JP2023112503A - アンテナコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】 アンテナコイルを小型化および軽量化する。【解決手段】 アンテナコイル100は、相互に積み重ねられた状態で配置され、且つ、それぞれの飽和磁束密度が500mT以上である複数の軟磁性体板を備えるコア110と、コア110に対して巻き回された状態で配置される巻線120と、を備える。【選択図】 図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年8月31日、ウェブサイトアドレス「https://onsite.gakkai-web.net/ieices/index.html」及び「https://onsite.gakkai-web.net/ieices/_pdf/c_06_004.pdf」を通じて発表 令和3年11月21日、ウェブサイトアドレス「http://www2.iee.or.jp/~iee-chiba/index.html」を通じて発表
本発明は、アンテナコイルに関する。
無線通信などを行うための装置におけるアンテナに用いられるアンテナコイルは、コアと、コアに対して巻き回される巻線と、を備える。このようなアンテナコイルに用いられるコアとして、特許文献1には、棒形状のフェライトコアを用いることが記載されている。
特許第4134173号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているようにコアとして棒形状のフェライトコアを用いると、コアが割れ易くなるため、コアを薄くすることが容易ではない。通常、アンテナコイルの性能向上のためにはインダクタンスLと品質係数Qを大きくするである。LとQはコアに用いる磁性材料により決まり、同じインダクタンスLと品質係数Qが得られる場合、コアの飽和磁束密度が大きい程、アンテナコイル(コアおよび巻線)を小型化(薄型化)することができる。ここで、フェライトの飽和磁磁束度は500mT程度が限界であり、インダクタンスLと品質係数Qを維持したままアンテナコイルを小型化することは困難になる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、アンテナコイルを小型化および軽量化することができるようにすることを目的とする。
本発明のアンテナコイルは、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行うためのアンテナコイルであって、相互に積み重ねられた状態で配置され、且つ、それぞれの飽和磁束密度が500mT以上である複数の軟磁性体板を備えるコアと、前記コアに対して巻き回された状態で配置される巻線と、を備える。
本発明によれば、アンテナコイルを小型化および軽量化することができる。
アンテナコイルの構成の一例を示す図(斜視図)である。 アンテナコイルの構成の一例を示す図(断面図)である。 コアの厚みと品質係数Qとの関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
なお、長さ、位置、大きさ、間隔等、比較対象が同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲(発明の目的を達成することができる範囲)で異なるもの(例えば、設計時に定められる公差の範囲内で異なるもの)も含むものとする。また、各図に示すx-y-z座標は、各図における向きの関係を示すものである。白丸(○)の中にクロスマーク(×)を付した記号は、紙面の手前側から奥側に向かう方向の矢印線を示す記号であり、白丸(○)の中に黒丸(●)を付した記号は、紙面の奥側から手前側に向かう方向の矢印線を示す記号である。
図1は、アンテナコイル 100の構成の一例を示す図であり、アンテナコイル100を俯瞰した状態を示す斜視図である。図2は、アンテナコイル の構成の一例を示す図であり、アンテナコイル100の断面図である。図2(a)は、図2(c)のI-I断面図であり、図2(b)は、図2(a)のI-I断面図であり、図2(c)は、図2(b)のI-I断面図である。
図1および図2において、アンテナコイル 100は、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行うためのコイルであり、コア110と、巻線120と、ケース130と、を備える。アンテナコイル 100は、アンテナの一部を構成し、無線信号の受信端および送信端のうち少なくとも一方となるコイルである。
<コア110>
コア110は、相互に積み重ねられた(積層された)状態で配置され、且つ、それぞれの飽和磁束密度が500mT以上である複数の軟磁性体板を備える。図1および図2では、軟磁性体板の板面の形状が長方形である場合を例示する。しかしながら、軟磁性体板の板面の形状は長方形に限定されず、例えば、正方形であっても円柱その他の形状であっても良い。また、ケースやコーティングなどの工夫により軟磁性体板の板面と板面とを合わせずバラバラの状態で積み重ねても(積層しても)良い。すなわち、積み重ねる(積層する)ことは、軟磁性体板の板面同士を合わせることに限定されない。なお、図1および図2では、表記の都合上、軟磁性体板の数を実際の数よりも少なく表記している。
