JP2023112641A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Ryusuke Mase
健太郎 松本
Kentaro Matsumoto
智広 久保田
Tomohiro Kubota
裕太 薮田
Yuta Yabuta
ほたる 橋川
Hotaru Hashikawa
卓也 菅沼
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Abstract

【課題】スクリューピッチムラを抑制することができる現像装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】現像装置は、現像剤収容部内で搬送スクリューたる供給搬送スクリュー143により搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像剤担持体たる現像スリーブ141の表面に担持し、現像スリーブの表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する。そして、供給搬送スクリュー143の羽根の頂部143aと現像スリーブ表面との最小距離をLとしたとき、L≦6[mm]であり、供給搬送スクリュー143のスクリューピッチPが、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たしている【選択図】図3

Description

本発明は、現像装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、現像剤収容部内で搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像剤担持体の表面に担持し、該現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置が知られている。
特許文献1には、上記現像装置として、搬送スクリューと現像剤担持体としての現像ローラとの距離を、0mmを超え、15mm以下とし、搬送スクリューのスクリューピッチを20mmとしたものが記載されている。
しかしながら、搬送スクリューのスクリューピッチに応じた画像濃度ムラであるスクリューピッチムラが発生するおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、現像剤収容部内で搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像剤担持体の表面に担持し、該現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置において、前記搬送スクリューは、前記磁界の作用で重力に反して前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤に接触する位置に配置され、前記搬送スクリューは、複数の羽根が螺旋状に巻き付いた多条スクリューであり、前記搬送スクリューのスクリューピッチPが、15.5[mm]以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、スクリューピッチムラを抑制することができる。
本実施形態に係るプリンタの概略構成図。 作像装置を示す概略構成図。 現像装置を、現像スリーブ回転軸に対して直交する方向に切断したときの断面図。 現像装置の概略構成とともに、現像スリーブの表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を示した説明図。 汲み上げ磁極により担持された現像スリーブ上の現像剤と供給搬送スクリューとの関係を示す図。 (a)は、従来の供給室内の現像剤と、現像スリーブ上の現像剤との関係を示す図であり、(b)は、本実施形態の現像スリーブ上の現像剤との関係を示す図。 評価試験の結果を示すグラフ。 現像スリーブから落下した現像剤の挙動を説明する図。 供給搬送スクリューと現像スリーブとの最接近位置での第五磁極の磁気力を示す図。 従来の第五磁極の現像スリーブ回転方向各位置の法線方向の磁気力と、本実施形態の第五磁極の現像スリーブ回転方向各位置の法線方向の磁気力とを比較したグラフ。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。なお、Y、C、M、Kは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の色用の部材であることを示すものである。
このプリンタは、プロセスカートリッジとしての4色分の作像装置10Y,10C,10M,10Kが、装置本体1側に形成された画像形成ステーションに着脱自在になっている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。このプリンタは、更に、レーザー光を照射可能な露光手段としての光学ユニット20、中間転写ユニット30、給紙ユニット40、定着ユニット50等を備えている。
作像装置10Y,10C,10M,10Kの構造は互いに同一であり、それぞれ潜像担持体としての感光体ドラム12Y,12C,12M,12K、これに作用するプロセス手段が一体的にそれぞれ構成されている。プロセス手段としては、各感光体ドラムを帯電する帯電装置13Y,13C,13M,13K、感光体ドラムに残留したトナー等を除去するクリーニング装置15Y,15C,15M,15Kである。また、これに各感光体ドラムに形成された潜像を現像する現像装置14Y,14C,14M,14Kが連結する構成になっている。
中間転写ユニット30は、中間転写体としての中間転写ベルト31を備えている。また、中間転写ベルト31を回転可能に支持する複数(ここでは3つ)のローラ32,33,34、各感光体ドラム12に形成されたトナー像を中間転写ベルト31にそれぞれ転写する一次転写ローラ35も備えている。さらに、及び中間転写ベルト31上に転写されたトナー像を更に記録材としての記録紙Pに転写する二次転写ローラ36も備えている。給紙ユニット40は、給紙カセット41又は手差し給紙トレイ42から記録紙Pを二次転写領域に搬送する給紙ローラ43、レジストローラ44等を備えている。定着ユニット50は、定着ローラ51及び加圧ローラ52を備え、記録紙P上のトナー像に熱と圧を加えることで定着を行う周知の構成が採られている。
