JP2023114818A - フィルム積層体及び包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部の開封性能を向上することができる、フィルム積層体、及び、包装袋を提供する。【解決手段】本開示に係るフィルム積層体は、ポリエチレン樹脂から形成される基材層と、ポリエチレン樹脂から形成されるシーラント層とを備える。このフィルム積層体では、シーラント層が機械方向MDに易引き裂き性を有する。また、本開示に係るスタンディングパウチ10は、上記のフィルム積層体のシーラント層がシールされて形成される包装袋である。スタンディングパウチ10は、所定の収容物を収容可能な収容部11と、収容部11の周りに形成されるシール部12と、開封された際に収容物を注出可能な注出口21を含む注出部20とを備える。注出口21の開口を画定する開封予定線26がシーラント層の機械方向MDに沿っている。【選択図】図1

Description

本開示は、フィルム積層体及び包装袋に関する。
特許文献1には、ポリプロピレンフィルムなどからなる基材フィルムに低密度ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂をシーラント層として積層したフィルム積層体を用いた包装袋が開示されている。この包装袋には、内容物を注出するための注出部が設けられており、例えば基材フィルムにレーザ加工を施すことにより、注出部を開封するための開封予定線が形成される。特許文献1に記載した包装袋では、このような開封予定線に沿って注出部を開封することで、注出部の注出口から内容物を注出することができる。
一方、異種材質からなるフィルム積層体を用いて形成される包装袋は、ゴミとして回収された後に材質毎に分けて分別することが容易ではなく、改善が望まれている。そこで、特許文献2には、実質的にポリエチレンのみから構成される包装袋用のラミネートフィルムの一例が開示されている。このような単一の材質からなるラミネートフィルムを用いることにより、リサイクル性を向上することができる。
特開2005-145502号公報 特開2020-062786号公報
特許文献2に記載のラミネートフィルムは、実質的にポリエチレン材料からなることから、包装材のモノマテリアル化を図ることはできる。しかしながら、ポリエチレン材料は、レーザの種類によってはエネルギーを吸収しないことがあり、包装袋に設ける注出部の開封予定線をレーザで形成することが困難である。このため、包装材のモノマテルアル化は実現できるものの、開封性能が低下してしまうという問題があった。
本開示は、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部の開封性能を向上することができる、フィルム積層体、及び、包装袋を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、フィルム積層体に関する。このフィルム積層体は、ポリエチレン樹脂から形成される基材層と、ポリエチレン樹脂から形成されるシーラント層と、を備える。このフィルム積層体では、シーラント層が機械方向(MD方向)に易引き裂き性を有する。
このフィルム積層体では、ポリエチレン樹脂から形成されるシーラント層が機械方向(MD方向:Machine Direction)に易引き裂き性を有している。このような引き裂き性を有するシーラント層を含むフィルム積層体を用いて包装袋を形成することにより、モノマテルアル化を実現しつつ、包装袋の注出部の開封性能を向上することができる。
本開示の別側面は、包装袋に関する。この包装袋は、上述したフィルム積層体のシーラント層がシールされて形成される包装袋であり、所定の収容物を収容可能な収容部と、収容部の周りに形成されるシール部と、開封された際に収容物を注出可能な注出口を含む注出部と、を備える。この包装袋では、注出口の開口を画定する開封予定線がシーラント層の機械方向に沿っている。
この包装袋では、上述したフィルム積層体を用いることにより、モノマテルアル化を実現することができる。また、この包装袋では、注出口の開口を画定する開封予定線がシーラント層の機械方向に沿っており、この方向に易引き裂き性を有することから、開封予定線に沿っての開封を容易に行うことができる。これにより、包装袋の注出部の開封性能を向上することができる。よって、この包装袋によれば、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部の開封性能を向上することができる。更に、この包装袋では、シーラント層が機械方向に易引き裂き性を有し、この易引き裂き性の方向に沿って開封予定線が設けられている。この場合、包装袋の開封予定線にレーザなどでキズ(例えばハーフカット線など)を設けておく構成ではないため、一定の易引き裂き性はあるものの、レーザ加工した開封予定線ほど容易に引き裂きが進んでしまうものではない。従って、この包装袋によれば、輸送中に梱包用の段ボールなどに接触して包装袋の注出部が誤って開封されてしまうことを防止できる。
上記の包装袋において、注出部の開封予定線の一端にはノッチが設けられていることが好ましい。上述したように、この包装袋では、引き裂き性の方向に沿って開封予定線を設けているものの、従来のレーザ加工による開封予定線ではないため、注出部が極めて容易に開封するものではない。このため、注出部の開封の初端にノッチを設けることにより、注出部の開封作業を誘導させることが可能となり、開封性能を向上することができる。
