JP2023111430A - カメラ - Google Patents

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JP2023111430A
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光弘 岡本
Mitsuhiro Okamoto
和也 田村
Kazuya Tamura
憲一 古河
Kenichi Furukawa
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Abstract

【課題】光軸の変化を抑制することができるカメラを提供する。【解決手段】カメラ100は、シリンダー300と、シリンダー300内に配置されているレンズアッセンブリー400と、レンズアッセンブリー400を光軸方向LLに移動させる移動機構500と、を有している。移動機構500は、レンズアッセンブリー400に接続されているロッド510と、傾斜面591を備えるロッドヘッド520と、ロッド510を前方に送り出す送り装置550と、ロッド510を後方に付勢する圧縮コイルばね540と、ロッド510を光軸方向LLに直交する方向へ付勢する付勢片563と、を有している。送り装置550は、傾斜面591に当接し、ロッドヘッド520を前方へ押圧するスピンドル551と、スピンドル551を中心軸J551まわりに回転させながら中心軸J551に沿って変位させるシンブル553と、を有している。【選択図】図17

Description

本発明は、カメラに関する。
例えば、特許文献1には図1および図2に示すようなカメラ91が開示されている。カメラ91は、撮影後に自動的に現像が行われる写真フィルムを用いるインスタントカメラであって、フレーム911と、フレーム911に取り付けられているレンズ鏡筒913と、を有している。
また、レンズ鏡筒913は、光軸方向LLに伸長可能な構造であり、第1の筒部913aと、第2の筒部913bと、第3の筒部913cと、を有している。第1の筒部913aは、フレーム911に挿入されており、フレーム911に対して光軸方向LLに移動可能である。また、第2の筒部913bは、第1の筒部913aに挿入されており、第1の筒部913aに対して光軸方向LLに移動可能である。また、第3の筒部913cは、第2の筒部913bに挿入されており、第2の筒部913bに対して光軸方向LLに移動可能である。そして、第1の筒部913a、第2の筒部913bおよび第3の筒部913cがそれぞれ光軸方向LLに移動することにより、レンズ鏡筒913が伸長する。
第1の筒部913aの後端部には、半径方向外側に突出する2つの係合突起915が形成されている。一方、フレーム911には、光軸方向LLに沿って延びる2つのガイド溝911aが形成され、それぞれのガイド溝911aに係合突起915が摺動可能に係合している。そして、図2に示すように、図示しない操作ボタンと連動するレバー917が係合突起915を光軸方向LLの前方に押し出すことにより、レンズ鏡筒913が光軸方向LLの前方に移動し、フレーム911から突出する。
また、例えば、特許文献2には図3および図4に示すようなカメラ92が開示されている。カメラ92は、デジタルカメラであって、撮像素子としてのCCD920を支持している本体921と、CCD920と正対して配置されている撮影レンズ部923と、を有している。また、本体921には、解除ボタン921aが配置されており、撮影時には、解除ボタン921aを押下することにより突出機構925が作動し、撮影レンズ部923が本体921から突出する。
突出機構925は、撮影レンズ部923を光軸方向LLに移動可能に支持しているガイドユニット927と、非撮影時に撮影レンズ部923が突出しないようにロックするロック手段929と、を有している。ガイドユニット927は、撮影レンズ部923が取り付けられているガイド枠927aと、ガイド枠927aを光軸方向LLに移動可能に支持している複数の支柱927bと、それぞれの支柱927bに巻回され、ガイド枠927aを本体921に対して光軸方向LLの前方側へ付勢する複数のスプリング927cと、を有している。
一方、ロック手段929は、本体921に対して回動可能な係合板929aと、解除ボタン921aの押下に連動して係合板929aをシーソーのように回動させる上下動アーム929bと、を有している。図3に示すように、解除ボタン921aが押下されない非撮影時には、係合板929aの先端部がガイド枠927aに引っ掛かることで、スプリング927cの付勢力に抗してガイド枠927aの光軸方向LLの前方側への移動が規制される。一方、解除ボタン921aが押下されると、図4に示すように、係合板929aの引っ掛かりが解除され、スプリング927cの付勢力によってガイド枠927aが光軸方向LLの前方側へ移動する。このような作動により撮影レンズ部923が光軸方向LLの前方に移動し、本体921から突出する。
また、例えば、特許文献3には図5および図6に示すようなレンズ鏡筒93が開示されている。レンズ鏡筒93は、光軸方向LLに伸長可能な構造であり、固定板931にネジ止めされている固定筒932と、固定筒932に対して光軸方向LLに移動可能な2つの可動筒933、934と、を有している。可動筒933は、固定筒932に挿入されており、固定筒932に対して光軸方向LLに移動可能である。また、可動筒934は、可動筒933に挿入されており、可動筒933に対して光軸方向LLに移動可能である。そして、これら2つの可動筒933、934がそれぞれ光軸方向LLに移動することによりレンズ鏡筒93が伸長する。
また、固定筒932には、レンズ群を保持する鏡枠935が配置されており、この鏡枠935は、固定筒932内において、固定筒932に対して光軸方向LLに移動可能である。また、可動筒933内には、レンズ群を保持する鏡枠936が配置されており、この鏡枠936は、可動筒933内において、可動筒933に対して光軸方向LLに移動可能である。
図6に示すように、可動筒933は、固定筒932の内部に固定されているリニアアクチュエータ937aの駆動により光軸方向LLに移動する。また、可動筒934は、可動筒933の内部に固定されている図示しないリニアアクチュエータの駆動により光軸方向LLに移動する。また、鏡枠935は、固定筒932の内部に固定されているリニアアクチュエータ937bの駆動により光軸方向LLに移動する。また、鏡枠936は、可動筒933の内部に固定されているリニアアクチュエータ937cの駆動により光軸方向LLに移動する。
また、例えば、特許文献4には図7に示すようなレンズ鏡筒94が開示されている。レンズ鏡筒94は、ベース941と、固定筒942と、カム筒943と、第1レンズ群944と、第2レンズ群945と、を有している。ベース941は、撮像素子としてのCCD941aを支持している。固定筒942は、ベース941に取り付けられている。カム筒943は、固定筒942に挿入されており、固定筒942に対して光軸方向LLに移動可能である。第1レンズ群944および第2レンズ群945は、それぞれ、カム筒943に収容され、カム筒943内において、カム筒943に対して光軸方向LLに移動可能である。また、レンズ鏡筒94では、固定筒942とカム筒943との間に、カム筒943を固定筒942に対して光軸方向LLの後方側に向けて付勢する2つの弾性片946を配置し、弾性片946の付勢力によって固定筒942内でのカム筒943の光軸方向LLへのガタツキを防止している。
特開2021-081567号公報 特開平10-248029号公報 特開2011-128485号公報 特開2009-162822号公報
前述したカメラ91では、例えば、第1の筒部913aに対して第2の筒部913bを光軸方向LLにスムーズに移動させるために、第2の筒部913bの外径を第1の筒部913aの内径よりも若干小さくし、両者の間にクリアランスを確保する必要がある。しかしながら、クリアランスを確保することにより第1の筒部913a内で第2の筒部913bがガタついてしまい、光軸の向きが安定せず、撮像特性が低下するおそれがある。
同様に、前述したカメラ92では、本体921に対して撮影レンズ部923をスムーズに突出させるために、撮影レンズ部923の外径を本体921の開口の内径よりも若干小さくし、両者の間にクリアランスを確保する必要がある。しかしながら、クリアランスを確保することにより、撮影レンズ部923が本体921に対してガタついてしまい、光軸の向きが安定せず、撮像特性が低下するおそれがある。
同様に、前述したレンズ鏡筒93では、例えば、固定筒932に対して可動筒933を光軸方向LLにスムーズに移動させるために、可動筒933の外径を固定筒932の内径よりも若干小さくし、両者の間にクリアランスを確保する必要がある。しかしながら、クリアランスを確保することにより固定筒932内で可動筒933がガタついてしまい、光軸の向きが安定せず、撮像特性が低下するおそれがある。
同様に、前述したレンズ鏡筒94では、例えば、固定筒942に対してカム筒943を光軸方向LLにスムーズに移動させるために、カム筒943の外径を固定筒942の内径よりも若干小さくし、両者の間にクリアランスを確保する必要がある。そのため、上述したカメラ91、92およびレンズ鏡筒93と同様に、固定筒942内でカム筒943がガタつくおそれがある。これに対して、レンズ鏡筒94では、弾性片946の付勢力を利用して固定筒942内でのカム筒943のガタツキを防止している。しかしながら、レンズ鏡筒94では、カム筒943を光軸方向LLの後方側に付勢しているため、カム筒943の光軸方向LLへのガタツキを防止することはできても、カム筒943の傾きつまり光軸の変化までは防止することができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、光軸の変化を抑制することができるカメラを提供することを目的とする。
このような目的は、以下の本発明(1)、(2)により達成される。
(1) シリンダーと、
前記シリンダー内に配置されているレンズアッセンブリーと、
前記レンズアッセンブリーから入る光を受光する撮像素子と、
前記レンズアッセンブリーに対して光軸方向の結像側から前記光軸方向の力を加えることにより、前記シリンダー内で前記レンズアッセンブリーを前記光軸方向に移動させる移動機構と、を有し、
前記移動機構は、
前記レンズアッセンブリーの前記光軸方向の結像側に位置し、先端部が前記レンズアッセンブリーの基端部に接続されているロッドと、
前記ロッドの基端部に配置され、基端面が光軸に対して傾斜する傾斜面を備えるロッドヘッドと、
前記ロッドを前記光軸方向の受光側に送り出す送り装置と、
前記ロッドを前記光軸方向の結像側に付勢する第1付勢部材と、
前記ロッドを前記光軸方向に直交する方向へ付勢する第2付勢部材と、を有し、
前記送り装置は、
前記傾斜面に当接し、前記ロッドヘッドを前記光軸方向の結像側から押圧する押圧子と、
前記押圧子を中心軸まわりに回転させながら前記中心軸に沿って変位させる操作部と、を有していることを特徴とするカメラ。
(2) シリンダーと、
前記シリンダー内に配置されているレンズアッセンブリーと、
前記レンズアッセンブリーから入る光を受光する撮像素子と、
前記レンズアッセンブリーに対して光軸方向の結像側から前記光軸方向の力を加えることにより、前記シリンダー内で前記レンズアッセンブリーを前記光軸方向に移動させる移動機構と、
前記シリンダーと前記レンズアッセンブリーとの間に配置されているスペーサーと、を有し、
前記移動機構は、前記レンズアッセンブリーの前記光軸方向の結像側に位置し、先端部が前記レンズアッセンブリーの基端部に接続されているロッドと、
前記ロッドの基端部に配置され、基端面に凹部を備えるロッドヘッドと、
前記ロッドを前記光軸方向の受光側に送り出す送り装置と、
前記ロッドを前記光軸方向の結像側に付勢する第1付勢部材と、
前記光軸方向に直交する方向から前記ロッドを挟持する複数の第2付勢部材と、を有し、
前記送り装置は、前記凹部に係合し、前記ロッドヘッドを前記光軸方向の結像側から押圧する押圧子と、
前記押圧子を中心軸まわりに回転させながら前記中心軸に沿って変位させる操作部と、を有し、
前記スペーサーは、前記レンズアッセンブリーの外周面に配置されているベースと、前記ベースから光軸に直交する方向へ突出し、前記シリンダーの内周面に当接している突起部と、を有していることを特徴とするカメラ。
上記(1)のカメラでは、ロッドヘッドの傾斜面に押圧子を当接させ、さらには、ロッドヘッドを付勢部材によって押圧子側へ付勢しているため、ロッドヘッドを光軸に直交する方向に向けて付勢することができる。また、第2付勢部材によっても、ロッドヘッドを光軸に直交する方向に向けて付勢することができる。そして、これら付勢によってシリンダー内でレンズアッセンブリーの光軸倒れを予め発生させ、かつ、その姿勢を安定させることができる。そのため、押圧子でロッドヘッドを押圧する際の摺動摩擦によって生じる力に起因するレンズアッセンブリーの光軸倒れの変動を効果的に抑制することができる。したがって、特に、フォーカス調整時(ピント調整時)における撮像特性が安定し、優れた撮像特性を発揮することができる。
