JP2023112654A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材から奪われる熱量が多い条件下でも、生産性を落とさずに定着を行うことができる定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】定着装置は、規定幅未満の小サイズ幅の記録材を通紙するときの定着部材たる定着ベルトの通紙領域を少なくとも加熱する第一加熱源たるメインヒータ102aと、通紙可能な最大サイズ幅の記録材を通紙するときの定着ベルトの通紙領域を加熱するとともに、最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも高い配熱特性を有する第二加熱源たるサブヒータ102bとを備えている。そして、小サイズ幅の記録材上の画像を定着するとき、定着ベルトを定着温度にするために必要な必要電力に基づき、メインヒータ102aのみを点灯させるか、メインヒータ102aに加えてサブヒータ102bも点灯させるかを決定する。【選択図】図4

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、定着部材と、互いに配熱特性の異なる定着部材加熱用の複数の加熱源とを備え、記録材の画像を前記記録材に定着させる定着装置が知られている。
特許文献1には、上記定着装置として、幅方向中央部の発熱量が、幅方向端部の発熱量よりも多い配熱特性を有する加熱源としてのメインヒータと、幅方向端部の発熱量が、幅方向中央部の発熱量よりも多い配熱特性を有する加熱源としてのサブヒータとを備えたものが記載されている。この定着装置は、定着部材の幅方向中央部の温度を検知する第一温度検知センサと、定着部材の幅方向端部の温度を検知する第二温度検知センサと備えている。メインヒータは、第一温度検知センサの検知結果に基づいて制御され、サブヒータは、第二温度検知センサの検知結果に基づいて制御されている。また、サブヒータの端部の発熱量が、メインヒータの中央部の発熱量よりも多くなっている。また、特許文献1では、メインヒータの定格電力が480W、サブヒータの定格電力が510Wであり、メインヒータの定格電力がサブヒータの定格電力よりも低くなっている。
しかしながら、定着部材から奪われる単位時間あたりの熱量が多い条件下で、生産性を低下させる必要があった。
上記課題を解決するために、本発明は、定着部材と、互いに配熱特性の異なる定着部材加熱用の複数の加熱源とを備え、記録材の画像を前記記録材に定着させる定着装置において、規定幅未満の小サイズ幅の記録材を通紙するときの前記定着部材の通紙領域を少なくとも加熱する第一加熱源と、通紙可能な最大サイズ幅の記録材を通紙するときの前記定着部材の通紙領域を加熱するとともに、前記最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも高い配熱特性を有する第二加熱源とを備え、前記小サイズ幅の記録材上の画像を定着するとき、前記定着部材を定着温度にするために必要な必要電力に基づき、前記第一加熱源のみを点灯させるか、第一加熱源に加えて前記第二加熱源も点灯させるかを決定することを特徴とするものである。
本発明によれば、定着部材から奪われる熱量が多い条件下でも、生産性を落とさずに定着を行うことができる。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図。 定着装置を示す概略構成図。 (a)は、ガイド部材の斜視図であり、(b)は、ガイド部材の正面図。 定着装置における各ヒータの点灯制御に関する制御ブロック図。 従来の定着装置におけるヒータ構成について説明する図。 本実施形態の定着装置におけるヒータ構成について説明する図。 サブヒータを消灯させたときの発熱量を示す図。 各ヒータの点灯制御のタイムチャートの一例を示す図。 各ヒータの点灯制御のタイムチャートの他の例を示す図。 定着動作時における各ヒータの点灯制御の制御フロー図。 定着ベルト端部の温度変化を示すグラフ。 電力遮断装置を定着ベルトの幅方向端部に対向配置した例を示す図。 低温環境下で小サイズ幅の厚紙を連続通紙したときの定着ベルトの端部温度の時間変化を示すグラフ。 変形例の定着装置におけるヒータ構成について説明する図。
以下、本発明を適用した定着装置を備えた画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、プリンタ200という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ200の概略構成図である。
図1に示したプリンタ200は、複数の色画像を形成する作像部が中間転写体としての転写ベルト11の展張方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。しかし、本実施形態の定着装置が適用可能な画像形成装置は、この方式に限られず、またプリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することも可能である。
プリンタ200は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y,C,M,Bkを並設したタンデム構造が採用されている。
プリンタ200では、各感光体ドラム20Y,C,M,Bkに形成されたトナー像からなる可視像が、各感光体ドラムに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトである転写ベルト11に対して一次転写される。この一次転写行程の実行によってそれぞれの色の画像が重畳転写され、その後、記録材たるシート状の用紙Pに対して二次転写行程を実行することで一括転写される。
各感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20の回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。ブラックの画像形成を行う感光体ドラム20Bkを代表として説明すると、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、一次転写ローラ12Bk、及びクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電装置30Bkによる一様帯電後に行われる、書き込み光Lbを用いた光書き込みには、光書き込み装置8が用いられる。
転写ベルト11に対する重畳転写では、転写ベルト11が図中、A1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y,C,M,Bkに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写される。このために、一次転写は、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y,C,M,Bkに対向して配設された一次転写ローラ12Y,C,M,Bkによる電圧印加によって、図中、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y,C,M,Bkは、図中、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム20Y,C,M,Bkは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
プリンタ200は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションと、各感光体ドラム20Y,C,M,Bkの上方に対向して配設され、転写ベルト11及び一次転写ローラ12Y,C,M,Bkを備えた転写ベルトユニット10を備えている。また、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に従動し、連れ回りする二次転写ローラ5と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11をクリーニングするベルトクリーニング装置13も備えている。そして、上記4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置8も備えている。
光書き込み装置8は、静電潜像を書き込む光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび偏光手段としての回転多面鏡などを装備している。この光書き込み装置8は、各感光体ドラム20Y,C,M,Bkに対して色毎に対応した書き込み光Lbを出射して感光体ドラム20Y,C,M,Bkに静電潜像を形成するよう構成されている。書き込み光Lbは、図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である。