上記の包装袋において、注出部は、注出口を画定する第1注出シール部及び第2注出シール部を有してもよく、第2注出シール部は、第1注出シール部よりも短く、第2注出シール部の根元から先端への直線長さが5mm以上10mm以下であってもよい。注出部を画定する第2注出シール部の直接長さが5mm以上であることにより、注出部を開封して詰め替え作業を行う際に、詰め替え作業を安定して行うことが可能となる。また、注出部を画定する第2注出シール部の直接長さが10mm以下であることにより、注出部を開封して包装袋の注出部を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注出部における流路が狭くなることがなく、詰め替え作業を迅速に行うことが可能となる。
上記の包装袋において、注出部は、注出口を画定する第1注出シール部及び第2注出シール部を有してもよく、第1注出シール部及び第2注出シール部の機械方向における幅は、3mm以上であってもよい。この場合、注出部の注出口の剛性を高めて、包装袋の注出部を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注出を安定して行うことができる。これにより、詰め替え作業をより容易に行うことが可能となる。
上記の包装袋において、注出部は、収容部の角部に設けられており、第1注出シール部が包装袋の外縁側に設けられ、且つ、第2注出シール部が第1注出シール部よりも内側に設けられ、第2注出シール部の長さが第1注出シール部の長さの半分よりも短くてもよい。この場合において、上記の包装袋は、収容物を収容部内に注入するための注入口であって、注入後にシールされる注入部を更に備えてもよく、第2注出シール部と注入部との最短の離間距離が5mm以内であってもよい。この場合、ポリエチレン樹脂のような比較的柔らかい材料を用いた場合であっても、注出部に剛性を確保して、注出部による詰め替え作業をより確実に行うことが可能となる。
上記の包装袋において、シール部は、注出部側に設けられる第1シール部と、機械方向において第1シール部とは逆側に設けられる第2シール部とを有し、注出口に沿った外縁と注出口から第1シール部へと繋ぐ連結シール部の外縁とが為す角度が鈍角であることが好ましい。この態様によれば、注出部を開封して包装袋の注出部を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注ぎ口である注出部を容器(ボトル等)に嵌め込み易くなり、詰め替え作業をより容易に行うことが可能となる。
上記の包装袋において、フィルム積層体の機械方向における腰強度が200mN/15mm以下であってもよい。この場合、フィルム積層体がより柔らかい材料から構成されることになるため、かかるフィルム積層体を用いて形成された包装袋から収容物を注出する際の搾り出し作業を行い易くなる。なお、フィルム積層体の機械方向における腰強度は、JIS K 7125に準拠し、例えば、ループスティフネステスター(東洋精機製作所社製)を用いて測定することができる。測定条件は、例えばループ長さ50mm、サンプル幅15mm、サンプルの向きを加工の流れ方向(機械方向)として、押し込み量(押し潰し距離)15mmとすればよい。
上記の包装袋において、注出部は、包装袋の使用者が把持可能な把持タブを有することが好ましく、把持タブは、包装袋の外側に向かって突出していてもよい。これにより、注出部の開封作業を行い易くなる。なお、この包装袋では、開封予定線に沿って易引き裂き性が設けられているものの、包装袋の開封予定線にレーザなどでキズを設けておく構成ではないため、易引き裂き性はあるものの、輸送中に誤って注出部が開封されてしまうことがない。よって、開封用の把持タブを外側に向けて設けたとしても、誤って開封が生じることが防止される。
上記の包装袋において、シーラント層を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEであることが好ましい。C4-LLDPEは、エチレンと1-ブテンとの共重合体からなるLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の1種であり、エチレン由来のLLDPEの主鎖に、1-ブテン由来の炭素数が4個の側鎖を有する分子構造である。C4-LLDPEは、C6-LLDPEやC8-LLDPEよりも、側鎖が短く、メルトフローレート(MFR)が低いことから、相対的に低い引張衝撃強さや引張強度や引張弾性率を有している。このため、シーラント層を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEであることにより、シーラント層の機械方向に易引き裂き性を容易に付与することができる。なお、このようなC4-LLDPEの密度は、0.925g/cm未満であってもよく、0.900~0.920g/cmであってもよい。また、C4-LLDPEのメルトフローレート(MFR)は、5g/10分未満であってもよく、好ましくは0.5g/10分以上5g/10分未満であり、より好ましくは2g/10分以上5g/10分未満である。
上記の包装袋において、基材層を構成するポリエチレン樹脂はHDPEであってもよい。基材層をHDPE(高密度ポリエチレン)から形成することにより、シーラント層の引き裂き性能を阻害することがない。このため、この包装袋によれば、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部の開封性能を向上することができる。
本開示によれば、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部の開封性能を向上することができる。
