JP2023112733A - レーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークの加工品質及び加工速度を高める。【解決手段】レーザ加工ヘッド20は、短波長の第1レーザ光L1と、長波長の第2レーザ光L2とを出射する。第2レーザ光L2は、ワークWを溶融させ、所定の移動方向に延びる溶融池31を形成する。第1レーザ光L1の出射位置は、所定の出射領域30内で移動する。出射領域30の移動方向寸法及び移動方向に直交する幅方向寸法は、溶融池31の移動方向寸法及び幅方向寸法よりも大きい。【選択図】図5
Description
本発明は、レーザ加工方法に関するものである。
特許文献1には、長波長と短波長の2つのレーザを同軸の光路に導いて重畳させる光学系と、同軸の光路に重畳した2つのレーザの出力ビームをワーク(被加工物)上に集光する集光レンズとを備えたレーザ加工光学装置が開示されている。
ところで、短波長のレーザ光は、レーザ光の反射率が鉄などに比べて相対的に高い、銅やアルミのような高反射率材料のワークに対するレーザ吸収率が高いが、ビーム径が小さく、レーザ光の最大出力が小さい。そのため、必要な溶接ビード幅を得るためには、ビーム径を大きくしなければならないが、パワー密度が低下するため、加工速度を遅くする必要がある。
一方、長波長のレーザ光は、短波長のレーザ光よりもビーム径が大きく、レーザ光の最大出力が大きい。しかしながら、長波長のレーザ光は、高反射率材料のワークに対するレーザ吸収率が低く、溶け込み深さを一定にすることが困難であり、加工品質が低下するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークの加工品質及び加工速度を高めることにある。
第1の発明は、レーザ光を出射してワークを加工するレーザ加工方法であって、第1レーザ光と、該第1レーザ光よりも波長の長い第2レーザ光とを、前記ワークに出射する工程と、所定の移動方向に沿って、前記ワークに対する前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光の出射位置を相対的に移動させる工程と、前記第2レーザ光で前記ワークを溶融させ、前記移動方向に沿って延びる溶融池を形成する工程と、前記第1レーザ光の出射位置を、所定の出射領域内で移動させる工程とを備え、前記出射領域の移動方向寸法及び移動方向に直交する幅方向寸法は、前記溶融池の移動方向寸法及び幅方向寸法よりも大きいことを特徴とする。
第1の発明では、短波長の第1レーザ光と、長波長の第2レーザ光とを出射する。第2レーザ光は、ワークを溶融させ、所定の移動方向に延びる溶融池を形成する。第1レーザ光の出射位置は、所定の出射領域内で移動する。出射領域の移動方向寸法及び幅方向寸法は、溶融池の移動方向寸法及び幅方向寸法よりも大きい。
このように、第2レーザ光で形成される溶融池よりも広い範囲に第1レーザ光を出射することで、ワークの加工品質及び加工速度を高めることができる。
具体的に、短波長の第1レーザ光(例えば、600nm以下の青色レーザ光)は、銅などの高反射率材料のワークに対するレーザ吸収率が高いが、レーザ光の最大出力が低い。一方、長波長の第2レーザ光(例えば、800nm以上の赤外レーザ光)は、高反射率材料のワークに対するレーザ吸収率は低いが、レーザ光の最大出力が高い。
そこで、第1レーザ光をワークの表面に先行して出射することで、ワークの表面を酸化させる等の表面改質やワークの予熱を行う。そして、ワークの表面改質及び予熱が行われた部分に対して第2レーザ光を出射することで、第2レーザ光がワークに吸収されやすくなる。
このとき、第1レーザ光を溶融池よりも広い範囲に出射することで、ビーム径が小さい第1レーザ光であっても、ワークの幅広い範囲を表面改質及び予熱することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記出射領域の少なくとも一部は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の前方に設けられることを特徴とする。
第2の発明では、第2レーザ光の出射位置よりも移動方向の前方に、出射領域の少なくとも一部が設けられる。
これにより、第1レーザ光でワークの表面を先行して荒らすとともにワークを予熱した後、第2レーザ光でワークの加工を行うことで、溶融池を短時間で作成することができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記出射領域の少なくとも一部は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の後方に設けられることを特徴とする。
