JP2023125276A - 触覚提示装置及び触覚提示層 - Google Patents

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Akihito Nishiike
拓哉 柳沢
Takuya Yanagisawa
正啓 佐藤
Masahiro Sato
正樹 折橋
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Abstract

Figure 2023125276000001
【課題】ユーザに対して速やかに触覚を提示する触覚提示装置及び触覚提示層を提供する。
【解決手段】触覚提示装置の一部を構成する触覚提示モジュール3は、基材部5と、触覚提示層4と、を具備する。基材部5は、流体吸排気口53を有する。触覚提示層4は、基材部5との間に流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する。触覚提示層4は、触覚提示膜41と、壁状の基材固定部42と、を有する。触覚提示膜41は、流体の流出入により変形する。壁状の基材固定部42は、基材部5に固定され触覚提示膜41を囲む。空間への流体流入前後の基材固定部42の変形率は触覚提示膜41の変形率よりも低い。
【選択図】図7

Description

本技術は、ユーザに触覚を提示する触覚提示装置及び該触覚提示装置に用いられる触覚提示層に関する。
従来から、ユーザに対して触覚を提示する各種の触覚提示装置が知られている。
例えば、特許文献1には、基材と触覚面を備える触覚層とを備え、基材と触覚層との間の空洞に流体を移行させて触覚層を変形させることで、触覚を提示するユーザインターフェースが記載されている。
特表2015-520455号公報
このような触覚提示の分野において、ユーザに対して速やかに触覚を提示することが可能な技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、ユーザに対して速やかに触覚を提示することが可能な触覚提示装置及び触覚提示層を提供することにある。
本技術に係る触覚提示装置は、基材部と、触覚提示層と、を具備する。
上記基材部は、流体吸排気口を有する。
上記触覚提示層は、上記基材部との間に上記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する。
上記触覚提示層は、触覚提示膜と、壁状の基材固定部と、を有する。
上記触覚提示膜は、前記流体の流出入により変形する。
上記壁状の基材固定部は、上記基材部に固定され上記触覚提示膜を囲む。
上記空間への流体流入前後の上記基材固定部の変形率は上記触覚提示膜の変形率よりも低い。
このような構成によれば、触覚提示層が、流体の流出入によって相対的に変形しやすい触覚提示膜と変形しにくい壁状の基材固定部を有することで、触覚提示層は、主に触覚提示方向に変形し、触覚提示方向以外の方向に変形しにくくなっている。これにより、流体の流出入による空間の体積変動率を低く抑え、触覚提示方向への触覚提示を速やかに行うことができる。
上記空間は、上記基材部と、上記触覚提示膜と、上記基材固定部とにより形成されてもよい。
上記壁状の基材固定部の上記空間を形成する部位の厚みは、上記触覚提示膜の厚みよりも厚くてもよい。
上記触覚提示層は、一体成形により成形されてもよい。
これにより、触覚提示装置の気密性が向上し、より安定した速やかな触覚提示が可能となる。
上記壁状の基材固定部の内壁面と上記基材部とが接して上記基材部に上記触覚提示層が接着固定されてもよい。
これにより、基材固定部と基材部との接触面は、触覚提示方向と同じ方向成分を含むことになり、触覚提示装置の大きさに比して触覚提示膜の面積を広くとることが可能となる。
上記壁状の基材固定部の底面と上記基材部とが接して上記基材部に上記触覚提示層が接着固定されてもよい。
これにより、基材部と壁状の基材固定部との接着面積をより広くして接着強度を高めることができ、触覚提示装置の気密性が向上し、より安定した速やかな触覚提示が可能となる。
上記基材部は上記壁状の基材固定部との接触領域に孔を有し、上記基材部と上記壁状の基材固定部とは上記接触領域に配される接着剤により固定されてもよい。
これにより、孔に接着剤が入り込み、アンカー効果によって、基材部と壁状の基材固定部との接着強度をより高めることができ、触覚提示装置の気密性が向上し、より安定した速やかな触覚提示が可能となる。
上記基材部と上記触覚提示層とを有する触覚提示モジュールを保持する筐体を更に具備し、上記壁状の基材固定部は、その厚み方向外側に突出し、上記筐体と上記触覚提示モジュールとを位置決めする突起部を有してもよい。
このような構成によれば、壁状の基材固定部に設けられている突起部によって、筐体に対しての触覚提示モジュールの位置決めが容易となる。加えて、触覚提示装置の使用時、ユーザからの外力が触覚提示層に対して加わった場合、突起部の存在により筐体に対して触覚提示モジュールが過度に沈み込むということがなく、安定した触覚提示が可能となる。
上記触覚提示モジュールを複数具備し、上記筐体は複数の上記触覚提示モジュールを保持してもよい。
このような構成によれば、壁状の基材固定部に設けられている突起部によって、筐体に対する複数の触覚提示モジュールの位置決めが容易となる。これにより、複数の触覚提示モジュールは、互いが所望の位置関係となるように配置されるので、複数の触覚提示モジュールを用いて所望の触覚提示を行うことができる。
上記壁状の基材固定部と上記基材部とはネジ構造によって嵌合されてもよい。
本技術に係る触覚提示層は、流体吸排気口を有する基材部と、上記基材部との間に上記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する触覚提示層と、を備える触覚提示装置に用いられる。
上記触覚提示層は、上記触覚提示装置に搭載されたときに、
上記流体の流出入により変形する触覚提示膜と、
上記基材部に固定される、上記触覚提示膜を囲む壁状の基材固定部と
を有し、
上記空間への流体流入前後の上記基材固定部の変形率が上記触覚提示膜の変形率よりも低い。
本技術の第1の実施形態に係る触覚提示装置の斜視図である。 上記触覚提示装置の筐体を外した状態の斜視図である。 上記触覚提示装置の内部制御構成を示す概略ブロック図である。 上記触覚提示装置をユーザが把持した状態を示す斜視図である。 上記触覚提示装置の使用例を説明する図である。 (A)は上記触覚提示装置の一部を構成する触覚提示モジュールの斜視図であり、(B)は図6(A)のVIB-VIB線で切断した概略断面図である。 上記触覚提示モジュールの分解斜視図である。 上記触覚提示モジュールの一部を構成する触覚提示層の断面図である。 上記触覚提示モジュールの周縁領域の部分断面図であり、(A)は図6(B)の破線の楕円IXで囲まれた領域であって基材部に孔が位置する部分に対応する概略断面図であり、(B)は基材部に孔が位置していない部分に対応する概略断面図である。 本技術の第2の実施形態にかかわる触覚提示装置の部分概略断面図である。 変形例の触覚提示モジュールの模式断面図であり、触覚提示モジュールを構成する触覚提示層と基材部との接触面の位置を説明する図である。 (A)~(E)は他の変形例の触覚提示モジュールの概略断面図であり、(F)は他の変形例の触覚提示装置の概略断面図である。 更に他の変形例の触覚提示層の部分概略断面図である。 本技術の第3の実施形態にかかわる触覚提示モジュールの嵌合状態を説明する概略断面図である。 触覚提示装置の適用例を説明する図である。 触覚提示装置の適用例を説明する図である。 触覚提示装置の適用例を説明する図である。 比較例としての触覚提示モジュールの概略断面図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、同様の構成については同様の符号を付し、既出の構成については説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
[触覚提示装置の概略全体構成]
図1は、本技術の第1実施形態に係る触覚提示装置1の斜視図である。
図2は、触覚提示装置1の筐体を外した状態の斜視図である。
図において、触覚提示装置1の高さ方向をZ軸とし、該Z軸に互いに直交する軸をx軸及びY軸とする。明細書において、高さ方向Zから触覚提示装置1をみた場合を平面視という。本実施形態の触覚提示装置1は平面視楕円形を有し、該楕円の長軸方向がX軸方向に対応し、短軸方向がY軸方向に対応する。
また、各構成要素において、触覚提示装置の使用時に、ユーザの肌に近い側を肌側又は上側、その反対の側を非肌側又は下側ということがある。
本実施形態の触覚提示装置では、触覚提示方向は、高さ方向Zにほぼ平行である。実施形態において、「高さ方向Z内側」とは、触覚提示方向とほぼ平行な方向に沿って触覚提示モジュールの外から内に向かう側(触覚提示膜から基材部に向かう側)を意味する。「高さ方向Z外側」とは、触覚提示方向とほぼ平行な方向に沿って触覚提示モジュールの内から外に向かう側(基材部から触覚提示膜に向かう側)を意味する。
