JP2023124123A - チーズ様食品調製用食品組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融したチーズのような物性を有するチーズ様食品を簡単に調製でき、冷えてもその物性を維持することのできる技術を提供すること。【解決手段】架橋澱粉と、非架橋澱粉と、熱不可逆性ゲル化剤とを含有し、水分含有量が30質量%以下である、チーズ様食品調製用食品組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、チーズ様食品調製用食品組成物に関する。
チーズは、広く知られている食品の一つである。チーズとして、加熱した場合に溶融し、糸を引くように伸びる物性を有する製品がある。
上記に関連して、例えば、特許文献1(国際公開第2020/017456号)には、溶融時に適度な曳糸性又は粘性を有し、食感の良好なチーズ含有食品を提供することを課題とした発明が記載されている。当該課題を解決したものとして、特許文献1には、カードラン及びカードランに対して3~6倍重量の加工デンプンを含有する、チーズ含有食品の物性改良剤が開示されている。
国際公開第2020/017456号
しかしながら、チーズを溶融させるためには加熱しなければならず、手間がかかる。また、加熱時に糸を引くように伸びる物性を有していたとしても、冷えると、チーズは通常固まってしまう。
そこで、本発明の課題は、溶融したチーズのような物性を有するチーズ様食品を簡単に調製でき、冷えてもその物性を維持することのできる技術を提供することにある。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
[1]架橋澱粉と、非架橋澱粉と、熱不可逆性ゲル化剤とを含有し、水分含有量が30質量%以下である、チーズ様食品調製用食品組成物。
[2]水と混合されてチーズ様食品を調製するために使用される、[1]に記載の食品組成物。
[3]前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、[1]又は[2]に記載の食品組成物。
[4]前記架橋澱粉が、ヒドロキシプロピル化架橋澱粉を含む、[3]に記載の食品組成物。
[5]前記非架橋澱粉が、非架橋加工澱粉を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の食品組成物。
[6]前記非架橋加工澱粉が、非架橋ヒドロキシプロピル化澱粉を含む、[5]に記載の食品組成物。
[7]前記熱不可逆性ゲル化剤が、カードランを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[8]前記架橋澱粉が、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含み、前記非架橋澱粉が、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の食品組成物。
[9]前記リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉1質量部に対して、前記非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉の含有量が、0.1~1.5質量部である、[8]に記載の食品組成物。
本発明によれば、溶融したチーズのような物性を有するチーズ様食品を簡単に調製でき、冷えてもその物性を維持することのできる技術が提供される。
以下に、本発明の実施形態について詳述する。本実施形態に係るチーズ様食品調製用食品組成物は、架橋澱粉と、非架橋澱粉と、熱不可逆性ゲル化剤とを含有し、水分含有量が30質量%以下である。このような構成を採用することで、溶融したチーズのような物性(糸を引くように伸びる物性)を有するチーズ様食品を簡単に調製できるようになる。また、チーズ様食品が冷めた場合にも、溶融したチーズのような物性が維持される。
(チーズ様食品調製用食品組成物)
本明細書において、「チーズ様食品調製用食品組成物」とは、チーズ様食品を調製するために使用される食品組成物である。なお、「チーズ様食品」とは、チーズに似た味及び食感を有する食品を意味する。チーズ様食品には、チーズ由来成分が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
具体的には、本実施形態に係る食品組成物は、水と混合されて使用される。すなわち、消費者は、本実施形態に係る食品組成物を水と混合するだけで、容易にチーズ様食品を得ることができる。すなわち、即席でチーズ様食品を得ることができる。調製したチーズ様食品は、一般的なチーズと同様に食すことができる。例えば、ハンバーグなどの他の食品にチーズ様食品をかけて食すことができる。茹でた野菜をチーズ様食品にディップして食すこともできる。
食品組成物は、水100質量部に対して、例えば10~80質量部、好ましくは20~60質量部の量で使用される。
