JP2023114027A - 医用情報処理装置、医用情報処理方法、校正情報の取得方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法、校正情報の取得方法、およびプログラムに関する。
従来、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置を用いた骨密度計測が知られている。骨密度は、被写体サイズに応じたビームハードニング効果(BH効果)によって値が異なるため、従来では、複数種類の体格ファントムを使ってビームハードニング校正用テーブルを予め準備して、実測値に対して上記校正用テーブルを用いることで、被写体サイズの影響を考慮して骨密度を求める手法が知られている。しかしながら、上記手法では、ユーザのあらゆる体形サイズ(実測値)に適した校正テーブルを多数用意する必要が生じる。また、実際の生体では、内部臓器の状態や腸管ガスなどの程度の違いがあるため、体格ファントムと差異が生じる問題がある。したがって、効率的かつ適切に被検体の生体指標が特定できない場合があった。
本発明が解決しようとする課題の一つは、より効率的かつ適切に被検体の生体指標を特定することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は、上記課題に限られず、後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態の医用情報処理装置は、記憶部と、取得部と、特定部とを持つ。記憶部は、少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶する。取得部は、スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得する。特定部は、前記記憶部に記憶された複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する。
以下、実施形態の医用情報処理装置、医用情報処理方法、校正情報の取得方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。医用情報処理装置は、例えば、X線CT装置等の医用画像に対する処理を行って被検体を診断する医用診断装置である。以下の説明において、医用情報処理装置がX線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT(Computed Tomography)装置と呼ぶ)である場合を例に挙げて説明する。また、X線CT装置は、フォトンカウンティングCTを実行可能な光子計数(Photon Counting)型のX線CT装置であってもよい。
図1は、実施形態に係るX線CT装置1の構成図である。X線CT装置1は、例えば、デュアルエネルギーによるX線スキャン(デュアルエネルギースキャン)を実行する。デュアルエネルギースキャンには、例えば、1個のX線管を用いてX線管に印加する管電圧を切り替えることにより、低エネルギーのX線と高エネルギーのX線との各々を個別に被検体に照射する方式や、高速にX線管の管電圧を切り替えながら、低エネルギーのX線と高エネルギーのX線とを被検体にほぼ同時に照射する方式等がある。X線CT装置1は、任意の方式のデュアルエネルギースキャンを実行してよい。また、X線CT装置1は、3種類以上のエネルギーのデータ処理(マルチエナジー)が実行可能な構成であってもよい。
X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図の双方を掲載しているが、実際には、架台装置10は一つである。本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム17の回転軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。X線CT装置1またはコンソール装置40は、「医用情報処理装置」の一例である。
架台装置10は、例えば、X線管11と、ウェッジ12と、コリメータ13と、X線高電圧装置14と、X線検出器15と、データ収集システム(以下、DAS:Data Acquisition System)16と、回転フレーム17と、制御装置18とを有する。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生させる。X線管11は、真空管を含む。例えば、X線管11は、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管である。
ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量を調節するためのフィルタである。ウェッジ12は、X線管11から被検体Pに照射されるX線量の分布が予め定められた分布になるように、自身を透過するX線を減衰させる。ウェッジ12は、ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。ウェッジ12は、例えば、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したものである。
コリメータ13は、ウェッジ12を透過したX線の照射範囲を絞り込むための機構である。コリメータ13は、例えば、複数の鉛板の組み合わせによってスリットを形成することで、X線の照射範囲を絞り込む。コリメータ13は、X線絞りと呼ばれる場合もある。
