JP2023124772A - 窒化珪素基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下では、3相インバータ回路を例に挙げて説明する。
例えば、インバータ回路INVに使用されるスイッチング素子Q1としては、パワーMOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を挙げることができる。
図2は、インバータ回路を実現する実装レイアウト例を示す模式図である。
上述しように、窒化珪素基板100上には、半導体装置SA1~半導体装置SA6が搭載される。このとき、半導体装置SA1~半導体装置SA6において熱が発生することから、熱に起因する半導体装置SA1~半導体装置SA6の誤動作や故障を防止する必要がある。したがって、半導体装置SA1~半導体装置SA6が搭載されている窒化珪素基板100には、高い放熱特性が要求される。言い換えれば、窒化珪素基板100は、高い熱伝導率を有していることが要求される。また、窒化珪素基板100には、温度変化に起因して発生する応力に対する耐性も要求される。
まず、窒化珪素基板を製造する関連技術について説明する。
以下では、本実施の形態で採用している窒化珪素基板の製造方法を説明する。
本実施の形態では、珪素粉末に焼結助剤として希土類元素酸化物およびマグネシウム化合物を添加して得られる原料粉末を使用してスラリーを作製する(S201)。
本実施の形態では、工業的に入手可能なグレードの珪素粉末を使用することができる。粉砕前の珪素は、例えば、メジアン径D50が6μm以上、BET比表面積が3m2/g以下、酸素量が1.0質量%以下、および珪素中の不純物炭素量が0.15質量%以下の粉末であることが望ましい。さらには、メジアン径D50が7μm以上、BET比表面積が2.5m2/g以下、酸素量が0.5質量%以下、および珪素中の不純物炭素量が0.10質量%以下の粉末であることがより望ましい。
本実施の形態では、希土類元素酸化物として、入手が容易であり、また、酸化物として安定しているイットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)、ルテチウム(Lu)などの酸化物が使用される。具体的に、希土類元素酸化物としては、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)、酸化ルテチウム(Lu2O3)などを挙げることができる。
マグネシウム化合物としては、「Si」、「N」または「O」を含有するマグネシウム化合物を1種類または2種類以上使用することができる。特に、酸化マグネシウム(MgO)、窒化珪素マグネシウム(MgSiN2)、珪化マグネシウム(Mg2Si)、窒化マグネシウム(Mg3N2)などを使用することが望ましい。
上述のようにして得られたスラリーに対し、例えば、分散媒、有機バインダ、分散剤などを加えて、必要に応じて真空脱泡を行った後、粘度を所定の範囲に調整することにより、塗工用スラリーを作製する。
作製されたシート状の成形体を加熱することにより、成形体に含まれる珪素を窒化した後に緻密化する焼結工程が実施される(S203)。この焼結工程には、成形体中に含まれる有機バインダを除去する脱脂工程と、成形体中に含まれる珪素と窒素とを反応させて窒化珪素を形成する窒化工程(S204)と、窒化工程後に行われる緻密化焼結工程と、が含まれる。すなわち、本実施の形態における窒化珪素基板は、シート状の成形体に含まれる珪素を窒化してなる窒化珪素基板である。窒化珪素基板の厚さは、例えば、0.15mm以上0.8mm以下である。これらの工程は、別々の炉で逐次的に実施してもよいし、同一の炉において連続的に実施してもよい。
上述した窒化珪素基板の製造方法では、窒化珪素粉末ではなく、珪素粉末を使用していることから、窒化処理が必要となる。この点に関し、本発明者は、窒化処理での加熱条件によって、製造された窒化珪素基板の表面に色むらが生じることを新規に見出した。
そこで、本発明者は、窒化珪素基板の表面に発生する色むらを抑制するために、まず、窒化珪素基板の表面に色むらが発生するメカニズムについて鋭意検討した。この結果、本発明者は、以下に示す色むらの発生メカニズムを推定したので、この推定した色むらの発生メカニズムについて説明する。
本実施の形態における基本思想は、窒化処理における急激な昇温を抑制することにより、中央部と縁部の温度差が小さい温度分布を維持しながら成形体を加熱する思想である。つまり、基本思想は、中央部の温度と縁部の温度との間の温度差を充分に緩和するために必要な時間を確保できる程度に、急激な昇温を抑制する思想である。
