JP2023121243A - 車体ピラー構造及び車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】CFRP製のピラーの筒状体と外層部材との接合強度を担保するとともに、側面衝突の衝突荷重に対する剛性に優れた車体ピラー構造及び車体構造を提供する。【解決手段】炭素繊維強化樹脂からなる筒状体と、筒状体の外周に設けられた炭素繊維強化樹脂からなる外層部材と、を含む車体ピラー構造であって、外層部材は、筒状体側の面に、筒状体から離れる方向へ後退して筒状体の軸方向に沿って延びる凹溝部を有し、凹溝部内に、凹溝部の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材に巻回されて筒状体の軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂を配置した。【選択図】図3

Description

本開示の技術は、繊維強化樹脂複合材を用いた自動車の車体ピラー構造及び車体構造に関する。
近年、乗用車等の自動車の車体の軽量化を目的として、炭素繊維強化樹脂(以下、CFRPと表記する)に代表される繊維強化樹脂を用いて車体の構造材を製造することが検討されている。繊維強化樹脂製の構造材は、高い剛性を有し、特に繊維の配向方向に作用する圧縮応力あるいは引張応力に対して高い強度を発揮する。繊維強化樹脂を用いて車体の構造材を構成する場合であっても、衝突に対する剛性や、車両の他の構成部品との結合強度等を担保することが必要となる。
例えば特許文献1及び2には、炭素繊維強化樹脂複合材からなる車体構造が提案されている。具体的に、特許文献1には、側面衝突の衝突荷重の入力時に引張側となる金属製の中空フレームのBピラーの車幅方向内壁部をCFRP製の補強材で補強したセンターピラーの構造が開示されている。また、特許文献2には、CFRPでルーフアーチと一体に形成されたセンターピラーと、CFRPでフロア部と一体に形成されたサイドシルとを、アルミニウム鋳造品の連結部材を介して連結した車両のキャビン構造が開示されている。
特開2015-160524号公報 特開2013-193637号公報
ここで、センターピラーにCFRPを適用する場合、上述したCFRPの特性を有効利用するには、繊維の連続性を保持できることが望ましい。具体的には、センターピラーの長さ方向あるいは周方向に、できる限り強化繊維が連続的に配置されることが望ましい。したがって、特許文献1に記載された金属製のセンターピラーのように、CFRP製のアウタ部材及びインナ部材をそれぞれ断面ハット状に構成して、両端のフランジ部のみでアウタ部材及びインナ部材を接合した場合、少なくともセンターピラーの周方向の繊維の連続性を保持することができない。また、両端のフランジ部のみでアウタ部材及びインナ部材を接合するだけでは、接合強度が不足するおそれがある。
これに対して、アウタ部材とインナ部材との間にCFRP製の筒状体を配置して、アウタ部材及びインナ部材をそれぞれ筒状体に接合することにより、接合強度を担保しつつ、強化繊維の連続性を保持可能な閉断面構造とすることができる。このとき、側面衝突の衝突荷重の入力時に荷重を受け止める機能を有するインナ部材については、断面凹凸形状を作り込むことによって断面係数が向上し、剛性の向上を図ることができる。しかしながら、断面凹凸形状とした場合、筒状体との接着面が減少して接着強度が低下するおそれがある。また、インナ部材をCFRPのみで構成した場合、破断歪みはわずかであり、破断を防ぎきれないおそれがある。
そこで、本開示の技術は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、CFRP製のピラーの筒状体と外層部材との接合強度を担保するとともに、側面衝突の衝突荷重に対する剛性に優れた車体ピラー構造及び車体構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示の技術のある観点によれば、炭素繊維強化樹脂からなる筒状体と、筒状体の外周に設けられた炭素繊維強化樹脂からなる外層部材と、を含む車体ピラー構造であって、外層部材は、筒状体側の面に、筒状体から離れる方向へ後退して筒状体の軸方向に沿って延びる凹溝部を有し、凹溝部内に、凹溝部の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材に巻回されて筒状体の軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂が配置された、車体ピラー構造が提供される。
