JP2023111448A - 判定装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象者の動作により生じる特定の振動を利用することで、対象者の特定の状態、動作を判定することができる判定装置等を提供すること。【解決手段】ベッド装置と、対象者との間に載置されたセンサから振動を示すセンサ値を取得する取得部と、制御部とを備え、前記制御部は、センサ値から、呼吸による振動よりも高周波、かつ、心拍による振動よりも高振幅、かつ周期性のある特定振動を検知し、前記特定振動を検知した区間は、前記対象者が特定の行動を行った区間と判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、判定装置等に関する。
従来から対象者の人体にセンサを設けて、センサの振動により特定の振動を検出し、対象者の行動を判定する装置が知られている。例えば、対象者の行動の一つである掻破行動等を判定装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2015-112127号公報 特開2021-137570号公報
本発明は、対象者の動作により生じる振動を利用することで、対象者の特定の状態、動作を判定することができる判定装置等を提供することである。
上述した課題に鑑み、本実施態様の判定装置は、ベッド装置と、対象者との間に載置されたセンサから振動を示すセンサ値を取得する取得部と、制御部とを備え、前記制御部は、呼吸による振動よりも高周波、かつ、心拍による振動よりも高振幅、かつ周期性のある特定振動を検知し、前記特定振動を検知した区間は、前記対象者が特定の行動を行った区間と判定することを特徴とする。
また、本実施態様のプログラムは、ベッド装置と、対象者との間に載置されたセンサから振動を示すセンサ値を取得可能なコンピュータにおいて、前記センサ値から、呼吸による振動よりも高周波、かつ、心拍による振動よりも高振幅、かつ周期性のある特定振動を検知する機能と、前記特定振動を検知した区間は、前記対象者が特定の行動を行った区間と判定する機能とを実現する。
本願発明によれば、対象者の動作により生じる振動を利用することで、対象者の特定の状態、動作を検知することができるようになる。
本実施形態における全体を説明するための図である。 本実施形態における構成を説明するための図である。 本実施形態におけるパラメータテーブルの一例を説明する図である。 本実施形態におけるパラメータの一例を説明する図である。 本実施形態における特定振動検知処理の処理を説明するための図である。 本実施形態における特定振動検知処理の動作を説明するための図である。 本実施形態における掻破行動判定処理の一例を説明するための図である。 本実施形態における掻破行動判定処理の動作を説明するための図である。 本実施形態における動作例を説明するための図である。 本実施形態における動作例を説明するための図である。 本実施形態における効果を説明するための図である。 本実施形態における効果を説明するための図である。 本実施形態における変形例を説明するための図である。
対象者の特定の状態を判定する方法としては種々の方法が知られており、また、判定できる特定の状態も様々である。ここで、対象者の状態とは、対象者の何らかの動きを伴う状態を含むものであり、対象者が意識して行う行動・動作や、対象者の意思とは関係なく表れる運動(不随意運動)を含んでもよい。
また、対象者の状態としては、生体情報に基づく状態も含む。例えば、対象者の心拍・呼吸・体動から、対象者が睡眠中/覚醒中の状態であるかを含んでもよい。また、対象者の状態には、対象者の姿勢(仰臥位、側臥位といった就寝中の寝姿勢や、ベッド装置上での端座位、長座位等の姿勢)を含んでもよい。
この対象者の状態に含まれる対象者の特定の行動として、例えば掻破行動がある。掻破行動は、対象者がかゆみを感じたり、ストレスを感じたりした場合に見られる引っ掻き行動であり、掻くことで、さらなるかゆみの増悪や皮膚状態の悪化を誘発してしまう。さらに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患は、皮膚温が上昇する夜間にかゆみが強くなることが知られている。対象者は、睡眠中に無意識に掻いてしまうことにより皮膚症状の改善の妨げとなることから、治療において睡眠中の掻破行動の測定の有用性が指摘されている。そのため、対象者の掻破行動を判定する判定装置が知られている。
しかし、対象者の掻破行動を正しく判定するためには、以下のような方法が知られている。第1の方法として、例えばビデオカメラなどにより睡眠中の対象者を撮影し、掻破行動があったか否かを判定することが行われている。第2の方法として、腕時計型アクチグラフ(スマートウォッチなどのウェアラブル端末も含む)を装着して代替指標である活動量(体の動きの程度を数値化した量)を測定し、掻破行動が有ったか否かを判定することが行われている。
ビデオカメラにより撮影する第1の方法では、人もしくは人工知能が判定する必要があり、判定する者の負担が大きかった。また、対象者を撮影することから、プライバシーの問題に配慮する必要があった。また、第2の方法である腕時計型アクチグラフを装着する方法では、代替指標である活動量は掻破量が多いほど値が増加することが報告されているが、寝返りや身じろぎ等も活動量に含まれてしまうため、必ずしも掻破のみを計測しているとは言えない指標であった。
また、特開2015-112127号公報や、特開2021-137570号公報に記載されているように、対象者の人体に振動を検出するセンサ装置を別に装着する方法がある。この方法では、センサ装置を別に対象者に装着する必要があることから、対象者にとってセンサ装置が煩わしかったり、そもそもセンサ装置が外れてしまうということが生じていたりした。
対象者に装着しない装置としては、ベッド装置(マットレス)と、対象者の間にセンサを設置したり、振動センサをベッド装置やマットレス上に設置したりすることで、センサ装置により検出された荷重の変化から、対象者の心拍や心拍・呼吸といった生体情報を取得したり、睡眠の状態(対象者が睡眠中であるか、覚醒しているか)を取得したりすることが可能な取得装置が知られている。このような取得装置において掻破行動時に発生する、呼吸・心拍とは異なる連続した振動(体動)を特異的に測定することは想定されていなかった。