図1は、本開示に係るスタンディングパウチの一実施形態を模式的に示す正面図である。 図2は、図1に示すスタンディングパウチを構成する一対のフィルム積層体と、底テープとを模式的に示す斜視図である。 図3は、図1に示すスタンディングパウチの構成を模式的に示す断面図である。 図4の(a)及び(b)は、本開示に係るフィルム積層体の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図5は、図1に示すスタンディングパウチの注出部付近Sを拡大して示す平面図である。 図6は、本開示に係るスタンディングパウチの変形例を示す平面図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。ここでは、モノマテリアル化が実現された包装袋の一例としてスタンディングパウチについて説明する。スタンディングパウチは、シャンプー、ハンドソープ、洗剤などの詰め替えパウチや、スープ、調味料などのパウチとして使用されるものである。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<スタンディングパウチ>
図1は、本実施形態に係るスタンディングパウチを模式的に示す正面図である。図2は、図1に示すスタンディングパウチを構成する一対のフィルム積層体と底テープとを模式的に示す分解斜視図である。図3は、図1に示すスタンディングパウチの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、スタンディングパウチ10(包装袋)は、所定の収容物を収容する(周囲可能な)収容部11と、収容部11の周りに形成されるシール部12と、収容部11内に収容物を注入するための注入口を有する注入部13と、開封された際に収容物を注出可能な注出部20と、を備えている。シール部12は、収容部11の一方の側部(図示の左側の側部)に設けられる第1シール部12aと、収容部11の他方の側部(図示の右側の側部)に設けられる第2シール部12bと、収容部11の底部に設けられる第3シール部12cとを有している。また、注入部13は、収容部11内に収容物を収納した後にはヒートシールして閉じられるようになっている。
このようなスタンディングパウチ10は、図2に示すように、詳細は後述するフィルム積層体30(図4を参照)を所定の形状にカットしたフィルム積層体30A、30Bを、それぞれのシーラント層L2を内側にして所定箇所でシールすることにより、形成される。スタンディングパウチ10の形成においては、フィルム積層体30A、30Bをシールする際に、底テープ40をフィルム積層体30A、30Bの間の底部側に挟み込んでシールを行う。以上により、上述した第1シール部12a、第2シール部12b、及び、第3シール部12cが形成される。一対のフィルム積層体30A、30B及び底テープ40はいずれも、基材層L1とシーラント層L2とを少なくとも含む積層体で構成されている(図4参照)。ヒートシールによるスタンディングパウチの形成は、従来の方法と同様に実施することができる。
底テープ40は一つの山折り部41を有する。すなわち、スタンディングパウチ10が自立した状態において、底テープ40は逆V字状に配置されている(図2及び図3参照)。スタンディングパウチ10の底部の第3シール部12cは、図3に示すように、ヒートシール部14とヒートシール部15とによって構成されている。ヒートシール部14は、フィルム積層体30Aの底部31aと底テープ40の一方の底部41aとをヒートシールした部分である。ヒートシール部15は、フィルム積層体30Bの底部31bと底テープ40の他方の底部41bとをヒートシールした部分である。フィルム積層体30A、30B及び底テープ40は、図1に示されるように、内容物を収容する領域の底部が曲面をなすように、上側が円弧状をなすようにヒートシールされている。
スタンディングパウチ10の側部であるシール部12は、上述したように、注出部20側に設けられる第1シール部12aと、第1シール部12aとは水平方向(又は機械方向MD)において逆側に設けられる第2シール部12bとを有している。シール部12の第1シール部12a及び第2シール部12bそれぞれの幅は、例えば、5~18mmであり、7~15mmであってもよい。シール部12の各幅が5mm以上であることで十分なシール強度を達成できる傾向にあり、他方、18mm以下であることでスタンディングパウチ10の十分な内容量を確保しやすい傾向にある。
図1に示されたとおり、スタンディングパウチ10は、底部(第3シール部12c)の両サイドに融着部16,17をそれぞれ有する。本実施形態においては、スタンディングパウチ10の一方のサイドに二つの融着部16が上下に並んで形成され、他方、他方のサイドにも二つの融着部17が上下に並んで形成されている。融着部16,17はフィルム積層体30Aとフィルム積層体30Bとを接合している。融着部16,17は、底テープ40に設けられた切欠部44及び切欠部45を通じてフィルム積層体30A,30Bのシーラント層L2同士が局所的に融着している箇所である。図3に示されたように、底テープ40の切欠部44及び切欠部45は、山折り部41と底辺42,43との間の領域であり且つ底テープ40の側部に設けられている。底部の両サイドに融着部16,17が設けられていることで、スタンディングパウチ10の自立性及び落下耐性をより一層向上させることができる。なお、ここでは、底テープ40の一つのサイドに二対の切欠部44及び45を設け、二つの融着部16,17を形成した場合を例示したが、例えば、底テープ40の一つのサイドに一対の切り欠き部を設け、一つの融着部16又は17を形成してもよい。
リサイクル性の観点から、スタンディングパウチ10におけるポリエチレンの含有量は90質量%以上であることが好ましい。モノマテリアル化をより高度に達成する観点から、スタンディングパウチ10におけるポリエチレンの含有量は、92質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。
<フィルム積層体>
ここで、図4を参照して、スタンディングパウチ10の一対のフィルム積層体30A,30B及び底テープ40を構成するフィルム積層体30について説明する。フィルム積層体30は、実質的にポリエチレン樹脂からなる。図4は、本実施形態に係るフィルム積層体を模式的に示す断面図である。図4の(a)に示すフィルム積層体30は、基材層L1とシーラント層L2とを含む。シーラント層L2がフィルム積層体30の最内面を構成する。なお、図4の(b)に示すように、2つの層L1a,L1bを有する基材層L1とシーラント層L2とから構成されるフィルム積層体35を用いてもよい。
