JP2023117888A - ミラーユニット、虚像表示装置、およびミラーユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書に記載の開示は、ミラーユニット、虚像表示装置、およびミラーユニットの製造方法に関するものである。
特許文献1に記載のミラーユニットでは、反射ミラーが湿気硬化性の接着剤を介してホルダに接着保持されている。
また特許文献1に記載のミラーユニットでは、ホルダの端部が反射ミラーの端部よりも内側に設けられている。ホルダの端部が反射ミラーの端部よりも内側に設けられている分、ホルダの体格が小型化する。ホルダの体格が小型化すると、ホルダの反射ミラーに対する支持強度が低下する。その上、接着剤が湿気硬化性を有するので、製造時間を短縮することが難しかった。
そこで本開示の目的は、ホルダの体格の小型化と、ホルダの反射ミラーに対する支持強度低下の抑制と、製造時間の短縮が可能な、ミラーユニット、虚像表示装置、およびミラーユニットの製造方法を提供することである。
本開示の一態様によるミラーユニットは、
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
接着剤を介して基材の裏面(125b)側から鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられている。
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
接着剤を介して基材の裏面(125b)側から鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられている。
ホルダ端面(122c)が基材端面(125c)よりも内側に設けられている分、ホルダ(122)の体格が小型化する。ホルダ(122)が小型化しても、基材(125)は基材端面(125c)から照射される紫外線を透過可能であるから、基材(125)を透過した紫外線が直交方向で広く接着剤(51)に照射される。直交方向で広くホルダ(122)と鏡面体(121)を接着できる。そのためにホルダ(122)が小型化しても、ホルダ(122)の鏡面体(121)に対する支持強度が低下することを抑制できる。その上、接着剤(51)は紫外線硬化性を有するため、硬化時間が短く、製造時間を短縮できる。これによれば、ホルダ(122)の体格の小型化と、ホルダ(122)の鏡面体(121)に対する支持強度低下の抑制と、製造時間の短縮が可能になる。
本開示の別の一態様による虚像表示装置は、
画像の表示光を出射する表示装置(110)と、
表示光を反射させて、視認者の前方に位置する投影部材(10)に投影する反射装置(120)と、
表示装置と反射装置の制御を行う制御部(140)と、を備え、
画像を、投影部材の前方に虚像(20)として、視認者に対して重畳表示する虚像表示装置(100)であって、
反射装置は、
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
接着剤を介して基材の裏面(125b)側から鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられている。
画像の表示光を出射する表示装置(110)と、
表示光を反射させて、視認者の前方に位置する投影部材(10)に投影する反射装置(120)と、
表示装置と反射装置の制御を行う制御部(140)と、を備え、
画像を、投影部材の前方に虚像(20)として、視認者に対して重畳表示する虚像表示装置(100)であって、
反射装置は、
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
接着剤を介して基材の裏面(125b)側から鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられている。
虚像表示装置(100)はミラーユニット(126)を備える。そのためにホルダ(122)の体格の小型化と、ホルダ(122)の鏡面体(121)に対する支持強度低下の抑制と、製造時間の短縮が可能になる。
本開示の別の一態様によるミラーユニットの製造方法は、
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備えるミラーユニット(126)の製造方法であって、
ホルダの一面(122a)に接着剤を塗布し、
ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられるよう、鏡面体を接着剤に搭載し、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、基材端面に向かって紫外線を照射することで、基材を透過した紫外線によって、鏡面体とホルダとを接着剤を介して接着する。
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備えるミラーユニット(126)の製造方法であって、
ホルダの一面(122a)に接着剤を塗布し、
ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、基材の端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられるよう、鏡面体を接着剤に搭載し、
鏡面体とホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、基材端面に向かって紫外線を照射することで、基材を透過した紫外線によって、鏡面体とホルダとを接着剤を介して接着する。
これによれば、ホルダ(122)の体格を小型化した状態で、ホルダ(122)の鏡面体(121)に対する支持強度低下の抑制と、製造時間の短縮が可能になる。
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
また、各実施形態で組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に関して、図1~図9を用いて説明する。図1に示すように、虚像表示装置100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。虚像表示装置100は、ヘッドアップディスプレイ(Head‐Up Display)装置と呼ばれる。虚像表示装置100は、表示装置110から出射される画像の表示光を、視認者の前方に位置する投影部材の投射位置10aに入射させる。
本開示の第1実施形態に関して、図1~図9を用いて説明する。図1に示すように、虚像表示装置100は、例えば、自動車等の車両に搭載される。虚像表示装置100は、ヘッドアップディスプレイ(Head‐Up Display)装置と呼ばれる。虚像表示装置100は、表示装置110から出射される画像の表示光を、視認者の前方に位置する投影部材の投射位置10aに入射させる。
車載用の虚像表示装置100では、視認者は運転者であり、投影部材は車両のフロント側のウインドシールド10である。虚像表示装置100は、運転者と投射位置10aとを結ぶ線の車両前方延長線上の前景に、画像を虚像20として重畳表示する。これによって運転者は、アイボックス30を通して、虚像20を視認することができる。アイボックス30は、運転者が虚像20を視認可能とする領域であり、運転者の目の前に仮想されるのぞき窓のようなものである。アイボックス30は、例えば、矩形を成している。
虚像表示装置100は、図1に示すように、表示装置110、反射装置120、および制御装置140等を備えている。虚像表示装置100の主たる構成要素となる表示装置110、反射装置120、制御装置140は、ウインドシールド10の下端面から車室内後方、さらには下方に延出されるインストルメントパネル40の内側に配設されている。
インストルメントパネル40の上面には、反射装置120からの表示光を通過させる開口部40aが設けられている。また開口部40aには透光性を有する防塵カバーが設けられている。以下、虚像表示装置100の各構成の詳細について説明する。
表示装置110は、画像を表す表示光を出射する。表示装置110は、光源部、レンズ、および表示器等を有している。光源部は、表示器に対して光を出射する。光源部は、制御装置140によって発光状態が制御される。
レンズは、光源部からの光を表示器に向けて集光させる部材であり、光源部による光の出射側に配置されている。表示器は、光源部からの光によって透過照明されて、画像を表す表示光を出射する。表示器は、制御装置140によって駆動制御される。
表示器は、光源部から出射される光によって、画像を表す表示光を反射装置120に向けて出射する。表示器によって形成される画像は、例えば、車両用ナビゲーションシステムにおける案内画像、および車両走行時における車両情報を示すメータ画像などである。
反射装置120は、表示光を反射させる装置であり、図1に示すように、鏡面体121、ホルダ122、軸部123、およびモータ部124等を有している。以下、反射装置120の機械的構成を説明する。
鏡面体121は、表示器からの表示光を、インストルメントパネル40の開口部40aを通して、ウインドシールド10の投射位置10aに反射させる反射部となっている。図2~図4に示すように、鏡面体121は、基材125の基材表面125aに鏡面121aが設けられた鏡面体である。鏡面121aについては後で説明する。基材125は、略長方形を成す板状である。なお基材125の長手方向は車両の左右方向と一致している。基材125の短手方向は、基材125の長手方向に直交する方向と一致している。基材125の長手方向が延長方向に相当する。基材125の短手方向が直交方向に相当する。なお、図2以降の図面においては長手方向をLongitudinal directionと示す。短手方向をshort directionと示す。
図3および図4に示すように、基材125は、自身の長手方向と自身の短手方向に沿う、基材表面125aと基材裏面125bを備える。基材表面125aと基材裏面125bは、長手方向と短手方向に直交する高さ方向に離間している。図面においては、高さ方向をHeight directionと示す。なお、高さ方向は並び方向に相当する。基材表面125aは表面に相当する。基材裏面125bは裏面に相当する。
