JP2023113654A - Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストの送達の発現ベクターおよび関連する方法 - Google Patents

Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストの送達の発現ベクターおよび関連する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Src関連疾患を処置するための組成物および方法を提供する。【解決手段】Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸配列を含む発現ベクターであって、ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸が、特定の細胞または組織においてポリペプチドアンタゴニストを発現するためのプロモーターに作動可能に連結されている、発現ベクターが提供される。前記発現ベクターを含むウイルス粒子、標的細胞および医薬組成物も提供される。Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニストをコードする発現ベクターを、それを必要とする対象に投与することを含む、Src関連疾患を処置する方法がさらに提供される。【選択図】図10A

Description

関連出願
本出願は、2017年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/511,541号からの優先権を主張し、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
ここに開示する主題は、Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストを送達する発現ベクターおよび方法に関する。特に、本発明のある実施形態は、特定の細胞および組織へのNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストの送達用の発現ベクターおよび関連する方法、ならびにそのようなベクターを用いてSrc関連疾患を処置する方法に関する。
Na/K-ATPアーゼ酵素は、ほとんどの真核細胞で広く発現され、Na+をくみ出し、K+を細胞に取り込むことにより膜横断イオン勾配の維持を助けている。Na/K-ATPアーゼは、一方がα1サブユニットのCD2とSrc SH2との間にあり、他方が第三サイトゾルドメイン(CD3)とSrc キナーゼドメインとを含む、少なくとも2つの結合モチーフによりSrcと直接相互作用する。このNa/K-ATPアーゼおよびSrc複合体の形成は、プロテインキナーゼカスケードを引き起こすウアバインの受容体として働く。特に、Na/K-ATPアーゼとのウアバインの結合は、後者の相互作用を妨げ、次いで、ERKカスケード、PLC/PKC経路およびROS生成を含む異なる経路の組立ておよび活性化をもたらす。さらに、この相互作用は、Srcを不活性状態に保つ。つまり、Na/K-ATPアーゼは、内因性のSrcの負の調節因子として機能する。
ともに参照により本明細書に組み込まれる国際公開WO2008/054792およびWO2010/071767も参照されたい。
これらのシグナル伝達経路の活性化は、最終的に、心臓および腎臓機能の変化、細胞増殖の刺激および組織線維化、虚血/再灌流損傷に対する組織の保護、癌細胞成長の阻害などを導く。SrcおよびROSは、VEGF発現の誘導にも関与する。多くの既知のSrcおよびSrcファミリーキナーゼ阻害薬は、ATP結合についてこれらのキナーゼと競合するATPアナログとして開発されたが、このようなSrc阻害薬は、経路特異性を欠く。したがって、Na/K-ATPアーゼ-Src 相互作用に関連する広範囲の状態の処置の改善のために細胞および組織を標的にする組成物および方法が、非常に望ましく、有益である。
ここに開示する主題は、上で同定したニーズのいくつかまたは全てに合致し、この書面で提供される情報を研究することにより、当業者にとって明らかになる。この概要は、ここに開示する主題のいくつかの実施形態について記載し、多くの場合、これらの実施形態の変形および入れ替えを列挙する。
この概要は、多くの変動した実施形態の単なる例示である。ある実施形態の1つ以上の代表的な特徴への言及は、同様に例示的である。このような実施形態は、言及する特徴とともにまたはなしで典型的に存在できる。同様に、これらの特徴は、この概要に列挙するかしないかにかかわらず、ここに開示する主題の他の実施形態に適用できる。過剰な反復を避けるために、この概要は、このような特徴の全ての可能な組み合わせを列挙または示唆しない。
ここに開示する主題は、Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストを送達する発現ベクターおよび方法を含む。特に、本発明のある実施形態は、特定の細胞および組織へのNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストの送達用の発現ベクターおよび関連する方法、ならびにそのようなベクターを用いてSrc関連疾患を処置する方法に関する。いくつかの実施形態において、Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸配列を含む発現ベクターが提供される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸は、特定の細胞または組織においてポリペプチドアンタゴニストを発現するためのプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、ポリペプチドアンタゴニストは、配列番号1の配列またはその断片および/もしくはバリアントを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸は、配列番号5の配列またはその断片および/もしくはバリアントを含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、アディポネクチンプロモーター、アルブミンプロモーター、メラニンプロモーター、フォン・ウィルブランド因子プロモーター、アルファミオシン重鎖プロモーター、SGLT2プロモーター、MyoDプロモーター、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターおよびシナプシン1(SYN1)プロモーターから選択される。ある実施形態において、プロモーターは、肝臓特異的、内皮細胞特異的または脂肪細胞特異的である。
ここに開示する主題のいくつかの実施形態において、発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、ある実施形態において、レンチウイルスベクターの形である。この点で、いくつかの実施形態において、ここに開示する主題の発現ベクターを含む標的細胞とともに、本明細書に記載する発現ベクターを含むウイルス粒子も提供される。いくつかの実施形態において、標的細胞は、マウス細胞またはヒト細胞のような哺乳動物である。いくつかの実施形態において、標的細胞は、脂肪細胞、肝臓細胞または内皮細胞である。
さらに、いくつかの実施形態において、医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、ここに開示する主題の発現ベクターと、薬学的に許容されるビヒクル、キャリアまたは補形剤とを含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、Src関連疾患を処置する方法がまださらに提供される。いくつかの実施形態において、ここに開示する主題の発現ベクターを、それを必要とする対象に投与することを含むSrc関連疾患を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、血管疾患、循環器疾患、心臓疾患、前立腺癌、乳癌、神経芽腫、心肥大、組織線維症、うっ血性心不全、虚血/再灌流損傷、骨粗鬆症、網膜症および肥満症からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、循環器疾患であり、循環器疾患は、尿毒症性心筋症である。いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、肥満症である。
ここに開示する主題のさらなる特徴および利点は、この書面の記載、図面および非限定的な実施例を研究すれば、当業者に明らかになる。
ここに開示する主題に従って作製され、アディポネクチンプロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(NaKtide;配列番号1)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、アディポネクチンプロモーターの制御の下に増強緑色蛍光タンパク質(eGFP)をコードする別のレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 感染多重度(MOI)が増加している図1および2に示す発現ベクターを形質導入した3T3-L1細胞の蛍光顕微鏡画像を含む。 感染多重度(MOI)が増加している図1および2に示す発現ベクターを形質導入した3T3-L1細胞のオイルレッドO染色を示す画像およびグラフを含む。 図1および2に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの脂肪組織(図5A)、肝臓組織(図5B)、心臓組織(図5C)および腎臓組織(図5D)の免疫蛍光染色を含む。 図1および2に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの脂肪組織(図5A)、肝臓組織(図5B)、心臓組織(図5C)および腎臓組織(図5D)の免疫蛍光染色を含む。 図1および2に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの脂肪組織(図5A)、肝臓組織(図5B)、心臓組織(図5C)および腎臓組織(図5D)の免疫蛍光染色を含む。 図1および2に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの脂肪組織(図5A)、肝臓組織(図5B)、心臓組織(図5C)および腎臓組織(図5D)の免疫蛍光染色を含む。 ここに開示する主題に従って作製され、アルブミンプロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(NaKtide;配列番号1)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、アディポネクチンプロモーター制御の下に増強緑色蛍光タンパク質(eGFP)をコードする別のレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 図6および7に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの肝臓組織(図8A)および脂肪組織(図8B)の免疫組織化学的染色を示す画像を含む。 図6および7に示す発現ベクターを投与したC57Bl6マウスの肝臓組織(図8A)および脂肪組織(図8B)の免疫組織化学的染色を示す画像を含む。 高脂肪食を与えられたマウスの体重に対するNaKtide(配列番号1および6)でトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示す画像およびグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、対照の対応する固形飼料と比較して、高脂肪食を与えられたC57Bl6マウスで増えた体重の量の有意な低減をもたらし、ここで、12週間西洋食を与えられたマウスに0週目および2週目に注射を行い、群間で食物摂取に有意な変化はなかった(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食(WD)を12週間与えられたC57Bl6マウスにおける内臓および皮下脂肪量に対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示す画像およびグラフを含み、マウスは、NaKtideを0および2週目に注射され、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、高脂肪食を与えられた動物と比較して、内臓(図10B)および皮下(図10A)脂肪量を有意に低減した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食(WD)を12週間与えられたC57Bl6マウスにおける内臓および皮下脂肪量に対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示す画像およびグラフを含み、マウスは、NaKtideを0および2週目に注射され、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、高脂肪食を与えられた動物と比較して、内臓(図10B)および皮下(図10A)脂肪量を有意に低減した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける代謝および炎症性サイトカインに対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示すグラフを含み、12週間西洋食(WD)を与えられたC57Bl6マウスに、NaKtideを0および2週目に注射し、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、経口糖負荷試験における変化を有意に低減し(GTT; 図11A)、炎症性マーカーTNFα(図11B)、IL-6(図11D)およびMCP-1(図11C)も、処置なしで西洋食を与えられたマウスと比較して、NaKtideを投与したマウスにおいて有意な低減を示した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける代謝および炎症性サイトカインに対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示すグラフを含み、12週間西洋食(WD)を与えられたC57Bl6マウスに、NaKtideを0および2週目に注射し、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、経口糖負荷試験における変化を有意に低減し(GTT; 