JP2023124308A - タイヤ研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの研磨量を正確に計測することが可能なタイヤ研磨装置を提供する。【解決手段】実施形態の一例であるタイヤ研磨装置10は、タイヤ1を回転させる駆動装置15と、タイヤ1の表面を研磨する研磨装置20と、タイヤ研磨量を計測するための計測装置30とを備える。タイヤ研磨装置10は、計測装置30により、タイヤ1の接地面4および溝底6にそれぞれレーザー光を照射し、接地面4および溝底6における測定値の差分からタイヤ研磨量を計測するように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ研磨装置に関する。
従来、タイヤを回転させながらタイヤ表面に研磨ベルト等の研磨部材を押し当てることにより、タイヤ表面を研磨するタイヤ研磨装置が知られている(特許文献1~4等参照)。特許文献1~3に記載されるように、タイヤ研磨装置は、例えば、スタッドレスタイヤの表面を研磨して活性化し、グリップ性能を回復させるために使用される。
特許文献1には、ユーザーがハンドル機構を操作することにより、研磨ベルトを含む研磨装置をタイヤ軸方向に移動させることが可能な装置が開示されている。特許文献2には、変位センサを用いてタイヤの形状を検出し、検出した形状から研磨部材の移動軌跡を演算する方法が開示されている。また、特許文献3には、研磨部材を自動で移動させながらタイヤ表面の研磨を行う装置が開示されている。
特許文献4の装置は、車両の実走行試験を行う前に、試験に使用するタイヤを実走行状態に合わせて摩耗させるために使用される。特許文献4には、制御手段により研磨部材の移動を制御し、レーザー等の非接触端子を用いてタイヤ表面の形状を読み取りながら自動で研磨を行うことが開示されている。
ところで、タイヤの研磨量を正確に計測でき、研磨量を目的とする値に高精度で調整できるタイヤ研磨装置が求められている。しかし、研磨量の正確な計測は容易ではない。本発明者らの検討の結果、タイヤを研磨する際に発生する熱によってタイヤが膨張し、この熱膨張が正確な研磨量の計測を妨げる一因になっていることが判明した。
本発明の目的は、タイヤの研磨量を正確に計測することが可能なタイヤ研磨装置を提供することである。
本発明に係るタイヤ研磨装置は、タイヤを回転させる駆動装置と、タイヤ表面を研磨する研磨装置と、タイヤ表面にレーザー光を照射し、タイヤ表面からの反射光を検出して距離を測定することにより、タイヤ研磨量を計測するための計測装置とを備え、前記計測装置により、タイヤの接地面および溝底にそれぞれ前記レーザー光を照射し、前記接地面および前記溝底における測定値の差分から前記タイヤ研磨量を計測するように構成されていることを特徴とする。
本発明に係るタイヤ研磨装置によれば、タイヤの研磨量を正確に計測することが可能である。そして、正確な研磨量の計測結果に基づき、精度の高い研磨を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るタイヤ研磨装置の実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる形態は本発明に含まれている。
図1は実施形態の一例であるタイヤ研磨装置10の平面図、図2はタイヤ研磨装置10の概略構成を示すブロック図である。なお、図1では、研磨装置20の図示を省略している。
図1および図2に示すように、タイヤ研磨装置10は、タイヤ1を回転させる駆動装置15と、タイヤ1の表面を研磨する研磨装置20とを備える。研磨装置20は、タイヤ軸方向に移動しながらタイヤ表面を研磨できるように構成されている。研磨装置20は、研磨部材として、タイヤ表面に当接する研磨ベルト21(後述の図3等参照)を有する。タイヤ研磨装置10は、タイヤ1を回転させながら、タイヤ表面に研磨ベルト21を押し当ててタイヤ表面の研磨を行う。
タイヤ研磨装置10により研磨されるタイヤ1は、特に限定されず、装置に取り付け可能なものであればよい。タイヤ1は、例えば、夏用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)、又はオールシーズンタイヤであってもよい。また、タイヤ1は、乗用車用タイヤに限定されず、二輪車用タイヤ、重荷重用タイヤ等であってもよい。タイヤ1は、複数のブロック3と溝5が形成されたトレッド2を有する。ブロック3は、複数の溝5により区画されてタイヤ径方向に突出した部分であって、一般的に陸とも呼ばれる。使用時に路面に接するブロック3の接地面4が、研磨ベルト21により研磨される。
タイヤ研磨装置10は、例えば、タイヤ1の性能評価に使用される。タイヤ研磨装置10によれば、目的とするレベルの摩耗状態を正確かつ容易に実現できるので、種々の摩耗状態における性能評価に好適である。また、タイヤ研磨装置10は、タイヤ1の活性化、仕上げ等に使用されてもよい。
タイヤ研磨装置10は、駆動装置15、研磨装置20等を支持する架台11を備える。架台11は、キャスターを有していてもよい。架台11には、タイヤ1を回転可能な状態で支持し、駆動装置15の機能により回転するタイヤ支持軸12が設けられている。タイヤ1は、例えば、ホイールに装着された状態でタイヤ支持軸12に取り付けられる。即ち、ホイールがタイヤ支持軸12に取り付けられることになる。タイヤ支持軸12は、軸受けを介して架台11に設置されている。
