JP2023124593A - テープ形状の巻取り石鹸 - Google Patents

Abstract

【課題】石鹸をテープ状にして抽出しケース中に収納して必要な分の長さだけ抽出してちぎり使用することができるようにして、従来シート状石鹸が抱える課題を解決することができるテープ形状の巻取り石鹸を提供する。【解決手段】テープ形状巻取り石鹸は、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープを形成すると共に、石鹸テープを所定大きさに巻き取ってテープ抽出口を有する巻取りケース中に収納してなることとした。【選択図】図１

Description

この発明は、巻取りテープ石鹸を巻取りケースに収納し、使用時にはケースから抜き出して所定の長さにちぎって石鹸として使用するテープ形状の巻取り石鹸に関する。

従来、石鹸の形状としてシート状とした石鹸がある。これは、石鹸素材をシート状に押し固めて形成しており、使用時には所定量をちぎって使用すると共に使用終了時には全部水や湯に溶解するため残渣を廃棄する必要がない（例えば、特許文献１。）。

特開２００３－１４７４００号公報

このようなシート状石鹸は、液体石鹸、泡状石鹸、或いは固形石鹸等に比してシート状であるため取り扱いが簡便で、携帯には嵩張らず、且つ必要枚数を携行するだけでよいため経済的であった。

しかしながら、シート状であるが故に面積が限定され、携行しやすい大きさとすれば、複数枚を必要とすると共に洗浄時にシート状石鹸をケースから取出す際に手に付着した水滴がシート状石鹸を濡らし、使用前に水と接触して溶解してしまう虞があり、また、一定広さのシート状石鹸を収納するケースも大きくなり携帯に不便を感じることがあった。

この発明は、石鹸をテープ状にして抽出しケース中に収納して必要な分の長さだけ抽出してちぎり使用することができるようにして従来シート状石鹸の課題を解決することができるテープ形状の巻取り石鹸を提供せんとする。

この発明は、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープを形成すると共に、石鹸テープを所定大きさに巻き取ってテープ抽出口を有する巻取りケース中に収納したことを特徴とするテープ形状巻取り石鹸を提供せんとする。

また、巻取りケースは、上半ケースと下半ケースとの一体嵌着可能な二分割ケースとすると共に、ケース本体の略中央部分に石鹸テープの巻取り中心部を支持する支持杆を立設したことを特徴とする。

請求項１の発明によれば、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープを形成すると共に、石鹸テープを所定大きさに巻き取ってテープ抽出口を有する巻取りケース中に収納したため、携行しやすい大きさを維持したまま複数回分の石鹸テープを持ち運ぶことができる。また、手に水滴が付着した状態で石鹸テープを取り出す場合であっても、石鹸テープが巻取りケース中に収納されている為、石鹸テープの水滴との接触による石鹸テープの溶解を防ぐことができる。

請求項２の発明によれば、巻取りケースは、上半ケースと下半ケースとの一体嵌着可能な二分割ケースとすると共に、ケース本体の略中央部分に石鹸テープの巻取り中心部を支持する支持杆を立設したため、石鹸テープを使いきった後にも交換が容易であり、しかも構造がシンプルであるため製造コストを抑えることができる。

テープ形状巻取り石鹸の全体像を示した図である。 テープ形状巻取り石鹸の内部構造を示した側面図である。 図２におけるＡ―Ａ線断面図である。 テープ形状巻取り石鹸の使用例を示した説明図である。

本発明の要旨は、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープを形成すると共に、石鹸テープを所定大きさに巻き取ってテープ抽出口を有する巻取りケース中に収納したことを特徴とする。

また、巻取りケースは、上半ケースと下半ケースとの一体嵌着可能な二分割ケースとすると共に、ケース本体の略中央部分に石鹸テープの巻取り中心部を支持する支持杆を立設したことにも特徴を有する。

以下、本発明に係るテープ形状巻取り石鹸の実施形態について、図を参照しつつ説明する。なお、図１（ａ）は本実施形態に係るテープ形状巻取り石鹸Ｓの側面図、図１（ｂ）は斜視図、図２（ａ）は上半ケース２２ａ側を示した分解図、図２（ｂ）は下半ケース２２ｂ側を示した分解図である。

本実施形態に係るテープ形状巻取り石鹸Ｓは、図２（ａ）に示すように、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープ１０を形成すると共に、石鹸テープ１０を所定大きさに巻き取ってテープ抽出口３０を有する巻取りケース２０中に収納したことを特徴としている。

石鹸テープ１０の石鹸素材としては、脂肪酸を含有した油脂に精製水と苛性ソーダを加えて調整した脂肪酸のアルカリ塩を採用する。また、石鹸素材は、同アルカリ塩に、グリセリンや親水クリーム等の水溶性の粘稠剤、香料、保存料などの添加物を配合している。

