JP2023112916A - 情報処理装置、及び車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することを可能にする。【解決手段】情報処理装置の一例としての制御装置200は、取得部210と、予測部220と、制御部230とを備える。取得部210は、車両100の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する。予測部220は、取得部210によって取得された使用履歴情報と、車両100の使用履歴に応じたFCスタック105の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、FCスタック105の出力低下量を予測する。制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量に基づき、所定の処理を実行する。【選択図】図2
Description
本発明は、情報処理装置、及び当該情報処理装置を備える車両に関する。
近年、地球の気候変動に対する具体的な対策として、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化している。車両においても、CO2排出量の削減が強く要求され、駆動源の電動化が急速に進んでいる。具体的には、電気自動車(Electrical Vehicle)あるいはハイブリッド電気自動車(Hybrid Electrical Vehicle)といった、駆動源としての電動機と、この電動機に電力を供給可能な電力源(例えばバッテリ)と、を備える車両(以下、「電動車両」ともいう)の開発が進められている。また、このような電動車両としては、電力源として燃料電池を備える燃料電池自動車(Fuel Cell Electric Vehicle)も開発されている(例えば下記特許文献1、2を参照)。
燃料電池は、使用されることに伴って劣化し、定格出力が徐々に低下する。このため、燃料電池自動車では、燃料電池の劣化度合い、換言すると定格出力の低下量(以下「出力低下量」ともいう)を考慮した制御を行うことが望まれる。
ところで、一般的に、燃料電池自動車では、ユーザの操作に応じたアクセル開度に基づき燃料電池自動車の走行に要求される要求出力が導出され、この要求出力に基づき燃料電池の出力が制御される。このような燃料電池自動車では、燃料電池の出力が定格出力となる機会は少なく、現在の燃料電池の定格出力を測定できる機会が限られていた。このため、従来技術にあっては、任意のタイミングで燃料電池の劣化度合い(換言すると出力低下量)を取得することが難しいという問題があった。
本発明は、任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することを可能にする情報処理装置、及び当該情報処理装置を備える車両を提供する。
第1発明は、
燃料電池と、前記燃料電池の電力により駆動する駆動源とを備える車両における前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記車両の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置である。
燃料電池と、前記燃料電池の電力により駆動する駆動源とを備える車両における前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記車両の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置である。
第2発明は、
第1発明の情報処理装置と、
前記燃料電池と、
前記駆動源と、
を備える、車両である。
第1発明の情報処理装置と、
前記燃料電池と、
前記駆動源と、
を備える、車両である。
第3発明は、
燃料電池を含む燃料電池システムにおける前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置である。
燃料電池を含む燃料電池システムにおける前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置である。
本発明によれば、任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することを可能にする情報処理装置、及び当該情報処理装置を備える車両を提供できる。
以下、本発明の情報処理装置、及び当該情報処理装置を備える車両の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[車両]
図1に示すように、本実施形態の車両100は、いわゆる「燃料電池自動車」であり、水素タンク101と、水素ポンプ103と、FC(Fuel Cell)スタック105と、供給部107と、蓄電器109と、駆動源としての電動機111と、通知部121と、情報処理装置の一例である制御装置200と、を備える。なお、図1中の細い実線の矢印は電力を示し、太い実線の矢印は燃料(水素)を示し、点線の矢印は制御信号又はデータを示す。
図1に示すように、本実施形態の車両100は、いわゆる「燃料電池自動車」であり、水素タンク101と、水素ポンプ103と、FC(Fuel Cell)スタック105と、供給部107と、蓄電器109と、駆動源としての電動機111と、通知部121と、情報処理装置の一例である制御装置200と、を備える。なお、図1中の細い実線の矢印は電力を示し、太い実線の矢印は燃料(水素)を示し、点線の矢印は制御信号又はデータを示す。
