JP2023117711A - 排ガス浄化触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャワーノズルの待機時間を短縮した排ガス浄化触媒の製造方法を提供すること。【解決手段】ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法は、一のハニカム基材の一端に触媒金属含有スラリーをシャワーノズルから供給するスラリー供給工程S10と、第1の吸引デバイスを用いて、上記スラリーが供給された上記一のハニカム基材に対して該ハニカム基材の他端方向への加圧または減圧を行い、上記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む第1吸引工程S21と、第2の吸引デバイスを用いて、第1吸引工程S21後の上記一のハニカム基材に対して、さらに当該ハニカム基材の上記他端方向への加圧または減圧を行い、上記供給されたスラリーを上記ハニカム基材の内部に引き込む第2吸引工程S22とを包含する。そして、スラリー供給工程S10と、上記複数の吸引工程S21、S22とが同一の生産ラインでパラレルに実施される。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の内燃機関の排気系統に設けられる排ガス浄化触媒の製造方法に関する。
車両エンジン等の内燃機関から排出される排ガスから炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)等の排ガス成分を酸化または還元反応によって除去するための排ガス浄化触媒として、いわゆる三元触媒(TWC)が用いられている。
一般的に三元触媒には、コージェライト等からなるハニカム基材上に、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)等の無機酸化物からなる多孔質担体と、該担体に担持された酸化触媒及び/又は還元触媒として機能するパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の金属(以下「触媒金属」ともいう。)を含む触媒コート層が形成されている。
排ガス浄化触媒の製造方法の一例として、触媒コート層形成用スラリーをハニカム基材の端面に供給し、吸引によって、当該スラリーをハニカム基材の内部に引き込む技術が知られている。例えば、特許文献1には、シャワーノズルによって触媒金属含有溶液をハニカム基材の上部に供給することを含む製造技術が開示されている。また、特許文献2には、吸引により基材にコーティング懸濁液をコーティングした後、再吸引をすることでコーティング量を調整する技術が開示されている。
特開2020-99837号公報 特開2012-148280号公報
ところで、排ガス浄化触媒の生産ラインの一例では、シャワーノズルによってハニカム基材に触媒コート層形成用スラリーを供給するスラリー供給工程と、当該スラリーが供給されたハニカム基材を吸引して、ハニカム基材の内部に当該スラリーを引き込む吸引工程とが続けて実施される。一般的に、吸引工程に要する時間は、スラリー供給工程が要する時間よりも長いため、吸引工程が終了するまでシャワーノズルからの当該スラリーの供給を停止する時間(待機時間)が生じる。このような待機時間が長いと、シャワーノズルの吐出口付近の当該スラリーが乾燥し、吐出口の目詰まりが生じるおそれがある。シャワーノズルの吐出口の目詰まりが生じると、当該スラリーが不均一に基材に供給されるようになり、触媒コート層が不均一に形成され易くなる。
そこで、本発明は上記事情に鑑みて創出されたものであり、その主な目的はシャワーノズルの待機時間を短縮した排ガス浄化触媒の製造方法を提供することにある。
本開示により、生産ラインを用いて複数の排ガス浄化触媒を製造する方法が提供される。ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法は、一のハニカム基材の一端に触媒金属含有スラリーをシャワーノズルから供給するスラリー供給工程と、第1の吸引デバイスを用いて、上記スラリーが供給された上記一のハニカム基材に対して該ハニカム基材の他端方向への加圧または減圧を行い、上記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む第1吸引工程と、第2の吸引デバイスを用いて、上記第1吸引工程後の上記一のハニカム基材に対して、さらに該ハニカム基材の上記他端方向への加圧または減圧を行い、上記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む第2吸引工程とを包含する。そして、上記スラリー供給工程と、上記複数の吸引工程とが同一の生産ラインでパラレルに実施されることを特徴とする。
