JP2023125076A - 潅水システムおよび制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる潅水システムおよび制御装置を提供する。【解決手段】第1給水弁は、分配チューブ136の一方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する。第2給水弁は、分配チューブ136の他方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する。第1異常センサは分配チューブの一方端部側からの給水の異常状態を検出する。第2異常センサは分配チューブの他方端部側からの給水の異常状態を検出する。制御装置は、第1異常センサか第2異常センサによって異常状態が検出された場合に第1給水弁と第2給水弁のバルブ開度を制御する。制御装置は、異常状態が検出された側からの給水を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水を制御する給水弁を開放する。【選択図】図17

Description

この明細書における開示は、圃場への潅水の供給を制御する潅水システムおよび制御装置に関するものである。
特許文献1は、潅水システムを開示している。
特開2013-215115号公報
特許文献1は、流量センサが出力する流量信号が潅水正常時における所定流量に対して所定割合以上変動したときを異常として検出する。さらに検出した異常を所定の通報先へ通報する技術を開示している。特許文献1の潅水システムは、不具合が生じた場合にその不具合による悪影響を抑えて潅水を実施する復帰機能の点において十分ではなく、改善余地がある。
この明細書における開示の目的は、潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる潅水システムおよび制御装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された潅水システムの一つは、植物(30)を生育する圃場(20)に設けられて、圃場に潅水するための複数の貫通孔が形成された分配チューブ(136)と、分配チューブの一方端部から他方端部へ向けて流下する一方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する第1給水弁(141,143,145)と、分配チューブの他方端部から一方端部へ向けて流下する他方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する第2給水弁(160,162)と、一方端部側からの給水の異常状態を検出する第1異常センサ(142,144)と、他方端部側からの給水の異常状態を検出する第2異常センサ(161,163)と、第1異常センサまたは第2異常センサによって異常状態が検出された場合に第1給水弁と第2給水弁のバルブ開度を制御する制御装置(300)と、を備え、
制御装置は、第1給水弁と第2給水弁のうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する。
この潅水システムによれば、異常状態が検出された側からの給水を中止して不具合を解消し代わりに反対側からの給水の実施により、適切な潅水に復帰できる。したがって、この潅水システムは、潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる。
開示された制御装置の一つは、複数の貫通孔が形成された分配チューブ(136)の一方端部から他方端部へ向けて流下する一方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する第1給水弁(141,143,145)のバルブ開度と、分配チューブの他方端部から一方端部へ向けて流下する他方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する第2給水弁(160,162)のバルブ開度と、を制御する制御装置であって、
一方端部側からの給水の異常状態を検出可能な第1異常センサ(142,144)または他方端部側からの給水の異常状態を検出可能な第2異常センサ(161,163)によって検出されるセンサ値に基づいて、一方端部側からの給水または他方端部側からの給水において異常状態が発生していることを検出する演算部(334)と、
異常状態の発生が検出された場合に第1給水弁と第2給水弁のバルブ開度を制御する制御信号を出力する出力部(332)と、を備え、
出力部は、第1給水弁と第2給水弁のうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞しかつ異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する、制御信号を出力する。
この制御装置によれば、異常状態が検出された側からの給水を中止して不具合を解消し代わりに反対側からの給水の実施によって適切な潅水に復帰させることができる。したがって、この制御装置は、潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる。
圃場に設けられた第1実施形態の潅水システムを示す概念図である。 給水配管と配管モジュールを示す部分図である。 潅水システムの構成図である。 監視部を示すブロック図である。 無線信号を示す図である。 センサ処理を説明するためのフローチャートである。 更新処理を説明するためのフローチャートである。 監視処理を説明するためのフローチャートである。 給水処理を説明するためのフローチャートである。 潅水処理を説明するためのフローチャートである。 ユーザ更新処理を説明するためのフローチャートである。 強制更新処理を説明するためのフローチャートである。 給水弁として適用可能なバルブ装置を示す断面図である。 バルブ装置が備える駆動部の構成を示す図である。 バルブ装置が備えるバルブを示す斜視図である。 バルブ装置における回転角度と流量との関係を示す図である。 給水弁および異常センサの位置関係を示す図である。 制御装置、給水弁および異常センサの関係を示す構成図である。 異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。 異常が検出された箇所の一例を示す図である。 異常検出時の潅水復帰を説明するための図である。 異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る給水弁および異常センサの位置関係を示す図である。 第3実施形態に係る給水弁および異常センサの位置関係を示す図である。 制御装置、給水弁および異常センサの関係を示す構成図である。 異常検出時の潅水復帰を説明するための図である。 第4実施形態に係る異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。 給水弁および異常センサの位置関係を示す図である。 異常検出時の潅水復帰を説明するための図である。 第6実施形態に係る給水弁および異常センサの位置関係を示す図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
潅水システムの一例を開示する第1実施形態について図1~図22を参照しながら説明する。以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、z方向と示す。この明細書ではx方向とy方向とによって規定される平面が水平面に沿っている。z方向が鉛直方向に沿っている。図面においては「方向」の記載を省略して、単に、x、y、zと表記している。
<圃場>
潅水システム10は丘や平野に開墾された野外の圃場20に適用される。図1に示すように、潅水システム10が平野に開墾された圃場20に適用された形態を説明する。この圃場20の広さは数10平方メートル~数1000平方キロメートルになっている。圃場20にはx方向に延びる畝などの生育場所が複数設けられている。これらx方向に延びる複数の生育場所がy方向で離間して並んでいる。これら複数の生育場所それぞれに植物30の種や苗が埋められる。この植物30としては、例えば、葡萄、トウモロコシ、アーモンド、ラズベリー、葉菜、綿などがある。潅水システム10は、ハウスなどの室内に設けられている圃場20に適用される構成でもよい。
1つの生育場所で複数の植物30が生育される。複数の植物30はx方向で並んで1つの列を成している。以下においてはこのx方向で列を成して並ぶ複数の植物30を植物群31と示す。圃場20では複数の植物群31がy方向で離間して並んでいる。複数の植物群31のy方向の最短離間距離は、1つの植物群31に含まれる複数の植物30のx方向の最短離間距離よりも長くなっている。複数の植物群31のy方向の離間間隔は生育する植物30の種類や圃場20の起伏と気候に応じて種々変更される。複数の植物群31のy方向の離間間隔は1m~10mほどである。たとえ植物30の枝葉がy方向に生い茂ったとしても、少なくとも人が2つの植物群31の間をx方向に移動できる程度の幅が確保されている。
<潅水システム>
潅水システム10は給水装置100と制御装置200を備えている。給水装置100は潅水を圃場20の植物30に供給する。制御装置200は潅水期間において給水装置100から植物30に供給される潅水の供給時刻と量を決定する。制御装置200は給水装置100の潅水スケジュールを決定する。潅水システム10は、潅水時に水漏れ、詰まりなどの異常状態を検出して異常状態が生じた場合の潅水復帰(フェールセーフ)を実施することができる。
<給水装置>
給水装置100は、ポンプ110、給水配管130、および配管モジュール150を有する。ポンプ110は潅水を給水配管130に供給する給水源である。配管モジュール150は給水配管130に供給された潅水の吐水量を制御する。
<ポンプ>
ポンプ110は常時駆動状態になっている。あるいは、ポンプ110は昼間駆動状態になっている。ポンプ110はタンクやため池に貯水されている潅水を汲み出し、それを給水配管130に供給する。潅水は井戸水、河川水、雨水、市水などである。後述するように給水配管130には複数の給水弁152が設けられている。これら複数の給水弁152それぞれが閉状態であり、なおかつ、給水配管130からの潅水の漏れが生じていない場合、給水配管130は潅水で満たされる。この際、給水配管130内の水圧は、ポンプ110の吐出能力に依存した値(ポンプ圧ともいう)になる。給水弁152が閉状態から開状態になると、給水配管130から圃場20に潅水が吐出される。潅水の吐水量が時間平均的に安定すると、給水配管130内の水圧は、ポンプ圧よりも水圧の低い流動圧になる。
<給水配管>
給水配管130は主配管131と供給用配管132を含む。主配管131はポンプ110に連結されている。供給用配管132は主配管131に連結されている。ポンプ110は、主配管131から供給用配管132に潅水を供給する。潅水は供給用配管132から圃場20に供給される。
<主配管>
主配管131は、縦配管133と横配管134を含む。縦配管133はy方向に延びている。横配管134はx方向に延びている。縦配管133と横配管134は互いに連結されている。係る構成のために潅水は主配管131内をy方向およびx方向に流れる。図1に示す一例では、1つのポンプ110に1つの縦配管133が連結されている。このy方向に延びる縦配管133から複数の横配管134がx方向に延びている。横配管134のz方向の位置は成熟した植物30の頂点よりも地面から離間するように設定されている。
図1に示す構成は、潅水に係る通路構成の一例に過ぎない。圃場20に設けられるポンプ110と縦配管133の数、1つのポンプ110に連結される縦配管133の数、1つの横配管134に連結される縦配管133の数、および、横配管134と縦配管133のz方向の位置は特に限定されない。
複数の横配管134はy方向で離間して並んでいる。複数の横配管134のy方向の最短離間距離は、複数の植物群31のy方向の最短離間距離と同等になっている。複数の横配管134の1つが複数の植物群31の1つに設けられている。横配管134は植物群31に含まれる複数の植物30の並ぶ方向に沿って延びている。この横配管134に供給用配管132が連結されている。
<供給用配管>
供給用配管132は1つの横配管134に複数連結されている。1つの横配管134に連結される複数の供給用配管132はx方向で離間して並んでいる。図2に示すように供給用配管132は、連結配管135と分配チューブ136を含む。連結配管135は横配管134からz方向に垂れ下がって延びている。連結配管135の先端側にはx方向に開口する2つの連結口が形成されている。これら2つの連結口に分配チューブ136が連結されている。
分配チューブ136は、水圧変化にかかわらず一定の吐水量を実現するような圧力補正機構を有する構成でもよいし、圧力補正機構を有しない構成でもよい。この明細書に開示する目的を達成可能な潅水システムが備える分配チューブは、圧力補正機構の有無にかかわらない構成を含んでいる。分配チューブ136は、2つの連結口の一方に連結される第1分配チューブ136aと、2つの連結口の他方に連結される第2分配チューブ136bとを含む。第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bは連結配管135との連結位置からx方向において互いに逆向きに延びている。
第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bの各チューブには、潅水が流動するチューブ内部と外部とを連通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、各チューブにおいて、チューブの軸方向に所定間隔をあけて並んで設けられている。また、貫通孔は、各チューブにおいて、チューブの周方向に所定間隔をあけて並んで設けられている構成でもよい。
複数の貫通孔の軸方向(例えばx方向)における離間間隔は、複数の植物30のx方向における離間間隔と同等になっている。図2に示す一例では、第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bそれぞれには、貫通孔が軸方向に3個並んでいる。また、複数の貫通孔の離間間隔と複数の植物30の離間間隔は異なっていてもよい。各チューブに形成されている貫通孔の数は、3個に限定されない。
<潅水の流動>
ポンプ110によって縦配管133に供給された潅水は、縦配管133内をy方向に流れる。この潅水は、縦配管133に連結された複数の横配管134それぞれに供給される。潅水は複数の横配管134内のそれぞれをx方向に流れる。横配管134内を流れる潅水は、連結配管135を介して分配チューブ136に流下する。潅水は、第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bそれぞれにおける各貫通孔から吐出されて、植物30に供給される。