触覚提示装置1は、手に把持可能な大きさ、形状で構成される。触覚提示装置1は、平面視が楕円形状で、高さ方向Zの中央部が膨らんだ曲面状の側面を有する形状に構成される。なお、本実施形態では、触覚提示装置1によってユーザの手に触覚を提示する例をあげて説明するが、触覚提示対象となる体の部位は手に限定されない。また、触覚提示装置の大きさや形状は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。他の例については後述する。
図1及び2に示すように、触覚提示装置1は、一対の触覚提示モジュール3と、一対の触覚提示モジュール3間に位置する制御モジュール6と、筐体2と、を備える。
触覚提示モジュール3は、後述するアクチュエータ9とともにユーザUに対して触覚を提示する提示部を構成する。
触覚提示モジュール3は、触覚提示層4と、基材部5と、を有する。
触覚提示層4と基材部5とは、流体が流出入可能な空間(後述する図6(B)における符号7)を形成する。触覚提示装置1では、流体の流出入によって空間7内の体積を変化させ触覚提示層4を変形させることで、ユーザUの肌に圧覚刺激といった触覚を提示する。
触覚提示モジュール3において、触覚提示層4は、基材部5を覆うように設けられる。
空間7に流体を流入することで、触覚提示層4は、主に高さ方向Z外側に向かって伸びるように膨張する。これにより、触覚提示層4に触れているユーザの身体部位(本実施形態では手)に対して圧覚が提示される。本明細書において、膨張時、触覚提示層4が膨張する方向を触覚提示方向ということがある。本実施形態の触覚提示装置1では、触覚提示方向は高さ方向Zに略平行である。
尚、触覚提示装置において、触覚提示方向は、触覚提示装置の高さ方向に必ずしも対応するわけではない。触覚提示モジュールの基材部の形状や触覚提示層の形状等によって、触覚提示方向が触覚提示装置の高さ方向に対応しない場合もあり、このような形態の触覚提示モジュールにおいても本技術を適用することができる。例えば、基材部が球面を有し、該球面を覆って触覚提示層が設けられる触覚提示モジュールでは、触覚提示方向は、球面に沿って放射状となる。
空間7に保持される流体は、例えば、空気、ヘリウムなどの気体であってもよいし、水や油などの液体であってもよい。なお、流体の種類については特に限定されず、各種の流体を用いることができる。
制御モジュール6には圧力センサ8が設けられる。圧力センサ8は、ユーザUの力を検出する検出部である。
筐体2は、制御モジュール6、2つの触覚提示モジュール3を保持する。
制御モジュール6、筐体2及び触覚提示モジュール3の詳細については後述する。
[触覚提示装置の制御構成]
図3は、触覚提示装置1の内部制御構成を示すブロック図である。
図3に示すように、触覚提示装置1は、圧力センサ8と、アクチュエータ9と、制御部15と、通信部18と、記憶部19と、を備える。
制御部15は、記憶部19に記憶された各種のプログラムに基づき種々の演算を実行し、触覚提示装置1の各部を統括的に制御する。
制御部15は、ハードウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せにより実現される。ハードウェアは、制御部15の一部又は全部として構成され、このハードウェアとしては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、あるいは、これらのうち2以上の組合せなどが挙げられる。
圧力センサ8は、ユーザUが触覚提示装置1を握ったときのユーザUの力を検出する検出部である。典型的には、圧力センサ8は、ユーザによる握った力を適切に検出可能な位置であれば、提示部となる触覚提示モジュール3と別の位置に設けられている限り、どのような位置に設けられていてもよいし、1つの触覚提示装置1に対して複数個分離して設けられていてもよい。
アクチュエータ9は、制御部15の制御により駆動されて、空間7に対する流体の流出入を制御する。
アクチュエータ9は、空間7及び流体供給源(図示せず)を繋ぐパイプ(図示せず)に対して取り付けられている。アクチュエータ9は、その駆動により、空間7に対する流体の流出入を制御する。アクチュエータ9は、例えば、ポンプ、ファン、ブロア、バルブ等の各種のアクチュエータにより構成されるが、どのような構成とされていてもよい。
流体供給源は、パイプを介して空間7に流体を供給可能とされる。流体供給源は、例えば、用いられる流体が空気の場合、エアコンプレッサなどの圧縮空気圧源であってもよい。また、用いられる流体が水などの液体である場合や、空気以外の特殊な気体(例えば、ヘリウムなど)である場合、流体を貯留可能なタンクなどであってもよい。
記憶部19は、制御部15の処理に必要な各種のプログラムや、各種のデータが記憶される不揮発性のメモリと、制御部15の作業領域として用いられる揮発性のメモリとを含む。なお、上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリなどの可搬性の記録媒体から読み取られてもよいし、ネットワーク上のサーバ装置等からダウンロードされてもよい。
通信部18は、有線又は無線により、他の触覚提示装置等の他の装置と通信可能に構成されている。触覚提示装置1は、他の装置との間で直接的に通信を行ってもよいし、ネットワーク上のサーバ装置等の他の装置を介して、他の装置との間で間接的に通信を行ってもよい。
[制御モジュールの構成]
図2に示すように、制御モジュール6は、高さ方向Zに離間して対向して位置する一対の触覚提示モジュール3の間に設けられる。
制御モジュール6は、空間7に対して流体を供給する流体供給源(図示せず)と、空間7への流体の流出入を制御する駆動部としてのアクチュエータ9と、空間7と流体供給源を繋ぐパイプ(図示せず)と、圧力センサ8と、を備える。
2つの触覚提示モジュール3における空間7への流体の流出入は、個別に制御されてもよいし、一括して制御されてもよい。より多彩な触覚を提示する観点からは、各触覚提示モジュール3を個別に制御することがより好ましい。
[筐体の構成]
触覚提示装置1において、ユーザUが触覚提示装置1を握ることにより、各触覚提示モジュール3には高さ方向Z内側に向かう外力が加わりやすい形状となっている。
筐体2は、制御モジュール6を囲むように額縁状に設けられ、制御モジュール6及び触覚提示モジュールの一部を外部から保護する。加えて、筐体2は、触覚提示装置1の組み立て時の触覚提示モジュール3と筐体2とを位置決めの機能を有するとともに、筐体2に対して高さ方向Z内側に向かう触覚提示モジュール3の過度な沈み込みを抑制する機能も有する。詳細については、後述する。
[触覚提示モジュールの構成]
図6(A)は、触覚提示装置1の一部を構成する触覚提示モジュール3の斜視図である。
図6(B)は、図6(A)のVIB-VIB線における概略断面図である。
図7は、触覚提示モジュール3の分解斜視図である。
図6及び図7に示すように、触覚提示モジュール3は、触覚提示層4と基材部5とを備える。
触覚提示層4と基材部5とは、流体が流出入可能な空間7を形成する。基材部5には、流体の流出入孔53が設けられており、該流出入孔53を介して空間7に流体が流出入する。
図4に示すように、使用時、触覚提示装置1はユーザUの片手に把持され、触覚提示装置1では、流体の流出入によって空間7内の体積を変化させて触覚提示層4を変形させることでユーザUの手に圧覚刺激を提示し得る。
詳細には、触覚提示層4は、空間7への流体の流入に応じて伸びることで、外側に向けて膨張(突出)することが可能とされている。この触覚提示層4の膨張により、ユーザの手に対して圧覚刺激がなされる。また、触覚提示層4は、空間7からの流体の流出に応じて縮むことで、外側へ向けて膨張した状態から収縮して元の状態へ戻ることが可能とされている。
このように、空間7への流体の流出入を制御することにより、ユーザUの触覚提示層4と接する肌に対して圧覚刺激を与え、圧迫感や硬軟感といった触覚を提示することができる。例えば、空間7内の圧力の調整により提示する硬さの調整が可能である。
図1、2及び6に示すように、触覚提示装置1は、対向し離間して位置する2つの触覚提示モジュール3を備える。触覚提示モジュール3において、空間7の一部を形成する基材部5はXY面に平行な平坦面を有し、該平坦面を覆うように触覚提示層4が設けられる。触覚提示装置1では、2つの触覚提示モジュール3での触覚提示方向が略180度異なるように構成される。尚、触覚提示装置に設けられる触覚提示モジュールの数および配置は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。
触覚提示層4の触覚提示に寄与する領域である触覚提示膜41(詳細については後述する)は、薄い膜状に構成されており、空間7への流体の流出入により変形可能に構成されている。
触覚提示層4に用いられる材料としては、伸縮性を考慮して典型的にはシリコンゴム、天然ゴムなどの各種のゴムが用いられる。なお、触覚提示層4は、流体の空間7への流出入に応じて変形可能(膨張及び収縮可能)であればよく、ゴム以外の弾性体材料により構成されていてもよい。
触覚提示装置の使用時、ユーザの肌に直接触れる触覚提示層4が弾性体で構成されることで、実際の人肌に触れているような感覚をユーザに提示しやすく、触覚提示装置は人と人とのコミュニケーションデバイスとして用いることに適している。
