JP7466747B1 - アンモニアガスの処理装置及び処理方法 - Google Patents

アンモニアガスの処理装置及び処理方法 Download PDF

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翔 小川
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Abstract

【課題】アンモニアガスを溶解させたアンモニア水を安全に保管し、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供すること。【解決手段】貨物又は燃料として液化アンモニアを搭載する船舶において、貨物から揮発し又は燃料の供給ライン2、4に残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させる除害装置6は、貯水した清水にアンモニアガスを溶解させる水封タンク12と、水封タンク12より排出されたアンモニアガスに清水を噴霧して溶解させるスクラバ槽13と、スクラバ槽13内のアンモニア水をスクラバ槽13の上部に送る循環ポンプ14と、スクラバ槽13の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器13bとを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、貨物又はエンジン燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関し、詳しくは、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法に関する。
近年の地球温暖化問題に伴い、船舶推進用エンジンの燃料として、液化アンモニアの利用が想定されている。液化アンモニアを燃料として利用した場合には、燃料配管内のパージや、異常時に燃焼範囲以内に収めるため、燃料供給系内を空にする必要がある。また、アンモニアを貯留するタンクにおいては、自然入熱等によりボイルオフガスと呼ばれるアンモニアガスが発生する。アンモニアガスが生じるままにしておくとタンク内の圧力が上昇し設計圧力以上になるため、大気放出等により処理する必要がある。
しかし、アンモニアガスは、可燃性及び毒性を有するので、アンモニアガスをそのまま大気放出すると、人体に影響を与える。そのため、大気中に放出する排気からは、アンモニアガスを除害装置によって除去する必要がある。特許文献1には、除害装置として、アンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水として回収する装置が記載されている。
特許第6934555号公報
除害装置においてアンモニアガスが清水に溶解された処理水(アンモニア水)は、排出規制により、船外に排出することができないので、処理水は、船内に保管又は船内で処理する必要がある。
処理水を船内に保管する場合には、保管タンクを小型にして、保管スペースを少なくすることが好ましい。
そこで、本発明の課題は、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供することにある。
さらに本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有する
ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
2.
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスが、前記スクラバ槽の下部に導入される
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
3.
前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
前記処理水保管タンクは、加圧式のアンモニア水保管タンクである
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
4.
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記除害装置で生成されたアンモニア水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
5.
前記除害装置からアンモニア水が送られる中和処理装置を備え、
前記中和処理装置は、前記アンモニア水を酸性中和剤により中和処理して中和水とする
ことを特徴とする前記1記載のアンモニアガスの処理装置。
6.
前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
前記選択式還元触媒ユニットは、前記中和処理装置で生成された中和水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記5記載のアンモニアガスの処理装置。
7.
前記清水は、前記清水を貯蔵する清水タンクから加圧バッファタンクに送られて貯蔵され、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給される
ことを特徴とする前記1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
8.
前記加圧バッファタンクは、前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、加圧される
ことを特徴とする前記7記載のアンモニアガスの処理装置。
9.
前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を備え、
前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
ことを特徴とする前記1~6の何れかに記載のアンモニアガスの処理装置。
10.
貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを除害装置に送り、
前記除害装置は、
清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
を有し、
前記除害装置において、前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスを清水に溶解させる工程を有する
ことを特徴とするアンモニアガスの処理方法。
11.
処理水保管タンクを設け、
前記除害装置により生成したアンモニア水を前記処理水保管タンクに送って保管し、
前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスを、前記スクラバ槽の下部に導入する
ことを特徴とする前記10記載のアンモニアガスの処理方法。
12.
加圧式のアンモニア水保管タンクである処理水保管タンクを設け、
前記除害装置により生成したアンモニア水を前記処理水保管タンクに送って保管する
ことを特徴とする前記10記載のアンモニアガスの処理方法。
13.
選択式還元触媒ユニットを設け、
前記選択式還元触媒ユニットに、前記船舶の機関の排ガスと、前記除害装置により生成したアンモニア水とを供給し、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記10記載のアンモニアガスの処理方法。
14.
中和処理装置を設け、
前記中和処理装置に、前記除害装置により生成したアンモニア水と、酸性中和剤とを供給し、前記アンモニア水を中和処理して中和水とする
ことを特徴とする前記10記載のアンモニアガスの処理方法。
15.
選択式還元触媒ユニットを設け、
前記選択式還元触媒ユニットに、前記船舶の機関の排ガスと、前記中和処理装置により生成した中和水とを供給し、前記排ガスの脱硝処理を行う
ことを特徴とする前記14記載のアンモニアガスの処理方法。
16.
加圧バッファタンクを設け、
前記清水は、前記加圧バッファタンクに送って貯蔵させ、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給させる
ことを特徴とする前記10~15の何れかに記載のアンモニアガスの処理方法。
17.
前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、前記加圧バッファタンク内を加圧する
ことを特徴とする前記16記載のアンモニアガスの処理方法。
18.