水素タンク101は、車両100を走行させるための燃料となる水素を蓄える。また、水素タンク101は、例えば、水素タンク101に貯蔵されている水素の残量(水素残量)を示す信号を制御装置200へ送る。水素ポンプ103は、例えば、制御装置200によって制御され、水素タンク101からFCスタック105へ送られる水素量を調整する。FCスタック105は、水素ポンプ103から供給される水素と空気中の酸素を取り込み、化学反応により電気エネルギーを生成する。FCスタック105は、いわゆる「燃料電池」と称されるものの中心的な構成要素である。また、FCスタック105は、例えば、FCスタック105の出力電圧及び/又は出力電流を示す信号を制御装置200へ送る。
供給部107は、FCスタック105によって生成された電気エネルギー(すなわち電力)を、蓄電器109及び電動機111に供給可能に構成される。また、供給部107は、蓄電器109の電力を電動機111に供給することも可能である。供給部107による電力供給は、例えば、制御装置200によって制御される。
詳細な説明は省略するが、制御装置200は、例えば、車両100のユーザ(以下、単に「ユーザ」ともいう)の操作に応じたアクセル開度に基づき車両100の走行に要求される要求出力を導出し、電動機111の出力がこの要求出力となるように、FCスタック105及び蓄電器109から供給部107を介して電動機111に供給される電力を制御する。なお、供給部107には、FCスタック105によって生成された電力の電圧変換を行うVCU(Voltage Control Unit)が含まれ得る。また、このVCUは、蓄電器109の電力の電圧変換を行ってもよい。具体的一例として、このVCUは、FCスタック105によって生成された電力、及び/又は蓄電器109の電力を昇圧して電動機111に供給するようにしてもよい。
蓄電器109は、充放電可能な二次電池として機能し、直列あるいは直並列に接続された複数の蓄電セルを有して構成される。蓄電器109は、FCスタック105によって生成された電力を蓄電する。なお、蓄電器109の蓄電セルには、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等を採用することができる。
電動機111は、車両100を走行させるための動力を発生させる、いわゆる「トラクションモータ」と称される電動機である。電動機111は、FCスタック105によって生成された電力、及び/又は蓄電器109の電力によって駆動する。電動機111から発生した動力は、不図示の動力伝達機構によって車両100の駆動輪に伝達され、駆動輪を駆動する。これにより、車両100が走行する。
通知部121は、各種情報を所定の通知先に通知可能に構成される。通知部121による通知は、例えば、制御装置200によって制御される。例えば、通知部121は、いわゆる「マルチインフォメーションディスプレイ」と称される各種情報を表示可能な表示装置を含んで構成される。この表示装置は、例えば、車両100に関する燃費等の情報のほか、FCスタック105の出力低下量に基づきユーザに対して行われ得る所定の通知に関する情報を表示する(後述)。なお、通知部121は、マルチインフォメーションディスプレイのような表示装置に限られず、音声を出力可能なスピーカや、ランプの点灯態様により各種情報を表示可能なランプ表示器等であっても、ユーザに対する通知を行うことが可能である。
また、通知部121は、車両100の外部の通知先に各種情報を通知可能に構成されてもよい。この場合、通知部121は、移動体通信網等の所定のネットワークを介して、車両100の外部のコンピュータと通信可能な通信装置を含み得る。この通信装置は、例えば、FCスタック105の出力低下量に基づき、車両100のメンテナンスを実施可能な管理者に対して行われ得る所定の通知に関する情報を、ネットワークを介して、当該管理者のコンピュータに送信する。
制御装置200は、車両100の全体の制御を司る。制御装置200は、例えば、各種演算を行うプロセッサ、各種情報を記憶する記憶装置(記憶媒体)、制御装置200の内部と外部とのデータの入出力を制御する入出力装置等を備えるECU(Electronic Control Unit)によって実現される。なお、制御装置200は、1つのECUによって実現されてもよいし、複数のECUによって実現されてもよい。
図2に示すように、制御装置200は、例えば、制御装置200の記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される機能部として、取得部210と、予測部220と、制御部230と、を備える。
取得部210は、車両100の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する。ここで、使用履歴情報は、FCスタック105の劣化に関連する項目についての車両100の使用履歴を示す情報である。例えば、使用履歴情報は、FCスタック105の劣化に関連する項目として、車両100の起動回数(換言するとFCスタック105の起動回数)、FCスタック105の発電時間、及びFCスタック105の出力電圧の変動回数(以下、単に「電圧変動回数」ともいう)のそれぞれを示す情報を含む。
なお、使用履歴情報は、上記の起動回数を示す情報に代えて又は加えて、車両100の起動時間(換言するとFCスタック105の起動時間)を示す情報を含んでもよい。また、使用履歴情報は、上記の発電時間を示す情報に代えて又は加えて、FCスタック105の発電回数を示す情報を含んでもよい。さらに、使用履歴情報は、上記の電圧変動回数を示す情報に代えて又は加えて、FCスタック105の出力電流の変動回数(以下、単に「電流変動回数」ともいう)を示す情報を含んでもよい。一般的には、電圧変動回数をカウントするよりも電流変動回数をカウントする方が、制御上、容易に実現可能である。