タイヤ研磨装置10は、さらに、タイヤ1の研磨量を計測するための計測装置30を備える。計測装置30は、タイヤ表面にレーザー光を照射し、タイヤ表面からの反射光を検出して距離を測定することによりタイヤ研磨量を計測する。詳しくは後述するが、タイヤ研磨装置10は、計測装置30により、タイヤ1の接地面4と溝底6にそれぞれレーザー光を照射し、接地面4と溝底6における測定値の差分からタイヤ研磨量を計測するように構成されている。この場合、研磨によりタイヤ1が熱膨張しても、正確な研磨量を計測することが可能である。
タイヤ研磨装置10は、研磨装置20を移動させる移動機構40と、装置全体を統合的に制御するコントローラー50とを備える。移動機構40は、複数のリンクと、複数のシリンダ(第1シリンダ46および第2シリンダ47)とを有する。コントローラー50は、例えば、研磨装置20および移動機構40の動作を制御し、予め設定された研磨パターンに基づいてタイヤ1の研磨を実行する。また、タイヤ研磨装置10は、タイヤ1の研磨により発生するゴムカスを吹き飛ばすための送風機34を備える。送風機34は、送風機本体と、送風機本体から延びるエアノズルとを有する。
本実施形態において、タイヤ1は回転軸が水平方向に沿った状態で装置に取り付けられる。移動機構40は、研磨装置20を水平方向に沿ったXY方向に移動させるように構成されている。本明細書において、「X方向」とはタイヤ軸方向に沿った方向を意味し、「Y方向」とはX方向に直交する方向(タイヤ径方向)であって、かつ水平方向に沿った方向を意味する。研磨ベルト21は、移動機構40の機能により、タイヤ表面に当接した状態で、タイヤ軸方向に移動しながらタイヤ表面を研磨する。
図2に示すように、駆動装置15、研磨装置20、計測装置30、および移動機構40は、コントローラー50に接続されている。コントローラー50には、一連のタイヤ研磨プロセスを実行するためのソフトウェア(プログラム)がインストールされたコンピューターを用いることができる。また、タイヤ研磨装置10は、エンコーダー60を備える。詳しくは後述するが、計測装置30は、エンコーダー60により取得される情報に基づいて、レーザー光が照射されるタイヤ研磨量の測定ポイントG1,G2にレーザー光を照射する。エンコーダー60は、タイヤ1の回転角度を測定できるものであればよく、検出方式等は特に限定されない。
駆動装置15は、例えば、モーター16と、モーター16の回転をタイヤ支持軸12に伝える伝達機構とを有する。伝達機構には、歯車、チェーン、ベルト等を用いることができる。また、エンコーダー60は、タイヤ支持軸12に接続されていてもよい。タイヤ支持軸12に取り付けられたタイヤ1は、モーター16を駆動させることにより回転する。モーター16の駆動は、コントローラー50により制御される。なお、研磨中にタイヤ1がタイヤ支持軸12から脱落しないように、タイヤ1は図示しない着脱構造によってタイヤ支持軸12に固定されている。研磨装置20、計測装置30、および移動機構40の詳細については後述する。
コントローラー50は、例えば、研磨パターンを含む各種設定情報、制御プログラム等を記憶するメモリ、およびユーザーが指定した研磨パターンに基づき、制御プログラムを読み出して研磨を実行するプロセッサを有する。コントローラー50は、各装置から情報を取得し、また各装置に制御指令を送信して、一連の研磨プロセスを実行する。コントローラー50は、複数のコンピューターで構成されていてもよく、広域通信網を介して接続されたサーバー等を含んでいてもよい。
コントローラー50は、例えば、架台11に設置された第1のコンピューターと、第1のコンピューターに接続される第2のコンピューターとを含む。第1のコンピューターは、タッチパネルを有していてもよい。タッチパネルは、ユーザーにより操作される入力インターフェイスとして、また種々の情報が表示されるモニターとして使用される。第2のコンピューターは、タイヤ研磨装置10の専用装置であってもよく、他のシステムと兼用される装置であってもよい。研磨パターンの設定情報は、第2のコンピューターのメモリに保存され、研磨プロセスを実行する際に第2のコンピューターから第1のコンピューターに送信されてもよい。
本実施形態では、計測装置30に送風機34を構成するエアノズルが一体化されている。送風機34は、測定ポイントG1,G2にエアを吹き付ける。これにより、測定ポイントG1,G2に付着するゴムカスを除去できる。送風機34には、例えば、ゴムカスを吹き飛ばすことができる圧縮エアを供給可能なブロワが用いられる。詳しくは後述するが、送風機34は、タイヤ表面にエアを吹き付けるための第1の吹き出し口を含み、さらに、計測装置30におけるレーザー光の出射口にエアを吹き付けるための第2の吹き出し口を含むことが好ましい。
以下、図3および図4と共に、図1および図2を適宜参照しながら、研磨装置20および移動機構40の構成について詳説する。図3および図4は、研磨装置20と、移動機構40の一部を示す図である。
図3および図4に示すように、研磨装置20は、研磨ベルト21と、研磨ベルト21が架け渡される2つのプーリと、研磨ベルト21を回転させるためのモーター26と、モーター26等を支持する支持枠27とを有する。研磨ベルト21は、例えば、ベルト表面に砥粒がコーティングされた無端帯ベルトであって、駆動プーリ22と従動プーリ23に架け渡されている。駆動プーリ22は、支持枠27に対して回転可能に固定され、モーター26の動力により回転する。また、駆動プーリ22と従動プーリ23の間には、支持枠27に固定されたバネ24が設けられている。従動プーリ23は、バネ24により駆動プーリ22から離れる方向に付勢されており、これにより研磨ベルト21のテンションが保持される。
