JP2023125439A - 評価装置、評価方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のタイミングに関する輻射ノイズを識別すること。【解決手段】本発明の1つの側面に係る評価装置は、トリガ検出部と、測定部と、演算部とを備える。前記トリガ検出部は、被測定体におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出する。前記測定部は、前記基準トリガ波形に基づいて前記基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、前記基準トリガ波形をトリガとして前記被測定体からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定する。前記演算部は、前記放射角度ごとの電界強度波形から、前記測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、前記指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより前記指定区間の前記基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、評価装置、評価方法及びプログラムに関する。
従来、電子機器などのノイズを評価する手法としては、当該電子機器などから放射される輻射波に起因する輻射ノイズ(Electromagnetic Interference:EMI)を測定する輻射測定が知られている。輻射測定では、例えば、広帯域にスペクトラムを測定可能なスペクトラムアナライザを使用して30-1000MHzの周波数帯域の各周波数に対して輻射波の電界強度が最大となる位置を探し出し、電界強度が最大となる位置において電界強度を測定し、測定で得られる電界強度が国際的に定められた規格の許容値以下であるか否かを確認することが行われている。
しかしながら、輻射波の電界強度の最大値を測定することを目的とする輻射測定においては、時間による電界強度の変動が観測しづらいという問題があった。例えば、周期的に電界強度が変動するDCDC電源におけるスイッチング波形の立ち上がり、あるいは立ち下がりといった所望のタイミングに同期して輻射波の電界強度を測定することは困難であった。
特開2019-45151号公報 特開2001-324524号公報
本発明が解決しようとする課題は、所望のタイミングに関する輻射ノイズを識別することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面に係る評価装置は、トリガ検出部と、測定部と、演算部とを備える。前記トリガ検出部は、被測定体におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出する。前記測定部は、前記基準トリガ波形に基づいて前記基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、前記基準トリガ波形をトリガとして前記被測定体からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定する。前記演算部は、前記放射角度ごとの電界強度波形から、前記測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、前記指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより前記指定区間の前記基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力する。
本発明によれば、所望のタイミングに関する輻射ノイズを識別することができる。
図1は、実施形態に係る評価装置としての測定システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係る被測定体としてのDCDC電源回路基板の一例を示す模式図である。 図3は、実施形態に係る測定システムにおいて実行される測定処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、実施形態に係る測定処理において、基準プローブによりDCDC電源基板を測定した際に得られる基準トリガ波形の一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る測定処理において、基準トリガ波形でトリガをかけて測定アンテナによりDCDC電源回路基板を測定した際に得られる輻射ノイズの電界強度波形の一例を示す図である。 図6は、実施形態に係る測定システムにおいて実行される表示処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施形態に係る表示処理において周波数軸の電界強度へ変換される、時間軸の電界強度波形に対する処理について説明するための図である。 図8は、実施形態に係る表示処理において周波数軸の電界強度へ変換される、時間軸の電界強度波形に対する処理について説明するための図である。 図9は、実施形態に係る表示処理において周波数軸の電界強度へ変換される、時間軸の電界強度波形に対する処理について説明するための図である。 図10は、実施形態に係る表示処理において周波数軸の電界強度へ変換される、時間軸の電界強度波形に対する処理について説明するための図である。 図11は、図5の区間Aを抽出した電界強度波形の一例を示す図である。 図12は、図5の区間Bを抽出した電界強度波形の一例を示す図である。 図13は、図11の区間Aに係る電界強度波形を高速フーリエ変換(FFT)により変換した電界強度スペクトラムの一例を示す図である。 図14は、図12の区間Bに係る電界強度波形をFFTにより変換した電界強度スペクトラムの一例を示す図である。 図15は、図13の区間Aに係る電界強度スペクトラムの指定周波数に対応する電界強度放射パターンの一例を示す図である。 図16は、図14の区間Bに係る電界強度スペクトラムの指定周波数に対応する電界強度放射パターンの一例を示す図である。 図17は、実施形態に係る測定システムの各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
以下に、本発明に係る評価装置、評価方法及びプログラムの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る評価装置としての測定システム1の構成の一例を示すブロック図である。図2は、実施形態に係る被測定体としての被測定回路基板2の一例を示す模式図である。
実施形態に係る測定システム1は、評価装置の一例である。測定システム1は、被測定体からの遠方界輻射を測定する測定処理を実現するように構成されている。測定システム1は、遠方界輻射の測定において、被測定体を回転させて、スイッチング動作など被測定体の動作に伴い発生する輻射ノイズの電界強度を被測定体からの放射角度ごとに計測するように構成されている。
