JP2023125632A - 制動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪制動力の制御性を向上させること。【解決手段】制動制御装置70は、車両の車輪に設けられている制動装置21~24に対する制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する指示値取得部101と、制動装置21~24によって車輪に付与された車輪制動力BPfR,BPrRを取得する制動力取得部103と、車両の走行中に取得された制動指示値BPfIv,BPrIvと車輪制動力BPfR,BPrRとに基づいて、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを導出する制動特性導出部107と、制動特性導出部107によって導出された制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24を制御する制動制御部111とを備えている。【選択図】図3
Description
本発明は、車両に適用される制動制御装置に関する。
特許文献1には、車両のブレーキシステムのブレーキ液圧と車両の減速度とに基づいて、ブレーキシステムによって車両に付与される制動トルクと、ブレーキシステムのブレーキ液圧との関係である車両制動特性を推定する装置が開示されている。この装置では、推定した車両制動特性に基づいて車両全体の制動力が制御される。
ここで、車輪に設けられている制動装置を作動させることによって、車輪に制動力を付与する場合を考える。上記特許文献1の車両制動特性は、ブレーキシステムによって車両に付与される制動トルクとブレーキシステムのブレーキ液圧との関係を示すものである。そのため、上記特許文献1の装置では、車両に付与すべき制動力(目標総制動力)に対応するブレーキシステムのブレーキ液圧を導出することはできるとしても、車輪に付与すべき制動力に対応する各車輪に設けられた制動装置のブレーキ液圧を精度良く制御することはできない。本発明の課題は、車輪に付与する制動力の制御性を向上させる制動制御装置を提供することである。
上記課題を解決するための制動制御装置は、車両の車輪に設けられている制動装置に対する指示値である制動指示値を取得する指示値取得部と、前記制動装置によって前記車輪に付与された制動力である車輪制動力を取得する制動力取得部と、前記車両の走行中に前記指示値取得部によって取得された前記制動指示値と前記制動力取得部によって取得された前記車輪制動力とに基づいて、前記制動指示値と前記車輪制動力との関係を、前記制動装置の制動特性として導出する制動特性導出部と、前記制動特性導出部によって導出された前記制動特性に基づいて前記制動装置を制御する制動制御部と、を備えている。
上記の制動制御装置では、車輪に設けられている制動装置に対する制動指示値と、当該制動指示値に従って作動させた制動装置によって車輪に付与された車輪制動力とに基づいて、車輪に設けられている制動装置の制動特性が導出される。そして制動制御装置では、導出された制動特性に基づいて、車輪に設けられている制動装置が制御される。これにより、車輪に付与する制動力の制御性を向上させることができる。
以下、制動制御装置の一実施形態を図1~図5に従って説明する。
<車両>
図1は制動制御装置70を備える車両10の概略を示す模式図である。車両10は、車輪と、車輪に設けられている制動装置とを備えている。車両10は、車輪として、左前輪11と右前輪12と左後輪13と右後輪14とを備えている。車両10は、制動装置として、左前輪11の制動装置21、右前輪12の制動装置22と、左後輪13の制動装置23と、右後輪14の制動装置24とを備えている。これら制動装置21~24は、制動制御装置70によって制御される。なお、複数の制動装置21~24のうち、制動装置23,24が、後輪13,14に設けられている「後輪用制動装置23,24」に対応し、制動装置21,22が、前輪11,12に設けられている「前輪用制動装置21,22」に対応する。
<車両>
図1は制動制御装置70を備える車両10の概略を示す模式図である。車両10は、車輪と、車輪に設けられている制動装置とを備えている。車両10は、車輪として、左前輪11と右前輪12と左後輪13と右後輪14とを備えている。車両10は、制動装置として、左前輪11の制動装置21、右前輪12の制動装置22と、左後輪13の制動装置23と、右後輪14の制動装置24とを備えている。これら制動装置21~24は、制動制御装置70によって制御される。なお、複数の制動装置21~24のうち、制動装置23,24が、後輪13,14に設けられている「後輪用制動装置23,24」に対応し、制動装置21,22が、前輪11,12に設けられている「前輪用制動装置21,22」に対応する。
<前輪用制動装置>
前輪用制動装置21,22は、制動制御装置70からの指令に応じて駆動する電気モータ25を備えた電動制動装置である。制動装置21,22は、電気モータ25の駆動量に応じた摩擦制動力を付与する。
前輪用制動装置21,22は、制動制御装置70からの指令に応じて駆動する電気モータ25を備えた電動制動装置である。制動装置21,22は、電気モータ25の駆動量に応じた摩擦制動力を付与する。
<後輪用制動装置>
図2は後輪用制動装置23,24を示す平面図である。後輪用制動装置23,24はドラム型の制動装置である。より詳しくは、後輪用制動装置23,24はドラム型の電動制動装置である。後輪用制動装置23,24は、車両10の車体に固定されているバックプレート31と、車両10の車軸に取り付けられているブレーキドラム32とを備えている。ブレーキドラム32が後輪13,14と一体に回転する一方で、バックプレート31は車体に固定されている。
図2は後輪用制動装置23,24を示す平面図である。後輪用制動装置23,24はドラム型の制動装置である。より詳しくは、後輪用制動装置23,24はドラム型の電動制動装置である。後輪用制動装置23,24は、車両10の車体に固定されているバックプレート31と、車両10の車軸に取り付けられているブレーキドラム32とを備えている。ブレーキドラム32が後輪13,14と一体に回転する一方で、バックプレート31は車体に固定されている。
バックプレート31は、車軸を通すための軸穴31aが中央に形成された金属板である。ブレーキドラム32は円筒部321を有している。円筒部321は車軸を中心に円筒形状をなしている。以降では、円筒部321の内周面32aを「ブレーキドラム32の内周面32a」という。
後輪用制動装置23,24は、作動装置33と第1ブレーキシュー35と第2ブレーキシュー36とを備えている。作動装置33と第1ブレーキシュー35と第2ブレーキシュー36とは、ブレーキドラム32の内側にそれぞれ配置されている。第1ブレーキシュー35と第2ブレーキシュー36との間に車軸が位置するように、第1ブレーキシュー35及び第2ブレーキシュー36がそれぞれ配置されている。
作動装置33は、車軸よりも車両上方であって、且つ第1ブレーキシュー35と第2ブレーキシュー36との間に配置されている。作動装置33は、電気モータ34を動力源として作動するものである。具体的には、作動装置33は、電気モータ34の駆動に応じて両ブレーキシュー35,36をブレーキドラム32の内周面32aに押し付けるべく作動する。
第1ブレーキシュー35及び第2ブレーキシュー36は摩擦材37をそれぞれ有している。作動装置33の作動時には、両ブレーキシュー35,36の摩擦材37がブレーキドラム32の内周面32aに押し付けられる。
第1ブレーキシュー35と第2ブレーキシュー36との間には、リターンスプリング39とアンカー40とが設けられている。リターンスプリング39は、ブレーキドラム32の内周面32aから両ブレーキシュー35,36を離間させるべく両ブレーキシュー35,36を付勢している。アンカー40は、車軸を挟んだ作動装置33の反対側に配置されている。アンカー40はバックプレート31に固定されている。
作動装置33の作動によって両ブレーキシュー35,36がブレーキドラム32に押し付けられている場合、第1ブレーキシュー35から第1荷重がアンカー40に入力されるとともに、第2ブレーキシュー36から第2荷重がアンカー40に入力される。第1荷重と第2荷重との差分が、制動装置23,24によって後輪13,14に付与される摩擦制動力と相関する。
