JP2023119416A - 赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子 - Google Patents

赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】第1波長帯の光および第3波長帯の光の両方に対して第2波長帯の光を選択的に透過させることを可能とした赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子を提供する。【解決手段】赤外光パスフィルター12Pは、着色剤と、酸化インジウムスズと、重合体と、を含む。赤外光パスフィルター12Pにおいて、400nm以上800nm以下の第1波長帯における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の第2波長帯における平均透過率が75%以上であり、1300nm以上2500nm以下の第3波長帯における平均透過率が55%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子に関する。
CMOSイメージセンサーおよびCCDイメージセンサーなどの固体撮像素子は、光の強度を電気信号に変換する光電変換素子を備えている。固体撮像素子は、複数の光電変換素子に加えて、各色用の光電変換素子上に位置するカラーフィルターと、赤外光用の光電変換素子上に位置する赤外線パスフィルターとを備えている。
赤外光パスフィルターは、赤外光用の光電変換素子が検出し得る可視光を遮蔽し、これによって、赤外光用の光電変換素子による赤外光の検出精度を高める。赤外光パスフィルターの一例では、400nm以上700nm以下の第1波長帯に含まれる光の最大透過率が15%以下であり、かつ、850nm以上1100nm以下の第2波長帯に含まれる光の最小透過率が85%以下である。これによって、赤外光パスフィルターは、第1波長帯に含まれる光に対して、第2波長帯に含まれる光を選択的に透過させる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-177273号公報
ところで、上述した赤外光パスフィルターでは、選択的に透過させる第2波長帯の光よりも短波長である第1波長帯の光における透過率を下げることによって、赤外光パスフィルターの波長選択性を高めている。一方で、赤外光パスフィルターに入射する光には、1100nmよりも長波長の光が含まれているから、赤外光パスフィルターにおける波長の選択性を高める上で、赤外光パスフィルターには、第2波長帯よりも長波長の光に対しても、第2波長帯に含まれる光を選択的に透過させることが可能であることが求められている。
上記課題を解決するための赤外光パスフィルターは、着色剤と、酸化インジウムスズと、重合体と、を含む。赤外光パスフィルターにおいて、400nm以上800nm以下の第1波長帯における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の第2波長帯における平均透過率が75%以上であり、1300nm以上2500nm以下の第3波長帯における平均透過率が55%以下である。
上記赤外光パスフィルターによれば、赤外光パスフィルターが酸化インジウムスズを含むことにより第3波長帯の平均透過率を低めることが可能である。これにより、赤外光パスフィルターは、第1波長帯の光および第3波長帯の光の両方に対して第2波長帯の光を選択的に透過させることが可能である。
上記赤外光パスフィルターにおいて、前記赤外光パスフィルターの重量が100重量%である場合に、前記酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上30重量%以下であってよい。
上記赤外光パスフィルターによれば、ITOの含有率が10重量%以上であることによって、第3波長帯の光における透過率を低める上での実効性を高めることが可能である。また、ITOの含有量が30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルターのパターニングにおいて、残渣の面積が拡張することが抑えられる。
上記課題を解決するための着色組成物は、可視光を吸収する着色剤と、酸化インジウムスズと、重合性化合物と、を含む。着色組成物の全固形分中において、前記酸化インジウムスズの含有量が10重量%以上30重量%以下である。
上記着色組成物によれば、酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上であることによって、1300nm以上2500nm以下の波長帯に含まれる光における平均透過率を低下させることが可能である。また、酸化インジウムスズの含有率が30重量%以下であることによって、フォトリソグラフィーにより赤外光パスフィルターをパターニングした際に、赤外光パスフィルターが有する残渣の面積が拡張することが抑えられる。このように、酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルターにおける波長の選択性を高めることと、赤外光パスフィルターの形状における精度を高めることとを両立することが可能である。
上記着色組成物において、前記重合性化合物は、3官能アクリルモノマーを含んでよい。この着色組成物によれば、重合性化合物が3官能アクリルモノマーを含むことによって、露光時における着色組成物の感度を高めることが可能である。
上記着色組成物において、光重合開始剤をさらに含み、前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤であってよい。この着色組成物によれば、オキシムエステル系光重合開始剤は、露光光に対する感度が高く、これによって、感光性着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。
上記課題を解決するための固体撮像素子用フィルターは、カラーフィルターと、上記赤外光パスフィルターと、を備える。
上記課題を解決するための固体撮像素子は、上記固体撮像素子用フィルターと、前記カラーフィルターに覆われる第1光電変換素子と、前記赤外光パスフィルターに覆われる第2光電変換素子と、を備える。
本発明によれば、赤外光パスフィルターが、第1波長帯の光および第3波長帯の光の両方に対して第2波長帯の光を選択的に透過させることができる。
固体撮像素子の一実施形態における層構造を示す分解斜視図である。 酸化インジウムスズの含有量と第3波長帯の平均透過率との関係を示すグラフ、および、酸化インジウムスズの含有量と残渣の面積との関係を示すグラフを示す図である。
図1および図2を参照して、赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子の一実施形態を説明する。なお、本実施形態において、赤外光は、0.7μm以上1mm以下の範囲に含まれる波長を有した光である。近赤外光は、赤外光のなかで、700nm以上1100nm以下の範囲に含まれる波長と、1300nm以上2500nm以下の範囲に含まれる波長とを含む。また、可視光は、400nm以上800nm以下の波長を有した光である。なお以下では、400nm以上800nm以下の波長帯を第1波長帯と称し、900nm以上1100nm以下の波長帯を第2波長帯と称し、かつ、1300nm以上2500nm以下の波長帯を第3波長帯と称する。