図3は、軟磁性体板の厚みtと、品質係数Qとの関係の一例を示す図である。
本発明者らは、複数の軟磁性体板を積層させて構成したコアと、フェライトコアとの特性の比較を行った。ここでは、40kHzの周波数におけるインダクタンスLが2.9mHであり、40kHzの周波数における品質係数Qが39.8であり、長さが50mmであり、断面積が25mm2であり、体積が1250mm3であり、重量が6.1gであるフェライトコアとの比較を行った場合を例示する。
ここで、長さとは、巻線の巻軸に平行な方向(アンテナコイルの中心軸(中心線)に平行な方向)の長さであり、図1および図2に示す例ではy軸に平行な方向の長さである)。この長さ(=50mm)と幅とをフェライトコアと同じにして、複数のFe系非晶質合金薄帯、複数のFe系ナノ結晶質合金薄帯、および複数の珪素鋼板をそれぞれ作製した。そして、複数のFe系非晶質合金薄帯を積層させたコアと、複数のFe系ナノ結晶質合金薄帯を積層させたコアと、複数の珪素鋼板を積層させたコアと、をそれぞれ厚み(積層する枚数)を異ならせて作製した。このようにして作製したそれぞれのコアに対して、40kHzの周波数におけるインダクタンスLがフェライトコアのインダクタンスL(=2.9mH)と同じになるように巻線を巻き回してアンテナコイルを作製した。そして、それぞれのアンテナコイルの品質係数Qを測定した。なお、インダクタンスLおよび品質係数Qの測定には、日置電機株式会社製の「インピーダンスアナライザ IM3570」を用いた。
図3において、グラフ301は、基準となる品質係数Qを示す。前述したように複数の軟磁性体板を積層させて構成したコアと比較するフェライトコアの厚みは5mmである。この5mmの厚みのフェライトコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを、基準となる品質係数Qとしてグラフ301で示す。グラフ302は、複数のFe系ナノ結晶合金薄帯を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示す。グラフ303は、複数のFe系非晶質合金薄帯を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示す。グラフ304は、複数の珪素鋼板を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示す。
図3に示すようにいずれの厚みにおいても、Fe系ナノ結晶合金薄帯、Fe系非晶質合金薄帯、珪素鋼板の順に品質係数Qが高くなることが分かる。特に、複数のFe系ナノ結晶合金薄帯を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qは、厚みが薄くても(例えば0.5mmであっても)、基準となる品質係数Q(グラフ301)を大きく上回ることが分かる。厚みが0.5mmになるように複数のFe系ナノ結晶合金薄帯を積層させたコアの重量は0.9gである。一方、前述したように比較対象のフェライトコアの重量は6.1gである。したがって、複数のFe系ナノ結晶合金薄帯を積層させたコアを用いることにより、比較対象のフェライトコアに比べてコアの重量を1/6と大幅に低減することができることが分かる。このコアを用いたアンテナコイルはフェライトコアを用いたアンテナコイルに比べて、同一体積で1/2の軽量化ができる。
また、複数のFe系非晶質合金薄帯、複数のFe系ナノ結晶合金薄帯、複数の珪素鋼板を積層させるので、フェライトコアよりも薄いコアを実現することができる。Fe系非晶質合金薄帯、Fe系ナノ結晶合金薄帯、および珪素鋼板は、フェライトよりもキュリー温度が高い。したがって、Fe系非晶質合金薄帯、Fe系ナノ結晶合金薄帯、珪素鋼板を軟磁性体板として用いれば、高温環境下においてもインダクタンス、品質係数Qの低下を抑制することができる。また、Fe系非晶質合金薄帯、Fe系ナノ結晶合金薄帯、および珪素鋼板は、フェライトよりも飽和磁束密度が2倍以上高い。したがって、Fe系非晶質合金薄帯、Fe系ナノ結晶合金薄帯、珪素鋼板を軟磁性体板として用いれば、インダクタンス、品質係数Qを維持しつつコアの体積を1/2以上小型化することができる。また、小型化したコアに対しそのコアに適した巻線方法を用いることでアンテナの体積を小型化することができる。例えば小型化したコアに密着した巻線を行う、または、小型化したコアをそのコア専用のケースなどで囲い巻線を行うことで巻線後の体積を小さくすることができ、アンテナコイル100を小型化することができる。また、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯の方が、珪素鋼板よりも飽和磁束密度が高い。したがって、Fe系非晶質合金薄帯、Fe系ナノ結晶合金薄帯を用いれば、アンテナコイル100をより小型化することができる。