アンカー40には、第1荷重と第2荷重との差分を示す信号を電気信号として制動制御装置70に出力する荷重センサ41が設けられている。荷重センサ41は、例えば、歪みゲージである。そのため、荷重センサ41は、第1荷重と第2荷重との差分に応じたアンカー40の構成部品の歪みを検出し、歪みに応じた信号を電気信号として出力する。
なお、本実施形態では、アンカー40は、ブレーキドラム32の回転方向へのブレーキシュー35,36の移動を制限している。そのため、アンカー40が「制限部」に対応する。
<車両の検出系>
図1に示すように、車両10は、検出系として、複数の車輪速センサ51,52,53,54と前後加速度センサ55とブレーキセンサ56とを備えている。車輪速センサ51~54は、対応する車輪11~14の回転速度である車輪速VWを検出する。前後加速度センサ55は、車両10の前後加速度GXを検出する。ブレーキセンサ56は、車両10の運転者のブレーキペダルの操作に関する操作情報を検出する。ブレーキセンサ56としては、例えば、運転者のブレーキペダルの操作量を操作情報として検出するセンサ、及び運転者からブレーキペダルに入力される操作力を操作情報として検出するセンサがある。
図1に示すように、車両10は、検出系として、複数の車輪速センサ51,52,53,54と前後加速度センサ55とブレーキセンサ56とを備えている。車輪速センサ51~54は、対応する車輪11~14の回転速度である車輪速VWを検出する。前後加速度センサ55は、車両10の前後加速度GXを検出する。ブレーキセンサ56は、車両10の運転者のブレーキペダルの操作に関する操作情報を検出する。ブレーキセンサ56としては、例えば、運転者のブレーキペダルの操作量を操作情報として検出するセンサ、及び運転者からブレーキペダルに入力される操作力を操作情報として検出するセンサがある。
<制動制御装置>
図1に示すように、制動制御装置70には、上記各種のセンサから信号が入力される。制動制御装置70は、複数の車輪速センサ51~54の検出値である車輪速VWを基に、車両10の走行速度である車速VSを導出する。制動制御装置70は、ブレーキセンサ56の検出値に基づいて、車両の制動力の要求値を検出する。そして、制動制御装置70は、センサの検出値と当該検出値を加工して導出した値とに基づいて、複数の制動装置21~24を制御する。
図1に示すように、制動制御装置70には、上記各種のセンサから信号が入力される。制動制御装置70は、複数の車輪速センサ51~54の検出値である車輪速VWを基に、車両10の走行速度である車速VSを導出する。制動制御装置70は、ブレーキセンサ56の検出値に基づいて、車両の制動力の要求値を検出する。そして、制動制御装置70は、センサの検出値と当該検出値を加工して導出した値とに基づいて、複数の制動装置21~24を制御する。
なお、制動装置21~24によって車輪11~14に付与される摩擦制動力を「車輪制動力」といい、車両10全体の制動力を「車両制動力」という。車両制動力は、複数の車輪11~14に付与される車輪制動力と、車輪制動力以外の他の制動力とを含んでいる。他の制動力としては、例えば、エンジンブレーキと、回生制動力と、走行抵抗に起因する制動力である抵抗制動力とがある。
制動制御装置70は、実行部71と第1記憶部72と第2記憶部73とを備えている。例えば、実行部71はCPUである。第1記憶部72には実行部71によって実行される各種の制御プログラムが記憶されている。第2記憶部73には実行部71の演算結果などが記憶される。
図3に示すように、実行部71は、第1記憶部72の制御プログラムを実行することにより、指示値取得部101と、制動力取得部103と、状態取得部105と、制動特性導出部107と、制動制御部111として機能する。また、第2記憶部73の記憶領域の一部分が制動特性記憶部109として機能する。
<指示値取得部>
指示値取得部101は、制動装置21~24に対する指示値である制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。制動指示値BPfIvは前輪用制動装置21,22に対する制動指示値であり、制動指示値BPrIvは後輪用制動装置23,24に対する制動指示値である。詳しくは後述するが、制動装置21~24を作動させて車輪11~14に車輪制動力を付与している場合、制動制御部111が制動指示値BPfIv,BPrIvを導出している。そこで指示値取得部101は、制動制御部111によって導出された制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。この場合、指示値取得部101は、複数の制動装置21~24に対応する複数の制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。
指示値取得部101は、制動装置21~24に対する指示値である制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。制動指示値BPfIvは前輪用制動装置21,22に対する制動指示値であり、制動指示値BPrIvは後輪用制動装置23,24に対する制動指示値である。詳しくは後述するが、制動装置21~24を作動させて車輪11~14に車輪制動力を付与している場合、制動制御部111が制動指示値BPfIv,BPrIvを導出している。そこで指示値取得部101は、制動制御部111によって導出された制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。この場合、指示値取得部101は、複数の制動装置21~24に対応する複数の制動指示値BPfIv,BPrIvを取得する。
<制動力取得部>
制動力取得部103は、制動指示値BPfIv,BPrIvに従って制動装置21~24が作動している場合に制動装置21~24によって複数の車輪11~14に付与された車輪制動力BPfR,BPrRを取得する。前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力が車輪制動力BPfRであり、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力が車輪制動力BPrRである。
制動力取得部103は、制動指示値BPfIv,BPrIvに従って制動装置21~24が作動している場合に制動装置21~24によって複数の車輪11~14に付与された車輪制動力BPfR,BPrRを取得する。前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力が車輪制動力BPfRであり、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力が車輪制動力BPrRである。
始めに、車輪制動力BPrRの導出について説明する。上述したように後輪用制動装置23,24は荷重センサ41を有しており、荷重センサ41は、制動装置23,24によって後輪13,14に付与された摩擦制動力に応じた電気信号を出力する。そこで、制動力取得部103は、荷重センサ41から出力された電気信号に基づいて車輪制動力BPrRを導出する。したがって、後輪用制動装置23,24が「第1制動装置」に対応し、後輪用制動装置23,24によって車輪制動力が付与される後輪13,14が「第1車輪」に対応し、車輪制動力BPrRが「第1車輪制動力」に対応する。
次に、車輪制動力BPfRの導出について説明する。前輪用制動装置21,22は、荷重センサ41に相当するセンサを有していない。そのため、制動力取得部103は、車両制動力BPCと、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRとに基づいて、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRを導出する。
具体的には、制動力取得部103は、前後加速度センサ55の検出値である前後加速度GXに基づいて、車両制動力BPCを導出する。このとき、制動力取得部103は、前後加速度GXによって示される車両10の減速度が大きいほど大きい値を車両制動力BPCとして導出する。例えば、制動力取得部103は、前後加速度GXの絶対値と車両10の重量WGTとの積を、車両制動力BPCとして導出する。そして、制動力取得部103は、2つの後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRの総和と車両制動力BPCとの差分である制動力差分DBPに基づいて、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRを取得する。例えば、制動力取得部103は、制動力差分DBPが大きいほど大きい値を車輪制動力BPfRとして取得する。したがって、前輪用制動装置21,22が「第2制動装置」に対応し、前輪用制動装置21,22によって車輪制動力が付与される前輪11,12が「第2車輪」に対応し、車輪制動力BPfRが「第2車輪制動力」に対応する。
