JP2023113644A - 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法 - Google Patents

2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023113644A
JP2023113644A JP2023077544A JP2023077544A JP2023113644A JP 2023113644 A JP2023113644 A JP 2023113644A JP 2023077544 A JP2023077544 A JP 2023077544A JP 2023077544 A JP2023077544 A JP 2023077544A JP 2023113644 A JP2023113644 A JP 2023113644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cardiovascular
patient
disease
canagliflozin
fatal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023077544A
Other languages
English (en)
Inventor
アール. ローゼンタール,ノルマン
R Rosenthal Norman
ケー. ウェイズ,ダグラス
K Ways Douglas
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Janssen Pharmaceutica NV
Original Assignee
Janssen Pharmaceutica NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Janssen Pharmaceutica NV filed Critical Janssen Pharmaceutica NV
Publication of JP2023113644A publication Critical patent/JP2023113644A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7042Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/38Heterocyclic compounds having sulfur as a ring hetero atom
    • A61K31/381Heterocyclic compounds having sulfur as a ring hetero atom having five-membered rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Abstract

【課題】2型糖尿病と心血管疾患を併発している患者に対する、心血管リスク因子及び/又は心血管疾患の進行を低減、予防、又は減速させるための組成物を提供する。【解決手段】患者の1つ以上の主要心血管イベント(MACE)の発生率を低減する方法において使用する、1日1回100mg~300mgの量で投与されるカナグリフロジンを含む医薬組成物であって、MACEイベントはそれぞれ、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、および心血管死亡から選択され、前記患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、さらに、微小血管障害、アテローム性動脈硬化性疾患およびこれらの組み合わせから選択される心血管疾患の既往歴を有し、前記カナグリフロジンは、プラシーボに対して、95%信頼空間(CI)を有する約0.75~約0.97の範囲の値のハザード比(HR)で測定される1つ以上のMACEイベントの発生率を低減する、医薬組成物である。【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は米国特許仮出願第62/518,547号(2017年6月12日出願)に対
する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、カナグリフロジンの投与を含む、心血管リスク因子及び/又は心血管疾患の
進行を低減、予防、又は減速させるための方法を対象とする。
心血管疾患(CVD)は、心臓又は血管を含む、疾患の一種類である。
血管に関わる多くの心血管疾患が存在する。これらは血管疾患として知られており、冠
動脈疾患(冠状動脈性心疾患及び虚血性心疾患としても知られており、狭心症、心筋梗塞
などを含むがこれらに限定されない)、末梢動脈疾患(血液を腕及び脚に供給する血管疾
患)、脳血管疾患(脳卒中又は虚血を含む脳に血液を供給する血管の疾患)、腎動脈狭窄
、大動脈瘤を含むものである。
心臓に関わる多くの心血管疾患が存在するが、それらには、心筋症、(心筋の疾患)、
高血圧性心疾患(高血圧又は高血圧症から派生する心臓の疾患)、心不全(組織の代謝要
件を満たすのに十分な血液を組織に供給することができない、心臓の能力不足によって引
き起こされる臨床症候群)、肺性心疾患(呼吸系が関わる、心臓の右側の不全)、不整脈
(心リズムの異常)、炎症性心疾患、心内膜炎(心臓の内層、すなわち心内膜、最も一般
的には心臓弁に関わる心内膜の炎症)、炎症性心肥大、心筋炎(心筋、すなわち心臓の筋
肉部分の炎症)、心臓弁膜症、先天性心疾患(出生時に存在する心臓の構造奇形)、リウ
マチ性心疾患(リウマチ熱による心筋及び心臓弁の損傷)が含まれる。
疾患の背後にあるメカニズムは、その疾患に応じて変化するものであるが、心疾患には
、例えば以下のような多くのリスク因子が存在する:年齢、性別、喫煙、運動不足、過剰
なアルコール消費、不健康な食事、肥満、心血管疾患の遺伝的素因及び家族歴、血圧の上
昇(高血圧症)、血糖値の上昇(2型糖尿病を含む)、血中コレステロールの上昇(高脂
血症)、心理社会的因子、貧困及び低教育状態、並びに空気汚染。各リスク因子の個々の
寄与は、異なるコミュニティ又は民族群どうしの間で異なるが、これらのリスク因子の全
体的な寄与は、非常に一貫している。例えば年齢、性別、又は家族歴/遺伝的素因などの
、上記のリスク因子の一部は、変えることのできないものであるが、多くの重要な心血管
リスク因子は、ライフスタイルの変化、社会的な変化、薬物治療(例えば、高血圧症、高
脂血症、及び糖尿病の予防)によって改めることが可能である。
冠動脈疾患、脳卒中、及び末梢動脈疾患には、アテローム性動脈硬化症を伴い、アテロ
ーム性動脈硬化症の方は、とりわけ、高血圧、喫煙、糖尿病、運動不足、肥満、高い血中
コレステロール、貧弱な食事、及び過剰なアルコール消費によって引き起こされ得る。高
血圧は、心血管疾患(CVD)による死亡例のうちの13%を引き起こし、その一方で、
タバコは9%、糖尿病は6%、運動不足は6%、そして肥満は5%を引き起こしている。
現在心血管疾患を患っていること、あるいは過去に心血管イベント(例えば、心臓発作
又は脳卒中)を経験していることは、将来心血管イベントに見舞われることの最も強い予
測因子である。年齢、性別、喫煙、血圧、血中脂質、及び糖尿病は、心血管疾患にかかっ
たことがないという人々における、将来の心血管疾患にり患することについての重要な予
測因子である。これらの測定値、及び時にはその他のものを組み合わせて、ある個人が心
血管疾患にかかる将来のリスクを推定するための複合リスクスコアとしてもよい。それぞ
れの利点については議論されているものの、多数のリスクスコアが存在する。他の診断試
験及びバイオマーカーは評価の最中であるが、現在のところ、それらを日常的に使用する
ことを裏付ける、明確な証拠が欠如している。これらには、家族歴、冠動脈の石灰化スコ
ア、高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)、足関節・上腕血圧指数、リポタンパク
質サブクラス及び粒子濃度、リポタンパク質(a)、アポリポタンパク質A-I及びB、
フィブリノゲン、白血球数、ホモシステイン、N末端プロ脳ナトリウム利尿ペプチド、並
びに腎臓機能のマーカーが挙げられる。高い血中リン濃度もまた、リスクの増加に関連す
る。
心血管疾患(CVD)の90%が防止可能であると推定されている。アテローム性動脈
硬化症の予防には、健康な食事の摂取、運動、タバコの煙の回避、及びアルコール摂取の
制限を通じた、リスク因子の改善を伴う。例えば高血圧、血中脂肪、及び糖尿病などのリ
スク因子を治療することも有益である。心血管疾患(CDV)以外の点では健康な人々が
アスピリンを使用した場合の効果については、その利益は不明瞭である。
心血管疾患は、世界での死亡の主な原因である。これは、世界の、アフリカ以外の全て
の地域において当てはまる。世界全体で、2015年には、1790万人(32.1%)
の死亡を引き起こし、この数は、1990年の1230万人(25.8%)から上昇して
いる。冠動脈疾患及び脳卒中は、男性の心血管疾患(CVD)による死亡原因の80%、
女性における心血管疾患(CVD)による死亡原因の75%を占める。大部分の心血管疾
患は、高齢者に影響を及ぼす。米国では、20歳から40歳の人の11%が心血管疾患(
CVD)にかかっているが、40歳から60歳の人では37%、60歳から80歳の人で
は71%、80歳を超える人では85%が、心血管疾患(CVD)にかかっている。
そのため、2型糖尿病とそれに併発する又は併存する心血管疾患とにかかっている患者
、又は2型糖尿病にかかっていて、それに併発する又は併存する心血管疾患のリスクを有
する患者に対する、安全かつ有効な更なる治療法に対する必要性が依然として存在してい
る。
本発明は、1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法を対象とし、その
方法は、それを必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、患者が、1つ以上
の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更に示すか、又はそれと診
断されている。
本発明は、1つ以上のMACE(主要心血管イベント)を低減又は予防するための方法
を対象とし、その方法は、それを必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与
することを含み、
それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、患者が、1つ以上
の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更に示すか、又はそれと診
断されている。
本発明は更に、主要心血管イベント(MACE)のリスクが高まっている患者を治療す
る方法を更に対象とし、その方法は、MACEのリスクが高まっている患者の治療法を選
択することと、患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することと、を含み、MAC
Eのリスクが高まっている患者が更に、2型糖尿病とすでに診断されており、かつ治療上
有効な量のカナグリフロジンが、高まっているMACEのリスクを低減させるのに十分で
ある。
本発明は、1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法を対象とし、その
方法は、それを必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、患者が、1つ以上
の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更に示すか、又はそれと診
断されており、
心血管イベント(低減又は予防されるべき)が、心血管を原因とする入院、非致死性心
筋梗塞、非致死性虚血又は脳卒中、及び心血管死亡(突然の心臓死を含むが、これらに限
定されない)からなる群から選択される。
本発明は、1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法を更に対象とし、
その方法は、それを必要とする患者に治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含
み、
それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、患者が、微量アル
ブミン尿症(ACRが30mg/g以上かつ300mg/g以下)又は顕性アルブミン尿
症(ACRが300mg/g超)と更に診断され、更に、患者が、1つ以上の併発又は併
存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更に示すか、又はこれらと診断されてい
て、
心血管イベント(低減又は予防されるべき)が、心血管を原因とする入院、非致死性心
筋梗塞、非致死性虚血又は脳卒中、及び心血管死亡(突然の心臓死を含むが、これらに限
定されない)からなる群から選択される。
心血管転帰を評価するための、事前に明示された仮説の試験計画を詳述するフローチャートを示す。 糖化ヘモグロビンに対するカナグリフロジンの効果を示す。 体重に対するカナグリフロジンの効果を示す。 収縮期(最高)血圧に対するカナグリフロジンの効果を示す。 拡張期(最低)血圧に対するカナグリフロジンの効果を示す。 心血管転帰、腎臓転帰、入院という転帰、及び死亡という転帰に対するカナグリフロジンの効果を示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、心血管が原因の死亡、非致死性発作の発症、又は非致死性心筋梗塞の発症について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、心血管が原因の死亡について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、非致死性発作の発症について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、非致死性心筋梗塞の発症について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、心不全による入院について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、全ての原因による死亡率について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、アルブミン尿症の進行について示す。 心血管転帰及び腎臓転帰に対するカナグリフロジンの効果を示し、より具体的には、腎臓複合イベントについて示す。
本発明は、1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法を対象とするが、
その方法は、本明細書により詳細に記載されるように、それを必要とする患者に、治療有
効量のカナグリフロジンを投与することを含むものである。
特定の実施形態では、本発明は、心血管イベント、心血管が原因の入院、非致死性心筋
梗塞、非致死性の虚血性イベント若しくは虚血発作、又は心血管死亡を低減又は予防する
ための方法を対象とする。特定の実施形態では、本発明は、1つ以上のMACE(主要有
害心イベント)を低減又は予防するための方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、心血管に関する症状又はイベントによる入院を低減又
は予防するための方法を対象とする。特定の実施形態では、本発明は2型糖尿病及びそれ
に併発する又は併存する1つ以上の心血管リスク因子又は心血管疾患と診断された患者に
おいて、その少なくとも約2%、3%、5%、10%、12%、15%、18%、20%
、22%、25%、28%、又は30%が心血管を原因として入院するのを予防するため
の方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、非致死性心筋梗塞を低減又は予防するための方法を対
象とする。特定の実施形態では、本発明は、2型糖尿病及びそれに併発する又は併存する
1つ以上の心血管リスク因子又は心血管疾患と診断された患者において、その少なくとも
約2%、3%、5%、10%、12%、15%、18%、20%、22%、25%、28
%、又は30%が非致死性心筋梗塞を起こすのを予防するための方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、非致死性虚血イベント又は虚血発作を低減又は予防す
るための方法を対象とする。特定の実施形態では、本発明は、2型糖尿病及びそれに併発
する又は併存する1つ以上の心血管リスク因子又は心血管疾患と診断された患者において
、その少なくとも約2%、3%、5%、10%、12%、15%、18%、20%、22
%、25%、28%、又は30%が非致死性の虚血性イベント又は虚血発作を起こすのを
予防するための方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、心血管死亡を低減又は予防するための方法を対象とす
