JP2023123982A - 浮体及び浮体のアンモニア処理方法 - Google Patents

浮体及び浮体のアンモニア処理方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023123982000001
【課題】燃料としてアンモニアを用いつつ、タンク設置スペースの増加、燃料消費の増加、及び作業員の負担増大を抑制する。
【解決手段】浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられて、アンモニアを吸収可能な吸収液を貯留する希釈槽と、前記希釈槽の前記吸収液に前記浮体本体内のアンモニアを導入可能なアンモニア導入ラインと、前記希釈槽の気相中に、該気相のアンモニア濃度を低下させる希釈気体を導入可能な希釈気体導入ラインと、前記希釈槽の気相中の気体を前記希釈槽から導出する導出ラインと、前記導出ラインにより前記希釈槽から導出された前記気体を大気放出する大気開放部と、前記希釈槽をバイパスして前記アンモニア導入ラインを流れる流体を前記大気開放部へ導くバイパスラインと、を備える。
【選択図】図3

Description

本開示は、浮体及び浮体のアンモニア処理方法に関する。
船舶等の浮体では、主機等の燃料としてアンモニアを用いる場合に、軽油などの他の燃料とアンモニアとを切り替えて用いることが想定される。このような燃料切り替えを行う浮体では、燃料系統の配管内に残留したアンモニアが不活性ガスによってパージされて燃料配管から排出される。
このように排出されたアンモニアや、浮体内で漏洩したアンモニアは、周囲環境へ影響を及ぼす可能性が有るため、浮体が浮かぶ周囲の水中や大気中にそのまま放出することは好ましくない。
特許文献1には、区画外へのアンモニアの漏出を防止する技術として、区画内に連通する密閉されたダクトを設けて、このダクト内で水を散布し、ダクト内でアンモニアを水に吸収させて区画内を負圧にするものが提案されている。この特許文献1では、アンモニアを吸収させた水を、水槽に戻して再度散水ノズルに循環させるか、又は、他の処理施設に排出させている。
特許第4356939号公報
しかしながら、特許文献1のようにアンモニアを水に吸収させる場合、アンモニアを吸収したアンモニア水を浮体本体内に貯留する必要がある。そのため、アンモニア水が大量に発生する場合には、浮体内に大きなタンク設置スペースが必要になる。
一方で、アンモニアを水に吸収させずに無害化する方法として、燃焼除害装置で燃焼させる方法がある。しかし、燃焼除害装置は、起動に時間が掛かるため、緊急パージなど不定期に発生して短時間で完了させる必要のあるアンモニア排出に対応させるには、常時種火が必要になり、燃料消費が増大してしまう。
さらに、アンモニアを除害する方法としては、希硫酸などの酸を用いる方法がある。しかし、希硫酸などの酸は、寄港地や係留場所等にて入手困難な場合があり、また取り扱いに熟練を要するため作業員の負担が増大するという課題がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、燃料としてアンモニアを用いる場合に、除害装置の大型化、タンク設置スペースの増加、燃料消費の増加、及び作業員の負担増大を抑制することが可能な浮体及び浮体のアンモニア処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
本開示の第一態様によれば、浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられて、アンモニアを吸収可能な吸収液が貯留された希釈槽と、前記希釈槽の前記吸収液に前記浮体本体内のアンモニアを導入可能なアンモニア導入ラインと、前記希釈槽の気相中に、該気相のアンモニア濃度を低下させる希釈気体を導入可能な希釈気体導入ラインと、前記希釈槽の気相中の気体を前記希釈槽から導出する導出ラインと、前記導出ラインにより前記希釈槽から導出された前記気体を大気放出する大気開放部と、前記希釈槽をバイパスして前記導入ラインの前記アンモニアガスを前記大気開放部へ導くバイパスラインと、を備える。
本開示の第二態様によれば、浮体のアンモニア処理方法は、アンモニアをパージした際に排出される流体を希釈槽へ供給して前記希釈槽に貯留された吸収液に混ぜると共に、前記希釈槽の気相の気体を大気放出するパージ工程と、パージした際に排出された前記流体を前記希釈槽に供給して前記希釈槽に貯留された吸収液に混ぜた後に、パージした際に排出された前記流体を前記希釈槽へ供給せずに前記希釈槽をバイパスして大気放出する緊急パージ工程を含む。
上記浮体及び浮体のアンモニア処理方法によれば、燃料としてアンモニアを用いる場合に、除害装置の大型化、タンク設置スペースの増加、燃料消費の増加、及び作業員の負担増大を抑制することができる。
本開示の実施形態における浮体の概略構成を示す図である。 本開示の第一実施形態における配管系統及び不活性ガス供給装置の概略構成を示す図である。 本開示の第一実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。 本開示の第一実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。 図4のパージ工程のフローチャートである。 図4の漏洩除害工程のフローチャートである。 図4の緊急パージ工程のフローチャートである。 パージ工程で燃焼除害する場合の図3に相当する図である。 パージ工程で大気放出する場合の図3に相当する図である。 漏洩除害工程でアンモニア燃料取込室の気体を燃焼除害する場合の図3に相当する図である。 漏洩除害工程でアンモニア燃料供給装置室の気体を燃焼除害する場合の図3に相当する図である。 漏洩除害工程でアンモニア燃料取込室の気体を大気放出する場合の図3に相当する図である。 漏洩除害工程でアンモニア燃料供給装置室の気体を大気放出する場合の図3に相当する図である。 緊急パージ工程の吸収工程における図3に相当する図である。 緊急パージ工程の大気放出工程における図3に相当する図である。 本開示の第二実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。 本開示の第二実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。 図17のパージ工程のフローチャートである。 図17の漏洩除害工程のフローチャートである。 図17の緊急パージ工程のフローチャートである。 上記第二実施形態のパージ工程におけるアンモニア処理装置内の流体の流れを示す図である。 上記第二実施形態の漏洩除害工程におけるアンモニア処理装置内の流体の流れを示す図である。 上記第二実施形態の漏洩除害工程におけるアンモニア処理装置内の流体の流れを示す図である。 上記第二実施形態の吸収工程におけるアンモニア処理装置内の流体の流れを示す図である。 上記第二実施形態の大気放出工程におけるアンモニア処理装置内の流体の流れを示す図である。 上記第二実施形態の第一変形例における図16に相当する図である。 上記第二実施形態の第二変形例における図16に相当する図である。 本開示の第三実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。 本開示の第三実施形態における脱硝装置の脱硝用アンモニア液タンク周りの配管系統を示す図である。 本開示の第三実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。 本開示の第四実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。 本開示の第四実施形態におけるアンモニア分解装置126の概略構成を示す図である。 本開示の第四実施形態におけるアンモニア処理方法を示すフローチャートである。 図33の放出工程のフローチャートである。 本開示の第四実施形態の変形例における図35に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第一態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第二態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第三態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第四態様における漏洩除害工程のフローチャートである。 本開示の他の実施形態の第四態様における図29に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第五態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第五態様における希釈槽の液位を説明する図である。 本開示の他の実施形態の第六態様における図30に相当するフローチャートである。 本開示の他の実施形態の第七態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第八態様における図3に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第九態様における図16に相当する図である。 本開示の他の実施形態の第十態様における、図5に相当するフローチャートである。 本開示の他の実施形態の第十一態様における、図5に相当するフローチャートである。
以下、本開示の実施形態に係る浮体及び浮体のアンモニア処理方法について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
(浮体の構成)
図1は、本開示の実施形態における浮体の概略構成を示す図である。
図1に示すように、この実施形態の浮体1は、浮体本体2と、上部構造4と、燃焼装置8と、アンモニアタンク10と、配管系統20と、区画30と、アンモニア処理装置60と、を備えている。なお、本実施形態の浮体1は、主機等により航行可能な船舶を一例として説明する。浮体1が船舶である場合の船種は、特定の船種に限られない。船種としては、例えば、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等を例示できる。また、船舶では無い浮体1としては、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)を例示できる。
浮体本体2は、その外殻をなす一対の舷側5A,5Bと船底6とを有している。舷側5A,5Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底6は、これら舷側5A,5Bを接続する船底外板を備える。これら一対の舷側5A,5B及び船底6により、浮体本体2の外殻は、船首尾方向FAに直交する断面においてU字状を成している。
浮体本体2は、最も上層に配置される全通甲板である上甲板7を更に備えている。上部構造4は、この上甲板7上に形成されている。上部構造4内には、居住区等が設けられている。本実施形態の浮体1では、例えば、上部構造4よりも船首尾方向FAの船首3a側に、貨物を搭載するカーゴスペース(図示無し)が設けられている。
燃焼装置8は、燃料を燃焼させることで熱エネルギーを発生させる装置であり、上記の浮体本体2内に設けられている。燃焼装置8としては、浮体1を推進させるための主機に用いられる内燃機関、船内に電気を供給する発電設備に用いられる内燃機関、作動流体としての蒸気を発生させるボイラー等を例示できる。本実施形態の浮体1で主機として用いられる燃焼装置8は、燃料としてアンモニアと、アンモニアとは異なる軽油などの他の燃料と、を切り替えて用いることが可能となっている。
アンモニアタンク10は、液体のアンモニア(以下、液化アンモニアと称する)を貯留するタンクである。この実施形態の浮体1では、アンモニアタンク10は、上部構造4よりも船尾3b側の上甲板7上に設置されている。このアンモニアタンク10の配置は一例であって、上部構造4よりも船尾3b側の上甲板7上に限られない。本実施形態のアンモニアタンク10は、燃焼装置8の燃料としての液化アンモニアを貯留している。
配管系統20は、燃焼装置8とアンモニアタンク10とを接続し、少なくともアンモニアタンク10に貯留された液化アンモニアを燃焼装置8へ供給可能に構成されている。配管系統20は、少なくともアンモニア関連機器と燃料配管とを備えている。ここで、アンモニア関連機器とは、アンモニアを取扱う機器全般を意味しており、例えば、アンモニアを取扱うアンモニア燃料機器や、貨物としてのアンモニアを取扱うアンモニア貨物機器を挙げることができる。
区画30は、配管系統20のうち少なくともアンモニア関連機器を収容している。すなわち、上述した配管系統20は、区画30を経由して燃焼装置8とアンモニアタンク10とを接続している。本実施形態では、アンモニア燃料機器とアンモニア貨物機器とのうち、アンモニア燃料機器が収容されている区画30を一例にして説明するが、区画30は、アンモニア貨物機器が収容されている区画30であってもよい。
アンモニア燃料機器を収容する区画30としては、アンモニア燃料供給装置室、アンモニア燃料調圧弁室、アンモニア燃料取込室(言い換えれば、バンカーステーション)を例示できる。アンモニア燃料供給装置室に収容されるアンモニア燃料機器としては、例えばアンモニアタンク10から燃焼装置8へとアンモニアを圧送するポンプや、燃焼装置8へ送られるアンモニアを加熱するための熱交換器、電動弁、ミキシングタンク、キャッチタンク、蒸発器等、を例示できる。アンモニア燃料調圧弁室に収容されるアンモニア燃料機器としては、例えば、燃料としてのアンモニアを調圧する燃料調圧装置を例示できる。また、アンモニア燃料取込室に収容されるアンモニア燃料機器としては、例えば、ガスマニホールドを例示できる。本実施形態で例示する区画30は、アンモニア燃料機器を収容する区画であれば上記のアンモニア燃料供給装置室、アンモニア燃料調圧弁室、及びアンモニア燃料取込室に限られるものではない。以下の説明では、浮体1が区画30として、アンモニア燃料供給装置室30A(図3参照)と、アンモニア燃料取込室30B(図3参照)と、をそれぞれ有する場合を一例にして説明する。
図2は、本開示の第一実施形態における配管系統及び不活性ガス供給装置の概略構成を示す図である。
図2に示すように、主機としての燃焼装置8とアンモニアタンク10とを接続する配管系統20は、第一供給管21Aと、ミキシングタンク40と、第二供給管21Bと、リターン管22と、開閉弁23,24と、高圧ポンプ25と、を少なくとも備えている。
ミキシングタンク40は、アンモニアタンク10から第一供給管21Aを介して供給された液化アンモニアを一時的に貯留可能とされている。第二供給管21B及びリターン管22は、それぞれミキシングタンク40と燃焼装置8とを接続している。第二供給管21Bは、ミキシングタンク40の液化アンモニアを燃焼装置8へ供給する。リターン管22は、燃焼装置8で燃料として用いられずに残った余剰のアンモニアをミキシングタンク40に戻す。高圧ポンプ25は、第二供給管21Bに設けられて燃焼装置8へ向けて液化アンモニアを圧送する。なお、リターン管22には、ミキシングタンク40へ戻すアンモニアを冷却する熱交換器(図示せず)を設けてもよい。
開閉弁23は、第二供給管21Bに設けられている。開閉弁24は、リターン管22に設けられている。これら開閉弁23,24は、燃焼装置8の稼働時に常時開放状態とされる。その一方で、開閉弁23,24は、燃焼装置8の停止時等に閉塞状態とされる。これら開閉弁23,24が閉塞状態にされることで、第二供給管21B及びリターン管22の内部に形成された流路が遮断される。本実施形態では、第二供給管21Bに不活性ガス供給装置50が接続されている。
不活性ガス供給装置50は、燃焼装置8の燃料をアンモニアから他の燃料に切り替える際やメンテナンスを行う際に、アンモニアの流通する流通経路Rに残存したアンモニアを窒素等の不活性ガス(パージガス)に置き換える、いわゆるパージを行う。不活性ガス供給装置50は、不活性ガス供給部51と、不活性ガス供給管52と、不活性ガス供給弁53と、を備えている。ここで、不活性ガスとしては、例えば、不活性ガス生成装置(図示せず)により浮体本体2の内部で生成した不活性ガスや、浮体本体2に設けられた不活性ガスタンク(図示せず)に予め貯留した不活性ガスを用いることができる。なお、不活性ガスは、アンモニアに接触した際に化学反応しない気体であればよく、例えば、窒素を例示できる。
不活性ガス供給部51は、不活性ガス供給管52へ不活性ガスを供給する。
不活性ガス供給管52は、不活性ガス供給部51と、アンモニアの流通する流通経路Rとを接続している。より具体的には、不活性ガス供給管52は、不活性ガス供給部51と、配管系統20のパージ対象領域20pとを接続している。本実施形態では、開閉弁23よりも燃焼装置8側の第二供給管21B、開閉弁24よりも燃焼装置8側のリターン管22、及び、燃焼装置8内に形成される流通経路Rがパージ対象領域20pである場合を例示している。
不活性ガス供給弁53は、不活性ガス供給管52に設けられている。不活性ガス供給弁53は、通常時に閉塞状態とされ、不活性ガス供給部51からパージ対象領域20pへの不活性ガスの供給を遮断している。ここで、通常時とは、アンモニアを燃料として燃焼装置8を稼働しているとき等、アンモニアを燃焼装置8に供給可能にしているときである。この通常時において、開閉弁23,24は開放状態とされ、ミキシングタンク40から第二供給管21Bを通して燃焼装置8にアンモニアが供給可能にされる。また、燃焼装置8に供給されたアンモニアのうち、余剰のアンモニアがリターン管22を通してミキシングタンク40に戻される。
不活性ガス供給弁53は、燃焼装置8の緊急停止時、長期停止時、メンテナンス時等のときに、閉塞状態から開放状態にされる。言い換えれば、不活性ガス供給弁53は、パージ対象領域20pに残留するアンモニアをパージする際に閉塞状態から開放状態に操作される。この際、ミキシングタンク40から燃焼装置8への液化アンモニアの供給は停止状態にされる。これにより、不活性ガス供給部51からパージ対象領域20pに不活性ガスが供給可能になる。なお、例えば、パージ初期において、パージ対象領域20pに残留する液化アンモニアを、液化アンモニアを戻すためのライン(図示せず)によってミキシングタンク40へ戻すようにしてもよい。
残留アンモニア供給ライン26は、不活性ガス供給装置50によりパージされた液化アンモニアや、不活性ガス供給装置50によりパージされた液化アンモニア、アンモニアガス及び不活性ガスの混合流体をアンモニア処理装置60へと導く。残留アンモニア供給ライン26は、配管27と、開閉弁28と、を備えている。配管27は、リターン管22とアンモニア処理装置60とを接続する。開閉弁28は、通常時は閉塞状態され、不活性ガス供給装置50によるパージを行う際に閉塞状態から開放状態に操作される。