第3の発明では、第2レーザ光の出射位置よりも移動方向の後方に、出射領域の少なくとも一部が設けられる。
これにより、第1レーザ光を溶接ビードの終了端に出射することで、クレータの発生を抑えることができる。
第4の発明は、第1の発明において、前記出射領域は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の前方及び後方に跨がって設けられることを特徴とする。
第4の発明では、第2レーザ光の出射位置よりも移動方向の前方及び後方に跨がって出射領域が設けられる。
このように、第2レーザ光で形成される溶融池の周辺部に第1レーザ光を出射することで、溶融池の中心部と周辺部との温度差を小さくして、スパッタの発生を抑えることができる。
また、第1レーザ光でワークの表面を先行して荒らすとともにワークを予熱した後、第2レーザ光でワークの加工を行うことで、溶融池を短時間で作成することができる。
さらに、第2レーザ光の後方にも第1レーザ光を出射して熱伝導溶接を行うことで、第2レーザ光で溶接後に凝固した溶接ビードの外観を滑らかにして、ワークの加工表面をきれいにすることができる。
本発明によれば、ワークの加工品質及び加工速度を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1に示すように、レーザ加工装置1は、第1レーザ発振器11と、第2レーザ発振器12と、第1伝送ファイバ15と、第2伝送ファイバ16と、レーザ加工ヘッド20と、ロボット2と、制御部5とを備える。
図1に示すように、レーザ加工装置1は、第1レーザ発振器11と、第2レーザ発振器12と、第1伝送ファイバ15と、第2伝送ファイバ16と、レーザ加工ヘッド20と、ロボット2と、制御部5とを備える。
第1レーザ発振器11は、制御部5からの指令に基づいて、第1レーザ光L1を出力する。第1レーザ光L1は、短波長のレーザ光である。短波長の第1レーザ光L1は、波長が600nm以下(例えば、266nm~600nm)の青色レーザ光又は緑色レーザ光である。
第1レーザ発振器11とレーザ加工ヘッド20とは、第1伝送ファイバ15で接続される。第1レーザ光L1は、第1伝送ファイバ15を介して、第1レーザ発振器11からレーザ加工ヘッド20に伝送される。
第2レーザ発振器12は、制御部5からの指令に基づいて、第2レーザ光L2を出力する。第2レーザ光L2は、第1レーザ光L1よりも波長の長い、長波長のレーザ光である。長波長の第2レーザ光L2は、波長が800nm以上(例えば、800nm~16000nm程度)の赤外レーザ光である。
第2レーザ発振器12とレーザ加工ヘッド20とは、第2伝送ファイバ16で接続される。第2レーザ光L2は、第2伝送ファイバ16を介して、第2レーザ発振器12からレーザ加工ヘッド20に伝送される。
レーザ加工ヘッド20は、第1伝送ファイバ15及び第2伝送ファイバ16から入射される第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2をワークWに出射する。
レーザ加工ヘッド20は、第1コリメートレンズ21と、第2コリメートレンズ22と、第1ミラー23と、第2ミラー24と、2軸MEMSミラー25(Micro Electro Mechanical Systems)と、ダイクロイックミラー26と、fθレンズ27と、検出部28とを有する。
第1コリメートレンズ21は、第1伝送ファイバ15の出射端から出射された第1レーザ光L1を平行化する。第1ミラー23は、第1コリメートレンズ21で平行化された第1レーザ光L1を反射して、ワークWに対する第1レーザ光L1の出射位置を変更可能に、ミラー角度を可変とする2軸MEMSミラー25に導光する。
なお、ここで、第1コリメートレンズ21及び第2コリメートレンズ22を光軸方向に移動することで、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2のビーム径を拡大または縮小するように変更することができる。
第2コリメートレンズ22は、第2伝送ファイバ16の出射端から出射された第2レーザ光L2を平行化する。第2ミラー24は、第2コリメートレンズ22で平行化された第2レーザ光L2を反射して、ダイクロイックミラー26に導光する。
2軸MEMSミラー25は、第1ミラー23で反射された第1レーザ光L1をさらに反射して、ダイクロイックミラー26に導光する。2軸MEMSミラー25は、ミラーの角度を2軸方向に変更することで、ダイクロイックミラー26に対する第1レーザ光L1の入射位置を変更する。なお、2軸MEMSミラー25の代わりに、2軸のガルバノメータ(ガルバノミラー)を用いた構成としてもよい。