また、上記(2)のカメラでは、ロッドヘッドが備える凹部に押圧子を係合させている。また、第2、第4付勢部材でロッドを挟持すると共に、第3、第5付勢部材でロッドを挟持している。さらには、シリンダーとレンズアッセンブリーとの間にスペーサーを配置している。そのため、押圧子でロッドヘッドを押圧する際の摺動摩擦によって生じる力によるロッドヘッドの光軸方向以外への変位が規制され、レンズアッセンブリーの光軸倒れを効果的に抑制することができる。したがって、特に、フォーカス調整時(ピント調整時)における撮像特性が安定し、高い精度のフォーカス調整が可能となる。
従来技術のカメラの一例を示す断面図である。 図1に示すカメラの動作を説明するための断面図である。 従来技術のカメラの一例を示す断面図である。 図3に示すカメラの動作を説明するための断面図である。 従来技術のカメラの一例を示す断面図である。 図5に示すカメラの動作を説明するための断面図である。 従来技術のカメラの一例を示す断面図である。 本発明の好適な実施形態に係るカメラの斜視図である。 図8に示すカメラの断面図である。 移動機構を示す断面図である。 移動機構を示す分解斜視図である。 移動機構の作動を示す断面図である。 シリンダー内を示す断面図である。 シリンダー内でのレンズアッセンブリーの光軸倒れを示す断面図である。 Y軸まわりの光軸倒れの変動が抑制された状態を示す断面図である。 Z軸まわりの光軸倒れの変動が生じるカメラの一例を示す断面図である。 Z軸まわりの光軸倒れの変動が抑制された状態を示す断面図である。 ロッドヘッドを示す断面図である。 ロッドヘッドを示す平面図である。 ロッドガイドを示す斜視図である。 ロッドが挿入されたロッドガイドを示す斜視図である。 カメラの変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。 ロッドヘッドを示す斜視図である。 ロッドヘッドの変形例を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係るロッドヘッドを示す斜視図である。 ロッドが挿入されたロッドガイドを示す斜視図である。 カメラの断面図である。 本発明の第6実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。 ロッドヘッドを示す斜視図である。 ロッドヘッドの変形例を示す断面図である。 ロッドヘッドの変形例を示す斜視図である。 ロッドガイドを示す斜視図である。 ロッドが挿入されたロッドガイドを示す平面図である。 Z軸まわりの光軸倒れが抑制された状態を示す断面図である。 Y軸まわりの光軸倒れが抑制された状態を示す断面図である。 ロッドガイドの変形例を示す平面図である。 シリンダー内を示す断面図である。 スペーサーを示す斜視図である。 スペーサーを示す断面図である。 スペーサーを示す部分拡大断面図である。 本発明の第7実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。 本発明の第8実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。 本発明の第9実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。 本発明の第10実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。 本発明の第11実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。 本発明の第12実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。 本発明の第13実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。
以下、本発明のカメラを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のカメラの第1実施形態について説明する。
図8は、本発明の好適な実施形態に係るカメラの斜視図である。図9は、図8に示すカメラの断面図である。図10は、移動機構を示す断面図である。図11は、移動機構を示す分解斜視図である。図12は、移動機構の作動を示す断面図である。図13は、シリンダー内を示す断面図である。図14は、シリンダー内でのレンズアッセンブリーの光軸倒れを示す断面図である。図15は、Y軸まわりの光軸倒れの変動が抑制された状態を示す断面図である。図16は、Z軸まわりの光軸倒れの変動が生じるカメラの一例を示す断面図である。図17は、Z軸まわりの光軸倒れの変動が抑制された状態を示す断面図である。図18は、ロッドヘッドを示す断面図である。図19は、ロッドヘッドを示す平面図である。図20は、ロッドガイドを示す斜視図である。図21は、ロッドが挿入されたロッドガイドを示す斜視図である。図22は、カメラの変形例を示す断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に沿う方向を「X軸方向」、Y軸に沿う方向を「Y軸方向」、Z軸に沿う方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、反対側を「マイナス側」とも言う。また、X軸がカメラ100の光軸Oと一致している。また、X軸方向プラス側が受光側であり、以下では「先端側」、「前方」とも言う。また、X軸方向マイナス側が結像側であり、以下では、「基端側」、「後方」とも言う。
図8に示すカメラ100は、FA(ファクトリーオートメーション)用のカメラである。典型的には、カメラ100は、部品の組み立て、加工、検査等を実行するFA用のロボットのアーム等に取り付けられ、部品の形状や位置、部品とロボットのアームとの間の相対関係等を取得するために部品を撮影する。ただし、カメラ100の用途は、これに限定されない。
図9に示すように、カメラ100は、ケーシング200と、ケーシング200の前方に装着されているシリンダー300と、シリンダー300内に配置されているレンズアッセンブリー400と、レンズアッセンブリー400をシリンダー300内において光軸Oに沿って移動させる移動機構500と、シリンダー300の前方開口300aに装着されているレンズカバーLCと、を有している。
また、カメラ100は、レンズアッセンブリー400から入った光を受光する撮像素子600と、撮像素子600を支持している第1回路基板610と、不図示の配線を介して第1回路基板610と電気的に接続されている第2回路基板620と、を有している。これら撮像素子600、第1回路基板610および第2回路基板620は、それぞれ、ケーシング200に収容されている。なお、以下では、説明の便宜上、光軸Oに沿う方向を「光軸方向LL」とも言う。
このようなカメラ100では、移動機構500によってレンズアッセンブリー400を光軸方向LLに移動させることによりレンズアッセンブリー400と撮像素子600との離間距離Dを変更、調整することができる。撮影距離(被写体との距離)に応じて離間距離Dを調整することによりフォーカス調整(ピント合わせ)が可能となる。
以下、カメラ100を構成する各部について、順次詳細に説明する。
<シリンダー300>
図9に示すように、シリンダー300は、円筒形状である。また、シリンダー300の内径は、その軸方向に沿って一定である。また、シリンダー300は、その内周面から中心軸に向けて突出するリング状のフランジ390を有している。フランジ390は、シリンダー300の前方開口300a付近に設けられている。フランジ390は、シリンダー300の強度を高めるリブとしての機能、レンズカバーLCの度当たりとしての機能、レンズアッセンブリー400のそれ以上の前方側への移動を規制するストッパーとしての機能等、種々の機能を発揮する。また、シリンダー300の前方開口300aとフランジ390との間の内周面にはネジ溝380が形成されている。ネジ溝380は、レンズカバーLCをシリンダー300に取り付けるのに用いられる。
また、シリンダー300は、小外径部310と、小外径部310よりも外径が大きい中外径部320と、中外径部320よりも外径が大きい大外径部330と、を有している。これらは、前方から小外径部310、中外径部320、大外径部330の順に光軸方向LLに並び、一体的に形成されている。また、シリンダー300は、小外径部310と中外径部320との境界に形成されている段差面340と、中外径部320と大外径部330との境界に形成されている段差面350と、を有する。段差面340、350は、それぞれ、光軸Oに直交する平坦面で構成されており、前方を向いている。
また、小外径部310の外周にはネジ溝311が形成されている。ネジ溝311は、不図示のアタッチメントへのカメラ100の固定に用いられる。また、中外径部320の外周面の上部と下部には、円筒状の外周面の一部を切り欠いた平坦面であるDカット面321がそれぞれ形成されている。一対のDカット面321は、光軸Oを介して互いに対向している。同様に、大外径部330の外周面の上部と下部には、円筒状の外周面の一部を切り欠いた平坦面であるDカット面331がそれぞれ形成されている。一対のDカット面331は、光軸Oを介して互いに対向している。
このような構成のシリンダー300は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。そのため、十分な剛性を有するシリンダー300が得られ、内部に収容されたレンズアッセンブリー400を安定して保持することができる。また、シリンダー300は、例えば、NC(Numerical Control)旋盤加工により形成されている。NC旋盤加工を用いることにより、優れた寸法精度でシリンダー300を形成することができる。そのため、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400のガタツキを抑え、かつ、レンズアッセンブリー400をシリンダー300内でスムーズに動かすことができる。
以上、シリンダー300について説明したが、シリンダー300の構成、材質、製造方法等は、特に限定されない。
<ケーシング200>
図9に示すように、ケーシング200は、シリンダー300の後方に位置し、シリンダー300と光軸方向LLに並んで配置されている。また、ケーシング200は、後方上部を切り欠いた形状となっている。そのため、ケーシング200は、シリンダー300を保持する高背部201と、高背部201の後方に位置し、高背部201よりも背が低い低背部202と、を有している。そして、高背部201の後面201bから後述する送り装置550が突出しており、低背部202の後面202bには外部装置との接続を行う端子群690が設けられている。
このように、低背部202の後面202bすなわちケーシング200の最後方に位置する部分に端子群690を設けることにより、端子群690の周囲にスペースを確保し易くなり、端子群690へのアプローチが容易となる。また、端子群690にケーブルを接続した状態ではケーブルがカメラ100の後方へ延びるため、ケーブルを含めたカメラ100全体の光軸Oに直交する方向への広がり、換言すると、光軸方向LLからの平面視でのカメラ100の輪郭の広がりを抑えることができる。そのため、カメラ100の小型化を図ることができる。
また、ケーシング200は、その下側部分を構成するベースシャーシ210と、上側部分を構成するアッパーケース220と、を有している。そして、ベースシャーシ210とアッパーケース220とでシリンダー300の基端部を挟み込むことにより、シリンダー300を保持している。
ベースシャーシ210およびアッパーケース220は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これにより、十分な剛性を有するケーシング200が得られ、シリンダー300を安定して保持することができる。特に、本実施形態では、ベースシャーシ210およびアッパーケース220は、それぞれ、ダイカストすなわち鋳造品である。ダイカストを用いることにより、安価なベースシャーシ210およびアッパーケース220が得られる。また、二次加工により部分的に高い寸法精度を出すことができる。
以上、ケーシング200について説明したが、ケーシング200の構成、材質、製造方法等は、特に限定されない。
<レンズアッセンブリー400>
図9に示すように、レンズアッセンブリー400は、シリンダー300に収容されており、シリンダー300と同軸的に配置されている。また、レンズアッセンブリー400は、シリンダー300に対して光軸方向LLに移動(摺動)可能な円筒状のスリーブ410と、スリーブ410の内側に設けられているレンズユニット420とを有している。また、レンズユニット420は、スリーブ410に固定されている円筒状の鏡筒430と、鏡筒430内に配置されているレンズ群440および絞り450と、を有している。
