JP5236561B2 - 研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨装置及び研磨方法に係り、特に、半導体ウェハ等の研磨対象物を平坦かつ鏡面状に研磨する研磨装置及び研磨方法に関するものである。
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。このような半導体ウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行う研磨装置が知られている。
この種の化学機械研磨(CMP)装置は、研磨パッドを上面に有する研磨テーブルとトップリングとを備えている。そして、研磨テーブルとトップリングとの間に半導体ウェハを介在させて、研磨パッド表面の研磨面に砥液(スラリー)を供給しつつ、トップリングによって保持した半導体ウェハを研磨テーブルの研磨面に押圧して、半導体ウェハの表面を平坦かつ鏡面状に研磨するようにしている(特許文献1〜5参照)。
出願人は、研磨面に研磨液を供給する研磨液供給口と、研磨液が研磨対象物と研磨面との相対移動により研磨対象物の全面に均一に行き渡るように研磨液供給口を移動させる移動機構とを備えることで、研磨レートを改善し、研磨レートの面内均一性を向上させるようにした研磨装置及び研磨方法を提案している(特許文献6参照)。また、出願人は、研磨対象物の複数の領域に対して独立して押圧力を与える複数の圧力室を備えたトップリングを使用して、研磨対象物上の複数の領域に対する押圧力を独立に制御するようにした研磨装置を提案している(特許文献7参照)。更に、エアバックを使用するこことで、研磨対象物上の複数の領域に対する押圧力を独立に制御するようにした研磨装置も知られている。
特開2002−113653号公報 特開平10−58309号公報 特開平10−286758号公報 特開2003−133277号公報 特開2001−237208号公報 特開2006−147773号公報 特表2008−503356号公報
近年、半導体デバイスの高性能化の要求に従い、より精密な研磨プロファイル制御が必要となっている。しかし、研磨対象物の複数の領域に対して独立して押圧力を与える複数の圧力室やエアバック等を備えたトップリングを使用し、研磨対象物上の複数の領域に対する押圧力を独立に制御しつつ研磨することで所望の研磨プロファイルを得ようとすると、圧力室やエアバック等よりも小さな領域の圧力を制御することができず、狭い領域のプロファイル制御ができなくなって、より精密なプロファイル制御が困難となる。
一方、研磨液供給口から研磨液を研磨面に供給しながら研磨液供給口(研磨液供給位置)を移動させて研磨を行うことで、前述の圧力室やエアバック等を備えたトップリングを使用して研磨する場合よりも、より精密な研磨プロファイルの制御が可能となる。しかし、この場合、制御パラメータが多く、所望の研磨プロファイルを得るまでに多数の研磨試験が必要となるばかりでなく、半導体ウェハなどの消耗材のコストが増加してしまう。
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、事前に多数の研磨試験などを行うことなく、より精密な研磨プロファイル制御を行うことができるようにした研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、研磨面を有する研磨テーブルと、研磨対象物を保持し該研磨対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、前記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給ノズルと、前記研磨液供給ノズルの研磨液供給位置を前記研磨面の略半径方向に沿って移動させる移動機構と、前記移動機構を制御するコントローラと、前記研磨液供給ノズルの研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を予測しシミュレーションを行って前記コントローラに出力するシミュレータとを備えたことを特徴とする研磨装置である。
このように、研磨液供給ノズルの研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を予測しシミュレーションを行ってコントローラに出力するシミュレータを備えることで、事前に多数の研磨試験を行うことなく、効率良く研磨液供給位置の移動パターン等の研磨レシピを決定でき、且つ、従来のエアバッグ方式等よりも、より精密な研磨プロファイルが制御可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記シミュレータは、所望の研磨プロファイルの入力に基づき、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