また、装置本体1の上部には、後述するトナー補給口145への補給トナーがそれぞれ収納されたトナーボトル60Y,60C,60M,60Kが各作像装置10Y,10C,10M,10Kと個別に装置本体1から着脱可能に装着されている。
このような構成においては、まず、1色目、イエローの作像装置10Yにおいて、感光体ドラム12Yが帯電装置13Yによって一様に帯電される。次に、潜像形成手段としての光学ユニット20から照射されたレーザー光によって潜像が形成され、現像装置14Yによって潜像が現像されてトナー像が形成される。感光体ドラム12Y上に形成されたYトナー像は、一次転写ローラ35Yの作用によって中間転写ベルト31上に転写される。一次転写が終了した感光体ドラム12Yはクリーニング装置15Yによってクリーニングされ、次の画像形成に備える。クリーニング装置15Yによって回収された残留トナーは、作像装置10Yの取出方向(感光体ドラムの回転軸方向)に設置された廃トナー回収ボトル16に貯蔵される。廃トナー回収ボトル16は、貯蔵量が満杯になると交換できるように画像形成装置本体1に対して着脱自在とされている。
同様の画像形成工程がC、M、K用の各作像装置10C,10M,10Kにおいても行われて各色のトナー像が形成され、先に形成されたトナー像に順次重ねて転写される。一方、給紙カセット41又は手差し給紙トレイ42から二次転写領域に搬送された記録紙Pには、二次転写ローラ36の作用によって中間転写ベルト31上に形成されたトナー像が転写される。トナー像を転写された記録紙Pは定着ユニット50に搬送され、この定着ユニット50の定着ローラ51と加圧ローラ52のニップ部にてトナー像が定着され、排紙ローラ55によって装置上部の排紙トレイ56に排紙される。
次に作像装置の具体的な構成について説明する。
各作像装置10Y,10C,10M,10Kの構成は、使用するトナーの色が異なる以外は、同一構成であるので、以下、イエローの作像装置10Yを例に挙げて説明する。
図2は、Yトナー像を生成するための作像装置10Yを示す概略構成図である。
作像装置10Yに設けられた帯電装置13Yは、帯電ローラ131と、帯電ローラ131の表面を清掃するクリーニングローラ132とを備えている。クリーニング装置15Yは、感光体ドラム表面に接触するクリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152を備えている。また、クリーニングブラシ151及びクリーニングブレード152で掻き取ったトナーを廃トナー回収ボトル16へ向かって搬送するトナー回収コイル153も備えている。
現像装置14Yは、磁性キャリアおよびトナーからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を担持して感光体ドラム12Yと対向する現像領域に図2において反時計回りに回転移動することで搬送する現像剤担持体の中空部材を構成する非磁性の現像スリーブ141を備えている。現像スリーブ141の内部には、周方向に複数の磁極を備えた磁界発生手段としてのマグネットローラ147が固定配置されている。現像スリーブ141及びマグネットローラ147によって現像剤担持体が構成されている。
また、現像スリーブ141と対向配置され、現像スリーブ141の表面に担持された現像剤の層厚を規制するためのドクタギャップを現像スリーブ141の表面との間に形成するための現像剤規制部材146も備えている。現像装置14Y内に収納されている磁性キャリアとトナー補給口145から供給される補給トナーとを撹拌しながら感光体ドラム12Yの軸線方向に往復搬送させるための供給搬送スクリュー143と回収搬送スクリュー142も備えている。これらの部材は、現像ケース144に収納支持されている。
次に、現像装置の構成及び動作について更に説明する。
図3は、本実施形態におけるイエローの現像装置14Yを、現像スリーブ回転軸に対して直交する方向に切断したときの断面図である。
図4は、本実施形態におけるイエローの現像装置14Yの概略構成とともに、現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を示した説明図である。
現像ケース144によって、現像装置14Yの内部には、現像剤を収容する現像剤収容部が形成される。現像剤収容部は、現像スリーブ141の下方に位置して現像スリーブ軸方向へ延びた供給室149Aと、この供給室149Aに隣接して現像スリーブ軸方向へ延びた攪拌室149Bとに仕切られている。供給室149Aには、供給搬送スクリュー143が設けられており、攪拌室149Bには回収搬送スクリュー142が設けられている。
現像スリーブ141の直径D1は、φ16~22mmであり、現像スリーブの回転数は、70~700rpm、現像スリーブ141と供給搬送スクリューの回転数比(現像スリーブ/供給搬送スクリュー)は、0.7~0.85に設定されている。上記回転数が、0.7よりも低いと、供給搬送スクリューの温度上昇による課題(供給室内でのトナーの軟化による凝集等)が発生するおそれがある。一方、上記回転数比が0.85を超えると、現像スリーブ141の回転速度に対して、供給搬送スクリュー143の回転が遅くなりすぎ、供給室内での現像剤の単位時間の軸方向移動量に対して、現像スリーブ141への単位時間当たりの汲み上げ量が多くなる。その結果、供給室内での現像剤の移動方向上流側で現像剤が現像スリーブ141に汲み上げられ、供給室149A内下流側の現像剤量が不足する。その結果、現像スリーブ表面の軸方向における現像剤量に偏差が生じ、画像濃度ムラが発生するおそれがある。
実施形態では、現像剤収容部に収容されている現像剤の量は、170g~280gである。また、磁性キャリアとしては、重量平均粒径が20μm以上50μm以下のものを使用することができる。重量平均粒径が20μm未満である場合は、粒子の均一性が低下し、キャリア付着が発生しやすくなる。一方、重量平均粒径が50μmを越える場合には、画像細部の再現性が低下し、精細な画像が得られにくい。なお、キャリアの重量平均粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて、0.7μm以上125μm以下のレンジ設定で測定することができる。このとき、分散液の溶媒にはメタノールを使用し、屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