る。特定の実施形態では、本発明は、2型糖尿病、及びそれに併発する又は併存する1つ
以上の心血管リスク因子又は心血管疾患と診断された患者において、その少なくとも約2
%、3%、5%、10%、12%、15%、18%、20%、22%、25%、28%、
又は30%が心血管を原因として死亡するのを予防するための方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、治療有効量のカナグリフロジンを患者に投与すること
を含む、2型糖尿病患者を治療するための安全かつ有効な方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、患者が、心血管が原因の入院、心血管イベント、又は
心血管死亡を起こすリスクを減少させる方法であって、治療有効量のカナグリフロジンを
患者に投与することを含む方法を対象とし、
その患者は、2型糖尿病と診断されており、かつその患者は、高血圧症又は高血圧(例
えば、収縮期高血圧、拡張期高血圧、又は140/90mmHg超、好ましくは約145
/95mmHg超の血圧)、高コレステロール(高脂血症)、高LDLレベル、低HDL
レベル、高トリグリセリド、肥満(例えば、30超のBMIで定義されるもの、好ましく
は40超のBMIによって定義される病的肥満)、心血管疾患(例えば、既往症としての
心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中)、微量アルブミン尿症(例えば、30mg/g以上
かつ300mg/g以下のACRによって定義されるもの)、顕性アルブミン尿症(例え
ば、300mg/g超のACRによって定義されるもの)、末梢血管疾患(例えば、頚動
脈狭窄症、大腿動脈狭窄症)、現在又は過去の喫煙、心血管疾患の家族歴、及び男性であ
ることからなる群から選択される1つ以上の心血管リスク因子を有すると更に診断される
か又はその症状を示す。
特定の実施形態では、本発明は、心不全(クラスI~クラスIV、好ましくはクラスI
IからクラスIV、より好ましくはクラスIII又はクラスIVを含む)にかかっている
患者における心血管イベントを予防又は低減するための方法を対象とし、心不全は、以下
のうちの1つ以上によって示される:
a)うっ血性心不全の既往歴、又は現在の症状、
b)最小限の労作によって起こる心不全の症状、
c)心不全による患者の入院、
d)NYHAクラスIVの心不全による患者の入院、
e)NYHAクラスIIIの心不全による患者の入院、
f)NYHAクラスIIの心不全による患者の入院
g)NYHAクラスIの心不全による患者の入院、又は
h)心不全の治療のための入院又は静脈内治療を必要とする、最近の代償不全を伴う心
不全による患者の入院。
特定の実施形態では、本発明は、うっ血性心不全にかかっている患者における、心血管
イベントを予防又は低減するための方法を対象とし、うっ血性心不全は、
a)安定な血行力学的条件におけるうっ血性心不全、
b)安定な血行力学的条件における、0.35未満に低下した左室駆出分画によって定
義されるうっ血性心不全、
c)安定な血行力学的条件における、NYHAクラスIとして定義されるうっ血性心不
全、
d)安定な血行力学的条件における、NYHAクラスIIとして定義されるうっ血性心
不全、
e)安定な血行力学的条件における、NYHAクラスIIIとして定義されるうっ血性
心不全、又は
f)安定な血行力学的条件における、NYHAクラスIVとして定義されるうっ血性心
不全、である。
特定の実施形態では、本発明は、2型糖尿病及び併発性又は併存性のうっ血性心不全(
例えば、NYHAクラスIV、NYHAクラスIII、NYHAクラスII及びNYHA
クラスIを含む)と診断された患者における、心血管イベントを予防又は低減するための
方法を対象とする。
特定の実施形態では、本発明は、不安定な血行力学的条件における心不全にかかってい
る患者における、心血管イベントを予防又は低減するための方法を対象とし、不安定な血
行力学的条件における心不全は、以下のいずれかによって定義され得る:
a)安静時に、又は最小限の労作によって、心不全の症状を悪化させること、
b)安静時のうっ血性心不全の既往症、又は現在の症状、
c)先月、すなわち治療又は心不全による入院開始前の月に、最小限の労作によって起
きた心不全の症状、
d)NYHAクラスIV、
e)NYHAクラスIII、
f)NYHAクラスII、
g)NYHAクラスI、又は
h)心不全の治療のための入院又は静脈内治療を必要とする、最近の代償不全。
特定の実施形態では、本発明は、主要心血管イベントの前兆となる、1つ以上の診断指
標を好適に調節(又は改善)する方法を対象とする。そのような診断指標は多数あり、例
えば、血圧、トレドミル試験、トロポニン試験、液量、心拍出量、駆出分画、心筋症、心
臓肥大症、ECGの異常、外部酸素依存性、利尿剤必要量、心不全による入院、不安定な
プラーク、狭心症、不整脈、QT時間、高トリグリセリド、高LDL値、又は低HDL値
などが挙げられる。特定の実施形態では、患者における主要心血管イベントの前兆となる
診断指標のこのような好ましい調節は、主要心血管イベント(MACE)のリスクのレベ
ルが同じ患者であって、本明細書に提供される方法に従ってカナグリフロジンを投与する
ことによる治療を受けていない患者におけるMACEの前兆となる診断指標に対して、少
なくとも又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、4
0%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%の調節であり得る。
特定の実施形態では、本発明の方法は、例えば、ある特定の心血管イベント又はその転
帰(例えば、心血管死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中、致死性脳卒中、非致死性脳卒中、
非致死性HUSA(不安定性狭心症による入院)、冠動脈血行再建術、及び/又はあらゆ
る死亡)について、患者にあるハザード比(HR)(業界標準により、治療を受けた患者
群におけるリスクをプラシーボを投与された患者群のリスクと比較したもの)をもたらす
が、そのハザード比は、約1.0~約0.50の範囲、又はその範囲中の任意の量若しく
は範囲であり、好ましくは、約0.90~約0.60の範囲内、より好ましくは約0.9
0~約0.75の範囲、より好ましくは約0.85~約0.65の範囲であり、例えば、
約1.0、0.99、0.98、0.97、0.96、0.95、0.94、0.93、
0.92、0.91、0.90、0.89、0.88、0.87、0.86、0.85、
0.84、0.83、0.82、0.81、0.80、0.79、0.78、0.77、
0.76、0.75、0.74、0.73、0.72、0.71、0.70、0.69、
0.68、0.67、0.66、0.65、0.64、0.63、0.62、0.61、
0.60、0.59、0.58、0.57、0.56、0.55、0.54、0.53、
0.52、0.51、若しくは0.50未満であり、又は前述の値のうちのいずれか2つ
によって定義される任意の範囲である。
特定の実施形態では、本発明の方法によって提供される1つ以上の改善(例えば、1つ
以上のMACEのリスクの低減、有害心血管イベントの予測される重大度の低下、有害心
血管イベントによる予測される死亡率の低下、患者の心血管疾患の進行の減少、患者の予
測寿命の増加、又は心血管有害イベントが次に発生するまでの予測される時間の増加、患
者における心血管インターベンションの有効性の向上、又は主要心血管イベントの前兆と
なる診断指標における好ましい変化)は、カナグリフロジンの投与の中断後、ある期間継
続し得る。特定の実施形態では、この期間は、少なくとも約1、2、3、4、5、若しく
は6ヶ月間、又は0.5、1、2、3、4、若しくは5年間、又は1~6ヶ月の間、1ヶ
月~1年の間、4ヶ月~2年の間、又は6ヶ月~5年の間である。
本発明の特定の実施形態では、本発明の方法によって提供される1つ以上の改善(例え
ば、1つ以上のMACEのリスクの低減、有害心血管イベントの予測される重大度の低下
、有害心血管イベントによる予測される死亡率の低下、患者の心血管疾患の進行の減少、
患者の予測寿命の増加、又は心血管有害イベントが次に発生するまでの予測される時間の
増加、患者における心血管インターベンションの有効性の向上、又は主要心血管イベント
の前兆となる診断指標における好ましい変化)は、対照集団と比較(例えば、カナグリフ
ロジンを投与された患者とプラシーボを投与された患者との間の比較)して、治療を受け
た患者集団において見られる。特定の実施形態では、上記2つの患者集団の間で、又はわ
ずか約24週間のうちに、好ましくはわずか約6~12週間のうちに改善(例えば、MA
CEの転帰における)が観察され得る。
本発明の特定の実施形態では、それ(1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するこ
と)を必要とする患者は、2型糖尿病と診断された患者であり、かつそれに併発する又は
併存する1つ以上の心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更に示しているか、又はそ
のように診断された患者である。
本発明の特定の実施形態では、2型糖尿病と診断された患者は、7.0%以上かつ10
.5%以下の範囲のHbA1c測定値を有する。
本発明の特定の実施形態では、患者は年齢が30歳超であり、少なくとも非致死性心筋
梗塞、非致死性脳卒中の既往症を有するか、又は症候性のアテローム性動脈硬化性血管疾
患の既往症を有する。本発明の特定の実施形態では、患者は年齢が50歳超であり、血管
疾患の2つ以上のリスク因子(尿中アルブミン対クレアチニンの比が高いことを含むがこ
れらに限定されない)を呈するか又は示す。
本発明の特定の実施形態では、上記の1つ以上の心血管リスク因子は、高血圧(例えば
、上昇した収縮期血圧、上昇した拡張期血圧、又は約145/95mmHg超の血圧)、
高コレステロール(高脂血症)、高LDLレベル、低HDLレベル、高トリグリセリド、
肥満(例えば、30超のBMIで定義されるもの、好ましくは40超のBMIによって定
義される病的肥満)、心血管疾患(例えば、既往症としての心筋梗塞、狭心症、心不全、
脳卒中)、微量アルブミン尿症(例えば、30mg/g以上かつ300mg/g以下のA
CRによって定義されるもの)、顕性アルブミン尿症(例えば、300mg/g超のAC
Rによって定義されるもの)、末梢血管疾患(例えば、頚動脈狭窄症、大腿動脈狭窄症)
、現在又は過去の喫煙、心血管疾患の家族歴、及び男性であることからなる群から独立し
て選択される。
本発明の特定の実施形態では、患者は、約30mL/分/1.73m超、好ましくは
約60mL/分/1.73m超のeGFR測定値を有する。本発明の特定の実施形態で
は、患者は、約90mL/分/1.73m未満、及び約60mL/分/1.73m
のeGFR測定値を有する。
本発明の特定の実施形態では、心血管疾患は、心不全(うっ血性心不全を含むが、これ
らに限定されない)、心不整脈、心房細動、心室細動、頻脈性不整脈(洞性頻脈ではない
もの)、狭心症(不安定性狭心症を含むが、これらに限定されない)及び高血圧症からな
る群から選択される。
本発明の特定の実施形態では、患者は、1回以上の冠動脈バイパス又はステントによる
治療歴を有する。本発明の特定の実施形態では、患者は、1回以上の静脈血栓塞栓症又は
肺塞栓症の既往症を有する。本発明の特定の実施形態では、患者は、1回以上の非致死性
脳卒中の既往症を有する。本発明の特定の実施形態では、患者は、1回以上の非致死性心
筋梗塞の既往症を有する。
本発明の特定の実施形態では、患者は、30mg/g以上かつ300mg/g以下のA
CR測定値を有する(すなわち、患者は微量アルブミン尿症と診断される)。本発明の特
定の実施形態では、患者は、300mg/g超のACR測定値を有する(すなわち、患者
は、顕性アルブミン尿症と診断される)。
本発明の特定の実施形態では、それ(1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するこ
と)を必要とする患者は、2型糖尿病と診断された患者であり、微量アルブミン尿症(A
CRが30mg/g以上かつ300mg/g以下)又は顕性アルブミン尿症(ACRが3
00mg/g超)と更に診断され、かつそれに併発する又は併存する1つ以上の心血管リ
スク因子又は心血管疾患の症状を更に示しているか、又はそのように診断された患者であ
る。
本発明の特定の実施形態では、患者は、2型糖尿病を有し、治療時に以下の特徴のうち
の1つ以上を更に有する:a)現在心血管疾患を患っているか又は心血管疾患である可能
性が高いこと、b)うっ血性心不全であること、c)心血管疾患の家族歴があること、d
)現在喫煙者であること、e)心血管疾患に遺伝的にかかりやすいこと、f)心不整脈に
現在かかっている又は過去にかかっていたこと、g)心房細動、心室細動、又は頻脈性不
整脈にかかっているか又は過去にかかっていたこと、h)洞性頻脈にかかっていないこと
、i)不安定性狭心症にかかっていること、j)高血圧症にかかっていること、k)脳卒
中にかかったことがあるか、又は脳卒中のリスクが高まっていること、l)動脈瘤にかか
っていること、及び/又はm)中性脂肪値が高いこと、LDL値が高いこと、及び/又は
HDL値が低いこと。
本発明の特定の実施形態では、患者は、心管疾患と確認診断されているか、又は心血管
疾患の可能性が高いかのいずれかであり、更に、その患者は、以下のうちの少なくとも1
つ以上を有する:a)記録された心筋梗塞の既往症、b)冠状動脈血管再建術の治療歴、
c)頚動脈又は末梢血管再建術の治療歴、d)虚血性変化を伴う狭心症、e)段階的運動
試験におけるECGの変化、f)心臓画像検査での陽性、g)0.9未満の足関節・上腕
血圧指数、及び/又はh)冠動脈、頚動脈、又は下肢動脈の50%を超える狭窄症。
本発明の特定の実施形態では、患者は、以下のものの1つ以上を有する:(a)心筋梗
塞、(b)狭心症の既往症、(c)脳血管疾患の既往症、(d)脳卒中の既往症、(e)
洞性頻脈以外の頻脈の既往症、又は(f)肥満手術、心臓手術、又は冠動脈形成術の計画
特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、主要心血管イベント(MACE)
のリスクを低減する。
本発明の特定の実施形態では、主要心血管イベントは、心血管死亡、非致死性心筋梗塞
、心不整脈、又は非致死性脳卒中である。本発明の特定の実施形態では、主要心血管イベ
ントは、心血管死亡である。本発明の特定の実施形態では、心血管死亡は、致死性心筋梗
塞及び/又は脳卒中から生じる。本発明の特定の実施形態では、主要心血管イベントは非
致死性脳卒中である。本発明の特定の実施形態では、主要な有害心血管イベントは、非致
死性心筋梗塞である。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、有害心血管イベントの予測される重大度を低
減する。本発明の特定の実施形態では、本方法は、有害心血管イベントに起因する予測さ
れる死亡率を減少させる。本発明の特定の実施形態では、本方法は、被験者の予測寿命を
増加させる。本発明の特定の実施形態では、本方法は、有害心血管イベントどうしの間の
予測される時間を増加させる。本発明の特定の実施形態では、本方法は、被験者における
心血管インターベンションの有効性を高める。本発明の特定の実施形態では、方法は、主
要心血管イベントの前兆となる診断指標を良好に調節する。本発明の特定の実施形態では
、本方法は、心血管疾患の進行を減少させる。
本発明の特定の実施形態では、上記の有害な転帰は、MACE(心血管(CV)死、非
致死性心筋梗塞(MI)、脳卒中、致死性脳卒中、非致死性脳卒中を含む)、非致死性H
USA(不安定性狭心症による入院)、冠動脈血管再建術、及び/又は死因を問わない総
死亡率からなる群から選択される1つ以上のイベントである。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、(心血管(CV)死、非致死性心筋梗塞(M
I)、脳卒中、致死性脳卒中、非致死性脳卒中を含む)、非致死性HUSA(不安定性狭
心症による入院)、冠動脈血管再建術、及び/又は死因を問わない総死亡率からなる群か
ら選択される1つ以上のイベントの、最初の発生までの時間を増加させる。
特定の実施形態では、本発明の方法は、有害心血管イベントの予測される重大度を低減
するか、又は有害心血管イベントに起因する予測される死亡率を減少させるか、又は心血
管疾患の進行を減少させる。
特定の実施形態では、本発明の方法は、被験者の予測寿命、有害心血管イベントどうし
の間の予測される時間、又は被験者における心血管インターベンションの有効性を増加さ
せる。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、被験者における主要心血管イベント(MAC
E)のリスク、有害心血管イベントの予測される重大度、有害心血管イベントに起因する
予測される死亡率、及びそれらを組み合わせたもののうちの1つ以上を減少させるが、リ