前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を設け、
前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
ことを特徴とする前記10~15の何れかに記載のアンモニアガスの処理方法。
本発明によれば、貨物から揮発し又は機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態の改良形態(1)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態の改良形態(2)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態の改良形態(3)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す各実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
本発明は、貨物又は船舶の機関の燃料として、液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置、及び、このアンモニアガスの処理装置において実行されるアンモニアガスの処理方法である。
本発明は、貨物から揮発し又は燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させたアンモニア水を安全に保管でき、また、保管スペースを少なくすることができるようにするものである。
〔第1の実施形態〕
〔装置構成〕
図1は、本発明の第1の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図である。本発明の第1の実施形態のアンモニアガスの処理方法は、このアンモニアガスの処理装置により実行される。図1においては、液体の流路を実線で示し、気体の流路を点線で示している。後述する他の図面においても同様である。
本実施形態のアンモニアガスの処理装置は、図1に示すように、液化アンモニアタンク1から、船舶の機関であるエンジン3に液化アンモニア燃料を供給する燃料の供給ラインから導入される液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガス(残留ガス)、または、図示しない貨物用アンモニアタンクから導入されるアンモニアガス(ボイルオフガス)を処理する。
燃料の供給ラインは、燃料供給装置2と燃料配管4とからなり、燃料供給装置2が有する圧縮機やポンプ、熱交換器等により、燃料配管4を経て、エンジン3に液化アンモニア燃料を供給する経路である。なお、燃料供給装置2は、不要であれば設けなくともよい。
また、燃料配管4は、燃料供給装置2からエンジン3にアンモニアガスを供給する供給配管と、エンジン3から燃料供給装置2に余剰のアンモニアガスを戻す戻り配管とからなっていてもよい。
燃料供給装置2の液化アンモニアタンク1側及び燃料配管4のエンジン3側には、図示はしないが、燃料供給装置2の液化アンモニアタンク1側と燃料配管4のエンジン3側との間の区間を閉鎖できる開閉弁が設けられていてもよい。
液化アンモニアタンク1は、エンジン3等に使用される燃料であるアンモニアを備蓄する。アンモニアは、液化アンモニアタンク1の中においては液化アンモニアとして保管される。液化アンモニアの液体状態を維持するため、液化アンモニアタンク1は、内部を高圧、または低温に保持される。長期航海等により大量の液化アンモニアを船舶に搭載する場合、液化アンモニアタンク1としては、肉厚が薄く、かつ、加工しやすいフルレフ式(大気圧式)やセミレフ式(半加圧式)が主として用いられる。液化アンモニアタンク1内には、吸出しポンプ1aがあり、この吸出しポンプ1aにより、備蓄している液化アンモニアを燃料供給装置2への配管に送り出す。
貨物用アンモニアタンクは、エンジン3等に使用される燃料ではなく、貨物としての液化アンモニアを備蓄する。液化アンモニアタンク1と同様に、貨物用アンモニアタンクの中において、液化アンモニアの液体状態を維持するため、貨物用アンモニアタンクは内部を高圧、または低温に保持される。大量の液化アンモニアを船舶に搭載する場合、貨物用アンモニアタンクとしては、肉厚が薄く、かつ、加工しやすいフルレフ式(大気圧式)やセミレフ式(半加圧式)が主として用いられる。
エンジン3には、液化アンモニアタンク1から燃料供給装置2により、液化アンモニア燃料が供給される。また、エンジン3には、図示しない重油タンクから、パイロット燃料が供給されてもよい。パイロット燃料は、アンモニア燃料の燃焼開始時に、アンモニア燃料とともに燃焼され、燃焼室内を昇温して、アンモニア燃料を良好に燃焼させるものである。パイロット燃料は、燃焼室内が昇温してアンモニア燃料のみでの燃焼が可能な状態となったときには、供給を中止してよい。また、エンジン3が、始動時からアンモニア燃料のみでの燃焼が可能なものである場合には、パイロット燃料は不要である。
さらに、エンジン3は、液化アンモニア燃料と重油などの化石燃料との二元燃料エンジンとしてもよい。二元燃料エンジンでは、液化アンモニア燃料をメインに重油などの化石燃料を着火源として供給して運転するモードと、化石燃料のみで運転する化石燃料モードとを、選択的に切り替えることができる。
燃料配管4には、パージガス供給弁10を経て、不活性ガスの圧力源である窒素ガス供給装置11から、窒素ガスが供給される。この窒素ガスは、燃料配管4を経て、燃料供給装置2にも供給される。この窒素ガスは、エンジン3の起動時、停止時及び緊急停止時に、燃料配管4内及び燃料供給装置2内に残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージする不活性ガスである。
燃料配管4からは、エンジン3の起動時、停止時又は緊急停止時に、気液分離器4a及び開閉弁5を経て、残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスが除害装置6に導入される。