また、測定システム1は、再測定を行わずに、被測定回路基板2の基準波形の立ち上がり時や立ち下がり時などの任意のタイミングを含む指定区間の電界強度分布を出力する表示処理を実現するように構成されている。例えば、測定システム1は、任意の時間幅の区間の時間軸における電界強度データを、高速フーリエ変換(FFT)を用いて周波数軸における電界強度データに変換し、任意の区間に対応する電界強度分布データを出力するように構成されている。一例として、測定システム1は、任意の区間に対応する電界強度分布データとして、電界強度スペクトラムを出力するように構成されている。ここで、電界強度スペクトラムは、周波数に対する電界強度分布である。一例として、測定システム1は、任意の区間及び指定周波数に対応する電界強度分布データとして、電界強度放射パターンを出力するように構成されている。ここで、電界強度放射パターンは、放射角度に対する電界強度分布であり、電界強度指向性パターンと称されてもよい。
実施形態に係る被測定回路基板2は、被測定体の一例である。被測定回路基板2は、測定台回転装置131の測定台に設置される。被測定回路基板2は、基準信号に従い動作する回路構成を有する。一例として、被測定回路基板2は、基準信号としてのクロック信号に従いスイッチング動作するDCDC電源回路基板である。DCDC電源回路基板は、パワー半導体デバイスを用いて電力を変換する電力変換回路と、前記パワー半導体デバイスに駆動用の電圧を供給するドライブ回路とを有する電源回路である。一例として、被測定回路基板2は、図2に示すように、出力側パワー端子21、出力側グランド端子22、入力側パワー端子23、入力側グランド端子24、コイル25、ダイオード26及び制御IC27を有する。
なお、被測定体は、基準信号に従い動作する回路構成を有していればよく、当該回路構成そのものであってもよいし、当該回路構成が設けられた被測定回路基板2であってもよいし、当該被測定回路基板2を搭載する電子機器であってもよい。
実施形態に係る測定システム1は、図1に示すように、測定制御装置11、駆動制御装置12、測定台回転装置131、アンテナ昇降装置132、測定アンテナ14、アンプ15、オシロスコープ16、基準プローブ171、RF-光コンバータ172、記憶装置18及び表示制御装置19を有する。
一例として、測定制御装置11、駆動制御装置12、アンプ15、オシロスコープ16、RF-光コンバータ172、記憶装置18及び表示制御装置19は、図1に示すように、計測室R1に設置されている。一例として、測定台回転装置131、アンテナ昇降装置132、測定アンテナ14及び基準プローブ171は、図1に示すように、電波暗室R2に設置されている。
計測室R1と電波暗室R2との間の通信は、光通信であることが好ましい。光通信は、例えば光ファイバを介して実現される。図1においては、金属線を用いて通信可能に接続される場合は実線を用いて、光ファイバを用いて通信可能に接続される場合は一点鎖線を用いて信号の送受を表現している。一例として、駆動制御装置12及び測定台回転装置131は、光ファイバにより通信可能に接続されている。一例として、駆動制御装置12及びアンテナ昇降装置132は、光ファイバにより通信可能に接続されている。一例として、基準プローブ171及びRF-光コンバータ172は、光ファイバにより通信可能に接続されている。一方、アンプ15及び測定アンテナ14は、測定アンテナ14からの出力がアナログ信号であることから、計測室R1と電波暗室R2との間の通信であるが、金属線など通常の通信ケーブルを用いて通信可能に接続される。したがって、アンプ15及び測定アンテナ14の間の通信ケーブルには、十分な厚さの非伝導体の被覆が設けられていることが好ましい。このように、可能な範囲で通信ケーブルとして光ファイバを用いることにより、測定時のノイズを低減することができる。
測定制御装置11は、測定システム1における遠方界輻射の測定を制御する装置である。測定制御装置11は、測定制御装置11としては、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC等の情報処理装置が適宜利用可能である。
測定制御装置11は、実施形態に係る測定処理を実現するためのプログラムを実行することにより、図1に示すように、測定条件設定部111及びデータ結合部112としての機能を実現する。
測定条件設定部111は、駆動制御装置12により測定台回転装置131を動作させ、測定範囲の角度内で被測定回路基板2が設置される測定台を回転させる。また、測定条件設定部111は、駆動制御装置12によりアンテナ昇降装置132を動作させ、測定範囲の高さ内で測定アンテナ14を昇降させる。
具体的には、測定条件設定部111は、信号S1を駆動制御装置12へ送信する。ここで、信号S1は、例えば複数の測定角度それぞれの測定台回転装置131による測定台の回転角度を指示する回転角度情報と、複数の測定高さそれぞれの測定アンテナ14の高さを指示する高さ情報とを含む。
一例として、測定条件設定部111は、測定分解能や測定範囲の設定に基づいて、測定台回転装置131の測定台の回転角度と、測定アンテナ14の高さとを指示する。測定台回転装置131の測定台の回転角度の範囲は、例えば360°であるが、他の角度範囲であっても構わない。また、回転角度の測定分解能は、例えば1°であるが、他の測定分解能であってもよい。測定アンテナ14の高さの範囲は、例えば1~4mであるが、他の高さ範囲であってもよい。また、高さ範囲の測定分解能は、例えば1cmであるが、他の測定分解能であってもよい。
なお、測定アンテナ14の向きは、例えば測定に係る作業者により水平偏波及び垂直偏波それぞれに対応する向きに回転、あるいは回転された状態で装着されるが、これに限らない。測定アンテナ14の向きは、測定条件設定部111が駆動制御装置12によりアンテナ昇降装置132を動作させることにより回転されてもよい。換言すれば、アンテナ昇降装置132は、偏波切り替え機能を有していてもよい。また、測定アンテナ14の向きは、水平偏波及び垂直偏波それぞれに対応する向きに限らず、測定の仕様に応じた任意の向きに回転させることができる。
また、測定条件設定部111は、測定条件を設定する信号S9をオシロスコープ16へ送信する。ここで、測定条件は、トリガ検出するためのしきい値及び波形を検出する時間長を含む。具体的には、測定条件設定部111は、トリガ検出部161により基準波形の立ち上がり及び立ち下りのタイミングで取得されたトリガを用いて、基準波形の1波長以上の時間幅を有する測定時間を設定する。
データ結合部112は、現時点の測定条件を示す信号S2を駆動制御装置12から受信する。信号S2は、測定アンテナ14の現時点での高さ及び測定台回転装置131の測定台の回転角度を示す信号である。信号S2は、測定アンテナ14の現時点での向きをさらに示す信号であってもよい。また、データ結合部112は、オシロスコープ16の波形取得部162により得られた、トリガに同期した電界強度波形の波形データを示す信号S10をオシロスコープ16から受け取る。データ結合部112は、これら2つの信号S2,S10が示す情報を結合することにより紐づけし、測定条件ごとの電界強度波形を示す信号S11を記憶装置18内のデータベース181へ送信する。