本実施形態では、現像収容部内に収容される現像剤量を従来よりも少なくしている。少ない現像剤量でも、供給室149A内の現像剤を、良好に現像スリーブ141の表面に供給できるように供給搬送スクリュー143を現像スリーブ141に近接配置している。具体的には、供給室149Aを、攪拌室149Bよりも上方に位置させて、供給搬送スクリュー143の回転中心O2を、回収搬送スクリュー142の回転中心O3よりも上方に位置させる構成である。
現像スリーブ表面と供給搬送スクリュー143の羽根143aの頂部との間の最小距離Lは、3mm以上、6mm以下が好ましい。上記最小距離Lを6mm以下とすることで、供給搬送スクリュー143の羽根143aを、汲み上げ磁極たるP5極(図4参照)の磁力により現像スリーブ141に保持された現像剤に接触させることができる。これにより、現像収容部内に収容される現像剤量が少なく、供給室149A内の現像剤の高さが供給搬送スクリュー143の軸の頂部以下であっても(図6(b)参照)、良好に供給室内の現像剤を現像スリーブ141へ供給することができる。一方、上記最小距離Lが3mmを下回ると、供給搬送スクリューの羽根143aの頂部による現像スリーブ141の現像剤の現像スリーブの表面への接触圧が高まる。その結果、供給搬送スクリュー143の回転に伴い、供給搬送スクリュー143の羽根143aの頂部が現像スリーブ141の現像剤の表面を摺動するときの、現像スリーブ141の回転の負荷変動が大きくなる。これにより、現像スリーブ141が異常振動し、異常画像が発生する場合がある。そのため、本実施形態では、現像スリーブ表面と供給搬送スクリュー143の羽根の頂部との間の最小距離Lを、3mm以上としている。本実施形態では、上記最小距離Lを、4.3±0.5mmに設定している。
供給搬送スクリュー143の直径D2(羽根の直径)は14~20mmであり、軸の直径は、6~8mmであり、羽根143aを3枚有する3条搬送スクリューである。また、供給搬送スクリュー143の羽根143aの頂部と供給室149Aの内壁面との間のクリアランスdを、0.5mm~1.0mmに設定している。供給搬送スクリュー143を3条スクリューとすることで、現像剤の搬送速度の低下を抑えて、スクリューピッチを狭めることができ、スクリューピッチムラの発生を抑制し、かつ、主走査方向の濃度偏差の抑制を図ることができる。また、現像スリーブ141の回転中心O1と供給搬送スクリュー143の回転中心O2とを結んだ線と、現像スリーブ141の回転中心O1から現像領域へ向けて水平方向に延ばした基準線γとの2つの角度のうち、大きい方の角度βは、230°~250°である。
また、供給搬送スクリュー143の3つの羽根143aのリードは同一である。スクリューピッチは、7mm~14mm、より好ましくは、8~11mmであり、上記最小距離Lと、スクリューピッチPとの関係が下記式(1)を満たすように設定している。
1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74・・・(1)
ただし、L≦6mm
上記最小距離LとスクリューピッチPとを、式(1)に示す関係を満たすように構成することで、後述するように上記最小距離Lが6mm以下の構成において、スクリューピッチムラの発生を抑制することができる。
回収搬送スクリュー142は、羽根142aを1枚有する1条スクリューであり、供給搬送スクリュー143よりも軸部の直径を大きくしている。
供給搬送スクリュー143により供給室149Aの下流端(図中奥側)まで搬送された現像剤は攪拌室149Bへと移送され、攪拌室内の回収搬送スクリュー142により攪拌室149Bの下流端(図中手前側)に向けて搬送される。そして、攪拌室149Bの下流端まで搬送された現像剤は供給室149Aへと移送され、供給室149A内の供給搬送スクリュー143により供給室149Aの下流端に向けて搬送される。このように現像剤は現像剤収容部内を循環搬送される。
現像により消費された分のトナーを補充するための補給用トナーは、トナー補給口から攪拌室149B内の現像剤に対して供給される。供給室149A内の現像剤は、その搬送中にマグネットローラ147の磁気力(図4に示す第五磁極P5)により現像スリーブ141上に汲み上げられる。その後、現像スリーブ141上に汲み上げられた現像剤は、現像剤規制部材146により規制された後、感光体ドラム12Yと対向する現像領域を通過し、再び現像剤収容部内に戻る。
マグネットローラ147は、図4に示すように、複数の磁極として、第一磁極P1(N極)、第二磁極P2(S極)、第三磁極P3(N極)、第四磁極P4(N極)、及び、第五磁極P5(S極)の5つの磁極が設けられている。図4中のP1~P5は、各磁極によって形成される磁場の現像スリーブ141の表面上における法線方向磁束密度(絶対値)の分布を示している。以下、各磁極を符号でP1極~P5極という。
本実施形態において、汲み上げ磁極たるP5極による磁気力で供給室149A内から汲み上げられて現像スリーブ141上に吸着した現像剤は、現像スリーブ141の回転に伴って図中反時計回りに搬送される。現像剤規制部材146により所定の量に規制された現像剤は、現像領域でP1極による磁気力で穂立ちし、穂立ちした現像剤から感光体ドラム12Yの表面上の静電潜像に現像電界によってトナーを供給して、現像処理を行う。現像後の現像剤は、P2極、P3極の磁気力によって現像スリーブ141上に保持されながら現像スリーブ141の回転に伴って搬送される。その後、隣り合う同極性(N極)の磁極である第三磁極P3と第四磁極P4とによって構成される剤離れ磁極の位置に到達する。そして、剤離れ磁極の磁気力による作用によって、現像スリーブ141の表面上から離脱し、現像剤収容部内の供給室149Aに落下する。
なお、マグネットローラ147の磁極の磁性キャリアに働く磁気力f(Mag)は、次のような場合は、次式(2)で求めることができる。すなわち、磁性キャリアが略球状又は不定形の軟磁性体微粉で磁化が小さく、磁性キャリアの磁気力が、マグネットローラ147の磁極が形成する磁界に及ぼす影響が小さく無視できる程度の場合である。なお、下記式(2)におけるH0は、マグネットローラ147の磁極が形成する磁界であり、Mは、磁性キャリアの磁気モーメントであり、Vは、磁性キャリアの体積である。
f(Mag)=(M/V)H0・・・(2)
磁性キャリアの磁気モーメントMは、磁性キャリアの磁化即ち磁気力をJmとしたとき、M=V×Jmとする。式(2)に示すように、マグネットローラ147の磁極の磁性キャリアに働く磁気力f(Mag)は、磁性キャリアの大きさ、磁性キャリアの磁化率、マグネットローラ147の磁極が形成する磁界の強さ及び上記磁極の磁気勾配に比例する力として近似できる。