詳しくは後述するが、研磨装置20は、予め設定された研磨パターンに基づいて、タイヤ軸方向に移動しながらタイヤ表面を研磨するように構成されている。また、タイヤ表面の研磨は、タイヤ1を回転させながら行う。ユーザーは、例えば、タイヤ1の種類、評価項目等に応じて複数の研磨パターンを設定できる。或いは、ユーザーは予め設定された研磨パターンから選択可能であり、パターンを選択後、研磨に必要なパラメータを入力する。コントローラー50のメモリには、複数の研磨パターンの情報が記憶されていてもよい。研磨装置20は、トレッド2のタイヤ軸方向両側において、タイヤ軸方向内側から外側に移動しながらタイヤ表面を研磨する。この場合、目的とする研磨レベルを高精度で実現でき、所望の研磨範囲の全体を研磨ムラなく綺麗に研磨できる。
研磨ベルト21は、トレッド2と対向する位置において、鉛直方向に延びた状態で配置されている。バネ24には、圧縮バネが用いられる。駆動プーリ22と従動プーリ23は鉛直方向に間隔をあけて配置され、バネ24の反力により従動プーリ23が駆動プーリ22と反対の方向に押圧されることで研磨ベルト21のテンションが保持可能となっている。本実施形態では、従動プーリ23の軸受けに対して、バネ24の反力が加わるように構成されている。研磨装置20には、研磨ベルト21を交換する際に使用されるレバー25が設けられている。レバー25を持ち上げると、バネ24が圧縮されて従動プーリ23が下がり研磨ベルト21が緩むため、ベルトの交換が可能になる。
研磨ベルト21は、移動機構40の機能によりトレッド2の表面に押し付けられる。本実施形態では、移動機構40により付与される押圧力を変更することで、タイヤ1を研磨する際の研磨圧力を調整できる。
研磨ベルト21は、駆動プーリ22の回転に伴って回転する。駆動プーリ22はモーター26により回転させられるので、モーター26を制御することで研磨ベルト21の回転方向および回転速度を調整できる。研磨ベルト21は、タイヤ表面に当接する部分において、タイヤ1の回転方向と逆方向に回転することが好ましい。また、研磨ベルト21の回転速度は、タイヤ1の回転速度よりも速いことが好ましい。この場合、タイヤ表面を効率良く綺麗に研磨することができる。なお、タイヤ1についても、その回転方向および回転速度を調整できる。
研磨ベルト21の幅Wは、特に限定されないが、トレッド2の接地幅(左右の接地端間距離)よりも小さいことが好ましい。研磨ベルト21の幅Wの一例は、80~120mmである。研磨ベルト21は、タイヤ軸方向に移動しながらタイヤ表面を研磨するが、タイヤ1回転につき幅Wの50%に相当する長さ以下の移動速度でタイヤ軸方向に移動することが好ましい。なお、駆動プーリ22と従動プーリ23の回転軸は、互いに平行で、研磨ベルト21がトレッド2の赤道上に位置するときにタイヤ軸方向に沿った状態となる。
研磨装置20は、移動機構40のリンクの自由端に設置されたベース基板44に対して、所定角度範囲で回転する首振りが可能な状態で取り付けられている。本実施形態では、研磨装置20の支持枠27に設けられた孔に、ベース基板44上に立設した支持軸45が挿入されている。支持軸45は、円柱形の軸であって鉛直方向に延びている。研磨装置20は支持軸45の周方向に回転するので、研磨ベルト21の首振りが可能である。このため、湾曲の程度が大きくなるトレッド2のタイヤ軸方向両端部分においても、研磨ベルト21がトレッド2の表面に沿うように当接する。
研磨装置20の首振り角度(上記所定角度)は、ベース基板44に形成された長孔44aにより制限される。長孔44aは、支持軸45の軸芯を中心とする円弧に沿って形成された貫通孔である。研磨装置20の支持枠27には、長孔44aに挿入されるカムフォロア28が設けられている。カムフォロア28は長孔44aの長さ方向一端から他端まで移動可能である。なお、ベース基板44には、カムフォロア28を挟んで長孔44aの中央に移動させるための一対の挟持リンクが設けられていてもよい。一対の挟持リンクは、互いに接近する方向に付勢されている。
図1に示すように、移動機構40は、Y方向に延びる第1リンク41と、第1リンク41の自由端に軸支された第2リンク42および第3リンク43とを有する。図1、図3、および図4に示すように、第2リンク42と第3リンク43の自由端には、研磨装置20を取り付けるためのベース基板44が設けられている。第1リンク41の基端は、架台11に対して回転可能な状態で取り付けられている。
移動機構40は、リンクを動かすための第1シリンダ46と第2シリンダ47を有する。例えば、第1シリンダ46はサーボシリンダであり、第2シリンダ47はエアシリンダである。第1シリンダ46は、コントローラー50の制御に基づき任意の速度で移動、停止可能であって、研磨装置20(研磨ベルト21)をX方向に移動させる。第2シリンダ47は、研磨ベルト21をY方向に移動させ、研磨ベルト21がタイヤ表面に当接する状態、又は研磨ベルト21がタイヤ表面から離れた状態とする。