また、上記課題を解決するために、本開示の技術の別の観点によれば、炭素繊維強化樹脂からなる筒状体と、筒状体の外周に設けられた炭素繊維強化樹脂からなる外層部材と、を含む車体ピラー構造を備えた車体構造であって、外層部材は、筒状体側の面に、筒状体から離れる方向へ後退して筒状体の軸方向に沿って延びて形成された凹溝部を有し、凹溝部内に、凹溝部の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材に巻回されて筒状体の軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂が配置された、車体構造が提供される。
以上説明したように本開示の技術によれば、CFRP製のピラーの筒状体と外層部材との接合強度を担保するとともに、側面衝突の衝突荷重に対する剛性に優れた車体センターピラー構造を得ることができる。
本実施形態に係る車体側部構造の全体構成を示す模式図である。 本実施形態に係るセンターピラーの構成を説明するために示す平面図及び断面図である。 本実施形態に係るセンターピラーの構成を説明するために示す断面図である。 本実施形態に係るセンターピラーのインナ部材の内面を示す図である。 本実施形態に係るセンターピラーの下部に設けられたピン部材を連結構造の一部として用いた構成例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、本実施形態に係る車体センターピラー構造を備えた車体構造の概略を説明する。
図1は、車体側部構造1の外観を示す模式図である。図1に示す車体側部構造1は、車両の左側部の構造の一部を概略的に示している。なお、図1に示すように、本明細書において、車幅方向をX方向、車体前後方向(車長方向)をY方向、車高方向をZ方向と表記する場合がある。
車体側部構造1は、ルーフピラー5、リアピラー4、フロントピラー2、センターピラー3及びサイドシル6等により構成されている。ルーフピラー5は、車両の車室空間の上部に車長方向に沿って延在し、車両の屋根のサイド部分を形成する。サイドシル6は、車両の側部の下部に車長方向に沿って延在する。
フロントピラー2は、下端がサイドシル6の前端に接続され、上端がルーフピラー5の前端に接続されている。フロントピラー2は、車両の車室空間を構成する前部を形成し、フロントガラスのサイドを支持するように配置される。リアピラー4は、下端がサイドシル6の後端に接続され、上端がルーフピラー5の後端に接続される。センターピラー3は、下端がサイドシル6の車長方向中央部に接続され、上端がルーフピラー5の車長方向中央部に接続される。
サイドシル6、ルーフピラー5、フロントピラー2及びセンターピラー3の間には、フロントドア用の開口部が形成されている。また、サイドシル6、ルーフピラー5、リアピラー4及びセンターピラー3の間には、リアドア用の開口部が形成されている。車体側部構造1を構成する各部材は、それぞれ複数の部材から構成されてもよい。例えば、各部材は、車幅方向の外側のアウタパネルと、車幅方向の内側のインナパネルとが接合されて構成されていてもよい。
かかる車体側部構造1において、センターピラー3は、車高方向に沿う長手方向を有し、略筒状に形成されている。センターピラー3は、上端に設けられたルーフピラー接続部16と、下端に設けられたサイドシル接続部14と、ルーフピラー接続部16とサイドシル接続部14との間に位置するピラー本体部12とを有する。本実施形態において、センターピラー3は、炭素繊維強化樹脂を用いて成形されている。
続いて、本実施形態のセンターピラー3の構成を詳細に説明する。
図2~図4は、本実施形態のセンターピラー3の構成を説明するために示す図である。図2~図4に示したセンターピラー3は、図1に示した車体側部構造1のセンターピラー3を簡略化して示したものである。図2の中央には、センターピラー3を車体外側方向から見た図が示され、図2の左には、センターピラー3を車体内側方向から見た図が示され、図2の右には、I-I断面の矢視図が示されている。図3は、図2に示したセンターピラー3のII-II断面の矢視図である。図4は、センターピラー3のインナ部材21の内面を示す図である。