このプリンタ200には、転写ベルト11と二次転写ローラ5との間に向けて搬送される用紙Pを積載した給紙カセットとしての用紙給送装置61が設けられている。また、用紙給送装置61から搬送されてきた用紙Pを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と二次転写ローラ5との間の二次転写部に向けて繰り出すレジストローラ対4が設けられている。また、用紙Pの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知するセンサも設けられている。
また、プリンタ200には、トナー像が転写された用紙P上にトナー像を定着させるための定着ユニットとしての接触加熱方式の定着装置100と、定着済みの用紙Pをプリンタ200の本体外部に排出する排出ローラ7が備えられている。また、プリンタ200の本体上部には、排出ローラ7によりプリンタ200の本体外部に排出された用紙Pを積載する排紙トレイ17が備えられている。また、排紙トレイ17の下側の装置本体内には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y,C,M,Bkが備えられている。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11、一次転写ローラ12Y,C,M,Bkの他に、転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72及び従動ローラ73を有している。
従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、一次転写ローラ12Y,C,M,Bkと、二次転写ローラ5と、ベルトクリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
用紙給送装置61は、プリンタ200の本体下部に配設されており、最上位の用紙Pの上面に当接する給送ローラ3を有している。給送ローラ3が図中反時計回りに回転駆動されることにより、最上位の用紙Pをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
転写装置71に装備されているベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。そして、ベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。
また、ベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段を有している。
図2は、定着装置100を示す概略構成図である。
定着装置100は、回転可能な定着部材としての定着ベルト101と、これに対向配置されて回転可能な加圧部材としての加圧ローラ103とを有している。また、定着ベルト101の内側には、第一加熱源たるメインヒータ102a、第二加熱源たるサブヒータ102b、ニップ形成部材としてのパッド106および支持部材107などが配置されている。これら、定着ベルト101の内側に配置されているメインヒータ102a、サブヒータ102b、パッド106、摺動部材116及び支持部材107は、いずれも定着ベルト101の幅方向長さ以上の長さを有している。
定着ベルト101は、ニッケルやSUSなどの金属ベルトやポリイミドなどの樹脂材料を用いた無端ベルトまたはフィルムで構成される。ベルトの表層はPFAまたはPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。ベルトの基材とPFAまたはPTFE層の間にはシリコーンゴムの層などで形成された弾性層があっても良い。シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じ得る。これを改善するにはシリコーンゴム層を100[μm]以上設ける必要がある。シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
加圧ローラ103は芯金105に弾性ゴム層104があり、離型性を得るために表面に離型層(PFAまたはPTFE層)が設けてある。加圧ローラ103は、画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。また、加圧ローラ103は、スプリングなどにより定着ベルト101側に押し付けられており、弾性ゴム層104が押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅を有している。加圧ローラ103は中空のローラであっても良く、加圧ローラ103にハロゲンヒータなどの加熱源を有していても良い。弾性ゴム層104はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ103内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いても良い。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト101の熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着ベルト101の内側に配置されたニップ形成部材としてのパッド106は、定着ベルト101を介して加圧ローラ103との間で定着ニップNを形成する。パッド106は、定着ベルト内面と摺動する摺動部材116が設けられている。このパッド106は、支持部材107に支持されている。
図2ではパッド106の加圧ローラ103との対向面が平坦状であるが、凹形状やその他の形状であっても良い。パッド106の加圧ローラ103との対向面を凹形状とすることで、定着ニップNが、定着ベルト側に凹んだ凹形状となる。その結果、記録材先端の排出方向が加圧ローラ寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
支持部材107は、加圧ローラ103により圧力を受けるパッド106の撓みを防止し、軸方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。
メインヒータ102aおよびサブヒータ102bは、ハロゲンヒータであり、定着ベルト101は、内周側からこれらヒータ102a,102bの輻射熱で直接加熱される。ここで、各ヒータ102a,102bは、定着ベルト101を加熱できればよく、IHであっても良いし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であっても良い。
また、本実施形態では、各ヒータ102a,102bと支持部材107との間に反射板109が設けられている。反射板109を設けることで、各ヒータ102a,102bからの輻射熱などにより支持部材107が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費が抑制される。ここで反射板109を備える代わりに、支持部材107の表面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることが可能となる。
定着ベルト101の外部には、定着ベルト101の表面温度を検出する温度検知手段たる温度検知センサ110が設けられている。温度検知センサ110としては、サーモパイルなど温度応答性の高い温度センサが用いられる。温度検知センサ110は、定着ベルト101の幅方向中央部の温度を検知する(図6参照)。
定着ベルト101は加圧ローラ103により連れ回り回転する。図2の場合は加圧ローラ103が駆動源により回転し、定着ニップNでベルトに駆動力が伝達されることにより定着ベルト101が回転する。用紙上の画像たるトナー像は定着ニップNにおいて加熱・加圧により定着される。
上記のような構成により安価で、生産性や定着性の確保を実現することが可能となる。
図3(a)は、ガイド部材451の斜視図であり、(b)は、ガイド部材451の正面図である。
図に示すように、定着ベルト101の幅方向両端部に配設されるガイド部材451は、定着装置100の側板に取り付けられる取り付け部451bと、定着ベルト101の内周面の一端と対向するガイド部451aとを備えている。
ガイド部451aは、加圧ローラ側が切り欠かれた略円筒形状をしている。ガイド部451aは、定着ベルト101の内径とほぼ同等の外径を有し、定着ベルト101の両端から内側に所定量入り込む長さを有している。ガイド部451aは、定着ベルト101の端部に挿入されて摺動することで、定着ベルト101の断面形状を円形状に維持する。
取り付け部451bのガイド部451aの内側に対応する箇所には、貫通孔451cが設けられており、支持部材107やヒータ102a,102bは、この貫通孔451cを貫通して定着装置100の側板に取り付けられる。
