸部42bとを備えている。また、外口部42aの外周面には、合成樹脂製容器1の打栓ねじ12dに対応する打栓ねじ42dが一体に設けられている。
内体43は、合成樹脂製容器1の内口部13aに対応する円筒状の内口部43aと、フランジ43bを介して内口部43aに連なって外口部42aの外側に配置された円筒状の外壁部43cとを有している。フランジ43b及び外壁部43cも合成樹脂製容器1のフランジ13b及び外壁部13cに対応する。内口部43aの下端には、有底円筒状の内側延伸部43dが一体に設けられている。
また、外壁部43cの内周面には、径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びる複数本の縦リブ43eが設けられている。複数本の縦リブ43eには、合成樹脂製容器1の複数本の縦リブ13eと同様に、打栓ねじ42dが食い込んで雌ねじ43fが転写されている。また、外壁部43cの外周面には、合成樹脂製容器1の容器本体側係合部13gに対応する容器本体側係合部43gが設けられている。さらに、外壁部43cの外周面には、回り止め部30を構成するスプラインが設けられている。
すなわち、プリフォーム40の口部11に対応する部分は、ブロー成形によって延伸されない部分であり、合成樹脂製容器1の口部11と同様の形状となっている。
外体42は、外層体12と同様の合成樹脂材料、つまりポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた射出成形により形成されている。内体43も、内層体13と同様の合成樹脂材料であるポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた射出成形により形成されている。外体42と内体43は、別々に形成された後、外体42の内側に内体43を組み付けて形成される。このとき、内体43は、内口部43aと外壁部43cとの間の溝状部分に外口部42aが嵌合することで、外体42に位置決め固定される。またこのとき、複数本の縦リブ43eに向けて打栓ねじ42dが押し込まれることで、数本の縦リブ43eに打栓ねじ42dが食い込んで雌ねじ43fが転写される。
次に、本発明の一実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法について説明する。
まず、上記構成を有する外体42と内体43とを、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形により形成する。
次に、外体42の内側に内体43を組み付けて、複数本の縦リブ43eに打栓ねじ42dを食い込ませて雌ねじ43fを転写させつつプリフォーム40を形成する。
次に、プリフォーム40を延伸ブロー成形して、容器本体10を形成する。延伸ブロー成形としては、延伸ロッドを用いた2軸延伸ブロー成形を採用することができる。
そして、別途射出成形により形成した装着キャップ20を、打栓により口部11に装着する。
このように、実施形態に係る合成樹脂製容器の製造方法によれば、外体42に内体43を組み付けたプリフォーム40を延伸ブロー成形して容器本体10を形成した後、容器本体10の口部11に装着キャップ20を打栓により装着するのみの簡単な工程で、外層体12と内層体13とを分離可能な合成樹脂製容器1を容易に製造することができる。
図5に他の実施形態として示すように、合成樹脂製容器1を構成する容器本体10は、内層体13を構成する柔軟な袋状の収納部13dが、胴部12cの内面に剥離可能に積層された積層剥離容器に構成されたものとすることもできる。
この場合、外層体12は、外層体12と内層体13との間に連通する外気導入口12gを備えた構成とされる。本実施形態では、外口部12aに、当該外口部12aを径方向に貫通する貫通孔の形態を有する外気導入口12gが設けられている。なお、この実施形態では、内口部13aは、外気導入口12gから下方に向けて外気の導入路を形成するために、下方に向けて徐々に縮径するとともに、下端側部分における外周面に、外口部12aの内周面に当接するスペーサ13hが設けられた構成とされている。
また、装着キャップ20には、収納部13dに連なる吐出口23に、吐出口23を開閉する第1の逆止弁50が設けられる。第1の逆止弁50は、収納空間Sから吐出口23を通して容器外部に向けた内容物の流れを許容し、容器外部から吐出口23を通して収納空間Sに向けた内容物や空気の流れを阻止するように作動するものである。さらに、装着キャップ20の頂壁部22には、外気導入口12gに連なる通気口51が設けられ、通気口51の下方には通気口51を開閉する第2の逆止弁52が設けられる。第2の逆止弁52は、通気口51から外気導入口12gに向けた空気の流れを許容し、外気導入口12gから通気口51に向けた空気の流れを阻止するように作動するものである。
このような他の実施形態に係る合成樹脂製容器1によれば、胴部12cをスクイズすることで、第1の逆止弁50を開いて収納空間Sに収納されている内容物を吐出口23から外部に吐出させることができるとともに、内容物の吐出後に胴部12cのスクイズを解除することで、第1の逆止弁50により吐出口23が閉じられるとともに、第2の逆止弁52が開いて胴部12cの元の形状への復元に伴って通気口51から外気導入口12gを通して外層体12と内層体13との間に外気を導入することができる。これにより、内容物の吐出に伴い内層体13の収納部13dを胴部12cの内面から剥離させて減容変形させたまま胴部12cが復元できるようにして、収納空間Sに外気が導入されることを抑制することができる。よって、収納空間Sに収納されている内容物が外気と触れることを抑制し、内容物の劣化ないし鮮度の低下を抑制することが可能となる。
このような他の実施形態に係る合成樹脂製容器1においても、内容物を全て出し切った使用後にリサイクルする際には、図6に示すように、装着キャップ20を外層体12に対して回転させた後、上方に引き上げるだけの簡単な作業で、内層体13を外口部12aを通して外層体12の外部に引き出して分離させ、これらを分別して廃棄することができる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 合成樹脂製容器
10 容器本体
11 口部
12 外層体
12a 外口部
12b 肩部
12c 胴部
12d 打栓ねじ
12e 環状突起
12f ネックリング
12g 外気導入口
13 内層体
13a 内口部
13b フランジ
13c 外壁部
13d 収納部
13e 縦リブ
13f 雌ねじ
13g 容器本体側係合部
13h スペーサ
20 装着キャップ
21 周壁部
22 頂壁部
23 吐出口
24 除去片
25 プルリング
26 ヒンジ
27 蓋体
28 キャップ側係合部
29 インナーシール部
30 回り止め部
40 プリフォーム
42 外体
42a 外口部
42b 外側延伸部
42d 打栓ねじ
43 内体
43a 内口部
