JP2023113007A - 車両用シートフレーム及び車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の後面衝突時の入力に対する強度の確保と軽量化とを両立する。【解決手段】車両用シートフレーム12は、シートクッションフレーム14のサイドフレーム16の前部に一端部が回転可能に連結されたフロントリンク26と、シートスライドレール20のアッパレール24の前部に固定されたレール固定部32、及びレール固定部32のシート幅方向内側端部から上方側へ延出され、フロントリンク26の他端部が回転可能に連結されたリンク連結部34を有するフロントライザブラケット30と、を備えている。レール固定部32は、溶接部46、48においてアッパレール24に溶接されている。フロントリンク26の他端部の下方でリンク連結部34の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部50が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートフレーム及び車両用シートに関する。
下記特許文献1に記載された車両用シートは、シートクッションフレームのサイドフレームに一端部が回転可能に連結されたフロントリンクと、スライドレールのアッパレールにボルト及びナットを用いて締結され、フロントリンクの他端部が回動可能に連結されたフロントブラケット(フロントライザブラケット)とを備えている。フロントリンク及びフロントライザブラケットは、シートクッションの高さ位置を調整するためのリフタ機構の構成要素である。
特開2018-27745号公報
上記の先行技術では、フロントライザブラケットがボルト及びナットを用いてアッパレールに強固に締結されるため、車両の後面衝突時の入力に対する強度を確保し易いが、軽量化の観点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両の後面衝突時の入力に対する強度の確保と軽量化とを両立することができる車両用シートフレーム及び車両用シートを得ることを目的とする。
第1の態様の車両用シートフレームは、シートクッションフレームのサイドフレームの前部に一端部が回転可能に連結されたフロントリンクと、シートスライドレールのアッパレールの前部に固定されたレール固定部、及び前記レール固定部のシート幅方向内側端部から上方側へ延出され、前記フロントリンクの他端部が回転可能に連結されたリンク連結部を有するフロントライザブラケットと、を備え、前記レール固定部は、溶接によって前記アッパレールに固定されており、前記フロントリンクの他端部の下方で前記リンク連結部の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部が形成されている。
第1態様の車両用シートフレームでは、フロントリンクの一端部は、シートクッションフレームのサイドフレームの前部に回転可能に連結されており、フロントリンクの他端部は、フロントライザブラケットのリンク連結部に回転可能に連結されている。フロントライザブラケットは、シートスライドレールのアッパレールの前部に固定されたレール固定部を有しており、上記のリンク連結部は、レール固定部のシート幅方向内側端部から上方側へ延出されている。フロントライザブラケットのレール固定部は、溶接によってアッパレールに固定されている。これにより、レール固定部がボルト及びナットを用いてアッパレールに固定される場合と比較して軽量化を図ることができる。しかも、フロントリンクの他端部の下方でフロントライザブラケットのリンク連結部の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部が形成されている。これにより、車両の後面衝突時にフロントリンクからリンク連結部に対して車両後方斜め上方側への荷重が入力された際のフロントライザブラケットの変形が抑制される。その結果、レール固定部とアッパレールとの溶接部への応力の集中が抑制されるので、強度の確保が容易になる。
第2の態様の車両用シートフレームは、第1の態様において、前記ビード部は、シート前後方向に延在する稜線を有しており、前記レール固定部と前記アッパレールとの溶接部は、前記稜線に沿って延在する部分を有している。
第2の態様の車両用シートフレームでは、フロントライザブラケットのリンク連結部の下部に形成されたビード部が、シート前後方向に延在する稜線を有している。また、フロントライザブラケットのレール固定部とアッパレールとの溶接部が、上記の稜線に沿って延在する部分を有している。これにより、溶接部の上記部分への応力集中をビード部によって良好に抑制することができる。
第3の態様の車両用シートフレームは、第2の態様において、前記溶接部は、平面視でシート前後方向一方側に開口したU字状又は略U字状をなしている。
第3の態様の車両用シートフレームでは、フロントライザブラケットのレール固定部とアッパレールとの溶接部が、平面視でシート前後方向一方側に開口したU字状又は略U字状をなしている。これにより、溶接部には、ビード部の稜線に沿って延在する2つの部分が設けられるので、それらの部分への応力集中をビード部によって良好に抑制することができる。
第4の態様の車両用シートフレームは、第3の態様において、前記レール固定部は、シート前後方向に並んだ複数の溶接部において前記アッパレールに溶接されている。