食品組成物と混合される水は、好ましくは、加熱された水(湯:80℃以上)である。より好ましくは90℃以上の水が使用される。
食品組成物は、所定量の水と混合した場合に、所定の粘度が得られるように設計されていることが好ましい。
好ましい一態様において、食品組成物は、水100質量部に対して食品組成物40質量部を混合することにより混合物(以下、40質量部混合物という)を調製した場合に、40質量部混合物の54℃における粘度(以下54℃粘度という)が、7000(mPa・sec)以上になるように設計されている。40質量部混合物混の54℃粘度は、より好ましくは8000~30000(mPa・sec)、さらに好ましくは15000~20000(mPa・sec)である。
また、食品組成物は、40質量部混合物の30℃における粘度(以下、30℃粘度という)が、30℃で、60000(mPa・sec)以下になるように設計されていることが好ましい。40質量部混合物の30℃粘度は、より好ましくは、10000~60000(mPa・sec)、さらに好ましくは25000~30000(mPa・sec)である。
なお、上述の54℃粘度及び30℃粘度は、いずれも、B型粘度計により測定される値である。
40質量部混合物の粘度が上述のような範囲であることにより、チーズ様食品を調製した際に、溶融したチーズによく似た物性を再現することができる。また、冷えてもその物性が維持されたチーズ様食品を提供できる。
食品組成物の水分含有量は、30質量%以下であればよく、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
食品組成物の形態は特に限定されないが、好ましくは固形であり、より好ましくは粒状であり、さらに好ましくは、顆粒状である。顆粒状であることにより、水と混合した場合に、食品組成物が容易に溶解する。これにより、食品組成物を水と混ぜた際に、より簡単にチーズ様食品を調製することが可能となる。
顆粒状の食品組成物としては、例えば、その90質量%以上、好ましくは95質量%以上が、100~2000μmの粒度を有している粒状物が挙げられる。
なお、本明細書において、「粒度」は、所定の大きさの目開きを有するふるいに対してオンするかパスするかにより特定される。例えば、「100~2000μmの粒度」を有しているという場合には、目開き100μmのふるいにオンし、目開き2000μmのふるいをパスすることを言う。
より好ましくは、顆粒状の食品組成物は、その90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上が、500~2000μmの粒度を有している粒状物である。
顆粒状の食品組成物は、例えば、油脂をバインダーとして使用することにより、得ることができる。油脂としては、常温(25℃)で固形の油脂が好ましく用いられる。好ましくは、油脂として、硬化油が使用される。好ましくは30~60℃、より好ましくは40~55℃の上昇融点を有する油脂が使用される。油脂の具体例としては、例えば、パーム硬化油、ナタネ硬化油、大豆硬化油、牛脂硬化油、及びラード硬化油等が挙げられる。
油脂としては、固形油脂原料単体のものを使用することもできるし、デキストリンなどと混合された粉末原料を使用することもできる。
油脂の使用量は、食品組成物100質量部に対して、例えば18~25質量部である。
油脂をバインダーとして用いた顆粒状の食品組成物は、水への溶解性により優れており、好ましい。また、油脂を使用することにより、コクを増強させることもできる。更に、白濁感を付与することもできる。
(架橋澱粉)
本実施形態に係る食品組成物は、既述のように、「架橋澱粉」を含む。架橋澱粉としては、架橋処理が施された澱粉であればよく、特に限定されない。架橋澱粉として、例えば、リン酸により架橋されたリン酸架橋澱粉、及び、アジピン酸により架橋されたアジピン酸架橋澱粉を挙げることができる。好ましくは、架橋澱粉として、リン酸架橋澱粉が用いられる。
また、架橋澱粉は、エステル化された架橋澱粉であってもよい。そのような架橋澱粉として、例えば、ヒドロキシプロピル化架橋澱粉、及びアセチル化架橋澱粉等が挙げられる。好ましくは、架橋澱粉として、ヒドロキシプロピル化架橋澱粉が用いられる。
架橋澱粉の原料となる澱粉としては、特に限定されるものではない。原料となる澱粉として、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、及びトウモロコシ由来の澱粉などを挙げることができる。好ましくは、原料となる澱粉は、タピオカ澱粉である。
架橋澱粉の糊化度は特に限定されず、未糊化澱粉でも糊化澱粉(α化澱粉)でも老化澱粉(β化澱粉)でもよい。食品組成物を造粒して製造する場合は、未糊化澱粉が好ましい。
架橋澱粉の形態は特に限定されず、粉状でも粒状でもよい。食品組成物を造粒して製造する場合は、粉状である方が好ましい。
架橋澱粉の含有量は、食品組成物100質量部に対し、例えば3~50質量部、好ましくは5~40質量部である。