移動機構40では、第1シリンダ46のロッドが第1リンク41に固定され、第1シリンダ46の駆動により、第1リンク41が基端を中心に回転して第1リンク41の自由端がX方向に移動するようになっている。また、第2シリンダ47のシリンダチューブが第1リンク41に固定され、第2シリンダ47のピストンロッドが第2リンク42に固定されている。第2シリンダ47を駆動させることにより、第2リンク42が基端(第1リンク41との連結部分)を中心として回転し、第3リンク43は第2リンク42と連動して動く。
即ち、第2シリンダ47の駆動により、研磨装置20がY方向に移動して、研磨ベルト21がタイヤ表面に押し当てられる、或いは研磨ベルト21がタイヤ表面から離れた状態となる。また、第1シリンダ46の駆動により、研磨装置20がX方向(タイヤ軸方向)に移動する。研磨装置20のモーター26、および移動機構40の第1シリンダ46、第2シリンダ47は、コントローラー50の制御下で駆動する(図2参照)。
以下、図5および図6と共に、図1および図2を適宜参照しながら、計測装置30の構成について詳説する。図5は、トレッド表面における研磨量の測定ポイントを示す図である。図6は、計測装置30の一部を示す図である。
図5および図6に示すように、タイヤ研磨量を計測するための計測装置30は、タイヤ表面の測定ポイントG1,G2にレーザー光を照射し、タイヤ表面からの反射光を検出して距離を測定することにより、タイヤ研磨量に関する情報を取得する。計測装置30は、測定ポイントG1,G2について、当該装置からタイヤ表面までの距離を測定する。タイヤ研磨量が多くなると、計測装置30からタイヤ表面までの距離が長くなるため、レーザー光を用いて当該距離を測定することによりタイヤ研磨量を計測することができる。
タイヤ研磨装置10は、計測装置30により、トレッド表面の測定ポイントG1,G2にそれぞれレーザー光を照射し、各ポイントにおける測定値の差分からタイヤ研磨量を計測するように構成されている。計測装置30は、例えば、測定ポイントG1,G2についての測定値(距離)をコントローラー50に出力し、コントローラー50が当該測定値の差分からタイヤ研磨量を算出する。或いは、計測装置30において測定値の差分、又はタイヤ研磨量が算出されてもよい。本実施形態では、第1の測定ポイントG1がブロック3の接地面4に設定され、第2の測定ポイントG2が溝底6に設定される。
接地面4は、研磨装置20により研磨される領域であり、溝底6は研磨されない領域である。即ち、計測装置30は、研磨装置20により研磨される第1の領域と、研磨されない第2の領域とにレーザー光を照射する。トレッド表面の研磨により発生する熱でタイヤ1が膨張し、この熱膨張が研磨量の正確な計測を妨げる一因になるが、接地面4と溝底6における上記測定値の差分から研磨量を求めることにより、正確な研磨量を計測することが可能になる。接地面4と溝底6のいずれにおいてもタイヤ1は同様に熱膨張するため、上記測定値の差分を用いれば、熱膨張の影響を効果的に排除できる。
なお、タイヤ1の接地面4と溝5がタイヤ周方向に沿って均一な状態で連続している場合は、接地面4と溝底6の特定箇所に測定ポイントG1,G2を設定しなくても、タイヤ研磨量を計測することが可能である。しかし、スタッドレスタイヤのようにトレッドパターンが複雑である場合は、接地面4に照射されるべきレーザー光が溝5に照射されること、また溝底6に照射されるべきレーザー光が接地面4に照射されることが起こり得る。そのような場合には、特定箇所に測定ポイントG1,G2を設定し、エンコーダー60を用いて計測を行うことが好ましい。
測定ポイントG1,G2は、例えば、ユーザーにより手動で設定される。ユーザーは、コントローラー50の入力インターフェイスにより、ブロック3の接地面4の特定箇所を測定ポイントG1に設定し、溝底6の特定箇所を測定ポイントG2に設定する。本実施形態では、測定ポイントG1,G2が近接し、タイヤ軸方向に並んでいる。タイヤ研磨装置10は、例えば、測定ポイントG1,G2がレーザー光の照射位置に存在する状態でエンコーダー60の原点をリセットし、レーザー光の照射位置に対する測定ポイントG1,G2の位置関係を検知可能とする。
タイヤ研磨装置10は、タイヤ1の研磨を行う前に、計測装置30がタイヤ表面からの距離を測定し、測定ポイントG1,G2を決定するように構成されていてもよい。コントローラー50は、例えば、駆動装置15を制御してタイヤ1を回転させ、計測装置30を制御して距離を測定し、自動で測定ポイントG1,G2を設定する。一般的に、トレッド表面において測定される距離が最も小さくなる箇所が接地面4、距離が最も大きくなる箇所が溝底6である。コントローラー50は、計測装置30による測定値に基づいて、接地面4と溝底6の各々に測定ポイントG1,G2を設定してもよい。
計測装置30は、レーザー光を出射するレーザー素子と、タイヤ表面で反射したレーザー光(反射光)を受光する受光素子とを含むレーザー装置(センサとも呼ばれる)を有する。レーザー装置には、レーザー距離計に搭載される従来公知の装置を用いることができる。レーザー装置は、一般的に、レーザー素子、受光素子の他に、レーザードライバ、受光回路、およびレンズを含む。
計測装置30は、接地面4にレーザー光を照射する第1のレーザー装置と、溝底6にレーザー光を照射する第2のレーザー装置とを有する。計測装置30には2個のレーザー装置31a,31bが設けられており、レーザー装置31aにより接地面4にレーザー光が照射され、レーザー装置31bにより溝底6にレーザー光が照射される。なお、レーザー装置31aが溝底6にレーザー光を照射してもよく、レーザー装置31bが接地面4にレーザー光を照射してもよい。