図11A)、炎症性マーカーTNFα(図11B)、IL-6(図11D)およびMCP-1(図11C)も、処置なしで西洋食を与えられたマウスと比較して、NaKtideを投与したマウスにおいて有意な低減を示した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける代謝および炎症性サイトカインに対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示すグラフを含み、12週間西洋食(WD)を与えられたC57Bl6マウスに、NaKtideを0および2週目に注射し、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、経口糖負荷試験における変化を有意に低減し(GTT; 図11A)、炎症性マーカーTNFα(図11B)、IL-6(図11D)およびMCP-1(図11C)も、処置なしで西洋食を与えられたマウスと比較して、NaKtideを投与したマウスにおいて有意な低減を示した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける代謝および炎症性サイトカインに対するNaKtideでトランスフェクションしたレンチウイルスの影響を示すグラフを含み、12週間西洋食(WD)を与えられたC57Bl6マウスに、NaKtideを0および2週目に注射し、高脂肪食を与えられたマウスへのNaKtideの投与は、経口糖負荷試験における変化を有意に低減し(GTT; 図11A)、炎症性マーカーTNFα(図11B)、IL-6(図11D)およびMCP-1(図11C)も、処置なしで西洋食を与えられたマウスと比較して、NaKtideを投与したマウスにおいて有意な低減を示した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン(図12A)、収縮期血圧(図12B)、酸素消費(図12C)、活動(図12D)およびエネルギー消費(図12E)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示すグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、西洋食を与えられたマウスの血漿レプチン濃度の有意な増加をもたらし、これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置の際に減少し、西洋食を与えられたマウスは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideにより改善される収縮期血圧の有意な増加を示し、酸素消費、活動およびエネルギー消費は、西洋食を与えた動物と比較して、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて全て有意に増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン(図12A)、収縮期血圧(図12B)、酸素消費(図12C)、活動(図12D)およびエネルギー消費(図12E)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示すグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、西洋食を与えられたマウスの血漿レプチン濃度の有意な増加をもたらし、これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置の際に減少し、西洋食を与えられたマウスは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideにより改善される収縮期血圧の有意な増加を示し、酸素消費、活動およびエネルギー消費は、西洋食を与えた動物と比較して、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて全て有意に増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン(図12A)、収縮期血圧(図12B)、酸素消費(図12C)、活動(図12D)およびエネルギー消費(図12E)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示すグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、西洋食を与えられたマウスの血漿レプチン濃度の有意な増加をもたらし、これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置の際に減少し、西洋食を与えられたマウスは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideにより改善される収縮期血圧の有意な増加を示し、酸素消費、活動およびエネルギー消費は、西洋食を与えた動物と比較して、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて全て有意に増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン(図12A)、収縮期血圧(図12B)、酸素消費(図12C)、活動(図12D)およびエネルギー消費(図12E)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示すグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、西洋食を与えられたマウスの血漿レプチン濃度の有意な増加をもたらし、これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置の際に減少し、西洋食を与えられたマウスは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideにより改善される収縮期血圧の有意な増加を示し、酸素消費、活動およびエネルギー消費は、西洋食を与えた動物と比較して、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて全て有意に増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン(図12A)、収縮期血圧(図12B)、酸素消費(図12C)、活動(図12D)およびエネルギー消費(図12E)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示すグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、西洋食を与えられたマウスの血漿レプチン濃度の有意な増加をもたらし、これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置の際に減少し、西洋食を与えられたマウスは、レンチ-アディポネクチン-NaKtideにより改善される収縮期血圧の有意な増加を示し、酸素消費、活動およびエネルギー消費は、西洋食を与えた動物と比較して、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて全て有意に増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける脂肪生成関連タンパク質(図13A)、Na/K-ATPアーゼシグナル伝達マーカー(図13B)および褐色脂肪マーカーPGC1α(図13C)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示す画像およびグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、脂肪生成に関連するマーカーおよびリン酸化Srcの有意な増加をもたらし、Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットの発現は、西洋食を与えられたマウスにおいて減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて増加し、褐色脂肪マーカーPGC1aは、西洋食を与えられたマウスにおいて有意に減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスの内臓脂肪において増加し、タンパク質カルボニル化(図13D)は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて減弱した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける脂肪生成関連タンパク質(図13A)、Na/K-ATPアーゼシグナル伝達マーカー(図13B)および褐色脂肪マーカーPGC1α(図13C)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示す画像およびグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、脂肪生成に関連するマーカーおよびリン酸化Srcの有意な増加をもたらし、Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットの発現は、西洋食を与えられたマウスにおいて減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて増加し、褐色脂肪マーカーPGC1aは、西洋食を与えられたマウスにおいて有意に減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスの内臓脂肪において増加し、タンパク質カルボニル化(図13D)は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて減弱した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける脂肪生成関連タンパク質(図13A)、Na/K-ATPアーゼシグナル伝達マーカー(図13B)および褐色脂肪マーカーPGC1α(図13C)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示す画像およびグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、脂肪生成に関連するマーカーおよびリン酸化Srcの有意な増加をもたらし、Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットの発現は、西洋食を与えられたマウスにおいて減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて増加し、褐色脂肪マーカーPGC1aは、西洋食を与えられたマウスにおいて有意に減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスの内臓脂肪において増加し、タンパク質カルボニル化(図13D)は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて減弱した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける脂肪生成関連タンパク質(図13A)、Na/K-ATPアーゼシグナル伝達マーカー(図13B)および褐色脂肪マーカーPGC1α(図13C)に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示す画像およびグラフを含み、レンチウイルスにより投与されたNaKtideは、脂肪生成に関連するマーカーおよびリン酸化Srcの有意な増加をもたらし、Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットの発現は、西洋食を与えられたマウスにおいて減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて増加し、褐色脂肪マーカーPGC1aは、西洋食を与えられたマウスにおいて有意に減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスの内臓脂肪において増加し、タンパク質カルボニル化(図13D)は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて減弱した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 西洋食を与えられたマウスにおける内臓脂肪中の脂肪細胞サイズおよび数に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を示す画像およびグラフを含み、西洋食を与えられたマウスは、対照動物と比較して、内臓脂肪中の脂肪細胞が有意に少ないとともに、細胞が存在する面積が有意に増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideは、脂肪細胞の面積を減少し、存在する細胞の量を増加した(結果は、平均±SEであり、群あたりn=12~14;*対照に対してP<0.05、#対照+GFP+NaKtideに対してP<0.05、+西洋食に対してP<0.05、&西洋食+GFPに対してP<0.05)。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 脂肪および肝臓組織中のNaKtideを免疫蛍光染色したC57BL6 PNxモデルにおけるNaKtideの効率(図15A)、TBARS評価を用いる酸化ストレス(図15B)、糖負荷試験(図15C)、サイトカインであるIL-6およびMCP-1それぞれのレベル(図15D~15E)ならびにそれぞれPGC1αおよびSirt3発現のRT-PCR分析(図15F~15G)を示す画像およびグラフを含む(**シャムに対してp<0.01;## PNxに対してp<0.01;(n=6))。 (図16A)HW/BW比率、(図16B)シリウスレッド染色を用いて測定した心臓線維化、(図16C)ヘマトクリットレベル、(図16D)血漿クレアチニンレベル、ならびに(図16E)LVM、左室容積;EF、駆出分画;MPI、心筋パフォーマンス指数;RWT、相対壁厚を含む、経胸壁心エコー測定を用いて評価した心肥大に対するNaKtideの影響を示すグラフおよび図を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、## PNxに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01;(n=6))。 (図16A)HW/BW比率、(図16B)シリウスレッド染色を用いて測定した心臓線維化、(図16C)ヘマトクリットレベル、(図16D)血漿クレアチニンレベル、ならびに(図16E)LVM、左室容積;EF、駆出分画;MPI、心筋パフォーマンス指数;RWT、相対壁厚を含む、経胸壁心エコー測定を用いて評価した心肥大に対するNaKtideの影響を示すグラフおよび図を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、## PNxに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01;(n=6))。 (図16A)HW/BW比率、(図16B)シリウスレッド染色を用いて測定した心臓線維化、(図16C)ヘマトクリットレベル、(図16D)血漿クレアチニンレベル、ならびに(図16E)LVM、左室容積;EF、駆出分画;MPI、心筋パフォーマンス指数;RWT、相対壁厚を含む、経胸壁心エコー測定を用いて評価した心肥大に対するNaKtideの影響を示すグラフおよび図を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、## PNxに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01;(n=6))。 (図16A)HW/BW比率、(図16B)シリウスレッド染色を用いて測定した心臓線維化、(図16C)ヘマトクリットレベル、(図16D)血漿クレアチニンレベル、ならびに(図16E)LVM、左室容積;EF、駆出分画;MPI、心筋パフォーマンス指数;RWT、相対壁厚を含む、経胸壁心エコー測定を用いて評価した心肥大に対するNaKtideの影響を示すグラフおよび図を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、## PNxに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01;(n=6))。 (図16A)HW/BW比率、(図16B)シリウスレッド染色を用いて測定した心臓線維化、(図16C)ヘマトクリットレベル、(図16D)血漿クレアチニンレベル、ならびに(図16E)LVM、左室容積;EF、駆出分画;MPI、心筋パフォーマンス指数;RWT、相対壁厚を含む、経胸壁心エコー測定を用いて評価した心肥大に対するNaKtideの影響を示すグラフおよび図を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、## PNxに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01;(n=6))。 は、C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、炎症およびアポトーシスマーカーである(図17A) TNF-α、(図17B)IL-6、(図17C)Casp7および(図17D)BaxのRT-PCR分析を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$PNxに対してp<0.01、(n=6))。 は、C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、炎症およびアポトーシスマーカーである(図17A) TNF-α、(図17B)IL-6、(図17C)Casp7および(図17D)BaxのRT-PCR分析を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$PNxに対してp<0.01、(n=6))。 は、C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、炎症およびアポトーシスマーカーである(図17A) TNF-α、(図17B)IL-6、(図17C)Casp7および(図17D)BaxのRT-PCR分析を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$PNxに対してp<0.01、(n=6))。 は、C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、炎症およびアポトーシスマーカーである(図17A) TNF-α、(図17B)IL-6、(図17C)Casp7および(図17D)BaxのRT-PCR分析を含む(値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$PNxに対してp<0.01、(n=6))。 C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、ミトコンドリア生合成のマーカーである(図18A)レプチン、(図18B)F4/80、(図18C)Sirt3および(図18D)PGC1αのRT-PCR分析を含み、値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$ PNxに対してp<0.01、(n=6)。 C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、ミトコンドリア生合成のマーカーである(図18A)レプチン、(図18B)F4/80、(図18C)Sirt3および(図18D)PGC1αのRT-PCR分析を含み、値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$ PNxに対してp<0.01、(n=6)。 C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、ミトコンドリア生合成のマーカーである(図18A)レプチン、(図18B)F4/80、(図18C)Sirt3および(図18D)PGC1αのRT-PCR分析を含み、値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$ PNxに対してp<0.01、(n=6)。 C57BL6 PNxモデルにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideの効率を示すグラフを含み、ミトコンドリア生合成のマーカーである(図18A)レプチン、(図18B)F4/80、(図18C)Sirt3および(図18D)PGC1αのRT-PCR分析を含み、値は、平均±SEMである。**シャムに対してp<0.01、##シャム+WDに対してp<0.01、++ PNx+WDに対してp<0.01、$$ PNxに対してp<0.01、(n=6)。 ここに開示する主題に従って作製され、アルファミオシン重鎖プロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(NaKtide;配列番号1)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、SGLT2プロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(NaKtide;配列番号1)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、MyoDプロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(NaKtide;配列番号1)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(pNaKtide;配列番号5)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。 ここに開示する主題に従って作製され、シナプシンI(SYN1)プロモーターの制御の下にNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(pNaKtide;配列番号5)をコードするレンチウイルス発現ベクターを示す模式図である。
配列表の簡単な説明
以下は、ここに添付し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表の簡単な説明である。
配列番号1は、ここに開示する主題に従うポリペプチドの実施形態をコードするアミノ酸配列である(NaKtide)。
配列番号2は、TAT細胞浸透ペプチドをコードするアミノ酸配列である。
配列番号3は、ペネトラチン(AP)細胞浸透ペプチドをコードするアミノ酸配列である。
配列番号4は、Na/K-ATPアーゼのα1サブユニットのN末端ポリリジンドメイン(A1N)をコードするアミノ酸配列である。
配列番号5は、ここに開示する主題に従うポリペプチドの実施形態の別のアミノ酸配列である(pNaKtide)。
配列番号6は、アディポネクチンプロモーター(ヌクレオチド1959~7367位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src 受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド7398~7460位; NaKtide; 配列番号1)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号7は、アルブミンプロモーター(ヌクレオチド1959~4294位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド4325~4387位; NaKtide; 配列番号1)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号8は、アルファミオシン重鎖プロモーター(7453~7515)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド7453~7515位; NaKtide; 配列番号1)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号9は、SGLT2プロモーター(ヌクレオチド1959~4595位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド4626~4688位; NaKtide; 配列番号1)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号10は、MyoDプロモーター(ヌクレオチド1959~8029位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド 8060~8122位; NaKtide; 配列番号1)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号11は、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーター(ヌクレオチド1959~4136位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド4167~4268位、pNaKtide; 配列番号5)をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
配列番号12は、シナプシン1(SYN1)プロモーター(ヌクレオチド1959~2427位)に操作可能に接続された緑色蛍光タンパク質(GFP)およびNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニスト(ヌクレオチド2458~2559位、pNaKtide; 配列番号5) をコードするレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列である。
例示的実施形態の説明
ここに開示する主題の1つ以上の実施形態の詳細を、本書面に記載する。この書面に記載する実施形態およびその他の実施形態への変更は、この書面で提供する情報を詳細に理解した後に当業者に明らかである。この書面で提供する情報、および特に記載する例示的実施形態の具体的な詳細は、明確な理解のためにまず提供され、そこから不要な限定は理解されない。
さらに、本明細書で用いる用語は、当業者により十分に理解されると考えるが、ここに開示する主題の説明を容易にするために定義を記載する。そうでないと定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的および科学的用語は、ここに開示する主題が属する技術の当業者により通常理解されるものと同じ意味である。本明細書に記載するものと同様または等価な多くの方法、装置および材料を、ここに開示する主題の実施および試験において用いることができるが、代表的な方法、装置および材料を以下に記載する。
さらに、長く存在する特許法の申し合わせに従って、用語「a」、「an」および「the」は、特許請求の範囲を含む本出願において用いる場合、「1つ以上」のことをいう。よって、例えば「ポリペプチド」への言及は、このようなポリペプチドの複数を含む、などである。そうでないと示さない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いる材料の量、反応条件のような特性を表す全ての数字は、用語「約」により全ての場合に修飾されていると理解される。したがって、そうでないと記載しない限り、本明細書および特許請求の範囲に記載する数値パラメータは、ここに開示する主題により得ようとする所望の特性に依存して変動できる近似値である。
本明細書で用いる場合、用語「約」は、値または質量、重量、時間、容量、濃度もしくはパーセンテージの量に言及する場合、特定する量からあるいくつかの実施形態において±20%、あるいくつかの実施形態において±10%、あるいくつかの実施形態において±5%、あるいくつかの実施形態において±1%、あるいくつかの実施形態において±0.5%、およびあるいくつかの実施形態において±0.1%の変動を包含することを意味する。これは、このような変動は、開示する方法を行うために適切であるからである。本明細書で開示するいくつかの値があり、各値は、値そのものに加えて、その特定の値の「約」としても本明細書に開示されることも理解される。例えば、「10」の値が開示されている場合、「約10」も開示されている。2つの特定の単位の間のそれぞれの単位も開示されていると理解される。例えば、10および15が開示されているならば、11、12、13および14も開示されている。