特に好ましい一態様において、架橋澱粉は、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含む。リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉は、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉をリン酸架橋した澱粉である。この澱粉を使用することにより、食品組成物を水と混合した場合に、より高い粘性を付与することができる。また、この澱粉は、低温度から糊化が開始し、粘性を発現させる。従って、この澱粉を用いることにより、食品組成物を水と混合した場合に、チーズ様の物性を再現しやすくなる。
リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉の含有量は、食品組成物100質量部に対し、例えば3~40質量部、好ましくは5~35質量部である。
(非架橋澱粉)
食品組成物は、既述のように、「非架橋澱粉」を含む。非架橋澱粉は、架橋澱粉以外の澱粉を指す。非架橋澱粉は、特に限定されず、加工澱粉であってもよく、非加工澱粉であってもよい。特に好ましくは、非架橋澱粉は、加工澱粉である。加工澱粉の方が、非加工澱粉よりも、チーズ様物性を再現しやすくなる点から、好ましい。加工澱粉としては、例えば、ヒドロキシプロピル化澱粉が挙げられる。
非架橋澱粉の原料となる澱粉は、特に限定されるものではない。非架橋澱粉の原料となる澱粉として、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、及びトウモロコシ由来の澱粉などを挙げることができる。好ましくは、タピオカ澱粉が用いられる。
非架橋澱粉の糊化度は特に限定されず、未糊化澱粉でも糊化澱粉(α化澱粉)でも老化澱粉(β化澱粉)でもよい。食品組成物を造粒して製造する場合は、未糊化澱粉が好ましい。
非架橋澱粉の形態は特に限定されず、粉状でも粒状でもよい。食品組成物を造粒して製造する場合は粉状である方が好ましい。
非架橋澱粉の含有量は、食品組成物100質量部に対し、例えば1~50質量部、好ましくは3~35質量部である。
より好ましい一態様においては、非架橋加工澱粉が、食品組成物100質量部に対して1~50質量部、さらに好ましくは3~35質量部の量で使用される。
特に好ましい一態様において、非架橋澱粉は、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含む。非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉は、ヒドロキシプロピル化されていることにより、親水性が増しており、糊化温度が低くなっている。また、タピオカ澱粉は、加熱によって吸水膨潤しやすい。従って、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を使用することにより、食品組成物を水と一緒に加熱した場合に、澱粉粒が壊れ、均一な糊液が得られる。これにより、所望するチーズ様の物性(特に、曵糸性)が得られやすくなる。
非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉の含有量は、食品組成物100質量部に対し、例えば1~30質量部、好ましくは3~25質量部である。
好ましい一態様において、食品組成物は、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉と、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉とを含む。リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉1質量部に対して、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉の含有量は、例えば0.1~1.5質量部、好ましくは0.2~1.3質量部である。
(熱不可逆性ゲル化剤)
食品組成物は、既述のように、「熱不可逆性ゲル化剤」を含む。熱不可逆性ゲル化剤とは、その水分散液を加熱した場合に、熱不可逆性のゲルを生成する物質である。熱不可逆性ゲル化剤を使用することにより、チーズ様食品の曵糸性(糸を引くように伸びる性質)を高めることができる。また、冷えても固まりにくいチーズ様食品を得ることができる。
熱不可逆性ゲル化剤としては、例えば、カードラン、脱アセチル化ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、グルコマンナンや卵白を挙げることができる。
熱不可逆性ゲル化剤の量は、食品組成物100質量部に対して、例えば0.1~10質量部、好ましくは0.3~6質量部である。
(その他)