図1に示す一例では、各分配チューブは、高さ方向において植物30の頂点側よりも圃場20の地面側に位置している。第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bそれぞれの貫通孔から供給された潅水は主として植物30の幹やその根本に供給される。
貫通孔は、各チューブにおいて地面と面している部分よりも高い位置に設けられていることが好ましい。このような位置の貫通孔から吐出された潅水は、チューブの中心軸に対して放射する方向に広がり、チューブから離れた位置に散水することができる。
<配管モジュール>
図2に示すように、配管モジュール150は供給用配管132に設けられている。配管モジュール150は収納箱151、給水弁152、および水圧センサ153を有する。収納箱151の内部には給水弁152と水圧センサ153が収納されている。
<給水弁>、
給水弁152は、連結配管135において、第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bそれぞれとの近接位置に設けられている。全ての貫通孔は、第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bそれぞれにおいて連結配管135から離間した先端部分と給水弁152との間に設けられている。
給水弁152が開状態になると、連結配管135と貫通孔が連通する。これにより貫通孔から潅水が吐出される。逆に、給水弁152が閉状態になると、連結配管135と貫通孔との連通が遮断される。これにより貫通孔からの潅水の吐出が止まる。
第1分配チューブ136aに設けられた給水弁152と第2分配チューブ136bに設けられた給水弁152は、制御装置200によって独立して開度制御される。係る開度制御により、第1分配チューブ136aの貫通孔からの潅水の吐出と、第2分配チューブ136bの貫通孔からの潅水の吐出とが独立して制御される。
制御装置200は、給水弁152のバルブ開度を所定の開度から全開の間にわたって任意に制御する。給水弁152は、下流または上流の圧力を調整して、通過する流量を精密に可変できる流量調整バルブまたは圧力調整バルブである。所定の開度は、少し開いた開度、または開度0%、つまり全閉を含む値に設定される。制御装置200は、給水弁152のバルブ開度を制御することにより、各貫通孔から吐出される単位時間当たりの吐出流量、または吐出流速を制御する。この制御により、制御装置200は、分配チューブ136から吐出される潅水が分配チューブ136から離間して着地する距離である飛水距離を制御することができる。飛水距離は、貫通孔を通じて分配チューブ136から飛び出した潅水の土壌着地点と分配チューブ136との距離である。この飛水距離を制御する技術によれば、潅水を必要としている場所への効率的な潅水を実施でき、節水にも寄与する。
制御装置200は、潅水を供給する植物30の種類、圃場20の作土層の範囲などに基づいて潅水の飛水距離を決定する。制御装置200は、決定した飛水距離が得られるように給水弁152のバルブ開度を制御する。例えば、給水弁152のバルブ開度は、植物30が根を広く張ったり、作土層が浅く広範囲であったりする場合に、飛水距離を大きくするように制御される。また、給水弁152のバルブ開度は、植物30が根を深く張ったり、作土層が分配チューブ136の近くに位置したりする場合に、飛水距離を小さく抑えるように制御される。飛水距離は潅水距離と言い換えることができる。
<水圧センサ>
水圧センサ153は、連結配管135において第1分配チューブ136aと第2分配チューブ136bのそれぞれが連結されている部位の近傍に設けられている。各水圧センサ153は、連結配管135内の水圧を検出する圧力センサである。水圧センサ153で検出された水圧は制御装置200に出力される。水圧センサ153は、第1分配チューブ136aにおける連結配管135との連結部位と給水弁152との間や、第2分配チューブ136bにおける連結配管135との連結部位と給水弁152との間に設けられてもよい。水圧センサ153は、連結配管135における横配管134との連結部位近傍に設けられてもよい。
給水弁152が閉状態になり、連結配管135が潅水で満たされると、水圧センサ153でポンプ圧が検出される。給水弁152が閉状態から開状態になると、分配チューブ136から潅水が吐出される。潅水の吐水量が時間平均的に安定すると、水圧センサ153で流動圧が検出される。給水弁152が開状態から閉状態になると、給水配管130からの潅水の吐出が止まる。給水配管130内の水圧は流動圧からポンプ圧へと徐々に回復する。水圧センサ153ではこの流動圧からポンプ圧へと徐々に回復する過渡期の水圧が検出される。
給水配管130や給水弁152に破損が生じ、その破損個所から潅水が漏れている場合、水圧センサ153で検出される水圧が減少する。これによって破損が生じているか否かを検出することができる。この破損の検出処理は制御装置200で実行される。潅水システム10は、水圧センサ153の代わりに、通路を流れる流体の流量を検出する流量センサを備える構成としてもよい。潅水システム10は、水圧センサ153や流量センサの検出値を用いて、給水弁152のバルブ開度をフィードバック制御する。
<制御装置>
図1および図3に示すように制御装置200は、監視部300、統合通信部400、情報格納部500、および統合演算部600を含む。図面では統合通信部400をICDと表記している。制御装置200は監視部300を複数有する。複数の監視部300のそれぞれは、圃場20における所定の分割エリアに対応している。監視部300は、例えば1個の配管モジュール150に対応して1個設けられている。監視部300と配管モジュール150とは電気的に接続されている。
監視部300には水圧センサ153で検出された水圧が入力される。監視部300は、圃場20の環境に関わる物理量である環境値を検出している。複数の監視部300それぞれは、水圧と環境値とを統合通信部400に無線通信によって出力している。
統合通信部400は各監視部300から入力された水圧と環境値を情報格納部500に無線通信によって出力する。情報格納部500はこれら水圧と環境値とを格納する。情報格納部500の一例は、いわゆるクラウドである。統合演算部600は情報格納部500に格納された水圧と環境値などの諸情報を読み出す。統合演算部600は読み出した諸情報を適宜処理し、諸情報や処理結果をユーザのスマートフォンやパソコンのモニタ700に表示する。
統合演算部600はユーザのスマートフォンやパソコンなどに含まれている。統合演算部600は情報処理演算機器610、メモリ620、および通信装置630を有する。図面では情報処理演算機器610をIPCE、メモリ620をMM、通信装置630をCDと表記している。情報処理演算機器610にはプロセッサが含まれている。情報処理演算機器610は潅水処理に関わる演算処理を行う。係る機能は情報処理演算機器610に潅水アプリケーションプログラムがダウンロードされることで実現される。統合演算部600は、クラウド上に実装される演算装置であってもよい。この場合、統合演算部600と情報格納部500とを合わせてクラウド上に実装する構成としてもよい。
メモリ620はコンピュータやプロセッサによって読み取り可能な各種プログラムと各種情報を非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。メモリ620は揮発性メモリと不揮発性メモリとを有している。メモリ620は通信装置630に入力された諸情報や情報処理演算機器610の処理結果を記憶する。情報処理演算機器610は、メモリ620に記憶された情報を用いて各種演算処理を実行する。
通信装置630は無線通信機能を備えている。通信装置630は受信した無線信号を電気信号に変換して情報処理演算機器610に出力する。通信装置630は情報処理演算機器610の処理結果を無線信号として出力する。以下、情報処理演算機器610、メモリ620、通信装置630を特に区別して表記せずに、総称とする統合演算部600を用いて本実施形態の技術内容を説明する。情報処理演算機器610は処理演算部に相当する。
ユーザは、潅水処理や潅水スケジュールに関わるユーザ指示を、タッチパネルやキーボードなどの入力機器800を用いて統合演算部600に入力する。統合演算部600は、このユーザ指示、情報格納部500から読み出した諸情報に基づいて、潅水処理指令を出力したり潅水スケジュールを決定したりする。ユーザからの指示がない場合、統合演算部600は諸情報に基づいて潅水スケジュールを自動的に決定する。
統合演算部600は、潅水処理指令を検出したり、潅水スケジュールにおいて潅水の供給開始時刻であると判定したりすると、給水弁152を制御する指示信号を情報格納部500に出力する。この指示信号は情報格納部500から統合通信部400を介して監視部300に入力される。監視部300は指示信号に基づいて給水弁152への給水信号の出力と非出力を制御する。これにより給水弁152の開閉状態が制御される。この結果、圃場20への潅水の供給が制御される。指示信号と給水信号のうちの少なくとも一方が制御信号に相当する。
<分割エリア>
図1に示すように監視部300は、1個の供給用配管132につき1個設けられている。一例として図3に示すように、複数の監視部300は、複数の配管モジュール150の備える給水弁152および水圧センサ153とともに、圃場20においてx方向を行方向、y方向を列方向として、行列配置される。
係る構成により、行方向と列方向とによって区切られる複数の分割エリアそれぞれの環境が、各分割エリアに対応する監視部300によって個別に監視される。さらに、複数の分割エリアそれぞれにおける潅水の供給は、対応する監視部300と配管モジュール150によって個別に制御される。
<監視部>
図3、図4に示すように監視部300は、環境センサ310と制御部320を有する。配管モジュール150の給水弁152と水圧センサ153は、制御部320に電気的に接続されている。図面では環境センサ310をES、給水弁152をWV、水圧センサ153をWPSと表記している。
複数の環境センサ310は配管モジュール150とともに圃場20で行列配置される。各環境センサ310によって複数の分割エリアそれぞれの環境値が検出される。各水圧センサ153によって複数の分割エリアそれぞれの水圧が検出される。検出された複数の分割エリアそれぞれの環境値および水圧は、情報格納部500に格納される。
図4に示すように制御部320は、マイコン330、通信部340、RTC350、および発電部360を含む。マイコンはマイクロコンピュータの略である。RTCはReal Time Clockの略である。図面では通信部340をCDPと表記している。
マイコン330には環境値と水圧が入力される。マイコン330はこれら環境値と水圧を、通信部340を介して統合通信部400に出力する。マイコン330には統合通信部400から指示信号が入力される。マイコン330はこの指示信号に基づいて給水信号を給水弁152に出力する。マイコン330が演算処理部に相当する。マイコン330は、給水弁152の作動を制御する制御装置である。
マイコン330は動作モードとしてスリープモードと通常モードを有する。スリープモードはマイコン330が演算処理を停止している状態である。通常モードはマイコン330が演算処理を実行している状態である。通常モードはスリープモードよりも消費電力が多くなっている。
通信部340は統合通信部400と無線通信を行っている。通信部340はマイコン330から出力された電気信号を無線信号として統合通信部400に出力する。それとともに通信部340は統合通信部400から出力された無線信号を受信して電気信号に変換する。通信部340はその電気信号をマイコン330に出力する。電気信号に指示信号が含まれている場合、マイコン330はスリープモードから通常モードに切り換わる。また、マイコン330は、電気信号を受信する前にウェイクアップしている形態でもよい。
RTC350は、時を刻む時計機能と時間を計測するタイマー機能を有する。RTC350は予め設定された時刻になった場合、または予め設定された時間が経過した場合、マイコン330にウェイクアップ信号を出力する。このウェイクアップ信号がスリープモードのマイコン330に入力されると、マイコン330はスリープモードから通常モードに切り換わる。
発電部360は、太陽電池によって取得した光エネルギーを電気エネルギーに変換している。発電部360は監視部300の電力供給源として機能している。電力供給は、発電部360からRTC350に絶えず行われている。これによりRTC350の時計機能とタイマー機能が損なわれることが抑制されている。太陽電池は、一次電池、二次電池に置き換えられる構成でもよい。
<環境センサ>
圃場20の分割エリア毎に異なることが想定される環境値の一つとしては土壌水分量がある。環境センサ310は、対応する分割エリアにおける環境値を検出する。環境センサ310は、土壌水分量等を検出する土壌センサ311を含んでいる。複数の土壌センサ311は、圃場20に配置された複数の分割エリアの土壌水分量を検出する。図面では土壌センサ311をSMSと表記している。
圃場20の起伏や植物30の育成状況によっては、分割エリア毎に異なることが想定される環境値の一つとして日射量がある。この明細書では、各環境センサ310は日射量を検出する日射センサ312を備えている。複数の日射センサ312は、圃場20における複数の分割エリアの日射量を検出する。図面では日射センサ312をSRSと表記している。
モニタ700には、複数の分割エリアにおいて検出された土壌水分量と日射量を行列配置することによって、圃場20における土壌水分量分布と日射量分布がマップ表示される。同様にモニタ700には、複数の水圧センサ153で検出された水圧を行列配置することで、圃場20における給水配管130の水圧分布がモニタ700にマップ表示される。係るマップ表示処理は統合演算部600で行われる。
圃場20における環境値には、降雨量、温度、湿度、気圧、二酸化炭素濃度および風量が含まれる。これらの環境値を検出するセンサは、レインセンサ313、温度センサ314、湿度センサ315、気圧センサ316、CO2センサおよび風センサ317である。これらは複数の監視部300のうちの少なくとも1つの環境センサ310に含まれている。
監視部300の環境センサ310には、これら圃場20全体の環境値を検出する各種センサが含まれている。図4に環境センサ310の一例を示す。図面ではレインセンサ313をRS、温度センサ314をTS、湿度センサ315をMS、気圧センサ316をPS、風センサ317をWSと表記している。風センサ317は風量だけではなく風向も検出する構成でもよい。これらレインセンサ313、温度センサ314、湿度センサ315、気圧センサ316、および風センサ317のうちの少なくとも1つが、圃場20で行列配置された構成を採用することもできる。