また、本実施形態において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの少なくとも一方を意味する。すなわち、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタアクリレートの両方を意味してもよいし、アクリレートのみを意味してもよいし、メタアクリレートのみを意味してもよい。また、本実施形態において、C.I.はカラーインデックスを意味する。
[固体撮像素子]
図1を参照して、固体撮像素子を説明する。図1は、固体撮像素子の一部における各層を分離して示す概略構成図である。
図1が示すように、固体撮像素子10は、固体撮像素子用フィルター10F、および、複数の光電変換素子11を備える。複数の光電変換素子11は、赤色用光電変換素子11R、緑色用光電変換素子11G、青色用光電変換素子11B、および、赤外光用光電変換素子11Pを備える。各色用の光電変換素子11R,11G,11Bは、その光電変換素子11R,11G,11Bに対応付けられた特定の波長を有する可視光の強度を測定する。各赤外光用光電変換素子11Pは、赤外光の強度を測定する。
固体撮像素子10は、複数の赤色用光電変換素子11R、複数の緑色用光電変換素子11G、複数の青色用光電変換素子11B、および、複数の赤外光用光電変換素子11Pを備える。なお、図1では、図示の便宜上、固体撮像素子10における光電変換素子11の繰り返し単位が示されている。赤色用光電変換素子11R、緑色用光電変換素子11G、青色用光電変換素子11Bが第1光電変換素子の一例であり、赤外光用光電変換素子11Pが第2光電変換素子の一例である。
固体撮像素子用フィルター10Fは、複数の可視光用カラーフィルター、赤外光パスフィルター12P、赤外光カットフィルター13、複数の可視光用マイクロレンズ、および、赤外光用マイクロレンズ15Pを備える。
可視光用カラーフィルターは、赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bから構成される。赤色用フィルター12Rは、赤色用光電変換素子11Rに対して光の入射側に位置する。緑色用フィルター12Gは、緑色用光電変換素子11Gに対して光の入射側に位置する。青色用フィルター12Bは、青色用光電変換素子11Bに対して光の入射側に位置する。
なお、各色用フィルター12R,12G,12Bは、図1が示すように、光電変換素子11R,11G,11B上に直接形成されてもよいし、各色用フィルター12R,12G,12Bと光電変換素子11R,11G,11Bとの間に平坦化層が位置してもよい。これにより、光電変換素子11R,11G,11Bに対する各色用フィルター12R,12G,12Bの密着性を高めることが可能である。
赤外光パスフィルター12Pは、赤外光用光電変換素子11Pに対して光の入射側に位置する。赤外光パスフィルター12Pは、赤外光用光電変換素子11Pが検出し得る可視光を赤外光用光電変換素子11Pに対して遮蔽する。これによって、赤外光用光電変換素子11Pによる赤外光の検出精度が高められる。赤外光用光電変換素子11Pが検出し得る赤外光は、例えば近赤外光である。
赤外光パスフィルター12Pの厚さは、各色用フィルター12R,12G,12Bの厚さよりも厚くてもよい。この場合には、赤外光パスフィルター12Pにおいて可視光の非透過性を高めることができる。
赤外光カットフィルター13は、各色用フィルター12R,12G,12Bに対して光の入射側に位置する。赤外光カットフィルター13は、貫通孔13Hを備える。赤外光カットフィルター13が広がる平面と対向する視点から見て、貫通孔13Hが区画する領域内には、赤外光パスフィルター12Pが位置する。一方で、赤外光カットフィルター13が広がる平面と対向する視点から見て、赤外光カットフィルター13は、赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12B上に位置する。
赤外光カットフィルター13は、赤外光吸収色素を含む。赤外光吸収色素は、近赤外光に含まれるいずれかの波長において、赤外光の吸収率における最大値を有する。そのため、赤外光カットフィルター13によれば、赤外光カットフィルター13を通過する近赤外光を確実に吸収することが可能である。これにより、各色用の光電変換素子11で検出され得る近赤外光が、赤外光カットフィルター13によって十分にカットされる。赤外光カットフィルター13は、例えば、300nm以上3μm以下の厚さを有することが可能である。
上述したマイクロレンズの下地が段差を有する場合には、マイクロレンズの加工における精度が低下し得る。各マイクロレンズの下地での平坦性が高められる観点から、各色用フィルター12R,12G,12Bの厚さと、赤外光カットフィルター13の厚さとの合計が、赤外光パスフィルター12Pの厚さとほぼ等しいことが好ましい。
バリア層14は、赤外光カットフィルター13の酸化源の透過を抑制する。酸化源は、酸素および水などである。バリア層14が有する酸素透過率は、例えば、5.0cc/m/day/atm以下であることが好ましい。酸素透過率は、JIS K7126:2006に準拠した値である。酸素透過率が5.0cc/m/day/atm以下に定められるから、バリア層14によって赤外光カットフィルター13に酸化源が到達することが抑制されるため、赤外光カットフィルター13が酸化源によって酸化されにくくなる。そのため、赤外光カットフィルター13の耐光性が向上可能である。
バリア層14を形成する材料は、無機化合物である。バリア層14を形成する材料は、珪素化合物であることが好ましい。バリア層14を形成する材料は、例えば、窒化珪素、酸化珪素、および、酸窒化珪素からなる群から選択される少なくとも1つであってよい。
マイクロレンズは、赤色用マイクロレンズ15R、緑色用マイクロレンズ15G、青色用マイクロレンズ15B、および、赤外光用マイクロレンズ15Pから構成される。赤色用マイクロレンズ15Rは、赤色用フィルター12Rに対して光の入射側に位置する。緑色用マイクロレンズ15Gは、緑色用フィルター12Gに対して光の入射側に位置する。青色用マイクロレンズ15Bは、青色用フィルター12Bに対して光の入射側に位置する。赤外光用マイクロレンズ15Pは、赤外光パスフィルター12Pに対して光の入射側に位置する。
各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、外表面である入射面15Sを備える。各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、入射面15Sに入る光を各光電変換素子11R,11G,11B,11Pに向けて集めるための屈折率差を外気との間において有する。各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、透明樹脂を含む。