石鹸素材を構成するこれらの要素は、市場に流通している公知のものを採用することができる。例えば、油脂としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などを含んだオイルを採用することができる。そして、採用した油脂に応じて適量の苛性ソーダを添加して脂肪酸のアルカリ塩を調製する。

粘稠剤は、石鹸テープ１０に可撓性を付与することができる。すなわち、粘稠剤は、テープ状に成型固化した石鹸素材が折れたり割れたりすることを防ぐ。これにより、石鹸テープ１０は、一端を筒形状の巻取り中心部１１の外側周壁面に接触させた状態で巻き取ることができる。また、粘稠剤は柔軟性を付与するため、石鹸テープ１０はハサミなどを使用しなくとも容易にちぎって使用することができる。

ここで、一般的なシート形状石鹸は、例えばトイレットペーパーのような水中分散性もしくは水中崩壊性を有する紙に石鹸成分を付着させて可撓性や加工容易性を付与しているが、両手で引き裂くようにしなければ切り取り難かった。さらに、濡れた手で石鹸シートに触れれば、使用しない側の石鹸成分を不用意に溶解させてしまう虞があった。

しかしながら、本実施形態に係る石鹸テープ１０は、所定量の粘稠剤を配合することにより可撓性と柔軟性とを有しながらも、片手で切り取ることができ、使用しない側の石鹸シートは濡れた手と接触しないため溶解することがないという有利な効果を備えている。

しかも、水溶性の粘稠剤を使用しているため、手洗い時に手指にべたつきが残ることもない。また、粘稠剤が石鹸の気泡を柔らかくし、まるでメレンゲのような泡を形成することができる。このように、水溶性の粘稠剤を石鹸素材に配合することにより、石鹸テープ１０の加工しやすさ、切り取りやすさ、洗浄時の使用感を高めることができる。

巻取り中心部１１は、後述するように石鹸テープ１０を巻取りケース２０の外部へと抽出する際に支持杆２１の外側壁面を摺動するため、ある程度の耐変形性や耐摩耗性を備えた素材より構成する。例えば、素材としては、厚紙、樹脂、金属などを採用することができる。

石鹸テープ１０は、図２（ａ）に示すように、巻き取られた状態で巻取りケース２０に収納されている。

巻取りケース２０は、図２に示すように、上半ケース２２ａと下半ケース２２ｂとよりなる一体嵌着可能な二分割ケースで構成されている。すなわち、上半ケース２２ａおよび下半ケース２２ｂは、共に上部が開放された有底円筒形状であり、互いの開放部を向き合わせた状態で連結させることで形成される内部空間２３に巻取りテープ状に形成固化した石鹸テープ１０を収納している。

上半ケース２２ａおよび下半ケース２２ｂは、図２に示すように、共に外側周壁２６としての大径環状壁２４、２４’と、略中央部分に設けられた石鹸テープ１０の巻取り中心部１１を支持する支持杆２１としての小径環状壁２５、２５’とが同心円状に配置されている。

上半ケース２２ａおよび下半ケース２２ｂの一体嵌着状態において、上半ケース２２ａの大径環状壁２４と下半ケース２２ｂの大径環状壁２４’は、少なくとも外側の周壁が面一となるように構成されている。また同様に、上半ケース２２ａの小径環状壁２５と下半ケース２２ｂの小径環状壁２５’は、少なくとも外側の周壁が面一となるように構成されている。

巻取りケース２０内に石鹸テープ１０を収納する際には、石鹸テープ１０の巻取り中心部１１を上半ケース２２ａあるいは下半ケース２２ｂいずれかの支持杆２１に嵌め込んだ状態で両ケース２２ａ、２２ｂを連結させる。また、支持杆２１を巻取り中心部１１と略接する大きさに構成すれば、石鹸テープ１０を巻取りケース２０外へと抽出する際の石鹸テープ１０の振動を防ぐことができるため円滑に抽出することができる。

また、上半ケース２２ａおよび下半ケース２２ｂは、図１（ｂ）に示すように、一体嵌着状態において、対応する大径環状壁２４、２４’をそれぞれ略コ字状に切欠いてテープ抽出口３０を形成している。

テープ抽出口３０の一端は、図２および４に示すように、大径環状壁２４、２４’から径方向に向けて抽出補助板４０が設けられている。抽出補助板４０は、石鹸テープ１０と略同じ幅員に構成された略矩形の板状体である。なお、図４（ａ）は石鹸テープ１０を抽出した状態を示す斜視図、図４（ｂ）は石鹸テープ１０を切り離した状態を示す斜視図である。

