JP2023120029A - 傷特定方法、及び傷特定方法に用いる傷特定システム - Google Patents

傷特定方法、及び傷特定方法に用いる傷特定システム Download PDF

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Abstract

【課題】傷ついた搬送ロールが製品の搬送ラインに含まれる場合に、傷ついた搬送ロールを容易に、且つ、正確に特定し、搬送ロールの稼働が停止することを抑制することを可能とする傷特定方法、及び傷特定方法に用いる傷特定システムを提供する。【解決手段】傷特定システムを用いた傷特定方法は、傷ついた製品を検出したか否かを判断する判断工程と、傷ついた製品を検出したと判断した場合に、傷ついた製品のID、及び傷の検出結果、及び傷有撮像カメラのID、及び傷無撮像カメラのIDを取得する情報取得工程と、傷ついた製品のID、及び特定範囲の搬送ロールの中に傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知工程と、を有し、情報取得工程において、製品が一のカメラを通過した時点で、所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ後ろに設けられた他のカメラを通過した製品が傷ついた製品であるか否かが既知であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、傷ついた搬送ロールを特定する傷特定方法、及び傷特定方法に用いる傷特定システムに関する。
従来、鋼片の端縁との関係性において、鋼片の表面に形成された傷を高い精度で検出し、位置を見積もることができる傷検出方法および傷検出装置が公知である。当該傷検出方法は、鋼片の表面において、傷が形成された箇所に、可視域の色を有する着色剤を用いて所定のパターンを有するマークを記入するマーキング工程と、鋼片を画像撮影装置に対して相対的に移動方向に移動させながら、画像撮影装置によって、端縁を含む鋼片の表面を可視域でカラー撮影する撮影工程と、撮影工程で得られた画像において、端縁を検出する端縁検出工程と、マークのパターンおよび端縁を基準とした位置を検出するマーク検出工程と、を有することを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。
また、取り扱いが容易で、かつ非欠点部を欠点として誤認することの少ない被検査体の欠点検査方法及び装置も公知である。当該欠点検査方法は、被検査体に存在する突起物、傷、泡、付着物、汚れ等の欠点を検出する方法であり、複数の被検査体を連続して搬送しながら撮像手段で撮像し、撮像手段から出力された被検査体の画像データを二値化処理して欠点画像データを抽出し、欠点画像データから欠点を検出する際に、あらかじめ、欠点画像データの中の個々の欠点画像のうち互いにあらかじめ定められた距離以下にあるものをリンクして1つの欠点領域とし、欠点領域の面積のうち所定の面積よりも大きいものを被検査体のエッジ画像として判別することを特徴とする(例えば、特許文献2参照)。
特開2017-072435号公報 特開平09-072853号公報
上記特許文献1及び上記特許文献2には、いずれも一連の搬送ローラ(特許文献1においてはローラテーブルに相当する)上を流れる物体(特許文献1においては銅片、特許文献2においてはガラス板に相当する)の表面を、撮像手段(特許文献1においてはカメラ、特許文献2においてはCCDラインセンサに相当する)が撮像し、その物体の表面の画像に基づいて欠陥(例えば傷や汚れ等)を光学的に検出する点が開示されている。しかしながら、いずれかの搬送ローラが傷ついており、当該傷の上を物体が通過することによって物体が傷ついた際に、どの搬送ローラが傷ついているかを特定することが困難である場合がある。
例えば特許文献1及び特許文献2において搬送ローラ(以下、「搬送ロール」という)上を流れ終えた物体が傷ついていることを発見した際、搬送ロールが並んでいる方向に沿って複数のカメラが設置されている場合は、傷ついた物体が各々のカメラを通過した時間等に基づいてそれら全てのカメラが撮像した画像を確認することによって、物体が傷つき始めた際の画像と、物体が傷ついていない画像を特定することができる。これによって、物体が傷つき始めた際の画像を生成したカメラと、物体が傷ついていない画像を生成したカメラを特定し、それらのカメラの間に並んだ搬送ロールが傷ついていることが分かる。あとは、それらの搬送ロールを個々に確認することによって、傷ついた搬送ロールを特定
できる。
しかしながら、この傷ついた搬送ロールを特定する方法は多大な手間を要する。例えば傷ついた物体が各々のカメラを通過した時間と、各々のカメラの画像を比較することによって、物体が傷つき始めた際の画像を特定できるが、これには多大な手間を要する。結果的に、搬送ロールの稼働を長時間停止することになるため、生産の遅延等につながる虞がある。他に、搬送ロールのメンテナンスを効率的に実行できない虞がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、傷ついた搬送ロールが製品の搬送ラインに含まれる場合に、傷ついた搬送ロールを容易に、且つ、正確に特定し、搬送ロールの稼働が停止することを抑制することを可能とする傷特定方法、及び傷特定方法に用いる傷特定システムを提供することを最終的な目的とする。
上記の課題を解決するための本開示は、
製品が通過した際に当該製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロールが、複数の搬送ロールから成る搬送ラインに含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定方法であって、
前記搬送ライン上において前記製品が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設置された複数のカメラを用いて前記製品の下側を撮像し、前記製品の撮像結果及び位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品を検出したか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程において前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラのID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラのIDを取得する情報取得工程と、
前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知工程と、を有し、
前記情報取得工程において、前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ後ろに設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かが既知であることを特徴とする、傷特定方法を含む。
本開示によれば、複数のカメラの中から、傷有撮像カメラ及び傷無撮像カメラを容易に特定することができ、これらのカメラと搬送ロールの位置関係から、傷ついた搬送ロールが含まれる、特定範囲の搬送ロールを容易に、且つ、正確に特定することができる。そのため、搬送ロールの稼働が停止することを抑制することができ、搬送ロールの稼働が停止する場合においても、その停止時間を短くし、傷ついた搬送ロールを発見することにかかるコストを抑制することができる。また、特定範囲の搬送ロールを特定できれば、メンテナンスの計画が立てやすい。
また、本開示においては、前記通知工程において通知された前記傷ついた製品における前記傷と、予め定められた前記傷の深刻度の指標に基づいて、前記搬送ラインの稼働を停止するか否かを判断する第2の判断工程をさらに有し、前記搬送ラインの稼働を停止する場合にはその旨を通知し、前記搬送ラインの稼働を停止しない場合には一定の日時が経過した後に前記複数の搬送ロールの全部または一部を交換する旨を通知することを特徴とする、傷特定方法としてもよい。傷ついた製品を検出したと判断する度に搬送ラインの稼働を停止していては、製品の生産性が低下するため、本開示における傷特定方法が第2の判
断工程を有することによって、このような生産性の低下を抑制することができる。また、傷ついた製品を検出したと判断しても、その傷の深刻度が低い場合には搬送ラインの稼働を停止しないが、例えばその傷ついた製品に傷を与えた傷ついた搬送ロールにおける傷が経年劣化で少しずつ大きくなった場合は、他の製品に深刻度の高い傷を与える虞がある。複数の搬送ロールの全部または一部を交換することによって、このように他の製品に深刻度の高い傷を与える虞を未然に防止することができる。