ここに開示する主題は、特定の細胞および組織へのNa/K ATPアーゼ/Src受容体複合体アンタゴニストの標的送達用の発現ベクターおよび関連する方法、ならびにそのようなベクターを用いてSrc関連疾患を処置する方法を含む。
ここに開示する主題のいくつかの実施形態において、Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸配列を含む発現ベクターが提供される。用語「ベクター」は、本明細書において、核酸配列を別の細胞に移すことができる任意の媒体のことをいう。例えば、ここに開示する主題に従って用いることができるベクターは、それらに限定されないが、ここに開示する主題の核酸配列の導入により形質転換できるプラスミド、コスミド、バクテリオファージまたはウイルスを含む。いくつかの実施形態において、ここに開示する主題のベクターは、ウイルスベクターであり、例えば、いくつかの実施形態において、レンチウイルスベクターである。
いくつかの実施形態において、ベクターに含まれる核酸配列は、発現カセットに操作可能に連結されている。用語「関連する」、「操作可能に連結されている」および「作動可能に連結されている」は、物理的または機能的に関連する2つの核酸配列のことをいう。例えば、プロモーターまたは制御DNA配列は、制御DNA配列がコーディングまたは構造DNA配列の発現レベルに影響するように2つの配列が配置されているならば、RNAまたはポリペプチドをコードするDNA配列と「関連する」または「操作可能に連結されている」という。
用語「発現カセット」または「発現ベクター」は、よって、終結シグナルに作動可能に連結されている興味対象のヌクレオチド配列に作動可能に連結されているプロモーターを含む、適切な宿主細胞中で特定のヌクレオチド配列の発現を駆動できる核酸分子のことをいう。これは、典型的に、ヌクレオチド配列の適切な翻訳のために必要な配列も含む。コーディング領域は、通常、興味対象のポリペプチドをコードするが、興味対象の機能的RNA、例えば、センスまたはアンチセンスの向きでのアンチセンスRNAまたは非翻訳RNAもコードできる。興味対象のヌクレオチド配列を含む発現カセットは、キメラであり得、このことは、その成分の少なくとも1つが、その他の成分の少なくとも1つに対して異種であることを意味する。発現カセットは、天然に存在するものであり得るが、異種発現のために有用である組換え形で得られたものでもあり得る。
いくつかの実施形態において、特定の細胞および組織においてここに開示する主題の核酸配列の発現を駆動するためのプロモーターを含む、発現カセットが提供される。例えば、いくつかの実施形態において、アディポネクチンプロモーターが、脂肪細胞または組織において興味対象の特定の核酸の発現を駆動するための発現カセットに含まれる(例えば、アディポネクチンプロモーターと操作可能に接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号6を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、肝細胞において核酸配列の発現を駆動するためのアルブミンプロモーターであり得る(例えば、アルブミンプロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号7を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、心筋細胞において核酸配列の発現を駆動するためのアルファミオシン重鎖(αMHC)プロモーターであり得る(例えば、αMHCプロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号8を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、腎臓の近位尿細管において核酸配列の発現を駆動するためのSGLT2プロモーターであり得る(例えば、SGLT2プロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号9を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、骨格筋において核酸配列の発現を駆動するためのMyoDプロモーターであり得る(例えば、MyoDプロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号10を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、アストロサイトを含む脳において核酸配列の発現を駆動するためのグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーターであり得る(例えば、GFAPプロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号11を参照されたい)。いくつかの実施形態において、プロモーターは、成熟ニューロンを含む脳組織において核酸配列の発現を駆動するためのシナプシン1(SYN1)プロモーターであり得る(例えば、SYN1プロモーターに接続されたここに開示する主題のポリペプチドアンタゴニストを含むレンチウイルス遺伝子発現ベクターの核酸配列を含む配列番号12を参照されたい)。いくつかの他の実施形態において、プロモーターは、黒色腫組織において核酸配列の発現を駆動するためのメラニンプロモーター、または内皮細胞において核酸配列の発現を駆動するためのフォン・ウィルブランド因子プロモーターであり得る。もちろん、本明細書に記載する主題の意図および範囲を逸脱することなく、特定の細胞または組織において核酸配列の発現を駆動するために、当業者に知られる多数の他のプロモーターも選択および利用できる。
本明細書に記載する発現ベクターに含まれる核酸配列について、いくつかの実施形態において、発現ベクターは、配列番号1(本明細書において「NaKtide」という)、配列番号5(本明細書において「pNaKtide」という)の配列のポリペプチドをコードする核酸配列またはその断片および/もしくはバリアントを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1(NaKtide)の配列またはその断片および/もしくはバリアントで構成される。
用語「ポリペプチド」、「タンパク質」および「ペプチド」は、そのサイズまたは機能にかかわらず、タンパク質アミノ酸のポリマーのことをいうために本明細書において交換可能に用いられる。用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、遺伝子生成物、ホモログ、オルソログ、パラログ、断片、任意のプロテアーゼ由来ペプチド(断片)ならびにアミノ酸のポリマーのその他の等価物、バリアントおよびアナログのことをいうためにも交換可能に用いられる。用語「ポリペプチド断片」または「断片」は、このような参照ポリペプチドに関して用いられる場合、参照ポリペプチド自体と比較してアミノ酸残基が欠失しているが、残りのアミノ酸配列が、通常、参照ポリペプチド中の対応する位置と同一であるポリペプチドのことをいう。このような欠失は、参照ポリペプチドのアミノ末端、参照ポリペプチドのカルボキシ末端またはそれらの両方で生じてよい。ポリペプチド断片は、「機能的断片」も含むことができ、この場合、断片は、参照ポリペプチドの活性のいくらかまたは全てを保持している。
用語「バリアント」は、本明細書で用いる場合、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸が異なるアミノ酸配列のことをいう。いくつかの実施形態において、バリアントポリペプチドは、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸置換により異なることがある。例えば、NaKtideポリペプチドバリアントは、配列番号1のNaKtideポリペプチドから、1つ以上のアミノ酸置換、すなわち変異により異なることができる。この点で、2つ以上の変異の組み合わせを含むポリペプチドバリアントは、それぞれ、二重変異体、三重変異体などと呼ぶことができる。ある変異は、ポリペプチドの機能の顕著な変化をもたらし得るが、他の変異は、ポリペプチドの機能においてほとんどまたは全く顕著な変化をもたらさないことが認識される。
いくつかの実施形態において、本ポリペプチドは、配列番号1のNaKtideポリペプチドと少なくとも75%の相同性を有するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1のNaKtideポリペプチドと少なくとも85%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1のNaKtideポリペプチドと少なくとも90%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1のNaKtideポリペプチドと少なくとも95%の相同性を有する。
「パーセント同一性」または「パーセント相同性」は、本明細書において参照配列に対してアミノ酸配列または核酸配列について記載するために用いる場合、KarlinおよびAltschulにより記載される式(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2264~2268、1990、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873~5877、1993において変更)を用いて決定できる。このような式は、Altschulら(J. Mol. Biol. 215: 403~410、1990)のBLAST(basic local alignment search tool)プログラムに組み込まれている。
本開示のポリペプチドのいくつかの実施形態において、ポリペプチドは、1つ以上のリーダー配列をさらに含み、いくつかの実施形態において、リーダー配列は、それらに限定されないが、細胞浸透ペプチド(CPP)を含む。用語「細胞浸透ペプチド」(CPP)は、本明細書において、細胞で見いだされる原形質膜を横切って分子カーゴの輸送を促進する短いペプチドのことを全般的にいうために用いる。いくつかの場合では、分子カーゴは、本明細書で記載するポリペプチドのような別のポリペプチドを含む。もちろん、細胞浸透ペプチドは、共有結合および/または非共有結合を含む任意の数の手段により分子カーゴ(例えばポリペプチド)と結合できる。いくつかの場合では、しかし、このような細胞浸透ペプチドは、しばしば、比較的高濃度のリジンおよびアルギニンのような正荷電アミノ酸を含み、荷電(極性)および非荷電アミノ酸の交互のパターンを含む配列を有する。
ここに開示する主題のいくつかの実施形態において、例示的なリーダー配列または細胞浸透ペプチドは、トランス活性化転写活性化因子(TAT)細胞浸透ペプチドを含むことができ、これは、配列番号2の配列(GRKKRRQRRRPPQ)で表される。別の例示的なリーダー配列は、ペネトラチン(AP)を含み、これは、配列番号3の配列(RQIKIWFQNRRMKWKK)で表される。なお別の例示的なリーダー配列は、Na/K-ATPアーゼのα1サブユニットのN末端ポリリジンドメイン(A1N)をコードするアミノ酸配列を含み、これは、配列番号4の配列(KKGKKGKK)で表される。当業者は他の細胞浸透ペプチドを含む他のリーダー配列も、本開示のポリペプチドとともに用い得ることを認識する。いくつかの実施形態において、配列番号1のNaKtide配列と結合した細胞浸透ペプチドのようなリーダー配列を含むポリペプチドは、本明細書において、pNaKtideという(例えば配列番号5;GRKKRRQRRRPPQSATWLALSRIAGLCNRAVFQ、これは、配列番号1のNaKtide配列と融合した配列番号2のTAT細胞浸透ペプチドを含む)。
ここに開示する主題のいくつかの実施形態において、本明細書で開示するベクターで形質転換された標的細胞がさらに提供される。いくつかの実施形態において、標的細胞は、哺乳動物細胞、例えばいくつかの実施形態において、マウス細胞またはヒト細胞である。いくつかの実施形態において、標的細胞は、特定の組織からであり、例えばいくつかの実施形態において、なかでも脂肪細胞、肝臓細胞、黒色腫細胞または内皮細胞である。
用語「形質転換された」、「トランスジェニックの」および「組換え」は、本明細書において、異種核酸分子が導入された宿主生物、例えば哺乳動物の細胞のことをいうために用いられる。核酸分子は、細胞のゲノムに安定に組み込まれることができるか、または核酸分子は、染色体外分子として存在することもできる。このような染色体外分子は、自己複製できる。形質転換細胞、組織または対象は、形質転換プロセスの最終生成物だけでなく、そのトランスジェニック子孫も包含すると理解される。
用語「異種」、「組換え」および「外因性」は、本明細書において核酸配列(例えばDNA配列)または遺伝子に言及するために用いられる場合、特定の宿主細胞に対して外来の起源から得られるか、または同じ起源からであるならば、その元の形から改変された配列のことをいう。よって、宿主細胞における異種遺伝子は、特定の宿主細胞に対して内因性であるが、例えば部位特異的突然変異誘発またはその他の組換え技術の使用により改変された遺伝子を含む。この用語は、天然に存在するDNA配列の天然に存在しない多重コピーも含む。よって、この用語は、細胞にとって外来もしくは異種であるか、または細胞にとって同族であるが、その要素が通常見いだされない宿主細胞内の位置または形であるDNAセグメントのことをいう。同様に、ポリペプチドまたはアミノ酸配列に関して用いる場合、外因性ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、特定の宿主細胞に対して外来の起源から得られるか、または同じ起源からであるならば、その元の形から改変されたポリペプチドまたはアミノ酸配列である。よって、外因性DNAセグメントを発現させて、外因性ポリペプチドを生じることができる。このようなここに開示する主題の核酸(例えば適当なベクターに組み込まれた核酸)は、植物細胞に、当業者に知られる様々な方法により導入することができる。