センターピラー3は、車体内側に位置するインナ部材21と、車体外側に位置するアウタ部材31と、インナ部材21とアウタ部材31との間に位置する筒状体41とを備えている。インナ部材21、アウタ部材31及び筒状体41は、それぞれCFRPにより形成されている。このうち、インナ部材21及びアウタ部材31は、筒状体41の外周に設けられた外層部材に相当する。
インナ部材21及びアウタ部材31は、それぞれ上端にルーフピラー接続部16を構成する部分を有し、下端にサイドシル接続部14を構成する部分を有する。また、インナ部材21は、ピラー本体部12を構成する中間部の車長方向両側にフランジ部21a,21bを有する。また、アウタ部材31は、ピラー本体部12を構成する中間部の車長方向両側にフランジ部31a,31bを有する。筒状体41は、中空筒状に成形され、ピラー本体部12の形状に対応する立体形状を有する。
ルーフピラー接続部16及びサイドシル接続部14は、それぞれインナ部材21及びアウタ部材31の上端部及び下端部により構成され、ルーフピラー5及びサイドシル6に嵌まり合う、車長方向に延びる溝状を成している。ただし、ルーフピラー接続部16及びサイドシル接続部14の形状は、溝状に限定されるものではない。
ピラー本体部12は、軸方向が車高方向に沿って延びる略筒状を成している。ピラー本体部12は、筒状体41をインナ部材21及びアウタ部材31で挟み込み、インナ部材21及びアウタ部材31の内面をそれぞれ筒状体41の外面に接合するとともに、インナ部材21のフランジ部21a,21bとアウタ部材31のフランジ部31a,31bとを接合した筒状閉断面の成形体として構成されている(図3を参照)。インナ部材21及びアウタ部材31と筒状体41との接合、及び、インナ部材21のフランジ部21a,21bとアウタ部材31のフランジ部31a,31bとの接合は、例えば接着剤を用いて行われる。互いに接合されたフランジ部21a,21b,31a,31bは、例えばフロントドア及びリアドアの戸当たりとして用いられ得る。
筒状体41は、炭素繊維に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化樹脂を用いて形成されている。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂)、ポリスチレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合合成樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、又はポリイミド樹脂等が例示される。
マトリックス樹脂としては、これらの熱可塑性樹脂のうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物が使用され得る。あるいは、マトリックス樹脂は、これらの熱可塑性樹脂の共重合体であってもよい。熱可塑性樹脂が混合物である場合には、さらに相溶化剤が併用されてもよい。さらに、熱可塑性樹脂には、難燃剤として臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤、赤燐などが加えられてもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等が例示される。マトリックス樹脂としては、これらの熱硬化性樹脂のうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物が使用され得る。これらの熱硬化性樹脂が用いられる場合、熱硬化性樹脂に、適宜の硬化剤や反応促進剤が加えられてもよい。
炭素繊維は、軸方向に配向する繊維と、軸方向に対して交差する方向に配向する繊維とを適宜の割合で含んでいてよい。軸方向に配向する繊維の量により、側面衝突の衝突荷重の入力時に発生する引張応力が調節される。軸方向に対して交差する方向に配向する繊維の量により、側面衝突の衝突荷重に対する剛性が調節され、衝突エネルギの吸収量が調節される。筒状体41が筒状閉断面の成形体であることにより、軸方向(車長方向)に繊維の連続性を保持できるだけでなく、軸回りの周方向にも繊維の連続性を保持することができ、側面衝突の衝突荷重に対する剛性を高めることができる。
なお、筒状体41は、中空の管状の部材であってもよく、内部に樹脂その他の適宜の材料が詰められた中実の部材であってもよい。また、筒状体41は、連続繊維以外にも短繊維を含んでいてもよく、強化繊維として炭素繊維以外の他の繊維を含んでいてもよい。