このような課題に鑑み、以下対象者の特定の動作・状態を適切に検知することが可能な判定装置の一実施形態について、以下、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の判定装置を適用した場合の一例であり、本発明が適用される範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
[1.システム全体]
図1は、判定装置を適用したシステム1の全体概要について説明するための図である。図1に示すように、システム1は、ベッド装置10の床部と、マットレス20の間に載置される検出装置3と、検出装置3より出力される値を処理するため処理装置5を備えて構成されている。この検出装置3、処理装置5とで、対象者の状態を判定する検知装置(検知システム)を構成している。なお、検出装置3と処理装置5は一体型に構成されてもよい。
マットレス20に、対象者(以下、一例として「対象者P」とする)が在床すると、対象者Pの体振動(人体から発せられる振動)を検出装置3が検出する。そして、処理装置5は、検出装置3が検出した振動に基づいて、対象者Pの状態を取得することができる。詳細は後述するが、処理装置5は、対象者Pの状態として、例えば以下のような状態を取得することが可能である。
・対象者が、ベッド装置10(マットレス20)の上に在床しているか、ベッド装置10(マットレス20)から離床しているか
・対象者の生体情報として、心拍数、呼吸数、活動量
・対象者の姿勢。例えば、側臥位、仰臥位、端座位、長座位等
・対象者の位置。例えば、ベッド装置10の中央にいるか、片側に寄っているか
・対象者の動作、行動。例えば、対象者の行動として掻破行動や、対象者の意思ではない動作として痙攣(けいれん)や震え等。また、対象者の寝返りや起き上がりといった行動も含む。
本実施形態においては、算出された生体情報値(例えば、呼吸数、心拍数、活動量)を、対象者Pの生体情報値として出力・表示することができる。なお、例えば検出装置3に記憶部、表示部等を設けることにより一体に形成されてもよい。また、処理装置5は、汎用的な装置で良いため、コンピュータ等の情報処理装置に限られず、例えばタブレットやスマートフォン等といった装置で構成されてもよい。
また、対象者としては、病気療養中の者であったり、介護が必要なものであったりしてもよい。また、介護が必要でない健康な者であっても、高齢者でも子供でも、障害者でも、人でなくても動物でも良い。
ここで、検出装置3は、厚さが薄くなるようにシート状に構成されている。これにより、ベッド装置10と、マットレス20の間に載置されたとしても、対象者Pに違和感を覚えさせることなく使用できるため、寝床での生体情報値を長期間測定できることとなる。
なお、検出装置3は、対象者Pの体振動を非装着で検出できればよい。例えば、歪みゲージ付きアクチュエータやベッドの脚等に配置された荷重を計測するロードセルを利用したりしても良い。また、内蔵された加速度センサ等を利用することにより、例えばベッド装置10上に載置されたスマートフォンや、タブレット等で実現してもよい。また、センサは1又は複数設けてもよい。
また、図1において、ベッド装置10(マットレス20)において頭側を方向H、足側を方向Fとし、対象者Pが仰臥位のときの左側を方向L、右側を方向Rとする。
[2.構成]
つづいて、システム1の構成について、図を参照して説明する。本実施形態におけるシステム1は、検出装置3と、処理装置5とを含む構成となっており、各機能部(処理)は、どちらで実現されても良い。本実施形態では、処理装置5が判定装置として機能する。
処理装置5は、制御部100と、信号取得部120と、記憶部150と、入力部160と、出力部170とを含んでいる。
制御部100は、処理装置5の動作を制御しており、1又は複数の制御装置で構成している。例えば、CPU(Central Processing Unit)等の制御装置であってもよいし、複数の機能を有するSoC(System on a Chip)であってもよい。
また、制御部100は、記憶部150に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種処理を実現することとなる。制御部100は、プログラムを実行することで、特定振動検知部102、生体情報算出部104、対象者状態判定部106として機能してもよい。なお、本実施形態においては、制御部100は全体として動作しているが、検出装置3、処理装置5のそれぞれに設けることもできるものである。
特定振動検知部102は、検出装置3から出力されるセンサ値に基づいて、特定の振動である特定振動が生じているかを検知する。すなわち、検出装置3において検出される対象者の体動を示す振動に、特定振動があったことを検知する。特定振動は、処理装置5が検知したい振動であり、対象者の特定の行動・動作に対応付いている。例えば、処理装置5は、対象者の掻破行動に対応する特定振動を検知することで、対象者の掻破行動を判定することができる。
ここで、特定振動とは、心拍・呼吸による振動とは異なる振動である。これは、心拍による振動は高周波になる(心拍数が高くなる)ほど振幅が低下し高振幅となることがない。または、高周波で高心拍な心拍動は異常と考えられ、呼吸による振動も同様に高周波となるほど振幅が低下し高振幅とならず、そもそも呼吸数が1Hz(60回/分)以上となることがないからである。
特定振動とは、体振動から取得できるデータのうち、心拍に応じて生じる振動より高振幅(振動が大きい)、かつ呼吸に応じて生じる振動より高周波(振動が細かい)となる振動である。
例えば、呼吸により生じる振動(体動)が0.1~0.6Hzの場合、特定振動は主に1Hz以上の心拍により生じる振動(体動)の振幅以上(一例として、呼吸により生じる最大振幅の1/5以上の振幅又は測定レンジの1/5以上大きい振幅。例えば、測定レンジが12bit(0~4095)で量子化されたデータの場合820以上)の振動をいう。なお、心拍・呼吸により生じる振動は、原則としてセンサの検出範囲内の振幅でのセンサ値の変動となるが、特定振動は、指定した任意の振幅を超えるものを指し、センサの検出範囲を超える振幅でのセンサ値の変動となることもある。
生体情報算出部104は、信号取得部120から取得した信号に基づいて生体情報を算出する。例えば、対象者の生体情報として、心拍(心拍数)、呼吸(呼吸数)を算出する。例えば、生体情報を算出する方法としては、特開2017-047211号公報(発明の名称:生体情報出力装置、生体情報出力方法及びプログラム、公開日:2017年3月9日)に記載された方法等の何れかの公知の方法を利用すればよい。