また、本開示においては、前記製品のID毎に、前記複数のカメラの各々から取得した前記撮像結果を保存する保存工程をさらに有することを特徴とする、傷特定方法としてもよい。これによれば、過去に搬送した製品の撮像結果を確認する際、当該撮像結果を取得したカメラや当該撮像結果に表示された製品のIDを容易に特定することができ、例えば過去に搬送した製品における傷の発生状況を調べることが容易となる。
また、本開示においては、前記複数のカメラの台数は、前記複数の搬送ロールの個数と比較して少ないことを特徴とする、傷特定方法としてもよい。設置されるカメラの台数が少なくとも二台であれば、特定範囲の搬送ロールを特定することが可能である。設置されるカメラの台数を必要最低限に抑えることで、複数のカメラの通信コストを極力低減することができる。
また、本開示においては、前記第2の判断工程において前記搬送ラインの稼働を停止すると判断した場合に、前記特定範囲の搬送ロール上において、サンプルを前記所定の方向に所定の距離だけ搬送した後に、前記所定の方向を基準として当該サンプルの先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するまで前記所定の方向と逆方向に搬送する手順を、前記所定の距離を変化させつつ前記傷を発見するまで繰り返すことを特徴とする、傷特定方法としてもよい。これによれば、特定範囲の搬送ロールの中から傷ついた搬送ロールを発見することができる。また、例えば操作盤等の装置を用いて、搬送ロールの回転を操作することができれば、傷ついた搬送ロールが目視確認し難い場所にある場合でも、傷ついた搬送ロールを正確に発見することができる。
また、本開示においては、前記サンプルは、前記搬送ロール上を滑ることなく搬送され、前記搬送ロールはいずれも、回転速度、及び回転方向、及び回転が開始するタイミングと終了するタイミングが同一であることを特徴とする、傷特定方法としてもよい。これによれば、搬送ロールの空回りを考慮しなくてよい。また、サンプルの先頭の位置を正確に計算することができる。
また、本開示においては、n=1として、前記サンプルの前記先頭が前記所定の方向を基準として前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記搬送ロール上に置き、隣り合う二の前記搬送ロールの間の距離のn倍だけ前記サンプルを前記所定の方向に搬送し、再度前記先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記所定の方向と逆方向に搬送し、前記傷を発見しない場合は、nの値に1を足し、nの値が前記特定範囲の搬送ロールの個数以下であれば、再度隣り合う二の前記搬送ロールの間の距離のn倍だけ前記サンプルを前記所定の方向に搬送し、再度前記先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記所定の方向と逆方向に搬送する手順を繰り返し、nの値が前記特定範囲の搬送ロールの個数より大きければ、前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれない旨が出力されることを特徴とする、傷特定方法としてもよい。これによれば、特定範囲の搬送ロールの中から傷ついた搬送ロールを発見する精度を高めることができる。
また、本開示においては、プッシャーが前記複数の搬送ロールの長手方向に沿って前記搬送ライン上に前記製品を押し出し、且つ、前記判断工程において前記傷ついた製品を検
出したと判断した場合に、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記プッシャーが前記製品を押し出す予め定められた基準位置を取得する第2の情報取得工程と、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記基準位置に基づき、前記製品が前記複数の搬送ロール上を搬送される際に前記複数の搬送ロールの長手方向に対して平行な方向の、前記製品の幅を算出する算出工程と、前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれる旨、及び前記傷ついた製品のID、及び前記幅を通知する第2の通知工程と、をさらに有することを特徴とする、傷特定方法としてもよい。製品の幅を変更することによって、当該製品が傷ついた搬送ロールを通過しても傷に接触することを防止できる。これによって、搬送ラインの稼働を停止せずとも、製品の幅に応じて傷ついた搬送ロールを通過しても傷に接触することを防止できる製品のみを選択することができ、当該製品のみを生産することができる。
また、本開示においては、前記算出工程において、前記基準位置は変更可能であり、変更した場合は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び変更後の前記基準位置に基づき、新たな前記幅を算出し、前記第2の通知工程において、変更後の前記基準位置、及び新たな前記幅を通知することを特徴とする、傷特定方法としてもよい。製品の幅を変更するだけでは、当該製品が傷ついた搬送ロールを通過する際に傷に接触することを防止できない場合があるが、基準位置を変更することによって、このような問題点を解消できる場合がある。
また、本開示は、
複数の搬送ロールから成る搬送ラインと、
前記搬送ライン上において製品が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設置された複数のカメラと、
前記搬送ライン上を搬送される前記製品が通過した際に前記製品の位置を検知する複数のセンサと、を備え、
前記製品が通過した際に前記製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロールが、前記搬送ラインに含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定システムであって、
前記複数のカメラから取得した前記製品の撮像結果及び前記複数のセンサから取得した前記製品の位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品を検出したか否かを判断し、
前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラのID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラのIDを取得する制御部と、
前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知部と、をさらに備え、
前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記制御部は、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ前に設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かの情報をすでに取得していることを特徴とする、傷特定システムを含んでもよい。
本開示によれば、複数のカメラの中から、傷有撮像カメラ及び傷無撮像カメラを容易に特定することができ、これらのカメラと搬送ロールの位置関係から、特定範囲の搬送ロールを容易に、且つ、正確に特定することができる。そのため、搬送ロールの稼働が停止することを抑制することができ、搬送ロールの稼働が停止する場合においても、その停止時間を短くし、傷ついた搬送ロールを発見することにかかるコストを抑制することができる
また、本開示においては、前記制御部は、前記通知部によって通知された前記傷ついた製品における前記傷と、予め定められた前記傷の深刻度の指標に基づいて、前記搬送ラインの稼働を停止するか否かを判断し、前記通知部は、前記搬送ラインの稼働を停止する場合にはその旨を通知し、前記搬送ラインの稼働を停止しない場合には一定の日時が経過した後に前記複数の搬送ロールの全部または一部を交換する旨を通知することを特徴とする、傷特定システムとしてもよい。本開示における傷特定システムが制御部を備えることによって、搬送ラインの稼働の過度な停止による生産性の低下を抑制することができる。また、傷ついた製品における傷の深刻度が低い場合でも、複数の搬送ロールの全部または一部を交換することによって、例えばその傷ついた製品に傷を与えた傷ついた搬送ロールにおける傷が経年劣化で少しずつ大きくなる虞を未然に防止することができる。
また、本開示においては、前記製品のID毎に、前記複数のカメラの各々から取得した前記撮像結果を保存する保存部をさらに備えることを特徴とする、傷特定システムとしてもよい。これによれば、過去に搬送した製品の撮像結果を確認する際、当該撮像結果を取得したカメラや当該撮像結果に表示された製品のIDを容易に特定することができる。