アウタ部材31は、筒状体41と同様に、炭素繊維に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含侵させた繊維強化樹脂を用いて形成されている。炭素繊維は、軸方向に配向する繊維と、軸方向に対して交差する方向に配向する繊維とを適宜の割合で含んでいてよい。ただし、炭素繊維の配向方向は、一方向に揃っていてもよく、異なっていてもよい。また、アウタ部材31についても、連続繊維以外にも短繊維を含んでいてもよく、強化繊維として炭素繊維以外の他の繊維を含んでいてもよい。
図3に示すように、本実施形態のセンターピラー3のアウタ部材31は、断面ハット状に成形され、車長方向両端のフランジ部31a,31bの間の凹部領域に筒状体41が配置される。少なくともアウタ部材31の凹部領域の底面が、筒状体41の外面に対して接合されている。
インナ部材21は、基材23及び充填部29a,29b,29c(以下、特に区別を要しない限り充填部29と総称する)を備えている。基材23は、炭素繊維に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含侵させた繊維強化樹脂を用いて形成されている。炭素繊維は、軸方向に配向する繊維と、軸方向に対して交差する方向に配向する繊維とを適宜の割合で含んでいてよい。ただし、炭素繊維の配向方向は、一方向に揃っていてもよく、異なっていてもよい。また、インナ部材21についても、連続繊維以外にも短繊維を含んでいてもよく、強化繊維として炭素繊維以外の他の繊維を含んでいてもよい。
図3に示すように、インナ部材21の基材23は、筒状体41側の面に、筒状体41から離れる方向へ後退して筒状体41の軸方向に沿って延びる複数の凹溝部27a,27b,27c(以下、特に区別を要しない限り凹溝部27と総称する)を有する。図3に示した例では、基材23は、3つの凹溝部27a,27b,27cを有する。基材23が複数の凹溝部27を有することにより、基材23の断面係数が増大し、側面衝突の衝突荷重の入力時に作用する曲げモーメントに対する剛性を高めることができる。
充填部29は、それぞれの凹溝部27内に配置されている。それぞれの充填部29は、凹溝部27の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材25u,25dに巻回されて軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂により構成されている(図4を参照)。ピン部材25u,25dは、例えば鉄やアルミニウム等の金属製の棒状の部材であって、基材23に固定されている。ピン部材25u,25dは、インナ部材21の成形工程における加熱処理によっても変形しない材料であればよく、金属製の部材に限られない。
このような充填部29は、例えばテーラードファイバープレイスメント(TFP)工法を利用して形成することができる。このとき、凹溝部27内に充填された繊維強化樹脂の表面の位置(高さ)と、凹溝部27のエッジの位置(高さ)とを同一とし、筒状体41側を向くインナ部材21の面を、段差のない同一面とすることが好ましい。これにより、筒状体41に対するインナ部材21の接合面が均一化されるとともに接合面積が大きくなって、接合強度の低下を抑制することができる。
充填部29の破断歪みは、インナ部材21を構成するCFRPの破断歪みよりも大きくなるように設計されている。例えば充填部29を構成する連続繊維として、炭素繊維よりも歪み係数が大きい繊維が用いられることで、充填部29の破断歪みをCFRPの破断歪みよりも大きくすることができる。このような繊維としては、例えばガラス繊維又はアラミド繊維のいずれか一方又は両方の混合物が挙げられるが、これ以外の繊維であってもよい。また、充填部29を構成する樹脂として、CFRPよりも歪み係数が大きい樹脂が用いられることで、充填部29の破断歪みをCFRPの破断歪みよりも大きくすることができる。このような樹脂としては、例えばポニフェニレンエーテル(PPE)樹脂を含む混合物が挙げられるが、これ以外の樹脂であってもよい。
充填部29の破断歪みがCFRPの破断歪みよりも大きいことにより、側面衝突の衝突荷重の入力時に、荷重を受け止める機能を有するインナ部材21が破断するおそれが低減され、衝突エネルギの吸収及び車室内の安全確保に効果を発揮することができる。