駆動制御装置12は、光ケーブルで通信可能に測定台回転装置131及びアンテナ昇降装置132のそれぞれに接続されている。駆動制御装置12は、測定条件設定部111から送信された信号S1に従い、測定台回転装置131及びアンテナ昇降装置132の動作を制御する。具体的には、駆動制御装置12は、測定台回転装置131の動作を制御するための信号S4を測定台回転装置131へ送信する。信号S4は、測定台回転装置131の測定台の回転角度を指定する信号である。また、駆動制御装置12は、アンテナ昇降装置132の動作を制御するための信号S3をアンテナ昇降装置132へ送信する。信号S3は、測定アンテナ14の高さを指定する信号である。
測定台回転装置131は、被測定体を支持する測定台と、測定台を回転移動させるアクチュエータとを有する。測定台回転装置131は、駆動制御装置12からの信号S4により指定される回転角度に応じて測定台を回転移動させる。一例として、測定台回転装置131は、0.3rpm~3.0rpmの速度で測定台を回転する。被測定体は、測定台の回転移動に伴い回転する。測定台回転装置131は、被測定体が設置される支持台を回転させる支持台駆動装置の一例である。
アンテナ昇降装置132は、測定アンテナ14を支持する支持部と、支持部を高さ方向に移動させるアクチュエータとを有する。アンテナ昇降装置132は、駆動制御装置12からの信号S3により指定される高さに応じて測定アンテナ14を昇降させる。なお、アンテナ昇降装置132は、駆動制御装置12からの向きを指定する信号S3に応じて測定アンテナ14を回転移動させて向きを変更するように構成されていてもよい。あるいは、アンテナ昇降装置132は、駆動制御装置12からの向きの変更を指定する信号S3に応じて測定アンテナ14の固定を解除し、測定アンテナ14を着脱可能な状態に遷移させるように構成されていてもよい。アンテナ昇降装置132は、測定アンテナ14の高さ及び偏波を変更するアンテナ駆動装置の一例である。
測定アンテナ14は、被測定回路基板2からの遠方界輻射による電界強度を計測するように構成されている。換言すれば、測定アンテナ14は、被測定回路基板2からの輻射波に起因する輻射ノイズの電界強度を測定する。一例として、測定アンテナ14は、周波数30MHz~1000MHzの範囲を受信できるバイログアンテナである。測定アンテナ14は、測定した電界強度の時系列に応じた信号S5をアンプ15に供給する。
アンプ15は、微小ノイズを観測するために設けられ、測定アンテナ14からの電界強度に応じた信号S5を増幅する信号増幅器である。アンプ15は、増幅された電界強度波形を示す信号S6をオシロスコープ16のチャネルch2に供給する。
オシロスコープ16は、実施形態に係る測定処理を実現するためのプログラムを実行することにより、図1に示すように、トリガ検出部161及び波形取得部162としての機能を実現する。
オシロスコープ16は、RF-光コンバータ172により変換されたRF(Radio Frequency)信号の信号波形に基づいて基準トリガ波形を検出する。オシロスコープ16は、2つのチャネルch1,ch2を有する。チャネルch1には、RF-光コンバータ172により変換された基準プローブ171からのRF信号S8が入力される。入力されたRF信号S8は、トリガ検出部161によりトリガ波形として検出される。チャネルch2には、アンプ15で増幅された測定アンテナ14からの信号S6が入力される。入力された信号S6は、波形取得部162により電界強度波形として検出される。
トリガ検出部161は、被測定回路基板2からのクロック信号などの基準信号の信号波形、すなわち基準波形に基づいてトリガを検出する。具体的には、トリガ検出部161は、基準プローブ171により測定された被測定回路基板2の基準波形に応じたRF信号S8の立ち上がり及び/又は立ち下りのタイミングでトリガを取得する。取得されたトリガ波形は、波形取得部162で検出される波形の同期をとるためのトリガとなる。被測定回路基板2が上述の電源回路である場合、トリガ検出部161は、ドライブ回路のパワー半導体側の出力端で測定される電圧の電圧波形に基づいて、パワー半導体デバイスのスイッチング動作に伴いトリガを検出する。
波形取得部162は、トリガ検出部161により取得されるトリガに同期して、測定条件設定部111により設定された測定時間を用いて、測定条件ごとの測定アンテナ14からの電界強度波形を取得する。換言すれば、波形取得部162は、測定アンテナ14の高さ、測定アンテナ14の向き及び被測定回路基板2の回転角度ごとに、トリガ検出部161により検出されたトリガに同期して、測定時間での被測定回路基板2からの電界強度の時系列データを測定する。また、波形取得部162は、測定結果、すなわちトリガに同期した電界強度を示す信号S10を逐次、測定制御装置11に出力する。
基準プローブ171は、被測定回路基板2の基準信号の信号波形に応じた光信号を出力するように構成されている。基準プローブ171は、被測定回路基板2の近傍に設けられ、被測定回路基板2のスイッチング動作を制御する基準信号に応じた電界を測定する光電圧プローブである。基準プローブ171は、ノイズ測定に影響を与えない為に非導電体により形成されることが好ましい。一例として、基準プローブ171は、光電界センサを有し、電気光学効果を利用して電界を計測する電界プローブである。基準プローブ171は、測定した電界に応じた光信号7をRF-光コンバータ172に供給する。被測定回路基板2が上述の電源回路である場合、基準プローブ171は、ドライブ回路のパワー半導体側の出力端の近傍に設けられる。ここで、ドライブ回路のパワー半導体側の出力端は、図2に示す例では、制御IC27のスイッチング部分である。
RF-光コンバータ172は、光ケーブルで通信可能に基準プローブ171に接続されている。RF-光コンバータ172は、基準プローブ171からの光信号をRF信号に変換するコンバータである。具体的には、RF-光コンバータ172は、基準プローブ171から光ファイバを介して供給された光信号S7をRF信号S8に変換し、変換されたRF信号S8をオシロスコープ16のチャネルch1に供給する。
なお、実施形態に係る測定システム1は、図1に示すように、測定部10としての機能を有すると表現することもできる。ここで、測定部10は、図1に示すように、測定制御装置11の測定条件設定部111、測定制御装置11のデータ結合部112及びオシロスコープ16の波形取得部162を含む。なお、測定部10には、駆動制御装置12、測定台回転装置131、アンテナ昇降装置132、測定アンテナ14及びアンプ15が含まれていても構わない。
なお、実施形態に係る測定システム1においては、図1に示すように、トリガ検出部161を実現するオシロスコープ16、基準プローブ171及びRF-光コンバータ172の組合せを、トリガ検出部20と表現することもできる。
記憶装置18は、データベース181を記憶する。データベース181には、データ結合部112から出力された、複数の測定条件それぞれに紐づけされた電界強度の時系列データが格納される。記憶装置18としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等の各種の記憶媒体が利用可能である。
