JP2023122793A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のふらつきを抑制することができる車両制御装置を提供する。【解決手段】一態様の車両制御装置は、車両の横位置を取得する横位置取得部と、目標ヨーレートに対応するフィードフォワード舵角を決定するフィードフォワード制御部と、ヨーレートセンサによって計測されたヨーレート及び舵角センサによって計測された舵角に基づいて、フィードバック舵角を決定するフィードバック制御部と、フィードフォワード制御部及びフィードバック舵角に基づいて、車両の舵角を決定する舵角決定部と、車両の横位置の経時変化に基づいて、車両のふらつきを検出するふらつき判定部と、ふらつき判定部によって車両のふらつきが検出されたときに、直近の一定期間におけるフィードバック舵角の平均値に対する変動量が小さくなるようにフィードバック舵角を補正する補正部と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、車両の舵角を制御する車両制御装置に関する。
車両の舵角を制御する車両制御装置が知られている。例えば、下記特許文献1には、トレーラを牽引する車両に搭載され、目標経路に追従走行するための目標操舵角を算出する走行制御装置が記載されている。この走行制御装置は、トレーラの横揺れ振動を検出したときに、当該横揺れ振動を減少させる修正操舵角を算出し、算出した修正操舵角により目標操舵角を基点としてトレーラの横揺れ振動の周期及び位相に合わせて操舵修正を行って、トレーラの横揺れ振動を減少させる。
特許文献1に記載の装置は、フィードフォワード制御によって目標経路の曲率から算出される舵角と、フィードバック制御によって目標経路に対する横位置偏差及びヨー角偏差から算出される舵角とを合算して目標操舵角を算出する。このようなフィードバック制御では、車両の特性によっては舵角のフィードバック量が大きく変動し、車両にふらつきが発生することがある。特に、トレーラを牽引する連結車は、トラック等の非連結車に比べて挙動が複雑であるので、一般的なフィードバック制御では舵角のフィードバック量が過大になり、ふらつきが発生しやすい。
そこで、本開示は、車両のふらつきを抑制することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
一態様では、ヨーレートを計測するヨーレートセンサと、舵角を計測する舵角センサとを有する車両に搭載され、車両のヨーレートが目標ヨーレートとなるように車両の舵角を制御する車両制御装置が提供される。この車両制御装置は、車両の横位置を取得する横位置取得部と、目標ヨーレートに対応するフィードフォワード舵角を決定するフィードフォワード制御部と、ヨーレートセンサによって計測された車両のヨーレート及び舵角センサによって計測された車両の舵角に基づいて、フィードバック舵角を決定するフィードバック制御部と、フィードフォワード舵角及びフィードバック舵角に基づいて、車両の目標舵角を決定する目標舵角決定部と、車両の横位置の経時変化に基づいて、車両のふらつきを検出するふらつき判定部と、車両のふらつきが検出されたときに、直近の一定期間におけるフィードバック舵角の平均値に対する変動量が小さくなるようにフィードバック舵角を補正する補正部と、を備える。
本態様では、車両のふらつきが検出されたときに直近の一定期間におけるフィードバック舵角の平均値に対する変動量が小さくなるようにフィードバック舵角が補正される。このように、フィードバック舵角の変動量を小さくすることにより、目標舵角の変動も小さくなるので、車両のふらつきの抑制することができる。
一実施形態では、ふらつき判定部は、所定の期間内に横位置の変動量が第1閾値を超えた回数が第2閾値以上であるときに、車両にふらつきが発生したと判定してもよい。このように、車両の横位置の変動量を用いて車両のふらつきを判定することにより、車両のふらつきを適切に検出することができる。
一実施形態では、補正部は、車両の走行車線の曲率の変化量が第3閾値以上となったときに、フィードバック舵角の補正を停止してもよい。走行車線の曲率が変化すると、フィードバック舵角の平均値が変化するので、フィードバック舵角を適切に補正することが難しくなる。この実施形態では、走行車線の曲率の変化量が大きくなったときにフィードバック舵角の補正が停止されるので、走行環境に応じた適切な舵角制御を行うことができる。