また、使用履歴情報には、FCスタック105の出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数を示す情報が含まれていてもよい。具体的一例として、使用履歴情報には、Ia[A]の出力電流による発電時間の累積がNa[h]、Ib[A]の出力電流による発電時間の累積がNb[h]、・・・、といったように、これまでのFCスタック105の発電時間を出力電流毎の発電時間に分類した情報が含まれていてもよい。また、使用履歴情報には、Ia[A]の出力電流による発電回数の累積がNx[回]、Ib[A]の出力電流による発電回数の累積がNy[回]、・・・、といったように、これまでのFCスタック105の発電回数を出力電流毎の発電回数に分類した情報が含まれていてもよい。FCスタック105の出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数を示す情報が使用履歴情報に含まれるようにすれば、FCスタック105の出力低下速度が出力電流の電流値に応じて異なる場合であっても、精度の高い出力低下量を取得することが可能となる。また、上記の出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数を示す情報に代えて又は加えて、FCスタック105の出力電圧毎の発電時間及び/又は発電回数を示す情報が、使用履歴情報に含まれるようにしてもよい。すなわち、使用履歴情報には、これまでのFCスタック105の発電時間又は発電回数を出力電圧毎に分類した情報が含まれていてもよい。
さらに、使用履歴情報には、車両100の走行時間及び/又は走行回数を示す情報や、車両100の停車時間及び/又は停車回数を示す情報が含まれてもよい。
例えば、図3に示すように、制御装置200は、車両100の起動中(イグニッション電源がオンである期間)に、FCスタック105の出力電圧を含む車両100の状態を監視する。この監視により、制御装置200は、例えば車両100の初回起動時からの、車両100の起動回数、FCスタック105の発電時間、及び電圧変動回数のそれぞれを逐次積算していき、現在までのこれらを示す使用履歴情報を制御装置200の記憶装置に記憶する。
そして、取得部210は、このようにして制御装置200の記憶装置に記憶された使用履歴情報を、所定のタイミングで取得する。取得部210が使用履歴情報を取得するタイミングは、例えば、車両100の起動時とすることができる。このようにすれば、車両100が起動される毎に、FCスタック105の出力低下量の予測を行うことが可能となる。また、車両100の起動時に限られず、取得部210は、例えば、ユーザから所定の操作を受け付けた際に使用履歴情報を取得するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが所望のタイミングで、FCスタック105の出力低下量の予測を行うことが可能となる。
予測部220は、取得部210によって取得された使用履歴情報と、FCスタック105の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、FCスタック105の出力低下量を予測する。ここで、出力低下特性情報は、例えば、制御装置200の記憶装置にあらかじめ記憶される。なお、出力低下特性情報は、制御装置200が参照可能に構成された制御装置200の外部の記憶装置に記憶されてもよい。
例えば、図4(a)に示すように、出力低下特性情報は、出力低下特性A、出力低下特性B、及び出力低下特性Cの各出力低下特性を示す情報とすることができる。ここで、出力低下特性Aは、車両100の起動回数に応じたFCスタック105の出力低下量を示す出力低下特性である。出力低下特性Aは、車両100の起動回数が多くなる程、FCスタック105の出力低下量も大きくなることをあらわし、例えば、車両100の起動回数がn1回(n1>0)であるときのFCスタック105の出力低下量はX1であることをあらわす。
また、ここで、出力低下特性Bは、FCスタック105の発電時間に応じたFCスタック105の出力低下量を示す出力低下特性である。出力低下特性Bは、FCスタック105の発電時間が多くなる程、FCスタック105の出力低下量も大きくなることをあらわし、例えば、FCスタック105の発電時間がn2[h](n2>0)であるときのFCスタック105の出力低下量はX2であることをあらわす。
また、ここで、出力低下特性Cは、電圧変動回数に応じたFCスタック105の出力低下量を示す出力低下特性である。出力低下特性Cは、電圧変動回数が多くなる程、FCスタック105の出力低下量も大きくなることをあらわし、例えば、電圧変動回数がn3回(n3>0)であるときのFCスタック105の出力低下量はX3であることをあらわす。
予測部220は、このような出力低下特性情報を参照することで、取得部210によって取得された使用履歴情報が示す車両100の起動回数、FCスタック105の発電時間、及び電圧変動回数のそれぞれについてのFCスタック105の出力低下量を取得する。そして、予測部220は、取得した各出力低下量を積算した値を、予測結果として導出する。
例えば、図4(b)に示すように、車両100の起動回数についての出力低下量がX1、FCスタック105の発電時間についての出力低下量がX2、電圧変動回数についての出力低下量がX3であったとする。この場合、予測部220は、FCスタック105の出力低下量の予測結果として、X10=X1+X2+X3を導出する。