図4は、定着装置における各ヒータ102a,102bの点灯制御に関する制御ブロック図である。
制御手段たる制御部150は、コントローラ151とエンジン制御部152とを備えている。コントローラ151およびエンジン制御部152は、それぞれ、CPU(中央処理装置)151a,152a、制御プログラムを記憶する読み出し専用のメモリ(ROM)151b,152b、データを一時的に記憶する読み書き可能なメモリ(RAM)151c,152c等を有している。また、エンジン制御部152は、不揮発性のフラッシュメモリ152dを有している。制御部150のエンジン制御部152は、感光体、現像装置、帯電装置、転写装置、定着装置32等の画像形成処理に関する装置を制御するものであり、定着装置32のメインヒータ102a、サブヒータ102b、温度検知センサ110等が接続されている。コントローラ151は画像形成装置全体の制御を司っており、例えば、エンジン制御部152に対して定着装置32駆動指令信号を出力する。エンジン制御部152は、コントローラ151からの駆動指令信号に基づいて、定着装置32等、画像形成処理に関する装置の制御を行う。コントローラ151には、操作パネル80が接続されており、コントローラ151は、操作パネル80に対して、表示指令を出力する。操作パネル80は、表示部と操作部とを備えており、ユーザーの入力操作を受け付ける。
制御部150は、ユーザーが操作パネル80を操作して入力した用紙給送装置61にセットした用紙のサイズ情報をエンジン制御部152の不揮発性のフラッシュメモリ152dに記憶している。制御部150のエンジン制御部152は、この不揮発性フラッシュメモリに記憶されている用紙のサイズ情報、および、温度検知センサ110が検知した定着ベルト101の温度に基づいて、各ヒータ102a,102bの点灯制御を行う。
制御部150のエンジン制御部152は、温度検知センサ110が検知した定着ベルト101の表面温度と、目標温度(待機温度や定着温度)との差分値を算出し、その差分値から、定着ベルト101を目標温度にするための必要電力を周期的に決定する。すなわち、制御部150が電力決定手段として機能する。そして、決定した必要電力に基づいて、メインヒータ102aとサブヒータ102bとを点灯制御する。表面温度と目標温度との差分値が大きいときは、必要電力を大きくすることで、定着ベルトの温度をすばやく目標温度にすることができる。一方、表面温度と目標温度との差分値が小さいときは、必要電力を小さくすることで消費電力を抑えることができる。
図5は、従来の定着装置におけるヒータ構成について説明する図である。
図5に示すように、従来は、幅方向中央部にのみ発熱領域を有する配熱特性の中央ヒータ202aと、幅方向両端にのみ発熱領域を有する配熱特性の端部ヒータ202bとを備えている。中央ヒータ202aと端部ヒータ202bとを点灯させたときの発熱領域Lは、装置が通紙可能な最大幅サイズ以上となっている。
従来は、定着ベルト101の端部の温度を検知する端部温度検知センサ210bと、定着ベルト101の中央部の温度を検知する中央部温度検知センサ210aとを備えている。大サイズ紙を通紙する場合は、端部温度検知センサ210bの検知結果に基づいて端部ヒータ202bを点灯制御する。中央部温度検知センサ210aの検知結果に基づいて中央ヒータ202aを点灯制御する。これにより、定着ベルト101を幅方向でほぼ、規定温度たる定着温度に維持している。
この従来においては、上述した配熱特性の中央ヒータ202aと端部ヒータ202bとを備えることで、小サイズ用紙のときは、端部ヒータ202bをOFFにし、定着ベルト101の端部を加熱することなく、定着を行うことができる。これにより、短い紙間で小サイズ用紙を大量に連続印刷する場合に、定着ベルト101の端部が異常高温となるのを抑制することができる。しかしながら、オフィス向けの画像形成装置においては、用紙を連続で大量に印刷することがほとんどなく、連続印刷時の生産性についても、さほど求められてはいない。このようなオフィス向けの画像形成装置においては、安価でファーストプリントタイムの早い装置が求められる。
そこで、本実施形態の定着装置では、幅方向で均一に発熱するような配熱特性を有するメインヒータ102aと、幅方向両端の発熱量が、中央の発熱量よりも多い配熱特性を有るサブヒータ102bとを有する構成とした。これにより、図5に示す従来構成に比べて、温度検知センサの削減を図ることができ、装置のコストダウンを図れる。また、メインヒータ102aとサブヒータ102bの両方を点灯させることで、定着ベルトをほぼ均一に定着温度にまですばやく温度上昇させることができ、大サイズ紙のファーストプリントタイムの低下を抑制できる。
以下、図面を用いて具体的に説明する。
図6は、本実施形態の定着装置におけるヒータ構成について説明する図である。
図6に示すように、本実施形態の定着装置は、幅方向で均一に発熱するような配熱特性を有するメインヒータ102aと、幅方向両端の発熱量が、中央の発熱量よりも多い配熱特性を有るサブヒータ102bとを有する構成としている。
各ヒータ102a,102bの発熱領域Lは、本画像形成装置が通紙可能な最大幅サイズ以上であり、サブヒータ102bの中央の発熱量は、メインヒータ102aの発熱量よりも少なくなっている。そして、本実施形態では、定着ベルト101の幅方向の中央に一つの温度検知センサ110を設けており、この温度検知センサ110のみを用いて、定着ベルト101の温度が規定温度(待機温度または定着温度)に維持するように、ヒータを制御している。なお、本実施形態では、温度検知センサ110を定着ベルト101の幅方向中央に設けているが、本画像形成装置が通紙可能な最小幅サイズ(本実施形態では、A6縦サイズ:105mm)の範囲に配置すればよい。
図6に示すように、サブヒータ102bとメインヒータ102aとを両方点灯させたときの端部のトータルの発熱量が、中央の発熱量よりも多くなっている。一方、サブヒータ102bを消灯して、メインヒータ102aのみの点灯となると、図7に示すように、幅方向にほぼ均一な発熱量となり、定着ベルト101をほぼ均一に加熱することができる。
図8は、各ヒータ102a,102bの点灯制御のタイムチャートの一例を示す図である。
電源ON時においては、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの表面温度と、目標温度(待機温度または定着温度)との差分値が規定値以上である。このとき、制御部150のエンジン制御部152は、必要電力をメインヒータ102aの定格電力とサブヒータ102bの定格電力との合計値に設定する。従って、電源ON時のウォームアップ動作においては、サブヒータ102bとメインヒータ102aは、それぞれ、定格電力で点灯する。
定着ベルト101の温度を目標温度(定着温度または待機温度)にまで上昇させるウォームアップ時において、定着ベルト101の端部側は、定着ベルト101の端部に摺動するガイド部451aを備えた端部接触部材たるガイド部材451に熱を奪われる。そのため、定着ベルト101の端部側温度が中央側に比較して温度が低下する所謂温度ダレが生じやすい。
しかし、本実施形態の定着装置100は、ウォームアップ時において、サブヒータ102bとメインヒータ102aの両方を定格電力で点灯して、端部の発熱量を中央よりも多くしている。これにより、定着ベルト101の端部がガイド部材451に熱を多少奪われたとしても、定着ベルト101端部の温度ダレを抑制することができる。これにより、定着ベルト101の幅方向端部を、中央と同等に目標温度(定着温度または待機温度)にすばやく上げることができる。これにより、ウォームアップ時間の短縮化を図ることができ、ファーストプリントタイムの短縮化を図ることができる。また、ウォームアップ終了後の最初画像形成時の用紙の端部の定着性を確保できる。
定着ニップに通紙される用紙サイズが大サイズのときは、通紙開始(定着動作開始)から所定時間経過するまでの間は、サブヒータ102bとメインヒータ102aの両方を点灯させる。具体的には、サブヒータ102bの点灯電力とメインヒータ102aの点灯電力の合計値が、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの表面温度と目標温度(定着温度)との差分値に基づいて決定した必要電力となるように、点灯制御される(以下、第二点灯制御という)。このときのサブヒータ102bの点灯電力と、メインヒータ102aの点灯電力の比率は、装置の構成により適宜決めればよい。また、上記必要電力に応じて、サブヒータ102bの点灯電力とメインヒータ102aの点灯電力の比率を適宜変更してもよい。このように、サブヒータ102bとメインヒータ102aとを両方を点灯させることで、端部温度ダレ生じた状態で、定着動作が行われるのを抑制でき、トナー像の幅方向端部の定着不良の発生を抑制することができる。なお、本実施形態では、B4縦(幅サイズ:257mm)以上のサイズを大サイズとし、B4縦未満のサイズを小サイズとしているが、これに限らず、装置の構成によって、適宜、大サイズ、小サイズを設定すればよい。