[固体撮像素子用フィルターの製造方法]
固体撮像素子用フィルターの製造方法では、まず、各色用フィルター12R,12G,12Bが形成される。各色用フィルター12R,12G,12Bは、各色用フィルター12R,12G,12B用の感光性着色組成物を含む塗膜の形成、および、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニングによって形成される。例えば、赤色用感光性組成物を含む塗膜は、赤色用感光性組成物を含む塗液の塗布、および、塗膜の乾燥によって形成される。赤色用フィルター12Rは、赤色用感光性組成物を含む塗膜に対し、赤色用フィルター12Rに相当する領域に対する露光、および、現像を経て形成される。なお、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bも赤色用フィルター12Rと同様の方法によって形成される。
赤色用フィルター12R、緑色用フィルター12G、および、青色用フィルター12Bの感光性着色組成物に含有される着色剤は、有機顔料または無機顔料であってよい。有機顔料および無機顔料は、単独で用いられてもよいし、有機顔料および無機顔料の2種以上が混合されてもよい。着色剤として用いられる顔料は、発色性が高く、かつ、耐熱性が高い、特に耐熱分解性が高いことが好ましいから、有機顔料であることが好ましい。
有機顔料は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などであってよい。
赤色用フィルター12Rの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、赤色顔料であってよい。赤色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73などであってよい。
なお、赤色用フィルター12Rの感光性着色組成物は、必要に応じて調色用の顔料を含んでもよい。調色用の顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214などであってよい。
緑色用フィルター12Gの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、緑色顔料であってよい。緑色顔料は、例えば、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58、59などであってよい。緑色用フィルター12Gの感光性着色組成物は、必要に応じて調色用の顔料を含んでもよい。調色用の顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214などであってよい。
青色用フィルター12Bの感光性着色組成物に用いられる着色剤は、青色顔料であってよい。青色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、81などであってよい。青色顔料は、C.I.Pigment Blue 15:6であることが好ましい。
赤外光パスフィルター12Pは、上述した赤色用フィルター12Rと同様に、赤外光パスフィルター用の着色組成物を含む塗膜の形成、および、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニングによって形成される。塗膜は、赤外光パスフィルター用の着色組成物を含む塗液の塗布、および、塗液の乾燥によって形成される。赤外光パスフィルター12Pは、塗膜に対して赤外光パスフィルター12Pに相当する領域に対する露光、および、現像を経て形成される。なお、塗膜の露光には、紫外線、例えば365nmの波長を有した光が用いられる。
赤外光カットフィルター13は、塗布法などの液相成膜法を用いた成膜によって形成される。赤外光カットフィルター13は、赤外光吸収色素と透明樹脂とを含む組成物から形成される。赤外光吸収色素は、例えば、アントラキノン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素であってよい。透明樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂であってよい。
なお、各色用の感光性着色組成物、赤外光カットフィルター13用の組成物は、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、重合性化合物、有機溶剤、および、レベリング剤などをさらに含んでよい。
また、フォトリソグラフィー法によって塗膜のパターニングを行う際には、ステッパーなどの露光装置と、所定のパターンを有するフォトマスクを用いることが好ましい。フォトマスクを介して塗膜を露光した後に、現像液を用いて塗膜における未露光部を露光部から除くことによって、塗膜をパターニングすることができる。現像液は、アルカリ性を呈することが好ましい。アルカリ性の現像液は、無機アルカリ現像液または有機アルカリ現像液であってよい。無機アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどであってよい。有機アルカリ現像液は、例えばテトラヒドロキシアンモニウムなどであってよい。また、塗膜に対する現像液の濡れ性を高める観点では、現像液は、界面活性剤を含むことが好ましい。
バリア層14は、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などの気相成膜法、あるいは、塗布法などの液相成膜法を用いた成膜によって形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、赤外光カットフィルター13が形成された基板に対し、酸化珪素からなるターゲットを用いたスパッタリングによる成膜を経て形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、赤外光カットフィルター13が形成された基板に対し、シランと酸素とを用いたCVDによる成膜を経て形成される。酸化珪素から形成されるバリア層14は、例えば、ポリシラザンを含む塗液の塗布、改質、および、塗膜の乾燥によって形成される。バリア層14の層構造は、単一の化合物からなる単層構造でもよいし、単一の化合物からなる層の積層構造であってもよいし、相互に異なる化合物からなる層の積層構造であってもよい。
各マイクロレンズ15R,15G,15B,15Pは、透明樹脂を含む塗膜の形成、フォトリソグラフィー法を用いた塗膜のパターニング、および、熱処理によるリフローによって形成される。透明樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ノルボルネン系樹脂などである。
[赤外光パスフィルター]