なお、車両10の減速度は、エンジンブレーキ、回生制動力及び車両10の走行抵抗RRによっても変わる。走行抵抗RRは、加速抵抗と空気抵抗と勾配抵抗と転がり抵抗とを含んでいる。加速抵抗は、車両10の加速度(この場合は減速度)及び車両10の重量WGTに応じた大きさとなる。空気抵抗は、車速VSの二乗が大きいほど大きくなる。勾配抵抗は、車両10の走行する路面の勾配である路面勾配θに応じた大きさとなる。転がり抵抗は、車両10の重量WGT及び路面のμ値などに応じた大きさとなる。
そこで、本実施形態では、制動力取得部103は、エンジンブレーキ、回生制動力及び車両10の走行抵抗RRにも基づいて、車輪制動力BPfRを取得する。具体的には、制動力取得部103は、エンジンブレーキや回生制動力を制御する他の制御装置からエンジンブレーキや回生制動力を取得する。また制動力取得部103は、車両10の重量WGT、車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)、車速VS及び路面勾配θに基づいて走行抵抗RRを導出し、走行抵抗RRに起因する制動力である抵抗制動力BPRRを、走行抵抗RRが大きいほど大きくなるように導出する。エンジンブレーキと回生制動力と抵抗制動力BPRRとの和を他の制動力BPAとしたとき、制動力取得部103は、上記の制動力差分DBPから他の制動力BPAを引いた値である演算値が大きいほど大きい値を車輪制動力BPfRとして取得する。
<状態取得部>
状態取得部105は、現在の車両10の所定状態PSを取得する。所定状態PSとは、制動指示値BPfIv,BPrIvと車輪制動力BPfR,BPrRとの関係である制動装置の制動特性BCが変わりうる車両10の状態である。制動特性BCは、車速VS、制動装置の温度である装置温度TPbp、制動装置によって車輪制動力が付与される車輪の接地荷重によって変わりうる。装置温度TPbpは、外気温、車速VS及び制動装置の作動時間などに基づいて推定できる。車輪の接地荷重は車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)によって変わる。具体的には、車両10の減速度が大きいほど、前輪11,12の接地荷重が大きくなる一方で、後輪13,14の接地荷重が小さくなる。そこで、状態取得部105は、車速VSと、制動装置21~24の装置温度TPbpと、車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)とに基づいて、車両10の所定状態PS(x,y,z)を取得する。「x」、「y」及び「z」は1以上の整数である。
状態取得部105は、現在の車両10の所定状態PSを取得する。所定状態PSとは、制動指示値BPfIv,BPrIvと車輪制動力BPfR,BPrRとの関係である制動装置の制動特性BCが変わりうる車両10の状態である。制動特性BCは、車速VS、制動装置の温度である装置温度TPbp、制動装置によって車輪制動力が付与される車輪の接地荷重によって変わりうる。装置温度TPbpは、外気温、車速VS及び制動装置の作動時間などに基づいて推定できる。車輪の接地荷重は車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)によって変わる。具体的には、車両10の減速度が大きいほど、前輪11,12の接地荷重が大きくなる一方で、後輪13,14の接地荷重が小さくなる。そこで、状態取得部105は、車速VSと、制動装置21~24の装置温度TPbpと、車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)とに基づいて、車両10の所定状態PS(x,y,z)を取得する。「x」、「y」及び「z」は1以上の整数である。
所定状態PS(x,y,z)において、「x」は現在の車速VSに応じた値となり、「y」は装置温度TPbpに応じた値となり、「z」は前後加速度GXに応じた値となる。例えば、車速VSが第1車速領域内の値である場合には「x」が1となり、車速が第2車速領域内の値である場合には「x」が2となる。また例えば、装置温度TPbpが第1温度領域内の値である場合には「y」が1となり、装置温度TPbpが第2温度領域内の値である場合には「y」が2となる。また例えば、前後加速度GXが第1加速度領域内の値である場合には「z」が1となり、前後加速度GXが第2加速度領域内の値である場合には「z」が2となる。したがって、車速VSが第1車速領域内の値であり、装置温度TPbpが第2温度領域内の値であり、前後加速度GXが第3加速度領域内の値である場合、状態取得部105は現在の車両10の所定状態として所定状態PS(1,2,3)を取得する。
<制動特性導出部>
制動特性導出部107は、車両10の走行中に指示値取得部101によって取得された制動指示値BPfIv,BPrIvと制動力取得部103によって取得された車輪制動力BPfR,BPrRとに基づいて、制動装置21~24の制動特性BCを導出する。制動特性BCとは、制動装置21~24に対する制動指示値BPfIv,BPrIvと、当該制動指示値BPfIv,BPrIvに従って作動する制動装置21~24によって車輪11~14に付与された車輪制動力BPfR,BPrRとの関係である。
制動特性導出部107は、車両10の走行中に指示値取得部101によって取得された制動指示値BPfIv,BPrIvと制動力取得部103によって取得された車輪制動力BPfR,BPrRとに基づいて、制動装置21~24の制動特性BCを導出する。制動特性BCとは、制動装置21~24に対する制動指示値BPfIv,BPrIvと、当該制動指示値BPfIv,BPrIvに従って作動する制動装置21~24によって車輪11~14に付与された車輪制動力BPfR,BPrRとの関係である。
具体的には、制動特性導出部107は、制動指示値BPfIv,BPrIvに基づいて、車軸入力軸力Fbを導出する。車軸入力軸力Fbは、制動指示値BPfIv,BPrIvに基づいて作動する制動装置21~24から車軸に入力される軸力である。車軸入力軸力Fbは制動指示値BPfIv,BPrIvと比例している。そのため、制動特性導出部107は、制動指示値BPfIv,BPrIvを車軸の軸力に変換することにより、車軸入力軸力Fbを導出できる。そして、制動特性導出部107は、以下の関係式(式1)を用いて、制動装置21~24の制動特性BCを導出する。関係式(式1)において、「BPR」は車輪制動力であるため、後輪用制動装置23,24の制動特性BCRを導出する場合には「BPR」に車輪制動力BPrRが代入され、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFを導出する場合には「BPR」に車輪制動力BPfRが代入される。また、「RS」は車輪の直径であり、「Ra」は車輪の制動有効径である。
制動特性導出部107は、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFと後輪用制動装置23,24の制動特性BCRとを、制動特性BCとして導出する。より詳しくは、制動特性導出部107は、前輪用制動装置21の制動特性BCFと、前輪用制動装置22の制動特性BCFと、後輪用制動装置23の制動特性BCRと、後輪用制動装置24の制動特性BCRとを導出する。例えば、制動特性導出部107は、前輪用制動装置21に対する制動指示値BPfIvと、当該制動指示値BPfIvに従って前輪用制動装置21が作動することによって左前輪11に付与された車輪制動力BPfRとに基づいて、前輪用制動装置21の制動特性BCFを導出できる。
そして、制動特性導出部107は、導出した制動装置21~24の制動特性BCを制動特性記憶部109に記憶させる。このとき、制動特性導出部107は、状態取得部105によって取得された現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)と、導出した制動装置21~24の制動特性BCとを関連付けた状態で制動特性記憶部109に記憶させる。
