JP2023125752A - こんにゃく麺およびその製造方法 - Google Patents

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浩治 原田
Koji Harada
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M-TEX CO Ltd
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Abstract

【課題】短い時間で湯戻りし、かつ食感が良好なこんにゃく麺およびその製造方法を提供する。【解決手段】こんにゃく麺10Aは、こんにゃく成分を含有するこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを原料として含み、この原料100重量部に対し、こんにゃく粉が1~3重量部、甘酒が5~20重量部、残部がデンプンであって、茹で時間4分以内という短い時間で湯戻りが可能であるとともに、歯応えとのど越しの良さを同時に感じることができるため、インスタント食品にこんにゃく麺が利用され難いという従来の課題を十分に解決可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、こんにゃく麺およびその製造方法に係り、特に、短い時間で湯戻りをするこ
んにゃく麺およびその製造方法に関する。
従来、こんにゃく成分を含有するこんにゃく麺が乾燥品として開発されている。しかし
、こんにゃく成分の吸水速度が遅いことから、湯戻りに時間がかかるといった課題があっ
た。そのため、熱湯を注いで数分以内では、こんにゃく麺が十分にほぐれず食感が不良で
あるため、インスタント食品にこんにゃく麺が利用され難いという課題もあった。
このような課題を解決するため、近年、短時間で湯戻りすることで、インスタント食品
に利用可能なこんにゃく麺に関する技術が開発されている。
特許文献1には「インスタント食品」という名称で、蒟蒻粉末を含む即席麺を用いたイ
ンスタント食品に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は
、玄米粉末、だったんそば粉末、大豆由来粉末、蒟蒻粉末および寒天粉末からなる群より
選ばれる少なくとも1種の粉末とでんぷんからなる生地を、麺線に成形して加熱し、冷却
し、凍結乾燥して製造した即席麺と、スープ調味料ならびに具材を袋またはカップ状容器
に包装したことを特徴とする。
このような構成の発明によれば、つなぎであるでんぷんと、雑穀類や食物繊維含有食材
類の粉末を混合した麺線を、凍結乾燥することによって、食感よく摂食し得る即席麺を製
造可能である。
次に、特許文献2には「こんにゃく含有麺およびその製造方法」という名称で、こんに
ゃく含有麺等に関する発明が開示されている。特許文献2に開示された発明は、こんにゃ
くを含有する麺であって、主原料と、主原料100質量部に対して0.25質量部以上1
5.0質量部未満の熱不可逆性のこんにゃくゲルと、麺の総質量に対して6質量%以上3
5質量%以下の水分とを含み、多孔質構造を有し、断面の空隙率が2.0%以上13%以
下であり、断面の単位空隙率が0.01%以上2.5%以下であることを特徴とする。
このような構成の発明によれば、こんにゃく含有麺が複数の微細な空洞を有する多孔質
であることから、湯戻し時には、この空洞にお湯が入り、こんにゃく含有麺の内部に均一
に分散したこんにゃく成分が再度膨潤される。これにより、麺は速やかに喫食状態となり
、こんにゃく成分に由来する弾力を持った麺となる。
特開2007-151454号公報 特許第5719064号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、即席麺は凍結乾燥によって製
造される。そのため、蒟蒻成分を含む麺線を凍結させると、例えば凍み蒟蒻のように蒟蒻
成分が硬化し、湯戻りに時間がかかるおそれがある。また、麺線を単に乾燥させるよりも
コスト高になるおそれがある。
また、特許文献2に開示された発明においては、こんにゃく含有麺が、断面の空隙率と
単位空隙率が所定の範囲内にある多孔質であるために、麺が速やかに喫食状態となるとさ
れている。
しかし、表7に示された空隙率及び単位空隙率と、表8に示された麺の伸びの速さを規
定する麺伸び率をそれぞれ比較すると、空隙率と麺伸び率、及び単位空隙率と麺伸び率は