対象者状態判定部106は、対象者の状態を判定することができる。対象者の状態としては、例えば対象者が特定の行動を行っているかを判定することができる。例えば、対象者状態判定部106は、特定振動検知部102から特定振動を検知した場合に、その特定の振動に対応する特定の行動を行っていると判定することができる。
具体的には、特定振動検知部102が、特定振動を検知した場合、対象者状態判定部106は、対象者に掻破の動作があったと判定する。
また、対象者状態判定部106は、対象者の睡眠の状態が睡眠中であるのか、覚醒しているのかを判定することができる。ここで、対象者の睡眠の状態を判定するのは、信号取得部120により取得された振動データから睡眠の状態を判定してもよいし、生体情報算出部104から出力された生体情報に基づいて判定してもよい。例えば、対象者状態判定部106は、対象者の心拍の推移、呼吸数の推移から対象者が睡眠中であるか、覚醒中であるかを判定してもよい。対象者の睡眠の状態の判定方法は、例えば、特開2015-12948号公報(発明の名称:睡眠評価装置、睡眠評価方法及び睡眠評価プログラム、公開日:2015年1月22日)、特開2017-213421号公報(発明の名称:睡眠評価装置及びプログラム、公開日:2017年12月7日)等により開示された方法を利用することができる。また、それ以外にも対象者の睡眠の状態を判定する何れか公知の方法を利用してもよい。
また、対象者状態判定部106は、対象者の姿勢を判定してもよい。例えば、対象者状態判定部106は、対象者が仰臥位であるのか、側臥位であるのかを判定してもよい。また、対象者状態判定部106は、対象者が端座位をといっていたり、長座位をとっていたりすることを判定してもよい。対象者状態判定部106は、信号取得部120が取得した振動データにより姿勢を判定したり、荷重の変化から姿勢を判定したりしてもよい。対象者の姿勢を判定する方法としては、例えば特開2019-98069号公報(発明の名称:姿勢判定装置、公開日:2019年6月24日)等により開示された方法を利用することができる。また、それ以外にも対象者の姿勢を判定する何れか公知の方法を利用してもよい。
信号取得部120は、検出装置3が出力した信号(センサ値)を取得する。ここで、検出装置3は、例えば振動を示す振動データをセンサ値として出力する。本実施形態では、検出装置3は、振動による空圧の変化を圧電センサで測定した電圧値(また、電圧値の測定範囲には制限があるため、個人差、寝姿勢、寝位置によって測定される電圧値が大きく変化する。例えば、本実施形態の場合は、呼吸運動で測定範囲から外れないようにセンサ出力の増幅を調整した電圧値であってもよい)に変換して出力する。検出装置3は、振動データを、アナログ信号として出力してもよいし、デジタル信号に変換して出力してもよいし、数値化したものを出力してもよい。アナログ信号として出力された場合、信号取得部120や、制御部100が受信した信号をセンサ値に変換してもよい。この場合、信号取得部120又は制御部100は、振動データを所定のサンプリング間隔のデジタルの電圧信号に変換する。ここで、信号の大きさが多き過ぎる場合は、信号を減衰してデジタルに変換する。そして、信号取得部120又は制御部100は、デジタルの信号に変換した後、数値化し、センサ値としてセンサ値記憶領域154に記憶する。すなわち、信号取得部120により取得された振動データは、信号取得部120又は制御部100により標本化、量子化、符号化されてセンサ値としてセンサ値記憶領域154に記憶される。
記憶部150は、処理装置5が動作するための各種データ及びプログラムを記憶している。制御部100は、記憶部150に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現することとなる。ここで、記憶部150は、半導体メモリ(例えば、SSD(Solid State Drive)やSDカード(登録商標))や、磁気ディスク装置(例えば、HDD(Hard Disk Drive))等により構成されている。また、記憶部150は、内蔵される記憶装置であってもよいし、着脱可能な外部記憶装置であってもよい。また、クラウド等の外部サーバの記憶領域であってもよい。
記憶部150は、対象者データ記憶領域152と、センサ値記憶領域154との領域を確保し、パラメータテーブル156を記憶する。
対象者データ記憶領域152は、対象者データを記憶する。対象者データとは、対象者に関するデータであり、時系列で各データが記憶してある。対象者データとして記憶可能なものは、例えば制御部100が判定した在床/離床の結果、制御部100がセンサ値から算出する生体情報、対象者状態判定部106により判定した対象者の状態等である。これらのデータ(情報)が、対象者毎に時系列に記憶可能である。対象者の状態として、対象者データ記憶領域152は、掻破行動が行われた時間(時間帯)を記憶してもよいし、一晩の掻破行動が行われた時間の合計を記憶してもよい。併せて、掻破の強さ(振幅と周波数)を算出して記憶してもよい。掻破の強さとは、掻く力の大きさや掻く速さを総括的に評価した指標を指す。例えば、掻く力が強いほど取得される特定振動の振幅が大きくなり、掻く速度が速いほど周波数が高くなる。
センサ値記憶領域154は、信号取得部120又は制御部100が出力したセンサ値を記憶する。センサ値は、例えば、対象者毎に時系列で記憶してもよい。
パラメータテーブル156は、各種処理に必要な閾値や判定値といったパラメータを記憶する。パラメータは、ユーザにより変更してもよいし、予め記憶してもよい。
図3は、パラメータテーブル156の一例を示すものである。パラメータテーブル156は、パラメータとして、特定の振動を検知するために設定された設定範囲Aの上限閾値Amax(例えば、「2458」)と、下限閾値Amin(例えば、「1638」)と、範囲外滞在時間B(例えば、「45」)と、範囲内滞在時間C(例えば、「15」)と、検知判定値D(例えば、「128」)とを記憶する。
ここで、各パラメータについての詳細は後述するが、まず設定範囲Aについて説明する。設定範囲Aは、特定振動検知部102が、特定の振動であるか否かを判定するときに利用するセンサ値の範囲である。特定振動検知部102は、設定範囲Aから外れた場合(超えた場合)、もしくは設定範囲Aに入った場合に、特定振動の検知処理を開始する。
ここで、設定範囲Aは、複数の範囲を設定してもよい。これは、検出装置3が検出するセンサ値が、対象者の動き等の状態により、変化する範囲(振幅)が変化するためである。本実施形態では、設定1から設定3の3つを有している。