そして、制御部150のエンジン制御部152は、通紙開始(定着動作開始)から、所定時間経過したら、メインヒータ102aをメインに点灯制御を行う。具体的には、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの表面温度と、目標温度(定着温度)との差分値に基づいて決定した必要電力が、メインヒータ102aの定格電力以下のときは、メインヒータ102aのみの点灯制御とする。そして、必要電力が、メインヒータ102aの定格電力を超えるときは、メインヒータ102aとサブヒータ102bの両方の点灯制御を行う。以下、この点灯制御を第一点灯制御という。
定着動作開始直後は、ガイド部材451は定着温度以下であるため、定着ベルト101の端部から熱がガイド部材451へ移動する。しかし、所定時間経過すると、ガイド部材451が定着温度近くまで昇温し、定着ベルト101の端部からガイド部材451への熱移動が少なくなる。上述したように、定着ベルト101の幅方向長さは、装置が通紙可能な最大幅サイズ以上であり、定着ベルト101の端部は直接用紙とは接触しない。そのため、定着ベルト101の端部が用紙に奪われる熱量は、定着ベルト101の中央に比べて少ない。よって、定着ベルト101の端部からガイド部材451への熱移動が少なくなると、定着ベルト101の端部の用紙やガイド部材451により奪われる熱量が、中央の用紙に奪われる熱量と同程度となる。その結果、端部の発熱量が、中央の発熱量よりも多くなくても、端部温度ダレが生じず、定着ベルト101の温度を幅方向でほぼ定着温度に維持することが可能となる。
上述したメインヒータ102aをメインとした第一点灯制御では、ほぼ、メインヒータのみの点灯制御となり、図7に示したように、幅方向にほぼ均一な発熱量となり、定着ベルト101がほぼ均一に加熱される。これにより、定着ベルト101の温度を幅方向でほぼ定着温度に維持することができ、幅方向端部の定着不良の発生を抑制できる。
本実施形態では、メインヒータ102aの配熱特性を、幅方向にほぼ均一に発熱する配熱特性している。これにより、端部温度ダレが生じない条件後は、上述したメインヒータ102aがメインの第一点灯制御とし、基本、サブヒータ102bを用いない点灯制御にすることで、定着ベルト101を幅方向でほぼ定着温度に維持することができる。よって、端部を定着温度に維持するためのサブヒータ102bの点灯制御用の端部温度検知センサ210bを無くすことができ、従来構成よりも、部品点数の削減を図ることができ、装置のコストダウンを図ることができる。
また、通紙される用紙が小サイズのときも、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御とする。すなわち、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの表面温度と、目標温度(定着温度)との差分値に基づいて決定した必要電力が、メインヒータ102aの定格電力以下のときは、メインヒータ102aのみの点灯制御とする。そして、必要電力が、メインヒータ102aの定格電力を超えるとき、メインヒータ102aとサブヒータ102bの両方の点灯制御を行うのである。
通紙される用紙が小サイズのときは、用紙に形成されたトナー像は、定着ベルト101の端部温度ダレが発生する領域よりも幅方向内側を通過するため、用紙上のトナー像は温度ダレの影響を受けることがない。よって、用紙が小サイズのときは、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御とし、基本、サブヒータ102bを用いない点灯制御とすることで、定着ベルト101の端部が異常高温となるのを抑制することができる。
また、待機時において、制御部150は、サブヒータ102bのみを点灯する第三点灯制御で待機温度に維持する。
待機中は、用紙から熱が奪われることがない。一方、定着ベルト101の端部は、待機中もガイド部材451に熱が奪われていく。その結果、定着ベルト101の中央部の温度を検知する温度検知センサ110の検知結果に基づいて、メインヒータ102aのみの点灯制御で定着ベルト101の温度を待機温度に維持するようにした場合は、次の問題が生じるおそれがある。すなわち、定着ベルト101の端部と中央部との温度差が徐々に広がって、端部温度が中央部よりも低くなるという問題である。
よって、本実施形態では、待機時は、サブヒータ102bのみを点灯する第三点灯制御で待機温度に維持する。第三点灯制御とすることで、中央部よりも端部の発熱量が多くなる。これにより、待機時に定着ベルト101の端部の温度が、中央部よりも低くなるのを抑制することができる。また、待機時は、用紙に熱が奪われることがないため、サブヒータ102のみの点灯制御で、定着ベルト101を待機温度に維持できる。
また、メインヒータとサブヒータの両方を点灯させる上記第二点灯制御で定着ベルト101を待機温度に維持するようにしてもよい(図9参照)。メインヒータとサブヒータの両方を点灯させる上記第二点灯制御でも、中央部よりも端部の発熱量が多くなり、待機時に定着ベルト101の端部の温度が、中央部よりも低くなるのを抑制することができる。
また、サブヒータ102bをメインとした第四点灯制御で待機温度に維持するようにしてもよい。この第四点灯制御は、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの表面温度と、目標温度(定着温度)との差分値に基づいて決定した必要電力が、サブヒータ102bの定格電力以下のときは、サブヒータ102bのみの点灯制御とする。そして、必要電力が、サブヒータ102bの定格電力を超えるとき、メインヒータ102aとサブヒータ102bの両方の点灯制御を行うのである。
ガイド部材451として、熱容量が大きく、ガイド部材451の温度が下がり難い構成の場合は、待機中もメインヒータ102aをメインとした第一点灯制御で待機温度に維持するようにしてもよい。
上述では、用紙が大サイズのときは、所定時間、メインヒータ102aと、サブヒータ102bとを用いる第二点灯制御で点灯制御している。しかし、用紙が大サイズのときでも、定着ベルト端部の温度ダレの領域に対応する箇所にトナー像が無ければ、そのトナー像の幅方向端部に定着不良が発生することがない。従って、定着ニップに通紙する用紙サイズが大サイズのときで、用紙幅方向端部から所定距離内にトナー像が無い(画像面積率=0)場合は、小サイズ用紙を定着ニップに通紙するときと同様、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御にしてもよい。
図10は、定着動作時における各ヒータ102a,102bの点灯制御の制御フロー図である。
まず、制御部150は、パソコンなどの外部装置から印刷指令を受信したら、用紙給送装置61にセットされている用紙のサイズ情報をフラッシュメモリから読み出す。次に、制御部150は、フラッシュメモリから読み出した用紙サイズが、大サイズ(本実施形態では、幅サイズB4縦以上)であるか否かを確認する(S1)。
用紙サイズが、小サイズ(B4縦サイズ未満)のとき(S1のNO)は、上述したように、定着ベルト端部の温度ダレが発生する領域よりも幅方向内側を通過するため、用紙上のトナー像は温度ダレの影響を受けることがない。よって、小サイズのときは、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御を実施する(S6)。
一方、用紙サイズが、大サイズ(B4縦サイズ以上)のとき(S1のYES)は、制御部150は、用紙に形成する画像データに基づいて、用紙幅方向端部から所定距離内に画像が有るか否かを確認する(S2)。大サイズ用紙であっても、定着ベルト端部の温度ダレが発生する領域にトナー像が形成されていない場合(S2のNO)は、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御を実施する(S6)。
なお、用紙サイズによって、用紙幅方向端部から温度ダレの影響で定着不良が発生するまでの距離が異なる。そのため、制御部150は、下記表1に示すように、用紙サイズに応じて、用紙幅方向端部からの所定距離を変更する。
Figure 2023112654000002
一方、用紙幅方向端部からの所定距離内に画像があるとき(S2のYES)は、サブヒータ102bとメインヒータ102aとを両方点灯させる第二点灯制御を実施する(S3)。そして、定着動作開始から、所定時間が経過(S4のYES)し、ガイド部材451が定着温度付近まで上昇し、定着ベルト端部からの熱移動が少なくなったら、メインヒータ102aをメインとした第一点灯制御に変更する(S5)。
なお、第二点灯制御から第一点灯制御へ切り替える所定時間は、定着ニップNに通紙する用紙幅に応じて変更するのが好ましい。