かかる構成によれば、複数の吸引デバイスを用いることで、吸引工程を少なくとも2回に分割して実施することができるため、1台の吸引デバイスが吸引する時間を短縮することができる。これにより、シャワーノズルの待機時間が短縮され、シャワーノズルの吐出口の目詰まりを防止することができる。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の好ましい一態様では、上記第2吸引工程後、さらに、他の吸引デバイスにより、上記一のハニカム基材に対して、該ハニカム基材の上記他端方向への加圧または減圧を行い、上記供給されたスラリーを上記ハニカム基材の内部に引き込む吸引工程を1または2以上追加してもよい。これにより、さらに吸引デバイス1台あたりの吸引時間を短縮することができるため、シャワーノズルの待機時間がさらに短縮される。
ここで開示される排ガス浄化触媒製造方法の一態様では、上記複数の吸引工程の後、上記一のハニカム基材を乾燥させる乾燥工程を含んでもよい。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の好ましい一態様では、上記シャワーノズルが上記ハニカム基材一つあたりに上記触媒金属含有スラリーを供給するのに要する時間が、上記シャワーノズルが上記一のハニカム基材に上記触媒金属含有スラリーを供給した後から、上記シャワーノズルが他のハニカム基材への上記触媒金属含有スラリーの供給を開始するまでの待機時間よりも長い。これにより、シャワーノズルの待機時間が短縮され、シャワーノズルの吐出口の目詰まりが好適に防止される。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の好ましい一態様では、上記待機時間が4秒以下である。これにより、シャワーノズルの吐出口の目詰まりがさらに好適に防止される。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の好ましい一態様では、上記複数の吸引工程における吸引時間が全て同じである。複数の吸引工程における吸引時間が異なる場合には、吸引時間が最も長い吸引が律速となるため、上記構成にすることにより、シャワーノズルの待機時間がより短縮される。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の一態様では、上記ハニカム基材が、ウォールフロー型のハニカム基材であってよい。ウォールフロー型のハニカム基材は、ストレートフロー型のハニカム基材よりも吸引時間を要するため、シャワーノズルの待機時間が長くなる傾向があるが、本技術によってシャワーノズルの待機時間が短縮されるため、ウォールフロー型の排ガス浄化触媒であっても生産性を高めることができる。
ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法の一態様では、上記触媒金属含有スラリーが、少なくとも一種の排ガス成分を酸化若しくは還元し得る触媒として機能する触媒金属を含んでよい。これにより、排ガス浄化性能の高い排ガス浄化触媒を製造することができる。
排ガス浄化触媒の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 排ガス浄化触媒の筒軸方向に沿った断面の構成の一例を模式的に示す図である。 一実施形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法の大まかな工程を示すフローチャートである。
以下、図面を適宜参照しつつ、ここで開示される技術の好適ないくつかの実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本技術の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術知識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において、数値範囲を「A~B(ここでA、Bは任意の数値)」と記載している場合は、「A以上B以下」を意味すると共に、「Aを超えてB未満」、「Aを超えてB以下」、および「A以上B未満」の意味を包含する。
まず、本技術によって提供される排ガス浄化触媒1の構成の一例について説明する。図1は、排ガス浄化触媒の構成の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、排ガス浄化触媒1の筒軸方向Xに沿った断面の構成の一例を模式的に示す図である。図1および図2中において、符号Aは排ガスの流動方向を示す。また、符号Xは基材の筒軸方向を示す。
図1および図2に示すように、排ガス浄化触媒1は、基材10と、触媒コート層20とを備える。
<基材>
基材10は、排ガス浄化触媒1の骨格を構成する部材である。基材10としては、排ガス浄化触媒を構成する基材として従来からよく用いられている種々の素材および形態のものを採用することができる。例えば、高耐熱性を有するコージェライト、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素(SiC)などのセラミック基材、或いはステンレス鋼などのメタル基材を使用することができる。