本実施形態では、P5極の現像スリーブ141の回転中心O1と供給搬送スクリュー143の回転中心O2を結んだ線分上の法線方向の磁気力を-6E-9[N]以下にしている。これにより、後述するように、現像スリーブ141から剤離した現像剤が、供給室149Aに回収されずに、P5極の磁気力で現像スリーブ141に付着するのを抑制できる。
上述したように、本実施形態では、現像剤収容部に収容されている現像剤の量を従来よりも少なくしている。このように現像剤収容部の現像剤の量が少ない場合は、供給室149A内の剤面が低くなる。供給室149A内の剤面が低くなることで、画像に供給搬送スクリュー143のスクリューピッチに応じた画像濃度ムラであるスクリューピッチムラが発生しやすくなる。また、現像剤を汲み上げ易くするために現像領域よりも重力方向下方に現像剤規制部材を配置した所謂下ドクタ方式を採用している。下ドクタ方式は現像剤量を少なくすることに寄与する一方で、現像領域よりも重力方向上方に現像剤規制部材を配置した上ドクタ方式よりもスクリュピッチムラが発生しやすくなる。
そこで、本実施形態では、供給搬送スクリュー143を現像スリーブ141に近接配置し、図5に示すように、供給搬送スクリュー143の羽根が、P5極の磁力により現像スリーブに保持された現像剤g1に接触するようにしている。具体的には、供給室内の現像剤を抜いた際に、重力で落下せずにP5極の磁力で保持される現像剤の先端が供給搬送スクリューの外径に接触している構成となっている。
図6(a)は、供給搬送スクリュー143の羽根が、P5極の磁力により現像スリーブ141に保持された現像剤g1に接触していない場合を示す模式図である。また、図6(b)は、供給搬送スクリュー143の羽根143aが、P5極の磁力により現像スリーブに保持された現像剤g1に接触する場合を示す模式図である。
図6(a)に示すように供給搬送スクリュー143の羽根143aが、現像スリーブ141に保持された現像剤g1に接触しない場合は、供給室149A内の現像剤と、現像スリーブ141に保持された現像剤とが離れる箇所が生じる。
供給室149A内の現像剤の高さは、軸方向と直交する方向から見たときの羽根間における現像剤搬送方向上流側と下流側との間で異なる。羽根により持ち上げられる現像剤搬送方向上流側は、高さが高く、供給室149A内の現像剤は、P5極の磁界内に入る。その結果、羽根間における現像剤搬送方向上流側では、現像スリーブに保持された現像剤と供給室149A内の現像剤とが繋がった状態となり、供給室149A内の現像剤は、P5極の磁力により良好に汲み上げられる。
一方、羽根間における現像剤搬送方向下流側は、上流側よりも供給室149A内の現像剤の高さが低く、P5極の磁界の外側となる。その結果、羽根間における現像剤搬送方向下流側は、図6(a)に示すように、現像スリーブに保持された現像剤から離れた状態となり供給室149A内の現像剤は、P5極の磁力によりほとんど汲み上げられない。その結果、羽根間における現像剤搬送方向下流側に対応する箇所の現像スリーブ上の現像剤は、枯渇した状態となる。その結果、P5極の磁力により担持される現像スリーブ上の現像剤量が、軸方向で異なり、スクリューピッチムラが発生する(以下、このスクリューピッチムラを、枯渇スクリューピッチムラという)。
一方、本実施形態では、供給搬送スクリュー143を現像スリーブ141に近接させ、供給搬送スクリュー143の羽根が、P5極の磁力により現像スリーブに保持された現像剤に接触するように供給搬送スクリュー143を配置している。本実施形態では、供給搬送スクリュー143の羽根143aの頂部と供給室149Aの内壁面との間のクリアランスdを、0.5mm~1.0mmに設定している。そのため、上記のように供給搬送スクリュー143を配置することで、図6(b)に示すように、供給室149Aの底面が、図6(a)の構成に比べて上昇する。その結果、羽根間における現像剤搬送方向下流側の供給室149Aの現像剤も、P5極の磁界内に入り、現像スリーブに保持された現像剤と供給室149A内の現像剤とが繋がった状態となる。よって、羽根間における現像剤搬送方向下流側も、P5極の磁力により汲み上げられ、羽根間における現像剤搬送方向下流側に対応する箇所の現像スリーブ上の現像剤が枯渇するのを防止できる。よって、枯渇スクリューピッチムラの発生を抑制することができる。本実施形態では、現像スリーブ表面と供給搬送スクリュー143の羽根143aの頂部との間の最小距離L=6mm以下で、上記枯渇スクリューピッチムラを良好に抑制できた。
しかし、供給搬送スクリュー143の羽根が、P5極の磁力により現像スリーブ141に保持された現像剤に接触するように供給搬送スクリュー143を配置すると、他の箇所より画像濃度が薄くなるスクリューピッチムラが発生した。このスクリューピッチムラは、次のような要因で発生すると考えられる。
すなわち、供給搬送スクリュー143を現像スリーブに近接配置することで、供給搬送スクリュー143の羽根と現像スリーブ141との距離が近くなる。すると、供給搬送スクリューの羽根143aにより持ち上げられた現像剤が、現像スリーブ上のP5極の磁力で担持されている現像剤を押し除け、羽根により持ち上げられた現像剤が大量に現像スリーブに担持されてしまうのである。
現像剤のトナーは、P5極の磁力で現像スリーブ141に担持されてから、現像剤規制部材146を通過するまで、所定期間、現像剤規制部材146の手前で滞留することで、大きなストレスを受けて摩擦帯電していく。しかし、供給室内では、あまり現像剤にストレスがかかっておらず、トナーの摩擦帯電が不十分なことが多い。上述したように、現像スリーブ上のP5極の磁力で担持されている現像剤を押し除け、羽根により持ち上げられた現像剤が大量に現像スリーブに担持されると、この羽根により持ち上げられた現像剤が、現像剤規制部材146の手前で滞留せず、現像剤規制部材146を通過する。その結果、帯電不足のトナーが現像領域へ搬送されてしまう。一方、羽根側以外(羽根間における現像剤搬送方向下流側)では、上記のように羽根により持ち上げられた現像剤で乱されることなく、所定期間、現像剤規制部材146の手前で滞留し、十分にチャージアップしたトナーが現像剤規制部材146を通過する。その結果、画像濃度が他よりも薄いスクリューピッチムラが発生すると考えられる(以下、この要因のスクリューピッチムラを帯電不足スクリューピッチムラという)。