第4の態様の車両用シートフレームでは、フロントライザブラケットのレール固定部が、シート前後方向に並んだ複数の溶接部においてアッパレールに溶接されている。これにより、例えばシート前後方向を長手とする長尺な1つの溶接部においてレール固定部とアッパレールとが溶接される構成と比較して、溶接長を短く設定しつつ必要な溶接強度を確保することができる。
第5の態様の車両用シートは、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様の車両用シートフレームによって骨格が構成されている。
第5の態様の車両用シートでは、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様の車両用シートフレームによって骨格が構成されている。よって、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係る車両用シートフレーム及び車両用シートでは、車両の後面衝突時の入力に対する強度の確保と軽量化とを両立することができる。
実施形態に係る車両用シートが備える車両用シートフレームにおけるフロントライザブラケット周辺の構成を示す斜視図である。 実施形態におけるフロントライザブラケット及びアッパレールの前部をシート上方側から見た状態で示す斜視図である。 図2に示される構成の一部をシート幅方向内側かつシート下方側から見た状態で示す斜視図である。 実施形態におけるフロントライザブラケットを示す斜視図である。 図1の一部に対応した斜視図であり、車両の後面衝突時におけるフロントライザブラケットへの入力方向について説明するための図である。 図2のF6-F6線に沿った切断面を示す断面図である。 図6に対応した断面図であり、図5に示される入力方向への荷重の入力があった場合における実施形態のフロントライザブラケットの変形について説明するための図である。 比較例におけるフロントライザブラケット及びアッパレールの前部をシート上方側から見た状態で示す斜視図である。 図8に示される構成の一部をシート幅方向内側かつシート下方側から見た状態で示す斜視図である。 比較例におけるフロントライザブラケットを示す斜視図である。 図8のF11-F11線に沿った切断面を示す断面図である。 図11に対応した断面図であり、図5に示される入力方向への入力があった場合における比較例のフロントライザブラケットの変形について説明するための図である。 上記の入力によって比較例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる応力をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 上記の入力によって実施形態におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる応力をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 上記の入力によって比較例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 上記の入力によって実施形態におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 実機試験において、比較例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部が上記の入力により破断した状態を示す写真である。 実機試験において、実施形態におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部が上記の入力による破断を回避した状態を示す写真である。 上記の入力によって比較例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 上記の入力によって実施形態におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 実施形態の第1変形例におけるフロントライザブラケット周辺の構成を示す平面図である。 図21に示されるフロントライザブラケットを示す斜視図である。 上記の入力によって第1変形例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。 実施形態の第2変形例におけるフロントライザブラケット周辺の構成を示す平面図である。 図24に示されるフロントライザブラケットを示す斜視図である。 上記の入力によって第2変形例におけるフロントライザブラケットとアッパレールとの溶接部に生じる歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を示す解析図である。
