JP2023111355A - 畜肉加工食品の製造方法及び畜肉惣菜 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱後の畜肉表面上に調味液が良好な焦げ感を付与しつつ調味液が畜肉表面にとどまり、加熱後の畜肉の外観を効果的に向上させることができる畜肉加工食品の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対して1~30質量%の量で付着させる工程と、前記ホイップド組成物を付着させた食品を加熱させる工程と、を含む畜肉加工食品の製造方法である。前記ホイップド組成物として、ゲル化剤又は増粘剤を含有するものを用いることが好ましい。前記ホイップド組成物として、ゼラチンを含有するものを用いる事がより一層好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、油脂及び調味料を含むホイップド組成物を用いた畜肉加工食品の製造方法及び畜肉惣菜に関する。
従来、油脂を用いた組成物にて、加熱前の畜肉原料を処理する方法が種々知られている。
特許文献1には、乳清タンパク質を含む水溶液を起泡化して調製されるホイッピング物を、畜肉加工食品の原材料と混合する工程を有する畜肉加工食品の製造方法が記載されている。同文献には、当該製造方法は、ソフトな食感が付与され、畜肉本来のおいしさが維持又は増強されている畜肉加工食品を提供すると記載されている。
特許文献2には、マイクロ・ナノバブル発生装置により空気の微細気泡を調味液中に発生させた調味液に食品を塗布することを特徴とする食品の調味方法が記載されている。同文献には、当該調味方法は、味付け速度を速めることができ、味付けコストやエネルギーを大幅に低減することができるとともに、塩味は勿論のこと、旨味成分も十分に浸透させることができ、薄い味の調味液の浸透も十分に行える食品の味付け方法を提供すると記載されている。
しかし、これらの文献には、油脂及び調味液を含有させたホイップド組成物を畜肉表面に塗布することやそれによる外観向上効果に係る記載はない。
特開2004-141146号公報 特開2011-244807号公報
中食市場は拡大を続けており、市販の惣菜として様々なものが提案されている。中食市場において、惣菜に対する見た目への要求はますます強いものとなっている。豚肉、牛肉、鶏肉等の畜肉原料を用いた惣菜にとって、美味しそうに見せるため、焦げ感のある外観は大切な要素であり特に重要である。
また、焦げ感のある外観を付与するために、通常、畜肉原料に調味液を塗布して加熱するが、この調味液が視認しにくいと、大量生産の場合、調味液を十分量塗布しなかったり塗布していない箇所があることを確認できないまま加熱してしまう肉片があるという問題が存在する。この場合、加熱後、良好な外観が得られずに破棄せざるを得ない個体が生じる恐れがある。
これに対し、特許文献1及び2は、当該課題を検討したものではない。
従って本発明の課題は、畜肉の表面に塗布した状態が視認しやすい調味液を用い、加熱後の畜肉表面上に調味液が良好な焦げ感を付与して、加熱後の畜肉の外観を歩留まりよく効果的に向上させることができる畜肉加工食品の製造方法を提供することにある。また本発明の課題は、畜肉の表面に焦げ感を有する良好な外観が付与された畜肉惣菜を提供することにもある。
本発明者は、畜肉原料の表面に調味液を付与して得られる畜肉惣菜の外観を向上させる方法を鋭意検討していたところ、該調味液として油脂及び調味料を含むホイップド組成物を畜肉原料に付着させた後に加熱することによって本課題を解決できることを見出した。
本発明は上記知見に基づくものであり、油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対して1~30質量%の量で付着させる工程と、
上記ホイップド組成物を付着させた食品を加熱させる工程と、を含む畜肉加工食品の製造方法を提供するものである。
また本発明は、油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対し1質量%以上30質量%以下の量で付着させた後、加熱してなる、畜肉惣菜を提供するものである。
本発明により、畜肉原料の表面に塗布した状態が視認しやすい調味液を用い、加熱後の畜肉表面上に調味液が良好な焦げ感を付与して、加熱後の畜肉の外観を歩留まりよく効果的に向上させることができる畜肉加工食品の製造方法を提供できる。また本発明では、歩留まりよく製造できるうえ、畜肉表面に焦げ感のある良好な外観を有する畜肉惣菜を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施態様に基づき説明する。