照して、前記研磨プロファイルが得られると予測される研磨液供給位置の移動パターンを出力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項3に記載の発明は、前記シミュレータは、研磨液供給位置の移動パターンの入力に基づき、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照して、前記移動パターンに従って前記研磨液供給位置を移動させながら研磨を行った時に得られると予測される研磨プロファイルを出力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項4に記載の発明は、前記シミュレータは、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照し、N次回帰、フーリエ変換、スプライン回帰及びウェーブレット変換の少なくとも一手法により、任意の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を予測することを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項5に記載の発明は、前記シミュレータは、任意の微小区間における研磨液供給位置の移動速度または滞在時間によって重み付けられた研磨プロファイルの重ね合わせよって、研磨液供給位置を移動させながら研磨を行った時に得られる研磨プロファイルを予測することを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項6に記載の発明は、膜厚モニタを備え、前記シミュレータは、膜厚モニタの研磨中の測定結果から研磨液供給位置の最適な移動パターンを予測して前記コントローラにフィードバックすることを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項7に記載の発明は、前記膜厚モニタは、渦電流センサであることを特徴とする請求項6記載の研磨装置である。
渦電流センサによって、金属薄膜の膜厚を計測することができる。
請求項8に記載の発明は、前記膜厚モニタは、光学式センサであることを特徴とする請求項6記載の研磨装置である。
光学式センサによって、酸化膜薄膜等の光学的に透明な薄膜の膜厚を計測することができる。
請求項9に記載の発明は、研磨プロファイルモニタを備え、研磨プロファイルモニタの研磨後の測定結果を前記シミュレータに実研磨プロファイルとして入力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置である。
請求項10に記載の発明は、研磨テーブルの研磨面に研磨液供給ノズルから研磨液を供給しながら研磨対象物を押圧し、少なくとも前記研磨面を回転させながら前記研磨対象物を研磨する研磨方法において、前記研磨液供給ノズルの前記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給位置を、前記研磨面の略半径方向に沿って、移動範囲内で複数に分割された区間毎に個別に定めた所定の移動パターンで移動させることを特徴とする研磨方法である。
このように、研磨液供給ノズルの研磨面に研磨液を供給する研磨液供給位置を、研磨面の略半径方向に沿って、移動範囲内で複数に分割された区間毎に個別に定めた所定の移動パターンで移動させることで、従来のエアバッグ方式等よりも、より精密な研磨プロファイルが制御可能となる。
請求項11に記載の発明は、前記研磨液供給位置の移動パターンは、移動範囲内で複数に分割された区間内での研磨液供給位置の移動速度、移動範囲の分割位置及び移動範囲のいずれかを含むことを特徴とする請求項10記載の研磨方法である。
請求項12に記載の発明は、前記研磨液供給位置の移動パターンは、所望の研磨プロファイルを基にシミュレータに依り得られた移動パターンであることを特徴とする請求項10または11記載の研磨方法である。
これにより、事前に多数の研磨試験を行うことなく、効率良く研磨液供給位置の移動パターン等の研磨レシピを決定できる。
請求項13に記載の発明は、研磨中に膜厚モニタによって得られた研磨プロファイルと所望の研磨プロファイルとの差を計算し、この差を基にシミュレータでシミュレートして、予め設定された研磨プロファイルに近づけるように前記研磨液供給位置の移動パターンを更新することを特徴とする請求項12記載の研磨方法である。
請求項14に記載の発明は、研磨対象物に形成された研磨プロファイルの異なる少なくとも2種類の膜に対して、所望の研磨プロファイルを基に、シミュレータにより個別に研磨液供給位置の移動パターンを決定することを特徴とする請求項10記載の研磨方法である。
これにより、例えばSiO膜とメタル膜等の研磨プロファイルの異なる2種類の膜を含む研磨対象物の研磨プロファイルを改善することができる。