表示制御装置19は、測定システム1における電界強度分布の表示を制御する装置である。表示制御装置19としては、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC等の情報処理装置が適宜利用可能である。
表示制御装置19は、実施形態に係る表示処理を実現するためのプログラムを実行することにより、図1に示すように、表示条件設定部191、演算部192及び表示部193としての機能を実現する。
表示条件設定部191は、例えばユーザの入力に応じて、指定区間、抽出波形の繰り返し数及び指定周波数を含む表示条件を設定する。ここで、指定区間は、測定時間の時間幅より短い時間幅の区間である。また、表示条件設定部191は、表示条件のうちの少なくとも1つの条件を、例えば電界強度分布を示す電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンの表示後の時点において、再設定することができる。
演算部192は、記憶装置18のデータベース181に格納された複数の測定条件の電界強度の時系列データを示す信号S12に基づいて、表示条件設定部191により設定された表示条件での電界強度分布を示す電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンを表示部193に出力する。なお、演算部192は、電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンを示す信号S12を記憶装置18に出力してもよい。
また、演算部192は、表示条件設定部191により表示条件が再設定されたとき、再設定された表示条件での電界強度分布を示す電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンを再出力する。
表示部193は、演算部192により出力された電界強度分布を示す電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンを表示する。
なお、演算部192を実現する表示制御装置19を演算部と表現しても構わない。同様に、表示部193を実現する表示制御装置19と、後述の表示I/F106と、後述のディスプレイ107との組合せを表示部と表現しても構わない。
なお、測定制御装置11及び表示制御装置19は、一体に構成されていてもよい。つまり、後述の情報処理装置100は、測定制御装置11としての機能と、表示制御装置19としての機能とを実現するように構成されていてもよい。
以下、図3~図16を参照して、本実施形態に係る測定システム1の動作の一例について説明する。
実施形態に係る測定システム1は、例えばスイッチング周波数300kHz~30MHzの被測定回路基板2としてのDCDC電源基板に対してスイッチング周波数の立ち上がり、立ち下がりノイズを分けた状態で周波数範囲30MHz~1GHzの遠方界輻射の測定が可能に構成されている。ここでは、一例として、750kHzでスイッチング動作する被測定回路基板2としてのDCDC電源基板に対して、周波数30~1000MHzの周波数範囲で遠方界輻射の測定を行う場合を説明する。
図3は、実施形態に係る測定システムにおいて実行される測定処理の一例を示すフローチャートである。図4は、実施形態に係る測定処理において、基準プローブ171により被測定回路基板2としてのDCDC電源基板を測定した際に得られる基準トリガ波形の一例を示す図である。図5は、実施形態に係る測定処理において、基準トリガ波形でトリガをかけて測定アンテナ14により被測定回路基板2としてのDCDC電源回路基板を測定した際に得られる輻射ノイズの電界強度波形の一例を示す図である。図4及び図5に示すグラフにおいて、縦軸は強度(Level)[V]を示し、横軸は時間(Time)[μsec]を示す。
図3の流れは、被測定回路基板2が測定台回転装置131の測定台上に設置され、かつ、動作している状態で開始される。また、基準プローブ171は、基準となるスイッチング波形が取得できる場所に配置され、基準波形として、クロック信号のクロック波形を測定可能であるとする。
トリガ検出部161は、一周期以上の基準波形を取得(S101)し、測定条件設定部111により指示された条件下で基準波形の一周期以上の測定時間を設定(S102)する。具体的には、トリガ検出部161は、オシロスコープ16のチャネルch1によりクロック信号の立ち上がり又は立ち下りのタイミングでトリガを取り、図4に示すような基準波形としてのクロック波形を一周期以上含む時間で測定時間を設定する。
測定条件設定部111は、測定台回転装置131の回転を開始するよう測定台回転装置131に指示する(S103)。また、測定条件設定部111は、オシロスコープ16のトリガ検出部161に対してしきい値等のトリガ条件を設定し、波形取得部162に対して、測定時間等を設定する。オシロスコープ16のチャネルch2において、トリガ検出部161により設定されたトリガで測定アンテナ14からの電界強度の電圧波形をホールドし、図5に示すような測定時間での遠方界輻射の電圧波形の時系列を取得する(S104)。
波形取得部162は、取得された遠方界輻射の時系列データをデータ結合部112に送信する。このとき、データ結合部112は、駆動制御装置12から現在の回転角度、すなわち被測定体からの輻射ノイズの放射角度と、測定アンテナ14の高さと、測定アンテナ14の向きとを含む測定条件を取得する。これにより、データ結合部112は、放射角度ごとに、測定アンテナ14の高さ及び偏波に紐づけされた電界強度波形を、例えばファイル名(1m,H.csv)のデータとして生成することができる。データ結合部112は、各放射角度の電界強度波形を示す時系列データを記憶装置18のデータベース181の指定フォルダに保存する(S105)。
全角度の測定が完了していないとき(S106:No)、測定制御装置11は、オシロスコープ16に対して電圧波形のホールドを解除する命令を出し(S109)、駆動制御装置12に対して次の放射角度に、任意の角度ステップで測定台を回転移動する命令を出す(S103)。次の放射角度においても、上述したように電圧波形を取得し(S104)、取得された遠方界輻射の電圧波形の時系列データを順次、データベース181の指定フォルダに追記する(S105)流れが実行される。
全角度の測定が完了したとき(S106:Yes)、かつ、全高さの測定が完了していないとき(S107:No)、測定制御装置11は、オシロスコープ16に対して電圧波形のホールドを解除する命令を出し(S109)、駆動制御装置12に対して次のアンテナ高さに測定アンテナ14を昇降させる命令を出す。その後、昇降後のアンテナ高さについてのS103~S107,S109の各処理が実行される。
全角度及び全高さの測定が完了したとき(S107:Yes)、かつ、全偏波の測定が完了していないとき(S108:No)、測定制御装置11は、オシロスコープ16に対して電圧波形のホールドを解除する命令を出し(S109)、駆動制御装置12に対して測定アンテナ14の向きを変更させる命令を出す。なお、作業者が手作業で測定アンテナ14の向きを変更する構成においては、測定制御装置11は、駆動制御装置12に対して測定アンテナ14の着脱のロックを解除する命令を出してもよいし、表示部193に測定アンテナ14の向きを変更する旨の表示を行わせてもよい。その後、偏波切り替え後のアンテナ向きについてのS103~S109の各処理が実行される。