本発明は油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対して1~30質量%の量で付着させる工程と、
上記ホイップド組成物を付着させた食品を加熱させる工程と、を含む畜肉惣菜の製造方法に関する。
また本発明は、油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対し1質量%以上30質量%以下の量で付着させた後、加熱してなる、畜肉惣菜に関する。
本発明により、歩留まりよく焦げ感のある良好な外観が得られる理由としては、以下が考えられる。該ホイップド組成物は、液状の起泡していない組成物に比して起泡することにより密度が低下するため、調味液が焦げやすくなる。これは加熱時に調味液が流れ落ちにくく適切に畜肉原料の表面に留まりやすいことも理由の一つと考えられる。またホイップすることで塗布したホイップド組成物がところどころで突起した状態になりやすく、突起している部分から焦げていくため、焦げが点在してできる状態となりやすい。焦げが点在しやすいことは、ホイップド組成物が塗布しやすく、畜肉原料表面に均一に塗布しやすいこととも関係があるとみられる。焦げが点在していると、焦げの箇所数が少なく焦げた一か所の面積が広い状態に比べて、バランスが良く、また見た目に美味しそうな外観が得やすい。
以上のことから本発明により、得られる畜肉の表面の見栄えを向上させることができる。
また、ホイップド組成物は、起泡前の調味液の透明性が高い場合であっても、起泡して泡を含むことで色が白っぽく着色しやすい。これにより、畜肉原料に付着させたホイップド組成物(調味液)が視認しやすいものとなるため、畜肉原料の各個体に漏れなく適切に調味液を塗布することが容易となり、歩留まりを向上させることができるほか、良好な外観を一層得やすくなる。調味液として着色した成分を用いて着色するのではなく、起泡により視認しやすくすることは、加熱後の食品に調味液中成分に起因した着色を避けたい場合にも有効である。
まずは本発明で用いる畜肉原料について説明する。
本発明において「畜肉」とは、例えば、豚、牛、羊、ヤギ、馬等の肉のみならず、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥肉やイノシシ、鹿等も含む。なかでも豚、鶏、牛、羊、カモの肉を用いることが、広く流通し加工に優れる点で好ましく、豚、鶏、牛の肉を用いることが最も好ましい。また本発明において畜肉とは、筋肉(枝肉を含む)、内臓肉、のいずれであってもよいが、通常食肉として使用される筋肉部分であることが好適である。
畜肉原料は、畜肉そのもののほかに、畜肉を用いた肉製品も含む。肉製品としては、ハムやソーセージ、干し肉、ハンバーグ、つくね等が含まれる。また畜肉原料は、畜肉に対して、ホイップド組成物を付着させる前の段階において浸漬処理や調味処理、インジェクション処理等何らかの処理が施されたものであってもよい。
本発明で用いる畜肉原料の形態としては、ステーキなどに用いられる厚切り肉、スライス肉(薄切り肉)、ブロック肉、角切り肉、細切り肉、ひき肉等が挙げられる。畜肉原料は、ホイップド組成物を付着させやすい点から、肉片一切れの表面積が大きいもの、例えば一切れの表面積が2cm以上であるものが好ましく、5cm以上であるものがより好ましい。
本発明は、ひき肉等の肉片一切れの表面積が小さな肉を用いてもよいが、この場合は、ひき肉とホイップド組成物を混合するのではなく、既に成形されたひき肉の表面にホイップド組成物を付着させることが外観向上を効果とする本発明の趣旨に沿うものであり好適である。既に成形されたとは、例えばミートボール、ハンバーグ、つくね等のように、塊状の形状にひき肉を成形している状態が挙げられる。なお、ひき肉以外の肉片(例えば細片肉等)で成形肉を形成する場合も同様である。また、肉の「成形」や「成形肉」の語は結着剤を用いて複数の肉片を固めることを指す場合があるが、本明細書でいう肉の「成形」や「成形肉」の語は、結着剤を用いずに複数の肉片を凝集させて塊状の形状にしている場合も含む。
畜肉原料は、ホイップド組成物を付着させる段階で未加熱状態であっても加熱された状態であってもよい。未加熱状態であることは、得られる畜肉惣菜の食感の柔らかさや歩留り向上の点で好ましい。未加熱状態とは例えば65℃以上5分以上の加熱処理が施されていないことを指し、60℃以上10分以上の加熱処理が施されていないことを指すことが好ましく、50℃以上5分以上の加熱処理が施されていないことを指すことが特に好ましい。