X線高電圧装置14は、例えば、高電圧発生装置と、X線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)および整流器等を含む電気回路を有する。高電圧発生装置は、X線管11に印加する高電圧を発生させる。X線制御装置は、X線管11に発生させるべきX線量に応じて高電圧発生装置の出力電圧を制御する。高電圧発生装置は、上述した変圧器によって昇圧を行うものであってもよいし、インバータによって昇圧を行うものであってもよい。X線高電圧装置14は、回転フレーム17に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(不図示)の側に設けられてもよい。
X線制御装置は、例えば、デュアルエネルギースキャンを実行するために必要な電圧がX線管11に印加されるように、高電圧発生装置の出力電圧を制御する。例えば、X線制御装置は、コンソール装置40からの管電圧制御信号に従い、高電圧発生装置に高エネルギーのX線(High-kV)(第1のエネルギーのX線)と、低エネルギーのX線(Low-kV)(エネルギーの大きさが第1のエネルギーよりも低い第2のエネルギーのX線)とのうち何れを出力させるかを制御する。
X線検出器15は、X線管11が発生させ、被検体Pを通過して入射したX線の強度を検出する。X線検出器15は、検出したX線の強度に応じた電気信号(光信号等でもよい)をDAS16に出力する。X線検出器15は、例えば、複数のX線検出素子列を有する。複数のX線検出素子列のそれぞれは、X線管11の焦点を中心とした円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたものである。複数のX線検出素子列は、スライス方向(列方向、row方向)に配列される。
X線検出器15は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。それぞれのシンチレータは、シンチレータ結晶を有する。シンチレータ結晶は、入射するX線の強度に応じた光量の光を発する。グリッドは、シンチレータアレイのX線が入射する面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドは、コリメータ(一次元コリメータまたは二次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。光センサアレイは、シンチレータにより発せられる光の光量に応じた電気信号を出力する。X線検出器15は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であってもよい。
DAS16は、例えば、増幅器と、積分器と、A/D変換器とを有する。増幅器は、X線検出器15の各X線検出素子により出力される電気信号に対して増幅処理を行う。積分器は、増幅処理が行われた電気信号をビュー期間(後述)に亘って積分する。A/D変換器は、積分結果を示す電気信号をデジタル信号に変換する。DAS16は、デジタル信号に基づく検出データをコンソール装置40に出力する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、及び収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値である。ビュー番号は、回転フレーム17の回転に応じて変化する番号であり、例えば、回転フレーム17の回転に応じてインクリメントされる番号である。従って、ビュー番号は、X線管11の回転角度を示す情報である。ビュー期間とは、あるビュー番号に対応する回転角度から、次のビュー番号に対応する回転角度に到達するまでの間に収まる期間である。DAS16は、ビューの切り替わりを、制御装置18から入力されるタイミング信号によって検知してもよいし、内部のタイマーによって検知してもよいし、図示しないセンサから取得される信号によって検知してもよい。フルスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、全周囲分(360度分)の検出データ群を収集する。ハーフスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、半周囲分(180度分)の検出データを収集する。
回転フレーム17は、X線管11、ウェッジ12、およびコリメータ13と、X線検出器15とを対向支持する円環状の部材である。回転フレーム17は、固定フレームによって、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持される。回転フレーム17は、更にDAS16を支持する。DAS16が出力する検出データは、回転フレーム17に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば固定フレーム)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、受信機によってコンソール装置40に転送される。なお、回転フレーム17から非回転部分への検出データの送信方法として、前述の光通信を用いた方法に限らず、非接触型の任意の送信方法を採用してよい。回転フレーム17は、X線管11等を支持して回転させることができるものであれば、円環状の部材に限らず、アームのような部材であってもよい。
X線CT装置1は、例えば、X線管11とX線検出器15の双方が回転フレーム17によって支持されて被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-TypeのX線CT装置(第3世代CT)であるが、これに限らず、円環状に配列された複数のX線検出素子が固定フレームに固定され、X線管11が被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-TypeのX線CT装置(第4世代CT)であってもよい。