全角度、全高さ、全偏波の測定、すなわち測定アンテナ14の全測定位置における全放射角度についての測定が完了したとき(S108:Yes)、問題なく測定が終了した事を表示部193に表示させ、図3の流れは終了する。
図6は、実施形態に係る測定システム1において実行される表示処理の一例を示すフローチャートである。図8の流れは、図3の流れにより遠方界輻射の測定が完了した後に実行される。
演算部192は、測定アンテナ14の複数の測定位置のそれぞれに紐づけされた測定結果が格納されたデータベース181内のフォルダを指定する(S201)。データベース181内のフォルダには、複数の測定位置、すなわち複数のアンテナ高さ及び複数の偏波それぞれに紐づけされた測定データが格納されている。したがって、演算部192は、測定位置としてのアンテナ高さ及び偏波の指定により、任意の測定データをデータベース181から読み出すことができる。
表示条件設定部191は、例えばユーザの設定に応じて、指定区間、指定周波数及び抽出波形の繰り返し数を含む表示条件を指定する(S202)。具体的には、表示条件設定部191は、ユーザ入力に応じて、基準プローブ171で取得した基準波形を基に、抽出したい区間の始点時間と終点時間とを設定することにより、指定区間を指定する。図4に示す例では、区間A(0μsec~0.18μsec)と、区間B(0.6μsec~0.78μsec)とが、抽出する指定区間として設定されている。また、表示条件設定部191は、ユーザ入力に応じて、200MHzといったように、抽出したい電界強度スペクトラムの周波数を指定する。また、表示条件設定部191は、ユーザ入力に応じて、5回といったように、抽出波形の繰り返し数を指定する。なお、表示条件のうちユーザ入力がない条件については、例えば記憶装置18に予め格納された初期値が使用されてもよい。
ここで、抽出波形の繰り返しについて説明する。図7~図10は、それぞれ、実施形態に係る表示処理において周波数軸の電界強度へ変換される、時間軸の電界強度波形に対する処理について説明するための図である。図7及び図8に示すグラフにおいて、縦軸は強度(Level)[V]を示し、横軸は時間(Time)[μsec]を示す。図9及び図10に示すグラフにおいて、縦軸は強度(Level)[dBμV/m]を示し、横軸は周波数(Frequency)[MHz]を示す。
図7は、スイッチング周波数の高い被測定体に関する指定区間の抽出波形W1を例示する。スイッチングの立ち上がり時又は立ち下がり時を抽出する指定区間とする場合、スイッチング周波数の高い被測定体についての抽出波形W1は、図7に示すように、短い時間区間になる。
そこで、本実施形態に係る測定システム1において、表示条件設定部191は、抽出波形の繰り返し数を含む表示条件を指定するように構成されている。図8は、5回の繰り返し数が指定された場合に生成される繰り返し波形W2を例示する。演算部192は、指定された繰り返し数で、指定区間の抽出波形W1を時間方向に結合し、結合された指定区間の繰り返し波形W2に対するFFTにより電界強度分布を生成する。なお、繰り返し数は、処理時間と測定精度とのバランスに基づいて適宜設定されればよく、2以上、かつ、4未満、あるいは6以上の複数であっても構わない。換言すれば、結合された指定区間の繰り返し波形W2は、被測定回路基板2の基準信号の2周期以上の時間幅を有していればよい。
図9は、抽出波形W1をFFTにより変換した電界強度スペクトラムを例示する。図10は、抽出波形W1を繰り返して生成された繰り返し波形W2をFFTにより変換した電界強度スペクトラムを例示する。抽出波形W1をFFTにより変換した電界強度スペクトラムは、図9に示すように、測定点の不足により測定精度が低下している。一方、実施形態に係る測定システム1は、抽出波形W1を繰り返して生成された繰り返し波形W2をFFTにより変換することにより電界強度スペクトラムを得るように構成されている。繰り返し波形W2をFFTにより変換した電界強度スペクトラムは、図10に示すように、繰り返さない場合に比して測定点が疑似的に増加している。つまり、実施形態に係る測定システム1によれば、測定精度の低下を抑制することができる。
表示条件が設定された後、演算部192は、対象の回転角度、すなわち放射角度の測定データを呼び出す(S203)。具体的には、演算部192は、測定アンテナ14の各測定位置に紐づけされた複数の測定データを順番に呼び出す。また、演算部192は、呼び出した波形データの各々から、指定区間の電圧波形を抽出する(S204)。
図11は、図5の区間Aを抽出した電界強度波形の一例を示す図である。図12は、図5の区間Bを抽出した電界強度波形の一例を示す図である。図11及び図12に示すグラフにおいて、縦軸は強度(Level)[V]を示し、横軸は時間(Time)[μsec]を示す。例えば、演算部192は、区間Aが指定区間であるとき、図5に示す波形データから、図11に示すような区間Aの波形データを抽出する。例えば、演算部192は、区間Bが指定区間であるとき、図5に示す波形データから、図12に示すような区間Bの波形データを抽出する。
演算部192は、図7~図10を参照して上述したように、抽出された指定区間の電圧波形を、指定された繰り返し数まで繰り返すことにより、繰り返し波形を生成する(S205)。
演算部192は、生成された指定区間の繰り返し波形をFFT変換し、周波数軸の電界強度分布を生成する(S206)。
図13は、図11の区間Aに係る電界強度波形をFFTにより変換した電界強度スペクトラムの一例を示す図である。図14は、図12の区間Bに係る電界強度波形をFFTにより変換した電界強度スペクトラムの一例を示す図である。図13及び図14に示すグラフにおいて、縦軸は強度(Level)[dBμV/m]を示し、横軸は周波数(Frequency)[MHz]を示す。
例えば、演算部192は、区間Aが指定区間であるとき、図11に示す時間軸の電圧波形から、図13に示す電界強度スペクトラムを生成する。例えば、演算部192は、区間Bが指定区間であるとき、図12に示す時間軸の電圧波形から、図12に示す電界強度スペクトラムを生成する。
全角度の処理が完了していないとき(S207:No)、次の放射角度についてのS203~S207の処理が実行される。
一方で、全角度の処理が完了したとき(S207:Yes)、表示部193は、周波数電界強度スペクトラム及び/又は電界強度放射パターンを表示する(S208)。その後、図6の流れは終了する。
例えば、表示部193は、図13及び図14に示すように、指定区間に応じた電界強度スペクトラムと、S202の処理で指定された周波数の電界強度放射パターンとを含む表示画面を生成し、当該表示画面を表示する(S208)。
