JP2023123048A - 潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとすることができるとともに高い粘度指数を有するものとすることができ、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能な潤滑油組成物を提供すること。【解決手段】 基油(A):特定の鉱油系基油、基油(B):特定のワックス異性化基油、および、基油(C):特定の二塩基酸エステル基油を含む潤滑油基油を含有してなり、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上であり、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%であり、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%であり、かつ、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm2/s以上であることを特徴とする潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物に関する。
潤滑油組成物は様々な分野で用いられており、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関や、歯車(ギヤ)装置等の用途に応用されてきた。そして、これらの用途に応じた性能を発揮するために、従来より、様々な種類の潤滑油組成物の研究が進められてきた。
例えば、特開2017-171768号公報(特許文献1)においては、(A)基油、(B)数平均分子量が1,000以上12,000以下のオレフィン重合体、および(C)特定の構造単位を有する硫黄化合物を含み、全硫黄原子の組成物全量基準の含有量が1.2質量%以上2.5質量%以下である潤滑油組成物が開示されている。
また、特表2009-533497号公報(特許文献2)においてはギヤ潤滑油に関する技術が開示され、その実施例7において、特定の2種のワックスの混合物を水素化、異性化、脱蝋することにより調製した100℃での粘度が7.597cStの基油39.9質量%と、ブライトストック(Citgo 150 Bright Stock)52.05質量%とを含む、75W-90等級の潤滑油組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1~2に記載のような従来の潤滑油組成物は、高い極圧性能と、高い粘度指数と、優れた低温流動性とを有するものとし、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させるといった点では十分なものではなかった。
なお、2005年以前のSAE J306 Standard(automotive gear oils)粘度規格では、せん断後の動粘度(最低粘度)の規定がなされていないため、75W-90等級以上の潤滑油組成物(例えば、ギヤ油組成物)を製造する場合には、基油粘度を低く設定して75Wの低温粘度の規格(BF粘度-40℃:15万mPa・s以下)を満足させていた。しかしながら、基油粘度を低く設定して75Wの低温粘度の規格を満した場合、基油粘度を低粘度に設定することに起因してギヤ疲労耐久性の大幅な低下が懸念されるものとなるため、基油粘度を低く設定して75Wの低温粘度の規格を満していた従来の75W-90等級以上の潤滑油組成物(例えば、ギヤ油組成物)は、現状において、省燃費化を目的とした大型貨物や乗合自動車に対しては適用されていない。また、基油に全て合成油(PAO等)を用いたギヤ油も市場には存在するが、コストおよび耐久信頼性の観点から、これも普及はしていない。
特開2017-171768号公報 特表2009-533497号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとすることができるとともに高い粘度指数を有するものとすることができ、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能な潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、潤滑油組成物を、下記基油(A)~(C)を含む潤滑油基油(基油組成物:混合基油)を含有してなるものとするとともに、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量を45質量%以上とし、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量を10~40質量%とし、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量を15~40質量%とし、更に、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm/s以上となるようにすることにより、得られる潤滑油組成物が耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとなるとともに、高い粘度指数を有するものとなり、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の潤滑油組成物は、下記基油(A)~(C):
(A)100℃における動粘度が10~40mm/sでありかつ硫黄の含有量が0.3~2.0質量%である鉱油系基油;
(B)100℃における動粘度が1.5~3.0mm/sであり、粘度指数が120以上でありかつ流動点が-30℃以下であるワックス異性化基油;
(C)100℃における動粘度が1.5~3.5mm/sであり、粘度指数120以上でありかつ流動点が-50℃以下である二塩基酸エステル基油;
を含む潤滑油基油を含有してなり、
前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上であり、
前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%であり、
前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%であり、かつ、
前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm/s以上であること、
を特徴とするものである。なお、本明細書において、「前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量」、「前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量」および「前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量」という記載中の各基油の「含有量」はいずれも、潤滑油基油(基油組成物)の全質量(潤滑油基油の全量)を基準として求められる各基油の質量比(質量基準の含有比率)を意味する。また、本明細書において、基油(A)~(C)について、各基油中の「硫黄の含有量」は、その基油の全質量を基準として、その基油中に含まれる硫黄(S)の質量比(硫黄原子換算の質量比(単位:質量%))を意味し、その値はASTM D4951に準拠して測定することができる。さらに、本明細書において「100℃における動粘度」は、JIS K 2283-2000に規定される100℃での動粘度を意味する。また、本明細書において「粘度指数」とは、JIS K 2283-2000に準拠して測定された粘度指数を意味する。また、本明細書において「流動点」とは、JIS K 2269-1987に準拠して測定された流動点を意味する。
また、上記本発明の潤滑油組成物においては、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量が0.05質量%以上であり、かつ、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合([前記硫黄の含有量]/[前記リンの含有量])が2.0~8.0であることが好ましい。なお、本明細書において、「潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量」は、潤滑油組成物の全質量(潤滑油組成物の全量)を基準として求められる、潤滑油組成物中に含まれるリン(P)の質量比(リン原子換算の質量比(単位:質量%))を意味し、「潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量」は、潤滑油基油の全質量(潤滑油基油の全量)を基準として求められる、潤滑油基油中に含まれる硫黄(S)の質量比(硫黄原子換算の質量比(単位:質量%))を意味する。なお、このような「リンの含有量」および「硫黄の含有量」は、いずれもASTM D4951に準拠して測定できる。また、「潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量」は、前記潤滑油基油中に含有させる各基油に対してASTM D4951に準拠した測定を行い、含有させる各基油中の硫黄量および各基油の含有量等から計算して求めてもよい。
また、上記本発明の潤滑油組成物においては、JPI-5S-29-88に準拠して、周波数:10kHz、振動子の振れ幅:28μm、および、照射時間:10時間の条件で超音波を照射するせん断安定度試験を行い、前記超音波の照射前後の前記潤滑油組成物の100℃における動粘度を測定して比較した場合に、前記超音波照射による前記潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率が10%以下であることが好ましい。さらに、上記本発明の潤滑油組成物においては、前記潤滑油組成物の-40℃におけるブルックフィールド粘度が15万mPa・s以下であることが好ましい。また、上記本発明の潤滑油組成物においては、前記潤滑油組成物がギヤ油組成物であることが好ましい。なお、このような本発明の潤滑油組成物は、2019年に改訂されたSAE J306 Standardの粘度グレード75W-90に適合したものとすることもできる。