一実施形態では、補正部は、車両の走行車線の幅方向の傾斜角の変化量が第4閾値以上となったときに、フィードバック舵角の補正を停止してもよい。走行車線の幅方向の傾斜角が変化すると、フィードバック舵角の平均値が変化するので、フィードバック舵角を適切に補正することが難しくなる。この実施形態では、走行車線の幅方向の傾斜角の変化量が大きくなったときにフィードバック舵角の補正が停止されるので、走行環境に応じた適切な舵角制御を行うことができる。
一実施形態では、補正部は、車両の横位置の変化量が第5閾値以上となったときに、フィードバック舵角の補正を停止してもよい。車両の横位置の変化量が大きいときには、舵角制御が適切に行われていない可能性がある。この実施形態では、車両の横位置の変化量が大きくなったときにフィードバック舵角の補正が停止されるので、適切な舵角制御を行うことができる。
本発明の一態様及び種々の実施形態によれば、車両のふらつきを抑制することができる。
以下、図面を参照して種々の実施形態に係る車両制御装置について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととし、同一又は相当の部分に対する重複した説明は省略する。
図1は、一実施形態に係る車両制御装置を搭載する車両の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す車両制御装置10は、車両1に搭載され、車両1が走行車線に沿って走行するように車両1の舵角を制御する。
車両制御装置10を搭載する車両1は、例えば貨物を積載する貨物車である。一実施形態では、車両1は、トラクタと連結点において当該トラクタに連結されたトレーラと含む連結車であってもよい。連結点は、例えばトラクタ側に設けられたカプラと、トレーラ側に設けられたピンとによって構成される。車両1のトレーラは、トラクタのヨー角の変化に伴って、当該連結点を中心に旋回する。
図1に示すように、車両1は、外部センサ2、舵角センサ3、ヨーレートセンサ4、車速センサ5、操舵アクチュエータ6、及び、車両制御装置10を備えている。外部センサ2は、車両1の外部環境の情報を検出する。外部センサ2としては、例えばカメラが用いられる。カメラは、車両1の前方の画像を撮像する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有する。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれる。
舵角センサ3は、車両1の舵角(操舵軸の回転量)を計測する。ヨーレートセンサ4は、車両1のヨーレートを計測する。ヨーレートは、車両1の鉛直軸周りの回転角速度である。ヨーレートセンサ4としては、例えばジャイロセンサが用いられる。車速センサ5は、車両1の速度を検出する。車速センサ5としては、例えば、車両1のドライブシャフトに設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。舵角センサ3、ヨーレートセンサ4及び車速センサ5は、計測された車両1の舵角、ヨーレート及び速度を示す情報を車両制御装置10に出力する。
操舵アクチュエータ6は、車両制御装置10からの制御信号に応じて電動パワーステアリングシステムの駆動を制御する。電動パワーステアリングシステムの駆動が制御されることにより、車両1の舵角が制御される。
車両制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CAN(Controller Area Network)通信回路などを有する電子制御ユニットである。車両制御装置10は、例えばCAN通信回路を用いて通信するネットワークに接続され、車両1の各構成要素と通信可能に接続される。車両制御装置10は、例えば、CPUが出力する信号に基づいて、CAN通信回路を動作させてデータを入出力し、データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで、後述する各種機能を実現する。車両制御装置10は、複数の電子制御ユニットから構成されてもよい。
車両制御装置10は、車両1のヨーレートが目標ヨーレートとなるように車両1の舵角を制御する。図1に示すように、車両制御装置10は、機能的構成として、横位置取得部11、フィードフォワード制御部12、フィードバック制御部13、ふらつき判定部14、平均フィードバック舵角算出部15、補正部16及び目標舵角決定部17を備えている。