なお、本実施形態のレンズユニット420は、単焦点(固定焦点)のレンズユニットである。単焦点のレンズユニット420を用いることにより、ズーム機能を有するレンズユニット420を用いる場合と比べてレンズの数を減らすことができる。そのため、その分、レンズユニット420を小型化および低コスト化することができる。また、ズーム機能を有するレンズユニット420を用いる場合と比べて明るい画像を取得し易くなる。ただし、レンズユニット420の構成は、特に限定されない。
スリーブ410は、円筒形状である。また、スリーブ410は、外周面から外側へ突出している一対のリング状のフランジ411、412を有している。フランジ411は、スリーブ410の先端部に位置し、フランジ412は、スリーブ410の基端部に位置している。
また、スリーブ410は、前方開口410aに臨むレンズユニット挿入部413を有している。そして、レンズユニット挿入部413にレンズユニット420が挿入、装着されている。また、レンズユニット挿入部413は、その後方の部分よりも内径が大きい。そのため、レンズユニット挿入部413の基端には段差面414が形成されている。段差面414は、レンズユニット420の度当たりとして機能する。そのため、レンズユニット420を段差面414に当接するまでねじ込むことにより、スリーブ410に対するレンズユニット420の位置決めが容易となる。
なお、本実施形態のレンズユニット挿入部413は、Sマウント規格で構成されている。そのため、Sマウント規格に対応したものであれば、用途に合わせてレンズユニット420を交換することもできる。また、Sマウント規格で構成することにより、レンズユニット420を小型化することができ、カメラ100の小型化を図ることができる。ただし、レンズユニット挿入部413の規格としては、特に限定されず、例えば、Cマウント規格であってもよい。
このような構成のスリーブ410は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これにより、十分な剛性を有するスリーブ410が得られ、レンズユニット420を安定して保持することができる。特に、本実施形態のスリーブ410は、シリンダー300と同一の材料で構成されている。これにより、シリンダー300とスリーブ410の線膨張係数が等しくなり、環境温度によってシリンダー300とスリーブ410との間にガタが生じたり、反対に、スリーブ410の動きが鈍くなったりするのを効果的に抑制することができる。また、スリーブ410は、例えば、NC旋盤加工により形成されている。NC旋盤加工を用いることにより、優れた寸法精度でスリーブ410を形成することができる。
このように、本実施形態では、シリンダー300およびスリーブ410が共にNC旋盤加工により形成されている。そのため、これらのクリアランスを高精度に管理することができ、スリーブ410をシリンダー300に精度よく組み付けることができる。したがって、レンズアッセンブリー400をシリンダー300内でスムーズに動かすことができると共に、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400の光軸Oに対する偏心や傾斜を抑制することができる。
なお、シリンダー300の内周面とスリーブ410の外周面との間には、これらの摺動抵抗を低減するための図示しない潤滑剤が設けられていてもよい。これにより、レンズアッセンブリー400をシリンダー300内でスムーズに動かすことができる。なお、潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、モリブテン系、グラファイト系、フッ素系等の各種固体潤滑剤を用いることができる。
鏡筒430は、円筒形状を有しており、内部にレンズ群440および絞り450が設けられている。このような構成の鏡筒430は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これにより、十分な剛性を有する鏡筒430が得られ、レンズ群440および絞り450を安定して保持することができる。また、鏡筒430は、例えば、NC旋盤加工により形成されている。NC旋盤加工を用いることにより、優れた寸法精度で鏡筒430を形成することができる。そのため、鏡筒430をスリーブ410に精度よく組み付けることができる。ただし、鏡筒430の材質や形成方法は、特に限定されない。
以上、レンズアッセンブリー400について説明したが、レンズアッセンブリー400の構成、材質、製造方法等は、特に限定されない。
<撮像素子600>
図9に示すように、撮像素子600は、レンズアッセンブリー400の後方に位置しており、レンズアッセンブリー400と光軸方向LLに並んで配置されている。また、撮像素子600の受光面は、光軸Oに直交している。撮像素子600は、レンズアッセンブリー400から入った光を受光し、受光に応じた光電変換信号を出力する。撮像素子600としては、特に限定されず、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等を用いることができる。また、撮像素子600の素子サイズ、解像度等の各種スペックは、カメラ100に求められるスペックに合わせて適宜設定することができる。
以上、撮像素子600について説明したが、撮像素子600の構成は、特に限定されない。
<第1回路基板610>
図9に示すように、第1回路基板610は、撮像素子600が搭載されているセンサー基板であり、光軸Oに直交する姿勢で配置されている。また、第1回路基板610は、ネジB1によってシリンダー300の基端面にネジ止めされている。上述したように、シリンダー300は、NC旋盤加工により形成されているため、基端面の形成精度が高く、光軸Oに対する垂直度を高精度に管理することができる。そのため、第1回路基板610をシリンダー300の基端面に固定することにより、撮像素子600を光軸Oに対して精度よく位置決めすることができる。また、第1回路基板610には、孔611が形成されており、この孔611には後述するロッド510が挿通されている。
また、第1回路基板610は、筒状の支持部材630を介してIRカットフィルター640(赤外線カットフィルター)を支持している。IRカットフィルター640は、レンズアッセンブリー400と撮像素子600との間に位置し、撮像素子600の手前で赤外線をカットする。
以上、第1回路基板610について説明したが、第1回路基板610の構成、固定方法、固定される対象等は、特に限定されない。
<第2回路基板620>
図9に示すように、第2回路基板620は、ケーシング200内において、第1回路基板610の後方に設けられ、光軸Oと平行な向きで配置されている。また、第2回路基板620は、ネジB2によってベースシャーシ210にネジ止めされている。
第2回路基板620には、カメラ100の駆動を制御する回路素子であるICチップ650が搭載されている。ICチップ650は、第1回路基板610および端子群690と電気的に接続されている。ICチップ650は、端子群690を介して受信した制御信号に基づいてカメラ100の駆動を制御する。また、ICチップ650は、撮像素子600から出力された光電変換信号に基づいて画像データを生成し、生成した画像データを端子群690から出力する。
ICチップ650は、例えば、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、を有している。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで実行することができる。
以上、第2回路基板620について説明したが、第2回路基板620の構成、固定方法、固定される対象等は、特に限定されない。
<移動機構500>
移動機構500は、レンズアッセンブリー400を光軸方向LLに移動させ、レンズユニット420と撮像素子600との離間距離Dを変更、調整するための機構である。図10および図11に示すように、移動機構500は、レンズアッセンブリー400に接続されているロッド510と、ロッド510の基端部に接続されているロッドヘッド520と、ロッド510を光軸方向LLに誘導するロッドガイド530と、ロッド510を後方に向けて付勢する第1付勢部材としての圧縮コイルばね540と、圧縮コイルばね540の力に抗してロッド510を前方に向けて送り出す送り装置550と、を有している。
ロッド510は、ケーシング200内において、レンズアッセンブリー400の後方に設けられている。また、ロッド510は、棒状であり、光軸方向LLに延在している。また、ロッド510は、光軸方向LLからの平面視で、スリーブ410の基端面と重なっている。ロッド510をこのように配置することで、カメラ100の光軸Oに直交する方向への広がり、換言すると、光軸方向LLからの平面視でのカメラ100の輪郭の広がりを抑えることができ、カメラ100の小型化を図ることができる。また、ロッド510は、光軸Oから上方にずれている。このように、ロッド510を光軸Oからずらすことで、ロッド510と撮像素子600との干渉を防ぐことができる。
また、ロッド510は、その先端部においてスリーブ410の基端部に接続されている。具体的には、ロッド510は、その先端部に形成されている雄ネジをスリーブ410の基端面に形成されたネジ穴415に螺合することにより、スリーブ410に固定されている。そのため、ロッド510が前方に移動すると、ロッド510に押されてレンズアッセンブリー400が前方に移動する。反対に、ロッド510が後方に移動すると、ロッド510に引っ張られてレンズアッセンブリー400が後方に移動する。このように、ロッド510をスリーブ410に接続することにより、レンズユニット420がロッド510によって直接押圧されないため、レンズユニット420に加わる負荷を低減することができる。
このような構成のロッド510は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成されている。これにより、十分な剛性を有するロッド510が得られ、送り装置550からの押圧力を効率的にレンズアッセンブリー400に伝達することができる。そのため、レンズアッセンブリー400をスムーズに移動させることができる。
ロッドヘッド520は、ロッド510の基端部に接続されている。具体的には、ロッドヘッド520は、その先端部に形成されているネジ孔をロッド510の基端部に形成されている雄ネジに螺合することにより、ロッド510に固定されている。また、ロッドヘッド520は、ロッド510よりも大径な頭部521を有する。頭部521の先端面は、圧縮コイルばね540が当接する当接面であり、基端面は、送り装置550が当接する当接面590である。この当接面590の構成については、後に詳細に説明する。
このような構成のロッドヘッド520は、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の各種樹脂材料で構成されている。PEEKで構成することにより、優れた機械的強度、耐摩擦特性を発揮することができるため、圧縮コイルばね540および送り装置550との接点に用いるのに適した材質となる。ただし、これに限定されず、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料で構成してもよい。これにより、PEEKに比べてロッドヘッド520を安価に製造することができる。
ロッドガイド530は、ケーシング200内において、第1回路基板610の後方に設けられている。ロッドガイド530は、第1回路基板610と共に、ネジB1によってシリンダー300の基端面にネジ止めされている。ロッドガイド530は、光軸方向LLに延在する筒状部560と、筒状部560の先端部から外側へ突出しているフランジ570と、を有している。また、ロッドガイド530は、筒状部560の貫通孔561が第1回路基板610の孔611と連通するように配置され、フランジ570においてシリンダー300にネジ止めされている。
そして、筒状部560および孔611にロッド510が挿通されている。そのため、ロッド510は、光軸方向LLへの移動が許容されるが、それ以外の方向への移動、特に光軸Oまわりの回転が規制される。これにより、ロッド510の操作性が向上し、レンズアッセンブリー400を光軸方向LLにスムーズに移動させることができる。なお、筒状部560の内面とロッド510との間には、これらの摺動抵抗を低減するための潤滑剤が設けられていてもよい。これにより、ロッド510の移動がよりスムーズとなる。潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、モリブテン系、グラファイト系、フッ素系等の各種固体潤滑剤を用いることができる。