本発明によれば、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとすることができるとともに高い粘度指数を有するものとすることができ、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能な潤滑油組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断らない限り、数値XおよびYについて「X~Y」という表記は「X以上Y以下」を意味するものとする。また、かかる表記において数値Yのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Xにも適用されるものとする。
本発明の潤滑油組成物は、前記基油(A)~(C)を含む潤滑油基油(基油組成物)を含有してなり、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上であり、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%であり、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%であり、かつ、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm/s以上であることを特徴とするものである。
〈基油(A)〉
前記潤滑油基油(基油組成物)が含有する基油(A)は、100℃における動粘度が10~40mm/sでありかつ硫黄の含有量が0.3~2.0質量%である鉱油系基油である。このような鉱油系基油を利用することで、潤滑油基油の耐久信頼性(耐焼き付き性および摩耗防止性)を向上させることが可能となる。
このような基油(A)は、100℃における動粘度が10~40mm/sの鉱油系基油である。基油(A)の100℃における動粘度の値を10mm/s以上とすることで、10mm/s未満の場合と比較して、潤滑箇所での油膜形成性能がより高くなり、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能となるとともに、耐焼き付き性を向上させることも可能となり、他方、40mm/s以下とすることで、40mm/sを超えた場合と比較して、粘度温度特性および低温粘度特性がより向上して、低温時の攪拌損失を低減することが可能となる。基油(A)の100℃における動粘度は、油膜形成性能による耐久信頼性向上および、低温流動性による省燃費性能向上の点でより高い効果が得られるといった観点から、15~35mm/s(更に好ましくは25~35mm/s)であることがより好ましい。
また、基油(A)は、硫黄の含有量(硫黄分)が0.3~2.0質量%の鉱油系基油である。硫黄の含有量を0.3質量%以上とすることで、0.3質量%未満の場合と比較して、耐焼き付き性や摩耗防止性が向上し、耐久信頼性を向上させることが可能となる。他方、硫黄の含有量を2.0質量%以下とすることで、2.0質量%を超えた場合と比較して、酸化安定性を向上することが可能となる。また、基油(A)は、硫黄の含有量は、耐久信頼性の向上および、酸化安定性の向上の点でより高い効果が得られることから、0.4~1.6質量%(更に好ましくは0.5~1.5質量%)であることがより好ましい。
また、このような鉱油系基油(基油(A))としては、40℃における動粘度が70~700mm/sのものが好ましく、150~600mm/sのものがより好ましく、250~500mm/sのものが更に好ましい。このような40℃における動粘度が前記下限以上である場合には前記下限未満である場合と比較して、潤滑箇所での油膜形成性をより向上させて潤滑性をより優れたものとすることが可能となるとともに、潤滑油組成物の蒸発損失がより低減され、潤滑油の消費量をより低減させることが可能となる傾向にあり、他方、前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して潤滑油組成物の低温粘度特性と省燃費性能の点でより高い性能(効果)が得られる傾向にある。なお、本明細書において「40℃における動粘度」は、JIS K 2283-2000に規定される40℃での動粘度を意味する。
また、前記鉱油系基油(基油(A))としては、流動点が-5℃以下(より好ましくは-7.5℃以下、更に好ましくは-10℃以下、特に好ましくは-12.5℃以下)であることが好ましい。このような流動点が前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して潤滑油組成物全体の低温流動性を向上させることが可能になり、組成物の低温流動性の向上の点でより高い効果が得られる傾向にある。また、このような流動点の下限は特に制限されるものではないが、粘度指数をより高いものとすることが可能となるといった観点からは、流動点が-17.5℃以上であることがより好ましい。
さらに、前記鉱油系基油(基油(A))としては、粘度指数が80以上(より好ましくは85以上、更に好ましくは90以上、特に好ましくは95以上)であることが好ましい。粘度指数を前記下限以上とすることで、省燃費性能の点でより高い効果が得られる。
さらに、前記鉱油系基油(基油(A))としては、引火点が250℃以上(より好ましくは260℃以上、更に好ましくは280℃以上、特に好ましくは300℃以上)のものが好ましい。また、このような引火点を前記下限以上とすることで前記下限未満の場合と比較して、高温使用時の安全性がより向上する傾向にある。なお、本発明において、基油の「引火点」とは、JIS K 2265-4-2007(クリーブランド開放法)に準拠して測定される引火点を意味する。
前記鉱油系基油(基油(A))としては、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を単独または二つ以上組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油系の基油やノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。このような鉱油系基油(基油(A))としては、以下に記載の(1)~(8)の原料油に対して、フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製工程、溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう工程、および、水素化仕上げなどの水素化精製工程のうちのいずれか1種の工程または2種以上の工程を施すことにより製造される基油を利用することが好ましい。
[原料油(1)~(8)]
(1)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留による留出油;
(2)パラフィン基系原油および/または混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO);
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックスおよび/またはGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス;
(4)上記(1)~(3)の中から選ばれる1種または2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
(5)上記(1)~(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油;
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の脱れき油(DAO);
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
(8)上記(1)~(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油。
前記鉱油系基油(基油(A))としては、API(アメリカ石油協会:American Petroleum Institute)による基油の分類において、グループIの基油を好適に用いることができる(以下、APIによる基油分類のグループを単に「APIグループ」と称する)。なお、APIグループIの基油は、硫黄分が0.03質量%超(>0.03質量%)、飽和分が90質量%未満(<90質量%)、かつ、粘度指数が80以上120未満の鉱油系基油である。また、前記鉱油系基油(基油(A))としては、いわゆるブライトストック(150BS等)を好適に利用することができる。このような基油(A)として利用される鉱油系基油は、1種類の鉱油系基油からなるものであってもよく、あるいは、2種類以上の鉱油系基油の混合物からなるものであってもよい。
〈基油(B)〉
前記潤滑油基油(基油組成物)が含有する基油(B)は、100℃における動粘度が1.5~3.0mm/sであり、粘度指数が120以上でありかつ流動点が-30℃以下であるワックス異性化基油である。このようなワックス異性化基油を利用することで、低温流動性(省燃費性)および、ギヤ・べアリングに於けるピッチング性能(疲労寿命)を向上させることが可能となる。
このような基油(B)は、100℃における動粘度が1.5~3.0mm/sのワックス異性化基油である。基油(B)の100℃における動粘度を1.5mm/s以上とすることで、1.5mm/s未満の場合と比較して、潤滑箇所での油膜形成性能がより高くなり、耐ピッチング性能(疲労寿命)を向上することが可能となる。他方、基油(B)の100℃における動粘度を3.0mm/s以下とすることで、3.0mm/sを超えた場合と比較して基油のトラクション係数がより低くなり、省燃費性能を向上することが可能となる。また、基油(B)の100℃における動粘度は、耐ピッチング性能の向上および、省燃費性能の向上の点でより高い効果が得られることから、1.9~2.9mm/s(更に好ましくは2.0~2.8mm/s)であることがより好ましい。
また、基油(B)は、粘度指数が120以上のワックス異性化基油である。基油(B)の粘度指数を120以上とすることで、120未満の場合と比較して低温時の潤滑効果をより向上させることが可能となるとともに、省燃費性能を向上させることが可能となる。基油(B)の粘度指数は、121以上(更に好ましくは123以上、特に好ましくは125以上)であることがより好ましい。粘度指数を前記下限以上とすることで、省燃費性能の点でより高い効果が得られる傾向にある。