スク、予測される重大度、又は予測される死亡率の低減は、主要心血管イベントのリスク
、有害心血管イベントの予測される重大度、有害心血管イベントに起因する予測される死
亡率のレベルが同じ被験者でありながら、カナグリフロジンの投与による治療を受けてい
ない被験者に対して、少なくとも又は少なくとも約2%、3%、5%、8%、10%、1
2%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%の減少で
ある。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、患者における心血管疾患の進行を減少させる
のに有効であり、心血管疾患の進行の減少は、心血管疾患の進行が同じレベルの患者であ
りながら、カナグリフロジンの投与による治療を受けていない患者に対して、少なくとも
又は少なくとも約2%、3%、5%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、
30%、35%、40%、45%、又は50%の減少である。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、患者の予想寿命を増加させること、又は有害
心血管イベントが次回発生するまでの予想される時間を増加させることに有効であり、こ
の増加は、主要心血管イベント(MACE)のリスクのレベルが同じでありながら、カナ
グリフロジンの投与による治療を受けていない患者に対して、少なくとも又は少なくとも
約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ
月、11ヶ月、12ヶ月、14ヶ月、16ヶ月、18ヶ月、20ヶ月、又は24ヶ月であ
る。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、患者における心血管インターベンションの有
効性を増加させるが、この増加は、主要心血管イベント(MACE)のリスクのレベルが
同じで、同じ心血管介入を受けていながら、カナグリフロジンの投与による治療を受けて
いない患者における心血管介入の予想される有効性に対して、少なくとも又は少なくとも
約2%、3%、5%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%
、40%、45%、又は50%である。
本発明の特定の実施形態では、本方法は、主要心血管イベントの前兆となる診断指標を
良好に調節するが、その好ましい調節は、主要心血管イベント(MACE)のリスクのレ
ベルが同じでありながら、カナグリフロジンの投与による治療を受けていない患者におけ
る主要心血管イベントの前兆となる診断指標に対して、少なくとも又は少なくとも約2%
、3%、5%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40
%、45%、又は50%の調節である。
カナグリフロジンは、本明細書に記載されているような治療又は予防を必要とするとき
にはいつでも、任意の組成物で、当該技術分野において確立されている薬物投与法に従っ
て投与してよい。
投与すべき最適な(カナグリフロジンの)用量は、当業者が容易に決定し得るものであ
り、かつ、例えば、投与方法、調製物の強度、及び疾病の病状の進行度によって様々に変
化する。加えて、患者の年齢、体重、食事、及び投与回数をはじめとする、治療を受ける
特定の患者に関連する因子により、結果として投与量の調整が必要になる。
特定の実施形態では、本発明は、心血管イベントを治療又は予防する方法を対象とし、
カナグリフロジンが、約25mg~約500mgの範囲の投与量で、好ましくは、約50
mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、及び約
500mgからなる群から選択される投与量で投与される。
定義
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「カナグリフロジン」は、以下
の式(I-X)の化合物を意味するものとする:
又は、式(I-X)の化合物の結晶性半水和物形態を意味するものとする。
式(I-X)の化合物は、ナトリウム依存性グルコーストランスポーター(例えばSG
LT2など)に対して阻害活性を示し、本明細書に参照により組み込まれる、Nomur
a,S.らによる米国特許出願公開第2005/0233988(A1)号(2005年
10月20日公開)に開示されているようなプロセスに従って調製され得る。
本明細書で使用されるとき、用語『カナグリフロジン」は、立体異性体の混合物又は各
々純粋な異性体若しくは実質的に純粋な異性体を更に含むものとする。更に、用語「カナ
グリフロジン」は、これらの分子内塩、水和物、溶媒和物又は多形体を含む。
1つの実施形態では、用語「カナグリフロジン」は、その開示全体が参照により本明細
書に組み込まれる国際公開第2008/069327号に記載されるとおり、式(I-X
)の化合物の結晶性半水和物形態を意味する。
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、「治療する」、及び「治療」などの用
語は、疾病、病状、又は障害の治療を目的とする、被験体又は患者(好ましくは哺乳類、
より好ましくはヒト)の管理及びケアを含み、また、症状又は合併症の発生の予防、症状
又は合併症の緩和、又は疾病、病状、若しくは障害の排除のための、本発明の化合物の投
与を含むものとする。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「その進行を遅延させる」及び
「その進行を減速させる」は、(a)疾患、状態若しくは障害の1つ若しくは2つ以上の
症状若しくは合併症の発症を遅延させる若しくは減速させること、(b)疾患、状態若し
くは障害の1つ若しくは2つ以上の新しい/更なる症状若しくは合併症の発症を遅延させ
る若しくは減速させること、及び/又は(c)疾患、状態若しくは障害の当該疾患、状態
若しくは障害の後期若しくはより深刻な形態への進行を遅延させる若しくは減速させるこ
と、を含むものとする。
本明細書で使用されるとき、特に断りがない限り、用語「予防すること」及び「予防」
は、(a)1つ以上の症状の頻度を低減すること、(b)1つ以上の症状の重大度を低減
すること、(c)別の症状の発現を遅延させる若しくは回避すること、及び/又は(d)
障害若しくは病状の発現の遅延させる若しくは回避することを含むものとする。
本発明が予防の方法を目的とする場合、それを必要とする被験者(すなわち、予防を必
要とする被験者又は患者)が、予防される障害、疾患、若しくは状態のうち少なくとも1
つの症状を経験又は示したことのある任意の被験者又は患者(好ましくは哺乳動物、より
好ましくはヒト)を含むものであることを当業者は認識するであろう。更に、それ(予防
の方法)を必要とする被験者又は患者は、加えて、予防される障害、疾患、又は病状の任
意の症状も示していないが、上記障害、疾患、又は病状の進行のリスクがあると医師、臨
床医、又は他の医療専門家によって判断されている被験者又は患者(好ましくは哺乳類、
より好ましくはヒト)であり得る。例えば、特に限定されるものではないが、被験者の、
家族歴、素因、併発(重複)疾患又は併発(重複)状態、遺伝子検査などを含む被験者の
医療歴の結果として、被験者又は患者を、障害、疾患、又は状態の発現の危険性がある(
それ故に予防又は予防的治療の必要がある)とみなし得る。
本明細書で使用するとき、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医
により求められている、治療されている疾病又は障害の症状の緩和を含む、組織系、動物
又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は医薬的薬剤の量を意味
する。
用語「正常血糖値」は、被験者が、70mg/dL(3.89mmol/L)超及び1
00mg/dL(5.6mmol/L)未満の正常範囲内の空腹時血中グルコース濃度、
並びに140mg/dL未満の食後2時間のグルコース濃度を有する状態として定義され
る。
用語「高血糖症」は、被験者が、正常範囲を超える100mg/dL(5.6mmol
/L)超の空腹時血中グルコース濃度を有する状態として定義される。
用語「低血糖症」は、被験者が、正常範囲を下回る、具体的には70mg/dL(3.
89mmol/L)未満の血中グルコース濃度を有する状態として定義される。
用語「食後高血糖症」は、被験者が、200mg/dL(11.11mmol/L)超
の食後2時間の血中グルコース又は血清中グルコース濃度を有する状態として定義される
用語「空腹時血糖異常」又は「IFG」は、対象が、100~125mg/dL(すな
わち、5.6~6.9mmol/L)の範囲内の空腹時血中グルコース濃度又は空腹時血
清中グルコース濃度を有する状態として定義される。「正常な空腹時グルコース」を有す
る被験者は、100mg/dLよりも小さい、すなわち、5.6mmol/Lよりも小さ
い空腹時グルコース濃度を有する。
用語「耐糖能異常」又は「IGT」は、被験者が、140mg/dL(7.78mmo
l/L)超及び200mg/dL(11.11mmol/L)未満の食後2時間の血中グ
ルコース又は血清中グルコース濃度を有する状態として定義される。異常な耐糖能、すな
わち、食後2時間の血中グルコース又は血清中グルコース濃度は、断食後に75gのグル
コースを摂取した2時間後の1dLの血漿当たりのグルコースの血糖レベル(単位mg)
として測定され得る。「正常な耐糖能」を有する被験者は、140mg/dL(7.78
mmol/L)よりも小さい食後2時間の血中グルコース又は血清中グルコース濃度を有
する。
用語「高インスリン血症」は、インスリン抵抗性を有し、正常血糖値を有するか又は有
しない被験者が、インスリン抵抗性なしで、1.0未満(男性に関して)又は0.8未満
(女性に関して)のウエストヒップ比を有する正常で引き締まった個人の濃度を超えて上
昇した空腹時又は食後血清又は血漿インスリン濃度を有する状態として定義される。
用語「インスリン抵抗性」は、グルコース負荷に対する正常な応答を超えた循環インス
リンレベルが、血糖正常状態を維持するために必要とされる状態として定義される(Fo
rd E S,et al.JAMA,(2002年)287:356~9)。インスリ
ン抵抗性を測定する方法は、正常血糖高インスリンクランプ試験である。インスリン対グ
ルコースの比率は、組み合わされたインスリン-グルコース注入技術の範囲内で決定され
る。グルコース吸収が調査した背景集団の第一四分位数未満である場合、インスリン抵抗
性があることがわかる(WHOの定義)。クランプ試験よりもかなり容易なものは、いわ
ゆる最小モデルであり、経静脈内ブドウ糖負荷試験中、血中インスリン及びグルコース濃
度が一定の時間間隔で測定され、これらからインスリンが計算される。この方法では、肝
臓インスリン抵抗性と末梢インスリン抵抗性とを区別することが不可能である。
一般に、インスリン抵抗性を評価するために、他のパラメータが日々の臨床業務で使用
される。好ましくは、患者の中性脂肪濃度は、例えば、中性脂肪レベルの上昇がインスリ
ン抵抗性の存在と有意に相関する場合に使用される。
IGT若しくはIFG又は2型糖尿病の発症の疾病素質を有する患者は、高インスリン
血症を伴う正常血糖値を有する患者であり、定義により、インスリン抵抗性である。イン
スリン抵抗性を有する典型的な患者は、通常、体重過多又は肥満である。インスリン抵抗
性が検出され得る場合、これは、前糖尿病の存在の特に強力な指標である。したがって、
グルコース恒常性を維持するために、個人は、健康な個人の2~3倍多くのインスリンを
必要とし得るが、これは、いかなる臨床症状ももたらさない。
用語「前糖尿病」は、個人が2型糖尿病を発症しやすい状態である。前糖尿病は、耐糖
能異常の定義を、100mg/dLの正常範囲上限内の空腹時血糖(J.B.Meigs
,et al.Diabetes 2003;52:1475~1484)及び空腹時高
インスリン血症(血漿インスリン濃度の上昇)を有する個人を含むことにまで広げる。深
刻な健康への脅威として前糖尿病を同定するための科学的及び医学的基礎は、Ameri
can Diabetes Association及びNational Insti
tute of Diabetes and Digestive and Kidne
y Diseasesによって共同で発行された「The Prevention or
Delay of Type 2 Diabetes」と題する見解報告書で説明され
る(Diabetes Care 2002;25:742~749)。インスリン抵抗
性を有する可能性がある個体は、以下の特質:1)体重過多又は肥満、2)高血圧、3)
高脂血症、4)IGT若しくはIFG又は2型糖尿病と診断された1人以上の一等親血縁
者、のうちの2つ以上を有する個体である。
用語「2型糖尿病(Type 2 diabetes)」及び「2型糖尿病(Type 2 diabetes mellitu
s)」は、被験者が、最小で2つの独立した場合において測定されたとき、125mg/
dL(6.94mmol/L)超の空腹時(すなわち、8時間カロリー摂取なし)血中グ
ルコース又は血清中グルコース濃度を有する状態として定義される。血中グルコース値の
測定は、定期的な医学分析における標準的な手順である。2型糖尿病はまた、対象が6.
5%以上のHbA1c、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)中の200mg/dL(11
.1mmol/L)以上の2時間血漿グルコース、又は高血糖症又は高血糖緊急症の古典
的症状と併せた200mg/dL(11.1mmol/L)以上のランダムグルコース濃
度を有する状態として定義される。明白な高血糖症の非存在下で、大部分の診断試験と同
様に、糖尿病の試験結果診断は、検査過誤を除外するために繰り返されるべきである。H
bA1cの評価は、全米グリコヘモグロビン標準化プログラム(NGSP)によって認定
され、かつ糖尿病のコントロールと合併症に関する試験(DCCT)リファレンスアッセ
イに標準化されるか又はそれに遡ることが可能な方法を使用して実施されるべきである。
OGTTが実施される場合、糖尿病患者の血糖レベルは、75gのグルコースが空腹に摂
取された2時間後に1dL(11.1mmol/L)の血漿あたり200mgのグルコー
スを超える。ブドウ糖負荷試験において、75gのグルコースが、最低8時間、典型的に
は10~12時間の絶食後に試験される患者に経口投与され、血糖レベルは、グルコース
摂取直前並びにグルコース摂取の1及び2時間後に記録される。健康な被験者において、
グルコース摂取前の血糖レベルは、1dLの血漿当たり60~110mgになり、グルコ
ース摂取の1時間後に1dL当たり200mg未満、及び2時間後に1dL当たり140
mg未満になる。2時間後、値が140~200mgである場合、これは、異常な耐糖能
と見なされる。
用語「末期2型糖尿病」は、長期持続型糖尿病、二次的薬物性障害、インスリン療法の
適応、並びに潜在的には、微小血管及び大血管合併症、例えば、糖尿病性腎症又は冠動脈
心疾患(CHD)への進行を有する患者を含む。
用語「HbA1c」は、ヘモグロビンB鎖の非酵素的糖化の産物を指す。その決定は、
当業者に周知である。糖尿病の治療の監視において、HbA1c値は、非常に重要である
。その産生が血糖レベル及び赤血球の寿命によって本質的に決まるため、「血糖の記憶」
という意味でのHbA1cは、先行する4~6週間の平均血糖レベルを反映する。HbA
1c値が糖尿病の集中治療によって一貫して良好に調節されている(すなわち、試料中6
.5%未満の総ヘモグロビン)糖尿病患者は、糖尿病性細小血管症に対して有意により良
好に保護される。例えば、メトホルミン単独では、糖尿病患者におけるHbA1c値の約
1.0~1.5%の平均的な改善を達成する。このHbA1C値の低減は、6.5%未満
、好ましくは6%未満のHbA1cの所望の標的範囲を達成するためには、全ての糖尿病
患者において十分ではない。
用語「メタボリックシンドローム」、「シンドロームX」(代謝障害の文脈で使用され
る場合)、及び「代謝異常症候群」は、基本的特徴がインスリン抵抗性である複合症候群
を指す(Laaksonen D E,et al.Am J Epidemiol 2
002;156:1070~7)。ATP III/NCEPガイドライン(Execu
tive Summary of the Third Report of the
National Cholesterol Education Program(N
CEP) Expert Panel on Detection,Evaluatio
n,and Treatment of High Blood Cholestero
l in Adults(Adult Treatment Panel III)JA
MA:Journal of the American Medical Assoc
iation(2001)285:2486-2497)によると、メタボリックシンド
ロームの診断は、以下のリスク因子のうちの3つ又は4つ以上が存在する場合に下される