また、本開示においては、前記複数のカメラの台数は、前記複数の搬送ロールの個数と比較して少ないことを特徴とする、傷特定システムとしてもよい。設置されるカメラの台数を必要最低限に抑えることで、複数のカメラから制御部への通信コストを極力低減することができる。
また、本開示においては、前記複数の搬送ロールの長手方向に沿って前記搬送ライン上に前記製品を押し出すプッシャーをさらに備え、且つ、前記制御部が前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記制御部は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記プッシャーが前記製品を押し出す予め定められた基準位置を取得した後、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記基準位置に基づき、前記製品が前記複数の搬送ロール上を搬送される際に前記複数の搬送ロールの長手方向に対して平行な方向の、前記製品の幅を算出し、前記通知部は、前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれる旨、及び前記傷ついた製品のID、及び前記幅を通知することを特徴とする、傷特定システムとしてもよい。製品の幅を変更することによって、当該製品が傷ついた搬送ロールを通過しても傷に接触することを防止できる。これによって、搬送ラインの稼働を停止せずとも、製品の幅に応じて傷ついた搬送ロールを通過しても傷に接触することを防止できる製品のみを選択することができ、当該製品のみを生産することができる。
また、本開示においては、前記基準位置は変更可能であり、変更した場合は、前記制御部は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び変更後の前記基準位置に基づき、新たな前記幅を算出し、前記通知部は、変更後の前記基準位置、及び新たな前記幅を通知することを特徴とする、傷特定システムとしてもよい。製品の幅を変更するだけでは、当該製品が傷ついた搬送ロールを通過する際に傷に接触することを防止できない場合があるが、基準位置を変更することによって、このような問題点を解消できる場合がある。
なお、上記の課題を解決するための手段は、可能な限り互いに組み合わせて用いることができる。
本発明によれば、傷ついた搬送ロールが製品の搬送ラインに含まれる場合に、傷ついた
搬送ロールを容易に、且つ、正確に特定し、搬送ロールの稼働が停止することを抑制することが可能である。これによって、例えば搬送ロールのメンテナンスを効率的に実行することが可能である。
図1は、実施例に係る傷特定システムの構成の一例を示す模式図である。 図2は、実施例に係る傷特定システムを用いた傷特定方法の手順を示すフローチャートである。 図3A乃至Cは、実施例に係る傷特定方法について、隣り合う二の搬送ロールの間の距離が搬送ロールの円周より大きい傷特定システムにおいて、特定範囲の搬送ロールの中から傷ついた搬送ロールを発見する方法の流れを説明する図である。図3Aは第1の説明図である。図3Bは第2の説明図である。図3Cは第3の説明図である。 図4A及びBは、図3Cの続きの流れを説明する図である。図4Aは第4の説明図である。図4Bは第5の説明図である。 図5A乃至Cは、実施例に係る傷特定方法について、隣り合う二の搬送ロールの間の距離が搬送ロールの円周以下である傷特定システムにおいて、特定範囲の搬送ロールの中から傷ついた搬送ロールを発見する方法の流れを説明する図である。図5Aは第1の説明図である。図5Bは第2の説明図である。図5Cは第3の説明図である。 図6A乃至Cは、図5Cの続きの流れを説明する図である。図6Aは第4の説明図である。図6Bは第5の説明図である。図6Cは第6の説明図である。 図7A乃至Cは、図6Cの続きの流れを説明する図である。図7Aは第7の説明図である。図7Bは第8の説明図である。図7Cは第9の説明図である。 図8は、図3A乃至図4Bに示す流れ、及び図5A乃至図7Cに示す流れを一般化して補足した手順を示す第2のフローチャートである。 図9は、実施例に係る傷特定方法について、傷ついた搬送ロールにおける傷の位置に基づき、傷ついた搬送ロールを通過する製品が傷に接触することを防止する第1の方法を説明する図である。 図10は、実施例に係る傷特定方法について、傷ついた搬送ロールにおける傷の位置に基づき、傷ついた搬送ロールを通過する製品が傷に接触することを防止する第2の方法を説明する図である。 図11は、図9及び図10に示す流れを一般化した手順を示す第3のフローチャートである。
〔適用例〕
以下に本発明の適用例の概要について一部の図面を用いて説明する。本開示は図1に示すような傷特定システム1に適用することができる。また、本開示は傷特定システム1を用いることで、図2のフローチャートに示すような工程に適用することができる。
図1は、本開示が適用可能な傷特定システム1の構成の一例を示す模式図である。本適用例における傷特定システム1は大別して、複数の搬送ロール100(図1では簡略的に一の搬送ロール100のみに符号を付している。以下の図においても同様である。)から成る搬送ライン10、及び複数のカメラ11a、11b、及び複数のセンサ12a-12d、及びコントローラ13、及びモニタ14、及びストレージ15を備えて構成される。本適用例における傷特定システム1は、例えば工場等の生産現場において用いられることが一般的であり、そのような生産現場においては、量産品の生産工程の一工程として、例えばプリント基板等の板状の製品2a-2cが前後で互いに一定の間隔を空けて搬送ライン10上を所定の方向(図1に矢印で示す方向をいう。以下の図においても同様である。)に搬送される。製品2a-2cはいずれも、表面と裏面のいずれか決まった面が搬送ロール100に接しているものとする。なお、以下では、位置関係を示すために「前」「後
ろ」という表現を用いる際は、この所定の方向を基準としているものとする。例えば図1においては、搬送ライン10上において、製品2aは一番前に、製品2cは一番後ろに位置する。
搬送ライン10には、製品2a-2cが通過した際に製品2a-2cに与え得る傷を有する搬送ロール100が含まれる場合がある。以下、この搬送ロール100を傷ついた搬送ロール100aという。製品2a-2cに与え得る傷とは、例えば経年劣化によって搬送ロール100の表面に生じた凹部や、搬送ロール100の表面に付着した異物が硬化した突起物等である。製品2a-2cがこのような傷に接触すると、搬送ロール100に接触している面(以下、「製品2a-2cの搬送ロール100に接触している面」のことを単に「製品2a-2cの接触面」という)に切り傷やかすり傷等の傷が生じる。このとき、搬送ロール100の回転によって、製品2a-2cの接触面には、等間隔に傷が生じ得る。ここで、このようにして傷ついた搬送ロール100aによって傷を与えられた製品2a-2cを、傷ついた製品2a-2cという。図1においては、製品2a、2bを傷ついた製品2a、2bとして例示する。
カメラ11a、11bは、所定の方向に沿って、搬送ライン10の下側に間隔を空けて設置されている。カメラ11a、11bのレンズは搬送ライン10の方向を向いており、カメラ11a、11bは、製品2a-2cが通過した際に、隣り合う二の搬送ロール100の隙間から製品2a-2cの接触面を撮像する。ここで、図1において、傷ついた搬送ロール100aは、カメラ11aの撮像範囲より後ろに、且つ、カメラ11bの撮像範囲より前に位置する。そのため、カメラ11aからは傷ついた製品2a、2bの撮像結果を取得できるが、カメラ11bからは傷ついた製品2a、2bの撮像結果を取得できない。なお、本適用例においては、撮像結果として映像を例示するが、連続的な静止画であってもよい。
センサ12a-12dは、例えば製品2a-2cに付されたバーコードを読み取ることによって、製品2a-2cが通過した際に製品2a-2cの位置を検知する。なお、図1において、センサ12a-12dは搬送ライン10の下側に設置されているが、上側に設置されていてもよい。