次いで、ホイップド組成物について説明する。
本発明で用いるホイップド組成物とは、油脂及び調味料を含み起泡されたものである。ホイップド組成物は好適には乳化物である。本発明者は畜肉原料の表面に調味液を付与する際に、調味液として油脂と調味料を有しホイップした組成物を用いることで、加熱後の畜肉表面上において、調味液が焼成前に適切に塗布されているか視認できる状態となる及び焦げ感を両立できることを見出した。上記のように、この理由としては、ホイップすることでどこに調味液が付着しているか視認できる点、ホイップすることで組成物が突起している部分から焦げていき、焦げが点在し適切な焦げ感を付与できる点等が考えられる。
畜肉原料に付着させるホイップド組成物の密度は0.95g/cm3以下であることが焦げのある外観を畜肉に付与しやすく、また塗布の視認性を向上させやすい点で好ましい。0.2g/cm3以上であることが塗布のしやすさ、ホイップド組成物の保形性がよく、食材への付着性の良さという利点がある等の点で好ましい。これらの点から、ホイップド組成物における密度は0.3g/cm3以上0.94g/cm以下であることがより好ましい。とりわけ、組成物に空気を適切に含ませることができる点から、ホイップド組成物における密度は0.4g/cm3以上0.93g/cm以下であることが特に好ましい。ホイップド組成物の密度を上記範囲に調整するためには起泡の程度を調整するほか、水の量や油脂の量、油脂種類やゲル化剤、増粘剤の種類や量を調整したり、起泡時の温度の調整をすること等が挙げられる。密度はホイップド組成物が10~15℃の状態で測定され、10~15℃の温度範囲の何れかの温度で上記範囲内であれば、当該温度範囲の別の温度で範囲外であってもよい。
ホイップド組成物は、調味料を必須とするものであり、これにより調味液として機能する。調味料としては、糖類、味噌、みりん、酒、醤油、麹、酒粕、出汁、酢、食塩等の塩、胡椒、甘味料、コンソメ、ケチャップ、カレー粉、アミノ酸、核酸、有機酸、pH調整剤等が挙げられる。糖類としては、ブドウ糖などの単糖類、ショ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、トレハロースなどの二糖類、オリゴ糖、デキストリン、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール、ハチミツ、水あめ、メープルシロップ等の液糖などが挙げられる。調味料は粉体であっても液体であってもよい。
本発明の焦げのある外観を得やすい点から、調味料は糖類、味噌、みりん、醤油、麹、酒粕から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、糖類を含むことがより好ましい。
ホイップド組成物が調味料を含む場合、その量は乾燥質量にて、ホイップド組成物中、
0.1質量%以上であることが、調味の点で好ましく、50質量%以下であることがホイップの点で好ましい。この観点から、ホイップド組成物中の調味料の量は、乾燥質量にて、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
またホイップド組成物が糖類を含む場合も上記と同様の量が好ましく、具体的には、ホイップド組成物中、乾燥質量にて糖類含量0.1質量%以上50質量%以下がより好ましく、1質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
なお、ここでいう乾燥質量とは、油脂分及び水分を除いた固形分の質量を指す。
上述した通りホイップド組成物は好適には乳化物であるところ、該乳化物は水中油型であっても油中水型であってもよいが、水中油型であることが調味の容易さ、保形性の調整の点から好ましい。