本実施形態では、2個のレーザー装置31a,31bを用いてタイヤ研磨量を計測するが、1個のレーザー装置を用い、これをタイヤ軸方向に移動させて接地面4と溝底6にレーザー光を照射し、各測定ポイントで距離を測定することも可能である。或いは、3個以上のレーザー装置を用いてもよい。また、接地面4の2箇所以上に測定ポイントを設定して距離測定を行い、各測定値の平均値、中央値、又は最頻値からタイヤ研磨量を算出してもよい。溝底6についても同様に、その2箇所以上に測定ポイントを設定してもよい。
レーザー装置31a,31bは、レーザー光が出射される開口32a,32bを有する。開口32a,32bは、レーザー光の出射口であり、反射光が入射する入射口でもある。開口32a,32bには、例えば、ガラスカバー等の透光性カバーが設けられている。詳しくは後述するが、開口32a,32bのカバーには、タイヤ1を研磨した際に発生するゴムカスが付着することがあるため、計測装置30には、当該ゴムカスを吹き飛ばすためのエアノズル36a,36bが設けられている。
計測装置30は、レーザー装置31a,31bをそれぞれ保持するフレーム33a,33bを有する。図6に示す例では、プレート形状を有するフレーム33a,33bの下部に、レーザー装置31a,31bがそれぞれ固定されている。また、フレーム33a,33bの上部には、2本ずつ合計4本のエアノズルが設けられている。図6では、タイヤ1の方向に向いた計測装置30の前側部分のみを図示しているが、フレーム33a,33bの後側には、例えば、送風機本体とエアノズルを接続する管、後述のガイドレール38に対する取り付け金具等が設けられている。
計測装置30は、レーザー装置31a,31bをXY方向に移動させるための移動手段を有する。図1に示す例では、移動手段として、2本のガイドレール37,38が設けられている。ガイドレール37はY方向に延び、ガイドレール38はX方向に延びている。ガイドレール38には、フレーム33a,33bがX方向にスライド可能に取り付けられ、ガイドレール37には、ガイドレール38がクランプ等を用いてY方向にスライド可能に取り付けられている。このため、XY方向に沿ってレーザー装置31a,31bを移動させることができる。なお、モーターを用いて、レーザー装置31a,31bを移動させてもよい。
フレーム33a,33bは、互いに連結されておらず、独立してX方向に移動可能である。これにより、レーザー装置31a,31bの一方をブロック3と対向する位置に、レーザー装置31a,31bの他方を溝5と対向する位置にそれぞれ配置することが容易になり、様々なトレッドパターンに対応できるようになる。Y方向については、ガイドレール37に沿ってガイドレール38をスライドさせることにより、レーザー装置31a,31bとタイヤ表面との距離を変更できる。この距離には、一般的に、レーザー装置の種類等に応じて適切な範囲が存在する。タイヤ研磨量の分解能を0.1mm以下に設定する場合、当該距離の好適な一例は100±30mmである。
計測装置30は、タイヤ1を挟んで研磨装置20と反対側に配置されている。即ち、研磨装置20と計測装置30は、タイヤ径方向に並んで配置され、トレッド2の表面と対向する位置において互いに最も離れた位置に存在している。この場合、測定ポイントG1,G2がレーザー光の照射位置に到達するまでの間に、研磨装置20で発生したゴムカスを測定ポイントG1,G2から取り除くことが容易になる。タイヤ表面にエアを吹き付けるためのエアノズル35a,35bの吹き出し口は、レーザー光の照射位置よりもタイヤ回転方向前方側に配置されている。
本実施形態では、レーザー装置31aと2本のエアノズル35a,36aが、フレーム33aに固定されて一体化されている。この場合、レーザー装置とエアノズルが別々に配置される場合と比べて、装置のセッティングが容易である。同様に、レーザー装置31bと2本のエアノズル35b,36bが、フレーム33bに固定されて一体化されている。エアノズル35a,35bの先端には、タイヤ表面にエアを吹き付けるための第1の吹き出し口が形成され、エアノズル36a,36bの先端には、レーザー光の出射口である開口32a,32bにエアを吹き付けるための第2の吹き出し口が形成されている。
計測装置30のレーザー装置31a,31b、および送風機34は、コントローラー50の制御下で動作する(図2参照)。送風機34は、エアノズル35a,35bから常時、又は適当なタイミングでエアを吹き出すように構成されていてもよいが、制御された特定のタイミングでタイヤ表面にエアを吹き付けることが好ましい。本実施形態では、測定ポイントG1,G2が研磨装置20による研磨位置を通過後、計測装置30によるレーザー光の照射位置に到達する前に、測定ポイントG1,G2にエアを吹き付ける。
エアノズル35a,35bからエアを噴射するタイミングは、タイヤ1の回転数、ノズルの吹き出し口と計測装置30によるレーザー照射位置との関係等を考慮して決定される。本実施形態では、エアノズル35a,35bがレーザー装置31a,31bに近接配置されているため、例えば、測定ポイントG1,G2が研磨位置を通過した後、所定時間経過してからエアを噴射する。この場合、より効率良く測定ポイントG1,G2にエアを吹き付けることができる。