食品組成物には、チーズ系原料が含まれていてもよい。チーズ系原料としては、チーズパウダー等のチーズ加工品、及び乳清パウダー等を挙げることができる。チーズ系原料を使用することにより、チーズ風味を付与又は増強することができる。チーズ加工品を用いれば、チーズ様の物性及び風味を付与しやすくなる。乳清パウダーを使用すれば、発酵乳(ヨーグルト)風味を付与することができる。
一方で、本実施形態に係る食品組成物は、チーズ系原料等の乳原料を含まないものであってもよい。乳原料を含まなくとも、例えばチーズ様の風味を付与できる他の食品原料を使用することにより、チーズ様食品を調製することができる。尚、乳原料は、生乳を由来とする食品原料である。乳原料として、例えば、チーズ、ヨーグルト、バター、及び粉乳が挙げられる。
食品には、様々な理由により、乳原料を使用しないことが求められる場合もある。本実施形態に係る食品組成物を使用すれば、乳原料を使用しなくても、チーズ様の物性を再現することができる。よって、様々な要求に答えることができる。
食品組成物は、更に、調味料、寒天、増粘剤、香料、及び着色料などの他の食品原料を含んでいてもよい。
調味料としては、食塩、酸味料、うま味調味料、及び発酵調味料などを使用することができる。調味料を使用すれば、チーズ様食品の味を調整することができる。
寒天を使用すれば、チーズ様食品の粘性を調整することができる。寒天としては一般的な寒天の他に、低凝固寒天、高強度寒天、高粘弾性寒天などを使用することができる。
増粘剤としては、例えば、グアーガムなどの各種増粘多糖類、及びCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)などを挙げることができる。増粘剤を使用することによっても、チーズ様食品の粘性を調整することができる。
香料としては、例えば、チーズ香料、クリーム香料、発酵・醸造食品の香りの香料を使用することができる。香料は、チーズ風味、乳風味、及び発酵乳風味の付与及び増強などのため、使用することができる。
着色料としては、例えば、カロチノイド色素などを使用することができる。
以上説明した食品組成物によれば、水と混ぜるだけで、溶融したチーズに似た物性を有するチーズ様食品を調製できる。すなわち、即席でチーズ様食品を調製することができる。そして、冷えた場合でも、溶融したチーズ様の物性が維持される。
加えて、本実施形態に係る食品組成物は、常温での保存が可能である。一般に、溶融時に糸を引くような物性を有するチーズは、チルド製品である。これに対して、本実施形態に係る食品組成物は、常温での保存が可能であり、この点で保存性に優れている。
本実施形態に係る食品組成物の製造方法は、特に限定されるものではない。以下に、食品組成物が顆粒状である場合の製造方法の一例について説明する。
まず、架橋澱粉、非架橋澱粉、熱不可逆性ゲル化剤、およびその他の食品原料を混合する。次に、溶融させた植物油脂(硬化油)を添加し、加熱混合する。植物油脂の添加量は、食品組成物100質量部に対して、例えば18~25質量部である。次いで、品温が60℃程度に達したら加熱を終了する。そして、造粒機を用いて混合物を冷却しながら造粒する。これにより、顆粒状の食品組成物を得ることができる。このような方法により得られた食品組成物は、水への溶解性に優れている。そのため、水と混ぜるだけで簡単にチーズ様食品を調製することが可能である。
以下に、本発明をより詳細に説明するため、本件発明者らにより行われた実施例について説明する。
表1~表3に記載される組成に従って、実施例1~9及び比較例1~2に係る食品組成物を調製した。なお、表1~表3に示される各成分の量は、質量部を単位とする。また、その他の食品原料としては、食塩、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉以外の非架橋澱粉(未加工澱粉である)、増粘多糖類(グアーガム)、チーズパウダー、乳清パウダー、チーズ加工品、カロチン色素、酒粕粉末、及び粉末油脂を用いた。
具体的には、まず、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉(非架橋加工澱粉である)、及びカードランを加熱攪拌釜に投入した。更に、その他の食品原料(粉末油脂以外)を加熱攪拌釜に投入し、混合粉体を得た。得られた混合粉体に対して、更に、溶融させた粉末油脂(植物油脂、硬化油)を、食品組成物100質量部に対して25質量部となる量で投入し、加熱混合した。混合物の品温が約60℃になった段階で、加熱を停止した。そして、押出造粒機ドームグラン(不二パウダル社製)を用いて、混合物を冷却しながら造粒した。これにより、顆粒状の食品組成物を得た。
なお、得られた食品組成物は、特段水を使用していないため、原料由来の水が存在していたとしても、水分含量は30質量%以下であると考えられる。
尚、実施例1~9における非架橋澱粉の総量は、食品組成物100質量部に対して、16~25質量部の範囲内であった。