ダイクロイックミラー26は、第2レーザ光L2を透過するとともに、第1レーザ光L1を反射する。ダイクロイックミラー26は、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2をfθレンズ27に導光する。
fθレンズ27は、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2の入射位置において、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2をそれぞれ、ワークWの面(像面)に対して垂直入射するビームとなるように集光する。fθレンズ27で集光された第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2は、互いに平行光(言い換えると主光線が光軸に対して平行な平行光)としてワークWに出射される。
ここで、ワークWに対する第1レーザ光L1の出射位置は、2軸MEMSミラー25の角度を変更して、fθレンズ27に対する第1レーザ光L1の入射位置を移動させることで、変更可能となっている。
検出部28は、例えば、フォトダイオードで構成される。検出部28は、ワークWで反射された第1レーザ光L1の散乱光を検出する。検出部28の検出結果は、制御部5に送られる。制御部5は、検出部28で検出された第1レーザ光L1の散乱光が所定の閾値よりも小さい場合に、ワークWの表面改質及び予熱が十分に行われたと判断する。
ロボット2は、ロボットアーム3を有する。ロボットアーム3の先端部には、レーザ加工ヘッド20が取り付けられる。ロボットアーム3は、複数の関節部4を有する。
ロボット2は、制御部5からの指令に基づいて、レーザ加工ヘッド20を所定の溶接方向(移動方向)に沿って移動させ、ワークWに対するレーザ加工ヘッド20の位置を変更する。これにより、ワークWに対する第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2の位置を移動させ、レーザ加工を行う。
制御部5は、第1レーザ発振器11、第2レーザ発振器12、レーザ加工ヘッド20、及びロボット2に接続される。制御部5は、第1レーザ発振器11、第2レーザ発振器12、レーザ加工ヘッド20、及びロボット2の動作を制御する。
制御部5は、レーザ加工ヘッド20の移動速度の他に、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2の出力開始や停止、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2の出力強度などを制御する機能も備える。なお、制御部5は、ここで1つの構成になっているが、複数で構成しても良い。
ワークWは、第1部材W1と、第2部材W2とを有する。第1部材W1及び第2部材W2は、板状に形成される。第1部材W1は、第2部材W2の上面に重ね合わされる。
ワークWは、レーザ吸収率の低い高反射率材料で構成される。具体的に、図2に示すように、レーザ光の反射率は、ワークWの材質によって異なる。例えば、波長が800nm以上の長波長としての赤外レーザ光を基準とした場合、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)は、鉄(Fe)に比べてレーザ光の波長の反射率(%)が高く、言い換えるとレーザ吸収率の低い高反射率材料であることが分かる。一方、鉄(Fe)は、相対的にレーザ光の波長の反射率(%)が低く、言い換えるとレーザ吸収率の高い低反射率材料であることが分かる。
そこで、本実施形態では、ワークWをレーザ吸収率の低い高反射率材料である銅で構成している。なお、ワークWを金又は銀で構成してもよい。
〈レーザ加工装置の動作〉
ところで、短波長の第1レーザ光L1は、銅などの高反射率材料のワークWに対するレーザ吸収率が高いが、レーザ光の最大出力が低い。そのため、必要な溶接ビード幅を得るためには、ビーム径を大きくしなければならないが、パワー密度が低下するため、加工速度を遅くする必要がある。
ところで、短波長の第1レーザ光L1は、銅などの高反射率材料のワークWに対するレーザ吸収率が高いが、レーザ光の最大出力が低い。そのため、必要な溶接ビード幅を得るためには、ビーム径を大きくしなければならないが、パワー密度が低下するため、加工速度を遅くする必要がある。
一方、長波長の第2レーザ光L2は、高反射率材料のワークWに対するレーザ吸収率は低いが、レーザ光の最大出力が高い。しかしながら、長波長の第2レーザ光L2は、高反射率材料のワークWに対するレーザ吸収率が低く、溶け込み深さを一定にすることが困難であり、加工品質が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2の出射位置を工夫することで、ワークWの加工品質及び加工速度を高めることができるようにしている。
