JP2023125628A - 結合体、結合体の製造方法、及び緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】棒状部材と相手部材との結合部の強度を高めることが可能な結合体、結合体の製造方法、及びこれらを用いた緩衝器を提供する。【解決手段】面粗度調整部57,58の仕上げ面粗さ(表面粗さ)を、面粗度調整を施す前の受圧面55A,56Aの仕上げ面粗さ又は面粗度調整を施さない受圧面55B,56Bの仕上げ面粗さよりも大きく(粗く)したので、第1環状溝55,56内に流入したソレノイドケース31(相手部材)の材料とピストンロッド51(棒状部材)の第1環状溝55,56の内面との間に発生する摩擦力(摩擦抵抗)が増大し、ピストンロッド51とソレノイドケース31との結合部12の強度を向上させることができる。【選択図】図4
Description
本発明は、塑性流動結合法により結合される2部材の結合体、該結合体の製造方法、及び該製造方法により製造される緩衝器に関する。
特許文献1には、塑性流動結合法によりピストンロッド(棒状部材)とソレノイドケース(相手部材)とを結合させる2部材の結合方法が開示されている。
ところで、ピストン機構がシリンダに内蔵されたピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器は、制御弁がピストンロッドと同軸に配置されるため、制御弁横付型の減衰力調整式油圧緩衝器やコンベンション型の油圧緩衝器に対して有効ストロークが短くなる。このようなピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器においては、ソレノイドケースがリバウンド荷重を受けるため、ピストンロッドとソレノイドケースとの結合部の強度を高める必要がある。
本発明は、棒状部材と相手部材との結合部の強度を高めることが可能な結合体、該結合体の製造方法、及び該製造方法により製造された緩衝器を提供することを課題とする。
本発明の結合体は、棒状部材の一端部を相手部材の嵌合穴に嵌合し、前記相手部材の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた環状溝内に流入させるにより結合される2部材の結合体であって、前記環状溝の内面には、摩擦発生手段が設けられることを特徴とする。
本発明の結合体の製造方法は、棒状部材の一端部を相手部材の嵌合穴に嵌合し、前記相手部材の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させるにより結合される2部材の結合体の製造方法であって、前記棒状部材の一端部の周面に前記溝を形成する溝形成工程と、前記棒状部材の溝の内面の表面粗さを粗くする面粗度調整工程と、前記相手部材の材料を前記棒状部材の溝内に流入させる塑性流動工程と、を有することを特徴とする。
本発明の緩衝器は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内を2室に区画するピストン機構と、一端部が前記ピストン機構に結合され、他端部が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、前記ピストンロッドの一端部を前記ピストン機構の嵌合穴に嵌合し、前記ピストン機構の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させることにより形成される結合部と、を備える緩衝器であって、前記溝の内面には、摩擦発生手段が設けられることを特徴とする。
本発明の結合体の製造方法は、棒状部材の一端部を相手部材の嵌合穴に嵌合し、前記相手部材の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させるにより結合される2部材の結合体の製造方法であって、前記棒状部材の一端部の周面に前記溝を形成する溝形成工程と、前記棒状部材の溝の内面の表面粗さを粗くする面粗度調整工程と、前記相手部材の材料を前記棒状部材の溝内に流入させる塑性流動工程と、を有することを特徴とする。
本発明の緩衝器は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内を2室に区画するピストン機構と、一端部が前記ピストン機構に結合され、他端部が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、前記ピストンロッドの一端部を前記ピストン機構の嵌合穴に嵌合し、前記ピストン機構の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させることにより形成される結合部と、を備える緩衝器であって、前記溝の内面には、摩擦発生手段が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、棒状部材と相手部材との結合部の強度を高めることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1は、ピストン機構21がシリンダ2に内蔵されたピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器1(以下「緩衝器1」と称する)の一部の、軸平面による断面図である。便宜上、図1における上下方向をそのまま「上下方向」と称する。
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