コントローラ13は、カメラ11a、11bから取得した製品2a-2cの映像及びセンサ12a-12dから取得した製品2a-2cの位置情報に基づいて、傷ついた製品2a、2bを検出したか否かを判断する。例えば、センサ12a、12bが製品2bの位置を検知した時間(製品2bがセンサ12a、12bを通過した時間)を求め、センサ12a、12bからカメラ11aまでの距離、及び搬送ライン10の搬送速度(搬送ロール100の回転速度)が既知であれば、それらに基づき、カメラ11aが製品2bを撮像した時間(製品2bがカメラ11aの撮像範囲を通過した時間)を求めることができる。この撮像した時間を求めることによって、カメラ11aの映像において製品2a-2cの中から製品2bを特定することができ、さらに製品2bの接触面から傷を検出したと判断すれば、製品2bが傷ついた製品2bであると特定できる。すなわち、コントローラ13が、カメラ11a、11b及びセンサ12a-12dの双方から製品2a-2cの映像及び位置情報を取得することによって、映像において製品2a-2cの各々を特定することができるため、映像と、センサ12a-12dが製品2a-2cの位置を検知した時間を比較する手間が不要であり、カメラ11a、11bから製品2a-2cの映像を取得するのみの場合と比較して、容易に、且つ、正確に傷ついた製品2a、2bを検出しやすい。また、常時映像から傷を検出することができる。なお、傷ついた製品2a、2bを検出する手法として、例えば傷ついた製品2a、2bの映像を光学的に解析することによって傷を検出する手法を用いてもよい。また、コントローラ13は、内部にIoT Gateway(図示略)を備え、IoT Gatewayのドライブレコーダー機能を用いて、映像か
ら製品2a、2bを検出してもよい。ここで、コントローラ13は、本開示における制御部に相当する。
また、コントローラ13は、カメラ11aが製品2a-2cを撮像した時点で、カメラ11bが撮像した製品2a-2cが傷ついた製品2a-2cであるか否か(図1ではカメラ11bが撮像した製品2a-2cは結果的に傷ついた製品2a-2cでない)の情報をすでに取得している。これによって、カメラ11aが撮像した製品2a-2cが傷ついた製品2a-2cであるという情報を取得すれば、カメラ11aの撮像範囲とカメラ11bの撮像範囲の間に並んだ搬送ロール100(以下、これらの搬送ロール100のことを「特定範囲の搬送ロール100」という)の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれることが分かる。ここで、カメラ11aは、本開示における傷有撮像カメラに相当し、カメラ11bは、本開示における傷無撮像カメラに相当する。
コントローラ13は、傷ついた製品2b(ここでは簡単のため、傷ついた製品2bのみ例示し、傷ついた製品2aは除く)を検出したと判断した場合に、カメラ11a、11b及びセンサ12a-12dから以下の4つの情報を取得する。1つ目は、傷ついた製品2bのIDである。本適用例においては、IDとして製品名を例示するが、傷ついた製品2bを特定できる情報であれば何でもよい。2つ目は、傷ついた製品2b(傷が検出される前の製品2bも含む)の全ての映像に基づく傷の検出結果である。図1では具体的に、カメラ11aから取得した製品2bの映像からは傷が検出されたという結果と、カメラ11bから取得した製品2bの映像からは傷が検出されなかったという結果のことを示す。3つ目は、カメラ11aのIDである。4つ目は、カメラ11bのIDである。
モニタ14は、無線または有線の通信回線を介してコントローラ13と相互に接続されている。モニタ14は、コントローラ13が取得した上記の4つの情報をさらに取得し、傷ついた製品2bの製品名、及び特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれることを表示して通知する。モニタ14は、傷特定システム1のユーザや管理者が確認しやすい場所に置かれていることが望ましく、コントローラ13とは別室に置かれていてもよい。ここで、モニタ14は、本開示における通知部に相当する。
図2は、本開示が適用可能な傷特定システム1を用いた傷特定方法の手順を示すフローチャートである。本フローチャートでは、まず、カメラ11a、11bを用いて製品2a-2cを撮像し、コントローラ13は、製品2a-2cの映像、及びセンサ12a-12dから取得した製品2a-2cの位置情報に基づいて、傷ついた製品2a-2cを検出したか否かを判断する(S101)。このとき、コントローラ13は、カメラ11aが製品2a-2cを撮像した時点で、カメラ11bが撮像した製品2a-2cが傷ついた製品2a-2cでないという情報をすでに取得している。換言すると、コントローラ13は、いずれか一のカメラが製品2a-2cを撮像した時点で、当該一のカメラの一つ後ろに設けられた他のカメラが撮像した製品2a-2cが傷ついた製品2a-2cであるか否かの情報をすでに取得している。ここで、S101は、本開示における判断工程に相当する。コントローラ13が傷ついた製品2a-2cを検出したと判断した場合は(S101:yes)、コントローラ13は、カメラ11a、11b及びセンサ12a-12dから上述通りの4つの情報(傷ついた製品2bに関しては、広義に捉えて傷ついた製品2a-2cとする)を取得する(S102)。ここで、S102は、本開示における情報取得工程に相当する。コントローラ13は、カメラ11aのIDとカメラ11bのIDに基づいて特定範囲の搬送ロール100を特定する(S103)。なお、S103は、情報取得工程S102の一部として考えてもよい。モニタ14は、コントローラ13が取得した上記の4つの情報をさらに取得し、傷ついた製品2a-2cの製品名、及び特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれることを表示して通知する(S104)。ここで、S104は、本開示における通知工程に相当する。通知工程S104以降の工
程については以下の実施例において説明する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例に係る傷特定方法、及び傷特定システム1について、図面(上記の適用例で一旦説明した図面も含む)を用いてより詳細に説明する。なお、本発明に係る傷特定方法、及び傷特定システム1は、以下の構成に限定する趣旨のものではない。
<システム構成>
ここで、図1の説明に戻る。本実施例に係る傷特定システム1は、適用例において説明した傷特定システム1と同様の構成を有するため、適用例において説明した内容については、詳細な説明は省略する。また、本明細書では同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を行う。
コントローラ13は、モニタ14によって通知された傷ついた製品2a-2cにおける傷と、予め定められた傷の深刻度の指標に基づいて、搬送ライン10の稼働を停止するか否かを判断する。例えば、傷の種類が切り傷やボイド等である場合は、深刻度が比較的高い傷であるとして、搬送ライン10の稼働を停止するという指標を予め定めておき、傷の種類がかすり傷等である場合は、深刻度が比較的低い傷であるとして、搬送ライン10の稼働を停止しないという指標を予め定めておく。また、傷ついた製品2a-2cにおける傷の深刻度に応じて、傷ついた搬送ロール100aに様々な不具合が生じ得る。例えば、深刻度が比較的高い傷であれば、傷ついた搬送ロール100aが突如割れる虞があり、深刻度が比較的低い傷であれば、傷ついた搬送ロール100aにおける傷が経年劣化で少しずつ大きくなる虞がある。
モニタ14は、搬送ライン10の稼働を停止する場合にはその旨を表示して通知し、搬送ライン10の稼働を停止しない場合には一定の日時が経過した後に、例えば事前に決定された次回の搬送ライン10のメンテナンスの予定日に、搬送ロール100の全部または一部を交換する旨を表示して通知する。これによって、本実施例における傷特定システム1のユーザや管理者は、傷ついた搬送ロール100aに対して適切な処置を取りやすい。モニタ14は、音によって通知する機能を備えていてもよい。
また、ストレージ15は、製品2a-2c毎に、カメラ11a、11bの各々から取得した映像を保存する。これによって、過去に搬送ライン10上を搬送された製品に生じた不具合も確認することができる。また、カメラ11a、11bは、搬送ロール100の個数と比較して少なければ設置する台数を増やしてもよい。本実施例においては、カメラ11a、11bの二台で特定範囲の搬送ロール100を特定することが可能であり、台数を必要最低限に抑えることで、カメラ11a、11bからコントローラ13への通信コストを極力低減することができる。ここで、ストレージ15は、本開示における保存部に相当する。
<フローチャート>
ここで、図2の説明に戻る。上述の通り、コントローラ13は、モニタ14によって通知された傷ついた製品2a-2cにおける傷と、予め定められた傷の深刻度の指標に基づいて、搬送ライン10の稼働を停止するか否かを判断する(S105)。ここで、S105は、本開示における第2の判断工程に相当する。モニタ14は、搬送ライン10の稼働を停止する場合には(S105:yes)、その旨を表示して通知し(S106)、搬送ライン10の稼働を停止しない場合には(S105:no)、一定の日時が経過した後に、搬送ロール100の全部または一部を交換する旨を表示して通知する(S107)。コントローラ13が傷ついた製品2a-2cを検出したと判断しなかった場合(S101:no)や、情報取得工程S102においてコントローラ13が上述通りの4つの情報を取