また、燃料供給装置2からも、エンジン3の起動時、停止時又は緊急停止時及びメンテナンス時などに、開閉弁2aを経て、残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスが除害装置6に導入される。なお、燃料供給装置2内には、ポンプなどとともに、残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスの排出口に気液分離器が設けられている。
なお、燃料配管4及び燃料供給装置2から除害装置6に導入されるガスは、アンモニアガス及びパージガスである例えば窒素などとの混合気体である。本実施形態における処理は、混合気体中のアンモニア成分に対して行うことになる。
アンモニアガスが除害装置6に導入されるとき、燃料供給装置2の液化アンモニアタンク1側と燃料配管4のエンジン3側との間の区間は、開閉弁によって閉鎖される。また、貨物用アンモニアタンクからも、アンモニアガス(ボイルオフガス)が除害装置6に導入される。
除害装置6は、水封タンク12、スクラバ槽13及び循環ポンプ14を有して構成されている。除害装置6に導入されたアンモニアガス及び窒素との混合気体は、水封タンク12の下部に導入される。
水封タンク12は、清水が貯水され、下部よりアンモニアガス及び窒素との混合気体が導入される。ここで、清水とは、不純物及び添加剤を極力含まない、例えば、蒸留水、イオン交換水、濾過水などである。また、水封タンク12の下部とは、水封タンク12内の清水の水面下をいい、好ましくは、水封タンク12内の清水とアンモニアガスとの接触時間を長くすることを考慮し水封タンク12の底面である。
水封タンク12に貯水された清水には、混合気体のアンモニア成分が溶解し、アンモニア水が生成される。水封タンク12には、液面計12aが設けられている。水封タンク12の上部からは、清水に溶解しなかったアンモニアガス及びアンモニア水から揮発したアンモニアガスと、窒素との混合気体が排出される。水封タンク12の上部とは、水封タンク12内のアンモニア水の水面より上であればいずれでもよい。
水封タンク12の下部には、加圧弁11aを経て、窒素ガス供給装置11から、窒素ガスを供給することもできる。水封タンク12では、窒素ガスが一定量バブリングされることにより、冬場の凍結防止及び希釈効果が奏される。
なお、凍結防止のためには、窒素ガスに代えその他の不活性ガスや空気を用いることができる。
希釈効果とは、清水に溶解しなかったアンモニアガス及びアンモニア水から揮発したアンモニアガスの、水封タンク12の気相における濃度を、目的の濃度(例えば、25mg/Nm)にするものである。パージの開始時には100%の液化アンモニアが流れ、また、水封タンク12における清水と混合気体との接触率は100%ではないので、水封タンク12の気相容積が少ない場合には、未回収のアンモニア成分が気相容積を占めてしまい、気相濃度が100%になる可能性があるため、窒素ガスを入れて希釈する。
スクラバ槽13は、水封タンク12の上部より排出された混合気体が下部に導入される。スクラバ槽13では、上部より下方に向けて清水が噴霧され、噴霧された清水に混合気体のアンモニア成分が溶解されてアンモニア水が生成される。スクラバ槽13内の清水とアンモニアガスとの接触時間を長くすることを考慮し、スクラバ槽13の下部とはスクラバ槽13の底面が好ましく、スクラバ槽13の上部とはスクラバ槽13の天面が好ましい。
スクラバ槽13では、パージのための窒素ガスは、上部より大気中に放出される。
窒素ガスは、窒素ガス供給装置11により、スクラバ槽13の上部より放出される程度の吐出圧により供給される。これにより、清水に溶解されなかったアンモニアガス及びアンモニア水から揮発したアンモニアガスは、スクラバ槽13において清水との接触効率を高めることができる。
循環ポンプ14は、スクラバ槽13の下部のアンモニア水を、スクラバ槽13の外部の濃度計13a、熱交換器13b及び循環開閉弁13cを経て、スクラバ槽13の上部に戻す。熱交換器13bは、海水又は冷媒が供給され、循環ポンプ14によりスクラバ槽13の上部に戻されるアンモニア水を冷却する。冷媒は、清水又は海水で冷却したものを用いることができる。
スクラバ槽13の上部に戻されたアンモニア水は、再び下方に向けて噴霧される。このアンモニア水は、スクラバ槽13にアンモニアガスが供給されている場合には、熱交換器13bにより冷却されていることで反応熱の影響を抑えることができる。また、アンモニア水の温度を下げることでアンモニア成分の溶解量を増やすことができる。これにより、含有するアンモニア成分あたりの体積を少なくすることができ、保管スペースを少なくすることができる。
濃度計13aは、pH計、密度計や、導電率計等に代えてもよい。スクラバ槽13の上部に戻されるアンモニア水の経路には、図示しない流量計を設けてもよい。
この除害装置6においては、水封タンク12から揮発したアンモニアガスをスクラバ槽13によって回収するので、アンモニアガスを安全に処理することができる。
アンモニア水からは、多くのアンモニアガスが揮発し、この揮発アンモニアガスの処理も問題となるが、水封タンク12、スクラバ槽13及び循環ポンプ14を有する除害装置6により、アンモニアガスを安全に処理することができる。
除害装置6において水封タンク12及びスクラバ槽13に供給される清水は、例えば、船内の造水器によって生成され、清水タンク22に貯蔵してもよいし、あらかじめ清水をタンクに貯蔵しておいてもよい。清水タンク22からは、給水ポンプ22aにより、貯蔵している清水が除害装置6に導入される。
本実施形態では、除害装置6に導入された清水は、二分岐され、水封タンク給水弁12bを経て水封タンク12に供給され、スクラバ槽給水弁13dを経てスクラバ槽13の上部に供給される。スクラバ槽13の上部への供給管は、スクラバ槽13の下部からの循環開閉弁13cを経た戻り管に合流している。
水封タンク12の下部からの排水(アンモニア水)は、排水ポンプ12eによって、水封タンク排水弁12c及び濃度計12dを経て、処理水保管タンク7に送られ、処理水保管タンク7によって一次保管される。濃度計12dは、pH計、密度計や、導電率計等に代えてもよい。