制御装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する処理回路と、モータやアクチュエータ等を含む駆動機構とを有する。制御装置18は、コンソール装置40または架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43からの入力信号を受け付けて、架台装置10および寝台装置30の動作を制御する。
制御装置18は、例えば、回転フレーム17を回転させたり、架台装置10をチルトさせたり、寝台装置30の天板33を移動させたりする。架台装置10をチルトさせる場合、制御装置18は、入力インターフェース43に入力された傾斜角度(チルト角度)に基づいて、Z軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム17を回転させる。制御装置18は、図示しないセンサの出力等によって回転フレーム17の回転角度を把握している。また、制御装置18は、回転フレーム17の回転角度を随時、処理回路50に提供する。制御装置18は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置して移動させ、架台装置10の回転フレーム17の内部に導入する装置である。寝台装置30は、例えば、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置32は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、支持フレーム34に沿って、天板33の長手方向(Z軸方向)に移動させる。天板33は、被検体Pが載置される板状の部材である。
寝台駆動装置32は、天板33だけでなく、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動させてもよい。また、上記とは逆に、架台装置10がZ軸方向に移動可能であり、架台装置10の移動によって回転フレーム17が被検体Pの周囲に来るように制御されてもよい。また、架台装置10と天板33の双方が移動可能な構成であってもよい。また、X線CT装置1は、被検体Pが立位または座位でスキャンされる方式の装置であってもよい。この場合、X線CT装置1は、寝台装置30に代えて被検体支持機構を有し、架台装置10は、回転フレーム17を、床面に垂直な軸方向を中心に回転させる。
コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、ネットワーク接続回路44と、処理回路50とを有する。実施形態では、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。メモリ41は、「記憶部」の一例である。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、検出データ、投影データ、再構成画像(CT画像)等を記憶する。これらのデータは、メモリ41ではなく(或いはメモリ41に加えて)、X線CT装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。外部メモリは、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)と称されるシステムにより実現される。PACSとは、各種画像診断装置によって撮影された画像等を体系的に記憶するシステムである。
図2は、メモリ41に格納されるデータの一例を示す図である。図2に示すように、メモリ41には、例えば、撮影条件41-1や、DAS16により出力される検出データ41-2、処理回路50により生成される投影データ41-3、再構成画像41-4、生成画像41-5、後述する校正機能により生成される校正情報41-6、後述する特定機能により生成される特定結果41-7等の情報が格納される。なお、処理回路50における前処理前のデータ(検出データ41-2)および前処理後のデータを総称して投影データ41-3と称する場合もある。再構成画像41-4は、複数種類のエネルギーでスキャンされた医用データに基づいて取得された医用画像である。例えば、再構成画像41-4は、デュアルエネルギースキャンにおいて、高エネルギーのX線を被検体に照射することにより得られる第1画像と、低エネルギーのX線を被検体に照射することにより得られる第2画像とが含まれる。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路50によって生成された画像や、操作者による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像等を表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)であってもよい。