本開示の赤外光パスフィルター12Pは、着色剤と、酸化インジウムスズ(ITO)と、重合体とを含んでいる。重合体は、重合性化合物の重合によって生成された有機高分子化合物である。赤外光パスフィルター12Pにおいて、400nm以上800nm以下の第1波長帯における平均透過率が30%以下であり、900nm以上1100nm以下の第2波長帯における平均透過率が75%以上であり、1300nm以上2500nm以下の第3波長帯における平均透過率が55%以下である。
赤外光パスフィルター12Pによれば、赤外光パスフィルター12PがITOを含むことにより第3波長帯の平均透過率を低めることが可能である。これにより、赤外光パスフィルター12Pは、第1波長帯の光および第3波長帯の光の両方に対して第2波長帯の光を選択的に透過させることが可能である。
なお、第1波長帯における平均透過率は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、第2波長帯における平均透過率は、80%以上であることが好ましい。また、第3波長帯における平均透過率は、50%以下であることが好ましい。
赤外光パスフィルター12Pの重量が100重量%である場合に、ITOの含有率が10重量%以上30重量%以下であってよい。ITOの含有率が10重量%以上であることによって、第3波長帯の光における透過率を低める上での実効性を高めることが可能である。また、ITOの含有量が30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pのパターニングにおいて、残渣の面積が拡張することが抑えられる。
赤外光パスフィルター12Pは、2層以上の着色層を備えてもよい。赤外光パスフィルター12Pが2層以上の着色層を備えることによって、赤外光パスフィルター12Pの総厚が同一である前提では、1層当たりの厚さを薄くすることが可能であるから、着色の密着性を高めることが可能である。着色層の数は、例えば2層以上6層以下であってよく、2層以上4層以下であることが好ましい。
赤外光パスフィルター12Pが2層以上の着色層を備える場合には、全ての着色層が同一の組成を有した感光性着色組成物から形成されてもよい。あるいは、2層以上の着色層には、第1の組成を有した感光性着色組成物から形成された第1層と、第2の組成を有した感光性着色組成物から形成された第2層とが含まれてもよい。第2の組成は、第1の組成とは異なる。赤外光パスフィルター12Pは、着色層間に位置する平坦化層を有してもよい。平坦化層は、着色剤を含まない。
赤外光パスフィルター12Pの総厚は、0.3μm以上5μm以下であってよく、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。赤外光パスフィルター12Pは、赤外光パスフィルター12Pが広がる平面と対向する視点から見て、例えば正方形状を有している。この場合には、赤外光パスフィルター12Pにおける一辺の長さ、すなわち赤外光パスフィルター12Pの画素サイズは、0.7μm以上20μm以下であってよく、0.9μm以上5μm以下であることがより好ましい。
[着色組成物]
本開示の着色組成物は、可視光を吸収する着色剤と、酸化インジウムスズと、重合性化合物と、を含んでいる。着色組成物の全固形分中において、酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上30重量%以下である。
着色剤は、可視光を吸収する。上述したように、可視光は400nm以上800nm以下の範囲内に含まれる光である。着色剤は、黒色を呈する着色剤であってよい。黒色を呈する着色剤は、単独で黒色を呈する着色剤であってよい。あるいは、着色剤は、緑、青、赤、黄、紫、マゼンタ、シアン、オレンジなどを呈する着色剤を2種以上含んでよい。
単独で黒色を呈する色材は、例えば、ビスベンゾフラノン系顔料、アゾメチン系顔料、ペリレン系顔料、アゾ系染料などであってよい。
緑色を呈する着色剤は、緑色顔料、緑色染料、あるいは、これらの中間体であってよい。緑色顔料は、例えば、C.I.Pigment Green 7、36、37、58などであってよい。緑色染料は、例えば、C.I.Acid Green 25、41などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
青色を呈する着色剤は、青色顔料または青色染料であってよい。青色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15、15:3、15:4、15:6、6、22、60などであってよい。青色染料は、例えば、C.I.Acid Blue 41、83、90、113、129などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
赤色を呈する着色剤は、赤色顔料または赤色染料であってよい。赤色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 123、155、168、177、180、217、220、254などであってよい。赤色染料は、例えば、C.I.Acid Red 37、50、111、114、257、266などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
黄色を呈する着色剤は、黄色顔料または黄色染料であってよい。黄色顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 138、139、150、185などであってよい。黄色染料は、例えば、C.I.Acid Yellow 17、49、67、72、127、110などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
紫色を呈する着色剤は、紫色顔料であってよい。紫色顔料は、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
マゼンタ色を呈する着色剤は、マゼンダ色顔料であってよい。マゼンダ色顔料は、例えば、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
シアン色を呈する着色剤としては、シアン色顔料であってよい。シアン色顔料は、例えば、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
オレンジ色を呈する着色剤は、オレンジ色顔料であってよい。オレンジ色顔料は、例えば、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73などであってよい。これらの着色剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の着色剤が混合されてもよい。
赤外光吸収色素は、例えば、アントラキノン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素などであってよい。