なお、例えば、使用履歴情報が車両100の起動時間を示す情報を含む場合には、車両100の起動時間に応じたFCスタック105の出力低下量を示す情報を含む出力低下特性情報があらかじめ用意される。同様に、使用履歴情報が、FCスタック105の発電回数、車両100の走行時間及び/又は走行回数、あるいは車両100の停車時間及び/又は停車回数を示す情報を含む場合には、これらに応じたFCスタック105の出力低下量を示す情報を含む出力低下特性情報があらかじめ用意される。
制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能に構成される。
例えば、図5(a)に示すように、制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量があらかじめ定められた第1閾値Th1を上回った場合には、ユーザに対して所定の通知を行うための処理を行う。この通知は、例えば、FCスタック105の劣化が進行している旨を知らせる通知とすることができる。具体的一例として、制御部230は、FCスタック105の劣化が進行している旨をあらわすメッセージ等を通知部121に表示させることにより、ユーザに対して上記の通知を行う。
また、図5(a)に示すように、制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1を上回った場合には、車両100のメンテナンスを実施可能な管理者(例えば車両100の販売業者(いわゆるディーラ)及び/又は製造業者)に対して所定の通知を行うための処理を行ってもよい。この通知は、例えば、車両100の車台番号、及び当該車台番号により識別される車両100のFCスタック105の劣化が進行している旨を知らせる通知とすることができる。具体的一例として、制御部230は、車両100の車台番号、及び当該車台番号により識別される車両100のFCスタック105の劣化が進行している旨をあらわす情報を、ネットワークを介して管理者のコンピュータに送信することで、当該情報を管理者のコンピュータに表示させる。これにより、管理者は、FCスタック105の交換のため、ユーザが近々訪れてくることを予測することが可能となる。そして、管理者は、ユーザが訪れてくる前に、新たなFCスタック105をあらかじめ手配して入手しておくことができる。したがって、ユーザが訪れてきた際に、管理者は、入手済みのFCスタック105により、車両100のFCスタック105を速やかに交換することが可能となる。なお、通知先となる管理者のコンピュータ(例えば管理者の店舗に設置された端末装置、又は管理者が管理するサーバ装置)は、例えば、制御装置200にあらかじめ設定される。
一方、図5(b)に示すように、制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1以下であり、且つ第1閾値Th1よりも小さい第2閾値Th2を上回った場合には、管理者に対してのみ所定の通知を行うための処理を行う。この通知は、例えば、車両100の車台番号(すなわち車両100の識別情報)、及び当該車台番号により識別される車両100のFCスタック105の劣化がやや進行している旨を知らせる通知とすることができる。具体的一例として、制御部230は、車両100の車台番号、及び当該車台番号により識別される車両100のFCスタック105の劣化がやや進行している旨をあらわす情報を、ネットワークを介して管理者のコンピュータに送信することで、当該情報を管理者のコンピュータに表示させる。これにより、管理者は、車両100のFCスタック105の劣化がやや進行ぎみであることを把握できるので、例えば、次回の車両100の点検時にFCスタック105周辺に異常等がないかを重点的にチェックすることが可能となる。また、この場合には、ユーザに対しての通知は行われないため、ユーザに煩わしさを与え得る過剰な通知を抑制することが可能となる。
以上に説明したように、本実施形態の制御装置200及び制御装置200を備える車両100によれば、車両100の使用履歴を示す使用履歴情報と、FCスタック105の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、FCスタック105の出力低下量を予測することができる。したがって、FCスタック105の出力が定格出力となっていない任意のタイミングでFCスタック105の出力低下量を取得することができる。
また、同じ車種の燃料電池自動車同士であっても、各々の使われ方により、燃料電池の出力低下速度が異なるため、従来技術にあっては、個別の燃料電池自動車毎に、その車両の燃料電池の出力低下度合い(劣化度合い)を車両に搭載した状態のまま予測することは困難であった。これに対し、本実施形態の制御装置200及び制御装置200を備える車両100によれば、FCスタック105を車両100に搭載したままの状態で、FCスタック105の出力低下量(すなわちFCスタック105の劣化度合い)を取得(予測)することができる。
また、上記の使用履歴情報は、車両100(すなわちFCスタック105)の起動回数及び/又は起動時間、FCスタック105の発電時間及び/又は発電回数、FCスタック105の出力電圧の変動回数(すなわち電圧変動回数)、車両100の走行時間及び/又は走行回数、並びに、車両100の停車時間及び/又は停車回数のいずれかを示す情報を含む。このように、使用履歴情報がFCスタック105の劣化(換言するとFCスタック105の出力低下量)に関連する項目についての情報を含むため、FCスタック105の出力低下量を効率よく且つ精度よく予測することが可能となる。
