JP2023122444A - 太陽光発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供する。【解決手段】太陽光発電システムは、ストリングと、インバータと、第1遮断装置と、第2遮断装置とを備える。ストリングは、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループを含む。第1遮断装置は、複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第1電路に接続される。第2遮断装置は、複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第2電路に接続される。第1遮断装置は、インバータからの第1制御信号に応じて第1電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する。第2遮断装置は、電力線通信とは異なる通信方式で第1遮断装置から出力される第2制御信号に応じて、第2電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する。【選択図】図1
Description
本発明は、太陽光発電システムに関する。
米国では、火災時等の緊急時に消防士を感電等から保護することを目的として、太陽光発電システムに対して、緊急時に太陽光発電システムによる発電を即座に停止するいわゆるラピッドシャットダウン機能の導入がNEC(米国電気工事規定)によって義務付けられている。例えば、特許文献1では、インバータの動作状態に応じて、太陽電池モジュールからインバータへの電力の出力を停止させる太陽光発電システムが開示されている。
太陽光発電システムにおいて、火災時等における消防士のさらなる安全性の向上を図るには、例えば、ラピッドシャットダウン機能を備える遮断装置を太陽電池モジュール毎に設置することが好ましい。しかしながら、太陽電池モジュール毎に遮断装置を設置した場合、遮断装置の設置コストが高くなる。
本発明の課題は、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することにある。
本発明の一態様に係る太陽光発電システムは、ストリングと、インバータと、第1遮断装置と、第2遮断装置とを備える。ストリングは、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループを含む。複数の太陽電池モジュールグループは、1つ又は直列に接続された複数の太陽電池モジュールをそれぞれ含む。インバータは、ストリングに接続され、ストリングから出力される直流電力を交流電力に変換する。第1遮断装置は、複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第1電路に接続される。第2遮断装置は、第1電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループとは異なる複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第2電路に接続される。ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、グループ毎の開放電圧が所定の開放電圧以下である。第1遮断装置は、インバータからの第1制御信号に応じて第1電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する。第2遮断装置は、第1遮断装置と第2遮断装置に接続される通信線を介して、電力線通信とは異なる通信方式で第1遮断装置から出力される第2制御信号に応じて、第2電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する。
この太陽光発電システムでは、第1遮断装置と第2遮断装置とがマスタとスレーブの関係にあり、第2遮断装置は、第1遮断装置から出力される第2制御信号に応じて複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する。これにより、第2遮断装置の構成が簡素化できるので、第2遮断装置の設置コストを低減できる。また、複数の太陽電池モジュールグループは、グループ毎の開放電圧が所定の開放電圧以下であるため、安全性の高い太陽光発電システムを提供することができる。また、第1遮断装置からの出力される第2制御信号は、通信線を介して電力線通信とは異なる通信方式で出力されるので、電力線通信と比べてノイズの影響を受けにくく、第1遮断装置から第2遮断装置への安定した通信が可能になる。