本発明では、ホイップド組成物が油脂を含むことで、油に溶解する成分を含有させることができ、畜肉加工食品に油を添加することができ、水分保持の点でも有利である。また、ホイップド組成物が油脂を含むことは、ホイップド組成物が乳化物となりホイップしたときに組成物が着色されやすく視認性を向上しやすい点や、起泡性を好適に調整でき、望ましい外観を得る上でも有利である。ホイップド組成物に含まれる油脂としては、食用油脂であれば特に限定はされず、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ココアバター、シア脂、サル脂、牛脂、豚脂、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、アマニ油、オリーブ油、サラダ油、乳脂等や、これらの加工油脂(水素添加油、分別油、エステル交換油)など特に限定なく使用することができる。特に本発明では常温、特に25℃で液状である油脂(以下「液状油」ともいう)を用いることが作業の容易性の点から好ましい。液状油としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、アマニ油、オリーブ油、サラダ油等が挙げられる。
ホイップド組成物に含まれる油脂の量はホイップド組成物中、10質量%以上であることが焼成時の水分保持や焼成後のテリつやの点で好ましく、70質量%以下であることが、ホイップド組成物の保形性の点で好ましい。これらの点から、油脂の量はホイップド組成物中、15質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることが特に好ましい。なおホイップド組成物が、仮に油脂及び油脂以外の成分の両方を含む材料(例えば油脂を含有する調味料等)を含む場合には、当該材料中の油脂分も上記油脂の量に含めるものとする。
乳化物であるホイップド組成物には水が含有されていることが好ましい。水の量は、ホイップド組成物中、30質量%以上90質量%以下であることが、ホイップド組成物の畜肉原料への付着させやすさや保形性の点で好ましく、35質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。なおホイップド組成物が、仮に水及び水以外の成分の両方を含む材料(例えば水を含有する調味料等)を含む場合には、当該材料中の水分も上記水の量に含めるものとする。
ホイップド組成物は、ゲル化剤又は増粘剤を含んでいることが保形性の利点があるため好ましい。ゲル化剤としては、例えばゼラチン、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、寒天などを例示することができる。また、増粘剤としては、例えばファーセレラン、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、キサンタンガム、タマリンドガム、タラガム、プルラン、トラガントガム、カラヤガム、ラムザンガム、ウェランガム、サイリウムシードガム等が挙げられる。中でも本発明で用いるホイップド組成物は、ゲル化剤又は増粘剤として、ゼラチン、寒天、キサンタンガムから選ばれる少なくとも一種を用いることが保形性の点で好ましい。とりわけ、焦げ感及び塗布の視認性の良好な外観を畜肉原料に付与しやすい点で、ゼラチンを用いることが最も好ましい。ゼラチンを用いると、焦げ感及び塗布の視認性の効果に優れた良質な泡立ちの組成物が得られる。
ホイップド組成物中のゲル化剤及び/又は増粘剤の量は、乾燥質量にてホイップド組成物中、0.001質量%以上であることがゲル化剤を使用することによる上記の効果が得やすい点で好ましく、30質量%以下であることが風味の点や製造適正の点で好ましい。これらの点から、ホイップド組成物中のゲル化剤及び/又は増粘剤の量は乾燥質量にてホイップド組成物中、0.01質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が特に好ましく、0.2質量%以上10質量%以下が最も好ましい。ゲル化剤及び/又は増粘剤の量はゲル化剤及び/又は増粘剤の合計量である。特に本発明のホイップド組成物がゼラチンを含む場合、ゼラチンの量が上記範囲内であること、つまりホイップド組成物中のゼラチンの量が、0.001質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下が特に好ましく、0.2質量%以上10質量%以下が最も好ましい。
ホイップド組成物は更に澱粉類を含むことが好ましい。澱粉類を含むことは保形性の利点がある。澱粉類としては、小麦、米、コーン、ワキシーコーン、馬鈴薯、タピオカ、甘藷等を由来とする澱粉及びその加工澱粉が挙げられる。該加工澱粉として、未加工澱粉にエーテル化、エステル化、α化、架橋処理、酸化処理、油脂加工等の処理の1つ以上を施したものが挙げられる。澱粉類としては、ワキシーコーン、馬鈴薯又はタピオカを原料にしたものが好適に挙げられる。
ホイップド組成物が澱粉類を含む場合、その量としては、0.1質量%以上であることが澱粉類を含むことによる上記の効果を得る点で好ましく、30質量%以下であることが