図1は、ピストン機構21がシリンダ2に内蔵されたピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器1(以下「緩衝器1」と称する)の一部の、軸平面による断面図である。便宜上、図1における上下方向をそのまま「上下方向」と称する。
図1に示されるように、ピストン機構21は、ピストン3と減衰力調整機構22とを有する。ピストン3は、シリンダ2内に嵌装され、シリンダ2内をシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に区画する。ピストン機構21は、ピストンロッド51の下端部52(一端部)に結合される。ピストンロッド51の上端部(他端部、図示省略)は、シリンダ2の外部へ延出される。なお、ピストンロッド51は、中空部53が形成された中空軸である。
減衰力調整機構22は、バルブ機構部23とソレノイド24とを有する。なお、緩衝器1は、ピストンロッド51とピストン機構21との結合体11(図2参照)の結合部12を除外した構成が従来の緩衝器と同一である。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、減衰力調整機構22に関する詳細な説明を省略する。
図2は、ピストンロッド51(棒状部材)とソレノイドケース31(相手部材)との2部材の結合体11の軸平面による断面図である。また、図3は、結合体11の結合部12(図2におけるA部)の拡大図である。図2に示されるように、ソレノイドケース31は、下端が開口する有蓋円筒形に形成される。ソレノイドケース31の蓋部32の中央には、ピストンロッド51の下端部52が嵌合される嵌合穴33が設けられる。なお、ソレノイドケース31には、ソレノイド24(図1参照)の内機部品が収容される。また、ソレノイドケース31の上端面34には、バンプストッパ4(図1参照)が当接される。
図3に示されるように、結合体11は、後述する塑性流動工程において、ピストンロッド51の下端部52をピストン機構21のソレノイドケース31の嵌合穴33に嵌合させ、この状態でソレノイドケース31を局部加圧することにより、ソレノイドケース31の材料をピストンロッド51の下端部52の外周面54(周面)に設けられた第1環状溝55,56及び第2環状溝59内に塑性流動させることで得られる。
第1環状溝55,56は、ピストンロッド51の外周面54を周方向へ延び、軸平面による断面が頂角θ1(図4参照)を有する二等辺直角三角形に形成される。即ち頂角θ1は90度である。第1環状溝56は、第1環状溝55の直上に位置し、軸方向(図3における「上下方向」)の幅W1及び径方向(図3における「左右方向」)の深さD1が第1環状溝55と同一に設定される。第2環状溝59は、第1環状溝55,56同様、軸平面による断面が頂角90度の二等辺直角三角形に形成され、第1環状溝56に対して軸方向上側に距離Yだけ離間された位置に設けられる。第2環状溝59は、第1環状溝55,56の幅W1及び深さD1よりも小さい幅W2及び深さD2を有する。
ソレノイドケース31の蓋部32の下端面35の内周側(嵌合穴33及び第1環状溝55の近傍)には、結合体11の軸平面による断面がチャンネル形の第1環状凹部36が設けられる。他方、ソレノイドケース31の蓋部32の上端面34の内周側(嵌合穴33及び第2環状溝59の近傍)には、結合体11の軸平面による断面がチャンネル形の第2環状凹部37が設けられる。第1環状凹部36の径方向の幅W3及び軸方向の深さD3は、第2環状凹部37の径方向の幅W4及び軸方向の深さD4よりも大きく設定される。換言すれば、第1環状凹部36の体積(容積)は、第2環状凹部37の体積(容積)よりも大きく設定される。
なお、ソレノイドケース31(相手部材)の材料は、ピストンロッド51(棒状部材)の材料よりも軟らかい金属が用いられる。例えば、ピストンロッド51の材料は機械構造用炭素鋼S45Cであり、ソレノイドケース31の材料は機械構造用炭素鋼S10C(快削鋼)である。
第1実施形態では、ピストンロッド51の第1環状溝55,56の内面に面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)が設けられる。図4に示されるように、面粗度調整部57,58は、緩衝器1の伸び行程時に受圧する側のピストンロッド51の受圧面55A,56Aを切削加工(旋盤加工)することで得られる切削面である。面粗度調整部57,58は、緩衝器1の縮み行程時に受圧する側のピストンロッド51の受圧面55B,56Bよりも大きい仕上げ面粗さ(表面粗さ)を有する。
図5を参照すると、切削加工における仕上げ面粗さ(理論粗さ)がh[μm]、ピストンロッド51(被加工物、図4参照)の1回転当りの切刃41(工具)の送りがf[mm/rev]、及び切刃41(例えば「スローアウェイチップ」、図4参照)のインサートのコーナー半径がRE[mm]であるとき、h=(f2/8RE)×1000[μm]である。
そこで、第1実施形態では、後述する面粗度調整工程において、インサートのコーナー半径(RE)が小さい切刃41を用い、かつ送り(f)を大きく設定することにより、面粗度調整部57,58、延いては第1環状溝55,56の受圧面55A,56Aを粗く仕上げている。ここで、面粗度調整工程における送り(f)は、工具メーカーが推奨する送りよりも大きい送りである。
次に、ピストンロッド51(棒状部材)とソレノイドケース31(相手部材)との2部材の結合体11の製造方法を説明する。
(溝形成工程)
溝形成工程では、切削加工や塑性加工等により、ピストンロッド51の下端部52(一端部)の外周面54に第1環状溝55,56及び第2環状溝59を形成する。
(溝形成工程)