以上のことから、軟磁性体板は、軟磁性材料で構成される板形状のものであれば良いが、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯のうち少なくとも一方を含むのが好ましい。また、コア110の製造を容易にすることができることなどを重要視する場合、軟磁性体板は、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯のいずれかのみであるのが好ましい。また、アンテナコイルの品質係数Qを高めることなどを重要視する場合、軟磁性体板は、Fe系ナノ結晶合金薄帯のみであるのがより好ましい。ただし、軟磁性体板は、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯の双方を含んでいても良い。例えば、フェライトコアよりも重量を軽くすると共に、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯の双方の利点を活かした特性をコアが有するようにする場合には、軟磁性体板は、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯の双方を含んでいても良い。
Fe系ナノ結晶合金薄帯の出発材料の組成は、Fe系ナノ結晶合金薄帯に要求される特性に応じて定めれば良い。以下の組成式が例示される。
Fe100-(a+b+c)-Si-B-M (原子%)
4≦a≦18、4≦b≦12、0.5≦c≦10
Mは、Cu、Nb、Mo、Ta、W、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Hf、Y、Al、C、P)の中から選択される少なくとも一種以上を含む元素群である。
以上の組成において、Feの一部を10原子%以下のNiまたは10原子%以下のCoに置き換えても良い。
以上の出発材料に対して熱処理などを行うことによって製造されるFe系ナノ結晶合金薄帯においてbccFe結晶が生成された場合、αFeの結晶サイズは、1nm以上、1000nm以下であるのが好ましい。αFeの結晶サイズは、例えば、1000nm未満であるのが好ましく、500nm未満であるのがより好ましく、100nm未満であるのがより一層好ましい。なお、結晶サイズは、例えば、X線回折により得られる回折線のピークの半値幅から算出される値である。また、出発材料に対して熱処理を行わずに、bccFe結晶が生成されないアモルファス状態のFe系ナノ結晶合金薄帯を構成しても、コアの透磁率として高い透磁率が得られることから、本来は出発材料に対して熱処理を行うことが好ましいが、出発材料に対して熱処理を行わなくても良い。出発材料に対して熱処理を行わないことにより、bccFe結晶を含まないアモルファス状態のFe系ナノ結晶合金薄帯とすれば、Fe系ナノ結晶合金薄帯が脆くなることを抑制することができる。よって、コア110の機械的強度を向上させることができる。また、コアの磁気特性を向上させるために、熱処理工程時に出発材料に対して磁場を印加しても良いが、熱処理工程時に出発材料に対して磁場を印加しなくても良い。
Fe系非晶質合金薄帯の出発材料の組成は、Fe系非晶質合金薄帯に要求される特性に応じて定めれば良い。以下の組成式が例示される。
Fe100-(a+b+c)-Si-B-M (原子%)
4≦a≦14、6≦b≦16、0≦c≦6
Mは、Cu、Nb、Mo、Ta、W、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Hf、Y、Al、C、P)の中から選択される少なくとも一種以上を含む元素群である。
以上の組成において、Feの一部を10原子%以下のNiまたは10原子%以下のCoに置き換えても良い。
以上の出発材料に対して熱処理などを行うことによって製造されるFe系非晶質合金薄帯においてbccFe結晶が生成された場合、bccFe結晶の結晶サイズは、0.1μm以上、5000μm以下であるのが好ましい。熱処理工程後のFe系非晶質合金薄帯におけるbccFe結晶の結晶サイズは、例えば、100μm未満であるのが好ましく、50μm未満であるのがより好ましく、10μm未満であるのがより一層好ましい。なお、結晶サイズは、例えば、X線回折により得られる回折線のピークの半値幅から算出される値である。また、種々の用途により、コアに対して歪取り焼鈍を行うことにより、コアの磁気特性として良好な磁気特性を得るための熱処理を出発材料に対して行わなくても、コアの透磁率として必要な透磁率が得られる。したがって、本来は出発材料に対して熱処理を行うことが好ましいが、出発材料に対して熱処理を行わなくても良い。出発材料に対して熱処理を行わないことにより、bccFe結晶を含まないFe系非晶質合金薄帯とすれば、Fe系非晶質合金薄帯が脆くなることを抑制することができる。よって、コア110の機械的強度を向上させることができる。また、コアの磁気特性を向上させるために熱処理工程時に出発材料に対して磁場を印加しても良いが、熱処理工程時に出発材料に対して磁場を印加しなくても良い。