、いずれも明らかな相関があるとはいえない。そのため、所定の空隙率等を有する多孔質
であることと、湯戻りの速さとの関連性が不明である。すなわち、特許文献2に開示され
た発明が、湯戻りに時間がかかるという課題を十分に解決できたか否かが不明である。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、短い時間で湯戻りし
、かつ食感が良好なこんにゃく麺およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、こんにゃく成分を含有するこんにゃく含有物
と、甘酒と、デンプンを原料として含むことを特徴とする。
このような構成の発明において、こんにゃく成分とは、グルコマンナンである。また、
こんにゃく含有物は、こんにゃく粉、こんにゃく糊のいずれでもよい。
さらに、甘酒は、米麹を発酵させてなる甘麹を主成分とする甘酒、日本酒の絞り粕であ
る酒粕を主成分とする甘酒、のいずれでもよい。
そして、デンプンは、例えば、米、もち米、とうもろこし、甘藷、馬鈴薯、えんどう豆
、タピオカといった原料から製造された生デンプンまたは加工デンプンであって、これ以
外の原料から製造されるものであってもよい。
上記構成の発明においては、湯戻し時に、デンプンが吸水することに加えて、甘酒に含
まれる糖分が吸水するため、吸水速度が遅いグルコマンナンが含まれるこんにゃく麺であ
ってもこの麺全体が膨潤すると考えられる。
第2の発明は、第1の発明において、こんにゃく成分含有物は、こんにゃく粉が1~3
重量部、甘酒が5~20重量部、残部がデンプンであることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、原料100重量部に対
し、こんにゃく粉が1~3重量部含まれるため、こんにゃく特有の食感が発揮される。ま
た、原料100重量部に対し、甘酒が5~20重量部含まれるため、こんにゃく麺全体を
膨潤させるとともに、甘酒が過剰に含まれることでこんにゃく麺が乾燥され難くなること
が防止される。
さらに、残部がデンプンであることにより、滑らかな食感が発揮される。
第3の発明は、少なくともこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを混錬して麺生地を
形成する混錬工程と、麺生地を加熱する加熱工程と、加熱された麺生地を圧延してシート
状麺生地を形成する圧延工程と、シート状麺生地を冷却する冷却工程と、冷却されたシー
ト状麺生地を裁断して麺線を形成する裁断工程と、麺線を乾燥して乾燥麺を形成する乾燥
工程を有することを特徴とする。
このような構成の発明においては、混錬工程において、例えばこんにゃく粉に水を投入
してこんにゃく糊を調整した後、甘酒と、デンプンをさらに加えて混錬する方法が考えら
れる。これにより、こんにゃく粉と甘酒とデンプンが均一に分散された麺生地が形成され
る。
また、加熱工程においては、麺生地を加熱することにより、デンプンがα化される。次
に、圧延工程においては、圧延によって一定かつ所望の厚みを有するシート状麺生地が形
成される。そして、冷却工程においてシート状麺生地が冷却されることによってある程度
硬化する。
最後に、乾燥工程においては、凍結乾燥工程と異なり、こんにゃく粉の主成分であるグ
ルコマンナンが硬化するおそれがない。
第1の発明によれば、湯戻し時に、デンプンと、甘酒に含まれる糖分が吸水し、こんに
ゃく麺全体が膨潤すると考えられることから、多孔質であるか否かに関わらず、短い時間
で湯戻りが可能になることが期待できる。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、こんにゃく特有の食感と、デンプン
による滑らかな食感が発揮されるため、湯戻りしたこんにゃく麺を食すると、歯応えとの
ど越しの良さを同時に感じることができる。
第3の発明によれば、混錬工程において、こんにゃく含有物と甘酒とデンプンが均一に
分散された麺生地が形成されることから、均一な食感をもたらすこんにゃく麺を製造可能
である。
また、凍結乾燥工程を有しないため、グルコマンナンが硬化するおそれがないために食
感を均一化し得ることに加えて、こんにゃく麺を安価に製造することができる。