図11は、定着ベルト端部の温度変化を示すグラフである。
図11は、サブヒータ102bとメインヒータ102aの両方を点灯させて、定着ベルト101を定着温度tにする。その後、サブヒータ102bを消灯させ、用紙幅がB4縦(幅サイズ:257mm)以上で、用紙幅が互いに異なる用紙を定着ニップに通紙させたときの定着ベルト101の端部温度変化を示している。
用紙2よりも用紙幅が狭い用紙1を通紙させたときは、用紙が定着ベルト101の端部から奪う熱量が少ない。そのため、定着ベルトの端部からガイド部材451へ移動する熱量が多く、短時間でガイド部材451が定着温度t付近まで上昇する。従って、少ない時間で、定着ベルト101の端部温度が定着温度tに回復し、温度ダレが解消する。すなわち、用紙1では、定着ニップに紙を通紙してから、X1秒経過すれば、メインヒータ102aのみの点灯でも定着ベルト101の端部の温度ダレは、生じることがない。
一方、用紙幅が広い用紙2は、用紙が定着ベルト101の端部から奪う熱量が多いため、定着ベルト101の端部からガイド部材451へ移動する熱量が少なくなってしまう。そのため、長期間、定着ベルト101の端部からガイド部材451へ熱が移動し、定着ベルト101の端部が定着温度tに回復するのに時間がかかる。すなわち、用紙2では、定着ニップに紙を通紙してから、X2秒(X1<X2)経過すれば、メインヒータ102aのみの点灯でも定着ベルト101の端部の温度ダレは、生じることがない。
このように、通紙する用紙幅によって、メインヒータ102aのみの点灯でも定着ベルト101の端部の温度ダレが生じなくなる時間が異なる。よって、下記表2に示すように、用紙幅に応じてメインヒータがメインの第一点灯制御に切り替える所定時間を変更するのが好ましい。
Figure 2023112654000003
また、定着動作時におけるメインヒータ102aがメインの第一点灯制御に変更する所定時間は、装置の電源ON後の最初の画像形成時と、待機状態後の画像形成時とで異ならせるのが好ましい。具体的には、装置の電源ON時は、定着ベルト101の端部に接触するガイド部451aを有するガイド部材451がほぼ室温である。従って、定着ベルト101の端部からの熱移動でガイド部材451が定着温度付近にまで上昇するのに待機状態後の画像形成時に比べて時間を要する。よって、装置の電源ON後の最初の画像形成時のときは、メインヒータ102aとサブヒータ102bとを両方点灯させる第二点灯制御を行う所定時間を、待機状態後の画像形成時に比べて長くする。
また、上述では、用紙幅方向端部からの所定距離にトナー画像があるか否で、メインヒータ102aがメインの第一点灯制御とするか、メインヒータ102aとサブヒータ102bとを両方点灯させる第二点灯制御とするかの判断を行っている。しかし、次のようにして点灯制御の判断を行ってもよい。すなわち、定着ベルト101の端部から画像の端部までの距離に基づいて、第一点灯制御とするか第二点灯制御とするかの点灯制御判断を制御部150が行ってもよい。
また、上記では、用紙幅方向端部からの所定距離にトナー画像がある(画像面積率>0)ときは、サブヒータ102bとメインヒータ102aの両方を点灯させる第二点灯制御としている。しかし、装置の構成によっては、定着ベルト端部の温度低下(温度ダレ)が少ない場合もある。このような装置においては、例えば、用紙幅方向端部からの所定距離内の画像面積率が規定値以上のとき、第二点灯制御を行うようにしてもよい。これは、用紙幅方向端部からの所定距離内に画像があっても、その画像面積率が少なければ、トナー画像に奪わる熱量は、僅かである。従って、定着ベルト101の端部に温度ダレが有っても良好に用紙幅方向端部からの所定距離内のトナー画像の定着を行うことができる。
また、一般的に定着装置は、定着ベルト101の表面温度の異常を検知してヒータへの電力供給を停止させる電力遮断手段たる電力遮断装置を有している。
電力遮断装置としては、サーモパイルまたは温度ヒューズが挙げられる。また、電力遮断装置としては、温度検知センサ110よりも温度応答性が悪く安価なサーモパイルなどの異常温度検知手段たる異常温度検知センサを有し、その異常温度検知センサの検知結果に基づいて、ヒータへの電力を遮断するものも挙げられる。
サーモパイル、温度ヒューズまたは異常温度検知センサは、定着ベルト101に対向配置され、定着ベルト101が規定温度になると、電力遮断手段が作動して、ヒータへの電力供給を停止させる。
図12に示すように、電力遮断装置(サーモパイル、温度ヒューズまたは異常温度検知センサ)130は、定着ベルト101の幅方向端部に対向配置される。この定着ベルト101の幅方向端部は、メインヒータ102aとサブヒータ102bとを点灯させたときの発熱量が多い領域であり、温度が上昇しやすい領域である。また、小サイズ用紙通紙時においても、この定着ベルト101の端部は、温度上昇しやすい領域である。よって、電力遮断装置130を定着ベルト101の幅方向端部に対向配置することで、早期に異常を検知でき、各ヒータ102a,102bへの電力を遮断することができる。
また、本実施形態では、小サイズ用紙を大量に連続印刷するときは、定着ベルト101の端部温度が中央部よりも高くなりやすい。これは、定着ベルト101の中央部は、次々に定着ニップに通紙される小サイズ用紙により熱を奪われる。一方、定着ベルト101の端部については、用紙にほとんど熱が奪われることがないため、ガイド部材451が定着温度近くまで昇温した後は、メインヒータ102aにより付与された熱が、中央部に比べて用紙などの他の部材へ奪われなくなる。その結果、小サイズ用紙の大量連続印刷時に、定着ベルト101の端部温度が中央部よりも高くなりやすい。
そのため、パッド106と定着ベルト101内周面との間に、積極的に幅方向に熱を移動させて定着ベルト101の長手方向の温度不均一性を低減する均熱部材を設けてもよい。均熱部材を設けることで、均熱部材により定着ベルト端部の熱を中央部へ移動させることができる。これにより、中央部の温度低下が抑えられるとともに、定着ベルト端部の温度上昇が抑えられる。また、定着ベルト101の中央部の温度低下が抑えられることで、温度検知センサ110の検知結果に基づいて、定着ベルト101を定着温度に維持するための制御において、メインヒータ102aの単位時間当たりの点灯量を抑えることができる。これにより、定着ベルト101の端部に付与される単位時間当たりの熱量を抑えることができ、定着ベルト端部の温度上昇を抑制することができる。
また、均熱部材を設けることで、端部温度ダレをすばやく解消することができ、大サイズ用紙を定着ニップに通紙するときのメインヒータ102aとサブヒータ102bの両方を点灯させる時間を短縮することができる。これにより、消費電力の削減を図ることができる。
低温環境下で、かつ、通紙される用紙が厚紙などの単位時間当たりの定着ベルト101から奪われる熱量が多い条件下では、通紙時の定着ベルト101の温度低下が大きい。その結果、温度検知センサ110が検知した定着ベルトの温度と目標温度(定着温度)との差が大きくなり決定される必要電力がメインヒータ102aの定格電力を上回る場合がある。
本実施形態では、この場合、メインヒータ102aに加えてサブヒータ102bも点灯させて必要電力を満たしてしている。これにより、所定期間までに定着ベルト101の温度を定着温度に回復でき、生産性を落とさずに定着を行うことができる。また、メインヒータ102aを定格電力で点灯させ、サブヒータ102bは、必要電力とメインヒータ102aの定格電力との差分の電力で点灯させることで、以下の利点を得ることができる。すなわち、サブヒータ102bを定格電力で点灯させる場合に比べて、定着ベルト101の端部温度上昇を抑制することができるという利点である。
また、サブヒータ102bとメインヒータ102aの抵抗値は互いに異なり、ヒータに供給する点灯電力に対する定着ベルトの中央部分に与える熱量も互いに異なる。そのため、必要電力とメインヒータ102aの定格電力との差分に対して、所定の係数を掛けた値を、サブヒータ102bの点灯電力としてもよい。これにより、より精度よく定着ベルト101の温度を制御することが可能となる。
また、メインヒータ102aの定格電力をサブヒータ102bの定格電力よりも大きくするのが好ましい。例えば、メインヒータ102aの定格電力が500W、サブヒータ102bの定格電力が500Wで、必要電力が800Wの場合、第一点灯制御では、サブヒータ102bは300Wで点灯される。一方、メインヒータ102aの定格電圧が700Wであり、サブヒータ102bの定格電力(500W)よりも200W高い場合は、サブヒータ102bの点灯電力は100Wとなり、サブヒータ102bの点灯電力を抑えることができる。これにより、幅方向端部のメインヒータ102aとサブヒータ102bの合計発熱量と中央の合計発熱量との差を抑えることができ、定着ベルト端部の異常高温を抑えることができる。