得した後に、ストレージ15は、製品2a-2c毎に、カメラ11a、11bの各々から取得した映像を保存する(S108)。ここで、S108は、本開示における保存工程に相当する。
<傷特定方法>
本実施例に係る傷特定方法について、以下では、図3A乃至図4Bに基づいて、図2に示すS106においてモニタ14が搬送ライン10の稼働を停止する旨を表示して通知した後に、特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを発見する方法の流れを説明する。図3A乃至図4Bに示す傷特定システム1においては、隣り合う二の搬送ロール100の間の距離(図3Aに示すように、特定範囲の搬送ロール100と傷ついた搬送ロール100aの間の距離x1と考えても同じことである。以下、単に「距離x1」という)が搬送ロール100の円周より大きい。
図3A乃至図4Bにおいては、特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを発見する目的で、特定範囲の搬送ロール100上においてサンプル3を搬送する。サンプル3は、製品2a-2cの代わりに用いるダミー基板であり、製品2a-2cと略同等の材質や厚さを有する。図3A乃至図4Bにおいては、特定範囲の搬送ロール100上において、サンプル3を所定の方向に一定距離だけ搬送した後に、所定の方向を基準としてサンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するまで所定の方向と逆方向に搬送する手順を繰り返し、サンプル3の表面に傷がつくか否かを確認する。このとき、前提として、図3A乃至図4Bに示す手順は全てオフラインで実行され、サンプル3は搬送ロール100上を滑ることなく搬送され(すなわち、搬送ロール100の空回りは考慮しない)、サンプル3の先頭の位置は計算可能であり、搬送ロール100はいずれも、回転速度、及び回転方向、及び回転が開始するタイミングと終了するタイミングが同一であるとする。また、サンプル3を搬送する方法として、サンプル3を手で押さえて搬送してもよいし、操作盤等の装置を用いて、人が搬送ロール100に近づくことなく搬送ロール100の回転を操作することによって搬送してもよい。また、図3A乃至図4Bにおいては、簡単のため、特定範囲の搬送ロール100の個数を、傷ついた搬送ロール100aも含めて三とし、以下、これらの特定範囲の搬送ロール100について、カメラ11bの撮像範囲に近い位置にあるものから順に「1番目の搬送ロール100」「2番目の搬送ロール100a」「3番目の搬送ロール100」ということとする。
特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを発見する方法の流れとして、まず、サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を搬送ロール100上に置き(図3A)、次に、距離x1だけサンプル3を所定の方向に搬送する(図3B)。このとき、サンプル3のうち薄い太線を引いて示した部分は、搬送ロール100の円周に相当し、サンプル3が1番目の搬送ロール100に接してから1番目の搬送ロール100が一回転しても2番目の搬送ロール100aには接していない。すなわち、距離x1が搬送ロール100の円周より大きい場合は、サンプル3が、隣り合う二の搬送ロール100のうち後ろの搬送ロール100に接してから前の搬送ロール100に接するまで、後ろの搬送ロール100は一回転以上するため、サンプル3は後ろの搬送ロール100の表面全体に接触していることが分かる。
次に、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図3C)。コントローラ13によって傷が検出されなかった場合は、1番目の搬送ロール100に傷はついていないことが分かる。次に、距離x1の2倍だけサンプル3を所定の方向に搬送する(図4A)。このとき、図3Bと同様に考えて、サンプル3は3番目の搬送ロール100には接していないため、サンプル3の表面に傷がついていた場合は2番目の搬送ロール100aに起因していると言える。最後に、再度サンプル3の先頭がカメラ11
bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図4B)。コントローラ13によって傷が検出された場合は、2番目の搬送ロール100aに傷がついていることが分かる。
以下では、図5A乃至図7Cに基づいて、図2に示すS106においてモニタ14が搬送ライン10の稼働を停止する旨を表示して通知した後に、特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを発見する方法の流れを、図3A乃至図4Bに示す流れと同様に説明する。図3A乃至図4Bに示す流れとの相違点として、図5A乃至図7Cに示す傷特定システム1においては、隣り合う二の搬送ロール100の間の距離(特定範囲の搬送ロール100と傷ついた搬送ロール100aの間の距離も含む。以下、単に「距離x2」という)が搬送ロール100の円周以下である。また、図5A乃至図7Cにおいては、特定範囲の搬送ロール100の個数を、傷ついた搬送ロール100aも含めて五とし、以下、これらの特定範囲の搬送ロール100のうち、カメラ11bの撮像範囲に近い位置にあるものから順に「1番目の搬送ロール100」から「4番目の搬送ロール100」ということとする。なお、上述の、サンプル3を用いる点や前提については、図3A乃至図4Bに示す流れと共通である。
特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを発見する方法の流れとして、まず、サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を搬送ロール100上に置き(図5A)、次に、距離x2だけサンプル3を所定の方向に搬送する(図5B)。このとき、サンプル3のうち薄い太線を引いて示した部分は、搬送ロール100の円周より短く、サンプル3が1番目の搬送ロール100に接してから2番目の搬送ロール100に接するまでの、1番目の搬送ロール100の回転数は一回に満たない。すなわち、距離x2が搬送ロール100の円周以下である場合は、サンプル3が、隣り合う二の搬送ロール100のうち後ろの搬送ロール100に接してから前の搬送ロール100に接するまでの、後ろの搬送ロール100の回転数は一回に満たないため、サンプル3は後ろの搬送ロール100の表面の一部にのみ接触していることが分かる。また、距離x2が搬送ロール100の円周の1/a倍(aは自然数とする)であれば、搬送ロール100に接しているサンプル3は、その搬送ロール100が一回転すると、その搬送ロール100よりa個だけ前に位置する搬送ロール100に接する。例えば、距離x2が1番目の搬送ロール100の円周の1/2倍であれば、1番目の搬送ロール100に接しているサンプル3は、1番目の搬送ロール100が一回転すると、サンプル3は3番目の搬送ロール100aに接する。
次に、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図5C)。ただし、図5Bの時点で、1番目の搬送ロール100の回転数は一回に満たないため、サンプル3は1番目の搬送ロール100の表面全体に接触したわけではない。そのため、図5Cの時点では、コントローラ13によって傷が検出されなかった場合でも1番目の搬送ロール100に傷がついていないとは断言できない。次に、距離x2の2倍だけサンプル3を所定の方向に搬送し(図6A)、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図6B)。図6Bの時点でコントローラ13によって傷が検出されなかった場合は、1番目の搬送ロール100に傷はついていないことが分かるが、図5Cと同様に考えて、2番目の搬送ロール100に傷がついていないとは断言できない。
次も同様に、距離x2の3倍だけサンプル3を所定の方向に搬送し(図6C)、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図7A)。図7Aの
時点でコントローラ13によって傷が検出されなかった場合は、2番目の搬送ロール100に傷はついていないことが分かるが、図5Cと同様に考えて、3番目の搬送ロール100aに傷がついていないとは断言できない。ここで、図6Cの時点で、サンプル3が3番目の搬送ロール100aに接して3番目の搬送ロール100がある程度回転しているが、3番目の搬送ロール100aにおける傷はサンプル3に接触していないため、図7Aの時点でコントローラ13によって傷が検出されない点に注意する。すなわち、サンプル3が傷ついた搬送ロール100aに接しても、その状態で傷ついた搬送ロール100aが一回転以上しない限りは、コントローラ13によって傷が検出されない場合もある点に注意する。