基材部5には、流体の流出入による空間7内の体積変化に応じて膨張、収縮しにくいABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)及びポリカーボネート樹脂等の樹脂素材や、A1050(アルミ)、C1020(無酸素銅)及びC1100(タフピッチ銅)等の金属といったリジット素材を用いることができる。尚、基材部5を、触覚提示層4と同様の素材の弾性体を用いて構成してもよく、この場合は、流体の流出入による空間7内の体積変化に応じて膨張、収縮しない厚みとなるように構成する。
(基材部の詳細)
図6、図7及び図9を用いて基材部5について説明する。
図9(A)及び(B)は、基材部5と触覚提示層4との接着固定状態を説明する触覚提示モジュール3の部分断面図である。図9(A)は図6(B)の破線の楕円IXで囲まれた領域の拡大図に対応する。図9(A)及び(B)はいずれも触覚提示モジュール3の周縁領域における部分拡大断面図であるが、図9(A)は、基材部5に設けられる後述する孔55が存在する領域の断面図であり、図9(B)は、該孔55が存在しない領域の断面図に対応する。
図6(B)及び図9それぞれの断面図において、基材部5を右上がり斜線で示す。
基材部5は、土台部51と、壁部52と、を有する。
土台部51は、平面視楕円形状を有する。土台部51は、壁部52により囲まれた領域に位置する内部領域510と、壁部52よりも外側に位置する額縁領域511と、を有する。
内部領域510及び額縁領域511はいずれもXY面に略平行な略平坦面となっている。内部領域510及び額縁領域511は同一のXY面上に位置してもよいし、異なったXY面上に位置してもよい。本実施形態では、図9に示すように、内部領域510の肌側面の高さ方向Zの位置は、額縁領域511の肌側面の高さ方向Zの位置よりも、高さ方向Z外側(図上、上方向)にあり、異なったXY面上に位置する。
図7及び図9(B)に示すように、土台部51の額縁領域511には、壁部52の外周に沿って間欠配置された複数の底部孔55bが設けられている。本実施形態では、該底部孔55bは、額縁領域511を高さ方向Zに貫通した貫通孔として設けられるが、貫通せず額縁領域511の肌側面から非肌側面に向かって凹陥した凹部であってもよい。
壁部52は、土台部51から高さ方向Z外側に向かって突出して設けられる。壁部52は、土台部51に対して略垂直に設けられる。
壁部52は、土台部51の周縁に沿って、該周縁よりもやや内側に位置して設けられる。これにより、基材部5の周縁領域には、壁部52から外側に向かって張り出した額縁領域511が設けられる。
壁部52は、内壁面521と、外壁面522と、上面54と、を有する。
図7及び図9(B)に示すように、壁部52には、壁部52の外周に沿って複数の間欠配置された壁孔55aが設けられている。本実施形態では、該壁孔55aは、壁部52をその厚み方向(高さ方向Zに垂直な方向)に貫通せず外壁面522から内壁面521に向かって凹陥した凹部として設けられるが、壁部52の厚み方向に貫通した貫通孔として構成されてもよい。
本実施形態では、図7及び図9(B)に示すように、壁孔55aと底面孔55bとは連なって孔55を構成する。
触覚提示モジュール3において、内部領域510の肌側面、壁部52の内壁面521及び壁部52の上面54は、空間7と接する面、すなわち空間7の形成に寄与する面である。
(触覚提示層の詳細)
図6及び8を用いて触覚提示層4について説明する。
図8は、触覚提示層4の断面図である。図6(B)、図8及び図9において、触覚提示層4を右下がり斜線で示す。
図6(A)及び図7に示すように、平面視で、触覚提示層4は楕円形状を有する。
図6及び8に示すように、触覚提示層4の外観形状は、中央部が高さ方向Zにやや盛り上がったドーム状を有する。
触覚提示層4は、肌側面(図8上、上側にある面)4aと非肌側面(図8上、下側にある面)4bとを有する。肌側面4aは、ユーザUの肌が直接接触し得る面である。非肌側面4bは、空間7と接する面である。
図8に示すように、触覚提示層4は、触覚提示膜41と、基材固定部42とを有する。
触覚提示膜41は相対的に肉薄に形成され、基材固定部42は肉厚に形成される。
壁状の基材固定部(以下、単に「基材固定部」ということがある)42は、触覚提示膜41の全周囲を囲むように位置する。
触覚提示膜41は、触覚提示モジュール3において、空間7への流体の流出入によって変形可能な薄い膜状に形成された領域であり、触覚提示に寄与する部位である。本実施形態では、触覚提示膜41は、平面視楕円形状を有し、全域にわたって均一な厚みで構成される。
触覚提示モジュール3では、略平坦な基材部5の土台部51及び壁部52を覆うように触覚提示層4が設けられる。
ここで、「触覚提示膜の厚み」とは、触覚提示膜41の非肌側面4bの曲面に沿った接平面と垂直な法線方向における寸法である。本実施形態の触覚提示モジュール3では、触覚提示膜41の肌側面4aは、中央部がXY平面にほぼ平行な略平坦面で、周囲部が曲率の低い緩やかな曲面で形成されており、触覚提示モジュール3の触覚提示方向は高さ方向Zに略平行となっている。
一方、基材固定部42は、空間7への流体の流出入によって変形しにくく構成され、触覚提示に寄与しない部位である。基材固定部42は、触覚提示膜41の全周囲を囲み、触覚提示膜41の周縁に沿って、触覚提示膜41から高さ方向Z内側に向かって突出した壁状に設けられる。
本実施形態では、基材固定部42の厚みは、触覚提示膜41の厚みよりも厚くなっている。基材固定部42は、平面視でその外形が略楕円状である。
壁状の基材固定部42は、内壁面421と外壁面422とを有する。本実施形態では、内壁面421は高さ方向Zに略平行な曲面となっており、基材部5の土台部51の内部領域510に対して略垂直な面となっている。
ここで、「基材固定部の厚み」とは、壁状の基材固定部42の、内壁面421の曲面に沿った接平面と垂直な法線方向における寸法に対応する。本実施形態では、基材固定部42の厚み方向は、触覚提示方向と略垂直な方向となっている。
基材固定部42の厚み方向は、膨張時、空間7内の流体が基材固定部42を押す方向にほぼ対応する。
図8を参照して、触覚提示層4の周縁領域において、基材固定部42と触覚提示膜41との境界43は、上記周縁領域を触覚提示層4の中央から周縁に向かう方向でみたときに、触覚提示層4の非肌側面4bの接平面の法線方向が、大きく転じる部位に対応する。
つまり、触覚提示モジュール3において、触覚提示膜41では上記法線方向が高さ方向Zと略平行であるのに対し、基材固定部42では上記法線方向が高さ方向Zに略垂直であり、境界43は上記法線方向が大きく転じる部位といえる。この法線方向が大きく転じる部位よりも内側が触覚提示膜41に対応し、外側が基材固定部42に対応する。そして、本技術では、基材固定部42の厚みは触覚提示膜41の厚みよりも厚くなっている。
尚、触覚提示膜が例えば凹凸を繰り返す波型形状である場合、触覚提示膜内においても上記法線方向が大きく転じる部位を有する構成となるが、触覚提示層の周縁領域において、触覚提示層の中央から周縁に向かう方向でみたときに、上記法線方向が大きく転じる部位が、基材固定部と触覚提示膜との境界に対応する。
図6(B)、図9(A)及び(B)に示すように、触覚提示モジュール3において、空間7は、内壁面421の一部、触覚提示膜41の非肌側面41b、基材部5の内部領域510の肌側面、壁部52の内壁面521、壁部52の上面54に囲まれて構成される。
触覚提示モジュール3において、図上、高さ方向Zに関し、基材部5の壁部52の上面54の位置は、触覚提示層4の触覚提示膜41と基材固定部42との境界43の位置よりも低い位置(高さ方向Z内側)にある。つまり、触覚提示層4の基材固定部42の内壁面421は、基材部5と接する領域と、基材部5とは接しておらず空間7と接する領域と、を有する。より詳細には、基材固定部42の、相対的に厚みが薄い第2領域14と、該第2領域14に連なった第1領域13の一部(図上、第1領域13の下側の部位)に対応する内壁面421は、基材部5の壁部52の外壁面522と接して、基材部5と触覚提示層4とが接着接合される。そして、基材固定部42の第1領域13の他の部分(図上、第1領域13の上側の部位)に対応する内壁面421は、基材部5と接しておらず、空間7の一部を形成する。空間7の形成に寄与する基材固定部42の部位は、後述する突起部46が設けられ、厚みが厚くなっている。
図9(A)及び(B)に示すように、基材固定部42は、厚み寸法が相対的に厚い第1領域13と、相対的に薄い第2領域14と、を有する。
基材固定部42において、第1領域13は、高さ方向Zに垂直な方向外側に向かって突出した突起部46を構成する。
本実施形態では、基材固定部42は、高さ方向Zにわたって厚みが不均一となっている。触覚提示モジュール3において、空間7の形成に寄与する基材固定部42の部分(空間7と接する部分)の厚みは、触覚提示膜41の厚みよりも厚くなっている。なお、基材固定部42が、高さ方向Zにわたって厚みが均一であってもよい。
後述するように、筐体2と触覚提示モジュール3との位置決め、使用時における触覚提示モジュール3の過度な沈み込みを抑制する観点から、本実施形態のように、基材固定部42が突起部46を有し、くさび状の断面を有することが好ましい。
触覚提示層4は、一体成形により触覚提示膜41と基材固定部42とが連続した形態で作製される。一体成形とは、圧縮成形、モールド法、3Dプリンタによる造形法、又は射出成形法等の一体成形法により成形することを意味する。触覚提示層4を一体成形により成形することで、触覚提示モジュール3の気密性が向上し、より安定した速やかな触覚提示が可能となる。