フィルム積層体30,35における、ポリエチレンの含有量は、90質量%以上であることが好ましい。フィルム積層体30,35におけるポリエチレンの含有量が90質量%以上であれば、モノマテリアル化を実現することが容易となり、好ましい。このような観点から、フィルム積層体30,35におけるポリエチレンの含有量は、より好ましくは92質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上である。モノマテリアル化が実現できると、樹脂再生が容易となるため好ましい。フィルム積層体30,35は、コシが柔らかく伸びやすいため耐衝撃性に優れるものとなる。
また、フィルム積層体30,35は、機械方向における腰強度が200mN/15mm以下のフィルムであってもよい。この場合、フィルム積層体30,35がより柔らかい材料から構成されることになるため、かかるフィルム積層体を用いて形成されたスタンディングパウチ10から収容物を注出する際の搾り出し作業を行い易くなる。なお、フィルム積層体30,35の機械方向における腰強度は、JIS K 7125に準拠し、例えば、ループスティフネステスター(東洋精機製作所社製)を用いて測定することができる。測定条件は、例えばループ長さ50mm、サンプル幅15mm、サンプルの向きを加工の流れ方向(機械方向)として、押し込み量(押し潰し距離)15mmとすればよい。
[基材層]
基材層L1は、未延伸のポリエチレン樹脂フィルムで構成されていることが好ましい。基材層L1が未延伸であることで、樹脂の配向性がほとんどなく、引っ張りやせん断のような外部応力に対して伸びやすく破断しにくい。基材層L1が層L1a,L1bからなる場合も同様である。基材層L1は、延伸のポリエチレン樹脂フィルムであってもよい。基材層L1の厚さは、例えば、5~800μmであり、5~500μm又は10~50μmであってよい。基材層L1は、シーラント層L2よりも20℃以上高い融点を有し、好ましくは25℃以上高い融点を有する。両者の融点に差があることで、ヒートシール工程において、基材層L1の溶融を抑制できる。基材層L1とシーラント層L2のシール立ち上がり温度の差は、好ましくは25℃以上であり、より好ましくは30℃以上である。シール立ち上がり温度は、シール強度が発現する温度を意味する。ポリエチレン樹脂の融点は示差走査熱量計(DSC)を使用して測定することができる。
基材層L1の融点は、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは125℃以上である。基材層L1を構成するポリエチレンとして、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)等が挙げられる。これらのうち、耐熱性の観点から、HDPE及びMDPEで密度が0.925g/cm以上のものを使用することが好ましい。特に、密度が0.93~0.98g/cmの範囲の高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
基材層L1を構成するポリエチレン樹脂は、石油由来のものに限定されず、その一部又は全部が生物由来の樹脂材料(例えば、バイオマス由来のエチレンを原材料に用いたバイオマスポリエチレン)であってもよい。バイオマス由来のポリエチレンの製造方法は、例えば、特表2010-511634号公報に開示されている。基材層L1は、市販のバイオマスポリエチレン(ブラスケム社製グリーンPE等)を含んでもよいし、使用済みのポリエチレン製品やポリエチレン製品の製造過程で発生した樹脂(いわゆるバリ)を原料とするメカニカルリサイクルポリエチレンを含んでもよい。
基材層L1は、ポリエチレン樹脂以外の成分を含んでいてもよい。かかる成分としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、生分解性の樹脂材料(例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉等)などが挙げられる。基材層L1は、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の添加剤を含んでもよい。基材層L1におけるポリエチレン樹脂以外の成分の量は、基材層L1の全量を基準として、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。
[シーラント層]
シーラント層L2は、基材層L1と同様に、ポリエチレン樹脂フィルムで構成されている。シーラント層L2の厚さは、例えば、40~150μmであり、20~250μmであってもよい。シーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂フィルムは、機械方向(MD方向:Machine Direction)に易引き裂き性を付与されたフィルムである。
このような易引き裂き性を有するシーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂は、例えば、C4-LLDPEであることが好ましい。C4-LLDPEは、エチレンと1-ブテンとの共重合体からなるLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の1種であり、エチレン由来のLLDPEの主鎖に、1-ブテン由来の炭素数が4個の側鎖を有する分子構造である。C4-LLDPEは、C6-LLDPEやC8-LLDPEよりも、側鎖が短く、メルトフローレート(MFR)が低いことから、相対的に低い引張衝撃強さや引張強度や引張弾性率を有している。このため、シーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEであることにより、シーラント層L2の機械方向に易引き裂き性を容易に付与することができる。