第1遮断装置は、インバータからの第1制御信号に応じて第1電路に接続された複数の太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断してから、第2遮断装置に第2制御信号を出力してもよい。この場合は、第2遮断装置に係る電圧を抑えることができる。これにより、第2遮断装置のコストダウンを図ることができる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、グループ毎の開放電圧が165V以下であってもよい。この場合は、より安全性の高い太陽光発電システムを提供することができる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、第1グループを含んでもよい。第1遮断装置は、第1グループの陽極側の端子に接続される第1開閉部と、第1グループの陰極側の端子に接続される第2開閉部とを含んでもよい。この場合は、複数の電路を1つの第1遮断装置で開閉することができる。
第1遮断装置は、第1開閉部と第2開閉部とを独立して開閉制御可能であってもよい。この場合は、例えば、第1開閉部に接点不良などの不具合が生じた場合において、正常に動作している第2開閉部は、そのまま利用することができる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、第1グループを含んでもよい。第1遮断装置は、第1グループに属する1つ又は直列に接続された複数の太陽電池モジュールで発電される電力によって駆動されてもよい。この場合は、例えば、既存の太陽光発電システムに第1遮断装置を設置するときにおいて、インバータと第1遮断装置とを接続する追加配線を省略することができる。これにより、第1遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。また、第1遮断装置の駆動電圧範囲を小さく抑えることができるので、第1遮断装置の製造コストを抑えることができる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、第2グループを含んでもよい。第2遮断装置は、第2グループの陽極側の端子に接続される第3開閉部と、第2グループの陰極側の端子に接続される第4開閉部とを含んでもよい。この場合は、複数の電路を1つの第2遮断装置で開閉することができる、
第2遮断装置は、第3開閉部と第4開閉部とを独立して開閉制御可能であってもよい。この場合は、例えば、第3開閉部に接点不良などの不具合が生じた場合において、正常に動作している第4開閉部は、そのまま用いることができる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループは、第2グループを含んでもよい。第2遮断装置は、第2グループに属する1つ又は直列に接続された複数の太陽電池モジュールで発電される電力によって駆動されてもよい。この場合は、例えば、既存の太陽光発電システムに第2遮断装置を設置するときにおいて、インバータと第2遮断装置とを接続する追加配線を省略することができる。これにより、第2遮断装置の設置コストの低減を図ることができる。また、第2遮断装置の駆動電圧範囲を小さく抑えることができるので、第2遮断装置の製造コストを抑えることができる。
インバータは、電力線通信によって第1遮断装置に前記第1制御信号を出力してもよい。この場合は、既存の太陽光発電システムに第1遮断装置を設置するときに、インバータと第1遮断装置との通信を確保するための追加配線を省略することができるので、第1遮断装置の設置コストを抑えることができる。
インバータは、無線通信によって第1遮断装置に第1制御信号を出力してもよい。この場合は、遠隔操作によって第1遮断装置に第1制御信号を出力することが可能になる。
ストリングの複数の太陽電池モジュールグループの少なくとも1つは、直列に接続された複数の太陽電池モジュールを含んでもよい。この場合は、第1遮断装置又は第2遮断装置によって、複数の太陽電池モジュールを遮断することができる。
第1遮断装置は、複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオードを含んでもよい。この場合は、発電できなくなった太陽電池モジュールの発熱等を抑制できるとともに、ストリングの発電効率が低下することを抑制できる。
第2遮断装置は、複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオードを含んでもよい。この場合は、発電できなくなった太陽電池モジュールの発熱等を抑制できるとともに、ストリングの発電効率が低下することを抑制できる。
本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することができる。
図1は、本発明の一態様に係る太陽光発電システム1の構成を模式的に示すブロック図である。太陽光発電システム1は、ストリング2と、インバータ3と、第1遮断装置4と、複数の第2遮断装置5と、を備える。