係る構成は、例えば、圃場20が広かったり、圃場20の起伏が激しかったり、圃場20の気候変化が激しかったりするために、分割エリア毎に降雨量、温度、湿度、気圧、および風量が大きく変化しやすい場合に有効である。これらセンサで検出された降雨量、温度、湿度、気圧、および風量を行列配置することにより、これら環境値をモニタ700にマップ表示することが可能になる。これらセンサの出力は統合通信部400を介して通信部340に出力される。それとともに、これらセンサの出力は統合通信部400を介して情報格納部500に格納される。
<土壌水分量>
これまでに説明した各種環境値のうち、潅水システム10が制御する環境値には、土壌水分量が含まれる。潅水システム10は分割エリア毎に潅水の供給時刻と供給量を制御する。こうすることで分割エリア毎の土壌水分量が個別に制御される。
植物30は圃場20の作土層に根を張っている。植物30の生育はこの作土層の土壌に含まれる水分量(土壌水分量ともいう)に依存している。土壌水分量が成長阻害水分点を上回ると植物30に病害が発生する。土壌水分量が永久しおれ点を下回ると植物30のしおれが回復しなくなる。これら成長阻害水分点と永久しおれ点とは植物30の種類に応じて異なるものの、その値は既知である。これらの値は情報格納部500に記憶されている。
土壌水分量の現在値は土壌センサ311で検出される。土壌水分量に関わりのある物理量としては、土壌水分量張力(pF値)や土壌誘電率(ε)がある。この明細書の土壌センサ311はpF値を検出している。
作土層の土壌水分量は圃場20の環境変化によって増減する。圃場20に雨が降ると土壌水分量が増大する。作土層から水が蒸発すると土壌水分量が減少する。また、植物30が水分を吸収したり、作土層よりも下層へ水が浸透したりすると土壌水分量が減少する。作土層に降り注がれる雨の量(降雨量)はレインセンサ313によって検出される。作土層から蒸発する水分量(蒸発量)は、日射量、温度、湿度、および風量に依存する。これらは、日射センサ312、温度センサ314、湿度センサ315、および風センサ317によって検出される。
植物30が単位時間あたりに水分を吸収する吸水量は、植物30の種類によって予め推定することができる。単位時間あたりに作土層よりも下層に浸透する水分量は、土壌の水分保持能力によって予め推定することができる。これら推定値は情報格納部500に記憶されている。
以上に示したように、環境センサ310は、作土層の土壌水分量の現在値、環境変化による作土層の土壌水分量の現在値からの増加、および減少予測に関わる予測値のそれぞれを検出する。これらが環境値として情報格納部500に格納される。情報格納部500には、植物30の成長阻害水分点と永久しおれ点、および植物30が単位時間あたりに水分を吸収する吸水量と土壌の水分保持能力が格納されている。上記したユーザからの指示(ユーザ指示)は情報格納部500に格納される。このように、情報格納部500には潅水スケジュールを決定するための諸情報が格納される。潅水システム10は、リアルタイムに土壌センサの検出値を確認し、検出値が閾値に到達した場合に潅水を中止するという制御を行う構成でもよい。
<マイコン>
図4に示すようにマイコン330は、取得部331、信号出力部332、記憶部333、および処理部334を備えている。図面では取得部331をAD、信号出力部332をSOU、記憶部333をMU、処理部334をPUと表記している。
取得部331には環境センサ310で検出された環境値が入力される。取得部331には水圧センサ153で検出された水圧が入力される。取得部331とこれら環境センサ310および水圧センサ153のそれぞれとは、電気的に接続されている。図1に示すワイヤは、取得部331と土壌センサ311とを接続するワイヤ、取得部331と水圧センサ153とを接続するワイヤの一例である。取得部331には、回転角センサなどによって検出されたバルブの回転角度が入力される。
信号出力部332は給水弁152と電気的に接続されている。給水弁152のバルブ開度を制御するための制御信号(給水信号)は、信号出力部332から給水弁152に出力される。給水信号の未入力時に給水弁152は閉状態になっている。給水信号の入力時に給水弁152は開状態になっている。また、給水弁152は、給水信号の入力なしの場合、現状を維持し、入力ありの場合、その入力内容に従って、開閉するように構成されてもよい。例えば、制御信号未入力時は、給水弁152のバルブ開度は維持され、入力時に入力された開度指示の制御信号に応じて給水弁152のバルブ開度を調整される。
記憶部333はコンピュータやプロセッサによって読み取り可能なプログラムとデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶部333は揮発性メモリと不揮発性メモリとを有している。記憶部333には処理部334が演算処理を実行するためのプログラムが記憶されている。このプログラムには上記した潅水アプリケーションプログラムの少なくとも一部が含まれている。記憶部333には処理部334が演算処理を実行する際のデータが一時的に記憶される。記憶部333には、取得部331および通信部340のそれぞれに入力される各種データと、その各種データの取得時刻とが記憶される。
処理部334はRTC350からウェイクアップ信号が入力されるとスリープモードから通常モードになる。通常モードにおいて処理部334は、記憶部333に記憶されているプログラムと各種データとを読み込んで演算処理を実行する。この演算処理は、分配チューブ136の貫通孔を通じて飛水した水を所望の潅水位置に到達させるために必要なバルブ開度の演算を含む。処理部334は演算部に相当する。この演算は、統合演算部600の情報処理演算機器610によって実行される構成でもよい。
処理部334は取得部331に入力された各種センサ信号、通信部340に入力された指示信号の取得時刻をRTC350から読み出している。処理部334は指示信号と取得時刻とを記憶部333に記憶させる。取得時刻の読み出しは、統合通信部400が各監視部300から無線でデータを受信した際に統合通信部400にデータ取得時刻を記録させる構成でもよい。また、情報格納部500が統合通信部400から無線でデータを受信した際に情報格納部500にデータ取得時刻を記録させる構成でもよい。
処理部334は、環境センサ310と水圧センサ153から入力された環境値と水圧、およびそれらの取得時刻を通信部340と統合通信部400とを介して情報格納部500に格納する。処理部334は、情報格納部500、統合通信部400、および通信部340を介して統合演算部600から入力された指示信号に基づいて、信号出力部332を介して給水弁152に給水信号を出力する。
<通信部>
通信部340は処理部334から入力された電気信号を無線信号に変換する。通信部340はこの無線信号を統合通信部400に出力する。通信部340は統合通信部400から出力された無線信号を電気信号に変換する。通信部340はこの電気信号を処理部334に出力する。
通信部340が出力する無線信号には、図5に簡易的に示すアドレス341とデータ342とが含まれている。図面においてアドレス341をADD、データ342をDATと表記している。
図3に示すように複数の通信部340と統合通信部400との間で無線信号の送受信が行われる。無線信号に含まれるアドレス341は、複数の通信部340のうちのいずれから出力されたかを示す識別コードである。換言すれば、無線信号に含まれるアドレスは、複数の処理部334のうちのいずれから出力されたかを示す識別コードである。複数の記憶部333それぞれに固有のアドレス341が保存されている。
統合通信部400から出力される無線信号にもアドレス341が含まれている。そしてこの無線信号のデータ342には指示信号が含まれている。この無線信号を複数の通信部340それぞれが受信する。この無線信号は複数の通信部340それぞれで電気信号に変換される。そしてこの電気信号は複数の処理部334それぞれに入力される。複数の処理部334のうち、その電気信号に含まれるアドレス341と同一のアドレス341を保有する処理部334のみが、その電気信号に基づく演算処理を実行する。
後述するようにマイコン330はスリープモードと通常モードとを交互に繰り返す間欠駆動をする。そのために通信部340と統合通信部400との間での無線通信は頻繁には行われない。通信部340と統合通信部400との間で無線通信を行う時間間隔が長くなっている。これにより、1回の無線通信でデータ342に含めることのできるデータ量を多くすることが可能になっている。
<発電部>
発電部360は太陽電池361、蓄電部362、電流センサ363、および電力センサ364を含む。図面では太陽電池361をSB、蓄電部362をESU、電流センサ363をCS、電力センサ364をPSと表記している。太陽電池361は光エネルギーを電気エネルギーに変換する。蓄電部362はその電気エネルギー(電力)を蓄電する。蓄電部362に蓄電された電力は、監視部300の駆動電力として活用される。
電流センサ363は太陽電池361から蓄電部362に出力される電流を検出する。電力センサ364は蓄電部362から出力される電力を検出する。処理部334は、検出された電流値と電力値を、通信部340と統合通信部400を介して情報格納部500に格納している。監視部300の駆動電力は発電部360で発電された電力に依存している。このため、発電部360に入射する光量が少ないと、監視部300の駆動電力が不足することがある。これを避けるために監視部300のマイコン330は間欠駆動を行っている。また、発電部360は電流センサを備えていない構成でもよい。
<RTC>
RTC350は、上記した間欠駆動の時間間隔(駆動周期)が経過するごとにウェイクアップ信号をマイコン330に出力している。これによりマイコン330はスリープモードと通常モードとを交互に繰り返している。上記の駆動周期は、蓄電部362に蓄電された電力量(蓄電量)に応じて統合演算部600によって決定される。換言すれば、間欠駆動間隔は、蓄電量に応じて統合演算部600によって決定される。
統合演算部600は情報格納部500に格納された電力に基づいて蓄電量を算出する。統合演算部600は蓄電量が少ないほどに間欠駆動間隔を長く設定する。統合演算部600は蓄電量が多いほどに間欠駆動間隔を短く設定する。統合演算部600は間欠駆動間隔を指示信号に含ませる。この指示信号をマイコン330の処理部334が取得すると、処理部334は間欠駆動間隔を調整する。処理部334はRTC350の駆動周期を調整する。圃場20の環境が数秒単位で極端に変化することはまれである。そのために間欠駆動間隔は数十秒~数十時間単位になっている。これに応じて、無線通信を行う時間間隔も数十秒~数十時間単位になっている。
<潅水システムの駆動>
潅水システム10では、複数の監視部300と統合演算部600との間での信号の送受信、および情報格納部500への各種データの保存が行われている。複数の監視部300と統合演算部600のそれぞれは、駆動周期毎に処理するサイクルタスクと、突発的に処理するイベントタスクとを実行する。
これらサイクルタスクとイベントタスクとには処理の優先順位がある。これらタスクの処理タイミングが同一になった場合、サイクルタスクよりもイベントタスクの処理が優先される。サイクルタスクとして、各監視部300は図6に示すセンサ処理を実行する。統合演算部600は図7に示す更新処理を実行する。イベントタスクとして、各監視部300は、図8に示す監視処理と図9に示す給水処理を実行する。統合演算部600は、図10に示す潅水処理、図11に示すユーザ更新処理、および図12に示す強制更新処理を実行する。
以下、図6と図7に基づいて、サイクルタスクとしてのセンサ処理と更新処理を説明する。フローチャートを示す各図面においては、スタートをS、エンドをEで表記している。
<センサ処理>
図6に示すスタートの前において、監視部300のマイコン330はスリープモードになっており、このマイコン330にRTC350からウェイクアップ信号が入力される。これによりマイコン330はスリープモードから通常モードに切り換わる。それとともに、マイコン330は図6に示すセンサ処理を実行し始める。このセンサ処理はマイコン330の間欠駆動間隔で実行される。ステップS10では、各種センサから入力されるセンサ信号を取得し、さらにRTC350の出力に基づいてセンサ信号の取得時刻を取得する。さらにステップS20では、取得したセンサ信号と取得時刻それぞれを記憶する。ステップS30では、センサ情報としてのセンサ信号と取得時刻を無線通信によって通信部340から統合通信部400に出力する。このセンサ情報は、統合通信部400によって情報格納部500に格納される。マイコン330はスリープモードに移行し、センサ処理を終了する。
<更新処理>
統合演算部600は、図7に示す更新処理を更新周期が経過するごとに実行する。この更新周期はマイコン330の間欠駆動間隔と同程度になっている。ステップS110では、情報格納部500に格納されている諸情報を読み出す。次のステップS120では、読み込んだ諸情報に基づいて、複数の監視部300のそれぞれの潅水スケジュールを更新する。また統合演算部600は各監視部300においてセンサ処理を更新する。統合演算部600はセンサ処理を実行するタイミングに相当する、間欠駆動間隔を更新する。統合演算部600は、その更新した潅水スケジュールと間欠駆動間隔を自身が保有するとともに、情報格納部500に格納し、更新処理を終了する。以上に示したように、サイクルタスクによって、センサ情報、潅水スケジュール、および、間欠駆動間隔が更新される。
次に図8~図12を参照して、イベントタスクとしての監視処理、給水処理、潅水処理、ユーザ更新処理、および強制更新処理を説明する。監視処理、給水処理、および潅水処理のそれぞれは、監視部300の駆動電力の枯渇を避けるために、昼間に実行される。昼間か否かの判定は、現在時刻と日射センサ312で検出される日射量などによって検出することができる。
<監視処理>
図8に示すスタートの前において、各監視部300のマイコン330はスリープモードになっている。マイコン330には、無線通信によって統合演算部600から指示信号が入力される。この結果、マイコン330は、スリープモードから通常モードに切り換わり、図8に示す監視処理を実行し始める。
ステップS210では、入力された指示信号とそれの取得時刻を記憶する。次のステップS220では、指示信号に給水弁152を閉状態から開状態にする給水指示が含まれているか否かを判定する。給水指示が指示信号に含まれている場合、ステップS230へ進む。給水指示が指示信号に含まれていない場合、ステップS240へ進む。
ステップS230では、図9に示す給水処理を実行する。すなわちマイコン330は、ステップS231において、給水指示にしたがって、給水弁152に給水信号を出力する。ステップS232でマイコン330は、指示信号に含まれている給水時間が経過したか否かを判定する。給水時間が経過していない場合、給水弁152に対する給水信号の出力を継続する。給水時間が経過した場合、ステップS233へ進む。