入力インターフェース43は、操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路50に出力する。例えば、入力インターフェース43は、検出データ41-2または投影データ41-3を収集する際の収集条件、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を受け付ける。上記の各条件は、撮影条件41-1としてメモリ41に記憶されていてもよい。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、タッチパネル、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイク等により実現される。入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)により実現されてもよい。また、入力インターフェース43は、校正情報を取得したり、被検体の生体指標を取得するための指示を受け付けてもよい。
ネットワーク接続回路44は、例えば、プリント回路基板を有するネットワークカード、或いは無線通信モジュール等を含む。ネットワーク接続回路44は、接続する対象のネットワークの形態に応じた情報通信用プロトコルを実装する。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット、セルラー網、専用回線等を含む。
処理回路50は、X線CT装置1の全体の動作を制御する。処理回路50は、例えば、システム制御機能51、前処理機能52、再構成処理機能53、画像処理機能54、スキャン制御機能55、表示制御機能56、校正機能57と、特定機能58等を実行する。処理回路50は、例えば、ハードウェアプロセッサがメモリ41に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。校正機能57は、「校正部」の一例である。特定機能58は、「特定部」の一例である。
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA))等の回路(circuitry)を意味する。メモリ41にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。
コンソール装置40または処理回路50が有する各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路50は、コンソール装置40が有する構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのX線CT装置と接続されたワークステーション、あるいは複数のX線CT装置に接続され、以下に説明する処理回路50と同等の処理を一括して実行する装置(例えば、クラウドサーバ)である。すわなち、本実施形態の構成を、X線CT装置と、他の処理装置とがネットワークを介して接続されたX線CTシステム(医用診断システム)として実現することも可能である。
システム制御機能51は、例えば、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、処理回路50の各種機能を制御する。
前処理機能52は、撮影条件41-1に基づく撮影処理によってDAS16により出力された検出データ41-2に対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を行って投影データ41-3を生成し、生成した投影データ41-3をメモリ41に記憶させる。また、前処理機能52は、前処理前の検出データ41-2をメモリ41に記憶させてもよい。
再構成処理機能53は、前処理機能52により生成された投影データ41-3に対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等による再構成処理を行って再構成画像41-4を生成し、生成した再構成画像41-4をメモリ41に記憶させる。
画像処理機能54は、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、再構成画像41-4を公知の方法により、三次元画像や任意断面の断面像データに変換する。三次元画像への変換は、前処理機能52によって行われてもよい。
スキャン制御機能55は、メモリ41に記憶された撮影条件41-1に基づいてX線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32に指示することで、架台装置10における検出データの収集処理を制御する。スキャン制御機能55は、撮影条件41-1に基づいて位置合わせ画像、本撮影画像、および診断に用いる画像、校正情報を取得するための画像等を撮影する際の各部の動作をそれぞれ制御する。
表示制御機能56は、ディスプレイ42の表示態様を制御する。例えば、表示制御機能56は、ディスプレイ42を制御して、処理回路50によって生成された再構成画像や校正機能57によって生成される校正情報、特定機能58によって特定される被検体の生体指標値、操作者による各種操作を受け付けるGUI画像等を表示させる。
校正機能57は、例えば、被検体をスキャン撮影して得られる医用画像の画素値から生体指標を抽出するための対応関係を示す対応情報を導出し、導出した対応情報を校正情報41-6としてメモリ41に記憶させる。例えば、校正機能57は、少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムのそれぞれについて、生体成分の濃度を異ならせてスキャンされた医用画像から生体成分と生体指標との第1の対応関係を導出する。また、校正機能57は、複数種類のエネルギーでスキャンされた医用画像と画素値とからエネルギーと画素値との第2の対応関係を導出する。また、校正機能57は、吸収体サイズと第2の対応関係から第3の対応関係を導出し、第1~第3の対応関係を校正情報として取得する。対応情報には、少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成され、医用画像の画素値から所定の生体指標を換算する換算式が含まれる。生体指標とは、例えば、被検体内に含まれる生体成分の量や比率に関する指標値である。生体指標とは、例えば、骨密度や脂肪量、肥満度等である。生体成分とは、例えばハイドロキシアパタイト(以下、ハイドロキシアパタイトを「HA」と称する)であるが、他の成分であってもよい。校正機能57は、上記の関係(換算式)を体形ごとに生成する。以下では、生体指標の一例として骨密度を用い、生体成分の一例としてHAを用いるものとする。