上記の説明では、残留アンモニア供給ライン26がリターン管22に分岐接続されている場合を例示したが、残留アンモニア供給ライン26は、第二供給管21Bに分岐接続されていてもよい。また、複数の残留アンモニア供給ライン26を設けて、これら残留アンモニア供給ライン26が第二供給管21B及びリターン管22の双方に分岐接続されるようにしてもよい。さらに、残留アンモニア供給ライン26は、第二供給管21Bやリターン管22に対して複数接続されていてもよい。
上述した不活性ガス供給装置50による残留アンモニアのパージの説明では、配管系統20のうち、ミキシングタンク40と主機である燃焼装置8との間の配管系統20のパージ対象領域20pをパージする場合について説明した。しかし、浮体本体2内では、発電機やボイラー等の複数の燃焼装置8を備えている場合がある。このような場合、浮体本体2内では、これら複数の燃焼装置8とアンモニアタンク10との間の配管系統20に対しても、上記と同様に、不活性ガス供給装置50により残留するアンモニアのパージが可能となっている。このような場合、発電機やボイラー等に燃料を供給する配管系統20からパージされたアンモニアも、上記と同様にアンモニア処理装置60へ導入される。なお、不活性ガス供給装置50によってパージするアンモニアは、液化アンモニアに限られず、アンモニアガスであってもよい。
本実施形態では、不活性ガス供給装置50は、ミキシングタンク40等、アンモニアを貯留するタンク類の内部に不活性ガスを供給可能になっている。そして、これらタンク類には、内部の気体をアンモニア処理装置60へ導くタンク開放ライン29が接続されている。このように構成することで、ミキシングタンク40等のタンク類をメンテナンスにより開放する際に、内部のアンモニアガスを含む気体を不活性ガスに置換すると共に、内部のアンモニアガスを含む気体を、タンク開放ライン29を介してアンモニア処理装置60へ導入可能となっている。タンク開放ライン29は、上記の残留アンモニア供給ライン26と同様の構成であり、配管27と開閉弁28とを備えている。
アンモニア燃料供給装置室30Aには、ミキシングタンク40、第二供給管21の一部、リターン管22の一部、高圧ポンプ25、及び、開閉弁23,24等のアンモニア燃料機器が収容されている。区画30には、それぞれ散布装置31と、除害ファンと、換気ファンと、が設けられている。散布装置31は、アンモニアを吸収可能な吸収液を、区画30内に散布する。
本実施形態の散布装置31は、吸収液を、区画30の内部空間のうち天井に近い上部から例えば、シャワー状に散布している。この散布された吸収液は、重力により区画30の内部空間の上部から下方へ向かって移動する。区画30の内部空間にアンモニアが漏洩していた場合、吸収液は、漏洩したアンモニアと接触することで当該アンモニアを吸収する。そして、アンモニアを吸収した吸収液は、区画30の床面に至る。なお、区画30の内部空間とは、アンモニア関連機器の設置された室内空間を意味しており、アンモニア関連機器の内部は含まない。
除害ファン32は、区画30の内部空間の気体を、アンモニア処理装置60へ送り込む。
換気ファン33は、区画30を換気するためのファンであって、区画30の内部空間の気体を外部へ排出している。
上記の説明では、アンモニア漏洩が生じ得る区画30としてアンモニア燃料供給装置室30Aを一例にしたが、アンモニア漏洩が生じ得る区画30は、アンモニア燃料供給装置室30Aに限られない。例えば、発電機の燃焼装置8へ燃料としてのアンモニアを供給する燃料配管のバルブユニットが配置されるアンモニア燃料調圧弁室や、アンモニア燃料取込室(バンカーステーション)30Bなどの区画30も、アンモニア燃料供給空気室と同様に、散布装置31と、除害ファン32と、換気ファン33と、を備えている。
本実施形態では、アンモニア燃料供給装置室30Aと主機としての燃焼装置8との間の第二供給管21B及びリターン管22が二重管となっている。そして、二重管の外層管と内層管との間の空間に換気用の給気ダクト34を接続し、二重管の外層管と内層管との間の空間とアンモニア燃料供給装置室30Aの内部空間と、を連通させている場合を例示している。なお、給気ダクト34の配置は上記位置に限られず、例えば、アンモニア燃料供給装置室30Aに換気用の空気を直接流入させるようにしてもよい。また、二重管の外層管と内層管との間の空間は、アンモニア燃料供給装置室30Aと連通させずに、個別に換気可能としてもよい。
図3は、本開示の第一実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。
アンモニア処理装置60は、不活性ガス供給装置50によってパージされたアンモニアや、区画30で漏洩したアンモニアを処理する。図3に示すように、アンモニア処理装置60は、アンモニア導入ライン61と、ノックアウトドラム62と、混合部63と、希釈槽64と、希釈気体導入ライン65と、導出ライン66と、バイパスライン67と、希釈吸収液排出ライン68と、アンモニア廃液タンク69と、燃焼除害装置70と、希釈燃焼ライン71と、区画燃焼ライン72と、区画開放ライン73と、区画液排出ライン74と、アンモニア液ビルジタンク75と、陸揚げライン76と、を備えている。
アンモニア導入ライン61は、上述した不活性ガス供給装置50によってパージされたアンモニアを希釈槽64へ導入するラインである。このアンモニア導入ライン61に流れる流体は、パージの初期、中期、終期で変化する。例えば、パージ初期には液化アンモニアが流れて、パージ中期には、液化アンモニアとアンモニアガスと不活性ガスとの混合流体が流れる。そして、パージ終期には、実質的に不活性ガスのみが流れる。
ノックアウトドラム62は、アンモニア導入ライン61の途中に設けられている。ノックアウトドラム62は、アンモニア導入ライン61を流れる流体を気液分離して、気体を導出する。言い換えれば、ノックアウトドラム62によって液体が取り除かれて、アンモニア導入ライン61を介して気体のみが混合部63に導入される。なお、ノックアウトドラム62には、取り除かれた液体が貯留されて、徐々に気化され、ノックアウトドラム62から導出される。
混合部63は、アンモニア導入ライン61の途中に設けられている。混合部63は、アンモニア導入ライン61のアンモニアと、希釈槽64に貯留されているアンモニアを吸収可能な吸収液とを混合する。本実施形態の混合部63は、ミキサー77と、吸収液供給ライン78と、吸収液循環ポンプ79と、を備えている。ミキサー77は、ノックアウトドラム62から導出された気体を、希釈槽64へ導入される前に吸収液と混合する。ミキサー77としては、例えば、エジェクターやマイクロリアクターを用いることができる。このようにミキサー77によって混合されることで、ノックアウトドラム62から導出された気体に含まれるアンモニアガスが吸収液に吸収され易くなる。吸収液供給ライン78は、希釈槽64の吸収液をミキサー77へ供給する。吸収液循環ポンプ79は、吸収液供給ライン78の吸収液をミキサー77へ向けて送り出す。混合部63によって混合された混合流体は、希釈槽64内に導入される。
希釈槽64は、浮体本体2に設けられ、アンモニアを吸収可能な吸収液を貯留している。吸収液としては、例えば、浮体本体2の浮かぶ周囲の水(海水及び淡水)や、浮体本体2の清水タンクに貯留された清水を例示できる。希釈槽64内には、吸収液(液相)と気相とが存在している。本実施形態の希釈槽64は、常圧タンクであり、気相の圧力が大気圧となっているが、例えば、アンモニア溶解度を高めるために、希釈槽64内を、大気圧よりも高い圧力にしてもよい。
上述したアンモニア導入ライン61の出口端には、混合流体に含まれる気体を小さな気泡として放出させる散気管80が設けられている。散気管80は、希釈槽64の液相内で希釈槽64の底部に沿って延びており、散気管80から放出される混合流体に含まれた気泡が希釈槽64の吸収液全体に広がるようになっている。これにより、混合流体に含まれるアンモニアガスと、希釈槽64内の吸収液とが接触して、希釈槽64内でアンモニアガスが吸収液に吸収され易くなる。なお、希釈槽64は、浮体本体2に設けられたバラストタンクや、バラストタンクとは別に設けられた海水タンクや清水タンクを用いてもよい。
希釈気体導入ライン65は、希釈槽64の気相中に、該気相のアンモニア濃度を低下させる希釈気体を導入可能となっている。言い換えれば、希釈気体導入ライン65は、希釈槽64の気相におけるアンモニアガスの濃度を調整することが可能となっている。希釈気体としては、外気を例示できる。希釈気体導入ライン65には、希釈槽64の気相に送り込む希釈気体の流量を調整可能な希釈ファン81が設けられている。また、希釈槽64には、外部から希釈槽64内に吸収液を補充可能な吸収液補充ライン82が接続されている。
上記の希釈槽64の気相と吸収液(液相)とは、気液平衡状態になろうとする。つまり、吸収液のアンモニア溶解度が高まるにつれて、気相のアンモニア濃度も徐々に高まる。その一方で、気相のアンモニア濃度が低下すると、分圧差によって液相のアンモニアが放散されて順次気相へ供給されるため、液相のアンモニア溶解度が低下することとなる。
導出ライン66は、希釈槽64の気相中の気体を希釈槽64から導出する。本実施形態の導出ライン66は、大気開放部83に接続されている。大気開放部83は、導出ライン66により希釈槽64から導出された気体を大気放出する。大気開放部83としては、例えば、浮体本体2の上甲板7上などに設けられたベントポストを用いることができる。
バイパスライン67は、希釈槽64をバイパスしてアンモニア導入ライン61を流れる流体を大気開放部83へ導く。本実施形態のバイパスライン67は、アンモニア導入ライン61のうち、ノックアウトドラム62より残留アンモニア供給ライン26に近い側のアンモニア導入ライン61から分岐して、導出ライン66に合流している。なお、バイパスライン67は、希釈槽64をバイパスして大気開放部83へ流体を導くことができる構成であればよく、導出ライン66に合流する構成に限られない。例えば、バイパスライン67は、大気開放部83に直接接続するようにしてもよい。
希釈吸収液排出ライン68は、希釈槽64の吸収液を排出可能とされている。本実施形態の希釈吸収液排出ライン68は、アンモニア廃液タンク69に希釈槽64の吸収液を、重力を用いて流入させることが可能となっている。なお、希釈吸収液排出ライン68による吸収液の排出は、重力による吸収液の排出に限られず、例えば、希釈吸収排出ラインにポンプを設けて希釈槽64の吸収液を排出するようにしてもよい。
アンモニア廃液タンク69は、希釈槽64から排出された吸収液を貯留する。アンモニア廃液タンク69に貯留される吸収液は、アンモニアを吸収した吸収液となる。本実施形態のアンモニア廃液タンク69は、後述するアンモニア液ビルジタンク75と共用の陸揚げライン76に接続されている。
燃焼除害装置70は、アンモニアを含む気体を燃焼除害する。燃焼除害装置70は、軽油などの燃料を用いて燃焼させることでアンモニアを除害する。除害された気体は、例えば、浮体本体2に設けられたファンネル(図示せず)などを介して大気放出される。
希釈燃焼ライン71は、希釈槽64の気相中の気体を燃焼除害装置70へ導く。本実施形態で例示する希釈燃焼ライン71は、導出ライン66に分岐接続され、弁84,85によって希釈槽64の気相中の気体の導出先を大気開放部83と、燃焼除害装置70とに切り替えることが可能になっている。なお、希釈燃焼ライン71は、導出ライン66を介さずに希釈槽64と燃焼除害装置70とを直接接続するようにしてもよい。
区画燃焼ライン72は、区画30の内部の気体を燃焼除害装置70へ導く。本実施形態で例示する区画燃焼ライン72は、希釈燃焼ライン71に合流接続されている。区画燃焼ライン72には、区画30の内部の気体を吸引するための吸引ファン86と、逆止弁87と、が設けられている。本実施形態で例示する区画燃焼ライン72は、アンモニア燃料供給装置室30Aと、アンモニア燃料取込室(バンカーステーション)30Bとに一つずつ接続され、二つの区画燃焼ライン72が合流した後、希釈燃焼ライン71に接続されている。
区画開放ライン73は、区画30の内部の気体を大気開放部83へ導く。本実施形態で例示する区画開放ライン73は、区画燃焼ライン72と、希釈燃焼ライン71の一部により構成されている。ここで、希釈燃焼ライン71の一部とは、希釈燃焼ライン71のうち、区画燃焼ライン72の合流接続される位置P1よりも導出ライン66側の部分である。すなわち、区画30の内部の気体は、区画燃焼ライン72と、希釈燃焼ライン71の一部と、導出ライン66とを介して大気開放部83へ導くことが可能となっている。そして、上述した弁84,85と、導出ライン66の弁88と、を切り替えることで、区画30内部の気体の導出先を、大気開放部83と、燃焼除害装置70とに切り替えることが可能になっている。
区画液排出ライン74は、散布装置31により区画30内に散布された吸収液を区画30から排出する。本実施形態で例示する区画液排出ライン74は、アンモニア燃料供給装置室30Aと、アンモニア燃料取込室(バンカーステーション)30Bとからそれぞれ排出された吸収液を、重力によりアンモニア液ビルジタンク75に導いている。なお、区画液排出ライン74は、重力により区画30よりも下方へ吸収液を導く場合に限られず、例えば、ポンプ(図示せず)を設けて、区画30よりも上方に位置するアンモニア液ビルジタンク75に吸収液を導くようにしてもよい。
アンモニア液ビルジタンク75は、区画液排出ライン74によって排出された吸収液を貯留する。
陸揚げライン76は、アンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を陸揚げ可能に構成されている。本実施形態の陸揚げライン76は、上述したようにアンモニア廃水タンクに貯留された吸収液もアンモニア廃液ライン89及び陸揚げライン76を介して陸揚げ可能に構成されている。ここで、アンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液は、区画30内で散布された吸収液であるため、例えば、区画30内のアンモニア関連機器に付着している油等により汚染される可能性が有る。そのため、アンモニア液ビルジタンク75に貯留される吸収液は、浮体本体2内で再生せずに、陸揚げライン76を用いて港などで陸揚げして陸上設備で廃棄処理することとなる。
本実施形態では、陸揚げライン76をアンモニア液ビルジタンク75とアンモニア廃液タンク69とで共用しており、アンモニア廃液タンク69と陸揚げライン76とを連通するアンモニア廃液ライン89を備えている。このアンモニア廃液ライン89と、陸揚げライン76とには、それぞれ陸揚げポンプ90が設けられている。また、アンモニア廃液ライン89には、アンモニア液ビルジタンク75内の液体がアンモニア廃液タンク69へ逆流しないように逆止弁91が設けられている。
(アンモニア処理方法)
次に、本実施形態における浮体のアンモニア処理方法について図面を参照しながら説明する。なお、このアンモニア処理方法の説明においては、浮体1の乗員が判定及び操作を行う。
図4は、本開示の第一実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。図5は、図4のパージ工程のフローチャートである。図6は、図4の漏洩除害工程のフローチャートである。図7は、図4の緊急パージ工程のフローチャートである。図8は、パージ工程で燃焼除害する場合の図3に相当する図である。図9は、パージ工程で大気放出する場合の図3に相当する図である。図10は、漏洩除害工程でアンモニア燃料取込室の気体を燃焼除害する場合の図3に相当する図である。図11は、漏洩除害工程でアンモニア燃料供給装置室の気体を燃焼除害する場合の図3に相当する図である。図12は、漏洩除害工程でアンモニア燃料取込室の気体を大気放出する場合の図3に相当する図である。図13は、漏洩除害工程でアンモニア燃料供給装置室の気体を大気放出する場合の図3に相当する図である。図14は、緊急パージ工程の吸収工程における図3に相当する図である。図15は、緊急パージ工程の大気放出工程における図3に相当する図である。
図4に示すように、本実施形態のアンモニア処理方法では、不活性ガスによるアンモニアのパージと、区画30内のアンモニア漏洩との何れであるかを判定する(ステップS01)。この判定の結果、区画30内のアンモニア漏洩であると判定された場合(ステップS01で「漏洩」)、漏洩除害工程(ステップS20)に進む。一方で、配管系統20のパージであると判定された場合(ステップS01でパージ)、緊急パージか否かを判定する(ステップS02)。この判定の結果、緊急パージではないと判定された場合(ステップS02で「No」)、パージ工程(ステップS10)に進む。一方で、緊急パージであると判定された場合(ステップS02で「Yes」)、緊急パージ工程(ステップS30)に進む。ここで、緊急パージとは、電源喪失や故障により燃焼除害装置70が起動不能な状態でアンモニアのパージを行う必要が生じる場合や、燃焼装置8が緊急停止してパージが必要な場合などである。なお、本実施形態の緊急パージでは、電源喪失によりミキサー77を駆動する吸収液循環ポンプ79や希釈ファン81が作動せず、さらに、ノックアウトドラム62の内圧が下がらなくなることも想定している。
次いで、パージ工程(ステップS10)、漏洩除害工程(ステップS20)、及び緊急パージ工程(ステップS30)により生じたアンモニアを吸収した吸収液を、陸揚げ可能か否かを判定する(ステップS03)。すなわち、浮体本体2から陸上設備へ吸収液を、移送可能か否かを判定する。この判定の結果、吸収液の陸揚げ可能と判定された場合(ステップS03で「Yes」)には、陸揚げ工程(ステップS04)に進み、アンモニア廃液タンク69及びアンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を、陸揚げライン76を介して陸揚げする。なお、上記判定の結果、吸収液を陸揚げ可能ではないと判定された場合(ステップS03で「No」)には、陸揚げ可能になるまで上述した一連の工程を繰り返す(リターン)。ここで、陸揚げ可能と判定される場合とは、例えば、浮体1が接岸したり港内に停泊したりして陸側の配管を接続できる場合や、吸収液を回収可能なタンクを備えた船舶等に移送可能な場合などを挙げることができる。
図5に示すように、パージ工程(ステップS10)では、まず、吸収工程(ステップS11)を行う。この吸収工程(ステップS11)では、アンモニアをパージした際に排出されるアンモニアを希釈槽64に貯留された吸収液に混ぜて、吸収液にアンモニアを吸収させる。次いで、浮体1が排出規制区域内にいるか否かを判定する(ステップS12)。この判定により浮体1が排出規制区域内にいないと判定された場合(ステップS12で「No」)は、非燃焼放出工程(ステップS15)に進む。ここで、排出規制区域とは、法的に定められた規制区域である。
一方で、浮体1が排出規制区域内にいると判定された場合(ステップS12で「Yes」)、吸収工程(ステップS11)のみで排出規制を遵守できないか否かを判定する(ステップS13)。ここで、排出規制とは、所定の排出規制区域内(例えば、港内など)において、大気放出されるアンモニア濃度の規制値を定めたものである。