ステップS233では、給水信号の出力を停止して給水処理を終了する。次のステップS240では、指示信号に間欠駆動間隔の更新指示が含まれているか否かを判定する。間欠駆動間隔の更新指示が指示信号に含まれている場合、ステップS250へ進む。間欠駆動間隔の更新指示が指示信号に含まれていない場合、ステップS260へ進む。上記した間欠駆動間隔の更新指示は、統合演算部600若しくは情報格納部500から各監視部300に指示信号として定期的若しくは不定期的に出力されている。
ステップS250でマイコン330の処理部334は、RTC350のウェイクアップ信号を出力する時間間隔を調整する。次のステップS260では、図6に基づいて説明したセンサ処理を実行する。ステップS230の給水処理を実行した場合、ステップS260において潅水供給後の環境値が検出される。ステップS230の給水処理を実行しなかった場合、ステップS260において潅水が供給されていないときの環境値が検出される。この環境値は情報格納部500に格納される。センサ処理を実行し終えるとマイコン330はスリープモードに移行し、監視処理を終了する。監視処理の開始条件は、統合演算部600からの指示信号に限定されない。RTC350がマイコン330を起動してから、マイコン330が処理後、センサデータを統合演算部600に送る。そして、統合演算部600からバルブの開度指示とともに次の間欠駆動のタイミングの指示を送る構成でもよい。
<潅水処理>
統合演算部600は、図10に示す潅水処理を、各監視部300の潅水スケジュールにおいて、潅水を供給するタイミングになるごとに実行する。統合演算部600は、ステップS310で複数の監視部300のうち、潅水を供給する予定である分割エリアの監視部300に向けて、給水指示を含む給水信号を出力する。次のステップS320では、給水指示には、給水信号の出力開始と給水信号の出力時間(給水時間)とが含まれている。この給水指示を受信した監視部300は、図8に基づいて説明した監視処理を実行する。
ステップS320へ進むと統合演算部600は、監視部300の監視処理が終了するまで待機状態になる。監視処理が終了した場合、ステップS330へ進む。監視処理が終了したか否かの判断は、例えば、監視処理が終了することが見込まれる時間だけ経過したか否かに基づいて行う。監視処理が終了したか否かの判断は、監視部300に対して問い合わせることによって行うことができる。監視処理の終了判断方法については特に限定されない。ステップS310の給水信号は図8のセンサ処理が完了し、データがマイコン330から統合通信部400、情報格納部500へと送信されてから実施される構成でもよい。
<ユーザ更新処理>
統合演算部600は、図11に示すユーザ更新処理を、潅水スケジュールや間欠駆動間隔の調整に関わるユーザ指示が入力機器800から入力された際に実行する。統合演算部600は、ステップS410において、入力されたユーザ指示を情報格納部500に格納する。次のステップS420では、図7に基づいて説明した更新処理を実行する。以上により、ユーザ指示に基づいて、潅水スケジュールや間欠駆動間隔が更新される。
<強制更新処理>
統合演算部600は、図12に示す強制更新処理を、潅水スケジュールと間欠駆動間隔の更新に関わるユーザ指示が入力された際に実行する。統合演算部600は、ステップS510においてセンサ処理の実行を要求する要求指示を含む要求信号を出力する。この要求信号は無線通信によって監視部300に出力される。ステップS520では、監視部300のセンサ処理が終了するまで待機状態になる。
センサ処理が終了した場合、ステップS530へ進む。センサ処理が終了したか否かの判断は、例えば、センサ処理が終了することが見込まれる時間だけ経過したか否かに基づいて行うことができる。また、センサ処理が終了したか否かを監視部300に対して問い合わせることによって行うことができる。センサ処理の終了判断方法については特に限定されない。ステップS530では、図7に基づいて説明した更新処理を実行する。以上により、潅水スケジュールと間欠駆動間隔は、ユーザの更新要求時の各種データに基づいて更新される。
<個別潅水処理>
以上、図6~図12に基づいて説明したように、統合演算部600は、複数の分割エリアそれぞれにおいて潅水スケジュールを決定する。統合演算部600は、各潅水スケジュールに基づく潅水の供給を制御する。また、各分割エリアでの潅水スケジュールが統合演算部600によって決定されるものの、各潅水スケジュールに基づく潅水の供給を各監視部300によって個別に制御する構成を採用してもよい。
<独立更新>
さらに例示すると、各分割エリアにおける潅水スケジュールを、対応する監視部300が独立して決定する構成を採用してもよい。係る構成においては、各監視部300は図7に示す更新処理を実行する。
<天気予報と潅水スケジュール>
情報格納部500には、土壌水分量の現在値と減少変化の予測値、およびユーザ指示が格納される。情報格納部500には植物30の成長阻害水分点と永久しおれ点、植物30が単位時間あたりに水分を吸収する吸水量と土壌の水分保持能力が格納されている。これらの他に、情報格納部500には外部情報源1000から出力配信される圃場20の天気予報が格納される。図面においては外部情報源1000をESIと表記している。
統合演算部600は、図7に示す更新処理のS110において、この天気予報を含む諸情報を情報格納部500から読み出す。統合演算部600はステップS120において各監視部300における潅水スケジュールを決定する。
<目標値と推定値>
統合演算部600は、潅水スケジュールを決定するにあたって、土壌水分量の目標値と推定値を算出する。土壌水分量の目標値は、当然ながらにして、成長阻害水分点と永久しおれ点との間の値に設定される。植物30の健全な育成を試みるために、土壌水分量の目標値は、理論値である成長阻害水分点と永久しおれ点それぞれからある程度離れた値に設定される。
統合演算部600は、この土壌水分量の目標値として、成長阻害水分点側の下限目標値と、永久しおれ点側の上限目標値とを設定する。統合演算部600は、潅水スケジュールの潅水期間においては、土壌水分量の推定値が上限目標値と下限目標値との間になるように、潅水スケジュールを決定する。降雨によって土壌水分量の推定値が下限目標値を下回ることが予想された場合でも、統合演算部600は土壌水分量の推定値が成長阻害水分点を超えないように潅水スケジュールを決定する。
成長阻害水分点と下限目標値との間には乖離がある。この下限乖離幅は、上記した植物30の健全な育成を加味するとともに、圃場20の気候に基づいて決定される。圃場20の気候には、潅水スケジュールの潅水期間での圃場20の平均的な降雨量の期待値や、潅水期間での天気予報によって予測される総降雨量が含まれている。潅水期間での圃場20の平均的な降雨量の期待値は情報格納部500に格納されている。
永久しおれ点と上限目標値との間には乖離がある。この上限乖離幅は、植物30の健全な育成を加味するとともに、給水装置100で故障が起きた時に復旧の見込まれる復旧時間や土壌水分量の単位時間あたりの減少量などに基づいて決定される。例えば、上限乖離幅は復旧時間と土壌水分量の単位時間あたりの減少量とを乗算した値に基づいて決定される。復旧時間は情報格納部500に格納されている。
例えば外部情報源1000から1週間分の天気予報が情報格納部500に格納される場合、統合演算部600は1週間分の潅水スケジュールを決定する。この1週間の間において、天気予報によって何ら降雨予報がない場合、土壌水分量の推定値は時間経過とともに漸次低下することが予想される。この土壌水分量の推定値の単位時間あたりの減少量は、作土層の土壌水分量の減少変化の予測値に基づいて決定される。以下、表記を簡便とするため、必要に応じて、土壌水分量の推定値を、単に推定値と表記する。
上記のように、潅水スケジュールは、環境値などに基づく土壌水分量の推定値と天気予報とに基づいて決定される。これによれば、降雨や乾燥などの天候変化によって野外の分割エリアの土壌水分量が植物30にとって不適になることを抑制できる。また、土壌水分量が成長阻害水分点を下回ったり、永久しおれ点を上回ったりすることを抑制できる。
統合演算部600は、潅水スケジュールの潅水期間の全てにおいて、土壌水分量の推定値が成長阻害水分点よりも高い下限目標値を下回ることがないように目標給水量を決定している。統合演算部600は、成長阻害水分点と下限目標値との乖離幅(下限乖離幅)を、圃場20の気候などに基づいて決定している。圃場20の気候には、潅水期間での圃場20の平均的な降雨量の期待値や、潅水期間での天気予報によって予測される総降雨量が含まれている。このように下限乖離幅を設定することで、潅水の供給によって土壌水分量を下限目標値に近づけた後、天気予報よりも多めの降雨があったとしても、土壌水分量が成長阻害水分点に到達することが抑制される。
統合演算部600は、潅水スケジュールにおける土壌水分量の推定値が永久しおれ点よりも低い上限目標値を上回ることがないように目標給水量を決定している。統合演算部600は、永久しおれ点と上限目標値との乖離幅(上限乖離幅)を、復旧時間と土壌水分量の単位時間あたりの減少量などに基づいて決定している。このように上限乖離幅を設定することで、例え土壌水分量が上限目標値に近い際に、給水弁152の故障などによって潅水の供給ができなくなったとしても、その故障が復旧されるまでに、土壌水分量が永久しおれ点に到達することを抑制できる。
統合演算部600は、潅水スケジュールにおける土壌水分量の推定値が下限目標値に達する時刻に給水を行う。これにより土壌水分量が下限目標値を下回ることを抑制できる。統合演算部600は、降雨予報時刻と潅漑水の供給時刻とを異ならせる。これによれば、降雨予報よりも降雨量が多かったとしても、土壌水分量が過剰に増大することを抑制できる。また、潅水システム10は、リアルタイムに土壌センサの検出値を確認し、検出値が閾値に到達した場合に潅水を中止するという制御を行ってもよい。この場合、土壌水分量の推定値の算出は不要である。
図13~図15を参照して、給水弁152に適用可能なバルブ装置の一例について以下に説明する。このバルブ装置は、いわゆるロータリ式のバルブ装置である。このバルブ装置は、1個の流体流入部と3個の流体流出部を備えている。流体流入部に上流の配管を接続し、いずれか1個の流体流出部に分配チューブ136を接続することにより、このバルブ装置は潅水システム10に搭載される。さらに分配チューブ136を接続しない流体流出部には閉塞部材を装着することにより、通路を塞ぐように構成すればよい。
バルブ装置は、図13に示すように、ハウジング9、バルブ90、駆動部70、駆動部カバー80等を備えている。バルブ装置は、バルブ90がシャフト92の軸心を中心に回転することにより、バルブ装置の開閉動作を行うボールバルブとして構成されている。この明細書では、シャフト92の軸心に沿う方向を軸心方向DRa、軸心方向DRaに直交するとともに軸心方向DRaから放射状に延びる方向を径方向DRrとして説明する。
ハウジング9はバルブ90を収容する収容部である。ハウジング9は、例えば樹脂部材によって形成されている。ハウジング9は、バルブ90が収容される中空形状のハウジング本体部21と、ハウジング本体部21から冷却水を流出させるパイプ部材50と、ハウジング本体部21に取り付けられる隔壁部60とを含んでいる。ハウジング本体部21は、外観が略直方体形状であって、軸心方向DRaの他方側に開口部を有する有底形状に形成されている。ハウジング本体部21は、ハウジング本体部21の外周部分を構成するハウジング外壁部22を有している。ハウジング外壁部22は、ハウジング本体部21の内部に、軸心方向DRaの軸心を有する円柱形状のバルブ収容空間23を形成している。
ハウジング外壁部22には、バルブ収容空間23に給水を流入させるための入口ポート251が形成されている。入口ポート251は、円形状に開口して形成され、連結配管135に接続されている。入口ポート251は、流体流入部に相当する。
ハウジング外壁部22は、パイプ部材50が取り付けられている。ハウジング外壁部22は、入口ポート251を介してバルブ収容空間23に流入した冷却水をパイプ部材50に流出させるための第1出口ポート261と、第2出口ポート262と、第3出口ポート263とを有する。第1出口ポート261、第2出口ポート262、第3出口ポート263は、流体流出部に相当する。
ハウジング外壁部22におけるハウジング開口面24は、隔壁部60が取り付けられている。ハウジング開口面24は、ハウジング本体部21において、軸心方向DRaの他方側に配置されている。ハウジング開口面24は、バルブ収容空間23とハウジング本体部21の外部とを連通させるハウジング開口部241が形成されている。ハウジング開口部241は、ハウジング開口面24に隔壁部60が取り付けられることによって閉塞される。
パイプ部材50は、それぞれが円筒状に形成された第1パイプ部51と、第2パイプ部52と、第3パイプ部53とを含んでいる。第1パイプ部51と第2パイプ部52と第3パイプ部53とは、パイプ連結部54によって連結されている。パイプ連結部54は、第1パイプ部51と第2パイプ部52と第3パイプ部53とを連結させ、パイプ部材50をハウジング外壁部22に取り付ける部分である。第1パイプ部51は、上流側が第1出口ポート261の内側に配置されている。第2パイプ部52は、上流側が第2出口ポート262の内側に配置されている。第3パイプ部53は、上流側が第3出口ポート263の内側に配置されている。
隔壁部60は、ハウジング開口部241を閉塞するとともに、バルブ収容空間23に収容されたバルブ90を保持する。隔壁部60は、軸心方向DRaが板厚方向である円盤状であって、ハウジング開口部241に対して軸心方向DRaの他方側から一方側に向かって嵌め込まれるように配置されている。隔壁部60は、ハウジング開口部241に嵌め込まれた際に、隔壁部60の外周部がハウジング内周面に当接することによって、ハウジング開口部241を閉塞する。
駆動部カバー80は駆動部70を収容する。駆動部カバー80は、樹脂製の中空形状であって、内部に駆動部70を収容する駆動部空間が形成されている。駆動部カバー80は、マイコン330に接続するためのコネクタ部81を有している。コネクタ部81は、バルブ装置をマイコン330に接続させるものであって、駆動部70および回転角センサ73が接続される端子が内蔵している。
駆動部70は、バルブ90を回転させるための回転力を出力するモータ71と、モータ71の出力をバルブ90に伝動するギア部72と、ギア部72の回転角度を検出する回転角センサ73を含んでいる。モータ71は、図14に示すように、モータ本体とモータシャフト711とウォームギア712とモータ側端子とを備えている。モータ71は、モータ側端子に電力が供給されることでモータ本体が動力を出力可能に構成されている。モータ本体は、略円筒状に形成され、モータ本体の他方側の端部からモータシャフト711が突出している。モータ本体から出力した動力は、モータシャフト711およびウォームギア712を介してギア部72に出力される。