また、筒状部560は、圧縮コイルばね540の形状に合わせて円錐台形状となっている。これにより、圧縮コイルばね540を安定して伸縮させることができ、安定した付勢力を得ることができる。また、フランジ570は、外縁部から後方に立設している壁部571を有している。壁部571は、圧縮コイルばね540の先端部を囲み、ロッドガイド530に対する圧縮コイルばね540のずれを規制している。
圧縮コイルばね540は、ロッド510および筒状部560に巻回されている。また、圧縮コイルばね540は、フランジ570とロッドヘッド520との間に収縮(圧縮)された状態で配置されている。そのため、圧縮コイルばね540の復元力によって、ロッド510が後方に付勢されている。また、圧縮コイルばね540は、ロッドガイド530によって位置決めされており、その中心軸がロッド510の中心軸と一致している。そのため、圧縮コイルばね540からロッド510に光軸Oに対して傾斜する方向の付勢力が加わり難くなる。したがって、ロッド510を光軸方向LLにスムーズに移動させることができる。
また、圧縮コイルばね540は、前方から後方に向けて径が漸減する円錐形状を有する。そのため、ロッド510の中心軸に向けて力を集中させ易くなる。したがって、当該構成によっても、圧縮コイルばね540からロッド510に光軸Oに対して傾斜する方向の付勢力が加わり難くなる。よって、ロッド510を光軸方向LLにスムーズに移動させることができる。
なお、圧縮コイルばね540としては、特に限定されず、例えば、円筒コイルばね、樽型コイルばね、鼓型コイルばね等を用いてもよい。また、圧縮コイルばね540に替えて、板バネ等を付勢部材として用いてもよい。また、引張コイルばねを用いてロッド510を後方へ付勢してもよい。
前述したように、ロッドガイド530の筒状部560は、圧縮コイルばね540の形状に合わせた円錐台形である。そのため、圧縮コイルばね540が収縮する際のこれらの接触を効果的に抑制することができ、安定した伸縮による安定した付勢力が得られる。これにより、ロッド510を光軸方向LLにスムーズに移動させることができる。特に本実施形態では、筒状部560のテーパー角は、レンズアッセンブリー400が最も前方に位置する状態(図12参照)における圧縮コイルばね540のテーパー角とほぼ等しい。これにより、上述の効果がより顕著となる。
送り装置550は、圧縮コイルばね540の力に抗してロッド510を前方に向けて押圧する。本実施形態では、送り装置550として、マイクロメーターヘッド550Aを用いている。マイクロメーターヘッド550Aは、公知の構成であり、例えば、押圧子としてのスピンドル551と、スリーブ552と、操作部としてのシンブル553と、ラチェットストップ554と、を有している。送り装置550としてマイクロメーターヘッド550Aを用いることにより、離間距離Dをより微細にかつ精度よく調整することができる。なお、本実施形態では、ラチェットストップ554を使用しないため、省略してもよい。
マイクロメーターヘッド550Aは、スリーブ552においてケーシング200のアッパーケース220に固定されている。本実施形態では、アッパーケース220に形成された挿通孔221にマイクロメーターヘッド550Aが挿通され、さらにイモネジB3によってケーシング200に対して固定、位置決めされている。
マイクロメーターヘッド550Aがケーシング200に固定された状態では、スピンドル551がケーシング200内に位置し、その先端面がロッドヘッド520の当接面590に当接している。スピンドル551の先端部は、球面形状となっている。そのため、例えば、先端部が平坦面で構成されている場合と比べて、スピンドル551およびロッドヘッド520の摩耗や、マイクロメーターヘッド550Aの傾きによる誤差を抑えることができる。一方、シンブル553およびラチェットストップ554は、ケーシング200外に突出し、露出している。そして、ケーシング200外に突出した部分は、低背部202の上方の切り欠かれた部分に位置している。
図12に示すように、シンブル553を順回転させるとスピンドル551がその中心軸J551まわりに順方向に回転しながら中心軸J551に沿って前進し、スピンドル551に押されたロッド510が圧縮コイルばね540の付勢力に抗して前方へ移動し、ロッド510に押されたレンズアッセンブリー400が前方へ移動する。これにより、レンズユニット420と撮像素子600との離間距離Dが大きくなる。反対に、シンブル553を逆回転させるとスピンドル551が中心軸J551まわりに逆回転しながら中心軸J551に沿って後退し、圧縮コイルばね540の付勢力によってロッド510が後方へ移動し、ロッド510に引っ張られたレンズアッセンブリー400が後方へ移動する。これにより、レンズユニット420と撮像素子600との離間距離Dが小さくなる。このように、カメラ100では、マイクロメーターヘッド550Aの操作によってフォーカス調整が可能となる。そのため、カメラ100によれば、レンズユニット420を交換することなく、カメラ100の撮影距離および分解能(物理的解像度)を変更することができる。
マイクロメーターヘッド550Aによれば、シンブル553を回転させるだけで離間距離Dを変更することができるため、使用者の操作による過度な応力がカメラ100に加わり難い。そのため、カメラ100を構成する各部品の破損が抑制される。また、マイクロメーターヘッド550Aにはスピンドル551の繰り出し量を表示する不図示の目盛が設けられているため、当該目盛から離間距離Dを読み取ることも可能である。
なお、フォーカス調整の方法としては、特に限定されない。例えば、カメラ100で撮像した画像をモニター等に表示し、操作者が当該画像を目視しながらマイクロメーターヘッド550Aを操作することによりフォーカス調整を行ってもよい。また、物理的解像度が最も高くなるようにフォーカス調整を自動で行うソフトウェアを用いてもよい。
スピンドル551の中心軸J551は、後方が上側に位置するように、光軸Oに対して傾斜している。このように、中心軸J551を光軸Oに対して傾斜させることにより、マイクロメーターヘッド550Aとケーシング200との干渉を防ぎ、マイクロメーターヘッド550Aを配置し易くなる。また、シンブル553の周囲に操作スペースを確保し易くなり、シンブル553を操作し易くなる。また、中心軸J551が光軸Oと平行な場合と比べて、シンブル553の回転量に対するレンズアッセンブリー400の変位量を小さくすることができ、離間距離Dをより微細に調整することができる。
なお、中心軸J551を光軸Oに対して傾斜させることにより、マイクロメーターヘッド550Aに表示されるシンブル553の送り量とレンズアッセンブリー400の実際の変位量との間に誤差が生じるが、前述したように、フォーカス調整の際にマイクロメーターヘッド550Aの表示を使用しないため特段の問題とならない。光軸Oに対する中心軸J551の傾斜角θとしては、特に限定されないが、例えば、5°~10°程度とすることが好ましく、7°~9°程度とすることがより好ましい。これにより、上述した効果を十分に発揮しつつ、マイクロメーターヘッド550Aのケーシング200から突出している部分がケーシング200の上方へ過度に突出するのを抑制することができる。そのため、カメラ100の小型化を図ることができる。
以上、移動機構500について説明した。ただし、移動機構500としては、ロッド510を前方に送り出すことができれば、特に限定されない。
以上、カメラ100の各部について簡単に説明した。ここで、前述したように、カメラ100では、シリンダー300内にレンズアッセンブリー400が収容されており、シリンダー300内においてレンズアッセンブリー400が光軸方向LLに移動可能となっている。そのため、図13に示すように、レンズアッセンブリー400の外径をシリンダー300の内径よりも若干小さくして両者の間にクリアランスCを確保することにより、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400のスムーズな移動を実現している。
しかしながら、クリアランスCを確保することによって、シリンダー300内でレンズアッセンブリー400がガタついてしまい、図14に示すように光軸OがX軸に対して傾斜し、さらには、その傾斜方向や角度が変化する(揺らぐ)おそれが生じる。なお、以下では、説明の便宜上、レンズアッセンブリー400の光軸OのX軸に対する傾斜を「光軸倒れ」とも言う。
シリンダー300とレンズアッセンブリー400とは、精転合の寸法関係で形成されているため、光軸倒れの最大角度については十分に小さく抑えられており、被写界深度に対して十分なマージンを持っている。そのため、静止時においては、光軸倒れが生じていても撮像特性に実質的な影響はない。しかしながら、例えば、フォーカス調整時に光軸倒れの傾斜方向や角度が変動すると、それに応じた撮像ズレが生じ、フォーカス調整精度が低下するおそれがある。
そこで、カメラ100では、複数の手段によって、フォーカス調整時の光軸倒れの変動を抑制し、より精度の高いフォーカス調整を可能としている。カメラ100は、Y軸まわりの光軸倒れの変動を抑制するための手段と、Z軸まわりの光軸倒れの変動を抑制するための手段と、を有している。以下、この点について詳細に説明する。
まず、図15に基づいて、Y軸まわりの光軸倒れの変動を抑制するための手段について説明する。前述したように、ロッド510は、光軸Oに対してZ軸方向プラス側にずれて配置され、光軸Oに対してZ軸方向プラス側にずれた位置でレンズアッセンブリー400に接続されている。そのため、圧縮コイルばね540の付勢力によって、レンズアッセンブリー400にはY軸まわりの力F1が加わる。その結果、同図に示すようなレンズアッセンブリー400のY軸まわりの光軸倒れが生じ、レンズアッセンブリー400の先端部と基端部の対角線上に位置する部分がそれぞれシリンダー300の内壁に当接する。そして、フォーカス調整時においてもこの姿勢が安定的に維持される。そのため、フォーカス調整時のY軸まわりの光軸倒れの変動が効果的に抑制され、高精度なフォーカス調整が可能となる。
次に、Z軸まわりの光軸倒れの変動を抑制するための手段について説明するが、これに先立って、図16に、ロッドヘッド520の当接面590が光軸Oに直交する平坦面で構成され、かつ、ロッドガイド530に付勢片563が形成されていないカメラ100Aについて説明する。カメラ100Aでは、スピンドル551が中心軸J551まわりに回転しながらロッドヘッド520を押圧することによりレンズアッセンブリー400を移動させる。この際、ロッドヘッド520に対してスピンドル551が摺動回転し、摺動摩擦に応じた力Fがロッドヘッド520に加わる。そして、この力Fによってレンズアッセンブリー400のZ軸まわりの光軸倒れが生じる。さらには、力Fの大きさや向きは、スピンドル551の回転速度やロッドヘッド520とスピンドル551との接触位置によって変化するため、フォーカス調整時に光軸倒れが安定せず、傾斜方向や角度が揺らいでしまう。したがって、高精度なフォーカス調整が困難となる。
そこで、カメラ100では、図17に示すように、スピンドル551の摺動摩擦により生じる力Fよりも十分に大きい力F2で、ロッドヘッド520をY軸方向マイナス側に付勢している。そのため、力Fの有無に関わらず、同図に示すようなレンズアッセンブリー400のZ軸まわりの光軸倒れが生じ、レンズアッセンブリー400の先端部と基端部の対角線上に位置する部分がそれぞれシリンダー300の内壁に当接し、この姿勢で光軸倒れが安定する。このように、力Fよりも十分大きな力F2でロッドヘッド520を所定方向に付勢して予め光軸倒れを安定させておくことで、レンズアッセンブリー400の光軸倒れの変動が効果的に抑制され、高精度なフォーカス調整が可能となる。
図17および図18に示すように、カメラ100では、ロッドヘッド520をY軸方向マイナス側に付勢する手段として、ロッドヘッド520の当接面590にロッド510の中心軸と同心的な円錐状の傾斜面591を形成している。そして、この傾斜面591にスピンドル551の先端部が当接している。この状態で、ロッドヘッド520が圧縮コイルばね540によって後方に付勢されることにより、ロッドヘッド520にY軸方向マイナス側の力F2が加わる。
このように、当接面590に円錐状の傾斜面591を形成することにより、簡単な構成でロッドヘッド520をY軸方向マイナス側に付勢することができ、安定した光軸倒れを予め創り出すことができる。また、円錐状の傾斜面591とすることにより、カメラ100の組み立て時にロッドヘッド520の向きを調整する必要がなくなり、組み立てが容易となる。特に、本実施形態では、スリーブ410に対してロッド510を螺合させ、ロッド510に対してロッドヘッド520を螺合させているため、ロッドヘッド520の向きを制御することが困難である。そのため、その効果がより顕著となる。