1.男性において40インチ超又は約102cm超、及び女性において35インチ超又
は約94cm超の胴囲として定義される腹部肥満症、
2.約150mg/dL以上の中性脂肪、
3.男性において約40mg/dL未満、及び女性において約50mg/dL未満のH
DLコレステロール、
4.約130/85mmHg以上の血圧(約130以上の SBP又は約85以上の D
BP)、
5.約100mg/dL以上の空腹時血中グルコース。
メタボリックシンドローム又はシンドロームXと診断された患者が本発明の方法内に含
まれることが意図される。
ヒト患者についていう、用語「肥満度指数」又は「BMI」は、BMIがkg/m2の
単位を有するように、メートルでの身長の二乗で割ったキログラムでの体重として定義さ
れる。用語「体重過多」は、白色人種の成人個体が25kg/m2以上及び30kg/m
2未満のBMIを有する状態として定義される。アジア系の被験者においては、用語「体
重過多」は、23kg/m2以上及び25kg/m2未満のBMIを有する状態として定
義される。用語「体重過多」及び「肥満予備軍」は、同じ意味で用いられる。
用語「肥満症」は、白色人種の成人個体が30kg/m2以上のBMIを有する状態と
して定義される。WHOの定義によると、肥満症という用語は、以下のとおりに分類され
得る。用語「肥満1度」は、BMIが30kg/m2以上であるが35kg/m2未満で
ある状態であり、用語「肥満2度」は、BMIが35kg/m2以上であるが40kg/
m2未満である状態であり、用語「肥満3度」は、BMIが40kg/m2以上である状
態である。アジア系の被験者においては、用語「肥満症」は、成人個体が25kg/m2
以上のBMIを有する状態として定義される。アジア人における肥満症は、以下のとおり
に更に分類され得る。用語「肥満1度」は、BMIが25kg/m2以上であるが30k
g/m2未満である状態であり、用語「肥満2度」は、BMIが30kg/m2以上であ
る状態である。
用語「内臓型肥満症」は、男性において1.0以上及び女性において0.8以上のウエ
ストヒップ比が測定される状態として定義される。これは、インスリン抵抗性及び前糖尿
病の発症のリスクを定義する。用語「腹部肥満症」は、通常、胴囲が男性において40イ
ンチ超又は102cm超であり、女性において35インチ又は超94cm超である状態と
して定義される(集団の正常な範囲に関して、例えば、「Joint scientif
ic statement(IDF,NHLBI,AHA,WHO,IAS,IASO)
,Circulation 2009;120:1640~1645」)。
用語「病的肥満症」は、本明細書において、白人種の個人が40超のBMIを有するか
、又は35超のBMI及び糖尿病又は高血圧症等の併存疾患を有する状態として定義され
る(World Health Organization.Obesity:Prev
enting and Managing the Global Epidemic:
Report on a WHO Consultation.World Healt
h Organ Tech Rep Ser.2000;894:i~xii,1~25
3を参照されたい)。
一般的に使用される定義によると、収縮期血圧(SBP)が140mmHgの値を超え
る場合、かつ拡張期血圧(DBP)が90mmHgの値を超える場合に、高血圧症が診断
される。患者が顕性糖尿病を患っている場合、収縮期血圧を130mmHg未満のレベル
まで低減し、かつ拡張期血圧が80mmHg未満のレベルまで低減することが、現在推奨
されている。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管リスク因子」としては、
高血圧又は高血圧症(例えば、収縮期高血圧、拡張期高血圧、又は約145/95mmH
g超の血圧)、高コレステロール値(高脂血症)、高LDL値、低HDLレベル、高トリ
グリセリド、肥満(例えば、30超のBMI、好ましくは40超のBMIによって定義さ
れる病的肥満)、心血管疾患(既往症としての心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中を含む
がこれらに限定されない)、微量アルブミン尿症(例えば、30mg/g以上かつ300
mg/g以下のACRによって定義される)、顕性アルブミン尿症(例えば、300mg
/g超のACRによって定義される)、末梢血管疾患(頸動脈狭窄症、大腿動脈狭窄症な
どを含むがこれらに限定されない)、根底にある構造的心疾患、心房細動、頻脈、冠状動
脈疾患、非リウマチ性心臓弁疾患、虚血性起源の拡張型心筋症、心房細動又はフルッター
のアブレーション(カテーテルアブレーション又は心内膜心筋アブレーションを含むがこ
れに限定されない)、心房細動又はフルッター以外の上室性頻脈、心臓弁手術の治療歴、
非虚血性拡張型心筋症、肥大性心筋症、リウマチ性弁疾患、持続性心室性頻脈症、先天性
心筋症、アブレーション(心房細動又はフルッター以外の頻脈のためのカテーテルアブレ
ーションを含むが、これらに限定されない)、心室細動、少なくとも1つの心臓装置(心
臓刺激装置、埋め込み型除細動器(「ICD」)などを含むが、これらに限定されない)
、現在の喫煙及び過去の喫煙歴、及び男性であることが挙げられるが、これらに限定され
ない。
特定の実施形態では、心血管リスク因子としては、高血圧(例えば、収縮期高血圧、拡
張期高血圧、又は約145/95mmHg超の血圧)、高コレステロール(高脂血症)、
高LDLレベル、低HDLレベル、高トリグリセリド、肥満(例えば、30超のBMIで
定義されるもの、好ましくは40超のBMIによって定義される病的肥満)、心血管疾患
(既往症としての心筋梗塞、狭心症、心不全、脳卒中が挙げられるが、これらに限定され
ない)、微量アルブミン尿症(例えば、30mg/g以上かつ300mg/g以下のAC
Rによって定義されるもの)、顕性アルブミン尿症(例えば、300mg/g超のACR
によって定義されるもの)が挙げられる。
特定の実施形態では、上記の1つ以上の心血管リスク因子は、本明細書に詳述されるC
ANVAS又はCANVAS-R臨床試験を完了させた患者集団において同定された心血
管リスク因子から選択される。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管リスクを低減する(こと
)」は、心血管疾患の症状又は特徴を低減すること、心血管疾患の進行を停止又は減速さ
せること、及び/又は心血管疾患に関連するリスク因子のうちのいずれか1つ以上の進行
を停止させる、遅延させる、又は制御することを含むものとする。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管疾患」としては、非致死
性心筋梗塞の既往症、非致死性脳卒中(虚血)、末梢動脈疾患、高血圧性心疾患、虚血性
心臓疾患、冠動脈血管疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患、心不整脈(洞性頻脈以外)、心
筋症、狭心症(不安定性狭心症を含むがこれに限定されない)、心不全(入院を必要とす
る心不全、うっ血性心不全などを含むが、これらに限定されない)及び冠状静脈弁疾患が
挙げられるものとするが、これらに限定されない。
本発明の特定の実施形態では、上記の1つ以上の心血管疾患は、本明細書に詳述される
CANVAS又はCANVAS-R臨床試験を完了させた患者集団において同定された心
血管疾患から選択される。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「主要心血管イベント(「MAC
E」)」は、3つの主要な測定値、すなわち非致死性心筋梗塞(「MI」)、非致死性脳
卒中、及び心血管死亡を含むものとする。当業者であれば、これらの主要心血管イベント
は、重篤な虚血イベントを代表し、心血管転帰試験において広く使用されているエンドポ
イントであることを認識するであろう。
本発明の特定の実施形態では、主要心血管イベントは、心血管死亡である。本発明の特
定の実施形態では、心血管死亡は、致死性心筋梗塞及び/又は致死性脳卒中に起因する死
を含む。
本発明の特定の実施形態では、主要心血管イベントは非致死性脳卒中である。本発明の
特定の実施形態において、主要心血管イベントは、非致死性心筋梗塞である。本発明の特
定の実施形態では、主要心血管イベントは心不整脈である。本発明の特定の実施形態では
、主要心血管イベントは、不安定性狭心症から心筋梗塞又は死への進行を更に含む。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管イベント」としては、心
血管を原因とする入院、非致死性心筋梗塞、非致死性虚血又は脳卒中、及び心血管死亡を
含むものとするが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管イベントのリスクを低減
する」は、非致死性心筋梗塞のリスクを低減すること、非致死性虚血イベント又は脳卒中
のリスクを低減すること、1つ以上の心臓症状又はイベントによる入院のリスクを低減す
ること、又は心血管死亡のリスクを低減すること、のうちの1つ以上を含むものとする。
用語「心血管を原因とする入院」は、以下の病理のうちの少なくとも1つによって引き
起こされる入院を意味する(Hohnloserら、Journal of carcd
iovascular electrophysiology、2008年1月、第19
巻、第1号、69~73頁):アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞又は不安定性狭心症、
安定製狭心症又は不定型胸郭痛、失神、一過性虚血イベント又は脳卒中(頭蓋内出血を除
く)、心房細動及び他の上室リズム障害、非致死性心停止、心臓移植を除く心血管手術、
心臓移植、心臓刺激装置(ペースメーカー)、移植可能な除細動器(「ICD」)又は他
の心臓装置の移植、経皮的な冠状動脈、脳血管、又は末梢血管形成術、動脈圧の変動(低
血圧、高血圧、失神を除く高血圧)、心血管感染、大量のブリーディング/出血(2つ以
上の血球ペレットを要するもの又は何らかの頭蓋内出血)、肺塞栓症又は深部静脈血栓症
、心臓に起因する急性肺浮腫又は呼吸困難を含むうっ血性心不全の悪化。
心血管を原因とする入院の予防は、一過性虚血イベント、心血管虚血、又は脳卒中によ
る入院の予防を更に含むものとする。
本発明の方法においては、心血管を原因とする入院の予防は、上記の病理のうちのいず
れか1つ以上に起因する、心血管を原因とする入院の予防として理解され得る。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「死亡」又は「死」は等価であり
、心血管に関する原因、心血管に関しない原因、又は未知の原因のいずれかに起因する死
亡を含む。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「心血管死亡」は、例えば、何ら
かの心血管に関する原因に起因する死亡(心血管に関しない原因による死亡を除くあらゆ
る死亡)を含むが、その例としては、以下の原因に起因する死亡が挙げられる:
a)大動脈解離/大動脈瘤、
b)心タンポナーデ、
c)心臓発生ショック、
d)うっ血性心不全、
e)経皮的心血管形成手術又は心血管外科的処置中の死、
f)心筋梗塞又は不安定性狭心症(不整脈を除く心筋梗塞の合併症を含む)、
g)肺塞栓症又は末梢動脈塞栓症、
h)脳卒中(虚血)、
i)心臓突然死(例えば、無証人死又は収縮停止とのみ記録されるもの)、
j)多形性心室頻脈と更に分類される心室性不整脈、心室性期外収縮、心室細動、心室
性頻脈症(非持続性及び持続性心室性頻脈症)、又は他の心室性不整脈、及び
k)未知の原因。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「突然死」は、一般に、新しい症
状の出現の1時間以内に起こる死亡、又は警告なしの予想外の死亡を指す。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「冠状動脈疾患」又は「冠状動脈
性心疾患」は、以下のものを指す:
a)冠動脈疾患:急性心筋梗塞及び/若しくは有意な(約70%以下)冠動脈狭窄の記
録された既往症、並びに/又は血管再建手術の治療歴(経皮的冠形成術、冠動脈内へのス
テント移植、冠動脈バイパス移植など)、並びに/又は運動負荷試験での陽性及び/若し
くは心臓潅流の核スキャンでの陽性、並びに
b)虚血性拡張型心筋症:冠動脈疾患から派生する臨床的に重大な左心室拡張。
当業者であれば、「心血管を原因とする入院及び/又は心血管死亡の予防」は、心血管
を原因とする入院及び/又は心血管死亡のリスクの低減、又は心血管を原因とする入院の
必要性の低減及び/又は心血管死亡の低減をもたらすことを認識するであろう。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「構造的心疾患」は、冠状動脈性
心疾患及び/又は虚血性拡張型心筋症及び/又は非虚血性拡張型心筋症及び/又はリウマ
チ性心臓弁膜症及び/又は非リウマチ性心臓弁膜症及び/又は肥大型心筋症及び/又は4
5%未満のLVEF、及び/又はうっ血性心不全の既往症を含むものとするが、うっ血性
心不全は、例えばNYHA(New York Heart Association)
クラスIIIとして、又は0.35未満に低下した左心室駆出分画によって定義され得る
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「腎障害」は、腎機能及び/又は
腎過剰濾過に関連する又は影響する、何らかの障害を意味するものとする。腎障害として
は、尿中アルブミンレベルの上昇、血清中アルブミン/クレアチニン比の上昇、微量アル
ブミン尿症、顕性アルブミン尿症、腎過剰濾過による損傷、糖尿病性ニューロパシー(過
剰濾過性糖尿病性ニューロパシー)、腎過剰濾過、糸球体過剰濾過、腎同種移植性過剰濾
過、補償的過剰濾過、過剰濾過慢性腎疾患、過剰濾過性急性腎不全、及び肥満が挙げられ
るが、これらに限定されない。
National Kidney Foundation(NKF)のKidney
Disease Outcomes Quality Initiative(KDOQ
I)の、Guidelines for Screening and Diagnos
is of Diabetic Kidney Diseaseによれば、微量アルブミ
ン尿症は、アルブミンクレアチニン比(ACR)が30mg/gと300mg/gとの間
にある被験者(患者)において診断され、顕性アルブミン尿症は、アルブミンクレアチニ
ン比(ACR)が300mg/gを超える被験者(患者)において診断される。
用語「過剰濾過」は、腎糸球体の濾過速度の上昇として定義される。一態様では、過剰
濾過は、本明細書で以下に記載される方法を使用して測定したとき、約125mL/分/
1.73m2以上、特に約140mL/分/1.73m2以上の全腎臓濾過速度として定
義される。過剰濾過はまた、性別、年齢、体重、身長、及びACE阻害剤又はARBの使
用(Melsom et al.Diabetes Care 2011;DOI:10
.2337/dc11-0235)の使用の有無で調整後の、調査対象集団における、約
90番目より大きい、又は約95番目より大きい百分位数に関連づけられた絶対糸球体濾
過量(GFR)して定義されてもよい。
用語「糸球体濾過量(GFR)」は、腎(腎臓)糸球体毛管からボーマン嚢内に濾過さ
れた流体の単位時間当たり体積として定義される。糸球体濾過量(GFR)は、全体的な
腎臓機能を示す。糸球体濾過量(GFR)は、血液中に定常レベルを有し、自由に濾過さ
れるが、腎臓によって再吸収されたり、分泌されたりしない任意の化学物質を測定するこ
とによって計算することができる。したがって測定される速度は、尿中の、計算可能な体
積の血液に由来する物質の量である。GFRは、典型的には、時間当たりの体積を単位と
して、例えば、ミリリットル/分で記録され、以下の式を使用することができる:
GFRは、イヌリンを血漿中に注入することによって決定することができる。イヌリン
は、糸球体濾過後に腎臓によって再吸収されず、分泌されないため、イヌリンの排出速度
は、水と溶質の糸球体フィルタを通過する濾過速度に正比例する。通常値は、GFR=9
0~125mL/分/1.73m2、特にGFR=100~125mL/分/1.73m
2である。GFRを決定する他の原理は、51Cr-EDTA、[125I]イオタラメ
ート又はイオヘキシルを測定することを含む。
「推定糸球体濾過量(eGFR)」は、例えば、以下すべて当該技術においては既知の
、慢性腎臓病疫学共同研究(CKD-EPI)式、Cockcroft-Gault式、
又は腎臓疾患における食事の修正(MDRD)式に基づいて、血清クレアチニン値からの
スクリーニングで導出されるものとして定義される。正常な腎機能を有する被検体は、9
0mL/分以上のeGFRを有するものとして定義される。60mL/分以上90mL/
分未満のeGFRで定義される、腎機能の軽度の障害を有する被験体。30mL/分以上
60mL/分未満のeGFRで定義される、中程度の障害を有する被験体。15mL/分
以上30mL/分未満のeGFRで定義される、重度の障害を有する被験体。
用語「腎過剰濾過損傷」は、腎損傷の病因における他の慢性腎疾患リスク因子と共同し
て作用することを認めた上で、多くの場合、更なる腎損傷への連鎖的イベントの早期のリ
ンクである腎過剰濾過によって主として引き起こされる腎損傷の発現として定義される。
より簡潔な説明を提供するために、本明細書で与えられる量的表現の一部は、用語「約
」により修飾されていない。用語「約」が明確に用いられている/いないに関わらず、本
明細書に記載する全ての量はその実際値を指すことを意味し、またこのような値の実験及
び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理
的に推測されるこのような値の近似値を指すことも意味することが理解される。更に、よ
り正確な記載を提供するために、本明細書において、定量的表現の一部は、約X量から約
Y量の範囲として列挙される。範囲が列挙される場合、その範囲は、列挙されている上限
及び下限に限定されず、むしろ約X量から約Y量の全範囲、又はその範囲内の任意の量若
しくは範囲を含むことが理解される。
カナグリフロジンを有効成分として含有する医薬組成物は、従来の医薬配合技術によっ
て、1種類以上の化合物を製薬担体とよく混合することによって調製され得る。担体は、
望ましい投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて、様々な形態をとってよい。それゆ
えに、例えば懸濁液、エリキシル剤、及び溶液などの経口液体製剤の場合、好適な担体及
び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、安定剤、着色剤
などが挙げられ、散剤、カプセル剤、及び錠剤などの経口固形製剤の場合、好適な担体及
び添加剤としては、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙
げられる。経口固形製剤は、糖のような物質でコーティングされてもよく、又は主要な吸
収部位を調節するために腸溶剤でコーティングされてもよい。非経口投与では、担体は通
常、滅菌水から構成され、溶解度の上昇又は保存のために他の成分を添加されてもよい。
注射用の懸濁液又は溶液はまた、水性担体を適切な添加剤と共に用いて製造してもよい。
そのような医薬組成物を調製するために、有効成分としてのカナグリフロジンは、従来
の医薬配合技術に従って医薬担体とよく混合され、この担体は、投与に所望される製剤の
形態、例えば、経口又は筋肉内等の非経口に応じて様々な形態をとることができる。組成
物を経口剤形態で調製する際、任意の通常の医薬媒体を用いることができる。それゆえに
、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液などの経口液体製剤の場合、好適な担体及び添
加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤などが挙げら
れる。散剤、カプセル剤、カプレット、ゲルキャップ、及び錠剤などの経口固形製剤の場
合、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤
、崩壊剤などが挙げられる。投与が容易であるため、錠剤及びカプセルは最も有利な経口
投薬単位形態であり、この場合、固体医薬担体が使用されることは明らかである。所望さ
れる場合には、標準的な技術により錠剤に糖衣又は腸溶剤コーティングしてもよい。非経
口用の担体は、通常、滅菌水を含むが、例えば溶解性の補助などを目的として又は保存の
ために他の成分を含んでもよい。注射用懸濁液を調製してもよく、その場合、適切な液体
担体、懸濁化剤などを用いてよい。本明細書の医薬組成物は、投薬単位、例えば、錠剤、
カプセル、粉末、注射液、小さじ1杯など毎に、上記の有効用量を送達するのに必要な活
性成分の量を含有することになる。本明細書の医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、
散剤、注射剤、坐剤、茶さじ量などの単位用量ユニット当たり、約25~約500mgの
カナグリフロジンを含有し、あるいはその範囲中の任意の量若しくは範囲(好ましくは、
約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、及び約300m
gからなる群から選択される)のカナグリフロジンを含有する。しかし、患者の要求、治
療する状態の重大度、及び用いる化合物に応じて投薬量を変えてよい。連日投与又は間欠
投与のいずれを用いてもよい。
好ましくは、医薬組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与、又は吸入
若しくは吹送による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒、無菌非
経口溶液又は懸濁液、定量エアゾール又は液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装
置又は坐薬のような単位剤形である。錠剤のような固体組成物の製造に関しては、主要な
有効成分(例えばカナグリフロジン)を、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、乳
糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸
二カルシウム、又はゴムのような従来の錠剤化成分、及びその他の医薬希釈剤、例えば水
と混合して、本発明の化合物の均質混合物又はその薬学的に許容される塩を含有する固体
の事前処方組成物を形成する。特定の実施形態では、2つの活性成分が、例えば二相錠剤
製剤のように一緒に配合され得る。これらの事前処方組成物を均質と呼ぶ場合、組成物を
錠剤、丸剤及びカプセルのような同等に有効な投与形態に容易に細分することができるよ
うに、有効成分が組成物の全体にわたって均一に分散していることを意味する。この固体
予備配合組成物は、次に約25~約500mg又はその範囲内の任意の量若しくは範囲の
カナグリフロジンを含有する、上述の種類の単位剤形に細分される。組成物の錠剤若しく
は丸剤は、コーティングされ、又は他の方法により調合され、持続的作用の利点を付与す
る投薬剤形を提供し得る。例えば、錠剤若しくは丸剤は、内殻投与成分及び外殻投与成分
を含むことができ、後者は前者を封入する形態のものである。
本発明の新規組成物を経口投与又は注射により組み込み得る液剤の剤形としては、水性
液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性若しくは油性懸濁剤、及び、綿実油、ゴマ
油、ヤシ油若しくはピーナッツ油などの食用油による、香味付けされたエマルジョン、並
びにエリキシル剤及び同様の製薬用賦形剤が挙げられる。水性懸濁液用の好適な分散剤又
は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩
、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニ
ル-ピロリドン、又はゼラチンが挙げられる。
本明細書に記載される方法はまた、カナグリフロジン、及び医薬的に許容される担体を
含む医薬組成物を使用して実施されてもよい。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香
剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない、必
要とされ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、固体形態、例
えば、丸剤、錠剤、カプレット、カプセル(各々、即時放出、持効性及び徐放製剤を含む
)、顆粒及び粉末、並びに液体形態、例えば、溶液、シロップ、エリキシル、エマルジョ
ン、及び懸濁液が挙げられる。非経口投与に有用な形態としては、滅菌液剤、エマルジョ
ン、及び懸濁液が挙げられる。
有利なことに、カナグリフロジンは、1回に1日投薬量を投与してもよく、又は全1日
投薬量を1日2回、3回若しくは4回に分割して投与してもよい。
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態の経口投与の際には、活性薬剤成分(例えば、カナ