ギア部72は、複数の樹脂製の歯車を有する減速機構で構成されており、ウォームギア712から出力された動力をシャフト92に伝動可能に構成されている。ギア部72は、第1ギア721と、第1ギア721と噛み合う第2ギア722と、第2ギア722と噛み合う第3ギア723とを含んでいる。第3ギア723にシャフト92が接続されている。ギア部72は、第1ギア721の外径に比較して第2ギア722の外径が大きく形成され、第2ギア722の外径に比較して第3ギア723の外径が大きく形成されている。
第1ギア721、第2ギア722、第3ギア723は、それぞれの軸心がウォームギア712の軸心に対して直交するように配置されている。第3ギア723は、第3ギア723の軸心がシャフト92の軸心と同一軸心上になるように配置されている。第3ギア723はシャフト92が接続されている。駆動部70は、ウォームギア712と第1ギア721、第2ギア722および第3ギア723とバルブ90とが一体に回転するように構成されており、それぞれの回転が互いに相関関係を有する。これらのギアとシャフト92とは、それぞれの回転角度が相関関係を有しており、相関関係を有するいずれか1つの構成品の回転角度を他の構成品の回転角度から算出可能に構成されている。
駆動部カバー80の内周部において、第3ギア723に対向する部位には、第3ギア723の回転角度を検出する回転角センサ73が取り付けられている。回転角センサ73は、ホール素子を内蔵したホール式センサであって、第3ギア723の回転角度を非接触で検出可能に構成されている。回転角センサ73は、コネクタ部81を介してマイコン330に接続されている。検出された第3ギア723の回転角度は、マイコン330に送信される。取得部331には、回転角センサ73で検出された第3ギア723の回転角度が入力される。マイコン330の処理部334は、回転角センサ73から送信された第3ギア723の回転角度に基づいて、バルブ90の回転角度を算出可能に構成されている。
シャフト92およびバルブ90について図13および図15を参照して説明する。シャフト92は、駆動部70が出力する回転力によって、軸心を中心に回転可能に構成されている。シャフト92は、バルブ90が接続されており、シャフト92が回転する際にバルブ90をシャフト92と一体に回転させることが可能に構成されている。シャフト92は、軸心に沿って円柱状に延びて形成されており、バルブ90の一方側から他方側まで貫通している。シャフト92は、軸心方向DRaの一方側がハウジング本体部21のシャフト支持部に接続され、他方側がギア部72に接続されている。シャフト外周部には、バルブ90が固定されている。
バルブ90は、軸心を中心に回転することにより、出力する流体の流量を調整可能に構成されている。バルブ90は、内部にシャフト92が挿入されており、バルブ収容空間23においてシャフト92と一体に回転可能に収容されている。バルブ90は、軸心方向DRaに沿って延びる軸心を有する筒状である。バルブ90は、それぞれが筒状の第1バルブ93と第2バルブ94と第3バルブ95と、筒状接続部914と、筒状バルブ接続部915とが連なって形成されている。バルブ90は、第1バルブ93と、筒状接続部914と、第2バルブ94と、筒状バルブ接続部915と、第3バルブ95とが軸心方向DRaの一方側から他方側に向かって、この順に並んで配置されている。第1バルブ93および第2バルブ94は、筒状接続部914を介して接続されている。第2バルブ94および第3バルブ95は、筒状バルブ接続部915を介して接続されている。
バルブ90は、バルブ収容空間23において、第2バルブ94および筒状接続部914が径方向DRrにおいて、入口ポート251に対向している。バルブ90は、中央にシャフト92が挿入される円筒状のシャフト接続部916を有する。バルブ90は、シャフト接続部916にシャフト92が挿入されることによって、シャフト92に接続される。バルブ90は、例えば、第1バルブ93と第2バルブ94と第3バルブ95と筒状接続部914と筒状バルブ接続部915とシャフト接続部916とが射出成形によって一体成形されている。
バルブ90は、バルブ90に流入された冷却水を第1出口ポート261、第2出口ポート262、第3出口ポート263に流出させるための弁体である。バルブ90は、回転することで、第1バルブ93が第1出口ポート261を開閉し、第2バルブ94が第2出口ポート262を開閉し、第3バルブ95が第3出口ポート263を開閉する。
第1バルブ93、第2バルブ94および第3バルブ95は、それぞれの軸心がシャフト92の軸心と同一軸心上に配置されている。第1バルブ93、第2バルブ94、第3バルブ95のそれぞれは、軸心方向DRaにおける中央部分が両端側に比較して径方向DRrの外側に膨らんでいる。第1バルブ93、第2バルブ94、第3バルブ95のそれぞれは、内側を流体が流通可能に構成されている。
第1バルブ93は、図15に示すように、外周部を形成する第1バルブ外周部931を有し、第1バルブ外周部931の内側に第1流路部961が形成されている。第1バルブ93には、流体を第1流路部961に流入させる第1内側開口部936が形成されている。第1バルブ93は、バルブ収容空間23に流入された流体が、第1内側開口部936を介して第1流路部961に流入する。第1流路部961は、バルブ装置における流路部に相当する。
第1バルブ外周部931には、図15に示すように、シャフト92が回転した際に第1シール開口部581を介して第1流路部961を第1出口ポート261に連通させる第1外周開口部934が形成されている。第1バルブ93は、第1外周開口部934が第1出口ポート261に連通することによって、第1流路部961に流入した流体を第1出口ポート261から流出させる。第1バルブ外周部931に形成される第1外周開口部934は、バルブ外周部に形成される外周開口部に相当する。第1外周開口部934は、第1バルブ外周部931において、シャフト92の軸心の周方向に沿って延びて形成されている。第1バルブ93から装置の流出する流体の流量は、シャフト92が回転した際における第1外周開口部934と第1シール開口部581とが重なる面積に応じて調整される。第1内側開口部936は、第1バルブ93の外部と第1流路部961とを連通させる連通路として機能する。
第2バルブ94は、図15に示すように、外周部を形成する第2バルブ外周部941を有し、第2バルブ外周部941の内側に第2流路部962が形成されている。第2バルブ94には、軸心方向DRaの一方側に、流体を第2流路部962に流入させる第2内側開口部946が形成されている。第2バルブ94は、入口ポート251を介してバルブ収容空間23に流入された流体が第2内側開口部946を介して第2流路部962を流通可能に構成されている。第2流路部962は、バルブ装置における流路部に相当する。
第2バルブ外周部941には、図15に示すように、シャフト92が回転した際に第2シール開口部582を介して第2流路部962を第2出口ポート262に連通させる第2外周開口部944が形成されている。第2バルブ94は、第2外周開口部944が第2出口ポート262と連通することによって、第2流路部962に流入した流体を第2出口ポート262から流出させる。第2バルブ外周部941に形成される第2外周開口部944は、バルブ外周部に形成される外周開口部に相当する。
第2外周開口部944は、シャフト92の軸心の周方向に延びるように形成されている。第2バルブ94から装置の外部へ流出する流体の流量は、シャフト92が回転した際における第2外周開口部944と第2シール開口部582とが重なる面積に応じて調整される。第2内側開口部946は、第2バルブ94の外部と第2流路部962とを連通させる連通路として機能する。第2内側開口部946は、第1内側開口部936に対向している。筒状接続部914は、第1バルブ93および第2バルブ94を接続するためのものである。筒状接続部914は、筒状接続部914の外周部とハウジング内周面との間に第1バルブ間空間97を形成している。第1流路部961および第2流路部962は、第1バルブ間空間97を介して連通している。
第2バルブ94は、内部の略中央にシャフト92の外周部を覆うシャフト接続部916が配置されている。第2バルブ94は、第2バルブ外周部941の軸心方向DRaの他方側に筒状バルブ接続部915が接続されている。第2バルブ94は、第2流路部962に流入された流体を筒状バルブ接続部915を介して第3バルブ95に流入可能に構成されている。
筒状バルブ接続部915は、内側に第2バルブ間空間98が形成されている。第2バルブ間空間98は、第2流路部962および第3流路部963に連通している。筒状バルブ接続部915は、軸心方向DRaの一方側の外径が第2バルブ94の軸心方向DRaの他方側の部位の外径と同じ大きさである。筒状バルブ接続部915は、軸心方向DRaの他方側の外径が第3バルブ95の軸心方向DRaの一方側の部位の外径と同じ大きさである。筒状バルブ接続部915は、第2バルブ外周部941および第3バルブ外周部951に連なって形成されている。
第3バルブ95は、図15に示すように、第3バルブ95の外周部を形成する第3バルブ外周部951を有し、第3バルブ外周部951の内側に第3流路部963が形成されている。第3バルブ95は、第3バルブ外周部951における軸心方向DRaの一方側が筒状バルブ接続部915に接続されている。第3バルブ95は、第2流路部962に流入された流体が第2バルブ間空間98を介して第3流路部963に流入する。第3流路部963は、バルブ装置における流路部に相当する。
第3バルブ外周部951には、図15に示すように、シャフト92が回転した際に第3シール開口部583を介して第3流路部963を第3出口ポート263に連通させる第3外周開口部954が形成されている。第3バルブ95は、第3外周開口部954が第3出口ポート263に連通することによって、第3流路部963に流入した流体を第3出口ポート263から装置の外部に流出させる。第3バルブ外周部951に形成される第3外周開口部954は、バルブ外周部に形成される外周開口部に相当する。
第3外周開口部954は、第3バルブ外周部951において、軸心の周方向に沿って延びて形成されている。第3バルブ95から装置の外部へ流出する流体の流量は、シャフト92が回転した際における第3外周開口部954と第3シール開口部583とが重なる面積に応じて、調整される。シャフト接続部916は、筒状であって、挿入されたシャフト92が固定されることによりバルブ90とシャフト92とを接続している。シャフト接続部916は、シャフト92が回転した際に、シャフト92の回転力をシャフト接続部916を介してバルブ90に伝動する。シャフト接続部916は、第2バルブ94から第3バルブ95まで軸心方向DRaの他方側に向かって延びて形成されている。
給水弁152の作動について説明する。マイコン330は、分配チューブ136に対して必要な流量を給水するためのバルブ90の回転角度、すなわちモータ71の回転角度を算出する。マイコン330は、算出したモータ71の回転角度の情報を給水弁152に送信する。このとき、分配チューブ136に接続しない2個の流体流出部には閉塞部材を装着している。モータ71の回転角度の演算は、統合演算部600の情報処理演算機器610によって実行される構成でもよい。
給水弁152は、マイコン330から受信した回転角度の情報に基づいて、モータ71を回転させる。給水弁152は、モータ71を回転させることで、ギア部72およびシャフト92を介してバルブ90を回転させ、第1外周開口部934、第2外周開口部944、第3外周開口部954から必要な流量の流体を流出させる。
例えば、分配チューブ136に連通させる流体流出部として第1出口ポート261を採用した場合について説明する。給水弁152は、バルブ90を回転させることで、第1バルブ93の第1外周開口部934を第1出口ポート261に連通させる。給水弁152は、バルブ90の回転位置を調整することによって、第1外周開口部934と第1シール開口部581との重なる面積を調整する。給水弁152は、入口ポート251からバルブ収容空間23に流入した流体を第1内側開口部936を介して第1流路部961に流入させ、第1外周開口部934から第1出口ポート261へ流出させる。マイコン330は、第1外周開口部934と第1シール開口部581との重なり面積であるバルブ開度を制御することにより潅水の飛水距離を制御して、必要な位置に潅水を供給する。
例えば、分配チューブ136に連通させる流体流出部として第2出口ポート262を採用した場合について説明する。給水弁152は、バルブ90を回転させることで、第2バルブ94の第2外周開口部944を第2出口ポート262に連通させる。給水弁152は、バルブ90の回転位置を調整することによって、第2外周開口部944と第2シール開口部582との重なる面積を調整する。給水弁152は、入口ポート251からバルブ収容空間23に流入した流体を第2内側開口部946を介して第2流路部962に流入させ、第2外周開口部944から第2出口ポート262へ流出させる。マイコン330は、第2外周開口部944と第2シール開口部582との重なり面積であるバルブ開度を制御することにより潅水の飛水距離を制御して、必要な位置に潅水を供給する。
例えば、分配チューブ136に連通させる流体流出部として第3出口ポート263を採用した場合について説明する。給水弁152は、バルブ90を回転させることで、第3バルブ95の第3外周開口部954を第3出口ポート263に連通させる。給水弁152は、バルブ90の回転位置を調整することによって、第3外周開口部954と第3シール開口部583との重なる面積を調整する。給水弁152は、入口ポート251からバルブ収容空間23に流入した流体を第2バルブ94の第2流路部962を介して第3流路部963に流入させ、第3外周開口部954から第3出口ポート263へ流出させる。マイコン330は、第3外周開口部954と第3シール開口部583との重なり面積であるバルブ開度を制御することにより潅水の飛水距離を制御して、必要な位置に潅水を供給する。これらのバルブ開度の制御は、統合演算部600の情報処理演算機器610によって実行される構成でもよい。
給水弁152は、回転角センサ73が第3ギア723の回転角度を検出し、検出した回転角度の情報をマイコン330にフィードバックすることによって、モータ71の回転角度を調整する。