図3に示すように、レーザ加工ヘッド20は、ワークWに対して短波長の第1レーザ光L1を出射する。レーザ開始位置では、レーザ加工ヘッド20は、短波長の第1レーザ光L1をパルス状に出射する。これにより、パワー密度の低い第1レーザ光L1であっても、パルス状に繰り返し出射してトータルの出力を高めることで、ワークWを十分に予熱することができる。
具体的に、レーザ加工ヘッド20は、高反射率材料に対するレーザ吸収率の高い第1レーザ光L1を、ワークWの表面に先行して出射することで、ワークWの表面を酸化させたり、ワークWの表面を先に一部溶融させる等の表面改質を行う。
制御部5は、検出部28の検出結果に基づいて、ワークWの表面改質及び予熱の状態を判断する。具体的に、制御部5は、検出部28で検出された短波長の第1レーザ光L1の散乱光が所定の閾値よりも小さい場合に、ワークWの予熱が十分に行われたと判断する。
図4に示すように、レーザ加工ヘッド20は、2軸MEMSミラー25(図1参照)の角度調整を行うことで、第1レーザ光L1の出射位置を変更する。具体的に、第1レーザ光L1は、レーザ開始位置よりも溶接方向(図4で左方向)の前方に設定された所定の出射領域30内でジグザグ状に出射される。
レーザ加工ヘッド20は、第1レーザ光L1を出射してワークWの出射領域30内を表面改質及び予熱した後、高反射率材料のワークWにおける表面改質が行われたレーザ開始位置に、パワー密度の高い長波長の第2レーザ光L2を出射する。ワークWのレーザ開始位置は、第1レーザ光L1で表面改質及び予熱されているため、第2レーザ光L2がワークWに吸収されやすくなっている。
図5に示すように、レーザ加工装置1は、レーザ加工ヘッド20を溶接方向に移動させる。レーザ加工ヘッド20は、ワークWに対して第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2を連続的に出射する。ワークWは、第2レーザ光L2によって溶融され、溶接方向に沿って延びる溶融池31が形成される。溶融池31が凝固すると、溶接ビード32が形成される。これにより、ワークWの第1部材W1及び第2部材W2が溶接される。
このように、レーザ加工ヘッド20は、短波長の第1レーザ光L1をワークWの表面に先行して出射することで、ワークWの表面を酸化させる等の表面改質やワークWの予熱を行う。そして、ワークWの表面改質及び予熱が行われた部分に対して長波長の第2レーザ光L2を出射することで、第2レーザ光L2がワークに吸収されやすくなる。
このとき、第1レーザ光L1を溶融池31よりも広い範囲に出射することで、ビーム径が小さい第1レーザ光L1であっても、ワークWの幅広い範囲を表面改質及び予熱することができる。
出射領域30は、レーザ加工ヘッド20の移動に連動して、溶接方向の前方に移動する。出射領域30の移動方向寸法及び移動方向に直交する幅方向寸法は、溶融池31の移動方向寸法及び幅方向寸法よりも大きい。
レーザ加工ヘッド20は、出射領域30内で、第1レーザ光L1の出射位置をジグザグ状に往復移動させる。このように、第1レーザ光L1を、第2レーザ光L2で形成される溶融池31よりも広い範囲に出射するようにしている。
ここで、出射領域30は、第2レーザ光L2よりも溶接方向の前方に設けられる。レーザ加工ヘッド20は、高反射率材料に対するレーザ吸収率の高い第1レーザ光L1を、ワークWの表面に先行して出射する。出射領域30内では、第1レーザ光L1が出射されることで、ワークWの表面を酸化させる等の表面改質やワークWの予熱が行われる。
レーザ加工ヘッド20は、ワークWにおける表面改質及び予熱が行われた部分に対して、パワー密度の高い第2レーザ光L2を出射する。これにより、第2レーザ光L2がワークWに吸収されやすくなり、溶融池31を短時間で作成することができる。
図6に示すように、レーザ終了位置において、出射領域30は、第2レーザ光L2よりも溶接方向の後方に設けられる。具体的に、出射領域30は、溶接ビード32の終了端を囲むように位置している。
レーザ加工ヘッド20は、出射領域30内で、第1レーザ光L1の出射位置をジグザグ状に移動させる。このように、溶接ビード32に対して第1レーザ光L1を出射することで、溶接ビード32の外観を滑らかにするとともに、クレータの発生を抑えることができる。
《実施形態2》
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図7に示すように、レーザ加工ヘッド20は、溶接方向に沿って移動しながら、ワークWに対して第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2を出射する。出射領域30は、第2レーザ光L2の出射位置よりも溶接方向の前方及び後方に跨がって設けられる。出射領域30は、レーザ加工ヘッド20の移動に連動して、溶接方向の前方に移動する。