上記ステップS13の判定により排出規制を遵守できると判定された場合(ステップS13で「No」)は、非燃焼放出工程(ステップS15)に進む。一方で、吸収工程のみで排出規制を遵守できないと判定された場合(ステップS13で「Yes」)、燃焼放出工程(ステップS14)に進む。
燃焼放出工程(ステップS14)では、希釈槽64の気相の気体を燃焼除害装置70で燃焼除害してから大気放出する。具体的には、図8に示すように、希釈槽64から導出ライン66及び希釈燃焼ライン71を介して、希釈槽64の気相の気体を、燃焼除害装置70へ送り込む。これにより、希釈槽64の気相の気体に含まれるアンモニアが燃焼して除害され、この除害された気体が大気放出される。
非燃焼放出工程(ステップS15)では、希釈槽64の気相の気体を、大気開放部83から大気放出する。具体的には、図9に示すように、希釈槽64から導出ライン66を介して、希釈槽64の気相の気体を、大気開放部83へ送り込む。これにより、浮体1が排出規制区域ではない場所(例えば公海上等)にいる場合や、吸収工程のみで排出規制を遵守できる場合においては、希釈槽64の気相の気体は、大気開放部83から大気放出されて拡散される。ここで、希釈槽64の気相に存在する気体のアンモニア濃度は、希釈気体導入ライン65から導入される希釈気体によって希釈されるため、大気開放部83から大気放出されるアンモニアは、アンモニア導入ライン61を流れる流体のアンモニア濃度よりも十分に低下している。
図6に示すように、漏洩除害工程(ステップS20)では、まず、散布工程(ステップS21)を行う。この散布工程では、アンモニアの漏洩が検知された区画30内に、吸収液を散布する。区画30内に散布されてアンモニアを吸収した吸収液は、アンモニア液ビルジタンク75に貯留される。
次いで、浮体1が排出規制区域内にいるか否かを判定する(ステップS22)。この判定により浮体1が排出規制区域内にいると判定された場合(ステップS22で「No」)は、区画内気体非燃焼放出工程(ステップS25)に進む。一方で、浮体1が排出規制区域内にいると判定された場合(ステップS22で「Yes」)、散布工程のみで排出規制を遵守できるか否かを判定する(ステップS23)。この判定により排出規制を遵守できないと判定された場合(ステップS23で「No」)、区画内気体非燃焼放出工程(ステップS25)に進む。一方で、上記判定により排出規制を遵守できると判定された場合(ステップS23で「Yes」)、区画内気体燃焼放出工程(ステップS24)に進む。
区画内気体燃焼放出工程(ステップS24)では、散布工程(ステップS21)により吸収液が散布された区画30内の気体を、燃焼除害装置70で燃焼除害してから大気放出して、上述した図4のステップS03に戻る。具体的には、区画内気体燃焼放出工程では、図10、図11に示すように、区画30から区画燃焼ライン72及び希釈燃焼ライン71を介して、区画30内の気体を、燃焼除害装置70へ送り込む。これにより、排出規制区域内において、散布工程のみで排出規制を遵守できない場合は、区画30内の気体に含まれるアンモニアが燃焼して除害され、この除害された気体が大気放出される。
区画内気体非燃焼放出工程(ステップS25)では、散布工程(ステップS21)により吸収液が散布された区画30内の気体を、大気開放部83から大気放出して、上述した図4のステップS03に戻る。具体的には、区画内気体非燃焼放出工程では、図12、図13に示すように、区画30から区画燃焼ライン72、希釈燃焼ライン71、及び導出ライン66を介して、区画30の気体を、大気開放部83へ送り込む。これにより、浮体1が排出規制区域内ではない場所(例えば公海上等)にいる場合や、散布工程のみで排出規制を遵守できる場合においては、区画30の気体は、大気開放部83から大気放出されて拡散される。
図7に示すように、緊急パージ工程(ステップS30)では、まず、吸収工程(ステップS31)を行う。この吸収工程(ステップS31)では、図14に示すように、アンモニア導入ライン61によって導入された流体を、希釈槽64に貯留された吸収液に混ぜる。これにより、アンモニア導入ライン61によって導入された流体に含まれるアンモニアが、希釈槽64の吸収液に吸収される。ここで、希釈槽64の気相の気体は、希釈槽64から排出されない。そのため、気相の気体のアンモニア濃度は、徐々に上昇し飽和する。そして、希釈槽64内の圧力が上昇すると共に吸収液のアンモニア溶解度が飽和して、これ以上の希釈槽64の吸収液へのアンモニアの吸収ができなくなる。
次いで、希釈槽64の内部の圧力上昇が無いか否かを判定する(ステップS32)。この判定の結果、希釈槽64内部の圧力上昇が有ると判定された場合(ステップS32で「No」)は、大気放出工程(ステップS34)に進む。一方で、上記判定の結果、希釈槽64内部の圧力上昇が無い場合(ステップS32で「Yes」)は、制限時間内にパージ対象領域20pである除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されたか否かを判定する(ステップS33)。この判定の結果、制限時間内に除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されていないと判定された場合(ステップS33で「No」)は、大気放出工程(ステップS34)に進む。一方で、上記判定の結果、制限時間内に除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されたと判定された場合(ステップS33で「Yes」)は、緊急パージ工程(ステップS30)を終了して上述したステップS03へ戻る。ここで、上記の制限時間とは、燃焼装置8の仕様等に応じて予め設定された時間であり、例えば、燃焼装置8の内部でアンモニア以外の系統にアンモニアが混入しない圧力バランスが保持可能な時間と言うこともできる。
大気放出工程(ステップS34)では、図15に示すように、希釈槽64を介さずに、アンモニア導入ライン61によって導入される流体(言い換えれば、排出ガス)を大気開放部83へ導いて大気放出させて、上述した図4のステップS03に戻る。ここで、吸収工程(ステップS31)で希釈槽64へ導入される流体は、上述したパージ初期又はパージ中期の流体であり、大気放出工程(ステップS34)で希釈槽64をバイパスして大気放出される流体は、パージ終期の流体である。すなわち、大気放出工程(ステップS34)で大気放出される流体は、実質的に不活性ガスのみであり、アンモニアは殆ど含まれていない。
(作用効果)
上記第一実施形態によれば、アンモニア導入ライン61によって希釈槽64に導入された流体のアンモニアを、希釈槽64の吸収液に吸収させた後に、分圧差によって希釈槽64の気相へ徐々に放散させることができる。そして、希釈気体導入ライン65によって希釈槽64の気相へ希釈気体を供給して、気相のアンモニアを希釈することができる。そして、希釈槽64により希釈した気体を、導出ライン66によって大気開放部83へ導いて大気放出することができる。そのため、アンモニアを吸収した吸収液を貯留しておくための大きなタンク設置スペースが不要となる。
さらに、希釈燃焼ライン71により希釈槽64の気相中の気体を燃焼除害装置70へ導いて燃焼除害装置70により燃焼除害することができるため、港内などの排出規制区域内において計画的に燃料パージを行う場合には、希釈槽64の気相中の気体を、燃焼除害装置70によって燃焼させて、大気放出される流体に含まれるアンモニアの濃度をより確実に低下させることができる。
また、区画燃焼ライン72によって区画30の内部の気体を燃焼除害装置70へ導くとともに、区画開放ライン73によって区画30の内部の気体を大気開放部83へ導くことができるため、区画30内にアンモニアが漏洩した場合には、燃焼除害装置70による燃焼除害と、大気開放部83による大気放出とを切り替えて用いることができる。
したがって、大気放出される気体が人体に触れる可能性のある港内などの排出規制区域内では大気放出される気体のアンモニア濃度が十分に低下されていることを燃焼除害装置70により担保できる一方で、大気放出される気体が人体に触れない公海上などでは、燃焼除害装置70を用いずに希釈槽64により希釈された気体を大気放出して拡散させることができるため、燃料消費量を低減することができる。
さらに、第一実施形態によれば、バイパスライン67によって希釈槽64をバイパスしてアンモニア導入ライン61を流れる流体を大気開放部83へ導くことができる。そのため、希釈槽64の吸収液にアンモニアを吸収できるだけ吸収させた後に、希釈槽64をバイパスさせてアンモニア導入ライン61を流れる流体を大気開放部83へ導くことができる。これにより、緊急パージのために、燃焼除害装置70を常時起動させておく必要が無くなる。また、バイパスライン67で希釈槽64をバイパスすることで、希釈槽64内部の内圧上昇に伴うパージ対象領域20pへの背圧上昇を抑制し、所定の圧力以下に減圧できる。さらに、緊急パージにより排出される気体の全てを吸収液に接触させる必要が無くなるため、使用する吸収液の量を低減できる。また、アンモニアを除害するための希硫酸などの酸も不要となる。さらに、緊急パージの際に、アンモニアを希釈槽64へ導いた後に、バイパスライン67によりアンモニア導入ライン61に流れる流体を大気開放部83へ導くことができるため、パージによる不活性ガスの圧力を速やかに低下させることができる。
したがって、吸収液を貯留するためのタンク設置スペースの増加、燃焼除害装置70による燃料消費の増加、及び酸を取扱うことにより作業員の負担が増大することを抑制することができる。
さらに、上記第一実施形態によれば、アンモニア導入ライン61の途中に設けられた混合部63によって、アンモニア導入ライン61のアンモニアと、希釈槽64に貯留された吸収液とを混合することができるため、希釈槽64に貯留された吸収液に対し、アンモニアを効率よく吸収させることができる。
また、上記第一実施形態によれば、混合部63の出口には熱交換器92を設けているため、吸収液にアンモニアを吸収させた際の吸収熱による希釈槽64内部の温度上昇を抑制することができる。したがって、アンモニアの溶解度を極力高く保つことができる。
また、上記第一実施形態によれば、アンモニア導入ライン61の途中に設けられたノックアウトドラム62により、パージした際に排出される気液混合状態の流体を気液分離して気体を導出することができるため、アンモニアガス及び不活性ガスだけを希釈槽64に導入させることができる。したがって、希釈槽64をより安定して機能させることができる。
さらに、上記第一実施形態によれば、希釈吸収液排出ライン68によって希釈槽64の吸収液を排出し、アンモニア廃液タンク69によって希釈槽64から排出された吸収液を貯留することができる。これにより、アンモニアを吸収させた吸収液を希釈槽64から排出させることができるため、希釈槽64にアンモニアを吸収していない吸収液を補充することができる。したがって、希釈槽64を大型化すること無しに、吸収液に吸収可能なアンモニア量を増大させることができる。
また、上記第一実施形態によれば、陸揚げライン76によって、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液を陸揚げすることができるため、浮体本体2内でアンモニアを吸収した吸収液を陸側の処理施設で処理することができる。したがって、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液を廃棄処理する設備を設ける必要が無くなる。
[第二実施形態]
次に、本開示の第二実施形態に係る浮体及び浮体のアンモニア処理方法を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態の浮体1に対して、反応器を追加したものである。そのため、図1を援用し、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
この第二実施形態における浮体101は、上述した第一実施形態の浮体1と同様に、浮体本体2と、上部構造4と、燃焼装置8と、アンモニアタンク10と、配管系統20と、区画30と、アンモニア処理装置160と、を備えている。
図16は、本開示の第二実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。
図16に示すように、第二実施形態におけるアンモニア処理装置160は、アンモニア導入ライン61と、ノックアウトドラム62と、混合部63と、希釈槽64と、希釈気体導入ライン65と、導出ライン166と、バイパスライン67と、希釈吸収液排出ライン68と、アンモニア廃液タンク69と、燃焼除害装置70と、希釈燃焼ライン171と、区画燃焼ライン72と、区画開放ライン73と、区画液排出ライン74と、アンモニア液ビルジタンク75と、陸揚げライン76と、反応器95と、吸収液供給部96と、反応器吸収液排出ライン97と、廃液タンク導入ライン98と、区画反応器導入ライン99と、を備えている。
導出ライン166は、希釈槽64の気相中の気体を希釈槽64から導出する。導出ライン166により導出された気体は、大気開放部83へ導かれる。本実施形態の導出ライン166は、希釈槽64に接続された第一導出ライン166Aと、大気開放部83に接続された第二導出ライン166Bとを備えている。
希釈燃焼ライン171は、希釈槽64の気相中の気体を燃焼除害装置70へ導く。希釈燃焼ライン171は、導出ライン166のうち、第二導出ライン166Bに分岐接続されている。すなわち、希釈燃焼ライン171は、反応器95から第二導出ライン166Bに排出された気体を、燃焼除害装置70へ導入可能に構成されている。
反応器95は、導出ライン166の途中に設けられ、希釈槽64から導出された気体に含まれるアンモニアガスと、アンモニアガスを吸収可能な吸収液とを反応させることでアンモニアを吸収した吸収液を生成する。反応器95としては、吸収塔やマイクロリアクターを例示できる。本実施形態で例示する反応器95は、吸収塔である。
反応器95は、上下に延びる中空容器を備えている。反応器95は、中空容器の内部空間の上部から吸収液を流下させることで、中空容器の上下中間部から導入された気体と吸収液とを接触させ、気体に含まれるアンモニアを吸収液に吸収させる。アンモニアを吸収した吸収液は、中空容器の底部から排出される。また、アンモニアが吸収された気体は、中空容器の上部から排出される。本実施形態では、第一導出ライン166Aが反応器95の上下中間部に接続され、第二導出ライン166Bが反応器95の上部に接続されている。
吸収液供給部96は、アンモニアを吸収可能な吸収液を反応器95へ供給する。本実施形態の吸収液供給部96は、吸収液としての水を反応器95へ供給する。ここで、吸収液としては、希釈槽64の吸収液と同様に、海水や清水を例示できる。さらに、海水としては、浮体本体2の浮かぶ周囲の海水を例示でき、清水としては、浮体本体2の清水タンク(図示せず)に貯留された清水を例示できる。本実施形態の吸収液供給部96は、浮体本体2の浮かぶ周囲の水(例えば、海水、淡水)をポンプ(図示せず)によって汲み上げて吸収液として利用している。
反応器吸収液排出ライン97は、反応器95によりアンモニアと反応させた吸収液を排出する。本実施形態の反応器吸収液排出ライン97は、反応器95の底部に接続され、反応器95から排出された吸収液を、重力によりアンモニア廃液タンク69へ導く。なお、反応器吸収液排出ライン97は、重力により吸収液をアンモニア廃液タンク69へ導くものに限られない。例えば、ポンプにより吸収液をアンモニア廃液タンク69へ導いてもよい。
廃液タンク導入ライン98は、導出ライン166と、アンモニア廃液タンク69の内部の気相とを連通する。より具体的には、廃液タンク導入ライン98は、第一導出ライン166Aとアンモニア廃液タンク69の気相とを連通可能に構成されている。この廃液タンク導入ライン98は、緊急パージの際に、第一導出ライン166Aとアンモニア廃液タンク69の気相とを連通し、それ以外は、弁により閉塞されている。
区画反応器導入ライン99は、区画30の気体を反応器95へ導く。本実施形態の区画反応器導入ライン99は、反応器95の上下中間部に接続され、区画30の気体を反応器95の上下中間部へ供給する。また、本実施形態の区画反応器導入ライン99は、区画燃焼ライン72から分岐して反応器95に接続されている。
なお、この第二実施形態では、区画30から反応器95に導入される気体のアンモニア濃度が高いことから、反応器95でアンモニアを吸収液に吸収しきれない場合に、反応器95から排出された気体を燃焼除害装置70へ導くようになっている。なお、アンモニアを反応器95の吸収液に十分に吸収させることが可能な場合、燃焼除害装置70及び希釈燃焼ライン71は省略してもよい。
なお、この第二実施形態では、反応器95出口の気体のアンモニア濃度が高いことから、反応器95でアンモニアを吸収液に吸収しきれない場合に、反応器95出口から再度反応器95の入口に気体を導く気体循環ライン93を備えている。気体循環ライン93は、その途中に弁94を有しており、弁94の切り替えは、反応器95出口が大気開放部83に設置したアンモニア濃度センサーにて排出規制値以上のアンモニアが検出された場合に自動的に切り替わるものとしてもよい。なお、本切り替え操作によりアンモニアを反応器95の吸収液に十分に吸収させることが可能な場合、燃焼除害装置70及び希釈燃焼ライン71は省略してもよい。
(アンモニア処理方法)
次に、第二実施形態における浮体のアンモニア処理方法について図面を参照しながら説明する。なお、第二実施形態における浮体のアンモニア処理方法の説明では、上述した第一実施形態におけるアンモニア処理方法の各工程と同一工程に同一符号を付して説明する。また、この第二実施形態におけるアンモニア処理方法の説明においても、浮体1の乗員が判定及び操作を行っている場合を一例にして説明する。
図17は、本開示の第二実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。図18は、図17のパージ工程のフローチャートである。図19は、図17の漏洩除害工程のフローチャートである。図20は、図17の緊急パージ工程のフローチャートである。なお、図17に示すアンモニア処理方法のフローチャートは、上述した第一実施形態の図4に示すフローチャートと同様のフローチャートであり、パージ工程、漏洩除害工程、緊急パージ工程のそれぞれの符号が異なるだけである。
図17に示すように、第二実施形態のアンモニア処理方法では、不活性ガスによるアンモニアのパージと、区画30内のアンモニア漏洩との何れであるかを判定する(ステップS01)。この判定の結果、区画30内のアンモニア漏洩であると判定された場合(ステップS01で「漏洩」)、漏洩除害工程(ステップS120)に進む。一方で、配管系統20のパージであると判定された場合(ステップS01でパージ)、緊急パージか否かを判定する(ステップS02)。この判定の結果、緊急パージではないと判定された場合(ステップS02で「No」)、パージ工程(ステップS110)に進む。一方で、緊急パージであると判定された場合(ステップS02で「Yes」)、緊急パージ工程(ステップS130)に進む。