本発明によれば、シミュレータを用いることで、事前に多数の研磨試験を行うことなく、効率良く研磨液供給位置の移動パターン等の研磨レシピを決定でき、且つ、従来のエアバッグ方式よりも、より精密な研磨プロファイルが制御可能となる。
本発明の実施形態の研磨装置を備えた研磨処理システムを示す平面図である。 図1に示す研磨処理システムに備えられている本発明の実施形態の研磨装置の概要を示す縦断面図である。 図2に示す研磨装置のシステム構成図である。 シミュレータによるシミュレーションの予想フロー図である。 (a)は、シミュレータによるシミュレーションにおける研磨面、研磨液供給ノズル及び研磨液供給口(研磨液供給位置)の関係を示す平面図で、(b)は、(a)の正面図である。 シミュレーションプロファイルと実研磨プロファイルを参照プロファイルと共に示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の例では、研磨対象物としての半導体ウェハの表面に形成された銅膜等の金属薄膜を研磨するようにした例を示す。なお、図において、同一または相当する構成要素には、同一符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の研磨装置を備えた研磨処理システムを示す平面図である。図1に示すように、この研磨処理システムには、3つのウェハカセット10を装着できるようになっている。これらのウェハカセット10に沿って走行機構12が設けられており、この走行機構12の上には、2つのハンドを有する第1搬送ロボット14が配置されている。第1搬送ロボット14のハンドは、ウェハカセット10にアクセス可能となっている。
また、研磨処理システムは、本発明の実施形態の研磨装置20を4つ備えており、これらの研磨装置20は、システムの長手方向に沿って配列されている。それぞれの研磨装置20には、研磨面を有する研磨テーブル22と、研磨対象物としての半導体ウェハを保持しかつ半導体ウェハを研磨パッド52に対して押圧しながら研磨するためのトップリング24と、研磨パッド52に研磨液(スラリー)を供給するための研磨液供給ノズル26と、研磨テーブル22のドレッシングを行うためのドレッサ28と、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体を霧状にして、1つまたは複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ30とを備えている。
研磨装置20の近傍には、長手方向に沿って半導体ウェハを搬送する第1リニアトランスポータ32と第2リニアトランスポータ34とが設置されており、この第1リニアトランスポータ32のウェハカセット10側には、第1搬送ロボット14から受け取った半導体ウェハを反転する反転機36が配置されている。
また、この研磨処理システムは、第2搬送ロボット38と、第2搬送ロボット38から受け取った半導体ウェハを反転する反転機40と、研磨後の半導体ウェハを洗浄する4つの洗浄機42と、反転機40および洗浄機42の間で半導体ウェハを搬送する搬送ユニット44とを備えている。これらの第2搬送ロボット38、反転機40、および洗浄機42は、長手方向に沿って直列に配置されている。
このような研磨処理システムにおいて、ウェハカセット10内の半導体ウェハは、反転機36、第1リニアトランスポータ32、第2リニアトランスポータ34を経て各研磨装置20に導入される。各研磨装置20では半導体ウェハが研磨される。研磨後の半導体ウェハは、第2搬送ロボット38および反転機40を経て洗浄機42に導入され、ここで洗浄される。洗浄後の半導体ウェハは、第1搬送ロボット14によりウェハカセット10に戻される。
図2は、研磨装置20の一部を示す縦断面図で、図3は研磨装置20のシステム構成図ある。図2に示すように、研磨ユニット20の研磨テーブル22は、その下方に配置されたモータ50に連結されており、矢印で示すようにその軸心周りに回転可能になっている。また、研磨テーブル22の上面には研磨面52aを有する研磨パッド(研磨布)52が貼設されている。また、トップリング24はトップリングシャフト54に連結されており、トップリング24の下部外周部には、半導体ウェハWの外周縁を保持するリテーナリング56が設けられている。
トップリング24は、モータ(図示せず)に連結されるとともに昇降シリンダ(図示せず)に連結されている。これによって、トップリング24は、矢印で示すように昇降可能かつその軸心周りに回転可能になっており、半導体ウェハWを研磨パッド52の研磨面52aに対して任意の圧力で押圧することができるようになっている。