また、メインヒータ102aとして、小サイズ幅の用紙通紙時(第一点灯制御)で通紙初期以降の最大必要電力以上の定格電力を有するヒータを用いるのがより好ましい。これにより、通紙初期以降は、低温環境で厚紙通紙時の条件下でサブヒータ102bの点灯をほぼ生じさせないようにできる。また、サブヒータ102bの点灯が生じたとしてもサブヒータ102bの点灯電力を極力低くできる。これにより、低温環境で厚紙通紙時の条件下での連続通紙において、定着ベルト101の端部の異常高温が発生するのを良好に抑制でき、生産性を落とさずに、定着動作を行うことができる。
小サイズ幅の用紙通紙時(第一点灯制御)で通紙初期以降の最大必要電力は、低温環境で、厚紙通紙時の条件で生じる必要電力である。本実施形態では、通紙初期以降の最大必要電力は、800Wであり、メインヒータ102aとして、定格電力が800Wのヒータを用いている。なお、サブヒータ102bの定格電力は、大サイズ幅の用紙の通紙初期時に、定着ベルトの端部温度を定着ベルト101に維持できる電力に設定されており、本実施形態では、サブヒータの定格電力は、500~600Wであればよい。サブヒータ102bとして、メインヒータ102aと同様の定格電力が800Wのものを用いると、装置のコストアップにつながるおそれがある。
図13は、低温環境下で、小サイズ幅の厚紙を連続通紙したときの定着ベルト101の端部温度の時間変化を示すグラフである。また、下記表3は、本構成のメインヒータ102aとサブヒータ102bの定格電力と、低温環境下で、小サイズ幅の厚紙を連続通紙したときの通紙初期時の必要電力および最大必要電力、各ヒータの点灯電力を示している。また、表3には、低温環境下で、小サイズ幅の厚紙を連続通紙したときの通紙初期以降の必要電力および各ヒータの点灯電力の一例も示している。なお、図13の破線は、メインヒータの定格電力が低く、通紙初期以降もメインヒータ102aの定格電力が必要電力を下回る場合の端部温度を示している。
Figure 2023112654000004
表3に示すように、本構成では、メインヒータ102aの定格電力が800W、サブヒータ102bの定格電力が500Wであり、メインヒータ102aの定格電力が、サブヒータ102bの定格電力の1.5倍以上となっている。
通紙初期時は、定着装置の周囲が十分に温められていないため、定着ベルト101の放熱量が多くなり、定着ベルト101の温度低下が大きくなる。その結果、表3に示すように、通紙初期時の必要電力は、通紙初期以降の必要電力よりも大きくなる。そのため、通紙初期時においては、表3に示すように、必要電力(1000W)が、メインヒータ102aの定格電力を上回る。よって、メインヒータ102aを定格電力(800W)で点灯させ、必要電力とメインヒータ102aの定格電力の差分値の電力(200W)でサブヒータ102bを点灯させる。従って、通紙初期においては、定着ベルト101の端部に与える熱量が、中央に与える熱量より多くなる。
しかし、通紙初期においては、定着装置100が温められていないため、定着ベルト101の端部から逃げる熱も多く、図13に示すように、通紙初期時は、定着ベルト101の端部温度は十分に低い状態である。従って、通紙初期時においては、サブヒータ102bとメインヒータ102aの両方を点灯させても、定着ベルト101の端部の異常高温が生じることがない。
通紙初期後は、定着装置の周囲が十分に温められ、定着ベルト101からの放熱が抑えられ、定着ベルト101の温度の低下が抑えられる。その結果、表3に示すように、通紙初期後は、必要電力が1000Wから800Wに低下し、必要電力が、メインヒータ102aの定格電力以下となる。よって、通紙初期以降は、ほぼ、メインヒータ102aのみの点灯にできる。また、何らかの原因で通紙初期以降に必要電力がメインヒータ102aの定格電力を上回ったとしても、サブヒータ102bの点灯電力は少ない。また、次の周期では、必要電力がメインヒータ102aの定格電力を下回る可能性が高い。従って、定着ベルト101の端部が異常高温となるような事態は、ほぼ、生じない。よって、小サイズ幅の厚紙通紙時に定着ベルト端部の温度抑制のために生産性を落とさずに済む。
定格電力が、通紙初期以降の最大必要電力(800W)のヒータをメインヒータ102aとして用いることで、定格電力が通紙初期時の最大必要電力(1000W)のヒータをメインヒータ102aとして用いる場合に比べて、次の利点が得られる。すなわち、ヒータの定格電力が大きいと、ユーザー先で電圧低下が起こる可能性があり、ユーザー先の小照明にフリッカ(ちらつき)が発生するおそれがある。よって、定格電力を、通紙初期以降の最大必要電力(800W)とし、メインヒータ102aの定格電力をなるべく抑えることで、ユーザー先でのフリッカの発生を抑制することができる。
なお、低温環境下でない場合や、通紙する小サイズ幅の用紙が厚紙でない場合は、定着ベルト101の温度と目標温度(定着温度)と差分値が、低温かつ厚紙のときよりも小さく、必要電力が800W以下となる。従って、本実施形態では、低温環境下でない場合や、通紙する小サイズ幅の用紙が厚紙でない場合は、基本、メインヒータ102aのみの点灯制御となる。
低温環境下で厚紙の大サイズ幅の用紙の通紙時も、通紙初期時の必要電力は、表3と同様に1000Wとなる。この大サイズ幅の用紙通紙時の通紙初期に行われる第二点灯制御では、例えば、サブヒータ102bは定格電力の500W、メインヒータ102aも500Wとし、メインヒータとサブヒータとが同一の点灯電力となるように、各ヒータの点灯を制御する。大サイズ幅のときは、通紙初期時のサブヒータ102bの点灯電力を、表3に示す点灯電力をよりも大きくすることで、定着ベルト101の端部に対応するサブヒータ102bとメインヒータ102aの合計発熱量を、中央部の発熱量よりも大きくできる。これにより、定着ベルト101の端部温度の低下を抑制できる。よって、トナー像の幅方向端部の定着不良の発生を抑制することができる。そして、通紙初期以降は、第一点灯制御となり、メインヒータ102aのみの点灯制御となる。
サブヒータ102bの定格電力を、低温環境下で厚紙の大サイズ幅の用紙通紙時に第二点灯制御で設定される点灯電力(500W)とすることで、サブヒータ102bの定格電力を抑え、低温環境下で厚紙の大サイズ幅の用紙通紙時のトナー像の幅方向端部の定着不良の発生を抑制することができる。
メインヒータ102aの定格電力800W、サブヒータの定格電力500Wとし、メインヒータ102aの定格電力をサブヒータの定格電力の1.5倍以上とすることで、各ヒータの定格電力を抑え、かつ、トナー像の幅方向端部の定着不良の発生を抑制し、さらに、低温環境下で小サイズ幅の厚紙通紙における定着ベルトの端部温度の異常高温を抑制できる。
[変形例]
図14は、変形例の定着装置のヒータ構成について説明する図である。
図14に示すように、変形例の定着装置は、幅方向端部の発熱量中央の発熱量よりも少ない配熱特性を有するメインヒータ102aと、幅方向両端の発熱量が、中央の発熱量よりも多い配熱特性を有るサブヒータ102bとを有する構成としている。また、サブヒータ102bは中央部も発熱し所定の発熱量を有し、メインヒータ102aの端部も発熱し所定の発熱量を有している。
また、この変形例では、サブヒータ102bの端部の発熱量は、実施形態のサブヒータの端部発熱量に対して、メインヒータの中央の発熱量と端部の発熱量との差分値分、多くなっている。そのため、この変形例の幅方向各位置のサブヒータとメインヒータとの合計発熱量は、図6に示す実施形態の幅方向各位置のサブヒータとメインヒータとの合計の発熱量と同一となっている。
この変形例では、メインヒータ102aの定格電力をサブヒータ102bの定格電力と同程度(例えば、500W)としている。
ここで、各ヒータの定格電力が500Wを例にして、変形例における低温環境下で小サイズ幅の厚紙を通紙したときの変形例における各ヒータの点灯について説明する。
この変形例でも、小サイズ幅の用紙通紙時は、第一点灯制御を行う。通紙初期時における必要電力(1000W)のときは、メインヒータ102aとサブヒータ102bとの両方を定格電力で点灯させる。このときは、端部の発熱量が多くなるが、実施形態で説明したように、定着ベルトの端部温度が異常高温となることはない。通紙初期以降で必要電力が800Wとなったときは、メインヒータ102aが定格電力の500W、サブヒータ102bが300Wで点灯する。しかし、この変形例では、図14に示したように、メインヒータ102a端部の発熱量が中央部よりも低くなっている。また、サブヒータ102bは300Wの点灯電力で点灯しているため、端部の発熱量も定格電力の場合に比べて抑えられている。これにより、端部のメインヒータ102aとサブヒータ102bの合計発熱量が、中央よりも多くなるのを抑えられる。よって、小サイズ幅の用紙通紙時にメインヒータ102aとサブヒータ102bの両方を点灯させても、定着ベルト101端部の異常高温が抑えられる。