具体的には、測定ポイントG1,G2がレーザー光の照射位置に存在する状態をタイヤ1の回転角度0°とした場合に、測定ポイントが照射位置の手前の回転角度90°の位置に到達したときに、エアノズル35a,35bからエアを噴射させてもよい。送風機34は、遅くとも測定ポイントG1,G2が照射位置の手前10°の位置に到達したときに、エアノズル35a,35bからエアを噴射させる。送風機34は、例えば、測定ポイントG1,G2が照射位置の手前10°~90°の位置に到達したタイミングで、エアノズル35a,35bから1秒~10秒間、タイヤ表面に対しエアを吹き付ける。
送風機34は、少なくともタイヤ表面にエアを吹き付けるときに、エアノズル36a,36bからエアを噴射して、レーザー装置31a,31bのレーザー光の出射口である開口32a,32bにエアを吹き付ける。開口32a,32bに設けられるカバーには、上述の通り、タイヤ1を研磨した際に発生するゴムカスが付着することがある。特に、タイヤ表面から吹き飛ばされたゴムカスがカバーに付着し易いため、エアノズル36a,36bからエアを噴射するタイミングを、エアノズル35a,35bからエアを噴射するタイミングと同期させることが好ましい。
以下、図7~図9を参照しながら、タイヤ表面の研磨パターンについて詳説する。図7は、タイヤ研磨プロセスにおける制御手順の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、タイヤ研磨装置10によるタイヤ研磨プロセスを開始するにあたり、ホイールに装着された空気入りのタイヤ1がタイヤ支持軸12に取り付けられる(ステップS1)。タイヤ支持軸12は、タイヤ1を回転可能な状態で支持する。タイヤ1は、駆動装置15がタイヤ支持軸12を回転させることで回転する。タイヤ研磨装置10は、例えば、タイヤ1を回転させながら、トレッド2の表面のうち左右の接地端の間に位置する領域を研磨する。
次に、トレッド2の表面において研磨量を計測する測定ポイントG1,G2を設定すると共に、トレッド表面の研磨パターンを設定する(ステップS2,S3)。なお、ステップS2,S3の順序は逆であってもよい。測定ポイントG1,G2は、上述のように、ユーザーの操作に基づいて設定されてもよく、自動的に設定されてもよい。いずれの場合も、ブロック3の接地面4と溝底6の各々に測定ポイントG1,G2が設定される。
測定ポイントG1,G2の設定情報は、コントローラー50のメモリに記憶される。このとき、測定ポイントG1,G2がレーザー光の照射位置に存在する状態でエンコーダー60の原点をリセットし、エンコーダー60によりレーザー光の照射位置と測定ポイントG1,G2の相対的な位置関係を検知可能とする。エンコーダー60により取得される情報は、コントローラー50に送信されてもよく、コントローラー50を介して又は直接、計測装置30に送信されてもよい。コントローラー50は、エンコーダー60の情報に基づいて計測装置30を制御し、タイヤ研磨量を計測してもよい。
タイヤ1のトレッド表面は、研磨装置20により研磨される。研磨装置20は、ステップS3で設定された研磨パターン、或いは設定済みの研磨パターンから選択されたパターンに基づいて動作し、トレッド表面を研磨する(ステップS4)。研磨装置20は、コントローラー50の制御下で、ステップS3において予め設定された研磨パターンに基づき、タイヤ軸方向に移動しながらトレッド表面を研磨するように構成されている。
研磨ベルト21は、回転するタイヤ1のトレッド表面に当接した状態で、タイヤ軸方向に移動し、かつ当接部分でタイヤ1の回転方向と逆方向に回転しながらトレッド表面の研磨を行う。タイヤ1の回転速度、研磨ベルト21の移動速度、回転速度等は、任意に設定可能であるが、研磨ベルト21の回転速度は、タイヤ1の回転速度よりも速いことが好ましい。研磨ベルト21とタイヤ1の周速比(研磨ベルト21の周速度/タイヤ1の周速度)は、例えば、数倍~150倍程度に設定される。
続いて、測定ポイントG1,G2が研磨装置20による研磨位置から計測装置30によるレーザー光の照射位置に到達する前に、測定ポイントG1,G2に圧縮エアを吹き付けて、研磨により発生したゴムカスを除去する(ステップS5)。本実施形態では、測定ポイントG1,G2が研磨位置を通過後、レーザー光の照射位置に到達する前に、エアノズル35a,35bからエアを噴射して測定ポイントG1,G2にエアを吹き付ける。これと同時に、エアノズル36a,36bからエアを噴射して、レーザー装置31a,31bのレーザー光の出射口にエアを吹き付ける。
続いて、レーザー装置31a,31bが測定ポイントG1,G2にレーザー光を照射し、各レーザー装置から測定ポイントG1,G2までの距離を測定する。そして、測定ポイントG1,G2における測定値の差分からタイヤ研磨量を算出する(ステップS6)。本実施形態では、研磨を開始する前に当該測定値の差分を0とし、差分の変化をモニタリングする。コントローラー50は、タッチパネル等のモニターに、計測装置30による測定値の差分から算出されたタイヤ研磨量を表示してもよい。
ステップS4~S6は、タイヤ研磨量が目標値に達するまで繰り返される(ステップS7のNo)。目標値は、例えば、研磨パターンと共に、コントローラー50のメモリに記憶されている。タイヤ研磨量が目標値に達した場合(ステップS7のYes)、研磨装置20によるトレッド表面の研磨を停止して研磨プロセスを終了する(ステップS8)。このとき、研磨ムラの発生を防止するため、一連の研磨パターンが終了するまで研磨を継続することが好ましい。即ち、タイヤ研磨量が目標値に達しても、研磨パターンの途中で研磨を終了しないことが好ましい。