シーラント層L2のメルトフローレート(MFR)は5g/10分未満であり、好ましくは0.5g/10分以上5g/10分未満であり、より好ましくは2g/10分以上~5g/10分未満である。メルトフローレートが5g/10分未満であることで溶融張力が高くなりインフレーション法などによる加工時のシワを抑制しやすいという効果が奏される。すなわち、シーラント層L2を溶融するために加熱されたときにやや流動しにくいことで、平滑で透明性の良いフィルムとすることができる。
シーラント層L2の融点は、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは95~110℃である。シーラント層L2は、密度0.925g/cm未満(より好ましくは0.900~0.920g/cm)のポリエチレン樹脂で構成されていることが好ましい。一例としては、上述した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができ、シーラント層L2の機械方向に易引き裂き性を付与できるのであれば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)を用いてもよく、LLDPEとVLDPEをブレンドしたものを用いてもよい。
シーラント層L2を構成するポリエチレンの一部又は全部として、バイオマス由来のエチレンを原材料に用いたバイオマスポリエチレンを用いてもよい。このようなシーラントフィルムは、例えば、特開2013-177531号公報に開示されている。シーラント層L2は、使用済みのポリエチレン製品やポリエチレン製品の製造過程で発生した樹脂(いわゆるバリ)を原料とするメカニカルリサイクルポリエチレンを含んでもよい。
(その他の層)
積層体は、基材層L1とシーラント層L2との間に接着層(不図示)を備えていてもよい。接着層を形成する接着剤は、接着方法に合わせて選定することができるが、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤などを用いることができる。このような接着層を設けることで、基材層L1とシーラント層L2の層間密着性を高くしてデラミネーションしにくくなり、パウチとしての耐圧性や耐衝撃性を保持することができる。
接着層は、塩素を含まないことが好ましい。接着層が塩素を含まないことで、接着剤やリサイクル後の再生樹脂が着色したり、加熱処理によって臭いが発生したりすることを防ぐことができる。接着層は、バイオマス材料を使用すると環境配慮の観点から好ましい。また、ポリエチレンにはバイオマスポリエチレンを使用することができる。環境配慮の観点から、接着剤には溶剤を含まないものが好ましい。
フィルム積層体30は、例えば、水蒸気や酸素に対するガスバリア性向上の観点から、ガスバリア層を更に含んでもよい。ガスバリア層は、基材層L1とシーラント層L2との間に設けられてもよく、基材層L1のシーラント層L2とは反対側の面に設けられてもよい。積層体の水蒸気透過量は、例えば、5g/m・dayであり、1g/m・day以下又は0.5g/m・day以下であってもよい。フィルム積層体30の酸素透過量は、例えば、1cc/m・atm・dayであり、0.5g/m・atm・day以下又は0.2g/m・atm・day以下であってもよい。積層体がガスバリア層を含むことで、内容物を水蒸気や酸素による劣化から保護し、長期的に品質を保持しやすくなる。
ガスバリア層の一例として、無機酸化物の蒸着層が挙げられる。無機酸化物の蒸着層を用いることにより、積層体のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてよい。無機酸化物の蒸着層の厚さは、例えば5nm以上100nm以下とすることができ、10nm以上50nm以下であってよい。厚さが5nm以上であることでバリア性が良好に発揮されやすく、厚さが100nm以下であることで、積層体の可撓性が維持されやすい。蒸着層は、例えば物理気相成長法、化学気相成長法等によって形成することができる。
積層体は、無機酸化物の蒸着層に代えて、あるいは加えて、金属層(金属箔)を含んでもよい。金属層としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を使用することができ、これらのうち、防湿性、延展性等の加工性、コスト等の面から、アルミニウム箔が好ましい。アルミニウム箔としては、一般の軟質アルミニウム箔を用いることができる。なかでも、耐ピンホール性及び成型時の延展性に優れる点から、鉄を含むアルミニウム箔が好ましい。金属層を設ける場合、その厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の点から、7~50μmであってよく、9~15μmであってよい。
フィルム積層体30は、基材層L1とシーラント層L2との間にアンカーコート層を備えていてもよい。アンカーコート層は、積層体のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層でよく、アンカーコート剤を用いて形成することができる。アンカーコート剤としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。アンカーコート剤としては、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
フィルム積層体30は、例えば、印刷層を更に含んでもよい。印刷層は、基材層L1とシーラント層L2との間に設けられてもよく、基材層L1のシーラント層L2とは反対側の面に設けられてもよい。印刷層を設ける場合、印刷インキには塩素を含まないものを用いることが、印刷層が再溶融時に着色したり、臭いが発生したりすることを防ぐ観点から好ましい。また、印刷インキに含まれる化合物にはバイオマス材料を使用することが、環境配慮の観点から好ましい。