得られた食品組成物40gを、お湯(95℃)100mlに添加し、かき混ぜ、混合物を得た。そして、得られた混合物がチーズ様の物性を有しているか否かを、下記の基準により評価した。
(評価基準)
5:チーズの粘性に近い
4:チーズの粘性にやや近い
3:チーズの粘性とはやや異なる粘性を有するが許容できる(とろみが付く)
2:チーズの粘性とは違う粘性を有し、許容できない(少しだけとろみが付く)
1:チーズの粘性とは異なる
また、粘性、伸展性、曳糸性を観察した。
また、30℃及び54℃における混合物の粘度(B型粘度計)を測定した。ローター番号は7番とした。回転数は60rpmであり、測定時間は30秒とした。
(結果)
結果を表1~表3に示す。架橋澱粉(リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉)、非架橋澱粉(ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉)、及び熱不可逆性ゲル化剤(カードラン)を含有する実施例1~9に係る食品組成物を用いた場合、得られた混合物は、いずれも、チーズ様食品として許容できる程度に、チーズに似た粘性、伸展性、及び曳糸性を有していた。また、表面が滑らかであった。また、冷えた後も、30℃粘度の値が60000mPa・sec以下であり、チーズ様の流動性が維持されていた。
これに対して、架橋澱粉(リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉)を欠く比較例1では、得られた混合物はほぼ液体であり、チーズ様食品と呼べるものではなかった。
一方、熱不可逆性ゲル化剤(カードラン)を欠く比較例2を用いた場合は、得られた混合物は、粘性があるものの、伸びにくく、チーズ様の物性とは言えなかった。また、冷えると、粘性がより高く感じられ、表面がざらついた状態となった。
(曳糸長の評価)
実施例2に係る食品組成物を用いた混合物について、曳糸長を測定した。具体的には、混合物を調製した後、品温70~80℃としたものを試料として用意した。また、曳糸性・牽糸性・凝固性測定装置(NEVA METER(ネバメーター) IMI-021 株式会社石川鉄工所製)を準備した。標準測定皿(滴下0.06mL)と標準測定子(直径3mm平型)を用い、浸漬深さを0.5mm、測定速度を25mm/sec、浸漬時間は2secの設定として、曳糸長を測定した。
更に、比較用に、市販品1及び市販品2の曳糸長についても測定した。具体的には、市販品1及び2として、冷蔵で流通販売されている容器又は袋入りのチーズフォンデュ用チーズ加工品を準備し、パッケージに記載された使用方法に従って電子レンジで加温し、品温70~80℃の試料を調製した。そして、実施例2と同様に、曳糸長を測定した。
曳糸長の測定結果を表4に示す。実施例2に係る食品組成物を用いた混合物は、市販品1及び2と比較し、同等以上の曳糸性を有しており、約2~4倍の長さまで伸びた時点で切れることを確認した。いずれの2品よりも加温したナチュラルチーズの物性に近く、細長い糸状を維持して切れた。
Figure 2023124123000001
Figure 2023124123000002
Figure 2023124123000003
Figure 2023124123000004

Claims (9)

  1. 架橋澱粉と、
    非架橋澱粉と、
    熱不可逆性ゲル化剤とを含有し、
    水分含有量が30質量%以下である、
    チーズ様食品調製用食品組成物。
  2. 水と混合されてチーズ様食品を調製するために使用される、請求項1に記載の食品組成物。
  3. 前記架橋澱粉が、リン酸架橋澱粉を含む、請求項1又は2に記載の食品組成物。
  4. 前記架橋澱粉が、ヒドロキシプロピル化架橋澱粉を含む、請求項3に記載の食品組成物。
  5. 前記非架橋澱粉が、非架橋加工澱粉を含む、請求項1~4のいずれかに記載の食品組成物。
  6. 前記非架橋加工澱粉が、非架橋ヒドロキシプロピル化澱粉を含む、請求項5に記載の食品組成物。
  7. 前記熱不可逆性ゲル化剤が、カードランを含む、請求項1~6のいずれかに記載の食品組成物。
  8. 前記架橋澱粉が、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含み、
    前記非架橋澱粉が、非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を含む、
    請求項1~7のいずれかに記載の食品組成物。
  9. 前記リン酸架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉1質量部に対して、前記非架橋ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉の含有量が、0.1~1.5質量部である、請求項8に記載の食品組成物。
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