次いで、パージ工程(ステップS110)、漏洩除害工程(ステップS120)、及び緊急パージ工程(ステップS130)により生じたアンモニアを吸収した吸収液を、第一実施形態と同様に、陸揚げ可能か否かを判定し(ステップS03)、吸収液の陸揚げ可能と判定された場合(ステップS03で「Yes」)には、陸揚げ工程(ステップS04)に進み、吸収液を陸揚げ可能ではないと判定された場合(ステップS03で「No」)には、陸揚げ可能になるまで上述した一連の工程を繰り返す(リターン)。
図18に示すように、パージ工程(ステップS110)では、まず、吸収工程(ステップS11)を行い、アンモニアをパージした際に排出される排出ガスを希釈槽64に貯留された吸収液に混ぜて、排出ガスに含まれるアンモニアを吸収液に吸収させる。
次に、浮体1が排出規制区域内にいるか否かを判定する(ステップS12)。この判定により浮体1が排出規制区域内にいないと判定された場合(ステップS12で「No」)は、大気放出工程(ステップS115)に進む。一方で、浮体1が排出規制区域内にいると判定された場合(ステップS12で「Yes」)、吸収工程(ステップS11)のみで排出規制を遵守できないか否かを判定する(ステップS13)。この判定により排出規制を遵守できると判定された場合(ステップS13で「No」)は、大気放出工程(ステップS115)に進む。一方で、吸収工程のみで排出規制を遵守できないと判定された場合(ステップS13で「Yes」)、第一反応工程(ステップS112)に進む。
第一反応工程(ステップS112)では、希釈槽64の気相の気体を反応器95に導入して、該気体に含まれるアンモニアガスを吸収液と反応させる。つまり、反応器95内でアンモニアガスを吸収液に吸収させる。その後、第一放出工程(ステップS113)を行い、第一反応工程(ステップS112)により吸収液と反応させた気体を、大気開放部83から大気放出して、図17のステップS03に戻る。
具体的には、パージ工程(ステップS110)では、図21に示すように、希釈槽64の気相の気体を、第一導出ライン166Aを介して反応器95へ送り込み、この反応器95により吸収液と反応した気体を、第二導出ライン166Bを介して大気開放部83へ導き大気放出させている。その一方で、大気放出工程(ステップS115)では、希釈槽64の気相の気体を、反応器95が運転されていない状態で反応器95を通じて大気開放部83へ導き、大気放出させる。つまり、大気放出工程(ステップS115)では、希釈槽64の気相の気体は、反応器95で除外されずに反応器95を単に通過することとなる。
図19に示すように、漏洩除害工程(ステップS120)では、まず、散布工程(ステップS21)を行う。この散布工程(ステップS21)では、アンモニアの漏洩が検知された区画30内に、吸収液を散布する。区画30内に散布されてアンモニアを吸収した吸収液は、アンモニア液ビルジタンク75に貯留される。
次に、浮体1が排出規制区域内にいるか否かを判定する(ステップS22)。この判定により浮体1が排出規制区域内にいないと判定された場合(ステップS22で「No」)は、大気放出工程(ステップS125)に進む。一方で、浮体1が排出規制区域内にいると判定された場合(ステップS22で「Yes」)、散布工程(ステップS21)のみで排出規制を遵守できないか否かを判定する(ステップS23)。この判定により排出規制を遵守できると判定された場合(ステップS23で「No」)は、大気放出工程(ステップS125)に進む。一方で、散布工程のみで排出規制を遵守できないと判定された場合(ステップS23で「Yes」)、第二反応工程(ステップS122)に進む。
第二反応工程(ステップS122)では、散布工程(ステップS21)により吸収液を散布した後の区画30内の気体を、反応器95に導入して該気体に含まれるアンモニアガスを吸収液と反応させる。その後、第二放出工程(ステップS123)を行い、第二反応工程(ステップS122)により吸収液と反応させた気体を、大気開放部83から大気放出して、図17のステップS03に戻る。
具体的には、漏洩除害工程(ステップS120)では、図22、図23に示すように、区画30内の気体を、区画燃焼ライン72、区画反応器導入ライン99を介して反応器95へ送り込み、この反応器95により吸収液と反応した気体を、第二導出ライン166Bを介して大気開放部83へ導き大気放出させている。その一方で、大気放出工程(ステップS125)では、区画30内の気体を、反応器95が運転されていない状態で反応器95を通じて大気開放部83へ導き、大気放出させる。つまり、大気放出工程(ステップS125)では、区画30内の気体は、反応器95で除外されずに反応器95を単に通過することとなる。
図20に示すように、緊急パージ工程(ステップS130)では、まず、吸収工程(ステップS31)を行う。この吸収工程(ステップS31)は、第一実施形態の吸収工程(ステップS31)と同様であり、図24に示すように、アンモニア導入ライン61によって導入された流体を、希釈槽64に貯留された吸収液に混ぜて、アンモニア導入ライン61によって導入された流体に含まれるアンモニアを希釈槽64の吸収液に吸収させる。
次いで、希釈槽64の内部が規定の圧力以上に圧力上昇していないか否かを判定する(ステップS32)。この判定の結果、希釈槽64内部の圧力が規定の圧力以上に上昇したと判定された場合(ステップS32で「No」)は、大気放出工程(ステップS134)に進む。一方で、上記判定の結果、希釈槽64内部の圧力が規定の圧力以上に上昇していない場合(ステップS32で「Yes」)は、制限時間内にパージ対象領域20pである除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されたか否かを判定する(ステップS33)。この判定の結果、制限時間内に除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されていないと判定された場合(ステップS33で「No」)は、大気放出工程(ステップS134)に進む。一方で、上記判定の結果、制限時間内に除外対象範囲の圧力が所定の圧力に減圧されたと判定された場合(ステップS33で「Yes」)は、緊急パージ工程(ステップS30)を終了して上述したステップS03へ戻る 。
大気放出工程(ステップS134)では、希釈槽64を介さずに、アンモニア導入ライン61によって導入される流体(排出ガス)を大気開放部83へ導いて大気放出させて、上述した図17のステップS03に戻る。この第二実施形態の大気放出工程(ステップS134)では、アンモニア導入ライン61によって導入される流体を、希釈槽64から排出された吸収液を貯留するアンモニア廃液タンク69の気相及び反応器95を介して大気放出するか反応器95のみを介して大気放出するかを選択できる構成としている。
具体的には、大気放出工程(ステップS134)では、図25に示すように、希釈槽64の気相の気体を、第一導出ライン166A、廃液タンク導入ライン98、アンモニア廃液タンク69の気相、反応器吸収液排出ライン97、反応器95、第二導出ライン166Bを介して大気開放部83へ導き大気放出可能となっている。また、例えば、浮体1が無停電電源装置や非常用発電設備等を備えており吸収液供給部96を動作可能な場合などに、第一導出ライン166Aから反応器95へ気体を直接導入し(図25中、破線で示すルート)、反応器95に送り込まれた気体を吸収液と反応させてから大気開放部83へ導いてもよい。
(作用効果)
上記第二実施形態によれば、導出ライン166の途中に設けられた反応器95及び、反応器95へ吸収液を供給する吸収液供給部96を備えることで、希釈槽64から導出された気体に含まれるアンモニアガスと、アンモニアガスを吸収可能な吸収液とを反応させることができる。そのため、上記第一実施形態の作用効果に加え、希釈槽64から導出された気体に含まれるアンモニアガスを反応器95によって吸収液と反応させてから大気放出することが可能となる。したがって、例えば、浮体本体2が排出規制区域内(例えば港内)にいる場合であっても、導出ライン166から大気開放部83へ導かれる気体のアンモニア濃度をより確実に低下させることができる。
(第二実施形態の第一変形例)
上述した第二実施形態では、無停電電源装置や非常用発電設備により吸収液供給部96を動作させる場合を例示した。しかし、例えば、図26に示すように、吸収液供給部96に重力により吸収液を供給可能なグラビティタンク105を設けて、緊急パージ工程(ステップS130)を行う際に、グラビティタンク105に予め貯留された吸収液を反応器95へ供給するようにしてもよい。
このように構成することで、電源喪失時であっても、電力を用いずに吸収液を反応器95へ供給してアンモニアと吸収液とを反応させることが可能となる。したがって、電源喪失時等においても、大気開放部83からアンモニア濃度の高い気体が放出されることを抑制できるため、商品性を向上できる。
(第二実施形態の第二変形例)
第二実施形態では、吸収液供給部96が吸収液として海水や清水を反応器95へ供給する場合を例示した。しかし、吸収液供給部96は、例えば、図27に示すように、吸収液としての海水や清水に対して炭酸ガスを混合可能な炭酸混合部106を備えていてもよい。吸収液と炭酸ガス(CO)との混合には、例えば、エジェクターを用いることができる。また、ファインバブルを形成するエジェクターでは、より効率よくアンモニアを吸収することができる。
このように構成することで、吸収液に炭酸ガスが溶解し、その一部が解離して、HO+CO⇒CO 2-+Hとなる。
このHがアンモニアの解離を促進する。
NH+H ⇒ NH
吸収液中でNH に解離したアンモニアは、蒸気圧を示さなくなるため、反応器95出口の気相アンモニア濃度を低く抑える効果が期待できる。したがって、反応器95における吸収液とアンモニアとの反応を高めて効率よくアンモニアを吸収液に吸収させることができる。
[第三実施形態]
次に、本開示の第三実施形態に係る浮体及び浮体のアンモニア処理方法を図面に基づき説明する。この第三実施形態は、上述した第二実施形態の浮体に対して、希釈槽64の吸収液を脱硝装置の還元剤として再利用可能にしたものである。そのため、図1を援用し、上述した第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
この第三実施形態における浮体201は、上述した第一、第二実施形態の浮体1,101と同様に、浮体本体2と、上部構造4と、燃焼装置8と、アンモニアタンク10と、配管系統20と、区画30と、アンモニア処理装置260と、を備えている。
図28は、本開示の第三実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。図28に示すように、第三実施形態におけるアンモニア処理装置260は、アンモニア導入ライン61と、ノックアウトドラム62と、混合部63と、希釈槽64と、希釈気体導入ライン65と、導出ライン166と、バイパスライン67と、希釈吸収液排出ライン68と、アンモニア廃液タンク69と、燃焼除害装置70と、希釈燃焼ライン171と、区画燃焼ライン72と、区画開放ライン73と、区画液排出ライン74と、アンモニア液ビルジタンク75と、陸揚げライン76と、反応器95と、吸収液供給部96と、反応器吸収液排出ライン97と、廃液タンク導入ライン98と、区画反応器導入ライン99と、脱硝用アンモニア導入ライン107と、脱硝用アンモニア液タンク108と、を備えている。
脱硝用アンモニア導入ライン107は、アンモニアを吸収した希釈槽64内の吸収液を、脱硝用アンモニア液を貯留する脱硝用アンモニア液タンク108へ導入する。つまり、この第三実施形態における脱硝用アンモニア液は、吸収液で吸収されたアンモニアを含む液体である。
この第三実施形態の脱硝用アンモニア導入ライン107は、希釈槽64の液相とアンモニア廃液タンク69とを連通させる希釈吸収液排出ライン68から分岐して、脱硝装置の還元剤を製造する脱硝用アンモニア液タンク108に至っている。脱硝用アンモニア導入ライン107と希釈吸収液排出ライン68とには、それぞれ弁109,110が設けられ、これら弁109,110を開閉操作することで、希釈槽64の吸収液を、アンモニア廃液タンク69と、脱硝用アンモニア液タンク108とに振り分けることが可能となっている。本実施形態の脱硝用アンモニア導入ライン107は、重力により希釈槽64内の吸収液を脱硝用アンモニア液タンク108へ導いている。なお、脱硝用アンモニア導入ライン107に希釈槽64の吸収液を脱硝用アンモニア液タンク108へ送るポンプを設けてもよい。
図29は、本開示の第三実施形態における脱硝装置の脱硝用アンモニア液タンク周りの配管系統を示す図である。
図29に示すように、第三実施形態における浮体201は、排気管111と、脱硝装置112と、脱硝用アンモニア液供給ライン113と、燃料アンモニア供給ライン114と、を更に備えている。
排気管111は、燃焼装置8から排出される排ガスGを、浮体本体2の外部へと導いている。この排気管111を流れる燃焼装置8から排出された直後の排ガスGには、窒素酸化物が含まれている。
脱硝装置112は、燃焼装置8から排出された排ガスGに脱硝処理を施す。この脱硝装置112は、選択触媒還元脱硝装置(SCR)であって、触媒により窒素酸化物を窒素と水とに転換する。この脱硝装置112は、排気管111の途中に設けられ、脱硝用アンモニア液を噴霧した排ガスGを、触媒(図示せず)に接触させている。なお、脱硝処理を施した排ガスGは、例えば、浮体本体2に設けられたファンネル(図示せず)を介して大気放出される。
脱硝用アンモニア液タンク108は、脱硝装置112で用いる脱硝用アンモニア液を貯留している。ここで、脱硝用アンモニア液としては、脱硝装置112の還元剤として用いるのに必要な所定のアンモニア濃度(例えば、25%程度)に調整されたアンモニア水を例示できる。本実施形態の脱硝用アンモニア液タンク108は、脱硝用アンモニア液を撹拌するための循環配管115と、撹拌ポンプ116とを備えている。更に、循環配管115には、脱硝用アンモニア液タンク108に貯留されている脱硝用アンモニア液のアンモニア濃度を測定するための濃度計117が設けられている。希釈槽64に貯留されている吸収液のアンモニア濃度は、上述した脱硝用アンモニア液のアンモニア濃度よりも低い濃度(例えば、10%以下等)になっている。
例えば、脱硝用アンモニア液タンク108には、脱硝用アンモニア液の貯留量を測定できるように、液位計等を設けるようにしてもよい。また、循環配管115と、撹拌ポンプ116とを設けずに、脱硝用アンモニア液タンク108に別の手法の撹拌機を設けるようにしても良い。さらに、上記のような脱硝用アンモニア液を撹拌する構成は必要に応じて設ければよく、省略することも可能である。循環配管115及び撹拌ポンプ116を省略する場合、脱硝用アンモニア液のアンモニア濃度を測定するための濃度計117は、脱硝用アンモニア液タンク108に設ければ良い。
脱硝用アンモニア液供給ライン113は、脱硝用アンモニア液タンク108に貯留されている脱硝用アンモニア液を脱硝装置112へ供給する流路を形成している。この脱硝用アンモニア液供給ライン113には、脱硝用アンモニア液ポンプ118が設けられている。
燃料アンモニア供給ライン114は、アンモニアタンク10に貯留されているアンモニアをミキシングタンク40に供給する第一ライン114Aと、アンモニアタンク10に貯留されているアンモニアを脱硝用アンモニア液タンク108に供給する第二ライン114Bと、を備えている。上述した通り、アンモニアは、液化アンモニアであるため、希釈槽64の吸収液よりもアンモニア濃度が高い。例えば、脱硝用アンモニア液タンク108内の液体のアンモニア濃度が低い場合に、第二ライン114Bによりアンモニアを脱硝用アンモニア液タンク108に供給することで、脱硝用アンモニア液のアンモニア濃度を高めることができる。なお、第三実施形態における第二ライン114Bは、第一ライン114Aに分岐接続されている場合を例示しているが、第二ライン114Bは、アンモニアを脱硝用アンモニア液タンク108に供給できればよく、例えば、アンモニアタンク10に脱硝用アンモニア液タンク108を接続して、アンモニアタンク10から脱硝用アンモニア液タンク108に液化アンモニアを供給するようにしてもよい。第二ライン114Bより脱硝用アンモニア液タンク108に供給するアンモニアは液体に限られず、第二ライン114Bの途中に気化器(図示せず)を設けて気体のアンモニアを導入しても良いし、アンモニアタンク10の気相部分のアンモニアを導入しても良い。
第二ライン114Bには、第一ライン114Aから第二ライン114Bへ流入するアンモニアの流量を調整可能な流量調整弁119が設けられている。この流量調整弁119は、全閉状態から全開状態まで漸次弁開度を調整可能とされている。
第一ライン114Aには、第二ライン114Bの分岐点P2よりもアンモニアタンク10に近い側に、アンモニアを燃焼装置8に向けて送給する送給ポンプ120が設けられている。言い換えれば、第二ライン114Bは、送給ポンプ120とミキシングタンク40との間の第一ライン114Aから分岐している。なお、第二ライン114Bに、アンモニアを脱硝用アンモニア液タンク108に向けて送給するポンプを設けるようにしてもよい。
供給管21には、第一実施形態において図示省略したアンモニア加圧ポンプ121と、アンモニア熱交換器122とが設けられている。アンモニア加圧ポンプ121は、ミキシングタンク40から燃焼装置8へ供給されるアンモニアを加圧する。アンモニア熱交換器122は、このアンモニア加圧ポンプ121により加圧されたアンモニアの温度を調節する。
本実施形態のミキシングタンク40とアンモニア処理装置60とは、ガス排出管123により接続されている。ガス排出管123は、メンテナンス等によりミキシングタンク40を開放する際にパージにより排出されたガスを、アンモニア処理装置60に導入可能に構成されている。
(アンモニア処理方法)
次に、第三実施形態における浮体のアンモニア処理方法について図面を参照しながら説明する。第三実施形態におけるアンモニア処理方法では、第二実施形態のアンモニア処理方法に還元剤を製造する工程及び、製造した還元剤を用いて脱硝処理を行う工程をそれぞれ追加したものである。そのため、第三実施形態における浮体のアンモニア処理方法の説明では、上述した第一、第二実施形態におけるアンモニア処理方法のステップと同一ステップに同一符号を付して説明する。なお、この第三実施形態におけるアンモニア処理方法の説明においても、浮体1の乗員が判定及び操作を行っている場合を一例にして説明する。
図30は、本開示の第三実施形態におけるアンモニア処理方法のフローチャートである。図30に示すアンモニア処理方法のフローチャートは、上述した第二実施形態の図17に示すフローチャートに相当するフローチャートである。