触覚提示層4は、1種類の材料を用いて構成されてもよいし、複数種類の材料を用いて構成されてもよい。例えば触覚提示膜を2種類の材料を用いて構成する場合、半分の領域を一方の材料で構成し、もう半分の領域を他方の材料で構成することで、触覚提示膜の質感や膨張の度合いが面内で異なるように構成することができ、より多彩な触覚提示が可能となる。
また、触覚提示膜が複数の異なる硬度領域を有するように構成してもよく、より多彩な触覚提示が可能となる。複数の異なる硬度領域を有する構成は、例えば、硬度の異なる異種材料を用いる、あるいは、同一材料で膜厚を異ならせることで硬度を異ならせる、といった手法により実現できる。
(触覚提示膜と基材固定部の変形率)
触覚提示モジュール3において、空間7への流体流入前後の基材固定部42の変形率は、触覚提示膜41の変形率よりも低くなっている。
後述する流体流入前後の触覚提示膜41の変形率の算出において、触覚提示膜41の流体流入前後の変形率を、触覚提示層4の高さ方向Zの寸法a(図8参照)の変形率とする。触覚提示層4の高さ方向Zの寸法aは、触覚提示層4の高さ方向Zの最も内側(図上、下側)の部位と最も外側(図上、上側)の部位との高さ方向Zにおける距離である。
触覚提示膜41と基材固定部42の変形率の比較において、基材固定部42の変形率は、基材固定部42の空間7の形成に寄与する部位であって、基材固定部42の厚みが最も厚くなる部位における変形率を参照する。
後述する流体流入前後の基材固定部42の変形率の算出において、基材固定部42の流体流入前後の変形率を、触覚提示層4全体における基材固定部42の厚み方向の寸法の変形率とする。触覚提示層4全体における基材固定部42の厚み方向の寸法の変形率として、平面視楕円形状の基材固定部42の長軸寸法b(図8参照)の変形率を求める。尚、基材固定部42は、触覚提示層4の周縁領域の外形を形成しており、基材固定部42の長軸寸法は触覚提示層4の長軸寸法と一致する。
以下、流体流入前後の触覚提示膜41及び基材固定部42の変形率の算出方法について説明する。触覚提示膜41の変形率として触覚提示層4の高さ方向Zの寸法aの変形率を算出し、基材固定部42の変形率として触覚提示層4の長軸方向の寸法bの変形率を算出する例をあげる。
空間7への流体流入前後の触覚提示層4の変形率は、流体流入前の空間7内の圧力を1kPaとし、空間7の圧力が10kPaとなるまで流体を流入したときの、流体流入前後の触覚提示層4の高さ方向Zの寸法a及び長軸寸法bの変化をもとに算出する。空間7内の圧力の測定は、空間7内に配置した気圧センサを用いることができる。触覚提示層4の寸法は、流体流入前後それぞれで、触覚提示モジュール3を図6(B)のように横方向から撮像した画像に基づいて求めることができる。
本実施形態の触覚提示装置1の触覚提示モジュール3において、図8を参照して、流体流入前の触覚提示層4の高さ方向Zの寸法をaとし、流体流入後の寸法をa´とすると、触覚提示膜41の変形率は a´/a で算出することができる。
また、流体流入前の触覚提示層4の長軸寸法をbとし、流体流入後の長軸寸法をb´とすると、基材固定部42の変形率は b´/b で算出することができる。
本技術では、触覚提示装置1の触覚提示モジュール3において、長軸方向の変形率(b´/b、c´/c)は、触覚提示層4の高さ方向Zの変形率(a´/a)よりも低くなっている。
尚、ここでは、便宜的に、変形率比較対象として基材固定部42の長軸寸法bの変形率を例にあげたが、本技術において、触覚提示層4全体における基材固定部42の厚み方向の寸法の変形率は、基材固定部42全域にわたって触覚提示膜41の変形率よりも低くなっている。
つまり、触覚提示モジュール3の触覚提示層4は、触覚提示方向である高さ方向Zに伸びやすく、触覚提示方向以外の方向には伸縮しにくい、又は、伸縮しない構成となっている。
流体流出入前後での触覚提示膜41の触覚提示方向における変形率は、1.0より大きい数値となる。触覚提示対象となる体の部位によって触圧覚の閾値が異なるため、触覚提示膜41の触覚提示方向における変形率は、触覚提示対象となる体の部位によって適宜設定され得る。
触覚提示方向への効率的な触覚提示の観点から、触覚提示層4全体における基材固定部42の厚み方向の寸法の変形率(基材固定部の変形率)は、1.0、すなわち流体流出入によって変形しないことが好ましい。
本実施形態では、基材固定部42の厚みを触覚提示膜41の厚みよりも厚くすることで、流体流入前後の基材固定部の変形率を触覚提示膜の変形率よりも低くしている。
本実施形態では、触覚提示層4において、基材固定部42の厚み(高さ方向Zに垂直な方向における寸法)は、触覚提示膜41の厚みより厚くなっている。また、基材固定部42は、触覚提示膜41から高さ方向Z内側に向かって突出した壁状に設けられているので、基材固定部42の高さ方向Zの寸法は、触覚提示層4の厚み(高さ方向Zの寸法)よりも厚くなっている。
このように、触覚提示層4において、触覚提示膜41は相対的に肉薄に構成され、壁状の基材固定部42は肉厚に構成される。
このような構成とすることで、流体流出入前後での基材固定部42の変形率を触覚提示膜41の変形率よりも低くすることができる。これにより、触覚提示モジュール3において、触覚提示膜41では、流体の流出入に応じて触覚提示方向(本実施形態においては高さ方向Z)に伸縮するのに対し、基材固定部42は伸縮しない。
つまり、流体流入時、基材固定部42には、ユーザUに対して提示する触覚提示方向とは異なる方向(例えば触覚提示方向と略垂直な方向)で流体の力が加わるが、基材固定部42を肉厚に構成することで基材固定部42では膨張が抑制される。したがって、触覚提示層4において所望の触覚提示方向以外の方向への膨張が抑制されることになる。
以上のように、触覚提示装置1の触覚提示モジュール3では、流体の流出入による空間7の体積変動率を低くすることができ、触覚提示層4の伸縮速度を速くして速やかな触覚提示が可能となる。加えて、所望の触覚提示方向以外の方向への伸縮によるアクチュエータの電力ロスも抑制することができ、消費電力の低減を図ることができる。
ここで、図18を用いて、比較例の触覚提示モジュール103について説明する。
比較例の触覚提示モジュール103は、基材部105と弾性体からなる触覚提示層104を有し、基材部105と触覚提示層104とにより形成される空間107には流体が流出入されるように構成される。空間107に流体が流出入されることで、空間107の体積の変動に伴い触覚提示層104が変形し、ユーザに対して触覚を提示する。
触覚提示モジュール103では、触覚提示層104は全域にわたって均一な膜厚の薄い膜状となっている。触覚提示層104は、触覚提示膜141と、基材固定部142を有する。基材固定部142は触覚提示膜141の全周囲を囲むように位置する。基材固定部142は、基材部105に接着固定される。
図18に示すように、触覚提示モジュール103では、触覚提示層104が均一な膜厚で形成されているため、流体を流入し、触覚提示層104の触覚提示膜141を膨張させて高さ方向Zに触覚を提示する場合、触覚提示膜141の周縁領域では、触覚提示方向11とは異なる方向12にも触覚提示層104が伸びてしまう。このため、空間107内の体積変動率が高くなって流体による伸縮速度が遅くなり、触覚提示方向とは異なる方向への伸縮によるアクチュエータの電力ロスが発生しやすく、また、速やかな触覚提示が難しい。
これに対し、本実施形態の触覚提示モジュール3の触覚提示層4では、空間7への流体流入前後の基材固定部42の変形率を触覚提示膜41の変形率よりも低くなるように構成することで、触覚提示層4の伸縮速度を速くして速やかな触覚提示が可能となるとともに、所望の触覚提示方向以外の方向への伸縮によるアクチュエータの電力ロスも抑制することができる。
(基材部と触覚提示層の固定状態)
図6(B)、図9(A)及び(B)に示すように、触覚提示層4は、基材部5の壁部52を覆うように配置され、触覚提示層4と基材部5とは接着固定される。
より詳細には、基材部5の壁部の外壁面522と触覚提示層4の基材固定部42の内壁面421とが接し、基材部5の土台部51の額縁領域511と基材固定部42の底面423とが接して、基材部5と触覚提示層4は、互いに接する面(接触面)に塗工された図示しない接着剤により接着固定される。
図9(A)及び(B)において基材部5と触覚提示層4とが接する部分(接触面)を破線の楕円56で囲んで示している。尚、基材部5と触覚提示層4とが互いに接する接触面の全域にわたって接着剤が配されてもよいし、部分的に接着剤が配されてもよい。部分的に接着剤を塗工する際の接着剤の塗工パターンとして、接着剤が存在する塗工部と接着剤が存在しない非塗工部とが交互に位置するスパイラル状、ジグザグ状といった連続した塗工パターンを用いてもよい。また、接触面に周方向にわたって不連続に複数の接着剤が間欠配置される塗工パターンを用いてもよい。
本実施形態では、図9(A)及び(B)に示すように、基材部5の壁部52の外壁面522と触覚提示層4の基材固定部42の内壁面421とが接する接触面は、触覚提示方向(高さ方向Z)に沿った面となっている。
このような構成とすることで、触覚提示モジュール3全体の大きさに比して触覚提示膜41の範囲を広くすることができる。