起泡させやすい点で好ましい。この観点から、ホイップド組成物は澱粉類を0.1質量%以上30質量%以下含有することがより好ましく、1質量%以上20質量%以下含有することが特に好ましい。
ホイップド組成物は調味料、油脂、水、ゲル化剤、増粘剤及び澱粉類以外の成分を含有できる。その様な成分としては、着色素材、香料、酸化防止剤、pH調整剤等が挙げられる。その他の成分の量には特に制限はないが、例えばホイップド組成物中、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
ホイップド組成物は、調味料、油脂及び水並びに好ましくはゲル化剤又は増粘剤を撹拌混合して起泡させることにより得られる。起泡はワイヤーホイップの付いたミキサー、圧力を用いた起泡方法、プッシュ式起泡容器などを用いて行うことができる。起泡の程度としては密度が上記範囲内となるように行うことが好ましい。起泡は常温で行うことができる。
ホイップド組成物は、十分にホイップされていることを反映して起泡による泡立ちが視認できることが優れた焦げ感及び塗布の視認性の点で好ましい。泡立ちは、例えばホイップド組成物を容器に入れたときに、少なくとも上側部分が泡立っている状態を指す。
ホイップド組成物は、流動性を有していることが塗布性の点で好ましい。この観点からホイップド組成物を得るための起泡に供する液は、25℃の粘度が3000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましい。なおホイップド組成物を得るための起泡に供する液の25℃の粘度の下限としては、100mPa・s以上であることが、得られるホイップド組成物が適度に畜肉表面上から流れ落ちずに保持されやすい点や起泡性の点で好ましい。ホイップド組成物を得るための起泡に供する液の粘度を上記範囲に調整する方法としては、水、油脂、ゲル化剤及び増粘剤の量の調整、油脂種類の調整、起泡の程度の調整、並びに起泡時の温度の調整が挙げられる。
ホイップド組成物は、畜肉原料100質量部に対し1~30質量部の量にて付着させる。ホイップド組成物の起泡から畜肉原料への塗布まで1時間以内であることが好ましく、塗布から加熱開始は1時間以内であることが好適である。この場合、ホイップド組成物は起泡から塗布まで常温で保管されていてもよく、冷蔵下で保管されていてもよい。なお、ここでいう常温とは、20℃±15℃の範囲をいう。畜肉原料が畜肉以外の成分を含む場合であってもホイップド組成物は、畜肉原料100質量部に対し1~30質量部の量にて付着させる。限定されるものではないが、ホイップド組成物は、畜肉原料が畜肉以外の成分を含有する場合、畜肉100質量部に対し30質量部以下の量であることも好ましい。
上記の量のホイップド組成物は、畜肉原料の表面に付着させる、より好適には畜肉の表面に付着させることが焦げの付与効果及び塗布の視認性の点から好ましい。更に具体的には、ホイップド組成物が畜肉原料における畜肉の少なくとも上側の表面に付着した状態で畜肉原料を加熱することが好ましい。
ホイップド組成物を付着させる際の畜肉原料の品温は20℃以下であることが、畜肉原料表面に付着したホイップド組成物の起泡状態が維持されて加熱できることの利点が得やすいため好ましく、-20℃以上20℃以下であることがより好ましい。
ホイップド組成物は、畜肉原料100質量部に対し1質量部以上の量にて付着させることで、加熱した畜肉の焦げ感及び塗布の視認性の向上効果が得られる。またホイップド組成物は、畜肉原料100質量部に対し30質量部以下の量にて付着させることで、調味や外観の向上の利点が得られる。これらの点から、ホイップド組成物の使用量は、畜肉原料100質量部に対し2質量部以上20質量部以下がより好ましい。
また上述した通り、本発明は外観向上のためにホイップド組成物を用いるため、基本的にホイップド組成物の実質全てを畜肉表面に付着させることが好適である。従って、仮に成形肉にホイップド組成物を用いる場合にはホイップド組成物を成形肉の内部ではなく、実質的に表面のみに配置するようにホイップド組成物を用いることが好ましい。この点から、加熱前において成形肉表面に存在するホイップド組成物の量W1は、成形肉の内部に存在するホイップド組成物の量W2に対する質量比率W1/W2が5以上となることが好ましく、8以上となることがより好ましく、10以上であることが特に好ましい。上記の通り、ここでいう成形肉とはひき肉等を集めた塊状の肉を含む。