また、図19に示すように、傾斜面591の中心J590とスピンドル551の当接位置PtとがY軸方向に並ぶことが好ましい。これにより、最大の力でロッドヘッド520をY軸方向マイナス側に付勢することができる。そのため、Z軸まわりの光軸倒れがより安定する。しかしながら、図9および図12を比べると分かるように、マイクロメーターヘッド550Aが光軸Oに対して傾斜しているため、スピンドル551の突出量すなわちロッドヘッド520の光軸方向LLの位置によってスピンドル551の当接位置PtがZ軸方向に移動する。つまり、フォーカス調整中、中心J590と当接位置Ptとを常にY軸方向に並べておくことができない。
そこで、ロッドヘッド520が光軸方向LLの所定の位置にあるときに中心J590と当接位置PtとがY軸方向に並ぶように位置決めされている。前記「所定の位置」としては、特に限定されないが、例えば、ロッドヘッド520が最も後方に移動した位置と、最も前方に移動した位置との中間点に設定することが好ましい。これにより、ロッドヘッド520の移動に起因する力F2の増減が小さく抑えられ、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れがより安定する。
また、カメラ100では、Z軸まわりの光軸倒れの変動を抑制するための別の手段として、図20に示すように、ロッドガイド530の筒状部560に第2付勢部材としての付勢片563が形成されている。また、付勢片563は、ロッドガイド530の筒状部560に、その一部を構成するように形成されている。また、付勢片563は、ロッド510に対してY軸方向プラス側に位置し、基端側の端部が自由端となっている。そして、自由端の内面563aがロッド510の外周面に当接している。
また、付勢片563の内面563aと、筒状部560の内周面の内面563aと対向する部分との離間距離DDy1は、自然状態(ロッドガイド530にロッド510が挿入されていない状態)においてロッド510の直径よりも小さい。したがって、図21に示すように、筒状部560にロッド510を挿入した状態では、付勢片563がY軸方向プラス側に弾性変形する。その結果、付勢片563に自然状態へ復帰しようとする復元力が生じ、この復元力によってロッド510がY軸方向マイナス側へ付勢される。これにより、ロッド510にY軸方向マイナス側の力F3が加わり、ロッド510が筒状部560の内周面に押し付けられる。したがって、ロッド510のY軸方向の変位が規制され、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化が抑制される。その結果、安定したZ軸まわりの光軸倒れを予め創り出すことができ、フォーカス時の光軸倒れの変動を効果的に抑制することができる。
このように、弾性変形により生じる復元力によりロッド510を付勢する構成とすることで、付勢片563の構成が簡単となると共に、安定した力F3でロッド510を付勢することができる。また、付勢片563をロッドガイド530と一体形成することにより、簡単な構成でロッド510をY軸方向マイナス側に付勢することができる。また、付勢片563を別部材で形成する場合と比べて、部品点数を削減することができ、カメラ100の小型化を図ることもできる。
特に、本実施形態では、力F2と力F3とが同じ方向である。そのため、これらの協働によって、より確実に、安定したZ軸まわりの光軸倒れを予め創り出すことができ、フォーカス時の光軸倒れの変動を効果的に抑制することができる。
ただし、付勢片563の構成は、特に限定されない。例えば、付勢片563は、筒状部560ではなくてフランジ570に形成されていてもよい。また、付勢片563は、ロッドガイド530と別体で形成されていてもよい。また、本実施形態では、付勢片563が弾性変形により生じる復元力によりロッド510を付勢しているが、ロッド510の付勢方法は、特に限定されない。
また、本実施形態では、光軸方向LLからの平面視で、ロッド510と光軸Oの並び方向であるZ軸方向と、力F2、F3によるロッド510の付勢方向であるY軸方向とが直交している。そのため、ロッド510の光軸Oに直交する方向への変位をより効果的に規制することができ、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化をより効果的に抑制することができる。したがって、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400の姿勢が特に安定し、光軸倒れの変動をより効果的に抑制することができる。ただし、これら2つの方向は、直交している必要はなく、90°以下の角度で交差してもよい。
なお、力F2、F3によるロッド510の付勢方向は、Y軸方向マイナス側に限定されず、例えば、図22に示すように、Y軸方向プラス側であってもよい。図22の構成によっても、本実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のカメラの第2実施形態について説明する。
図23は、本発明の第2実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。
本実施形態のカメラ100は、ロッドヘッド520の構成が異なっていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図23に示すように、傾斜面591は、Y-Z平面をZ軸まわりに回転させた平坦面であり、Y軸方向プラス側を向いている。そして、この傾斜面591にスピンドル551の先端部が当接している。この状態で、ロッドヘッド520が圧縮コイルばね540によって後方に付勢されることにより、ロッドヘッド520にY軸方向マイナス側の力F2が加わる。
このように、当接面590に傾斜面591を形成することにより、簡単な構成でロッドヘッド520をY軸方向マイナス側に付勢することができ、安定した光軸倒れを予め創り出すことができる。特に、傾斜面591を平坦面とすることにより、フォーカス調整時の力F2の変動が抑えられ、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れがより安定する。具体的には、前述したように、スピンドル551の突出量によってスピンドル551の当接位置がZ軸方向に移動するが、傾斜面591を平坦面とすることによりスピンドル551の当接位置がZ軸方向に移動しても力F2を一定に保つことができる。そのため、前述した第1実施形態と比べてフォーカス調整時の力F2の変動が抑えられ、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れがより安定する。
このような第2実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のカメラの第3実施形態について説明する。
図24は、本発明の第3実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。
本実施形態のカメラ100は、ロッド510とロッドヘッド520との間にスペーサーSが配置されていること以外は、前述した第2実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
第1実施形態で既に説明したように、ロッドヘッド520は、ロッド510に螺合されており、さらに、ロッド510は、スリーブ410に螺合されている。したがって、ロッドヘッド520の向き(X軸まわりの姿勢)は、これら2組のネジを締め切ったときの姿勢となる。しかしながら、2組のネジを締め切ったときに傾斜面591がY軸方向プラス側を向くようにロッドヘッド520、ロッド510およびスリーブ410に雄ネジおよび雌ネジを形成することは困難であり、可能だとしても過度なコスト増を招くおそれがある。また、締め付け量を調整してロッドヘッド520の向きを合わせようとすると、締め付けトルクの過不足が生じ、カメラ100の信頼性低下を招くおそれがある。
そこで、本実施形態では、図24に示すように、ロッド510とロッドヘッド520との間にスペーサーSを配置し、ロッドヘッド520を締め切ったときに傾斜面591がY軸方向プラス側を向くようにスペーサーSの厚さや数を調整している。具体的には、厚さが異なる複数のスペーサーSを準備し、これらの中からネジを締め切ったときに傾斜面591がY軸方向プラス側を向くスペーサーSを選択している。或いは、厚さが同じ複数のスペーサーSを準備し、ネジを締め切ったときに傾斜面591がY軸方向プラス側を向くようにスペーサーSの使用数を選択している。このような構成によれば、簡単かつ安価に、そして、確実に傾斜面591をY軸方向プラス側に向けることができる。なお、スペーサーSとしては、例えば、ロッド510に挿入可能な座金(ワッシャ)等を好適に用いることができる。また、座金を用いる場合には、平座金であってもよいし、バネ座金であってもよい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、ロッド510とロッドヘッド520との間にスペーサーSを配置しているが、これに限定されず、例えば、スリーブ410とロッド510との間にスペーサーSを配置してもよいし、ロッド510とロッドヘッド520との間、スリーブ410とロッド510との間の両方にスペーサーSを配置してもよい。このような構成によっても同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
次に、本発明のカメラの第4実施形態について説明する。
図25は、本発明の第4実施形態に係るカメラの断面図である。図26は、ロッドヘッドを示す斜視図である。図27は、ロッドヘッドの変形例を示す斜視図である。
本実施形態のカメラ100は、ロッドヘッド520の構成が異なること以外は、前述した第2実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における各図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
前述した第3実施形態では、ロッド510とロッドヘッド520との間にスペーサーSを配置することにより傾斜面591の向きを制御しているが、本実施形態では、別の方法により傾斜面591の向きを制御している。
図25に示すように、ロッドヘッド520は、ロッド510に接続されている基部523と、傾斜面591を備えている装着部524と、を有している。基部523は、ロッド510の基端部に螺合により固定されている。そして、この基部523の基端側に装着部524が装着されている。装着部524は、複数の姿勢で基部523に装着することができ、傾斜面591がY軸方向プラス側を向くように装着姿勢が選択されている。このような構成によれば、傾斜面591の向きを簡単に制御することができる。
図26に示すように、基部523の基端面には凹部523aが形成され、装着部524の先端面には凸部524aが形成されている。凹部523aと凸部524aとは、互いに対応した形状となっており、凸部524aを凹部523aに係合させることにより、装着部524を基部523に装着することができる。また、凹部523aおよび凸部524aは、それぞれ、回転対称であり、本実施形態では6回対称である。具体的には、凹部523aは、中心軸まわりに60°間隔で配置された複数の凹部で構成され、凸部524aは、中心軸まわりに60°間隔で配置された複数の凸部で構成されている。そのため、基部523に対する装着部524の装着姿勢を中心軸まわりに60°毎回転させた6つの姿勢の中から選択することができる。そのため、より確実に、傾斜面591をY軸方向プラス側あるいはこれに近い方向に向けることができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態では、基部523に凹部523aが形成され、装着部524に凸部524aが形成されているが、これとは反対に、基部523に凸部524aが形成され、装着部524に凹部523aが形成されていてもよい。
また、本実施形態では、凹部523aおよび凸部524aが共に6回対称の回転対称であるが、これに限定されず、例えば、2回から5回対称であってもよいし、7回対称以上であってもよい。対称回数が多い程、傾斜面591の向きをより高精度に制御することができるが、形成が困難となる可能性もある。そのため、求められる精度や、形成の容易性を鑑みて、適宜、形成数を決定すればよい。また、凹部523aおよび凸部524aの形状としては、特に限定されず、例えば、図27に示すような星形であってもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明のカメラの第5実施形態について説明する。
図28は、本発明の第5実施形態に係るロッドヘッドを示す斜視図である。図29は、ロッドが挿入されたロッドガイドを示す斜視図である。図30は、カメラの断面図である。