横位置取得部11は、外部センサ2から出力された情報に基づいて、車両1の横位置(走行車線内の車両1の幅方向の位置)を取得する。例えば、横位置取得部11は、カメラによって撮像された画像から走行車線の区画線(白線)を抽出し、車両と区画線との位置関係に基づいて、車両1の横位置を検出する。
フィードフォワード制御部12は、フィードフォワード制御を行うことで目標ヨーレートγtに対応するフィードフォワード舵角δffを決定する。図1に示すように、フィードフォワード制御部12は、目標ヨーレート設定部21及びフィードフォワード舵角決定部22を含む。目標ヨーレート設定部21は、例えば外部センサ2によって撮像された画像から車両1の前方の走行車線の曲率を検出し、当該曲率に応じた目標ヨーレートγtを決定する。目標ヨーレートγtは、検出された曲率を有する走行車線に沿って車両1を走行させるヨーレートである。
フィードフォワード舵角決定部22は、目標ヨーレートγtに対応するフィードフォワード舵角δffを決定する。フィードフォワード舵角δffは、車両1のヨーレートを目標ヨーレートγtにする舵角である。例えば、フィードフォワード舵角決定部22は、下記式(1)を解くことにより、フィードフォワード舵角δffを算出する。
式(1)において、Pはヨーレートを舵角に変換する変換式である。変換式Pは、例えば下記式(2)のように表される。
式(2)において、lはホイールベースを表しており、Ksはスタビリティファクタを表しており、Vは車両1の速度を表している。ホイールベースl及びスタビリティファクタKsは、予め定められる設定値である。
フィードバック制御部13は、ヨーレートセンサ4によって計測された車両1のヨーレートγmと舵角センサ3によって計測された車両1の舵角δmとに基づいて、フィードバック舵角δfbを決定する。図1に示すように、フィードバック制御部13は、フィルタ23、舵角変換部24及び差分器25を含む。フィルタ23は、下記式(3)に従って舵角センサ3によって計測された車両1の舵角δmに対してフィルタ処理を実行し、舵角δ1を算出する。なお、式(3)において、aはカットオフ周波数を表しており、sはラプラス演算子を表している。
舵角変換部24は、ヨーレートセンサ4によって計測された車両1のヨーレートγmに対応する舵角δ2を算出する。例えば、舵角変換部24は、下記式(4)に従ってヨーレートγmを舵角δ2に変換する。
式(4)において、τは車両の応答遅れを表している。式(4)中の(1+τs)/Pの項は、一次遅れ系のプラントモデルの逆数に対応している。すなわち、フィードバック制御部13は、車両1のプラントモデルを一次遅れ系と仮定してヨーレートγmを舵角δ2に変換する。
差分器25は、フィルタ23から出力された舵角δ1と舵角変換部24から出力された舵角δ2との差分をフィードバック舵角δfbとして出力する。上述したように、フィードフォワード制御部12によって決定されたフィードフォワード舵角δffは、目標ヨーレートγtに対応する舵角である。しかしながら、実際にはカント(幅方向の勾配)や横風といった外乱が車両1に作用するので、車両1の舵角をフィードフォワード舵角δffに設定すると車両1のヨーレートと目標ヨーレートとの間にずれが生じる。フィードバック舵角δfbは、車両1に作用する外乱を抑制するための舵角である。
ここで、連結車は、トラクタ及びトレーラが相互に影響を与えるので複雑な動きをする。このため、一般的な一次遅れ系のプラントモデルに従ったフィードバック舵角δfbをフィードバックすると、車両1の舵角が外乱を打ち消すために付与されるべき舵角よりも過大になることがある。過大なフィードバック舵角δfbを用いてフィードバック処理が行われると、車両1にふらつきが発生し、車両1の挙動が不安定になることがある。
ふらつき判定部14は、車両1の横位置の経時変化に基づいて、車両のふらつきを検出する。例えば、ふらつき判定部14は、横位置取得部11によって取得された車両1の横位置の経時変化を示す時系列データを生成する。図2は、車両1の横位置の経時変化を示す時系列データの一例を示している。ふらつき判定部14は、横位置の時系列データの振幅(隣接するピーク間の変動値)AMPが第1閾値を超えた回数を計測し、所定の期間内に振幅AMPが第1閾値を超えた回数が第2閾値以上となったときに、車両1にふらつきが発生したと判定する。