また、本実施形態において、インナ部材21のピン部材25u,25dは、センターピラー(車体ピラー構造)3を車体構造部材に連結する連結構造の一部として用いられてもよい。具体的に、センターピラー3の上部に設けられたピン部材25uは、センターピラー3をルーフピラー5に連結する連結構造の一部として用いられてもよく、センターピラー3の下部に設けられたピン部材25dは、センターピラー3をサイドシル6に連結する連結構造の一部として用いられてもよい。
図5は、センターピラー3の下部に設けられたピン部材25dを、センターピラー3をサイドシル6に連結する連結構造の一部として用いた構成例を示す。図5は、図2の右側に示した断面図の相当するセンターピラー3の下部がサイドシル6に連結された様子を示している。
ピン部材25dは、インナ部材21の基材23を貫通し、軸方向の一端側がインナ部材21の外側に露出するように設けられている。ピン部材25dは、軸心に沿って形成されてピン部材25dの軸方向両端に開口したボルト孔26を有する。ボルト孔26には、センターピラー3とサイドシル6とを連結するための連結部材としての連結ボルト28が挿入される。また、サイドシル6にもボルト孔7が形成され、連結ボルト28はボルト孔7にも挿入される。したがって、連結ボルト28をピン部材25dのボルト孔26及びサイドシル6のボルト孔7に挿入し、締め付けることにより、センターピラー3とサイドシル6とが連結される。
図示は省略するが、センターピラー3の上部に設けられたピン部材25uも同様の構成により、センターピラー3とルーフピラー5とを連結する連結構造の一部として用いられる。このように、ピン部材25u,25dが、センターピラー3をルーフピラー5又はサイドシル6に連結する連結構造の一部として用いられることにより、ルーフピラー5又はサイドシル6に対するセンターピラー3の位置決めを行うための構成、及び、センターピラー3をルーフピラー5又はサイドシル6に連結するための連結部材を別途設けることが不要となる。
続いて、本実施形態に係るセンターピラー3の製造方法とともに、TFP工法を利用したインナ部材21の成形方法の一例を説明する。
まず、従来のブレーディング法、フィラメントワインディング法、シートワインディング法、レイアップ法やコールドプレス成形又はホットプレス成形等によりアウタ部材31及び筒状体41を成形する。アウタ部材31及び筒状体41の成形方法については特に限定されるものではない。
また、成形型等を用いてCFRPのプリプレグを積層し、基材23に相当する、複数の凹溝部27を有する半溶融状態の中間基材を形成する。このとき、それぞれの凹溝部27の軸方向両側にピン部材25u,25dが設けられる。図4に示したインナ部材21の場合、ピン部材25u,25dは、中間基材の厚さ方向に軸方向を合わせて設けられる。ピン部材25u,25dは、中間基材を形成する際に、あらかじめピン部材25u,25dを設置してもよく、中間基材を形成した後にピン部材25u,25dを配置してもよい。なお、中間基材の形成方法は特に限定されるものではない。
次いで、それぞれの凹溝部27に対して、当該二つのピン部材25u,25dに連続繊維を巻回し、それぞれの凹溝部27内に繊維束を配置する。さらに、当該繊維束を中間基材に縫い止める。繊維束を配置し中間基材に縫い止める工程は、TFP工法を適用して行われる。
次いで、繊維束が配置されたそれぞれの凹溝部27内に樹脂を流し込み、凹溝部27内に繊維束及び樹脂からなる繊維強化樹脂を形成する。その後、中間基材と併せて凹溝部27内の繊維強化樹脂を硬化させることで、凹溝部27内に充填部29が形成されたインナ部材21が成形される。
次いで、接着剤等を用いて筒状体41に対してインナ部材21及びアウタ部材31を接合することにより、本実施形態に係るセンターピラー3を得ることができる。
本実施形態に係るセンターピラー3によれば、インナ部材21が軸方向に沿って延びる複数の凹溝部27を有することにより、基材23の断面係数が増大し、側面衝突の衝突荷重の入力時に作用する曲げモーメントに対する剛性を高めることができる。また、インナ部材21の凹溝部27には、軸方向に沿って配置された連続繊維を含む繊維強化樹脂から成り、破断歪みがCFRPの破断歪みよりも大きい充填部29が配置されている。このため、側面衝突の衝突荷重の入力時に、荷重を受け止める機能を有するインナ部材21が破断するおそれが低減され、衝突エネルギの吸収及び車室内の安全確保に効果を発揮することができる。