グリフロジン)をエタノール、グリセロール、水などのような経口用の無毒の薬学的に許
容される好不活性担体と組み合わせることができる。更に、望ましい又は必要な場合、好
適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び着色剤もまた、その混合物に組み込まれ得る。好適な結
合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ-ラクトースなどの天然の糖、コ
ーン甘味料、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ガム、又はオレイン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては
、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる
が、これらに限定されない。
液体は、例えばトラガカント、アカシア、メチルセルロースなどのような好適に香味付
けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与には、滅菌懸濁液及び溶液が望ま
しい。静脈内投与が所望される場合、好適な保存剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
本発明の医薬組成物を調製するには、有効成分として、カナグリフロジンを、従来の医
薬配合技術に従って、医薬担体とよく混合されるが、担体は、投与(例えば、経口又は非
経口)において所望される製剤の形態に応じて、非常に様々な形態をとることができる。
医薬的に許容される好適な担体は、当該技術分野において周知である。これらの医薬的に
許容される担体のいくつかの説明は、米国薬剤師会及び英国薬剤師会により出版されたT
he Handbook of Pharmaceutical Excipients
に見出すことができ、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
薬学的組成物を製剤化する方法は、Marcel Dekker,Inc.によって出
版された、Liebermanら編集の、Pharmaceutical Dosage
Forms:Tablets,Second Edition,Revised an
d Expanded,Volumes 1~3、Avisら編集の、Pharmace
utical Dosage Forms:Parenteral Medicatio
ns,Volumes 1~2、及びLiebermanら編集の、Pharmaceu
tical Dosage Forms:Disperse Systems,Volu
mes 1~2等の多くの出版物に記載されており、それらの開示は、参照により本明細
書に組み込まれる。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載するものであり、本明細書に付属す
る「特許請求の範囲」に記載される発明をいかなる意味においても限定することを目的と
したものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
以下に詳述する臨床研究の観点から、特定の例(例えば、一次エンドポイント)におい
て、「心血管イベント又は心血管死亡」の予防は、複合基準又は組み合わせたエンドポイ
ントと呼ばれるものを構成する。
CANVAS及びCANVAS-R臨床試験
2回の臨床試験を完了して、カナグリフロジンの心血管安全性及び効能を評価し、潜在
的利益がどのように既知のリスクに対してバランスし得るかを評価した。前記試験(名称
CANVAS及びCANVAS-R)のための完全なプロトコル(これらのプロトコルは
それぞれ、本明細書にその全体が組み込まれる)は、www.clinicaltria
ls.gov(より具体的には、それぞれ、以下のURL:https://clini
caltrials.gov/ct2/show/NCT01032629?term=
canvas&rank=1及びhttps://clinicaltrials.go
v/ct2/show/NCT01989754?term=canvas-r&ran
k=1)に見出すことができる。
参加者
参加者は、2型糖尿病(≧7.0%以上かつ10.5%以下の糖化ヘモグロビン)を
有する男性及び女性であり、症候性のアテローム性動脈硬化性心血管疾患の既往症を有す
る30歳以上の男女か、又は心血管疾患に対する以下の2つ以上のリスク因子を有する、
50歳以上の男女かのいずれかであった:10年以上にわたって糖尿病である、1つ以上
の抗高血圧剤を利用して収縮期血圧が140mmHg超である、
現在喫煙者である、微量アルブミン尿症若しくは顕性アルブミン尿症である、又は高密
度リポタンパク質(HDL)コレステロール値が1mmol/L未満である。参加者は、
進入時の推定糸球体濾過量が30mL/分/1.73m超であり、かつ以下の表1に列
挙される基準に従うことが求められた。
Figure 2023113644000004
Figure 2023113644000005
Figure 2023113644000006
試験プロトコルの概要
すべての潜在的参加者は、2週間の単純盲検のプラシーボ準備期間を終了した。無作為
化は、無作為に並べ替えられたブロックを使用して試験スポンサーが準備した、コンピュ
ータ生成無作為化スケジュールを使用して、相互作用型ウェブレスポンスシステムを通じ
て一元的に行われた。CANVASの参加者は、カナグリフロジン300mg、カナグリ
フロジン100mg、又は対応するプラシーボに、1:1:1の割合で無作為に割り当て
られた。また、CANVAS-Rの参加者は、カナグリフロジン又は対応するプラシーボ
に1:1の比で割り当てられたが、投与量は、初回量が1日あたり100mgで、13週
目からは、300mgまで任意で増加させた。試験の完了まで、参加者及び全ての研究ス
タッフには、個々がどの取り扱いに割り当てられているかを伏せておいた。血糖管理及び
他のリスク因子制御のための他のバックグラウンド療法は、レニンアンギオテンシン系(
RAS)阻害を含む地元の指針と一致して制定された最良の慣行に従って使用した。
無作為化後の、対面での追跡調査を、最初の1年間は3回の訪問を、その後は6ヶ月間
隔でスケジューリングし、対面での評価どうしの間に電話での追跡調査を交互になるよう
に行った。全ての追跡調査は、一次及び二次転帰イベント及び重大な有害イベントについ
ての問い合わせを含んだ。尿中アルブミン:クレアチニンの比が、CANVAS-Rでは
26週毎に測定し、またCANVASでは第12週目に測定した後、毎年1回測定した。
糸球体濾過量(eGFR)の推定を用いた血清クレアチニン測定は、両方の試験において
少なくとも26週間毎に行われた。途中で治験を中断した個人も可能な限り、スケジュー
リングされた追跡調査を継続し、2016年11月~2017年2月に及ぶ最終的な追跡
調査ウィンドウの間に、完全な転帰データを得るべく、大いに努力した。
転帰
一次転帰は、心血管死亡、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中の複合であった。二
次転帰は、総死亡、心血管死亡、アルブミン尿症の進行、並びに心臓不全のための心血管
死亡及び入院の複合であった。アルブミン尿症の等級の進行は、尿中アルブミンの30%
超の上昇、及び正常な尿中アルブミン状態から微量アルブミン尿症若しくは顕性アルブミ
ン尿症への変化、又は微量アルブミン尿症から顕性アルブミン尿症への変化として定義さ
れた。逐次試験が全ての場合には有意ではなかった場合には、残りの転帰が、統合された
データセットにおける探索変数として評価するためにスケジューリングされた。
評価のために事前に指定された探索心血管転帰は、非致死性心筋梗塞、非致死的な脳卒
、及び心不全に起因する入院であった。またキーとなる予め指定された腎臓に関する探
索終末点はアルブミン尿症の後退(等級の進行に関して定義された基準に匹敵する基準を
使用して行う)と、少なくとも2回の連続的な測定の間続く、40%のeGFRの低減を
含む腎複合体、腎補充療法(透析又は移植)の必要性、又は腎死(主因を腎臓とする死と
して定義される)である。全ての入院の評価もまた、事前に指定された。
全ての主要な心血管イベント、腎転帰、及び死亡に加えて、選択された安全転帰は、エ
ンドポイント審判委員会によって承認された。心血管及び腎臓転帰に対する観察された効
果を理解するのを助けるために、心血管リスクの中間マーカーと抗高血糖剤の必要条件と
を評価した。安全性の分析は、MedDRA辞書の最新版を使用してコード化された有害
イベントの安全性分析であった。骨折については、一次事前規定分析は、外傷の少ない骨
折イベントについてであったが、全ての骨折についての二次分析も行われた。切断につい
ては総体的に評価したが、足首の上及び下の症例の数も報告した。
臨床治験に適用された心血管、腎、及び死亡の原因の基準(MACE基準を含む)は、
臨床試験プロトコル(www.clinicaltrials.govから入手できる)
において詳細に概説されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
統計分析
一次仮説試験は、完全統合データセット及び治療意図アプローチを使用して、全てのカ
ナグリフロジン対プラシーボに関して、一次転帰についてのハザード比(HR)の非劣性
を1.3のマージンで試験した。プラシーボと比較して、HRの95%信頼区間(CI)
の上限が1.3未満でる場合に心血管安全性が実証され、上限が1.0未満でもある場合
に、優位性が実証された。仮説試験は、図1のフローチャートに示されるように、かつ以
下の表2に列挙される値に基づいて、一次安全仮説及び優位性のための各後続の試験の条
件が満たされるように連続的にスケジューリングされた。
Figure 2023113644000007
正式の仮説試験に加えて、全ての無作為化された参加者を含む完全統合データセットに
基づいて、心血管転帰、腎転帰、死、及び入院に関して補足的な一連の調査分析を予め指
定した。ハザード比、95% CI、及びP値は、全てのカナグリフロジン群を合わせた
もの対プラシーボについて、心血管疾患の治験及び既往症による階層化を用いて、コック
ス回帰モデルを使用して推定した。
有効性のP値は、仮説が証明された場合にのみ報告された。一次転帰のために、多重帰
属計算によって欠落したデータを補完するための帰属計算を用いた補足分析を行った。シ
ーケンスにおける他の転帰の仮説試験は、最初に有意ではない結果が出た場合には行わな
かった。全ての後続の及び探索転帰について、報告はHR推定値及び名目95% CIに
制限された。追跡調査の1000患者-年当たりの、年間発生率を計算し、利益又は害を
示唆する所見を有する転帰に対する、過剰な利益又はリスクが推定された。アルブミン尿
症の分析は、持続的な進行又は退行の証拠を有する個人に対して実施された感度分析を用
いて、少なくとも1つの機会に進行又は退行をした個人に基づくものであった。特に他に
指定のない限り、治療中分析(試験薬投与中又は試験薬中断から30日以内に安全転帰を
経験した患者に基づく)は、安全評価に使用された主要なアプローチであった。例外は、
骨折、切断、悪性腫瘍、及び糖尿病性ケトアシドーシスの転帰の場合であり、分析は、全
ての投与された患者における任意の時点で全てのイベントを含んだ。連続的な転帰に対す
るカナグリフロジンの効果を、観察された全ての縦断的データを利用し、ランダムで欠落
を推測する混合モデルを用いて評価した。全ての転帰分析について、2つの寄与治験にわ
たる治療効果の均質性を試験した。
結果のまとめ
10,142人の治験参加者が存在した(4330人がCANVASに、5812人が
CANVAS-Rに参加した)。10,142人の参加者中、9734人(96.0%)
が研究を完了した(すなわち、9734人が、生存した状態で、最終的な追跡調査ウィン
ドウの間に安全性及び有効性の転帰について評価を受けた参加者であったか、又はこれに
先立って死亡した参加者であった)。10,142人の参加者中10,100人(99.
6%)については、その生死が確認された。平均(中央値)追跡調査期間は、188.2
(126.1)週間であり、無作為化群にいては同等の平均患者追跡調査期間であった。
しかしCANVAS-R(108.0週間)と比較して、CANVASにおける平均追跡
調査期間(295.9週)がより大きくなった。カナグリフロジンが割り当てられた29
.2%の個人、及びプラシーボを割り当てられた29.9%の個人が、無作為化治療を早
期に中断した。
参加者の平均年齢は63.3歳であり、35.8%が女性であり、糖尿病の平均罹患期
間は13.5年であり、平均eGFRは76.5mL/分/1.73mであり、平均U
ACRは13.0mg/mmolであった。ベースライン時点で、22.6%が微量アル
ブミン尿症にかかっており、7.5%が顕性アルブミン尿症にかかっており、65.6%
がアテローム性動脈硬化性心血管疾患の既往症を有していた。CANVAS-Rの参加者
の77%は、最後の研究訪問までに、用量を300mgに増やした。患者は、血糖値及び
心血管リスクの管理のための他の治療法で良好に治療された。ベースライン時点での特性
は、以下の表3に示されるように、カナグリフロジン群においてプラシーボ群と比較して
バランスをとっており、また、CANVASとCANVAS-Rとにわたって、直接的に
比較可能としていた。
Figure 2023113644000008
SD、標準偏差;GLP-1、グルカゴン様ペプチド-1;DPP-4、ジペプチジル
ペプチダーゼ-4;RAAS、レニンアンギオテンシンアルドステロン系;BP、血圧;
HDL、高密度リポタンパク質;LDL、低密度リポタンパク質;eGFR、推定糸球体
濾過量。
1人の参加者は、2つの異なる部位で無作為化され、第1の無作為化のみがITT分
析セットに含まれる。
アメリカ先住民又はアラスカ先住民、ハワイ先住民又は他の太平洋諸島民、多重オリ
ジン、その他、及び不明を含む。
一部の参加者は、1種類以上のアテローム性動脈硬化性疾患を有していた。
§プロトコルに定義されているとおり。
||eGFRカテゴリーの値は、カナグリフロジンについての人数5794人、プラシ
ーボについての人数4346人、及び全集団の人数10140人に基づいて計算された。
アルブミン尿症のカテゴリーの値は、カナグリフロジンについての人数5740人、
プラシーボについての人数4293人、及び全集団の人数10033人に基づいて計算さ
れた。
心血管リスクの中間マーカー
CANVAS及びCANVAS-R臨床試験を組み合わせた(n=10,142)試験
における、糖化されたヘモグロビン、体重、収縮期血圧、及び拡張期血圧に対するカナグ
リフロジンの効果は、図2a~2dに示されているようなものであった。
カナグリフロジンをプラシーボと比較した場合、糖化ヘモグロビンにおける平均差は-
0.58%(95% CI:-0.61%~-0.56%)であり、体重の平均差は-1
.60kg(95% CI:-1.70~-1.51kg)であり、収縮期血圧における
平均差は-3.93mmHg(95% CI:-4.30~-3.56mmHg)であっ
た。なおすべての場合について、P<0.001であった。追跡調査期間中の他の抗高血
糖剤の使用は、プラシーボ群と比較して、カナグリフロジン群で9.3%低くなった(9
5% CI:-11.0~-7.6%)。
心血管転帰、死亡、及び入院
カナグリフロジン群においては、プラシーボ群よりも有意に少ない一次転帰イベント(
心血管死亡、非致死性心筋梗塞、又は非致死性脳卒中の複合)が発生した(1000患者
-年あたり、26.9対31.5件、HR(ハザード比):0.86、95% CI:0
.75~0.97;非劣性に対するP<0.0001、優位性に対するP=0.0158
)。消失イベントの補完が行われた場合には、一次転帰に対する影響は同じであった(H
R:0.85、95% CT:0.75~0.97)。ベースライン時点での利尿症の使
用の有無によって定義されるサブセットを除いて、広範な予め指定されたサブグループに
わたって、広範に一貫した効果が存在した(均質性に対するP=0.0001)。試験シ
ーケンスにおける第1の二次転帰については、優位性は示されなかった(全死亡に対する
P=0.245)ので、仮説検証試験は中止した。致死性二次転帰について、名目効果の
推定値は、全原因死亡に対しては、HR:0.87(95% CI:0.74~1.01
)であり、心血管死亡に対しては、HR:0.87(95% CI:0.72~1.06
)である。一次、致死的、又は探索的な心血管転帰に対する、CANVAS治験とCAN
VAS-R治験との間の効果の差を裏付ける証拠は存在しなかった。カナグリフロジン対
プラシーボの、心血管転帰に対する効果は、図3、図4a~4h(時間の関数として)に
示され、かつ下記の表4に示されるようなものであった。
CANVAS及びCANVAS-Rの均質性に対するP値。
腎転帰
アルブミン尿症の等級の進行は、カナグリフロジンに無作為化された参加者において、
プラシーボに無作為化された参加者においてよりもより稀に起こり(1000患者-年あ
たり89.4対128.7)、これは0.73のHRに対応し(95% CI:0.67
~0.79)、CANVAS-Rでの効果(HR:0.64、95% CI:0.57~
0.73)の方が、CANVASでの効果(HR:0.80、95% CI:0.72~
0.90)と比べて大きくなった(均質性に対するP=0.02)。eGFR、末期腎疾
病、又は腎性死の継続的40%減少の複合転帰は、カナグリフロジンに無作為化された参
加者の中で、プラシーボに無作為化された参加者の中よりもより稀に起こり(1000患
者-年あたり、5.5対9.0)、これは0.60のHR(95% CI:0.47~0
.77)に対応した。カナグリフロジン対プラシーボの、腎転帰に対する効果は、以下の
表5に示すとおりであった。
Figure 2023113644000010
-40%のeGFRの減少及びクレアチニンの倍増は持続される(30日を超えて間
を空けた少なくとも2回の連続した測定において、ともに見られることとして定義された
)必要があった。
**-RRT(腎補充療法)の必要性は、末期の腎臓疾患のためにそれが必要になるこ
とであり、少なくとも30日間にわたって、透析又は移植が必要であることとして定義さ
れ、専門家の委員会によって判定された。腎死亡とは、エンドポイント判定委員会によっ
て定義されるように、直接の原因が腎である死亡である。プラシーボ群の全員では、3人
だけが腎死亡した。
血清クレアチニンを倍増することによって、eGFRの40%減少が置換された場合の
結果は、実質的に異なるものではなかった。
CANVAS及びCANVAS-Rの均質性に対するP値。
§Gail-Simon P値。
上記の明細書は、説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するも
のであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に含まれ
る全ての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点が理解されるであろう。
上記の明細書は、説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するも
のであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に含まれ
る全ての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が包含される点が理解されるであろう。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法であって、
それを必要とする患者に、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
前記それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、
前記患者が、1つ以上の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更
に示すか、又はそれと診断されている、方法。
[請求項2]
1つ以上の主要心血管イベント(MACE)を低減又は予防するための方法であって、
それを必要とする患者に、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
前記それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、
前記患者が、1つ以上の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更
に示すか、又はそれと診断されている、方法。
[請求項3]
前記2型糖尿病と診断された患者が、7.0%以上かつ10.5%以下の範囲のHbA
1c測定値を有する、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項4]
前記患者が、微量アルブミン尿症又は顕性アルブミン尿症と更に診断されている、請求
項1~3のいずれか一項に記載の方法。
[請求項5]
前記1つ以上の心血管リスク因子が、肥満症、高血圧症、高脂血症、高トリグリセリド
、微量アルブミン尿症、及び顕性アルブミン尿症からなる群から選択される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法。
[請求項6]
前記1つ以上の心血管リスク因子が、肥満症、高血圧症、高脂血症、及び高トリグリセ
リドからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
[請求項7]
前記心血管疾患が、非致死性心筋梗塞の既往症、非致死性脳卒中の既往症、末梢動脈疾
患、高血圧性心疾患、虚血性心疾患、冠動脈血管疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患、心不
整脈(洞性頻脈を除く)、心筋症、狭心症、心不全、及び冠状静脈弁疾患からなる群から
選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
[請求項8]
前記心血管リスク又は心血管疾患が、心不全、冠動脈血管疾患、脳血管疾患、末梢血管
疾患、及び高血圧からなる群から選択される1つ以上のものである、請求項1~6のいず
れか一項に記載の方法。
[請求項9]
前記心血管イベントが、心血管を原因とする入院、非致死性心筋梗塞、非致死性虚血又
は脳卒中、及び心血管死亡からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記
載の方法。
[請求項10]
前記カナグリフロジンが、約50~約500mgの範囲内の量で投与される、請求項1
~9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項11]
前記カナグリフロジンが、約100~約300mgの範囲内の量で投与される、請求項
1~9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項12]
安全かつ効果的である、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項13]
前記方法が、心血管を原因とする入院、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、及び心血
管死亡からなる群から選択される心血管イベントに対する患者のハザード比(HR)を、
約0.95~約0.60の範囲内の値に低減させる、請求項1~9のいずれか一項に記載
の方法。
[請求項14]
前記方法が、有害心血管イベントの予測される重大度を低減させるか、有害心血管イベ
ントから予測される死亡率を減少させるか、又は心血管疾患の進行を減少させるかする、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項15]
前記方法が、被験者の予測寿命、有害心血管イベントどうしの間の予測される時間、又
は被験者における心血管インターベンションの有効性を増加させる、請求項1~9のいず
れか一項に記載の方法。
[請求項16]
前記方法が、心血管死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中、非致死性脳卒中、非致死性入院
、及び心血管死亡からなる群から選択される1つ以上のイベントが最初に発生するまでの
時間を増加させる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
[請求項17]
前記患者が、治療時に、
a)現在心血管疾患にり患していること又は心血管疾患にり患している可能性が高いこ
と、
b)うっ血性心不全であること、
c)心血管疾患の家族歴があること、
d)現在喫煙者であること、
e)心血管疾患に遺伝的にかかりやすいこと、
f)心不整脈に現在かかっている又は過去にかかっていたこと、
g)心房細動、心室細動、又は頻脈性不整脈にかかっているか又は過去にかかっていた
こと、
h)洞性頻脈にかかっていないこと、
i)不安定性狭心症にかかっていること、
j)高血圧症にかかっていること、
k)脳卒中にかかったことがあるか、又は脳卒中のリスクが高まっていること、
l)動脈瘤にかかっていること、並びに/又は
m)中性脂肪値が高いこと、LDL値が高いこと、及び/若しくはHDL値が低いこと