<制動特性記憶部>
制動特性記憶部109には、想定される全ての車両10の所定状態PSの各々の制動特性BCが記憶される。制動特性記憶部109の記憶内容は、制動特性導出部107によって制動特性BCが導出される度に更新される。例えば、所定状態PS(1,1,1)での前輪用制動装置21の制動特性BCFが制動特性導出部107によって導出された場合、制動特性記憶部109では、所定状態PS(1,1,1)での前輪用制動装置21の制動特性BCFが書き換えられる。なお、車両10の出荷時では、想定される全ての車両10の所定状態PSの各々の制動特性BCとして、車両10の諸元から定まる初期値が制動特性記憶部109に記憶されている。
制動特性記憶部109には、想定される全ての車両10の所定状態PSの各々の制動特性BCが記憶される。制動特性記憶部109の記憶内容は、制動特性導出部107によって制動特性BCが導出される度に更新される。例えば、所定状態PS(1,1,1)での前輪用制動装置21の制動特性BCFが制動特性導出部107によって導出された場合、制動特性記憶部109では、所定状態PS(1,1,1)での前輪用制動装置21の制動特性BCFが書き換えられる。なお、車両10の出荷時では、想定される全ての車両10の所定状態PSの各々の制動特性BCとして、車両10の諸元から定まる初期値が制動特性記憶部109に記憶されている。
<制動制御部>
制動制御部111は、制動特性導出部107によって導出された制動装置21~24の制動特性BCF,BCRに基づいて、制動装置21~24を制御する。制動制御部111は、状態取得部105によって取得された現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)に対応する制動特性BCF,BCRを制動特性記憶部109から読み出す。制動制御部111は、制動力取得部103によって取得された車輪制動力BPfR,BPrRと制動特性記憶部109から読み出した制動特性BCF,BCRとに基づいて制動指示値BPfIv,BPrIvを導出する。そして、制動制御部111は、導出した制動指示値BPfIv,BPrIvに基づいて、制動装置21~24を制御する。
制動制御部111は、制動特性導出部107によって導出された制動装置21~24の制動特性BCF,BCRに基づいて、制動装置21~24を制御する。制動制御部111は、状態取得部105によって取得された現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)に対応する制動特性BCF,BCRを制動特性記憶部109から読み出す。制動制御部111は、制動力取得部103によって取得された車輪制動力BPfR,BPrRと制動特性記憶部109から読み出した制動特性BCF,BCRとに基づいて制動指示値BPfIv,BPrIvを導出する。そして、制動制御部111は、導出した制動指示値BPfIv,BPrIvに基づいて、制動装置21~24を制御する。
後輪用制動装置23,24に対する制動指示値BPrIvの導出について説明する。制動制御部111は、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRを取得する。ここで制動制御部111が取得した車輪制動力BPrRは、後輪用制動装置23,24の荷重センサ41から出力された電気信号に対応する制動力である。
続いて制動制御部111は、取得した車輪制動力BPrRに基づいて、車輪制動力の目標値である目標制動力BPrTrを導出する。具体的には、制動制御部111は、ブレーキセンサ56の検出値や制動制御などから設定された制動力の要求値である要求制動力BPrRqを取得する。要求制動力BPrRqは後輪13,14に付与する車輪制動力の要求値である。制動制御部111は、要求制動力BPrRqを、車輪制動力BPrRと目標制動力BPrTrの前回値BPrTrAとの比較結果に基づいて補正することにより、目標制動力BPrTrを導出する。目標制動力BPrTrは所定周期毎に導出されるため、目標制動力の前回値BPrTrAとは前回の周期で導出された目標制動力BPrTrである。車輪制動力BPrRが目標制動力の前回値BPrTrAよりも小さい場合、制動制御部111は、要求制動力BPrRqを増大補正することによって目標制動力BPrTrを導出する。この際の要求制動力BPrRqの増大補正量は、車輪制動力BPrRと目標制動力の前回値BPrTrAとの差分が大きいほど大きい。一方、車輪制動力BPrRが目標制動力の前回値BPrTrAよりも大きい場合、制動制御部111は、要求制動力BPrRqを減少補正することによって目標制動力BPrTrを導出する。この際の要求制動力BPrRqの減少補正量は、車輪制動力BPrRと目標制動力の前回値BPrTrAとの差分が大きいほど大きい。
制動制御部111は、導出した目標制動力BPrTrと後輪用制動装置23,24の制動特性BCRとに基づいて、後輪用制動装置23,24に対する制動指示値BPrIvを導出する。具体的には、制動制御部111は、目標制動力BPrTrを制動特性BCRで割ることによって制動指示値BPrIvを導出する。
次に、前輪用制動装置21,22に対する制動指示値BPfIvの導出について説明する。制動制御部111は、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRを取得する。
制動制御部111は、取得した車輪制動力BPfRに基づいて目標制動力BPfTrを導出する。具体的には、制動制御部111は、要求制動力BPfRqを、車輪制動力BPfRと目標制動力BPfTrの前回値BPfTrAとの比較結果に基づいて補正することにより、目標制動力BPfTrを導出する。車輪制動力BPfRが目標制動力の前回値BPfTrAよりも小さい場合、制動制御部111は、要求制動力BPfRqを増大補正することによって目標制動力BPfTrを導出する。この際の要求制動力BPfRqの増大補正量は、車輪制動力BPfRと目標制動力の前回値BPfTrAとの差分が大きいほど大きい。一方、車輪制動力BPfRが目標制動力の前回値BPfTrAよりも大きい場合、制動制御部111は、要求制動力BPfRqを減少補正することによって目標制動力BPfTrを導出する。この際の要求制動力BPfRqの減少補正量は、車輪制動力BPfRと目標制動力の前回値BPfTrAとの差分が大きいほど大きい。
制動制御部111は、導出した目標制動力BPfTrと前輪用制動装置21,22の制動特性BCFとに基づいて、前輪用制動装置21,22に対する制動指示値BPfIvを導出する。具体的には、制動制御部111は、目標制動力BPfTrを制動特性BCFで割ることによって制動指示値BPfIvを導出する。
<制動特性導出処理>
図4を参照し、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを導出する処理の流れである制動特性導出処理を説明する。図4は制動特性導出処理を示すフローチャートである。制動特性導出処理に対応する制御プログラムは、車両10に制動力を付与する場合には実行部71によって所定の周期で繰り返し実行される。
図4を参照し、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを導出する処理の流れである制動特性導出処理を説明する。図4は制動特性導出処理を示すフローチャートである。制動特性導出処理に対応する制御プログラムは、車両10に制動力を付与する場合には実行部71によって所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS11において、実行部71は、指示値取得部101として機能することにより、後輪用制動装置23に対する制動指示値BPrIvと後輪用制動装置24に対する制動指示値BPrIvとを取得する。
ステップS13において、実行部71は、制動力取得部103として機能することにより、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRを取得する。ここで取得される車輪制動力BPrRは、ステップS11で取得した制動指示値BPrIvに基づいた後輪用制動装置23,24の作動によって後輪13,14に付与された摩擦制動力である。実行部71は、後輪用制動装置23の荷重センサ41から出力された電気信号に基づいて後輪用制動装置23によって左後輪13に付与された車輪制動力BPrRを取得し、後輪用制動装置24の荷重センサ41から出力された電気信号に基づいて後輪用制動装置24によって右後輪14に付与された車輪制動力BPrRを取得する。