図8および図9に、ステップS3で設定される研磨パターンの一例を示す。図中のZは、トレッド2の表面(接地面4)に沿ったプロファイル面を示す。タイヤ研磨装置10は、上述のように、予め設定された研磨パターンに基づいて、タイヤ軸方向に移動しながらトレッド表面の研磨を実行する。
図8に例示する研磨パターンは、トレッド表面におけるX2の位置をスタート地点として、研磨ベルト21がX2→X6→X7→X2→X1の順でタイヤ軸方向に移動しながら研磨を行うパターンである。図9に例示する研磨パターンは、X2とX6の間にX5が挿入されたパターンであって、研磨ベルト21はX2→X5→X6→X7→X2→X1の順でタイヤ軸方向に移動する。なお、研磨ベルト21がX7からX2に移動する際には、トレッド表面に対する研磨ベルト21の押圧力を小さくし、研磨ベルト21がトレッド表面に触れている程度とする。或いは、研磨ベルト21をトレッド表面から離してもよい。
図8および図9に示すいずれの研磨パターンも、トレッド2のタイヤ軸方向両側において、研磨ベルト21がタイヤ軸方向内側から外側に移動しながらトレッド表面を研磨するパターンとなっている。本発明者らの検討の結果、接地端の近傍で、研磨ベルト21をX1→X2のようにタイヤ軸方向外側から内側に移動させて研磨を行うと、研磨ムラが発生し易いことが分かった。これに対し、研磨ベルト21をX6→X7、X2→X1のように移動させながら研磨を行えば、研磨ムラが効果的に低減され、トレッド表面の研磨状態が大きく改善されることが分かった。この研磨パターンによれば、所望の研磨範囲の全体を研磨ムラなく綺麗に研磨できる。
トレッド表面におけるX1、X2、X5、X6、X7は、トレッド表面に当接する研磨ベルト21の位置を制御するための座標(X座標)であって、任意の位置に設定することができる。研磨ベルト21は、ベルトの幅方向中央が指定のX座標上に位置するようにタイヤ軸方向に移動する。研磨パターンを規定するX座標の数は、例えば4~7である。X1,X7の一例は、トレッド2の左右の接地端に対応する位置である。X2,X6の一例は、左右の接地端とトレッドの赤道との間において、プロファイル面Zの曲率が変化する位置である。
研磨パターンには、例えば、タイヤ軸方向への研磨ベルト21の移動パターン(X座標、研磨順序等)の他に、タイヤ1の回転方向と回転数、研磨ベルト21の回転方向と回転数、トレッド2の表面に対する研磨ベルト21の押圧力、目標研磨量などが含まれる。本実施形態では、ユーザーによる入力インターフェイスの操作により、研磨パターンを構成する上記各パラメータが設定されてメモリに記憶される。メモリには、複数の研磨パターンが記憶されていてもよい。タイヤ研磨装置10では、ユーザーによる入力インターフェイスの操作により、複数の研磨パターンから目的とする研磨パターンを選択できる。
図8に示す圧力P2は、研磨ベルト21がX2からX6に移動する際のトレッド表面に対する研磨ベルト21の押圧力(研磨圧力)である。圧力P1は、研磨ベルト21がX6からX7、およびX2からX1に移動する際の研磨ベルト21の押圧力である。P1,P2は、同じ値に設定されてもよく、異なる値に設定されてもよい。
研磨回数N2は、研磨ベルト21が位置X2からX6に移動するまでの間における研磨回数、即ち当該移動中にタイヤ1が回転する回数を意味する。研磨回数N1は、研磨ベルト21がX6からX7、およびX2からX1に移動するまでの間における研磨回数である。N1,N2は、同じ値に設定されてもよく、異なる値に設定されてもよい。
研磨装置20は、X2→X6→X7→X2→X1の移動パターンを繰り返してトレッド表面を研磨してもよいが、第2の移動パターンを組み合わせることがより好ましい。好適な第2の移動パターンとしては、X6の位置をスタート地点として、研磨ベルト21がX6→X2→X1→X6→X7のように移動するパターンである。この場合も、X1からX6に移動する際には、研磨ベルト21の押圧力が小さく設定され、実質的にトレッド表面は研磨されない。
即ち、研磨装置20は、トレッド2のタイヤ軸方向中央における移動方向が逆方向である第1および第2の研磨パターンを交互に繰り返してトレッド表面を研磨することがより好ましい。第1の研磨パターンでは、トレッド2のタイヤ軸方向中央において、研磨ベルト21は第1の接地端側から第2の接地端側に移動する(X2→X6)。第2の研磨パターンでは、トレッド2のタイヤ軸方向中央において、研磨ベルト21は第2の接地端側から第1の接地端側に移動する(X6→X2)。この場合、研磨ムラの抑制効果がより顕著になり、研磨精度をさらに高めることができる。
第1の研磨パターンから第2の研磨パターンに切り替わる際、即ちX1からX6に研磨ベルト21が移動する際には、実質的にトレッド表面が研磨されないように、研磨ベルト21の押圧力を小さく設定する(第2の研磨パターンから第1の研磨パターンに切り替わる際も同様)。コントローラー50のメモリには、例えば、第1および第2の研磨パターンを一組とし、1つの研磨パターンとして記憶される。