ここで、図18に示す比較例の触覚提示モジュール103のように、触覚提示層104と基材部105との接着面が、触覚提示方向となる高さ方向Zと垂直な方向にある場合、触覚提示層104と基材部105との接着強度を高め、かつ、触覚提示モジュール103の気密性を高めようとすると、触覚提示層104と基材部105との接着面積を広くとる必要がある。この触覚提示層104と基材部105との接着面は、触覚提示方向と垂直な面に平行で、触覚提示に寄与しない領域であるため、触覚提示モジュール103全体の大きさに比して触覚提示が可能な範囲(触覚提示膜141)が狭くなってしまう。
これに対し、本実施形態の触覚提示装置1の触覚提示モジュール3では、基材部5と、触覚提示層4の壁状の基材固定部42の内壁面421とが接触して固定される構成とし、基材部5と触覚提示層4との接触面を触覚提示方向(高さ方向Z)に略平行にしている。このため、本実施形態の触覚提示モジュール3では、触覚提示モジュール3全体の大きさに比して触覚提示膜41の範囲が広くなるように構成することが可能となり、触覚提示が可能な有効面積を広くすることができる。言い換えると、触覚提示装置1の設計の自由度を広げることが可能となる。
更に、触覚提示モジュール3では、図9(A)及び(B)に示すように、高さ方向Zに略平行な接触面で外壁面522と内壁面421とが接しているのに加えて、高さ方向Zに略垂直な接触面で、基材部5の土台部51の額縁領域511と基材固定部42の底面423とが接している。
このように異なった方向の複数の接触面で基材部5と触覚提示層4とが接着固定されることで、基材部5と触覚提示層4との接着強度を向上させることができる。
また、上述しように、図7及び図9(A)に示すように、基材部5には、壁部52と土台部51の額縁領域511との境界付近に、壁部52の外周に沿って、間欠的に複数の孔55が設けられている。つまり、基材部5の壁部52の外壁面522と触覚提示層4の基材固定部42の内壁面421との接触領域に複数の孔が間欠的に位置する構成となっている。ここで、基材部と触覚提示層との「接触領域」には、基材部と触覚提示層とが接触する接触面と、基材部に孔が設けられることで基材部と触覚提示層とが接触しない非接触面と、が含まれる。
図9(A)を参照して、本実施形態では、基材部5の非肌側面側(図9(A)上、基材部5の下側)から孔55内に接着剤が塗工される。
このように、基材部5の触覚提示層4との接着領域に設けられた孔55に接着剤が塗工されることでアンカー効果が発揮され、基材部5と触覚提示層4との接着をより確実にすることができ、触覚提示モジュール3の気密性を向上することができる。
(触覚提示モジュールにおける基材部と触覚提示層との位置関係)
図6(B)、図9(A)及び(B)に示すように、触覚提示モジュール3において、図上、高さ方向Zに関し、基材部5の壁部52の上面54の位置は、触覚提示層4における触覚提示膜41と基材固定部42との境界43の位置よりも低い位置(高さ方向Z内側)にあることが好ましい。つまり、触覚提示モジュール3において、触覚提示層4の基材固定部42の内壁面421が、基材部5と接する領域と、基材部5とは接しておらず空間7と接する領域と、を有することが好ましい。
このような構成とすることで、触覚提示装置1によるユーザUへの触覚提示時に、リジットな基材部5と触覚提示対象となるユーザUの体の部位との距離をより広くとることができる。したがって、基材部5の質感がユーザUに伝わりにくくなり、使用違和感のない、より良好な触覚提示を行うことができる。
また、触覚提示層4において、触覚提示膜41は、相対的に肉薄であることで、肉厚な基材固定部42よりも剛性が低くなっている。このため、触覚提示層4の膨張時、互いに剛性が異なる触覚提示膜41と基材固定部42との境界43には、より応力が生じやすくなっている。本実施形態では、触覚提示膜41と基材固定部42との境界43よりも高さ方向Z内側に基材部5を位置させることで、境界43に基材部5が触れにくい構成とすることができる。これにより、触覚提示層4の膨張時、応力が生じやすい境界43に基材部5が触れて触覚提示層4が経時劣化しやすくなるといった事象の発生を抑制することができる。
(壁状の基材固定部の突起について)
上述したように、壁状の基材固定部42は、その厚み方向(高さ方向Zに垂直な方向)に突出する突起部46を有する。該突起部46は、筐体2と触覚提示モジュール3との位置決めに用いられる。また、突起部46は、触覚提示装置1の使用時、ユーザの把持によって触覚提示装置1に対し高さ方向Z内側に向かう外力が加わった際、触覚提示モジュール3が筐体2に対しての高さ方向Z内側への過度な沈み込みを抑制するストッパとしても機能する。突起部46と筐体2との関係については、第2実施形態で説明する。
(各構成の寸法例)
触覚提示モジュール3のサイズや形状、また、触覚提示モジュールに用いられる触覚提示層のサイズ、形状および厚み等は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。以下、具体的な数値をあげるが、これに限定されない。
一例として、本実施形態の手で把持して使用する触覚提示装置1では、触覚提示モジュール3は、長軸が64mm、短軸が34mmの平面視で略楕円状に形成される。
図8を参照し、本実施形態の触覚提示装置1の触覚提示モジュール3にかかわる寸法例を挙げる。
触覚提示モジュール3に用いられる触覚提示層4は、長軸の寸法bが53mm、短軸の寸法が37mmの平面視で略楕円形状を有する。触覚提示層4の高さ方向Zにおける寸法aは10.7mmである。
触覚提示層4の触覚提示膜41は、長軸の寸法dが46mm、短軸の寸法が30mmの平面視で略楕円形状を有する。触覚提示膜41の厚み寸法eは0.8mmである。
触覚提示層4の基材固定部42は、高さ方向における寸法fが5.5mmであり、最大厚みの寸法gが3.5mmである。
[触覚提示装置の適用例]
本実施形態の触覚提示装置1は、図4に示すように、ユーザUが片手に把持することが可能な程度の大きさを有する。
触覚提示装置1では、2つの触覚提示モジュール3によって、ユーザUの手に圧覚刺激を提示することが可能となっている。一方の触覚提示モジュール3は、ユーザUが触覚提示装置1を握ったときのユーザの指に対応する位置に設けられ、例えば人差し指、中指、薬指、小指の4本の指における、第1関節部付近に対応する位置に設けられている。他方の触覚提示モジュール3は、ユーザUが触覚提示装置1を握ったときのユーザの掌に対応する位置に設けられる。
また、本実施形態では、図2に示すように、触覚提示装置1は、検出部としてユーザUの力を検出する圧力センサ8を備えている。圧力センサ8は、例えばユーザUが触覚提示装置1を握ったときのユーザの指に対応する位置に設けられ、人差し指、中指の2本の指における、第3関節部付近に対応する位置に設けられている。
触覚提示装置1の具体的な適用例について説明する。
例えば、離れた場所に位置する複数のユーザが、触覚提示装置1を用いて、相互に触覚コミュニケーションを行うことができる。
図5(A)は、2人のユーザがそれぞれ離れた場所に位置しているような場合でも、相互に触覚コミュニケーションを可能とするための触覚提示システム100を説明する図である。
図5(B)は、2人のユーザが、触覚提示装置1を用いて触覚コミュニケーションを行っている様子を示す。
ここでは、2つの触覚提示装置1を特に区別するために、一方の触覚提示装置1を第1の触覚提示装置1aと呼び、他方の触覚提示装置1を第2の触覚提示装置1bと呼ぶ。また、2人のユーザをそれぞれ区別するために、第1の触覚提示装置1aを操作するユーザを第1のユーザU1と呼び、第2の触覚提示装置1bを操作するユーザを第2のユーザU2と呼ぶ。
また、第1の触覚提示装置1a及び第2の触覚提示装置1bにおいて、同様の構成を有する各部等をそれぞれ区別するために、第1の・・、第2の・・との用語を使用する。
図5(B)に示すように、第1のユーザU1と第2のユーザU2は、相手が映し出されているディスプレイ20を見ながら、それぞれが把持する第1の触覚提示装置1a及び第2の触覚提示装置1bを用いて触覚コミュニケーションを行うことができる。
尚、ここでは、触覚提示装置1の数が2つである場合について説明するが、触覚提示装置1の数については、3以上であってもよい。同様に、ユーザの数は、2人に限られず、3人以上であってもよい。また、ユーザの一部に架空の人物(画面上に表示される漫画の登場人物、バーチャルアイドル等)を含んでいてもよい。
(第1のユーザU1が第1の触覚提示装置1aを握った場合)
図5(A)及び(B)に示すように、第1のユーザU1が、第1の触覚提示装置1aを把持して、第1の触覚提示装置1aを握ると、第1の圧力センサ8によって、第1のユーザU1の握った力に応じた第1の圧力値が検出される。第1の制御部15は、検出された第1の圧力値を、直接的に、あるいは、サーバ装置等を介して間接的に第2の触覚提示装置1bへと送信する。
第2の触覚提示装置1bの第2の制御部15は、第1の触覚提示装置1aから直接的に、あるいは、サーバ装置等を介して間接的に第1の圧力値を受信する。
第2の制御部15は、第1の圧力値に応じて第2のアクチュエータ9を駆動させて、第2の空間7内における流体の流出入を制御する。これにより、第2の制御部15は、第2の触覚提示モジュール3の触覚提示層4を膨張及び収縮させることで、第1の圧力値に応じた圧覚を第2のユーザU2に提示する。これにより、第2の触覚提示装置1bは、触覚提示層の膨張により掌が押されるような感覚を第2のユーザU2に提示することができ、また、触覚提示層の収縮により押された掌が元に戻るような感覚を第2のユーザU2に提示することができる。