ステップS15において、実行部71は、制動特性導出部107として機能することにより、後輪用制動装置23,24の制動特性BCRを導出する。具体的には、実行部71は、ステップS11で取得した左後輪13用の制動指示値BPrIvと、ステップS13で取得した左後輪13に対する車輪制動力BPrRとに基づいて、後輪用制動装置23の制動特性BCRを導出する。また実行部71は、ステップS11で取得した右後輪14用の制動指示値BPrIvと、ステップS13で取得した右後輪14に対する車輪制動力BPrRとに基づいて、後輪用制動装置23の制動特性BCRを導出する。
ステップS17において、実行部71は、指示値取得部101として機能することにより、後輪用制動装置23に対する制動指示値BPrIvと後輪用制動装置24に対する制動指示値BPrIvとを取得する。
ステップS19において、実行部71は、制動力取得部103として機能することにより、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRを取得する。ここで取得される車輪制動力BPfRは、ステップS11で取得した制動指示値BPfIvに基づいた前輪用制動装置21,22の作動によって前輪11,12に付与された摩擦制動力である。実行部71は、前後加速度GXと、ステップS13で取得した車輪制動力BPrRと、他の制動力BPAとに基づいて、車輪制動力BPfRを導出する。この際、実行部71は、前輪用制動装置21によって左前輪11に付与された車輪制動力BPfRと、前輪用制動装置22によって右前輪12に付与された車輪制動力BPfRとを個別に導出する。
ステップS21において、実行部71は、制動特性導出部107として機能することにより、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFを導出する。具体的には、実行部71は、ステップS17で取得した左前輪11用の制動指示値BPfIvと、ステップS19で取得した左前輪11に対する車輪制動力BPfRとに基づいて、前輪用制動装置21の制動特性BCRを導出する。また実行部71は、ステップS17で取得した右前輪12用の制動指示値BPfIvと、ステップS19で取得した右前輪12に対する車輪制動力BPfRとに基づいて、前輪用制動装置22の制動特性BCFを導出する。
ステップS23において、実行部71は、制動特性導出部107として機能することにより、ステップS15及びステップS21で導出した制動特性BCR,BCFを、第2記憶部73のうち、制動特性記憶部109として機能する記憶領域に記憶させる。このとき、実行部71は、状態取得部105として機能することによって取得した現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)と関連付けた状態で制動特性BCR,BCFを第2記憶部73に記憶させる。そして、実行部71は今回の処理を終了する。
<制動力制御処理>
図5を参照し、制動装置21~24を作動させる処理の流れである制動力制御処理を説明する。図5は制動力制御処理を示すフローチャートである。制動力制御処理に対応する制御プログラムは、実行部71によって所定の周期で繰り返し実行される。
図5を参照し、制動装置21~24を作動させる処理の流れである制動力制御処理を説明する。図5は制動力制御処理を示すフローチャートである。制動力制御処理に対応する制御プログラムは、実行部71によって所定の周期で繰り返し実行される。
実行部71は、制動制御部111として機能することにより、図5に示す複数のステップS41~S47を実行する。ステップS41において、実行部71は、前輪11,12に対する要求制動力BPfRqと、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRとに基づいて、前輪11,12に対する目標制動力BPfTrを導出する。具体的には、実行部71は、要求制動力BPfRqの前回値と車輪制動力BPfRの前回値との差分に基づいて要求制動力BPfRqの最新値を補正することによって目標制動力BPfTrを導出する。また実行部71は、後輪13,14に対する要求制動力BPrRqと、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRとに基づいて、後輪13,14に対する目標制動力BPrTrを導出する。具体的には、実行部71は、要求制動力BPrRqの前回値と車輪制動力BPrRの前回値との差分に基づいて要求制動力BPrRqの最新値を補正することによって目標制動力BPrTrを導出する。
ステップS43において、実行部71は、前輪11,12に対する目標制動力BPfTrと前輪用制動装置21,22の制動特性BCFとに基づいて、前輪11,12に対する制動指示値BPfIvを導出する。この際、実行部71は、現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)に対応する制動特性BCFに基づいて制動指示値BPfIvを導出する。
ステップS45において、実行部71は、後輪13,14に対する目標制動力BPrTrと後輪用制動装置23,24の制動特性BCRとに基づいて、後輪13,14に対する制動指示値BPrIvを導出する。この際、実行部71は、現在の車両10の所定状態PS(x,y,z)に対応する制動特性BCRに基づいて制動指示値BPrIvを導出する。
ステップS47において、実行部71は、ステップS43で導出した制動指示値BPfIvに基づいて前輪用制動装置21,22を作動させる。また実行部71は、ステップS45で導出した制動指示値BPrIvに基づいて後輪用制動装置23,24を作動させる。その後、実行部71は今回の処理を終了する。
<本実施形態の作用>
制動制御の1つであるABSの実行時の作用について説明する。ABSとは、「アンチロックブレーキシステム」である。
制動制御の1つであるABSの実行時の作用について説明する。ABSとは、「アンチロックブレーキシステム」である。
ABSが実行されると、車輪の減速スリップを解消させるべく、制動装置によって車輪に付与される車輪制動力が減少される。本実施形態では、制動制御装置70は、複数の制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを把握しているため、複数の車輪11~14の車輪制動力BPfR,BPrRを精度良く導出できる。そのため、車輪の減速スリップが解消できる制動力まで、車輪制動力を速やかに減少させることができる。この際、車輪制動力が過剰に減少してしまうことも抑制できるため、車両10の減速度が小さくなりすぎることも抑制できる。すなわち、ABSの対象となる車輪に対する車輪制動力を適切に制御できるため、ABSの実行中では当該車輪のスリップ量を適切に調整することができる。
次に、サービスブレーキ時の作用について説明する。
近年では、サービスブレーキ時における車両10のピッチング挙動を抑制するために、サービスブレーキ中に前後制動力配分を変更することがある。この際、複数の制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを把握していないと、前後制動力配分を変更した際に車両10の減速度が大きく変化してしまうおそれがある。
近年では、サービスブレーキ時における車両10のピッチング挙動を抑制するために、サービスブレーキ中に前後制動力配分を変更することがある。この際、複数の制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを把握していないと、前後制動力配分を変更した際に車両10の減速度が大きく変化してしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、制動制御装置70は、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを把握しているため、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与される車輪制動力BPfRと、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与される車輪制動力BPrRとを何れも精度良く導出できる。そのため、サービスブレーキ中に前後制動力配分を変更しても、車両10の減速度が変化することを抑制できる。したがって、サービスブレーキ時においては、車両10の減速度の変化を抑制しつつ、車両10のピッチング挙動を抑制することができる。