図3は、校正機能57の機能構成の一例を示す図である。校正機能57は、例えば、取得機能57-1と、抽出機能57-2と、導出機能57-3とを備える。取得機能57-1は、「取得部」の一例である。抽出機能57-2は、「抽出部」の一例である。導出機能57-3は、「導出部」の一例である。取得機能57-1は、少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムのスキャン結果を取得する。体形サイズとは、体積でもよく、CTスキャン時の断面積でもよく、直径でもよい。また、体形サイズには、円形や楕円形等の形状に関する情報が含まれてもよい。
図4、図5は、異なるサイズのファントムの撮像画像の一例を示す図(その1、その2)である。図4は、サイズ(例えば、直径または面積)が小さいファントムFT1をX線CT装置1で撮影したときの断面画像IM10を示し、図5は、サイズがファントムFT1よりも大きいファントムFT2をX線CT装置1で撮影したときの断面画像IM20を示している。ファントムFT1、FT2は、例えば水等の吸収体からなる第1領域(吸収体領域)AR1と、所定の濃度の生体成分を含む第2領域(生体成分領域)AR2とを含む。第1領域AR1は、例えば人体における軟部組織部に相当し、第2領域AR2は、例えば人体の骨組織部に相当する。なお、第2領域AR2は、ファントムFT1、FT2に設けられた空洞部に抜き差しすることで着脱可能であり、第2領域AR2に濃度の異なる生体成分を付け替えることができる。図4、5の例では、第2領域AR2がファントムFT1、FT2の断面の中央に設けられているが、第2領域AR2の位置や数、領域の大きさについてはこれに限定されない。
取得機能57-1は、ファントムFT1、FT2に対して濃度を異ならせたHAを付け替えながらスキャン撮影した投影データ41-3を取得する。抽出機能57-2は、スキャン画像から校正対象となる部分(ROI;Region of Interest)を抽出する。導出機能57-3は、抽出した部分の生体成分(HA)と、生体指標(骨密度)との対応関係(第1の関係式)を導出する。また、導出機能57-3は、2つの異なるエネルギーと医用画像の画素値(CT値)との対応関係(第2の関係式)を導出する。また、導出機能57-3は、吸収体サイズと2つの異なるエネルギーから得られる情報(例えば傾き情報)との対応関係(第3の関係式)を導出する。校正機能57の機能の詳細については後述する。
特定機能58は、被検者の実測データと上述した第1~第3の関係式とに基づいて、被検体の医用画像の所定領域の画素値から生体指標(骨密度)を特定し、特定結果41-7としてメモリ41に記憶させる。図6は、特定機能58の機能構成の一例を示す図である。特定機能58は、例えば、取得機能58-1と、抽出機能58-2と、生体指標特定機能58-3とを備える。取得機能58-1は、「7」の一例である。抽出機能58-2は、「抽出部」の一例である。生体指標特定機能58-3は、「特定部」の一例である。
取得機能58-1は、被検体にX線を照射したときの実測データを取得する。抽出機能58-2は、実測データの再構成画像から高骨密度骨部と軟部組織部を設定する。また、抽出機能58-2は、設定した高骨密度骨部と軟部組織部の部分に対して、第1のエネルギーのX線と、第2のエネルギーのX線をそれぞれ照射したときのCT値を取得し、取得したCT値と被検体の体形サイズに基づいて、対応するHA値と骨密度との関係式を抽出する。生体指標特定機能58-3は、上述した各関係式に基づいて、被検体の医用画像の画素値から得られるHA値に対応する骨密度を導出する。
(校正機能)
次に、校正機能57について具体的に説明する。図7は、HAの周囲の吸収体サイズに応じた第1の関係式の一例を示す図である。図7の例では、第1の関係式として、HA値と骨密度(BMD)との対応関係を示している。また、図7の例において、横軸は、HA値[cm3/cm3]を示し、縦軸は、骨密度[mg/cm3]を示している。
次に、校正機能57について具体的に説明する。図7は、HAの周囲の吸収体サイズに応じた第1の関係式の一例を示す図である。図7の例では、第1の関係式として、HA値と骨密度(BMD)との対応関係を示している。また、図7の例において、横軸は、HA値[cm3/cm3]を示し、縦軸は、骨密度[mg/cm3]を示している。
導出機能57-3は、少なくとも2種類の異なるサイズの吸収体を用いて、HA値と骨密度との対応関係を導出する。この場合、予め準備可能な複数のファントムのうち、形状が最も大きいファントムと最も小さいファントムの2つを用いて、HA濃度の異なる複数のHA値(図7の例では、HA1、HA2)と、それぞれのファントムから導出される実際の骨密度とをプロットし、各点を連結して線形の式(換算式)を導出する。図7の例では、ファントムFT1およびFT2のそれぞれに対する2つの関係式(一次関数)が示されている。この二つの関係式を導出することで、その他のファントムサイズに対する関係式を導出することができる。例えば、ファントムFT1およびファントムFT2以外の大きさのファントム(例えば、ファントムFT3)については、ファントムFT1、FT2のそれぞれの関係式を用いて補間する。例えば、導出機能57-3は、ファントムFT1、FT2に対するファントムFT3の拡大率または縮小率等の比率に基づいて、ファントムFT3が取り得る値を推定し、図7に示すような第1の関係式を導出する。