図30に示すように、第三実施形態のアンモニア処理方法では、第二実施形態と同様に、ステップS01、ステップS02の判定を行い、パージ工程(ステップS110)、漏洩除害工程(ステップS120)、及び緊急パージ工程(ステップS130)の何れかを行う。
次いで、還元剤製造工程(ステップS40)に進む。この還元剤製造工程では、パージ工程(ステップS110)、漏洩除害工程(ステップS120)、及び緊急パージ工程(ステップS130)によりアンモニアを吸収した吸収液を、希釈槽64、反応器95から脱硝用アンモニア液タンク108へ導く。そして、脱硝用アンモニア液タンク108の中でアンモニアタンク10の液化アンモニアと混合して、還元剤として必要なアンモニア濃度の脱硝用アンモニア液を製造して、脱硝工程(ステップS41)に進む。脱硝工程では、排ガスGに脱硝処理を施す。より具体的には、脱硝用アンモニア液タンク108の脱硝用アンモニア液を脱硝装置112へ供給して触媒に接触させる前の排ガスGへ脱硝用アンモニア液を噴霧する。
その後、第一実施形態と同様に、陸揚げ可能か否かを判定し(ステップS03)、吸収液の陸揚げ可能と判定された場合(ステップS03で「Yes」)には、陸揚げ工程(ステップS04)に進み、吸収液を陸揚げ可能ではないと判定された場合(ステップS03で「No」)には、陸揚げ可能になるまで上述した一連の工程を繰り返す(リターン)。
陸揚げ工程(ステップS04)では、アンモニア廃液タンク69及びアンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を陸揚げする。
(作用効果)
上記第三実施形態によれば、上記第一、第二実施形態の作用効果に加え、希釈槽64の吸収液を、脱硝用アンモニア導入ライン107により脱硝用アンモニア液タンク108へ供給することができる。そのため、脱硝用アンモニア液タンク108において希釈槽64の吸収液を用いて脱硝用アンモニア液を生成し、この脱硝用アンモニア液タンク108の脱硝用アンモニア液を脱硝装置112の還元剤として用いることが可能となる。これにより、希釈槽64の吸収液を有効利用することができるため、希釈槽64の吸収液を貯留するアンモニア廃液タンク69を小型化することが可能となり、その結果、浮体1の大型化を抑えることが可能となる。
[第四実施形態]
次に、本開示の第四実施形態に係る浮体及び浮体のアンモニア処理方法を図面に基づき説明する。この第四実施形態は、上述した第二実施形態の浮体101に対して、アンモニア分解装置を加えたものである。そのため、図1を援用し、上述した第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
この第四実施形態における浮体301は、上述した第一、第二実施形態の浮体1,101と同様に、浮体本体2と、上部構造4と、燃焼装置8と、アンモニアタンク10と、配管系統20と、区画30と、アンモニア処理装置360と、を備えている。第四実施形態の浮体本体2の浮かぶ周囲の水は、海水である。
図31は、本開示の第四実施形態におけるアンモニア処理装置の概略構成を示す図である。図31に示すように、第四実施形態におけるアンモニア処理装置360は、アンモニア導入ライン61と、ノックアウトドラム62と、混合部63と、希釈槽64と、希釈気体導入ライン65と、導出ライン166と、バイパスライン67と、希釈吸収液排出ライン68と、アンモニア廃液タンク69と、燃焼除害装置70と、希釈燃焼ライン171と、区画燃焼ライン72と、区画開放ライン73と、区画液排出ライン74と、アンモニア液ビルジタンク75と、陸揚げライン76と、アンモニア廃液ライン89と、反応器95と、吸収液供給部96と、反応器吸収液排出ライン97と、廃液タンク導入ライン98と、区画反応器導入ライン99と、廃液タンク排出ライン125と、アンモニア分解装置126と、を備えている。
廃液タンク排出ライン125は、アンモニア廃液タンク69の吸収液を排出する。本実施形態の廃液タンク排出ライン125は、アンモニア廃液ライン89から分岐してアンモニア分解装置126に接続されている。そして、弁127,128を切り替えることで、アンモニア廃液タンク69の吸収液の排出先を、陸揚げライン76とアンモニア分解装置126とから選択可能になっている。
図32は、本開示の第四実施形態におけるアンモニア分解装置126の概略構成を示す図である。
図32に示すように、アンモニア分解装置126は、アンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液に含まれるアンモニアを分解して無害化してから海洋放出する装置である。アンモニア分解装置126は、取水部130と、海水導入ライン131と、電気分解部132と、脱窒素反応槽151と、放流部134と、を備えている。
取水部130は、浮体本体2の浮かぶ周囲の海水を浮体本体2内に取水する。取水部130は、取水口135と、海水ポンプ136と、海洋生成物付着防止処理装置137と、を備えている。取水口135は、浮体本体2の外板のうち軽荷喫水線(図示せず)よりも下方に開口している。つまり、取水口135は、常時、海面よりも下方に位置する。海水ポンプ136は、取水口135の海水を浮体本体2内に送り出す。海水ポンプ136により送り出された海水は、海洋生成物付着防止処理装置137と、海水導入ライン131とにそれぞれ分流される。
海洋生成物付着防止処理装置137は、取水された海水に対して海洋生成物の付着防止処理を行う。海洋生成物の付着防止処理としては、海水を電気分解して次亜塩素酸ソーダを生成したり、銅イオンを生成したりして、取水口135から取水される海水に対してこれら次亜塩素酸ソーダや銅イオンを含ませる処理を例示できる。この海洋生成物付着防止処理装置137による海洋生成物の付着防止処理によって、浮体本体2内で海水の流れる配管の内面や、取水口135の内面に海洋生成物が付着して閉塞されることを抑制することができる。
海水導入ライン131は、取水部130によって取水された海水を浮体本体2内へ導入する。本実施形態の海水導入ライン131は、海水を少なくとも電気分解部132へと供給する配管である。ここで、海水導入ライン131は、複数の分岐ライン138を有しており、これら分岐ライン138によってアンモニア分解装置126以外の設備にも海水を供給することが可能となっている。これら複数の分岐ライン138を介してアンモニア分解装置126以外の設備へ供給された海水は、冷却水等として用いられた後に、合流ライン139及び、後述する希釈ライン140を介して放流部134から浮体本体2の外部へ放流される。
上記の海水導入ライン131の途中には、排熱回収部141が設けられている。排熱回収部141は、浮体本体2内に設けられている発熱機器の排熱を回収する。本実施形態では、発熱機器としての燃焼装置8の排熱を回収して、海水導入ライン131を流通する海水を加熱している。燃焼装置8の冷却水(例えば、清水)と、海水導入ライン131を流通する海水とを熱交換している。これにより、取水部130における海水温に関わらず、海水導入ライン131を流通する海水の温度が10℃以下とならないようになっている。なお、本実施形態では、燃焼装置8の冷却水が流通する冷却水ライン142に冷却水ポンプ143が設けられて冷却水が排熱回収部141と燃焼装置8との間を循環している。また、冷却水ライン142には、燃焼装置8以外の他の発熱機器に冷却水を循環させるための冷却水分岐ライン144も接続されており、他の発熱機器の排熱も回収可能となっている。
電気分解部132は、海水導入ライン131により浮体本体2内に導入された海水に電気分解を施すことで、次亜塩素酸ソーダを含む海水電解液を生成する。本実施形態の電気分解部132は、電解装置145と、貯留槽146と、循環ライン147と、循環ポンプ148と、を備えている。
電解装置145は、海水を電気分解して海水電解液を生成する。具体的には、海水中に正極と負極(図示せず)とを配置して、これら正極と負極との間に電圧印加することで、海水を電気分解する。この電気分解により、海水から次亜塩素酸ソーダが生成される。電解装置145により電気分解された海水電解液は、貯留槽146へ導入される。
貯留槽146は、電解装置145により生成された海水電解液を貯留可能とされている。本実施形態の貯留槽146は、海水導入ライン131に接続されており、電解装置145からの海水電解液に加えて、海水導入ライン131からの海水が注水される。
循環ライン147は、電解装置145と貯留槽146との間で、海水電解液を循環させる。つまり、循環ライン147は、貯留槽146に貯留されている海水電解液を電解装置145へ導くと共に、電解装置145によって電解された海水電解液を貯留槽146へ導く。本実施形態の電気分解部132は、貯留槽146に貯留されている海水電解液をラインミキサー149へ導くための電解液ライン150を更に備えている。この電解液ライン150は、上記循環ライン147に分岐接続されている。
循環ポンプ148は、循環ライン147の途中に設けられている。循環ポンプ148は、循環ライン147内の海水電解液を、電解装置145及びラインミキサー149へ向けて送出する。この循環ポンプ148を駆動することで、循環ライン147の海水電解液の一部が電解装置145と貯留槽146との間を循環すると共に、循環ライン147の海水電解液の残部が電解液ライン150を介してラインミキサー149へ供給される。電解液ライン150の途中には、全閉から全開まで開度調整可能な弁(図示せず)が設けられており、ラインミキサー149へ供給される海水電解液の流量を調整することが可能となっている。
上記電気分解部132によれば、貯留槽146に貯留されている海水電解液を循環させることで、再度、電解装置145によって電気分解することができる。そのため、電解装置145によって一度だけ電気分解された海水電解液よりも、次亜塩素酸ソーダの濃度を高めた海水電解液を得ることが可能となっている。なお、電解液ライン150が循環ライン147に分岐接続される場合について説明したが、この構成に限られない。例えば、貯留槽146に接続して、循環ライン147を介さずに貯留槽146に貯留されている海水電解液をラインミキサー149へ導くようにしてもよい。この場合、海水電解液をラインミキサー149へ送出するための別のポンプを電解液ライン150に設ければ良い。
ラインミキサー149は、電気分解部132によって生成された海水電解液と、廃液タンク排出ライン125によって供給されたアンモニア廃液タンク69の吸収液との混合液を撹拌する。このラインミキサー149によって撹拌された混合液は、脱窒素反応槽151へ導入される。
脱窒素反応槽151は、廃液タンク排出ライン125を流通する吸収液と電気分解部132で生成された海水電解液との混合液を反応させる。より具体的には、脱窒素反応槽151は、(1)式に示すように、吸収液のアンモニア(2NH)と、海水電解液の次亜塩素酸ソーダ(3NaClO)とを、酸性の環境下で反応させて、窒素(N)と塩化ナトリウム(3NaCl)と水(3HO)とに分解する。つまり、脱窒素反応槽151では、脱窒素反応が行われる。
2NH+3NaClO⇒N+3NaCl+3HO・・・(1)
脱窒素反応槽151における脱窒素反応により生成された窒素は、例えば、上甲板7から延びるベントポスト(図示せず)等を介して大気中に放出される。その一方で、脱窒素反応槽151における脱窒素反応により生成された塩化ナトリウムと水とは、処理済液体として放流部134へ排出される。
ここで、脱窒素反応槽151における脱窒素反応では、反応開始時に吸収液と海水電解液との混合水のペーハー(ph)を下げるために、混合水に硫酸や塩酸などの酸化剤が投入される。そのため、上述した脱窒素反応槽151には、酸化剤を投入するための薬液タンク152(ペーハー調整部)を接続するようにしてもよい。なお、薬液タンク152を接続せずに、例えば、作業者が手持ちのタンクで脱窒素反応槽151に酸化剤を投入するようにしてもよい。本実施形態における混合水のペーハーの値は、海水に含まれるアルカリ土類金属が析出しない値以下に調整される。ここで、海水に含まれるアルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg)を例示できる。上記の酸性の環境下における本実施形態の一例における脱窒素反応では、中間過程で、NHClとNHClという二種類の中間体(クロラミン)が生成され、これらNHClとNHClとの二つの中間体が反応することで、窒素ガス(N)と塩酸(3HCl)とになる。すなわち、塩酸が生成されるため、酸化剤を脱窒素反応槽151の混合水に追加投入することなく、酸性の環境下における脱窒素反応を継続することが可能となる。
希釈ライン140は、海水導入ライン131によって浮体本体2内に導入された海水の一部を、脱窒素反応槽151から排出された処理済液体に合流させる。すなわち、処理済液体は、希釈ライン140により合流された海水により希釈される。本実施形態の希釈ライン140を流通する海水は、上述した海水導入ライン131から分流した海水、及び、分岐ライン138によって分流してアンモニア分解装置126以外の他の設備に供給されて冷却等に利用された海水である。
放流部134は、脱窒素反応槽151で反応させた後の処理済液体を浮体本体2の浮かぶ周囲の海水の中に放流する。本実施形態の放流部134は、希釈ライン140を流通する海水によって希釈された処理済液体を放流する。
(アンモニア処理方法)
次に、第四実施形態におけるアンモニア処理方法について図面を参照しながら説明する。
図33は、本開示の第四実施形態におけるアンモニア処理方法を示すフローチャートである。図34は、図33の放出工程のフローチャートである。
図33に示すように、第四実施形態のアンモニア処理方法では、第二実施形態と同様に、ステップS01、ステップS02の判定を行い、パージ工程(ステップS110)、漏洩除害工程(ステップS120)、及び緊急パージ工程(ステップS130)の何れかを行い、放出工程(ステップS50)に進む。さらに、この第四実施形態のアンモニア処理方法では、放出工程(ステップS50)を行った後、第一実施形態と同様に、陸揚げ可能か否かを判定し(ステップS03)、吸収液の陸揚げ可能と判定された場合(ステップS03で「Yes」)には、陸揚げ工程(ステップS04)に進み、吸収液を陸揚げ可能ではないと判定された場合(ステップS03で「No」)には、陸揚げ可能になるまで上述した一連の工程を繰り返す(リターン)。陸揚げ工程(ステップS04)では、アンモニア廃液タンク69及びアンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を陸揚げする。
図34に示すように、第四実施形態の放出工程は、排熱回収工程(ステップS51)と、生成工程(ステップS52)と、脱窒素反応工程(ステップS53)と、を含んでいる。
排熱回収工程(ステップS51)では、取水した海水を用いて浮体本体2内の設備の排熱を回収する。すなわち、上述した海水導入ライン131によって浮体本体2内に導入された海水を、排熱回収部141によって温度上昇させる。
生成工程(ステップS52)では、排熱回収工程(ステップS51)によって温度上昇させた海水を電気分解して、次亜塩素酸ソーダを含む海水電解液を生成する。本実施形態では、上述した電気分解部132によって海水電解液を生成するとともに、海水電解液を貯留槽146と電解装置145との間を循環させて次亜塩素酸ソーダの濃度を高めている。
脱窒素反応工程(ステップS53)では、海水電解液の次亜塩素酸ソーダと吸収液のアンモニアとを反応させる。また、この脱窒素反応工程(ステップS53)では、海水電解液と吸収液との混合液のペーハーを、海水に含まれるアルカリ土類金属が析出しない範囲まで低下させる。すなわち、本実施形態では、上述した脱窒素反応槽151の混合液に酸化剤を投入してペーハーの値を脱窒素反応に適した値に調整して、次亜塩素酸ソーダとアンモニアとを脱窒素反応槽151内で反応させる。そして、本実施形態では、脱窒素反応工程(ステップS53)による反応後の処理済液体を、浮体本体2内に導入された海水を用いて希釈して、浮体本体2の浮かぶ周囲の海水中へ放流して、図33のステップS03に戻る(リターン)。
(作用効果)
上述した第四実施形態によれば、第二実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果がある。すなわち、海水を電気分解して生成された海水電解液には、次亜塩素酸ソーダの原料となる塩化ナトリウム(NaCl)の他、鉄やマンガンなどの促進酸化触媒(フェントン触媒)として脱窒素反応速度を上げる効果のある遷移金属イオンが含まれるため、取水した海水を電気分解した海水電解液を用いて吸収液のアンモニアを分解することで、次亜塩素酸ソーダを単体で用いる場合よりも、効率よくアンモニアを分解することができる。
また、希釈槽64の吸収液のアンモニアを除害するために浮体本体2の内部にアンモニアを分解するための強酸性の薬液を大量に搭載する場合と比較して、浮体本体2内での薬液使用量と貯蔵にかかる部分の大型化を抑制することができるとともに、作業員の安全性を向上できる。
さらに、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを寄港地や係留場所等で入手する必要が無くなるため、作業員の負担を軽減することができる。したがって、コスト上昇を抑え容易にアンモニアを除害することが可能となる。
なお、第四実施形態では、浮体本体2内で生じた排熱を利用して海水を温度上昇させる場合について説明したが、海水を温度上昇させずに用いてもよい。また、第四実施形態では、海洋生成物付着防止処理装置137を備える場合について説明した。しかし、海洋生成物付着防止処理装置137は、必要に応じて設ければ良い。例えば、付着した海洋生成物のメンテナンスが容易な場合等には、海洋生成物付着防止処理装置137を省略してもよい。
上述した第四実施形態では、海水電解液とアンモニア水との混合液を撹拌するラインミキサー149を設ける場合について説明した。しかし、ラインミキサー149は、必要に応じて設ければ良い。例えば、撹拌まで行う必要が無い場合、ラインミキサー149は省略してもよい。
さらに、第四実施形態では、電気分解部132が循環ライン147及び循環ポンプ148により海水電解液を循環させて、繰り返し電気分解を行うことで、次亜塩素酸ソーダの濃度を高める構成を例示した。しかし、次亜塩素酸ソーダの濃度を高める構成は、繰り返し電気分解を行うものに限られない。例えば、印加電圧を高めることで電流(NaClO発生量)を増大させるなど、繰り返し電気分解を行う構成とは異なる他の構成により次亜塩素酸ソーダの濃度を高めるようにしてもよい。
また、第四実施形態では、浮体本体2内で利用済みの海水を、処理済液体を希釈するために利用する場合について説明した。しかし、処理済液体を希釈する海水は、浮体本体2内で利用済みの海水に限られない。例えば、取水口135から取り込まれた海水を直接的に処理済液体に合流させるようにしてもよい。