特に、上記帯電不足スクリューピッチムラは、現像剤の構成にもよるが、高画像面積率の画像を連続印刷するなど、トナー補給が多い条件で顕著に発生する。
本実施形態では、供給搬送スクリュー143のスクリューピッチPを、15.5mm以下とすることで、帯電不足スクリューピッチムラを良好に抑制できた。このように、供給搬送スクリュー143の羽根143aのスクリューピッチPを狭めることで、羽根143aの傾斜が急となる。その結果、羽根143aにより持ち上げられる現像剤量を低減できる。これにより、羽根143aにより持ち上げられた現像剤が大量に現像スリーブ141に担持される(汲み上げられる)のを抑制できる。その結果、現像剤規制部材146の手前で滞留せずに現像剤規制部材146を通過する現像剤を低減でき、上記帯電不足スクリューピッチムラを抑制できる。
しかし、スクリューピッチを狭めると、現像剤の搬送速度が低下してしまう。その結果、現像された画像に主走査方向(幅方向)の濃度偏差が生じるおそれがある。そのため、本実施形態では、供給搬送スクリュー143として、多条スクリューを用いている。多条スクリューを用いることで、現像剤の搬送速度の低下を抑えて、スクリューピッチを狭めることが可能である。これにより、スクリューピッチムラを抑えつつ、主走査方向の濃度偏差を抑制することができる。特に、本実施形態では、供給搬送スクリューとして、3条スクリューを用いることで、良好に現像剤の搬送速度の低下を抑えて、スクリューピッチを狭めることができ、主走査方向の濃度偏差を抑制することができる。
また、上記最小距離L=6mm以下、スクリューピッチP=15.5mm以下の構成の場合でも、上記最小距離LとスクリューピッチPとの関係によっては、スクリューピッチムラが、十分に改善されない場合があった。
剤離れ磁極の磁気力による作用によって、現像スリーブ141の表面上から離脱し、供給室149Aへ落下した現像剤が、再度、供給搬送スクリューの羽根143aにより持ち上げるまでの攪拌時間が、供給室149Aへ落下したときの羽根143aの回転方向の位置により異なる。羽根143aの回転方向の位置は、軸方向で異なるため、落下した現像剤が、再度、羽根143aにより持ち上げるまでの攪拌時間は軸方向で異なる。攪拌時間が短いと、低下したトナー濃度が回復せずに現像スリーブ141に汲み上げられるおそれがある。
供給室149A内の現像剤は、供給搬送スクリュー143の羽根143aによりある高さにまで持ち上げられることで、P5極の磁気力により汲み上げられる。羽根143aによるP5極の磁界の範囲まで持ち上げられる間で、一部の現像剤が自重により羽根143aの傾斜面を下り落ちることで現像剤の攪拌が進む。そのため、供給室149Aへ落下してから羽根143aにより持ち上げるまでの攪拌時間が短い軸方向の箇所があっても、羽根143aによるP5極の磁界の範囲まで持ち上げられる間の攪拌でトナー濃度を回復することができていた。
しかし、上記最小距離Lが短く、供給搬送スクリュー143の羽根が現像スリーブに保持された現像剤に接触する構成の場合は、羽根143aによるP5極の磁界の範囲まで持ち上げる高さが低くなる。これにより、自重による羽根143aの傾斜面を下り落ちることによる攪拌が抑制されてしまう。その結果、供給室149Aへ落下してから羽根143aにより持ち上げるまでの攪拌時間が短い軸方向の箇所の現像剤は、トナー濃度が十分に回復することなく、現像スリーブ141へ汲み上げられる。
また、現像剤収容部に収容される現像剤量を少なくすることで、現像剤規制部材146により堰き止められる現像剤量も少なくなり、現像剤規制部材146の手前で滞留する現像剤が少なくなる。よって、現像スリーブ141に汲み上げられた現像剤が、現像剤規制部材146を通過するまでの攪拌も抑制される。その結果、供給室149Aへ落下してから羽根143aにより持ち上げるまでの攪拌時間が短い軸方向の箇所の現像剤は、トナー濃度が十分に回復することなく、現像剤規制部材146を通過してしまう。これにより、その箇所の画像の濃度が他よりも薄くなり、スクリューピッチムラが発生すると考えられる(以下、このスクリューピッチムラを再くみ上げスクリューピッチという)。
供給搬送スクリュー143のスクリューピッチPを狭くし、羽根143aにより持ち上げられる現像剤量を低減することで、トナー濃度が回復していない現像剤が現像スリーブ141に担持されるのを抑制できる。これにより、再くみ上げスクリューピッチを低減できる。しかし、スクリューピッチが狭すぎると、供給搬送スクリュー143の1回転当たりの現像剤の軸方向の移動量が短くなり、攪拌が進まず、再度、羽根143aにより持ち上げるまでに十分にトナー濃度が回復しない。そのため、再くみ上げスクリューピッチが悪化するおそれがあった。すなわち、落下した現像剤が、再度、羽根143aにより持ち上げるまでの軸方向の移動量が所定量あることで、軸方向の移動で攪拌が進み現像剤のトナー濃度を回復させることができ、再くみ上げスクリューピッチを低減できる。そのため、上記最小距離Lが短い場合には、最適なスクリューピッチの範囲が存在する。
そこで、本実施形態では、上記最小距離L=2~8mmで、最適な供給搬送スクリュー143のスクリューピッチの範囲を突き止めるべく、以下の評価試験を行った。
[評価試験]
まず、以下の一次評価ユニット条件にて、現像スリーブ141と供給搬送スクリュー143との最小距離Lを2~8mmで暫時調整しながら供給搬送スクリュー143のピッチを5.5~15.5mmの範囲で変更しつつ一次評価試験を実施した。次に、一次評価試験の結果でスクリューピッチムラが発生しなかった条件に対して以下の二次評価ユニット条件にて、現像スリーブ141と供給搬送スクリュー143との位置関係(角度)、回転数比、現像スリーブ141の直径、供給搬送スクリュー143の羽根直径と軸直径の組み合わせを変更して二次評価試験を実施した。
<一次評価ユニット条件>
・現像スリーブと供給搬送スクリューの位置関係
(角度β):水平方向を基準に240°
(最小距離L):2~8mm(調整しながら評価)
・現像スリーブと供給搬送スクリューの回転数比:0.8
・現像スリーブ直径:φ18mm
・現像スリーブ汲上極磁力(P5磁極)分布仕様:現像スリーブ表面の法線方向磁束密度最大値65±10mT、且つ、半値中央角度275±10°
・供給搬送スクリュー:羽根直径φ16mm×軸直径φ6mm
・供給搬送スクリューのピッチ:5.5~15.5mm(スパイラル水準は0.5mm刻みで作成した3条スクリュー)