次いで、ホイップド組成物を付着させた畜肉原料含有食材を加熱する。加熱により畜肉原料を焼成することが好ましい。
加熱、特に焼成する方法としては、直火、熱気流、遠赤外線、赤外線、マイクロ波、過熱水蒸気等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。本発明では、ホイップド組成物を畜肉原料における少なくとも上側に付着させた状態において、畜肉原料におけるホイップド組成物が付着した部分に対して直接的な加熱を行うことができる点で、直火、熱気流、遠赤外線、赤外線、過熱水蒸気から選ばれる少なくとも一種を用いた加熱工程であることが好ましく、とりわけ、直火、熱気流、遠赤外線、赤外線、過熱水蒸気から選ばれる少なくとも一種を用いた焼成工程であることが好ましい。例えば具体的な加熱装置としては、直火を利用するものとしてグリルが挙げられ、熱気流を利用したものとして、コンベクションオーブンが挙げられ、赤外線や遠赤外線を利用するものとしてオーブンやトースターが挙げられ、過熱水蒸気を利用するものとしてスチームオーブンやその他の過熱水蒸気式加熱装置等が挙げられる。従って、好ましい加熱装置としては、トースター、オーブン、グリル、過熱水蒸気式加熱装置が挙げられる。ここでいうオーブンには、コンベクションオーブン、オーブントースター、ジェットオーブン、ロースターオーブンが含まれる。また過熱水蒸気式加熱装置にはバッチ式のものも、連続式のものも含まれる。
ホイップド組成物を付着させた畜肉原料を加熱するために好ましい加熱温度としては、焦げ感や塗布の視認性が得やすい点や肉の食感の点から、80~500℃が挙げられ、100~300℃であることがより好ましい。過熱水蒸気を用いる場合は、過熱水蒸気が100℃超500℃以下であることも好ましく、より好ましくは100℃超300℃以下である。
ホイップド組成物を付着させた畜肉原料を加熱するために好適な加熱時間としては、2分以上30分以下であることが、照りのある外観が得やすい点や食感の点で好ましく、より好ましくは3分以上20分以下である。
上記で得られた畜肉加工食品は、そのまま焼き物類、蒸し物類等の畜肉惣菜とすることができるほか、惣菜の製造材料として用いることもでき、畜肉原料として豚肉を用いた場合には豚肉を含む惣菜となる。惣菜の種類としては、焼き物類、蒸し物類のほか、煮物類、茹で物類、炒め物類、揚げ物類、汁物類、丼もの類、丼もの以外の飯類、麺類、サラダ類等が挙げられる。得られた畜肉加工食品は既に加熱済みであることから、そのまま盛り付けに使用したり、他具材や調味液等と混合する等、簡便な工程により、惣菜を完成させることが可能である。
畜肉惣菜は、レトルト、冷凍及びチルドのいずれの方法で保管・流通されてもよい。畜肉惣菜は例えば冷凍又はチルドにより保管・流通されることが、風味、外観、食感の点で好ましい。冷凍又はチルド品である場合、喫食時における畜肉惣菜の加熱方法は、マイクロウェーブ加熱、オーブン加熱等が挙げられ、また、フライパンやトースター等を用いて畜肉惣菜を温めたり、食品を包材に密閉した状態でボイル加熱したりしてもよく、特に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。表1及び2の配合量の単位はgである。
〔実施例1〕
(1)ホイップド組成物の調製
ゼラチン(AP-200微粉:新田ゼラチン)0.5g、澱粉(日食コーンスターチ、日本食品化工株式会社製)5g、砂糖5g、液状油(大豆油)50g及び水139.5gを混合した。この混合液を水が沸騰するまで加熱し、非液体成分を溶解させた。この溶液を氷水で15分間冷却し、ゼラチン液を得た。ゼラチン液の起泡前の粘度は935mPa・sであった。
得られたゼラチン液を、bamix M300((株)チェリーテラス製)を用いて撹拌強度:1、30秒間、被撹拌物の温度25℃の条件にて起泡させ、水中油型乳化物であるホイップド組成物(調味液)を得た。上記ホイップド組成物の密度を、後述の方法により測定した。また、上記ホイップド組成物を目視で確認したところ、該組成物の下方は泡立っていないが、該組成物の上方に少量の泡が視認された。
(2)豚肉への付着、焼成
未加熱状態の豚肉(厚さ10mmのロース肉、一切れの表面積40cm、品温:10℃)の表面に、豚肉100質量部に対し、(1)で得られたホイップド組成物(調味液)を10質量部付着させ、表面全体に塗り伸ばした。組成物付着後の豚肉を網に乗せ、コンビオーブン(フジマック社製)にて、水蒸気100%、庫内温度250℃の条件下、4分30秒間焼成した。冷風冷却を10℃20分行った後、-40℃に設定したエアブラストフリーザーにて冷凍させた。ナイロン製のパウチに入れシールして-18℃の冷凍庫に入れ、冷凍品である畜肉惣菜を得た。