(第四実施形態の変形例)
図35は、本開示の第四実施形態の変形例における図35に相当する図である。
上述した第四実施形態では、希釈槽64の吸収液をアンモニア廃液タンク69に貯留した後、アンモニア分解装置126で除害してから海洋放出する場合について説明した。しかし、浮体が、脱硝装置112を備えている場合には、第三実施形態と同様、図35に示すように、希釈槽64の吸収液の一部を脱硝用アンモニア液タンク108に供給して、還元剤としてのアンモニア水を製造するようにしてもよい。このように構成することで、アンモニア廃液タンク69へ導かれる吸収液の体積流量を低減できるため、アンモニア廃液タンク69及びアンモニア分解装置126が大型化することを抑制できる。
〈他の実施形態〉
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記の実施形態では、浮体1,101,201,301が主機等により航行可能な船舶である場合について説明したが、アンモニアを貯蔵可能な浮体であれば船舶に限られない。浮体1の例としては、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等の船舶や、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等が挙げられる。
さらに、アンモニア処理装置60,160,260,360の配置は、上記各実施形態及び変形例の配置に限られない。例えば、上甲板7よりも下層に配置したり、上甲板7と、上甲板よりも下層との両方に分けて配置したりしてもよい。また、図2では、複数の不活性ガス供給装置50を設ける場合を例示したが、一つの不活性ガス供給装置50によって複数のパージ対象領域をパージ可能に構成してもよい。
また、上述した各実施形態及び変形例では、排出規制区域外にいる場合や、緊急パージの場合に、第一実施形態よりも第二実施形態、第二実施形態よりも第三実施形態、第三実施形態よりも第四実施形態の方が、浮体本体2の外部へ放出(大気放出や海洋放出)されるアンモニアの濃度を低く抑えることができる。そのため、これら第一から第四実施形態を、アンモニア放出の要求レベルに応じて選択するようにしてもよい。
上記第一実施形態では、希釈槽64の気相の気体を、導出ライン66を介して大気開放部83へ直接導く場合について説明したが、例えば、導出ライン66の途中に外気を合流可能としてもよい。さらに、希釈槽64に貯留される吸収液へのアンモニア溶解度を調整する構成として希釈気体導入ライン65を設ける場合について説明したが、吸収液へのアンモニア溶解度を調整する構成は、上記希釈気体導入ライン65に限られない。例えば、希釈槽64の吸収液のアンモニア溶解度を調整する構成として、吸収液を加熱する加熱部、吸収液のペーハーを調整するペーハー調整部、希釈槽64内の圧力を調整する圧力調整部を設けるようにしてもよい。
第一実施形態において、例えば、リターン管22にキャッチタンクを分岐接続して、キャッチタンクの液相を、ミキシングタンク40とアンモニアタンク10とを接続する燃料配管に連通可能に構成してもよい。このようにすることで、ミキシングタンク40の大型化を防ぐとともに液位を容易に調整することができる。
各実施形態のアンモニア処理方法では、浮体1の乗員が判定及び操作を行う場合を例示した。しかし、例えば、センサー、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の位置検出装置、制御弁、及び、制御装置を用いて、センサーや位置検出装置の検出結果に基づいて制御装置によって制御弁を制御する等、自動的にアンモニア処理方法を実行するようにしてもよい。
各実施形態及び変形例においては、区画30内に直接的に吸収液を散布する場合について説明した。しかし、区画30内に漏洩したアンモニアを吸収液に吸収させる構成は、区画30内への吸収液の散布に限られない。例えば、区画30内の気体を、ダクトを用いて循環させて、ダクトの途中で吸収液に吸収させるようにしてもよい。また、区画30内に漏洩したアンモニアガスを、吸収液に吸収させずに、燃焼除害装置70へ導いてで燃焼除害するようにしてもよい。
各実施形態及び変形例においては、燃焼除害装置70によって燃焼除害する場合について説明したが、アンモニアを分解可能な装置であればよく、例えば、触媒等の除害装置を用いてもよい。
各実施形態及び変形例においては、さらに希釈槽64と大気開放部83との間や、反応器95と大気開放部83との間の導出ライン66,166を流れる気体に、ファン(図示せず)により取り込んだ外気などの希釈空気を合流させて、アンモニア濃度を低下させるようにしてもよい。
第四実施形態では、第二実施形態の構成にアンモニア分解装置126を追加する場合を例示したが、第一実施形態の構成にアンモニア分解装置126を追加するようにしてもよい。
図36は、他の実施形態の第一態様における図3に相当する図である。
第一から第三実施形態及び変形例においては、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液を陸揚げライン76によって陸揚げする場合について説明した。しかし、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液を陸揚げする構成は、陸揚げライン76を介して陸揚げするものに限られない。例えば、図36に示すアンモニア液ビルジタンク175のように、浮体本体2に着脱可能に設けられていてもよい。また、図示を省略するが、アンモニア液ビルジタンク175と同様に、アンモニア廃液タンクも浮体本体2に着脱可能に設けられていてもよい。この場合、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69は、上甲板7上に設けてもよい。上甲板7上にアンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69を設けた場合、港の岸壁に設置されたクレーンを用いて容易に陸揚げ可能となる。また、この場合、アンモニア液ビルジタンク75及びアンモニア廃液タンク69は、ISO(International Organization for Standardization)規格のコンテナタンクを用いてもよい。
図37は、本開示の他の実施形態の第二態様における図2に相当する図である。
第一から第三実施形態及び変形例においては、残留アンモニア供給ライン26、ミキシングタンク40等のタンク類をメンテナンスする際に、浮体本体2に設けられた装置内部に存在する液化アンモニアを残留アンモニア供給ライン26によりアンモニア処理装置60,160,260,360に導く構成とした。しかし、図37に示す他の実施形態の第二態様のように、回収タンク250及び回収ライン251を設けて、残留アンモニア供給ライン26、ミキシングタンク40等のタンク類をメンテナンスする前に、装置内部に存在する液化アンモニアをメンテナンス対象範囲外の回収タンク250に移送した上で残留した液化アンモニアまたはアンモニアガスを含む気体をアンモニア処理装置60へ導く構成としても良い。
図38は、本開示の他の実施形態の第三態様における図3に相当する図である。
第一から第三実施形態及び変形例においては、アンモニア廃液ライン89と、陸揚げライン76とに、それぞれ陸揚げポンプ90が設けられている場合を例示した。しかし、陸揚げポンプ90は、上記構成に限られない。例えば、図37に示すように、アンモニア廃液ライン89と、陸揚げライン76と、の合流点よりも下流側に一つの陸揚げポンプ190を設けるようにしてもよい。
図39は、本開示の他の実施形態の第四態様における漏洩除害工程のフローチャートである。
上記第二実施形態では、漏洩除害工程(ステップS120)において、散布工程(ステップS21)、第二反応工程(ステップS122)、第二放出工程(ステップS123)を含む場合について説明した。しかし、漏洩除害工程は、第二実施形態で説明したものに限られず、例えば、図39に示す他の実施形態の第四態様のフローチャートのようにすることもできる。この第四態様の漏洩除害工程(ステップS220)では、第三反応工程(ステップS222)及び第三放出工程(ステップS223)を行った後に、ステップS224、ステップS225及びステップS226によって、散布工程(ステップS21)を行うか否かの各判定を順次行っている。
第三反応工程(ステップS222)では、区画30内の気体を、反応器95に導入して該気体に含まれるアンモニアガスを吸収液と反応させる。
第三放出工程(ステップS223)では、第三反応工程(ステップS222)により吸収液と反応させた気体を、大気開放部83から大気放出する。
次いで、この第三放出工程により放出される気体のアンモニア濃度(以下、放出濃度と称する)が設定値内か否かを判定する(ステップS224)。この判定の結果、設定値内ではないと判定された場合(ステップS224で「No」)は、散布工程(ステップS21)へ進む。一方で、上記判定の結果、規制値内であると判定された場合(ステップS224で「Yes」)は、予め設定された一定期間で放出濃度が上記規制値内に低下したか否かを判定する(ステップS225)。この判定の結果、規制値内に低下しないと判定された場合(ステップS225で「No」)は、散布工程(ステップS21)へ進む。一方で、上記判定の結果、規制値内に低下したと判定された場合(ステップS225で「Yes」)は、アンモニア廃液タンク69に所定の余裕(収容量)が有るか否かを判定する(ステップS226)。この判定の結果、所定の余裕が有ると判定された場合(ステップS226で「Yes」)は、散布工程を行わずに図17のステップS03に戻る。一方で、上記判定の結果、所定の余裕がないと判定された場合(ステップS226で「No」)は、散布工程(ステップS21)へ進む。散布工程(ステップS21)では、区画30内に、吸収液を散布して、図17のステップS03に戻る。
この第四態様のようにすることで、区画30に極力散水しないようにできる。電気機器類の多い区画30を極力ドライコンディションに保ちつつアンモニア排出濃度を下げることが可能となる。
図40は、本開示の他の実施形態の第四態様における図29に相当する図である。
第三実施形態では、脱硝用アンモニア液のアンモニア濃度を濃度計117によって測定する場合について説明した。しかし、アンモニア濃度は、濃度計117によって測定するものに限られない。例えば、図40に示すように、濃度計117に代えて、脱硝用アンモニア液タンク108の圧力を測定するタンク圧力計217を設けるようにしてもよい。このようなタンク圧力計217によれば、アンモニア液の所定のアンモニア濃度相当の飽和圧力を測定することができる。
図41は、本開示の他の実施形態の第五態様における図3に相当する図である。図42は、本開示の他の実施形態の第五態様における希釈槽の液位を説明するための図である。
各実施形態及び変形例においては、アンモニア導入ライン61の途中にノックアウトドラム62を備える場合を一例にして説明した。しかし、ノックアウトドラム62は、省略してもよい。この場合、パージした際に、燃料としてのアンモニアに油分が混入する可能性が有る。そこで、図41に示す第五態様のように、オイルキャッチタンク252を設けてもよい。この第五態様におけるオイルキャッチタンク252は、希釈槽64の液相の表層に浮かんだ油分をスキミングによって回収する構造となっている。なお、希釈槽64からオイルキャッチタンク252への油分回収ライン253に油分を検出する油分検知器(図示せず)を設けてもよい。また、オイルキャッチタンク252の気相と希釈槽64の気相とは、均圧管254によって連通されている。
図42に示すように、上記の第五態様では、通常時は希釈槽64の液位が「NORMAL」を超えないように吸収液を貯める。そして、吸収液にアンモニアが吸収されて、液位が「LEVEL HIGH」になって一定時間経過、もしくは希釈槽64内が予め設定した圧力に達したら、吸収液補充ライン82等の清水系統により清水を液位が「SKIMING」となるまで注入する。その後、液位を「SKIMING」でしばらく保つ。これにより、油分がオイルキャッチタンク252へ回収される。油分回収ライン253の途中に油分検知器を設けている場合は、油分が検知されなくなったら清水の供給を停止する。一方で、油分検知器を設けていない場合は、所定の時間が経過したら清水の供給を停止する。なお、オイルキャッチタンク252に貯めた液を他のタンク(図示せず)へ自動でシフトする場合は、予め設定した液位「LOW」まで液を抜いて、新たに清水をタンクに張り込むようにしてもよい。ここで、オイルキャッチタンク252の回収状況は、液位や重量等で確認することができる。なお、オイルキャッチタンク252に貯めた液は、陸揚げしてもよく、この場合、例えば、オイルキャッチタンク252内の液のみ陸揚げしたり、オイルキャッチタンク252ごと陸揚げしたりしてもよい。また、オイルキャッチタンクの液位が所定の上限である「HIGH - HIGH」に達した場合は、異常警報を発するようにしてもよい。
図43は、本開示の他の実施形態の第六態様における図30に相当するフローチャートである。
例えば、第三実施形態に対し、上述した第五態様のように、ノックアウトドラム62を省略してオイルキャッチタンク252を設けた場合、図43に示すように、第三実施形態に対し、還元剤製造工程(ステップS40)の前に、油分除去工程(ステップS61)と、還元剤製造判定(ステップS62)とを追加してもよい。
パージ工程(ステップS110)、緊急パージ工程(ステップS130)時にアンモニア燃料に含まれる油分が混入する可能性があるため、油分除去工程(ステップS61)では、純度の高い還元剤を製造するために、アンモニア吸収液と油分とを比重分離し、油分を除去する。次いで、油分除去工程(ステップS61)により油分を除去した結果、希釈槽64のアンモニア吸収液が還元剤を製造するのに適しているか否かを判定する(ステップS62)。この判定の結果、還元剤を製造するのに適していると判定された場合(ステップS62で「Yes」)は、還元剤製造工程(ステップS40)に進む。一方で、上記判定の結果、還元剤を製造するのに不適切であると判定された場合(ステップS62で「No」)は、還元剤製造工程及び脱硝工程と行わずにステップS03に進む。なお、第六態様において、構造上、希釈槽64のアンモニア吸収液に油分が含まれない場合は、油分除去工程(ステップS61)及び還元剤製造判定(ステップS62)はスキップしてもよい。
図44は、本開示の他の実施形態の第七態様における図3に相当する図である。図45は、本開示の他の実施形態の第八態様における図3に相当する図である。図46は、本開示の他の実施形態の第九態様における図16に相当する図である。
上述した各実施形態及び変形例においては、希釈ファン81によって希釈槽64内を加圧し、希釈槽64内の気体を押し出す場合について説明した。しかし、希釈槽64から気体を導出するファンの配置は、上述したものに限られない。例えば、図44に示す第七態様のように、希釈ファン81に代えて、導出ライン66の途中に希釈槽64内の気体を吸い出す誘引ファン181を設けるようにしてもよい。また、図45に示す第八態様のように、希釈槽64と弁88との間の導出ライン66に気体を供給して、希釈槽64から導出されるアンモニアを最小限に抑えるガスシールファン281を設けるようにしてもよい。また、第二実施形態においては、希釈ファン81に代えて、反応器95の出口側である第二導出ライン166Bに誘引ファン381を設けて、希釈槽64の気体を吸引するようにしてもよい。
図47は、本開示の他の実施形態の第十態様における、図5に相当するフローチャートである。
上述した第一実施形態では、パージ工程(ステップS10)において、排出規制が遵守できないと判定された場合(ステップS13で「Yes」)に、燃焼放出工程(ステップS14)を行う場合について説明した。しかし、この構成に限られるものでは無い。
例えば、図47に示す他の実施形態の第十態様のようにしてもよい。この第十態様では、排出規制が遵守できないと判定された場合(ステップS13で「Yes」)に、希釈槽64の気相の気体が導出ライン66を介して排出されない状態(例えば、弁88を閉塞状態にする(ステップS69)。そして、パージにより排出される流体を希釈槽64が受け入れ可能か否かを判定する(ステップS70)。この判定の結果、希釈槽64が上記流体を受け入れ可能と判定された場合(ステップS70で「Yes」)には、保持工程(ステップS71)へ進み、希釈槽64の気相から導出ライン66への気体の流れを停止させた状態を保持する。
一方で、上記判定の結果、希釈槽64への上記流体の受け入れが不能と判定された場合(ステップS70で「No」)には、燃焼除害装置70が運転中か否かを判定する(ステップS72)。この判定の結果、燃焼除害装置70が運転中であると判定された場合(ステップS72で「Yes」)、燃焼放出工程(ステップS14)へと進み、第一実施形態と同様に、希釈槽64の気相の気体を燃焼除害装置70によって除害した後に大気放出する。また、燃焼除害装置70が運転中ではないと判定された場合(ステップS72で「No」)は、上記保持工程(ステップS71)へ進む。
ここで、パージにより排出される流体を希釈槽64が受け入れ可能か否かの判定(ステップS70)では、例えば、希釈槽64の気相と液相との気液平衡状態に基づいて判定を行うことができる。希釈槽64内で気液平衡状態を維持できない状態では、それ以上、希釈槽64の吸収液にアンモニアを吸収することができない状態となる。気液平衡状態に基づいた判定以外にも、例えば、希釈槽64内の圧力に基づいて上記希釈槽64が上記流体を受け入れ可能か否かを判定することもできる。この場合、例えば、希釈槽64内の圧力が上昇して所定の上限圧力に達した際に、受け入れ不能と判定できる。なお、他の実施形態の第十態様における希釈槽64として圧力容器を用いるようにしてもよい。
上記の他の実施形態の第十態様によれば、アンモニアを燃焼除害させる機会を更に減少させることができる点で有利となる。
図48は、本開示の他の実施形態の第十一態様における、図5に相当するフローチャートである。
上述した他の実施形態の第十態様では、保持工程(ステップS71)を、反応器95を備えていない第一実施形態の構成にて行う場合について説明した。しかし、保持工程は、第二実施形態のように反応器95を備える場合にも適用可能である。他の実施形態の第十一態様では、パージ工程(ステップS110)において、第十態様と同様に、ステップS11からステップS13、ステップS69、ステップS70を行う。そして、ステップS70において、希釈槽64に受け入れ不能と判定された場合(ステップS70で「No」)、反応器95が運転可能な状態か否かを判定する(ステップS172)。この判定の結果、運転可能と判定された場合(ステップS172で「Yes」)、第十態様と同様に保持工程(ステップS71)を行う。一方で、反応器95が運転不能と判定された場合(ステップS172で「No」)、第一反応工程(ステップS112)及び第一放出工程(ステップS113)とを行う。