以下では、この基本思想を具現化した具体的態様について説明する。
<<色むらの定量的評価方法>>
まず、色むらの定量的評価方法について説明する。
「明度L*」は、色調の明暗を示す指数である。「明度L*」は、0≦L*≦100の範囲の値を取り、「明度L*」の値が大きくなると、色調は明るくなり、白味を帯びる。一方、「明度L*」の値が小さくなると、色調は暗くなり、黒味を帯びる。
「クロマティクネス指数a*」は、色調の赤から緑の度合いを示す指数である。「クロマティクネス指数a*」は、-60≦a*≦+60の範囲の値を取る。「クロマティクネス指数a*」の値がプラス方向に大きくなると色調は赤色となる。一方、「クロマティクネス指数a*」の値がマイナス方向に大きくなると色調は緑色となる。そして、「クロマティクネス指数a*」の絶対値が小さくなる程、くすんだ色調となる。
「クロマティクネス指数b*」は、色調の黄から青の度合いを示す指数である。「クロマティクネス指数b*」は、-60≦b*≦+60の範囲の値を取る。「クロマティクネス指数b*」の値がプラス方向に大きくなると色調は黄色となる。一方、「クロマティクネス指数b*」の値がマイナス方向に大きくなると色調は青色となる。そして、「クロマティクネス指数b*」の絶対値が小さくなる程、くすんだ色調となる。
「彩度C*」は、以下に示す数式1に基づいて、「クロマティクネス指数a*」および「クロマティクネス指数b*」に基づいて算出される。
「色差ΔE*ab」とは、基準色との色の差を示す指標であり、「明度L*」、「クロマティクネス指数a*」および「クロマティクネス指数b*」に基づいて算出される。
「位置1」:表面において、対角線が交差する位置
「位置2」:表面において、角部CNR1から「位置1」の方向に15mm内側の位置
「位置3」:表面において、角部CNR2から「位置1」の方向に15mm内側の位置
「位置4」:表面において、角部CNR3から「位置1」の方向に15mm内側の位置
「位置5」:表面において、角部CNR4から「位置1」の方向に15mm内側の位置
以下では、上述した「色空間」の構成パラメータを使用して、サンプル#1~サンプル#4についての色むらの検証を行ったので、この検証結果について説明する。
本実施の形態では、窒化処理における昇温工程のうち、1270℃から1340℃までの範囲において、加熱温度の傾きの平均を3.1℃/h以下となるように工夫が施されている。
100A 成形体
200 セッタ
300 重石
INV インバータ回路
FWD ダイオード
GCC ゲート制御回路
GL グランド配線
LG1 第1レグ
LG2 第2レグ
LG3 第3レグ
MT 3相誘導モータ
NT 負電位端子
PT 正電位端子
Q1 スイッチング素子
RT ロータ
SA 半導体装置
SA1 半導体装置
SA2 半導体装置
SA3 半導体装置
SA4 半導体装置
SA5 半導体装置
SA6 半導体装置
VL 電源配線
WL1 配線
WL2 配線
WL3 配線
Claims (5)
- 珪素が含まれるシート状の成形体を窒化してなる窒化珪素基板であって、
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、
平面形状は、それぞれの辺が100mm以上の矩形形状であり、
前記第1面と前記第2面のうちの少なくとも一方の面において、中央部と縁部との色差をΔE*abとすると、各角部から中央部の方向に15mm内側の位置である縁部のすべてで0<ΔE*ab≦1.5である、
窒化珪素基板。 - 請求項1に記載の窒化珪素基板において、
0<ΔE*ab≦0.8である、窒化珪素基板。 - 請求項1または2に記載の窒化珪素基板において、
前記中央部と前記縁部のそれぞれの明度は、70以上である、窒化珪素基板。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の窒化珪素基板において、
前記中央部と前記縁部のそれぞれの彩度は、10以上である、窒化珪素基板。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の窒化珪素基板において、
厚さが0.15mm以上0.8mm以下である、窒化珪素基板。
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