研磨テーブル22の内部には、半導体ウェハWの表面に形成された銅膜等の金属薄膜の膜厚を測定する膜厚モニタとしての渦電流センサ58が埋設されている。渦電流センサ(膜厚モニタ)58からの配線60は、研磨テーブル22及び支持軸62内を通り、支持軸62の軸端に設けられたロータリコネクタ(またはスリップリング)64を経由してコントローラ66に接続されている。この渦電流センサ58が半導体ウェハWの下方を通過している間、通過軌跡上で連続的に半導体ウェハWの表面に形成された銅膜等の導電膜の膜厚を測定できるようになっている。
なお、この例では、渦電流センサを用いて、半導体ウェハ表面に形成された銅膜等の金属薄膜の膜厚を測定しているようにしているが、渦電流センサの代わりに光学式センサを使用して、半導体ウェハの表面に設けられた酸化膜薄膜等の光学的に透明な薄膜の膜厚を研磨中に測定するようにしてもよい。
図示しないが、半導体ウェハの表面の研磨後プロファイルを測定する研磨プロファイルモニタを備え、この研磨プロファイルモニタの測定結果をシミュレータ72に実研磨プロファイルとして入力するようにしてもよい。
研磨液供給ノズル26は、図3に示すように、移動機構としてのステッピングモータ70の回転に伴って、研磨面52aの上方を水平面に沿って揺動し、この研磨液供給ノズル26の揺動に伴って、先端の下方に向いた研磨液供給口26a、つまり研磨液供給位置が研磨面52aの略半径方向に沿って移動するようになっている。ステッピングモータ(駆動機構)70は、コントローラ66に接続されている。
コントローラ66には、研磨液供給ノズル26の研磨液供給口(研磨液供給位置)26aと、この研磨液供給位置で研磨液を研磨面52aに供給しながら研磨を行った場合の研磨プロファイルとの関係を予測し、例えば所望の研磨プロファイルを基にシミュレーションを行うシミュレータ72が接続されている。
表1は、シミュレータ72によって求められてシミュレータ72に記憶されているデータベースの一例を示す。
Figure 0005236561
シミュレータ72に記憶されているデータベースは、表1に示すように、研磨液供給ノズル26の研磨液供給口26aの図3に示すX方向に沿った位置である複数の研磨液供給位置:X(mm)と、この研磨液供給位置で研磨液を供給しながら半導体ウェハWの研磨を行った時の該半導体ウェハWの図3に示す半径rに沿ったウェハ位置:r(mm)との各交点における研磨レート:RR(X,r)(nm/min)からなる。このデータベースの各研磨液供給位置:Xにおける研磨レート:RR(X,r)、例えば研磨液供給位置X=10(mm)に対応して列方向に並ぶ研磨レート(10,r)からから、各研磨液供給位置:Xから研磨液を供給しながら一定時間研磨を行った時の研磨プロファイルが判る。つまり、このデータベースにおいて、研磨レートは、一定時間に亘る研磨を継続して行った時の研磨プロファイルも表している。
このような構成の研磨装置20において、トップリング24の下面に半導体ウェハWを保持させ、回転している研磨テーブル22の上面の研磨パッド52に半導体ウェハWを昇降シリンダにより押圧する。そして、研磨液供給ノズル26を揺動させて研磨液供給口26aから研磨パッド52上に研磨液Qを供給することで、半導体ウェハWの被研磨面(下面)と研磨パッド52の間に研磨液Qが存在した状態で半導体ウェハWの表面の研磨が行われる。この研磨時に、コントローラ66によって、ステッピングモータ70を制御しながら研磨液供給ノズル26を揺動させることで、研磨液供給口26aから供給される研磨液Qの供給位置(研磨液供給位置)を所定の移動パターンに沿って移動させる。この研磨液供給位置の移動パターンは、シミュレータ72で予測され、コントローラ66に入力されて決定される。
次に、シミュレータ72による研磨液供給位置、すなわち研磨液供給ノズル26の研磨液供給口26aの移動パターンの予測を図4及び図5を参照して参照して説明する。
先ず、シミュレータ72は、研磨液供給ノズル26の揺動可能範囲、つまり図5(b)に示す研磨液供給口(研磨液供給位置)26aの可動範囲A、最小及び最多速度変化点数、及び速度変化時の加減速度等の計算パラメータを読み込む(ステップ1)。
次に、シミュレータ72は、研磨液供給ノズル26の研磨液供給位置と実研磨プロファイルとの相関を過去データや直前データなどから実験データとして読み込む(ステップ2)。この実験データで求められた研磨液供給ノズル26の複数点の研磨液供給位置と研磨レート(研磨プロファイル)との関係を示す、例えば表1に示すデータベースを参照し、必要に応じて、N次回帰、フーリエ変換、スプライン回帰及びウェーブレット変換の少なくとも一手法により、任意の研磨液供給位置と研磨レート(研磨プロファイル)との関係を予測して記憶する(ステップ3)。
一方、直接或いは研磨装置(CMP)から研磨後の所望研磨プロファイルをシミュレータ70に入力する(ステップ4)。