図4は、設定範囲を模式的に説明するための図である。図4は、センサ値をグラフにしたものであり、横軸が時間(サンプリング数)、縦軸にセンサ値を表している。センサ値が中央付近にある場合、設定1が利用される。すなわち、設定範囲Aは、上限閾値Amax-1から下限閾値Amin-1の範囲となる。また、センサ値が、処理可能な下限に近いところで出力されている場合、設定2が利用される。すなわち、設定範囲Aは、上限閾値Amax-2から下限閾値Amin-2の範囲となる。また、センサ値が、処理可能な上限に近いところで出力されている場合、設定3が利用される。すなわち、設定範囲Aは、上限閾値Amax-3から下限閾値Amin-3の範囲となる。
また、範囲外滞在時間Bとは、センサ値が設定範囲外となっている時間を判定するときに利用されるパラメータである。また、範囲内滞在時間Cとは、センサ値が設定範囲内に含まれている時間を判定するときに利用されるパラメータである。
また、図3のパラメータの一例は掻破行動を判定するためのパラメータである。したがって、判定する対象者の状態毎に、パラメータを記憶してもよい。また、対象者毎に、パラメータを個別に記憶してもよい。
入力部160は、利用者からの操作入力を受け付ける。例えば、利用者により、利用者の状態を取得する開始の操作が行われたり、検出装置3の感度の調整が行われたりと、各種操作入力が行われる。
出力部170は、各種情報を出力する。例えば、液晶ディスプレイの表示装置や、LED等の発光部材、音や音声を出力するスピーカ、他の記録媒体にデータを出力するインタフェース等で構成される。また、入力部160と、出力部170とを一体に構成することにより、タッチパネルとして構成してもよい。
また、出力部170は、各種情報を出力するだけでなく、例えば対象者の状態に基づくレポートや、状態の表示が可能である。例えば、出力部170は、対象者の動作の状態、例えば掻破行動の有無や、掻破行動を行っていた時間を出力することができる。また、出力部170は、睡眠の状態、生体情報に基づいて睡眠日誌を出力することができる。睡眠日誌は、例えば対象者の1日の睡眠/覚醒の状態を出力したり、併せて対象者の在床/離床の状態を出力したりすることができる。睡眠日誌を出力する方法としては、例えば特開2016-144627号公報(発明の名称:生体情報出力装置、生体情報出力方法及びプログラム、公開日:2016年8月12日)等により開示された方法を利用することができる。また、睡眠日誌を出力する方法としては、何れか公知の方法を利用することができる。
また、出力部170は、睡眠日誌に掻破行動を重ねて出力してもよい。これにより、対象者の睡眠の深さと、掻破行動との関係とを出力することができる。また、出力部170は、制御部100が判定した掻破行動に対するアドバイスを出力してもよい。例えば、出力部170は、対象者の睡眠の状態と比較することで「入眠時に掻破行動が多く見られます」といった内容のメッセージを出力してもよい。
また、図2は検出装置3と通信可能な処理装置5が検知装置と機能する場合について概念的に構成を説明したものである。これらの構成は、例えば1つの振動検出可能な装置で実現されてもよい。すなわち、検出装置3、処理装置5が一体に構成されてもよいし、図1のように、検出装置3、処理装置5と分かれて構成されてもよい。例えば、処理装置5の機能を実現可能なアプリケーションをスマートフォンにインストールして実現してもよい。この場合、検出装置3の代わりに、スマートフォンの加速度センサを利用してもよい。また、処理装置5の代わりに、同じサービスを提供可能な外部サーバで実現されてもよい。
検出装置3は、振動を検出するセンサを有しているか、外部のセンサと接続可能な構成となっている。検出装置3は、センサから検出された振動に関する信号(振動データ)を、通信部を介して、処理装置5に送信する。検出装置3から処理装置5に振動データを送信するタイミングや、処理装置5が振動データを記憶するタイミングとしては、リアルタイムであってもよいし、所定時間毎であってもよい。
また、検出装置3は、1つのセンサを有してもよいし、複数のセンサを有してもよい。また、検出装置3は、例えばアクチュエータに内蔵されたセンサや、ベッド装置上のフレームやベッド装置の脚部もしくはキャスター部に設けられた(内蔵もしくは外付け)ロードセルにより実現してもよい。
検出装置3と、処理装置5とは、有線又は無線で接続可能である。また、検出装置3は、外部の記録媒体(例えば、SDカード)に振動データを記憶してもよい。処理装置4は、記録媒体から振動データを読み込んで取得してもよい。
[3.特定振動検出処理]
[3.1 処理の流れ]
つづいて、本実施形態における特定振動検知処理について図5を参照して説明する。以下、制御部100が、特定振動として掻破による体振動を検知する場合について説明する。
制御部100(特定振動検知部102)は、特定振動検知処理を実行するときに、検出装置3からセンサ値を所定時間毎に取得する。すなわち、制御部100は、所定時間毎に割り込まれたセンサ値を連続的に取得する。なお、制御部100は、センサ値を取得する間隔は、検出装置3から出力されるタイミングと同期してもよいし、制御部100が所定時間毎に検出装置3からセンサ値を受信してもよい。
また、制御部100は、特定振動検知処理を実行するときに、各パラメータをセットする。制御部100は、パラメータテーブル156から所定のパラメータを読み出す。以下、パラメータテーブル156に記憶されているパラメータについて説明する。
上限閾値Amax、下限閾値Aminは、設定範囲Aを定める閾値である。図3に示す値は、振動データを12bit(0~4095)に量子化したデータ場合の値であり、データの解像度、上限閾値Amax及び下限閾値Aminはこれ以外の値であってもよい。また、振動データを量子化した値(解像度)に応じて、上限閾値Amax、下限閾値Aminを設定範囲として記憶してもよい。また、上限閾値Amax、下限閾値Aminは、振動データを12bitに量子化した場合の値を記憶しているが、そのままセンサ値が記憶してもよい。
範囲外滞在時間Bは、センサ値が設定範囲を超えている時間を示すパラメータである。例えば、センサ値が、上限閾値Amaxを超えている時間、下限閾値Minを下回っている時間が範囲外滞在時間Bを超えた場合は、特定の振動ではないと判定し、制御部100は本処理を終了することができる。
範囲外滞在時間Bは、判定時間を示すものであるが、サンプリング数で表してもよいし、時間で表してもよい。範囲外滞在時間Bがサンプリング数の場合、例えば、図3では「40」や「45」と示されている。ここで、サンプリングの間隔としては、例えば、16Hzや、64Hz、100Hz、128Hz、500Hzなどでサンプリング可能である。また、範囲外滞在時間Bは、例えば「1/2」秒や、「1/3」秒と時間で示してもよい。