<注出部>
次に、図1及び図5を参照して、機械方向に易引き裂き性を有するフィルム積層体30,35を用いて作製したスタンディングパウチ10の注出部20について詳細に説明する。図5は、図1に示すスタンディングパウチの注出部付近Sを拡大して示す平面図である。図1及び図5に示すように、注出部20は、注出口21、把持タブ22、第1注出シール部23、第2注出シール部24、連結シール部25、開封予定線26、及び、ノッチ27を備えている。注出部20は、注入部13のシール部13aに隣接して設けられている。
注出口21は、開封予定線26に沿って注出部20が開封された際に開口21aから内容物を注出するための部分であり、収容部11からの流路21bを含む部分である。注出口21は、上下方向に対してやや斜めとなる方向に伸びる第1注出シール部23及び第2注出シール部24によって流路21bを含む部分が画定される。
把持タブ22は、収容部11に収容された内容物を移し替えるために注出部20を開封する際に注出部20を引っ張るための把持部分である。把持タブ22は、注出口21側を除いた3方の部分がシールされている。把持タブ22を開封予定線26に沿って矢印Aの方向に引っ張ることで、注出口21の開口21aが開き、注出部20が開封される。把持タブ22は、スタンディングパウチ10の外側に向かって突出する突出部22aを有しており、把持タブ22は外側から内側に向かって引っ張るように設計されている。なお、把持タブ22のシール部分は、第1注出シール部23及び第2注出シール部24に連結している。
第1注出シール部23は、スタンディングパウチ10の外縁側に設けられた上下方向に延びるシール部であり、上端が把持タブ22に連結し、下端が連結シール部25を介して第1シール部12aに連結されている。第2注出シール部24は、第1注出シール部23よりも内側に設けられて上下方向に延びるシール部であり、上端が把持タブ22に連結し、下端が曲面部を介して注入部13のシール部13aに連結されている。第1注出シール部23及び第2注出シール部24は、第1シール部12a及び第2シール部12bと同様に、フィルム積層体30A,30Bのシーラント層L2同士がシールされた部分である。第1注出シール部23及び第2注出シール部24の機械方向における幅は、例えば3mm以上(又は4mm以上)であってもよい。
第1注出シール部23は、上述したように、連結シール部25を介して第1シール部12aに連結されている。この際、第1注出シール部23の外縁と連結シール部25の外縁とが為す角度αは、例えば、90度以上180度以下であり、鈍角を形成している。
第2注出シール部24は、シール部13aに連結される根元24aから把持タブ22に連結される先端24bまでの距離D2が例えば5mm以上10mm以下となるように短く形成されている。一例として、第2注出シール部24の長さD2は、第1注出シール部23の長さD1の半分より短くてもよい。また、第2注出シール部24は、注入部13のシール部13aに隣接して形成されており、例えば、第2注出シール部24とシール部13aとが対向する箇所での最短の離間距離(互いの外縁同士の距離)が5mm以内であってもよい。
開封予定線26は、収容部11に収容された内容物を他の容器に移し替える等のために注出部20を開封する際、注出部20を引き裂いて切断するための線である。本実施形態に係るスタンディングパウチ10では、この開封予定線26がシーラント層L2の機械方向に沿って設けられている。つまり、開封予定線26が延びる方向に易引き裂き性が付与されており、開封予定線26に沿って引き裂くことによって、注出部20を容易に開封することができる。なお、本実施形態では、水平方向に延びる開封予定線26にレーザ等による加工(例えば、ハーフカット線の形成)を行っていないため、物理的な加工は行われていない。但し、スタンディングパウチ10の使用者が認識できるように、注出部20を開封する際の目安となる開封線として、開封予定線26は例えば印刷されていてもよい。
ノッチ27は、開封予定線26の一端に設けられて、注出部20の開封の初端となる部分であり、使用者が注出部20を開封する際の誘導を行う部分である。ノッチ27は、切り込み、切欠き、又は、窪みなどの形状を有してもよい。また、ノッチ27は、図の例では、注出部20の外側の把持タブ22の直ぐ下に設けられているが、開封予定線26に誘導できるようであれば、ノッチ27は他の場所に設けられてもよい。
以上、本実施形態に係るスタンディングパウチ10及びフィルム積層体によれば、ポリエチレン樹脂製のフィルム積層体30,35を用いることにより、モノマテルアル化を実現することができる。また、スタンディングパウチ10では、注出口21の開口21aを画定する開封予定線26がシーラント層L2の機械方向MDに沿っており、この方向に易引き裂き性を有することから、開封予定線26に沿っての開封を容易に行うことができる。これにより、スタンディングパウチ10の注出部20の開封性能を向上することができる。よって、このスタンディングパウチ10によれば、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部20の開封性能を向上することができる。更に、スタンディングパウチ10では、シーラント層L2が機械方向MDに易引き裂き性を有し、この易引き裂き性の方向に沿って開封予定線26が設けられている。この場合、スタンディングパウチ10の開封予定線26にレーザなどでキズ(例えばハーフカット線など)を設けておく構成ではないため、一定の易引き裂き性はあるものの、レーザ加工した開封予定線ほど容易に引き裂きが進んでしまうものではない。従って、スタンディングパウチ10によれば、輸送中に梱包用の段ボールなどに接触して包装袋の注出部が誤って開封されてしまうことを防止できる。