ここに開示する主題は、本明細書に記載するベクターと、薬学的に許容されるビヒクル、キャリアまたは補形剤とを含む医薬組成物をさらに含み、それを利用する。実際に、本明細書におけるある実施形態に言及する場合、用語「ベクター」および/または「組成物」は、ベクターを含む医薬組成物に言及するために用いるかまたは用いなくてよい。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、ヒトにおいて薬学的に許容される。また、以下にさらに記載するように、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、対象への送達用の治療組成物として処方できる。
本明細書に記載する医薬組成物は、好ましくは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、殺菌性抗生物質および意図するレシピエントの体液と製剤を等張にする溶質を含むことができる水性または非水性滅菌注射溶液、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液のような薬学的キャリアをさらに含む組成物を含む。用いる医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンのような形をとることもでき、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような処方剤を含むことができる。さらに、製剤は、例えば密閉アンプルおよびバイアル中の単位用量または多重用量容器中にあり得、使用直前に滅菌液体キャリアの添加のみを必要とする冷凍または凍結乾燥(freeze-dried)または室温(凍結乾燥(lyophilized))状態で貯蔵できる。
いくつかの実施形態において、経口投与用組成物の固形製剤は、適切なキャリアまたは補形剤、例えばトウモロコシデンプン、ゼラチン、ラクトース、アラビアゴム、ショ糖、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウムまたはアルギン酸を含むことができる。用い得る崩壊剤は、それらに限定されないが、微結晶セルロース、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルギン酸を含む。用い得る錠剤結合剤は、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、デンプンおよびエチルセルロースを含む。用い得る滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリコーン油、タルク、ロウ、油およびコロイド状シリカを含む。さらに、固形製剤は、被覆されないか、または既知の技術により被覆して、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させることにより、より長期間の持続/延長活性を示すことができる。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンを用いて、持続/延長放出製剤を得ることができる。持続放出調製物を処方するための多数の技術が当業者に知られており、本発明に従って用いることができ、以下の参考文献に記載される技術を含む:それぞれがこの参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,891,223号、第6,004,582号、第5,397,574号、第5,419,917号、第5,458,005号、第5,458,887号、第5,458,888号、第5,472,708号、第6,106,862号、第6,103,263号、第6,099,862号、第6,099,859号、第6,096,340号、第6,077,541号、第5,916,595号、第5,837,379号、第5,834,023号、第5,885,616号、第5,456,921号、第5,603,956号、第5,512,297号、第5,399,362号、第5,399,359号、第5,399,358号、第5,725,883号、第5,773,025号、第6,110,498号、第5,952,004号、第5,912,013号、第5,897,876号、第5,824,638号、第5,464,633号、第5,422,123号および第4,839,177号、ならびにWO98/47491。
経口投与用の液体調製物は、例えば液剤、シロップ剤もしくは懸濁剤の形をとることができるか、または使用前に水もしくはその他の適切なビヒクルを用いる構成のための乾燥製品であり得る。このような液体調製物は、懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素添加食用油脂)、乳化剤(例えばレシチンまたはアラビアゴム)、非水性ビヒクル(例えばアーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分画植物油)および保存剤(例えばメチルもしくはプロピル-p-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)のような薬学的に許容される添加剤を用いて従来の技術により調製できる。調製物は、適切であれば、緩衝剤の塩、香味剤、着色剤および甘味剤も含むことができる。経口投与用の調製物は、活性化合物の制御放出を与えるように適切に処方できる。頬側投与のために、組成物は、従来の様式で処方されたカプセル剤、錠剤またはロゼンジの形をとることができる。
様々な液体および粉末製剤を、処置される対象の肺への吸入または処置される対象の鼻および副鼻腔への鼻内投与のための従来の方法によっても調製できる。例えば、組成物は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切な気体を用いる加圧パックまたはネブライザーからのエアゾール噴霧プレゼンテーションの形で簡便に送達できる。所望の化合物と適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの混合粉末を含む吸入器または吹き入れ器中で用いるための例えばゼラチンのカプセル剤およびカートリッジを処方できる。
組成物は、移植または注射のための調製物として処方することもできる。よって、例えば、化合物は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば許容できる油中のエマルジョン)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性誘導体(例えば難溶性の塩)として処方できる。
組成物の注射用製剤は、様々なキャリア、例えば植物油、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、乳酸エチル、炭酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)などを含むことができる。静脈内投与のために、組成物の水溶性バージョンを、点滴法により投与することにより、ここに開示する主題の医薬組成物と生理的に許容できる補形剤とを含む製剤を注入できる。生理的に許容できる補形剤は、例えば、5%ブドウ糖、0.9%生理食塩水、リンゲル液またはその他の適切な補形剤を含み得る。筋内調製物、例えば化合物の適切な可溶性塩の形の滅菌製剤を、薬学的補形剤、例えば注射用水、0.9%生理食塩水または5%グルコース溶液に溶解して投与できる。水性基剤または薬学的に許容される油性基剤、例えば長鎖脂肪酸のエステル(例えばオレイン酸エチル)中の懸濁物として組成物の適切な不溶性の形を調製して投与できる。
上記の製剤に加えて、ここに開示する主題の組成物は、例えばカカオ脂または他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含む直腸組成物、例えば坐剤または停留浣腸として処方することもできる。さらに、組成物は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば許容できる油中のエマルジョン)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性誘導体、例えば難溶性の塩として組成物と組み合わせることにより、デポー調製物として処方することもできる。
上記のように、ここに開示する主題は、Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のアンタゴニスト(例えば、配列番号1(NaKtide)または配列番号5(pNaKtide)のポリペプチド)の送達用の特定のプロモーターを有するベクターを用いることを含む。いくつかの実施形態において、ベクターは、特定の組織へのpNaKtideまたはNaKtideの発現を目標とし、よって、NaKtideまたはpNaKtideのオフターゲット効果を回避する。この点で、ここに開示する主題は、Src関連疾患を処置する方法をまださらに提供する。いくつかの実施形態において、Src関連疾患を処置する方法は、本明細書に記載する発現ベクターを、それを必要とする対象に投与することを含む。
本明細書で用いる場合、用語「処置」または「処置する」は、それらに限定されないが、予防的処置および治療的処置を含む、興味対象の状態(例えば癌)の任意の処置に関する。よって、用語「処置」または「処置する」は、それらに限定されないが、興味対象の状態もしくは興味対象の状態の進展の防止、興味対象の状態の進行の阻害、興味対象の状態のさらなる進展の停止または防止、興味対象の状態の重篤度の低減、興味対象の状態と関連する症状の改善もしくは緩和、および対象における興味対象の状態または興味対象の状態と関連する1つ以上の症状の退縮を引き起こすことを含む。
本明細書で用いる場合、用語「対象」は、ヒトおよび動物対象の両方を含む。よって、本開示の主題に従う動物の治療的使用が提供される。よって、ここに開示する主題は、哺乳動物、例えばヒトおよび絶滅の危機に瀕していることにより重要な哺乳動物、例えばシベリアトラ、経済的に重要な動物、例えばヒトによる消費のために農場で飼育されている動物、および/またはヒトにとって社会的に重要な動物、例えばペットとしてもしくは動物園で飼育されている動物への処置を提供する。そのような動物の例は、それらに限定されないが、肉食動物、例えばネコおよびイヌ、ブタ類、例えばブタ(pig)、ブタ(hog)およびイノシシ、反芻動物および/または有蹄動物、例えばウシ(cattle)、ウシ(oxen)、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソンおよびラクダ、ならびにウマを含む。絶滅の危機に瀕している、かつ/または動物園で飼育されている種類の鳥類、ならびに家禽、より具体的には飼いならされた家禽、すなわち飼鳥類、例えばシチメンチョウ、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ホロホロチョウなどの処置を含む、鳥類の処置も提供される。なぜならこれらもヒトにとって経済的に重要であるからである。よって、それらに限定されないが、家畜化ブタ類、反芻動物、有蹄動物、ウマ(競走馬も含む)、家禽などを含む家畜の処置にも提供される。
いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、癌、血管疾患、循環器疾患、組織線維化および骨粗鬆症からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、血管疾患、循環器疾患、心臓疾患、前立腺癌、乳癌、神経芽腫、心肥大、組織線維化、うっ血性心不全、虚血/再灌流損傷、骨粗鬆症、網膜症および肥満症からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、癌である。いくつかの実施形態において、癌の処置は、それらに限定されないが、癌細胞を殺すこと、癌細胞の成長を阻害すること、癌細胞のアポトーシスを誘導すること、癌細胞の成長速度を低減すること、転移の発生率または数を低減すること、腫瘍サイズを低減すること、腫瘍成長を阻害すること、腫瘍または癌細胞への利用可能な血液供給を低減すること、腫瘍または癌細胞に対する免疫応答を促進すること、癌の開始または進行を低減または阻害すること、あるいは癌を有する対象の寿命を延ばすことを含み得る。
本明細書で用いる場合、用語「癌」は、白血病、癌腫、黒色腫および肉腫を含む動物において見いだされる全てのタイプの癌または新生物または悪性腫瘍のことをいう。「白血病」により、血液形成臓器の広く進行性で悪性の疾患を意味し、一般的に、血液および骨髄における白血球およびそれらの前駆体のゆがんだ増殖および成長を特徴とする。白血病疾患は、例えば急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球白血病、慢性顆粒球白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球血症性(leukocythemic)白血病、好塩基球性(basophylic)白血病、芽球性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胚性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血芽球性(hemoblastic)白血病、血球芽細胞性(hemocytoblastic)白血病、組織球性白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ向性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞白血病、肥満細胞白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病および未分化細胞白血病を含む。