さらに、基油(B)は、流動点が-30℃以下のワックス異性化基油である。基油(B)の流動点が-30℃以下の場合には、-30℃を超えた場合と比較して、低温性能(低温時の流動性や低温時の潤滑性能)に優れたものとなる。基油(B)の流動点は、-31℃以下(更に好ましくは-33℃以下、特に好ましくは-35℃以下)であることがより好ましい。このような流動点が前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して、潤滑油組成物全体の低温流動性を向上させることが可能になり、組成物の低温流動性の向上の点でより高い効果が得られる傾向にある。なお、このような流動点の下限は特に制限されるものではないが、粘度指数をより高い値とするといった観点から、流動点は-45℃以上であることがより好ましい。
また、このようなワックス異性化基油(基油(B))としては、40℃における動粘度が3.0~15.0mm/s(更に好ましくは5.0~10.0mm/s)のものがより好ましい。このような40℃における動粘度が前記下限以上である場合には前記下限未満である場合と比較して油膜形成性がより向上し、潤滑性により優れたものとなるといった点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して低温流動性により優れたものとなり、流体抵抗がより小さくなるため、回転抵抗がより小さくなり、省燃費性が更に向上する傾向にある。
さらに、前記ワックス異性化基油(基油(B))としては、引火点が175℃以上(より好ましくは180℃以上、更に好ましくは185℃以上、特に好ましくは190℃以上)のものが好ましい。また、このような引火点を前記下限以上とすることで前記下限未満の場合と比較して、高温使用時の安全性がより向上する傾向にある。
また、前記ワックス異性化基油(基油(B))としては、酸化安定性の観点から、硫黄の含有量(硫黄分)が30質量ppm以下(より好ましくは20質量ppm以下、更に好ましくは15質量ppm以下、特に好ましくは10質量ppm以下)のものが好ましい。このような硫黄の含有量が前記上限以下である場合には、前記上限を超えた場合と比較して、酸化安定性の向上の点でより高い効果が得られる傾向にある。
前記ワックス異性化基油(基油(B))の%Cは、85以上(より好ましくは85~95、さらに好ましくは87~95、特に好ましくは90~95)であることが好ましい。基油(B)の%Cを前記下限以上とすることにより、粘度-温度特性を高めることが可能になるとともに、省燃費性能をさらに高めることが可能になる。また、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に当該添加剤の効果をより高めることが可能になる。また、基油(B)の%Cが前記上限以下である場合には、添加剤の溶解性をより高めることが可能になる。
前記ワックス異性化基油(基油(B))の%Cは、3以下(より好ましくは2.5~0、さらに好ましくは2~0、特に好ましくは1~0)であることが好ましい。基油(B)の%Cが前記上限以下とすることにより、粘度-温度特性をより高めることが可能になるほか、省燃費性能をさらに高めることも可能になる。また、基油(B)の%Cを前記下限以上とすることにより、粘度指数を高くできることによる省燃費性の向上、および、高引火点とできることによる安全性の向上の点でより高い効果を得ることが可能となる。
前記ワックス異性化基油(基油(B))の%Cは、2~15(より好ましくは3~12、さらに好ましくは4~10、特に好ましくは5~9)であることが好ましい。基油(B)の%Cが前記上限値以下であることにより、粘度-温度特性をより高めることが可能になるとともに、省燃費性能をさらに高めることも可能になる。また、基油(B)の%Cが前記下限値以上である場合には、添加剤の溶解性をより高めることが可能になる。
また、前記ワックス異性化基油(基油(B))は、%CP、%C及び%Cが前記条件を同時に満たすものであることがより好ましい。すなわち、前記ワックス異性化基油(基油(B))は、%Cが85以上であり、%Cが2~15でありかつ%Cが3以下であるという条件を満たすワックス異性化基油であることが特に好ましい。
なお、本明細書において、%C、%Cおよび%Cは、それぞれASTM D 3238-85に準拠した方法(n-d-M環分析)により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率、および芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率を意味する。
前記ワックス異性化基油(基油(B))は、石油系ワックス、GTL(Gas to Liquid)ワックス(例えばフィッシャートロプシュ合成油等)等のワックスを異性化することにより得られる基油である。例えば、潤滑油脱ろう工程により得られるワックスおよび/またはGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス、これらのマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)や脱れき油(EAO)等のワックスを異性化し、当該生成物をそのまま、もしくは、これから潤滑油留分を回収し、次いで、溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、その後、溶剤精製処理するか、または、溶剤精製処理した後、溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行って製造されるもの等を適宜利用できる。なお、ワックスの異性化の方法は特に制限されず、潤滑油の分野において利用される公知の方法を適宜利用できる。
前記ワックス異性化基油(基油(B))としては、APIグループIIIの基油を好適に用いることができる。なお、APIグループIIIの基油は、硫黄分が0.03質量%以下、飽和分が90質量%以上、かつ、粘度指数が120以上の基油である。このような基油(B)として利用されるワックス異性化基油は、1種類のワックス異性化基油からなるものであってもよく、2種類以上のワックス異性化基油の混合物からなるものであってもよい。
〈基油(C)〉
前記潤滑油基油(基油組成物)が含有する基油(C)は、100℃における動粘度が1.5~3.5mm/sであり、粘度指数120以上でありかつ流動点が-50℃以下である二塩基酸エステル基油である。このような二塩基酸エステル基油を利用することで、低温流動性(省燃費性)および、ギヤ・べアリングに於けるピッチング性能(疲労寿命)を向上させることが可能となる。
このような基油(C)は、100℃における動粘度が1.5~3.5mm/sの二塩基酸エステル基油である。基油(C)の100℃における動粘度を1.5mm/s以上とすることで、1.5mm/s未満とした場合と比較して、潤滑箇所での油膜形成性能がより高くなり、耐ピッチング性能(疲労寿命)を向上することが可能となる。他方、基油(C)の100℃における動粘度を3.5mm/s以下とすることで、3.5mm/sを超えた場合と比較して基油のトラクション係数がより低くなり、省燃費性能を向上することが可能となる。基油(C)の100℃における動粘度は、耐ピッチング性能の向上および、省燃費性能の向上の点でより高い効果が得られることから、2.0~3.2mm/s(更に好ましくは2.5~3.0mm/s)であることがより好ましい。
また、基油(C)は、粘度指数が120以上の二塩基酸エステル基油である。基油(C)粘度指数を120以上とすることで、120未満の場合と比較して低温時の潤滑効果をより向上させることが可能となり、省燃費性能を向上させることが可能となる。基油(C)の粘度指数は、125以上(更に好ましくは130以上)であることがより好ましい。粘度指数を前記下限以上とすることで、省燃費性能の点でより高い効果が得られる傾向にある。
さらに、基油(C)は、流動点が-50℃以下の二塩基酸エステル基油である。基油(C)の流動点が-50℃以下の場合には、-50℃を超えた場合と比較して、低温性能(低温時の流動性や低温時の潤滑性能)に優れたものとなる。基油(C)の流動点は、-60℃以下(更に好ましくは-65℃以下、特に好ましくは-70℃以下)であることがより好ましい。このような流動点が前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して、潤滑油組成物全体の低温流動性を向上させることが可能になり、組成物の低温流動性の向上の点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、このような二塩基酸エステル基油(基油(C))としては、40℃における動粘度が3.0~15.0mm/s(更に好ましくは5.0~12.0mm/s)のものがより好ましい。このような40℃における動粘度が前記下限以上である場合には前記下限未満である場合と比較して油膜形成性がより向上し、潤滑性により優れたものとなるといった点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して潤滑油組成物の低温粘度特性と省燃費性能の点でより高い性能(効果)が得られる傾向にある。
さらに、前記二塩基酸エステル基油(基油(C))としては、引火点が180℃以上(より好ましくは190℃以上、更に好ましくは200℃以上、特に好ましくは210℃以上)のものが好ましい。また、このような引火点を前記下限以上とすることで前記下限未満の場合と比較して、高温使用時の安全性がより向上する傾向にある。
このような二塩基酸エステル基油(基油(C))は、二塩基酸と、一価アルコールおよび/または多価アルコールからなるアルコールとのエステルである二塩基酸エステルからなる基油である。このように、二塩基酸エステル基油は、アルコールと、二塩基酸とから合成される化学合成油であり、基本的に、硫黄を含まないものとなる。