のうちの1つ以上の特徴を有する、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項18]
前記患者が、心血管疾患の確定診断を受けているか、又は心血管疾患の可能性が高いか
のいずれかであって、
更に、前記患者が、
a)記録された心筋梗塞の既往症、
b)冠状動脈血管再建術の治療歴、
c)頚動脈又は末梢血管再建術の治療歴、
d)虚血性変化を伴う狭心症、
e)段階的運動試験におけるECGの変化、
f)心臓画像検査での陽性、
g)0.9未満の足関節・上腕血圧指数、及び/又は
h)冠動脈、頚動脈、又は下肢動脈の50%を超える狭窄症、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項19]
前記患者が、
(a)心筋梗塞、
(b)狭心症の既往症、
(c)脳血管疾患の既往症、
(d)脳卒中の既往症、
(e)洞性頻脈以外の頻脈の既往症、
又は(f)肥満手術の計画、心臓手術の計画、若しくは冠動脈形成術の計画、
のうちの1つ以上を有していたことがある、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項20]
本明細書に記載されたような治療方法。

Claims (20)

  1. 1つ以上の心血管イベントを低減又は予防するための方法であって、
    それを必要とする患者に、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
    前記それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、
    前記患者が、1つ以上の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更
    に示すか、又はそれと診断されている、方法。
  2. 1つ以上の主要心血管イベント(MACE)を低減又は予防するための方法であって、
    それを必要とする患者に、治療有効量のカナグリフロジンを投与することを含み、
    前記それを必要とする患者が、2型糖尿病と診断されている患者であり、
    前記患者が、1つ以上の併発又は併存する心血管リスク因子又は心血管疾患の症状を更
    に示すか、又はそれと診断されている、方法。
  3. 前記2型糖尿病と診断された患者が、7.0%以上かつ10.5%以下の範囲のHbA
    1c測定値を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記患者が、微量アルブミン尿症又は顕性アルブミン尿症と更に診断されている、請求
    項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記1つ以上の心血管リスク因子が、肥満症、高血圧症、高脂血症、高トリグリセリド
    、微量アルブミン尿症、及び顕性アルブミン尿症からなる群から選択される、請求項1~
    3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記1つ以上の心血管リスク因子が、肥満症、高血圧症、高脂血症、及び高トリグリセ
    リドからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記心血管疾患が、非致死性心筋梗塞の既往症、非致死性脳卒中の既往症、末梢動脈
    疾患、高血圧性心疾患、虚血性心疾患、冠動脈血管疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患、心
    不整脈(洞性頻脈を除く)、心筋症、狭心症、心不全、及び冠状静脈弁疾患からなる群か
    ら選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記心血管リスク又は心血管疾患が、心不全、冠動脈血管疾患、脳血管疾患、末梢血管
    疾患、及び高血圧からなる群から選択される1つ以上のものである、請求項1~6のいず
    れか一項に記載の方法。
  9. 前記心血管イベントが、心血管を原因とする入院、非致死性心筋梗塞、非致死性虚血又
    は脳卒中、及び心血管死亡からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記カナグリフロジンが、約50~約500mgの範囲内の量で投与される、請求項1
    ~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記カナグリフロジンが、約100~約300mgの範囲内の量で投与される、請求項
    1~9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 安全かつ効果的である、請求項1又は2に記載の方法。
  13. 前記方法が、心血管を原因とする入院、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、及び心血管死亡からなる群から選択される心血管イベントに対する患者のハザード比(HR)を
    、約0.95~約0.60の範囲内の値に低減させる、請求項1~9のいずれか一項に記
    載の方法。
  14. 前記方法が、有害心血管イベントの予測される重大度を低減させるか、有害心血管イベ
    ントから予測される死亡率を減少させるか、又は心血管疾患の進行を減少させるかする、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、被験者の予測寿命、有害心血管イベントどうしの間の予測される時間、又
    は被験者における心血管インターベンションの有効性を増加させる、請求項1~9のいず
    れか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、心血管死亡、非致死性心筋梗塞、脳卒中、非致死性脳卒中、非致死性入院、及び心血管死亡からなる群から選択される1つ以上のイベントが最初に発生するま
    での時間を増加させる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記患者が、治療時に、
    a)現在心血管疾患にり患していること又は心血管疾患にり患している可能性が高いこ
    と、
    b)うっ血性心不全であること、
    c)心血管疾患の家族歴があること、
    d)現在喫煙者であること、
    e)心血管疾患に遺伝的にかかりやすいこと、
    f)心不整脈に現在かかっている又は過去にかかっていたこと、
    g)心房細動、心室細動、又は頻脈性不整脈にかかっているか又は過去にかかっていた
    こと、
    h)洞性頻脈にかかっていないこと、
    i)不安定性狭心症にかかっていること、
    j)高血圧症にかかっていること、
    k)脳卒中にかかったことがあるか、又は脳卒中のリスクが高まっていること、
    l)動脈瘤にかかっていること、並びに/又は
    m)中性脂肪値が高いこと、LDL値が高いこと、及び/若しくはHDL値が低いこと