図15は、図13の区間Aに係る電界強度スペクトラムの指定周波数F1に対応する電界強度放射パターンの一例を示す図である。図16は、図14の区間Bに係る電界強度スペクトラムの指定周波数F2に対応する電界強度放射パターンの一例を示す図である。図15及び図16に示すグラフにおいて、径方向の軸は強度(Level)[dBμV/m]を示し、周方向の軸は放射角度[°]を示す。例えば、演算部192は、図13の区間Aに係る電界強度スペクトラムにおいて指定周波数F1が200MHzであるとき、図13に示す波形データから、図15に示すような区間Aの指定周波数F1に関する指向性パターンを生成する。例えば、演算部192は、図14の区間Aに係る電界強度スペクトラムにおいて指定周波数F2が200MHzであるとき、図14に示す波形データから、図16に示すような区間Aの指定周波数F2に関する指向性パターンを生成する。
なお、表示部193は、図13及び図14に例示する電界強度スペクトラムの表示画面において周波数が指定されたことに応じて電界強度放射パターンを含む表示画面を生成し、当該表示画面を表示するように構成されていてもよい。この場合、表示部193は、電界強度スペクトラムの表示画面に電界強度放射パターンの表示を追加してもよいし、電界強度スペクトラムの表示画面から電界強度放射パターンの表示画面に表示を遷移させてもよい。また、演算部192は、図13及び図14に例示する電界強度スペクトラムの表示画面において周波数が指定、あるいは変更されたことに応じて電界強度放射パターンを随時生成してもよい。
従来、電子機器などのノイズを評価する手法としては、当該電子機器などから放射される輻射波に起因する輻射ノイズ(Electromagnetic Interference:EMI)を測定する輻射測定が知られている。輻射測定では、例えば、広帯域にスペクトラムを測定可能なスペクトラムアナライザを使用して30-1000MHzの周波数帯域の各周波数に対して輻射波の電界強度が最大となる位置を探し出し、電界強度が最大となる位置において電界強度を測定し、測定で得られる電界強度が国際的に定められた規格の許容値以下であるか否かを確認することが行われている。
しかしながら、輻射波の電界強度の最大値を測定することを目的とする輻射測定においては、時間による電界強度の変動が観測しづらいという問題があった。例えば、周期的に電界強度が変動するDCDC電源におけるスイッチング波形の立ち上がり、あるいは立ち下がりといった所望のタイミングに同期して輻射波の電界強度を測定することは困難であった。
このような中、実施形態に係る測定システム1は、被測定回路基板2を回転させて放射角度ごとにデータを得る遠方界輻射の測定において、被測定回路基板2のスイッチング動作と、被測定回路基板2からの輻射ノイズの電界強度波形とを同期させるように構成されている。
一例として、トリガ検出部20は、被測定回路基板2におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出するように構成されている。
一例として、測定部10は、基準トリガ波形に基づいて基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、基準トリガ波形をトリガとして被測定回路基板2からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定するように構成されている。
一例として、表示制御装置19は、放射角度ごとの電界強度波形から、測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより指定区間の基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力するように構成されている。
この構成によれば、被測定回路基板2からの輻射ノイズを、スイッチング動作の立ち上がり時や立ち下がり時などの所望のタイミングのノイズに切り分けて評価することができる。従来、時間軸の電界強度分布を得るだけでは、被測定体の周期判別はできないという問題があった。このような中、本実施形態に係る測定システム1で得られる電界強度分布においては、例えば、図13~図16に示すように、区間Aの指定区間についての電界強度分布と、区間Bの指定区間についての電界強度分布とは異なっている。ここで、図4に示すように、区間Aは、スイッチング信号の立ち上がり時の区間である。また、区間Bは、スイッチング信号の立ち下がり時の区間である。つまり、実施形態に係る測定システム1によれば、異なる指定区間の電界強度分布の結果から、所望のタイミングに関する被測定回路基板2からの輻射ノイズを識別することができる。これにより、詳細なノイズ源の特定と輻射の放射状態の把握とが可能となる。
一例として、表示制御装置19は、指定された繰り返し数で、指定区間の抽出波形W1を時間方向に結合し、結合された指定区間の繰り返し波形W2に対するFFTにより電界強度分布を生成するように構成されている。
一例として、結合された指定区間の繰り返し波形W2は、被測定回路基板2の基準信号の2周期以上の時間幅を有する。
この構成によれば、図10に示すように、抽出波形W1を繰り返さない場合(図9参照)に比して測定点を疑似的に増加させることにより、測定精度の低下を抑制することができる。つまり、これにより、スイッチング周波数の高い被測定体についてスイッチングの立ち上がり時又は立ち下がり時に関する遠方界輻射の測定結果における精度低下を抑制することができる。
一例として、測定部10は、最大受信強度の放射角度の他の放射角度を含む、複数の放射角度の角度範囲で被測定回路基板2からの遠方界輻射による電界強度波形を測定するように構成されている。換言すれば、実施形態に係る測定システム1は、最大受信強度の放射角度だけでなく、測定周波数範囲の全放射角度について電界強度を測定するように構成されている。
一例として、演算部192は、指定区間などの表示条件のうちの少なくとも1つの条件を再設定し、再設定された表示条件についての基準トリガ波形に同期した電界強度分布をさらに出力するように構成されている。
この構成によれば、表示条件のうちの少なくとも1つの条件が再設定された場合であっても、測定処理を再実行することなく、再設定された表示条件に応じて図6の流れを実行することができる。つまり、実施形態に係る測定システム1によれば、測定回数を低減し、ヒューマンエラーなどによる反復性や再現性の低下を抑制することができる。また、図15及び図16に示すように、指定周波数についての電界強度放射パターンを生成及び表示することができる。したがって、実施形態に係る測定システム1によれば、立ち上がり時や立ち下がり時など、スイッチング動作におけるノイズ発生時点の切り分けを再測定なく行うことができる。