〔実施例2及び3〕
ゼラチン及び水の量を表1に記載の量に変更した以外、実施例1と同様として畜肉惣菜を得た。実施例2のゼラチン液の起泡前の粘度は854mPa・sであり、実施例3のゼラチン液の起泡前の粘度は1233mPa・sであった。
実施例2~3の各ホイップド組成物(調味液)は、該組成物の下方は泡立っていないが、該組成物の上方になめらかな泡が視認された。
〔比較例1〕
大豆油を添加せず、水の量を189gとした。その点以外は実施例2と同様にして、冷凍品である畜肉惣菜を得た。起泡前のゼラチン溶液の粘度は385.9mPa・sであった。調製したホイップド組成物(調味液)は、該組成物の下方は泡立っていないが、該組成物の上方に少量の泡が視認された。
〔比較例2~5〕
bamix M300((株)チェリーテラス製)を用いた撹拌混合に代えて、組成物の起泡を行わずにスプーンで混合して起泡していない調味液を得た。その点以外は実施例1~3又は比較例1と同様にして、冷凍品である畜肉惣菜を得た。
(物性測定)
・起泡前の粘度
B型粘度計(東機産業株式会社製、TVB-20L)を用いて、品温25℃にて、ローターM1、回転数60rpmの条件で、ローターの回転開始から1分後に測定した値である。
・ホイップド組成物の密度
密度は、10℃~15℃のホイップド組成物約90mlを100mlのメスシリンダーに隙間なく充填し、充填前後のメスシリンダーの重量差と、容量の値により求めた。
(評価)
各実施例・比較例における畜肉惣菜の製造中、焼成前における調味液の視認性を下記基準にて評価した。また、冷凍品である畜肉惣菜について、冷凍状態のままパウチから取り出して皿に置き、ラップをかけ、1切れを電子レンジで600W1分間加熱した。加熱解凍後の畜肉惣菜について、以下の基準で評価した。得られた評価結果を表1及び表2に示す。
●外観評価(塗布の視認性)
〇:塗布した調味液の泡状部分が見える。
△:塗布した調味液の泡状部分が少し見える。
×:塗布の調味液に泡状部分が無く見えにくい。
●焦げ付き評価
〇:形状の良い焦げができる。
×:焦げないもしくは少し焦げる。
表1及び表2に示す通り、油脂を含み、且つ起泡化を行った調味液であるホイップド組成物を用いた各実施例では、外観及び焦げ付きがいずれも高評価であり、見栄えが向上していた。これに対し、起泡化を行ったが油脂を含まない比較例1や、油脂を含むが起泡化を行わなかった比較例2~4の組成物、油脂を含まず起泡化も行っていない比較例5では、外観評価が低く、見栄えに劣る結果であった。

Claims (8)

  1. 油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対して1~30質量%の量で付着させる工程と、
    前記ホイップド組成物を付着させた食品を加熱させる工程と、を含む畜肉加工食品の製造方法。
  2. 前記ホイップド組成物としてゲル化剤又は増粘剤を含有するものを用いる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ホイップド組成物として、ゼラチンを含有するものを用いる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ホイップド組成物として、10℃以上15℃以下での密度が0.20g/cm以上0.95g/cm以下であるものを前記食材に付着させる、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記ホイップド組成物を付着させた前記食材を加熱する工程が焼成工程である、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
  6. 品温20℃以下の畜肉原料に対し、前記ホイップド組成物を付着させる、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7. 調味料が糖類、みりん、醤油、麹及び酒粕から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8. 油脂及び調味料を含むホイップド組成物を、畜肉原料に対し1質量%以上30質量%以下の量で付着させた後、加熱してなる、畜肉惣菜。
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