範囲内滞在時間Cは、センサ値を示す波形が、設定範囲Aの範囲内を遷移する時間を示すパラメータである。例えば、上限閾値Amaxを超えていたセンサ値が、上限閾値Amax以下となってから、下限閾値Min未満になる時間までを示している。この設定範囲Aの範囲内を遷移する時間が、範囲内滞在時間Cを超えた場合は、特定振動ではないと判定し、制御部100は本処理を終了することができる。
範囲内滞在時間Cは、判定時間を示すものであるが、サンプリング数で表してもよいし、時間で表してもよい。範囲内滞在時間Cがサンプリング数の場合、例えば、図3では「15」や「26」と示されている。また、範囲内滞在時間Cは、例えば、「1/5」秒や、「1/6」秒と時間で示してもよい。
検知判定値Dは、特定の振動の可能性があると検知されてからの経過時間を示すパラメータである。例えば、最初にセンサ値が設定範囲を超えた時点から、検知判定値Dを超えた場合、制御部100は、その検知している振動は特定の振動であるとして判定する。もし、検知判定値Dに到達するまでに、制御部100が本処理を終了した場合、特定の振動の可能性があった振動は、特定の振動ではなかったと判定される。検知判定値は、判定時間を示すものであるが、サンプリング数で表してもよいし、時間で表してもよい。
このように、制御部100は、パラメータテーブル156から読み出したパラメータをセットした後、以下の処理を実行する。
制御部100は、サンプリング数を「0」、検知フラグを「OFF」、総サンプリング数を「0」として初期化する(ステップS102)。制御部100は、取得しているセンサ値が、設定範囲Aを超えた場合に、ステップS106から処理を実行する(ステップS104;Yes)。ここで、制御部100は、設定範囲A内に存在していたセンサ値が上限閾値Amaxより大きくなったか、センサ値が下限閾値Aminより小さくなった場合に、設定範囲Aを超えたと判定する。
つづいて、制御部100は、第1の判定処理(ステップS106、ステップS108)を実行する。具体的には、制御部100は、サンプリング数が、範囲外滞在時間Bより大きくなったか否かを判定する(ステップS106)。サンプリング数は、ステップS106以降は、センサ値を取得する度にインクリメントしている。例えば、センサ値を「10」個取得した場合には、サンプリング数は「10」となる。
そして、制御部100は、サンプリング数が範囲外滞在時間Bを超えた場合には、特定の振動を検知する処理から終了するために、ステップS118に遷移する(ステップS106;Yes→ステップS118)。
また、制御部100は、センサ値が設定範囲Aを超えた状態の間は、ステップS106を繰り返す(ステップS106;No→ステップS108;No→ステップS106)。すなわち、制御部100は、センサ値が、設定範囲Aを超えている状態が継続している状態で、サンプリング数が範囲外滞在時間Bを超えた場合に、本処理を終了する処理を行う。いいかえると、制御部100は、センサ値が、上限閾値Amaxを超えた状態が継続している時間又は下限閾値Amin未満の状態が継続している時間が範囲外滞在時間Bを超えた段階で、本処理を終了する。
センサ値が設定範囲に含まれた場合(ステップS108)、制御部100は、サンプリング数を総サンプリング数に加算し、サンプリング数を0に初期化する(ステップS110)。続いて、制御部100は、第2の判定処理(ステップS112、ステップS114)を実行する。
制御部100は、サンプリング数が範囲内滞在時間Cを超えたかを判定する(ステップS112)。すなわち、センサ値が反転した場合(センサ値を示すグラフが山から谷、谷から山へと遷移する場合)、制御部100は、センサ値が上限閾値Amax(又は下限閾値Amin)から、下限閾値Amin(又は上限閾値Amax)に遷移する時間について、範囲内滞在時間Cの間で完了するかを判定する。
ここで、制御部100は、例えば、センサ値のサンプリング数が範囲内滞在時間Cを超えた場合、本処理を終了する処理を実行する(ステップS112;Yes)。また、センサ値が設定範囲Aを超えるまで、制御部100は、処理を繰り返し実行する(ステップS112;No→ステップS114;No→ステップS112)。
制御部100は、センサ値が設定範囲を再び超えた場合(ステップS114;Yes)、サンプリング数を総サンプリング数に加算し、サンプリング数を0に初期化する(ステップS116)。そして、制御部100は第1の判定処理(ステップS106、ステップS108)を実行する。すなわち、制御部100は、第1の処理と、第2の処理とを繰り返し行う。
制御部100は、ステップS106において、サンプリング数が範囲外滞在時間Bを超えた場合(ステップS106;Yes)又はサンプリング数が範囲内滞在時間Cを超えた場合(ステップS112;Yes)、ステップS118に遷移する。
制御部100は、総サンプリング数が検知判定値D以上となっている場合、特定振動区間を検知する(ステップS120)。例えば、制御部100は、検知フラグを「1」にして本処理を終了する(ステップS118;Yes→ステップS120→ステップS122)。これにより、制御部100は、現在の振動が、特定の振動であることを決定する。
このように、制御部100は、ステップS104でセンサ値が設定範囲を超えたときを開始時点とし、ステップS106又はステップS1112でYesと判定された処理の前の時点を終了時点の範囲の振動を特定の振動と検出する。
このように、本処理によれば、検出装置3のセンサから出力されたセンサ値に基づいて、特定の振動が生じている区間を判定することができる。この特定の振動が生じている区間を、対象者の特定の動作として判定することができる。
例えば、本実施形態では、特定振動として、好ましくは対象者の掻破行動があったことを判定する。なお、それ以外にも、例えば特定振動として、対象者にけいれんがあったことを判定してもよいし、振戦、震えがあったことを判定してもよい。
なお、制御部100は、特定振動検知処理において、上述した第1の処理と第2の処理とは2つ実行することが好ましが、一部の処理を実行してもよい。例えば、制御部100は、第1の処理のみを実行し、第2の処理は実行しない(すなわち、範囲内滞在時間Cとの比較は行わない)ことにしてもよい。