以下の説明では、Fe系ナノ結晶合金薄帯および/またはFe系非晶質合金薄帯を、必要に応じて薄帯と称する。薄帯を用いてコア110を構成する場合、薄帯の厚みは5μm以上35μm以下の範囲であるのが好ましい。また、コア110の断面の形状が四角形である場合、コア110の厚み(薄帯の積層方向の長さ)は10μm以上300mm以下の範囲であるのが好ましい。また、コア110の長さ(巻線120の巻軸に平行な方向の長さ)は1mm以上300mm以下の範囲であるのが好ましい。コア110の幅(薄帯の積層方向と巻線120の巻軸に平行な方向とに垂直な方向の長さ)は1mm以上300mm以下の範囲であるのが好ましい。
次に、コア110の製造方法の一例を説明する。
軟磁性体板の製造方法は特に限定されない。公知の方法(例えば、液体急冷法、回転液中紡糸法、スパッタ法)で軟磁性体板を製造すれば良い。
以上のようにして製造した軟磁性体板例えば薄帯を所定の形状に切断する。薄帯を切断する方法は特に限定されない。公知の方法(例えば、スリット加工)で薄帯を切断すれば良い。ただし、金属ハサミなどで薄帯を細長く切断すると、薄帯に反りや捻れが生じる虞がある。このように反りや捻れが生じた状態の複数の鋼帯をそのまま積層すると、薄帯同士に応力がかかる虞がある。そうすると、アンテナコイル100の電気特性(インダクタンスL、品質係数Qなど)が劣化する虞がある。そこで、金属ハサミなどの上刃と下刃とのクリアランスを適切にすることで、薄帯に生じる反りや捻れを低減することが好ましい。このような観点から、薄帯のJIS B 0621:1984で規定される平面度は10mm以下であるのが好ましい。
以上のようにして切断された複数の薄帯を、板面が相互に対向するように積み重ねる(積層させる)。このとき、品質係数Qを上げるために薄帯との接触を回避し絶縁を確保するのが好ましい。例えば、絶縁材料(例えば、酸化膜などの酸化物、窒化物、および樹脂のうちの少なくとも1つなど)を薄帯表面に形成することにより、薄帯同士の絶縁性が確保されていれば、薄帯と薄帯との間に樹脂や接着剤(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ゴム・エラストマー、珪素系接着剤、およびカルシウム系接着剤のうちの少なくとも1つなど)を挟み、薄帯同士を相互に接着しなくても良い。また、積層された複数の薄帯の両端部(y軸方向および/またはz軸方向の両端部)を固定した方が好ましいが、固定せずにバラバラに積層しても良い。このようにすることに代えてまたは加えて、インダクタンスおよび品質係数Qを上げるために、積層された複数の薄帯と金属材(例えば金属線)との導通を回避するために、複数の薄帯が他の導電体と絶縁された状態になるようにするのが好ましい。例えば、積層された複数の薄帯の周囲を樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(赤外線硬化)、および光硬化性樹脂(紫外線硬化)のうちの少なくとも1つなど)で浸漬したり、粉体塗装にて積層された複数の薄帯をコーティングしたりして、積層された複数の薄帯と金属材との絶縁が保たれていればケース130を使用しなくても良い。
なお、図1および図2に示す例では、薄帯の積層方向がx軸方向(巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)および穴131の深さ方向(z軸方向)に垂直な方向)である場合を例示した。しかしながら、薄帯の積層方向はx軸方向に限定されない。例えば、薄帯の積層方向は、z軸方向であっても良い。なお、詳細は後述するが、穴131はケース130に形成されており、穴131にコア110が設置される。
<巻線120>
巻線120は、コア110に対して巻き回された状態で(コア110を取り巻くように)配置される。巻線120は、例えば絶縁被覆付きの金属線(例えば、エナメル銅線やポリウレタン銅線)など、公知の技術で実現される。図1および図2では、巻線120の巻軸に平行な方向(アンテナコイル100の中心軸に平行な方向)がy軸に平行な方向である場合を例示する。なお、図1および図2では、表記の都合上、巻線120の巻回数を実際の巻回数よりも少なく表記している。巻線120の端部121a~121bは、不図示の共振用コンデンサを含む外部回路に電気的に接続される。
<ケース130>
ケース130は、非金属材料、好ましくは絶縁材料を用いて構成される。ケース130に、コア110の少なくとも一部の領域が設置される領域を有する。ケース130は、コア110と巻線120との電気的な絶縁を確保することができるように構成されるのが好ましい。