なお、本実施形態で説明した例では、使用履歴情報が車両100の起動回数、FCスタック105の発電時間、及び電圧変動回数のそれぞれを示す情報を含む例を説明したが、これに限られない。例えば、使用履歴情報は、車両100の起動回数、FCスタック105の発電時間、及び電圧変動回数のいずれかを示す情報のみであってもよい。この場合、出力低下特性情報は、出力低下特性A、出力低下特性B、及び出力低下特性Cのいずれかを示す情報のみ(例えば使用履歴情報が車両100の起動回数を示す場合には、出力低下特性A)であってもよい。例えば、使用履歴情報に含まれる項目は、車両100の製造業者が適宜定めることが可能である。
また、制御装置200(制御部230)によれば、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1を上回った場合に、車両100のユーザに対して所定の通知を行うための処理を行うことができる。これにより、FCスタック105の出力低下量が第1閾値Th1を上回ったことに対する適切な対応(例えばFCスタック105の交換)をとるようにユーザを促すことが可能となる。
また、制御装置200(制御部230)によれば、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1以下であり、且つ第1閾値Th1よりも小さい第2閾値Th2を上回った場合に、車両100のメンテナンスを実施可能な管理者に対して所定の通知を行うための処理を行うことができる。これにより、FCスタック105の出力低下量が第2閾値Th2を上回ったことに対する適切な対応をとるように管理者(例えば車両100の販売業者及び/又は製造業者)を促すことが可能となる。また、制御装置200(制御部230)は、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1以下であり、且つ第2閾値Th2を上回った場合には、ユーザに対する通知は行わないようにすることで、ユーザに煩わしさを与え得る過剰な通知を抑制することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、前述した実施形態では、予測部220によって予測された出力低下量が第1閾値Th1を上回った場合には、ユーザ及び管理者の両方に対して所定の通知を行うための処理を行うこととしたが、ユーザのみに通知するようにしてもよい。
また、制御装置200(制御部230)は、例えば上記のような通知を行わず、単に、予測部220によって予測された出力低下量を示す情報を所定の出力先へ出力するようにしてもよい。この場合、出力先は、車両100が備える制御装置200以外の制御装置であってもよいし、通知部121(例えば車両100が備える表示装置)であってもよいし、車両100の外部のコンピュータであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明の情報処理装置を車両100が備える制御装置200によって実現した例を説明したが、これに限られない。例えば、前述した制御装置200の取得部210、予測部220、及び制御部230の一部又は全部の機能部は、制御装置200と通信可能なサーバ装置によって実現されてもよい。すなわち、本発明の情報処理装置は、車両100が備える制御装置200と通信可能なサーバ装置によって実現されてもよい。また、このサーバ装置は、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
さらに、本発明の情報処理装置は、車両100に限られず、燃料電池を含む任意の燃料電池システムに適用可能である。ここで、燃料電池システムとしては、例えば、「家庭用燃料電池コジェネレーションシステム」と称される、FCスタック105のような燃料電池を含んで構成される定置型の住宅用電源システムを挙げることができる。このような燃料電池システムに本発明を適用した場合、情報処理装置の一例としての制御装置200が備える取得部210は、燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得すればよい。また、予測部220は、取得部210によって取得された使用履歴情報と、燃料電池システムの使用履歴に応じた燃料電池システムの燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、燃料電池の出力低下量を予測すればよい。そして、制御部230は、予測部220によって予測された出力低下量に基づき、例えば、燃料電池システムが設置された住宅の住民やガス会社あるいは電力会社に対して通知を行う等、所定の処理を実行すればよい。このように、本発明の情報処理装置を、燃料電池を含む任意の燃料電池システムに適用した場合であっても、燃料電池の出力が定格出力となっていない任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することができる。
本明細書等には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、前述した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 燃料電池(FCスタック105)と、前記燃料電池の電力により駆動する駆動源(電動機111)とを備える車両(車両100)における前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置(制御装置200)であって、
前記車両の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部(取得部210)と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部(予測部220)と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部(制御部230)と、