スクラバ槽13の下部からの排水は、循環ポンプ14により、濃度計13a及び熱交換器13bを経て、スクラバ槽排水弁13eを経て、処理水保管タンク7に送られ、処理水保管タンク7によって一次保管される。
本実施形態では、処理水保管タンク7は、密閉加圧式のアンモニア水保管タンクとして、収容したアンモニア水からアンモニアガスが揮発しないようにしている。
処理水保管タンク7に一次保管されたアンモニア水は、船上で安全に保管され、又は、船内処理され、あるいは、陸揚げされる。
アンモニア水は、濃度が高い場合には、含有するアンモニア成分あたりの体積が少なくなるので、処理水保管タンク7の容積を小さくでき、保管スペースを少なくすることができる。
船内処理としては、選択式還元触媒(SCR)ユニット17で使用することが挙げられる。
陸揚げされた場合には、廃棄処分の他、肥料である硫安などの原料とすることが挙げられる。
選択式還元触媒ユニット17でアンモニア水を用いる場合には、処理水保管タンク7に保管されたアンモニア水は、輸送部18を経て、輸送ポンプ18aにより、エンジン3の排気ダクトに接続された選択式還元触媒ユニット17に供給される。選択式還元触媒ユニット17では、アンモニア成分が、エンジン排ガス中のNOと反応して、選択接触還元法(SCR:Selective Catalytic Reduction)による脱硝処理を行う。脱硝処理された排ガスは、大気中に排気される。
なお、船上の発電機の故障などによる電源喪失(停電)時には、給水ポンプ22aや循環ポンプ14等のポンプ及び濃度計12d、13a等の計器が使用できなくなり、アンモニアガスの処理ができない問題がある。
そこで、電源喪失時への対応として、図示しない無停電電源装置(バッテリー)を備えることが好ましい。無停電電源装置は、電源喪失時に、給水ポンプ22aや循環ポンプ14等のポンプ及び濃度計12d、13a等の計器に給電し、これらポンプ及び計器を動作可能にする。
電源喪失時にスクラバ槽13から処理水保管タンク7に排水するには、無停電電源装置によって循環ポンプ14を起動し、循環開閉弁13cを閉じ、スクラバ槽排水弁13eを開ける。
除害装置6は、水封タンク12及びスクラバ槽13の二段階に分かれているので、水封タンクのみや、スクラバ槽のみでのアンモニアガスの処理に比べて、電源喪失時の給水ポンプ22a及び循環ポンプ14への供水量及び循環量が下がり、無停電電源装置の容量を縮小することができる。
なお、スクラバ槽13の下部には、循環ポンプ14、濃度計13a及び熱交換器13bを経ずに、非常排水弁13fを経て、重力により処理水保管タンク7に排水される経路も設けられている。非常排水弁13fを経る経路でアンモニア水を処理水保管タンク7に排水する場合には、処理水保管タンク7に図示しない圧力逃し弁を設け、この圧力逃し弁からの出口を水封タンク12の下部に繋ぐとよい。圧力逃し弁からベントされるアンモニアガスを、大気中に放出しないようにするためである。
〔操作手順〕
処理水保管タンク7に保管されるアンモニア水は、処理水保管タンク7の容積を小さくし、保管スペースを少なくするために、なるべく高濃度にしたいので、以下のようにして、アンモニア水の濃度を高くすることができる。
(装置の立ち上げ)
水封タンク給水弁12b及びスクラバ槽給水弁13dを開け、給水ポンプ22aを動作させて、水封タンク12及びスクラバ槽13に、清水タンク22から給水して、一定量の清水を張り込んでおく。水封タンク12における水量は、液面計12aによって検知する。
(操作の流れ)
エンジン3の起動時、停止時及び緊急停止時に、パージガス供給弁10、開閉弁5及び開閉弁2aを開いて、燃料配管4及び燃料供給装置2から、アンモニアガス及び窒素ガスの混合気体を排出させ、除害装置6に送る。燃料配管4から排出されるアンモニアは、気液分離器4aで減圧されることにより、気体のみが除害装置6に流れる。燃料供給装置2から排出されるアンモニアは、燃料供給装置2内の気液分離器へ入る手前で減圧され、気液分離器を経ることにより、気体のみが除害装置6に流れる。
アンモニアガス及び窒素ガスの混合気体は、水封タンク12の下部に導入され、アンモニアガスが水封タンク12内の清水に溶解する。水封タンク12内の清水に溶解しなかったアンモニアガス、揮発アンモニアガス及び窒素ガスは、水封タンク12の上部からスクラバ槽13の下部に導入される。
スクラバ槽13では、上部から清水を噴霧してアンモニアガスに接触させ、アンモニアガスを清水に溶解させる。スクラバ槽13では、アンモニアガスと清水が対向流で接触されることにより、アンモニアガスが清水に良好に溶解する。
循環開閉弁13cを開け、循環ポンプ14を動作させ、スクラバ槽13の下部から上部へアンモニア水を循環させ、濃度計13aにより、アンモニア水の濃度を検知する。
アンモニア水の濃度が所望の濃度になったならば、循環開閉弁13cを閉じ、スクラバ槽排水弁13eを開けて、アンモニア水を処理水保管タンク7へ排出させる。スクラバ槽13からのアンモニア水の排出流量を、流量計により検知する。排出した液量分の清水を、スクラバ槽給水弁13dを開けて、給水ポンプ22aを動作させて、清水タンク22よりスクラバ槽13に追加供給する。アンモニア水の所望の濃度は、例えば、5~15wt%の範囲である。この濃度は、選択式還元触媒(SCR)ユニット17で使用することにも適している。
除害装置6への混合気体の供給を停止すべき所定の条件が満たされるまで、パージガス供給弁10を開け、燃料配管4への窒素ガスの供給を継続し、アンモニアガスと窒素ガスとの混合気体の除害装置6の水封タンク12への供給を継続する。
除害装置6への混合気体の供給を停止すべき所定の条件は、例えば、所定の時間が経過したことや、パージ系内(燃料供給装置2内、燃料配管4内、除害装置6への排出ライン内及びエンジン3内)の流量又は圧力が閾値になったことなどである。パージ系内の流量又は圧力は、フロートセンサ又は圧力計によって検知する。
除害装置6への混合気体の供給の停止は、パージガス供給弁10、開閉弁5及び開閉弁2aを閉じて、水封タンク12への混合気体の供給を停止させ、循環開閉弁13cを閉じて、スクラバ槽13の下部のアンモニア水のスクラバ槽13の上部への循環を停止させることによって行う。