上記の他の実施形態の第十一態様によれば、何らかの理由で反応器95が運転できない場合であっても、希釈槽64にアンモニアを保持することができるため、アンモニアが除害されずに大気放出されることを抑制できる。
なお、上記説明では、排出規制区域が、法的に定められた規制区域である場合を一例にして説明したが、排出規制区域は、法的に定められた規制区域に限られない。排出規制区域は、例えば、浮体1のオペレーター等が独自に規制区域の範囲を設定しても構わない。このようにした場合、例えば、浮体1上を規制区域と設定する事も可能であるため、オペレーターの設定次第で排気規制遵守できる場合のみ非燃焼放出工程(ステップS15,S25)や大気放出工程(ステップS115,S125)に進むようにすることが可能となる。
<付記>
実施形態に記載の浮体及び浮体のアンモニア処理方法は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様によれば浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられて、アンモニアを吸収可能な吸収液を貯留する希釈槽64と、前記希釈槽64の前記吸収液に前記浮体本体内のアンモニアを導入可能なアンモニア導入ライン61と、前記希釈槽64の気相中に、該気相のアンモニア濃度を低下させる希釈気体を導入可能な希釈気体導入ライン65と、前記希釈槽64の気相中の気体を前記希釈槽64から導出する導出ライン66と、前記導出ライン66により前記希釈槽64から導出された前記気体を大気放出する大気開放部83と、前記希釈槽64をバイパスして前記アンモニア導入ライン61を流れる流体を前記大気開放部83へ導くバイパスライン67と、を備える。
浮体1の例としては、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等の船舶、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等が挙げられる。
これにより、希釈槽64によってアンモニアを希釈させた後に大気放出することができるため、アンモニアを吸収した吸収液を貯留するための大きなタンク設置スペースが不要となる。
また、希釈槽64の吸収液にアンモニアを吸収できるだけ吸収させた後に、希釈槽64をバイパスさせてアンモニア導入ライン61を流れる流体を大気開放部83へ導くことができる。そのため、緊急パージのために、燃焼除害装置70を常時起動させておく必要が無くなる。また、アンモニアを除害するための希硫酸などの酸も不要となる。さらに、緊急パージの際に、アンモニアを希釈槽64へ導いた後に、バイパスライン67によりアンモニア導入ライン61に流れる流体を大気開放部83へ導くことができるため、パージによる不活性ガスの圧力を速やかに低下させることができる。
(2)第2の態様によれば浮体は、(1)の浮体であって、前記アンモニアを含む気体を燃焼除害可能な燃焼除害装置70と、前記希釈槽64の気相中の前記気体を前記燃焼除害装置70へ導く希釈燃焼ライン71と、を備える。
これにより、排出規制区域内(例えば港内)などにおいて計画的に燃料パージを行う場合などには、希釈槽64の気相中の気体を、燃焼除害装置70によって燃焼させて、大気放出される流体に含まれるアンモニアの濃度をより確実に低下させることができる。
(3)第3の態様によれば浮体は、(2)の浮体であって、アンモニア関連機器を収容する区画30と、前記区画30の内部の気体を前記燃焼除害装置70へ導く区画燃焼ライン72と、前記区画30の内部の気体を前記大気開放部83へ導く区画開放ライン73と、を備える。
アンモニア関連機器の例としては、アンモニア燃料機器とアンモニア貨物機器とが挙げられる。アンモニア燃料機器としては、アンモニアを圧送するポンプや、燃焼装置8へ送られるアンモニアを加熱するための熱交換器、電動弁、ミキシングタンク、キャッチタンク、蒸発器が挙げられる。
区画30の例としては、アンモニア燃料供給装置室30A、アンモニア燃料取込室30B等が挙げられる。
これにより、区画30内にアンモニアが漏洩した場合に、燃焼除害装置70による燃焼除害と、大気開放部83による大気放出とを切り替えて用いることができる。したがって、大気放出される気体が人体に触れる可能性のある排出規制区域内(例えば港内)では大気放出される気体に含まれるアンモニア濃度が十分に低下されていることを燃焼除害装置70により担保できる。一方で、大気放出される気体が人体に触れない排出規制区域外(例えば公海上)などでは、燃焼除害装置70を用いずに大気中に拡散させることができるため、燃料消費量を低減することができる。
(4)第4の態様によれば浮体は、(3)の浮体であって、前記区画30内のアンモニアを吸収可能な吸収液を前記区画30内に散布する散布装置31と、前記散布装置31により前記区画30内に散布された前記吸収液を前記区画30から排出する区画液排出ライン74と、前記区画液排出ライン74によって排出された吸収液を貯留するアンモニア液ビルジタンク75と、を備える。
これにより、区画30内に漏洩したアンモニアを区画30内に散布した吸収液に吸収させて区画液排出ライン74を介してアンモニア液ビルジタンク75を貯留させることができる。
(5)第5の態様によれば浮体は、(4)の浮体であって、前記アンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を陸揚げ可能な陸揚げライン76を備える。
これにより、アンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を、陸揚げして、陸側の処理施設で処理することができる。したがって、浮体本体2内に、アンモニア液ビルジタンク75に貯留された吸収液を廃棄処理する設備を設ける必要が無くなる。
(6)第6の態様によれば浮体は、(4)の浮体であって、前記アンモニア液ビルジタンク75は、前記浮体本体2に着脱可能に設けられている。
これにより、アンモニア液ビルジタンク75を、貯留された吸収液と共に陸揚げすることができる。したがって、港に吸収液を陸揚げするための配管を有しない場合であっても、アンモニア液ビルジタンク75を陸上の処理設備へ運搬して吸収液を廃棄処理することができる。
(7)第7の態様によれば浮体は、(1)から(6)の何れか一つの浮体であって、前記アンモニア導入ライン61の途中に設けられ、前記アンモニア導入ライン61の前記アンモニアと、前記希釈槽64に貯留された前記吸収液とを混合する混合部63を備える。
これにより、希釈槽64に貯留された吸収液に対し、アンモニアを効率よく吸収させることができる。
(8)第8の態様によれば浮体は、(7)の浮体であって、前記混合部63で混合された流体を冷却する熱交換器92を備える。
これにより、吸収液にアンモニアを吸収させた際の吸収熱による温度上昇を抑えて、吸収液におけるアンモニアの溶解度を極力高く保つことが可能となる。
(9)第9の態様によれば浮体は、(1)から(8)の何れか一つの浮体であって、前記アンモニア導入ライン61の途中に設けられて、気液混合状態の流体を気液分離して気体を導出するノックアウトドラム62を備える。
これにより、アンモニアガス及び不活性ガスだけを希釈槽64に導入することができる。
(10)第10の態様によれば浮体は、(1)から(9)の何れか一つの浮体であって、前記希釈槽64の前記吸収液を排出する希釈吸収液排出ライン68と、前記希釈槽64から排出された前記吸収液を貯留するアンモニア廃液タンク69と、を備える。
これにより、アンモニアを吸収させた希釈槽64に貯留された吸収液を希釈槽64から排出させて、アンモニア廃液タンク69に貯留させ、希釈槽64にアンモニアを吸収していない吸収液を補充することができる。したがって、希釈槽64を大型化すること無しに、吸収液に吸収可能なアンモニア量を増大させることができる。
(11)第11の態様によれば浮体は、(1)から(10)の何れか一つの浮体であって、前記導出ライン66の途中に設けられ、前記希釈槽64から導出された前記気体に含まれるアンモニアガスと、前記アンモニアガスを吸収可能な吸収液とを反応させる反応器95と、前記反応器95へ前記吸収液を供給する吸収液供給部96と、を備える。
これにより、希釈槽64から導出された気体に含まれるアンモニアガスを吸収液と反応させてから大気放出することが可能となる。したがって導出ライン66から大気開放部83へ導かれる気体のアンモニア濃度をより確実に低下させることができる。
(12)第12の態様によれば浮体は、(11)の浮体であって、前記導出ライン166のうち、前記反応器95の出口側の前記導出ライン166Bから、前記反応器95の入口側の前記導出ライン166Aに気体を戻す気体循環ライン93を備える。
これにより、反応器95でアンモニアを吸収液に吸収しきれない場合に、反応器95出口から再度反応器95の入口に気体を導くことができる。
(13)第13の態様によれば浮体は、(11)又は(12)の浮体であって、前記吸収液供給部96は、重力により前記吸収液を前記反応器95へ供給可能なグラビティタンクを備える。
これにより、ポンプなどを用いずに反応器95へ吸収液を供給することができるため、電源喪失時等においても、大気開放部83からアンモニア濃度の高い気体が放出されることを抑制できるため、非常用電源系統からの給電および制御を簡素化できる。
(14)第14の態様によれば浮体は、(11)から(13)の何れか一つの浮体であって、前記吸収液供給部96は、前記吸収液内に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部を備える。
これにより、吸収液を酸性にすることができる。したがって、反応器における吸収液とアンモニアとの反応を高めて効率よくアンモニアを吸収液に吸収させることができる。
(15)第15の態様によれば浮体は、(11)から(14)の何れか一つの浮体であって、前記希釈槽64の前記吸収液を排出する希釈吸収液排出ライン68と、前記反応器95によりアンモニアと反応させた前記吸収液を排出する反応器吸収液排出ライン97と、前記希釈槽64から排出された前記吸収液と、前記反応器95から排出された前記吸収液と、を貯留するアンモニア廃液タンク69と、を備える。
これにより、アンモニアを吸収させた希釈槽64に貯留された吸収液を希釈槽64から排出させて、アンモニア廃液タンク69に貯留させ、希釈槽64にアンモニアを吸収していない吸収液を補充することができる。したがって、希釈槽64を大型化すること無しに、吸収液に吸収可能なアンモニア量を増大させることができる。
(16)第16の態様によれば浮体は、(15)の浮体であって、前記導出ライン66と、前記アンモニア廃液タンク69の内部の気相とを連通する廃液タンク導入ライン98を備え、前記反応器吸収液排出ライン97は、前記アンモニア廃液タンク69の内部の気相と連通している。
これにより、導出ライン66を流通する気体を、希釈吸収液排出ライン68、アンモニア廃液タンク69の気相、及び、反応器吸収液排出ライン97を介して反応器へ導き、大気開放部83から大気放出させることができる。そのため、例えば、バイパスライン67により希釈槽64をバイパスさせた気体を、アンモニア廃液タンク69の吸収液に接触させて、アンモニアを吸収させた後に反応器に導入させることができる。
(17)第17の態様によれば浮体は、(11)から(16)の何れか一つの浮体であって、アンモニア関連機器を収容する区画30の気体を前記反応器95へ導く区画反応器導入ライン99を備える。
これにより、区画30の気体に含まれるアンモニアガスを、反応器95の吸収液と反応させて、吸収液に吸収させることが可能となる。
(18)第18の態様によれば浮体は、(10),(15),(16)の何れか一つの浮体であって、前記アンモニア廃液タンク69に貯留された前記吸収液を陸揚げ可能な陸揚げライン76を備える。
これにより、アンモニア廃液タンク69に貯留された吸収液を陸揚げして、陸上の処理設備などで廃棄処理することが可能となる。
(19)第19の態様によれば浮体は、(10),(15),(16)の何れか一つの浮体であって、前記浮体の浮かぶ周囲の水は、海水であって、前記アンモニア廃液タンク69の吸収液を排出する廃液タンク排出ライン125と、前記浮体本体内に前記海水を取水する取水部と、前記取水部から取水された前記海水を前記浮体本体内へ導入する海水導入ラインと、前記海水導入ラインにより導入された前記海水に電気分解を施すことで、次亜塩素酸ソーダを含む海水電解液を生成する電気分解部と、前記廃液タンク排出ライン125により排出された前記吸収液と前記電気分解部により生成された前記海水電解液との混合液を反応させる脱窒素反応部と、前記脱窒素反応部で反応させた後の処理済液体を前記浮体本体の浮かぶ周囲の前記海水の中に放流する放流部と、を備える。
これにより、アンモニアを分解するための強酸性の薬液を浮体本体2内に大量に搭載する必要が無くなるため、浮体本体2の大型化を抑制することができるとともに、作業員の安全性を向上できる。さらに、アンモニア廃液タンク69の吸収液を除害して海水中に放流することができるため、アンモニア廃液タンク69を、例えば小型化したり省略したりすることができる。
(20)第20の態様によれば浮体は、(1)から(19)の何れか一つの浮体であって、前記浮体本体2に設けられて、燃料としてのアンモニアを貯留するアンモニアタンク10と、前記アンモニアタンク10に接続された燃料アンモニア供給ライン114と、前記燃料アンモニア供給ライン114を介して前記アンモニアタンク10から導入された前記アンモニアを燃焼させることで排ガスを排出する燃焼装置8と、前記燃焼装置8から排出された前記排ガスに脱硝処理を施す脱硝装置112と、前記脱硝装置112の還元剤として用いる脱硝用アンモニア液を貯留する脱硝用アンモニア液タンク108と、前記希釈槽64内の前記吸収液を、前記脱硝用アンモニア液タンク108へ導入する脱硝用アンモニア導入ライン107と、を備える。
これにより、希釈槽64の吸収液に含まれるアンモニアを、廃棄せずに燃焼装置8の排ガスに脱硝処理を施す脱硝装置112の還元剤を製造するためアンモニアとして有効利用することができる。したがって、還元剤として利用するために積載するアンモニア量を低減することができるとともに、アンモニア廃液タンク69を小型化することができる。
(21)第21の態様によれば浮体は、(20)の浮体であって、前記脱硝用アンモニア液タンク108の圧力を測定する圧力計217を備える。
これにより、濃度計117を用いずにアンモニア濃度を検知できる。
(22)第22の態様によれば浮体は、(1)から(21)の何れか一つの浮体であって、前記導出ライン66,166は、前記希釈槽64内の気体を誘引する誘引ファン181,381を備える。
これにより、希釈槽64内の気体を導出ライン66,166に導出させることができる。
(23)第23の態様によれば浮体は、(1)から(22)の何れか一つの浮体であって、前記導出ライン66,166にシールガスを供給するガスシールファン281を備える。
これにより、希釈槽64から導出されるアンモニアを最小限に抑えることができる。
(24)第24の態様によれば浮体は、(1)から(23)の何れか一つの浮体であって、前記希釈槽64の液相の油分を除去するオイルキャッチタンク252を備える。
これにより、ノックアウトドラム62を省略して、希釈槽64の液相に油分が混じるようになった場合であっても、希釈槽64内の液相の油分を除去することが可能となる。
(25)第25の態様によれば浮体は、(1)から(24)の何れか一つの浮体であって、前記浮体本体2に設けられて、アンモニアをパージした際に排出される流体のうち、液化アンモニアを回収する液化アンモニア回収タンク250を備える。
これにより、液化アンモニアを効率よく回収することができる。
(26)第26の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、アンモニアをパージした際に排出される流体を希釈槽へ供給して前記希釈槽に貯留された吸収液に混ぜると共に、前記希釈槽の気相の気体を大気放出するパージ工程と、前記アンモニアをパージした際に排出される前記流体を前記希釈槽64に供給して前記希釈槽64に貯留された吸収液に混ぜた後に、前記アンモニアをパージした際に排出された前記流体を前記希釈槽64へ供給せずに前記希釈槽64をバイパスして大気放出する緊急パージ工程と、を含む。
これにより、例えば、計画的なパージを行う場合には、希釈槽64によってアンモニアを希釈させた後に、パージした際に排出された流体を大気放出することができる。さらに、計画的ではない緊急パージの場合には、希釈槽64の吸収液にアンモニアを吸収できるだけ吸収させた後に、希釈槽64をバイパスさせて大気開放部83に流体を導くことができる。
(27)第27の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記パージ工程は、前記浮体1が排出規制区域内に位置する場合に、前記希釈槽64の気相の気体を燃焼除害装置70で燃焼除害してから大気放出する燃焼放出工程と、前記浮体1が前記排出規制区域内に位置していない場合に、前記希釈槽64の気相の気体を前記燃焼除害装置70で燃焼除害せずに大気放出する非燃焼放出工程と、を含む。
これにより、排出規制区域内(例えば港内など)では希釈槽64の気相の気体を燃焼除害させてから大気放出できる。また、例えば、排出規制区域外など、排出規制区域内に位置していない場合には、希釈槽64の気相の気体を燃焼除害させずに、大気放出することができる。
(28)第28の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)又は(27)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記パージ工程は、前記浮体が排出規制区域内に位置する場合に、前記希釈槽64の気相の気体を前記希釈槽64内に留める保持工程を含む。
これにより、浮体1が排出規制区域内に位置する場合に、アンモニアを燃焼除害させる機会を更に減少させることができる。
(29)第29の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)から(28)の何れか一つの浮体のアンモニア処理方法であって、前記浮体1の区画30でアンモニア漏洩が生じた場合に、前記区画30内にアンモニアを吸収可能な吸収液を散布する散布工程と、前記浮体1が排出規制区域内に位置する場合に、前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画30内の気体を、燃焼除害装置70で除害してから大気放出する区画内気体燃焼放出工程と、前記浮体1が前記排出規制区域内に位置しない場合に、前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画内1の気体を、前記燃焼除害装置70で燃焼除害せずに大気放出する区画内気体非燃焼放出工程と、を含む。