基材125は、基材表面125aと基材裏面125bを連結する、短手方向に離間して並ぶ第1基材端面125cと、長手方向に離間して並ぶ第2基材端面125dを備える。基材125は、第1基材端面125cおよび第2基材端面125dから入射される紫外線を、基材125の内部に透過可能になっている。なお、第1基材端面125cが基材端面に相当する。
基材125の材質としてはソーダ石灰ガラスなどが挙げられる。しかしながら基材125の材質はソーダ石灰ガラスに限定されない。空気相の屈折率を1.0とした時、基材125は1.49~1.52程度の屈折率を有する材質であればよい。屈折率が1.49~1.52程度であれば紫外線が透過可能であると考えられるためである。
鏡面121aは、基材125の基材表面125aにアルミニウムや銀等の金属が蒸着されることで形成される。鏡面体121における表示装置110を向く側の面に鏡面121aが形成される。すなわち鏡面121aが反射面となっている。鏡面体121は、鏡面121aとは反対側、すなわち反射面とは反対側に凹む凹面鏡となっている。これによって鏡面体121は、画像を投射位置10aに向けて拡大する。
ホルダ122は、略長方形の板状であって、鏡面体121を保持する部材である。ホルダ122は例えば、樹脂材によって形成されている。ホルダ122は、鏡面体121の基材裏面125b側に設けられている。鏡面体121とホルダ122は高さ方向で並んでいる。
図3および図4に示すようにホルダ122は、自身の長手方向と自身の短手方向に沿う、ホルダ表面122aとホルダ裏面122bを備える。なお、基材125の長手方向とホルダ122の長手方向とは一致している。基材125の短手方向とホルダ122の短手方向とは一致している。そのため本明細書においては鏡面体121とホルダ122それぞれの長手方向を単に長手方向と示す。鏡面体121とホルダ122それぞれの短手方向を単に短手方向と示す。なお122aは一面に相当する。
ホルダ表面122aは基材裏面125bと高さ方向で対向する。ホルダ122は、ホルダ表面122aとホルダ裏面122bを連結する、短手方向に離間して並ぶ第1ホルダ端面122cと、長手方向に離間して並ぶ第2ホルダ端面122dと、を備える。なお、第1ホルダ端面122cがホルダ端面に相当する。
図2に示すように軸部123は、長手方向の両端側において、ホルダ122に一体的に形成されている。軸部123は長手方向に延びている。軸部123は図示しない支持部によって回転可能に支持されている。ホルダ122が軸部123を中心に回転可能になっている。これによって表示光に対する反射角を調整可能になっている。
モータ部124は、ホルダ122を駆動して、表示光に対する反射角度を調整する駆動部である。モータ部124は、例えば、入力されるパルス電力に同期して動作する同期電動機であり、軸部123に接続されている。モータ部124は、制御装置140によって、回転制御される。モータ部124が正方向、あるいは逆方向に回転されることで、ホルダ122は、軸部123を中心として、支持体に対して回動されるようになっている。
制御装置140は、表示装置110と反射装置120の制御を行う。具体的に言えば、制御装置140は、表示器の画像の形成制御およびモータ部124の作動制御などを行う。制御装置140は、車両のイグニッションスイッチがオンされると、表示器に表示すべき画像を形成させる。すると、図1に示すように、表示器は、光源部から出射される光によって画像の表示光を鏡面体121に出射させる。鏡面体121は、表示器から出射された表示光を、開口部40aを通して、ウインドシールド10の投射位置10aに反射させる。投射位置10aに反射された表示光は、運転者と投射位置10aとを結ぶ線の車両前方延長線上に虚像20として重畳表示されて、アイボックス30を通して、運転者に視認されることになる。なお、制御装置140は制御部に相当する。
<ミラーユニット>
次に、ミラーユニット126について説明する。ミラーユニット126は上記した反射装置120に含まれる機械的構成のことである。ミラーユニット126はこれまでに説明した、鏡面体121と、ホルダ122と、軸部123の他に、接着剤51を備える。接着剤51は紫外線が照射されることで、短時間、たとえば数秒で硬化する、紫外線硬化性を備えている。接着剤51の屈折率は、紫外線が透過可能な約1.5程度であることが望ましい。
次に、ミラーユニット126について説明する。ミラーユニット126は上記した反射装置120に含まれる機械的構成のことである。ミラーユニット126はこれまでに説明した、鏡面体121と、ホルダ122と、軸部123の他に、接着剤51を備える。接着剤51は紫外線が照射されることで、短時間、たとえば数秒で硬化する、紫外線硬化性を備えている。接着剤51の屈折率は、紫外線が透過可能な約1.5程度であることが望ましい。