このような二塩基酸としては、炭素数2~16(より好ましくは2~12)のものが好ましい。また、このような二塩基酸は、直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。このような二塩基酸としては、例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分枝状のブタン二酸、直鎖状又は分枝状のペンタン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタン二酸、直鎖状又は分枝状のオクタン二酸、直鎖状又は分枝状のノナン二酸、直鎖状又は分枝状のデカン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデカン二酸、直鎖状又は分枝状のドデカン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデカン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプテン二酸、直鎖状又は分枝状のオクテン二酸、直鎖状又は分枝状のノネン二酸、直鎖状又は分枝状のデセン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデセン二酸、直鎖状又は分枝状のドデセン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデセン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン二酸が挙げられる。このような二塩基酸は1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エステルを形成する前記アルコールは、1価アルコールでも、多価アルコール(ポリオール)でもよく、これらの混合物であってもよい。このようにアルコールは1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記1価アルコールとしては、炭素数1~24(より好ましくは1~12、更に好ましくは1~8)のものが好ましい。このような1価アルコールは直鎖のものでも分枝のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。このような1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール、直鎖状又は分枝状のヘプタノール、直鎖状又は分枝状のオクタノール、直鎖状又は分枝状のノナノール、直鎖状又は分枝状のデカノール、直鎖状又は分枝状のウンデカノール、直鎖状又は分枝状のドデカノール、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール、直鎖状又は分枝状のノナデカノール、直鎖状又は分枝状のイコサノール、直鎖状又は分枝状のヘンイコサノール、直鎖状又は分枝状のトリコサノール、直鎖状又は分枝状のテトラコサノールおよびこれらの混合物等が挙げられる。また、前記多価アルコール(ポリオール)としては、2~10価(より好ましくは2~6価、更に好ましくは2~3価)のものが好適に用いられる。
このような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3~15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3~15量体)、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2~8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)およびこれらの2~8量体、ペンタエリスリトールおよびこれらの2~4量体、1,2,4-ブタントリオール、1,3,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,3,4-ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類などが挙げられる。
また、二塩基酸エステルの製造に利用される前記アルコールとしては、中でも、低温流動性と引火点の観点からは、1価アルコールがより好ましい。
前記二塩基酸エステル基油(基油(C))としては、APIグループVの基油を好適に用いることができる。このような基油(C)として利用される二塩基酸エステル基油は、1種類の二塩基酸エステルからなるものであってもよく、2種類以上の二塩基酸エステルの混合物からなるものであってもよい。
〈潤滑油基油〉
本発明の潤滑油組成物が含有する潤滑油基油は、前記基油(A)~(C)を含むものでる。すなわち、前記潤滑油基油は、前記基油(A)~(C)を含む基油組成物(混合基油)である。
このような潤滑油基油は、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上(より好ましくは48質量%以上)のものである必要がある。このように、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量を45質量%以上とすることで、45質量%未満の場合と比較して、特に耐焼き付き性に優れたものとなり、極圧性能をより向上させることが可能となる。前記基油(A)の含有量の上限は特に制限されるものではないが、極圧性能の向上と低温流動性の向上の点でより高い効果が得られるといった観点から、60質量%以下とすることが好ましく、55質量%以下とすることがより好ましい。
前記潤滑油基油は、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%のものである必要がある。前記潤滑油基油中の基油(B)の含有量を10質量%以上とすることで、10質量%未満の場合と比較して、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能となり、他方、40質量%以下とすることで、40質量%を超えた場合と比較して、酸化安定性を向上することが可能となる。前記基油(B)の含有量は、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)向上および酸化安定性向上の点でより高い効果が得られることから、前記潤滑油基油中、15~35質量%であることがより好ましい。
また、前記潤滑油基油は、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%のものである必要がある。前記潤滑油基油中の基油(C)の含有量を15質量%以上とすることで、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)をより優れたものとすることが可能となり、他方、40質量%以下とすることで、40質量%を超えた場合と比較して、低温流動性(BF粘度)をより優れたものとすることが可能となる。前記基油(C)の含有量は、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)向上および低温流動性向上の点でより高い効果が得られることから、15~35質量%であることがより好ましい。
なお、前記潤滑油基油は、実質的に前記基油(A)~(C)のみからなるものであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、前記基油(A)~(C)以外の他の基油成分を含んでいてもよい。なお、前記潤滑油基油が前記基油(A)~(C)以外の他の基油成分を含む場合においても、そのような他の基油成分の含有量は前記潤滑油基油の全量に対して10質量%以下であることが好ましい。
また、前記潤滑油基油は、100℃における動粘度が7.00mm/s以上のものである必要がある。前記潤滑油基油の100℃における動粘度を7.00mm/s以上とすることで、7.00mm/s未満の場合と比較して、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能となる。また、前記潤滑油基油の100℃における動粘度は、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)向上および低温流動性向上の点でより高い効果が得られることから、7.10~7.50mm/s(更に好ましくは7.20~7.50mm/s、特に好ましくは7.23~7.50mm/s)であることがより好ましい。
また、前記潤滑油基油としては、40℃における動粘度が40.0~50.0mm/s(更に好ましくは43.0~46.0mm/s)のものがより好ましい。このような40℃における動粘度が前記下限以上である場合には前記下限未満である場合と比較して、潤滑箇所での油膜形成性をより向上させて潤滑性をより優れたものとすることが可能となるとともに、潤滑油組成物の蒸発損失がより低減され、潤滑油の消費量をより低減させることが可能となる傾向にあり、他方、前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して、潤滑油組成物の低温粘度特性と省燃費性能の点でより高い性能(効果)が得られる傾向にある。
また、前記潤滑油基油としては、粘度指数が120以上(より好ましくは122以上、更に好ましくは124以上、特に好ましくは125以上)のものが好ましい。粘度指数を前記下限以上とすることで省燃費性能の点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、前記潤滑油基油としては、潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量が0.20~1.5質量%(より好ましくは0.22~1.0質量%、更に好ましくは0.25~0.80質量%)のものが好ましい。このような潤滑油基油中の硫黄の含有量を前記下限以上とすることで前記下限未満の場合と比較して、極圧性能の向上の点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限以下である場合には前記上限を超えた場合と比較して、酸化安定の向上の点でより高い効果が得られる傾向にある。
〈潤滑油組成物〉