また、制御部100は、第2の処理のみを実行し、第1の処理は実行しない(すなわち、範囲外滞在時間Bとの比較は行わない)ことにしてもよい。また、制御部100はステップS104とステップS108において、処理開始の順序を変えてもよい。例えば、制御部100は、上限閾値Amaxより大きい値であったセンサ値が上限閾値Amaxより小さくなったか、下限閾値Aminより小さい値であったセンサ値が下限閾値Aminより大きくなった場合に処理を開始しても良い。もしくは、両方の処理開始パターンを同時に実装してもよい。例えば、ステップS104と、ステップS108との処理開始の順序が変わった場合、制御部100は、ステップS106(~S110)と、ステップS112(~S116)の処理の順序を入れ替えてもよい。
図5において、ステップS104、S108、S114で設定範囲Aに定める振幅を超えるかどうかを制御部100が判断し、これを本判定装置における特定振動において「高振幅」と定義してもよい。また、ステップS106、S112で範囲外滞在時間B、範囲内滞在時間Cで定める期間内でデータが遷移しているかどうかを制御部100が判断し、上記の条件を満たしている場合はこれを周期性のある振動とみなし本判定装置における特定振動において「高周波」と定義してもよい。
[3.2 動作例]
特定振動検出処理について、図6を参照して説明する。図6は、センサ値に基づく波形を一例として示した図である。横軸に時間軸(サンプリング数)を示し、縦軸にセンサ値を示している。
また、設定範囲Aとして、上限閾値Amaxと、下限閾値Aminが破線で示されている。まず、制御部100は、センサ値が時刻T10において、上限閾値Amaxを超える。制御部100は、時刻T10の時点を、特定の振動の開始の時点と検知する。すなわち、制御部100は、これ以降に検知される振動は特定の振動である可能性があるとする。
つづいて、制御部100は、第1の処理を行う。制御部100は、センサ値が上限閾値Amaxの範囲を超え続けていることを取得する。そして、制御部100は、センサ値が上限閾値Amax以下の時点となる時刻T12を取得する。制御部100は、時刻T10と、時刻T12との間である区間R10が、範囲外滞在時間Bの範囲内であるかを確認する。そして、区間R10が範囲外滞在時間Bの範囲内であれば処理を継続する。また、制御部100は、時刻T12に到達するまでの間に、範囲外滞在時間Bを超えた場合は、処理を中止する。
つづいて、制御部100は、第2の処理を行う。制御部100は、センサ値が上限側(山)から下限側(谷)に遷移する点を取得する。制御部100は、センサ値が、下限閾値Aminとなった時刻T14を取得する。ここで、時刻T12と、時刻T14との間の区間R12が、範囲内滞在時間C以内である場合は、制御部100は処理を継続する。また、時刻T14に到達するまでの間に、範囲内滞在時間Cを超えた場合は、制御部100は処理を中止する。
すなわち、制御部100は、第1の処理と、第2の処理とを繰り返し実行する。制御部100は、時刻T14と時刻T16との間の区間R14と、範囲外滞在時間Bとを比較する。また、制御部100は、時刻T16と時刻T18との間の区間R16と、範囲内滞在時間Cとを比較する。
そして、制御部100は、特定振動の検知をした時点である時刻T10から検知判定値Dの時間を超えた場合に、検知している振動は特定の振動であると判定する。この特定の振動は、処理を終了した1つ前の処理終了時点までとする。
例えば、時刻T20から時刻T22の時点の区間R20が、範囲外滞在時間Bを超えてしまったとする。この場合、制御部100は、本処理を終了し、いままで検知していた振動を特定の振動とする。このとき、特定の振動の区間は、開始を検知したT10から、直前に処理を終了した時刻T20までとする。
これは、時刻T24と時刻T20との間において、制御部100は、第2の処理を実行している。制御部100は、第2の処理により、範囲内滞在時間Cとの比較では、処理を終了する判定を行っていない。したがって、時刻T20は有効な時刻(範囲)である。
しかし、時刻T20と時刻T22との間において、制御部100は、第1の処理を実行している。制御部100は、第1の処理により、範囲外滞在時間Bを超えていることから、特定振動検出処理を終了する判定をしている。したがって、直前に処理を終了した時点(直前の第2処理を終了した時刻T20)までが、特定の振動である区間として検知する。
[4.掻破行動判定処理]
[4.1 処理の流れ]
特定振動検出処理をつかって、特定の動作・行動を判定する場合について説明する。図7は、対象者の特定の行動として掻破行動を判定する掻破行動判定処理の動作を説明する一例である。
制御部100は、検出装置3から取得したデータ(センサ値)に対して、特定振動検出処理を実行する。このとき、制御部100は、複数のパラメータを並行して処理を実行してもよい。
例えば、図7は、制御部100は、パラメータを設定1に設定して特定振動検出処理を実行する(ステップS202→ステップS204)。また、制御部100は、パラメータを設定2に設定して特定振動検出処理を実行する(ステップS206→ステップS208)。また、制御部100は、パラメータを設定3に設定して特定振動検出処理を実行する(ステップS210→ステップS212)。このように、制御部100は、複数のパラメータを設定し、特定振動検出処理を複数実行してもよい。なお、図7では、図3で示したパラメータテーブル156を利用した場合の3つの設定を例に説明しているが、それ以上であってもよい。また、制御部100は、1つのみを実行してもよい。
制御部100は、複数実行した特定振動検出処理により出力されたそれぞれの特定の振動と検知された区間(特定振動区間)をORで結合する(ステップS214)。制御部100は、パラメータ1、パラメータ2、パラメータ3の設定範囲等でそれぞれ出力された特定振動であると判定された区間を1つの区間に結合する。そして、制御部100は、特定振動の区間を、対象者の掻破行動があった区間(時間)と判定する(ステップS216)。
制御部100は、判定した掻破行動の時間帯や、掻破行動の時間を含むレポートを出力してもよい(ステップS218)。
なお、制御部100は、掻破行動の時間を算出するときに、他の情報と併せて判定してもよい。例えば、制御部100は、特定振動区間に該当している場合でも、対象者の離床判定が行われた前後は、離床に伴う体動であったと判断し、掻破行動がなかったと判定してもよい。また、制御部100は、掻破行動の時間を算出するときに、睡眠状態と併せて算出してもよい。例えば、制御部100は、掻破行動の時間を、睡眠中と、覚醒中とで分けて算出してもよい。また、制御部100は、掻破行動の有無を、睡眠日誌に併せて出力してもよい。
[4.2 動作例]