水封タンク12への混合気体の供給が停止された後に、水封タンク排水弁12cを開けて、排水ポンプ12eにより、水封タンク12内のアンモニア水を処理水保管タンク7に排水する。水封タンク12から排水されるアンモニア水は、濃度計12dにより、所望の濃度に達していることが確認される。
また、水封タンク12への混合気体の供給が停止された後に、スクラバ槽排水弁13eを開けて、循環ポンプ14により、スクラバ槽13内のアンモニア水を処理水保管タンク7に排水する。スクラバ槽13から排水されるアンモニア水は、スクラバ槽13の下部から上部への循環の過程で、濃度計13aにより、所望の濃度に達していることが確認されている。
水封タンク12及びスクラバ槽13からのアンモニア水の排水が完了したならば、循環ポンプ14を停止させ、水封タンク排水弁12c及びスクラバ槽排水弁13eを閉じる。
次に、水封タンク給水弁12b及びスクラバ槽給水弁13dを開けて、給水ポンプ22aを動作させて、清水タンク22より、水封タンク12及びスクラバ槽13に所定量の清水を供給し、装置の立ち上げ状態に戻る。
処理水保管タンク7に保管したアンモニア水は、所望の濃度に達しているので、輸送ポンプ18aにより、輸送部18を経て、選択式還元触媒ユニット17に供給し、脱硝処理に用いるのに適している。
(水封タンク12を連続処理とする場合)
なお、上述した操作の流れは、水封タンク12への注水後、注水も排水もせずに混合気体を供給し、その後、混合気体の供給を停止してから排水するという、いわゆるバッチ処理について説明したが、これに限定されず、連続処理を行ってもよい。
すなわち、水封タンク12は、所望の濃度に達したアンモニア水を排水しながら、液面計12aによって排水された液量を検知し、排水された液量分の清水を供給し、液面の位置がほぼ一定に維持されるようにしてもよい。この場合には、水封タンク12におけるアンモニアガスの溶解は、連続処理となる。
〔第1の実施形態の改良形態(1)〕
図2は、本発明の第1の実施形態の改良形態(1)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図である。本改良形態は、第1の実施形態と異なり、処理水保管タンク7で揮発するアンモニアガスをスクラバ槽13に戻すようにしたものである。
本改良形態では、処理水保管タンク7は低圧タンクであり、収容したアンモニア水からはアンモニアガスが揮発しやすい。処理水保管タンク7において揮発するアンモニアガスは、除害装置6に戻され、水封タンク12の上部からの混合気体に合流して、スクラバ槽13の下部に戻される。
アンモニア水からは、多くのアンモニアガスが揮発するが、本改良形態では、処理水保管タンク7において揮発するアンモニアガスが、スクラバ槽13の下部に戻されるので、スクラバ槽13内のアンモニア水の濃度を維持しつつ、アンモニアガスを安全に処理することができる。
本改良形態では、水封タンク12からの排水は、重力によって処理水保管タンク7に送ることができるので、排水ポンプ12eを設けなくともよく、装置構成の小型化及び省電力化が可能である。
また、電源喪失時には、スクラバ槽13からは、非常排水弁13fを開けることにより、循環ポンプ14、濃度計13a及び熱交換器13bを経ずに、重力によって処理水保管タンク7に排水することができる。
〔第1の実施形態の改良形態(2)〕
図3は、本発明の第1の実施形態の改良形態(2)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図である。本改良形態は、第1の実施形態と異なり、電源喪失時への対応として、除害装置6に加圧バッファタンク16を設けたものである。よって、本改良形態では、無停電電源装置を設けなくともよい。
本改良形態では、除害装置6に導入された清水は、三分岐され、水封タンク給水弁12bを経て水封タンク12に供給され、スクラバ槽給水弁13dを経てスクラバ槽13の上部に供給され、入口開閉弁16aを経て加圧バッファタンク16に供給される。スクラバ槽13の上部への供給管は、スクラバ槽13の下部からの循環開閉弁13cを経た戻り管に合流している。
加圧バッファタンク16は、密閉加圧式のタンクであり、窒素ガス供給装置11から加圧弁11aを経た窒素ガスが二分岐されて、窒素ガスが供給されて内部が加圧される。なお、加圧バッファタンク16の運用方法としては、初期に清水を入れ、そのあとに窒素ガス、不活性ガス又は空気で加圧する方法と、清水を昇圧する方法とがある。
加圧バッファタンク16は、入口開閉弁16aを経た入口と、出口開閉弁16bを経る出口とを有している。加圧バッファタンク16の出口からの流出水は、出口開閉弁16bを経て、スクラバ槽給水弁13dを経たスクラバ槽13の上部への供給管に合流している。
本改良形態のアンモニアガスの処理装置においては、処理操作の開始時には、加圧バッファタンク16には、入口開閉弁16aを開けて、清水タンク22から一定量の清水を溜めた後、入口開閉弁16aを閉じておく。加圧バッファタンク16内は、加圧弁11aを開けて、窒素ガス供給装置11からの窒素ガスによって一定圧力を加えた状態にしておく。
電源喪失時には、給水ポンプ22aが動作しないので、水封タンク12及びスクラバ槽13への給水は、水封タンク給水弁12b及びスクラバ槽給水弁13dを開け、出口開閉弁16bを開けて、加圧バッファタンク16内の圧力により、加圧バッファタンク16内の清水を、所定量給水する。加圧バッファタンク16は、スクラバ槽13において清水を噴霧できる程度の圧力を保持している。
また、スクラバ槽13からの排水は、循環ポンプ14が動作せずとも、非常排水弁13fを開け、加圧バッファタンク16内の圧力により排水することができる。
〔第1の実施形態の改良形態(3)〕
図4は、本発明の第1の実施形態の改良形態(3)のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図である。本改良形態は、第1の実施形態と異なり、処理水保管タンク7で揮発するアンモニアガスをスクラバ槽13に戻すこととし、また、電源喪失時への対応として、除害装置6に加圧バッファタンク16を設けたものである。よって、本改良形態では、無停電電源装置を設けなくともよい。