研磨装置20は、タイヤ表面の研磨範囲の端に移動したときに、タイヤ1が少なくとも1回転するまで研磨を継続することが好ましい。研磨ベルト21が研磨範囲の端に到達した時点では、当該端におけるタイヤ表面はタイヤ周方向の一部のみが研磨された状態であるから、少なくともタイヤ1回転分の研磨を行うことで、より均一な研磨が可能になる。図8に示す例では、研磨ベルト21がX1又はX7に到達したときに、タイヤ1が少なくとも1回転するまで研磨ベルト21を移動させることなく研磨を行う。
研磨装置20は、上述のように、タイヤ1回転につき研磨ベルト21の幅Wの50%に相当する長さ以下の移動速度でタイヤ軸方向に移動しながら研磨を行うことが好ましい。研磨ベルト21の移動速度をこのように制御すれば、研磨精度をさらに高めることができる。図8に示す研磨パターンでは、例えば、研磨ベルト21がX2からX6に移動する際の移動速度が、タイヤ1回転につき研磨ベルト21の幅Wの50%に相当する長さ以下に制限される。
以上のように、上記構成を備えたタイヤ研磨装置10によれば、タイヤ1の研磨量を正確に計測することが可能であり、正確な計測結果に基づいて高い研磨精度を実現できる。タイヤ研磨装置10は、計測装置30によりタイヤ1の接地面4と溝底6にそれぞれレーザー光を照射し、それぞれの測定値の差分からタイヤ研磨量を計測するため、研磨による熱膨張の影響を効果的に排除でき、正確な研磨量を計測することが可能である。
また、上記研磨パターンに基づいて、タイヤ軸方向に移動しながらタイヤ表面を研磨することにより、所望の研磨範囲の全体を研磨ムラなく綺麗に研磨でき、目的とする研磨レベルを高精度で実現できる。タイヤ研磨装置10は、予め設定された研磨パターンに基づいて自動でタイヤ表面を研磨するように構成されているため、高い研磨精度を実現できるだけでなく、ユーザーの作業負担の軽減にも大きく寄与する。
なお、上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、研磨装置20、計測装置30、および移動機構40の上記構造は一例であり、各々の構造は上記構造に限定されない。また、上記研磨パターンは、目的とする研磨レベルを高精度で実現する上で有効であるが、例えば、本発明の目的を損なわない範囲で、トレッドのタイヤ軸方向両側においてタイヤ軸方向外側から内側に移動しながらタイヤ表面を研磨してもよい。
1 タイヤ、2 トレッド、3 ブロック、4 接地面、5 溝、6 溝底、10 タイヤ研磨装置、11 架台、12 タイヤ支持軸、15 駆動装置、16,26 モーター、20 研磨装置、21 研磨ベルト、22 駆動プーリ、23 従動プーリ、24 バネ、25 レバー、27 支持枠、28 カムフォロア、30 計測装置、31a,31b レーザー装置、32a,32b 開口、33a,33b フレーム、34 送風機、35a,35b,36a,36b エアノズル、37,38 ガイドレール、40 移動機構、41 第1リンク、42 第2リンク、43 第3リンク、44 ベース基板、44a 長孔、45 支持軸、46 第1シリンダ、47 第2シリンダ、50 コントローラー、60 エンコーダー、G1,G2 測定ポイント
Claims (8)
- タイヤを回転させる駆動装置と、
タイヤ表面を研磨する研磨装置と、
タイヤ表面にレーザー光を照射し、タイヤ表面からの反射光を検出して距離を測定することにより、タイヤ研磨量を計測するための計測装置と、
を備え、
前記計測装置により、タイヤの接地面および溝底にそれぞれ前記レーザー光を照射し、前記接地面および前記溝底における測定値の差分から前記タイヤ研磨量を計測するように構成されている、タイヤ研磨装置。 - 前記計測装置は、前記接地面に前記レーザー光を照射する第1のレーザー装置と、前記溝底に前記レーザー光を照射する第2のレーザー装置とを有する、請求項1に記載のタイヤ研磨装置。
- エンコーダーをさらに備え、
前記計測装置は、前記エンコーダーにより取得される情報に基づいて、前記レーザー光が照射されるタイヤ研磨量の測定ポイントに前記レーザー光を照射する、請求項1又は2に記載のタイヤ研磨装置。 - タイヤの研磨を行う前に、前記計測装置がタイヤ表面からの距離を測定し、前記測定ポイントを決定するように構成されている、請求項3に記載のタイヤ研磨装置。
- 前記計測装置は、タイヤを挟んで前記研磨装置と反対側に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ研磨装置。
- タイヤ表面にエアを吹き付けるための第1の吹き出し口を含む送風機をさらに備え、
前記送風機は、前記レーザー光が照射されるタイヤ研磨量の測定ポイントが前記研磨装置による研磨位置を通過後、前記レーザー光の照射位置に到達する前に、前記測定ポイントにエアを吹き付ける、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ研磨装置。 - 前記送風機は、前記計測装置における前記レーザー光の出射口にエアを吹き付けるための第2の吹き出し口を含む、請求項6に記載のタイヤ研磨装置。
- 前記送風機は、少なくともタイヤ表面にエアを吹き付けるときに、前記レーザー光の出射口にエアを吹き付ける、請求項7に記載のタイヤ研磨装置。
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2022
- 2022-02-25 JP JP2022027994A patent/JP2023124308A/ja active Pending
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