用語「癌腫」は、周囲組織に浸潤して、転移を生じる傾向がある、上皮細胞でできた悪性新成長のことをいう。例示的な癌腫は、例えば、腺房(acinar)癌腫、小葉(acinous)癌腫、腺様嚢胞(adenocystic)癌腫、腺様嚢胞(adenoid cystic)癌腫、腺腫性癌腫(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質の癌腫、肺胞癌腫、肺胞細胞癌腫、基底細胞癌腫(basal cell carcinoma)、基底細胞癌腫(carcinoma basocellulare)、類基底癌腫、基底有棘細胞癌腫、気管支肺胞上皮癌腫、細気管支癌腫、気管支原性肺癌腫、大脳様癌腫、胆管細胞癌腫、絨毛癌腫、膠質癌腫、面皰癌腫、子宮体部(corpus)癌腫、篩状癌腫(cribriform carcinoma)、鎧状癌腫、皮膚癌腫、円柱状(cylindrical)癌腫、円柱状細胞癌腫、腺管癌腫、緻密癌腫(carcinoma durum)、胎児性癌腫、脳様癌腫、類表皮(epiennoid)癌腫、上皮性腺様癌腫(carcinoma epitheliale adenoides)、外方増殖性癌腫、潰瘍癌腫、線維性癌腫、膠様(gelatiniform) 癌腫、膠様(gelatinous)癌腫、巨細胞癌腫(giant cell carcinoma)、巨細胞癌腫(carcinoma gigantocellulare)、腺癌腫、顆粒膜細胞癌腫、毛母癌腫、血液様(hematoid)癌腫、肝細胞癌腫、ハースル細胞癌腫、硝子質癌腫、副腎様(hypemephroid)癌腫、乳児性胎児性癌腫、上皮内癌腫(carcinoma in situ)、表皮内癌腫、上皮内癌腫(intraepithelial carcinoma)、クロンペッカー(Krompecher's)癌腫、クルチッキー細胞(Kulchitzky-cell)癌腫、大細胞癌腫、レンズ状癌腫(lenticular carcinoma)、レンズ状癌腫(carcinoma lenticulare)、脂肪腫(lipomatous)癌腫、リンパ上皮癌腫、髄質癌腫(carcinoma medullare)、髄様癌腫(medullary carcinoma)、黒色性癌腫、モール癌腫(carcinoma molle)、粘液性癌腫(mucinous carcinoma)、粘液分泌性癌腫(carcinoma muciparum)、粘液細胞癌腫(carcinoma mucocellulare)、粘液性類表皮癌腫、粘液性癌腫(carcinoma mucosum)、粘膜癌腫、粘液腫癌腫(carcinoma myxomatodes)、上咽頭癌腫、燕麦細胞癌腫、骨化性癌腫(carcinoma ossificans)、類骨癌腫、乳頭癌腫、門脈周囲癌腫、前浸潤癌腫、有棘細胞癌腫、粥状(pultaceous)癌腫、腎臓の腎細胞癌腫、予備細胞癌腫、肉腫様癌腫(carcinoma sarcomatodes)、シュナイダー(schneiderian)癌腫、硬性癌腫、陰嚢癌腫、印環細胞癌腫、単純癌腫、小細胞癌腫、ソラノイド(solanoid)癌腫、楕円体細胞(spheroidal cell)癌腫、紡錘細胞癌腫、海綿様癌腫(carcinoma spongiosum)、扁平上皮癌腫(squamous carcinoma)、扁平上皮癌腫(squamous cell carcinoma)、ストリング(string)癌腫、血管拡張性癌腫(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張性癌腫(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌腫、結節性癌腫(carcinoma tuberosum)、結節性癌腫(tuberous carcinoma)、疣状癌腫および絨毛癌腫を含む。
用語「肉腫」は、一般的に、胚性結合組織のような物質でできており、一般的に繊維状または均質な物質中に包埋された密に詰まった細胞で構成される腫瘍のことをいう。肉腫は、例えば、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アベメシー(Abemethy's)肉腫、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、歯茎軟部肉腫、エナメル芽細胞肉腫、ブドウ状横紋筋肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌腫、胚性肉腫、ウィルムス(Wiln's)腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性肉腫、網状赤血球性肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢胞性肉腫、滑膜肉腫および毛細血管拡張型肉腫を含む。
用語「黒色腫」は、皮膚および他の器官の黒色細胞系から生じる腫瘍を意味する。黒色腫は、例えば、末端黒子型黒色腫、無色素性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディング・パッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子由来黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫爪下黒色腫および表在拡大型黒色腫を含む。
さらなる癌は、例えば、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、小細胞肺腫瘍、原発性脳腫瘍、胃癌、大腸癌、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、前癌性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮頚癌、子宮内膜癌および副腎皮質癌を含む。いくつかの実施形態において、癌は、前立腺癌、乳癌および神経芽腫からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、いくつかの実施形態において尿毒症性心筋症を含む循環器疾患である。いくつかの実施形態において、循環器疾患を処置することは、それらに限定されないが、酸化ストレスを低減すること、炎症性サイトカインの量を低減すること、心臓線維化を低減すること、ならびに/または拡張障害、心肥大、血漿クレアチニンレベルおよび貧血の進展を減弱することを含み得る。
いくつかの実施形態において、Src関連疾患は、肥満症である。いくつかの実施形態において、肥満症を処置することは、それらに限定されないが、皮下および/または内臓脂肪の量を低減すること、体重の量を低減すること、炎症性サイトカインの量を低減すること、酸素消費および/またはエネルギー消費の量を増加させること、レプチンの量を低減すること、ならびに脂肪量を低減することを含む。
本明細書で開示する治療組成物の投与のために、マウス動物モデルに投与された用量に基づいてヒト投与量を外挿する従来の方法を、マウス投与量をヒト投与量に変換するための変換係数を用いて行うことができる。ヒト1kgあたりの用量=マウス1kgあたりの用量/12 (Freireichら、(1966) Cancer Chemother Rep. 50: 219~244)。用量は、体表面積1平方メートルあたりのミリグラムとしても示すことができる。なぜなら、体重よりもむしろこの方法は、ある代謝および排泄機能と良好な相関を達成するからである。さらに、体表面積は、Freireichら(Freireichら、(1966) Cancer Chemother Rep. 50:219~244)により記載されるように、成人および小児ならびに異なる種の動物における薬物投与量についての共通の分母として用いることができる。簡単に、任意の与えられた種におけるmg/kg用量を等価なmg/sq m用量で表すために、用量に適切なkg係数を乗じる。ヒト成人では、100 mg/kgは、100 mg/kg×37 kg/sq m=3700 mg/m2に等しい。
ここに開示する主題の方法に従って治療組成物を投与する適切な方法は、それらに限定されないが、全身投与、非経口投与(血管内、筋内および/または動脈内投与を含む)、経口送達、頬側送達、直腸送達、皮下投与、腹腔内投与、吸入、皮膚(例えば外用塗布)、気管内設備、外科的移植、経皮送達、局所注射、鼻内送達、および超高速注射/衝突を含む。適切であれば、連続注入は、標的部位での薬物蓄積を増強できる(例えば米国特許第6,180,082号を参照されたい)。本明細書に記載する治療方法のいくつかの実施形態において、治療組成物は、経口、静脈内、経鼻または腹腔内投与されて、疾患または障害を処置する。
投与経路にかかわらず、ここに開示する主題の組成物は、有効量の治療剤を典型的に含むだけでなく、所望の応答を達成するために有効な量で典型的に投与される。よって、用語「有効量」は、本明細書において、測定可能な生物学的応答(例えばSrc阻害の増加)を生じるのに十分な量の治療組成物(例えばベクターと薬学的ビヒクル、キャリアまたは補形剤)のことをいうために用いられる。本発明の治療組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の対象および/または用途について所望の治療応答を達成するために効果的な活性化合物の量を投与するように変動できる。もちろん、任意の特定の場合の有効量は、治療組成物の活性、製剤、投与経路、他の薬物もしくは処置との組み合わせ、処置される状態の重篤度ならびに処置される対象の身体的状態および以前の医療履歴を含む様々な因子に依存する。好ましくは、最小限の用量を投与し、用量を用量制限毒性がないように最低有効量まで上昇させる。治療有効量の決定および調整、ならびにそのような調整をいつどのようにして行うかの評価は、当業者に知られている。
製剤および用量に関するさらなる手引きについて、米国特許第5,326,902、5,234,933号、PCT国際公開WO 93/25521、Berkowら、(1997) The Merck Manual of Medical Information、Home編、Merck Research Laboratories、Whitehouse Station、New Jersey、Goodmanら、(1996) Goodman & Gilman's the Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版、McGraw-Hill Health Professions Division、New York、Ebadi、(1998) CRC Desk Reference of Clinical pharmacology. CRC Press、Boca Raton、Florida、Katzung、(2001) Basic & Clinical pharmacology、第8版、Lange Medical Books/McGraw-Hill Medical Pub. Division、New York、Remingtonら、(1975) Remington's Pharmaceutical Sciences、第15版、Mack Pub. Co.、Easton、PennsylvaniaおよびSpeightら、(1997) Avery's Drug Treatment: A Guide to the Properties、Choice、Therapeutic Use and Economic Value of Drugs in Disease Management、第4版、Adis International、Auckland/ Philadelphia、Duchら、(1998) Toxicol. Lett. 100~101:255~263を参照されたい。
ここに開示する主題の実施は、そうでないと示さない限り、当該技術の熟練の範囲内である細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の通常の技術を用いることができる。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual (1989)、第2版、Sambrook、FritschおよびManiatis編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、16および17章、米国特許第4,683,195号、DNA Cloning、IおよびII巻、Glover編、1985、Oligonuclaotide Synthesis、M. J. Gait編、1984、Nucleic Acid Hybridization、D. HamesおよびS. J. Higgins編、1984、Transcription and Translation、B. D. HamesおよびS. J. Higgins編、1984、Culture Of Animal Cells、R. I. Freshney、Alan R. Liss, Inc.、1987、Immobilized Cells And Enzymes、IRL Press、1986、Perbal (1984)、A Practical Guide To Molecular Cloning; See Methods In Enzymology (Academic Press, Inc.、N.Y.); Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells、J. H. MillerおよびM. P. Calos編、Cold Spring Harbor Laboratory、1987、Methods In Enzymology、154および155巻、Wuら編、Academic Press Inc., N.Y.、Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology (MayerおよびWalker編、Academic Press、London、1987、Handbook Of Experimental Immunology、I~IV巻、D. M. WeirおよびC. C. Blackwell編、1986を参照されたい。
ここに開示する主題を、以下の具体的であるが非限定的な実施例によりさらに説明する。実施例は、ここに開示する主題に関連する開発および実験の過程の様々な時点で集められたデータの代表であるデータの編纂を含み得る。
実施例1:アディポネクチンプロモーターを有するレンチウイルスのインビトロ形質導入
NaKtideの発現を脂肪組織に向けさせるために、eGFPまたはeGFP-NaKtide cDNAをアディポネクチンプロモーターの制御の下に発現するレンチウイルスベクターを構築して、脂肪細胞において特異的にNaKtide 発現を達成した。3T3-L1前駆脂肪細胞(ATCC、VA)を用いて、機能的導入遺伝子発現を評価した。細胞を、次いで、アディポネクチンプロモーター(Cyagen Biosciences、CA)の制御の下に、GFP-NaKtide (図1;配列番号6)またはGFP(図2)構築物を有するレンチウイルスベクター(109 TU/mlを2μl)に感染させた。細胞を、50、100または200 MOI(感染多重度)に感染させることにより、濃度曲線を行った。脂肪生合成に対する3T3-L1細胞におけるレンチウイルス-アディポネクチン-eGFP-NaKtide形質導入の効果を、オイルレッドO染色を用いて評価した。GFP発現は、共焦点レーザ走査(Olympus Fluoview FV300)顕微鏡を用いて確認し、免疫蛍光を行って、NaKtide発現を検出した。