を備える、情報処理装置。
前記車両の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部(取得部210)と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部(予測部220)と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部(制御部230)と、
を備える、情報処理装置。
(1)によれば、車両の使用履歴を示す使用履歴情報と、燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、燃料電池の出力低下量を予測することができる。したがって、燃料電池の出力が定格出力となっていない任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することができる。
(2) (1)に記載の情報処理装置であって、
前記使用履歴情報は、前記車両の起動回数及び/又は起動時間、前記燃料電池の発電時間及び/又は発電回数、前記燃料電池の出力電圧又は出力電流の変動回数、前記出力電圧毎又は前記出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数、前記車両の走行時間及び/又は走行回数、並びに、前記車両の停車時間及び/又は停車回数のいずれかを示す情報を含む、
情報処理装置。
前記使用履歴情報は、前記車両の起動回数及び/又は起動時間、前記燃料電池の発電時間及び/又は発電回数、前記燃料電池の出力電圧又は出力電流の変動回数、前記出力電圧毎又は前記出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数、前記車両の走行時間及び/又は走行回数、並びに、前記車両の停車時間及び/又は停車回数のいずれかを示す情報を含む、
情報処理装置。
(2)によれば、使用履歴情報が燃料電池の劣化(換言すると燃料電池の出力低下量)に関連する項目についての情報を含むため、燃料電池の出力低下量を効率よく且つ精度よく予測することが可能となる。
(3) (1)又は(2)に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記出力低下量が第1閾値(第1閾値Th1)を上回った場合に、前記車両のユーザに対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。
前記制御部は、前記出力低下量が第1閾値(第1閾値Th1)を上回った場合に、前記車両のユーザに対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。
(3)によれば、予測された燃料電池の出力低下量が第1閾値を上回った場合に、車両のユーザに対して所定の通知を行うための処理を行うため、燃料電池の出力低下量が第1閾値を上回ったことに対する適切な対応(例えば燃料電池の交換)をとるようにユーザを促すことが可能となる。
(4) (3)に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記出力低下量が前記第1閾値以下であり、且つ前記第1閾値よりも小さい第2閾値(第2閾値Th2)を上回った場合に、前記車両のメンテナンスを実施可能な管理者に対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。
前記制御部は、前記出力低下量が前記第1閾値以下であり、且つ前記第1閾値よりも小さい第2閾値(第2閾値Th2)を上回った場合に、前記車両のメンテナンスを実施可能な管理者に対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。
(4)によれば、予測された燃料電池の出力低下量が第2閾値を上回った場合に、車両のメンテナンスを実施可能な管理者に対して所定の通知を行うための処理を行うため、燃料電池の出力低下量が第2閾値を上回ったことに対する適切な対応をとるように管理者を促すことが可能となる。また、第2閾値は第1閾値よりも小さいため、第2閾値を上回った場合に車両のユーザに対して所定の通知を行うようにした場合に比べて、ユーザに対する過剰な通知を抑制することが可能となる。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記燃料電池と、
前記駆動源と、
を備える、車両。
前記燃料電池と、
前記駆動源と、
を備える、車両。
(5)によれば、車両の使用履歴を示す使用履歴情報と、燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、燃料電池の出力低下量を予測することができる。したがって、燃料電池の出力が定格出力となっていない任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することができる。
(6) 燃料電池(FCスタック105)を含む燃料電池システム(車両100)における前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置(制御装置200)であって、
前記燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部(取得部210)と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部(予測部220)と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部(制御部230)と、