基材の形状についても従来の排ガス浄化触媒と同様であってよい。基材の形状としては、ハニカム構造であることが好ましい。本明細書において、ハニカム構造とは、流体(例えば排ガス)の流路となるセルが複数集合した構造のことをいう。一例として、図1に示す排ガス浄化触媒1の基材10は、外形が円筒形状である例えばコージェライト製のハニカム構造を有している。なお、基材10の外形は、円筒形状以外でも、例えば、楕円筒形状、多角筒形状等であり得る。また、基材10の全長や容量も特に限定されるものではなく、排ガス浄化触媒1が設置される排気管の寸法や、排ガスを放出する内燃機関の性能等に応じて適宜変更することができる。基材10の容量(容積)としては、例えば、0.5L~10Lであってよく、0.9L~2.0Lであり得る。
図1および図2に示す排ガス浄化触媒1は、いわゆるウォールフロー型の基材10を備えている。基材10は、排ガス流入側の端部のみが開口した入側セル12と、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セル14と、入側セル12と出側セル14とを仕切る多孔質な隔壁16とを備えている。具体的には、入側セル12は、排ガス流入側の端部が開口し、かつ、排ガス流出側の端部が封止部12aで塞がれたガス流路である。一方、出側セル14は、排ガス流入側の端部が封止部14aで塞がれ、かつ、排ガス流出側の端部が開口したガス流路である。また、隔壁16は、排ガスが通過可能な細孔が複数形成された仕切り材である。この隔壁16は、入側セル12と出側セル14とを連通させる細孔を複数有している。図2に示す排ガス浄化触媒1では、筒軸方向Xに垂直な断面における入側セル12(出側セル14)の形状が正方形である。しかし、かかる断面における当該入側セル(出側セル)の形状は、正方形に限定されず、種々の形状を採用できる。例えば、平行四辺形、長方形、台形などの矩形状、三角形状、その他の多角形状(例えば、六角形、八角形)、円形など種々の幾何学形状であり得る。また、隔壁16の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.05mm~2mmであって、好ましくは0.1mm~1mmである。
なお、基材10はウォールフロー型に限定されるものではなく、例えば、基材10の筒軸方向Xに排ガス通路としての複数の貫通孔を有する、いわゆるストレートフロー型の基材であってよい。
<触媒コート層>
触媒コート層20は、典型的には、少なくとも一種の排ガス成分を酸化若しくは還元し得る触媒として機能する触媒金属と、該触媒金属を担持する無機担体とを備える。触媒金属としては、例えばパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)等の白金族元素に属する金属あるいはその他の酸化若しくは還元触媒として機能する金属が挙げられる。PdおよびPtは、一酸化炭素および炭化水素の浄化性能(酸化浄化能)に優れ、RhはNOの浄化性能(還元浄化能)に優れるため、これらは三元触媒として特に好ましい触媒金属である。これらに加えて、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)その他のアルカリ土類金属、アルカリ金属、遷移金属等からなる金属を助触媒成分として併用してもよい。触媒金属の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、例えば0.5nm~50nmであり、好ましくは1nm~20nmであり得る。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、電子顕微鏡観察に基づく個数基準の粒度分布における累積50%粒径(D50)である。具体的には、先ず、触媒コート層の電子顕微鏡観察画像を画像解析に供し、観察される目的の粒子の円相当径を100個測定し、個数基準の粒度分布を作成する。そして、かかる粒度分布において、粒径の小さい方から累積50%に相当する粒子径を「平均粒子径D50」とみなす。なお、本明細書における平均粒子径は、凝集やシンタリングなどによって形成された二次粒子の粒子径を包含して算出したものである。すなわち、平均粒子径を算出する際には、一次粒子および二次粒子の区別をせずに、電子顕微鏡観察において確認された粒子の円相当径を測定し、当該測定した粒子の円相当径に基づいて平均粒子径を測定する。
触媒金属を担持する無機担体としては、触媒金属を担持可能な限り、特に制限されず、従来公知の無機化合物粒子からなる担体を用いることができる。例えば、セリア(CeO)、該セリアを含む複合酸化物(例えば、セリア-ジルコニア複合酸化物(CZ又はZC複合酸化物))などの酸素吸蔵能(OSC)を有する無機化合物粒子(いわゆるOSC材)、;アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)等の酸化物粒子;等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。OSC材は排ガス浄化の助触媒として機能し得ることから、OSC材を含む担体がより好ましい。例えばイットリウム(Y)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)その他の希土類元素を含む酸化物が微量添加されたセリア、セリア-ジルコニア複合酸化物等のOSC材は、耐熱性が向上するため、好適である。