以下、図1~図26を参照して本発明の一実施形態に係る車両用シート10及び車両用シートフレーム12について説明する。なお、各図においては図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。また、各図中に適宜示される矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印LHは車両左方を示し、矢印RHは車両右方を示している。以下、前後左右上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用シート10は、その骨格を構成する車両用シートフレーム12を備えている。車両用シートフレーム12は、車両の乗員が着座するシートクッションの骨格を構成するシートクッションフレーム14と、シートスライド機構の構成要素であるシートスライドレール20と、リフタ機構の構成要素であるフロントリンク26及びフロントライザブラケット30とを備えている。図示は省略するが、シートクッションフレーム14の後端部には、シートバックの骨格を構成するシートバックフレームの下端部が連結されている。シートクッションフレーム14及びシートバックフレームには、それぞれ表皮によって覆われたパッド材(何れも図示省略)が取り付けられる。この車両用シート10の前後方向、左右方向(幅方向)、及び上下方向は、車両の前後左右上下の方向と一致している。
シートクッションフレーム14は、シートクッションの左右の側部に配置されてシート前後方向に延在した左右一対のサイドフレーム16(図1では左側のサイドフレーム16のみ図示)と、左右のサイドフレーム16の前部における上端部間に架け渡されたクッションパン18と、左右のサイドフレーム16の後端部間に架け渡された図示しないリヤフレームとを備えている。クッションパン18とリヤフレームとの間には、図示しないシートクッションスプリングが架け渡されている。このシートクッションスプリングによって、シートクッションのパッド材がシート下方側から弾性的に支持されている。
左右のサイドフレーム16は、例えば板金がプレス成型されることにより長尺状に形成されており、長手方向がシート前後方向に沿い且つ厚さ方向がシート左右方向に沿う姿勢で配置されている。クッションパン18は、例えば板金によって略矩形状に形成され、厚さ方向がシート上下方向に沿う姿勢で配置されており、シート左右方向の両端部が左右のサイドフレーム16の前部に溶接等の手段によって固定されている。リヤフレームは、例えば金属製のパイプによって形成され、軸線方向がシート左右方向に沿う姿勢で配置されており、シート左右方向の両端部がカシメ等の手段で左右のサイドフレーム16の後端部に回転可能に連結されている。左右のサイドフレーム16の後端部には、周知のリクライニング機構を介してシートバックフレームの下端部がリクライニング可能に連結されている。
シートクッションフレーム14の左右のサイドフレーム16は、シートスライド機構及びリフタ機構を介して車両の床部に連結されており、シートクッションフレーム14は、車両の床部に対する前後方向の位置及び上下方向の位置を調節可能とされている。シートスライド機構は、左右のサイドフレーム16の下方に配置された左右一対のシートスライドレール20(図1では左側のシートスライドレール20のみ図示)を含んで構成されている。シートスライドレール20は、例えばボルト締結等の手段で車両の床部に固定されたロアレール22と、ロアレール22に対して前後方向にスライド可能に支持されたアッパレール24と、ロアレール22に対するアッパレール24のスライドを規制する図示しないロック機構とを備えている。ロアレール22及びアッパレール24は、前後方向を長手として配置されている。
リフタ機構は、左右一対のフロントライザブラケット30(図1では左側のフロントライザブラケット30のみ図示)と、左右一対のフロントリンク26(図1では左側のフロントリンク26のみ図示)と、図示しない左右一対のリヤライザブラケットと、図示しない左右一対のリヤリンクとを含んで構成されている。左右のフロントライザブラケット30、左右のフロントリンク26、左右のリヤライザブラケット及び左右のリヤリンクは、例えば板金がプレス成型されて製造されたものである。なお、左右のフロントライザブラケット30、左右のフロントリンク26、左右のリヤライザブラケット及び左右のリヤリンクは、左右対称に形成されている以外は基本的に同様の構成とされている。
図1~図3に示されるように、フロントライザブラケット30は、アッパレール24の前端部の上面に固定されたレール固定部32と、レール固定部32のシート幅方向内側端部(左右方向内側端部)から上方側へ延出されたリンク連結部34と、リンク連結部34の上端部からシート幅方向内側へ延出された上フランジ部36と、レール固定部32の前端部とリンク連結部34の前端部とを繋いだ前壁部38と、レール固定部32の後端部とリンク連結部34の後端部とを繋いだ後壁部40とを有している。
レール固定部32は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手とする長尺板状をなしており、アッパレール24の上面に重ね合わされている。このレール固定部32は、一例として、シート前後方向に並んだ複数(ここでは2つ)の溶接部46、48においてアッパレール24の上面に溶接されている。これらの溶接部46、48は、ここではレーザー溶接の溶接ビードである。前側の溶接部46は、レール固定部32の前部をアッパレール24の上面に固定しており、後側の溶接部48は、レール固定部32の後部をアッパレール24の上面に固定している。