溝形成工程では、切削加工や塑性加工等により、ピストンロッド51の下端部52(一端部)の外周面54に第1環状溝55,56及び第2環状溝59を形成する。
(面粗度調整工程)
面粗度調整工程では、図4に示されるように、先端角θ2が鋭角の切刃41を用いて、緩衝器1の伸び行程時に受圧する(リバウンド荷重を受ける)側のピストンロッド51の受圧面55A,56Aを切削加工し、ピストンロッド51の第1環状溝55,56の内面に面粗度調整部57,58を形成する。図4に示されるように、面粗度調整工程では、切刃41の送り方向の端面42を受圧面55B,56Bに対して平行に配置する。
面粗度調整工程では、図4に示されるように、先端角θ2が鋭角の切刃41を用いて、緩衝器1の伸び行程時に受圧する(リバウンド荷重を受ける)側のピストンロッド51の受圧面55A,56Aを切削加工し、ピストンロッド51の第1環状溝55,56の内面に面粗度調整部57,58を形成する。図4に示されるように、面粗度調整工程では、切刃41の送り方向の端面42を受圧面55B,56Bに対して平行に配置する。
(塑性流動工程)
塑性流動工程では、図6に示されるように、ソレノイドケース31の嵌合穴33にピストンロッド51の下端部52を嵌合し、ソレノイドケース31の蓋部32を治具45で拘束する。この状態で、プレス装置(図示省略)の第1パンチ46によりソレノイドケース31の蓋部32の下端面35の嵌合穴33の近傍を局部加圧すると共に、第2パンチ47により上端面34の嵌合穴33の近傍を局部加圧する。
塑性流動工程では、図6に示されるように、ソレノイドケース31の嵌合穴33にピストンロッド51の下端部52を嵌合し、ソレノイドケース31の蓋部32を治具45で拘束する。この状態で、プレス装置(図示省略)の第1パンチ46によりソレノイドケース31の蓋部32の下端面35の嵌合穴33の近傍を局部加圧すると共に、第2パンチ47により上端面34の嵌合穴33の近傍を局部加圧する。
すると、トレスカの変形条件に基づき、まず、ソレノイドケース31の、第2環状溝59に面する部分の材料が、第2環状溝59内に流れ込む変形(塑性流動)を起こし、図7に示されるように、第2環状溝59にソレノイドケース31の材料が充填され、ソレノイドケース31の蓋部32の上端面34に第2環状凹部37が形成される。次に、ソレノイドケース31の、第1環状溝55,56に面する部分の材料が、第1環状溝55,56内に流れ込む変形(塑性流動)を起こし、図8に示されるように、第1環状溝55,56にソレノイドケース31の材料が充填され、ソレノイドケース31の蓋部32の下端面35に第1環状凹部36が形成される。
ここで、ピストン内蔵型の減衰力調整式油圧緩衝器においては、ソレノイドケースがリバウンド荷重を受けるため、ピストンロッドとソレノイドケースとの結合部の強度を向上させることが求められていた。
そこで、第1実施形態では、ピストンロッド51(棒状部材)の下端部52(一端部)をピストン機構21のソレノイドケース31(相手部材)の嵌合穴22に嵌合し、ソレノイドケース31の材料を塑性流動させてピストンロッド51の下端部52の外周面54に設けられた第1環状溝55,56及び第2環状溝59内に流入させることで結合される2部材の結合体11において、緩衝器1の伸び行程時の荷重を受ける(リバウンド荷重を受ける)ピストンロッド51の第1環状溝55,56の受圧面55A,56Aに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を設けて結合部12を形成した。
第1実施形態では、面粗度調整部57,58の仕上げ面粗さ(表面粗さ)を、面粗度調整を施す前の受圧面55A,56Aの仕上げ面粗さ又は面粗度調整を施さない受圧面55B,56Bの仕上げ面粗さよりも大きく(粗く)したので、第1環状溝55,56内に流入したソレノイドケース31の材料とピストンロッド51の第1環状溝55,56の内面との間に発生する摩擦力(摩擦抵抗)を増大することが可能であり、ピストンロッド51とソレノイドケース31との結合部12の強度を向上させることができる。その結果、ピストンロッド51のソレノイドケース31に対する抜けを防止することができる。
第1実施形態では、面粗度調整部57,58の仕上げ面粗さ(表面粗さ)を、面粗度調整を施す前の受圧面55A,56Aの仕上げ面粗さ又は面粗度調整を施さない受圧面55B,56Bの仕上げ面粗さよりも大きく(粗く)したので、第1環状溝55,56内に流入したソレノイドケース31の材料とピストンロッド51の第1環状溝55,56の内面との間に発生する摩擦力(摩擦抵抗)を増大することが可能であり、ピストンロッド51とソレノイドケース31との結合部12の強度を向上させることができる。その結果、ピストンロッド51のソレノイドケース31に対する抜けを防止することができる。
また、第1実施形態では、面粗度調整工程において、切刃41の送り方向の端面42を受圧面55B,56Bに対して平行に配置して切削抵抗が大きくなるようにしたので、受圧面55A,56Aをより粗く仕上げることができる。
なお、図9に示されるように、面粗度調整工程において、切刃41の先端が環状溝55,56の頂点Pに接した状態で切刃41の端面42と受圧面55B,56Bとがなす角度と切刃41の端面43と受圧面55A,56Aとがなす角度とが同一になるように切刃41を配置、換言すれば、切刃41の入力方向がピストンロッド51の軸線に対して垂直になるように切刃41を配置し、受圧面55A,56Aと受圧面55B,56Bとをワンパス加工で切削する。これにより、受圧面55A,56A及び受圧面55B,56Bに面粗度調整部57,58を形成し、受圧面55A,56Aの面粗度調整と受圧面55B,56Bの面粗度調整とを行うことができる。