このように、変形例では、幅方向端部の発熱量が中央よりも少ない発熱特性のメインヒータ102aを用いることで、メインヒータ102aとして、定格電力が低いものを用いることができる。これにより、ユーザー先でのフリッカの発生を良好に抑制できる。さらには、低温環境、かつ、小サイズ幅の厚紙通紙時の定着ベルトの端部の異常高温も抑制することができる。
この変形例では、定着ニップに通紙される用紙サイズが大サイズのときの点灯制御を、実施形態の点灯制御と異ならせている。実施形態では、定着ニップに通紙される用紙サイズが大サイズのときの通紙開始(定着動作開始)から所定時間経過後の点灯制御は、メインヒータがメインの第一点灯制御である。しかし、変形例のメインヒータ102aの配熱特性において、定着ニップに通紙される用紙サイズが大サイズのときの通紙開始(定着動作開始)から所定時間経過後の点灯制御を第一点灯制御にすると、定着ベルト101の端部温度を定着温度に維持できない。その結果、トナー像の幅方向端部の定着不良が発生してしまう。
このため、この変形例では、定着ニップに通紙される用紙サイズが大サイズのときの点灯制御は、以下のように行う。すなわち、通紙開始(定着動作開始)から所定時間までの間は、必要電力に対するメインヒータの点灯電力とサブヒータ点灯電力との比率を、幅方向端部のメインヒータ102aとサブヒータ102bとの合計発熱量を中央の合計発熱量よりも多くなるような比率とする。そして、所定時間経過したら、必要電力に対するメインヒータの点灯電力とサブヒータ点灯電力との比率を、メインヒータ102aとサブヒータ102bとの合計発熱量が幅方向で均一となる比率に変更するのである。例えば、通紙開始(定着動作開始)から所定時間までの間は、必要電力に対するサブヒータ点灯電力の比率を多くして、幅方向端部のメインヒータ102aとサブヒータ102bとの合計発熱量を中央の合計発熱量よりも多くする。所定時間が経過したら、必要電力に対するメインヒータ点灯電力の比率を多くし、サブヒータの発熱量を減少させる。これにより、メインヒータ102aとサブヒータ102bとの合計発熱量を幅方向で均一にできる。
このように、幅方向端部の発熱量が、中央の発熱量よりも少ない配熱特性を有する従来と同様のメインヒータ102aを用いても、必要電力に対するメインヒータの点灯電力とサブヒータの点灯電力との比率を適宜設定することで、幅方向各位置のサブヒータとメインヒータとの合計発熱量をほぼ均一にできる。これにより、幅方向の中央の温度検知センサの検知結果に基づく点灯制御で、定着ベルト101の温度を幅方向でほぼ定着温度に維持することができる。よって、定着ベルト101の端部の温度センサを無くすことができ、実施形態でも装置の低コスト化を図ることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
定着ベルト101などの定着部材と、互いに配熱特性の異なる定着部材加熱用の複数の加熱源とを備え、用紙などの記録材の画像を記録材に定着させる定着装置において、規定幅未満の小サイズ幅の記録材が通紙する定着部材の通紙領域を少なくとも加熱するメインヒータ102aなどの第一加熱源と、通紙可能な最大サイズ幅の記録材が通紙する通紙領域を加熱するとともに、最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも高い配熱特性を有するサブヒータ102bなどの第二加熱源とを備え、前記小サイズ幅の記録材上の画像を定着するとき、定着部材を定着温度にするために必要な必要電力に基づき、前記第一加熱源のみを点灯させるか、第一加熱源に加えて前記第二加熱源も点灯させるかを決定する。
規定幅未満の小サイズ幅の記録材を通紙するときは、メインヒータ102aなどの第一加熱源のみを点灯させ、規定幅以上の大サイズ幅の記録材を通紙するときは、メインヒータ102aなどの第一加熱源とサブヒータ102bなどの第二加熱源とを点灯させて記録材の画像を定着することが従来から行われている。しかしながら、第一加熱源のみを点灯させて定着を行う規定幅未満の小サイズ幅の記録材通紙の際に、例えば、低温環境下で、通紙される記録材が厚紙の場合など、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下において、定着部材を定着温度に上昇させるために必要な必要電力が、第一加熱源の定格電力を上回る場合があった。この場合は、定着部材の温度をすばやく定着温度にまで回復することができず、定着不良が発生するおそれがあり、生産性を落とす必要があった。
これに対し、態様1では、必要電力が第一加熱源の定格電力より大きい場合は、第一加熱源と第二加熱源の両方を点灯させることができる。これにより、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下において、第一加熱源に加えて第二加熱源も点灯させるようにすることができる。これにより、第一加熱源のみの点灯で定着部材の温度を制御する場合に比べて、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下において、すばやく定着部材の温度を定着温度にまで回復することができる。よって、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下でも、生産性を落とさずに、定着動作を行うことができる。
(態様2)
態様1において、必要電力がメインヒータ102aなどの第一加熱源の定格電力以下の場合は、第一加熱源のみを点灯させ、必要電力が第一加熱源の定格電力より大きい場合は、第一加熱源を定格電力で点灯させ、第二加熱源を必要電力と第一加熱源の定格電力の差分の電力で点灯させる。
これによれば、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下など、必要電力が第一加熱源の定格電力が上回る場合は、第一加熱源と第二加熱源とを点灯させることで、すばやく定着部材の温度を定着温度にまで回復することができる。よって、定着部材から奪わる単位時間あたりの熱量が多くなる条件下でも、生産性を落とさずに、定着動作を行うことができる。また、このとき、第一加熱源を定格電力で点灯させることで、第二加熱源の点灯電力を必要最小限に抑えることができ、定着部材の通紙領域外の温度上昇を抑えることができる。
(態様3)
態様1または2において、定着ベルト101などの定着部材の温度を検知する温度検知センサ110などの温度検知手段を備え、温度検知手段が検知した温度と、定着温度との差分値に基づいて、周期的に必要電力を決定する。
これによれば、定着部材を定着温度にするための必要な必要電力を、精度よく求めることができる。
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、メインヒータ102aなどの第一加熱源は、最大サイズ幅内で幅方向均一な発熱量の配熱特性を有し、第一加熱源の定格電力を第二加熱源の定格電力よりも大きくした。
これによれば、第一加熱源のみを点灯した場合は、定着部材を幅方向で均一に加熱することができ、第一加熱源と第二加熱源を点灯すると、幅方向端部の発熱量を中央部よりも多くできる。
例えば、電源ON時などの定着部材の端部に接触するガイド部材451などの端部接触部材の温度が低いときは、定着部材の端部から端部接触部材へ移動する熱量が多い。従って、このときは、第一加熱源と第二加熱源とを点灯させ、幅方向端部の発熱量を中央部の発熱量よりも多くすることで、定着部材の温度を幅方向でほぼ均一にできる。所定時間、第一加熱源と第二加熱源とで定着部材を加熱すると、端部接触部材の温度がほぼ定着部材と同温度になる。このように、端部接触部材の温度がほぼ定着部材と同温度となると、定着部材の端部から端部接触部材へ移動する熱が減少する。そのため、端部の発熱量が中央部よりも多くなくても、定着部材の温度を幅方向でほぼ均一にできる。よって、所定時間経過後は、第一加熱源のみの点灯制御で、定着部材の温度を幅方向でほぼ規定温度に維持することができる。このように、第一加熱源のみの点灯で、定着部材の温度を幅方向でほぼ規定温度に維持することができるため、第二加熱源用の温度検知センサを無くすことができる。これにより、温度センサの個数を減らして、定着部材の温度を幅方向でほぼ規定温度に維持することが可能となり、装置のコストダウンを図ることができる。
そして、第一加熱源の定格電力を第二加熱源の定格電力よりも大きくすることで、実施形態で説明したように、所定時間経過後は、ほぼ、第一加熱源の点灯制御にすることが可能にできる。
(態様5)
態様4において、メインヒータ102aなどの第一加熱源の定格電力が、サブヒータ102bなどの第二加熱源の定格電力の1.5倍以上である。
これによれば、実施形態で説明したように、所定時間経過後は、ほぼ、第一加熱源の点灯制御にすることができる。
(態様6)