接着剤51は鏡面体121とホルダ122との間に設けられる。具体的に言えば、ホルダ122にはホルダ表面122aから基材裏面125bに向かって突出する凸部122eが設けられている。接着剤51は凸部122eと基材裏面125bの間に設けられる。また見方を変えれば、接着剤51はホルダ122に設けられる。接着剤51はホルダ122の凸部122eに設けられる。
接着剤51を介してホルダ122と鏡面体121とが接着される。接着剤51はホルダ122の重心122fを囲むようにして、ホルダ122の四隅に設けられている。
ホルダ122と鏡面体121とが高さ方向で並んでいる。図4に示すように短手方向において、鏡面体121の高さ方向の投影領域内に、ホルダ122が含まれている。第1ホルダ端面122cが、第1基材端面125cよりも、短手方向で内側に設けられている。言い換えれば、第1ホルダ端面122cが、第1基材端面125cよりも、短手方向で重心122f側に設けられている。
また短手方向における接着剤51の端面の接着端面51cが、第1ホルダ端面122cよりも短手方向で内側に設けられている。接着端面51cが、第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられている。言い換えれば、接着端面51cが、第1ホルダ端面122cよりも、短手方向で重心122f側に設けられている。接着端面51cが、第1基材端面125cよりも、短手方向で重心122f側に設けられている。
<ミラーユニットの製造方法>
以下、図5~図9に基づいてミラーユニット126の製造方法を説明する。なお図9は図8の一部を拡大した図面である。図9に示す基材125の内部を透過する実線は紫外線を示している。
以下、図5~図9に基づいてミラーユニット126の製造方法を説明する。なお図9は図8の一部を拡大した図面である。図9に示す基材125の内部を透過する実線は紫外線を示している。
始めに、上記した鏡面体121、ホルダ122、および、接着剤51を準備する。準備した後、ミラーユニット126を製造する。図5に示すように図示しない治具にホルダ122を搭載する。図6に示すようにホルダ122の凸部122eに紫外線照射前の接着剤51を塗布する。図7に示すように、第1ホルダ端面122cが第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられるよう、鏡面体121を接着剤51に搭載する。
なお、図5においては、ホルダ122に接着剤51を塗布し、接着剤51に鏡面体121を搭載する形態を説明したが、この工程の製造方法はこれに限定されない。例えば、図示しない治具に鏡面体121を搭載し、鏡面体121の基材裏面125bに紫外線照射前の接着剤51を塗布し、第1ホルダ端面122cが第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられるよう、ホルダ122を接着剤51に搭載してもよい。
次に図8に示すように、短手方向から接着剤51および第1基材端面125cに紫外線を照射する。上記したようにホルダ122の長手方向の両端に、長手方向に延びる軸部123が設けられている。そのためにホルダ122の長手方向の端から接着剤51に紫外線を照射すると、軸部123によって紫外線が遮られやすくなっている。そのために本実施形態では短手方向から積極的に接着剤51および第1基材端面125cに紫外線を照射している。
上記したように鏡面体121の基材125は、第1基材端面125cから入射される紫外線を内部に透過可能になっている。そのために短手方向で第1基材端面125cに向かって紫外線を照射すると、紫外線が基材125の内部を透過する。図9に示すように、紫外線は基材125の内部で反射しながら、接着剤51に向かって進む。基材125の内部に入り込んだ紫外線のうちの、基材表面125aから基材裏面125bに向かって進む紫外線が、接着剤51に照射される。これによれば短手方向で広く、紫外線を接着剤51に照射可能になっている。言い換えれば、短手方向で内側まで紫外線を接着剤51に照射可能になっている。なお、基材125の反射率は紫外線が接着剤51に到達可能な程度であればよい。
<作用効果>
これまでに説明したように、基材125は第1基材端面125cから入射される紫外線を基材125の内部に透過可能になっている。基材125の基材裏面125b側に接着剤51とホルダ122が設けられている。接着剤51を介して鏡面体121がホルダ122に保持されている。接着剤51は紫外線硬化性を有している。第1ホルダ端面122cが第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられている。これによればホルダ122の体格が小型化する。
これまでに説明したように、基材125は第1基材端面125cから入射される紫外線を基材125の内部に透過可能になっている。基材125の基材裏面125b側に接着剤51とホルダ122が設けられている。接着剤51を介して鏡面体121がホルダ122に保持されている。接着剤51は紫外線硬化性を有している。第1ホルダ端面122cが第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられている。これによればホルダ122の体格が小型化する。