ストリング2は、互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループ6A~6Hを含む。複数の太陽電池モジュールグループ6A~6Hは、1つ又は直列に接続された複数の太陽電池モジュール6を含む。すなわち、ストリング2は、互いに直列に接続された複数(本実施形態では16個)の太陽電池モジュール6を含む。なお、太陽光発電システム1は、ストリング2が並列に複数連結された太陽電池アレイを含んでもよい。
複数の太陽電池モジュールグループ6A~6Hは、グループ毎の開放電圧が所定の開放電圧以下である。所定の開放電圧は、例えば165Vである。すなわち、ストリング2は、グループ毎の開放電圧が165V以下になるように複数の太陽電池モジュールグループにグループ分けされている。太陽電池モジュール6の開放電圧は、例えば50Vである。以下では、太陽電池モジュールグループ6A~6Hをグループ6A~6Hとして記すことがある。
グループ6A,6C,6E,6Gのそれぞれは、1つの太陽電池モジュール6を含む。グループ6B,6D,6F,6Hのそれぞれは、互いに直列に接続された3つの太陽電池モジュール6を含む。したがって、グループ6A,6C,6E,6Gの開放電圧は、50Vであり、グループ6B,6D,6F,6Hの開放電圧は、150Vである。
グループ6A~6Hは、グループ6Aからグループ6Hまでアルファベット順に並んで互いに直列に接続されている。グループ6A~6Hのそれぞれは、陽極側の端子と陰極側の端子とを含む。各グループ6A~6Hの陽極側端子は、各グループ6A~6Hに属する太陽電池モジュール6の中で、インバータ3の陽極に最も近い太陽電池モジュール6の陽極側の端子によって構成される。各グループ6A~6H陰極側端子は、各グループ6A~6Hに属する太陽電池モジュール6の中でインバータ3の陽極から最も離れた太陽電池モジュール6の陰極側の端子によって構成される。
例えば、グループ6Aの陽極側の端子は、グループ6Aの太陽電池モジュール6の陽極側の端子によって構成される。グループ6Aの陽極側の端子は、インバータ3の陽極側の端子に接続されている。グループ6Aの陽極側の端子は、グループ6Aの太陽電池モジュール6の陰極側の端子によって構成される。グループ6Aの陽極側の端子は、グループ6Bの陽極側の端子に接続されている。
例えば、グループ6Bの陽極側の端子は、グループ6Bに属する太陽電池モジュール6の中で、グループ6Aに最も近い太陽電池モジュール6の陽極側の端子によって構成される。グループ6Bの陰極側の端子は、グループ6Bに属する太陽電池モジュール6の中で、グループ6Aから最も離れた太陽電池モジュール6の陰極側の端子によって構成される。グループ6Bの陰極側の端子は、グループ6Cの陽極側の端子に接続されている。
グループ6Cの陰極側の端子は、グループ6Dの陽極側の端子に接続されている。グループ6Dの陰極側の端子は、グループ6Eの陽極側の端子に接続されている。グループ6Eの陰極側の端子は、グループ6Fの陽極側の端子に接続されている。グループ6Fの陰極側の端子は、グループ6Gの陽極側の端子に接続されている。グループ6Gの陰極側の端子は、グループ6Hの陽極側の端子に接続されている。グループ6Hの陰極側の端子は、インバータ3の陰極側の端子に接続されている。
太陽電池モジュール6は、太陽光を受けて電力を発電し、発電した電力をインバータ3に出力する。インバータ3は、電力線を介してストリング2に接続される。インバータ3は、ストリング2の太陽電池モジュール6から出力される直流電力を交流電力に変換する。インバータ3は、電力系統7に接続されており、交流電力を商用電力系統や負荷装置に供給する。
詳細には、インバータ3は、DC/DCコンバータ3aと、DC/ACインバータ3bと、制御部3cと、を含む。DC/DCコンバータ3aは、太陽電池モジュール6から出力される電力の電圧を所定の電圧に変換して、DC/ACインバータ3bに入力する。DC/ACインバータ3bは、DC/DCコンバータ3aを介して、太陽電池モジュール6から出力される直流電力を交流電力に変換する。制御部3cは、CPUやメモリ等を含み、DC/DCコンバータ3a及びDC/ACインバータ3bを制御する。また、制御部3cは、電力線通信によって第1遮断装置4に第1制御信号を出力する。
第1遮断装置4は、グループ6A~6H同士を接続する電路に接続されている。本実施形態では、第1遮断装置4は、グループ6Aとグループ6Bとを接続する電路8aと、インバータ3とグループ6Aとを接続する電路8bに接続されている。第1遮断装置4は、インバータ3からの第1制御信号に応じてグループ6Aとグループ6Bとの接続、並びにインバータ3とグループ6Aとの接続を遮断する。