本改良形態では、処理水保管タンク7は低圧タンクであり、収容したアンモニア水からはアンモニアガスが揮発しやすい。処理水保管タンク7において揮発するアンモニアガスは、除害装置6に戻され、水封タンク12の上部からの混合気体に合流して、スクラバ槽13の下部に戻される。
アンモニア水からは、多くのアンモニアガスが揮発するが、本改良形態では、処理水保管タンク7において揮発するアンモニアガスが、スクラバ槽13の下部に戻されるので、スクラバ槽13内のアンモニア水の濃度を維持しつつ、アンモニアガスを安全に処理することができる。
本改良形態では、水封タンク12からの排水は、重力によって処理水保管タンク7に送ることができるので、排水ポンプ12eを設けなくともよく、装置構成の小型化及び省電力化が可能である。
本改良形態では、電源喪失時の対応は、第1の実施形態の改良形態(2)(図3)と同様である。
〔第2の実施形態〕
図5は、本発明の第2の実施形態のアンモニアガスの処理装置の構成を示すブロック図である。図1~図4と同一の符号は同一の構成であり、特に説明がない限り、図1~図4における説明を援用し、ここではその説明を省略する。
本実施形態では、図5に示すように、除害装置6で生成されたアンモニア水は、処理水保管タンクではなく、中和処理装置23に供給される。
本実施形態では、水封タンク12から中和処理装置23への送液は、オーバーフロー、重力による送液又は排水ポンプ12eを用いた送液の何れであってもよい。
中和処理装置23では、アンモニア水が、酸性中和剤タンク8から供給される酸性中和剤によって中和される。中和されたこと(pH8以下)は、中和処理装置23に設けられたpH計又はイオンメータによって確認することができる。アンモニア水が酸性中和剤によって中和された中和水は、中和水保管タンク15に送られて保管される。中和処理装置23から中和水保管タンク15への送液は、オーバーフロー、重力による送液又はポンプを用いた送液の何れであってもよい。
なお、中和処理装置23に送られるアンモニア水の好ましい濃度は、酸性中和剤による中和が可能な濃度であればよい。
中和水保管タンク15に保管された中和水からはアンモニアガスが揮発しないので、アンモニアガスをスクラバ槽13の戻すラインを必ずしも設けなくてもよい。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態の改良形態(2)(3)のように、停電時の対応として、除害装置6に加圧バッファタンク16を設けるようにしてもよい。
本実施形態においては、酸性中和剤タンク8に備蓄される酸性中和剤は、アンモニア水を中和できる酸性の物質であれば何れでもよく、例えば、二酸化炭素や、クエン酸などの有機酸が好ましく、または、その他の酸性物質の何れでもよい。また、酸性中和剤の性状は、ドライアイスやクエン酸などの有機酸結晶のような固体、液化二酸化炭素、希硫酸、希硝酸、王水などのような液体、二酸化炭素ガスなどのような気体の何れでもよい。液体又は気体の酸性中和剤を用いる場合には、酸性中和剤タンク8としては、フルレフ式(大気圧式)やセミレフ式(半加圧式)などの密閉加圧式の保管タンクを用いる。
取扱いが容易で安全であり、また、中和水を選択式還元触媒ユニット17で用いた場合の析出物がない点で、二酸化炭素や、クエン酸などの有機酸が好ましい。
液体の酸性中和剤を用いる場合には、酸性中和剤タンク8内には、図5に示すように、吸出しポンプを設け、この吸出しポンプにより、備蓄している酸性中和剤を中和処理装置23への配管に送り出す。中和処理装置23への配管には、図示しない流量計が設けられており、この流量計の計量結果に応じて流量調節弁9を調整することにより、中和処理装置23への酸性中和剤の供給量が制御される。
なお、酸性中和剤の吸出しポンプは、除害装置6からアンモニア水を送り出すポンプと兼用としてもよい。
気体の酸性中和剤を用いる場合には、酸性中和剤タンク8からは、図示しないブロワなどのガス送風機によって送り出す。中和処理装置23への配管に設けた流量計の計量結果に応じて流量調節弁9を調整することにより、中和処理装置23への酸性中和剤の供給量が制御される。
固体の酸性中和剤を用いる場合には、酸性中和剤タンク8からは、図示しないスクリューコンベアなどの移送機器によって送り出す。この場合には流量調節弁9を設けず、移送経路に設けられた重量計の計量結果に応じて移送機器の移送速度を調整することにより、中和処理装置23への酸性中和剤の供給量を制御する。
中和処理装置23において、アンモニア水に、常温で気体である液体又は固体の酸性中和剤を投入すれば、酸性中和剤の気化熱が吸熱され、アンモニアとの中和反応熱を抑制することができる。
酸性中和剤タンク8に代えて、酸性中和剤を清水に溶解させた水溶液を中和液として備蓄する図示しない中和液タンクを設けてもよい。中和液は、中和液タンクから液ポンプによって送り出される。この場合にも、中和処理装置23への配管に設けられた流量計の計量結果に応じて流量調節弁9を調整することにより、中和液の供給量が制御される。
中和水保管タンク15に保管された中和水は、排出規制のない海域であれば、船外に排出することができる。また、選択式還元触媒ユニット17に送ってアンモニアガスを発生させることによって、該アンモニアガスを還元剤として利用してもよい。選択式還元触媒ユニット17で用いた場合の析出物がない点で、中和剤としては、二酸化炭素や、クエン酸などの有機酸が好ましい。
なお、中和水保管タンク15には、中和水保管タンク15に収容された中和水の一部を中和水保管タンク15から循環ポンプにより送り出し、この中和水を中和処理装置23に戻す戻り配管を設けてもよい。この戻り配管により、中和が十分になされずアンモニア成分を含む中和水が中和水保管タンク15に送られてしまった場合に、この中和水を中和処理装置23に戻し、さらに中和を行うことができる。また、戻り配管により、中和水保管タンク15に送られた中和水のpH値が7より低く(酸性に)なってしまっている場合には、この中和水を中和処理装置23に戻し、中和前のpH値の高い(塩基性の)液体に混ぜて中和することができる。