またホルダ122が小型化しても、基材125は第1基材端面125cから照射される紫外線を内部に透過可能であるから、基材125の内部を透過した紫外線が短手方向で内側まで接着剤51に照射される。これによれば短手方向で内側まで、接着剤51を介して鏡面体121とホルダ122を接着できる。短手方向で接着剤51の内側と外側で接着品質にムラができることを抑制できる。ホルダ122が小型化しても、ホルダ122の鏡面体121に対する支持強度が低下することを抑制できる。
さらに、接着剤51は紫外線硬化性を有するため、硬化時間が短く、製造時間を短縮できる。これによれば、ホルダ122の体格の小型化と、ホルダ122の鏡面体121に対する支持強度低下の抑制と、製造時間の短縮が可能になる。コスト削減にもつながる。
本実施形態とは異なり、基材125に紫外線透過性を有さない樹脂などが適用される場合、鏡面体121とホルダ122の間のわずかな隙間から紫外線が接着剤51に照射される。その場合、接着剤51に十分な紫外線が照射されず、接着剤51の硬化に著しく硬化に時間がかかる。
その上、接着剤51は短手方向の外側から硬化が進行するために、短手方向の外側と内側で接着品質にムラが生じることがある。これらの理由から、基材125に紫外線透過性を有さない樹脂などが適用される場合、第1ホルダ端面122cを第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けることが難しい。第1ホルダ端面122cと第1基材端面125cと離間距離が短手方向で短く、接着剤51が短手方向で、できるだけ外側に配置されることが望ましい。
しかしながらその場合、ホルダ122の体格が大型化しやすく、さらにホルダ122を軸部123周りで回転させた時、ホルダ122の回転軌跡が大きく、インストルメントパネル40の内側への搭載性が悪化する。
これまでに説明したように、接着剤51は重心122fを囲むようにして、ホルダ122の四隅に設けられている。これによれば、安定して鏡面体121をホルダ122が保持可能になっている。
これまでに説明したように、長手方向に延びる軸部123が、ホルダ122の長手方向の端に一体的に連結されている。ホルダ122が軸部123を中心に回転可能になっている。上記したように第1ホルダ端面122cが第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられている。これによれば、反射光の角度を調整可能な程度に、軸部123を中心にミラーユニット126を回転させたとしても、ホルダ122の回転軌跡が小さく、ホルダ122がインストルメントパネル40の内側の電気機器やパネル等に接触しにくくなっている。ミラーユニット126のインストルメントパネル40の内側への搭載性が向上する。
(第2実施形態)
図10に示すように、第1ホルダ端面122cが、第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられ、なおかつ、第2ホルダ端面122dが、第2基材端面125dよりも長手方向で内側に設けられていてもよい。これによれば、さらにホルダ122の小型化ができる。またミラーユニット126のインストルメントパネル40の内側への搭載性がさらに向上する。
図10に示すように、第1ホルダ端面122cが、第1基材端面125cよりも短手方向で内側に設けられ、なおかつ、第2ホルダ端面122dが、第2基材端面125dよりも長手方向で内側に設けられていてもよい。これによれば、さらにホルダ122の小型化ができる。またミラーユニット126のインストルメントパネル40の内側への搭載性がさらに向上する。
(第3実施形態)
図11に示すように重心122fを囲むように設けられた接着剤51のうちの、一部の接着剤51の長手方向の長さL1が、短手方向の長さL2よりも長くなっていてもよい。長手方向に広く紫外線が接着剤51に照射されやすく、接着剤51の短手方向の幅が狭くなっているために、鏡面体121とホルダ122とを接着剤51を介して効率よく接着可能になっている。
図11に示すように重心122fを囲むように設けられた接着剤51のうちの、一部の接着剤51の長手方向の長さL1が、短手方向の長さL2よりも長くなっていてもよい。長手方向に広く紫外線が接着剤51に照射されやすく、接着剤51の短手方向の幅が狭くなっているために、鏡面体121とホルダ122とを接着剤51を介して効率よく接着可能になっている。
(第4実施形態)
図12に示すように重心122fを囲むように設けられた接着剤51のうちのすべての長手方向の長さL1が短手方向の長さL1よりも長くなっていてもよい。鏡面体121とホルダ122とを接着剤51を介してより効率よく接着可能になっている。
図12に示すように重心122fを囲むように設けられた接着剤51のうちのすべての長手方向の長さL1が短手方向の長さL1よりも長くなっていてもよい。鏡面体121とホルダ122とを接着剤51を介してより効率よく接着可能になっている。
(第5実施形態)
図13に示すように重心122fを覆うように、接着剤51が鏡面体121とホルダ122の間に設けられていてもよい。