<本実施形態の効果>
(1)制動装置21~24に対する制動指示値BPfIv,BPrIvと、当該制動指示値BPfIv,BPrIvに従って制動装置21~24を作動させた場合の車輪制動力BPfR,BPrRとに基づいて、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが導出される。このように導出した制動特性BCF,BCRは、車両全体の制動特性ではなく、制動装置21~24の制動特性である。そのため、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを導出した後では、制動制御装置70は当該制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24を作動させることにより、車輪制動力の制御性を向上させることができる。
(1)制動装置21~24に対する制動指示値BPfIv,BPrIvと、当該制動指示値BPfIv,BPrIvに従って制動装置21~24を作動させた場合の車輪制動力BPfR,BPrRとに基づいて、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが導出される。このように導出した制動特性BCF,BCRは、車両全体の制動特性ではなく、制動装置21~24の制動特性である。そのため、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRを導出した後では、制動制御装置70は当該制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24を作動させることにより、車輪制動力の制御性を向上させることができる。
(2)制動装置21~24の制動特性BCF,BCRは、そのときの車両10の所定状態PSによって変わりうる。そこで、本実施形態では、車両10の所定状態毎に、制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが導出される。そして、制動装置21~24を作動させる場合には、現在の車両10の所定状態PSに対応する制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24が制御される。そのため、車輪制動力の制御性をさらに向上させることができる。
例えば、車速VSによって制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが変わりうるため、車速領域毎に制動特性BCF,BCRが導出される。そのため、制動装置21~24を制御する場合には、車速領域に応じた制動特性BCF,BCRを用いることができる。したがって、車速VSの変化に起因する車輪制動力の制御性のばらつきを抑えることができる。
また例えば、装置温度TPbpによって制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが変わりうるため、装置温度領域毎に制動特性BCF,BCRが導出される。そのため、制動装置21~24を制御する場合には、装置温度TPbpに応じた制動特性BCF,BCRを用いることができる。したがって、装置温度TPbpの変化に起因する車輪制動力の制御性のばらつきを抑えることができる。
また例えば、車輪11~14の接地荷重によって制動装置21~24の制動特性BCF,BCRが変わりうる。車輪11~14の接地荷重は、車両10の減速度(すなわち、前後加速度GX)と相関する。そのため、前後加速度GXの領域毎に制動特性BCF,BCRが導出される。そのため、制動装置21~24を制御する場合には、前後加速度GXの領域に応じた制動特性BCF,BCRを用いることができる。したがって、車輪11~14の接地荷重の変化に起因する車輪制動力の制御性のばらつきを抑えることができる。
(3)前輪用制動装置21,22として、後輪用制動装置23,24とは異なるタイプの制動装置が採用されていることがある。例えば、後輪用制動装置23,24がドラム式の制動装置であるのに対し、前輪用制動装置21,22がディスク式の制動装置であることがある。この場合、前輪用制動装置21,22と後輪用制動装置23,24とでは制動特性がまったく異なる。また、前輪用制動装置21,22として、後輪用制動装置23,24と同じタイプの制動装置が採用されたとしても、使用頻度の相違などによって制動装置の構成部品の摩耗度合いが異なると、前輪用制動装置21,22と後輪用制動装置23,24とで制動特性が変わってくることがある。
本実施形態では、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFと、後輪用制動装置23,24の制動特性BCRとが個別に導出される。そして、前輪用制動装置21,22を作動させて前輪11,12に車輪制動力を付与する場合には、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFに基づいて前輪用制動装置21,22が制御される。後輪用制動装置23,24を作動させて後輪13,14に車輪制動力を付与する場合には、後輪用制動装置23,24の制動特性BCRに基づいて後輪用制動装置23,24が制御される。そのため、前輪11,12及び後輪13,14の双方において車輪制動力の制御性を高くすることができる。
(4)後輪用制動装置23,24は荷重センサ41を有しているのに対し、前輪用制動装置21,22は、車輪制動力に応じた電気信号を出力するセンサを有していない。しかし、本実施形態では、車両制動力BPCと、後輪13,14に付与された車輪制動力BPrRとに基づいて、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRを導出できる。そのため、前輪用制動装置21,22が上記センサを有していなくても、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFを導出することができる。
(5)前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与された車輪制動力BPfRは、他の制動力BPAも考慮して導出される。これにより、車輪制動力BPfRを精度良く導出できるため、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFを精度良く導出することができる。
(6)本実施形態では、荷重センサ41の出力信号に基づいて後輪13,14に対する目標制動力BPrTrが導出されるため、荷重センサ41は目標制動力BPrTrを導出するために必須のセンサであると云える。本実施形態では、荷重センサ41から出力された電気信号に基づいて導出された値(この場合、目標制動力BPrTr)を用いることにより、制動特性BCRが導出される。すなわち、荷重センサ41とは別のセンサを、制動特性BCF,BCRを導出するために後輪用制動装置23,24に新たに設けなくてもよい。したがって、後輪用制動装置23,24のコストを増大させることなく、後輪13,14に対する車輪制動力の制御性を向上させることができる。
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・後輪用制動装置23,24では、荷重センサ41は、ブレーキシュー35,36をブレーキドラム32に押し付けているときにブレーキシュー35,36から荷重が入力される部分に設けられているのであれば、アンカー40以外の部分に設けられていてもよい。
・後輪用制動装置23,24は、作動装置としてホイールシリンダを備える装置であってもよい。この場合、ホイールシリンダにブレーキ液が供給されると、第1ブレーキシュー35及び第2ブレーキシュー36がブレーキドラム32の内周面32aに押し付けられるため、後輪13,14に摩擦制動力が付与される。この構成であっても、荷重センサ41は車輪制動力BPrRに応じた電気信号を出力できる。
・後輪用制動装置は、車輪制動力BPrRに応じた電気信号を出力できるセンサを有しているのであれば、ドラム型の制動装置でなくてもよい。