上述したように、着色組成物はITOを含んでいる。ITOは、粒子状を有してよい。ITO粒子の粒径、すなわちメジアン径は、10nm以上100nm以下であることが好ましい。メジアン径が10nm以上であることによって、ITO粒子が過度に微細であることが抑えられ、これによって、ITO粒子が分散した分散液中において、ITO粒子が分散しにくくなることが抑えられる。メジアン径が100nm以下であることによって、ITO粒子が過度に大きいことが抑えられ、これにより、赤外光パスフィルターをパターニングした際に、赤外光パスフィルターの形状における精度が低下することが抑えられる。
上述したように、着色組成物の全固形分中において、ITOの含有率は10重量%以上30重量%以下であり、15重量%以上25重量%以下であることが好ましい。ITOの含有率が10重量%以上であることによって、第3波長帯の光における平均透過率を低下させることが可能である。また、ITOの含有率が30重量%以下であることによって、フォトリソグラフィーにより赤外光パスフィルターをパターニングした際に、赤外光パスフィルター12Pが有する残渣の面積が拡張することが抑えられる。このように、ITOの含有率が10重量%以上30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pにおける波長の選択性を高めることと、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度を高めることとを両立することが可能である。
なお、ITOは、第2波長帯の光を吸収する特性を有する。ただし、ITOが第3波長帯の光を吸収する吸収率に対して、第2波長帯の光を吸収する吸収率は大幅に低い。しかしながら、ITOの含有率が多くなれば、ITOの含有率は第2波長帯の光における透過率の低下を生じさせる。この点、ITOの含有率が30重量%以下であれば、赤外光パスフィルターにおいて、第2波長帯の光の透過率が低下することも抑えられる。また、赤外光パスフィルターにおける残渣とは、フォトリソグラフィー法によって赤外光パスフィルターを形成するための塗膜がパターニングされた際に、塗膜の露光部に隣り合う未露光部であって、現像後にも露光部に連なることによって残存した部分である。
重合性化合物は、例えばアクリルモノマーであってよい。重合性化合物は、3官能アクリルモノマーを含んでよい。重合性化合物が3官能アクリルモノマーを含むことによって、露光時における着色組成物の感度を高めることが可能である。重合性化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=2)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=2)トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートなどであってよい。これらの重合性化合物は単独で用いられてもよいし、2種以上の重合性化合物が混合されてもよい。
なお、上述した重合性化合物のうち、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性(n=2)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=1)トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=2)トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートが、3官能アクリルモノマーである。
バインダー樹脂は、モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を共重合させることによって得られる。モノマーおよびオリゴマーは、バインダー樹脂の原料であり、バインダー樹脂は2種以上の原料を用いて形成されてよい。バインダー樹脂を生成するためのモノマー、および、バインダー樹脂を生成するためのオリゴマーを構成するモノマーは、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N‐ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N‐ビニルホルムアミド、アクリロニトリルなどであってよい。
(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β‐カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートなどであってよい。
バインダー樹脂は、酸性基を有するモノマーの共重合によって生成されることが好ましい。これにより、バインダー樹脂は、アルカリ現像液に溶解することが可能である。酸性基は、カルボキシル基であってよい。カルボキシル基含有モノマーは、少なくとも1つのカルボキシル基を有していればよい。カルボキシル基含有モノマーは、不飽和モノカルボン酸、不飽和多価カルボン酸であってよい。不飽和多価カルボン酸は、例えば、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などであってよい。
不飽和モノカルボン酸は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α‐クロルアクリル酸、ケイ皮酸などであってよい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。不飽和多価カルボン酸の酸無水物は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2‐メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよい。不飽和多価カルボン酸のモノ(2‐メタクリロイロキシアルキル)エステルは、例えば、コハク酸モノ(2‐アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2‐メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2‐アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2‐メタクリロイロキシエチル)などであってよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端に位置するジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよい。不飽和多価カルボン酸のジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートは、例えば、ω‐カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω‐カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってよい。これらのカルボキシル基含有モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上のカルボキシル基含有モノマーが混合されてもよい。