前側の溶接部46は、シート幅方向に並び且つシート前後方向に沿って延在する一対の前後延在部46A、46Bと、一対の前後延在部46A、46Bの前端部を繋いだ前側接続部46Cとによって構成されており、平面視でシート後方側に開口した略U字状をなしている。シート幅方向外側の前後延在部46Aはシート前後方向と平行に延在しており、シート幅方向内側の前後延在部46Bは、シート後方側へ向かうほどシート幅方向内側へ向かうようにシート前後方向に対して傾斜している。前側接続部46Cは、シート前方側に凸の円弧状をなしている。
後側の溶接部48は、シート幅方向に並び且つシート前後方向に沿って延在する一対の前後延在部48A、48Bと、一対の前後延在部48A、48Bの後端部を繋いだ後側接続部48Cとによって構成されており、平面視でシート前方側に開口したU字状をなしている。一対の前後延在部48A、48Bはシート前後方向と平行に延在している。後側接続部48Cは、シート後方側に凸の円弧状をなしている。
リンク連結部34は、レール固定部32のシート幅方向内側端部からシート上方側へ延出されている。リンク連結部34の下端部は、下方側へ向かうほどシート幅方向外側へ向かうように湾曲しており、レール固定部32のシート幅方向内側端部に滑らかに連結している。このリンク連結部34は、前部が後部よりもシート幅方向外側に位置するように断面クランク状に曲がっている。リンク連結部34の前部の上部には、円形のリンク連結孔42が形成されている。リンク連結部34の後部の上端部からは、上フランジ部36がシート幅方向内側へ向けて延出されている。レール固定部32の前端部とリンク連結部34の前端部とを繋いだ前壁部38、及びレール固定部32の後端部とリンク連結部34の後端部とを繋いだ後壁部40は、シート幅方向内側へ向かうほど高さが増加するように形成されている。
リンク連結部34の前部の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部(膨出部)50が形成されている。これにより、リンク連結部34の前部は、シート前後方向から見た断面が略クランク状をなしており、ビード部50が形成された下部が上部よりもシート幅方向外側へ膨出している。このビード部50の上部は、シート上方側へ向かうほどシート幅方向内側へ向かうように湾曲しており、ビード部50の上部には、シート前後方向に延在する稜線RLが形成されている。このビード部50によって、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近が補強されている。このビード部50は、前側の溶接部46に対してシート幅方向内側に配置されている。前後の溶接部46、48が有する前後延在部46A、46B、48A、48Bは、上記の稜線RLに沿って延在している。
フロントリンク26の一端部(上端部)は、サイドフレーム16の前端部に対してシート幅方向内側から重ね合わされており、シート幅方向を軸線方向とする連結軸を用いてサイドフレーム16の前端部に回転可能に連結されている。フロントリンク26の他端部(下端部)は、リンク連結部34の上部に対してシート幅方向外側から重ね合わされており、フロントライザブラケット30のビード部50の上方に配置されている。リンク連結部34の上部に形成されたリンク連結孔42には、シート幅方向を軸線方向とする連結軸28が挿通されており、当該連結軸28を用いてフロントリンク26の他端部がリンク連結部34に回転可能に連結されている。
なお図示は省略するが、リヤライザブラケットは、アッパレールの後部の上面に固定されている。リヤリンクの一端部は、シートクッションフレーム14のリヤフレームに固定されており、シートクッションフレーム14に対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に連結されている。リヤリンクの他端部は、リヤライザブラケットに対してシート幅方向に沿った軸線回りに回転可能に連結されている。
左右のフロントリンク26及び左右のリヤリンクは、後方側へ傾いた姿勢で配置されている。左右のリヤリンクの一方には、例えばセクタギヤが形成されており、当該セクタギヤに噛合された図示しないピニオンが手動又は電動で回転されることにより、上記一方のリヤリンクが回動される。これにより、左右のリヤリンク及び左右のフロントリンク26が回動し、シートクッションフレーム14の上下方向の位置が変更される構成になっている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両用シート10では、フロントリンク26の一端部は、シートクッションフレーム14のサイドフレーム16の前部に回転可能に連結されており、フロントリンク26の他端部は、フロントライザブラケット30のリンク連結部34に回転可能に連結されている。フロントライザブラケット30は、シートスライドレール20のアッパレール24の前部に固定されたレール固定部32を有しており、リンク連結部34は、レール固定部32のシート幅方向内側端部から上方側へ延出されている。フロントライザブラケット30のレール固定部32は、溶接によってアッパレール24に固定されている。これにより、レール固定部32がボルト及びナットを用いてアッパレール24に固定される場合と比較して軽量化を図ることができる。