レーザ加工ヘッド20は、出射領域30内で、第1レーザ光L1の出射位置をジグザグ状に往復移動させる。このように、第2レーザ光L2で形成される溶融池31の周辺部に第1レーザ光L1を出射することで、溶融池31の中心部と周辺部との温度差を小さくして、スパッタの発生を抑えることができる。
また、第1レーザ光L1でワークWの表面を先行して荒らすとともにワークWを予熱した後、第2レーザ光L2でワークWの溶接を行うことで、溶融池31を短時間で作成することができる。
さらに、第2レーザ光L2の後方にも第1レーザ光L1を出射して熱伝導溶接を行うことで、第2レーザ光L2で溶接後に凝固した溶接ビード32の外観を滑らかにして、ワークWの加工表面をきれいにすることができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、出射領域30内で、第1レーザ光L1の出射位置をジグザグ状に往復移動させるようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、第1レーザ光L1の出射位置を、螺旋状、8の字状、無限大(∞)形状等の移動軌跡に沿って往復移動させるようにしてもよい。
本実施形態では、ロボット2でレーザ加工ヘッド20を移動させ、ワークWに対するレーザ加工ヘッド20の位置を変更するようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、ワークWを移動テーブル(図示省略)に搭載して、ワークWに対してレーザ加工ヘッド20を相対的に移動させる構成であってもよい。
本実施形態では、1つのレーザ加工ヘッド20から第1レーザ光L1及び第2レーザ光L2を出射するようにした形態について説明したが、この形態に限定するものではない。例えば、第1レーザ光L1を出射するレーザ加工ヘッドと、第2レーザ光L2を出射するレーザ加工ヘッドとを別々に設けた構成であってもよい。
以上説明したように、本発明は、ワークの加工品質及び加工速度を高めることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
1 レーザ加工装置
20 レーザ加工ヘッド
30 出射領域
31 溶融池
L1 第1レーザ光
L2 第2レーザ光
W ワーク
20 レーザ加工ヘッド
30 出射領域
31 溶融池
L1 第1レーザ光
L2 第2レーザ光
W ワーク
Claims (4)
- レーザ光を出射してワークを加工するレーザ加工方法であって、
第1レーザ光と、該第1レーザ光よりも波長の長い第2レーザ光とを、前記ワークに出射する工程と、
所定の移動方向に沿って、前記ワークに対する前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光の出射位置を相対的に移動させる工程と、
前記第2レーザ光で前記ワークを溶融させ、前記移動方向に沿って延びる溶融池を形成する工程と、
前記第1レーザ光の出射位置を、所定の出射領域内で移動させる工程とを備え、
前記出射領域の移動方向寸法及び移動方向に直交する幅方向寸法は、前記溶融池の移動方向寸法及び幅方向寸法よりも大きい
ことを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1において、
前記出射領域の少なくとも一部は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の前方に設けられる
ことを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1又は2において、
前記出射領域の少なくとも一部は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の後方に設けられる
ことを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1において、
前記出射領域は、前記第2レーザ光の出射位置よりも前記移動方向の前方及び後方に跨がって設けられる
ことを特徴とするレーザ加工方法。
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2022
- 2022-02-02 JP JP2022014618A patent/JP2023112733A/ja active Pending
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