第1遮断装置4は、第1遮断装置4と複数の第2遮断装置5に接続される通信線10を介して、電力線通信とは異なる通信方式で第2制御信号を複数の第2遮断装置5に出力する。第1遮断装置4は、例えば、LIN(Local Interconnect Network)通信或いはSPI(Serial Peripheral Interface)通信などのシリアル通信方式で第2制御信号を複数の第2遮断装置5に出力する。第1遮断装置4は、グループ6Aとグループ6Bとの接続、並びにインバータ3とグループ6Aとの接続を遮断してから、複数の第2遮断装置5に第2制御信号を出力する。第1遮断装置4は、通信線10を介して複数の第2遮断装置5のそれぞれに接続されている。
第1遮断装置4と複数の第2遮断装置5とは、マスタとスレーブの関係にある。第1遮断装置4は、複数の第2遮断装置5に対してマスタとして機能し、複数の第2遮断装置5は、第1遮断装置4に対してスレーブとして機能する。すなわち、第1遮断装置4は、複数の第2遮断装置5を制御する。
図2は、第1遮断装置4の構成を模式的に示すブロック図である。第1遮断装置4は、レギュレータ41と、信号受信部42と、制御部43と、リレー44と、バイパス回路45と、を含む。
レギュレータ41は、太陽電池モジュール6で発電された電力を電源として第1遮断装置4を駆動させる駆動電源を生成し、第1遮断装置4に安定した駆動電源を供給する。ここでは、グループ6Aの太陽電池モジュール6で発電された電力のみを利用して第1遮断装置4の駆動電源を生成する。
図3は、レギュレータ41の構成を模式的に示す回路図である。レギュレータ41の構成は、周知の構成であり、入力端子21a,21b、出力端子22a,22b、ラインフィルタ23、コンデンサ24,25、昇圧回路26、スイッチング素子27、制御回路28、トランス29、ダイオード30、DC/DCコンバータ31、フィードバック回路32等を含む。
信号受信部42は、インバータ3の制御部3cからの第1制御信号を受信して、受信した第1制御信号を制御部43に出力する。詳細には、インバータ3の制御部3cからの第1制御信号を検出する信号検出部46を介して、信号受信部42はインバータ3の制御部3cからの第1制御信号を受信する。
制御部43は、CPUやメモリ等を含む。制御部43は、信号受信部42から出力された信号に基づいて、リレー44のコイルに流れる電流値を制御して、リレー44の接点を開閉制御する。リレー44は、例えばメカニカルリレーであり、高電圧の直流電流を開閉可能である。
制御部43は、通信線10を介して、電力線通信とは異なる通信方式で第2制御信号を複数の第2遮断装置5に出力する。制御部43は、グループ6Aとグループ6Bとの接続を遮断してから、複数の第2遮断装置5に第2制御信号を出力する。制御部43は、例えば、リレー44の接点間の電圧を監視することで、グループ6Aとグループ6Bとの接続が遮断されたか否かを判断する。
リレー44は、第1開閉部44aと、第2開閉部44bとを含む。第1開閉部44aは、電路8bに配置されている。第1開閉部44aは、インバータ3とグループ6Aとの接続を開閉する。第1開閉部44aは、グループ6Aの陽極側の端子と、インバータ3の陽極側の端子とに接続されている。第2開閉部44bは、電路8aに配置されている。第2開閉部44bは、グループ6Aとグループ6Bとの接続を開閉する。第2開閉部44bは、グループ6Aの陰極側の端子と、グループ6Bの陽極側の端子とに接続されている。なお、本実施形態において、第1開閉部44aは、省略されてもよい。
第1遮断装置4にレギュレータ41から駆動電源が供給されていないとき、第1開閉部44a及び第2開閉部44bは、常に開いた状態にある。したがって、第1遮断装置4が駆動していないときは、インバータ3とグループ6Aとの接続、グループ6Aとグループ6Bとの接続が遮断された状態にある。
バイパス回路45は、第1遮断装置4が遮断状態のときに制御部3cからの第1制御信号を信号受信部42が受信できるようにするための回路である。第1遮断装置4によって電路8a,8bが遮断された状態のとき、信号受信部42は、バイパス回路45を介して、制御部3cからの第1制御信号を受信することができる。
複数の第2遮断装置5は、電路8aに接続されたグループ6Aとグループ6Bとは異なるグループ6C~グループ6H同士を接続する電路8c~8hに接続されている。複数の第2遮断装置5は、通信線10を介して第1遮断装置4から出力される第2制御信号に応じて、グループ6C~グループ6H同士の接続を遮断する。本実施形態では、複数の第2遮断装置5は、3つの第2遮断装置5a~5cを含む。
第2遮断装置5aは、グループ6Bとグループ6Cとを接続する電路8c、並びにグループ6Cとグループ6Dとを接続する電路8dに接続されている。第2遮断装置5bは、グループ6Dとグループ6Eとを接続する電路8e、並びにグループ6Eとグループ6Fとを接続する電路8fとに接続されている。第2遮断装置5cは、グループ6Fとグループ6Gとを接続する電路8g、並びにグループ6Gとグループ6Hとを接続する電路8hに接続されている。