中和水保管タンク15に保管された中和水を選択式還元触媒ユニット17に送る場合には、輸送部18を経て、輸送ポンプ18aにより、エンジン3の排気ダクトに接続された選択式還元触媒ユニット17に送る。選択式還元触媒ユニット17では、中和水から発生するアンモニアガスが、エンジン排ガス中のNOと反応して、脱硝処理を行う。脱硝処理された排ガスは、大気中に排気される。中和水を用いて選択式還元触媒ユニット17において脱硝処理を行う場合には、中和水は、十分な量のアンモニアガスを発生させるため、所望の濃度以上の塩濃度とすることが好ましい。
このように、中和水からアンモニアガスを発生させ、選択式還元触媒ユニット17において利用することにより、中和水を減容化することができる。また、中和水を陸揚げする操作が不要となり、海上への放流も不要となる。
以上、各実施形態にて説明したように、本発明は、貨物又はエンジン燃料として液化アンモニアを搭載する船舶において、発生するアンモニアガスを安全に処理しつつ、所望の濃度とし、保管タンクを小型にして、保管スペースを少なくすることができるアンモニアガスの処理装置及び処理方法を提供するものである。
1 液化アンモニアタンク
1a 吸出しポンプ
2 燃料供給装置
2a 開閉弁
3 エンジン
4 燃料配管
4a 気液分離器
5 開閉弁
6 除害装置
7 処理水保管タンク
8 酸性中和剤タンク
9 流量調節弁
10 パージガス供給弁
11 窒素ガス供給装置
11a 加圧弁
12 水封タンク
12a 液面計
12b 水封タンク給水弁
12c 水封タンク排水弁
12d 濃度計
12e 排水ポンプ
13 スクラバ槽
13a 濃度計
13b 熱交換器
13c 循環開閉弁
13d スクラバ槽給水弁
13e スクラバ槽排水弁
13f 非常排水弁
14 循環ポンプ
15 中和水保管タンク
16 加圧バッファタンク
16a 入口開閉弁
16b 出口開閉弁
17 選択式還元触媒ユニット
18 輸送部
22 清水タンク
23 中和処理装置

Claims (16)

  1. 貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
    前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
    前記除害装置は、
    清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
    前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
    前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
    前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
    を有し、
    前記除害装置からアンモニア水が送られる中和処理装置を備え、
    前記中和処理装置は、前記アンモニア水を酸性中和剤により中和処理して中和水とし、
    前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
    前記選択式還元触媒ユニットは、前記中和処理装置で生成された中和水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
  2. 前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を備え、
    前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
    ことを特徴とする請求項記載のアンモニアガスの処理装置。
  3. 貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理装置であって、
    前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを清水に溶解させてアンモニア水とする除害装置を備え、
    前記除害装置は、
    清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
    前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
    前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
    前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
    を有し、
    前記清水は、前記清水を貯蔵する清水タンクから加圧バッファタンクに送られて貯蔵され、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給され、
    前記加圧バッファタンクは、前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、加圧される
    ことを特徴とするアンモニアガスの処理装置。
  4. 前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
    前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスが、前記スクラバ槽の下部に導入される
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のアンモニアガスの処理装置。
  5. 前記除害装置で生成されたアンモニア水が送られ、このアンモニア水を保管する処理水保管タンクを備え、
    前記処理水保管タンクは、加圧式のアンモニア水保管タンクである
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のアンモニアガスの処理装置。
  6. 前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
    前記選択式還元触媒ユニットは、前記除害装置で生成されたアンモニア水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のアンモニアガスの処理装置。