なお、上記半値中央角度は、軸方向断面において、現像スリーブ141の回転中心O1と汲上極磁力(P5磁極)の半値中央値の位置とを結んだ線と、水平基準線γ(図3参照)との2つの角度のうち、大きい方の角度である。
<二次評価ユニット条件>
・現像スリーブと供給搬送スクリューの位置関係
(角度β):水平方向を基準に230~250°
・現像スリーブと供給搬送スクリューの回転数比:0.7、0.8、0.85
・現像スリーブの直径(3種類):φ16、18、22mm
・現像スリーブ汲上極磁力(P5磁極)分布仕様:現像ローラ表面の法線方向磁束密度最大値65±10mT、且つ、半値中央角度275±10°
・供給搬送スクリュー(計9種類):羽根直径φ14、16、20mm×軸直径φ6、7、8mmの組合せ
現像スリーブと供給搬送スクリューの最小距離L、供給搬送スクリューのピッチは、一次評価試験でスクリューピッチムラが発生しなかった組み合わせである。なお、一次評価試験において、上記最小距離が3mm未満の評価ユニットについては、現像スリーブの振動による異常画像が確認された。
[評価条件]
上記評価ユニット条件の現像装置にてA3全ベタ画像10枚連続通紙による画像評価を行った。通紙画像の8~10枚目を目視で確認し、スクリューピッチムラが確認された場合を、「×」判定、スクリューピッチムラが発生しなかった場合を「〇」判定とした。
下記表1に、評価試験に用いた各現像装置の特性値の最大値、最小値および評価試験に基づいて、判明した最適範囲を示す。なお、供給搬送スクリュー143は、3条スクリューを用いた。各羽根143aのリードは同一であり、各羽根のリードは、スクリューピッチの3倍である。なお、二次評価試験では、スクリューピッチムラは、発生せず、スクリューピッチムラは、現像スリーブ141と供給搬送スクリュー143との最小距離Lと、供給搬送スクリュー143のスクリューピッチとが関係することが主に関係することが確認された。
Figure 2023112641000002
図7は、評価試験の結果を示すグラフである。
なお、図5の「×」は、評価試験でスクリューピッチムラが確認され「×」判定となった評価現像装置を示しており、「●」が評価試験でスクリューピッチムラが確認されず「〇」判定となった評価現像装置を示している。なお、図5では、「×」判定となった評価現像装置のうち、「〇」判定との境界付近のスクリューピッチの評価現像装置についてプロットしている。
また、図7では、現像スリーブと供給搬送スクリューの最小距離Lの最適値である3~6mmの評価現像装置についてプロットしている。最小距離L:3mm未満の評価ユニットは、一次評価において、現像スリーブ141の異常振動による異常画像が確認されたため、最小距離Lの最適値の下限値を3mmとした。最小距離Lの最適値の上限値6mmは、現像収容部内に収容される現像剤量が少ない条件でも、良好に供給室内の現像剤を現像スリーブ141へ供給することが可能な距離である。
図7に示す評価試験の結果をプロットしたグラフから、「×」判定となった評価現像装置と「〇」判定となった評価現像装置とを仕切るように2つの直線をひくことができた。「〇」判定となったスクリューピッチPの上限の境界を示す直線Bは、P=0.64×L+9.74であり、「〇」判定となったスクリューピッチPの下限の境界を示す直線AはP=1.5×L+2.74であった。よって、供給搬送スクリューのスクリューピッチPが、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことで、スクリューピッチムラを抑制できることが判明した。なお、図7に示す結果の傾向から、上記最小距離Lが3mm未満であっても、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことでスクリューピッチムラを抑制することができる。
スクリューピッチPをP=0.64×L+9.74以下、1.5×L+2.74以上とすることで、現像スリーブの表面と供給搬送スクリューとの最小距離Lが6mm以下の供給搬送スクリュー143の羽根が、P5極の磁力により現像スリーブに保持された現像剤に接触する構成で発生する帯電不足スクリューピッチムラおよび再くみ上げスクリューピッチムラを抑制できる。
図7に示すように最小距離Lの最適値である3~6mmの上限の境界を示す直線Bと下限の境界を示す直線Aとの間の範囲において、スクリューピッチPの最大値は、14mmであり、最小値は7mmであった。よって、上記最小距離Lに応じて、スクリューピッチを7~14mmの範囲で設定することで、スクリューピッチムラを抑制できる。また、本実施形態では、現像スリーブの振動による異常画像に対する安全率を見て、最小距離Lを、4.3±0.5mmに設定している。最小距離Lが4.3±0.5mmの場合、図5からわかるようにスクリューピッチPを8~11mmの間で適宜設定すれば、スクリューピッチムラを抑制することができる。
スクリューピッチPを、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことで、スクリューピッチムラの発生を抑制できたが、画像濃度が所望の画像濃度よりも低いものが確認された。
これは、以下の理由が考えられる。すなわち、図7に示すように、上記最小距離Lが短くなるほど、スクリューピッチを狭くする必要があることがわかる。これは、供給搬送スクリュー143の羽根143aの回転方向の位置によって、現像スリーブ141から離れた現像剤は、図8の矢印X1に示すようにそのまま供給室内に落下するものと、羽根143aに当たって跳ね上がるものがある。上記最小距離Lが短く、供給搬送スクリュー143が現像スリーブ141に近いと、図8の矢印X2に示すように、羽根143aに当たって跳ね上がった現像剤が、P5極の磁界に捉えられ、そのまま現像スリーブ141に再付着してしまう。その結果、図8の矢印X2に示す羽根143aによって跳ね上がってトナー濃度が回復せずにそのまま現像スリーブに再付着する現像剤と、図8の矢印X1に示す供給室へ落下する現像剤とが軸方向で交互に生じる。このような要因により、スクリューピッチムラが生じている場合もあると考えられる。スクリューピッチを小さくすることで、図中矢印X1に示すそのまま供給室内に落下するものがほとんどなくなるため、スクリューピッチムラは改善される。しかし、トナー濃度が回復せずにそのまま現像スリーブ141に再付着する現像剤が多く占めることになり、画像濃度の低下をもたらしたと考えられる。