図16のグラフを参照して、シャフト92の回転角度とバルブ装置の流量との関係を説明する。図16は、モータ71の回転角度RAを横軸とし、バルブ装置から流出する流体の流量FRを縦軸としている。図16において、FO1は第1バルブ93であり、FO2は第2バルブ94であり、FO3は第3バルブ95である。図16において、FSはバルブ開度が全開状態であることを示し、FCはバルブ開度が全閉状態であることを示し、MOはバルブ開度が中間開度であることを示している。中間開度は、全閉状態と全開状態の間の開度である。図16における実線のグラフは、第3バルブ95から流出する流体の流量と回転角度との関係を示している。図16における破線のグラフは、第2バルブ94から流出する流体の流量と回転角度との関係を示している。図16における一点鎖線のグラフは、第1バルブ93から流出する流体の流量と回転角度との関係を示している。
図16に示すように、回転角度0度付近では第3バルブ95が全開状態で、他のバルブは全閉状態であり、第3バルブ95のみを通じて流体が装置外部へ流出する。この状態から回転角度を大きくしていくと第3バルブ95が中間開度に移行し、さらに回転角度を大きくすると3個のバルブすべてが全閉状態になる。
3個のバルブすべてが全閉状態から回転角度を大きくしていくと、第2バルブ94のみが中間開度を介して全開状態に移行する。さらに回転角度を大きくすると、第1バルブ93が中間開度を介して全開状態に移行して、第1バルブ93と第2バルブ94が全開状態になる。この状態から回転角度を大きくすると、第2バルブ94が中間開度を介して全閉状態に移行して、第2バルブ94と第3バルブ95が全閉状態になる。さらに回転角度を大きくしていくと、第1バルブ93が中間開度を介して全閉状態に移行して、すべてのバルブが全閉状態になる。
以上のように、回転角度に応じて、各バルブの開度が変移して各バルブから流出する流体流量が変化するようになる。潅水システム10における各給水弁152は、3個のバルブのうちの一つのみから流体を供給する構成により、回転角度に応じて圃場20への飛水距離および給水量を制御する。
次に、潅水時に水漏れ、詰まりなどの異常状態を検出して異常状態が生じた場合の潅水復帰の作動について図17~図22を用いて説明する。図17は、通路構成、給水弁および異常センサの位置関係の一例を示している。図17に示す潅水システム10は、複数並んでいる分配チューブ136の一方端部側の通路に設けられている第1給水弁と第1異常センサとを備える。各分配チューブ136は、複数の貫通孔を介して、対応する畝に対して潅水を吐水する潅水管である。一方端部側の通路は、給水源からの給水が流下する縦配管133と分配チューブ136の一方端部とを連通している通路である。第1給水弁は、分配チューブ136の一方端部から他方端部へ向けて流下する一方端部側からの給水の圧力を制御する。第1給水弁は、給水弁141、複数の給水弁143を含んでいる。第1異常センサは、一方端部側からの給水の異常状態を検出することができる。第1異常センサは、異常センサ142、複数の異常センサ144を含んでいる。
図17に示す潅水システム10は、複数並んでいる分配チューブ136の他方端部側の通路に設けられている第2給水弁と第2異常センサとを備える。分配チューブ136の他方端部は、分配チューブ136において一方端部とは反対側に位置する端部である。他方端部側の通路は、給水源からの給水が流下する分岐配管139と分配チューブ136の他方端部とを連通している通路である。第2給水弁は、分配チューブ136の他方端部から一方端部へ向けて流下する他方端部側からの給水の圧力を制御する。第2給水弁は、給水弁160、複数の給水弁162を含んでいる。第2異常センサは、他方端部側からの給水の異常状態を検出することができる。第2異常センサは、異常センサ161、複数の異常センサ163を含んでいる。
縦配管133は、複数の分配チューブ136の一方端部に至る複数の通路に接続されている。複数の通路には、隣合う2つの分配チューブ136の一方端部へそれぞれ分岐する複数の第1連結管133aを含んでいる。複数の第1連結管133aは、複数の分配チューブ136と縦配管133とを連結する通路である。各第1連結管133aは、隣合う2つの分配チューブ136の一方端部と給水源からの給水が流下する給水配管130とを連結する。1個の第1連結管133aは、1つのグループをなす所定数の分配チューブ136への給水の流下を許可、禁止するように設けられている。なお、1個の第1連結管133aに連結される分配チューブ136は、1個または3個以上でもよい。つまり、所定数は、1個または3個以上でもよい。潅水システム10は、第1給水弁および第2給水弁のバルブ開度を制御することにより、複数のグループに対して同時に潅水を実施することができる。
給水源からの給水が流下する縦配管133には、分岐配管139の上流端部が接続されている。縦配管133には、分岐配管139の接続部よりも上流の通路を開閉する給水弁140が設けられている。縦配管133には、分岐配管139の接続部よりも分配チューブ136の一方端部寄りの通路を開閉する給水弁141が設けられている。異常センサ142は、給水弁141よりも分配チューブ136の一方端部寄りであって縦配管133から複数の第1連結管133aへの分岐部において給水情報を検出する。この異常センサ142が検出する給水情報には、水圧、流量が含まれる。この潅水システム10は、異常センサ142として水圧センサまたは流量センサを用いることができる。
各第1連結管133aには、2個の分配チューブ136の一方端部へ分岐する部位の通路を開閉する給水弁143が設けられている。給水弁143は、1個の流体流入部と2個の流体流出部とを有し、2個に分岐する通路のそれぞれを開閉する。異常センサ144は、第1連結管133aに接続されている2個の分配チューブ136のうちの一つの一方端部において給水情報を検出する。この異常センサ144が検出する給水情報には、水圧、流量が含まれる。この潅水システム10は、異常センサ144として水圧センサまたは流量センサを用いることができる。
図18は、制御装置、給水弁および異常センサの関係を示す構成図である。監視部300のマイコン330には、異常センサ142や異常センサ144で検出された給水情報が出力される。処理部334は、異常センサ142または異常センサ144によって検出された給水情報を用いて、一方端部側からの給水の異常状態であるか否かを判定する。信号出力部332は、一方端部側からの給水が異常状態であるか否かに応じて、バルブ開度を制御する制御信号を第1給水弁と第2給水弁とのそれぞれに出力する。ここで記載するバルブ開度の制御は、統合演算部600の情報処理演算機器610によって実行される構成でもよい。
分岐配管139は、複数の分配チューブ136の他方端部に至る複数の通路に接続されている。複数の通路には、隣合う2つの分配チューブ136の他方端部へそれぞれ分岐する複数の第2連結管139aを含んでいる。複数の第2連結管139aは、複数の分配チューブ136と分岐配管139とを連結する通路である。各第2連結管139aは、隣合う2つの分配チューブ136の他方端部と給水源からの給水が流下する分岐配管139とを連結する。
分岐配管139には、分岐配管139の通路を開閉する給水弁160が設けられている。異常センサ161は、給水弁160よりも分配チューブ136の他方端部寄りであって分岐配管139から複数の第2連結管139aへの分岐部において給水情報を検出する。この異常センサ161が検出する給水情報には、水圧、流量が含まれる。この潅水システム10は、異常センサ161として水圧センサまたは流量センサを用いることができる。
図18に示すように、監視部300のマイコン330には、異常センサ161や異常センサ163で検出された給水情報が出力される。処理部334は、異常センサ161や異常センサ163によって検出された給水情報を用いて、他方端部側からの給水の異常状態であるか否かを判定する。信号出力部332は、他方端部側からの給水が異常状態であるか否かに応じて、バルブ開度を制御する制御信号を第1給水弁と第2給水弁とのそれぞれに出力する。
各第2連結管139aには、2個の分配チューブ136の他方端部へ分岐する部位の通路を開閉する給水弁162が設けられている。給水弁162は、1個の流体流入部と2個の流体流出部とを有し、2個に分岐する通路のそれぞれを開閉する。異常センサ163は、第2連結管139aに接続されている2個の分配チューブ136のうちの一つの他方端部において給水情報を検出する。異常センサ163は、異常センサ144が設けられていない分配チューブ136の他方端部において給水情報を検出する。この異常センサ163が検出する給水情報には、水圧、流量が含まれる。この潅水システム10は、異常センサ163として水圧センサまたは流量センサを用いることができる。処理部334は、異常センサ161や異常センサ163によって検出された給水情報に基づいて他方端部側からの給水の異常状態であるか否かを判定する。信号出力部332は、他方端部側からの給水が異常状態であるか否かに応じて、バルブ開度を制御する制御信号を第1給水弁と第2給水弁のそれぞれに出力する。また、図17、図18に示す第1給水弁と第2給水弁は、別々の監視部300のマイコン330によって制御される構成でもよい。
図17に示す状態では、給水弁140と、第1給水弁に含まれる、給水弁141および各給水弁143とは開状態に制御されている。さらに第2給水弁に含まれる、給水弁160および各給水弁162は閉状態に制御されている。この制御により、複数の分配チューブ136において給水が一方端部から他方端部へ流下し、各貫通孔から吐水して圃場20に潅水する。
図19に示す制御処理は、図9に示す給水処理や図10に示す潅水処理において実行される。図19は、潅水の一例として、給水が図17に示す複数の分配チューブ136の一方端部から他方端部へ一斉に流下する潅水を行う場合のフローチャートである。統合演算部600は、図19に示す給水処理を実行する。統合演算部600から出力された給水信号を受信した監視部300のマイコン330は、図19に示す給水処理を実行する。統合演算部600は、ステップS600において、潅水を実施する分割エリアに対応する監視部300に対して潅水実施命令を出力する。統合演算部600は、潅水を実施する分割エリアに対応する監視部300に対して潅水実施の信号を出力する。対応する監視部300のマイコン330は、第1給水弁を開状態にして第2給水弁を閉状態にする制御信号を出力する。各分配チューブ136からの潅水は、目標の潅水量や目標の飛水距離を満たすように第1給水弁のバルブ開度が制御されて、開始される。なお、この状態でポンプ110は駆動しており、給水源からの給水は給水配管130を流下している。ステップS600により、給水が複数の分配チューブ136の一方端部から他方端部へ一斉に流下し、各貫通孔から吐水する潅水が行われる。
ステップS610以降の処理は、統合演算部600または各監視部300のマイコン330が主に実行する。以下、マイコン330が各処理を主に実行する例を説明する。統合演算部600が主に実行する場合には、以下のマイコン330は統合演算部600に置き換えられる。ステップS610において、マイコン330は、各第1異常センサのセンサ値を取得する。マイコン330は、ステップS620において、センサ値が異常条件を満たしているか否かを判定する。第1異常センサは、潅水時に水漏れ、詰まりなどの異常状態により正常な潅水ができていないことを判定可能なセンサ値を検出する。第1異常センサとして水圧センサを用いた構成では、過去の圧力値とセンサ値との差分の絶対値が閾値を超える場合、異常条件が成立したと判定する。過去の圧力値は、過去に正常な潅水が行われたときに検出された水圧値であり、記憶部333に記憶されている。統合演算部600が処理を実行する場合、検出された水圧値は情報格納部500に記憶されることになる。過去の圧力値とセンサ値との差分が正の値であって閾値を超える場合は、例えば、通路からの水漏れが発生している異常状態が想定できる。過去の圧力値とセンサ値との差分が負の値であって絶対値が閾値を超える場合は、例えば、通路において詰まりが発生している異常状態が想定できる。
第1異常センサとして流量センサを用いた構成では、過去の流量値とセンサ値との差分の絶対値が閾値を超える場合、異常条件が成立したと判定する。過去の流量値は、過去に正常な潅水が行われたときに検出された流量値であり、記憶部333に記憶されている。統合演算部600が処理を実行する場合、検出された流量値は情報格納部500に記憶されることになる。過去の流量値とセンサ値との差分が正の値であって閾値を超える場合は、例えば、通路において詰まりが発生している異常状態が想定できる。過去の流量値とセンサ値との差分が負の値であって絶対値が閾値を超える場合は、例えば、通路からの水漏れが発生している異常状態である。
ステップS620において異常状態ではないと判定すると、ステップS640において潅水を継続する処理を実行する。この潅水は、ステップS642で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。潅水の終了条件は、例えば潅水開始からの潅水流量が目標潅水量に到達すると成立する。また、潅水の終了条件は、例えば潅水開始からの潅水時間が目標潅水時間に到達すると成立する。マイコン330はステップS642で潅水の終了条件が成立したと判定すると、第1給水弁を全閉状態に制御して一方端部から他方端部への給水による潅水を終了する。
図20は、異常が検出された箇所の一例を示している。図20に示すAPで矢視した部位に異常状態が発生した場合、給水弁143を開状態に維持しても分配チューブ136から正常な潅水を行うことはできない。この場合、例えば、異常センサ144のセンサ値が異常状態を示していることが想定される。水漏れ発生の場合は、異常センサ144によって検出される通路に給水が到達しないか少量しか流下しないため、センサ値が異常な値を示すことになる。詰まり発生の場合は、異常センサ144によって検出される通路に給水が到達しないか少量しか流下しないため、センサ値が異常な値を示すことになる。
ステップS620において一方端部側の通路が異常状態であると判定すると、ステップS630で第1給水弁のバルブ開度を制御して開状態から閉状態に変更する。具体的には、給水弁141と給水弁143とが開状態から閉状態に変更される。この処理により、一方端部側のバルブが閉塞されて、異常状態を停止することができる。マイコン330は、さらにステップS632において第2給水弁のバルブ開度を制御して閉状態から開状態に変更する。具体的には、給水弁160と給水弁162とが閉状態から開状態に変更される。このとき、他方端部からの給水は、一方端部からの給水時と同じ目標の潅水量や目標の飛水距離を満たすように第2給水弁のバルブ開度が制御される。
ステップS630、S632の処理により、給水源からの給水は分岐配管139、第2連結管139aを介して分配チューブ136の他方端部から一方端部に流下する。このように複数の分配チューブ136からの潅水は、一方端部から他方端部への給水に代わって他方端部から一方端部への給水に変更されて、正常な潅水が継続される。図21に示す他方端部から一方端部への給水は、ステップS634で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。潅水の終了条件はステップS642と同様である。マイコン330はステップS634で潅水の終了条件が成立したと判定すると、第2給水弁を全閉状態に制御して他方端部から一方端部への給水による潅水を終了する。