バインダー樹脂の重量平均分子量は、5000以上20000以下であることが好ましい。重量平均分子量が5000以上であることによって、着色組成物は、フォトリソグラフィー法による塗膜のパターニング時に、露光部が十分に硬化し、これによってパターンの形状における精度が高まる程度に大きい分子量を有した化合物を含むことができる。重量平均分子量が20000以下であることによって、フォトリソグラフィー法において用いられる現像液に対する現像性の低下が抑えられ、これによって、パターンの形状における精度の低下が抑えられる。
バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、および、フェノール樹脂などであってよい。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上の熱硬化性樹脂が混合されてもよい。
光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤、α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤であることが好ましく、オキシムエステル系光重合開始剤であることがより好ましい。オキシムエステル系光重合開始剤は、露光光に対する感度が高く、これによって、感光性着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。オキシムエステル系光重合開始剤は、1,2‐オクタンジオン,1‐[4‐(フェニルチオ)フェニル‐2‐(O‐ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1‐[9‐エチル‐6‐(2‐メチルベンゾイル)‐9H‐カルバゾール‐3‐イル]‐,1‐(O‐アセチルオキシム)などであってよい。
α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤は、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタノン‐1、2‐ジメチルアミノ‐2‐(4‐メチル-ベンジル)‐1‐(4‐モリフォリン‐4‐イル‐フェニル)‐ブタン‐1‐オンなどであってよい。
光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤、および、α‐アミノアルキルフェノン系光重合開始剤に加えて、これら以外の他の光重合開始剤を含んでもよい。他の光重合開始剤は、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤であってよい。
アセトフェノン系光重合開始剤は、例えば、4‐フェノキシジクロロアセトフェノン、4‐t‐ブチル‐ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オンなどであってよい。
ベンゾイン系光重合開始剤は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、および、ベンジルジメチルケタールなどであってよい。
ベンゾフェノン系光重合開始剤は、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、および、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジフェニルサルファイドなどであってよい。
チオキサンソン系光重合開始剤は、チオキサンソン、2‐クロルチオキサンソン、2‐メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、および、2、4‐ジイソプロピルチオキサンソンなどであってよい。
トリアジン系光重合開始剤は、2,4,6‐トリクロロ‐s‐トリアジン、2‐フェニル4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐メトキシフェニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(p‐トリル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐ピペロニル‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐スチリル‐クロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐スチリル‐s‐トリアジン、2‐(ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2‐(4‐メトキシ‐ナフト‐1‐イル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐s‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル(ピペロニル)‐6‐トリアジン、2,4‐トリクロロメチル(4’‐メトキシスチリル)‐6‐トリアジンなどであってよい。
これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の光重合開始剤が混合されてもよい。
着色組成物は、上述した材料を溶解または分散する溶剤をさらに含む。溶剤は、例えば、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ブチルセロソルブアセテート、1‐メトキシ‐2‐プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル‐nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、または、石油系溶剤であってよい。これらの溶剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の溶剤が混合されてもよい。
着色組成物は、上述した材料以外の添加剤を含んでもよい。添加剤は、例えば、重合禁止剤、界面活性剤、貯蔵安定剤の少なくとも1つであってよい。
重合禁止剤は、キノン系禁止剤、ヒンダードフェノール系禁止剤、ニトロソアミン系禁止剤、フェノチアジン系禁止剤などであってよい。これらの重合禁止剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を含む混合物の状態で用いられてもよい。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤であってよい。アニオン性界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどであってよい。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、および、ポリエチレングリコールモノラウレートなどであってよい。カチオン性界面活性剤は、例えば、アルキル4級アンモニウム塩、および、そのエチレンオキサイド付加物などであってよい。両性界面活性剤は、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、および、アルキルイミダゾリンなどであってよい。これらの界面活性剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の界面活性剤が混合されてもよい。