次も同様に、距離x2の4倍だけサンプル3を所定の方向に搬送し(図7B)、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(図7C)。コントローラ13によって傷が検出された場合は、3番目の搬送ロール100aか4番目の搬送ロール100に傷がついていることが分かる。後は、これら二の搬送ロール100、100aを目視確認で比較してもよく、あるいは、サンプル3が4番目の搬送ロール100に接触した状態で4番目の搬送ロール100を一回転させ、サンプル3に新たに傷がついていなければ3番目の搬送ロール100aに傷がついていると断言してもよい。
以上の様に、特定範囲の搬送ロール100上においてサンプル3を搬送させることによって、特定範囲の搬送ロール100の中から傷ついた搬送ロール100aを正確に発見することができる。隣り合う二の搬送ロール100の間の距離(以下、「搬送ロール間距離」という)が搬送ロール100の円周以下である場合(図5A乃至図7Cに示す場合)は、搬送ロール間距離が搬送ロール100の円周より大きい場合(図3A乃至図4Bに示す場合)と比較して、傷ついた搬送ロール100aを発見する方法の流れは多少複雑であるが、前者の場合(図5A乃至図7Cに示す場合)においても傷ついた搬送ロール100aを正確に発見することができる。また、上述の通り操作盤等の装置を用いて、搬送ロール100の回転を操作することができれば、傷ついた搬送ロール100aが目視確認し難い場所(例えば高所や、障害物等によって人が立ち入るのが困難な場所等)にある場合でも、傷ついた搬送ロール100aを正確に発見することができる。
<フローチャート>
図8は、図3A乃至図4Bに示す流れ、及び図5A乃至図7Cに示す流れを一般化して補足した手順を示す第2のフローチャートである。図8に示す手順は、搬送ライン10を停止し、その旨を通知して、オフラインで実行するため、図2に示すS106から開始する。本フローチャートでは、まず、nの上限値を特定範囲の搬送ロール100の個数として、n=1とする(S109)。次に、サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を搬送ロール100上に置く(S110)。次に、搬送ロール間距離のn倍だけ(現時点では搬送ロール間距離の分だけ)サンプル3を所定の方向に搬送する(S111)。次に、再度サンプル3の先頭がカメラ11bの撮像範囲の手前に位置するようにサンプル3を所定の方向と逆方向に搬送し(S112)、カメラ11bがサンプル3の表面を撮像する(S113)。コントローラ13によって傷が検出された場合は(S113:yes)、傷ついた搬送ロール100aを発見した旨を通知する(S114)。なお、上述の通り、搬送ロール間距離が搬送ロール100の円周以下である場合(図5A乃至図7Cに示す場合)は、通知された傷ついた搬送ロール100aには実際には傷がついておらず、通知された傷ついた搬送ロール100aの一つ前の搬送ロール100が実際の傷ついた搬送ロール100aである可能性もあることに注意する。また、一連の手順はオフラインで実行するため、S114においては、傷ついた搬送ロール100aを発見した旨を通知するのはモニタ14でなく、傷特定システム1における他の構成要素であってもよい。傷ついた搬送ロール100aを発見したら一連の手順を終了する。
コントローラ13によって傷が検出されなかった場合は(S113:no)、nの値に1を足し(S115)、コントローラ13または傷特定システム1における他の構成要素が、新たに得られたnの値(現時点ではn=2)が上限値、すなわち特定範囲の搬送ロール100の個数より大きいか否かを判断する(S116)。nの値が上限値以下であれば(S116:no)、再度S111に戻る。S111からS116に到達する流れは、S113においてコントローラ13によって傷が検出されるまで繰り返される。nの値が上限値より大きければ(S116:yes)、エラーが出力され(S117)、一連の手順を終了する。ここで、エラーとは、特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれなかったとするエラーのことである。すなわち、このようなエラーが出力されたということは、傷特定システム1におけるいずれかの構成要素が、特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれると誤って判断したことが考えられ、例えば当該構成要素をメンテナンスする、あるいは、新しい構成要素に交換するといった対策を取る必要がある。
<傷特定方法>
図9は、実施例に係る傷特定方法について、傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置に基づき、傷ついた搬送ロール100aを通過する製品2dが傷に接触することを防止する第1の方法を説明する図である。図9においては、傷特定システム1は、搬送ライン10と略平行に並んで設置された第2の搬送ライン10aと、第2の搬送ライン10a上を搬送される製品2dを搬送ロール100の長手方向に沿って搬送ライン10上に製品2dを押し出すプッシャー4をさらに備えて構成されていてもよい。図9においては、傷特定システム1を上から見た様子を模式的に示している。また、図9においては、図1と同じ傷特定システム1を用いている。
図1において、コントローラ13が、カメラ11aから取得した製品2a、2bの映像において傷ついた製品2a、2bを検出したと判断した場合、図9において、コントローラ13は、傷ついた製品2a、2bの製品名と、傷ついた製品2a、2bにおける傷の位置を取得する。また、プッシャー4が製品2dを押し出す搬送ライン10上の位置は予め定められており、例えば図9に示すような、搬送ロール100の長手方向に対して垂直な二点鎖線Xの位置(以下、「基準位置X」という)に、第2の搬送ライン10aに近い側の製品2dの長手方向が一致するように製品2dを押し出す。プッシャー4は、製品名に応じて基準位置Xを自動的に変更する仕様であってもよい。コントローラ13は、この基準位置Xも取得する。
傷ついた製品2a、2bを検出すれば、図8に示す手順によって傷ついた搬送ロール100aを発見することが可能であり、傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置も発見できる。あるいは、傷ついた製品2a、2bにおける傷の位置と傷ついた製品2a、2bの搬送時の向きから考慮して、傷ついた搬送ロール100aを発見する前に傷ついた搬送ロール100aにおけるおおよその傷の位置を推定してもよい。傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置と、基準位置Xとの、搬送ロール100の長手方向に沿った差分の距離を距離Dとすると、搬送される際に搬送ロール100の長手方向に対して平行になる、製品2dの幅Wが距離D以下であれば、製品2dが傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触することを防止できる。コントローラ13は、幅Wを算出し、幅Wが距離D以下であれば製品2dを生産可能であると判定し、幅Wが距離Dより大きければ製品2dを生産不可能であると判定する。また、既定の規格値の範囲内であれば、幅Wが距離D以下となるように製品2dの設計値を変更してもよい。モニタ(図9では不図示)は、特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれる旨、及び製品2dが傷ついた場合にはその製品名、及び傷に接触することを防止できる幅Wを表示して通知する。
図10は、実施例に係る傷特定方法について、傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置に基づき、傷ついた搬送ロール100aを通過する製品2dが傷に接触することを防止する第2の方法を説明する図である。図9に示す幅Wから変更した幅W‘は距離D以下であり、この製品2dは搬送ライン10上を搬送されても図9に示す傷の位置(図10では白丸で示す。以下、この位置を「元の傷の位置」という)には接触しない。しかしながら、図10に示すように、傷ついた搬送ロール100aにおける傷が図10の向きで元の傷の位置より下側(以下、図10の向きにおける下側を「手前側」、上側を「奥側」という)に位置し、基準位置Xに重なっている(または基準位置Xより少しだけ奥側に位置する)場合は、製品2dは、幅W‘が距離D以下であっても、搬送ライン10上を搬送されると傷に接触する。すなわち、傷が手前に位置するほど、製品2dは幅を小さくしても傷に接触するリスクが高い。