・前輪用制動装置は、電気モータ25を備えない一方でホイールシリンダを備える制動装置であってもよい。この場合、車両10は、左前輪11に設けられた前輪用制動装置のホイールシリンダと、右前輪12に設けられた前輪用制動装置のホイールシリンダとの双方にブレーキ液を供給できる電動加圧装置を備える車両であってもよい。電動加圧装置としては、例えば、電動シリンダや電動ポンプがある。
・前輪用制動装置は、電気モータ25を備えない一方でホイールシリンダを備える制動装置であってもよい。この場合、車両10は、左前輪11に設けられた前輪用制動装置のホイールシリンダと、右前輪12に設けられた前輪用制動装置のホイールシリンダとの双方にブレーキ液を供給できる電動加圧装置を備える車両であってもよい。電動加圧装置としては、例えば、電動シリンダや電動ポンプがある。
・上記実施形態では、車両10の走行中では所定の周期毎に制動装置21,22の制動特性BCF,BCRを導出するようにしているが、これに限らない。例えば、制動特性BCF,BCRの導出は、車両10の1トリップで1回のみ行うようにしてもよい。また例えば、制動特性BCF,BCRの導出は、数ヶ月で1回のみ行うようにしてもよい。
・前輪用制動装置は、後輪用制動装置23,24と同様に、車輪制動力BPfRに応じた電気信号を出力するセンサを備える制動装置であってもよい。この場合、図4に示したステップS19では、ステップS15と同様の手法で車輪制動力BPfRを導出できる。
・制動装置が備える摩擦材のμ値を検出又は推定できる場合には、摩擦材のμ値に基づいて、車輪制動力BPfR,BPrRを導出するようにしてもよい。例えば、摩擦材のμ値と車輪の接地荷重と車輪の直径(すなわち、タイヤ径)との積に応じた値を、車輪制動力BPfR,BPrRとして導出することができる。この場合、制動装置は、車輪制動力に応じた電気信号を出力するセンサを備えなくてもよい。
・前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与される車輪制動力BPfRを、エンジンブレーキに基づいて導出するのであれば、回生制動力を考慮しなくてもよいし、走行抵抗RRに起因する制動力である抵抗制動力BPRRを考慮しなくてもよい。回生制動力を考慮せずに車輪制動力BPfRを導出する場合、車両は、エンジン及びモータジェネレータのうちエンジンのみを動力源として備える車両であってもよい。
前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与される車輪制動力BPfRを、回生制動力に基づいて導出するのであれば、エンジンブレーキを考慮しなくてもよいし、抵抗制動力BPRRを考慮しなくてもよい。エンジンブレーキを考慮せずに車輪制動力BPfRを導出する場合、車両は、エンジン及びモータジェネレータのうちモータジェネレータのみを動力源として備える車両であってもよい。
前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与される車輪制動力BPfRを、抵抗制動力BPRRに基づいて導出するのであれば、エンジンブレーキを考慮しなくてもよいし、回生制動力を考慮しなくてもよい。
・上記実施形態では、複数の車速領域の各々に対応する制動特性BCF,BCRが導出されるため、現在の車速VSに対応する制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24が制御されるようになっているが、これに限らない。すなわち、制動装置21~24を制御するために用いる制動特性BCF,BCRを、車速VSに応じて変えなくてもよい。
・上記実施形態では、複数の装置温度TPbpの領域の各々に対応する制動特性BCF,BCRが導出されるため、現在の装置温度TPbpに対応する制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24が制御されるようになっているが、これに限らない。すなわち、制動装置21~24を制御するために用いる制動特性BCF,BCRを、装置温度TPbpに応じて変えなくてもよい。
・上記実施形態では、複数の車両10の減速度の領域の各々に対応する制動特性BCF,BCRが導出されるため、現在の減速度に対応する制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24が制御されるようになっているが、これに限らない。すなわち、制動装置21~24を制御するために用いる制動特性BCF,BCRを、車両10の減速度に応じて変えなくてもよい。
・上記実施形態では、車両10の所定状態PS毎に制動特性BCF,BCRを導出し、そのときの所定状態PSに対応する制動特性BCF,BCRに基づいて制動装置21~24を制御しているが、これに限らない。すなわち、1つの制動装置に対して、1つの制動特性BCのみを導出するようにしてもよい。この場合、車両10の所定状態PSが変わっても制動装置の制御に用いる制動特性BCは変わらない。
・上記実施形態では、左後輪13用の制動装置である後輪用制動装置23の制動特性BCRと、右後輪14用の制動装置である後輪用制動装置24の制動特性BCRとを個別に導出するようにしているが、これに限らない。すなわち、後輪用制動装置23と後輪用制動装置24との共通の制動特性を、後輪用制動装置の制動特性BCRとして導出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、左前輪11用の制動装置である前輪用制動装置21の制動特性BCFと、右前輪12用の制動装置である前輪用制動装置22の制動特性BCFとを個別に導出するようにしているが、これに限らない。すなわち、前輪用制動装置21と前輪用制動装置22との共通の制動特性を、前輪用制動装置の制動特性BCFとして導出するようにしてもよい。
・後輪用制動装置23,24の制動特性BCRに基づいて後輪用制動装置23,24を制御するのであれば、前輪用制動装置21,22を制御する場合には前輪用制動装置21,22の制動特性BCFを用いなくてもよい。この場合であっても、後輪用制動装置23,24によって後輪13,14に付与される車輪制動力BPrRを精度良く制御することができる。
反対に、前輪用制動装置21,22の制動特性BCFに基づいて前輪用制動装置21,22を制御するのであれば、後輪用制動装置23,24を制御する場合には後輪用制動装置23,24の制動特性BCRを用いなくてもよい。この場合であっても、前輪用制動装置21,22によって前輪11,12に付与される車輪制動力BPfRを精度良く制御することができる。
・制動制御装置70は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアなどの1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。専用のハードウェアとしては、例えば、特定用途向け集積回路であるASICを挙げることができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわち記憶媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
<他の技術的思想>
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記制動特性導出部は、複数の車速の各々に対応する複数の制動特性を導出し、
前記制動制御部は、現在の車速に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記制動特性導出部は、複数の車速の各々に対応する複数の制動特性を導出し、
前記制動制御部は、現在の車速に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
(ロ)前記制動特性導出部は、複数の前記制動装置の温度の各々に対応する複数の制動特性を導出し、
前記制動制御部は、現在の前記制動装置の温度に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
前記制動制御部は、現在の前記制動装置の温度に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
(ハ)前記制動特性導出部は、複数の前記車両の減速度(又は、前記車輪の接地荷重)の各々に対応する複数の制動特性を導出し、
前記制動制御部は、現在の前記車両の減速度(又は、前記車輪の接地荷重)に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