  7. 前記除害装置からアンモニア水が送られる中和処理装置を備え、
    前記中和処理装置は、前記アンモニア水を酸性中和剤により中和処理して中和水とする
    ことを特徴とする請求項記載のアンモニアガスの処理装置。
  8. 前記船舶の機関の排ガスが導入される選択式還元触媒ユニットを備え、
    前記選択式還元触媒ユニットは、前記中和処理装置で生成された中和水が供給され、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とする請求項記載のアンモニアガスの処理装置。
  9. 貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
    前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを除害装置に送り、
    前記除害装置は、
    清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
    前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
    前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
    前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
    を有し、
    前記除害装置において、前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスを清水に溶解させる工程を有し、
    中和処理装置を設け、
    前記中和処理装置に、前記除害装置により生成したアンモニア水と、酸性中和剤とを供給し、前記アンモニア水を中和処理して中和水とし、
    選択式還元触媒ユニットを設け、
    前記選択式還元触媒ユニットに、前記船舶の機関の排ガスと、前記中和処理装置により生成した中和水とを供給し、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とするアンモニアガスの処理方法。
  10. 前記循環ポンプを駆動させる無停電電源を設け、
    前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記無停電電源によって、前記循環ポンプを駆動可能とする
    ことを特徴とする請求項記載のアンモニアガスの処理方法。
  11. 貨物又は船舶の機関の燃料として液化アンモニアを搭載する船舶におけるアンモニアガスの処理方法であって、
    前記貨物から揮発し又は前記機関の燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスを除害装置に送り、
    前記除害装置は、
    清水が貯水され、下部より前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスが導入され、このアンモニアガスを貯水した清水に溶解させてアンモニア水とする水封タンクと、
    前記水封タンクの上部より排出されたアンモニアガスが下部に導入され、上部に清水が供給され、該アンモニアガスを該清水に溶解させてアンモニア水とするスクラバ槽と、
    前記スクラバ槽内のアンモニア水を、該スクラバ槽の上部に送る循環ポンプと、
    前記循環ポンプにより前記スクラバ槽の上部に送られるアンモニア水を冷却する熱交換器と
    を有し、
    前記除害装置において、前記液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又は前記アンモニアガスを清水に溶解させる工程を有し、
    加圧バッファタンクを設け、
    前記清水は、前記加圧バッファタンクに送って貯蔵させ、前記循環ポンプを駆動させる電源の喪失時には、前記加圧バッファタンク内の圧力によって、前記スクラバ槽の上部に供給させ、
    前記燃料の供給ラインに残留した液化アンモニアが気化したアンモニアガス及び/又はアンモニアガスをパージして前記除害装置に送る不活性ガスの圧力源によって、前記加圧バッファタンク内を加圧する
    ことを特徴とするアンモニアガスの処理方法。
  12. 処理水保管タンクを設け、
    前記除害装置により生成したアンモニア水を前記処理水保管タンクに送って保管し、
    前記処理水保管タンクから揮発したアンモニアガスを、前記スクラバ槽の下部に導入する
    ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のアンモニアガスの処理方法。
  13. 加圧式のアンモニア水保管タンクである処理水保管タンクを設け、
    前記除害装置により生成したアンモニア水を前記処理水保管タンクに送って保管する
    ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のアンモニアガスの処理方法。
  14. 選択式還元触媒ユニットを設け、
    前記選択式還元触媒ユニットに、前記船舶の機関の排ガスと、前記除害装置により生成したアンモニア水とを供給し、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とする請求項9、10又は11記載のアンモニアガスの処理方法。
  15. 中和処理装置を設け、
    前記中和処理装置に、前記除害装置により生成したアンモニア水と、酸性中和剤とを供給し、前記アンモニア水を中和処理して中和水とする
    ことを特徴とする請求項11記載のアンモニアガスの処理方法。
  16. 選択式還元触媒ユニットを設け、
    前記選択式還元触媒ユニットに、前記船舶の機関の排ガスと、前記中和処理装置により生成した中和水とを供給し、前記排ガスの脱硝処理を行う
    ことを特徴とする請求項15記載のアンモニアガスの処理方法。
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