図4は、第2遮断装置5aの構成を模式的に示すブロック図である。第2遮断装置5aは、レギュレータ51と、制御部53と、リレー54と、バイパス回路55と、を含む。
レギュレータ51は、太陽電池モジュール6で発電された電力を電源として第2遮断装置5aを駆動させる駆動電源を生成し、第2遮断装置5aに安定した駆動電源を供給する。ここでは、グループ6Cの太陽電池モジュール6で発電された電力のみを利用して第1遮断装置4の駆動電源を生成する。レギュレータ51の構成は、第1遮断装置4のレギュレータ41と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
制御部53は、CPUやメモリ等を含む。制御部53は、第1遮断装置4からの第2制御信号に応じて、リレー54のコイルに流れる電流値を制御して、リレー54の接点を開閉制御する。リレー44は、例えばメカニカルリレーであり、高電圧の直流電流を開閉可能である。制御部53は、通信線10に接続される図示しない通信インタフェースを介して、第1遮断装置4からの第2制御信号を受けて、リレー54の接点を開状態にする。
リレー54は、第3開閉部54aと、第4開閉部54bとを含む。第3開閉部54aは、電路8cに配置されている。第3開閉部54aは、グループ6Bとグループ6Cとの接続を開閉する。第3開閉部54aは、グループ6Bの陰極側の端子と、グループ6Cの陽極側の端子とに接続されている。第4開閉部54bは、電路8eに配置されている。第4開閉部54bは、グループ6Dとグループ6Eとの接続を開閉する。第4開閉部54bは、グループ6Cの陰極側の端子と、グループ6Dの陽極側の端子とに接続されている。
第2遮断装置5aにレギュレータ51から駆動電源が供給されていないとき、第3開閉部54a及び第4開閉部54bは、常に開いた状態にある。したがって、第2遮断装置5aが駆動していないときは、グループ6Bとグループ6Cとの接続、グループ6Cとグループ6Dとの接続が遮断された状態にある。
バイパス回路55は、第2遮断装置5が遮断状態のときに、電力線通信による制御部3cからの第1制御信号を第1遮断装置4の信号受信部42が受信できるようにするための回路である。バイパス回路55を設けることで、電力線通信を継続することが可能になる。
第2遮断装置5bのリレー54は、グループ6Dとグループ6Eとの接続、並びにグループ6Eと6Fとの接続を開閉する。第2遮断装置5cのリレー54は、グループ6Fとグループ6Gとの接続、並びにグループ6Gとグループ6Hとの接続を開閉する。第2遮断装置5b及び第2遮断装置5cは、接続させる電路が第2遮断装置5aと異なる点を除いて、第2遮断装置5aと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態における複数の第2遮断装置5は、互いに通信可能な機能を備えていない。また、複数の第2遮断装置5は、複数の第2遮断装置5から第1遮断装置4に信号を出力する機能を備えていない。
次に、図5を参照して第1遮断装置4及び複数の第2遮断装置5の動作モードの一例について説明する。第1遮断装置4及び複数の第2遮断装置5の動作モードは、スタートモード、アクティブモード、安全モードの3つの動作モードを含む。安全モードは、通常遮断モードと、緊急安全遮断モードと、を含む。したがって、第1遮断装置4及び複数の第2遮断装置5は、スタートモード、アクティブモード、通常遮断モード、及び緊急安全遮断モードの4つの動作モードで動作する。
スタートモードとは、太陽電池モジュール6に太陽光が当たり始めたときのモードである。このとき、太陽電池モジュール6は、太陽光を受けて電力を発電する。そして、太陽電池モジュール6で発電された電力からレギュレータ41が生成した駆動電源によって第1遮断装置4が駆動され、太陽電池モジュール6で発電された電力からレギュレータ41が生成した駆動電源によって第1遮断装置4が駆動される。第1遮断装置4が駆動されて制御部43が信号受信部42を介してインバータ3の制御部3cからの第1制御信号を受信すると、制御部43はリレー44の第1開閉部44a及び第2開閉部44bを閉じるように制御する。
同様に、太陽電池モジュール6で発電された電力から第2遮断装置5aのレギュレータ51が生成した駆動電源によって第2遮断装置5aが駆動される。第2遮断装置5aが駆動されて、例えば第2制御信号とは異なる第1遮断装置4からの指令信号を制御部53が受けると、制御部53は、リレー54の第3開閉部54a及び第4開閉部54bを閉じるように制御する。第2遮断装置5b及び第2遮断装置5cについても、第2遮断装置5aと同様の動きをする。これにより、グループ6A~6Hが第1遮断装置4及び第2遮断装置5a~5cを介してストリング2接続され、太陽電池モジュール6で発電された電力がインバータ3に出力される。