スタンディングパウチ10では、注出部20の開封予定線26の一端にはノッチ27が設けられている。これにより、注出部20の開封作業を誘導させることが可能となり、開封性能を向上することができる。
スタンディングパウチ10では、注出部20の第2注出シール部24の根元24aから先端24bへの直線長さは5mm以上10mm以下であってもよい。注出部20における上記の直接長さD2が5mm以上であることにより、注出部20を開封して詰め替え作業を行う際に、詰め替え作業を安定して行うことが可能となる。また、注出部20における上記の直接長さD2が10mm以下であることにより、注出部20を開封してスタンディングパウチ10の注出部20を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注出部20における流路21bが狭くなることがなく、詰め替え作業を迅速に行うことが可能となる。
スタンディングパウチ10では、注出口21に沿った外縁と注出口21から第1シール部12aへと繋ぐ連結シール部25の外縁とが為す角度αが鈍角である。この態様によれば、注出部20を開封してスタンディングパウチ10の注出部20を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注ぎ口である注出部20を容器(ボトル等)に嵌め込み易くなり、詰め替え作業をより容易に行うことが可能となる。
スタンディングパウチ10では、フィルム積層体30,35の機械方向MDにおける腰強度が200mN/15mm以下であってもよい。この場合、フィルム積層体30,35がより柔らかい材料から構成されることになるため、かかるフィルム積層体30,35を用いて形成されたスタンディングパウチ10から収容物を注出する際の搾り出し作業を行い易くなる。
スタンディングパウチ10では、注出部20の第1注出シール部23及び第2注出シール部24の機械方向における幅が3mm以上である。この場合、注出部20の注出口21の剛性を高めて、スタンディングパウチ10の注出部20を詰め替え先の容器に差し込んだ場合、注出を安定して行うことができる。これにより、詰め替え作業をより容易に行うことが可能となる。
スタンディングパウチ10では、第1注出シール部23がスタンディングパウチ10の外縁側に設けられ、且つ、第2注出シール部24が第1注出シール部23よりも内側に設けられ、第2注出シール部24の長さD2が第1注出シール部23の長さD1の半分よりも短い。そして、第2注出シール部24と注入部13のシール部13aとの最短の離間距離D3が5mm以内である。この場合、ポリエチレン樹脂のような比較的柔らかい材料を用いた場合であっても、注出部20に剛性を確保して、注出部20による詰め替え作業をより確実に行うことが可能となる。
スタンディングパウチ10では、注出部20は、スタンディングパウチ10の使用者が把持可能な把持タブ22を有している。把持タブ22は、スタンディングパウチ10の外側に向かって突出している。これにより、注出部20の開封作業を行い易くなる。なお、このスタンディングパウチ10では、開封予定線26に沿って易引き裂き性が設けられているものの、スタンディングパウチ10の開封予定線26にレーザなどでキズを設けておく構成ではないため、易引き裂き性はあるものの、輸送中に誤って注出部20が開封されてしまうことがない。よって、開封用の把持タブ22を外側に向けて設けたとしても、誤って開封が生じることが防止される。
スタンディングパウチ10では、シーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEである。シーラント層L2を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEであることにより、シーラント層L2の機械方向MDに易引き裂き性を容易に付与することができ、スタンディングパウチ10の注出部20の開封を容易に行うことが可能となる。なお、スタンディングパウチ10では、基材層L1を構成するポリエチレン樹脂はHDPEである。基材層L1をHDPEから形成することにより、上述したシーラント層L2の引き裂き性能を阻害することがない。このため、このスタンディングパウチ10によれば、モノマテリアル化を実現しつつ、注出部20の開封性能を向上することができる。
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、フィルム積層体30の適用対象としてスタンディングパウチを例示したが、実施形態に係るフィルム積層体30を他の包装袋の製造に適用してよい。例えば、一枚のフィルム積層体30,35をシーラント層L2が対向するよう二つ折りにした後、三方をシーラントすることによって袋形状としたものであってよく、二枚のフィルム積層体30,35を各シーラント層L2が対向するように重ねた後、四方をヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。包装袋は、内容物として食品、医薬品等の内容物を収容することができる。包装袋は、ボイル処理などの加熱殺菌処理を施すことができる。
また、上記の実施形態では、スタンディングパウチ10の注出部20の把持タブ22が外側に突出する構成であったが、これに限定されない。例えば、図6に示すように、スタンディングパウチ10の注出部20Aの把持タブ22Aが内側に向く形状であってもよい。この場合でも、把持タブ22Aを把持して注出部20Aを開封予定線26に沿って内側から外側に向けて容易に開封させることができる。
以下、実施例により本開示を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の材料を使用してフィルム積層体30を作製した(図4の(a)を参照)。