そこで、本出願人は、上記スクリューピッチの評価試験において、「〇」判定となった構成の現像装置のうち画像濃度の低下が確認されたものについて、汲み上げ磁極であるP5極の磁気力を適宜変更して、再評価試験をおこなった。その結果、図9に示すように、現像スリーブ141の回転中心O1と供給搬送スクリューの回転中心O2を結んだ線分B上のP5極の法線方向の磁気力f(Mag)を-6E-9[N]以下とすることで、画像濃度の低下を抑制できることが分かった。すなわち、図9の矢印X2に示すように、現像スリーブ141から落下してきて供給搬送スクリュー143の羽根143aで跳ね上がった現像剤がP5極の磁界に捉えられ、現像スリーブ141に再付着するのを抑制することができる。
図10は、従来のP5極の現像スリーブ回転方向各位置の法線方向の磁気力と、本実施形態のP5極の現像スリーブ回転方向各位置の法線方向の磁気力とを比較したグラフである。
図の位置Aが、現像スリーブ141の回転中心O1と供給搬送スクリュー143の回転中心O2を結んだ線分B上の位置である。特開2010‐061064や特開平11-162731等に記載の既存のマグネット部材着磁方法を用いて現像スリーブ内部のマグネットの磁力を適宜調整することで、図10の実線で示すような磁気力分布にできる。これにより、位置Aの法線方向の磁気力を-6E-9[N]以下にすることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
現像剤収容部内で供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像スリーブ141などの現像剤担持体の表面に担持し、現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置14において、搬送スクリューは、磁界の作用で重力に反して現像剤担持体表面に担持された現像剤に接触する位置に配置され、搬送スクリューは、複数の羽根143aが螺旋状に巻き付いた多条スクリューであり、搬送スクリューのスクリューピッチPが、15.5[mm]以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、スクリューピッチムラを抑制でき、かつ、主走査方向の画像濃度偏差を抑制することができる。
(態様2)
態様1において、供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューの羽根143aの頂部と現像スリーブ141などの現像剤担持体の表面との最小距離をLとしたとき、L≦6[mm]であり、搬送スクリューのスクリューピッチPが、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たす。
これによれば、実施形態で説明したように、スクリューピッチムラを良好に抑制することができる。
(態様3)
現像剤収容部内で供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像スリーブ141などの現像剤担持体の表面に担持し、現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置14において、搬送スクリューの羽根143aの頂部と現像剤担持体の表面との最小をLとしたとき、L≦6mmであり、搬送スクリューのスクリューピッチPが、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たす。
現像剤収容部内の現像剤量が少なくても、搬送スクリューにより搬送されている現像剤が現像剤担持体に良好に担持されるよう、搬送スクリューの羽根の頂部と現像剤担持体表面との最小距離Lを短くして画像評価を行ったところ、最小距離Lが6mm以下の構成でスクリューピッチムラが発生した。
本発明者らは、スクリューピッチムラは、搬送スクリューのピッチを狭めることで抑制できるという知見があったため、搬送スクリューのピッチを狭めた構成の試験機を作成したが、上記最小距離Lが6mm以下の構成では、スクリューピッチを狭めすぎると、スクリューピッチムラが悪化することがわかった。
そこで、本発明者らは、上述した評価試験を行って、スクリューピッチPと上記最小距離Lとの関係を調べた結果、搬送スクリューのスクリューピッチPを、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことで、上記最小距離Lを6mm以下の構成で、スクリューピッチムラを抑制できることがわかった。
態様1では、搬送スクリューの羽根の頂部と現像剤担持体表面との最小距離Lが6mm以下の構成において、搬送スクリューのスクリューピッチPが、1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことで、スクリューピッチムラを良好に抑制することができる。
(態様4)
態様1乃至3のいずれかにおいて、現像スリーブ141などの現像剤担持体の表面に担持された現像剤を規制する現像剤規制部材146を有し、現像剤規制部材146は現像領域よりも重力方向下方に配置されている。
これによれば、実施形態で説明したように、現像剤規制部材146が現像領域よりも重力方向下方に配置されている構成では、現像剤規制部材146が現像領域よりも重力方向上方に配置されている構成に比べてスクリューピッチムラが発生しやすい。しかし、このようなスクリューピッチムラが発生しやすい構成であっても、上記態様1~3の構成を有することで、良好にスクリューピッチムラを抑制することができる。
(態様5)
態様2もしくは3、または、2もしくは3に係る態様4において、上記スクリューピッチPが、7mm以上、14mm以下である。
これによれば、図7を用いて説明したようにスクリューピッチムラを抑制することが可能となる。
(態様6)
態様5において、上記スクリューピッチPが、8mm以上、11mm以下である。
これによれば、現像スリーブ141などの現像剤担持体の振動による異常画像を確実に防ぎ、かつ、最小距離Lをなるべく短くした構成(最小距離L=4.35±0.5mm)において、スクリューピッチムラを抑制することができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューの羽根143aの頂部と現像スリーブ141などの現像剤担持体の表面との最小距離Lが、3mm以上である。