触媒コート層20は、触媒金属成分および無機担体以外の成分、例えばバインダ、助触媒成分、その他の添加材等をさらに含有していてもよい。バインダとしては、従来のこの種の触媒コート層と同様、アルミナゾル、シリカゾルなどを用いることができる。助触媒成分としては、上述したBa、Sr等の金属が挙げられる。触媒コート層20における触媒金属の含有率は特に制限されない。例えば、触媒金属の含有率は、触媒コート層20に含まれる無機担体の全質量に対して0.01質量%~10質量%であり得、0.1質量%~5質量%であることが好ましい。
図2に示す排ガス浄化触媒1では、触媒コート層20は、隔壁16の内部(所謂in-wall)に形成されている。具体的には、触媒コート層20は、入側セル12側の隔壁16の表面から出側セル14側に向かう所定の範囲(厚み)において、隔壁16の細孔の壁面に形成されている。触媒コート層20の厚みは特に限定されるものではなく、例えば、隔壁16の厚み方向全体に形成されていてもよく、隔壁16の厚みに対して、80%以下、60%以下、40%以下となるように形成されていてもよい。また、触媒コート層20は、隔壁16の筒軸方向の全長全体に形成されていてもよく、基材10の端部から所定の割合で形成されていてもよい。例えば、隔壁16の筒軸方向の全長に対して、100%であってよく、80%以下、60%以下、40%以下の長さの触媒コート層20を形成してもよい。触媒コート層20の厚みや長さは、基材10の入側セル12および出側セル14の大きさや、排ガス通路に導入される排ガス流量等に応じて適宜決定すればよい。
触媒コート層20の基材10の容量1Lあたりのコート量は、特に限定されるものではないが、排ガス浄化性能向上の観点から、例えば、20g/L以上であって、30g/L以上、50g/L以上であり得る。一方、触媒コート層20の形成量の上限値は、圧力損失を低減させる観点から、200g/L以下が好ましく、150g/L以下がより好ましく、120g/L以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、基材10の容量は、基材10の純容積に加え、入側セル12、出側セル14、隔壁16の細孔等の空隙の容積を含む嵩容積のことをいう。
なお、触媒コート層20は、隔壁16の内部に限られず、隔壁16の表面に形成されていてもよい。また、触媒コート層20は入側セル12側ではなく、出側セル14側の隔壁16の内部及び/又は表面に形成されていてもよい。また、触媒コート層20は、隔壁16の入側セル12側と出側セル14側の両方に形成されていてもよい。
排ガス浄化触媒1は、種々の内燃機関から排出される排ガスの浄化触媒として利用することができる。例えば、ガソリンエンジン用の排ガス浄化触媒や、ディーゼルエンジン用の排ガス浄化触媒として好適に用いることができる。
<排ガス浄化触媒の製造方法>
以下、ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法について、一好適例を示しながら説明する。図3は、一実施形態に係る排ガス浄化触媒の製造方法の大まかな工程を示すフローチャートである。ここで開示される排ガス浄化触媒を製造する方法は、シャワーノズルを用いて基材に触媒コート層形成用スラリー(触媒金属含有スラリー)を供給するスラリー供給工程S10と、当該スラリーが供給された基材に対して複数回(少なくとも2回)の吸引を実施する吸引工程S20とを含む。また、ここで開示される排ガス浄化触媒を製造する方法は、乾燥工程S30を含み得る。また、ここで開示される排ガス浄化触媒を製造する方法は、焼成工程S40を含み得る。また、ここで開示される排ガス浄化触媒を製造する方法は、さらに、任意の段階で他の工程を含んでもよい。
複数の排ガス浄化触媒を工業的に生産するために、例えば、シャワーノズルによるスラリー供給工程と、当該スラリーが供給された基材を吸引する吸引工程とが順番に実施可能な生産ラインが用いられる。一般的に、吸引工程で用いられる吸引デバイスは、一つの生産ラインにつき1台設置される。このような生産ラインでは、一の基材に対してシャワーノズルでスラリーを供給した後、当該1台の吸引デバイスによって吸引が実施される。そして、当該一の基材の吸引と並行して、他の基材にシャワーノズルによるスラリーの供給が行われる。しかしながら、特に基材の容量が比較的大きい場合(例えば0.9L以上)や、ウォールフロー型の基材の隔壁内部に触媒コート層を形成する場合等には、吸引に必要な時間がシャワーノズルによるスラリー供給時間よりも顕著に長くなる。そのため、生産ラインでは、吸引工程が終了する時間が律速になり、シャワーノズルによるスラリー供給を停止する時間(待機時間)が長くなる。これにより、シャワーノズルの吐出口付近のスラリーが乾燥し易くなり、シャワーノズルの吐出口の目詰まりが生じるおそれがある。シャワーノズルの吐出口の目詰まりが生じると、スラリーが不均一に基材に供給されるようになり、触媒コート層が不均一に形成され易くなるため、排ガス浄化触媒の品質信頼性が低下し得る。