すなわち、ふらつき判定部14は、所定の期間内に車両1の横位置の変動量が第1閾値を超えた回数が第2閾値以上であるときに、車両にふらつきが発生したと判定する。一方、ふらつき判定部14は、所定の期間内に車両1の横位置の変動量が第1閾値を超えた回数が第2閾値よりも小さいときに、車両1にふらつきが発生していないと判定する。ふらつき判定部14は、ふらつきの有無を示す情報を補正部16に出力する。
平均フィードバック舵角算出部15は、フィードバック制御部13から出力されたフィードバック舵角δfbの平均値を算出する。例えば、平均フィードバック舵角算出部15は、フィードバック舵角δfbの時系列データを生成し、直近の一定期間におけるフィードバック舵角δfbの平均値を算出する。そして、算出したフィードバック舵角δfbの平均値を平均フィードバック舵角δavrとして補正部16に出力する。
補正部16は、ふらつき判定部14によって車両1のふらつきが検出されたときに、平均フィードバック舵角δavrに対する変動量が小さくなるようにフィードバック舵角δfbを補正する。図3は、補正部16の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、補正部16は、差分器31、ヨーレート変換部32、補正舵角算出部33、及び加算器34を含んでいる。
差分器31は、フィードバック制御部13によって決定されたフィードバック舵角δfbと、平均フィードバック舵角算出部15から出力された平均フィードバック舵角δavrとの差を舵角Δδとして出力する。舵角Δδは、平均フィードバック舵角δavrに対するフィードバック舵角δfbの変動量である。
ヨーレート変換部32は、変換式Pを用いて舵角ΔδをヨーレートΔγに変換する。例えば、ヨーレート変換部32は、下記式(5)によりヨーレートΔγを算出する。
補正舵角算出部33は、ヨーレートΔγにゲインを乗じた上で、変換式Pを用いて再びヨーレートを舵角に変換することで補正舵角Δδcを算出する。例えば、補正舵角算出部33は、下記式(6)により補正舵角Δδcを算出する。
ここで、式(6)において、Gはゲインを表している。補正舵角算出部33は、フィードバック舵角δfbを補正するときに、ゲインGを1よりも小さな値に設定する。例えばゲインGは、0.3以上0.7以下に設定される。ゲインGは、0.5に設定されてもよい。ゲインGを1よりも小さな値にすることにより、補正舵角Δδcは舵角Δδより小さくなる。後述するように、補正舵角Δδcは、平均フィードバック舵角δavrに対する舵角の変動量であるので、ゲインGを1よりも小さくすることにより、目標舵角δtの変動量が小さくなる。補正舵角算出部33は算出した補正舵角Δδcを加算器34に出力する。
加算器34は、補正舵角算出部33から出力された補正舵角Δδcに(1-G)・δavrを加算し、補正フィードバック舵角δcfbとして出力する。補正フィードバック舵角δcfbは、補正部16によって補正されたフィードバック舵角である。図4は、補正前のフィードバック舵角δfbと補正フィードバック舵角δcfbとを同一時間軸に並べて示した図である。図4に示すように、補正舵角Δδcに(1-G)・δavrを加算することにより、補正フィードバック舵角δcfbの平均値は、平均フィードバック舵角δavrと等しくなる。補正フィードバック舵角δcfbの平均値は、補正前のフィードバック舵角δfbの平均値に一致しているので、カント等の外乱が車両1に作用した場合であっても、外乱を打ち消すような舵角をフィードバックすることができる。
上記のように、補正フィードバック舵角δcfbは、舵角の変動量である補正舵角Δδcが平均フィードバック舵角δavrに加算されたものである。補正舵角Δδcは、補正前の舵角Δδよりも小さいので、補正フィードバック舵角δcfbは、フィードバック舵角δfbよりも平均フィードバック舵角δavrに対する変動量が小さい舵角であるといえる。
図1に示すように、補正部16によって算出された補正フィードバック舵角δcfbは、目標舵角決定部17に出力される。なお、補正フィードバック舵角δcfbは、急な舵角の変動が発生しないようにサチュレーション制御を行ってから、目標舵角決定部17に出力されてもよい。
一方、補正部16は、ふらつき判定部14によって車両1のふらつきが発生していないと判定された場合には、フィードバック舵角δfbを補正せずに目標舵角決定部17に出力する。例えば、補正部16は、ゲインGを1に設定することにより、未補正のフィードバック舵角δfbを目標舵角決定部17に出力する。