本実施形態のカメラ100は、さらに、第3付勢部材としての付勢片564を有していること以外は、前述した第1実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における各図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図28に示すように、本実施形態の移動機構500は、さらに、ロッド510をZ軸方向マイナス側に付勢する第3付勢部材としての付勢片564を有している。付勢片564は、筒状部560の一部を構成するように形成されている。また、付勢片564は、ロッド510に対してZ軸方向プラス側に位置し、基端側の端部が自由端となっている。そして、自由端の内面564aがロッド510の外周面に当接している。
付勢片564の内面564aと、筒状部560の内周面の内面564aと対向する部分との離間距離DDz1は、自然状態においてロッド510の直径よりも小さい。したがって、図29に示すように、筒状部560にロッド510を挿入した状態では、付勢片564がZ軸方向プラス側に弾性変形する。その結果、付勢片564に自然状態へ復帰しようとする復元力が生じ、この復元力によってロッド510がZ軸方向マイナス側へ付勢される。そのため、ロッド510にZ軸方向マイナス側の力F4が加わり、ロッド510が筒状部560の内周面に押し付けられる。これにより、ロッド510のZ軸方向の変位が規制され、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化が抑制される。したがって、安定したY軸まわりの光軸倒れを予め創り出すことができ、フォーカス時の光軸倒れの変動を効果的に抑制することができる。
特に、カメラ100では、図30に示すように、力F1、F4によってレンズアッセンブリー400を同じ方向に傾けてその姿勢を維持している。そのため、これら力F1、F4の協働によって、フォーカス調整時のY軸まわりの光軸倒れの変動をより効果的に抑制することができる。その結果、より高精度なフォーカス調整が可能となる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明のカメラの第6実施形態について説明する。
図31は、本発明の第6実施形態に係るロッドヘッドを示す断面図である。図32は、ロッドヘッドを示す斜視図である。図33は、ロッドヘッドの変形例を示す断面図である。図34は、ロッドヘッドの変形例を示す斜視図である。図35は、ロッドガイドを示す斜視図である。図36は、ロッドが挿入されたロッドガイドを示す平面図である。図37は、Z軸まわりの光軸倒れが抑制された状態を示す断面図である。図38は、Y軸まわりの光軸倒れが抑制された状態を示す断面図である。図39は、ロッドガイドの変形例を示す平面図である。図40は、シリンダー内を示す断面図である。図41は、スペーサーを示す斜視図である。図42は、スペーサーを示す断面図である。図43は、スペーサーを示す部分拡大断面図である。
本実施形態のカメラ100は、移動機構500の構成が異なることと、さらにスペーサー700を有していること以外は、前述した第1実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における各図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
前述した第1~第5実施形態では、予め安定した光軸倒れを創り出すことにより、フォーカス時の光軸倒れの変動を抑制している。これに対して、本実施形態以降の実施形態では、光軸倒れそのものを抑制することにより、フォーカス時の光軸倒れの変動を抑制している。本実施形態では、3つの手段を用いて光軸倒れを抑制している。
まず、第1の手段について説明する。図31および図32に示すように、ロッドヘッド520の当接面590は、X軸に直交する平坦面で構成され、その中央部に凹部592が形成されている。そして、凹部592にスピンドル551の先端部が係合している。このような構成によれば、スピンドル551に対するロッドヘッド520のずれが抑制される。そのため、力Fに起因したロッドヘッド520のY軸方向への変位が規制され、光軸倒れが効果的に抑制される。
凹部592は、凹球面状であり、ロッド510の中心軸と同軸的に形成されている。一方、スピンドル551の先端部は、凹部592とは反対に凸球面状であり、凹部592の内面に当接することにより凹部592と係合している。このように、凹部592を凹球面状とし、スピンドル551の先端部を凸球面状とすることにより、スピンドル551に対して凹部592がずれ難くなり、これらの係合状態がより安定する。したがって、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。また、凹部592を凹球面状とすることにより、凹部592が回転対称となる。そのため、カメラ100の組み立て時にロッドヘッド520の向きを調整する必要がなく、組み立てが容易となる。特に、本実施形態では、スリーブ410に対してロッド510を螺合させ、ロッド510に対してロッドヘッド520を螺合させているため、ロッドヘッド520の向きを制御することが困難である。したがって、その効果がより顕著となる。
また、凹部592の曲率は、スピンドル551の先端部の曲率よりも小さい。そのため、スピンドル551の先端部を凹部592のより奥側まで挿入することができ、これらの係合状態がより安定する。したがって、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
また、凹部592の直径R591は、スピンドル551の先端部の直径R551よりも小さい。そのため、凹部592とスピンドル551との間の隙間が小さくなり、スピンドル551に対して凹部592がずれ難くなる。したがって、凹部592とスピンドル551との係合状態がより安定し、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
また、カメラ100では、凹部592の中心にスピンドル551が当接することが好ましい。これにより、ロッドヘッド520に光軸方向LL以外の方向の力が加わり難くなり、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。しかしながら、前述したように、スピンドル551の突出量によってスピンドル551の当接位置がZ軸方向に移動するため、スピンドル551を常に凹部592の中心に当接させておくことができない。
そこで、ロッドヘッド520が光軸方向LLの所定の位置にあるときに凹部592の中心にスピンドル551が当接するように位置決めされている。前記「所定の位置」としては、特に限定されないが、例えば、ロッドヘッド520が最も後方に移動した位置と、最も前方に移動した位置との中間点に設定することが好ましい。これにより、凹部592の中心からの当接位置のずれをロッドヘッド520の移動領域全域で小さく抑えることができる。そのため、上述した効果をより確実に発揮することができ、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
なお、凹部592の構成としては、特に限定されず、例えば、図33に示すように、凹部592の曲率がスピンドル551の先端部の曲率よりも大きくてもよい。このような構成によれば、凹部592内へのスピンドル551の挿入深さが減るものの、凹部592の開口端がスピンドル551の先端部と環状に当接するため、実質的に、凹部592がスピンドル551に対してずれない。したがって、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
また、図34に示すように、凹部592は、スピンドル551とほぼ同等の幅(Y軸方向の長さ)を有する矩形状であってもよい。このような構成によれば、凹部592に、スピンドル551の先端部をY軸方向両側から挟み込む一対の側壁592a、592bが形成されるため、実質的に、凹部592がスピンドル551に対してずれない。したがって、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
次に、第2の手段について説明する。図35に示すように、ロッドガイド530には、第2付勢部材としての付勢片563、564、565、566が形成されている。付勢片563、564、565、566は、筒状部560の一部を構成するように形成されている。特に、本実施形態では、付勢片563、564、565、566が筒状部560の周方向に90°間隔で配置されている。そして、これら付勢片563、564、565、566によって筒状部560が構成されている。
付勢片565は、ロッド510をY軸方向プラス側に付勢する。このような付勢片565は、ロッド510に対してY軸方向マイナス側に位置し、ロッド510を介して付勢片563と対向している。また、付勢片565は、基端側の端部が自由端となっている。そして、自由端の内面565aがロッド510の外周面に当接している。
付勢片566は、Z軸方向プラス側に付勢する。このような付勢片566は、ロッド510に対してZ軸方向マイナス側に位置し、ロッド510を介して付勢片564と対向している。また、付勢片566は、基端側の端部が自由端となっている。そして、自由端の内面566aがロッド510の外周面に当接している。
また、付勢片563、565の内面563a、565a同士の離間距離DDy2は、自然状態においてロッド510の直径よりも小さい。同様に、付勢片564、566の内面564a、566a同士の離間距離DDz2は、自然状態においてロッド510の直径よりも小さい。
そのため、筒状部560にロッド510を挿入した状態では、付勢片563がY軸方向プラス側に弾性変形すると共に、付勢片565がY軸方向マイナス側に弾性変形する。その結果、図36に示すように、付勢片563、565に自然状態へ復帰しようとする復元力が生じ、この復元力によってロッド510が付勢片563、565に挟持される。これにより、ロッド510のY軸方向の変位が規制され、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化が抑制される。特に、本実施形態では、付勢片563、565の付勢力は、力Fに対して十分に大きく、かつ互いにほぼ等しい。そのため、図37に示すように、レンズアッセンブリー400は、力Fの大きさに関わらず光軸OがX軸に一致した姿勢で安定する。したがって、フォーカス調整時のZ軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
同様に、筒状部560にロッド510を挿入した状態では、付勢片564がZ軸方向プラス側に弾性変形すると共に、付勢片566がZ軸方向マイナス側に弾性変形する。その結果、図36に示すように、付勢片564、566に自然状態へ復帰しようとする復元力が生じ、この復元力によってロッド510が付勢片564、566に挟持される。これにより、ロッド510のZ軸方向の変位が規制され、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化が抑制される。特に、本実施形態では、付勢片564、566の付勢力は、力F1に対して十分に大きく、かつ互いにほぼ等しい。そのため、図38に示すように、レンズアッセンブリー400は、力F1の大きさに関わらず光軸OがX軸に一致した姿勢で安定する。したがって、フォーカス調整時のY軸まわりの光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
なお、ロッドガイド530の構成は、特に限定されない。例えば、図39に示すように、カメラ100が3つの付勢片563、564、565を有していてもよい。図示の構成では、3つの付勢片563、564、565が筒状部560の周方向に120°間隔で配置されている。そして、これら3つの付勢片563、564、565で筒状部560が構成されている。このような構成によっても、ロッド510の光軸Oに直交する方向への変位が規制され、その先に繋がるレンズアッセンブリー400の姿勢変化が抑制される。
次に、第3の手段について説明する。図40に示すように、カメラ100は、シリンダー300とレンズアッセンブリー400との間に配置されているスペーサー700を有している。具体的には、スペーサー700は、スリーブ410のフランジ411、412の間の部分(以下、中央部419と言う。)に配置されている。
また、図41および図42に示すように、スペーサー700は、円環状(リング状)をなし、スリーブ410の外周面に配置されているベース710と、ベース710から光軸Oに直交する方向に突出し、シリンダー300の内周面に当接している突起部720と、を有している。このようなスペーサー700は、各種樹脂材料で構成されている。これにより、適度な硬さのスペーサー700となる。特に、本実施形態のスペーサー700は、POM(ポリアセタール)で構成されている。これにより、適度な硬さに加えて、優れた摺動性を有するスペーサー700となり、スペーサー700とシリンダー300との間の摺動抵抗を効果的に低減することができる。そのため、シリンダー300内でレンズアッセンブリー400をスムーズに移動させることができる。ただし、スペーサー700の構成材料は、特に限定されない。