なお、上述の実施形態に係る測定システム1において、測定アンテナ14は、ホーンアンテナとすることもできる。このように、測定アンテナ14やアンプ15を適切に選定することにより、周波数30MHz~1000MHzの範囲に限らず、周波数1GHz以上の範囲について電界強度を測定することもできる。また、サンプリング周波数の高いオシロスコープ16を選定することにより、さらに高い周波数の範囲について電界強度を測定することもできる。この構成であっても上述の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上述の実施形態では、国際規格であるマルチメディア規格のCISPR32に準じた方法を例示しているが、これに限らない。実施形態に係る測定システム1は、他の測定規格に対して使用することもできる。実施形態に係る測定システム1は、例えば、車載機器を対象としたCISPR25規格に準拠した測定を実現することもできる。CISPR25規格は、測定周波数を150kHz~とし、測定台回転装置131を使用しない測定手法である。一例として、測定台回転装置131の測定台は、天板が接地され、かつ固定された測定台に置き換える。固定された測定台とは、放射角度を固定して測定することを意味する。また、測定アンテナ14としては、周波数150KHzから30MHzまではアクティブロッドアンテナを使用する。また、アンテナ昇降装置132は、測定アンテナ14の高さを移動させない。この構成であっても上述の実施形態と同様の効果が得られる。
ここで、上述の各実施形態に係る測定システム1の各装置のハードウェア構成について説明する。図17は、実施形態に係る測定システム1の各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。測定制御装置11、オシロスコープ16、記憶装置18及び表示制御装置19は、例えば、図17に示すようなハードウェア構成の情報処理装置100により実現される。
情報処理装置100は、例えば通常のコンピュータと同様のハードウェア構成を有する。すなわち、情報処理装置100は、プロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、記憶デバイス104と、ネットワークインタフェース(I/F)105とを備える。プロセッサ101と、ROM102と、RAM103と、記憶デバイス104と、ネットワークI/F105とは、バスを介して通信可能に接続されている。
プロセッサ101は、各装置それぞれの全体の動作を制御する。プロセッサ101としては、例えばCPU(Central Processing Unit)が利用されるが、GPU(Graphics Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサが利用されても構わない。
プロセッサ101は、記憶デバイス104に記憶されたプログラムをRAM103にロードして実行し、図1に例示する各部としての機能を実現する。ROM102には、オペレーティングシステムの起動用プログラムを記憶デバイス104からRAM103にロードするスタートプログラムなどが記憶されている。
記憶デバイス104としては、HDDやSSD、Flashメモリ等の各種の記憶媒体が利用可能である。記憶デバイス104は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムなどのプログラム、データ及び各処理で使用されるしきい値などのパラメータを記憶している。
ネットワークI/F105は、外部と通信するためのインタフェース回路である。ネットワークI/F105は、各装置の対応するBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(登録商標)、Sub-1GHz、IEEE802.15.4、LTE Cat-1等の各種の通信規格に対応した無線通信用の通信回路又は有線通信用の通信回路を含む。
測定制御装置11、オシロスコープ16及び表示制御装置19は、入出力I/F108と、入力デバイス109とをさらに備える。入力デバイス109は、入出力I/F108を介してプロセッサ101、ROM102、RAM103、記憶デバイス104及びネットワークI/F105と通信可能に接続されている。入出力I/F108は、プロセッサ101の制御に従って、入力デバイス109が取得した情報をバスに出力する。入出力I/F108としては、USB、GP-IB、Ethernet(登録商標)などの汎用I/Fや機械制御用の独自I/Fのバスが適宜利用可能である。測定制御装置11の入力デバイス109は、上述の駆動制御装置12及びオシロスコープ16を含む測定系である。また、測定制御装置11、オシロスコープ16及び表示制御装置19の入力デバイス109は、ユーザ操作を受け付ける操作部を含む。操作部としては、キーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、レバー、スイッチなどの各種の入力装置が適宜利用可能である。
表示制御装置19は、表示I/F106と、ディスプレイ107とをさらに備える。表示I/F106は、バスを介してプロセッサ101、ROM102、RAM103、記憶デバイス104、ネットワークI/F105及び入出力I/F108と通信可能に接続されている。表示I/F106は、プロセッサ101の制御に従ってディスプレイ107に画像信号を供給する。ディスプレイ107は、供給された画像信号に応じて情報(表示画面510,520)を表示する、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置である。
なお、実施形態に係る測定制御装置11、オシロスコープ16、記憶装置18及び表示制御装置19のうちの少なくとも2つの装置は、1つの装置として構成されていても構わない。換言すれば、実施形態に係る評価装置としての測定システム1は、1つの装置により構成されていてもよいし、複数の装置を含むシステムとして構成されていても構わない。
なお、実施形態に係る測定制御装置11、オシロスコープ16、記憶装置18及び表示制御装置19は、例えばインターネットなどのネットワークにそれぞれ接続され、当該ネットワークを介して互いに接続されていてもよい。
実施形態に係る情報処理装置100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD、Flashメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施形態に係る情報処理装置100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態に係る情報処理装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。また、実施形態に係るプログラムを、ROM102等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
なお、情報処理装置100を測定制御装置11として機能させるためのプログラムは、測定条件設定部111及びデータ結合部112を含むモジュール構成となっている。また、情報処理装置100をオシロスコープ16として機能させるためのプログラムは、トリガ検出部161及び波形取得部162を含むモジュール構成となっている。また、情報処理装置100を表示制御装置19として機能させるためのプログラムは、表示条件設定部191、演算部192及び表示部193を含むモジュール構成となっている。これらプログラムは、実施形態に係るプログラムの一例である。