アクティブモードは、太陽電池モジュール6が日中に太陽光を受けて発電している状態であり、実質的にスタートモードと同じである。したがって、アクティブモードでは、グループ6A~6Hが第1遮断装置4及び第2遮断装置5a~5cを介して接続された状態にあり、太陽電池モジュール6が発電された電力がインバータ3に出力される。
通常遮断モードは、夜間、或いは雨等の天候の影響で、太陽電池モジュール6が太陽光を受けていないときのモードである。したがって、通常遮断モードでは、太陽電池モジュール6によって電力が発電されておらず、太陽電池モジュール6から第1遮断装置4及び第2遮断装置5a~5cに駆動電源が供給されていない。このため、通常遮断モードでは、第1遮断装置4の第1開閉部44a及び第2開閉部44bと、第2遮断装置5a~5cの第3開閉部54a及び第4開閉部54bが全て開いた状態にある。なお、本実施形態では、インバータ3にAC電源から電力が供給されており、緊急安全遮断モード時を除いて、インバータ3の制御部3cから第1制御信号が常に出力されている。
通常遮断モードにおいて、天候の不安定等の理由により、例えばグループ6Aの太陽電池モジュール6の発電が不安定な状態のときは、グループ6Aの太陽電池モジュール6から供給される電力に応じてリレー54がオン/オフ動作する。また、例えば、グループ6Cの太陽電池モジュール6の発電が不安定な状態のときは、グループ6Cの太陽電池モジュール6から供給される電力に応じてリレー54がオン/オフ動作する。
緊急安全遮断モードは、スタートモード、或いはアクティブモード中に、電路8a~8hを遮断して、太陽電池モジュール6からインバータ3への電力の出力を停止させるモードである。本実施形態では、図1に示すように、操作スイッチ35がインバータ3に接続されており、第1遮断装置4がスタートモード、或いはアクティブモード中のときに操作スイッチ35が操作されると、第1遮断装置4の動作モードが緊急安全遮断モードに切り替わる。
詳細には、操作スイッチ35が操作されると、制御部3cは、第1制御信号の出力を停止する。信号検出部46が第1制御信号の一定周期停止を検出すると、信号受信部42及び制御部43を介して、リレー44の第1開閉部44a及び第2開閉部44bが開かれる。これにより、グループ6Aとグループ6Bとの接続、並びにインバータ3とグループ6Aとの接続が遮断され、太陽電池モジュール6からインバータ3への電力の出力が停止される。このとき、第1遮断装置4は、リレー44の第1開閉部44a及び第2開閉部44bを開いた後で、第2遮断装置5a~5cに通信線10を介して第2制御信号を出力する。 第2遮断装置5a~5cは、第1遮断装置4からの第2制御信号を受けて、グループ6C~グループ6H同士の接続を遮断する。これにより、全てのグループ6A~6Hが互いに分断されることで、ストリング2の開放電圧が165V以下に分断される。
上記構成の太陽光発電システム1では、第1遮断装置4と第2遮断装置5a~5cとがマスタとスレーブの関係にあり、第2遮断装置5a~5cは、第1遮断装置4から出力される第2制御信号に応じて複数の太陽電池モジュールグループ6B~6H同士の接続を遮断する。これにより、第2遮断装置5a~5cにおいて、信号受信部42や信号検出部46などの機能を省略できる。その結果、第2遮断装置5a~5cの構成が簡素化できるので、複数の第2遮断装置5の設置コストを低減できる。
また、複数の太陽電池モジュールグループ6A~6Hは、グループ毎の開放電圧が165V以下であるため、安全性の高い太陽光発電システムを提供することができる。また、第1遮断装置4からの出力される第2制御信号は、通信線10を介して電力線通信とは異なる通信方式で出力されるので、電力線通信と比べてノイズの影響を受けにくく、第1遮断装置4から複数の第2遮断装置5への安定した通信が可能になる。
また、上記構成の太陽光発電システム1では、第1遮断装置4によってグループ6Aとグループ6Bとの接続が遮断された後で、第2遮断装置5a~5cによって複数の太陽電池モジュールグループ6B~6H同士の接続が遮断されるので、第2遮断装置5a~5cに係る電圧を抑えることができる。これにより、第2遮断装置5a~5cのコストダウンを図ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
複数の太陽電池モジュールグループのグループ数は、前記実施形態に限定されるものではない。ストリング2は、グループ毎の開放電圧が165V以下になるように複数の太陽電池モジュールグループにグループ分けされていればよい。例えば、図6に示すように、複数の太陽電池モジュールグループ6A~6Fのそれぞれが3つの直接に接続された太陽電池モジュール6を含んでいてもよい。すなわち、複数の太陽電池モジュールグループは、第1遮断装置4と複数の第2遮断装置5によって複数の太陽電池モジュールグループのそれぞれが3つの直列に接続された太陽電池モジュール6を含むように分割されてもよい。