図22は、図19と異なり、給水が複数の分配チューブ136の一方端部から他方端部へ一斉に流下する潅水を実施する場合のフローチャートである。図22のフローチャートは、図19に示すフローチャートに対して、ステップS630AとS632Aが相違している。図22に示す各処理は、統合演算部600または各監視部300のマイコン330が主に実行する。統合演算部600が主に実行する場合、以下のマイコン330は統合演算部600に置き換えられる。図19のステップS600では、マイコン330は第1給水弁を閉状態にして第1給水弁を開状態にする制御信号を出力する。各分配チューブ136からの潅水は、目標の潅水量や目標の飛水距離を満たすように第2給水弁のバルブ開度が制御されて、開始される。なお、図22のステップS600により、給水が複数の分配チューブ136の他方端部から一方端部へ一斉に流下し、各貫通孔から吐水する潅水が行われる。
ステップS620において他方端部側の通路が異常状態であると判定すると、ステップS630Aで第2給水弁のバルブ開度を制御して開状態から閉状態に変更する。具体的には、給水弁160と給水弁162とが開状態から閉状態に変更される。この処理により、他方端部側のバルブが閉塞されて、異常状態を停止することができる。マイコン330は、さらにステップS632Aにおいて第1給水弁のバルブ開度を制御して閉状態から開状態に変更する。具体的には、給水弁141と給水弁143とが閉状態から開状態に変更される。このとき、一方端部からの給水は、他方端部からの給水時と同じ目標の潅水量や目標の飛水距離を満たすように第1給水弁のバルブ開度が制御される。
ステップS630A、S632Aの処理により、給水源からの給水は縦配管133、第1連結管133aを介して分配チューブ136の一方端部から他方端部に流下する。このように複数の分配チューブ136からの潅水は、他方端部から一方端部への給水に代わって一方端部から他方端部への給水に変更されて、正常な潅水が継続される。一方端部から他方端部への給水は、ステップS634で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。ステップS634で潅水の終了条件が成立すると、マイコン330は第1給水弁を全閉状態に制御して一方端部から他方、端部への給水による潅水を終了する。
潅水システム10は、第1給水弁および第2給水弁のバルブ開度を制御することにより、複数のグループのうち一部のグループについて同時に潅水を実施する構成でもよい。この潅水システムは、複数のグループのうち一部のグループについて一方端部からの給水を行い他の一部のグループについて他方端部からの給水を実施する構成でもよい。一部のグループには、複数のグループのうち任意の1グループまたは2以上のグループを選択することができる。
この潅水システム10は、異常センサとして、分配チューブ136が設置されている土壌の水分量を検出する土壌センサを用いることができる。土壌センサを採用した場合には、マイコン330は過去の土壌水分量と土壌センサのセンサ値との差分の絶対値が閾値を超える場合、異常条件が成立したと判定する。過去の土壌水分量は、過去に正常な潅水が行われたときに検出された土壌部含まれる水流量であり、記憶部333に記憶されている。過去の土壌水分量からセンサ値を差し引いた差分が正の値であって閾値を超える場合は、例えば、通路において詰まりが発生している異常状態が想定できる。詰まりの発生により、分配チューブ136の貫通孔から吐水されていないか少量の吐水であるために、土壌水分量が正常潅水時よりも低い状態が想定できる。過去の圧力値からセンサ値を差し引いた差分が負の値であって絶対値が閾値を超える場合は、例えば、通路からの水漏れが発生している異常状態が想定できる。この異常状態は、例えば、分配チューブ136の特定箇所から水漏れが発生し、水漏れ箇所の土壌水分量が正常潅水時よりも高い状態が想定できる。
第1実施形態の潅水システム10は、分配チューブ136と第1給水弁と第2給水弁と第1異常センサと第2異常センサと制御装置とを備える。第1給水弁は、分配チューブの一方端部から他方端部へ向けて流下する一方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する。第2給水弁は、分配チューブの他方端部から一方端部へ向けて流下する他方端部側からの給水の圧力を制御して分配チューブの貫通孔からの潅水量を制御する。第1異常センサは、分配チューブの一方端部側からの給水の異常状態を検出する。第2異常センサは、分配チューブの他方端部側からの給水の異常状態を検出する。制御装置は、第1異常センサまたは第2異常センサによって異常状態が検出された場合に第1給水弁と第2給水弁のバルブ開度を制御する。制御装置は、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する。潅水システム10によれば、異常状態が検出された側からの給水を中止して不具合を解消して代わりに反対側からの給水の実施により、適切な潅水に復帰できる。潅水システム10は、潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる。水漏れの異常が発生した場合には、水漏れ箇所からの集中的な漏水による湿害の懸念を解消するとともに、当初の狙い範囲に正常な潅水量を提供できる。
制御装置は、異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放してから目標の潅水量または目標の潅水時間に到達するまで潅水を継続する。これによれば、異常状態が検出された潅水を中止して不具合を解消しかつ代替となる潅水を即時に実施して当初予定していた潅水量を確保するシステムを提供できる。
第1給水弁は、所定数の分配チューブ136に対して流下する給水の圧力をそれぞれ個別に制御する複数の給水弁を含む。第2給水弁は、所定数の分配チューブ136に対して流下する給水の圧力をそれぞれ個別に制御する複数の給水弁を含む。制御装置は、第1給水弁に含まれる給水弁毎に個別にバルブ開度を制御し第2給水弁に含まれる給水弁毎に個別にバルブ開度を制御する。これにより制御装置は、異常状態が検出された箇所に対応する所定数の分配チューブ毎に給水の圧力を制御する。これによれば、システムが有する複数の分配チューブのうち、異常状態の発生箇所に対応する所定数の分配チューブ毎に、異常状態を解消し代替の潅水を実施できる。
制御装置の演算部は、第1異常センサまたは第2異常センサによって検出されるセンサ値に基づいていずれかの側からの給水において異常状態が発生していることを検出する。制御装置の出力部は、異常状態の発生が検出された場合に第1給水弁と第2給水弁のバルブ開度を制御する制御信号を出力する。出力部は、第1給水弁と第2給水弁のうち異常状態が検出された側からの給水を制御する給水弁を閉塞しかつ異常状態が検出されていない側からの給水を制御する給水弁を開放する、制御信号を出力する。この制御装置は、潅水時に不具合が生じた場合に悪影響を抑えた潅水を実施できる。制御装置は、水漏れの異常が発生した場合には、水漏れ箇所からの集中的な漏水による湿害の懸念を解消するとともに、当初の狙い範囲に正常な潅水量を提供できる。
演算部は、異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放してから目標の潅水量または目標の潅水時間に到達したか否かを判定する。出力部は、演算部が目標の潅水量または目標の潅水時間に到達したと判定するまで、制御信号を出力し続ける。あるいは、出力部は、潅水時間に到達したと判定したタイミングで潅水終了制御信号を出力する。この制御によれば、異常状態が検出された潅水を中止して不具合を解消しかつ代替となる潅水を即時に実施して当初予定していた潅水量を確保することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について図23を参照して説明する。第2実施形態の潅水システム10は、給水弁および異常センサの位置関係について図23に示す構成を有している。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
図23は、第1給水弁、第2給水弁、第1異常センサおよび第2異常センサを示している。図23に示す構成は、図17に示す構成に対して、第1異常センサの構成と第2異常センサの構成が相違する。図23に示す第1異常センサに含まれる異常センサ144は、すべての分配チューブ136の一方端部において給水情報を検出するように設けられている。図23に示す第2異常センサに含まれる異常センサ163は、すべての分配チューブ136の他方端部において給水情報を検出するように設けられている。この構成によれば、第1異常センサと第2異常センサがすべての分配チューブの両端部に設けられているため、異常箇所のより正確な位置を検出可能になる。
<第3実施形態>
第3実施形態について図24~図26を参照して説明する。第3実施形態の潅水システム10は、給水弁および異常センサの位置関係について図24に示す構成を有している。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
図24は、第1給水弁、第2給水弁、第1異常センサおよび第2異常センサを示している。図24に示す構成は、図23に示す構成に対して、第1給水弁の構成が相違する。図24に示す第1給水弁は、給水弁145を含む。給水弁145は、縦配管133から分岐する通路の2箇所に設けられている。各給水弁145は、縦配管133から複数の第1連結管133aへ分岐する分岐部と2個の第1連結管133aへの分岐部との間に位置する通路に設けられている。各給水弁145は、所定数の分配チューブ136をそれぞれ含む2つのグループへの給水の流下を許可でき遮断できるように設けられている。
図25は、制御装置、給水弁および異常センサの関係を示す構成図である。信号出力部332は、異常状態が発生した場合、前述の2つのグループへの給水の流下を禁止するために、給水弁145のバルブ開度を制御する制御信号を出力する。また、図25に示す第1給水弁と第2給水弁は、別々の監視部300のマイコン330によって制御される構成でもよい。図26は、異常が検出された箇所の一例を示している。図26に示すAPで矢視した部位に異常状態が発生した場合、上流の給水弁145を開状態に維持しても2つのグループに含まれる分配チューブから正常な潅水を実施できない。例えば、水漏れ発生の場合は、2つのグループに含まれる分配チューブへ給水が到達しないか少量しか流下しない。異常状態を停止するため、マイコン330は上流の給水弁145と2つのグループに対応する給水弁143とを閉状態にする制御を行う。さらにマイコン330は、給水弁160と2つのグループに対応する分配チューブの他方端部側に位置する給水弁162とを開状態にする制御を行う。この制御により、2つのグループについて給水が分配チューブの他方端部から一方端部へ流下する潅水に切り替えることができる。
第3実施形態の潅水システム10によれば、より細やかなフェールセーフ制御が可能になる。例えば圃場20に高低差があり一方の給水弁の方が高い場合には、分配チューブにおいて高い箇所から潅水したいため、異常箇所以外はフェールセーフしない制御も可能になる。
<第4実施形態>
第4実施形態について図27を参照して説明する。第4実施形態の潅水システム10は、異常状態を検出した場合に土壌センサのセンサ値を用いて給水弁の制御を行う点が他の実施形態に対して相違している。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態~第3実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
図27は、第4実施形態に係る異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。図27に示す制御処理は、図9に示す給水処理や図10に示す潅水処理において実行される。統合演算部600、および統合演算部600から出力された給水信号を受信した監視部300のマイコン330は、図27に示す給水処理を実行する。図27に示す各処理は、統合演算部600または各監視部300のマイコン330が主に実行する。なお、統合演算部600が主に実行する場合、以下のマイコン330は統合演算部600に置き換えられる。マイコン330は、ステップS600で第1給水弁と第2給水弁を制御して、一方端部から他方端部への給水、または他方端部から一方端部への給水のいずれかを実施する。ステップS610において、マイコン330は、分配チューブ136に対して給水を流入させている側に対応する異常センサのセンサ値を取得する。例えば、一方端部から他方端部への給水を実施している場合は、各第1異常センサのセンサ値を取得する。マイコン330は、ステップS620において、給水を流入させている側に対応する異常センサのセンサ値が異常条件を満たしているか否かを判定する。
ステップS620で流入側の通路に異常状態が発生していると判定すると、潅水を行う予定の土壌の水分量が許容値を超過するか否かをステップS650において判定する。許容値は、この値を超過すると作物の生育に悪影響が生じるほど土壌が過剰な水分量を含むような値に設定されている。許容値は、あらかじめ記憶部333に記憶されている。土壌の水分量が許容値を超過するケースは、例えば、異常状態として水漏れが発生し漏れた水が土壌の水分量を過剰に高めたことが想定できる。ステップS650において土壌の水分量が許容値を超過すると判定すると、マイコン330はステップS651で給水弁を閉状態にして潅水を中止する処理を実行する。この潅水中止は、土壌水分量が過剰であり潅水を継続して作物の生育に悪影響がでることを回避するためである。
ステップS650で土壌の水分量が許容値以下であると判定すると、流入側の通路に設けられた給水弁を開状態から閉状態に変更する。土壌の水分量が許容値以下である場合は、土壌が湿潤状態ではなく、または乾燥状態であると想定できる。この状態では、分配チューブに対する給水の向きを変更して潅水を継続しても、作物に悪影響リスクが少ないと判断する。マイコン330は、さらにステップS654において流入側とは反対側の通路に設けられた給水弁を閉状態から開状態に変更する。この制御により、分配チューブ136における給水の流れ方向が、逆向きに変更されて、異常状態でない通路を経由した給水による正常な潅水を継続することができる。変更後の給水は、ステップS656で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。マイコン330はステップS656で潅水の終了条件が成立したと判定すると、給水弁を全閉状態に制御して変更後の給水による潅水を終了する。