ベース710の内径は、スリーブ410の中央部419の外径と等しく、中央部419の外周面にガタツキなく配置されている。また、ベース710の長さ(光軸方向LLの長さ)は、中央部419の長さとほぼ等しい。また、ベース710の外径は、シリンダー300の内径よりも小さく、ベース710とシリンダー300とが非接触となっている。つまり、ベース710とシリンダー300との間に隙間が形成されている。これにより、スペーサー700とシリンダー300との接触面積を小さく抑えることができ、これらの間の摺動抵抗を低減することができる。そのため、シリンダー300内でレンズアッセンブリー400をスムーズに移動させることができる。ただし、これに限定されず、ベース710の少なくとも一部がシリンダー300の内周面に接触していてもよい。
突起部720は、光軸Oまわりに複数配置されている。また、各突起部720は、光軸方向LLに延在し、ベース710と同じ長さとなっている。このように、突起部720を光軸方向LLに延在させることにより、スペーサー700とシリンダー300との接触部分が光軸方向に延びるため、レンズアッセンブリー400の光軸倒れをより効果的に抑制することができる。
また、ベース710の各突起部720と対向する部分にはベース710の内周面から凹没する凹没部730が形成されている。そのため、各突起部720とスリーブ410との間には空隙Gが形成されている。また、光軸方向LLからの平面視で、各凹没部730の幅W1は、対応する突起部720の幅W2よりも大きい。そして、各凹没部730は、対応する突起部720の両側にはみ出して形成されている。そのため、ベース710には、各突起部720の両側に位置し、他の部分よりも薄肉な薄肉部711が形成されている。
また、図43に示すように、外力が実質的に加わっていない自然状態において、各突起部720に外接する円CRの直径は、シリンダー300の内径よりも若干大きい。したがって、シリンダー300内に収められた状態では、自然状態から縮径するようにして突起部720および/または薄肉部711が弾性変形している。そして、弾性変形状態から自然状態に復帰しようとする復元力F7によって各突起部720の頂面がシリンダー300の内周面に押し当てられている。これにより、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400の姿勢が安定し、レンズアッセンブリー400の光軸倒れを効果的に抑制することができる。
特に、凹没部730によって、突起部720の縮径方向への変位を許容する空隙Gが形成されると共に、弾性変形して復元力を発生させる薄肉部711が形成されている。そのため、縮径変形させ易くシリンダー300内へのスペーサー700の収容が容易となると共に、上述した復元力を容易に発生させることができる。ただし、凹没部730の構成は、特に限定されず、例えば、その幅W1が、突起部720の幅W2と等しくてもよいし、突起部720の幅W2よりも小さくてもよい。また、凹没部730を省略してもよい。
また、前述したように、光軸Oまわりに複数の突起部720を配置することにより、複数個所でスペーサー700がシリンダー300の内周面に当接する。そのため、シリンダー300内でのレンズアッセンブリー400の姿勢がより安定し、レンズアッセンブリー400の光軸倒れがより効果的に抑制される。特に、本実施形態では、複数の突起部720が光軸Oまわりに等間隔に配置されている。そのため、複数の突起部720がバランスよく配置され、上述の効果がより顕著となる。
本実施形態では、3つの突起部720が光軸Oまわりに略120°間隔で配置されているが、これに限定されず、例えば、4つの突起部720が光軸Oまわりに略90°間隔で配置されていてもよいし、6つの突起部720が光軸Oまわりに略60°間隔で配置されていてもよい。ただし、突起部720の数が増えると、その分、スペーサー700とシリンダー300との接触面積が増加し、これらの間の摺動抵抗が増大する。そのため、レンズアッセンブリー400の姿勢を安定させつつ、摺動抵抗を十分に小さく抑える観点から、突起部720の数は、3~5つ程度であることが好ましい。なお、シリンダー300の内周に対するスペーサー700との接触部分の長さの割合は、特に限定されないが、例えば、1/5以下であることが好ましく、1/10以下であることがより好ましい。これにより、スペーサー700とシリンダー300との接触面積を十分に小さくすることができ、これらの間の摺動抵抗を十分に小さく抑えることができる。
以上のようなスペーサー700は、例えば、次のようにしてスリーブ410に装着される。まず、スペーサー700を加熱して拡径し、次に、スペーサー700を中央部419に配置し、次に、スペーサー700を冷却して縮径することにより、スペーサー700が中央部419にガタツキなく装着される。別の方法として、まず、スリーブ410を冷却して縮径し、次に、スペーサー700を中央部419に配置し、次に、スリーブ410を加熱して拡径することにより、スペーサー700が中央部419にガタツキなく装着される。ただし、スリーブ410へのスペーサー700の装着方法は、特に限定されない。
以上のようなスペーサー700を用いることにより、次の効果を発揮することもできる。前述したように、光軸倒れを抑制するために、シリンダー300とレンズアッセンブリー400とを精転合の寸法関係で形成している。また、シリンダー300とレンズアッセンブリー400との摺動抵抗の低減を図るために、シリンダー300の内周面やレンズアッセンブリー400の外周面への表面加工を施す場合もある。しかしながら、スペーサー700によって光軸倒れを抑制することができるため、シリンダー300とレンズアッセンブリー400とを精転合の寸法関係で形成する必要がなくなるし、シリンダー300の内周面やレンズアッセンブリー400の外周面への表面加工も不要となる。そのため、カメラ100の低コスト化および生産にかかる時間(リードタイム)の低減を図ることができる。
なお、スペーサー700の構成は、特に限定されず、シリンダー300との当接部すなわち各突起部720の頂部だけをPOMで構成し、それ以外をPOM以外の樹脂材料で構成してもよい。このように、当接部とそれ以外の部分とで材料を異ならせることで、適度な硬さと優れた摺動性とを両立したスペーサー700を得易くなる。
以上のように、本実施形態では、第1~第3の手段の協働によって光軸倒れを効果的に抑制することができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、カメラ100の構成は、特に限定されず、例えば、第1~第3の手段から2つの手段を選択して組み合わせた構成であってもよい。
<第7実施形態>
次に、本発明のカメラの第7実施形態について説明する。
図44は、本発明の第7実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700の構成が異なること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図44に示すように、本実施形態では、スペーサー700に対して、シリンダー300との摺動抵抗を低減する潤滑処理が施されている。この潤滑処理として、各突起部720の先端面すなわちシリンダー300との当接部に潤滑剤Q1を含侵させている。これにより、各突起部720が優れた摺動性を発揮することができ、スペーサー700とシリンダー300との摺動抵抗を効果的に低減することができる。潤滑剤Q1としては、特に限定されないが、例えば、オイル(潤滑油)、グリス等が挙げられる。このように、当接部だけに潤滑処理を施すことにより、不要な箇所への潤滑処理がされず、カメラ100の製造コストおよびリードタイムを低減することができる。
以上のような第7実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第8実施形態>
次に、本発明のカメラの第8実施形態について説明する。
図45は、本発明の第8実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700への潤滑処理が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図45に示すように、本実施形態のスペーサー700では、潤滑処理として、各突起部720の先端面すなわちシリンダー300との当接部に潤滑剤Q2を塗布している。これにより、各突起部720が優れた摺動性を発揮することができ、スペーサー700とシリンダー300との摺動抵抗を効果的に低減することができる。潤滑剤Q2としては、特に限定されないが、例えば、オイル(潤滑油)、グリス等が挙げられる。このように、シリンダー300との当接部だけに潤滑処理を施すことにより、不要な箇所への潤滑処理がされず、カメラ100の製造コストおよびリードタイムを低減することができる。
以上のような第8実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第9実施形態>
次に、本発明のカメラの第9実施形態について説明する。
図46は、本発明の第9実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700への潤滑処理が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図46に示すように、本実施形態のスペーサー700では、潤滑処理として、各突起部720の先端面すなわちシリンダー300との当接部に固体潤滑剤Q3が配置されている。これにより、各突起部720が優れた摺動性を発揮することができ、スペーサー700とシリンダー300との摺動抵抗を効果的に低減することができる。固体潤滑剤Q3としては、特に限定されないが、例えば、モリブテン系、グラファイト系、フッ素系等の固体潤滑剤を用いることができる。このように、当接部だけに潤滑処理を施すことにより、不要な箇所への潤滑処理がされず、カメラ100の製造コストおよびリードタイムを低減することができる。
以上のような第9実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第10実施形態>
次に、本発明のカメラの第10実施形態について説明する。
図47は、本発明の第10実施形態に係るスペーサーを示す部分拡大断面図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700の構成が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図47に示すように、本実施形態のスペーサー700は、各種セラミックス、各種金属材料等で構成されており、カメラ100の組立、使用により加わる力によっては実質的に変形しない程の硬度を有している。また、各突起部720に外接する円CRの直径は、自然状態においてシリンダー300の内径とほぼ等しい。具体的には、円CRの直径とシリンダー300の内径の差は、スリーブ410の外径とシリンダー300の内径との差よりも小さい。
以上のような第10実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第11実施形態>
次に、本発明のカメラの第11実施形態について説明する。
図48は、本発明の第11実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700の構成が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図48に示すように、本実施形態のスペーサー700は、半環状の2つの連結片701、702の両端部同士を連結することにより環状に形成されている。このような構成とすることにより、スリーブ410へのスペーサー700の装着が容易となる。つまり、まず、一方の連結片701を中央部419に装着し、次に、この連結片701と対向する側から他方の連結片702を中央部419に装着し、これら連結片701、702の両端同士を連結することによりスペーサー700が中央部419にガタツキなく装着される。このような構成によれば、前述した第1実施形態のようなスペーサー700やスリーブ410の加熱、冷却処理が不要となるため、スリーブ410へのスペーサー700の装着が容易となると共に、スペーサー700やスリーブ410の熱ダメージを防ぐことができる。