また、導出機能57-3は、第1のエネルギーのX線および第2のエネルギーのX線をファントムに照射することにより得られるデータと、ファントムサイズ(吸収体サイズ)との関係式(第2の関係式)を導出する。図8は、吸収体サイズに応じた第2の関係式を導出することについて説明するための図である。図8の例では、吸収体の一例として、ファントムFT2の断面画像IM20を示している。導出機能57-3は、生体指標(骨密度)を特定するための生体成分(HA)を含む領域内の地点P1と、吸収体に相当する地点P2とをそれぞれ対象領域(ROI)として設定し、設定した2つの地点において、第1のエネルギーのX線および第2のエネルギーのX線をそれぞれ照射させたときのCT値を取得し、取得した各地点P1、P2ごとのCT値の変化量に基づいて第2の関係式を導出する。そして、導出した関係式(一次関数)の傾きを傾き情報(Low-High kVp slope)として導出する。
図9は、第2の関係式から傾き情報を導出することについて説明するための図である。図9において、横軸はX線のエネルギー(kVp)を示し、縦軸はCT画像で表されるCT値を示している。なお、CT値は、線減弱係数に置き換えてもよい。導出機能57-3は、図9に示すように、第1領域AR1の地点P1と、第2領域AR2の地点P2のそれぞれに対して、第1のエネルギーE1(Low)および第2のエネルギーE2(High)によりスキャン撮影したときのCT値を取得し、取得したCT値の2点を地点P1、P2ごとに線形に連結することで地点P1および地点P2における2つ関係式を導出する。更に、導出機能57-3は、2つの関係式の平均に相当する直線SL(Low-High kVp Slope)を第2の関係式(換算式)として導出する。なお、第2の関係式は、地点P1におけるエネルギーとCT値との関係を示す直線であってもよく、地点P2におけるエネルギーとCT値との関係を示す直線であってもよい。また、第2の関係式には、直線(一時関数)の傾き情報が含まれていてもよい。なお、骨部組織と軟部組織のそれぞれの関係式から直線SLを導出して第2の関係式とすることで、エネルギーとCT値との関係を高精度に導出することができる。
なお、図9の例では、2点を線形につなげているが、エネルギー値の異なる3以上の点を用いて非線形につなげてもよい。この場合、非線形の式が第2の関係式として導出される。
また、導出機能57-3は、第2の関係式を異なるファントムサイズでそれぞれ導出することで、傾き情報(Low-High kVp Slope)と吸収体サイズとの対応関係(第3の関係式)を導出する。図10は、吸収体サイズと、傾き情報との対応関係を示す図である。図10において、横軸は第2の関係式の傾き情報(Low-High kVp Slope)を示し、縦軸は吸収体サイズを示している。このように第1~第3の関係式を導出しておくことで、予め多くの被写体サイズに対応した校正テーブルを準備しておく必要がなく、より適切に被検体の生体指標(例えば骨密度)を特定することができる。
(特定機能)
次に、特定機能58について具体的に説明する。取得機能58-1は、X線CT装置1により撮影された被検体Pの再構成画像(CT画像)を取得する。図11は、被検体のCT画像IM30の一例を示す図である。画像IM30は、被検体の胴体のスライス画像のうち、背骨BN付近の領域を切り出した画像である。
次に、特定機能58について具体的に説明する。取得機能58-1は、X線CT装置1により撮影された被検体Pの再構成画像(CT画像)を取得する。図11は、被検体のCT画像IM30の一例を示す図である。画像IM30は、被検体の胴体のスライス画像のうち、背骨BN付近の領域を切り出した画像である。
抽出機能58-2は、取得した画像IM30のうち、骨密度の測定対象領域AR10と、高骨密度骨部領域AR11と、軟部領域(軟部組織部)AR12とを抽出する。高骨密度骨部領域AR11は、海綿骨ではなく、年齢等による被検体間の差異が少ない、他の骨領域と比較して高骨密度である骨部に対象領域(ROI)を設定する。また、軟部組織部領域AR12は、腹部大動脈もしくは筋肉等の軟部組織部に相当する部分に対象領域(ROI)を設定する。なお、領域AR10~AR12は、操作者が入力インターフェース43に入力することで設定されてもよく、画像IM30の特徴情報(例えば、画像中に含まれる所定部位の位置情報、形状、大きさ、画素値)に基づいて自動で設定されてもよい。
生体指標特定機能58-3は、設定した領域AR11、12に対し、第1のエネルギーのX線および第2のエネルギーのX線をそれぞれ照射させたときのCT値から傾き情報(Low-High kVp Slope)と導出し、導出した傾き情報と図10に示す第3の関係式から被検体の吸収体サイズを取得する。次に、生体指標特定機能58-3は、導出した吸収体サイズに基づいて図7に示す第1の関係式を導出し、導出した第1の関係式に領域AR10内のHA値を代入することで、領域AR10における骨密度を特定する。
このように、実施形態によれば、少ないファントム数から生体指標を特定するための関係式を導出しておくことで、予め多数の被検体サイズに応じた校正情報を生成したり、複数の校正情報から被写体サイズに合った校正情報を選択することなく、BH効果の影響が少なく、より適切な生体指標(骨密度)の計測を、より効率的かつ適切に行うことができる。