図13に示すように重心122fを覆うように、接着剤51が鏡面体121とホルダ122の間に設けられていてもよい。
(第6実施形態)
図14に示すようにホルダ122の形態が略長方形以外の形態になっていてもよい。その場合においても、接着剤51が重心122fを囲むように、もしくは、重心122fを覆うように、鏡面体121とホルダ122の間に設けられていることが望ましい。
図14に示すようにホルダ122の形態が略長方形以外の形態になっていてもよい。その場合においても、接着剤51が重心122fを囲むように、もしくは、重心122fを覆うように、鏡面体121とホルダ122の間に設けられていることが望ましい。
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範ちゅうや思想範囲に入るものである。
10…投影部材、20…虚像、51…接着剤、100…虚像表示装置、110…表示装置、120…反射装置、121…鏡面体、121a…鏡面、122…ホルダ、122a…ホルダ表面、122c…第1ホルダ端面、122f…重心、123…軸部、125…基材、125a…基材表面、125b…基材裏面、125c…第1基材端面、126…ミラーユニット、140…制御部
Claims (6)
- 表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
前記紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
前記接着剤を介して前記基材の裏面(125b)側から前記鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
前記鏡面体と前記ホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、前記ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、前記基材の前記端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられているミラーユニット。 - 前記ホルダの重心(122f)を囲むように、もしくは、前記重心を覆うように、前記ホルダに前記接着剤が設けられている請求項1に記載のミラーユニット。
- 前記並び方向と前記直交方向のそれぞれに直交する延長方向における前記接着剤の長さ(L1)が、前記直交方向における前記接着剤の長さ(L2)よりも長くなっている請求項1または2に記載のミラーユニット。
- 前記並び方向と前記直交方向のそれぞれに直交する延長方向に延びて、前記ホルダに連結される軸部(123)をさらに備え、
前記軸部を中心に、前記ホルダが回転可能になっている請求項1~3のいずれか1項に記載のミラーユニット。 - 画像の表示光を出射する表示装置(110)と、
前記表示光を反射させて、視認者の前方に位置する投影部材(10)に投影する反射装置(120)と、
前記表示装置と前記反射装置の制御を行う制御部(140)と、を備え、
前記画像を、前記投影部材の前方に虚像(20)として、前記視認者に対して重畳表示する虚像表示装置(100)であって、
前記反射装置は、
表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、
前記紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、
前記接着剤を介して前記基材の裏面(125b)側から前記鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備え、
前記鏡面体と前記ホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、前記ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、前記基材の前記端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられている虚像表示装置。 - 表面(125a)に鏡面(121a)が設けられ、端面から入射される紫外線を透過可能な板状の基材(125)を有する鏡面体(121)と、前記紫外線によって硬化する紫外線硬化性を有する接着剤(51)と、前記鏡面体を保持する板状のホルダ(122)と、を備えるミラーユニット(126)の製造方法であって、
前記ホルダの一面(122a)に前記接着剤を塗布し、
前記ホルダの端に設けられるホルダ端面(122c)が、前記基材の前記端面である基材端面(125c)よりも内側に設けられるよう、前記鏡面体を前記接着剤に搭載し、
前記鏡面体と前記ホルダとが並ぶ並び方向に直交する直交方向で、前記基材端面に向かって前記紫外線を照射することで、前記基材を透過した前記紫外線によって、前記鏡面体と前記ホルダとを前記接着剤を介して接着するミラーユニットの製造方法。
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