図8は、センサ値を波形に模式的に示した図である。本実施形態では、検出装置3は、対象者の体動を含む振動を取得している。例えば、検出装置3は、対象者の生体情報や、寝返り等の動作による荷重変化を含めたセンサ値が出力される。そのため、検出装置3から出力されるセンサ値は、様々な範囲で出力される。例えば、図8(a)は、センサ値として出力可能(処理可能)な範囲のほぼ中央でセンサ値が出力されている。しかし、図8(b)は、センサ値として出力可能(処理可能)な範囲の下限側で多くセンサ値が出力されている。また、図8(c)は、センサ値として出力可能(処理可能)な範囲の上限側で多くセンサ値が出力されている。また、図8(b)、図8(c)の図から明らかなように、センサ値は出力可能(処理可能)な範囲から振り切れてしまっている部分がかなり含まれている。このような場合、制御部100は、1つの設定範囲に基づくと、正しく特定の振動を検知することができない。そこで、本実施形態の制御部100は、設定1、設定2、設定3と異なるパラメータに基づいて、特定の振動を検知している。
これにより、例えば図8(a)では、設定1のパラメータを利用することで正しく特定の振動を検知できる。例えば、時刻T100の時点から特定の振動の可能性があることを判定し、検知判定値Dを示す区間R100の間、有効は波形(センサ値)が検知されている。そして、時刻T105から区間R105を経過後に有効ではない波形(センサ値)が検知される。したがって、時刻T100から時刻T105の間に特定の振動の区間があることを検知することができ、制御部100は、この区間において対象者に掻破行動があったことを判定する。
同じように、図8(b)では、設定2のパラメータを利用することで正しく特定の振動を検知できる。例えば、時刻T110の時点から特定の振動の可能性があることを判定し、検知判定値Dを示す区間R110の間、有効は波形(センサ値)が検知されている。そして、時刻T115から区間R115を経過後に有効ではない波形(センサ値)が検知される。したがって、時刻T110から時刻T115の間に特定の振動の区間があることを検知することができ、制御部100は、この区間において対象者に掻破行動があったことを判定する。
また、図8(c)では、設定3のパラメータを利用することで正しく特定の振動を検知できる。例えば、時刻T120の時点から特定の振動の可能性があることを判定し、検知判定値Dを示す区間R120の間、有効は波形(センサ値)が検知されている。そして、時刻T125から区間R125を経過後に有効ではない波形(センサ値)が検知される。したがって、時刻T120から時刻T125の間に特定の振動の区間があることを検知することができ、制御部100は、この区間において対象者に掻破行動があったことを判定する。
そして、制御部100は、このように判定された結果を、結合することで、対象者の所定の範囲(例えば、睡眠中、在床している間、一晩の間)における掻破行動を判定することができる。
図9は、実際のセンサ値の出力を示したグラフの一例である。図9は通常の呼吸、心拍波形、図10は掻破行動時の波形を示している。例えば、図9の場合、検出装置3に設けられたセンサ装置2つから出力されたセンサ値が上下に示されており、大きな周期の呼吸波形に、心拍波形と若干の体振動ノイズが含まれた波形として表示されている。図10の場合、図9の通常の呼吸、心拍波形と比べ更に掻破行動時の振動が含まれた波形が上下に示されている。
また、図10では、この、センサ値に対して、各パラメータで判定した特定の振動に基づく掻破行動を行った場所が示されている。例えば、パラメータ1に基づいて判定された掻破行動の領域がG104、パラメータ2に基づいて判定された掻破行動の領域がG100、パラメータ3に基づいて判定された掻破行動の領域がG102である。このように、各パラメータで判定された掻破行動の領域を結合することで、制御部100は、より正しく掻破行動を判定することができる。
さらに、例えば上側のセンサ装置で判定された掻破行動の領域と、下側のセンサ装置で判定された掻破行動の領域とを結合してもよい。
図11は、アトピー皮膚炎患者の一晩の掻破行動を本実施形態で処理を適用した推定結果と、赤外線ビデオカメラにより測定した結果を比較し、従来の手法である活動量による推定結果を示した図である。G200のグラフは、本実施形態の処理を適用し、掻破行動があると判定された場所を示している図である。また、G210のグラフは、従来行われている赤外線ビデオカメラを用いた人間による目視で、対象者の掻破行動があったと判定された場所を示している図である。また、G220は、体振動計を用いて判定した睡眠・覚醒判定と活動量に基づいて対象者の掻破行動があったと判定された場所を示したグラフである。
折れ線グラフが睡眠・覚醒判定の結果であり、第二軸(右側)の0が離床状態、1が覚醒(在床)状態、2が睡眠状態を示している。また、ヒストグラムが活動量を示しており、1分あたりの体動を数値として算出している。活動量は、掻破行動以外にも、対象者の寝返り等の体動も含まれてしまうため、正確に掻破のみを推定することが困難である。特に、掻破量が少ない対象者に対しては、掻破以外の体動のほうが相対的に多く観測されるため、その傾向が強く表れる。
図12は、ビデオ判定により判定した掻破時間と、算出により求められた掻破時間との対応を示す散布図である。図12(a)は、1時間毎の活動量から推定した掻破時間を縦軸とし、ビデオ判定による掻破時間を横軸とした散布図である。また、図12(b)は、ビデオ判定による掻破時間と活動量による推定掻破時間の平均値を横軸、ビデオ判定による掻破時間と活動量による推定掻破時間の差を縦軸としたBrand-Altman plotである。
また、図12(c)は、1時間毎の特定振動から推定した掻破時間を縦軸とし、ビデオ判定による掻破時間を横軸とした散布図である。図12(d)は、ビデオ判定による掻破時間と特定振動による推定掻破時間の平均値を横軸、ビデオ判定による掻破時間と特定振動による推定掻破時間の差を縦軸としたBrand-Altman plotである。グラフの白丸(○)はアトピー性皮膚炎患者、バツ印(×)は健常者の測定結果を示しており、健常者は掻破行動がないため、ビデオ判定による掻破時間は0である。
図12(a)、(c)を比較すると、特に健常者や1時間毎の掻破量が少ない箇所において、図12(a)の従来の活動量に基づいて掻破時間を推定した場合には活動量による推定手法が長く判定してしまうのに対し、図12(c)の特定振動に基づく推定手法では改善がみられ、正しい相関が得られていることが解る。また、図12(b)と、図12(d)とを比較しても、本実施形態の方が、ビデオ判定からの誤差の平均値、およびばらつきがすくないことが明らかであり、有効に掻破時間を特定できている。