そこで、ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法では、吸引デバイスを複数台準備し、従来、1台の吸引デバイスで実施していた吸引を分割して実施することを特徴とする。本発明者らの検討により、1台の吸引デバイスで吸引を完了するのにX秒間を要する工程を、N台(Nは2以上の自然数)の吸引デバイスを用いて順次吸引を行ったとき、吸引時間の合計がX秒間であれば、1台の吸引デバイスで吸引した場合と同等の触媒コート層が形成できることが見出された。これにより、従来、1台の吸引デバイスによるX秒間の吸引が終了するのに合わせてシャワーノズルの停止時間が制御されていたが、本技術によれば、例えば、3台の吸引デバイスを準備し、3台の吸引デバイスそれぞれの吸引時間を同じにした場合には、1台あたりが吸引に要する時間をX/3秒とすることができるため、シャワーノズルの待機時間を短縮することができる。その結果、シャワーノズルの吐出口の目詰まりが防止され、触媒コート層も均一に形成され易くなるため、排ガス浄化触媒の品質信頼性や、生産性を向上させることができる。また、ウォールフロー型のハニカム基材は、ストレートフロー型のハニカム基材よりも吸引時間を要するため、シャワーノズルの待機時間が長くなる傾向があるが、本技術によってシャワーノズルの待機時間が短縮されるため、ウォールフロー型の排ガス浄化触媒であっても生産性を高めることができる。
<スラリー供給工程S10>
スラリー供給工程S10では、シャワーノズルを用いて触媒金属含有スラリーを基材の片側の端部(端面)に供給する。ここで、基材の端部(端面)とは、筒軸方向における端部(端面)のことをいう。基材としては、上述の排ガス浄化触媒1に用いられる基材10として例示したものと同じものを使用することができ、ハニカム構造を有する基材(ハニカム基材)が好ましく用いられる。シャワーノズルについては、この種の技術で使用される従来公知のシャワーノズルを特に制限なく使用することができる。典型的には、シャワーノズルは、スラリーを吐出するための複数の吐出口を有している。シャワーノズルの吐出口の平均孔径は、例えば、0.3mm以上3mm以下であってよく、0.5mm以上1.5mm以下であってもよい。
シャワーノズルによる触媒金属含有スラリーの供給時間は、形成する触媒コート層のコート量や、基材の大きさ等によって適宜変更すればよく、特に限定されるものではない。かかる供給時間は、例えば、2秒~10秒であり得る。
触媒金属含有スラリーは、例えば、触媒金属と、当該触媒金属を担持するための無機担体と、これらを分散させるための分散媒とを含む。触媒金属と無機担体については、上述した排ガス浄化触媒1の触媒コート層20が含み得るものとして例示したものと同じであってよい。分散媒としては、従来この種のスラリーに用いられている分散媒を特に制限なく使用することができ、例えば、水などの水系分散媒が好ましく使用される。
触媒金属含有スラリーは、さらに、バインダ、助触媒成分、増粘剤、分散剤、その添加材等をさらに含有していてもよい。バインダと助触媒成分については、上述した排ガス浄化触媒1の触媒コート層20が含み得るものとして例示したものと同じであってよい。増粘剤としては、水溶性有機ポリマーを挙げることができる。
触媒金属含有スラリーの粘度は特に限定されるものではないが、例えば、粘度は1mPa・s以上10000mPa・s以下であってよく、5mPa・s以上1000mPa・s以下であってよく、10mPa・s以上300mPa・s以下であってもよい。粘度の測定は、E型粘度計(陶器産業株式会社製、TVE-35H)を用いて、ロータ種:1°34’×R24を使用し、測定温度25℃で行うことができる。また、本明細書において、粘度は、せん断速度0.4s-1で測定される粘度のことをいう。
<吸引工程S20>
吸引工程S20は、少なくとも第1吸引工程S21と、第2吸引工程S22とを含む。さらに、吸引工程S20は、第2吸引工程の後、さらに1または2以上の吸引工程を追加で含み得る。換言すれば、吸引工程S20は、第1吸引工程~第N吸引工程(Nは2以上の自然数)の複数の吸引工程を含み得る。図3に示す本実施形態では、吸引工程S20は、第1吸引工程S21と、第2吸引工程S22と、第3吸引工程S23とを含むように構成されている。
吸引工程S20に含まれる複数の吸引工程(第1吸引工程~第N吸引工程)では、それぞれの工程において、吸引デバイスを用いて、触媒金属含有スラリーが供給された基材に対して、当該スラリーが供給された端部(端面)とは反対側の他端方向へ加圧または減圧を行うことで、当該スラリーを基材の内部に引き込む吸引を実施する。吸引デバイスは、複数の吸引工程それぞれで1台ずつ用意する(即ち、N台用意する)。吸引デバイスの種類は、複数の吸引工程で同じであってもよく、それぞれ異なる種の吸引デバイスを準備してもよい。なお、吸引デバイスとしては、従来この種の技術で使用されているものを特に制限なく使用することができる。