貯蔵安定剤は、例えば、4級アンモニウムクロライド、有機酸、有機酸のメチルエーテル、t‐ブチルピロカテコール、有機ホスフィン、亜リン酸塩などであってよい。4級アンモニウムクロライドは、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどであってよい。有機酸は、乳酸、シュウ酸などであってよい。有機ホスフィンは、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどであってよい。これらの貯蔵安定剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上の貯蔵安定剤が混合されてもよい。
[着色組成物の製造方法]
着色組成物を製造する際には、例えば、着色剤を溶剤に分散させることによって、着色剤分散体を生成する。次いで、着色剤分散体に、重合性化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、および、溶剤を混合することによって、混合溶液を生成する。混合溶液を所定の時間にわたって攪拌した後に、混合溶液を濾過することによって、着色組成物を得ることができる。
[試験例]
[着色剤分散体の生成]
着色剤、分散剤、および、溶剤を以下に記載の割合で混合した後、攪拌することによって、混合溶液を生成した。
着色剤:BASF社製、Lumogen Black K0088:12.0部
(ペリレン系顔料、固形分量100重量%)(Lumogenは登録商標)
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製、Disperbyk-2001
(固形分量46重量%):17.4部 (Disperbykは登録商標)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:70.6部
その後、ディスパー分散機(英弘精機(株)製、DISPERMAT LC55)において、直径が0.1mmであるジルコニアビーズを用いて、混合溶液に対して1.5時間にわたって分散処理を行った。次いで、混合溶液を5μmのフィルターを用いて濾過し、これによって、着色剤分散体を得た。
[バインダー樹脂の合成]
60重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、32重量部のメタクリル酸ベンジルと、8重量部のメタクリル酸と、0.60重量部のベンゾイルペルオキシドとを準備した。これらを攪拌装置と還流管とが設置された反応容器に入れ、反応容器に窒素ガスを導入しつつ、80℃に加熱しながら8時間にわたって攪拌および還流した。これにより、バインダー樹脂を得た。
[着色組成物の調液]
以下の表1および表2に示す割合で、着色剤分散体、重合性化合物、バインダー樹脂、光重合開始剤、重合禁止剤、および、溶剤を混合することによって混合溶液を得た。次いで、混合溶液を1時間にわたって攪拌し、その後、混合溶液を0.45μmのフィルターを用いて濾過することによって、各着色組成物を得た。
以下の表1から表3において、ITO、重合性化合物、光重合開始剤、および、溶剤は、以下に記載の通りである。
ITO:メルク社製、7004600、
メジアン径88.4nm、固形分量30重量%
重合性化合物:東亜合成(株)製、M-350
(トリメチロールプロパンEO変性(n=1)トリアクリレート、
3官能、重量平均分子量428.5、固形分量100重量%)
光重合開始剤:BASF社製、OXE-02 (固形分量100重量%)
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
また、着色組成物の全固形分中におけるITOの含有率は、着色剤の重量、分散剤における固形分の重量、ITOにおける固形分の重量、重合性化合物の重量、バインダー樹脂の重量、および、光重合開始剤の重量の総和に対するITOの重量の百分率である。なお、表1および表2に記載のバインダー樹脂の重量は、固形分のみの重量である。
Figure 2023119416000002
Figure 2023119416000003
[分光特性の評価]
[試験用基板の作成]
ベーク処理後の厚さが1.5μmであるように、スピンコーターを用いてガラス基板上に各着色組成物を塗布し、これによって塗膜を形成した。次いで、100℃に設定したホットプレートを用いて、ガラス基板上の塗膜に対して2分間にわたってベーク処理を行っうことによって、赤外光パスフィルターを形成した。これにより、試験例1‐1から試験例1‐8の試験用基板を得た。
Figure 2023119416000004
[評価方法]
各試験例の試験用基板が備える赤外光パスフィルターについて、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、U-4100)を用いて、400nm以上2500nm以下の波長域における透過率を測定した。透過率の測定結果は、表4が示す通りであった。なお、表4は、400nm以上800nm以下の第1波長帯における平均透過率と、900nm以上1100nm以下の第2波長帯における平均透過率と、1300nm以上2500nm以下の第3波長帯における平均透過率を示している。
[評価結果]
試験例1‐1から試験例1‐8の試験用基板が備える赤外光パスフィルターについて、各波長帯での平均透過率を測定した結果は、以下の表4が示す通りであった。
Figure 2023119416000005
表4が示すように、試験例1‐1から試験例1‐8の赤外光パスフィルターにおいて、第1波長帯の平均透過率が4.7%以上8.9%以下の範囲内に含まれることが認められ、第2波長帯の平均透過率が74.8%以上86.1%以下の範囲内に含まれることが認められた。第2波長帯の平均透過率は、試験例1‐1から試験例1‐7の赤外光パスフィルターにおいて75%以上である一方で、試験例1‐8の赤外光パスフィルターにおいて75%未満であることが認められた。
また、試験例1‐1から試験例1‐8の赤外光パスフィルターにおいて、第3波長帯の平均透過率が1.8%以上85.9%以下の範囲内に含まれることが認められた。第3波長帯の平均透過率は、試験例1‐1から試験例1‐5、および、試験例1‐8において55%以下である一方で、試験例1‐6および試験例1‐7において55%を超えることが認められた。
[形状に関する評価]
[試験用基板の作成]
まず、平坦化層を有するシリコンウエハーを準備した。次いで、ベーク処理後における厚さが1.5μmであるように、スピンコーターを用いて平坦化層上に各着色組成物を塗布し、これによって塗膜を形成した。次いで、100℃に設定したホットプレートを用いて、平坦化層上の塗膜に対して2分間にわたってベーク処理を行った。その後、一辺の長さ、すなわち画素サイズが3.0μmである正方形パターンを形成することが可能なフォトマスクを用い、かつ、露光機(キヤノン(株)製、FPA‐5510iZ)を用いて塗膜を露光した。この際に、行方向と列方向とに沿って隙間なく並ぶ画素において、2行かつ2列に含まれる4つの画素のうちで赤外光パスフィルターに割り当てられる1つの画素に対応する位置のみを露光することが可能なフォトマスクを用いた。