    のうちの1つ以上の特徴を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  18. 前記患者が、心血管疾患の確定診断を受けているか、又は心血管疾患の可能性が高いか
    のいずれかであって、
    更に、前記患者が、
    a)記録された心筋梗塞の既往症、
    b)冠状動脈血管再建術の治療歴、
    c)頚動脈又は末梢血管再建術の治療歴、
    d)虚血性変化を伴う狭心症、
    e)段階的運動試験におけるECGの変化、
    f)心臓画像検査での陽性、
    g)0.9未満の足関節・上腕血圧指数、及び/又は
    h)冠動脈、頚動脈、又は下肢動脈の50%を超える狭窄症、
    のうちの少なくとも1つを有する、請求項1又は2に記載の方法。
  19. 前記患者が、
    (a)心筋梗塞、
    (b)狭心症の既往症、
    (c)脳血管疾患の既往症、
    (d)脳卒中の既往症、
    (e)洞性頻脈以外の頻脈の既往症、
    又は(f)肥満手術の計画、心臓手術の計画、若しくは冠動脈形成術の計画、
    のうちの1つ以上を有していたことがある、請求項1又は2に記載の方法。
  20. 本明細書に記載されたような治療方法。
JP2023077544A 2017-06-12 2023-05-10 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法 Pending JP2023113644A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762518547P 2017-06-12 2017-06-12
US62/518,547 2017-06-12
JP2020517619A JP2020523408A (ja) 2017-06-12 2018-06-11 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法
PCT/IB2018/054208 WO2018229630A1 (en) 2017-06-12 2018-06-11 Method for reducing or preventing cardiovascular events in patients with type ii diabetes mellitus