情報処理装置100は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ101が記憶デバイス104などの記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM103)上にロードされる。これにより、測定制御装置11のプロセッサ101は、測定条件設定部111及びデータ結合部112として機能する。また、オシロスコープ16のプロセッサ101は、トリガ検出部161及び波形取得部162として機能する。また、表示制御装置19のプロセッサ101は、表示条件設定部191、演算部192及び表示部193として機能する。なお、情報処理装置100の機能構成の一部又は全部がハードウェアにより実現されていてもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、所望のタイミングに関する輻射ノイズを識別することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 測定システム
10 測定部
100 情報処理装置
101 プロセッサ
102 ROM
103 RAM
104 記憶デバイス
105 ネットワークI/F
108 入出力I/F
109 入力デバイス
106 表示I/F
107 ディスプレイ
11 測定制御装置
111 測定条件設定部
112 データ結合部
12 駆動制御装置
131 測定台回転装置
132 アンテナ昇降装置
14 測定アンテナ
15 アンプ
16 オシロスコープ
161 トリガ検出部
162 波形取得部
171 基準プローブ
172 RF-光コンバータ
18 記憶装置
181 データベース
19 表示制御装置
191 表示条件設定部
192 演算部
193 表示部
2 被測定回路基板

Claims (10)

  1. 被測定体におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出するトリガ検出部と、
    前記基準トリガ波形に基づいて前記基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、前記基準トリガ波形をトリガとして前記被測定体からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定する測定部と、
    前記放射角度ごとの電界強度波形から、前記測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、前記指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより前記指定区間の前記基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力する演算部と
    を備える評価装置。
  2. 前記演算部は、指定された繰り返し数で前記指定区間の電界強度波形を時間方向に結合し、結合された前記指定区間の電界強度波形に対するFFTにより前記電界強度分布を生成する、請求項1に記載の評価装置。
  3. 結合された前記指定区間の電界強度波形は、前記基準信号の2周期以上の時間幅を有する、請求項2に記載の評価装置。
  4. 前記測定部は、最大受信強度の放射角度の他の放射角度を含む、複数の放射角度の角度範囲で前記被測定体からの遠方界輻射による電界強度波形を測定する、請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の評価装置。
  5. 前記トリガ検出部は、
    前記基準信号の信号波形に応じた光信号を出力する基準プローブと、
    光ケーブルで通信可能に前記基準プローブに接続され、前記基準プローブからの光信号をRF信号に変換するコンバータと、
    変換された前記RF信号の信号波形に基づいて前記基準トリガ波形を検出するオシロスコープと
    を有する、請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の評価装置。
  6. 前記測定部は、
    前記被測定体からの遠方界輻射による電界強度を計測する測定アンテナと、
    前記測定アンテナの高さ及び偏波を変更するアンテナ駆動装置と、
    前記被測定体が設置される支持台を回転させる支持台駆動装置と、
    光ケーブルで通信可能に前記アンテナ駆動装置及び前記支持台駆動装置のそれぞれに接続され、前記アンテナ駆動装置及び前記支持台駆動装置の動作を制御する駆動制御装置と
    を有する、請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の評価装置。
  7. 前記電界強度分布は、電界強度スペクトラム及び電界強度放射パターンの少なくとも一方である、請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の評価装置。
  8. 前記演算部は、前記指定区間を再設定し、再設定された前記指定区間についての前記基準トリガ波形に同期した前記電界強度分布をさらに出力する、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の評価装置。
  9. 被測定体におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出することと、
    前記基準トリガ波形に基づいて前記基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、前記基準トリガ波形をトリガとして前記被測定体からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定することと、
    前記放射角度ごとの電界強度波形から、前記測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、前記指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより前記指定区間の前記基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力することと
    を含む評価方法。
  10. 被測定体におけるスイッチング動作の基準信号の信号波形に基づいて、基準トリガ波形を検出することと、
    前記基準トリガ波形に基づいて前記基準信号の1周期以上の時間幅を有する測定時間を設定し、前記基準トリガ波形をトリガとして前記被測定体からの遠方界輻射による放射角度ごとの電界強度波形を測定することと、
    前記放射角度ごとの電界強度波形から、前記測定時間の時間幅より短い時間幅で指定された指定区間の電界強度波形を抽出し、前記指定区間の電界強度波形に基づくFFTにより前記指定区間の前記基準トリガ波形に同期した電界強度分布を出力することと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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