本発明の潤滑油組成物は、前記潤滑油基油(基油組成物:混合基油)を含有してなるものである。本発明の潤滑油組成物において、潤滑油基油の含有量は特に制限されるものではないが、極圧性(耐焼付き性・耐摩耗防止性)、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)、低温流動性(高粘度指数・BF粘度)、酸化安定性(熱安定性)、安全性(高引火点)の点でより高い効果が得られることから、潤滑油組成物の全量を基準として70質量%以上(より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上)であることが好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、添加剤を適宜含有させることができる。このような添加剤としては、特に制限されず、潤滑油組成物の用途に応じて、潤滑油の分野において利用されている公知の添加剤(例えば、特開2016-3258号公報、国際公開2015/056783号、特開2016‐160312号公報、特開2003-155492号公報、国際公開2017/073748号、特開2020-76004号公報等に記載されているもの等)を適宜利用できる。
このような添加剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、粘度指数向上剤、流動点降下剤、いわゆる性能添加剤、等を好適なものとして挙げることができる。
このような粘度指数向上剤としては特に制限されず、公知の粘度指数向上剤を適宜利用できる。このような粘度指数向上剤としては、粘度指数を高める効果およびせん断安定性の向上の観点で、ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤(ポリ(メタ)アクリレートからなる粘度指数向上剤)を好適に利用できる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。このようなポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤としては、いわゆる非分散型のものであっても、分散型のものであってもよい。また、粘度指数向上剤に用いられるポリ(メタ)アクリレートとしては、重量平均分子量が10,000~100,000(より好ましくは20,000~80,000、さらに好ましくは30,000~60,000)のものが好ましい。このようなポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤を利用する場合、その含有量は前記潤滑油組成物の全量を基準として、好ましくは0.1~15.0質量%であり、より好ましくは0.1~10.0質量%であり、さらに好ましくは0.5~8.0質量%であり、特に好ましくは1.0~7.0質量%であり、最も好ましくは2.0~6.0質量%である。
また、前記粘度指数向上剤としては、増粘性およびせん断安定性の観点で、エチレンとα-オレフィンのコポリマーおよびその水素化物のうちの少なくとも1種を好適に利用できる。このようなコポリマーおよびその水素化物は、いわゆる非分散型のものであっても、分散型のものであってもよい。また、粘度指数向上剤に用いられる前記コポリマーおよびその水素化物は、数平均分子量が2,000~10,000のものが好ましい。なお、前記粘度指数向上剤として利用される成分の「重量平均分子量」や「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる値(標準ポリスチレン換算により得られた分子量)を意味する。
また、前記粘度指数向上剤は1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて利用してもよい。また、前記粘度指数向上剤としては、粘度指数向上および低温流動性の向上、更に、せん断安定性向上の観点から、ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と、エチレンとα-オレフィンのコポリマーからなる粘度指数向上剤とを組み合わせて利用することがより好ましい。また、このような粘度指数向上剤を利用する場合、その含有量は前記潤滑油組成物の全量を基準として0.1~15.0質量%、より好ましくは1.0~12.0質量%、さらに好ましくは2.0~10.0質量%であることが好ましい。
前記流動点降下剤としては特に制限されず、公知の流動点降下剤を適宜利用でき、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、アルキル化芳香族化合物、エチレン-プロピレン共重合体、フマレート-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。基油に異性化ワックス基油を含む場合には、このような流動点降下剤の中でも、流動点降下作用の観点から、ポリ(メタ)アクリレート系流動点降下剤(ポリ(メタ)アクリレートからなる流動点降下剤)がより好ましい。また、前記流動点降下剤は1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて利用してもよい。流動点降下剤を利用する場合、その含有量は、流動点降下作用およびせん断安定性の向上の観点から、前記潤滑油組成物の全量を基準として0.01~1.0質量%(より好ましくは0.03~0.6質量%)であることが好ましい。
また、前記性能添加剤としては特に制限されず、公知のものを適宜利用でき、いわゆる添加剤パッケージ(複数の成分を配合したもの)を利用してもよい。また、前記性能添加剤としては、市販の製品(ルーブリゾール社製の「Anglamolシリーズ」、アフトンケミカル社製の「Hitecシリーズ」等)を適宜利用してもよい。
このような性能添加剤としては、極圧性の観点から、硫黄の含有量が15~35質量%(より好ましくは20~30質量%)のものが好ましい。また、このような性能添加剤としては、酸化安定性の観点から、ホウ素の含有量が0.05~1.00質量%(より好ましくは0.05~0.50質量%)のものが好ましい。さらに、このような性能添加剤としては、摩耗防止性の観点から、リンの含有量が1.0~3.0質量%(より好ましくは1.2~2.0質量%)であるものがより好ましい。
また、このような性能添加剤は、極圧性(耐焼付き性能)と摩耗防止性の観点から、添加剤中の質量基準のリンの含有量に対する硫黄の含有量の比率(質量比:S/P)が10~20(より好ましくは12~18)のものがより好ましい。
また、このような性能添加剤を利用する場合、その含有量は、利用目的などに応じて適宜設定すればよく、特に制限されるものではないが、2.0~14.0質量%とすることが好ましい。ここで、一つの実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-4認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、性能添加剤の含有量を、前記潤滑油組成物の全量を基準として2.0~7.0質量%(更に好ましくは3.0~5.0質量%)とすることがより好ましい。また、他の実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-5認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、性能添加剤の含有量を、前記潤滑油組成物の全量を基準として4.0~14.0質量%(より好ましくは5.0~12.0質量%)とすることがより好ましい。
なお、粘度指数向上剤、流動点降下剤および性能添加剤等を例に挙げて、本発明の潤滑油組成物に好適に利用可能な添加剤について説明したが、本発明の潤滑油組成物に利用可能な添加剤は、これらに限定されるものではなく、例えば、無灰分散剤、金属系清浄剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、金属不活性化剤、ゴム膨潤剤、摩擦調整剤、消泡剤、粘度調整剤、希釈油等の公知の添加剤も適宜利用できる。また、このような添加剤は、潤滑油組成物の用途に応じて、1種を単独で利用してもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて利用してもよい。
また、本発明の潤滑油組成物において、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量は、その利用目的などに応じて適宜設定すればよく、特に制限されるものではないが、0.02質量%以上(より好ましくは0.02~0.25質量%)とすることが好ましい。ここで、一つの実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-4認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量を0.02質量%以上(より好ましくは0.02~0.10質量%、更に好ましくは0.03~0.08質量%)とすることが好ましい。また、他の実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-5認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量を0.05質量%以上(より好ましくは0.05~0.25質量%、更に好ましくは0.08~0.20質量%)とすることが好ましい。このような潤滑油組成物中のリンの含有量を前記下限以上とすることにより、前記下限未満の場合と比較して、耐焼付きおよび摩耗防止性をより向上させることが可能となる。なお、リンの含有量を前記上限以下とした場合には、前記上限を超えた場合と比較して、ギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)および酸化安定性の点でより高い効果が得られる傾向にある。