前記制動制御部は、現在の前記車両の減速度(又は、前記車輪の接地荷重)に対応する前記制動特性に基づいて、前記制動装置を制御することが好ましい。
(ニ)前記制動特性導出部は、前記前輪のうちの左前輪に設けられている前記前輪用制動装置の前記制動特性と、前記前輪のうちの右前輪に設けられている前記前輪用制動装置の前記制動特性と、前記後輪のうちの左後輪に設けられている前記後輪用制動装置の前記制動特性と、前記後輪のうちの右後輪に設けられている前記後輪用制動装置の前記制動特性とを個別に導出することが好ましい。
(ホ)前記制動特性導出部は、
前記前輪のうちの左前輪に設けられている前記前輪用制動装置と、前記前輪のうちの右前輪に設けられている前記前輪用制動装置との共通の前記制動特性を、前記前輪用制動装置の前記制動特性として導出し、
前記後輪のうちの左後輪に設けられている前記後輪用制動装置と、前記後輪のうちの右後輪に設けられている前記後輪用制動装置との共通の前記制動特性を、前記後輪用制動装置の前記制動特性として導出することが好ましい。
前記前輪のうちの左前輪に設けられている前記前輪用制動装置と、前記前輪のうちの右前輪に設けられている前記前輪用制動装置との共通の前記制動特性を、前記前輪用制動装置の前記制動特性として導出し、
前記後輪のうちの左後輪に設けられている前記後輪用制動装置と、前記後輪のうちの右後輪に設けられている前記後輪用制動装置との共通の前記制動特性を、前記後輪用制動装置の前記制動特性として導出することが好ましい。
(ヘ)前記制動力取得部は、エンジンブレーキ、前記車両の回生制動力及び前記車両の走行抵抗に起因する制動力とのうちの少なくとも1つと、前記車両制動力と、前記第1車輪制動力とに基づいて、前記第2車輪制動力を取得することが好ましい。
なお、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」又は「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」又は「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10…車両
11,12…前輪
13,14…後輪
21,22…前輪用制動装置
23,24…後輪用制動装置
32…ブレーキドラム
35,36…ブレーキシュー
40…アンカー(制限部の一例)
41…荷重センサ
70…制動制御装置
101…指示値取得部
103…制動力取得部
107…制動特性導出部
111…制動制御部
11,12…前輪
13,14…後輪
21,22…前輪用制動装置
23,24…後輪用制動装置
32…ブレーキドラム
35,36…ブレーキシュー
40…アンカー(制限部の一例)
41…荷重センサ
70…制動制御装置
101…指示値取得部
103…制動力取得部
107…制動特性導出部
111…制動制御部
Claims (6)
- 車両の車輪に設けられている制動装置に対する指示値である制動指示値を取得する指示値取得部と、
前記制動装置によって前記車輪に付与された制動力である車輪制動力を取得する制動力取得部と、
前記車両の走行中に前記指示値取得部によって取得された前記制動指示値と前記制動力取得部によって取得された前記車輪制動力とに基づいて、前記制動指示値と前記車輪制動力との関係を、前記制動装置の制動特性として導出する制動特性導出部と、
前記制動特性導出部によって導出された前記制動特性に基づいて前記制動装置を制御する制動制御部と、
を備えている制動制御装置。 - 前記制動特性導出部は、前記車両の複数の所定状態の各々に対応する複数の前記制動特性を導出し、
前記制動制御部は、現在の前記車両の前記所定状態に対応する前記制動特性に基づいて前記制動装置を制御する、
請求項1に記載の制動制御装置。 - 前記車両は、前記制動装置として、前記車輪のうちの前輪に設けられている前輪用制動装置と、前記車輪のうちの後輪に設けられている後輪用制動装置と、を備えるものであり、
前記制動特性導出部は、前記前輪用制動装置の前記制動特性と前記後輪用制動装置の前記制動特性とを導出し、
前記制動制御部は、前記制動特性導出部によって導出された前記前輪用制動装置の前記制動特性に基づいて前記前輪用制動装置を制御し、前記制動特性導出部によって導出された前記後輪用制動装置の前記制動特性に基づいて前記後輪用制動装置を制御する、
請求項1又は2に記載の制動制御装置。 - 前記車両は、前記制動装置として、前記車輪のうちの第1車輪に設けられている第1制動装置と、前記車輪のうちの第2車輪に設けられている第2制動装置と、を備えるものであり、
前記第1制動装置によって前記第1車輪に付与されている前記車輪制動力と相関する電気信号を出力するセンサを備え、
前記制動力取得部は、
前記センサから出力された前記電気信号に基づいて、前記第1制動装置によって前記第1車輪に付与された前記車輪制動力である第1車輪制動力を導出し、
前記車両に付与されている制動力である車両制動力と前記第1車輪制動力とに基づいて、前記第2制動装置によって前記第2車輪に付与された前記車輪制動力である第2車輪制動力を取得し、
前記制動特性導出部は、
前記第1制動装置に対する前記制動指示値と前記制動力取得部によって取得された前記第1車輪制動力とに基づいて前記第1制動装置の前記制動特性を導出し、
前記第2制動装置に対する前記制動指示値と前記制動力取得部によって取得された前記第2車輪制動力とに基づいて前記第2制動装置の前記制動特性を導出し、
前記制動制御部は、
前記制動特性導出部によって導出された前記第1制動装置の前記制動特性に基づいて前記第1制動装置を制御し、
前記制動特性導出部によって導出された前記第2制動装置の前記制動特性に基づいて前記第2制動装置を制御する、
請求項1又は2に記載の制動制御装置。 - 前記制動力取得部は、前記第1車輪制動力を周期毎に取得し、
前記制動制御部は、
前記制動力取得部によって取得された前記第1車輪制動力に基づいて、前記第1車輪制動力の目標値である目標制動力を周期的に導出し、
今回の周期よりも前の周期で取得された前記第1車輪制動力に基づいて導出された前記第1制動装置の前記制動特性と、今回の周期で導出した前記目標制動力とに基づいて、前記第1制動装置に対する前記制動指示値を導出する、
請求項4に記載の制動制御装置。 - 前記制動装置は、ブレーキドラムにブレーキシューを押し付けることによって前記車輪に制動力を付与するドラム型の制動装置であり、
前記センサは、前記ブレーキドラムの回転方向への前記ブレーキシューの移動を制限する制限部に前記ブレーキシューから入力される荷重を示す信号を前記電気信号として出力し、
前記制動特性導出部は、前記電気信号に基づいて、前記制動特性を導出する、
請求項4又は5に記載の制動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022029849A JP2023125632A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 制動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022029849A JP2023125632A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 制動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023125632A true JP2023125632A (ja) | 2023-09-07 |
Family
ID=87887188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022029849A Pending JP2023125632A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 制動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023125632A (ja) |
-
2022
- 2022-02-28 JP JP2022029849A patent/JP2023125632A/ja active Pending
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