吸引工程S20を含まれる複数の吸引工程(第1吸引工程~第N吸引工程)で要する合計の吸引時間は、特に限定されるものではないが、例えば、従来1台の吸引デバイスで要していた吸引時間と同じであってよい。また、従来1台の吸引デバイスで要していた吸引時間をX秒としたとき、複数の吸引工程それぞれで要する吸引時間は、例えば、X/N秒ずつとしてもよく、複数の吸引工程の吸引時間の合計がX秒となるように、それぞれ異なる吸引時間を設定してもよい。生産ラインにおける律速を低減させ、シャワーノズルの待機時間を短縮する観点から、複数の吸引工程の吸引時間は同じ(即ちX/N秒)であることが好ましい。複数の吸引工程のそれぞれの吸引時間は、例えば、1秒~15秒であってよく、5秒~7秒であり得る。
基材を吸引する条件は、基材の種類、大きさ、形成する触媒コート層の形状、場所等にあわせて適宜変更すればよく、従来1台の吸引デバイスで実施されている条件と同様であってよい。例えば、従来1台の吸引デバイスで風速Ym/秒で吸引を実施していた場合、複数の吸引工程それぞれにおける吸引の風速はYm/秒であってよい。また、必要な吸引を達成できる限りにおいて、複数の吸引工程における吸引の風速がそれぞれ異なるように設定してもよい。特に限定されるものではないが、風速Ym/秒は、例えば、20m/秒~80m/秒、30m/秒~50m/秒に設定することができる。
吸引工程S20に含まれる吸引工程の回数(即ち、第N吸引工程のNの値)は、2回以上であればよく、その上限は特に限定されるものではないが、コスト削減の観点から、例えば、10回以下であるとよく、好ましくは5回以下、4回以下、3回以下であってよい。
また、シャワーノズルが基材一つあたりに触媒金属含有スラリーを供給するのに要する時間が、シャワーノズルが一の基材に触媒金属含有スラリーを供給した後から、当該シャワーノズルが他の基材への触媒金属含有スラリーの供給を開始するまでの待機時間よりも長くなるように、吸引工程の回数を設定することが好ましい。例えば、かかる待機時間は4秒以下であるとよく、好ましくは3秒以下、より好ましくは2秒以下である。さらには、生産ラインの律速段階が吸引工程S20ではなく、スラリー供給工程S10となるように(即ち、待機時間よりも、複数の吸引工程の中で最も長い吸引時間の方が短くなるように)、吸引工程の回数を設定してもよい。シャワーノズルの待機時間が短いほど、シャワーノズルの吐出口の目詰まりが生じ難くなるため好ましい。
スラリー供給工程S10と、吸引工程S20とは、同一の生産ライン上で実施されており、それぞれの工程がパラレルに実施されている。例えば、基材Aに対して、スラリー供給工程が実施されているとき、基材Bに対して、第1吸引工程S21が実施されていてもよく、さらに基材Cに対して第N吸引工程が実施されていてもよい。このように、ここで開示される排ガス浄化触媒の製造方法は、複数の排ガス浄化触媒の製造を並行して実施することができる。なお、基材A、B、Cの表記は、それぞれ異なる基材であることを示す。
<乾燥工程S30>
乾燥工程S30は、従来この種の技術で実施されている乾燥と同様の条件で実施することができ、特に限定されない。例えば、50℃~200℃の温度で、1分~30分程度で乾燥を行うことができる。
<焼成工程S40>
焼成工程S40は、従来この種の技術で実施されている焼成と同様の条件で実施することができ、特に限定されない。例えば、400℃~1000℃の温度で、30秒~5時間程度の焼成を行うことができる。
図3に示す実施形態においては、乾燥工程S30の後に焼成工程S40を実施しているが、例えば、乾燥工程S30の後に、再度スラリー供給工程S10を実施してもよい。これにより、複数の触媒コート層を形成することができる。例えば、ウォールフロー型の基材の入側セル側と出側セル側にそれぞれ触媒コート層を形成することができる。
以下、本技術に関する実施例について説明するが、本技術をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<製造例>
基材として、基材容積1.314L、筒軸方向の長さ122mmのウォールフロー型の円筒状のハニカム基材(コージェライト製、セル数300cpsi、隔壁厚み8ミル(1ミルは1/1000インチ)、平均細孔径15μm)を準備した。また、硝酸パラジウムを含む水溶液に、アルミナ粉末、セリア-ジルコニア粉末を添加、懸濁した触媒金属含有スラリーを準備した。次に、排出口にシャワーノズルを備える溶液連続排出装置に当該触媒金属含有スラリーを充填し、後述する各例に示したサイクルで、当該スラリーが自動で排出されるように設定をした。そして、当該スラリーの自動排出を開始してから10時間経過したところで、基材に当該スラリーを供給した。当該基材を用いて、排ガス浄化触媒を製造し、触媒コート層状態およびシャワーノズル目詰まり状態を評価した。