また、抽出補助板４０の他端は、板厚方向を漸次肉薄に構成して鋭角部４１を設けている。鋭角部４１は石鹸テープ１０を切るカッターとして機能するため、抽出補助板４０を設けることにより、石鹸テープ１０を片手で容易にちぎることができる。

また、テープ抽出口３０の他端は、テープ抽出口３０を開閉自在とする蓋体３１が枢支されている。蓋体３１は、テープ抽出口３０と略同じ寸法の略矩形状の板体で構成した蓋体本体３２と、蓋体本体３２の一端側の上下に板厚方向と略垂直方向に設けた枢支軸とより構成されている。すなわち、蓋体３１は蓋体本体３２の一端を軸として回動するため、石鹸テープ１０を抽出する際の蓋体３１の開放や、使用しない時の蓋体３１の閉塞を容易に行うことができる。

また、蓋体本体３２の他端は、板厚方向を漸次肉薄にして鋭角部３３を設けられている。また、蓋３１を閉塞させた際に鋭角部３３が抽出補助板４０の鋭角部４１と対応するように設ければ、次の作用効果がある。

すなわち、テープ抽出口３０から必要量の石鹸テープ１０を抽出して蓋体３１を閉塞すれば、石鹸テープ１０の表面と裏面とを２つの鋭角部３３、４１が挟持することとなり、これらの鋭角部３３、４１がカッターとして機能し、石鹸テープ１０の端を摘まんで揺動させるだけで容易にちぎることが可能となる。

これにより、必要量の石鹸テープ１０を過不足なく抽出でき、両手が濡れた状態であっても使用しない側（巻取りケース２０内側）の石鹸テープ１０を濡らすことなく切り離すことができる。また、閉蓋と同時に切り離すため、石鹸テープ１０を千切る際に散らばる破片も巻取りケース２０内に留めておくことができる。

巻取りケース２０には、図１、２および４に示すように、テープ抽出口３０の略反対側に把持補助部３４を設けている。把持補助部３４は、外側周壁２６（大径環状壁２４、２４’）を径方向に膨出させて形成し、巻取りケース２０を把持した際には小指と薬指が把持補助部３４の周壁面３４ａに引っ掛かるため、例えば、手洗い中に水分や石鹸水で濡れた状態の手であっても堅固に把持することが可能となる。

また、把持補助部３４を設けることにより、巻取りケース２０の内部空間２３には、石鹸テープ１０が干渉しない余剰部３５が形成される。余剰部３５には、例えば、乾燥剤や芳香剤を収納して、テープ形状の巻取り石鹸Ｓの使用感を向上させることができる。

また、余剰部３５の開口部に逆止弁機能（図示しない）を設けることによって、石鹸テープ１０を千切る際に発生する破片を余剰部３５内に貯めれば、巻取りケース２０内部の石鹸テープ１０に破片が付着し、抽出時に散らばって周囲を汚すことを防ぐことができる。

したがって、以上に述べたテープ形状の巻取り石鹸Ｓによれば、石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープ１０を形成すると共に、石鹸テープ１０を所定大きさに巻き取ってテープ抽出口３０を有する巻取りケース２０中に収納したため、携行しやすい大きさを維持したまま複数回分の石鹸テープ１０を持ち運ぶことができる。また、手に水滴が付着した状態で石鹸テープ１０を取り出す場合であっても、石鹸テープ１０が巻取りケース２０中に収納されている為、石鹸テープ１０の水滴との接触による石鹸テープ１０の溶解を防ぐことができる。

Ｓ テープ形状巻取り石鹸
１０ 石鹸テープ
１１ 巻取り中心部
２０ 巻取りケース
２１ 支持杆
２２ａ 上半ケース
２２ｂ 下半ケース
２３ 内部空間
２４ 大径環状壁
２５ 小径環状壁
２６ 外側周壁
３０ テープ抽出口
３１ 蓋体
３２ 蓋体本体
３３ 鋭角部
３４ 把持補助部
３４ａ 周壁面
３５ 余剰部
４０ 抽出補助板
４１ 鋭角部

Claims (2)

1. 石鹸素材を一定幅員の巻取りテープ状に形成固化して石鹸テープを形成すると共に、石鹸テープを所定大きさに巻き取ってテープ抽出口を有する巻取りケース中に収納したことを特徴とするテープ形状巻取り石鹸。
2. 巻取りケースは、上半ケースと下半ケースとの一体嵌着可能な二分割ケースとすると共に、ケース本体の略中央部分に石鹸テープの巻取り中心部を支持する支持杆を立設したことを特徴とする請求項１に記載のテープ形状巻取り石鹸。

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