[処理フロー]
以下、実施形態における処理回路50の処理フローについて説明する。処理回路50の処理には、校正機能57における校正処理と、特定機能58における特定処理とに大別される。以下では、それぞれを分けて説明する。
以下、実施形態における処理回路50の処理フローについて説明する。処理回路50の処理には、校正機能57における校正処理と、特定機能58における特定処理とに大別される。以下では、それぞれを分けて説明する。
図12は、処理回路50の校正処理の一連の流れを示すフローチャートである。図12に示すフローチャートの処理は、例えば、X線CT装置1の操作者が、入力インターフェース43を操作して校正処理の開始を指示した場合に開始される。図12に示すフローチャートの処理において、校正機能57は、予め用意された複数(例えば、3~5種類程度)のHA濃度別にファントムのスキャン結果を取得する(ステップS100)。次に、校正機能57は、HAのROI(対象領域)を抽出する(ステップS110)。次に、校正機能57は、HA値とBMD値(骨密度)との対応関係(第1の関係式)を導出する(ステップS120)。次に、校正機能57は、吸収体の対象領域(ROI)を抽出する(ステップS130)。
次に、校正機能57は、抽出したROIからLow-High kVp slope(傾き情報、第2の関係式)を導出し(ステップS140)、吸収体サイズと上記slopeとの対応関係(第3の関係式)を導出する(ステップS150)。
次に、校正機能57は、他のファントムサイズで計測するか否かを判定する(ステップS160)。他のファントムサイズで計測すると判定した場合、校正機能57は、計測していない他のファントムサイズでステップS100以降の処理を行う。また、他のファントムで計測しないと判定した場合、校正機能57は、それまでの関係式を校正情報としてメモリに記憶する(ステップS170)。これにより、本フローチャートは終了する。なお、図12に示すステップS120の処理は、ステップS150の処理後に実行されてもよく、ステップS130~S150の処理と並行に実行されてもよい。
図13は、処理回路50の特定処理の一連の流れを示すフローチャートである。なお、図13の処理では、生体指標の一例として、被検者の骨密度を特定する処理を示すものとする。図13に示すフローチャートの処理は、例えば、X線CT装置1の操作者が、入力インターフェース43を操作して特定処理の開始を指示した場合に開始される。
図13に示すフローチャートの処理において、特定機能58は、被検体のスキャン結果を取得し(ステップS200)、骨組織のROIを抽出し(ステップS210)、軟部組織のROIを抽出する(ステップS220)。次に、特定機能58は、抽出したROIからLow-High kVp slopeを導出し(ステップS230)、導出結果から吸収体サイズを導出する(ステップS240)。次に、特定機能58は、吸収体サイズに応じたHA値とBMD値との対応関係を取得し(ステップS250)、取得した対応関係に基づいてBMD値を特定する(ステップS260)。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。
<変形例>
なお、実施形態の医用情報処理装置は、X線CT装置等の医用画像生成装置から取得される情報や、X線CT装置で撮像された医用画像を蓄積する医用画像サーバから取得した画像データを用いて上述の処理を行ってもよい。また、実施形態では、デュアルエナジーに限定されず、3種類以上のエネルギーのデータ処理(マルチエナジー)を用いて上述した関係式の導出や生体指標の特定を行ってもよい。また、実施形態では、骨密度の特定に代えて、例えば被検体の脂肪量や肥満度等の他の生体指標を特定してもよい。
なお、実施形態の医用情報処理装置は、X線CT装置等の医用画像生成装置から取得される情報や、X線CT装置で撮像された医用画像を蓄積する医用画像サーバから取得した画像データを用いて上述の処理を行ってもよい。また、実施形態では、デュアルエナジーに限定されず、3種類以上のエネルギーのデータ処理(マルチエナジー)を用いて上述した関係式の導出や生体指標の特定を行ってもよい。また、実施形態では、骨密度の特定に代えて、例えば被検体の脂肪量や肥満度等の他の生体指標を特定してもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、実施形態の医用情報処理装置は、少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶する記憶部と、スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得する取得部と、前記記憶部に記憶された複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する特定部と、を持つことにより、より効率的かつ適切に被検体の生体指標を特定することができる。
具体的には、本実施形態によれば、例えば、被写体サイズの影響を受けずに、より効率的に被検体の骨密度を特定することができる。また、実施形態によれば、従来よりも少ない校正情報で、ユーザが適切な被写体サイズを選択することなく、BH効果による影響が少ない生体指標の計測を行うことができる。また、実施形態によれば、例えば、実際の症例において、吸収体の構造物の違い(腹部は全て詰まっている、または胸部は空気が多い)による影響も低減した生体指標をより精度よく特定することができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを格納するメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶し、
スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得し、
記憶した前記複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する、
医用情報処理方法。
プログラムを格納するメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶し、
スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得し、
記憶した前記複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する、
医用情報処理方法。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の軽減、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線CT装置,10…架台装置,11…X線管,12…ウェッジ,13…コリメータ,14…X線高電圧装置,15…X線検出器,16…データ収集システム,17…回転フレーム,18…制御装置,30…寝台装置,40…コンソール装置,50…処理回路,51…システム制御機能,52…前処理機能,53…再構成処理機能,54…画像処理機能,55…スキャン制御機能,56…表示制御機能,57…校正機能,58…特定機能
Claims (10)
- 少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶する記憶部と、
スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得する取得部と、
前記記憶部に記憶された複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する特定部と、
を備える、医用情報処理装置。 - 前記特定部は、特定した前記体形情報に対応する対応情報に基づいて、前記被検体をスキャンすることで作成された医用画像の画素値から所定の生体指標を特定する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。 - 前記医用画像は、複数種類のエネルギーでスキャンされた医用データに基づいて取得されたものである、
請求項1または2に記載の医用情報処理装置。 - 前記対応情報は、前記医用画像の画素値から所定の生体指標を特定するための関係式を含む、
請求項1から3のうち何れか1項に記載の医用情報処理装置。 - 前記ファントムは、吸収体領域と生体成分領域を含み、
前記少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムのそれぞれについて、生体成分の濃度を異ならせてスキャンされた医用画像から生体成分と生体指標との第1の対応関係を導出し、複数種類のエネルギーでスキャンされた医用画像と画素値とからエネルギーと画素値との第2の対応関係を導出し、吸収体サイズと前記第2の対応関係との第3の対応関係を導出して校正情報を取得する校正部を更に備える。
請求項1から4のうち何れか1項に記載の医用情報処理装置。 - 前記生体成分は、ハイドロキシアパタイトであり、前記生体指標は骨密度である、
請求項5に記載の医用情報処理装置。 - 前記特定部は、前記被検体をスキャンして得られた医用画像から骨部領域と軟部領域とを取得し、取得した前記骨部領域と前記軟部領域との画素値と、前記被検体の吸収体サイズとに基づいて複数種類のエネルギーによるスキャンによって導出される対応関係を特定し、特定した対応関係に基づいて、前記被検体の医用画像に含まれる骨領域の骨密度を特定する、
請求項1から6のうち何れか1項に記載の医用情報処理装置。 - コンピュータが、
少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶し、
スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得し、
記憶した前記複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定する、
医用情報処理方法。 - コンピュータが、
少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムのそれぞれについて、前記ファントム内の生体成分の濃度を異ならせてスキャンされた医用画像から生体成分と生体指標との第1の対応関係を導出し、
複数種類のエネルギーでスキャンされた医用画像と画素値とからエネルギーと画素値との第2の対応関係を導出し、
前記ファントムの吸収体サイズと前記第2の対応関係との第3の対応関係を導出して校正情報を取得する、
校正情報の取得方法。 - コンピュータに、
少なくとも2種類の異なる体形サイズのファントムをスキャンすることで作成された医用画像の画素値と所定の生体指標との対応関係を示す対応情報を体形ごとに複数記憶させ、
スキャン対象の被検体に関する体形情報を取得させ、
記憶した前記複数の対応情報のうち、前記体形情報に対応する対応情報を特定させる、
プログラム。
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