また、本実施形態に係るセンターピラー3によれば、インナ部材21の凹溝部27内に充填された充填部29の位置(高さ)と、凹溝部27のエッジの位置(高さ)とが同一とされ、筒状体41側を向くインナ部材21の面が、段差のない同一面とされる。これにより、筒状体41に対するインナ部材21の接合面が均一化されるとともに接合面積が大きくなって、接合強度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係るセンターピラー3は、インナ部材21、アウタ部材31及び筒状体41からなり、筒状体41の周囲にインナ部材21及びアウタ部材31が接合された構成であるため、筒状閉断面の構造となって、軸方向及び周方向のあらゆる方向への強化繊維の連続性を保持することができる。したがって、繊維強化樹脂の強度特性を有効に発揮可能なセンターピラー3とすることができる。
また、本実施形態に係るセンターピラー3は、インナ部材21の凹溝部27に配置される充填部29を形成する際に用いられるピン部材25u,25dを、ルーフピラー5及びサイドシル6に対してセンターピラー3を連結するための連結構造の一部として用いることができる。このため、ルーフピラー5及びサイドシル6に対するセンターピラー3の位置決めを行うための構成、及び、センターピラー3をルーフピラー5又はサイドシル6に連結するための連結部材を別途設けることが不要となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の技術の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術は係る例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、上記の実施形態及び各変形例を互いに組み合わせた態様も、当然に本開示の技術的範囲に属する。
1:車体側部構造、3:センターピラー、5:ルーフピラー、6:サイドシル、7:ボルト孔、12:ピラー本体部、14:サイドシル接続部、16:ルーフピラー接続部、21:インナ部材、21a:フランジ部、21b:フランジ部、23:基材、25d:ピン部材、25u:ピン部材、26:ボルト孔、27・27a・27b・27c:凹溝部、28:連結ボルト、29・29a・29b・29c:充填部、31:アウタ部材、31a:フランジ部、31b:フランジ部、41:筒状体

Claims (5)

  1. 炭素繊維強化樹脂からなる筒状体と、
    前記筒状体の外周に設けられた炭素繊維強化樹脂からなる外層部材と、
    を含む車体ピラー構造において、
    前記外層部材は、前記筒状体側の面に、前記筒状体から離れる方向へ後退して前記筒状体の軸方向に沿って延びる凹溝部を有し、
    前記凹溝部内に、前記凹溝部の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材に巻回されて前記筒状体の軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂が配置された、車体ピラー構造。
  2. 前記ピン部材は、前記車体ピラー構造を車体構造部材に連結する連結構造の一部として用いられる、請求項1に記載の車体ピラー構造。
  3. 前記ピン部材は、前記車体ピラー構造を前記車体構造部材に連結するためのボルト孔又は連結部材を有する、請求項2に記載の車体ピラー構造。
  4. 前記凹溝部に充填される前記繊維強化樹脂の連続繊維は、前記炭素繊維とは異なる繊維を含む、請求項1に記載の車体ピラー構造。
  5. 炭素繊維強化樹脂からなる筒状体と、
    前記筒状体の外周に設けられた炭素繊維強化樹脂からなる外層部材と、
    を含む車体ピラー構造を備えた車体構造において、
    前記外層部材は、前記筒状体側の面に、前記筒状体から離れる方向へ後退して前記筒状体の軸方向に沿って延びて形成された凹溝部を有し、
    前記凹溝部内に、前記凹溝部の軸方向両側にそれぞれ設けられたピン部材に巻回されて前記筒状体の軸方向に沿って配向する連続繊維を含む繊維強化樹脂が配置された、車体構造。
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