態様4または5において、メインヒータ102aなどの第一加熱源の定格電力が、1000W以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、ユーザー先の装置が設置された室内の小照明にフリッカ(ちらつき)が発生するのを抑制することができる。
(態様7)
態様4乃至6いずれかにおいて、制御部150などの制御手段は、規定幅以上の大サイズ幅の記録材上の画像を定着するときは、定着動作開始から所定時間経過するまでは、メインヒータ102aなどの第一加熱源の点灯電力とサブヒータ102bなどの第二加熱源の点灯電力とが所定の比率となるように、第一加熱源と前記第二加熱源とを点灯させ、所定時間経過後は、必要電力がメインヒータ102aなどの第一加熱源の定格電力以下の場合は、第一加熱源のみを点灯させ、必要電力が第一加熱源の定格電力より大きい場合は、第一加熱源を定格電力で点灯させ、第二加熱源を必要電力と第一加熱源の定格電力の差分の電力で点灯させる。
これによれば、実施形態で説明したように、定着動作開始から所定時間経過すると、定着ベルト101などの定着部材の端部からガイド部材451などの端部接触部材への熱移動が少なくなり、端部の熱量を中央部よりも多くしなくても、端部温度ダレが生じなくなる。よって、所定時間が経過するまでは、メインヒータ102aなどの第一加熱源とサブヒータ102bなどの第二加熱源の両方で定着部材を加熱することで、定着部材に端部温度ダレを抑制できる。そして、所定時間経過後は、必要電力が第一加熱源の定格電力以下の場合は、第一加熱源のみ点灯させる第一加熱源がメインの点灯制御で定着部材を加熱することで、定着部材の端部が中央部よりも温度が高くなるのを抑制することができる。
(態様8)
態様1乃至3において、メインヒータ102aなどの第一加熱源は、最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも低い配熱特性を有する。
これによれば、変形例で説明したように、必要電力がメインヒータ102aなどの第一加熱源の定格電力を上回って、第一加熱源と第二加熱源とを点灯させた場合でも、定着ベルト101などの定着部材の端部の温度上昇を抑制することができる。
(態様9)
態様8において、制御部150などの制御手段は、規定幅以上の大サイズ幅の記録材上の画像を定着するときは、必要電力に対してメインヒータ102aなどの第一加熱源の点灯電力とサブヒータ102bなどの第二加熱源の点灯電力とが所定の比率となるように第一加熱源と第二加熱源とを点灯させ、かつ、定着動作開始から所定時間経過するまでの第一加熱源の点灯電力と第二加熱源の点灯電力との比率と、所定時間経過後の第一加熱源の電力と第二加熱源の点灯電力の比率とを互いに異ならせる。
これによれば、変形例で説明したように、定着動作開始から所定時間経過するまでは、第一加熱源と第二加熱源の点灯電圧の比率が、幅方向端部の発熱量が中央の発熱量よりも大きくなるような比率で行い、所定時間経過後は、第一加熱源と第二加熱源の点灯電圧の比率が、発熱量が幅方向で均一となるような比率にできる。これにより、定着部材の端部温度ダレを抑制できる。所定時間経過後は、定着部材の幅方向中央付近の温度を検知する温度検知手段で、定着部材の温度を幅方向でほぼ規定温度に維持することができる
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、制御部150は、一定の周期で、温度検知センサなどの温度検知手段が検知した温度と目標温度との差分から必要電力を決定する。
これによれば、実施形態で説明したように、定着部材の温度を目標温度に制御することができる。
(態様9)
用紙などの記録材に画像を形成する画像形成手段と、記録材に形成された画像を記録材に定着させる定着装置100などの定着手段とを備えた画像形成装置において、定着手段として、態様1乃至8のいずれかの定着装置を用いた。
これによれば、高い生産性を得ることができる。
80 :操作パネル
100 :定着装置
101 :定着ベルト
102a :メインヒータ
102b :サブヒータ
103 :加圧ローラ
106 :パッド
110 :温度検知センサ
130 :電力遮断装置
150 :制御部
200 :プリンタ
451 :ガイド部材
L :発熱領域
N :定着ニップ
P :用紙
特許第4592782号公報

Claims (10)

  1. 定着部材と、
    互いに配熱特性の異なる定着部材加熱用の複数の加熱源とを備え、
    記録材の画像を前記記録材に定着させる定着装置において、
    規定幅未満の小サイズ幅の記録材を通紙するときの前記定着部材の通紙領域を少なくとも加熱する第一加熱源と、
    通紙可能な最大サイズ幅の記録材を通紙するときの前記定着部材の通紙領域を加熱するとともに、前記最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも高い配熱特性を有する第二加熱源とを備え、
    前記小サイズ幅の記録材上の画像を定着するとき、前記定着部材を定着温度にするために必要な必要電力に基づき、前記第一加熱源のみを点灯させるか、前記第一加熱源に加えて前記第二加熱源も点灯させるかを決定することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記必要電力が前記第一加熱源の定格電力以下の場合は、前記第一加熱源のみを点灯させ、前記必要電力が前記第一加熱源の定格電力より大きい場合は、前記第一加熱源を定格電力で点灯させ、前記第二加熱源を前記必要電力と前記第一加熱源の定格電力の差分の電力で点灯させることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2に記載の定着装置において、
    前記定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記温度検知手段が検知した温度と、前記定着温度との差分値に基づいて、周期的に前記必要電力を決定することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記第一加熱源は、前記最大サイズ幅内で幅方向均一な発熱量の配熱特性を有し、
    前記第一加熱源の定格電力を前記第二加熱源の定格電力よりも大きくしたことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項4に記載の定着装置において、
    前記第一加熱源の定格電力が、前記第二加熱源の定格電力の1.5倍以上であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項4または5に記載の定着装置において、
    前記第一加熱源の定格電力が、1000W以下であることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項4に記載の定着装置において、
    規定幅以上の大サイズ幅の記録材上の画像を定着するときは、
    定着動作開始から所定時間経過するまでは、前記第一加熱源と前記第二加熱源とを、前記第一加熱源の点灯電力と前記第二加熱源の点灯電力の比率が所定の比率となるように、前記第一加熱源と前記第二加熱源とを点灯させ、
    前記所定時間経過後は、
    前記必要電力が、前記第一加熱源の定格電力以下の場合は、前記第一加熱源のみを点灯させ、前記必要電力が前記第一加熱源の定格電力より大きい場合は、前記第一加熱源を定格電力で点灯させ、かつ、前記第二加熱源を前記必要電力と前記第一加熱源の定格電力の差分の電力で点灯させることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記第一加熱源は、前記最大サイズ幅の幅方向両側に対応する発熱量が中央の発熱量よりも低い配熱特性を有することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8に記載の定着装置において、
    規定幅以上の大サイズ幅の記録材上の画像を定着するときは、前記第一加熱源の点灯電力と前記第二加熱源の点灯電力とが所定の比率となるように前記第一加熱源と前記第二加熱源とを点灯させ、かつ、定着動作開始から所定時間経過するまでの前記第一加熱源の点灯電力と前記第二加熱源の点灯電力との比率と、所定時間経過後の前記第一加熱源の点灯電力と前記第二加熱源の点灯電力の比率とを互いに異ならせることを特徴とする定着装置。
  10. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録材に形成された画像を該記録材に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
    前記定着手段として、請求項1に記載の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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