また、本発明の潤滑油組成物において、前記潤滑油組成物中の質量基準の硫黄の含有量は、その利用目的などに応じて適宜設定すればよく、特に制限されるものではないが、0.50~3.50質量%とすることが好ましい。ここで、一つの実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-4認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、前記潤滑油組成物中の質量基準の硫黄の含有量を0.50~2.50質量%(より好ましくは0.70~2.00質量%、更に好ましくは0.80~1.50質量%)とすることが好ましい。また、他の実施形態として、例えば、API GL規格の「GL-5認証」の潤滑油組成物を得るといった観点からは、前記潤滑油組成物中の質量基準の硫黄の含有量を1.00~3.50質量%(より好ましくは1.50~3.40質量%、更に好ましくは1.80~3.30質量%)とすることが好ましい。このような潤滑油組成物中の硫黄の含有量を前記範囲内とすることにより、耐焼き付き性をより向上させることが可能となる。なお、前記潤滑油組成物中の質量基準の硫黄の含有量は、ASTM D4951に準拠して測定できる。
また、本発明の潤滑油組成物は、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合([前記硫黄の含有量]/[前記リンの含有量])が2.0~8.0(より好ましくは2.5~7.0、さらに好ましくは2.5~4.0)であるという条件を満たすものであることがより好ましい。前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合を前記下限以上とすることで、前記下限未満の場合と比較して、耐焼付き性、摩耗防止性の点でより高い効果が得られる傾向にあり、他方、前記上限以下とすることで、上限を超えた場合と比較して、酸化安定性および低温流動性の点でより高い効果が得られる傾向にある。なお、このような条件を満たす場合、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量は、同時に、前述のリンの含有量の好適な条件(例えば、上述のように、一つの実施形態の好適な条件は、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.02~0.10質量%、更に好ましくは0.03~0.08質量%という条件であり、また、他の実施形態の好適な条件は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.05~0.25質量%、更に好ましくは0.08~0.20質量%という条件である。)を満たすことが好ましい。そのため、本発明においては、例えば、前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量が0.05質量%以上でありかつ前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合([前記硫黄の含有量]/[前記リンの含有量])が2.0~8.0であるという条件を満たす潤滑油組成物を好適な一つの実施形態として挙げることができる。
本発明の潤滑油組成物としては、100℃における動粘度が13.5~18.5mm/s(さらに好ましくは13.5~15.5mm/s)であるものがより好ましい。また、本発明の潤滑油組成物の40℃における動粘度は、好ましくは80~150mm/sであり、より好ましくは80~100mm/sであり、さらに好ましくは80~92mm/sである。これらの動粘度が前記上限以下である場合にはいずれも、前記上限を超えた場合と比較して省燃費性能を更に向上させることが可能になる。他方、これらの動粘度が前記下限値以上である場合にはいずれも、前記下限値未満である場合と比較して、油膜保持性能が向上し、耐摩耗性等を更に向上させることが可能になる。
本発明の潤滑油組成物としては、粘度指数が155以上(より好ましくは158以上、さらに好ましくは160以上)のものが好ましい。粘度指数が前記下限値以上である場合、前記下限値未満の場合と比較して、潤滑油組成物の粘度-温度特性、および、摩耗防止性をより向上させることが可能となるとともに、省燃費性能をさらに向上させることが可能となる。
本発明の潤滑油組成物としては、JPI-5S-29-88に準拠して、周波数:10kHz、振動子の振れ幅:28μm、および、照射時間:10時間の条件で超音波を照射するせん断安定度試験を行い、前記超音波の照射前後の前記潤滑油組成物の100℃における動粘度を測定して比較した場合に、前記超音波照射による前記潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率が10%以下(より好ましくは7.0%以下、更に好ましくは6.0%以下)のものが好ましい。ここにいう「超音波照射による潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率」は、下記計算式(I):
[低下率(単位:%)]={(ν-ν)/ν}×100 (I)
〔式中、νは超音波照射前の潤滑油組成物の100℃における動粘度を示し、νは超音波照射後の潤滑油組成物の100℃における動粘度を示す。〕
を計算することにより求めることができる。なお、このような前記超音波照射による前記潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率が前記上限以下である場合には、前記上限を超えた場合と比較して、極圧性能の向上およびギヤ・ベアリング疲労寿命(ピッチング寿命)向上の点で更に高い効果が得られる傾向にある。
また、本発明の潤滑油組成物は、-40℃におけるブルックフィールド粘度(BF粘度)が15万mPa・s以下(より好ましくは13万mPa・s以下、更に好ましくは12万mPa・s以下、特に好ましくは10万mPa・s以下)であることが好ましい。BF粘度を前記上限以下とすることで、低温流動性をより向上させることが可能となる。このようなブルックフィールド粘度(BF粘度)は、ASTM D2983に準拠して測定できる。
さらに、本発明の潤滑油組成物は、流動点が-40℃以下(より好ましくは-42.5℃以下、更に好ましくは-45℃以下であることが好ましい。このような流動点が前記上限以下である場合には、低温から高温に亘って、より良好な粘度特性を示すことが可能となり、酸化安定性により優れる潤滑油組成物を得ることが可能となる。
また、本発明の潤滑油組成物は、引火点が200℃以上(より好ましくは205℃以上、更に好ましくは207℃以上、特に好ましくは210℃以上)のものが好ましい。また、このような引火点を前記下限以上とすることで前記下限未満の場合と比較して、高温使用時の安全性がより向上する傾向にある。
本発明の潤滑油組成物を製造するための方法としては特に制限されず、前記本発明の潤滑油組成物を得ることが可能となるように(前記条件を満たすように)、含有させる各成分を適宜選択して混合することにより調製すればよい。
本発明の潤滑油組成物は、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとすることができるとともに高い粘度指数を有するものとすることができ、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能であることから、様々な用途に応用可能であり、中でも、ギヤ油(ギヤ油組成物)として利用することが特に好ましく、例えば、大型貨物・乗合自動車の手動変速機および最終減速機に用いるギヤ油、EV用のギヤ油等として好適に利用可能である。このように、本発明の潤滑油組成物は、ギヤ油組成物として用いることが好ましい。なお、本発明の潤滑油組成物をギヤ油組成物として用いた場合、例えば、大型貨物・乗合自動車用途ギヤ油に求められるような、極圧性およびギヤ耐久性(疲労寿命)の水準を満たすことが可能となるとともに、省燃費性も優れたものとすることが可能である。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(各実施例等で利用した成分について)
先ず、各実施例等において利用した基油および添加剤を以下に示す。
〔前記基油(A)(本発明にかかる「鉱油系基油」)として利用した基油〕
〈基油(A-1)〉
溶剤精製鉱油[APIグループI、150BS(ブライトストック)、40℃における動粘度:474.9mm/s、100℃における動粘度:31.92mm/s、粘度指数:98、基油中の硫黄の含有量(基油中の硫黄分):0.69質量%、流動点:-10.0℃、引火点:322℃]
〈基油(A-2)〉
溶剤精製鉱油[APIグループI、150BS(ブライトストック)、40℃における動粘度:467.4mm/s、100℃における動粘度:31.29mm/s、粘度指数:97、基油中の硫黄分:0.48質量%、流動点:-12.5℃、引火点:319℃]
〈基油(A-3)〉
溶剤精製鉱油[APIグループI、150BS(ブライトストック)、40℃における動粘度:481.8mm/s、100℃における動粘度:31.76mm/s、粘度指数:97、基油中の硫黄分:0.51質量%、流動点:-10.0℃、引火点:316℃]。
〔前記基油(B)(本発明にかかる「ワックス異性化基油」)として利用した基油〕
〈基油(B-1)〉
ワックス異性化基油[APIグループIII、40℃における動粘度:9.072mm/s、100℃における動粘度:2.621mm/s、粘度指数:127、基油中の硫黄分:10質量ppm未満、流動点:-37.5℃、引火点:200℃、%C:91.8、%C:8.2、%C:0]。
〔前記基油(C)(本発明にかかる「二塩基酸エステル基油」)として利用した基油〕
〈基油(C-1)〉
二塩基酸エステル[APIグループV、アゼライン酸と2-エチルヘキシルのエステル、40℃における動粘度:10.3mm/s、100℃における動粘度:2.9mm/s、粘度指数:138、流動点:-70.0℃、引火点:220℃、硫黄:非含有]。
〔基油(D):前記基油(A)~(C)に該当しない基油〕
〈基油(D-1)〉
ポリ-α-オレフィン(APIグループIV、40℃における動粘度:396mm/s、100℃における動粘度:39mm/s、粘度指数:147、流動点:-35.0℃、引火点:281℃、硫黄:非含有]。
〈基油(D-2)〉
溶剤精製鉱油[APIグループI、500N(ニュートラル)、40℃における動粘度:93.31mm/s、100℃における動粘度:10.63mm/s、粘度指数:96、基油中の硫黄分:0.21質量%、流動点:-12.5℃、引火点:266]
〔添加剤〕
〈粘度指数向上剤(E-1)〉
ポリ(メタ)アクリレート:[エボニック製:Viscoplex 12-151、重量平均分子量:5万]
〈粘度指数向上剤(E-2)〉