これにより、区画30内にアンモニアが漏洩した場合に、排出規制区域内(例えば港内等)では区画30内の気体を燃焼除害させてから大気放出できる。また、排出規制区域外(例えば、公海上)など、排出規制区域内に位置していない場合には、区画30内の気体を燃焼除害させずに、大気放出することができる。
(30)第30の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記希釈槽64の気相の気体を、該気体に含まれるアンモニアガスを吸収可能な吸収液と反応させる第一反応工程と、前記第一反応工程により吸収液と反応させた気体を大気放出する第一放出工程と、を含む。
これにより、希釈槽64の気相の気体に含まれるアンモニアを、大気放出する前により一層低減させることができる。
(31)第31の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)又は(30)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記浮体1の区画30でアンモニア漏洩が生じた場合に、前記区画30内にアンモニアを吸収可能な吸収液を散布する散布工程と、前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画30内の気体を、該気体に含まれるアンモニアガスを吸収可能な吸収液と反応させる第二反応工程と、前記第二反応工程により吸収液と反応させた気体を大気放出する第二放出工程と、を含む。
これにより、これにより、区画30内の気体に含まれるアンモニアを、大気放出する前により一層低減させることができる。
(32)第32の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(30)又は(31)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記緊急パージ工程では、パージした際に排出された前記流体を、前記希釈槽64から排出された前記吸収液を貯留するアンモニア廃液タンク69の気相を介して大気放出する。
これにより、緊急パージの場合に希釈槽64をバイパスした流体に含まれるアンモニアをアンモニア廃液タンク69の吸収液に接触させて、アンモニアを吸収させることができる。
(33)第33の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)から(32)の何れか一つの浮体のアンモニア処理方法であって、前記希釈槽64に貯留された前記吸収液を、陸揚げする陸揚げ工程を含む。
これにより、希釈槽64に貯留された吸収液を、陸揚げして、陸側の処理施設で処理することができる。したがって、希釈槽64が大型化することを抑制できる。
(34)第34の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)から(33)の何れか一つの浮体のアンモニア処理方法であって、前記希釈槽64に貯留された前記吸収液を、海水を電気分解した海水電解液と反応させた後に海洋放出する放出工程を含む。
これにより、アンモニアを分解するための強酸性の薬液を浮体1内に大量に搭載する必要が無くなる。さらに、吸収液を除害して海水中に放流することができるため、アンモニアを吸収した吸収液を貯留するタンクを、小型化したり省略したりすることができる。
(35)第35の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(26)から(34)の何れか一つの浮体のアンモニア処理方法であって、前記希釈槽64に貯留された前記吸収液を、前記浮体1に設けられた脱硝装置112の還元剤として用いる。
これにより、希釈槽64に貯留された前記吸収液を廃棄せずに、脱硝装置112の還元剤を製造するためのアンモニアとして有効利用することができる。したがって、脱硝装置112の還元剤として利用するために積載するアンモニア量を低減できる。
(36)第36の態様によれば浮体のアンモニア処理方法は、(35)の浮体のアンモニア処理方法であって、前記脱硝装置112の還元剤として用いる前記吸収液に含まれた油分を除去する油分除去工程を含む。
これにより、純度の高い還元剤を製造することが可能となる。
1,101,201,301…浮体 2…浮体本体 3a…船首 3b…船尾 4…上部構造 5A,5B…舷側 6…船底 7…上甲板 8…燃焼装置 10…アンモニアタンク 20…配管系統 20p…パージ対象領域 21…供給管 21A…第一供給管 21B…第二供給管 22…リターン管 23,24…開閉弁 25…高圧ポンプ 26…残留アンモニア供給ライン 27…配管 28…開閉弁 29…タンク開放ライン 30…区画 30A…アンモニア燃料供給装置室 30B…アンモニア燃料取込室(バンカーステーション) 31…散布装置 32…除害ファン 33…換気ファン 34…給気ダクト 40…ミキシングタンク 50…不活性ガス供給装置 51…不活性ガス供給部 52…不活性ガス供給管 53…不活性ガス供給弁 60,160,260,360…アンモニア処理装置 61…アンモニア導入ライン 62…ノックアウトドラム 63…混合部 64…希釈槽 65…希釈気体導入ライン 66,166…導出ライン 67…バイパスライン 68…希釈吸収液排出ライン 69…アンモニア廃液タンク 70…燃焼除害装置 71,171…希釈燃焼ライン 72…区画燃焼ライン 73…区画開放ライン 74…区画液排出ライン 75,175…アンモニア液ビルジタンク 76…陸揚げライン 77…ミキサー 78…吸収液供給ライン 79…吸収液循環ポンプ 80…散気管 81…希釈ファン 82…吸収液補充ライン 83…大気開放部 84,85…弁 86…吸引ファン 87…逆止弁 88…弁 89…アンモニア廃液ライン 90,190…陸揚げポンプ 91…逆止弁 92…熱交換器 93…気体循環ライン 94…弁 95…反応器 96…吸収液供給部 97…反応器吸収液排出ライン 98…廃液タンク導入ライン 99…区画反応器導入ライン 105…グラビティタンク 106…炭酸混合部 107…脱硝用アンモニア導入ライン 108…脱硝用アンモニア液タンク 109,110…弁 111…排気管 112…脱硝装置 113…脱硝用アンモニア液供給ライン 114…燃料アンモニア供給ライン 114A…第一ライン 114B…第二ライン 115…循環配管 116…撹拌ポンプ 117…濃度計 118…脱硝用アンモニア液ポンプ 119…流量調整弁 120…送給ポンプ 121…アンモニア加圧ポンプ 122…アンモニア熱交換器 123…ガス排出管 125…廃液タンク排出ライン 126…アンモニア分解装置 127,128…弁 130…取水部 131…海水導入ライン 132…電気分解部 134…放流部 135…取水口 136…海水ポンプ 137…海洋生成物付着防止処理装置 138…分岐ライン 139…合流ライン 140…希釈ライン 141…排熱回収部 142…冷却水ライン 143…冷却水ポンプ 144…冷却水分岐ライン 145…電解装置 146…貯留槽 147…循環ライン 148…循環ポンプ 149…ラインミキサー 150…電解液ライン 151…脱窒素反応槽 152…薬液タンク 166A…第一導出ライン 166B…第二導出ライン 181,381…誘引ファン 217…タンク圧力計 250…回収タンク 251…回収ライン 252…オイルキャッチタンク 253…油分回収ライン 254…均圧管 281…ガスシールファン G…排ガス R…流通経路

Claims (36)

  1. 浮体本体と、
    前記浮体本体に設けられて、アンモニアを吸収可能な吸収液を貯留する希釈槽と、
    前記希釈槽の前記吸収液に前記浮体本体内のアンモニアを導入可能なアンモニア導入ラインと、
    前記希釈槽の気相中に、該気相のアンモニア濃度を低下させる希釈気体を導入可能な希釈気体導入ラインと、
    前記希釈槽の気相中の気体を前記希釈槽から導出する導出ラインと、
    前記導出ラインにより前記希釈槽から導出された前記気体を大気放出する大気開放部と、
    前記希釈槽をバイパスして前記アンモニア導入ラインを流れる流体を前記大気開放部へ導くバイパスラインと、
    を備える浮体。
  2. 前記アンモニアを含む気体を燃焼除害可能な燃焼除害装置と、
    前記希釈槽の気相中の前記気体を前記燃焼除害装置へ導く希釈燃焼ラインと、
    を備える
    請求項1に記載の浮体。
  3. アンモニア関連機器を収容する区画と、
    前記区画の内部の気体を前記燃焼除害装置へ導く区画燃焼ラインと、
    前記区画の内部の気体を前記大気開放部へ導く区画開放ラインと、
    を備える
    請求項2に記載の浮体。
  4. 前記区画内のアンモニアを吸収可能な吸収液を前記区画内に散布する散布装置と、
    前記散布装置により前記区画内に散布された前記吸収液を前記区画から排出する区画液排出ラインと、
    前記区画液排出ラインによって排出された吸収液を貯留するアンモニア液ビルジタンクと、
    を備える
    請求項3に記載の浮体。
  5. 前記アンモニア液ビルジタンクに貯留された吸収液を陸揚げ可能な陸揚げラインを備える
    請求項4に記載の浮体。
  6. 前記アンモニア液ビルジタンクは、前記浮体本体に着脱可能に設けられている
    請求項4に記載の浮体。
  7. 前記アンモニア導入ラインの途中に設けられ、前記アンモニア導入ラインの前記アンモニアと、前記希釈槽に貯留された前記吸収液とを混合する混合部を備える
    請求項1から6の何れか一項に記載の浮体。
  8. 前記混合部で混合された流体を冷却する熱交換器を備える
    請求項7に記載の浮体。
  9. 前記アンモニア導入ラインの途中に設けられて、気液混合状態の流体を気液分離して気体を導出するノックアウトドラムを備える
    請求項1から8の何れか一項に記載の浮体。
  10. 前記希釈槽の前記吸収液を排出する希釈吸収液排出ラインと、
    前記希釈槽から排出された前記吸収液を貯留するアンモニア廃液タンクと、
    を備える
    請求項1から9の何れか一項に何れか一項に記載の浮体。
  11. 前記導出ラインの途中に設けられ、前記希釈槽から導出された前記気体に含まれるアンモニアガスと、前記アンモニアガスを吸収可能な吸収液とを反応させる反応器と、
    前記反応器へ前記吸収液を供給する吸収液供給部と、
    を備える
    請求項1から10の何れか一項に記載の浮体。
  12. 前記導出ラインのうち、前記反応器の出口側の前記導出ラインから、前記反応器の入口側の前記導出ラインに気体を戻す気体循環ラインを備える
    請求項11に記載の浮体。
  13. 前記吸収液供給部は、重力により前記吸収液を前記反応器へ供給可能なグラビティタンクを備える
    請求項11又は12に記載の浮体。
  14. 前記吸収液供給部は、前記吸収液内に炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給部を備える
    請求項11から13の何れか一項に記載の浮体。
  15. 前記希釈槽の前記吸収液を排出する希釈吸収液排出ラインと、
    前記反応器によりアンモニアと反応させた前記吸収液を排出する反応器吸収液排出ラインと、
    前記希釈槽から排出された前記吸収液と、前記反応器から排出された前記吸収液と、を貯留するアンモニア廃液タンクと、
    を備える
    請求項11から14の何れか一項に記載の浮体。
  16. 前記導出ラインと、前記アンモニア廃液タンクの内部の気相とを連通する廃液タンク導入ラインを備え、
    前記反応器吸収液排出ラインは、前記アンモニア廃液タンクの内部の気相と連通している
    請求項15に記載の浮体。
  17. アンモニア関連機器を収容する区画の気体を前記反応器へ導く区画反応器導入ラインを備える
    請求項11から16の何れか一項に記載の浮体。
  18. 前記アンモニア廃液タンクに貯留された前記吸収液を陸揚げ可能な陸揚げラインを備える
    請求項10,15,16の何れか一項に記載の浮体。
  19. 前記浮体本体の浮かぶ周囲の水は、海水であって、
    前記アンモニア廃液タンクの吸収液を排出する廃液タンク排出ラインと、
    前記浮体本体内に前記海水を取水する取水部と、
    前記取水部から取水された前記海水を前記浮体本体内へ導入する海水導入ラインと、
    前記海水導入ラインにより導入された前記海水に電気分解を施すことで、次亜塩素酸ソーダを含む海水電解液を生成する電気分解部と、
    前記廃液タンク排出ラインにより排出された前記吸収液と前記電気分解部により生成された前記海水電解液との混合液を反応させる脱窒素反応部と、
    前記脱窒素反応部で反応させた後の処理済液体を前記浮体本体の浮かぶ周囲の前記海水の中に放流する放流部と、
    を備える
    請求項10,15,16の何れか一項に記載の浮体。
  20. 前記浮体本体に設けられて、燃料としてのアンモニアを貯留するアンモニアタンクと、
    前記アンモニアタンクに接続された燃料アンモニア供給ラインと、
    前記燃料アンモニア供給ラインを介して前記アンモニアタンクから導入された前記アンモニアを燃焼させることで排ガスを排出する燃焼装置と、
    前記燃焼装置から排出された前記排ガスに脱硝処理を施す脱硝装置と、
    前記脱硝装置の還元剤として用いる脱硝用アンモニア液を貯留する脱硝用アンモニア液タンクと、
    前記希釈槽内の前記吸収液を、前記脱硝用アンモニア液タンクへ導入する脱硝用アンモニア導入ラインと、を備える
    請求項1から19の何れか一項に記載の浮体。
  21. 前記脱硝用アンモニア液タンクの圧力を測定する圧力計を備える
    請求項20に記載の浮体。
  22. 前記導出ラインは、前記希釈槽内の気体を誘引する誘引ファンを備える
    請求項1から21の何れか一項に記載の浮体。
  23. 前記導出ラインにシールガスを供給するガスシールファンを備える
    請求項1から22の何れか一項に記載の浮体。
  24. 前記希釈槽の液相の油分を除去するオイルキャッチタンクを備える
    請求項1から23の何れか一項に記載の浮体。
  25. 前記浮体本体に設けられて、アンモニアをパージした際に排出される流体のうち、液化アンモニアを回収する液化アンモニア回収タンクを備える
    請求項1から24の何れか一項に記載の浮体。
  26. アンモニアをパージした際に排出される流体を希釈槽へ供給して前記希釈槽に貯留された吸収液に混ぜると共に、前記希釈槽の気相の気体を大気放出するパージ工程と、
    前記アンモニアをパージした際に排出された流体を前記希釈槽に供給して前記希釈槽に貯留された吸収液に混ぜた後に、前記アンモニアをパージした際に排出された前記流体を前記希釈槽へ供給せずに前記希釈槽をバイパスして大気放出する緊急パージ工程と、を含む
    浮体のアンモニア処理方法。
  27. 前記パージ工程は、
    前記浮体が排出規制区域内に位置する場合に、前記希釈槽の気相の気体を燃焼除害装置で燃焼除害してから大気放出する燃焼放出工程と、
    前記浮体が前記排出規制区域内に位置していない場合に、前記希釈槽の気相の気体を前記燃焼除害装置で燃焼除害せずに大気放出する非燃焼放出工程と、
    を更に含む
    請求項26に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  28. 前記パージ工程は、
    前記浮体が排出規制区域内に位置する場合に、前記希釈槽の気相の気体を前記希釈槽内に留める保持工程を含む
    請求項26又は27に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  29. 前記浮体の区画でアンモニア漏洩が生じた場合に、前記区画内にアンモニアを吸収可能な吸収液を散布する散布工程と、
    前記浮体が排出規制区域内に位置する場合に、前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画内の気体を、燃焼除害装置で除害してから大気放出する区画内気体燃焼放出工程と、
    前記浮体が前記排出規制区域内に位置しない場合に、前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画内の気体を、前記燃焼除害装置で燃焼除害せずに大気放出する区画内気体非燃焼放出工程と、
    を含む
    請求項26から28の何れか一項に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  30. 前記希釈槽の気相の気体を、該気体に含まれるアンモニアガスを吸収可能な吸収液と反応させる第一反応工程と、
    前記第一反応工程により吸収液と反応させた気体を大気放出する第一放出工程と、
    を含む
    請求項26に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  31. 前記浮体の区画でアンモニア漏洩が生じた場合に、前記区画内にアンモニアを吸収可能な吸収液を散布する散布工程と、
    前記散布工程により前記吸収液を散布した後の前記区画内の気体を、該気体に含まれるアンモニアガスを吸収可能な吸収液と反応させる第二反応工程と、
    前記第二反応工程により吸収液と反応させた気体を大気放出する第二放出工程と、
    を含む
    請求項26又は30に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  32. 前記緊急パージ工程では、パージした際に排出された前記流体を、前記希釈槽から排出された前記吸収液を貯留するアンモニア廃液タンクの気相を介して大気放出する
    請求項30又は31に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  33. 前記希釈槽に貯留された前記吸収液を、陸揚げする陸揚げ工程を含む
    請求項26から32の何れか一項に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  34. 前記希釈槽に貯留された前記吸収液を、海水を電気分解した海水電解液と反応させた後に海洋放出する放出工程を含む
    請求項26から33の何れか一項に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  35. 前記希釈槽に貯留された前記吸収液を、前記浮体に設けられた脱硝装置の還元剤として用いる
    請求項26から34の何れか一項に記載の浮体のアンモニア処理方法。
  36. 前記脱硝装置の還元剤として用いる前記吸収液に含まれた油分を除去する油分除去工程を含む
    請求項35に記載の浮体のアンモニア処理方法。
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