・基材層…未延伸HDPEフィルム(厚さ:35μm、密度:0.948g/cm、融点:135℃)
・接着剤層…ウレタン系接着剤
・シーラント層…C4―LLDPE(密度:0.916g/cm、MFR:4.0g/10分、融点:102℃)、
このシーラント層と基材層とを接着剤層(厚さ:1~2μm)を介して貼り合わせることによってフィルム積層体30を得た。
上述したフィルム積層体30を3つ用意し、それぞれを本体(フィルム積層体30A、30B)及び底材(底テープ40)として使用し、スタンディングパウチを作製した(図2を参照)。パウチサイズは以下のとおりとした。
・天地:230mm
・幅:150mm
・折込幅:40mm
より具体的には、得られたフィルム積層体30から図1及び図5に示す構成のスタンディングパウチ10を作製した。このスタンディングパウチ10の注出部20では、易引き裂き性がある機械方向MDに沿うように開封予定線26を形成した。
以下の実験例では、注出部20の形状(寸法)を変更して、1)開封予定線26に沿った開封の容易性、2)注出部20を開封して容器に嵌め合わせた際の流路21bの閉塞の有無、3)移し替え先の容器に差し込んだ際の安定性を評価した。より具体的には、この試験では、第1注出シール部23の長さD1と第2注出シール部24の長さD2とを変更して、実験例1~14において上述した試験1~3)を評価した。
開封の容易性については、「把持タブが切り取れたかどうか」によって評価した。流路の閉塞の有無については、「詰め替え時に内容物が詰まることなく詰め替えられたかどうか」によって評価した。差し込みの安定性については、「詰め替え時にスタンディングパウチがグラグラしたり、注ぎ口が外れたりしないかどうか」によって評価した。
評価の結果については、以下の表1に示す。
Figure 2023114818000002
表1に示すように、スタンディングパウチ10の注出部20で、易引き裂き性がある機械方向MDに沿うように開封予定線26を形成したことにより、モノマテリアル化を実現しつつ開封性能を向上できることが確認できた。また、第2注出シール部24の直線長さが5mm以上10mm以下であることにより、流路の閉塞もなく、また、容器に嵌め合わせた際の安定性が好適であることが確認できた。
10…スタンディングパウチ(包装袋)、11…収容部、12…シール部、12a…第1シール部、12b…第2シール部、13…注入部、13a…シール部、20…注出部、21…注出口、21a…開口、22…把持タブ、23…第1注出シール部、24…第2注出シール部、25…連結シール部、26…開封予定線、27…ノッチ、30,35,30A,30B…フィルム積層体、L1…基材層、L2…シーラント層、MD…機械方向。

Claims (12)

  1. ポリエチレン樹脂から形成される基材層と、
    ポリエチレン樹脂から形成されるシーラント層と、を備え、
    前記シーラント層が機械方向(MD方向)に易引き裂き性を有する、フィルム積層体。
  2. 請求項1に記載のフィルム積層体の前記シーラント層がシールされて形成される包装袋であって、
    所定の収容物を収容可能な収容部と、
    前記収容部の周りに形成されるシール部と、
    開封された際に前記収容物を注出可能な注出口を含む注出部と、を備え、
    前記注出口の開口を画定する開封予定線が前記シーラント層の前記機械方向に沿っている、包装袋。
  3. 前記注出部の前記開封予定線の一端にはノッチが設けられている、
    請求項2に記載の包装袋。
  4. 前記注出部は、前記注出口を画定する第1注出シール部及び第2注出シール部を有し、
    前記第2注出シール部は、前記第1注出シール部よりも短く、
    前記第2注出シール部の根元から先端への直線長さが5mm以上10mm以下である、
    請求項2又は3に記載の包装袋。
  5. 前記注出部は、前記注出口を画定する第1注出シール部及び第2注出シール部を有し、
    前記第1注出シール部及び前記第2注出シール部の機械方向における幅が3mm以上である、
    請求項2~4の何れか一項に記載の包装袋。
  6. 前記注出部は、前記収容部の角部に設けられており、
    前記第1注出シール部が前記包装袋の外縁側に設けられ、且つ、前記第2注出シール部が前記第1注出シール部よりも内側に設けられ、
    前記第2注出シール部の長さが前記第1注出シール部の長さの半分よりも短い、
    請求項4又は5に記載の包装袋。
  7. 前記収容物を前記収容部内に注入するための注入口であって、注入後にシールされる注入部を更に有し、
    前記第2注出シール部と前記注入部との最短の離間距離が5mm以内である、
    請求項4~6の何れか一項に記載の包装袋。
  8. 前記シール部は、前記注出部側に設けられる第1シール部と、前記機械方向において前記第1シール部とは逆側に設けられる第2シール部とを有し、
    前記注出口に沿った外縁と前記注出口から前記第1シール部へと繋ぐ連結シール部の外縁とが為す角度が鈍角である、
    請求項2~7の何れか一項に記載の包装袋。
  9. 前記フィルム積層体の前記機械方向における腰強度が200mN/15mm以下である、
    請求項2~8の何れか一項に記載の包装袋。
  10. 前記注出部は、前記包装袋の使用者が把持可能な把持タブを有し、
    前記把持タブは、前記包装袋の外側に向かって突出している、
    請求項2~9の何れか一項に記載の包装袋。
  11. 前記シーラント層を構成するポリエチレン樹脂がC4-LLDPEである、
    請求項2~10の何れか一項に記載の包装袋。
  12. 前記基材層を構成するポリエチレン樹脂がHDPEである、
    請求項2~11の何れか一項に記載の包装袋。
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