制御装置は、第1異常センサまたは第2異常センサによって異常状態が検出された場合に、土壌センサ311によって検出された水分量情報に基づいて給水弁を閉塞する。潅水システム10は、この制御により潅水を中止する。演算部は、第1異常センサまたは第2異常センサによって異常状態が検出された場合に土壌センサによって検出された水分量情報に基づいて潅水を中止するか否かを決定する。出力部は、演算部によって潅水の中止が決定された場合に給水弁を閉塞する制御信号を出力する。この制御によれば、水漏れなどの異常状態の発生により土壌に過剰な水分が含有している場合に、作物の生育に与える悪影響を回避でき、無駄な潅水を抑止できる。
制御装置は、異常状態が検出された場合に、検出された水分量情報に基づいて異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞する。制御装置は、さらに異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放することにより、潅水を継続する。演算部は、第1異常センサまたは第2異常センサによって異常状態が検出された場合に土壌センサによって検出された水分量情報に基づいて潅水を継続するか否かを決定する。出力部は、演算部によって潅水の継続が決定された場合に、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する制御信号を出力する。この制御によれば、土壌の水分量が潅水を必要とする状態である場合に適切に潅水量を提供でき、作物の生育にとって有用である。
<第5実施形態>
第5実施形態について図28~図30を参照して説明する。第5実施形態の潅水システム10は、潅水時に一方端部と他方端部の両側から同時に給水する点が他の実施形態に対して相違している。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
図28は、第5実施形態に係る異常検出時の給水弁の作動を示すフローチャートである。図29は、第5実施形態に係る給水弁および異常センサの位置関係を示している。図30は、第5実施形態に係る異常検出時の潅水復帰を説明する図である。図28に示す制御処理は、図9に示す給水処理や図10に示す潅水処理において実行される。統合演算部600、および統合演算部600から出力された給水信号を受信した監視部300のマイコン330は、図28に示す給水処理を実行する。図28に示す各処理は、統合演算部600または各監視部300のマイコン330が主に実行する。また、統合演算部600が主に実行する場合、以下のマイコン330は統合演算部600に置き換えられる。マイコン330は、ステップS700で第1給水弁と第2給水弁とを開状態に制御して一方端部から他方端部への給水と他方端部から一方端部への給水とを同時に実施する。この処理により、図29に示すような一方端部側と他方端部側との両側からの給水が行われる。ステップS710以降の処理は各監視部300のマイコン330が主に実行する。ステップS710において、マイコン330は、第1異常センサのセンサ値と第2異常センサのセンサ値とを取得する。マイコン330は、ステップS720において、第1異常センサと第2異常センサの各センサ値が異常条件を満たしているか否かを判定する。
ステップS720においてどの異常センサについても異常状態ではないと判定すると、ステップS740において潅水を継続する処理を実行する。この潅水は、ステップS742で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。潅水の終了条件は、第1実施形態と同様の条件である。マイコン330はステップS742で潅水の終了条件が成立したと判定すると、給水弁を全閉状態に制御して両側からの給水による潅水を終了する。
図30は、異常が検出された箇所の一例を示している。図30に示すAPで矢視した部位に異常状態が発生した場合、給水弁143を開状態に維持しても分配チューブ136から正常な潅水を行うことはできない。ステップS720で図30に示すように一方端部側の通路の異常状態を判定すると、ステップS730で第1給水弁のバルブ開度を制御して開状態から閉状態に変更する。具体的には、給水弁143が開状態から閉状態に変更される。この処理により、一方端部側のバルブが閉塞されて、他方端部からの給水のみが継続される。このとき、他方端部からの給水は、両側からの同時潅水時と同じ目標の潅水量や目標の飛水距離を満たすように第2給水弁のバルブ開度が制御される。
ステップS730の処理により、当初の両側からの給水による潅水は、他方端部から一方端部への給水のみに変更されて、正常な潅水が継続される。他方端部から一方端部への給水は、ステップS750で、潅水の終了条件が成立するまで継続される。潅水の終了条件は、ステップS642と同様である。マイコン330はステップS750で潅水の終了条件が成立したと判定すると、第2給水弁を全閉状態に制御して他方端部から一方端部への給水による潅水を終了する。
制御装置は、一方端部側からの給水と一方端部側からの給水とを同時に行っている状態において、以下の制御を実行する。制御装置は、第1給水弁と第2給水弁とのうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する。このシステムによれば、分配チューブに対して両側から給水する場合に、異常状態が発生していない側からの給水に切り換えることで適切な潅水に復帰できる。
<第6実施形態>
第6実施形態について図31を参照して説明する。第6実施形態の潅水システム10は、給水弁および異常センサの位置関係について図31に示す構成を有している。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
図31に示す第6実施形態の潅水システム10は、前述の実施形態に対して、給水源が2つ備えることが相違する。潅水システム10は、分配チューブの一方端部に連通する第1連結管133aと他方端部に連通する第2連結管139aとが別々の給水源から給水を受け入れる構成である。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
潅水システム10が備える分配チューブ136は、内部を流通する水圧に応じて伸縮する構成でもよい。この場合、分配チューブ136は、例えば水圧に応じて弾性変形可能な材質や硬度を有して形成されている。給水弁のバルブ開度が全閉のときのチューブは、内部に水が満たされていない内圧がほぼゼロであり、膨らんでいない扁平形状である。給水弁のバルブ開度が全開で内圧によって最大限に膨張しきっている状態では、チューブから吐水中にチューブは伸縮することなく、通水圧損によってチューブの下流部位での吐出水量は上流部位よりも少なくなる。したがって、チューブからの吐出水量は、チューブの延長方向においてばらついている。
これらの中間の状態では、チューブは膨張しきっておらず、内圧のわずかな変化によって伸縮可能な状態である。このため、チューブ自体が通水の内圧変化によってダイヤフラムとして機能するので、チューブの下流部位と上流部位とにおいて吐水量にあまり差がない。したがって、チューブからの吐出水量は、チューブの延長方向全体においてほぼ均等になっている。給水弁152のバルブ開度は、潅水実施中においてチューブが伸縮可能である内圧になるように、水圧センサ153などの検出値を用いて制御されている。
前述の実施形態における潅水システム10は、第1実施形態に示す環境センサを備えていない構成でもよい。
20…圃場、 30…植物、 110…ポンプ(給水源)、 136…分配チューブ
141,143,145…給水弁(第1給水弁)
142,144…異常センサ(第1異常センサ)
160,162…給水弁(第2給水弁)
161,163…異常センサ(第2異常センサ)、 311…土壌センサ
330…マイコン(制御装置)、 332…信号出力部(出力部)
334…処理部(演算部)

Claims (10)

  1. 植物(30)を生育する圃場(20)に設けられて、前記圃場に潅水するための複数の貫通孔が形成された分配チューブ(136)と、
    前記分配チューブの一方端部から他方端部へ向けて流下する前記一方端部側からの給水の圧力を制御して前記分配チューブの前記貫通孔からの潅水量を制御する第1給水弁(141,143,145)と、
    前記分配チューブの前記他方端部から前記一方端部へ向けて流下する前記他方端部側からの給水の圧力を制御して前記分配チューブの前記貫通孔からの潅水量を制御する第2給水弁(160,162)と、
    前記一方端部側からの給水の異常状態を検出する第1異常センサ(142,144)と、前記他方端部側からの給水の異常状態を検出する第2異常センサ(161,163)と、
    前記第1異常センサまたは前記第2異常センサによって異常状態が検出された場合に前記第1給水弁と前記第2給水弁のバルブ開度を制御する制御装置(300)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記第1給水弁と前記第2給水弁のうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する潅水システム。
  2. 前記制御装置は、前記異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する前記給水弁を前記開放してから目標の潅水量または目標の潅水時間に到達するまで潅水を継続する請求項1に記載の潅水システム。
  3. 前記第1給水弁は、所定数の前記分配チューブに対して流下する給水の圧力をそれぞれ個別に制御する複数の給水弁を含み、
    前記第2給水弁は、所定数の前記分配チューブに対して流下する給水の圧力をそれぞれ個別に制御する複数の給水弁を含み、
    前記制御装置は、前記第1給水弁に含まれる前記給水弁毎に個別にバルブ開度を制御し、前記第2給水弁に含まれる前記給水弁毎に個別にバルブ開度を制御して、異常状態が検出された箇所に対応する所定数の前記分配チューブ毎に給水の圧力を制御する請求項1または請求項2に記載の潅水システム。
  4. 前記分配チューブが設置されている前記圃場に設けられて、土壌の水分量を検出可能な土壌センサ(311)を備え、
    前記制御装置は、前記第1異常センサまたは前記第2異常センサによって異常状態が検出された場合に、前記土壌センサによって検出された水分量情報に基づいて給水弁を閉塞して潅水を中止する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の潅水システム。
  5. 前記分配チューブが設置されている前記圃場に設けられて、土壌の水分量を検出可能な土壌センサ(311)を備え、
    前記制御装置は、前記第1異常センサまたは前記第2異常センサによって異常状態が検出された場合に、前記土壌センサによって検出された水分量情報に基づいて、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放して、潅水を継続する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の潅水システム。
  6. 前記一方端部側からの給水と前記一方端部側からの給水とを同時に行っている状態において、前記制御装置は、前記第1給水弁と前記第2給水弁のうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞し異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の潅水システム。
  7. 複数の貫通孔が形成された分配チューブ(136)の一方端部から他方端部へ向けて流下する前記一方端部側からの給水の圧力を制御して前記分配チューブの前記貫通孔からの潅水量を制御する第1給水弁(141,143,145)のバルブ開度と、
    前記分配チューブの前記他方端部から前記一方端部へ向けて流下する前記他方端部側からの給水の圧力を制御して前記分配チューブの前記貫通孔からの潅水量を制御する第2給水弁(160,162)のバルブ開度と、を制御する制御装置であって、
    前記一方端部側からの給水の異常状態を検出可能な第1異常センサ(142,144)または前記他方端部側からの給水の異常状態を検出可能な第2異常センサ(161,163)によって検出されるセンサ値に基づいて、前記一方端部側からの給水または前記他方端部側からの給水において異常状態が発生していることを検出する演算部(334)と、
    前記異常状態の発生が検出された場合に前記第1給水弁と前記第2給水弁のバルブ開度を制御する制御信号を出力する出力部(332)と、
    を備え、
    前記出力部は、前記第1給水弁と前記第2給水弁のうち、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞しかつ異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する、制御信号を出力する制御装置。
  8. 前記演算部は、前記異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する前記給水弁を前記開放してから目標の潅水量または目標の潅水時間に到達したか否かを判定し、
    前記出力部は、前記演算部が前記目標の潅水量または前記目標の潅水時間に到達したと判定するまで、前記制御信号を出力し続ける請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記演算部は、前記第1異常センサまたは前記第2異常センサによって異常状態が検出された場合に、前記分配チューブが設置されている圃場に設けられた土壌センサ(311)によって検出された水分量情報に基づいて潅水を中止するか否かを決定し、
    前記出力部は、前記演算部によって潅水の中止が決定された場合に、給水弁を閉塞する制御信号を出力する請求項7に記載の制御装置。
  10. 前記演算部は、前記第1異常センサまたは前記第2異常センサによって異常状態が検出された場合に、前記分配チューブが設置されている圃場に設けられた土壌センサ(311)によって検出された水分量情報に基づいて潅水を継続するか否かを決定し、
    前記出力部は、前記演算部によって潅水の継続が決定された場合に、異常状態が検出された側からの給水の圧力を制御する給水弁を閉塞しかつ異常状態が検出されていない側からの給水の圧力を制御する給水弁を開放する前記制御信号を出力する請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の制御装置。
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