本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造装置の構成図である。 本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造方法の工程図である。 (a)は実施例Aに係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真であり、(b)は実施例Bに係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例1に係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真である。 実施例A,B及び比較例1に係るこんにゃく麺の各吸水速度を示すグラフである。
まず、本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造装置の構成を、図1を用いて説明する
。図1は、本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造装置の構成図である。
図1に示すように、本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造装置50は、混錬タンク
51と、加熱・押出機52と、圧延機53と、冷却機54と、裁断機55と、乾燥機56
を備える。
このうち、混錬タンク51は、こんにゃく粉と、水と、甘酒と、デンプンを混錬して麺
生地とするための手段である。
加熱・押出機52は、ホッパー52aと、スクリューコンベヤ52bと、スクリューコ
ンベヤ52bに設置されるヒーター(図示せず)を備える。加熱・押出機52においては
、ホッパー52aから投入された麺生地が、スクリューコンベヤ52bから圧延機53へ
押し出される間に、ヒーターによって加熱される。
また、圧延機53は、圧延ローラー53aと、搬送コンベヤ53bを備え、加熱済みの
麺生地を圧延ローラー53aで圧延し、所定の厚みを有するシート状麺生地を形成する。
そして、搬送コンベヤ53bにおいて、シート状麺生地を冷却機54へ搬送する。
冷却機54は、複数のファン54aと、複数の冷却ローラー54bと、搬送コンベヤ5
4cを備え、冷却ローラー54bによって搬送される途中のシート状麺生地に対し、ファ
ン54aが送風してこのシート状麺生地を冷却する。そして、搬送コンベヤ54cにおい
て、シート状麺生地を裁断機55へ搬送する。
裁断機55は、切刃ローラー55aと、搬送・切断コンベヤ55bを備え、冷却済みの
シート状麺生地を切刃ローラー55aで裁断し、所定の幅を有する麺線を形成する。そし
て、搬送・搬送コンベヤ55bの下流に設けられたカッター(図示せず)が、麺線を所定
の長さに切断する。
乾燥機56は、切断済みの麺線を温風乾燥する。
続いて、こんにゃく麺の製造装置50を使用したこんにゃく麺の製造方法について、図
2を用いて説明する。図2は、本発明に係るこんにゃく麺を製造する製造方法の工程図で
ある。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、そ
の説明を省略する。
図2に示すように、本発明に係るこんにゃく麺の製造方法1は、ステップS1の混錬工
程と、ステップS2の加熱工程と、ステップS3の圧延工程と、ステップS4の冷却工程
と、ステップS5の裁断工程と、ステップS6の乾燥工程を有する。
続いて、こんにゃく麺の製造方法1を構成する各工程について、説明する。
ステップS1の混錬工程は、混錬タンク51を使用して、こんにゃく含有物と、水と、
甘酒と、デンプンを混錬して麺生地を形成する工程である。
詳細には、こんにゃく含有物は、こんにゃく粉であって、原料100重量部に対し、こ
んにゃく粉が1~3重量部、甘酒が5~20重量部、残部がデンプンである。
また、ステップS1の混錬工程は、こんにゃく粉に水を加えてこんにゃく糊を調整する
ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程と、調整されたこんにゃく糊に、甘酒と、デン
プンを加えて混錬するステップS1-2の甘酒等混錬工程を備える。
ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程においては、例えばこんにゃく糊100重量
部に対し、こんにゃく粉が3重量部、水が97重量部となるように、こんにゃく粉と、水
の重量をそれぞれ調整する。
さらに、ステップS1-2の甘酒等混錬工程において使用される甘酒は、この甘酒10