このような場合、製品2dがプッシャー4によって押し出される位置を、基準位置Xから基準位置X‘に変更することによって、製品2dが傷の位置より奥側に押し出され、製品2dが傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触することを防止できる。また、基準位置X‘に変更後は、製品2dが傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触しない限りは幅W‘を大きくしてもよい。基本的に、傷が奥側に位置する場合は基準位置を手前側に定め、傷が手前側に位置する場合は基準位置を奥側に定めるとよい。
基準位置を変更した場合、コントローラ13は、変更後の基準位置に基づいて、傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触することを防止できる新たな幅を算出する。モニタ14は、変更後の基準位置、及び新たな幅を表示して通知する。
<フローチャート>
図11は、図9及び図10に示す流れを一般化した手順を示す第3のフローチャートである。図9及び図10に示す流れは、図2に示す判断工程S101においてコントローラ13が傷ついた製品2a、2bを検出したと判断した後の流れ(S101:yesの後の流れ)である。本フローチャートでは、まず、コントローラ13が、カメラ11aから取得した傷ついた製品(少なくとも一の傷ついた製品2a-2cでよい)の映像から得られた傷ついた製品における傷の位置、及び基準位置を取得する(S118)。ここで、S118は、本開示における第2の情報取得工程に相当する。次に、傷ついた製品における傷の位置から、傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置を発見、あるいは推定し、コントローラ13は、傷ついた搬送ロール100aにおける傷の位置、及び基準位置に基づき、製品2dが傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触することを防止できる製品2dの幅を算出する(S119)。ここで、S119は、本開示における算出工程に相当する。なお、基準位置を変更した場合、コントローラ13は、変更後の基準位置に基づいて、傷ついた搬送ロール100aを通過しても傷に接触することを防止できる新たな幅を算出する。次に、モニタ14は、特定範囲の搬送ロール100の中に傷ついた搬送ロール100aが含まれる旨、及び製品2dが傷ついた場合にはその製品名、及び傷に接触することを防止できる幅を表示して通知する(S120)。ここで、S120は、本開示における第2の通知工程に相当する。なお、基準位置を変更した場合、モニタ14は、変更後の基準位置、及び算出工程S119において得られた新たな幅を表示して通知する。
<付記1>
製品(2a-2c)が通過した際に当該製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロール(100a)が、複数の搬送ロール(100)から成る搬送ライン(10)に含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定方法であって、
前記搬送ライン上において前記製品が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設
置された複数のカメラ(11a、11b)を用いて前記製品の下側を撮像し、前記製品の撮像結果及び位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品(2a-2c)を検出したか否かを判断する判断工程(S101)と、
前記判断工程において前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラ(11a)のID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラ(11b)のIDを取得する情報取得工程(S102)と、
前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知工程(S104)と、を有し、
前記情報取得工程において、前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ後ろに設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かが既知であることを特徴とする、傷特定方法。
<付記2>
複数の搬送ロール(100)から成る搬送ライン(10)と、
前記搬送ライン上において製品(2a-2c)が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設置された複数のカメラ(11a、11b)と、
前記搬送ライン上を搬送される前記製品が通過した際に前記製品の位置を検知する複数のセンサ(12a-12d)と、を備え、
前記製品が通過した際に前記製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロール(100a)が、前記搬送ラインに含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定システム(1)であって、
前記複数のカメラから取得した前記製品の撮像結果及び前記複数のセンサから取得した前記製品の位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品(2a-2c)を検出したか否かを判断し、
前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラ(11a)のID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラのID(11b)を取得する制御部(13)と、
前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知部(14)と、をさらに備え、
前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記制御部は、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ前に設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かの情報をすでに取得していることを特徴とする、傷特定システム(1)。
1 :傷特定システム
10 :搬送ライン
10a :第2の搬送ライン
100 :搬送ロール
100a :搬送ロール(傷ついた搬送ロール)
11a、11b :カメラ
12a-12d :センサ
13 :コントローラ
14 :モニタ
15 :ストレージ
2a-2d :製品(傷ついた製品)
3 :サンプル
4 :プッシャー

Claims (15)

  1. 製品が通過した際に当該製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロールが、複数の搬送ロールから成る搬送ラインに含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定方法であって、
    前記搬送ライン上において前記製品が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設置された複数のカメラを用いて前記製品の下側を撮像し、前記製品の撮像結果及び位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品を検出したか否かを判断する判断工程と、
    前記判断工程において前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラのID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラのIDを取得する情報取得工程と、
    前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知工程と、を有し、
    前記情報取得工程において、前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ後ろに設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かが既知であることを特徴とする、傷特定方法。