しかも、フロントリンク26の他端部の下方でフロントライザブラケット30のリンク連結部34の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部50が形成されている。これにより、車両の後面衝突時の入力に対する強度を確保し易くなる。すなわち、車両の後面衝突には、車両後方側へ慣性移動しようとする乗員からの荷重がシートバックフレームを介してシートクッションフレーム14に加わる。これにより、フロントリンク26からリンク連結部34に対して車両後方斜め上方側への荷重F(図5参照)が入力され、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近でフロントライザブラケット30が変形しようとするが、この変形が上記のビード部50によって抑制される。これにより、溶接部46への応力の集中が抑制されるので、溶接部46を起点とする溶接部46、48の破断が抑制され、溶接部46、48の強度確保が容易になる。
なお、図6は、図2のF6-F6線に沿った切断面を示す断面図であり、図7は、上記の荷重Fの入力があった場合の図6に対応した断面図である。この図7に示されるように、本実施形態では、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近でのフロントライザブラケット30の変形が抑制されるので、溶接部46(特に前後延在部46Bの前端部付近)への応力集中が抑制される。
上記の効果について、図8~図12に示される比較例を用いて補足説明する。なお、図11は、図8のF11-F11線に沿った切断面を示す断面図であり、図12は、上記の荷重Fの入力があった場合の図11に対応した断面図である。この比較例では、フロントライザブラケット30’のリンク連結部34の下部にビード部50が形成されておらず、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近の剛性が本実施形態よりも低くなっているが、それ以外の構成は本実施形態と同様とされている。この比較例では、リンク連結部34に対して上記の荷重Fが入力されると、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近でフロントライザブラケット30’が変形する(図12参照)。その結果、レール固定部32とアッパレール24との溶接部46(特に前後延在部46Bの前端部付近)に応力が集中するので、溶接部46、48の破断の原因となる。
これに対し、本実施形態では、リンク連結部34とレール固定部32との接続部付近の剛性がビード部50によって向上しているため、フロントライザブラケット30の変形が抑制され、フロントライザブラケット50が前述した荷重Fによってアッパレール24と一緒に持ち上がろうとする。これにより、溶接部46への応力集中が抑制されるので、溶接部46を起点とする溶接部46、48の破断が抑制され、溶接部46、48の強度確保が容易になる。その結果、例えばフロントライザブラケット30を薄板化することができるので、更なる軽量化が可能となる。
また、本実施形態では、フロントライザブラケット30のリンク連結部34の下部に形成されたビード部50が、シート前後方向に延在する稜線RLを有している。また、フロントライザブラケット30のレール固定部32とアッパレール24との溶接部46、48が、上記の稜線RLに沿って延在する前後延在部46A、46B、48A、48Bを有している。これにより、各前後延在部46A、46B、48A、48Bへの応力集中をビード部50によって良好に抑制することができる。
また、本実施形態では、フロントライザブラケット30のレール固定部32とアッパレール24との溶接部46、48が、平面視でシート前後方向一方側に開口したU字状又は略U字状をなしている。これにより、各溶接部46、48には、ビード部50の稜線RLに沿って延在する2つの前後延在部46A、46B、48A、48Bが設けられるので、それらの部分への応力集中をビード部50によって良好に抑制することができる。
また、本実施形態では、フロントライザブラケット30のレール固定部32が、シート前後方向に並んだ複数の溶接部46、48においてアッパレール24に溶接されている。これにより、例えばシート前後方向を長手とする長尺な1つの溶接部においてレール固定部32とアッパレール24とが溶接される構成と比較して、溶接長を短く設定しつつ必要な溶接強度を確保することができる。
次に、本実施形態と上記比較例とにおいて、上記の荷重Fの入力によって溶接部46に生じる応力及び塑性歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果を図13~図16を参照して説明する。このコンピュータシュミレーションでは、本実施形態と上記比較例とにおいて上記の荷重Fが同じ値に設定されている。図13には、比較例において、荷重Fの入力によって溶接部46に生じる応力がMPaの単位で記載されており、図14には、本実施形態において、荷重Fの入力によって溶接部46に生じる応力がMPaの単位で記載されている。これらの図13及び図14から、本実施形態では溶接部46の応力分布が変化し、応力集中が緩和されていることが分かる。また、図15には、比較例において、上記荷重Fの入力によって溶接部46に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されており、図16には、本実施形態において、上記荷重Fの入力によって溶接部46に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されている。これらの図15及び図16から、本実施形態では、溶接部46に生じる塑性歪も減少することが分かる。