その後、0.2%の水酸化テトラアンモニウム水溶液を用いて、露光後の塗膜を現像した。次いで、現像後の塗膜に対して水洗と乾燥とを順に行うことによって、画素サイズが3.0μmである画素を1000個備える赤外光パスフィルターを形成した。これにより、試験例2‐1から試験例2‐8の試験用基板を得た。
[評価方法]
走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、s‐4800)を用いて、各試験例の試験用基板を2000倍で観察した。そして、各試験用基板に形成された赤外光パスフィルターと、平坦化層のうち着色組成物が除去された領域との境界に直線を引いた。この際に、赤外光パスフィルターの画素サイズが3.0μmであるように直線を引いた。次いで、赤外光パスフィルターのうち、直線から平坦化層に向けてはみ出した部分である残渣と、平坦化層とを二値化した。そして、残渣の面積を算出した後、平坦化層において当該残渣が位置する部位に形成される画素の面積に対する残渣の面積の百分率を算出した。すなわち、9.0μmに対する残渣の面積の百分率を算出した。各試験例について、20箇所の残渣について画素の面積に対する残渣の面積の百分率を算出し、かつ、20箇所の残渣における百分率の平均値を、その試験例における画素の面積に対する残渣の面積の百分率に設定した。
[評価結果]
試験例2‐1から試験例2‐8の試験用基板が備える赤外光パスフィルターについて、開口部の面積に対する残渣の面積の百分率を算出した結果は、以下の表5が示す通りであった。
Figure 2023119416000006
表5が示すように、試験例2‐1から試験例2‐3、試験例2‐6、および、試験例2‐7の赤外光パスフィルターでは、残渣の面積が1%未満である一方で、試験例2‐4の赤外光パスフィルターでは残渣の面積が1.4%であることが認められた。また、試験例2‐5の赤外光パスフィルターでは、残渣の面積が2.7%であり、試験例2‐8の赤外光パスフィルターでは、残渣の面積が6.5%であることが認められた。
図2は、ITOの含有率と残渣の面積との関係を示すグラフ、および、ITOの含有率と第3波長帯での平均透過率との関係を示すグラフを示している。なお、図2において、ITOの含有率と第3波長帯との関係が「△」で示され、かつ、ITOの含有率と残渣の面積との関係が「○」で示されている。
図2が示すように、ITOの含有率が10重量%以上30重量%以下の範囲内に含まれることによって、第3波長帯での平均透過率の増加を抑えることと、赤外光パスフィルターの残渣の拡張を抑えることとの両立が可能であることが認められた。なお、ITOの含有率は、10.5重量%以上29.5重量%以下の範囲内に含まれることが好ましい。
また、赤外光パスフィルターの残渣の拡張をさらに抑えることが要求される場合には、ITOの含有率における上限値は、23.5重量%以下であることがより好ましく、19.5重量%以下であることがさらに好ましいことが認められた。
以上説明したように、赤外光パスフィルター、着色組成物、固体撮像素子用フィルター、および、固体撮像素子における一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)赤外光パスフィルター12PがITOを含むことにより第3波長帯の平均透過率を低めることが可能である。これにより、赤外光パスフィルター12Pは、第1波長帯の光および第3波長帯の光の両方に対して第2波長帯の光を選択的に透過させることが可能である。
(2)ITOの含有率が10重量%以上であることによって、第3波長帯の光における透過率を低める上での実効性を高めることが可能である。また、ITOの含有量が30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pのパターニングにおいて、残渣の面積が拡張することが抑えられる。
(3)ITOの含有率が10重量%以上30重量%以下であることによって、赤外光パスフィルター12Pにおける波長の選択性を高めることと、赤外光パスフィルター12Pの形状における精度を高めることとを両立することが可能である。
(4)重合性化合物が3官能アクリルモノマーを含むことによって、露光時における着色組成物の感度を高めることが可能である。
(5)オキシムエステル系光重合開始剤は、露光光に対する感度が高く、これによって、着色組成物における光重合開始剤の含有率を低減することができる。
10…固体撮像素子
10F…固体撮像素子用フィルター
11…光電変換素子
12B…青色用フィルター
12G…緑色用フィルター
12P…赤外光パスフィルター
12R…赤色用フィルター
13…赤外光カットフィルター
13H…貫通孔
14…バリア層
15B…青色用マイクロレンズ
15G…緑色用マイクロレンズ
15P…赤外光用マイクロレンズ
15R…赤色用マイクロレンズ

Claims (7)

  1. 着色剤と、
    酸化インジウムスズと、
    重合体と、を含み、
    400nm以上800nm以下の第1波長帯における平均透過率が30%以下であり、
    900nm以上1100nm以下の第2波長帯における平均透過率が75%以上であり、
    1300nm以上2500nm以下の第3波長帯における平均透過率が55%以下である
    赤外光パスフィルター。
  2. 前記赤外光パスフィルターの重量が100重量%である場合に、
    前記酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上30重量%以下である
    請求項1に記載の赤外光パスフィルター。
  3. 可視光を吸収する着色剤と、
    酸化インジウムスズと、
    重合性化合物と、を含み、
    着色組成物の全固形分中において、前記酸化インジウムスズの含有率が10重量%以上30重量%以下である
    着色組成物。
  4. 前記重合性化合物は、3官能アクリルモノマーを含む
    請求項3に記載の着色組成物。
  5. 光重合開始剤をさらに含み、
    前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤である
    請求項3または4に記載の着色組成物。
  6. カラーフィルターと、
    請求項1または2に記載の赤外光パスフィルターと、を備える
    固体撮像素子用フィルター。
  7. 請求項6に記載の固体撮像素子用フィルターと、
    前記カラーフィルターに覆われる第1光電変換素子と、
    前記赤外光パスフィルターに覆われる第2光電変換素子と、を備える
    固体撮像素子。
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