以下、各例における、触媒金属スラリーの排出サイクルと、基材の吸引条件について説明する。
<比較例1>
比較例1では、吸引デバイス1台を用いた生産ラインを想定して、溶液連続排出装置の排出サイクルを設定した。具体的には、シャワーノズルからのスラリー供給時間を4秒間(以下の例でも同様)、吸引デバイスによる吸引時間を6秒間に設定し、4秒間のスラリー排出、2秒間の待機時間(スラリーを排出しない時間)が繰り返されるように設定した。かかるサイクルで溶液連続排出装置を10時間稼働させた後、シャワーノズルから排出される触媒金属含有スラリーを基材の筒軸方向の一方の端面に供給した。次に、触媒金属含有スラリーが供給されていない基材の筒軸方向の他方の端面から、市販の吸引デバイスを用いて、風速50m/sec.で6秒間の吸引を行った。その後、吸引後の基材を乾燥した後、焼成することにより、比較例1における排ガス浄化触媒を得た。
<比較例2>
比較例1のうち、吸引時間の設定を18秒間に変更した。即ち、シャワーノズルが一の基材に触媒金属含有スラリーを供給した後、次の基材に当該スラリーを供給するまで14秒間の待機時間となるような生産ラインとした。したがって、溶液連続排出装置の排出サイクルを、4秒間のスラリー排出、14秒間の待機時間が繰り返されるように設定した。これ以外は、比較例1と同様にして、比較例2における排ガス浄化触媒を得た。
<実施例1>
実施例1では、市販の吸引デバイスを3台用いて、一の基材に対する吸引をかかる3台の吸引デバイスで順番に実施する生産ラインを想定して、溶液連続排出装置の排出サイクルを設定した。なお、3台の吸引デバイスによる吸引を、それぞれ「第1吸引」、「第2吸引」、「第3吸引」と称呼する。3台の吸引デバイスそれぞれにおける吸引条件は、すべて風速50m/sec.、6秒間とした。即ち、シャワーノズルが一の基材に触媒金属含有スラリーを供給した後、次の基材に当該スラリーを供給するまで2秒間の待機時間となるような生産ラインとした。したがって、溶液連続排出装置の排出サイクルを、4秒間のスラリー排出、2秒間の待機時間が繰り返されるように設定した。かかるサイクルで溶液連続排出装置を10時間稼働させた後、シャワーノズルから排出される触媒金属含有スラリーを基材の筒軸方向の一方の端面に供給し、第1吸引、第2吸引、第3吸引のいずれにおいても触媒金属含有スラリーが供給されていない基材の筒軸方向の他方の端面から吸引を行った。これ以外は、比較例1と同様にして、実施例1における排ガス浄化触媒を得た。
<実施例2>
実施例1のうち、第1吸引における吸引条件を風速40m/sec.、6秒間、第2吸引における吸引条件を風速50m/sec.、6秒間、第3吸引における吸引条件を風速60m/sec.、6秒間に変更した。また、溶液連続排出装置の排出サイクルは実施例1と同じとなるように設定した。これ以外は同様にして、実施例2における排ガス浄化触媒を得た。
<実施例3>
実施例1のうち、第1吸引における吸引条件を風速60m/sec.、6秒間、第2吸引における吸引条件を風速50m/sec.、6秒間、第3吸引における吸引条件を風速40m/sec.、6秒間とした。また、溶液連続排出装置の排出サイクルは実施例1と同じとなるように設定した。これ以外は同様にして、実施例3における排ガス浄化触媒を得た。
<実施例4>
実施例1のうち、第1吸引における吸引条件を風速50m/sec.、7秒間、第2吸引における吸引条件を風速50m/sec.、5秒間、第3吸引における吸引条件を風速50m/sec.、6秒間に変更した。これに伴い、溶液連続排出装置の排出サイクルを、4秒間のスラリー排出、3秒間の待機時間が繰り返されるように設定した。これ以外は同様にして、実施例4における排ガス浄化触媒を得た。
<実施例5>
実施例1に、さらにもう1台の市販の吸引デバイスを準備し、第4吸引を追加した。実施例5では、第1吸引~第4吸引のいずれにおいても吸引条件を風速50m/sec.、5秒間とした。これに伴い、溶液連続排出装置の排出サイクルを、4秒間のスラリー排出、1秒間の待機時間が繰り返されるように設定した。かかるサイクルで溶液連続排出装置を10時間稼働させた後、シャワーノズルから排出される触媒金属含有スラリーを基材の筒軸方向の一方の端面に供給し、第1吸引、第2吸引、第3吸引、第4吸引のいずれにおいても触媒金属含有スラリーが供給されていない基材の筒軸方向の他方の端面から吸引を行った。これ以外は実施例1と同様にして、実施例5における排ガス浄化触媒を得た。
<シャワーノズルの目詰まりの評価>
各例において、溶液連続排出装置を10時間稼働させ、基材に触媒金属含有スラリーを供給した後、シャワーノズルの吐出口の目詰まり率を確認した。具体的には、目詰まり率[%]=(目詰まりした吐出口数)/(吐出口の総数)×100で計算した。目詰まり率が1%未満であれば「〇」、1%以上であれば「×」として、結果を表1に示す。
<触媒コート層の評価>