次に、例えば図5(b)に示す研磨液供給開始位置S、研磨液供給折返し位置R、速度変化位置P〜P、及び各速度変化位置の間S〜P,P〜P,P〜P,P〜P,P〜Rでの研磨液供給口の移動速度V〜V等の研磨液供給位置の移動パターンの計算初期値を設置する(ステップ5)。更に、最大繰り返し回数、許容プロファイル誤差(所望プロファイルと予想プロファイルの誤差)等の計算における制限を設定する(ステップ6)。
以上の各ステップを経て、シミュレータ70は、表1に示すデータベースを参照して、仮の研磨液供給位置移動パターンで研磨液供給位置を移動させながら研磨を行った時の研磨プロファイル(研磨レート)を求める(ステップ7)。
そして、所望の研磨プロファイルと、ステップ7の計算で求めた研磨プロファイルとの差を計算し(ステップ8)、この差がステップ6で設定した許容プロファイル誤差の範囲内であるか、或いは最大繰り返し数に到達していないかを判断する(ステップ9)。
そして、所望の研磨プロファイルと計算で求めた研磨プロファイルとの差が許容プロファイル誤差の範囲内でない場合には、仮の研磨液供給位置移動パターンを再計算するためにステップ7に戻る(ステップ10)。そして、これを繰り返して、所望の研磨プロファイルと計算で求めた研磨プロファイルとの差が許容プロファイル誤差の範囲内になった時、または所望の研磨プロファイルと計算で求めた研磨プロファイルとの差が許容プロファイル誤差の範囲内でなくても、ステップ6で設定した最大繰り返し数に到達した時に、ステップ7で計算した研磨プロファイルとなる研磨供給位置の移動パターンを表示し保存して、コントローラ66に入力する(ステップ11)。
コントローラ66は、シミュレータ70からの入力を受けて、研磨中における研磨液供給位置の移動パターンに沿って研磨液供給ノズル26の研磨液供給口26aが移動するように、移動機構としてのステッピングモータ70を制御して、研磨液供給ノズル26を揺動させる。
この例では、半導体ウェハの研磨中に、渦電流センサ58により半導体ウェハの表面に形成された銅膜等の金属薄膜の膜厚分布(研磨プロファイル)を取得してシミュレータ72に入力する。シミュレータ72により、図4のステップ4で入力された所望の研磨プロファイルと研磨中に渦電流センサ58により取得された膜厚分布(研磨プロファイル)とを瞬時に比較して差を求め、所望の研磨プロファイルとするために必要な研磨条件のシミュレーションを行う。シミュレーションによって得られた研磨条件に基づいて、所望のプロファイルになるように、研磨液供給ノズル26の揺動パターン、つまり研磨液供給口(研磨液供給位置)26aの移動パターンを更新する。
このように研磨液供給ノズル26の揺動パターンを制御して、研磨後の半導体ウェハの表面に形成された銅膜等の金属薄膜の膜厚分布(研磨プロファイル)が所望のプロファイルとなるように所望の研磨を行って、研磨を完了させる。
図6は、シミュレーションプロファイルと実研磨プロファイルを参照プロファイルと共に示すグラフである。つまり、図6は、図5(a)に示す、研磨面52aの中心からX方向に45mm離れた位置から研磨液を供給しながら300mmの半導体ウェハを研磨した時における半導体ウェハの半径方向の位置R(mm)と研磨レート(Removal Rate)の関係を参照プロファイル1として、研磨面52aの中心からX方向に124mm及び195mm離れた位置から研磨液を供給しながら300mmの半導体ウェハを研磨した時における半導体ウェハの半径方向の位置R(mm)と研磨レート(Removal Rate)の関係を参照プロファイル2及び3として示している。そして、これらの参照プロファイル1〜3を参照してシミュレーションを行った時の研磨プロファイルをシミュレーションプロファイルとして、このシミュレーションプロファイルを基に実際に研磨を行った時の研磨プロファイルを実研磨プロファイルとして示している。
この図6から、シミュレーションプロファイルに基づいて実際に研磨を行うことで、シミュレーションプロファイルに近似した実研磨プロファイルが得られることが判る。
なお、研磨対象物に形成された研磨プロファイルの異なる2種類の膜に対して、所望の研磨プロファイルを基に、シミュレータにより個別に研磨液供給位置の移動パターンを決定するようにしてもよく、これにより、例えばSiO膜とメタル膜等の研磨プロファイルの異なる2種類の膜を含む研磨対象物の研磨プロファイルを改善することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
20 研磨装置
22 研磨テーブル
24 トップリング
26 研磨液供給ノズル
26a 研磨液供給口(研磨液供給位置)
32 第1リニアトランスポータ
34 第2リニアトランスポータ
42 洗浄機
44 搬送ユニット
52 研磨パッド(研磨布)
52a 研磨面
56 リテーナリング
58 渦電流センサ(膜厚モニタ)
66 コントローラ
70 ステッピングモータ(駆動機構)
72 シミュレータ

Claims (14)

  1. 研磨面を有する研磨テーブルと、