を備える、情報処理装置。
前記燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部(取得部210)と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部(予測部220)と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部(制御部230)と、
を備える、情報処理装置。
(6)によれば、燃料電池システムの燃料電池の出力が定格出力となっていない任意のタイミングで燃料電池の出力低下量を取得することができる。
100 車両
105 FCスタック(燃料電池)
111 電動機(駆動源)
200 制御装置(情報処理装置)
210 取得部
220 予測部
230 制御部
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
105 FCスタック(燃料電池)
111 電動機(駆動源)
200 制御装置(情報処理装置)
210 取得部
220 予測部
230 制御部
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
Claims (6)
- 燃料電池と、前記燃料電池の電力により駆動する駆動源とを備える車両における前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記車両の使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記使用履歴情報は、前記車両の起動回数及び/又は起動時間、前記燃料電池の発電時間及び/又は発電回数、前記燃料電池の出力電圧又は出力電流の変動回数、前記出力電圧毎又は前記出力電流毎の発電時間及び/又は発電回数、前記車両の走行時間及び/又は走行回数、並びに、前記車両の停車時間及び/又は停車回数のいずれかを示す情報を含む、
情報処理装置。 - 請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記出力低下量が第1閾値を上回った場合に、前記車両のユーザに対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。 - 請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記出力低下量が前記第1閾値以下であり、且つ前記第1閾値よりも小さい第2閾値を上回った場合に、前記車両のメンテナンスを実施可能な管理者に対して所定の通知を行うための処理を行う、
情報処理装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記燃料電池と、
前記駆動源と、
を備える、車両。 - 燃料電池を含む燃料電池システムにおける前記燃料電池の出力低下量を予測する情報処理装置であって、
前記燃料電池システムの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された使用履歴情報と、前記使用履歴に応じた前記燃料電池の出力低下特性を示す出力低下特性情報とに基づき、前記出力低下量を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記出力低下量に基づき、所定の処理を実行可能な制御部と、
を備える、情報処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022014940A JP2023112916A (ja) | 2022-02-02 | 2022-02-02 | 情報処理装置、及び車両 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022014940A JP2023112916A (ja) | 2022-02-02 | 2022-02-02 | 情報処理装置、及び車両 |
Publications (1)
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JP2022014940A Pending JP2023112916A (ja) | 2022-02-02 | 2022-02-02 | 情報処理装置、及び車両 |
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JP (1) | JP2023112916A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023150885A (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 本田技研工業株式会社 | 情報処理装置、及び車両 |
-
2022
- 2022-02-02 JP JP2022014940A patent/JP2023112916A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023150885A (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 本田技研工業株式会社 | 情報処理装置、及び車両 |
JP7411001B2 (ja) | 2022-03-31 | 2024-01-10 | 本田技研工業株式会社 | 情報処理装置、及び車両 |
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