[5.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
例えば、検出装置3で取得できる過去30秒程度の振動データから、高速フーリエ変換(FFT)等の周波数解析を行い、周波数にピークを検知し、かつ波形の振幅が設定範囲を超えているときに特定振動とみなしてもよい。この場合、ピークを検知した周波数をもつ振動が観測されていることから、周期性をもつ振動が検知されているとみなすことができる。
ここで、ピークを検出する周波数は、例えば上述した実施形態で記載したものであり、例えば、呼吸より高周波(1Hz以上)の周波数においてピークを検出する。また、波形の振幅の設定範囲は、例えばパラメータテーブル156に記憶されたものであり、上限閾値Amax(例えば、「2458」)と、下限閾値Amin(例えば、「1638」)の設定範囲をいう。
図13は、取得波形と、取得波形の周波数(横軸)ごとのパワー(縦軸)をグラフ化したパワースペクトルを表している。
ここで、図13(a)(b)は、通常の呼吸心拍波形、図13(c)(d)は、寝返り等の通常体動波形、図13(e)(f)は、掻破行動時の特定振動波形に基づく図である。そして、図13(a)(c)(e)は適用前の取得波形、図13(b)(d)(f)は周波数(横軸)ごとのパワー(縦軸)をグラフ化したパワースペクトルを表している。
通常の呼吸心拍波形では1Hz未満にパワースペクトルのピーク(呼吸による振動)が認められるが、特定振動波形においては1~3Hz帯にパワースペクトルのピークが認められており、体動波形では明瞭なピークが認められない。
特定振動の時間が短い場合、スペクトルのピークがほかの振動に埋もれる可能性があるので、この手法では呼吸波形をとらえるために少なくとも10秒以上のデータを用いるのが望ましい。
また、本実施形態においては、検出装置3で出力された結果に基づき、処理装置5において生体情報を出力しているが、検出装置3で全て算出してもよい。また、端末装置(例えばスマートフォン、タブレット、コンピュータ)にアプリケーションをインストールして実現するだけでなく、例えばサーバ側で処理をして、処理結果を端末装置に返しても良い。
例えば、検出装置3から、振動データをサーバにアップロードすることで、サーバ側で上述した処理を実現してもよい。この検出装置3は、例えば加速度センサ、振動センサを内蔵したスマートフォンのような装置で実現してもよい。
また、上述した実施形態では、対象者の特定の状態(動作)として掻破の動作があったことを判定しているが、他に高周波な振動から判定可能な状態や、動作であってもよい。例えば、対象者が痙攣をしている、対象者に振戦・震えが生じているといったことも判定することが可能である。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
1 システム
3 検出装置
3 処理装置
100 制御部
102 特定振動検知部
104 生体情報算出部
106 対象者状態判定部
120 信号取得部
150 記憶部
152 対象者データ記憶領域
154 センサ値記憶領域
156 パラメータテーブル
160 入力部
170 出力部
10 ベッド
20 マットレス

Claims (7)

  1. ベッド装置と、対象者との間に載置されたセンサから振動を示すセンサ値を取得する取得部と、制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記センサ値から、呼吸による振動よりも高周波、かつ、心拍による振動よりも高振幅、かつ、周期性のある特定振動を検知し、
    前記特定振動を検知した区間は、前記対象者が特定の行動を行った区間と判定する、
    ことを特徴とする判定装置。
  2. 前記制御部は、
    前記センサ値の上限閾値と下限閾値との設定範囲を設定し、
    前記センサ値が、前記設定範囲の上限閾値より大きい又は下限閾値より小さい時間がそれぞれ第1の判定値以内の間は、前記特定振動が検出されている区間であると判定し、
    前記センサ値が、前記設定範囲の上限閾値より大きい又は下限閾値より小さい時間がそれぞれ第1の判定値を超えたときに、前記特定振動が検出された区間が終了したと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
  3. 前記制御部は、
    前記センサ値が、前記設定範囲の上限閾値より大きい値から下限閾値より小さい値に遷移する時間、又は、設定範囲の下限閾値より小さい値から上限閾値より大きい値に遷移する時間が第2の判定値内の間は、前記特定振動が検出されている区間であると判定し、
    前記センサ値が、前記設定範囲の上限閾値より大きい値から下限閾値より小さい値に遷移する時間、又は、前記設定範囲の下限閾値より小さい値から上限閾値より大きい値に遷移する時間が第2の判定値を超えたときに、前記特定振動が検出された区間が終了したと判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の判定装置。
  4. 前記制御部は、
    前記特定振動の区間は、最初に前記設定範囲を超えてから、判定時間を経過した後に、前記特定振動であると検知可能となることを特徴とする請求項2又は3に記載の判定装置。
  5. 前記制御部は、前記特定の行動として、前記対象者が掻破行動を行ったと判定することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の判定装置。
  6. 前記呼吸による振動よりも高周波とは、呼吸により生じる振動(体動)が0.1~0.6Hzの場合、特定振動は1Hz以上をいい、
    前記心拍による振動よりも高振幅とは、呼吸により生じる最大振幅の1/5以上の振幅又は測定レンジの1/5以上の振幅である
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の判定装置。
  7. ベッド装置と、対象者との間に載置されたセンサから振動を示すセンサ値を取得可能なコンピュータにおいて、
    前記センサ値から、呼吸による振動よりも高周波、かつ、心拍による振動よりも高振幅、かつ、周期性のある特定振動を検知する機能と、
    前記特定振動を検知した区間は、前記対象者が特定の行動を行った区間と判定する機能と、
    を実現するプログラム。
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