    研磨対象物を保持し該研磨対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、
    前記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給ノズルと、
    前記研磨液供給ノズルの研磨液供給位置を前記研磨面の略半径方向に沿って移動させる移動機構と、
    前記移動機構を制御するコントローラと、
    前記研磨液供給ノズルの研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を予測しシミュレーションを行って前記コントローラに出力するするシミュレータと、
    を備えたことを特徴とする研磨装置。
  2. 前記シミュレータは、所望の研磨プロファイルの入力に基づき、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照して、前記研磨プロファイルが得られると予測される研磨液供給位置の移動パターンを出力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 前記シミュレータは、研磨液供給位置の移動パターンの入力に基づき、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照して、前記移動パターンに従って前記研磨液供給位置を移動させながら研磨を行った時に得られると予測される研磨プロファイルを出力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  4. 前記シミュレータは、予め求められた複数点の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を示すデータベースを参照し、N次回帰、フーリエ変換、スプライン回帰及びウェーブレット変換の少なくとも一手法により、任意の研磨液供給位置と研磨プロファイルとの関係を予測することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  5. 前記シミュレータは、任意の微小区間における研磨液供給位置の移動速度または滞在時間によって重み付けられた研磨プロファイルの重ね合わせよって、研磨液供給位置を移動させながら研磨を行った時に得られる研磨プロファイルを予測することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  6. 膜厚モニタを備え、前記シミュレータは、膜厚モニタの研磨中の測定結果から研磨液供給位置の最適な移動パターンを予測して前記コントローラにフィードバックすることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  7. 前記膜厚モニタは、渦電流センサであることを特徴とする請求項6記載の研磨装置。
  8. 前記膜厚モニタは、光学式センサであることを特徴とする請求項6記載の研磨装置。
  9. 研磨プロファイルモニタを備え、研磨プロファイルモニタの研磨後の測定結果を前記シミュレータに実研磨プロファイルとして入力することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  10. 研磨テーブルの研磨面に研磨液供給ノズルから研磨液を供給しながら研磨対象物を押圧し、少なくとも前記研磨面を回転させながら前記研磨対象物を研磨する研磨方法において、
    前記研磨液供給ノズルの前記研磨面に研磨液を供給する研磨液供給位置を、前記研磨面の略半径方向に沿って、移動範囲内で複数に分割された区間毎に個別に定めた所定の移動パターンで移動させることを特徴とする研磨方法。
  11. 前記研磨液供給位置の移動パターンは、移動範囲内で複数に分割された区間内での研磨液供給位置の移動速度、移動範囲の分割位置及び移動範囲のいずれかを含むことを特徴とする請求項10記載の研磨方法。
  12. 前記研磨液供給位置の移動パターンは、所望の研磨プロファイルを基にシミュレータに依り得られた移動パターンであることを特徴とする請求項10または11記載の研磨方法。
  13. 研磨中に膜厚モニタによって得られた研磨プロファイルと所望の研磨プロファイルとの差を計算し、この差を基にシミュレータでシミュレートして、予め設定された研磨プロファイルに近づけるように前記研磨液供給位置の移動パターンを更新することを特徴とする請求項12記載の研磨方法。
  14. 研磨対象物に形成された研磨プロファイルの異なる少なくとも2種類の膜に対して、所望の研磨プロファイルを基に、シミュレータにより個別に研磨液供給口の移動パターンを決定することを特徴とする請求項10記載の研磨方法。
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