ケース130は、例えば、熱可塑性樹脂、汎用プラスチック(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、AS樹脂(ASもしくはSAN)、ABS樹脂(ABS)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET))、汎用エンジニアリングプラスチック(例えば、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT))スーパーエンジニアリングプラスチック(例えば、ポリフェニレンスルファイド(PPS),ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP))、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリウレタン(PU)、ジアリルフタレート樹脂(PDAP)、シリコーン樹脂(SI)、アルキド樹脂ポリフェニレンスルファイド(PPS))、または、セラミックス(例えば、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O2)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si2N4)、窒化ホウ素(BN)、石英ガラス(SiO2)、マコール(フッ素金雲母))を用いて構成される。その他、ケース130は、例えば、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリメチルペンテン(PMP)、生分解性プラスチック、または繊維素系プラスチックを用いて構成されても良い。また、ケース130は、例えば、以上の二種以上の混合物を用いて構成されても良い。
図1および図2に示す例では、ケース130は、巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)に延びる穴131を有する。穴131は、有底穴である。穴131の底は、穴131に何も設置されていない状態で巻線120の巻軸(アンテナコイル100の中心軸)に垂直な方向(図1および図2に示す例ではz軸の負の方向)に穴131を見下ろすようにして穴131を見た場合に正面に見える面を指す。コア110の少なくとも一部の領域は、穴131に設置される。図1および図2では、コア110の全部の領域が、穴131に設置される場合を例示する。このようにすれば、コア110をより確実に保護することができると共に、コア110がケース130以外の部材(例えば巻線120)と接触することを防止することができる。ただし、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)におけるコア110の端面111a~111bが、穴131から突出していても(ケース130の外側にあっても)良い。
また、本実施形態の穴131は、巻軸方向側開口部131a~131bと、外周面側開口部131cと、のうち、少なくとも一方の開口部を有する。
巻軸方向側開口部131a~131bは、巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)におけるケース130の両端面132a~132bのうち少なくとも一方の端面に形成される。図1および図2に示す例では、巻軸方向側開口部131a~131bが、巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)におけるケース130の両端面132a~132bに形成される場合を例示する。巻軸方向側開口部131a~131bは、巻線120の巻軸に平行な方向(y軸方向)におけるコア110の端面111a~111bの領域のうち、穴131の内部に存在する領域の大きさ以上の大きさを有する。
外周面側開口部131cは、ケース130の巻線120と対向する面である外周面133に形成される。図1に示すようにケース130の外周面133は、ケース130の端面132a~132bの間に配置されるケース130の表面である。図1および図2に示す例では、巻線120の最も内周側(アンテナコイル100の中心軸側)の領域と、ケース130の外周面133とが相互に対向するように巻線120が巻き回される場合を例示する。なお、巻線120とケース130の外周面133との間に絶縁材料(例えば、絶縁紙および絶縁テープの少なくとも一方)などが配置されても良い。外周面側開口部131cは、穴131の深さ方向に平行な方向(z軸方向)におけるコア110の端面111cのうち、穴131の内部に存在する領域の大きさ以上の大きさを有する。
図1および図2に示す例では、ケース130が、巻軸方向側開口部131a~131bと、外周面側開口部131cと、の双方を有する場合を例示する。このようにすれば、ケース130にコア110を設置し易くなる。