エチレンとα-オレフィンとのコポリマー[三井化学製、商品名「HC2000」、数平均分子量:7400]
〈性能添加剤(F-1)〉
添加剤パッケージ[ルーブリゾール製、商品名「Anglamol 6043Z」、リン(P)の含有量:1.40質量%、硫黄(S)の含有量:22.9質量%、ホウ素(B)の含有量:0.24質量%、窒素の含有量:0.9質量%、リンと硫黄の質量比(S/P):16.4]
〈性能添加剤(F-2)〉
添加剤パッケージ[アフトンケミカル製、商品名「HiTEC 1536」、リン(P)の含有量:1.90質量%、硫黄(S)の含有量:26質量%、ホウ素(B)の含有量:0.09質量%、窒素の含有量:0.55質量%、リンと硫黄の質量比(S/P):13.7]
〈流動点降下剤(G-1)〉
ポリ(メタ)アクリレート[三洋化成製、商品名「アクルーブ132」]
(実施例1~10および比較例1~6)
表1~3に示す組成となるように、前述の各成分を利用して、実施例1~10および比較例1~6の潤滑油組成物をそれぞれ調製した。なお、表1~3中の「組成」の項目に関して「-」はその成分を利用していないことを示す。また、表1~3中の「組成」の項目において、「inmass%」は潤滑油基油(混合基油)の全量に対する質量基準の含有量(質量%)を表し、「mass%」は潤滑油組成物の全量に対する質量基準の含有量(質量%)を表す。なお、組成物中の硫黄およびリンの含有量は、ASTM D4951に準拠して測定した値である。また、表1~3中の「基油中の硫黄/組成物中のリン(S/P)」という表記は、潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合([前記硫黄の含有量]/[前記リンの含有量])を示す。
[各実施例等で得られた潤滑油組成物の特性の評価方法について]
<ブルックフィールド粘度(BF粘度)の測定>
各実施例等で得られた潤滑油組成物の-40℃におけるBF粘度を、ASTM D 2983に準拠して、測定装置としてブルックフィールド粘度用恒温槽/ブルックフィールド粘度計を用いて、温度:-40℃の条件で測定した。得られた結果を表1~3に示す。なお、BF粘度の値が150,000mPa・s以下となる場合には、「SAE J306 Standard粘度グレード 75W」の条件を満たすものとなり、低温での流動性が高い水準にあると評価できる。
<せん断安定性試験>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、JPI-5S-29-88に準拠したせん断安定度試験に準拠し、振動子を用いて、周波数10kHz、振動子の振れ幅28μmの条件で超音波を10時間照射し、超音波照射後の潤滑油組成物の100℃における動粘度(試験後の動粘度)を求め、その後、上記計算式(I)に基づいて、超音波照射による潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率を求めた。得られた結果を表1~3に示す。動粘度の低下率が10%以下である場合には、超音波によるせん断に対してより安定であるものといえ、せん断安定性に優れたものであると評価できる。なお、上記JPI-5S-29-88に準拠したせん断安定度試験の試験条件(10時間)と、SAE J306 Standard(automotive gear oils)の最低動粘度(100℃)の試験条件(CEC L-45 Method C(20時間))はそれぞれ条件が異なるものの、両試験は代替可能な試験であると考えられることから、前記せん断安定度試験により求められた前記試験後の動粘度(100℃)が13.5mm/s以上である場合には、2019年改訂SAE J306 Standard(automotive gear oils)の最低動粘度(100℃)に規定された試験に合格するものとみなす。
<耐摩耗性試験>
・融着荷重の測定(高速四球試験)
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、ASTM D 2596に準拠して、高速四球試験機を用い、回転数:1800rpmにおける融着荷重(WL、単位:N)を測定した。得られた結果を表1~3に示す。
・摩耗痕径の測定(摩耗試験)
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、シェル四球試験(ASTM D4172)を、荷重:392N、回転数:1200rpm、温度:80℃、試験時間:1時間の条件で行い、摩耗痕径(mm)を測定した。得られた結果を表1~3に示す。
・耐摩耗性の評価について
潤滑油組成物について、融着荷重が3000N以上であり、かつ、摩耗痕径が0.60mm未満である場合に、耐摩耗性が優れたものであると評価できる(融着荷重については、その値が大きい値となるほど耐摩耗性がより高いものであると評価できる。一方、摩耗痕径については、その値が小さな値となるほど耐摩耗性がより高いものであると評価できる。そのため、本願では両者が上記条件を満たす場合に耐摩耗性が優れたものであると評価する)。
<ファレックス耐焼き付き性試験>
ASTM D3233に記載のファレックス試験機を用いて、温度:110℃、回転数:290rpmの試験条件で焼付荷重(単位:N)を測定した。得られた結果を表1~3に示す。このような焼付荷重が4000N以上である場合には、耐焼き付き性(鋼同士の極圧性)に優れているものであると評価できる。
<ユニスチール転がり疲労試験>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、イギリス石油学会法:IP305規格に準拠して、ユニスチール転がり疲労試験を行い、スラストニードルベアリングの転がり疲労寿命を評価した。このような評価に際しては、IP305規格準拠したユニスチール転がり疲労試験機を用い、試験片:スラストニードルベアリング(TP)、回転数:1450rpm、面圧:1GPa、および、油温:120℃の試験条件で、転動体(ころ)または軌道盤のいずれかが疲労損傷するまでの時間を求めることにより行った。なお、ユニスチール転がり疲労試験機に備えられた振動加速度計により、試験部の振動加速度の測定値が1.5m/sに達したとき、疲労損傷が発生したものと判断した。そして、繰り返し10回の試験を行い、各試験で測定された疲労損傷までの時間から、ワイブルプロットにより疲労寿命を、50%寿命(ベアリング疲労寿命L50:累積確率が50%になる時間:50%破損確率)として算出した。得られた結果を表1~3に示す(ただし、本試験に関して、比較例3および比較例6については未実施のため、表3に「―」と表記する)。このような疲労寿命(L50)が1500分以上である場合には、その潤滑油組成物によりベアリング疲労寿命がより改善(向上)されたものと評価できる。
<FZGギヤ試験>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、FZG試験機を用い、FVA 2/IV規格に準拠して、ギヤ:Cギヤ、荷重ステージ:12、油温:120℃、回転数:620rpmの試験条件で運転を行い、歯車にピッチングが発生した時間をギヤの疲労寿命として測定した。得られた結果を表1~3に示す(ただし、本試験に関して、比較例3および比較例5~6については未実施のため、表3に「―」と表記する)。このような疲労寿命(歯車にピッチングが発生するまでの時間)が17時間以上である場合には、ギヤ疲労寿命が長く、耐ギヤピッチング性能が高いものと評価できる。
<流動点の測定>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、JIS K 2269-1987に準拠して流動点を測定した。得られた結果を表1~3に示す。このような流動点が-40℃以下である場合には、低温流動性が高い水準にあると評価できる。なお、流動点が-40℃以下となりかつBF粘度が150,000mPa・s以下である場合に、低温流動性の点でより優れたものであると評価できる。
<引火点の測定>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、JIS K 2265-4-2007(クリーブランド開放法)に準拠して引火点を測定した。得られた結果を表1~3に示す。このような引火点が200℃以上である場合には、高温使用時の安全性がより高いものであると評価できる。
<酸化安定性試験>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、JIS K 2514-1に準拠したISOT試験により酸化安定性を評価した。温度:135℃、時間:96時間の条件で試験を行い、試験前後の潤滑油組成物の酸価を比較して、試験後の酸価の増加(mgKOH/g)を測定した。得られた結果を表1~3に示す。酸価増加が2.5mgKOH/g以下である場合には、潤滑油組成物が酸化安定性に優れていると評価できる。
<省燃費性の評価>
各実施例等で得られた潤滑油組成物のそれぞれについて、WLTCモードの燃費試験におけるソークおよび試験開始温度である25℃における動粘度を、JIS K 2283-2000に準拠して測定し、25℃における動粘度の値から省燃費性を評価した。得られた結果を表1~3に示す。25℃における動粘度が190mm/s以下である場合には、燃費試験開始時にギヤ等回転体による潤滑油攪拌による抵抗(攪拌損失)の低減が図られるため、省燃費性に優れていると評価できる。
表1~3に示す結果からも明らかなように、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、前記基油(A)~(C)を含む潤滑油基油を含有してなる組成物であり、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上であり、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%であり、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%であり、かつ、前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm/s以上である組成物となった。そして、実施例1~10で得られた潤滑油組成物においてはいずれも、耐摩耗性試験の結果(融着荷重と摩耗痕径の測定結果)から融着荷重が3000N以上であり、かつ、摩耗痕径が0.60mm未満であることが確認され、摩耗防止性に優れることが確認されるとともに、ファレックス耐焼き付き性試験の結果から耐焼き付き性に優れることが確認され、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能に優れるものであることが分かった。