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020517619A Division JP2020523408A (ja) 2017-06-12 2018-06-11 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023113644A true JP2023113644A (ja) 2023-08-16

Family

ID=62916717

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020517619A Pending JP2020523408A (ja) 2017-06-12 2018-06-11 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法
JP2023077544A Pending JP2023113644A (ja) 2017-06-12 2023-05-10 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020517619A Pending JP2020523408A (ja) 2017-06-12 2018-06-11 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法

Country Status (15)

Country Link
US (2) US20180353470A1 (ja)
EP (1) EP3638250A1 (ja)
JP (2) JP2020523408A (ja)
KR (1) KR20200014406A (ja)
CN (1) CN110740735A (ja)
AU (1) AU2018283781B2 (ja)
BR (1) BR112019026120A2 (ja)
CA (1) CA3066874A1 (ja)
CO (1) CO2019013940A2 (ja)
EA (1) EA202090028A1 (ja)
IL (1) IL271100A (ja)
MX (1) MX2019014988A (ja)
TW (1) TWI835735B (ja)
UA (1) UA127987C2 (ja)
WO (1) WO2018229630A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230046951A1 (en) * 2021-08-03 2023-02-16 National Chengchi University System and method for assessing risk of type 2 mellitus diabetes complications
CN117085009B (zh) * 2023-10-20 2024-01-30 首都医科大学附属北京天坛医院 卡格列净对急性缺血性卒中的治疗作用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EA010299B1 (ru) 2003-08-01 2008-08-29 Мицубиси Танабе Фарма Корпорейшн Новые соединения, обладающие ингибирующей активностью в отношении натрийзависимого транспортёра
UY30730A1 (es) 2006-12-04 2008-07-03 Mitsubishi Tanabe Pharma Corp Forma cristalina del hemihidrato de 1-(b (beta)-d-glucopiranosil) -4-metil-3-[5-(4-fluorofenil) -2-tienilmetil]benceno
NO2385374T3 (ja) * 2010-05-05 2014-06-07
WO2011142478A1 (en) * 2010-05-11 2011-11-17 Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation Canagliflozin containing tablets
US20160000816A1 (en) * 2013-04-05 2016-01-07 Boehringer Ingelheim International Gmbh Pharmaceutical composition, methods for treating and uses thereof
CA2812016A1 (en) * 2013-04-05 2014-10-05 Boehringer Ingelheim International Gmbh Pharmaceutical composition, methods for treating and uses thereof
CN105939728A (zh) * 2014-01-31 2016-09-14 詹森药业有限公司 用于治疗和预防肾病和脂肪肝病的方法
US20170071970A1 (en) * 2015-09-15 2017-03-16 Janssen Pharmaceutica Nv Co-therapy comprising canagliflozin and phentermine for the treatment of obesity and obesity related disorders

Also Published As

Publication number Publication date
CA3066874A1 (en) 2018-12-20
IL271100A (en) 2020-01-30
EA202090028A1 (ru) 2020-04-03
EP3638250A1 (en) 2020-04-22
TWI835735B (zh) 2024-03-21
BR112019026120A2 (pt) 2020-07-07
WO2018229630A1 (en) 2018-12-20
KR20200014406A (ko) 2020-02-10
TW201904584A (zh) 2019-02-01
CO2019013940A2 (es) 2020-01-17
AU2018283781A1 (en) 2019-12-19
CN110740735A (zh) 2020-01-31
AU2018283781B2 (en) 2023-09-28
UA127987C2 (uk) 2024-03-06
JP2020523408A (ja) 2020-08-06
US20180353470A1 (en) 2018-12-13
MX2019014988A (es) 2020-08-06
US20210000792A1 (en) 2021-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kimura et al. JCS 2018 guideline on diagnosis and treatment of acute coronary syndrome
JP7161405B2 (ja) エンパグリフロジンを含む医薬組成物及びその使用
Kario et al. Control of 24-hour blood pressure with SGLT2 inhibitors to prevent cardiovascular disease
Lundwall et al. Paricalcitol, microvascular and endothelial function in non-diabetic chronic kidney disease: a randomized trial
JP2023113644A (ja) 2型糖尿病の患者における心血管イベントの低減又は予防方法
JP2021534185A (ja) スタチン治療対象における末梢動脈血行再建の必要性を低減する方法
AU2022204450A1 (en) Uses of oxygenated cholesterol sulfates (OCS)
CN109512831A (zh) 依帕列净的治疗用途
EA022948B1 (ru) Лечение релаксином одышки, ассоциированной с острой сердечной недостаточностью
TW202108134A (zh) 利用達格列淨治療射血分率降低的心臟衰竭之方法
Wu et al. SGLT2 Inhibitors: New Hope for the Treatment of Acute Myocardial Infarction?
Sánchez et al. Recommendations for the management of hyperkalemia in the emergency department
CN109893653A (zh) Pde9抑制剂的新用途
JPWO2018229630A5 (ja)
Morillas et al. Sodium-glucose co-transporter 2 inhibitors in acute heart failure: a review of the available evidence and practical guidance on clinical use
EP2986301A1 (en) Phosphodiesterase 5a inhibitors for the treatment of muscular dystrophy
Madjidova et al. FEATURES OF BIGUANIDES IN COMBINATION THERAPY OF HYPERTENSION WITH METABOLIC SYNDROME
Akar et al. Can SGLT2 Inhibitors be a Good Option in the Management of Resistant Hypertension in Diabetic Hypertensive Patients?
Hasselbalch et al. P1745 Routine blood tests are strong predictors of mortality among patients with suspected heart disease in the emergency department
Ahmed et al. Heart failure in older adults
Abidoye et al. Effect of salt loading and gender influences on plasma atrial natriuretic peptide levels and cardiovascular parameters in normotensive and hypertensive Nigerians
Ricotta et al. Peripartum cardiomyopathy: Four case reports with different outcomes
Leci et al. P23 TIMING OF EJECTION FRACTION REASSESSMENT AFTER SACUBITRIL–VALSARTAN INITIATION FOR INDICATION TO DEFIBRILLATOR IMPLANTATION. A SINGLE CENTER EXPERIENCE
Haq et al. A Case Report on Ischaemic Cardiomyopathy with Severe Left Ventricular Dysfunction
Kabir In-hospital outcome of Diabetes patients with Chronic Kidney Disease

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230609