本実施形態の上記効果は、車両の後面衝突を模擬した実機試験においても確認された。図17に示されるように、比較例では、上記の実機試験において、溶接部46の前後延在部46Bを起点としてフロントライザブラケット30’が破断した。一方、図18に示されるように、ビード部50を模した別部品をリンク連結部34の下部に溶接した対策品では、上記の実機試験において、フロントライザブラケット30の破断が回避された。
次に、図19~図26を参照して、溶接パターンの違いによって変化する塑性歪をコンピュータシュミレーションで解析した解析結果について説明する。図19には、本実施形態において、荷重Fが加わった場合に溶接部46に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されている。図20には、比較例において、荷重Fが加わった場合に溶接部46に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されている。
図21には、本実施形態の第1変形例におけるフロントライザブラケット30の周辺の構成が平面図にて示されており、図22には、図21に示されるフロントライザブラケット30が斜視図にて示されている。この第1変形例では、フロントライザブラケット30とアッパレールとが、シート前後方向に並んだ2つの円弧状の溶接部52、54において溶接されている。図23には、荷重Fが加わった場合に第1変形例の溶接部52に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されている。図24には、本実施形態の第2変形例におけるフロントライザブラケット30の周辺の構成が平面図にて示されており、図25には、図24に示されるフロントライザブラケット30が斜視図にて示されている。この第2変形例では、フロントライザブラケット30とアッパレールとが、シート前後方向に並んだ4つの円形状の溶接部56、58、60、62において溶接されている。図26には、荷重Fが加わった場合に第2変形例の溶接部56に生じる塑性歪がパーセント表記で記載されている。図19、図20、図23及び図26では、荷重Fが同じ値に設定されている。図19、図20、図23及び図26から、本実施形態のように溶接部46が略U字状である場合に特に塑性歪が小さくなることが確認された。
なお、上記実施形態では、レール固定部32とアッパレール24とがシート前後方向に並んだ2つ(複数)の溶接部46、48において溶接された構成にしたが、これに限るものではない。例えば、シート前後方向を長手とする長尺な溶接部においてレール固定部とアッパレールとが溶接された構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、溶接部46、48が平面視でU字状又は略U字状をなした構成にしたが、これに限るものではない。例えば溶接部が平面視でシート前後方向を長手とする長円形状をなした構成にしてもよい。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 車両用シート
12 車両用シートフレーム
14 シートクッションフレーム
16 サイドフレーム
20 シートスライドレール
24 アッパレール
26 フロントリンク
30 フロントライザブラケット
32 レール固定部
34 リンク連結部
46 溶接部
46A、46B 前後延在部
48 溶接部
48A、48B 前後延在部
50 ビード部
52、54、56、58、60、62 溶接部
RL 稜線

Claims (5)

  1. シートクッションフレームのサイドフレームの前部に一端部が回転可能に連結されたフロントリンクと、
    シートスライドレールのアッパレールの前部に固定されたレール固定部、及び前記レール固定部のシート幅方向内側端部から上方側へ延出され、前記フロントリンクの他端部が回転可能に連結されたリンク連結部を有するフロントライザブラケットと、
    を備え、
    前記レール固定部は、溶接によって前記アッパレールに固定されており、
    前記フロントリンクの他端部の下方で前記リンク連結部の下部には、シート幅方向外側へ膨出したビード部が形成されている車両用シートフレーム。
  2. 前記ビード部は、シート前後方向に延在する稜線を有しており、
    前記レール固定部と前記アッパレールとの溶接部は、前記稜線に沿って延在する部分を有している請求項1に記載の車両用シートフレーム。
  3. 前記溶接部は、平面視でシート前後方向一方側に開口したU字状又は略U字状をなしている請求項2に記載の車両用シートフレーム。
  4. 前記レール固定部は、シート前後方向に並んだ複数の溶接部において前記アッパレールに溶接されている請求項3の車両用シートフレーム。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用シートフレームによって骨格が構成された車両用シート。
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