また、図7に示すように、複数の第2遮断装置5は、第1遮断装置4が接続されるグループ(ここではグループ6A)を除いた複数の太陽電池モジュールグループ毎に1つずつ設けられもよい。
図8に示すように、第1遮断装置4は、複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオード48を含んでもよい。図8に示す例では、バイパスダイオード48は、グループ6Aに電気的に並列接続されている。バイパスダイオード48は、グループ6Aの陰極側の端子に接続されるアノードと、グループ6Aの陽極側の端子に接続されるカソードと、を含む。同様に、複数の第2遮断装置5は、複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオード58を含んでもよい。図8に示す例では、グループ6Cとグループ6Eのそれぞれにバイパスダイオード58が電気的に並列接続されている。
前記実施形態では、第1遮断装置4のリレー44が第1開閉部44aと第2開閉部44bの2つの接点を備えていたが、図9に示すように、リレー44は、単一の接点を備える2つのリレーで構成してもよい。すなわち、第1遮断装置4の制御部43が第1開閉部44aと第2開閉部44bとを独立して開閉制御可能な構成であってもよい。同様に、複数の第2遮断装置5においても、制御部53がリレー54の第3開閉部54aと第4開閉部54bとを独立して制御可能な構成であってもよい。
前記実施形態では、第1遮断装置4は、グループ6Aとグループ6Bとを接続する電路8aと、インバータ3とグループ6Aとを接続する電路8bに接続されていたが、第1遮断装置4と、複数の第2遮断装置5の配置を入れ替えてもよい。例えば、第1遮断装置4を電路8cと電路8dとに接続して、第2遮断装置5aを電路8aと電路8bとに接続してもよい。
前記実施形態では、電力線通信によって第1遮断装置4に第1制御信号を出力していたが、図8に示すように、Wifi(登録商標)等の無線通信によって第1制御信号を第1遮断装置4に出力してもよい。或いは、インバータ3と第1遮断装置4は、無線通信によって相互通信可能な構成であってもよい。
本発明によれば、太陽光発電システムにおいて、遮断装置の設置コストの低減、及び安全性の向上を両立できる太陽光発電システムを提供することができる。
1 太陽光発電システム
2 ストリング
3 インバータ
4 第1遮断装置
5a~5c 第2遮断装置
6 太陽電池モジュール
6A~6H 太陽電池モジュールグループ
44a 第1開閉部
44b 第2開閉部
54a 第3開閉部
54b 第4開閉部
2 ストリング
3 インバータ
4 第1遮断装置
5a~5c 第2遮断装置
6 太陽電池モジュール
6A~6H 太陽電池モジュールグループ
44a 第1開閉部
44b 第2開閉部
54a 第3開閉部
54b 第4開閉部
Claims (14)
- 1つ又は直列に接続された複数の太陽電池モジュールをそれぞれ含み互いに直列に接続された複数の太陽電池モジュールグループを含むストリングと、
前記ストリングに接続され、前記ストリングから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第1電路に接続された第1遮断装置と、
前記第1電路に接続された前記複数の太陽電池モジュールグループとは異なる前記複数の太陽電池モジュールグループ同士を接続する第2電路に接続された第2遮断装置と、
を備え、
前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、グループ毎の開放電圧が所定の開放電圧以下であり、
前記第1遮断装置は、前記インバータからの第1制御信号に応じて前記第1電路に接続された前記複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断し、
前記第2遮断装置は、前記第1遮断装置と前記第2遮断装置に接続される通信線を介して、電力線通信とは異なる通信方式で前記第1遮断装置から出力される第2制御信号に応じて、前記第2電路に接続された前記複数の太陽電池モジュールグループ同士の接続を遮断する、
太陽光発電システム。
- 前記第1遮断装置は、前記インバータからの前記第1制御信号に応じて前記第1電路に接続された前記複数の太陽電池モジュールグループ間の接続を遮断してから、前記第2遮断装置に前記第2制御信号を出力する、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、グループ毎の前記開放電圧が165V以下である、
請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、第1グループを含み、