  2. 前記通知工程において通知された前記傷ついた製品における前記傷と、予め定められた前記傷の深刻度の指標に基づいて、前記搬送ラインの稼働を停止するか否かを判断する第2の判断工程をさらに有し、
    前記搬送ラインの稼働を停止する場合にはその旨を通知し、前記搬送ラインの稼働を停止しない場合には一定の日時が経過した後に前記複数の搬送ロールの全部または一部を交換する旨を通知することを特徴とする、請求項1に記載の傷特定方法。
  3. 前記製品のID毎に、前記複数のカメラの各々から取得した前記撮像結果を保存する保存工程をさらに有することを特徴とする、請求項1または2に記載の傷特定方法。
  4. 前記複数のカメラの台数は、前記複数の搬送ロールの個数と比較して少ないことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の傷特定方法。
  5. 前記第2の判断工程において前記搬送ラインの稼働を停止すると判断した場合に、前記特定範囲の搬送ロール上において、サンプルを前記所定の方向に所定の距離だけ搬送した後に、前記所定の方向を基準として当該サンプルの先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するまで前記所定の方向と逆方向に搬送する手順を、前記所定の距離を変化させつつ前記傷を発見するまで繰り返すことを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の傷特定方法。
  6. 前記サンプルは、前記搬送ロール上を滑ることなく搬送され、
    前記搬送ロールはいずれも、回転速度、及び回転方向、及び回転が開始するタイミングと終了するタイミングが同一であることを特徴とする、請求項5に記載の傷特定方法。
  7. n=1として、前記サンプルの前記先頭が前記所定の方向を基準として前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記搬送ロール上に置き、隣り合う二の前記搬送ロールの間の距離のn倍だけ前記サンプルを前記所定の方向に搬送し、再度前記先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記
    所定の方向と逆方向に搬送し、
    前記傷を発見しない場合は、nの値に1を足し、
    nの値が前記特定範囲の搬送ロールの個数以下であれば、再度隣り合う二の前記搬送ロールの間の距離のn倍だけ前記サンプルを前記所定の方向に搬送し、再度前記先頭が前記傷無撮像カメラの撮像範囲の手前に位置するように前記サンプルを前記所定の方向と逆方向に搬送する手順を繰り返し、
    nの値が前記特定範囲の搬送ロールの個数より大きければ、前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれない旨が出力されることを特徴とする、請求項5または6に記載の傷特定方法。
  8. プッシャーが前記複数の搬送ロールの長手方向に沿って前記搬送ライン上に前記製品を押し出し、且つ、前記判断工程において前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、
    前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記プッシャーが前記製品を押し出す予め定められた基準位置を取得する第2の情報取得工程と、
    前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記基準位置に基づき、前記製品が前記複数の搬送ロール上を搬送される際に前記複数の搬送ロールの長手方向に対して平行な方向の、前記製品の幅を算出する算出工程と、
    前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれる旨、及び前記傷ついた製品のID、及び前記幅を通知する第2の通知工程と、をさらに有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の傷特定方法。
  9. 前記算出工程において、前記基準位置は変更可能であり、変更した場合は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び変更後の前記基準位置に基づき、新たな前記幅を算出し、
    前記第2の通知工程において、変更後の前記基準位置、及び新たな前記幅を通知することを特徴とする、請求項8に記載の傷特定方法。
  10. 複数の搬送ロールから成る搬送ラインと、
    前記搬送ライン上において製品が搬送される所定の方向に沿って、間隔を空けて設置された複数のカメラと、
    前記搬送ライン上を搬送される前記製品が通過した際に前記製品の位置を検知する複数のセンサと、を備え、
    前記製品が通過した際に前記製品に与え得る傷を有する搬送ロールである、傷ついた搬送ロールが、前記搬送ラインに含まれる場合に、当該傷ついた搬送ロールを特定するための傷特定システムであって、
    前記複数のカメラから取得した前記製品の撮像結果及び前記複数のセンサから取得した前記製品の位置情報に基づいて、前記傷ついた搬送ロールによって前記傷を与えられた前記製品である、傷ついた製品を検出したか否かを判断し、
    前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、前記傷ついた製品のID、及び前記傷ついた製品の全ての前記撮像結果に基づく前記傷の検出結果、及び前記複数のカメラのうち前記傷ついた製品を最初に撮像した傷有撮像カメラのID、及び前記所定の方向を基準として当該傷有撮像カメラの一つ後ろに設けられた傷無撮像カメラのIDを取得する制御部と、
    前記傷ついた製品のID、及び前記傷有撮像カメラの撮像範囲と前記傷無撮像カメラの撮像範囲の間に並んだ、特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれることを通知する通知部と、をさらに備え、
    前記製品が前記複数のカメラのうち一のカメラを通過した時点で、前記制御部は、前記所定の方向を基準として当該一のカメラの一つ前に設けられた他のカメラを通過した前記製品が前記傷ついた製品であるか否かの情報をすでに取得していることを特徴とする、傷特定システム。
  11. 前記制御部は、前記通知部によって通知された前記傷ついた製品における前記傷と、予め定められた前記傷の深刻度の指標に基づいて、前記搬送ラインの稼働を停止するか否かを判断し、
    前記通知部は、前記搬送ラインの稼働を停止する場合にはその旨を通知し、前記搬送ラインの稼働を停止しない場合には一定の日時が経過した後に前記複数の搬送ロールの全部または一部を交換する旨を通知することを特徴とする、請求項10に記載の傷特定システム。
  12. 前記製品のID毎に、前記複数のカメラの各々から取得した前記撮像結果を保存する保存部をさらに備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の傷特定システム。
  13. 前記複数のカメラの台数は、前記複数の搬送ロールの個数と比較して少ないことを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の傷特定システム。
  14. 前記複数の搬送ロールの長手方向に沿って前記搬送ライン上に前記製品を押し出すプッシャーをさらに備え、且つ、前記制御部が前記傷ついた製品を検出したと判断した場合に、
    前記制御部は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記プッシャーが前記製品を押し出す予め定められた基準位置を取得した後、
    前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び前記基準位置に基づき、前記製品が前記複数の搬送ロール上を搬送される際に前記複数の搬送ロールの長手方向に対して平行な方向の、前記製品の幅を算出し、
    前記通知部は、前記特定範囲の搬送ロールの中に前記傷ついた搬送ロールが含まれる旨、及び前記傷ついた製品のID、及び前記幅を通知することを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の傷特定システム。
  15. 前記基準位置は変更可能であり、変更した場合は、前記制御部は、前記撮像結果から得られた前記傷ついた製品における前記傷の位置、及び変更後の前記基準位置に基づき、新たな前記幅を算出し、
    前記通知部は、変更後の前記基準位置、及び新たな前記幅を通知することを特徴とする、請求項14に記載の傷特定システム。
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