図3に示すように、蛍光顕微鏡観察は、レンチ-GFPおよびレンチ-GFP-NaKtide脂肪細胞の両方における容易に検出可能なGFP発現を示した。これは、GFP蛍光が、両方の群で明らかであったので、3T3-L1細胞におけるレンチウイルス-アディポネクチン-eGFP形質導入の効果を証明した。さらに、両方の群におけるMOIの増加は、GFP蛍光の増加を示し、このことは、MOIの増加に伴って形質導入細胞の増加があったことを示した。
増加するMOIのレンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtideまたはレンチ-アディポネクチン-eGFPに感染した3T3-L1細胞も、7日後に、脂質を染色するオイルレッドOで染色して、NaKtide発現が脂肪生合成に影響を有したかを決定した(図4)。100および200 MOIのレンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtideでの感染は、対照およびMOI 50と比較して、オイルレッドO染色を有意に減少させた(p<0.05)。しかし、100および200 MOIの感染の間に差はなかった。レンチ-アディポネクチン-eGFPでの形質導入は、MOIに関係なく、対照細胞と比較して、脂肪生合成に影響しなかった。
実施例2:アディポネクチンプロモーターを用いるC57BL/6マウスにおけるNaKtideのレンチウイルス媒介送達
アディポネクチンプロモーターにより駆動されるレンチウイルス構築物のインビボ導入と、それによる脂肪組織に特異的なNaKtideの発現とを評価するために、C57BL/6雄性マウス(4~6週)を用いた。アディポネクチンプロモーターにより駆動されるマウス NaKtideを有するレンチウイルス構築物(図1および2)をマウスにおいて用いて、脂肪組織に特異的なNaKtide発現を達成した。アディポネクチンプロモーターにより駆動されるNaKtide、およびその対応物レンチ-eGFPを有するレンチウイルス(100μl、生理食塩水中に2×109 TU/ml)を、マウスに腹腔内注射した。2週間後に、別の腹腔内注射(75μl 1×109 TU/ml)を与えた。
免疫蛍光を用いて、C57BL/6マウスにおけるレンチウイルス-アディポネクチン-eGFP遺伝子標的化の効率を調べた。脂肪、肝臓および心臓組織を、レンチ-アディポネクチン-eGFPおよびレンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtideを注射したマウスから採収した。蛍光顕微鏡観察により、両方の脂肪区画(レンチ-アディポネクチン-eGFPおよびレンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtide)において容易に検出可能なGFP発現が示され(図5A)、肝臓(図5B)、心臓(図5C)および腎臓(図5D)組織において検出可能な発現は示されず、このことは、アディポネクチンプロモーターは、レンチウイルスの発現を脂肪組織において選択的に駆動することにおいて効果的であったことを示す。NaKtide一次ポリクローナル抗体およびAlexa Fluor 555ポリクローナル二次抗体を、全ての組織切片に対して、免疫蛍光も用いて行った。この免疫蛍光染色は、NaKtideが、レンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtideを注射したマウスの脂肪組織においてのみ検出されたことを示した(図5A)。レンチ-アディポネクチン-NaKtideマウスの脂肪組織だけにおけるNaKtide遺伝子の過剰発現は、これらのマウスにおけるレンチ-アディポネクチン-NaKtideプロモーターの効率および特異性を示した。
実施例3:生存動物におけるNaKtideのレンチウイルス媒介送達
生存動物におけるNaKtideのレンチウイルス媒介送達を評価するために、C57BL/6雄性マウス(4~6週)を再び用いた。マウスNaKtideを有し、アルブミンプロモーターにより駆動されるレンチウイルス構築物を構築して、肝臓において特異的なNaKtide発現を達成した。この介入モードを用いて、延長された時間NaKtide発現を得た。アルブミンプロモーターにより駆動されるeGFP-NaKtide(図6:配列番号7)およびその対応物レンチ-eGFP(図7)を有するレンチウイルス(100μl、生理食塩水中に2×109 TU/ml)を、マウスに腹腔内注射した。2週間後に、別の注射(75μl 1×109 TU/ml i.p.)を与えた。
レンチ-Alb-eGFPおよびレンチ-Alb-eGFP-NaKtideを注射したマウスから肝臓および脂肪組織を採収した後に、蛍光顕微鏡観察により、両方の肝臓切片(レンチ-Alb-eGFPおよびレンチ-Alb-eGFP-NaKtide)において容易に検出できるGFP発現が示され、脂肪組織において検出可能な発現は示されず、このことは、アルブミンプロモーターが、肝臓組織において選択的にレンチウイルスの発現を駆動することにおいて効果的であったことを示す(図8Aおよび8B)。NaKtide一次モノクローナル抗体およびAlexa Fluor 555ポリクローナル二次抗体を、肝臓および脂肪組織切片に対して用いて、免疫組織化学(IHC)も行った。この免疫組織化学(IHC)染色は、NaKtideが、レンチ-Alb-eGFP-NaKtideを注射したマウスの肝臓においてのみ検出されたことを証明した。
実施例4:脂肪細胞を標的にするNaKtide は、西洋食を与えられたマウスにおいて、脂肪細胞表現型を再プログラミングすることにより、脂肪症および全身性酸化ストレスを減弱する。
脂肪症および全身性酸化ストレスに対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を測定するために、動物研究が、まず、米国国立衛生研究所(NIH)の実験動物の管理と使用に関する指針に従って、Marshall大学動物実験委員会により承認された。C57Bl6マウス(6から8週齢、雄性)をHilltop Lab Animalsから購入した。Robert C. Byrdバイオテクノロジーサイエンスセンター動物資源施設(ARF)に到着後、マウスをケージに入れ、通常の固形飼料を与え、水へのアクセスを自由にした。果糖を含む西洋食(WD)は、食餌誘導肥満症の公知のモデルである。WDは、Envigo(Indianapolis、IN)から購入した。WDは、42%脂質、42.7%炭水化物および15.2%タンパク質を含み、4.5 KJ/gとなった。果糖は、Alfa Aesar(Ward Hill、MA)から購入した。果糖は、42 g/Lの濃度で作製し、0.168 KJ/mLとなった。WDマウスには、WD固形飼料を与え、高果糖水へのアクセスを自由にした。動物を、5つの群:1)通常固形飼料、2)通常固形飼料+レンチウイルス-GFP-NaKtide(配列番号6)、3)WD、4)WD+レンチウイルス-GFPおよび5)WD+レンチウイルス-GFP-NaKtide(群あたりn=12から14)に無作為に分け、それぞれの食餌を与えた。アディポネクチンプロモーターにより駆動されるマウスNaKtideを有するレンチウイルス構築物をマウスにおいて用いて、脂肪組織において特異的なNaKtide発現を達成した。アディポネクチンプロモーターにより駆動されるNaKtideおよびその対応物レンチ-eGFPを有するレンチウイルス(100μl、生理食塩水中に2×109 TU/ml)を、マウスに腹腔内注射した。2週間後に、別の注射(75μl 1×109 TU/ml i.p.)を与えた。群2および5には、0週目および2週目に再び、レンチ-adipo-NaKtideの注射を与え、群4には、レンチ-adipo-GFPの注射を与えた。体重とともに、食物および水摂取を毎週測定した。犠牲にする時に、全てのマウスの体重ならびに内臓および皮下脂肪量を測定した。炎症性サイトカインレベルを測定するために、血液試料を回収した。組織を液体窒素中で急速凍結し、-80℃にて維持した。
12週間の実験期間の最後に間接的熱量および自発運動量を評価するために、8チャンバCLAM (Columbus Instruments、Columbus、OH、USA)を用いてエネルギー消費および自発運動量を測定した。このシステムにおいて、全酸素消費(VO2)および二酸化炭素生成(VCO2)を測定し、Columbusソフトウェアにより、VO2を個別の熱生成(kcal/時)に変換した。このソフトウェアは、発熱量CV=3.815+(1.232×RER)に観察されたVO2を乗じることにより発熱量(熱=CV×VO2)を算出する。エネルギー消費を、次いで、体重により除した生成された熱の比率として算出した。赤外線ビームシステムは、CLAMS中の動物の動きを検出し、自発運動量は、ある期間中のxまたはy軸のいずれかを異なるビームが乱した回数である歩行カウントとして決定した。全てのマウスは、モニタリングケージで24時間順応させた後に、一定の12時間の明暗サイクルの下でさらに48時間記録した。
グルコース負荷試験のために、実験の終了前に、腹腔内グルコース負荷試験を用いてグルコースクリアランスを決定した。マウスを8時間絶食させた後に、グルコース溶液(2g/kg、10%溶液として注射)を腹腔に注射した。グルコース注射の0、30、60および120分後に尾静脈から試料を採取した。血糖は、Accutrendセンサグルコース測定計を用いて測定した。
サイトカイン測定のために、製造業者(Abcam)の使用説明に従ってELISAアッセイキットを用いて、IL-6、MCP-1およびTNFαサイトカイン測定を行った。
c-Srcリン酸化の測定のために、RIPA緩衝液を用いて内臓脂肪組織からの全細胞可溶化物を調製し、c-Srcの活性化を、以前に記載したようにして決定した。ホスホ-c-Srcのイムノブロッティングの後に、同じメンブレンをストリップし、全c-Srcについてイムノブロッティングした。c-Srcの活性化は、ホスホ-c-Src/全Srcの比率として表し、測定値は、対照試料についての1.0に対して規格化した。
タンパク質カルボニル化の評価のために、RIPA緩衝液を用いて内臓脂肪組織からの全細胞可溶化物を調製し、タンパク質カルボニル化アッセイについてのウェスタンブロッティングを行った。クーマシーブルー染色をローディング対照として用いて、対照試料のシグナル密度値を1.0に対して規格化した。
ウェスタンブロット分析のために、内臓脂肪組織を液体窒素で破砕し、ホモジネーション緩衝液に入れた。ホモジネートを遠心分離し、上清を単離し、イムノブロッティングを行った。以前に報告されたようなFAS、PPARy、MESTおよびPGC1αの決定のために、上清を用いた。ローディング条件は、GAPDHを用いて管理した。
ヘマトキシリンおよびエオシン染色のために、OCTに貯蔵した大動脈を6μmの切片に切断し、組織学的分析のために、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
上記の方法において、実験群間の統計的有意性は、多重比較分析のTukey事後検定法により決定した(P<0.05)。処置群間の比較のために、一元配置分散分析(ANOVA)により帰無仮説を検定した。データは、平均±SEとして表す。
実験の結果を得る際に、西洋食を与えられたマウスにおける体重ならびに内臓および皮下脂肪量に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を、まず調べた。西洋食を与えられたマウスは、通常の固形飼料食のマウスと比較して、12週間の期間にわたって体重の増加を示した。アディポネクチン-NaKtideを形質導入したマウスは、西洋食を与えられたマウスと比較して、12週間の期間の過程にわたって体重増加の有意な減少を示した(図9)。GFP単独で処置した群は、それぞれの対照群と比較して差を示さなかった。アディポネクチン-NaKtideを投与され、かつ西洋食を与えられたマウスも、西洋食を与えられたマウスと比較して、皮下および内臓脂肪の両方の著しい低減を示した(図10A~10B)。これらの観察結果は、レンチウイルス構築物を用いる脂肪細胞特異的標的化NaKtideが、脂肪症を減弱し得るという仮説を支持する。
次に、西洋食を与えられたマウスにおけるグルコース負荷試験および炎症性サイトカインに対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を調べた。西洋食を与えられたマウスは、通常の固形飼料食のマウスと比較して、耐糖能の減少を示した。西洋食を与えられたレンチ-アディポネクチン-NaKtideを投与したマウスは、西洋食を与えられたマウスと比較して、耐糖能の改善を示した(図11A)。GFP単独で処置した群は、それぞれの対照群と比較して差を示さなかった。
西洋食を与えられたマウスは、対照群と比較して、より高いレベルのこれらのサイトカインを示した。西洋食を与えられたマウスへのレンチ-アディポネクチン-NaKtide投与は、西洋食を与えられたマウスと比較して、有意により低いレベルの炎症性サイトカインTNFαおよびMCP-1を示した(図11B~11D)。GFP単独で処置したマウスは、それぞれの対照群と比較して差を示さなかった。
西洋食を与えられたマウスにおけるレプチン、収縮期血圧、酸素消費、活動およびエネルギー消費に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響も分析した。西洋食を与えられたマウスは、通常の固形飼料食のマウスと比較して、血漿レプチン濃度の有意な増加を示した。これは、レンチ-アディポネクチン-NaKtid処置マウスにおいて改善された(図12A)。西洋食マウスの収縮期血圧も、その対照対応物およびWD NaKtide処置マウスのものよりも有意に高かった(図12B)。
CLAMSケージに入れた場合に、西洋食を与えられたマウスは、対照群と比較して、低下した酸素消費、活動およびエネルギー消費を示したことが見いだされた。レンチ-アディポネクチン-NaKtideを投与したマウスは、西洋食単独と比較して、酸素消費、活動およびエネルギー消費が増加した(図12C~12E)。