0重量部に対し、水が50~80重量部、残部が水以外の成分(糖分が含まれる炭水化物
や、たんぱく質等)となるように調整されたものである。なお、残部の成分の詳細は、日
本食品標準成分表2020年版(八訂)の、「甘酒」と「酒かす」の各食品成分において
開示されている。
よって、ステップS1の混錬工程により、こんにゃく糊と、甘酒と、デンプンが均一に
分散された麺生地が形成される。
なお、こんにゃく含有物として、こんにゃく粉の代わりに既成のこんにゃく糊が使用さ
れてもよく、この場合ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程は省略される。また、ス
テップS1-1のこんにゃく糊調整工程が省略される場合であっても、ステップS1-2
の甘酒等混錬工程において、水が加えられてもよい。
ステップS2の加熱工程では、麺生地を加熱・押出機52のスクリューコンベヤ52b
で搬送している間に、ヒーターが麺生地を加熱する。なお、加熱条件は、例えばヒーター
の加熱温度80~130℃、加熱時間3分以内に設定される。これにより、麺生地に含ま
れるデンプンがα化される。なお、デンプンの種類によってα化する温度が異なるため、
加熱条件は適宜調整される。
ステップS3の圧延工程においては、圧延機53の圧延ローラー53aにおいて、加熱
された麺生地を圧延してシート状麺生地を形成する。この圧延によれば、一様で、かつ搬
送コンベヤ53bから離れる際に破損することなく容易に剥離可能な程度に、シート状麺
生地の厚みを微調整できる。このようなシート状麺生地の厚みは、例えば0.5~1.5
mmである。
ステップS4の冷却工程では、冷却機54のファン54aによって、シート状麺生地を
、冷却ローラー54bで搬送する際に、約40℃以下まで冷却する。これにより、シート
状麺生地がある程度硬化するため、続くステップS5の裁断工程でシート状麺生地が変形
したり、破損したりすることなく裁断される。
ステップS5の裁断工程では、裁断機55の切刃ローラー55aが、冷却されたシート
状麺生地を裁断して、所定の幅を有する麺線を形成する。そして、搬送・搬送コンベヤ5
5bの下流に設けられたカッター(図示せず)が、麺線を所定の長さに切断する。具体的
には、本工程で、例えば幅が0.5~15mm、長さが400mmの麺線を形成する。
最後に、ステップS6の乾燥工程では、乾燥機56が麺線を温風乾燥して乾燥麺を形成
する。乾燥条件は、例えば、乾燥温度が60~80℃であり、乾燥時間は麺線に含有され
る水分が12%以下となるように麺線の重量によって調整される。
続いて、こんにゃく麺の製造方法1によって製造されたこんにゃく麺の実施例A,B,
1~9´について、説明する。実施例A,B,1~9´に係るこんにゃく麺は、こんにゃ
く成分を含有するこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを原料として含むこんにゃく麺
である。
そして、表1は、実施例A,B,1~9に係るこんにゃく麺と、比較例1に係るこんに
ゃく麺の成分を示す成分表である。このうち、実施例A,Bにおける「甘酒」は、日本酒
の絞り粕である酒粕を主成分とする甘酒であり、実施例1~9における「甘酒」は、米麹
を発酵させてなる甘麹を主成分とするものである。
また、実施例Bに係るこんにゃく麺は、こんにゃく麺の製造方法1を構成するステップ
S1-1のこんにゃく糊調整工程で、こんにゃく糊を調整する際に、マイクロバブル発生
装置(図示せず)によって生成された微小気泡が混合された微小気泡含有水が使用される
。マイクロバブル発生装置による圧力は、例えば、0.1~1MPaであって、微小気泡
含有水はこんにゃく粉と水が完全に糊化するまで加えられる。この点以外の実施例2に係
るこんにゃく麺の製造方法は、実施例Aのものと同様である。
さらに、比較例1に係るこんにゃく麺は、こんにゃく麺の製造方法1を構成するステッ
プS1-2の甘酒等混錬工程で、甘酒を加えずに混錬されたものである。この点以外の比
較例1に係るこんにゃく麺の製造方法は、実施例Aのものと同様である。
Figure 2023125752000002
次に、実施例A,Bに係るこんにゃく麺の断面について、図3を用いて説明する。図3
(a)は実施例Aに係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真であり、図3(b)は実施