各例で製造した排ガス浄化触媒において、触媒コート層が基材の隔壁全体に形成されているかを確認した。具体的には、排ガス浄化触媒の隔壁の走査型電子顕微鏡(SEM)測定用サンプルを作製し、当該サンプルを樹脂に埋めた後、隔壁断面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクフィールディング製、TM4000Plus)で観察した。隔壁断面全体にわたって触媒コート層が形成されていた場合を「〇」、形成されていなかった場合を「×」として、結果を表1に示す。
Figure 2023117711000002
表1から明らかなように、触媒金属含有スラリーを複数回に分けて吸引する生産ラインを模した実施例1~5では、シャワーノズルの目詰まりが抑制された。これは、シャワーノズルの待機時間が3秒間以下という短い時間に抑えられたことで、シャワーノズルの吐出口付近の触媒金属含有スラリーが乾燥する前に、次の基材への当該スラリーの供給を行うことができたからだと考えられる。また、触媒コート層についても、実施例1~5では、従来実施されているような一つの吸引デバイスで吸引した比較例2のものと同様に、触媒コート層が隔壁断面全体に形成されていることが確認できた。また、実施例1~5では、触媒コート層が均一に形成されていたことが確認できた。これは、シャワーノズルの目詰まりが抑制されていたため、シャワーノズルによる触媒金属含有スラリーの供給が均一であったからと考えられる。また、これにより、吸引工程を複数回に分けた場合でも、触媒金属含有スラリーの吸引を十分に行うことができることが確かめられた。
一方で、比較例1では、シャワーノズルの目詰まりが抑制されたものの、触媒コート層が基材全長に形成されていなかった。これは、吸引時間が短かったことが原因と考えられる。また、比較例2では、シャワーノズルの目詰まり率が高かった。これは、シャワーノズルの待機時間が14秒間と比較的長かったため、シャワーノズル吐出口付近の触媒金属含有スラリーが乾燥したことが原因であると考えられる。
以上、ここで開示される技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 排ガス浄化触媒
10 基材
12 入側セル
12a 封止部
14 出側セル
14a 封止部
16 隔壁
20 触媒コート層

Claims (8)

  1. 複数の排ガス浄化触媒を製造する方法であって、
    一のハニカム基材の一端に触媒金属含有スラリーをシャワーノズルから供給するスラリー供給工程と、
    第1の吸引デバイスを用いて、前記スラリーが供給された前記一のハニカム基材に対して該ハニカム基材の他端方向への加圧または減圧を行い、前記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む第1吸引工程と、
    第2の吸引デバイスを用いて、前記第1吸引工程後の前記一のハニカム基材に対して、さらに該ハニカム基材の前記他端方向への加圧または減圧を行い、前記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む第2吸引工程と
    を包含し、
    ここで、前記スラリー供給工程と、前記複数の吸引工程とが同一の生産ラインでパラレルに実施される、排ガス浄化触媒の製造方法。
  2. 前記第2吸引工程後、さらに、他の吸引デバイスにより、前記一のハニカム基材に対して、該ハニカム基材の前記他端方向への加圧または減圧を行い、前記供給されたスラリーを該ハニカム基材の内部に引き込む吸引工程を1または2以上追加する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記複数の吸引工程の後、前記一のハニカム基材を乾燥させる乾燥工程を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記シャワーノズルが前記ハニカム基材一つあたりに前記触媒金属含有スラリーを供給するのに要する時間が、前記シャワーノズルが前記一のハニカム基材に前記触媒金属含有スラリーを供給した後から、前記シャワーノズルが他のハニカム基材への前記触媒金属含有スラリーの供給を開始するまでの待機時間よりも長い、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記待機時間が4秒以下である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記複数の吸引工程における吸引時間が全て同じである、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記ハニカム基材が、ウォールフロー型のハニカム基材である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記触媒金属含有スラリーが、少なくとも一種の排ガス成分を酸化若しくは還元し得る触媒として機能する触媒金属を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
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