西洋食を与えられたマウスにおける脂肪生成関連タンパク質、Na/K-ATPアーゼシグナル伝達マーカーおよび褐色脂肪マーカーPGC1αに対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を、さらに決定した。西洋食を与えられたマウスは、FAS、PPARγおよびMESTの発現の増加を示した(図13A)。脂肪酸シンターゼ(FAS)およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)は、脂肪細胞成長および発達に関与し、中胚葉特異的転写産物(MEST)は、脂肪細胞サイズのマーカーである。レンチ-アディポネクチン-NaKtide処置マウスは、西洋食を与えられた動物と比較して、タンパク質発現のレベルが低下した。Src(Na/K-ATPアーゼシグナル伝達の下流の標的)のリン酸化は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいて減少した(図13B)。Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットの発現は、西洋食を与えられたマウスにおいて有意に減少し、レンチ-アディポネクチン-NaKtideで処置したマウスにおいてレスキューされた(図13B)。Na/K-ATPアーゼのアルファ1サブユニットのカルボニル化(酸化ストレスのマーカー)は、西洋食を与えられたマウスにおいて増加し、レンチ-アディポネクチン-NaKtide処置マウスにおいて減少した(図13D)。
PGC1αは、ミトコンドリア生合成および熱産生制御に関連するタンパク質である。西洋食を与えられたマウスの内臓脂肪中で、PGC1α発現は、有意に減少した。レンチ-アディポネクチン-NaKtide処置は、WDを与えられたマウスと比較して、PGC1αの発現を増加させる(図13C)。
西洋食を与えられたマウスにおける内臓脂肪中の脂肪細胞サイズおよび数に対する脂肪細胞特異的NaKtide発現の影響を調べているうちに、西洋食を与えられたマウスは、H&E染色により示されるように、対照動物と比較して、細胞数の有意な低減とともに、脂肪組織の面積の有意な増加を示したことが観察された。レンチ-アディポネクチン-NaKtideでの処置により、細胞数を増加させ、細胞の全面積を減少させた(図14)。
実施例5:マウスPNxモデルにおける尿毒症性心筋症の発症および進行における脂肪細胞中のNa/K-ATPアーゼシグナル伝達の役割
尿毒症性心筋症の発症および進行における脂肪細胞中のNa/K-ATPアーゼシグナル伝達の役割を評価するために行った実験のために、動物研究が、米国国立衛生研究所(NIH)の実験動物の管理と使用に関する指針に従って、Marshall大学動物実験委員会により承認された。C57Bl6マウス(6から8週齢、雄性)をHilltop laboratoriesから購入した。Robert C. Byrdバイオテクノロジーサイエンスセンター動物資源施設(ARF)に到着後、マウスに、全熱量12.6 KJ/gの11%脂質、62%炭水化物および27.0%タンパク質を含む通常の固形飼料食を与え、水に自由にアクセスでき、またはマウスに、4.5 KJ/gとなる42%脂質、42.7%炭水化物および15.2%タンパク質を含む西洋食(WD)を与え、0.168KJ/mLとなる高果糖溶液(42g/L)へのアクセスを自由にした。尿毒症性心筋症を模倣するために、Jackson Laboratoriesから購入した5/6-腎摘出(PNx)モデルであるC57Bl6雄性マウス(10~12週齢)を用いた。PNx術は、以前に記載したようにして行った。簡単に、PNxモデルは、二工程手術アプローチを用いる。第一工程は左腎臓の上極および下極を外科的に結紮して、左腎臓の半分だけが機能するようにする。第二工程は、結紮の7日後に右腎臓を除去することである。シャム対照のために、腎臓を除去せずに外科的工程を反復する。eGFPおよびNaKtide (Na/K-ATPアーゼ/Srcシグナル伝達経路のアンタゴニスト)またはそれぞれの対照eGFPを含むレンチウイルスベクターを、この研究のために、LentiMaxTMシステムを用いてC57BL/6マウスに注射した。eGFP-NaKtideまたはeGFP対照は、それぞれ脂肪細胞、心筋細胞、腎臓近位尿細管細胞の頂端側および骨格筋を標的にするために、アディポネクチン、アルファ-MHC、SGLT2またはMyoD特異的プロモーターの制御の下にあった(それぞれ図1および19~21、ならびに配列番号6、8、9および10)。レンチウイルス(100μl、生理食塩水中に2×109 TU/ml)を、C57BL/6マウスにi.p.注射した。IACUC規則に従って、適当な術前および術後のケアを行った。マウスは毎週秤量し、手術の直前および術後4週間ごとにテールカフ法により血圧を決定した。犠牲にする際に、全てのマウスの体重ならびに内臓および皮下脂肪量を測定した。炎症性サイトカインレベルの測定のために、血液試料を回収した。組織を液体窒素中で急速凍結し、-80℃にて維持した。
グルコース負荷試験のために、実験の終了前に、腹腔内グルコース負荷試験を用いてグルコースクリアランスを決定した。マウスを8時間絶食させた後に、グルコース溶液(2g/kg、10%溶液として注射)を腹腔に注射した。グルコース注射の0、30、60および120分後に尾静脈から試料を採取した。血糖は、Accutrendセンサグルコース測定計を用いて測定した。
これらの実験におけるサイトカイン測定のために、製造業者(Abcam)の使用説明に従ってELISAアッセイキットを用いて、MCP-1およびTNFαサイトカイン測定を行った。
TBARS測定のために、製造業者のプロトコールに従ってTBARSパラメータアッセイキット(R&D Systems)を用いて、TBARS測定を行った。
RT-PCRのために、miRNeasy血清血漿キット(Qiagen、Hilden、Germany)を用いてRNA抽出を行った。製造業者のプロトコールに従って血清試料からRNAを抽出し、さらに、NanoDrop分析器(Thermo Scientific)を用いて260:280比率によりRNAの量および質を分析した。RNA抽出の後に、各反応について50ngのトータルRNAを用いて、RT反応のためにmiRCURY LNAユニバーサルRTマイクロRNA PCRキット(Exiqon、Vedbaek、Denmark)を用いてcDNAを調製した。さらに、SYBR緑色マスターミックスと組み合わせたmiRNA特異的プライマーを用いて、RT-PCR反応を行った。各試料を3つ組で用いて、7500 FastリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で行った最終qRT-PCR増幅データを更に正確にした。
心臓機能を評価するために、最大8匹のマウスにおいて同時に血圧を測定するCODA 8チャネルハイスループット非侵襲型血圧システム(Kent Scientific Corporation)を用いて、マウスにおける収縮期/弛緩期血圧を測定した。左室容積、駆出率、心筋パフォーマンス指数および相対壁厚を測定することによる心肥大の評価のために、経胸壁心エコー(TTE)を行った。
本実施例のための上記の実験において、実験群間の統計的有意性は、多重比較分析のTukey事後検定法により決定した(P<0.05)。処置群間の比較のために、一元配置分散分析(ANOVA)により帰無仮説を検定した。データは、平均±SEMとして表す。
結果の分析の際に、脂肪細胞を特異的に標的にするレンチ-アディポネクチン-NaKtide が、マウス実験的尿毒症性心筋症モデルにおける酸化ストレスを減弱し、代謝プロファイル、ミトコンドリア生合成および適応性熱産生を改善することが観察された。レンチウイルス遺伝子標的化の有効性および特異性を評価するために、レンチ-アディポネクチン-eGFPおよびレンチ-アディポネクチン-eGFP-NaKtideを注射したC57BL/6マウスから脂肪および肝臓組織を採収した(図15A)。免疫蛍光染色は、脂肪切片において容易に検出できるGFPおよびNaKtide発現を示したが、肝臓組織において検出可能な発現は観察されなかった。この研究において、上記のようにマウスにレンチ-アディポネクチン-GFP-NaKtideを注射した後に同じ日に部分的腎摘出術(PNx)を行って、実験的尿毒症性心筋症モデルを樹立した。結果は、レンチ-アディポネクチン-NaKtideが、C57BL/6 PNxモデルにおいて酸化ストレス、耐糖能を改善し、サイトカインレベルを有意に低減したことを示した(図15B~15E)。PGC-1αおよびSirt3は、ミトコンドリア生合成を媒介し、白色脂肪の褐色化(熱産生脂質)を引き起こす、十分に確立されたマーカーである。RT-PCR分析は、レンチ-アディポネクチン-NaKtideがPGC-1αおよびSirt3発現を有意に改善することを示し、このことは、ミトコンドリア生合成の改善および熱産生機能の回復を示す(図15F~15G)。
脂肪細胞を特異的に標的にし、尿毒症性心筋症を減弱するレンチ-アディポネクチン-NaKtide構築物の能力を、次に評価した。心臓線維化に対する影響に加えて、脂肪細胞を特異的に標的にするNaKtideは、マウスにおける実験的腎不全を用いて見られたように、拡張障害(エコー測定により評価)、心肥大(心臓重量/体重比率およびLVMIならびにエコーでの壁厚により評価)、血漿クレアチニンレベルおよび貧血を減弱した(図16A~16E)。C57BL/6 PNxモデルが重篤な高血圧症を生じないので、NaKtideのBP効果は最小限であった。
脂肪細胞を特異的に標的にするレンチ-アディポネクチン-NaKtideは、マウス実験的尿毒症性心筋症モデルの脂肪組織における炎症遺伝子、アポトーシス遺伝子およびミトコンドリア生合成遺伝子発現も減弱した。RT-PCR分析は、脂肪細胞を特異的に標的にするレンチ-アディポネクチン-NaKtideが、炎症の遺伝子発現(TNF-αおよびIL-6)およびアポトーシスマーカー(Casp7およびBax)を脂肪組織において減弱したことを証明した(図17A~17D)。炎症およびアポトーシスに対する影響に加えて、脂肪細胞を標的にするNaKtideは、ミトコンドリア制御およびミトコンドリア生合成に関与するマーカーの変更されたレベルを改善した(レプチン、F4/80、PGC-1αおよびSirt3;図18A~18D)。
ここに開示する主題の様々な詳細を、ここに開示する主題の範囲を逸脱することなく変更できることが理解される。さらに、上記の記載は、説明のためだけであり、限定を目的としない。
本書面全体にわたって、様々な参考文献に言及した。このような参考文献は全て、以下のリストに示す参考文献を含んで、参照により本明細書に組み込まれる。
参考文献
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Claims (20)

  1. Na/K ATPアーゼ/Src受容体複合体のポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸配列を含む発現ベクターであって、ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸が、特定の細胞または組織においてポリペプチドアンタゴニストを発現するためのプロモーターに作動可能に連結されている、発現ベクター。
  2. ポリペプチドアンタゴニストが、配列番号1の配列またはその断片および/もしくはバ
    リアントを含む、請求項1に記載の発現ベクター。
  3. ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸が、配列番号5の配列またはその断片および/もしくはバリアントを含む、請求項1に記載の発現ベクター。
  4. プロモーターが、アディポネクチンプロモーター、アルブミンプロモーター、メラニンプロモーター、フォン・ウィルブランド因子プロモーター、アルファミオシン重鎖プロモーター、SGLT2プロモーター、MyoDプロモーター、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プ
    ロモーターおよびシナプシンI(SYN1)プロモーターから選択される、請求項1に記載の発現ベクター。
  5. プロモーターが、肝臓特異的、内皮細胞特異的または脂肪細胞特異的である、請求項1に記載の発現ベクター。
  6. 発現ベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項1に記載の発現ベクター。
  7. 請求項1に記載の発現ベクターを含むウイルス粒子。
  8. 請求項1に記載の発現ベクターを含む標的細胞。
  9. 標的細胞が、哺乳動物である、請求項8に記載の標的細胞。
  10. 細胞が、マウス細胞またはヒト細胞である、請求項8に記載の標的細胞。
  11. 標的細胞が、脂肪細胞、肝臓細胞または内皮細胞である、請求項8に記載の標的細胞。
  12. 請求項1に記載の発現ベクターと、薬学的に許容されるビヒクル、キャリアまたは補形剤とを含む医薬組成物。
  13. 請求項1に記載の発現ベクターを、それを必要とする対象に投与することを含む、Src
    関連疾患を処置する方法。
  14. Src関連疾患が、血管疾患、循環器疾患、前立腺癌、乳癌、神経芽腫、組織線維症、虚
    血/再灌流損傷、骨粗鬆症、網膜症および肥満症からなる群から選択される、請求項13に
    記載の方法。
  15. Src関連疾患が、循環器疾患であり、循環器疾患が、尿毒症性心筋症である、請求項14
    に記載の方法。
  16. Src関連疾患が、肥満症である、請求項14に記載の方法。
  17. ポリペプチドアンタゴニストが、配列番号1の配列またはその断片および/もしくはバ
    リアントを含む、請求項13に記載の方法。
  18. ポリペプチドアンタゴニストをコードする核酸が、配列番号5の配列またはその断片および/もしくはバリアントを含む、請求項17に記載の方法。
  19. プロモーターが、アディポネクチンプロモーター、アルブミンプロモーター、メラニンプロモーター、フォン・ウィルブランド因子プロモーター、アルファミオシン重鎖プロモーター、SGLT2プロモーター、MyoDプロモーター、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プ
    ロモーターおよびシナプシンI(SYN1)プロモーターから選択される、請求項13に記載の方法。
  20. 発現ベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項13に記載の方法。
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