なお、図9に示されるように、面粗度調整工程において、切刃41の先端が環状溝55,56の頂点Pに接した状態で切刃41の端面42と受圧面55B,56Bとがなす角度と切刃41の端面43と受圧面55A,56Aとがなす角度とが同一になるように切刃41を配置、換言すれば、切刃41の入力方向がピストンロッド51の軸線に対して垂直になるように切刃41を配置し、受圧面55A,56Aと受圧面55B,56Bとをワンパス加工で切削する。これにより、受圧面55A,56A及び受圧面55B,56Bに面粗度調整部57,58を形成し、受圧面55A,56Aの面粗度調整と受圧面55B,56Bの面粗度調整とを行うことができる。
(第2実施形態)
次に、図10を参照して第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
次に、図10を参照して第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
第1実施形態では、面粗度調整工程において、緩衝器1の伸び行程時の荷重を受ける(リバウンド荷重を受ける)第1環状溝55,56の受圧面55A,56Aを、推奨される送りよりも大きい送り(f)で切削加工することにより、ピストンロッド51の受圧面55A,56Aに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段、切削面)を形成した。
これに対し、第2実施形態では、ピストンロッド51(棒状部材)の第1環状溝55の55A,55B及び第2環状溝56の受圧面56A,56Bに周方向へ断続して延びる突起61、即ち周方向に沿って配置された複数個の突起61を設けることにより、ピストンロッド51の受圧面55A,55B及び受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成した。
突起61は、受圧面55A,55B及び受圧面56A,56Bに、ピストンロッド51の軸線方向(図10における「上下方向」)へ間隔をあけて複数段(第2実施形態では「2段」)で設けられる。また、突起61は、ピストンロッド51の軸平面による断面が直角二等辺三角形をなす。突起61は、ピストンロッド51の軸線Lに対して垂直をなす底面62と、ピストンロッド51の軸線Lに対して平行をなす側面63とを有する。
第2実施形態では、塑性流動工程において、受圧面55A,55B及び受圧面56A,56Bに突起61が設けられたピストンロッド51の第1環状溝55,56内にソレノイドケース31(相手部材)の材料が充填される。これにより、第1実施形態に対してピストンロッド51の環状溝55,56の内面とソレノイドケース31との接触面積が増大し、ピストンロッド51とソレノイドケース31との結合部12の強度を向上させることができる。第2実施形態では、結合部12に作用する回転トルクに対して第1実施形態よりも大きい抵抗力を発揮することが可能である。
なお、図11に示されるように、突起61に換えて、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに周方向へ断続して延びる溝65、即ち周方向に沿って配置された複数個の溝65を設けることにより、ピストンロッド51の受圧面55A,55B及び受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。
また、第2実施形態では、面粗度調整部57,58を、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bを周方向へ連続して延びる突起61又は溝65とすることができる。
さらに、図12に示されるように、突起61又は溝65に換えて、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bをローレット加工し、第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに凹凸を設けることにより、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。
また、第2実施形態では、面粗度調整部57,58を、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bを周方向へ連続して延びる突起61又は溝65とすることができる。
さらに、図12に示されるように、突起61又は溝65に換えて、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bをローレット加工し、第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに凹凸を設けることにより、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。
(第3実施形態)
次に、図13(a)、図13(b)を参照して第3実施形態を説明する。
なお、第1又は第2実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
次に、図13(a)、図13(b)を参照して第3実施形態を説明する。
なお、第1又は第2実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに周方向へ断続して延びる突起61を設けることにより、第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成した。