これにより、第2の触覚提示装置1bは、第1のユーザU1に手を握られたような感触を第2のユーザU2に提示することができる。
(第2のユーザU2が第2の触覚提示装置1bを握った場合)
第2のユーザU2が、第2の触覚提示装置1bを把持して、第2の触覚提示装置1bを握ると、第2の圧力センサ8によって、第2のユーザU2の握った力に応じた第2の圧力値が検出される。第2の制御部15は、検出された第2の圧力値を、直接的に、あるいは、サーバ装置等を介して間接的に第1の触覚提示装置1aへと送信する。
第1の触覚提示装置1aの第1の制御部15は、第2の触覚提示装置1bから直接的に、あるいは、サーバ装置等を介して間接的に第2の圧力値を受信する。
第1の制御部15は、第2の圧力値に応じて第1のアクチュエータ9を駆動させて、第1の空間7内における流体の流出入を制御する。これにより、第1の制御部15は、第1の触覚提示モジュール3の触覚提示層4を膨張及び収縮させることで、第2の圧力値に応じた圧覚を第1のユーザU1に提示する。第1の触覚提示装置1aは、触覚提示層の膨張により掌が押されるような感覚を第1のユーザU1に提示することができ、また、膨張膜の収縮により押された掌が元に戻るような感覚を第1のユーザU1に提示することができる。
これにより、第1の触覚提示装置1aは、第2のユーザU2に手を握られたような感触を第1のユーザU1に提示することができる。
触覚提示装置1は、検出部としてユーザUの手の肌の温度を検出する温度センサと、提示部として熱電変換素子を更に備えていてもよい。これにより、例えば、上記で図5を用いて説明した触覚提示装置1を用いた触覚コミュニケーションにおいて、触覚提示モジュール3による触覚提示に加え、熱電変換素子による温冷提示を行うことができ、より多彩な触覚をユーザUの肌に対して提示することができる。
熱電変換素子は、典型的にはペルチェ素子である。
熱電変換素子の放熱または吸熱による熱を用いて、ユーザに対して温冷覚刺激を与え、温感や冷感を提示することができる。熱電変換素子は、空間7内に位置するように設けられ、例えば、触覚提示層4の触覚提示層の非肌側面4b(空間に接する側の面)に接着して設けることができる。尚、流体として液体を用いる場合、該熱電変換素子に防水加工処理を施してもよい。
温度センサ及び熱電変換素子を更に加えた触覚提示装置の使用例について説明する。
例えば、二人のユーザ間での触覚コミュニケーションにおいて、一方のユーザが把持する触覚提示装置で、一方のユーザの触覚提示装置を握った力に応じた圧力値が検出されるのに加え、温度センサによって一方のユーザの手の肌の温度値が検出される。
検出された圧力値及び温度値は、他方のユーザの触覚提示装置に送信される。
他方のユーザの触覚提示装置では、受信した圧力値に基づいてアクチュエータを駆動させて触覚提示モジュールの空間内の流体の流出入が制御され、受信した温度値に基づいて熱電変換素子が温冷制御される。
これにより、他方のユーザの触覚提示装置では、一方のユーザによる手を握ったときの状態が再現されることになり、他方のユーザは一方のユーザに手を握られたような感触を得ることができる。
また、温度センサを用いることで、熱電変換素子の放熱及び吸熱による触覚提示層の温度範囲が所望の範囲となるように制御することができる。例えば、火傷の発生を防止するために40℃を超えて熱くなりすぎないようにする、20℃を下回って冷えすぎないようにする等、温度センサをリミッタとして用いることができ、使用時の安全性を高めることができる。
なお、触覚提示装置1における触覚提示モジュールの数や位置、圧力センサや温度センサといった検出部の数や位置等は、ここで記載する形態に限定されることなく、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。
また、触覚提示モジュール3の数は、触覚提示する体の部位によって適宜調整することができ、1以上であればよい。また、本実施形態では2つの触覚提示モジュール3は対向して位置し、各触覚提示モジュール3での触覚提示方向が略180度異なるように構成されるが、これに限定されない。触覚提示する体の部位や提示したい触覚の種類によって、複数の触覚提示モジュールそれぞれの触覚提示方向を同じ、又は、異なるように適宜構成することができる。
<第2実施形態>
図10を用いて、第2実施形態の触覚提示装置1Aについて説明する。図10は触覚提示装置1Aの概略断面図である。
第1実施形態の触覚提示装置1では、2つの触覚提示モジュール3が対向配置され、膨張時における各触覚提示方向が略180度異なる例をあげたが、これに限定されない。例えば、図10に示す触覚提示装置1Aのように、1つの触覚提示装置1Aに複数の触覚提示モジュール3が搭載される形態において、膨張時における触覚提示方向が同じとなるように複数の触覚提示モジュール3が配置されてもよい。第2実施形態の触覚提示装置1Aに搭載される触覚提示モジュール3は第1実施形態で説明した触覚提示モジュール3と同じ構成を有する。
図10に示すように、本実施形態の触覚提示装置1Aは、2つの触覚提示モジュール3と、触覚提示モジュール3を保持する筐体2Aと、を備える。
触覚提示モジュール3の触覚提示層4は、その周縁に位置する壁状の基材固定部42に、その厚み方向(高さ方向Zに垂直な方向)外側に向かって突出する突起部46を有する。壁状の基材固定部42は、高さ方向Zにおいて、その底面423に向かって(高さ方向Z内側に向かって)厚みが薄くなるくさび状となっている。突起部46は、筐体2Aと触覚提示モジュール3との位置決めに用いられる。
図8及び図10において、突起部46は、その第1領域13において、図上、上から下に向かって、壁状の基材固定部42の厚みが漸減する傾斜面45を有している。傾斜面45は、触覚提示方向に対して斜めに設けられる。一方、筐体2Aは傾斜面25を有し、触覚提示モジュール3としたときに、該傾斜面25と触覚提示層4の傾斜面45とが当接することで、触覚提示モジュール3と筐体2Aとが位置決めされる。尚、第1の実施形態の触覚提示装置1においても同様である。加えて、本実施形態の触覚提示装置1Aでは、筐体2Aに対して複数の触覚提示モジュール3それぞれが位置決めされることで、結果的に、2つの触覚提示モジュール3の高さ方向Zにおける位置関係も所望の位置関係となるように位置決めすることができる。
また触覚提示装置1Aに対し、高さ方向Z内側に向かう外力が加わった際、突起部46が触覚提示方向とは異なる方向の面(本実施形態における傾斜面45)を有することで、触覚提示モジュール3が筐体2Aに対して高さ方向Z内側へ過度に沈み込むことが抑制される。尚、第1の実施形態の触覚提示装置1においても同様である。
<触覚提示モジュールの変形例>
触覚提示モジュールの変形例について説明する。
以下に示す各変形例においても、上記実施形態の触覚提示モジュールと同様に、空間への流体流入前後の基材固定部の変形率は触覚提示膜の変形率よりも低くなっており、触覚提示方向への効率的な触覚提示が可能となっている。
上記実施形態では、ユーザの肌に対し触覚を提示する触覚提示層の平面形状(平面視での形状)が略楕円状である例をあげたが、これに限定されず、正円形状、多角形状等、任意の形状とすることができる。触覚提示層の平面形状は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。
図11(A)は上記実施形態の触覚提示モジュール3の模式断面図である。
図11(B)~(D)は、それぞれ、触覚提示モジュールの変形例である。
図11(A)~(D)において、基材部と触覚提示層との接触面を太字線で示し、符号10、10A~10Cを付している。また、図11(A)~(D)において、触覚提示膜を模式的に平坦形状に図示し、壁状の基材固定部の形状を簡略化して図示している。また、後述する図12(A)~(E)においても、壁状の基材固定部の形状を簡略化して図示している。
図11(A)に示すように、上記実施形態の触覚提示モジュール3では、触覚提示層4が基材部5を覆うように配置され、触覚提示層4は、壁状の基材固定部42の内壁面421及び底面423の異なる2つの接触面10で、基材部5と接して接着固定されるが、この形態に限定されない。
例えば、図11(B)に示す触覚提示モジュール3Bのように、触覚提示層4が基材部5Bを覆うように配置され、触覚提示層4と基材部5Bとは、壁状の基材固定部42の内壁面421と基材部5Bの側面52Bとで接して、つまり1つの接触面10Bで接着固定されていてもよい。触覚提示モジュール3Bでは、触覚提示層4と基材部5Bとの接触面10Bは、触覚提示方向(本実施形態では高さ方向Z)と略平行となっている。これにより、触覚提示モジュール3全体の大きさに比して触覚提示膜の範囲を広くし、触覚提示が可能な有効面積を広くすることができる。
また、例えば、図11(C)に示す触覚提示モジュール3Cのように、触覚提示層4と基材部5Cとが、壁状の基材固定部42の底面423と基材部5Bの表面(肌側面)51Cとで接して、つまり1つの接触面10Cで接着固定されていてもよい。触覚提示モジュール3Cでは、触覚提示層4と基材部5Cとの接触面10Cは、触覚提示方向と略垂直の方向の面となっている。