また、表1~3に示す結果から、実施例1~10で得られた潤滑油組成物においてはいずれも、BF粘度が150,000mPa・s以下となっており、「SAE J306 Standard粘度グレード 75W」の条件を満たし、BF粘度を基準とした低温流動性が高い水準にあるものであることが分かった。なお、実施例1~10で得られた潤滑油組成物においてはいずれも、流動点が-45℃未満(<-45℃)となっており、流動点を基準にした場合にも低温流動性が高い水準にあることが分かった。このように、実施例1~10で得られた潤滑油組成物においてはいずれも、流動点が-40℃以下となりかつBF粘度が150,000mPa・s以下となっていることから、低温流動性により優れたものとなっていることが分かった。更に、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、粘度指数が155以上となっており、極圧性能と低温流動性とに優れたものでありながら、高い粘度指数を有するものであることも分かった。
さらに、表1~3に示す結果から、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、ユニスチール転がり疲労試験において、疲労寿命(L50)が1500分以上となっており、ベアリング疲労寿命を向上させることが可能なものであることが分かった。また、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、FZGギヤ試験において疲労寿命が17時間以上となっており、耐ギヤピッチング性能に優れることも分かった。さらに、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、25℃における動粘度が190mm/g以下となっており、省燃費性に優れることが分かった。なお、25℃における動粘度の値が190mm/g以下であること、及び、BF粘度が150,000mPa・s以下であって低温流動性が高いこと、を併せ勘案すれば、実施例1~10で得られた潤滑油組成物は高い省燃費性を有するものであることが分かる。
また、表1~3に示す結果からも明らかなように、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、100℃における動粘度が13.5mm/s以上18.5mm/s以下の範囲にあり、「SAE J306 Standard粘度グレード 90」の条件を満たすものとなっていた。なお、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、超音波照射によるせん断後の動粘度も13.5mm/s以上となっていた。このような結果から、実施例1~10で得られた潤滑油組成物はいずれも、2019年改訂SAE J306 Standard粘度グレード 75W-90への適合可能なものとなっていると評価できる。
これに対して、前記基油(A)の代わりにポリ-α-オレフィン化学合成油(PAO)からなる前記基油(D-1)を用いた比較例1に記載の潤滑油組成物は、ユニスチール転がり疲労試験において疲労寿命(L50)が1232分となっており、所望の水準までベアリング疲労寿命を向上させることができなかった。
また、潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%未満である比較例2に記載の潤滑油組成物は、耐焼き付き性試験において、焼付荷重が4000N未満となっており、耐焼き付き性の観点から極圧性が十分なものとはならなかった。また、比較例2に記載の潤滑油組成物は、FZGギヤ試験において疲労寿命が16時間となっており、耐ギヤピッチング性も十分なものとはならなかった。
さらに、前記基油(A)の代わりに硫黄の含有量が0.3質量%未満の鉱油(基油(A)に該当しない鉱油系基油)からなる基油(D-2)を用い、かつ、基油(B)の含有量が10質量%未満となっている比較例3に記載の潤滑油組成物は、BF粘度が150,000mPa・sを超えた値となっているとともに、流動点が-37.5℃となっており、低温流動性が十分なものではなかった。また、比較例3に記載の潤滑油組成物は、耐摩耗性試験において摩耗痕径が0.60mm以上となっており、極圧性の観点からも十分なものとはならなかった。さらに、比較例3に記載の潤滑油組成物は、省燃費性も十分なものとはならなかった。
また、基油(B)を利用していない比較例4に記載の潤滑油組成物は、耐摩耗性試験において摩耗痕径が0.60mmとなっており、極圧性の観点からも十分なものとはならなかった。さらに、比較例4に記載の潤滑油組成物は、ユニスチール転がり疲労試験において疲労寿命(L50)が1354分となっており、所望の水準までベアリング疲労寿命を向上させることができなかった。また、比較例4に記載の潤滑油組成物は、FZGギヤ試験において疲労寿命が16時間となっており、耐ギヤピッチング性も十分なものとはならなかった。
また、基油(A)~(C)を含有していても基油(B)の含有量が10質量%未満となっている比較例5に記載の潤滑油組成物は、ユニスチール転がり疲労試験において疲労寿命(L50)が1421分となっており、所望の水準までベアリング疲労寿命を向上させることができなかった。
さらに、基油(A)~(C)を含有していても基油(C)の含有量が15質量%未満となっている比較例6に記載の潤滑油組成物は、BF粘度が150,000mPa・sを超えた値となっており、低温流動性の点で十分なものとはならなかった。
このような結果から、実施例1~10で得られた潤滑油組成物は、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れ、かつ、低い粘度指数を有するものとなることが確認されるとともに、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命をいずれも向上させることが可能となることが分かった。さらに、このような実施例1~10で得られた潤滑油組成物の結果から、潤滑油組成物を前記基油(A)~(C)を含む潤滑油基油を含有してなるものとし、前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量を45質量%以上とし、前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量を10~40質量%とし、前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量を15~40質量%とし、かつ、前記潤滑油基油の100℃における動粘度を7.00mm/s以上とすることにより、その潤滑油組成物を、2019年改訂SAE J306 Standard粘度グレード 75W-90への適合可能なものとし得るとともに、大型貨物や乗合自動車用のギヤ油として使用する際に求められるような高い水準の極圧性およびギヤ耐久性(疲労寿命)と、優れた省燃費性とを有するものとすることが可能となることは明らかである。
以上説明したように、本発明によれば、耐焼き付き性および摩耗防止性を基準とした極圧性能と、低温流動性とに優れたものとすることができるとともに高い粘度指数を有するものとすることができ、省燃費性能、耐ギヤピッチング性能およびベアリング疲労寿命を向上させることが可能な潤滑油組成物を提供することが可能となる。このような本発明の潤滑油組成物は、その特性から、特にギヤ油(ギヤ油用の組成物)等として有用である。

Claims (5)

  1. 下記基油(A)~(C):
    (A)100℃における動粘度が10~40mm/sでありかつ硫黄の含有量が0.3~2.0質量%である鉱油系基油;
    (B)100℃における動粘度が1.5~3.0mm/sであり、粘度指数が120以上でありかつ流動点が-30℃以下であるワックス異性化基油;
    (C)100℃における動粘度が1.5~3.5mm/sであり、粘度指数120以上でありかつ流動点が-50℃以下である二塩基酸エステル基油;
    を含む潤滑油基油を含有してなり、
    前記潤滑油基油中の前記基油(A)の含有量が45質量%以上であり、
    前記潤滑油基油中の前記基油(B)の含有量が10~40質量%であり、
    前記潤滑油基油中の前記基油(C)の含有量が15~40質量%であり、かつ、
    前記潤滑油基油の100℃における動粘度が7.00mm/s以上であること、
    を特徴とする潤滑油組成物。
  2. 前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量が0.05質量%以上であり、かつ、
    前記潤滑油組成物中の質量基準のリンの含有量に対する前記潤滑油基油中の質量基準の硫黄の含有量の割合([前記硫黄の含有量]/[前記リンの含有量])が2.0~8.0であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. JPI-5S-29-88に準拠して、周波数:10kHz、振動子の振れ幅:28μm、および、照射時間:10時間の条件で超音波を照射するせん断安定度試験を行い、前記超音波の照射前後の前記潤滑油組成物の100℃における動粘度を測定して比較した場合に、前記超音波照射による前記潤滑油組成物の100℃における動粘度の低下率が10%以下であることを特徴とする請求項1または2に潤滑油組成物。
  4. 前記潤滑油組成物の-40℃におけるブルックフィールド粘度が15万mPa・s以下であることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
  5. 前記潤滑油組成物がギヤ油組成物であることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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