前記第1遮断装置は、前記第1グループの陽極側の端子に接続される第1開閉部と、前記第1グループの陰極側の端子に接続される第2開閉部とを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記第1遮断装置は、前記第1開閉部と前記第2開閉部とを独立して開閉制御可能である、
請求項4に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、第1グループを含み、
前記第1遮断装置は、前記第1グループに属する1つ又は直列に接続された複数の前記太陽電池モジュールで発電される電力によって駆動される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、第2グループを含み、
前記第2遮断装置は、前記第2グループの陽極側の端子に接続される第3開閉部と、前記第2グループの陰極側の端子に接続される第4開閉部とを含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記第2遮断装置は、前記第3開閉部と前記第4開閉部とを独立して開閉制御可能である、
請求項7に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループは、第2グループを含み、
前記第2遮断装置は、前記第2グループに属する1つ又は直列に接続された複数の前記太陽電池モジュールで発電される電力によって駆動される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記インバータは、電力線通信によって前記第1遮断装置に前記第1制御信号を出力する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記インバータは、無線通信によって前記第1遮断装置に前記第1制御信号を出力する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記ストリングの前記複数の太陽電池モジュールグループの少なくとも1つは、直列に接続された複数の太陽電池モジュールを含む、
請求項1から11のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記第1遮断装置は、前記複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオードを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記第2遮断装置は、前記複数の太陽電池モジュールグループのいずれかに並列接続されるバイパスダイオードを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
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JP2022026164A JP2023122444A (ja) | 2022-02-22 | 2022-02-22 | 太陽光発電システム |
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US18/107,013 US20230268878A1 (en) | 2022-02-22 | 2023-02-08 | Solar power generation system |
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JP2022026164A JP2023122444A (ja) | 2022-02-22 | 2022-02-22 | 太陽光発電システム |
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- 2022-02-22 JP JP2022026164A patent/JP2023122444A/ja active Pending
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2023
- 2023-01-31 DE DE102023102232.6A patent/DE102023102232A1/de active Pending
- 2023-02-08 US US18/107,013 patent/US20230268878A1/en active Pending
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DE102023102232A1 (de) | 2023-08-24 |
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