43b フランジ
43c 外壁部
43d 内側延伸部
43e 縦リブ
43f 雌ねじ
50 第1の逆止弁
51 通気口
52 第2の逆止弁
O 中心軸線
S 収納空間
10 容器本体
11 口部
12 外層体
12a 外口部
12b 肩部
12c 胴部
12d 打栓ねじ
12e 環状突起
12f ネックリング
12g 外気導入口
13 内層体
13a 内口部
13b フランジ
13c 外壁部
13d 収納部
13e 縦リブ
13f 雌ねじ
13g 容器本体側係合部
13h スペーサ
20 装着キャップ
21 周壁部
22 頂壁部
23 吐出口
24 除去片
25 プルリング
26 ヒンジ
27 蓋体
28 キャップ側係合部
29 インナーシール部
30 回り止め部
40 プリフォーム
42 外体
42a 外口部
42b 外側延伸部
42d 打栓ねじ
43 内体
43a 内口部
43b フランジ
43c 外壁部
43d 内側延伸部
43e 縦リブ
43f 雌ねじ
50 第1の逆止弁
51 通気口
52 第2の逆止弁
O 中心軸線
S 収納空間
Claims (6)
- 外層体と前記外層体の内側に分離可能に積層された内層体とを有する容器本体と、前記容器本体の口部に打栓により装着された装着キャップと、を備えた合成樹脂製容器であって、
前記外層体が、
前記口部を構成する円筒状の外口部と、
前記外口部の下端に連なる胴部と、
前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、
前記内層体が、
前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、
フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、
前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、
前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備え、
前記装着キャップが、
前記外壁部の外側に嵌合する円筒状の周壁部と、
前記周壁部の内周面に設けられ、前記容器本体側係合部にアンダーカット係合するキャップ側係合部と、を備え、
前記外壁部と前記周壁部との間に、前記外壁部に対して前記周壁部を回り止めする回り止め部が設けられていることを特徴とする、合成樹脂製容器。 - 前記装着キャップが、ヒンジキャップである、請求項1に記載の合成樹脂製容器。
- 前記容器本体が、前記内層体を構成する柔軟な袋状の収納部が前記胴部の内面に剥離可能に積層された積層剥離容器である、請求項1または2に記載の合成樹脂製容器。
- 前記外口部が、前記外層体と前記内層体との間に連通する外気導入口を備え、
前記装着キャップが、前記収納部に連なる吐出口を開閉する第1の逆止弁を備えるとともに、前記外気導入口に連なる通気口を開閉する第2の逆止弁を備える、請求項3に記載の合成樹脂製容器。 - 外体と前記外体の内側に組み付けられた内体とを有し、延伸ブロー成形に用いられる合成樹脂製のプリフォームであって、
前記外体が、
円筒状の外口部と、
前記外口部の下端に連なる有底円筒状の外側延伸部と、
前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、
前記内体が、
前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、
前記内口部の下端に連なる内側延伸部と、
フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、
前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、
前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備えることを特徴とする、プリフォーム。 - 外体と前記外体の内側に組み付けられた内体とを有するプリフォームを延伸ブロー成形して、容器本体の口部に装着キャップが装着された合成樹脂製容器を製造する合成樹脂製容器の製造方法であって、
前記外体が、
円筒状の外口部と、
前記外口部の下端に連なる有底円筒状の外側延伸部と、
前記外口部の外周面に設けられた打栓ねじと、を備え、
前記内体が、
前記外口部の内側に配置された円筒状の内口部と、
前記内口部の下端に連なる内側延伸部と、
フランジを介して前記内口部に連なって前記外口部の外側に配置された円筒状の外壁部と、
前記外壁部の内周面に径方向内側に向けて突出するとともに上下方向に延びて設けられ、前記打栓ねじが食い込んで雌ねじが転写された複数本の縦リブと、
前記外壁部の外周面に設けられた容器本体側係合部と、を備え、
前記装着キャップが、
前記外壁部の外側に嵌合する円筒状の周壁部と、
前記周壁部の内周面に設けられ、前記容器本体側係合部にアンダーカット係合するキャップ側係合部と、を備え、
前記外壁部と前記周壁部との間に、前記外壁部に対して前記周壁部を回り止めする回り止め部が設けられ、
前記外体及び前記内体を成形する工程と、
前記外体の内側に前記内体を組み付けて、複数本の前記縦リブに前記打栓ねじを食い込ませて前記雌ねじを転写させつつ前記プリフォームを形成する工程と、
前記プリフォームを延伸ブロー成形して前記容器本体を形成する工程と、
前記口部に、打栓により前記装着キャップを装着する工程と、を有することを特徴とする、合成樹脂製容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022030306A JP2023125932A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022030306A JP2023125932A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023125932A true JP2023125932A (ja) | 2023-09-07 |
Family
ID=87887397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022030306A Pending JP2023125932A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 合成樹脂製容器、プリフォーム及び合成樹脂製容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023125932A (ja) |
-
2022
- 2022-02-28 JP JP2022030306A patent/JP2023125932A/ja active Pending
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