これによれば、実施形態で説明したように、現像スリーブ141などの現像剤担持体の振動による異常画像の発生を抑制することができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューは、3条スクリューである。
これによれば、実施形態で説明したように、スクリューピッチムラを抑制でき、かつ、主走査方向の画像濃度偏差を抑制することができる。
(態様9)
態様1乃至8いずれかにおいて、現像スリーブ141などの現像剤担持体の内部には、供給搬送スクリュー143などの搬送スクリューにより搬送されている現像剤を現像剤担持体の表面に担持させるための第五磁極P5などの磁極が配置されており、搬送スクリューの回転軸方向に直交する断面において、現像剤担持体の回転中心O1と搬送スクリューの回転中心O2とを結ぶ線分B上の磁極の法線方向の磁気力が、-6E-9[N]以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、画像濃度が狙いの濃度よりも薄くなるのを抑制することができる。
(態様10)
態様1乃至9いずれかにおいて、磁性キャリアの重量平均粒径が、20[μm]以上、50[μm]以下である。
これによれば、実施形態で説明したように、キャリア付着を抑制し精細な画像を得ることができる。
(態様11)
感光体ドラムなどの潜像担持体上に形成される潜像を現像装置14により現像して画像を形成する画像形成装置において、現像装置として、態様1乃至9のいずれかの現像装置を用いた。
これによれば、スクリューピッチムラが抑制された良好な画像を得ることができる。
10 :作像装置
12 :感光体ドラム
14 :現像装置
141 :現像スリーブ
142 :回収搬送スクリュー
142a :羽根
143 :供給搬送スクリュー
143a :羽根
144 :現像ケース
146 :現像剤規制部材
147 :マグネットローラ
149A :供給室
149B :攪拌室
L :現像スリーブ表面と供給搬送スクリューとの最小距離
O1 :現像スリーブの回転中心
O2 :供給搬送スクリューの回転中心
O3 :回収搬送スクリューの回転中心
P :スクリューピッチ
P1 :第一磁極
P2 :第二磁極
P3 :第三磁極
P4 :第四磁極
P5 :第五磁極
d :供給搬送スクリューと供給室内壁面とのクリアランス
特開2006-071734号公報

Claims (11)

  1. 現像剤収容部内で搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像剤担持体の表面に担持し、該現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置において、
    前記搬送スクリューは、前記磁界の作用で重力に反して前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤に接触する位置に配置され、
    前記搬送スクリューは、複数の羽根が螺旋状に巻き付いた多条スクリューであり、
    前記搬送スクリューのスクリューピッチPが、15.5[mm]以下であることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記搬送スクリューの羽根の頂部と前記現像剤担持体の表面との最小距離をLとしたとき、
    L≦6[mm]であり、
    前記搬送スクリューのスクリューピッチPが、
    1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
  3. 現像剤収容部内で搬送スクリューにより搬送されているトナーと磁性キャリアを含む現像剤を磁界の作用で現像剤担持体の表面に担持し、該現像剤担持体の表面に担持された現像剤を現像領域へ搬送する現像装置において、
    前記搬送スクリューの羽根の頂部と前記現像剤担持体の表面との最小距離をLとしたとき、
    L≦6[mm]であり、
    前記搬送スクリューのスクリューピッチPが、
    1.5×L+2.74≦P≦0.64×L+9.74の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤を規制する現像剤規制部材を有し、
    前記現像剤規制部材は前記現像領域よりも重力方向下方に配置されていることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項2、3、または、請求項2若しくは3に係る請求項4に記載の現像装置において、
    前記スクリューピッチPが、7[mm]以上、14[mm]以下であることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項5に記載の現像装置において、
    前記スクリューピッチPが、8[mm]以上、11[mm]以下であることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の現像装置において、
    前記搬送スクリューの羽根の頂部と前記現像剤担持体の表面との最小距離Lが、3[mm]以上であることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の現像装置において、
    前記搬送スクリューは、3条スクリューであることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体の内部には、前記搬送スクリューにより搬送されている現像剤を前記現像剤担持体の表面に担持させるための磁極が配置されており、
    前記搬送スクリューの回転軸方向に直交する断面において、前記現像剤担持体の回転中心と前記搬送スクリューの回転中心とを結ぶ線分上の前記磁極の法線方向の磁気力が、-6E-9[N]以下であることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の現像装置において、
    前記磁性キャリアの重量平均粒径が、20[μm]以上、50[μm]以下であることを特徴とする現像装置。
  11. 潜像担持体上に形成される潜像を現像装置により現像して画像を形成する画像形成装置において、
    前記現像装置として、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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