例Bに係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真であって、両者の拡大率はいずれも10
0倍である。
図3(a)に示すように、実施例Aに係るこんにゃく麺10Aは、こんにゃく成分を含
有するこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを原料として含み、微小気泡11が均一に
分散されている。この微小気泡11は、ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程、ステ
ップS1-2の甘酒等混錬工程、ステップS2の加熱工程で、それぞれこんにゃく糊等が
混錬や押し出しをされた際に混入した空気に由来すると考えられる。
また、図3(b)に示すように、実施例Bに係るこんにゃく麺10Bは、こんにゃく麺
10Aと同様の麺生地からなり、微小気泡11が均一に分散されている。この微小気泡1
1は、上記のステップS1-1,S1-2,S2に加え、ステップS1-1のこんにゃく
糊調整工程で使用された微小気泡含有水が含む微小気泡に由来するものと考えられる。こ
れを裏付けるように、こんにゃく麺10Bに含まれる微小気泡11の数密度は、実施例A
に係るこんにゃく麺10Aに含まれる微小気泡11の数密度よりも大きいように観察され
る。また、微小気泡11の直径は、実施例Aに係るこんにゃく麺10Aに含まれる微小気
泡11の直径よりも平均的に小さいように観察される。
続いて、比較例1に係るこんにゃく麺の断面について、図4を用いて説明する。図4は
、比較例1に係るこんにゃく麺の断面の電子顕微鏡写真であって、その拡大率は、図3(
a)及び図3(b)に示した電子顕微鏡写真の拡大率と同一の100倍である。
図4に示すように、比較例1に係るこんにゃく麺20は、こんにゃく成分を含有するこ
んにゃく含有物と、デンプンを原料として含み、微小気泡21が均一に分散されている。
この微小気泡21も、ステップS1-1,S1-2,S2で、こんにゃく糊等が混錬され
た際に混入した空気に由来すると考えられる。
そして、こんにゃく麺20の断面は、図3(a)及び図3(b)に示したこんにゃく麺
10A,10Bの断面と、ほぼ同様な構造をしていることがわかる。
さらに、実施例A,Bに係るこんにゃく麺の吸水速度について、図5を用いて説明する
。図5は、実施例A,B及び比較例1に係るこんにゃく麺の各吸水速度を示すグラフであ
る。
図5は、実施例A,B及び比較例1に係るこんにゃく麺を茹でたときの茹で時間(分)
を横軸とし、吸水前後の重量比を縦軸にプロットしたものである。
ここで、吸水前後の重量比は、こんにゃく麺10A,10B,20の任意の茹で時間に
おける重量を、茹でる前の各重量で除した値である。また、吸水後のこんにゃく麺10A
,10B,20の重量は、温度を95℃に維持した湯中にこれらをそれぞれ浸漬させた後
、湯切りをして測定されたものである。なお、縦軸の値は、こんにゃく麺10A,10B
,20につき、それぞれ2回茹で、各回に得られた吸水前後の重量比の平均値である。
図5に示すように、実施例A,B及び比較例1に係るこんにゃく麺は、いずれも吸水前
後の重量比が、茹で時間に正比例して増加している。ただし、吸水前後の重量比の傾きは
、比較例1よりも実施例A,Bの方が大きいという結果になった。
詳細には、吸水前後の重量比は、茹で時間2分において、実施例A,Bともに約2.1
であり、比較例1では2.0である。また、茹で時間10分においては、吸水前後の重量
比は、実施例A,Bともに約3.6であり、比較例1では約3.1である。
以上から、実施例A,Bに係るこんにゃく麺10A,10Bは、茹で時間2分の早期に
おいて、すでに比較例1に係るこんにゃく麺20を超える素早い吸水が行われたことがわ
かる。
よって、前述したように、実施例A,Bに係るこんにゃく麺10A,10Bの吸水の立
ち上がりが良好であることは、配合される甘酒に起因したものであると判断することがで
きる。
そして、実施例A,B,1~9,1´~9´に係るこんにゃく麺を湯戻しした際の食感
に関する試験結果について、表2を示して説明する。ここで、実施例1~9は、ステップ
S1-1のこんにゃく糊調整工程において、微小気泡を含まない水が使用されている。ま
た、実施例1´~9´は、その成分比がそれぞれ実施例1~9と同一の成分比であるが、
ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程において微小気泡が混合された微小気泡含有水