また、例えば、図11(D)に示す触覚提示モジュール3Dのように、触覚提示層4が基材部5Dの全周縁に沿って設けられた壁部52Dの内側に位置するように配置されてもよい。触覚提示モジュール3Dでは、触覚提示層4は、壁状の基材固定部42の外壁面422及び底面423の異なる2つの面で、基材部5と接して固定される。つまり、触覚提示層4と基材部5とは、異なる2つの接触面10Dで接着固定される。
図12(A)~(C)は、それぞれ、触覚提示モジュールの他の変形例である。
上記実施形態の触覚提示モジュール3では、触覚提示層4の触覚提示膜41が、触覚提示対象の体の部位の肌に向かって(高さ方向Z外側に向かって)凸となる膜形状を有していたが、これに限定されない。触覚提示膜の膜形状は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。触覚提示膜の膜形状を変えることによって、より多彩な触覚提示が可能となる。
例えば、図12(A)に示す触覚提示モジュール3Eのように、触覚提示膜41Eが高さ方向Z内側に向かってへこんだ凹形状であってもよい。
また、例えば、図12(B)に示す触覚提示モジュール3Fのように、触覚提示膜41Fが凹凸を有する形状であってもよい。
これまでの実施形態及び変形例では、触覚提示膜41が全域で膜厚が均一な膜状である例をあげたが、図12(C)に示す触覚提示モジュール3Gのように、触覚提示膜41Gが、その表面に規則的又は不規則的に複数の凸部が位置する、面内で膜厚が不均一な膜状であってもよい。
図12(D)及び(E)は、それぞれ、触覚提示モジュールのさらに他の変形例である。
上記実施形態の触覚提示モジュール3では、空間7を形成する基材部5の土台部51が平坦面である例をあげたが、これに限定されない。基材部の空間形成に寄与する面の形状は、触覚提示装置の用途、触覚提示対象部位によって適宜設定され得る。
例えば、図12(D)に示す触覚提示モジュール3Hのように、空間7Hの形成に寄与する基材部5Hの土台部51Hが肌に向かって(高さ方向Z外側に向かって)凸となる形状であってもよい。
また、例えば、図12(E)に示す触覚提示モジュール3Jのように、空間7Jの形成に寄与する基材部5Jの土台部51Jが高さ方向Z内側に向かってへこんだ凹形状であってもよい。
図12(F)は、変形例としての触覚提示装置1Kの概略断面図である。該触覚提示装置1Kは、触覚提示モジュール3Kと、触覚提示モジュール3Kを保持する筐体2Kとを備える。触覚提示モジュール3Kは、基材部5Kと、該基材部5Kとともに空間7Kを形成する触覚提示層4Kと、を有する。触覚提示層4Kは、触覚提示膜41Kと、壁状の基材固定部42Kとを有する。
図12(F)に示すように、触覚提示装置1Kが、触覚提示膜41Kと筐体2Kとの境界付近が連続した滑らかな表面を有するように構成してもよい。これにより、全体的に一体感のある外観を有する触覚提示装置1Kとすることができる。
図13(A)~(C)は、それぞれ、触覚提示モジュールの一部を構成する触覚提示層の他の変形例である。
上記実施形態の触覚提示モジュール3では、図8に示すように、触覚提示層4の壁状の基材固定部42に設けられる突起部46はやや丸みを帯びた形状を有していたが、これに限定されず、図13(A)に示す触覚提示層4Lのように、壁状の基材固定部42Lが鋭角に突出した突起部46Lを有していてもよい。
また、上記実施形態の触覚提示モジュール3では、図8に示すように、触覚提示層4の壁状の基材固定部42の内壁面421は、略平滑な面で構成されていたが、図13(B)に示す触覚提示層4M及び図13(C)に示す触覚提示層4Nのように、基材固定部42Mの内壁面421M及び基材固定部42Nの内壁面421Nが蛇腹状の凹凸面で構成されていてもよく、加えて、外壁面422M及び422Nも蛇腹状の凹凸面で構成されていてもよい。
<第3実施形態>
図14は、第3実施形態としての触覚提示モジュール3Pの概略断面図である。
上述の実施形態では、接着剤を用いて基材部と触覚提示層とを接着固定する例をあげたが、図14に示す本実施形態の触覚提示モジュール3Pに示すように、ネジ構造によって基材部5Pと触覚提示層4Pとが嵌合されて固定されてもよい。
図14に示すように、触覚提示モジュール3Pは、基材部5Pと、該基材部5Pとともに空間7Pを形成する触覚提示層4Pと、を有する。触覚提示層4Pは、触覚提示膜41Pと、壁状の基材固定部42Pと、を有する。
触覚提示層4Pの壁状の基材固定部42Pの内壁面421P及び基材部5Pの側面52Pは、それぞれ平面視で略正円状となっている。基材固定部42Pの内壁面421P及び基材部5Pの側面52Pにはネジ山が形成されており、それぞれのネジ山が螺合することで、触覚提示層4Pと基材部5Pとが固定される。
このように、ネジ構造によって触覚提示層と基材部とが固定されてもよい。ネジ構造によって固定することで、触覚提示モジュール形成後、仮に触覚提示層又は基材部に不具合が生じても、容易に触覚提示層と基材部とを分離することができる。これにより、部品交換が容易となるとともに、不具合のない方の触覚提示層又は基材部を再利用することができる。
<触覚提示装置の他の変形例>
図11(A)~(D)で示した基材部と触覚提示層との接触面の形態例、図8及び図12(A)~(C)で示した触覚提示膜の膜形状例、図12(D)及び(E)で示した基材部の土台部形状例、図12(F)で示した触覚提示装置における外観例、図13(A)~(C)で示した基材部の形状例、図14で示したねじ構造による嵌合例は、適宜組み合わせることができる。
また、上記実施形態の触覚提示装置では圧力センサを備える例をあげたが、圧力センサを備えていなくてもよい。
また、触覚提示装置の触覚提示モジュールにおいて、基材部と触覚提示層とにより形成される空間に気圧センサが配置されてもよい。気圧センサは空間内の圧力を測定する。
気圧センサでの測定結果は、触覚刺激の力制御に用いることができる。
また、気圧センサを用いることによって、流体流入時に触覚提示層が膨張しすぎて膜が破裂しないように、膨張の度合いを所望の範囲となるように制御することができる。このように、気圧センサをリミッタとして用いることができ、使用時の安全性を高めることができる。
また、触覚提示モジュールが、ペルチェ素子(熱電変換素子)といった機能素子を備えていてもよいことを上述したが、他の機能素子としてLED(lite-emitting diode)等を備えていてもよい。LEDは触覚提示モジュールの空間内に配置することができる。LEDを用いることで、触覚提示層の膨張時に発光させる等して、触覚提示に加え視覚提示を行うことができる
また、ユーザUの年齢によって、圧覚提示に対する感度が異なるため、使用時の初期設定で年齢を設定し、年齢に応じて圧迫の度合いを微調整するようにしてもよい。同様に、触覚提示装置に熱電変換素子を設ける場合では、ユーザUの年齢によって温冷提示に対する感度が異なるため、使用時の初期設定で年齢を設定し、年齢に応じて温冷の度合いを微調整するようにしてもよい。
<触覚提示装置の他の適用例>
上記実施形態であげた触覚提示装置の適用例では、例えば、孫が、遠隔地にいる祖父母と触覚提示装置を用いてコミュニケーションを深めたりすることができる。
他には、コンサート会場で、歌手などの講演者が触覚提示装置を握ることにより、その握った感触を複数の観客に対し観客が把持する触覚提示装置によって提示することができる。また、複数の観客が触覚提示装置を握ることにより、コンサート等の盛り上がり等を把握することができる。
また、有名人との握手会において、遠隔からでも触覚提示装置1を用いて握手をしたりすることができ、セキュリティの向上を図ることもできる。
このように、1つの触覚提示装置で検出された検出結果に基づいて、複数の人それぞれに対し、該人が把持する触覚提示装置を用いて触覚を同時に提示するということもできる。
また、本技術に係る触覚提示装置は、各種の用途に用いることができる。例えば、触覚提示装置が、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)装置等に用いられることで、仮想の物体に実際に触れたかのような触覚をユーザに提示することができる。
触覚提示装置は、例えば、ウェアラブル装置、入力装置、医療装置、シミュレート装置、娯楽機器等、典型的には、ユーザに触覚を提示する用途であればどのような用途にも用いることができる。
また、用途に応じて、触覚提示装置の形状を適宜設定することができる。以下、具体的な触覚提示装置の適用例及び形態例について図15~17を用いて説明するが、ここに記載されるものに限定されない。
図15(A)~(D)はそれぞれ把持型の触覚提示装置1Q~1Tである。
図15(A)の触覚提示装置1Qは、片手で把持するタイプであり、触覚提示モジュール3の触覚提示層4の平面形状が略矩形となっている。
図15(B)の触覚提示装置1Rは、球形を有し、その表面に沿って3つの触覚提示層4が露出した触覚提示モジュール3を有する。
図15(C)は、ハンドルに触覚提示モジュール3が設けられ、ハンドルが触覚提示装置1Sとしても機能する例を示す。触覚提示装置1Sでは、ユーザUが両手で把持する領域に触覚提示層4が露出するように触覚提示モジュール3が配置される。