また、2つの連結片701、702は、互いに同一の形状である。具体的には、連結片701、702は、それぞれ、半環状のベース710と、ベース710から突出し、90°間隔で配置されている2つの突起部720と、各突起部720に対応して形成されている2つの凹没部730と、を有している。また、ベース710は、その両端部に一対の爪部712、713を有している。また、これら爪部712、713は、互いに逆側を向いている。そして、連結片701、702を円環状に配置し、爪部712同士および爪部713同士をそれぞれ係合することにより、環状のスペーサー700が形成される。なお、スペーサー700の状態では、4つの突起部720が90°間隔で配置されている。
このように、連結片701、702を同一形状とすることにより、連結片701、702を製造するための金型が1つで済むため、スペーサー700の製造コストを効果的に削減することができる。
以上のような第11実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。ただし、スペーサー700の構成は、特に限定されず、例えば、3つ以上の連結片を連結して形成されていてもよい。また、複数の連結片が異なる形状であってもよい。
<第12実施形態>
次に、本発明のカメラの第12実施形態について説明する。
図49は、本発明の第12実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700の構成が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図49に示すように、本実施形態のスペーサー700では、ベース710は、一部が欠損している環状である。つまり、ベース710は、C字状をなしている。また、両端部の離間距離D7は、中央部419の外径よりも小さい。このような構成によれば、スペーサー700をスリーブ410に対してスナップフィット装着することができる。そのため、スリーブ410へのスペーサー700の装着が容易となる。なお、欠損部の中心角θ7としては、特に限定されないが、120°以下であることが好ましい。これにより、3つの突起部720を120°間隔で配置することができる。
以上のような第12実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、スペーサー700の構成は、特に限定されず、例えば、環状のベース710にスリットを形成し、スリットを開くようにしてベース710をC字状に弾性変形させることができる構成であってもよい。
<第13実施形態>
次に、本発明のカメラの第13実施形態について説明する。
図50は、本発明の第13実施形態に係るスペーサーを示す斜視図である。
本実施形態のカメラ100は、スペーサー700の構成が異なっていること以外は、前述した第6実施形態と同様である。そのため、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態における図において、前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
図50に示すように、本実施形態のスペーサー700では、ベース710に弾性部714が形成されている。弾性部714は、蛇行形状をなし、弾性変形してバネのように伸縮可能である。そのため、弾性部714を伸張させてベース710を拡径することにより、スペーサー700をスリーブ410に装着することができる。これにより、スリーブ410へのスペーサー700の装着が容易となる。
また、自然状態では、スペーサー700の内径が中央部419の外径よりも若干小さい。そのため、スペーサー700は、弾性部714が若干伸長した状態でスリーブ410に装着される。これにより、弾性部714の復元力によって、スペーサー700が中央部419により強力に固定され、中央部419に対するスペーサー700のガタツキを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、3つの弾性部714が、隣り合う一対の突起部720の間に位置するように120°間隔で配置されているが、弾性部714の配置や数は、特に限定されない。また、弾性部714の形状についても、特に限定されない。
以上のような第13実施形態によっても、前述した第6実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明のカメラを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
100,100A…カメラ 200…ケーシング 201…高背部 201b…後面 202…低背部 202b…後面 210…ベースシャーシ 220…アッパーケース 221…挿通孔 300…シリンダー 300a…前方開口 310…小外径部 311…ネジ溝 320…中外径部 321…Dカット面 330…大外径部 331…Dカット面 340,350…段差面 380…ネジ溝 390…フランジ 400…レンズアッセンブリー 410…スリーブ 410a…前方開口 411…フランジ 412…フランジ 413…レンズユニット挿入部 414…段差面 415…ネジ穴 419…中央部 420…レンズユニット 430…鏡筒 440…レンズ群 450…絞り 500…移動機構 510…ロッド 520…ロッドヘッド 521…頭部 523…基部 523a…凹部 524…装着部 524a…凸部 530…ロッドガイド 540…圧縮コイルばね 550…送り装置 550A…マイクロメーターヘッド 551…スピンドル 552…スリーブ 553…シンブル 554…ラチェットストップ 560…筒状部 561…貫通孔 563,564,565,566…付勢片 563a,564a,565a,566a…内面 570…フランジ 571…壁部 590…当接面 591…傾斜面 592…凹部 592a…側壁 592b…側壁 600…撮像素子 610…第1回路基板 611…孔 620…第2回路基板 630…支持部材 640…IRカットフィルター 650…ICチップ 690…端子群 700…スペーサー 701,702…連結片 710…ベース 711…薄肉部 712…爪部 713…爪部 714…弾性部 720…突起部 730…凹没部 91…カメラ 911…フレーム 911a…ガイド溝 913…レンズ鏡筒 913a…第1の筒部 913b…第2の筒部 913c…第3の筒部 915…係合突起 917…レバー 92…カメラ 920…CCD 921…本体 921a…解除ボタン 923…撮影レンズ部 925…突出機構 927…ガイドユニット 927a…ガイド枠 927b…支柱 927c…スプリング 929…ロック手段 929a…係合板 929b…上下動アーム 93…レンズ鏡筒 94…レンズ鏡筒 931…固定板 932…固定筒 933,934…可動筒 935,936…鏡枠 937a,937b,937c…リニアアクチュエータ 941…ベース 941a…CCD 942…固定筒 943…カム筒 944…第1レンズ群 945…第2レンズ群 946…弾性片 B1,B2…ネジ B3…イモネジ C…クリアランス CR…円 D,D7,DDy1,DDy2,DDz1,DDz2…離間距離 F,F1,F2,F3,F4…力 F7…復元力 G…空隙 J551…中心軸 J590…中心 LC…レンズカバー LL…光軸方向 O…光軸 Pt…当接位置 Q1,Q2…潤滑剤 Q3…固体潤滑剤 R551,R590…直径 S…スペーサー W1,W2…幅 θ…傾斜角 θ7…中心角

Claims (18)

  1. シリンダーと、
    前記シリンダー内に配置されているレンズアッセンブリーと、
    前記レンズアッセンブリーから入る光を受光する撮像素子と、
    前記レンズアッセンブリーに対して光軸方向の結像側から前記光軸方向の力を加えることにより、前記シリンダー内で前記レンズアッセンブリーを前記光軸方向に移動させる移動機構と、を有し、
    前記移動機構は、
    前記レンズアッセンブリーの前記光軸方向の結像側に位置し、先端部が前記レンズアッセンブリーの基端部に接続されているロッドと、
    前記ロッドの基端部に配置され、基端面が光軸に対して傾斜する傾斜面を備えるロッドヘッドと、
    前記ロッドを前記光軸方向の受光側に送り出す送り装置と、
    前記ロッドを前記光軸方向の結像側に付勢する第1付勢部材と、
    前記ロッドを前記光軸方向に直交する方向へ付勢する第2付勢部材と、を有し、
    前記送り装置は、
    前記傾斜面に当接し、前記ロッドヘッドを前記光軸方向の結像側から押圧する押圧子と、
    前記押圧子を中心軸まわりに回転させながら前記中心軸に沿って変位させる操作部と、を有していることを特徴とするカメラ。
  2. 前記傾斜面は、平坦面である請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記傾斜面は、円錐状である請求項1に記載のカメラ。
  4. 前記ロッドヘッドは、前記ロッドに接続されている基部と、
    前記傾斜面を備え、複数の姿勢で前記基部に装着可能な装着部と、を有している請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカメラ。
  5. 前記第2付勢部材は、弾性変形により生じる復元力によって前記ロッドを付勢する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカメラ。
  6. 前記移動機構は、前記ロッドが挿通されている筒状の筒状部を備えているロッドガイドを有し、
    前記第2付勢部材は、前記ロッドガイドに形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカメラ。
  7. 前記光軸方向からの平面視で、
    前記ロッドは、前記光軸から離間して配置されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載のカメラ。
  8. 前記傾斜面に前記押圧子が当接することにより、
    前記光軸方向からの平面視で、前記ロッドヘッドが前記ロッドと前記光軸との並び方向に交差する方向に付勢されている請求項7に記載のカメラ。
  9. 前記光軸方向からの平面視で、
    前記第2付勢部材は、前記ロッドを前記ロッドと前記光軸との並び方向に交差する方向に付勢している請求項7または8に記載のカメラ。
  10. シリンダーと、
    前記シリンダー内に配置されているレンズアッセンブリーと、
    前記レンズアッセンブリーから入る光を受光する撮像素子と、
    前記レンズアッセンブリーに対して光軸方向の結像側から前記光軸方向の力を加えることにより、前記シリンダー内で前記レンズアッセンブリーを前記光軸方向に移動させる移動機構と、
    前記シリンダーと前記レンズアッセンブリーとの間に配置されているスペーサーと、を有し、
    前記移動機構は、前記レンズアッセンブリーの前記光軸方向の結像側に位置し、先端部が前記レンズアッセンブリーの基端部に接続されているロッドと、
    前記ロッドの基端部に配置され、基端面に凹部を備えるロッドヘッドと、
    前記ロッドを前記光軸方向の受光側に送り出す送り装置と、
    前記ロッドを前記光軸方向の結像側に付勢する第1付勢部材と、
    前記光軸方向に直交する方向から前記ロッドを挟持する複数の第2付勢部材と、を有し、
    前記送り装置は、前記凹部に係合し、前記ロッドヘッドを前記光軸方向の結像側から押圧する押圧子と、
    前記押圧子を中心軸まわりに回転させながら前記中心軸に沿って変位させる操作部と、を有し、
    前記スペーサーは、前記レンズアッセンブリーの外周面に配置されているベースと、前記ベースから光軸に直交する方向へ突出し、前記シリンダーの内周面に当接している突起部と、を有していることを特徴とするカメラ。
  11. 前記凹部は、凹球面状であり、
    前記押圧子の先端部は、凸球面状である請求項10に記載のカメラ。
  12. 前記凹部の曲率は、前記押圧子の先端部の曲率よりも小さい請求項11に記載のカメラ。
  13. 前記凹部の直径は、前記押圧子の先端部の直径よりも小さい請求項11または12に記載のカメラ。
  14. 前記移動機構は、前記ロッドが挿通されている筒状の筒状部を備えているロッドガイドを有し、
    前記第2付勢部材は、前記ロッドガイドに形成されている請求項10ないし13のいずれか1項に記載のカメラ。
  15. 前記ベースの外径は、前記シリンダーの内径よりも小さく、
    前記ベースの外周面と前記シリンダーの内周面とは、離間している請求項10ないし14のいずれか1項に記載のカメラ。
  16. 前記突起部は、前記光軸まわりに複数配置されている請求項10ないし15のいずれか1項に記載のカメラ。
  17. 複数の前記突起部に外接する円の径は、前記シリンダーの内径よりも大きい請求項16に記載のカメラ。
  18. 前記突起部と対向し、前記ベースの内周面から凹没する凹没部を有している請求項10ないし17のいずれか1項に記載のカメラ。
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