が使用されたものである。
表2は、こんにゃく麺の種類毎の任意の茹で時間における食感を示したものであって、
15名の試験者が判断した各結果から、もっとも多い傾向を代表させたものである。なお
、湯の温度は、前述した吸水前後の重量比の場合と同様の95℃に維持されている。
Figure 2023125752000003
表2に示すように、実施例A,1´,2´,3´,4´,5´,6´が、茹で時間4分
において、食感は「とても良い」となった。
このことから、甘酒が少なくとも5重量部含まれることや、微小気泡が含まれることで
、短い時間で湯戻りし、かつ食感も良好であるという効果を発揮可能であると判断可能で
ある。
以上説明したように、本発明に係るこんにゃく麺によれば、このこんにゃく麺に配合さ
れる甘酒によって、茹で時間4分以内という短い時間で湯戻りが可能である。また、湯戻
りしたこんにゃく麺を食すると、こんにゃく粉によるこんにゃく特有の食感と、デンプン
による滑らかな食感が発揮されるため、歯応えとのど越しの良さを同時に感じることがで
きる。よって、インスタント食品にこんにゃく麺が利用され難いという従来の課題を十分
に解決可能である。
また、本発明に係るこんにゃく麺の製造方法1によれば、ステップS1の混錬工程にお
いて、こんにゃく含有物と甘酒とデンプンが均一に分散された麺生地が形成されることか
ら、均一な食感をもたらすこんにゃく麺を製造可能である。
さらに、こんにゃく麺の製造方法1では凍結乾燥工程を有しないため、グルコマンナン
が硬化するおそれがなく、食感を均一化し得るとともに、こんにゃく麺を安価に製造する
ことができる。
加えて、図4に示した実施例A,Bの結果から、ステップS1-1のこんにゃく糊調整
工程で微小気泡含有水を使用した場合に、ステップS3の圧延工程において圧延ローラー
53aが、ステップS2の加熱工程で加熱された麺生地を締め固めるために、この麺生地
に含まれた微小気泡が追い出された可能性があることが考えられる。
しかし、こんにゃく麺の製造方法1によれば、圧延による麺生地の締め固めの可能性が
あったとしても、麺生地に甘酒が配合されることで、短い時間での湯戻りを実現するとと
もに、一様で、かつ容易に剥離可能な厚みに微調整できるという圧延の特長を生かすこと
ができる。
なお、本発明に係るこんにゃく麺及びこんにゃく麺の製造方法は、実施例に示すものに
限定されない。例えば、ステップS1-1のこんにゃく糊調整工程において、マイクロバ
ブル発生装置によって生成された微小気泡が混合された微小気泡含有水が使用されてもよ
い。また、ステップS1-2の甘酒等混錬工程において、酒粕を主成分とする甘酒が使用
されてもよい。
本発明は、短い時間で湯戻りをするこんにゃく麺およびその製造方法として利用可能で
ある。
1…こんにゃく麺の製造方法 10A,10B…こんにゃく麺 11…微小気泡 20
…こんにゃく麺 21…微小気泡 50…こんにゃく麺の製造装置 51…混錬タンク
52…加熱・押出機 52a…ホッパー 52b…スクリューコンベヤ 53…圧延機
53a…圧延ローラー 53b…搬送コンベヤ 54…冷却機 54a…ファン 54b
…冷却ローラー 54c…搬送コンベヤ 55…裁断機 55a…切刃ローラー 55b
…搬送・切断コンベヤ 56…乾燥機

Claims (3)

  1. こんにゃく成分を含有するこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを原料として含むこ
    とを特徴とするこんにゃく麺。
  2. 前記こんにゃく含有物は、こんにゃく粉であって、
    前記原料100重量部に対し、前記こんにゃく粉が1~3重量部、前記甘酒が5~20
    重量部、残部が前記デンプンであることを特徴とする請求項1に記載のこんにゃく麺。
  3. 少なくともこんにゃく含有物と、甘酒と、デンプンを混錬して麺生地を形成する混錬工
    程と、
    前記麺生地を加熱する加熱工程と、
    加熱された前記麺生地を圧延してシート状麺生地を形成する圧延工程と、
    前記シート状麺生地を冷却する冷却工程と、
    冷却された前記シート状麺生地を裁断して麺線を形成する裁断工程と、
    前記麺線を乾燥して乾燥麺を形成する乾燥工程を有することを特徴とするこんにゃく麺
    の製造方法。

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