また、補正部16は、車両1の走行環境に変化が生じたときには、フィードバック舵角δfbが平均フィードバック舵角δavrから大きく変動する可能性が高いので、フィードバック舵角δfbの補正を停止してもよい。例えば補正部16は、走行車線の曲率の変化量、走行車線のカント角(走行車線の幅方向の傾斜角)の変化量又は車両の横位置の変化量が閾値以上となったときに、フィードバック舵角δfbの補正を停止し、フィードバック舵角δfbを目標舵角決定部17に出力してもよい。なお、曲率の変化量とは、例えば補正部16によってフィードバック舵角δfbの補正が開始された時点の走行車線の曲率と、直近の走行車線の曲率との差をいう。カント角の変化量とは、例えば補正部16によってフィードバック舵角δfbの補正が開始された時点の走行車線のカント角と、直近の走行車線のカント角との差をいう。横位置の変化量とは、例えば補正部16によってフィードバック舵角δfbの補正が開始された時点の車両の横位置と、直近の車両の横位置との差をいう。
目標舵角決定部17は、フィードフォワード舵角δff及び補正フィードバック舵角δcfbに基づいて、車両の目標舵角δtを決定する。例えば、車両1のふらつきが発生している場合には、目標舵角決定部17は、フィードフォワード舵角δffと補正フィードバック舵角δcfbとの和を目標舵角δtとして操舵アクチュエータ6に出力する。目標舵角δtは、車両1のヨーレートを目標ヨーレートγtにする舵角である。なお、車両1のふらつきが発生していない場合には、目標舵角決定部17は、フィードフォワード舵角δffと補正前のフィードバック舵角δfbの和を目標舵角δtとして操舵アクチュエータ6に出力する。
操舵アクチュエータ6は、車両1の舵角が目標舵角δtになるように電動パワーステアリングシステムの駆動を制御する。車両1の舵角が目標舵角δtに近づくように制御されることにより、車両1を走行車線に沿って走行させることができる。また、補正フィードバック舵角δcfbは、フィードバック舵角δfbよりも平均フィードバック舵角δavrに対する変動量が小さいので、目標舵角δtは変動量の小さな舵角である。このような目標舵角δtになるように車両1の舵角を制御することにより、車両1のふらつきを抑制することができる。
次に、図5を参照して、車両制御装置10の動作について説明する。図5は、車両制御装置10の動作の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、まず車両制御装置10は、外部センサ2、舵角センサ3、ヨーレートセンサ4及び車速センサ5によって計測された各種センサ情報を取得する(ステップST1)。例えば、車両制御装置10は、車両1の前方の画像情報、舵角δm、ヨーレートγm、及び車速を取得する。
次に、車両制御装置10のフィードフォワード制御部12が、走行する車線の曲率に対応する目標ヨーレートγtを算出し、目標ヨーレートγtに対応するフィードフォワード舵角δffを決定する(ステップST2)。
次に、車両制御装置10のフィードバック制御部13が、車両1の舵角δm及びヨーレートγmに基づいて、フィードバック舵角δfbを決定する(ステップST3)。フィードバック舵角δfbは、例えば、車両1の舵角δmから求められる舵角δ1と、車両1のヨーレートγmに対応する舵角δ2との差に基づいて決定される。
次に、ふらつき判定部14が、車両1にふらつきが発生しているか否かを判定する(ステップST4)。ふらつき判定部14は、例えば所定の期間内に車両1の横位置の変動量が第1閾値を超えた回数が第2閾値以上であるときに、車両1にふらつきが発生していると判定する。
車両1にふらつきが発生していると判定された場合には、補正部16がフィードバック舵角δfbを補正フィードバック舵角δcfbに補正する(ステップST5)。補正フィードバック舵角δcfbは、フィードバック舵角δfbよりも平均フィードバック舵角δavrに対する変動量が小さい舵角である。また、補正フィードバック舵角δcfbの平均値は、平均フィードバック舵角δavrに一致する。
次に、補正部16は、一定期間における走行車線の曲率の変化量が第3閾値未満であるか否かを判定する(ステップST6)。曲率の変化量が第3閾値未満である場合には、補正部16は、一定期間における走行車線のカント角の変化量が第4閾値未満であるか否かを判定する(ステップST7)。カント角の変化量が第4閾値未満である場合には、補正部16は、一定期間における走行車線内の車両1の横位置の変化量が第5閾値未満であるか否かを判定する(ステップST8)。