コア110をケース130の内部に設置した際にコア110とケース130との間のクリアランスが小さい(または無い)場合、コア110をケース130の内部に設置した後に巻線120を巻き回すと、コア110に応力がかかり、アンテナコイル100の電気特性(インダクタンスL、品質係数Qなど)が低下する虞がある。そこで、ケース130に対して巻線120を巻き回してからコア110をケース130(の穴131)に設置するのが好ましい。前述したように巻軸方向側開口部131a~131bを形成することにより、ケース130に対して巻線120を巻き回してからコア110をケース130(の穴131)に設置することができる。したがって、ケース130は、巻軸方向側開口部131a~131bを有するのが好ましい。ただし、例えば、コア110に要求される電気特性が低いためにコア110に応力がかかってもコア110が所望の電気特性を満足する場合や、コア110にかかる応力が小さい場合(例えば、巻線120とケース130の外周面133との間に比較的厚い絶縁材料などが配置されている場合)には、コア110をケース130(の穴131)に設置してからケース130に対して巻線120を巻き回しても良い。
なお、アンテナコイル100がケース130を備えれば、巻線120の巻回作業およびコア110の位置決めなど、アンテナコイル100の製造が容易になると共に、コア110を保護することができるので好ましい。しかしながら、アンテナコイル100は、必ずしもケース130を備えていなくても良い。このようにする場合、前述したように、例えば、薄帯と薄帯との間に樹脂を挟んで薄帯同士を相互に接着したり、積層された複数の薄帯の周囲を樹脂でコーティングして複数の薄帯を接着したりすることにより、積層後の複数の薄帯を固定する。また、ケース130の形状は、図1および図2に示す形状に限定されない。積層された複数の薄帯の固定をケース130により行える場合には、前述した樹脂などによる薄帯の接着は行っても行わなくても良い。
<適用範囲>
本実施形態のアンテナコイル100は、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行うためのコイルであれば、その使用周波数は特に限定されないが、例えば、本実施形態のアンテナコイル 100の使用周波数範囲は、例えば、1kHz以上、100MHz以下の周波数範囲である。
また、本実施形態のアンテナコイル100は、無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行うためのコイルであれば、その適用先は特に限定されないが、例えば、船舶において電波を送受信する装置、電波時計、ラジオ、スマートエントリ(キーレスエントリ)において電波を送受信する装置に適用される。
なお、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 アンテナコイル
110 コア
111a~111c コアの端面
120 巻線
121a~121b 巻線の端部
130 ケース
131 ケースの穴
132a~132b ケースの端面
131a~131b ケースの巻軸方向側開口部
131c ケースの外周面側開口部
133 ケースの外周面
301 基準となる品質係数Qを示すグラフ
302 複数のFe系ナノ結晶合金薄帯を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示すグラフ
303 複数のFe系非晶質合金薄帯を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示すグラフ
304 複数の珪素鋼板を積層させたコアを用いたアンテナコイルの品質係数Qを示すグラフ

Claims (5)

  1. 無線信号の送信および受信の少なくとも一方を行うためのアンテナコイルであって、
    相互に積み重ねられた状態で配置され、且つ、それぞれの飽和磁束密度が500mT以上である複数の軟磁性体板を備えるコアと、
    前記コアに対して巻き回された状態で配置される巻線と、
    を備える、アンテナコイル。
  2. 前記軟磁性体板は、Fe系非晶質合金薄帯およびFe系ナノ結晶合金薄帯のうち少なくとも一方を含む、請求項1に記載のアンテナコイル。
  3. 前記コアの少なくとも一部の領域が設置される領域を有するケースであって、非金属材料を含むケースをさらに備える、請求項1または2に記載のアンテナコイル。
  4. 前記ケースは、穴を有し、
    前記コアの少なくとも一部の領域は、前記穴の内部に存在し、
    前記穴は、巻軸方向側開口部と、外周面側開口部と、のうち、少なくとも一方の開口部を有し、
    前記巻軸方向側開口部は、前記巻線の巻軸に平行な方向における前記ケースの両端面のうち少なくとも一方の端面に存在する開口部であって、前記巻線の巻軸に平行な方向における前記コアの端面の領域のうち、前記穴の内部に存在する領域の大きさ以上の大きさを有する開口部であり、
    前記外周面側開口部は、前記ケースの前記巻線と対向する面に存在する開口部であって、前記穴の深さ方向に平行な方向における前記コアの端面の領域のうち、前記穴の内部に存在する領域の大きさ以上の大きさを有する開口部である、請求項3に記載のアンテナコイル。
  5. 前記穴は、有底穴である、請求項4に記載のアンテナコイル。
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