これに対し、第3実施形態では、ピストンロッド51(棒状部材)の第1環状溝55の受圧面55Aと受圧面55Bとの間及び第1環状溝56の受圧面56Aと受圧面56Bとの間に、軸方向(図13における「上下方向」)へ延びる突起71を設けることにより、ピストンロッド51の第1環状溝55,56に面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成した。突起71は、幅W5を有し、第1環状溝55,56に周方向へ一定の間隔をあけて設けられる。
第3実施形態では、塑性流動工程において、第1環状溝55の隣接する突起71間及び第1環状溝56の隣接する突起71間にソレノイドケース31(相手部材)の材料が充填される。これにより、第1実施形態に対してピストンロッド51の環状溝55,56の内面とソレノイドケース31との接触面積が増大し、ピストンロッド51とソレノイドケース31との結合部12の強度を向上させることができる。また、突起71は、結合部12に作用する回転トルクに対して第2実施形態における突起61よりも大きい抵抗力を発揮することが可能である。
なお、図14(a)、図14(b)に示されるように、突起71に換えて、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに、受圧面55A,55B及び受圧面56A,56Bに沿って縦に延びる溝75を設けることにより、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。溝75は、ピストンロッド51の軸平面による断面が等脚台形に形成される。
なお、実施形態は、前述した形態に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
前述した実施形態では、ピストンロッド51(棒状部材)を機械加工することで面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成する態様を例示したが、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bを、例えば、ナイタール、ピクリン酸等の薬品を用いて化学的に処理することにより、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。
前述した実施形態では、ピストンロッド51(棒状部材)を機械加工することで面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成する態様を例示したが、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bを、例えば、ナイタール、ピクリン酸等の薬品を用いて化学的に処理することにより、ピストンロッド51の第1環状溝55の受圧面55A,55B及び第1環状溝56の受圧面56A,56Bに面粗度調整部57,58(摩擦発生手段)を形成することができる。
11 結合体、12 結合部、31 ソレノイドケース(相手部材)、33 嵌合穴、51 ピストンロッド(棒状部材)、52 下端部(棒状部材の一端部)、55,56 第1環状溝(環状溝)、55A,55B,56A,56B 受圧面(環状溝の内面)、57,58 面粗度調整部(摩擦発生手段)
Claims (7)
- 棒状部材の一端部を相手部材の嵌合穴に嵌合し、前記相手部材の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた環状溝内に流入させるにより結合される2部材の結合体であって、
前記環状溝の内面には、摩擦発生手段が設けられることを特徴とする結合体。 - 請求項1に記載の結合体であって、
前記摩擦発生手段は、推奨される切削条件の送りよりも大きい送りで加工された切削面であることを特徴とする結合体。 - 請求項1に記載の結合体であって、
前記摩擦発生手段は、前記環状溝の内面を周方向へ連続又は断続して延びる突起又は溝であることを特徴とする結合体。 - 請求項1に記載の結合体であって、
前記摩擦発生手段は、前記環状溝の内面を前記棒状部材の軸方向へ延びる突起又は溝であることを特徴とする結合体。 - 棒状部材の一端部を相手部材の嵌合穴に嵌合し、前記相手部材の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させるにより結合される2部材の結合体の製造方法であって、
前記棒状部材の一端部の周面に前記溝を形成する溝形成工程と、
前記棒状部材の溝の内面の表面粗さを粗くする面粗度調整工程と、
前記相手部材の材料を前記棒状部材の溝内に流入させる塑性流動工程と、
を有することを特徴とする結合体の製造方法。 - 請求項5に記載の結合体の製造方法であって、
前記面粗度調整工程では、前記棒状部材の溝の内面が推奨される切削条件の送りよりも大きい送りで切削加工されることを特徴とする結合体の製造方法。 - 作動流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内を2室に区画するピストン機構と、
一端部が前記ピストン機構に結合され、他端部が前記シリンダの外部へ延出されるピストンロッドと、
前記ピストンロッドの一端部を前記ピストン機構の嵌合穴に嵌合し、前記ピストン機構の材料を塑性流動させて前記棒状部材の一端部の周面に設けられた溝内に流入させることにより形成される結合部と、
を備える緩衝器であって、
前記溝の内面には、摩擦発生手段が設けられることを特徴とする緩衝器。
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