車両1の横位置の変化量が第5閾値未満である場合には、目標舵角決定部17が、フィードフォワード舵角δffと補正フィードバック舵角δcfbとに基づいて、目標舵角δtを決定する(ステップST9)。例えば、目標舵角δtは、フィードフォワード舵角δffと補正フィードバック舵角δcfbとを加算した舵角となる。次に、操舵アクチュエータ6は、車両1の舵角が目標舵角δtになるようにステアリング装置を制御する(ステップST10)。そして、フィードバック舵角δfbの補正が停止されるまでステップST5~ST10の処理が所定の周期で繰り返し実行される。
一方、走行車線の曲率の変化量が第3閾値以上である場合、カント角の変化量が第4閾値以上である場合、又は、車両1の横位置の変化量が第5閾値以上である場合には、補正部16は、フィードバック舵角δfbの補正を停止する。そして、目標舵角決定部17が、フィードフォワード舵角δffと未補正のフィードバック舵角δfbとに基づいて、目標舵角δtを決定する(ステップST11)。この場合には、目標舵角δtは、フィードフォワード舵角δffとフィードバック舵角δfbとを加算した舵角となる。次に、操舵アクチュエータ6は、車両1の舵角が目標舵角δtになるようにステアリング装置を制御する(ステップST12)。
以上説明したように、一実施形態の車両制御装置10では、車両1のふらつきが検出されたときに、直近の一定期間におけるフィードバック舵角δfbの平均値である平均フィードバック舵角δavrに対する変動量が小さくなるようにフィードバック舵角δfbが補正される。これにより、フィードバック舵角の変動が小さくなり、これに伴って、車両1の目標舵角δtの変動も小さくなる。したがって、車両1のふらつきを軽減することが可能となる。また、補正フィードバック舵角δcfbの平均値は、平均フィードバック舵角δavrに一致するので、例えばカント等の外乱が車両1に作用している場合であっても、車両を走行車線に沿って走行させることができる。
以上、種々の実施形態に係る車両制御装置10について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。
1…車両、3…舵角センサ、4…ヨーレートセンサ、10…車両制御装置、11…横位置取得部、12…フィードフォワード制御部、13…フィードバック制御部、14…判定部、16…補正部、17…目標舵角決定部、γt…目標ヨーレート、δfb…フィードバック舵角、δff…フィードフォワード舵角、δt…目標舵角。
Claims (5)
- ヨーレートを計測するヨーレートセンサと、舵角を計測する舵角センサとを有する車両に搭載され、前記車両のヨーレートが目標ヨーレートとなるように前記車両の舵角を制御する車両制御装置であって、
前記車両の横位置を取得する横位置取得部と、
前記目標ヨーレートに対応するフィードフォワード舵角を決定するフィードフォワード制御部と、
前記ヨーレートセンサによって計測された前記車両のヨーレート及び前記舵角センサによって計測された前記車両の舵角に基づいて、フィードバック舵角を決定するフィードバック制御部と、
前記フィードフォワード舵角及び前記フィードバック舵角に基づいて、前記車両の目標舵角を決定する目標舵角決定部と、
前記車両の横位置の経時変化に基づいて、前記車両のふらつきを検出するふらつき判定部と、
前記車両のふらつきが検出されたときに、直近の一定期間における前記フィードバック舵角の平均値に対する変動量が小さくなるように前記フィードバック舵角を補正する補正部と、
を備える、車両制御装置。 - 前記ふらつき判定部は、所定の期間内に前記横位置の変動量が第1閾値を超えた回数が第2閾値以上であるときに、前記車両にふらつきが発生したと判定する、請求項1に記載の車両制御装置。
- 前記補正部は、前記車両の走行車線の曲率の変化量が第3閾値以上となったときに、前記フィードバック舵角の補正を停止する、請求項1又は2に記載の車両制御装置。
- 前記補正部は、前記車両の走行車線の幅方向の傾斜角の変化量が第4閾値以上となったときに、前記フィードバック舵角の補正を停止する、請求項1~3の何れか一項に記載の車両制御装置。
- 前記補正部は、前記車両の横位置の変化量が第5閾値以上となったときに、前記フィードバック舵角の補正を停止する、請求項1~4の何れか一項に記載の車両制御装置。
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