図15(D)は、ゲームコントローラに触覚提示モジュール3が設けられ、ゲームコントローラが触覚提示装置1Tとしても機能する例を示す。触覚提示装置1Tでは、ユーザUが両手で把持する領域に、触覚提示層4が露出するように触覚提示モジュール3が配置される。ユーザUは、例えば、ゲームコントローラである触覚提示装置1Tを把持し、テレビジョン装置等のディスプレイを見ながらゲームを行うことができる。触覚提示装置1Tは、ディスプレイに映し出されるゲーム映像に応じた触覚をユーザUに提示する。これにより、臨場感あるゲームプレイが可能となる。
図16(A)~(C)はそれぞれ装着型の触覚提示装置1V~1Xである。
図16(A)の触覚提示装置1Vは、装着時、手の5本の指先に触覚を提示する。装着時、ユーザUの5本の指先それぞれに複数の触覚提示層4が接するように触覚提示モジュール3が配置される。
図16(B)の触覚提示装置1W及び1W´それぞれは、腕及び手首に触覚提示することが可能なリストバンド型の触覚提示装置である。触覚提示装置1W及び1W´は、装着時、腕及び手首に触覚提示層4が接するように触覚提示モジュール3が配置される。
図16(C)の触覚提示装置1Xは、ユーザの上半身に触覚提示する着衣が可能なベスト型の触覚提示装置である。触覚提示装置1Xは、装着時、上半身の肌に直接又は衣類を介して複数の触覚提示層4が接するように触覚提示モジュール3が配置される。
図17(A)及び(B)はそれぞれ設置型の触覚提示装置1Y~1Zである。
図17(A)の触覚提示装置1Yは、ディスプレイ21の近傍に設置される。触覚提示装置1Yは、手の形状に模して配置された触覚提示層4を有する触覚提示モジュール3を複数有する。触覚提示装置1Yでは、ディスプレイ21に映し出されるユーザU2の手の動きに基づいて触覚提示が実行される。ディスプレイ21をみているユーザU1は、触覚提示装置1Yに手を置くことで、ユーザU2の手の動きを感じることができる。
図17(B)は、ディスプレイ22とゲームコントローラ23を備えたゲーム台に触覚提示モジュール3が設けられる例であり、ゲーム台が触覚提示装置1Zとしても機能する例を示す。複数の触覚提示モジュール3は、ゲーム台に固定されているゲームコントローラ23の近傍に設置され、各触覚提示モジュール3の触覚提示層4は露出している。ユーザが、触覚提示層4に直接触れるように手を置くことによって、触覚提示装置1Zはユーザの手に対して触覚を提示することができる。
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1) 流体吸排気口を有する基材部と、
前記基材部との間に前記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する触覚提示層と
を具備し、
前記触覚提示層は、
前記流体の流出入により変形する触覚提示膜と、
前記基材部に固定され前記触覚提示膜を囲む壁状の基材固定部と
を有し、
前記空間への流体流入前後の前記基材固定部の変形率は前記触覚提示膜の変形率よりも低い
触覚提示装置。
(2) 上記(1)に記載の触覚提示装置であって、
前記空間は、前記基材部と、前記触覚提示膜と、前記基材固定部とにより形成される
触覚提示装置。
(3) 上記(2)に記載の触覚提示装置であって、
前記壁状の基材固定部の前記空間を形成する部位の厚みは、前記触覚提示膜の厚みよりも厚い
触覚提示装置。
(4) 上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の触覚提示装置であって、
前記触覚提示層は、一体成形により成形される
触覚提示装置。
(5) 上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の触覚提示装置であって、
前記壁状の基材固定部の内壁面と前記基材部とが接して前記基材部に前記触覚提示層が接着固定される
触覚提示装置。
(6) 上記(5)に記載の触覚提示装置であって、
前記壁状の基材固定部の底面と前記基材部とが接して前記基材部に前記触覚提示層が接着固定される
触覚提示装置。
(7) 上記(1)~(6)のうちいずれか1つに記載の触覚提示装置であって、
前記基材部は前記壁状の基材固定部との接触領域に孔を有し、前記基材部と前記壁状の基材固定部とは前記接触領域に配される接着剤により固定される
触覚提示装置。
触覚提示装置。
(8) 上記(1)~(7)のうちいずれか1つに記載の触覚提示装置であって、
前記基材部と前記触覚提示層とを有する触覚提示モジュールを保持する筐体を更に具備し、
前記壁状の基材固定部は、その厚み方向外側に突出し、前記筐体と前記触覚提示モジュールとを位置決めする突起部を有する
触覚提示装置。
(9) 上記(8)に記載の触覚提示装置であって、
前記触覚提示モジュールを複数具備し、
前記筐体は複数の前記触覚提示モジュールを保持する
触覚提示装置。
(10) 上記(1)~(4)のうちいずれか1つに記載の触覚提示装置であって、
前記壁状の基材固定部と前記基材部とはネジ構造によって嵌合される
触覚提示装置。
(11) 流体吸排気口を有する基材部と、前記基材部との間に前記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する触覚提示層と、を備える触覚提示装置に用いられる触覚提示層であって、
前記触覚提示層は、前記触覚提示装置に搭載されたときに、
前記流体の流出入により変形する触覚提示膜と、
前記基材部に固定される、前記触覚提示膜を囲む壁状の基材固定部と
を有し、
前記空間への流体流入前後の前記基材固定部の変形率が前記触覚提示膜の変形率よりも低い
触覚提示層。
1、1A、1Q~1T,1V~1Z、1W´…触覚提示装置
2、2A…筐体
3、3B~3H、3J、3K、3P、103…触覚提示モジュール
4、4E~4G、4K~4N、4P、104…触覚提示層
41、41E~41G、41K~41N、41P…触覚提示膜
42、42K~42N、42P…壁状の基材固定部
421、421M、421N、421P…内壁面
423…底面
46…突起部
5…基材部
53…流体吸排気口
U、U1、U2…ユーザ

Claims (11)

  1. 流体吸排気口を有する基材部と、
    前記基材部との間に前記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する触覚提示層と
    を具備し、
    前記触覚提示層は、
    前記流体の流出入により変形する触覚提示膜と、
    前記基材部に固定され前記触覚提示膜を囲む壁状の基材固定部と
    を有し、
    前記空間への流体流入前後の前記基材固定部の変形率は前記触覚提示膜の変形率よりも低い
    触覚提示装置。
  2. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記空間は、前記基材部と、前記触覚提示膜と、前記基材固定部とにより形成される
    触覚提示装置。
  3. 請求項2に記載の触覚提示装置であって、
    前記壁状の基材固定部の前記空間を形成する部位の厚みは、前記触覚提示膜の厚みよりも厚い
    触覚提示装置。
  4. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記触覚提示層は、一体成形により成形される
    触覚提示装置。
  5. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記壁状の基材固定部の内壁面と前記基材部とが接して前記基材部に前記触覚提示層が接着固定される
    触覚提示装置。
  6. 請求項5に記載の触覚提示装置であって、
    前記壁状の基材固定部の底面と前記基材部とが接して前記基材部に前記触覚提示層が接着固定される
    触覚提示装置。
  7. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記基材部は前記壁状の基材固定部との接触領域に孔を有し、前記基材部と前記壁状の基材固定部とは前記接触領域に配される接着剤により固定される
    触覚提示装置。
  8. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記基材部と前記触覚提示層とを有する触覚提示モジュールを保持する筐体を更に具備し、
    前記壁状の基材固定部は、その厚み方向外側に突出し、前記筐体と前記触覚提示モジュールとを位置決めする突起部を有する
    触覚提示装置。
  9. 請求項8に記載の触覚提示装置であって、
    前記触覚提示モジュールを複数具備し、
    前記筐体は複数の前記触覚提示モジュールを保持する
    触覚提示装置。
  10. 請求項1に記載の触覚提示装置であって、
    前記壁状の基材固定部と前記基材部とはネジ構造によって嵌合される
    触覚提示装置。
  11. 流体吸排気口を有する基材部と、前記基材部との間に前記流体吸排気口を介して流出入する流体を保持する空間を形成する触覚提示層と、を備える触覚提示装置に用いられる触覚提示層であって、
    前記触覚提示層は、前記触覚提示装置に搭載されたときに、
    前記流体の流出入により変形する触覚提示膜と、
    前記基材部に固定される、前記触覚提示膜を囲む壁状の基材固定部と
    を有し、
    前記空間への流体流入前後の前記基材固定部の変形率が前記触覚提示膜の変形率よりも低い
    触覚提示層。
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